P「伝説と幻の対談、ですか」(48)


日高舞と音無小鳥にこんな過去があったかもね、って言う話

それを対談形式でやってみたいと思い立って書いた

キャラは原作に忠実とは言いがたい

以上


P「はい、わかりました」

P「では、後程連絡させていただきます」

P「はい、失礼します」

P「うーむ……」

小鳥「どうしました?」

P「え、あー……」

小鳥「出演依頼の電話でしょう?」

小鳥「最近あの子たちも人気急上昇中ですし」

小鳥「誰が出演するんですか?」

P「……音無さん」

小鳥「はい、何ですか?」

P「音無さんへの依頼です」

小鳥「…………ピヨッ!?」

小鳥「わ、私ですか!?」

P「そうです」

小鳥「そそそそんな、何で私に!?」

小鳥「あ、きっとあれですね!」

小鳥「765プロの裏側に迫るとか、そんな感じの企画でしょう!?」

P「音無さん」

小鳥「それとも、彼女たちの舞台裏に迫る、かしら」

小鳥「まさか、巷で密かに人気の美人事務員の素顔に迫るかしら!?ピヨー!!」

P「音無さん!」

小鳥「そしてその取材で人気が出た私は……」

小鳥「ピヨピヨピヨ……」

P「お と な し さ ん!!!!」

小鳥「は、はい!」

小鳥「こちら765プロダクションです!」

小鳥「……って、プロデューサーさんじゃないですか、どうしました?」

P「……向こうには、OKと返事しておきますね」

小鳥「あ、はい、どうぞ……?」

アイドルマスターアップ  ―伝説と幻の邂逅―      Vol.100

今回、本誌企画「アイドルマスターアップ」の連載は百回を迎えました。
いつもなら、今をときめくアイドルを呼ぶこの企画。しかし、記念すべき
百回を迎えたのだから、やはり大物を迎えたい!
そこで今回は、伝説のアイドルこと日高舞、幻のアイドルこと音無小鳥の
お二人に来ていただきました!


――今回は、私たちの企画に参加していただき、ありがとうございます。
  正直なところ、来ていただけるとは思っていませんでした。

日高:そうね。私もあまり気が乗らなかったのよ。

――あ、そうなんですね(笑)なぜ心変わりを?

日高:娘が楽しかったって言ってたからね。ならいいかなって。

――愛ちゃん※1ですね。いやあ、そんな風に言っていただけるなんて、
  ありがたい限りです。
(※1 日高愛。日高舞の娘で、気鋭のアイドル、第78回に登場。)

音無:私は、ここにいていいのか未だに疑問なんですよね。読者も「誰、
   このおば……お姉さん」とか思ってますよ。

――言い直すんですね(笑)

音無:まだまだ、心はうちの子たちよりも若いつもりですから。

日高:あなた、お子さんがいたかしら?

音無:事務所の子のことです。

日高:そうなの、ごめんなさいね。

音無:切なくなるので、やめてください。

――まあまあ(笑)事務所の話が出たので、音無さんは今最も勢いのある事
  務所の一つ、765プロダクションで働いているということですが。

音無:そうですね。主に事務などをやっています。ライブでアナウンスを
   することもありますよ。

――この企画にも、何人か来ていただきました。

音無:如月※2は喜んでいましたよ。自分の情熱を思う存分話せたって。
(※2 如月千早。随一の歌唱力を持つアイドル。第72回に登場。)

――いやあ、あれには私たちも圧倒されました。読者からの反響も凄かっ
  たんですよ。

音無:そうなんですか?彼女も喜ぶと思います。

日高:あなた、普段からそんな他人行儀に呼んでたかしら?

音無:そんな訳無いじゃないですか。場に合わせてるだけです。

日高:そういうものかしら?

音無:あなたは傍若無人だから、わからないんです。

日高:随分なことを言うじゃない。でも残念、私は傍若無人じゃないわ。

音無:どこがですか。

日高:私は暴虐無尽なのよ。

音無:うまいこと言ったつもりですか?

――というか、自覚はあったんですね(笑)

日高:当たり前じゃない。

音無:余計に酷いのでは。

日高:暴虐無尽だもの。

――それにしても、お二人とも随分明け透けに話をしてますが、親交が
  あるんですか?

音無:ええ、まあ。

日高:事務所繋がりでね。最近のことだけど。舞ちゃん、ピヨちゃんと
   呼び合う仲なのよ。

音無:ちょっと、なにを口走ってるんですか!?

日高:嘴はあなたでしょ。真っ黄色じゃない。

音無:余計なお世話です!

日高:はやく結婚すればいいのに。

音無:嫌がらせですか!?

――仲がいいんですね(笑)意外、でもないのかな。この業界、広いよう
  で狭いですからね。お二人の過去を思えば、最近築いた関係という
  ほうが意外ですね。

伝説のアイドルの伝説


――過去といえば、日高さんは、現役の頃の人気は凄かったですね。

日高:らしいわね。私には実感がないけど。

――「日高でなければ、アイドルにあらず」なんて言葉もありました。

音無:泣きたくなる言葉ですね。

日高:私が言ったんじゃないわよ?

音無:知ってます。

――それだけ凄まじい人気だったという証ですね。伝説と呼ばれるだけ
  あって様々な記録が残っています。

日高:私をアスリートみたいに言われても困るんだけど。

――そう言わずに(笑)伝説その一、ランキングトップ二十位までを独占。

音無:改めて聞くと凄いですね。

日高:そんなに出したかしら?

――シングルが二十四枚で、アルバムが六枚ですね。

音無:怪物ですね。活動期間なんか三年も無かったと思いますけど。

日高:そういえば、いろんな人が楽曲を提供したいって来てたわね。

――伝説その二、ランキングトップ十位までを独占した期間が六十週超。

音無:ますます化け物ですね。

日高:誰かさんが止めてくれたけどね。

音無:そうなんですか。凄いですね、その人。

――それについては、後で触れさせていただきます。

日高:一体、誰なのかしらね。

音無:誰なんでしょうね。

――誰でしょう(笑)伝説その三、同日同時間帯の全ての民放番組に出演。

日高:そんなこともあったわね。どのチャンネルをつけても私がいるって
   面白そうだと思ったのよ。

音無:よく実現しましたね、これ。

――なお、本人はその放送時間帯に、ラジオの生放送に出演中。

音無:ひょっとして、これはギャグですか?実は双子だったりしません?

日高:夢の国のマウスと違って私はたくさんいるの。私は多分三人目よ。

音無:あなたは何を言ってるんですか?

――他にも、紹介しきれないほどあります。しかし音無さん、さっきから
  コメントが辛らつですね(笑)

日高:私が嫌いなのかしら?

音無:そんなことはないですよ。

日高:目をそらさないで欲しいわね。

シンデレラ・ストーリーは突然に


――アイドル街道を驀進していた日高さんですが、ここに一人のアイド
  ルが現れます。

音無:そうなんですね。

日高:白々しいわよ。

――それが音無さんなわけですが。

音無:そうは言っても、私はCDを一枚出しただけですし。

――ところがその一枚が凄かった。なにせ、日高舞のランキング記録を
  止めてしまったんですから。

日高:それも圧倒的一位で、ね。

――実は発売から今まで、ずっとランキング百位以内に入り続けている
  ロングセラーでもあります。

音無:そうなんですか?

――知らなかったんですか?これは最長記録らしいですが。

音無:ええ、今知りました。

――でも、それきり活動記録が一切無いんですよね。

音無:それは、その、怖くなっちゃいまして。

日高:私が、かしら。

音無:アイドル活動が、です。応援よりバッシングの方が多くて。

――そうだったんですか?

音無:脅迫の電話や手紙が凄かった、って言ってましたね。今だから、
   言えますけど。

――次の週では、また日高さんがランキングを独占してしまいした。

日高:とても残念だったわ。

――記録が止まって、ですか?

日高:そんなのはどうでもいいの。ようやく競い合える人が出てきたと
   思ったのに。

音無:もしかして、根に持ってます?

日高:あなたと違って、私は人間ができてるのよ。

そして伝説もいなくなった


――結局、日高さんは、この後すぐに引退してしまいましたね。

日高:そうね、もっと楽しいことを見つけたし、頃合いだと思ったの。
   彼女もいなくなってしまったし、このあたりが引き際だってね。

――当時の年齢を考えれば、驚異の判断ですね。

日高:そうかしら。誰も私のところまで来ないから、降りただけよ。

――結果として、伝説は神話になった感があります。

音無:よく引退できましたね。

日高:私の辞書には不可能とは……。

――書いてない、ですか?

日高:私を諦めさせること、と書いてあるわ。

音無:嫌な辞書ですね。さしずめ、日高流格言その一かしら。

――日高さんらしいです(笑)

日高:一冊あげるわよ?

音無:遠慮しておきます。

――私は欲しいですね。できればサイン付きで(笑)

時をかけるアイドル


――日高さんが引退したことで、アイドル業界は一時期どん底でした。
  しかし、最近では765プロダクションを始め、アイドル人気が、
  再燃しています。お二人はどう思いますか?

日高:そうね、やっぱり全体のレベルは上がってるわね。

音無:総合力で日高舞を超えるアイドルが、今後現れるとは思えないけ
   ど、一芸でなら勝ってる子はたくさんいますね。

――例えば、千早ちゃんとかですか?

音無:そうですね。歌なら、彼女は誰にも負けないと思いますよ。

日高:あら、娘だって負けてないわよ。それに、私もまだまだ負けるつ
   もりはないわ。

――日高さんは、つい最近、アイドルとしての活動を再開されました。

日高:ええ、娘も大きくなって手がかからなくなってきたし。今のアイ
   ドルに、私がどの程度通用するのかと思ってね。

音無:謙虚なことも言えるんですね。

日高:言ったでしょ。私は人間ができてるの。

――はは(笑)愛ちゃんは、どんな風に?

日高:嫌がってたわ。「私の人気が減っちゃう!」ってね。

――でも日高さんを諦めさせることは……。

日高:そう、不可能よ。

音無:愛ちゃんがきちんと育ったのが驚きね。

日高:あなたも子供をもてば分かるわ。

音無:うぐっ。

――日高舞の再来とも言われる、玲音ちゃんについてはどうですか?

日高;いい子よ。私と違って。

音無:あなたに比べれば、大概の子はいい子でしょうとも。

日高:でも私に及ばないわね。

――初のオーバーランクですが、それでも及ばない、と?

日高:それは私の時代にオーバーランクがなかったらからよ。

音無:それでも現役時代なら、でしょう?

日高:つまり今でも、よ。

音無:全盛期を過ぎてるじゃない。

日高:あら、私はいつだって全盛期よ。

音無:いいことを言ってるけど、年齢には勝てないでしょう?

日高:丁度いいハンデよ。それでも、私には及ばないわ。事実、彼女は
   ただの玲音ではなく、日高舞の再来と呼ばれている。

――手厳しいですね。同時に凄い自信です。

日高:だって私は日高舞だもの。

音無:日高流格言その二ね。

アイドルはアイドルの夢を見るか


――互いにアイドルを引退した後も、かたや再デビュー、かたや裏方と
  して尽力しています。その魅力はどこにあるのでしょう?

音無:私は中途半端でやめちゃったから、その夢を皆に託してるってい
   うのが一つですね。それにやっぱり皆が成長して、どんどん活躍
   していく姿を間近で見れるのがどても嬉しくて。

日高:私は自分がどこまでいけるか試したいの。今は、かつてと違って
   私に届きそうな子がたくさんいるしね。レベルの高いアイドルと
   競演できて、とても充実してるわ。

――なるほど。お二人が本当にアイドルが好きだと伝わってきました。
  アイドル史に残る二人のお話が聞けて、とても興味深かったです。
  本日はありがとうございました。

日高:とても楽しい時間でした。娘の愛と私のこと応援してください。

音無:懐かしい思いでした。これからも、765プロをお願いします。

春香「日高舞ってやっぱりすごいんだなあ」

やよい「愛ちゃんのお母さんって、とっても凄いんですねー」

真「玲音にも負けてないなんて、どこからそんな自信がくるんだろ」

真美「ピヨちゃんだって凄すぎじゃん」

亜美「だよねー、伝説の伝説を止めるとか、かっこよすぎっしょー」

律子「あの音無さんがねえ」

あずさ「人は見かけによらないですね」

雪歩「音無さん、私たちのことをそんな風に思ってくれてたんですね」

伊織「ふん、絶対負けないんだから」

美希「千早さんの歌って、やっぱり凄いんだね」

千早「そうかしら、まだまだよ」

響「自分ももっと頑張らないとなー」

貴音「まだまだ、高みは遥か彼方のようですね」

P「音無さん、これ本当なんですか?」

小鳥「ええ、まあ」

P「そうかあ、本当に音無さんだったのかあ」

小鳥「ピヨッ?」

P「いやあ、日高舞が活躍してたときって、俺の学生時代ど真ん中なわけですよ」

小鳥「ああ、まあそう言われてみればそうですね」

P「学校中、誰も彼もが日高舞のファンでして、休み時間はその話で持ちきり」

小鳥「すごい時代でしたね」

P「そこにぱっと現れた謎のアイドル!いやあ凄かったなあ、あの騒ぎ」

P「そんな人と今一緒に働いているなんて」

小鳥「人生何があるか分かりませんね」

P「そうですねえ、こんな人がねえ……」

小鳥「プロデューサーさん、私、今ので深く傷つきました」

小鳥「今なら婚約指輪で手を打ちます」

Trrrr……Trrrr……

P「はい、もしもし」

P「えっ、はい、わかりました、本人に伝えます」

P「……音無さん」

小鳥「何ですか?」

小鳥「あっ、婚約指輪の前にプロポーズですか?」

小鳥「まだつきあってもいないのに、そんな……」

P「音無さん」

小鳥「ご両親への挨拶はいつがいいかしら」

小鳥「結婚式はやっぱり六月かしらね」

小鳥「ハネムーンは海外で……」

P「音無さん!」

小鳥「そして初めての夜を迎える二人……!」

小鳥「ピヨピヨ……ピヨォ……」

P「お と な し さ ん!!!!」

小鳥「は、はい!」

小鳥「音無小鳥、永遠の23歳です!」

小鳥「……って、プロデューサーさんじゃないですか、どうしました?」

P「音無さんに出演依頼です」

小鳥「ピヨッ!?」

P「日高舞、玲音、音無さんでユニットを組んで出演してほしいと」

小鳥「ピヨピヨッ!?」

P「日高舞と玲音からの指名です」

小鳥「ピヨッーーーー!?」

以上です

設定はいろいろでっちあげてます

エルビス・プレスリーや中島みゆきの逸話を拝借・改変してたりとか

続きって言われたから書いた

玲音を出してみたけど、キャラがいまいち掴めてない

アイドルマスターアップ  ―三つの頂点―        Vol.111

アイドルマスターアップもついに百十一回!これも、読者の皆様のおかげ
です。今回のゲストは誰より何より一の似合うアイドルが三人!つい先日
まさかのユニット「The Apex」を結成した伝説・日高舞、幻・音無小鳥、
そして本誌初登場!超越・玲音です!


――まさかの二度目の登場となりました。今回もよろしくお願いします。

日高:一って良いわよね。

――なんですか、唐突に(笑)

日高:今回の連載って百十一回なんでしょ?一が三つっていうのが、私た
   ちに相応しいなって。

――そうかもしれませんね。

音無:ちょっと舞。困ってるじゃない。

――いえ、そんなことは(笑)それより舞ちゃん、ピヨちゃんの仲だったの
  では?

音無:あれは舞の冗談です。前は舞さん、小鳥だったんですけど。

日高:ユニットを組んでから、呼び捨てるようになったのよ。舞、悲しい。

音無:あなたがそうしろって言ったんじゃないですか。無駄に力のこもった
   泣きまねをしないでください。

――あ、泣きまねだったんですね。驚きました。

音無:舞が余計なことするから、玲音ちゃんがしゃべれないじゃない。

玲音:二人を見てると楽しくてね。

――ようやく玲音ちゃんを呼ぶ事が出来ました。オファーをしては断られて
  半分諦めてました。

玲音:ごめんね。アタシは観客を楽しませるのが好きだから。間近で、顔を
   見れないこういう企画は苦手で。

――意外ですね。しかしこれでようやく読者の声に応える事ができました。
  玲音ちゃんを呼んでくれという手紙やメールがたくさん来るので。

玲音:そう?だったら嬉しいよ。

今明かされる衝撃の真実


――それにしても、意外でしたね。何故この三人でユニットを?

玲音:始まりは舞さんの思い付きからだよ。

――それはなんとなくわかります(笑)

日高:伝説と伝説の再来が組むのっておもしろそうって、ピンと来たのよ。

玲音:アタシも、それは楽しそうだと思って、話に乗ることにしてね。

――音無さんはどこから?

日高:ほら、仲間はずれにするのは可哀相じゃない?

玲音:実力は確かだし、この二人じゃ絶対まとまらないしね。

――確か一夜限りの究極ユニット結成という触れ込みだったのでは。

音無:私もそう聞いてたんですけどね。

日高:嘘に決まってるじゃない。

玲音:ごめんね。

――番組も騙したんですか。

玲音:予想外の人気だったから、って言っておけば何とかなるかなって。

――確かに素晴らしかったですが、何故わざわざ?

日高:こうでも言わないと、小鳥は来てくれないからね。

――そこまでして、音無さんと?

日高:そうよ。あの時見れなかった夢の続き、見たくなってね。

音無:私も、もしあの時、が見れて嬉しいですよ。忙しすぎることを除い
   て、ですけどね。

このアイドル、なんのアイドル?


――日高さんもそうですが、音無さんはブランクがあるのでは?

日高:ちゃんとトレーニングはしてたわ。アイドルを辞めてからも、ね。
   習慣になっちゃってたし。小鳥は、普通のおばさんになってるかと
   心配してたんだけどね。

音無:私!!本職!!事務員!!

玲音:聞いての通り、いい発声をしてるから大丈夫だと確信したんだ。

――はは、確かに耳がキーンとしてます。

日高:実は小鳥はアイドルをやめても、人前で歌うことは続けてたのよ。

――そうなんですか?

音無:ええ、まあ。

日高:とあるバーでね。

玲音:舞さんと聴きに言ったんだけど、あんな優しい歌は初めてだよ。

――それは私も聴きに行きたいですね。一体いつから?

音無:デビュー前からですね。人前で歌う訓練だって言われて以来ずっと。
   さすがに今はやってません。そんな時間がありませんし。

――それは残念ですね。

それにしてもこのアイドル、ノリノリである


――ところで事務はどうしてるんですか

音無:休職中です。

――大丈夫なんですか?というより、よく通りましたね?

音無:それが社長は即OKしてしまいまして。

日高:順ちゃん※1、小鳥のファンだものね。
(※1 高木順二朗。765プロダクション社長。)

玲音:そうなんだ。

音無:「小鳥くんの歌がまた聴けるとは!」なんて感動してましたよ。

――765プロダクションはちゃんと回ってるんですか?一ファンとして、
  とても心配です。

音無:大丈夫ですよ。765プロのスタッフは優秀ですから。

玲音:このユニットで765プロのアイドルと勝負するのもいいね。

音無:ええっ!?それはちょっと……。

日高:いいわね、それ。やりましょう。

音無:あなたが言ったら実現しかねないから、やめて。

――大変ですね、音無さん(笑)

音無:笑い事じゃないです。行動力も実行力も、半端じゃないんですから。
   そのうえ仕事は全身全霊。どれだけ振り回されたことか。

日高:ちょっと綺麗な星空が見たかっただけじゃない。

音無:それでクルーズ船を借り切っての外洋ライブはおかしいでしょう。

玲音:観客には楽しんでもらいたいよね。

音無:ゲリラコンサートで幹線道路が軒並み通行止めなんて初めてよ。

――着々と伝説を積み上げてますね(笑)

アイドルの歴史が、また一ページ


――さて「The Apex」というユニット名ですが。

日高:私は「三人娘でいこう」って言ったんだけどね。

音無:感性が古すぎです。

玲音:アタシたちのイメージには合わないよ。

日高:って言われちゃった。

――では誰が?

玲音:アタシ。「The Apex」、頂点って意味だけど、これはアイドルの頂点
   に立とうって意味じゃないんだ。誤解されやすいけどね。

――そうなんですか?私はてっきりそうなのかと。

玲音:そうだね。このメンバーだし、そう思われてもしかたないかな。でも
   込めた願いは、そうだね、簡潔に言えば「三位一体」かな。

――三位一体ですか。

玲音:アタシたち三人はそれぞれ得意な分野が違う。そして得意な分野では
   頂点に近い場所にいる、という自負もある。その頂点を線で繋げば、
   きっと見たことの無い三角形ができるんじゃないかってね。

――なるほど、確かに大きな三角形です。

玲音:ま、大きいだけに重心を取るのも難しいんだけどね。

日高:そこは小鳥のおかげね。私と玲音じゃ、自己主張が強過ぎるからね。
   足し算を掛け算にしてくれる、そんな存在よ。

――それは一体?

日高:足し算って同じものしか足せないじゃない?でも掛け算なら違うもの
   でも混ぜられるし、どんどんと変化していく。

――でも一より小さいと答えは小さくなりますよ。

日高:それは違うわ。一メートルを三つ足しても三メートル。ちょっと長く
   なるだけ。でも一メートルを三つ掛けると三立方メートル。いろんな
   物を受け入れる箱になるわ。次元が違うのよ。

――言われて見れば、そうですね。

日高:掛け算なら、皆違っていてそれでいい。いえ、違っていなければなら
   ない。でも足し算だと、皆同じじゃないといけないの。それは私には
   耐えられないわ。

――ともすれば、簡単にばらばらになってしまう二人を繋ぐ掛け算の符号が
  音無さんであると。

音無:符号だけじゃなく、数字も兼任ですね。とても大変です。

玲音:だけど、小鳥さんがいないと答えにならないからね。

――まさに縁の下の力持ち、扇の要、といったところでしょうか。

アイドルって、本当に素晴らしいものですね


――さて、これからこの「The Apex」は一体どこへ向かうのでしょうか。

日高:そうね。世界史に名前を残すことね。

――それはまた壮大な(笑)

玲音:アタシは観客動員数七十億人が目標かな。

――負けず劣らず壮大ですね(笑)

音無:普通の事務員に戻りたいです。

――しばらく叶いそうにありませんね(笑)それでは最後に、読者へのメッセー
  ジをお願いします。

日高:みんなまとめて相手してあげるから、ライブに来なさい。

玲音:足腰立たなくなるまで、熱狂させてあげるから、来てね。

音無:立てなくなっても、立たせてみせますから、来て下さい。

――際どい(笑)「The Apex」でした。ありがとうございます。

春香「あんまり言いたくないけど、反則だよね」

真「向かうところ敵なし、鎧袖一触だよね」

美希「ミキはまだあんなにキラキラできないの」

貴音「高みが更に遠ざかったような心持ちです」

やよい「際どいってなんですかー?」

伊織「ぎりぎりの発言ってことよ」

亜美「そんなこと書いてた?」

真美「ああ、うん、どうだろうね」

響「観客が失神するまで、やるつもりだからじゃないのか?」

千早「そういうことでは……、いえ間違ってはいないのかしら」

雪歩「失神するまで……、うぅ、とっても凄そうです」

あずさ「うふふ、きっと大盛況でしょうね」

律子「後で注意しておかないと駄目ね」

P「音無さん、これ実現したりしませんよね?」

小鳥「え、ええっと、あはは……」

P「え、本気なんですか?」

小鳥「それは、そのぅ……」

P「普通の事務に戻るなんて言わないでくださいよ」

小鳥「ピヨッ?」

P「三人のライブ、凄いじゃないですか」

小鳥「そうですか?」

P「そうですよ」

P「それに今の音無さん、凄く輝いてるし」

小鳥「そ、そうですか?」

P「活躍してる姿、好きですよ」

小鳥「プロデューサーさん、私、今のでいたく感動しました」

小鳥「結婚しましょう」

Trrrr……Trrrr……

P「はい、もしもし」

P「えっ、いや、それはちょっと……、それはもちろん存じてはいますが」

P「あっ、ちょっと!切られた……」

P「……音無さん」

小鳥「何ですか?」

小鳥「あっ、さっきの返事ですか?」

小鳥「女性からなんて、はしたなかったかしら……」

P「音無さん」

小鳥「でもここで躊躇したら駄目よね」

小鳥「それともプロデューサーさんから、改めて?」

小鳥「夜の街に消え行く二人……」

P「音無さん!」

小鳥「そして朝を迎えて……」

小鳥「チュンチュンチュン……」

P「お と な し さ ん!!!!」

小鳥「は、はい!」

小鳥「知識だけなら豊富です!」

小鳥「……ってプロデューサーさんじゃないですか、どうしました?」

P「765、対バンやろうぜって言われました」

小鳥「ピヨッ!?」

P「ついでに961とか876とか誘おうぜって言ってました」

小鳥「ピヨピヨッ!?」

P「どうせやるなら日本中のドームでやりたいって言ってました」

小鳥「ピヨッーーーー!?」

以上です

この三人が一堂に会したら、一体何を話すんだろうか

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