ねむいのでかいてく
すぐ終わらす
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男(俺の名前は男。ご先祖さまが織田信長ということだけがとりえの、ごく普通の高校生だ)
男(そんな俺がいつものように部活動(※帰宅部)に励んでいると)
男(とんでもない美少女から"魔法少年にならないか"といわれた)
男(何を言ってるかわからないと思うが)
男(俺も何を言われたのかわからなかった)
男「えっと」
QB「なんだい?」
男「魔法少年、とは?」
QB「キミたちは、"悪魔"という存在を知っているかい?」
男「え、何急に」
QB「悪魔は、人々に呪いを振りまく存在だよ。苦痛、絶望、虚無感……ありとあらゆる負の感情を人間に与え、死に至らせる。最凶最悪の生物さ。不可解な事故や自殺の原因は、ほとんどがこの悪魔によるものだ」
QB「その悪魔を浄化することのできる唯一の存在が、"魔法少年"」
QB「僕の役目は、その素質を持つ少年を見つけ、魔法少年にすること」
QB「理解してくれたかな?」
男「ごめんついていけない」
男(俺はこの子を哀れんでいた)
男(見た感じ中学生くらいの女の子。それもとびっきりの美少女なのに)
男(それなのに、頭が残念な子だ)
男(だって悪魔だの魔法少年だの、現実味がなさすぎて……)
QB「……どうやら信じては貰えないみたいだね」
男「まぁそうだな。信じられるわけがない」
QB「困ったね、まだ僕はこの街に来たばかりですぐによべる魔法少年もいないし…」
男(設定だけは凝ってやがるな)
女「あれ?男ー!」
男「あ、女さん。よー」
女「どしたの、こんなとこで立ち尽くして」
男(この人は女さん。俺のクラスメイトだ)
男「いや、ちょっとなんか変な子に絡まれててな」
女「ふーん……どんな子なの?」
男「そこにいる子だよ。悪魔だの魔法少年だの、うるさくてさ……」
女「…………?誰もいないじゃない」
男「………は?いやだってそこに……」
女「え、怖い……幽霊でも見てるんじゃないの?」
男「ちょ、そんなはずは……!」
女「ご、ごめん……先帰る。また明日!」
男「そ、そんな………!?」
QB「信じてくれたかい?」
男「…………!」
男「……な、何の手品だよ……」
QB「種も仕掛けもないよ。僕は素質のある子にしか見えないんだ。……いや、見えないようにしているんだ」
QB「契約以外では極力この世界に干渉してはいけないことになってるからね」
男「ま、マジ………なのか?」
QB「魔法少年のことかい?ああ、本当だよ。嘘なんてつくわけないじゃないか」
男「………………」
QB「ようやく、理解してくれたかな」
QB「じゃあ、改めて」
QB「僕と契約して、魔法少年になってくれないかな?」
男(思えば、このときからすでに俺の精神はおかしくなってたんだろう)
男(それも当然か、生まれて初めて美少女に声をかけられて)
男(何を言われるのかわくわくしてたら悪魔だの魔法少年だのわけのわからないことを言われ)
男(挙句の果てにはこの子自身の超常さを目の前で証明された)
男(さらに言えば俺には魔法少年とやらの素質があるらしい)
男(頭はパンク寸前だった)
男「魔法少年になって……俺にはなにかメリットはあるのか?」
QB「人智を超えた力が手に入るね」
QB「それともう一つ……」
QB「契約するとき、キミの好きな願いを、何でも一つ叶えてあげられるよ」
男(その状態でこんな事言われたら)
男(いやまぁ、正気ではいられないよな)
男「何でも一つ……か」
QB「興味がわいたかい?」
男「そうか……なら」
男「俺に惚れろ」
QB「」
男(ほんとに、なんで俺はこんな事を言ってしまったのか全くわからない)
男(でも後悔は先に立たず)
男(俺がその言葉を発した瞬間、全身が眩く輝き始め)
男(気付けば、赤色をした宝石を握りしめていた)
男(あとから聞いたところによると、この宝石はソウルジェムというらしい)
男(魔法少年の、証だそうだ)
QB「………………」
男「…………うっわ、すげぇ。なんだよこれ」
QB「……………」
男「まだ半信半疑だったけど……マジでお前の言ってること本当だったんだな」
QB「………………」
男「………おい、どうした?」
QB「……き、キミ、は……」
男「俺は?」
QB「なんという願いをしてくれたんだっ…………!!」ダダダッ
男「ちょ!?どこ行くんだよ!つーかこれの説明は!?おい、待て、待てって!!」
家ーーーーーーーーーーーーーーーー
男「……おーい」
QB「…………………」
男「目合わしてくれよ……」
QB「…………………」
男(なぜか急に逃げ出してしまったこいつを捕らえ、家まで連れてきたはいいものの)
男(さっきからずっとこんな調子だ)
男(ソウルジェムと、悪魔の結界……そして、こいつの名前、『キュウべぇ』)
男(これらのことを最低限話したきり、毛布にくるまりこんでしまった……)
男(物理的干渉はできるんですね……)
男「………拉致あかないな」バサッ
QB「ひぅっ!?」
男「おい、そろそろ説明してくれよ。なんで逃げるのかをさ―――」
男(肩をつかもうとする)
パシッ
男(弾かれた)
QB「僕に触るなっ!!」
男(…………………)
男(あ、やばい泣きそう)
QB「……っあ、ち、違う!そういう事じゃない……!だからそんな顔はしないでくれ……」
男「……じゃあ、どういうことなんだってばよ。こっちも訳が分からないんだよ」
QB「だいたい君のせいだろう!」
男「は?なんで俺?」
QB「君がっ!あんな願いを言うから!」
男「願い………?」
男(確か、「俺に惚れろ」っていう……)
QB「その願いのせいで、僕は……僕はっ………!」
男「……え、ちょ、待って」
男(つまり……)
男(俺の願いによって)
男(こいつが)
男(俺に)
男(惚れたってことで)
男「おk?」
QB「ぶん殴りたい……」
QB「ていうかそこの理解すらもまだだったのかい……?」
男「正直キャパ超えだったんだよ!理解するのも追いつかないようなことを立て続けに言われたからさぁ!」
QB「ぐ……そう言われると……ってことはあの願いも、その混乱の末に出されたものということかい?」
男「今でも何であんな事言ったのかわかんない」
QB「なんだよそれ…………!!」
男「てかさー」
QB「……なんだい?」
男「お前俺に惚れてるんだよな?」
QB「な、何を言ってるんだよ……」
男「その反応は普通に図星だろ」
QB「くぅぅっ……!自分で願っておいてよくもしゃあしゃあと!」
男「ならなんで俺を避けんだよ。俺のこと好きならもっとこう……」
QB「もっとこうなに!?僕に一体何を期待しているのさ……」
男「それはもういろいろと」
QB「殺したい………そうか、これが殺意というものなんだね……」
男「で、結局どうなんだよ」
QB「……僕はね、キミのことを好きになんてなりたくないんだ」
男「」
QB「元々、僕たちインキュベーターは感情というものを持っていない。感情なんてものは、極めて稀な精神疾患でしかなかった」
QB「感情は繁殖の邪魔になるからね。どこまでも合理性を求め続けた僕たちの種族は、生き残るためには感情はない方が良かったんだ。たとえは悪いけど、盲腸みたいなものさ」
QB「………でも、驚いたよ。君の願いはエントロピーを凌駕し、僕に感情を芽生えさせてしまった」
QB「だからこそ、君が憎らしい」
QB「感情を持つ今だから感じられる」
男「でもそれと同じくらい愛してると」
QB「そういうことさ。……ってちがぁぁぁう!!」
男「えっ、違うのか……」シュン
QB「えっ、あっ、ごめん!うそうそ!嘘だからっ……って……う、うぅぅ〜」
男(なんだこの可愛い生き物)
QB「……人の心を弄んで楽しいのかい」
男「いや、お前人じゃねぇし……」
QB「これでも知的生命体なんだぞ」
男「まぁ、そこら辺の女の子よりは数倍可愛いしな」
QB「かわっ………!?」///プシュー
男「……マジですごいんだな、魔法少年の願いって……」
QB「う、うぅ……君の場合、持っている素質が桁違いに大きかったせいもあると思うけど……」
男「素質の大きさ?人によって違うのか?」
QB「魔法少年の強さは、その人にかけられた因果の数で決まる」
QB「その人の存在……もしくはその人の祖先などが、どれだけの人に影響を与えたか、みたいなね」
男「あーなるほど……」
男(俺は織田信長の子孫だから……)
QB「…………………」
男「どうした?QB」
QB「……なんでもないよ。ところで、悪魔退治の件なんだけどね」
男「ああ、ソウルジェムを使って結界を探すんだろ?」
QB「……使い魔の結界と、悪魔の結界は一目見ただけで分かるようになってる」
QB「使い魔は、絶対に倒さないこと。これは規則だからね。守ってもらうよ」
男「………?わかった。元からグリーフシード落とさない使い魔は狩るつもりなかったけどな……」
QB「……………なら、いいんだ……」
あさ
男(…………ん)
男(……俺、寝てたのか……)
男(寝る直前の記憶が一切ないが……まぁ無理もないか、あんなことが起こったんだ)
男(…………夢じゃ、ないんだよな)
男「………よっと」
男(………ん?)
男(なぜだ、起き上がれな―――)
QB「スースー」ギュウウ
男「」
男「…………おい」
QB「……ん、ふ……」
男「………離せ」
QB「………すぅ、すぅ……」
男(幸せそうな寝顔しやがって……)
男「えいっ」デコピンッ
QB「たっ!?」
QB「い、痛い……!?何するんだ!」
男「……いい加減起きろ。俺が遅刻するだろ」
QB「そっちが勝手に起きてればいいじゃないか、ふぁぁ………………って」
QB「……………」←男の腕に足を絡ませる美少女
男「…………」←うんざりしながらも満更でもなさそうな男
QB「うわぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!」ドンッ!!
男「いっだ!?」
QB「ち、違うぞ!これは何かの間違いで……そう事故だ!偶然の産物だ!エントロピー増大の法則だ!」
男「どう事故ったらああなるんだよ……いってて」
QB「う、うるさいうるさいうるさい!いいから忘れてくれ!!……くそう、人間は今までこんなモノを常に宿してたわけかい……?」
男「わーったから落ち着け。……んじゃ俺学校行くから」
QB「えっ………」
男「一人暮らしだけどこれでも高校生なんだよ。学校私服だからよく大学生と間違われる」
QB「いや、そうじゃなくて………」
QB「僕を置いて行ってしまうのかい?」ウルウル
男「…寂しいならついてくるか」
QB「勘違いしないでおくれよ。いつどこで悪魔が現れるかわからないんだ。キミはまだ魔法少年になりたてだからね。僕が適宜サポートしてあげないと……」
男「へいへい、わかってますよーっと……」
男(……しかし、悪魔か)
男(今更だが、俺はこれからそいつらと命懸けの戦いを始めるんだな……)
男(…なーんて、今からそんな事考えても仕方ねぇか)
男(どうやら俺には素質があるらしいし)
男「……っつーか、学校ではなるべく話しかけるなよ」
QB「?どうしてだい?」
男「どうしたもこうしたも、お前は人から見えないんだろ?ならお前と話してるこの状況は傍から見たら変な奴が独りでぶつぶつ言ってるように見られる」
QB『その点については問題ないよ』
男(!?)
QB『必要なことがあればテレパシーで送るさ』
QB『もちろん、君が送りたいと思ったこともテレパシーを通じて送ることが出来るよ』
男『こいつ直接脳内に……!』
男(てか最初からその機能だけでよくね?)
男「……で、教室に着いたわけだけど」
QB「ここが男の通う学校か……なんていうか、地味だね」
男「進学校だからな」
男(設備ではなく授業費に極振りしてるのである)
男「それよりもだ。お前どこに座るの」
QB「…………………」
男「……図書室とかなら空いてるぞ」
QB「男と離れたくない」
男「」
QB「……あっ!違う!君と離れたら君の監視が出来ないじゃないか……!君のその膨大な力を悪用させないのも僕らの仕事だからね!」
男「お、おう………」
男(……これも全部、俺の願いによっていわば無理やり言わせてるようなもんなんだよな……)
男(なんか……虚しさと罪悪感が……)
QB「そうだね……なら僕は適当に教室内を動き回っているとするよ」
男「疲れないか?」
QB「疲れたら休むさ。ま、こっちは君以外の人間には認識されない。この学校には君以外に素質のある人間はいないようだし」
男「素質を持つ人間ってそんなに貴重なのか……」
QB「一つの街に2〜3人いたらいい方かな。それも当然だよ。宇宙のエントロピーを凌駕するほどの感情エネルギーを持っている個体なんて……」
男(なんかまた知らんワードが出てきた)
QB「……すまない、忘れてくれ」
男「忘れるっつーか理解もできんな」
QB「ならいいんだけど」
女「あ、おはよう、男ー」
男「あぁおはよう。女さん」
女「幽霊の女の子とはどうでした?」ニヤニヤ
男「う………」
男(そうだ……昨日こいつが路上で話しかけてきたとき、この人にその場面を見られてたんだったな)
男「……あぁ、それがな。聞いてくれ女さん……どうやら俺は、『使い手』だったようだ……」
女「なっ……男まさか……あなたも」
男「そうだ……俺の能力は『霊視』!この世ならざるものを見ることができる……」
女「ふふふ……あなたもそうだったとはね。これは面白いことになりそうだわ」
男「!?女さんっ……!まさか君もっ!」
女「私の能力は『閃光』!この世の真実を全て見通すことの出来る左目を持つわ!」
男「閃光関係ねぇ!」
女「何よノリ悪いわねー」
男「いや『霊視』!のあたりかたそこはかとなく後悔はしてたんだ」
女「でー、結局昨日のはなんだったわけー?どーにもからかってるようにも見えなかったんだけど」
男「あー……なんといいますか、その」
男『言っていい?』
QB『信じてもらえると思うのなら』
男『だよね』
男「よくわからん。女さんが行っちゃった後なんか見えなくなったし」
女「へぇ……なんか怖いね」
男「女さんそういうの苦手だっけ?」
女「ちょっとね〜」
男「なんか意外」
女「ほっとけ」
男「ははは」
キンコンカンコン
QB『……ほら予鈴だよ』
男「やべ、席戻らねぇと。じゃね女さん」
女「バイビー男また昼ねー」
男「おっす!」
男(なんとか上手く誤魔化せたけどなぁ)
男(……しかし、なんだろ。今日の女さん、いつもより馴れ馴れしかったような…)
QB『……君はあの女性とずいぶん仲がいいみたいだね?』
男『え?あ、あぁ……クラスの女子の中じゃ一番仲はいいな』
QB『なんだって?「使い手」?かっこいいねぇ、憧れちゃうよ』
男『な、何怒ってんだよ……』
QB『怒る?僕が?………なるほど、これが怒りという感情なんだね』
男『そんなもの確認しないで。てかマジでなんで怒ってんだ。あれか幽霊扱いしたのが気に食わないのか』
QB『……よくわからない。でも君とあの女が話しているのを見るとなんだかムカムカするんだ……こんなことは初めてだよ。なんなんだろうねこれ』
男「」
男『……なぁ、俺の願いさ、取り消すことって可能か?』
QB『できたらやってるさ』
男『だよね』
QB『やれるとしたら……君以上の素質を持つ魔法少年が君の願いを打ち消すくらいしか方法はないんじゃないかな』
男『ちなみに俺の強さって例えるとどのくらい?』
QB『パズドラでいうと闇カーリーだね』
男『アッハイ』
じゅぎょうちゅう
「……………」ヒソヒソ
「…………」ソワソワ
「…………………」モジモジ
男(……なんだ、妙に視線を感じる)
男(教室内にいるQBを探してみる)
QB「素晴らしい。なるほど、なぜ人間がこれほどまで線と色素の羅列の集合体に意味を見出すのか分からなかったけれど確かにこれは美しいと感じられるよ…!」
男(……連絡用黒板に書かれた落書きを見て感心してやがる)
男(いや、うまいんだけどね?)
男(ますますあいつらインキュベーターという種族がわからん……絵画のない知的生命体ってなんなんだ?)
男(と、いうわけでこの視線はQBのものではない……)
男(なら、誰の………)チラ
女子達「「「!!」」」ビクッ
男「」
女子達「…………」カオフセッ
女子達「…………」カリカリカリカリ…
男「」
男「何が……起こっているんだ……」
ひる
友「女子達から視線?」モグモグ
男「あぁ……今までこんなことなかったのにどうして急に……」パクパク
QB「男!僕にも卵焼きをおくれよ!」
友「それは彼氏いない歴=年齢の俺への当てつけということでいいのか?」
男「いや、そういうわけじゃなくて!どう考えても不自然だろ?お前なんか知らねぇか?心当たりとか……」
友「お前の身に覚えがないことを俺が知ってるわけないだろ。俺はお前の何なんだよ」
男「………だよなぁ」
QB「男?聞いてるのかい?返事をしてくれよ」
女「でも確かにさ、なんか男変わったよね」
友「はぁ?どこが?」
女「なんだろ、オーラ、かな?なんかすっごく安心するオーラが出てる……」
男「なんだよそれ」
女「でも、うん。やっぱり昨日までの男にはなかったものだよ。間違いない」
男「…………………」
男『やはり……魔法か?』
QB『その通りだろうね』
男『うわっびっくりした!……え?俺今テレパシー使ってたか?』
QB『人間の脳はデリケートだからね。つい無意識のうちにテレパシーしちゃうことはよくあることだよ』
男『つーかそれよりもお前……俺のこの状況がどういうものか知ってんのか?』
QB『あぁ。だいたい解析はできてる』
男『教えてくれよ』
QB『嫌だ』
男「………………」
男「すまん、トイレ」
友「あ?どうした急に」
男「すぐ戻るから」
女「え?トイレになんでお弁当がいるの?」
男「お前らに食われないためだよ!」
友「誰が食うかっ!って、……どうしちまったんだ?あいつ」
女「さぁ」
QB「美味しい……!素晴らしいよ、人間は……食事なんてただ命を繋ぐための儀式みたいなものだと思ってたけど……食事のたびに、君たちはこんな幸福を味わっていたんだね……」モキュモキュ
男「……俺の弁当半分やったんだ。話してくれよ。これはなんなんだ」
QB「もがもが………ごくっ、きゅっぷい。……ふぅ。君が女生徒の注目を集めている理由かい?」
男「あぁ」
QB「魔法少年の魔法はね、必ずしも全能というわけじゃないんだ。君ほどの素質があっても、やはりその使える魔法には偏りが出る」
男「偏り……だと?」
QB「そうそう。治癒に特化してたり、銃撃に特化してたり、時を止めれたり。魔法少年には、魔法少年に必須の身体強化魔法や武器精製魔法に加え、そういう特殊な魔法が発現する。特殊な魔法は一つ習得したらそれしか使うことは出来なくて……他の特殊魔法は習得できない」
男「それと何の関係があるんだ」
QB「そしてこの特殊魔法はね、最初、魔法少年が願った願いによって決められるんだ」
QB「病気の幼馴染みを治したいという願いなら、治癒の魔法が」
QB「大切な人との出会いをやり直したいという願いなら、時間遡行の魔法が」
男「……………おいおい、待て待て待て」
男「オチが読めたぞ」
QB「……そして、君は『自分のことを何とも思っていない女の子に自分を惚れさせたい』という願いをした」
QB「君の特殊魔法は、催淫魔法だ」
男「………あのー。QBさん」
男「ボク、この能力でどう戦えと?」
QB「心配する必要はないよ。魔法少年に必要な身体強化魔法と武器精製魔法。その二つさえあれば特殊魔法なんてなくても十分戦えるさ」
QB「それに君は100年に1度の逸材さ。大丈夫だ。この僕が保証する」
男「戦いたくねぇ……」
QB「ダメだよ、戦ってもらわないと。もとよりそういう契約内容なんだから」
男「くっそ………」
男(しかし、催淫魔法か……)
男「」スッ
QB「どうしたんだい?おもむろにソウルジェムを取り出して。あまり魔力は無駄なことに使わない方が―――」
男「……こうか?」キィィィ
QB「………〜〜〜〜〜ッ!?//////」
QB「あっ……かっ……ち、違う……違うぞ…………僕は………」
QB「男のことが………大好きで……大好きで………あ、あははは!そうだ!僕は男のことが大好きなんだ!」
QB「は、はぁ……はぁ……、男ぉ……、好きだよ男……」
QB「だから………僕と………」
男「ちょいまてストップストップ!!」キィィィ
QB「……………はっ!?」
男「………ぜぇ、ぜぇ、はぁ……なんっだこれ……軽く実験のつもりだったのに……」
QB「……相変わらず、桁違いだね。その魔力」
男「こええよ。なんだよこの力。惚れさせる能力じゃなくて人の心壊す能力だろもはや……」
QB「強すぎるもの大概だね……」
男「ってもう時間やばっ」
QB「あ、じゃあ帰ろっか」
男「しかしなんで友達普通にいる俺が便所飯なんて食わなきゃならんのだ……」
QB「契約者の宿命だよ」
男「嘘だっ!」
QB「急ごう。遅れるよ」
男「……なんか、茶目っ気出てきたよなお前」
男「初対面はなんだこのロボットみたいなやつとか思ったもんだが」
QB「……それが感情というものさ」
QB「あるとないとで、僕でもここまで変わることが出来る」
QB「うん、勉強になったよ。感情を持つことって、"楽しい"ね」
QB「僕は君のことが大嫌いだけどさ」
QB「これを教えてくれたことは……素直に感謝しておいてあげる」
男「へっ」
男(感謝しておいてあげる、か……)
男(昨日今日で感情を知ったやつが、いきなりツンデレ属性に目覚めますかね?)
ほーうーかーごー ホウカゴ
友「男ー、一緒に帰ろうぜ」
男「んだ、今日は部活いいのか?」
友「サボりまーす」
男「おまっ……そんな堂々と……」
友「たまにはいいだろ。お前いっつもひとり寂しく帰ってるもんな、同情もするわ」
男「……一人で帰れ」スタスタ
友「あ〜はいはいごめんごめんってば!ちょっとしたジョークだろ。本気にすんなって」
男「いや。実際今日は俺用事があってさ」
友「マジ?」
男「ごめんな、結構遠くまで行くから一緒には帰れねぇや」
友「ふーん……つまんね、じゃあ部活行くわ」
男「そんなんでいいのか吹奏楽部……」
ねむい
ねる
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