男「…俺は女を買いに来たんじゃない」
娼婦「なんだ、冷やかしか」
男「…」
娼婦「…さっさと退いてくれない?客が呼べないんだけど」
男「君は、どうして体を売るんだ?どうしてそんな檻の中から男を誘うんだ?出たくないのか?」
娼婦「好きで檻の中にいるわけじゃないよ」
男「知ってる」
娼婦「…あんた、私を怒らせたいの?」
男「いや、そういうわけじゃないよ?」
娼婦「じゃあさっさと退いて、客を呼べないから」
男「…いくらだい?」
娼婦「はぁ?」
男「だから、君はいくらなんだい?」
娼婦「!…これだけ」スッ
男「五万か。君、安いね」
娼婦「…金は中にいる受け付けに払って。そうしたらこの檻の鍵をもらえるから」
男「へぇ、そういうシステムなんだ」
ガチャン
娼婦「…『俺は女を買いに来たんじゃない』?よく言うよ。まあ、私は客がとれて万々歳だけどね」
男「うーん。ほんとに女を買いに来たわけじゃないんだけどね。けど、君を見て気が変わった」
男「君があんまりにも美人だからさ、近くでもっと見たいと思ったんだ」
娼婦「ありがとう。で、どこで"なさいますか"?お客様。『現・吉原』からは出られませんが」
男「…さっき、綺麗な河原を見つけたんだ。そこへ行こう」
娼婦「はい。(河原なんてあったかな…?)」
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