男「今日は2月14日ってだけだ!!」(26)


男「決して、女の子が甘いチョコを持って意中の異性に愛の告白をしたり」

男「『あたしを食べて♥』的な行為に及んだり」

男「幸せそうなカップルが往来を占拠したりする日では」

男「断じてな―――――――――――い!!」

男「はあはあ……」

男「…………」

男「今日は木曜日で、可燃ゴミの日で、電撃○sの発売日でもある!」

男「それだけだ!!」

男「それだけなんだ!!」

幼馴染「男~?」


男「…………」

男「……なんだ、幼馴染」

幼馴染「はいこれ」 スッ

男「…………」

幼馴染「どうせ、お母さんからだけなんでしょ?」

幼馴染「いっこじゃ寂しいだろうから」

男「…………」

男「うむ。 ありがたくもらっておく」

幼馴染「よしよし」

男「だが!」

幼馴染「!?」

男「これは単なる『お菓子』として! 受け取っておく!」


幼馴染「は? なんで?」

幼馴染「今日はバレンタイ」

男「否! 否!! 否ァァァッ!!」

男「今日は平日! 単なる『2月14日』! 木曜日で可燃ゴミの日!」

幼馴染「あ、そういえば電プレの発売日だったね♪」

男「その通り! 故に、何でも無い、日常の一日に過ぎないッ!」

幼馴染「でもやっぱり今日はバレンタイン」

男「否ァァァァァッ!!」


幼馴染「何でそんなに認めたくないのよ?」

男「若さ故の過ち」

幼馴染「ガノタはいいから」

男「……うっせーよ」

男「去年のホワイトデーで、21人から告白された記録を持つ幼馴染に」

男「ひと目で義理とわかるチョコ」

男「ブラッ○サ○ダー3個の俺の気持ちがわかってたまるか」

幼馴染「へえ? もういっこは誰?」

男「……弟の友達の女の子」

幼馴染「弟って……小学2年生の?」

男「そーだよ」


幼馴染「そんな小さい子からなんて、よく受け取ったわね……」

男「たくさんあるから、って、ぽいっと投げられたんだよ」

幼馴染「うわぁ……ありがたくも何とも無いわね……」

男「うっせーよ」

幼馴染「弟くんもブ○ックサ○ダー?」

男「……量も質も勝った事がねぇ」

幼馴染「哀れねー」

男「ホントにうっせーよ!?」


男「だから今日は、単なる『2月14日』って、思い込む事にしたんだ」

幼馴染「余計悲しくない?」

男「ほっとけよ!」

幼馴染「うん、ほっとく」

幼馴染「あたしは、本命チョコ渡しに行くし」

男「……さいですか」

男「ちなみに誰に渡すの?」

幼馴染「言う訳無いでしょ」

男「それもそーだな」

幼馴染「……じゃあね、男」


男「…………」

男(幼馴染……誰にあげるのかなー)

男(本命がイケメン、対抗が友)

男(穴で少年……ってとこか)

男(…………) ○ラック○ンダーを見る

男(大穴の俺は消えた……と)

     テク テク テク…


男「…………」

男(下駄箱……机の中……)

男(何もなし……と)

男「今日は2月14日……平日の2月14日……」ブツブツ…

友「はよー」

男「友か」

友「今年も来たなーこの日が」

男「何の事だ。 今日は平日、2月14日の木曜日で可燃ゴミの日だ」

友「…………」


友「まあ、いいけどさ」

友「おまー何個もらった?」

男「ただのお菓子なら3個」

友「へえ! やるじゃん!」

男「全部ブラッ○サン○ーだ」

友「ああ……ひと目で義理とわかる」

男「言うなァァッ!」

友「悪ィ悪ィ」

男「……で? お前は?」


友「いっこ」

男「……かーちゃんか」

友「うんにゃ」

男「へ?」

友「女ちゃんから」二ヒヒ

男「」

友「いやー言ってみるもんだね♪」

友「ダメ元で女ちゃんの愛情入りチョコが欲しいって言ったら」

友「あげるつもりだったよ♥って、これくれたんだ♪」


男「マジっすか……」

友「言ってみるもんだね~」

友「じゃあな、男」

男「…………」

男「う、羨ましく、なんか……」

男「…………」

男(ちくしょー)


なんやかやで放課後

男「…………」

男「……はあ」

男「帰るか……」

幼馴染「男ー」

男「……幼馴染?」

幼馴染「一緒に帰ろ」

男「は? イケメンにチョコ渡したんじゃねーのか?」

幼馴染「渡したよー? ブ○ックサ○ダー」

男「おま……他の女子に睨まれるんじゃないのか? それ……」

幼馴染「いいじゃん。 イケメンくんは、本命じゃないし」


男「ほう? じゃあ友か?」

幼馴染「違うよ」

男「少年?」

幼馴染「ブッブッー」

男「じゃあ誰なんだよ」

幼馴染「教えなーい」

男「ったく……」


幼馴染「で? 男は、その後」

幼馴染「お菓子はもらえたの?」

男「……3個のままです」

幼馴染「ふふふ」

男「…………」

幼馴染「ん? もしかして気に触った?」

男「……幼馴染」


幼馴染「なに?」

男「本命チョコくれって言ったら、くれるか?」

幼馴染「!?」

幼馴染「……何よ、いきなり」

男「い、いや……友の奴が、ダメ元で女ちゃんに……」

男「…………」

男「訂正する。 欲しいと思うから、欲しい」

幼馴染「…………」

幼馴染「本当に?」

男「ああ……って、何度も言わせんなよ」///

幼馴染「ふーん」


     ゴソゴソ…

幼馴染「はいこれ」

男「は!?」

幼馴染「本命チョコだけど?」

男「い、いや、なんつーか……」///

男「っていうか、朝のやり取りは何なんだったんだよ!」

幼馴染「んー? 男ってばさ、全力でバレンタインデーを否定してたし」

幼馴染「……男に好かれているって、分かってからにしたかったから」///

男「……」///


幼馴染「でも、さ」///

幼馴染「これで……両想いだって事……だよね?」///

男「お、おう……」///

幼馴染「ふふふ」///

男(……ちくしょう、めちゃくちゃ可愛い)///

男「……ふ、ふん」///


男「……ホワイトデー」///

男「これより、いいもの返してやるからな!」///

幼馴染「うん!」///



     今日は2月14日、バレンタインデー

     多くのカップルに幸あらん事を……



     おしまい

以上。童貞の妄想でした!

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