続・淡々と魚の話するわ(321)

前回とかぶらないようにやりたいとおもいます

前スレ
淡々と魚の話するわ - SSまとめ速報
(http://jbbs.livedoor.jp/internet/14562/storage/1382242604.html)

-コイ編-

男「おーい、パンプカしにいこーぜー」

友「おっ、久しぶりだな!行こ行こ!!えーと自転車の鍵どこやったかな・・・」

男「さ、乗れよ」 ←車

友「」

友「えっ」

友「・・・なにお前免許もってたの?」

男「いや普通に高校卒業するときとってたけど」

友「え、じゃあ車は」

男「そこのカーシェアで借りた」

友「なるほど」

男「6時間パックだから急ごう。パンも買わなきゃいかんしな」

・・・

友「あー、それにしてもやっぱ車っていいわー!冬なのに寒くない!!すごい!!」

男「しかも雨ふっても濡れないとか最強すぎるだろ」

友「わかる」

男「というわけで・・・今日はちょっと遠出しよう」

友「ん?いつもの橋じゃいかんのか?」

男「いや、最近あそこオッサン連中がよく釣りしてんじゃん」

友「あー、そういやそうだなぁ」

男「なんか吸い込み釣りしてるっぽいんだけど、パンプカやってっとすげぇ邪魔そうな目でコッチ見てくるんだよね」

友「タバコもポイ捨てしまくりだし団塊まじマナー最悪ですわ」

男「でもまぁ俺もヘラやってる横でバサーにキャストされまくったらブチ切れるかもしれん」

友「そりゃそうだけどさ・・・でも、俺らが先にあそこで釣ってたんだぜ」

男「うん、だから管理事務所に通報しといた」

友「ぐう畜」

男「遊漁券をもってるワイ、高見の見物」

友「え、俺そんなの持ってないぞ・・・なんてことだ、じゃあ俺は今まで密漁してたわけか」

男「あ、お前のも年間で買ってあるよ」ホラ

友「男さん素敵抱いて///」

・・・

男「このへんでいいかな」

友「うぅー寒ぃ・・・あぁいるな、こっからでも見えるわ」

男「よーし、じゃ始めるか」

友「うぃ」

男「よっと」

<バチャッ

男「よーしヒットー」

友「パンプカって基本入れ食い&爆釣だよな」

男「まぁ池にいるコイに餌やってんのと変わらないし」

友「そういやアレだよな。池のコイに餌やるとき手を叩くと寄ってくるっていうよな」

男「あぁ、コイ科やナマズ科なんかの骨鰾上目は音に敏感だからな」

友「へー」

男「ウェーベル氏器官っていう、背骨が進化した骨があってそこで音を拾ってるんだと。そいつが内耳と鰾をつないでるから、骨鰾ってわけだ」

友「すげぇな、骨伝導かよ。そういや昔骨伝導イヤホンってあったよな。流行んなかったけど」

男「補聴器の分野じゃ今でも使われてる技術だけど」

友「ふーん」

友「あ、俺もかかった」

男「んん」

友「んー、やっぱりいつもの川のほうがサイズはでかいな」

男「いやいや、これぐらいでちょうどいいだろ」

友「そういや、一番でかいコイってどんぐらいの大きさになるんだ?」

男「東南アジアにいるパーカーホって鯉は最大で全長3mくらいになるみたいだぞ」

男「http://www.nationalgeographic.co.jp/news/bigphotos/images/mekong-river-giant-fish-threatened-giant-carp_33709_big.jpg

友「でかすぎィ!!海のぬし釣りのクロマグロの最大サイズと一緒じゃないですか!!」

男「コイは寿命もハンパないからなぁ・・・この辺りにいるようなやつだって2~30年平気で生きるぞ」

友「マジかよ!」

男「おぉ、日本国内でも200年以上生きた花子っていう鯉がいるらしいぞ」

友「やべぇ花子さんマジぱねぇ」

男「ちなみにこいつらそんな感じでデカイわなんでも食うわ寿命半端無いわどこでも棲めるわで、世界の侵略的外来種ワースト100にエントリーしてるからな」

友「あぁ・・・まぁ、いつものあの洗剤の泡が浮いたような川にすらいるもんな・・・海外の池や川でも平気で生きていけそうな逞しさはある」

男「海外だけじゃないぞ。日本国内でも離れた地域の鯉を勝手に放流して遺伝子汚染が広がってるんじゃないかって懸念がある」

友「んん?同じコイなのに?」

男「いや、同じ種類の魚でも普通は地域によって微妙に個体差があったりするんだよ・・・しかも悪いことに、放流してる当事者は良かれと思ってやってるんだよなぁ」

友「あぁ・・・そういや前に俺も魚が増えていいじゃんとか言ったなぁ。アレはニジマスだったけど」

男「ま、何はともあれ元いた場所以外に魚を安易に放流するのはよくない、ってことだな」

友「せやな」

男「あとはさー、ちゃんと漁業資源として消費すればいいんだよ。実際美味い魚は取りつくされて減ってるんだから。コイなんて江戸時代じゃ高級魚だぞ」

友「そうはいってもなぁ・・・さすがにいつものあの川にいるコイは俺食いたくねぇぞ」

男「それは俺も同感だ」

男「・・・というわけで、今日はわざわざここまで来たんだよ」

友「ん?」

男「いや鯉こく作ってみようと思って」

友「マジか」

鯉「マジか」

男「いや・・・さすがに洗いは有棘顎口虫が怖いじゃん?」

男「http://www.pref.aichi.jp/eiseiken/5f/head.jpg

友「またその画像かよ!!やめろよ雷魚の時でトラウマになってんだから!!」ビクッ

男「なに、火を通せばただのタンパク質よ」

友「きがくるっとる」

男「よーし、じゃあ帰って掻っ捌いちまおう。早く熱燗が飲みたい寒い」

友「えぇー・・・熱燗はそそるけどさっきのアレで一気に食欲減退だわー」

男「お前いちいち寄生虫なんて気にしてたら人工物以外何も食えなくなるぞ」

友「いや分かってるけど食う前にわざわざ意識させないでくれよ・・・」

男「それに、お前の大好きな川のぬし釣りの母ちゃんストーリーのぬしは鯉だったろうが」

友「やべぇそういえばそうだった。しかも最後あれ食ってたな」

男「大丈夫だ、俺がきっちり食えるように料理してやるから」

友「うぅー、まぁこうなった以上食ってやるのが最大の弔いだよな」

鯉「いやリリースしてくれてもええんやで」

男「あぁ、最後に食ってやるところまでが釣り人の責任だ」

鯉(アカン)

・・・

男「・・・そろそろかね」グツグツ

友「どれどれ・・・うぉー、匂いは超美味そう」

男「ほい」

友「あぁ、サンキュ。じゃ、いただきます・・・・・うぉ!」

男「どうだ?」

友「脂のノリが想像以上だった・・・これが川魚なのか・・・?」ガクガク

男「おいC」(鯉だけに)

友「あー、でもまぁちょっと泥臭いかもな。牛蒡の香りで相殺されてほとんど気にならないけど」

男「いやこの香りがいいんじゃねーか。熱燗に超合うヤバイ」

友「うん、味はすごい美味い。あっ、山椒、有能」

男「あ、そうだ。はいコレ」

友「うぇ、なにこれ」

男「苦玉。コイの胆嚢だよ」

友「あ、いいです」

男「そうか。鯉胆っていって疲れ目に効く漢方なんだけどな」

友「へー」

男「ちなみにそいつ、たまにコイ毒が入ってるかもしれないというドキドキ感を味わえるぞ」

友「いやそんな宝くじみたいなノリで言われても。ていうか鯉って毒あんのかよ」

男「おぉ、食ったら最悪嘔吐下痢肝腎機能障害痙攣麻痺死亡しちゃうかもしれないヤクいアイテムだ」

友「なにそれバリバリ最強ナンバーワン感やばい」 ※分からない人は近くのオッサンに聞いてみよう

男「ちなみに解体中にコイツをつぶすと身が台無しになるから要注意やで」

友「マジでそういうトラップが平気で仕掛けられてるから魚って怖いわー」

-コイ編 おわり-

-番外編 こいこくの作り方-

【材料】
コイ:食べたいだけ(大体1人前150g~200gくらい?)
牛蒡:コイと同じ重さ分
削り節、もしくはだしの素:普通に味噌汁作る時よりちょっと少な目
味噌:味見ながら調整してね。赤みそや合わせみその方が私は好きよ。
生姜:半欠くらい(申し訳ないがチューブはNG)

①当然ですがコイは鱗と鰓、上記の苦玉を除去しておきましょう。あとは2cmくらいの筒切りでいいです。
捌けない人はお店で買ってきたらいいんじゃないかな。

②牛蒡はささがきにして酢水に晒しておきましょう。ちなみに酢水だとアクが良く抜けるらしいですが煮込んじゃえば正直よくわかりません。
生姜はみじん切りにします。

③鍋に水(目分量で鯉と牛蒡がひたひたになるくらい)を張って沸かします。
沸いたら牛蒡を入れ、やや薄めに味噌を溶きます。この時火力は弱火~中火でいいでしょう。

④汁が再び沸騰したら削り節(かほんだし)と鯉、生姜をいれて煮詰めます。コイは必ず沸騰してから入れるようにしましょう。

⑤気が済むまで煮込んだら火を止めます。だいたい具材の頭が汁から浮き出るくらいでいいでしょう。
気が済まない場合は足し水をして気が済むまで煮込んでください。ただしあまりやりすぎると鯉がフレークになります。

⑥うまい

食べる前にお好みでネギや山椒などを振ってもよいでしょう。レシピによっては牛蒡以外にも豆腐や根菜類、味噌のほかに酒や砂糖を入れることもあるようです。好きに煮なさい。自由とはそういうものだ。

本来こいこくは血抜きをせずに作るものですが、生臭いのが苦手な人は事前に切った鯉をさっと茹でてから血合いなどを流水で洗いながら取り除いておくとよいでしょう。

なお、この時も必ずお湯が沸騰してから魚肉をいれるようにしましょう。

ちなみに鯉こくは旧陸軍の軍隊調理法にもそのレシピが乗っています。

-番外編 こいこくの作り方 おわり-

-アメリカナマズ編-

男「♪~」

男「・・・・・・」

男「・・・・!?」

<バキィッ!!

男「」

・・・

友「で、男がこいこく作ってくれたんだけど」

桃「へぇ、男くん料理するんだ・・・って、そういえば沖縄きたときイラブチャー捌いてたね」

友「あぁ、魚料理なんかは結構アイツいろいろ作ってくr・・・」

男「友ォォォォォ!!」バターン

友「」

桃「」

友「うぉぉぉビビった!!どうした、いきなり!?」ドキドキ

男「えらいこっちゃ・・・戦争じゃ・・・あっ桃原さんひさしぶり」 ※桃原さん=友の彼女

桃「えっ、あっ、はい・・・お、おじゃましてます?」

友「いやそれよりもいきなり入ってくんな・・・ってお前、その竿どうした・・・」

男「この竿の仇は・・・うぅ、ワシが息がある内に・・・きっと取っちゃるがぁ・・・」エグエグ

桃「あらまぁ、こりゃまた見事に折れてるね・・・そんなに大事な竿だったの?」

男「この竿は・・・ワシが上京した折に初めて買ったもんじゃったぁ・・・」

桃「えっ」

友「あぁ・・・それで初めてお前んち行ったとき部屋に何もなかったのか」

桃「えっ」

友「でもそれ、ホムセンに1000円くらいで売ってる奴だろ」

男「馬鹿野郎!これはお袋から『上京したら生活用品を買うのに使いなさい』って貰った金で買った大事な竿だぞ」プンスカ

友「馬鹿野郎はあなたです」

桃「ま、まぁまぁ・・・それにしても、なんでこんなにボッキリと?」

俺「あぁ・・・それはな・・・」

友「・・・テナガエビ?」

男「あぁ、ちょっと今晩の肴に唐揚げでもと思ってな」

友「自給自足ライフ満喫してんなぁ」

桃「地元にもそういうおじさんいたなぁ」 ←沖縄人

男「で、とにかく釣ってたわけよ、テナガエビをね」

男「そしたらこう、いきなりググッとデカいのがかかってさ」

友「全長1mにも及ぶ超巨大テナガエビでもかかったか」

男「いや、多分ありゃナマズだな」

友「ナマズかぁ」

男「で、これからこいつ(竿)の弔い合戦じゃ・・・と思ってお前を呼びにきたんだけど・・・そうか、桃原さんと一緒だったか」

友「うーん、まぁ俺は構わないんだけども・・・」

桃「いいじゃんナマズ!!見たい見たい。いこー!!」ゴーゴー

友「・・・だそうで」

男「沖縄にはナマズいないからね。仕方ないね」

友「んーナマズかぁ・・・普通にシーバスロッドにルアーつけてけばいい?」ヨイショ

男「あー、一応仕掛けはもう現地に置いてきた」

友「・・・んん?」

男「うし、じゃあ行こう。今日は車じゃないからな。暖かくしてこいよ」

・・・

男「・・・あった、あそこだ」

友「なんだこりゃあ・・・杭に糸が結ばれて・・・っておい!なんか動いてる!!」

男「よっしゃ!かかってるぞ!!引け引けーッ!」ヨイショーッ

友「んんん!!結構引くななんだこれ!!」コラショーッ

桃「ナマズ!!」ウキウキ

<ピチピチ

友「うぉ、本当にナマズやん!!」(驚愕)

桃「あれ、これって・・・」

男「あぁ、桃原さんになら分かるかもな・・・これはチャネルキャットフィッシュ。通称アメリカナマズだ」

友「アメリカナマズ?」

男「北米あたり原産のナマズでな。ナマズと名がついてはいるが、日本のナマズとは科の一つ上にある上科からして既に違う種類だ」

友「上科?」

男「日本のナマズはナマズ上科・・・一方コイツはアメリカナマズ上科だ。霊長類でいったら、ヒトとオランウータンぐらい違う」

友「マジかよ」

男「よく見ろ、日本のナマズに比べて頭がでかくて体高もあるし、ヒレが大きくてスタイリッシュだろ」

男「http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/af/Silurus.jpg」(ナマズ)

男「http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/5/5f/Channel_Catfish.jpg/800px-Channel_Catfish.jpg」(アメリカナマズ)

友「うーん・・・あぁ、言われてみればそうかも」

桃「すごい!でっかいプレコみたいでかわいい!!」キラキラ

友「えっ」

男「おっと、何気にコイツも棘があるから素手で触らない方がいい」

友「出た、手袋してないとダメージうけるタイプのやつ」

男「こいつはな、環境省の指定で飼育・栽培・保管・運搬をすることが原則禁止されている」 ※外来生物法による

友「・・・ってことは、リリースするしかないってこと?」

男「さらにこの辺りの自治体じゃブラックバス、ブルーギル、チャネルキャットフィッシュを採捕した河川及びその連続する水域にこれを再び放してはならないと告示による指示が出ている」

友「もう(手の打ちようが)ないじゃん」

男「だから・・・こうして釣り上げた場合はそのままそこに埋めるか、ここで〆て食っちまうしかないのさ」スッ

友「うっ・・・おまえそのビクトリノックスはまさか」

男「俺のフィッシャーマンが火を噴くぜ・・・アイツの仇じゃ、命(タマ)ぁとったる」チャキッ

<ゴキッブチブチザクッポタポタ・・・

友「おぉ、もう・・・」

桃「へー、結構食べるとこ多そうだねー」ホホー

友「君もおかしい」

男「・・・本当ならこういう底魚は清水で数日養生させたいんだが・・・それをやると運搬・保管に当たっちまうからな」

友「まぁ、なぁ・・・にしても、わざわざここで捌かなくても」

男「血抜きしとけば少しぐらい気休めになるかと思ったんだが・・・ダメそうだな。捌いてる段階から既にドブ臭いもんコレ」

友「あ、でも持って帰るんだ・・・」

男「そりゃ、コイツの身体の数%は俺が食うはずだったテナガエビでできているわけだし」

友「いやまぁ確かにそれはそうだけどもさ」

男「第一竿も折られてるしな・・・メリケンにここまでシマぁ荒らされとっただじゃぁおかん」ビキビキ

友「でもそれ、どうやって食べるの・・・」

男「シンガポール国民の知恵を借りる」

桃「フィッシュカレーですね!分かります」

男「Exactly(その通りでございます)」

友「あー、まぁカレーなら多少の臭みはごまかせそうだよな」

男「いやそれが、既にこいつでフィッシュヘッドカレーを作った人のサイトを見たがそうでもないらしい」

友「先人がいるのかよ」(愕然)

男「タイ米の香りのおかげで何とか食えるようになったらしいが、最後の方は結構きつかったみたいだな」

友「それでも食おうってんだから、男は貪欲だなぁ」

桃「ねーねー、私も食べてみたい」

友「ブルータス、お前もか」

男「よーし、それじゃあ今夜はカレーパーティにしよう」

桃「おー!」

友「未だかつてこんなに心が浮き立たないカレーパーティがあっただろうか。いや、ない」ゲンナリ

男「よし、じゃあ帰りにタイ米買っていこう」

-アメリカナマズ編 おわり-

-ウミタナゴ編-

友「ん?お前の実家?」

男「あぁ。卒業する前に一回くらい遊びに来ないか?」

友「・・・・うん、悪くないな」

男「よーし、じゃ決まりだな」

友「あ、ちなみにどうやって行くんだ?新幹線?」

男「レンタカー乗り捨てで借りて高速かな」

友「どんくらいかかるの?」

男「えー、大体高速で4時間・・・それから船で2時間半・・・さらに港から実家まで車で1時間」

友「秘境か」

男「まぁほら、新幹線使うと高いし荷物もあるからな。船だって片道2000円以上するしな」

友「ま、まぁ俺は運転できないからお前がいいんならそれで・・・」

男「じゃ、明日出発ね」

友「はやい!はやいよ!スレッガーさんだってそこまではやくねぇよ!!」

一週間後・・・

友「ふぅー・・・ここから船かぁ」

男「ながもうどんうめぇ」ズルズル

友「何それうまそう」

男「おぉお前も食っとけ。島に入ったらロクな食い物ねぇぞ」ズルルルル

友「マジか」

-船上-

友「へー、思ったよりデカイ船だな。これなら揺れなそうだ」

男「・・・」

友「ど、どうしたんだ。そんなに殺気立って」

男「・・・二等船室はポジションどりを誤ると死ぬぞ」(迫真)

友「そ、そうなのか・・・」ゴクリ

男「ふー、なんとか角が取れたか・・・よし、毛布借りてくるから荷物みててくれ」

友「え?毛布?」

男「あぁ、横になった時にあったほうがいいだろ?」

友「んー、いやまぁ2時間半くらいならなぁ・・・船の中もいろいろ見て回りたいし」

男「そうか、それならいいが」

30分後。

友「」

男「ん?どうした。そんな切り干し大根みたいな顔して」

友「酔った・・・」

男「ほれみろ。だから横になっておれと言ったのだ」

友「ま、まさかこんなに揺れるなんて・・・」

男「でかい船は波が高いときよりうねりがある時の方が酔いやすいんだよ・・・ほら、俺の毛布つかえ」

友「あ、ありがと・・・」

男「ただでさえ車で長距離移動してるわけだしな。思ったより体力使ってんだから無理すんな」

友「あぁ・・・正直船ナメてたわ・・・ん、どこいくんだ?」

男「ちょっとラーメンとカツ丼食ってくるわ。うどんだけじゃ足りねぇ」

友(アカン)ウップ

2時間後。

男「うぃー、ついたぁー」

友「あれ・・・船降りたのになんでまだ揺れてるの・・・?えっ・・・?」フラフラ ←疲れてると本当にこうなります

男「うん、後はここから車で1時間だね」(ニッコリ)

友「殺して・・・いっそ殺して・・・」ゲッソリ

男「えーっと、多分この先にお袋が車回してるはずなんだけど・・・」

男母「あ、おーい!男ー!!」コッチコッチ

男「あ、いた」

友「」

友「えっ」

友(なっ・・・マジか、超若ぇ・・・)

男母「お疲れー、船揺れた?」

男「いや、あんまり。あ、コイツが友だよ」

男母「おー友くん!初めましてっ」

友「あっ・・・は、初めまして」

男「よーし、荷物乗せろー」

友「・・・おい、お前の母さん何、もしかして義母なの?」ヒソヒソ

男「は?んなわけねぇだろ」

友「いやだってアリャ若すぎるだろ!!」ヒソヒソ

男「世辞で時間を潰す必要はありません。事態は急を要しております」

友「荒巻課長・・・じゃなくて!!どうみても30代じゃねぇか!アホか!!あんなん、ウチのオカンヒバゴンやぞ!!」

男「お前自分の母親をヒバゴンってお前・・・」

男母「運転する?」

男「うん。あ、友酔ってるっぽいから隣乗せるわ」

男母「うん、あ、友くん椅子後ろに下げていいからねー」

友「は、はぁ・・・」

男「よーし、じゃあ出すぞー!!」プップー

男母「・・・あ、夕飯どうする?」

男「船で食ってきた。友も船酔いしてるし、今日は真っ直ぐ帰ろう」

男母「あ、じゃあ母さんおにぎり買うからコンビニ寄ってー」

男「あ、じゃあお茶も一緒に買っとくか。あと酒」

男母「あ、ビールでよければウチにあるよ?」

男「あ、マジ?友、ビールでもいい?」

友「ごめん今酒の話されると口からバブルスライム出そうだからやめて」ウップ

男母「・・・はい、狭い家だけどあがってー」

友「お邪魔しまーす」

男「ただいまー・・・あ、とりあえず荷物そこ置いとけ。あとで上にあげとくから」

友「あぁ・・・悪いな」

男「布団敷いてやるから、横になっとれ」

男母「あ、男ー、ちゃんとお父さんとこ顔出しなさいよー」

男「うん、わかってるよ。ほら、友あがって」

友「あ・・・・おう」

・・・

友「・・・すげぇな、海目の前じゃねえか」ザザーン

男「落ち着いたか?」

友「あぁ、大分な・・・それにしても本当に海近いな。ここの窓から釣りができそうだ」

男「津波が来たら一発だね」(ニッコリ)

友「その発想はこわE」

男「おまけに裏はすぐ崖だし。大地震来たら逃げ場はないから覚悟しろよ」

友「いやまぁ・・・でもそうなるよな。それにしても星が綺麗だなー。波音も聞こえるし」

男「観光で来る分にはロケーション最高だと思うぜ」

友「確かに」

男「ま、今日のところはゆっくり休んで、明日は早速釣行といきますか」

友「あぁ、そうだな・・・ってアレ、あの写真・・・」

男「ん、あれか?」

友「もしかして小さい頃のお前か?」

男「ああ」

友「男にもこんなショタな時期があったんだな・・・って、この頃から釣り竿握ってたんだな」

男「あぁ、それは俺が初めて魚を釣った時の写真だよ」

http://zukan.com/media/leaf/original/001656.jpg?width=1024&height=1024&type=resize

友「ふーん・・・なにこれ、タイの子ども?」

男「いや、ウミタナゴだ」

友「ウミタナゴ・・・」

男「まぁ、かくいう俺もこれを釣った当時は鯛が釣れた!!ってテンション上がってな」

友「はは、お前にもそんな時期があったのか」

男「で、親父もテンション上がってこの写真を撮ってくれたんだが、直後に近くにいたおっさんに『それタナゴだねーか』って言われて二人ともテンションダダ落ちだったな」

友「おっさんぐう畜」

男「ちなみにこのウミタナゴ、硬骨魚類では珍しく卵胎生で胎内で卵を孵してから仔魚を出産する」

友「へー」

男「なんで、安産のお守りみたいに扱ってるところもあるみたいだな」

友「なるほどね」

男「まぁ生まれるときは尻尾のほうから出てくるから、この辺じゃ逆子を連想させるっつって不吉な魚扱いされてるが」

友「うーん、地域によって変わるんだなぁ」

友「・・・それにしてもこの写真、随分よく撮れてんな」

男「あぁ・・・親父は仕事の傍ら写真家もやっててな。若い頃は個展とか開いてたみたいだぞ」

友「へぇ、そうだったのか。通りで」

男「ま、たまにはこうして線香あげに帰ってきてやらないとな」

友「・・・そうだな」

男「よし、じゃあ明日はウミタナゴ釣りに行くか」

友「お、じゃあそうするか・・・ってエサは?」

男「あー、こないだ帰ってきたときに買ったアミがまだ冷凍庫にあると思う」

友「大丈夫かそれ・・・」

男「なに、凍らせてしまえば問題ない。まぁ別に現地で捕まえてもいいんだけどさ。フナムシ速ぇし」

友「あぁ、スレッガーさんくらい速いからな。ありゃムリだよ」

-ウミタナゴ編 おわり-

-アイナメ編-

男「・・・おはよ、よく眠れたか」

友「おぉ、おはよ・・・なんかずっと波音が聞こえてるせいか溺れてる夢みたわ」

男「はは、そりゃ災難だったな。あ、船酔いはどうだ?」

友「んー、もう大丈夫」

男「よし、じゃあ顔洗ってメシ食うべ」

男母「あ、おはよー」

友「おはようございます」

男「おはよー。なんか食うもんある?」

男母「ごはんですよ!」

男「あとは?」

男母(ニッコリ)

男「・・・ちょっと冷蔵庫漁るよ」ゴソゴソ

男母「あ、何も入ってないよー」

男「おぉ、マジか・・・」

男母「うん。ここ最近はコンビニのお弁当食べてたから」

男「またササミチーズカツ弁当かよ・・・その歳になって身体に悪いっつの。どれ、冷凍庫は・・・」

男「・・・あれ?」

男「なぁ母さん・・・こないだ帰ってきたときに、冷凍庫に小さいエビみたいの入れといたと思うんだけど」

男母「あぁあれ?佃煮にして食べちゃった」ウフフ

男「」

友「おぉ、もう・・・」

男「・・・結局インスタントの味噌汁とごはんですよだけか・・・なんか朝からすまんな」モソモソ

友「い、いや全然・・・俺ごはんですよ好きだし・・・」モグモグ

男「だから言ったろ?島に入ったらロクな食い物ないって・・・」

友「い、いや・・・今朝は偶々だろ・・・?」

男「・・・あ、ビールあるけど」

友「いや朝からそれはさすがに・・・」

・・・

男「・・・はい、というワケでね。早速海へ来たわけですけども」

友「お前芋ジャーにサンダルって完全に地元民じゃねーか」

男「よーし、じゃあまず餌採るぞー」

友「は、はぁ・・・」

男「・・・うん、あったあった」

友「これは・・・古タイヤ?」

男「船が着岸するときの防舷材だよ。こいつを引き上げて・・・っと」

友「ぐ・・・・中に水が溜まってて重いな」

男「よしいいぞ、放せ」バシャーッ

友「ここに餌が?」

男「・・・あぁー、いたいた。ほれ、捕まえろ」

友「うぉ、なんだこれ、エビじゃん!」ピチピチ

男「イソスジエビだよ。まぁ向こうの釣具屋に売ってるモエビみたいなもんだ」

友「桃原さんとこにもこんなんいたなぁ・・・」

男「・・・よし、全部で18匹か。これだけ採れりゃ上出来だろ」

友「結構採れるのな」

男「昔はこれをその辺のたき火で焼いて食ってたけど」

友「なるほど、昔から野生児だったんだな、お前」

男「いやエビせんみたいで(うまい)」

友「よし、じゃあ早速いってみっか」

男「うん。あ、尻尾から掛けろよ。生エビは鉤持ちがよくないから」

友「はいよー。あ、タナは?」

男「ウキ下1mで十分」

友「ほい」

・・・

友「・・・あー、こうやって朝からのんびり釣りすんのもいいなぁ。海近いと羨ましいわ」

男「逆に言うとこれくらいしかやる事ないんだけどな」

友「まぁそういう名って・・・んん、食ったか?」

男「あー待て慌てるな。ウミタナゴは餌を吸ったり吐いたりして食うから、気持ち遅めにあわせろ」

友「あいよ・・・よし、乗った」

>>77
そういう名って→そういうなって



友「お、おぉ!?結構引くな・・・って、あ、なんかシマシマ・・・」

男「あぁー、シマダイですねぇ。イシダイの稚魚だよ」

友「マジかよ!磯釣りの王者じゃん!!」

男「そんくらいの大きさなら結構簡単に釣れるよ」

友「あ、そうなの・・・」

男「そいつ泳いでると乳首攻めてきて超痛い」

友「やめろよ」

友「・・・」

男「・・・」

友「・・・釣れないなぁー」

男「潮が止まったな・・・昨日の朝刊の潮目表みてくりゃよかった」

友「昨日の?」

男「ここ島だから朝刊昼にならないと届かないんだよ」

友「あぁ・・・」

友「・・・にしても、暇だなぁ。携帯も圏外だし」

男「よし、じゃあしりとりでもするか」

友「ぶふっ、お前、しりとりって・・・まぁいいけどさ」

男「じゃ、ジャンルで絞ってやるぞ。お題:少女漫画雑誌のタイトル。はい、しりとりの『り』でお前からな」

友「ふざけてんのかお前レベル1デスじゃねぇかそのお題」

・・・

男「・・・シール」

友「ル・・・ループ」

男「・・・プール」

友「・・・ルール」

男「ルノアール」

友「ル・・・ル、ルミノール!」

男「ルーブル」

友「よろしい、ならば戦争だ」ビキビキ

男「引いてるぞー」

友「んもう!!」

クサフグ「」プクー

友「・・・」

男「・・・」プークスクス

友「」パーン

男「おこなの?」

友「ムカ着火インフェルノォォォォォォウ!!」ビキビキ

友「いやしかし参ったなぁ、餌取りが出てきたか・・・」

男「よし、潮も止まったことだし第2ラウンドといくか。ほら、これに付け替えろ」

友「んん?なんだこれ」

男「ブラクリだよ。根魚釣る用の仕掛けだ」

友「あぁ、あの無限にウィンドウが開いたりする・・・」

男「あ、ハリスはそのままでいいぞー、細めのほうがよく釣れるから」

友(スルーされた・・・)ガーン

男「これより目標をウミタナゴからアイナメにスイッチする」

友「アイナメ?」

男「あぁ、カサゴやメバルなんかと同じカサゴ目の魚だ・・・近縁で言うと、ホッケなんかがいるな」

友「なるほど」

男「ちょうど今が旬だからな。釣りたてを刺身にすると抜群に美味いぞ」

友「へぇー、そりゃ楽しみだ」

男「それに、帰ったらビールもあるしな」

友「やべぇ俄然テンション上がってきた」

友「それにしてもこのブラクリ?真っ赤な錘に直接鉤がついて和製ジグヘッドって趣きだけど、こんなんで魚逃げないのか?」

男「いや、その形のおかげで独特な動きで落ちていくから、それで魚の気を引くんだよ」

友「なるほどねぇ、ある意味これ単独で疑似餌の一種でもあるわけかー」

男「ほら、下に敷石があるだろ?あぁ、あそこ見ろ。丁度でかいのがいるわ」

友「うぉ、マジだ・・・こうやって見釣りできるくらい水が透明なのもいいなぁ」

男「あいつの鼻先に落とせ・・・あぁブラクリがついてりゃクサフグは無視していい・・・」

友「なんだこれ超楽しい・・・おっ、気付いたな・・・」

男「まだだ・・・エビが見えなくなるまで待て・・・」

友「あぁーコツコツ来てますよ男さん!」

男「あ・・・食ったんじゃないか?ちょっとあげてみ?」

友「お、おぉぉかかってるかかってる!かかってるぞー!!」

男「よーし、やったな。25cmってとこか!」

友「なにこれ今までにない釣りだった!超楽しい!!」

男「むしろ俺はこうやって見釣りから始めたからさ。最初は逆にウキ釣りみたいな仕掛けが見えない釣りのほうが新鮮だったな」

友「いやー、でもこれここでしかできない釣りだと思うぜ。見ずが透明なだけじゃなくて、魚自体もスレてたらかかんないもんな」

男「楽しんでくれたようで何よりだ」

>>92
見ず → 水


友「で・・・この人、美味いの?」

男「あぁ、この辺じゃアブラメっつって、名前の通り脂のなった白身で美味いぞ」

友「あぁー楽しみだわー」

男「ちなみにコイツは、オスが卵を護るんだ」

友「あぁ、今はやりのイクメンってやつだな」

男「で、その時巣に近寄ったほかの魚に噛みつく様が『合い舐め』→『アイナメ』になったんだと」

友「ほほう・・・え、じゃあアブラメは・・・?」

男「オス同士が噛みつきあうわけだからな・・・『アブノーマルらめぇぇぇ!!』の略じゃね?」

友「あぁ^~」

男「ごめんいま適当に考えた」

男「ま、多分単純に脂がのってるからアブラメなんだろうな」

友「ですよね」

男「さ、残りのスジエビ全部使っちまおう。二人で食ううならあと2~3匹釣りたい」

友「あ、じゃあ俺向こうの端から海の底みてくるわ!!」タッタッタ

男「俄然元気になったなぁ、アイツ」

-アイナメ編 おわり-

ちなみにアブラメは刺身でおいしいけどリリアトレマっていう黒ゴマみたいな寄生虫がついてるときがあるぞ!

鮮度も落ちやすいから捌くなら早めにね!!

-ブリ編-

男「・・・あっ、そうだ」

友「ん?」

男「せっかくうちの地元に来たんだから、あそこ行っとくか」

友「あそこ?どこだよ・・・」

男「ヤスん家」

友「!!」 ※ヤリイカ編参照

・・・

男「ここだ」

友「」デケェ

男「ヤス帰ってきてるかなーごめんくださーい」ガラガラ

友「お、おぉそんないきなり・・・」

ヤス母「はーいーっておぉ、男くんか!?やー久しぶりー」

男「あ、どーもー。ご無沙汰してますぅ」

ヤス母「あれ?そっちんもんは?」

男「あぁ、大学の釣り友達っす。あの、ヤスって帰ってきてます?」

ヤス母「あぁーごめんなー、ヤス昨日麻雀やって寝とるわ」

男「んー、なら仕方ねぇか。じゃ、また来ます」

ヤス「あぁちょっと待っとって!!」タタタ

男「・・・ヤス麻雀やって寝てるって」ヒソヒソ

友「いや聞こえてたしヤスの現況語られても俺困っちゃう」

ヤス母「・・・これ、持ってってー」

男「えぇ鰤じゃないすか!?いやー、すんません!いつもありがとうございます!!」

ヤス母「いやーウチじゃ食いきれんし、勿体ねーから」

男「有難くいただきますねー、ほら、お前もお礼しろって」

友「へっ?あっ、あぁ・・・ありがとうございます」ペコ

ヤス母「うんうん、ゆっくりしていってなー」バイバーイ

友「・・・なんかいろいろと壮絶だった」

男「いやー、なんかヤスん家行く度に魚とか貰っちゃって悪いなぁー」ホクホク

友「なんつーかアットホームという枠を超えた地域の連帯感を垣間見たわ」

男「情けは人の為ならず、ってね」

友「それにしても立派なブリだなぁ」ソワソワ

男「うん、ブリっていうにはちょっと小さいかな・・・ワラサくらいか。冬はイカじゃなくてカニとかブリをやってんだよ」

友「うーん、向こうじゃ切り身しか手にしない・・・ていうか切り身ですら結構いい値段するからなぁ」ウズウズ

男「どうした、なんか落ち着きないな」

友「・・・すまん、男。俺、一回でいいからやってみたいことがあったんだ。ちょっとそのブリ持たせてくれないか?」

男「ん?あぁ、いいぞ。ほれ」

友「ありがと・・・よし、やるぞ・・・」

男「・・・?」

友「ヌオオオオオオオオオ!!きよまろ~!!」ダダダダダ

男「なっ・・・バカやめろ!!」(迫真)

石「足元がお留守やで」(ニッコリ)

友「あっ」ガッ

ブリ「私飛んでるわ・・・(アンバー)ジャックなだけに」ポイー ※ブリの英名はJapanese amberjack。

男「ブ」

男「ブリイイイイイイイイイイィィィィィィィ!!!」(咆哮)

・・・

男「よかった・・・ブリは無事だ」

友「ふえぇ・・・痛いよぉ」

男「バカめ、小学館の呪いだと思え。バカめ、小学館の呪いだと思え」

友「ウヌゥ・・・」

男「ほら、早く帰って手当てすんぞ」

友「はい」

男「ほら、これでも塗っとけ」ポイー

友「やべぇメンタムとか超久しぶりに見たわ」ヌリヌリ

男「お前メンタム馬鹿にすんなよ。俺の家では代々身体に何らかのダメージを負ったときはメンタムと決まってるんだ」プンスカ

友「いや別に馬鹿にしているわけでは・・・」

男「だいたいだな、俺は恵よりスズメ派なんだよ」プンスカ

友「それ以上いけない」

男「・・・よし、じゃあ食材もないことだし酒飲む前にこのまま買い出しに行っちまおうか」

友「へ?車は?母さん仕事に乗ってってるんじゃないの?」

男「あぁ、普通に納屋の軽トラ使うから」

友「えっ何軽トラまであんの」

男「田舎じゃ車の2台持ちなんて普通ですしおすし」

男「うーし、乗れー」

友「うわなにこれwwwwwww前方絶壁wwwwテンションあがってきたwwww」

男「お前、日本で最も売れてるオープン2シーターは軽トラだぞ」

友「いやまぁ確かにスペック的にはそうだけども、さすがにそれは語弊があるだろ」

男「よーし、シートベルトしめろよー。出すぞー」ブオオオオオオン

友「エンジン音うるせぇwwww」

・・・

男「よし、ついたな」バコーン ←ドア閉める音

友「まじドア閉めるために壊れるんじゃないか心配になるわ」ハラハラ

男「えーと、野菜類とあとポン酢と・・・」

友「ポン酢?」

男「あぁ、今日はブリしゃぶにしよう」

友「やべぇブリしゃぶとかテンション上がる!なんだよ全然島の中でも食い物あるじゃん」

男「まぁ魚とかはな・・・でもケンタッキーとかマクドナルドはないぞ」

友「いや別に旅先でまでそんなジャンクなもん食いたくないですし」

男「あとは日本酒っと・・・あー紙パックのでいいよな?」

友「いやせっかく米どころまで来たんだから地酒がいいなぁ・・・」

男「仕方ねぇな、その代り半分持てよ」

友「やったぜ」

友「・・・ところでブリの語源って何なんだろうな?ブリブリしてるから?」

男「一説によると江戸時代の生物学者の貝原って人が『脂多いから略してブラでいいじゃん(いいじゃん)』っていったのが語源だとか」

友「ブラ・・・だと・・・」ゴクリ

男「それが次第に転訛してブリになったって話だな」

友「なるほどね」

友「じゃ、ハマチとブリの違いは?」

男「ハマチはもともとワラサの関西方面の呼び方だな。どっちも最終形態はブリだよ」

友「あ、そうなの?でも、わりと関東のほうでもハマチって名称普通につかってるよな」

男「うん、最近じゃ養殖ものはハマチで、天然ものはワラサって呼ぶ傾向があるね」

友「へー」

男「元々ブリの養殖は西日本が中心になってやってるからな。それで多分、流通してる養殖ものはハマチって呼ぶようになったんだろう」

友「あ、そうだ・・・せっかくだから釣具屋寄ってこうよ。せっかく浜辺が目の前にあるんだし、投げ釣りもしてみたい」

男「ん、投げ釣りか。よし、じゃあイソメも一緒に買ってこう」

友「うひょー、シロギスとか釣れるかなー」ワクワク

男「いやー、この時期はもうキスはいねぇな・・・釣れてアイナメか、カレイだな」

友「おぉカレイいいじゃん!カレイ狙いでいこう!!」

男「わかったわかった」

-ブリ編 おわり-

-ホテイウオ編-

男「・・・あれー?」ガサゴソ

友「どうした?」

男「いや昨日買っといたイソメが見つからないんだよ・・・おかしいなぁ」

男母「あ、二人ともおはよー。何してんの?」

男「あぁ母さん、昨日ここに入ってたイソメ知らない?」

男母「あぁあれ?佃煮にして食べちゃった」ウフフ

男「」

友「」

男母「なーんて、冗談ですっ」

男「いや冗談に聞こえねぇよ。母さん本当にやりかねないから」

友「えっ」

・・・

男「友、投げ釣りは初めてか?」

友「あー、そういやそうだわ。チョイ投げはやったことあるけど。まぁ、キャスティング自体はルアーと変わらんし」

男「・・・ほら、大体あのテトラの手前20mくらいのところに根があるから、あそこ狙え」

友「えっ、あんな遠くをピンポイントで狙えってか」

男「あー慣れないうちは餌つける前に投げ込み練習しといたほうがいいぞ。ルアーみたいにお手軽キャストするとイソメ飛んでくからな」

男「こんな感じで・・・モーション大き目にして竿のしなりを使って投げる感じだ」ヨイショー

友「おーすげぇ。ほとんど狙ったとこジャストじゃん」

男「ほら、お前もやってみ」

友「ん、こうやってモーション大き目に・・・って」ヨイショー

友「・・・先生、自分が釣れまんた」鉤プスー

男「天然か」

・・・

友「・・・よし、やっと投げられた。で・・・後はどうすんの?」

男「ん、あとは5分に1回ちょっとずつ巻き上げながらポイント変えてって、ひたすら竿先にアタリがくるのを待つだけ」

友「ふむふむ・・・・あー、キャスト練習で汗ばんだからちょっと寒いな」

男「よっしゃ焚火しようぜ、おい流木拾ってこよう」

友「何それ超テンションあがる」ワクワク

<パチパチ・・・

友「おー、あったけぇ・・・ていうか熱いくらいだ」

男「あーやっぱ焚火はいいなぁ・・・あとはアタリがくれば完璧なんだが・・・」

友「なんだか火を見てると神聖な気分になるなぁ・・・」

男「・・・」

友「・・・無線の線が見つからねぇ・・・おー、あったあった」フヒヒ

男「待て変なとこ行くな帰ってこい」

友「にしても、こんなにアタリが出ないものなの?」

男「まぁ、普通投げ釣りは2~3本の竿で扇状に広範囲を攻めるもんだからなぁ」

友「あー、そういうことか」

男「ただまぁ今日はさすがにちょっと渋いかな・・・どうする?家から本持ってこようか?」

友「あ、うん」

男「広辞苑と家庭の医学どっちがいい?」

友「マンガがいい・・・」

・・・

男「・・・マンガっつってもなぁ、実家にはほとんど残してないし」

<・・・!?

男「お、寄生獣みっけ」

<・・・キテル!?アッ、カカッテル!!

男「・・・やべぇ久々に読んだら結構面白い」パラパラ

<ヨッシャー・・・ッテナニコレー!!?

男「ミギーさんまじイケメン」ペラッ

<オ、オトコー!!

男「ん?なんか外で友が騒いでるな・・・」

男「おーう、どうしたー!!」

友「ちょっとぉぉぉ!なんか変なの釣れたー!!物体エックス釣れたー!!」

男「あー、今行くから待ってろー」ヨッコイセ

・・・

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/f/f3/Smooth_lumpsucker.jpg

友「あ、ほらこれ!何このこれ!!」デローン

男「んー・・・おぉ、これホテイウオ・・・か?」

友「ホテイウオ・・・?フグの水死体かと思ったぞ」

男「へー、こんなとこでも釣れんだなぁ。初めてみたわ」

友「カレイだと思ってワクワクしながら引き揚げてみたらこれがついてた俺のショックは計り知れない」ゲンナリ

男「まぁそう落ち込むな。北海道じゃコイツをゴッコって呼んで味噌仕立ての鍋にするらしいぞ」

友「・・・え、これ喰うの?」

男「もちろん」

友「マジかよ・・・ドラクエだったら船手に入れてから中盤で現れるタイプのモンスターといっても過言ではないフォルムしてんぞ」

男「男は度胸!なんでも試してみるのさ」

友「うへぇ・・・」

・・・

男「結局あの後粘って釣れたのはホテイウオとベラだけでした!」

友「おぉ、もう・・・」

男「しかしこれどうやって捌くんだ?文字通りつかみどころがないな」ヌルヌル

友「お前が捌くの難儀するなんて、それ本当に食えるのか?」

男「ええいままよ」ザクッドゥルン

友「う、うわぁ・・・」

男「・・・とりあえずぶつ切りにしてみまんた」

友「ぐろいです」

男「アンコウかな?」

友「現実から目をそむけてはいけない」(戒め)

男「あぁそうか、もしかしてアンコウみたいに吊るし切りするのが正解だったのかなこれ」

男「・・・とりあえず味噌仕立てで鍋にしてみたけど」

友「一緒に入ってるネギと豆腐が辛うじて鍋の体裁を保ってるな」

男「まぁでも白子も大きかったし割と美味そうだぞ。それにさっき調べたらコイツカサゴ目みたいだし、味は悪くないと思う」

友「本当かなぁ・・・前に見た目が悪い物にうまいものなしってフラグ立てちゃったから・・・」 ※ワラスボ編参照

男「どれ、じゃあ俺から食って見るよ」イタダキマス

友「・・・どう?」

男「・・・うん・・・うん・・・うまい、ね・・・・あ、うん。うまいよこれ」モグモグ

友「な、なんか微妙な間があったけど・・・」

男「うん、味自体は結構悪くないんだけど・・・如何せん食感が」

友「どれ・・・うん・・・うん・・・あぁ、確かに・・・悪くはない、かな」モグモグ

男「な、そうなるだろ」

友「なんだろうこれ、とりあえず相当コラーゲン入ってそうだな」

男「あと肉の食感。捌いてる最中にも思ったけど全然筋肉感ないな。へなちょこ肉」

友「うん、なんつーか、口の中で溶けるっていうか分解する。きめの細かいシーチキンみたい」モグモグ

男「あ、これ白子うまいぞ」モグモグ

友「ど、毒はないんだよな?見た目フグっぽいけど」

男「いや大丈夫なはずだぞ。ていうかフグでも白子に毒はねぇよ」モグモグ

男「ごちそうさまでした」

友「ごちそうさま・・・」

男「いや、まぁ、何だかんだで美味かった、ような気がする」

友「うん、まぁ・・・大丈夫だった・・・ような気がする」

男「・・・そういや、寄生獣あったけど読む?」

友「あ、うん・・・なんかアイツ食った後だからパラサイトに親近感沸く気がする」

-ホテイウオ編 おわり-

今日はここまでです

次回、スケトウダラ編(予定)

乙!
相変わらず中身も投下も淀みねえな!

>>22
ぬーべー知ってるっておっさんの証だったんだ
まじかー

おつー

船の下りやたらリアルだな
>>1はマジで島出身なの?

>>133-137
ありがとうございます!!

>>136
地獄先生ぬ~べ~
1996年4月13日から1997年6月21日放送
つまり当時10歳だとするとみんなアラサー


>>137
島はやばい 台風くるとコンビニの商品無くなる

-スケトウダラ編-

友「今日でこの島ともお別れかー」

男「あ、お前の乗船名簿書いといたぞ」

友「あの、名前欄がジャック・シラクになってるんですがそれは」

男「大丈夫だ、係員もまともに見てないから」

友「元仏大統領はやめとけよ・・・しかも性別女に○つけてあるじゃねえか」

男「よーし、お土産選ぶぞー」

友「あー、この謎のご当地ヒーローとかチープな玩具とかおいてあるローカルさ加減がたまらん」

男「マジで何需要なんだろうなそれ。・・・あ、ほら浜焼きアナゴ」 ※ヌタウナギ編参照

友「いやそれはいいや・・・そういやこの『スケソ』ってやつ、前行ったスーパーにも売ってたな。これ何?」

男「あぁそれ?スケトウダラの塩干し」

友「へー」

男「ちょっとお湯に浸しといてつまみやお茶漬けに乗せるとぐううまい」

友「うん、いいな。日持ちもしそうだしこれ買ってこう・・・ちなみになんでスケソ?」

男「スケトウダラ→別名助宗→すけそ」

友「ふぅん・・・そもそも鱈はわかるけどスケトウってなんだ?」

男「江戸後期の秉穂録っていう書物にはスケトウのスケは佐、トウは渡、つまり佐渡で獲れる魚であるって書いてあるらしいけど。まあその頃はベーリング海で漁なんてできなかっただろうしな」

友「そっか・・・俺スケトウダラ好きなんだよねー、海のぬし釣りでも深海魚のクセにやたら無抵抗で釣りやすかったし」

男「そんな理由上げるのお前以外に2人しか知らない」

友「むしろ俺以外に2人もいることに驚きだよ。・・・いや、味も好きだぜ?切身はちょっと高いけど、タラコだけでも正直メシ3杯食える」

男「ちなみにスケトウダラの中国名は明太(みんたい)、ロシア語でもほぼ同じ発音のミンターイだ」

友「へぇ・・・あっ、つうことはもしかして明太子の明太ってそれか」

男「うん。今じゃ明太子といえば辛子明太子だが、本来はタラコ自体を指す言葉だ」

友「まぁ、普通にスーパーとかでも辛くないのがタラコで辛いのは明太子って表示されてるしな」

男「海外じゃ魚卵を食べる風習がないから、イクラもタラコもビシバシ捨てられてるそうだ」

友「もったいねぇ・・・キャビアなんかはあんなに有難がって食ってるのに」

男「あぁ、アメリカでタラコを『魚卵』って紹介したらほとんどの人は食わなかったが、『ジャパニーズキャビア』って言ったら半分くらいの人が食ったらしい」

友「言葉のマジックってやつだな」

男「日本のマクドナルドのフィレオフィッシュの魚もこのスケトウダラなんだよな・・・島の中にはマックないけど」

友「まぁ別にあんなの無いなら無いでそう困るもんでもないだろ」

男「あー、うちのお袋がああいうジャンクな食い物好きなんだよ」

友「・・・そういやこっち来た日もコンビニ弁当食ってたもんな。なんか分かるわ」

男「よし、じゃあ俺はコイツをっと・・・すいません、これ沖縄まで送ってもらいたいんですけど」ドン

友「」

友「お、お前・・・まさかそんなでかい一升瓶を2本もむったんのところに・・・」 ※むったん=男の彼女

男「あぁ、なんか沖縄にはあんまり日本酒が無いらしくてな。前にお願いされてたんだよ」

友「そ、そうか・・・いやでもそれ、女の子に贈るようなもんじゃないだろ・・・まるで選挙活動中の後援事務所にあるヤツじゃねぇか、それ」

男「彼女ああ見えてザルだからな」

・・・

男母「それじゃ、気を付けてねー!友くんもまた遊びに来てねっ!」バイバーイ

友「いやどうも、お世話になりました」

男「あ、じゃあ悪いけど玄関に置いておいたあの段ボール、着替えとかお土産入ってるから早めに送ってくれると助かる」

男母「オッケー!」

友「・・・うーん、なんかこう、港で別れるってのはしんみりするよなぁ・・・」

男「そうか?」

友「おぉ、なんかドラマのワンシーンみたい・・・」

男「いや船とか冬場は結構キツイぞ。俺センター試験の日に大荒れでここの船が欠航して海上保安庁の巡視艇で海渡ったもん」

友「えっ、それってもしかしてあの港の端っこにいた小さいやつ?」

男「うん」

友「ま・・・マジかよ・・・こんなデカイ船も欠航するレベルの時化をあんな小さな船で・・・!?」ガクガク

男「今は島の中で試験うけられるらしいけど」

友「よかった・・・もう犠牲になる受験生はおらんかったんや・・・」

男「まぁ正直こんな離島じゃセンター受けるのなんてほんの一部ですしおすし」

友「地元Dis・・・」

男「ま、お前に楽しんでもらえたようで何よりだよ」

友「あぁ、本当楽しかったよ。次は夏に来たいな」

男「えぇ・・・?こんな島、一回くればもう充分だろ」

友「お前自分から誘っといてそれはないだろお前」

男「ながもそばうめぇ」ズルズル

-スケトウダラ編 おわり-

やばい、今更だけど

>>93
脂のなった → 脂ののった



ちなみに欠航じゃなくても朝4時半の始発の船にのってセンター受けにいくとか拷問以外のなにものでもないぞ!!

-ピラニア編-

友「・・・さっきお土産渡しに桃原さんとこいったんだけどさ」

男「うん」

友「なんか、店入ったら彼女ピラニア持ってた・・・」

男「アマゾネスかな?」


男「んー、凶暴なイメージがあるけど性質的には大人しいらしいけどね。草食のやつも多いし」

友「草食系ピラニアとか、これもうわかんねえな」

男「http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/cc/Colossoma_macropomum_ostergaard.jpg

男「例えば↑なんかも草食ピラニアの一種だぞ」

友「でかすぎィ!!」

男「まぁ日本でピラニアっていうと大体肉食のピラニア・ナッテリーが有名かな」

友「あぁ、店にいるのもそんな感じの名前だわ」

男「コイツは肉食だから、水面に落ちた鼠とかの小動物も食うよ」

友「俗にいう人食いピラニアってやつか・・・」

男「まぁ人食いは言いすぎだけど・・・さっきも言ったけど本来は大人しい魚だし」

友「ふぅん・・・」

男「ただ、弱った大型動物なんかが川に入ると、素早い動きでその肉を掠め取るように噛み千切っていくらしい」

友「」

男「さらに、こいつもコイと同じ骨鰾上目にあたるから音に敏感で群れのテンションが最高潮になるとそれこそ餌やった時の池のコイみたいな感じで肉を引きちぎりに群がってくるらしいぞ」

友「怖すぎィ!!」ガクガク

男「飼育下でも出血してたり素手で扱おうものならその鋭い歯で噛みつかれて大怪我することもあるし、革手袋は必須やで」

友「やべぇよ・・・やべぇよ・・・」ブルブル

男「あと、ピラニアと同じカラシン目最強の魚といえば・・・コイツだな」

男「http://tslbuzz.com/wp-content/uploads/2010/03/Goliath-Tiger-fish2.jpg

友「あっこれアカンやつや」

男「ムベンガ・・・通称ゴライアスタイガーフィッシュというアフリカに生息する魚だ。その大きさは最大1.5m、体重は50kgn達するという」

友「強そう」(KONAMI感)

男「実際現地じゃ人が襲われたケースもあるらしい」

友「それにしても・・・ガーといいピラニアといい熱帯魚はホンマ修羅の国に生きとるでぇ・・・」ガタガタ

男「まぁ確かにコイツらに比べたら日本の魚はみんな大和撫子感ある」

友「俺はもっとこう、小さい熱帯魚がいいんや・・・グッピーとか、ネオンテトラとか・・・」

男「あ、ネオンテトラもピラニアとおなじカラシン目だぞ」

友「ウッソ」

男「あぁ、よく見てみるとあの小さい口に以外にちゃんと牙が生えてる」

友「マジか・・・小さいからって馬鹿にしてたわ・・・」

男「でも性格は温和だから複数飼育し易いんだけどね」

友「へー・・・」

男「・・・あ、そうだ。そういやウチの実家に置いといた荷物さっき届いたぞー」

友「おー、サンキュサンキュ!いやー、地味にシャツがなくて困ってたんだよ」


男「しかし母さん・・・着替えとか入ってるっていったのに何故にクール便で」ビリビリ

友「はは、また生イカとか入ってるんじゃねえだろうな」

男「いや、さすがに服と生イカ一緒には送ってこn」パカッ

イソメ「よろしくニキーwwww」ウネウネウネ

男「」

友「」

-ピラニア編 おわり-

今日はここまでです

ご愛読いただいている皆さんありがとうございます
次回はボラ、ヤツメウナギあたりいきます

ほかご要望あったらよろしくお願いします

>>156に間違いを発見
男「あぁ、よく見てみるとあの小さい口に以外にちゃんと牙が生えてる」×
男「あぁ、よく見てみるとあの小さい口に意外にちゃんと牙が生えてる」○

>>161
ありがとう ちゅっちゅ
前回も細かい誤字脱字があったから指摘してくれると私うれしいわ///

-ボラ編-

男「・・・まさか帰ってきて早々釣りに行くハメになろうとは」

友「は、はは・・・まぁ、いいじゃねえか」

男「しかしアレだな、実家から帰ってくるたびに思うけどやっぱり車ほしいよな」

友「まぁなぁ・・・でも学生のうちはキツイんじゃないか」

男「いや軽ならなんとかなると思うんだ・・・」

友「お前こっちでも軽トラ乗るつもりか」

男「カプチーノとか超かわいくねぇ?軽のクセに無駄にFRなのもポイント高い」

友「じゃあAZ-1にしようぜ!ガルウィング超かっけぇ!!」

男「申し訳ないが雨の日にスピンする車はNG」

男「まぁそんなの買っても釣り竿乗らないし、やっぱり軽バンが最強かな」

友「屋根がついてるだけでほとんど軽トラと変わらないじゃないですかやだー!」

男「サンバーの生産を止めた富士重工の責任は重い」

友「まぁでも確かに・・・車があれば遠くまで行けるし、雨の日の買い物も楽だよなぁ・・・あ、なんか跳ねた」

男「ボラどす」

友「ボラ・・・かぁ。あいつらでかいわりに結構アグレッシブだよな」

男「うん。跳ねた拍子に競艇の選手にぶつかって失神させたこともあるしな」 ※実話です

友「なにそれ怖い」

男「ボラボラボラボラボラボラ」

友「それ以上言ってはならんちゃ」

男「・・・・・・・えっ」

友「・・・・・・」

男「・・・今お前、それ以上言ってはなら」

友「やめろッ!俺が悪かったッ!!それ以上傷を抉るな!!」

男「どうでもいいけど引いてるぞ」

友「よっしゃぁぁぁぁ!!うおぉぉこいつはでかいぞぉぉぉ!!」スルスルスル

男「落ち着けよベイルアーム上がったままだぞ」

友「あっ、これマジでかい!もしかしてシーバス!?」

男「いやボラだと思うよ・・・当たりしょぼかったし」

<ピチピチ

友「あぁー・・・本当だ、ボラだ」

男「よかったな。ボラの旬は冬だぞ」

友「い、いや・・・さすがにこの辺で釣ったのは食いたくない・・・」

男「ちなみにボラには脂瞼っていうコンタクトレンズみたいな器官があって、冬になるとそれが脂肪で濁るから太いラインでもバレにくくなる」

友「へー」

友「んー、でもボラってあんまり食卓に上らないよな。あぁカラスミなんかはたまに料理屋とかデパ地下行くとあるけど」

男「昔は東海道の旅籠でも出されるくらいメジャーな魚だったんだけどな」

友「美味いのか?」

男「うーん、俺は嫌いじゃないけど・・・まぁよくある淡白な白身魚だよ。イナダと鯛を足して3で割った感じかな」

友「割り切れないんですがそれは」

男「あぁ、あとボラの珍味といえばカラスミのほかにもへそがあるな」

友「魚類なのにヘソがあるとかディーラーオプション間違ったとしか思えない」

男「いや、へそっていうのは例えで、実際は確か胃袋の一部だよ」

友「あ、そうなの」

男「ボラはそこに在る泥ごと餌を吸い込むから、ちゃんと消化できるように胃の内壁が厚くなってるところがあるんだよ。鶏でいうところの砂肝だな」

友「なるほど」

友「そういや、ボラも出世魚なんだよな」

男「あぁ、イナ、ボラ、トドの順に名前がかわってくから『とどのつまり』の語源にもなってるな」

友「正直海のぬし釣りでイナを釣りに砂浜ステージの港っぽいとこいくときの橋とか最高にテンションあがる」

男「わかる」

友「あと手漕ぎ舟が釣り船になったときのワクワク感」

男「外洋ステージ『オォン アォン』」

男「ちなみにイナより小っちゃいのは関東じゃオボコって呼んでな、漢字だと『未通女』と書く」

友「・・・えっ、それってもしかして」ゴクリ

男「あぁ、読んで字のごとく処女って意味だ」

友「そっか・・・ボラは出世すると同時に大人の階段も登ってたんだね・・・」

男「未通女だったといつの日か思う時がくるのさ」 ※分からない人は近くのオッサンに聞いてみよう

友「・・・あっ、そうか。処女の奇妙な冒険・・・」

男「・・・・・・・・・・・えっ」

友「・・・・・・・・・・・・・」

男「それ以上いってはナランチャ」

友「う、うわああああああ!うわあああああああああああああああああああああ!!!」 ←自爆

・・・

男「・・・しかしこれだけ粘って結局釣れたのはボラ2匹と小さいクロダイ1匹か」

友「最後のほうはただの大ハゼ釣り大会になってたしな」

男「ハゼ有能」

友「分かる。天ぷらぐううまい」

男「よし、じゃあ帰って一杯やるか。送られてきた箱の中に桜干しも入ってたしちょうどいいな」

友「やったぜ」

男「あとは押入れの中から5部探しといてやるよ」(ニッコリ)

友「いっそ殺して」

-ボラ編 おわり-

ちなみにここでいう桜干しとは鱈のみりん漬けを干したものです
http://www.sapre.co.jp/item/images/item_1_22_w.png
あまい お茶請けに最適 ※ステマではありません

-ヤツメウナギにみる魚類の進化編-

男「そういや昔、浅草にヤツメウナギの蒲焼食わせるため連れてかれたことがあってさ」

友「そんなコアな理由で浅草に連行されるとか」

男「http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Eastern-brook-lamprey_L_reissneri-02.jpg

男「http://777news.biz/n/wp-content/uploads/2013/04/yatumeunagi5.jpg

友「ごめんちょっと文化の壁感じた」

男「ま・・・この口を見れば分かる通り、ヤツメウナギはウナギと名がつくものの当然ウナギの仲間ではない」

友「むしろこれジャンル的にはクリーチャーに近いよね」

男「無顎類っていう名前の通り顎が無いんだよ、だからこんな吸盤みたいな口してるわけ」

友「なるほどねぇ・・・変な進化してるなぁ」

男「いや、進化の過程でいえばこの無顎類から脊椎動物は進化してきたらしいけど」

友「えっ・・・まじかよじゃあコイツご先祖様じゃん・・・」

男「まぁそれを言ったらアメーバもご先祖様だから・・・ちなみにコイツ、全身に骨はほとんどないわ背鰭や尻鰭以外の鰭不明瞭だわで、魚っぽい外見してるけど中身全然今の魚と違うから」

友「へぇー・・・まぁ確かに見た目はシギウナギなんかよりよっぽどウナギっぽいけどね。色とか形とか」

男「元々今いる魚のほとんどは一旦淡水域で進化したものが分散したものだし」

友「生物は海からきたんじゃなかったのかよガイア!!」

男「うん、初期はやっぱ海からのスタートだったよ。実際軟骨魚類とかは基本海オンリーだし。ただ、化石を見ると結構早い段階で淡水に適応してたみたいだな」

友「魚類貪欲だなぁ」

男「まぁ淡水適応はその後の両生類→爬虫類→哺乳類の上陸事前準備期間ですし」

友「なるほど。魚類版プライベートライアンだな」

男「そのりくつはおかしい」

男「だから今の魚にあるしっかりした骨(硬骨)や浮き袋なんかも、陸上進出の際はそれが脚になり肺になったわけだからな」

友「ふぅん・・・いろいろやってみるもんだなぁ」

男「ただ正直カンブリア爆発とかの生命のデザインみるに、神様さんサイドは深夜のテンションだったとしか思えない」

友「ツクール系でも一回はそういうことやっちゃうからね、仕方ないね」

男「で、その後海洋の生物が大量絶滅した際に淡水に適応したこれらの硬骨魚類が再び海に進出し、それまでにいた生物のニッチを奪って大繁栄を遂げた、と」

友「あー、なんかそういう話聞いたら46億年物語やりたくなってきたわー」

男「あれスタート時点で30億年経過してるからね。実質16億年物語だからね」

友「そういやあのゲームも魚類→両生類→爬虫類→哺乳類の順で進化してたな。たまにドラゴンとか出てきたけど」

男「両生類でボルボックスを倒しエデンに旅立った俺の地球に死角はなかった」

友「カエルツボカビ症で文明崩壊待ったなし!!」

友「・・・そういえば海に棲む爬虫類は海ガメとかウミヘビがいるけど、海に棲む両生類っていないよな」

男「一応化石種ではいたみたいだけど・・・現生種だとカニクイガエルってのがギリ汽水でも生きれるらしいな」

友「へー」

男「うーん、でもうちの地元普通に海辺の磯にアマガエルいたけどなぁ・・・」

友「なんで両生類は海に行かなかったんだろ」

男「いやそりゃまあ一度陸にあがっちゃったし・・・海に戻ろうとしたときには既に魚類があふれてたんだろ」

友「ふーん」

男「それに初期の陸上生活じゃ皮膚呼吸せざるを得なくて鱗がないから、海水の浸透圧に耐えられないんだろうな」

友「まぁたしかに爬虫類は鱗があるから結構無理きくしなぁ」

男「ウーパールーパーみたいに外鰓を持ったままネオテニーとして生きればあるいは・・・いや他の魚のエサになるのがオチやろなぁ」

友「あ、そうそう・・・そういえばなんでいきなりヤツメウナギの話を?」

男「んん・・・例のウチのゼミの教授に蒲焼をお土産でもらってさ。ほら」 ※アユ編参照

友「へー・・・串に刺さってるけど、思ったより小さいんだな」

男「よかったらどうだ?今お燗つけてるから」

友「あぁ、そりゃありがたい・・・まぁ>>179の画像でちょっと食欲減退だけど」

友「・・・・・・・・・・・」モグモグ

男「どうだ?」

友「うぅん・・・うん、思ったより硬い・・・そしてこのほろ苦いようなレバーっぽい感じ・・・あれ、俺これ食ったことある・・・?」

男「ちなみに前にお前に食わせたヌタウナギもコイツと同じ無顎類にあたる」

友「ほげっ・・・そういえばこれヌタウナギのあのアレやん・・・」ウェ

友「なに、奴ら顎が無いだけで皆こんな感じの味わいになっちゃうの?味の悪そうな奴ら大体友達なの?」

男「まぁ身体の作りが似てるのなら、味の方も似てくる可能性はあるやろなぁ・・・」

友「うーん・・・まぁタレが効いてる分アレよりは食えるけど・・・」

男「ビタミンAが豊富だから、鳥目には効くぞー」

友「いや別に俺鳥目じゃないですし。ちゃんと夜でも目見えますし」

-ヤツメウナギにみる魚類の進化編 おわり-

参考画像:46億年物語
http://i1.ytimg.com/vi/rtK-vuusgP8/hqdefault.jpg

-サヨリ編-

友「んー、最近少しずつ暖かくなってきたな」

男「そうだな」

友「あ、次の巻とってー」

男「はいよー」

友「ウツボを素手、しかも海中でフルボッコにする大年寺さんのラスボス感はんぱねぇ」

男「大年寺さん『少年よあきらめるな!』とかいって出てきたくせに『もはやこれまでか・・・』って将太よりも早くあきらめてたしな」

友「あきらめるな!」(あきらめないとは言っていない)

男「おっ、来た来た」ピチピチ

友「うぅん・・・さっきからなんでお前ばっか釣れるんだ?」

男「だってお前、そんなただの棒ウキじゃあいくらタナを浅くしたって魚逃げるべ」

友「だって、サヨリくらいの大きさならこのほうがアタリとりやすいだろ?ていうかお前のそのウキなにそれ」

男「これはシモリウキっつって、海面に仕掛けを流すためのうきだよ」

友「数珠みたいだな」

男「http://image.astamuse.com/image/JP/2010/226/980/A/000002.jpg

男「ほら、こうやって連ねてつければ仕掛けが下じゃなくて横に伸びるだろ」

友「あー、本当だ」

男「サヨリは表層に漂う餌を食べるからな。普通のウキよりはこっちのウキの方が釣りやすいのさ」

友「そうなのか・・・失敗したなー」ションボリ

男「ちなみにサヨリ釣りははんぺんもエサに使えるぞ」

友「あーはんぺんなら水に浮くからよさそうだなぁ。でもオキアミしかないし・・・って、そうだ!!」タッタッタ

男「?」

・・・

友「近くのコンビニでおでんかってきた!」ゼェハァ

男「マジか」

友「ちょうどはんぺん入れたてだったぜ!!」

男「・・・本当だ、あんまり沁みてないな」モグモグ

友「いや食うなよ」

・・・

友「おー、はんぺんにしたらちょっと釣れるようになったなー」ピチピチ

男「もう(ウキの意味)ないじゃん」

友「あぁ、これもうサヨリ版パンプカだよな・・・はんぺんだからハンプカか・・・」

男「まぁ、サヨリうまいからね、仕方ないね」

友「そういやサヨリの下あごってなんでこんなに尖ってるんだ?」

男「いやそれがなんかよくわかってないらしいぜ」

友「まじか」

男「うーん・・・まぁサヨリは表層に浮かぶプランクトンや海藻を食べるから、それらが掬いやすいようにそうなったって説もあるけど・・・」

友「いやでも尖りすぎだろ。チェッカーズより尖ってるだろ」 ※分からない人はオッサンに(ry

男「うん、だから学者間でも『ここまで尖る必要なくね?』ってなってよく分からないんだと」

友「なるほどねぇ・・・」

男「ちなみに卵からの孵化直後は普通なんだけど、2センチ超えたあたりから徐々に下顎が尖ってくるらしい」

友「マジかよ、本当にちっちゃなころから悪ガキじゃん」

男「サヨリみたいに尖っては、触れるものみな傷つけた・・・ショボE」

・・・

男「よーし、大分釣れたな、そろそろ帰ろうか」

友「うーん・・・わかってはいるものの、サヨリを放置しておくとなんか白い虫が出てきてテンション下がるな・・・」

男「あぁ、ウオノエか。ちょっと前に話題になったダイオウグソクムシの仲間やで」(ニッコリ)

友「うんだろうね。よくみると白いダンゴムシといった様相だし」ゲンナリ

男「サヨリについてるのはサヨリヤドリムシっていってな。宿主が死ぬとこうして体表に出てくるのさ」

友「気色悪い・・・」

男「なに、甲殻類だしエビだと思えば」

友「いやどす」

男「ま、心配するな。家帰って捌くときにいたらちゃんと取り除いてやるよ」

友「是非ともお願いします」

男「・・・そういえば昔よく小鯵釣ってそのまま唐揚にして食ってたんだけどさ。たまに頭を食べると『カリッ』としてて美味しかったんだけど、これってもしかして」

友「それ以上いけない」

・・・

男「・・・じゃ、今日は糸造りに挑戦してみるか」

友「男の包丁技術の進歩がとどまるところを知らない。奥万倉くんかな?」

男「よし、じゃあちょっと左利き包丁買ってきて事故死して」

友「ぐう畜」

男「皮ぎしの旨味!!」スパァン

友「・・・それにしても、魚自体はこんなに綺麗なのに、内臓は真っ黒だな」

男「さっきも言ったけど、サヨリはわりとなんでも食うからなぁ・・・」

友「なんでこんなに真っ黒になるんだろ?」

男「あぁ、なんでも摂取した海藻が腹の中で光合成しないように、日光を遮るために黒くなってるらしいな」

友「へぇー」

男「実際コケくってる鮎なんかもけっこう腹黒いしな。腹の中で酸素たまっちゃったら水の中だとひっくりかえっちゃうもんな」

友「うぐぅ・・・とか言ってるのは計算だったわけか」

男「なつかC」

友「あゆのお腹の中でつくられた酸素だけでエベレスト登頂したい」(ゲス顔)

男「お前には大空寺じゃなくて大年寺の自家製酸素をあげよう」(ニッコリ)

友「あかん、肺胞爆発してまう」

友「ていうかやっぱり大空寺さんはうぐぅの人と繋がりあるのかな、あゆだけに」

男「むしろ涼宮の人がカチューシャの人と繋がりあるとおもう、あのゲームは」

友「あー、久しぶりにエロゲやりたくなってきたわー」

男「こないだ久々にやろうとしたらWindows7対応してなくてワロタ。海のぬし釣りはできるというのに」

友「わかる」

男「・・・はい、できたよー」

友「すげぇ!料亭とかで出てくるやつっぽい!!」

男「ちなみに上に乗ってるのは家の前に生えてたタンポポの花びらだ」

友「えっ」

男「心配するな、洗えば食える」 ※道草を食うのはやめましょう

友「うーん、うまい」モグモグ

男「あと開いたやつはフライにして食おう」

友「あーいいね、ハイボールでいきた・・・」

<パチィン!!

友「!?」ビクッ

友「ちょ、なんか今爆ぜたぞ!!」ドキドキ

男「あ、いけね、忘れてた・・・おぉん真っ黒焦げだよ」プスプス

友「な、なにそれ・・・」

男「ウオノエ。塩してコンロで炒ってみた」

友「」

男「・・・硬い、苦い、まずい」ペッ

友「わたしもうあなたにはついていけないの」

-サヨリ編 おわり-

今日はここまでです

やっぱり昔アジの南蛮漬けくっててカリカリしてたのはウオノエなんやろうな(白目)

わすれてた よろしければどうぞ


☆大年寺さん参考画像

「私もお手伝いするっ!」

「包丁上手に使えるかな」

「痛っ!ちょっと切っちゃった」

「大年寺さんフィギュア」
http://image2.fg-site.net/image/lrg/1/lrg66_0_307.jpg

「大空寺さんフィギュア」
http://shuri419.fc2web.com/img/1255.jpg

最後w

続編来てて嬉しいです
ウツボやゴリは前やったっけ?
アジやサバも見てみたい

>>210
ありがとうございます(ニッコリ)
そういえば前スレでもちょこっとゴリとウツボがうまいって言ってた人がいたね

これが本当のゴリ推しか・・・

-サバ編-

店員「サバの塩焼き定食ですね、ありがとうございます」

友(鯖はいい・・・鯖は好きだ)

友(街の定食屋はおろか学食にすらその名前が並べられるサバ・・・)

友(煮てよし・・・焼いてよし・・・その調理法のバリエーションはとどまるところを知らない)

・・・

店員「お待たせしました、鯖の塩焼き定食です。ご飯の方おかわり自由となってますのでどうぞ」

友(きた・・・この脂の乗り・・・)

友(一般的に鯖の旬は秋と言われているが、冷凍・流通技術の発達した現代ではこのように通年美味い鯖が味わえる)

友(・・・ありがたいことだ)イタダキマス

友(うまい・・・この通り鯖は脂肪分が多く『鯖の生き腐れ』と言われるほど足が早い。さらにヒスタミンの前駆体であるヒスチジンを多く含むため、アレルギーの原因となりやすい・・・って男が言ってた)モグモグ

友(そのため蕁麻疹を起こす食材の代名詞となっている・・・)ウマイ

友(・・・そういえば小学校の頃、給食で鯖が出たときアレルギー持ちの友達の皿には鯖の変わりにサケやタラの切り身が盛られていた)モグモグ

友(可哀そうに・・・彼らは一生サバの味噌煮のあの美味さを味わうことができないというのか)モグモグ

友(・・・サバの味噌煮といえば、おふくろの味の代名詞と言える・・・)ゴハンオカワリ

友(ことに男の作るサバ味噌は絶品だ・・・一体どうやったらあんなに艶のあるふっくらとしたサバ味噌ができるのか・・・ってあれ?)

友(サバの味噌煮・・・竜田揚げ・・・しめ鯖・・・こ、これ全部男が作った料理じゃん)

男(ええんやで・・・ええんやで・・・やで・・・) ←エコー

友(・・・なんてこった!俺のおふくろの味男に浸食されてた!!)ガーン

・・・

友「・・・ちーす」

男「お、来たか。メシ食ってきた?」

友「あ、あぁ、うん・・・」

男「うーし、じゃあちょっと俺も食うから待ってて」パカー

友「サバ缶・・・」

男「ごはんの上にサバ缶とネギのせて醤油かけてくうとぐううまいってわけよ」ハムッハフハフッ

友「その語尾やめろ・・・ていうか、俺も昼飯鯖だったよ」ゲンナリ

男「なんだ、奇遇だな」モグモグ

友「おぉ・・・」

男「どうした。元気がないな」

友「いや・・・ちょっとメシ食ってたら悲しいことに気付いちまって・・・」

男「そうか・・・よし、じゃあ今夜は昨日仕込んどいたカレイの煮つけで一杯やるか」

友「それだよ、それ」

男「んん?あぁ安心しろ、ちゃんとバッチリ煮凝ってるから」(ニッコリ)

友「おっ、じゃあ〆はそいつをご飯にかけて食おう!・・・っじゃなくて!!」

友「最近魚料理はほとんどお前が作るのしか食ってないことに気付いてさ・・・」

男「そりゃまあ一緒に釣り行ってそのまま宅飲みしてるんだからそうなるわな」

友「このままじゃ俺、痛風になっちゃうよ」

男「一理ある」

友「彼女もできたはずなのに、どうしてこうなった」

男「そら(相手は社会人なんだし)そう(平日は俺と釣りすることになる)よ」

友「おかげで俺のサークル内での認識がガチホモからバイにクラスチェンジした」

男「ていうかお前何のサークル入ってんの」

友「かくれんぼサークル」

男「えっ」

友「・・・の会計部門」

男「えっ」

男「うちの大学にそんなサークルがあったのかよ・・・」

友「まぁ非公認なんだけどな」

男「そらそうよ」

友「たまに研究室のロッカーの中とか実験棟の非常階段の下に隠れてる奴、大体うちのメンバーだから」

男「・・・もしかして、そのメンバー黒くて長い触角生えてる?」

友「生えてねぇよ!」

友「あとたまにキャンパス内の落ち葉掃除してる人いるだろ。あの中にも数人うちのメンバー混じってるから」

男「ガチじゃねえか」

友「よかったらお前も入らない?ちょうどそろそろ新勧シーズンだし」

男「あ、いいです・・・でも、お前俺と釣りばっかして全然活動してねえじゃねえか」

友「まぁ、会計が活躍するのなんて飲み会か学祭のときだけですしおすし」

男「・・・あ、そういえばさっき桃原さんがきてさ」

友「えっ」

男「なんか『二人ともすごく仲いいみたいだけど肉体関係とかないよね』って聞かれたぞ」

友「」

友「」

友「」

男「・・・ウソだよ」

友「アーンパーンチ!」 ←キック

男「痛ぇ!!」ドゲシ

友「なんでそんなウソつくか!?一瞬心臓止まりかけたアルヨ!」ドキドキ

男「きょ、今日はエイプリルフールっすよ友さん・・・」

友「へっ?あ、あぁそういえば・・・ていうか、冷静に考えたら今日平日だしな、まだ店にいるよな」

男「ちなみにフランス語ではエイプリルフールのことをポワゾン・ド・アヴリルという・・・四月の魚って意味だな」

友「四月の魚?」

男「サバのことだよ」

友「マジか!」

男「フランス沿岸の大西洋じゃサバは四月に多く漁獲されるんだ。その様からエイプリルフールの事をこう呼ぶってわけよ」フフン

友「へー・・・ってだからサバ繋がりだからってその語尾はやめろ」

男「脚が無いな」

友「あんなの飾りです・・・ってバカやめろ!」

男「あのまま大好きな鯖の下半身でも移植しておけばマーメイドになれたのにね」

友「フレン魚・・・」

友「・・・ところで和名の『サバ』っていうのの由来は?」

男「小さい歯がたくさんならんでいることから『小歯』→『サバ』」

友「へー」

男「よし、ごちそうさま。よっしゃーじゃあ行くか」

友「うわー、この笹竿まだあったのか、懐かしい!」 ※ハヤ編参照

男「うん、今日も車借りといたから遠出するぞー」

友「4月になったばかりとはいえまだまだ寒いからな、でも、この竿たためないし車に載るか・・・」

男「さ、行くぞ」 ←軽トラ

友「」

男「竿は荷台にのせとけー」バコーン

友「お、おう・・・」

-サバ編 おわり-

ちなみにおフランスの鯖缶は軍用糧食にも採用されてるぞ!!
(鯖のトマト煮、サバのシチューなど)

-カジカ編-

男「うーん、砂利道が続くなぁ、まさに林道」ガッタンバッコン

友「ゆ、揺れるなぁ」ガタピシ

男「はは、昔田植えに行ったときのことを思い出すな」バコッメキョ

友「さ、サスがしょぼいし椅子が固いからケツが痛い」メキョッガンッ

男「もうすぐだぞー」ドンッ、プシッ

友「な、なんか車体から摩訶不思議な音がするんですがそれは」ボゴンッ

男「・・・よーし、ついた」バコーン

友「いたた・・・揺れすぎて頭まで打ったわ」サスサス

男「ほら、そこの沢」

友「んん・・・?あぁ、こりゃまた小さな沢だなぁ」

男「今日はカジカを釣ろう」

友「カジカ?」

男「あぁ、こないだこの近くにある小学校のホームページみてみたら野外活動でこの沢のカジカを採集したと書いてあってな」

友「おまえそれ軽く事案じゃねぇか」

男「見られて困る情報なら公開するなと言いたい」

友「いやそれはそうだけども・・・」

友「・・・で、餌は?」

男「ほいこれ」

友「おっ、なにこれ毛針?」

男「あぁ、布団の中から出てきた羽毛と綿で作った」

友「自家製かよ!すげぇな!!天才脱獄囚みたい!!」スゲー

男「なにそんなに俺を犯罪者扱いしたいの?」

男「はい、というわけで今日はテンカラ釣りをやります」

友「テンカラ?」

男「日本独自の毛針釣りだ。和製フライフィッシングともいえるな」

友「ほほう」

男「海外のフライフィッシングと違うのはリールを使わないことと、毛針のリアルさがそんなに高くないことだな」

友「なるほど」

男「フライフィッシングってのは、何回も竿を振ってラインの重さでフライをキャストするだろ?」

友「あぁ、そうそう。昔千夜釣行であれ見て憧れて無駄に練習してたわ」

男「ヨーロッパにあるようなでかい川ならいざ知らず、日本の狭い川じゃそんなことできないしな」

友「そりゃそうだよなぁ。あっという間に木の枝に引っかかってフライ無くしたわ」

男「だから、日本の川漁師はもっぱらこのテンカラ釣りをしてきたのさ」

友「なるほど」

男「あと、さっきも言った通り海外の毛針に比べて毛バリ自体のリアルさはそんなでもないから、『誘い』がより重要になってくる」

友「・・・大丈夫かなぁ、ちょっと自信ない」

男「よし、じゃあちょっと見てろ」

・・・

男「まずは大きな石があるちょっと深めの場所を狙う」

友「・・・ふむ」

男「・・・で、その石の横に毛針を落として・・・軽く竿を上げ下げする」

友「ほうほう」

男「この時あまり流れに逆らって誘わないようにする・・・よしきた」

友「すげえ!!」

http://www.pref.ishikawa.lg.jp/suisan/center/naisuimen/chousa/images/kajika-mesu.jpg

男「ね、簡単でしょ?」

友「いやー、口で言うのとやってみるのではなかなか・・・へぇー、これがカジカか。ハゼの仲間かな?」

男「いや、カジカはカジカ科だからハゼ科ではないぞ。ハゼ科はこっち」

http://blog-imgs-19.fc2.com/o/s/a/osakana101/2009080621441435ds.jpg

友「これもうわかんねえな」

男「ハゼとカジカの簡単な見分け方は・・・ほら、ひっくり返して腹鰭をみてみろ」

友「・・・あっ、吸盤になってない」

男(ニッコリ)

友「なるほど、こうやって見分ける訳か」

男「まぁ確かにパッと見た目は似てるから、地域によってはハゼの仲間でもカジカってよばれてたり、チチブなんかの淡水ハゼ類とカジカをまとめて『ゴリ』ってよぶところもあるな」

友「ガレッジセールかな?」

男「こいつもカサゴ目だけあって見た目は悪いが味はいいぞ」

友「なるほど、淡水版オニオコゼといったところか」

男「いや毒はないけど。確かに唐揚げとかにすると美味いな。北海道じゃなべこわしと呼ばれるほどだ」

友「なべこわし?」

男「美味すぎて箸が止まらず、思わず鍋が壊れるまでつついてしまうとの由」

友「道産子パワフルすぎるだろwwww落ち着けwwwwwww」

男「・・・実はカジカってまだ分類がちゃんとできてないらしくてさ」

友「へぇ」

男「地域によって海に降りたり川に引きこもったりするやつがいるから、便宜的に卵の大きさで分類したりしているらしい」

友「なに、大きさが違うの?」

男「一般的に陸封型は大きく、降海型は小さくなる傾向があるらしい」

友「なるほど、たしかに300年間電子ジャーに引きこもってたピッコロ大魔王の卵もでかかったしな」

男「その発想はなかった」

友「おっ、おぉ・・・俺もきた・・・」

男「ん、だんだん分かってきたか?」

友「どうだろう・・・あぁーでもなんか手作りの毛針で釣れるってのは感慨深いなぁ・・・」

男「竿も手作りだしね」

友「あとは糸だけだな」

男「知り合いにスパイダーマンとかいない?」

友「いないわー、あとで携帯の電話帳見ておくけど多分いないわー」

・・・

男「・・・よし、ぼちぼち帰るか」

友「あぁ、なんかこまごまと小さいヤマメとか連れて結構面白かったな」

男「ああ、また来よう。カジカは持って帰って唐揚げにしよう」

友「おー、カレイの煮つけもあるし今晩は豪勢だなぁ」

男「せっかく車で来たんだし、帰りに酒も買ってこうや」

友「あ、なら明日休みだし桃原さん呼んでいい?」

男「ん?いいんじゃないか」

友「よし、じゃあ早速メールを・・・って、あっ」

男「どうした」

友「・・・なんか電話帳にスパイダー吉田っていうのがいた」

男「ス、スパイダーマンか!?」

友「いや・・・中学のとき給食にでた納豆の糸をどこまで伸ばせるか廊下で試して先生に怒られてたからスパイダー吉田って呼ばれてる友達だよ・・・」

男「納豆の限界に近づこうとする男!スパイダーマッ!」テーテレーッテテレッ

友「それ東映版じゃねえか」

-カジカ編 おわり-

乙ー
カジカと来たらアユカケ?

今日はここまでです

明日あたりにウツボ・アジもやっつけたいと思います

>>245
アユカケとかヤマノカミも書いててちょっと考えた
特にヤマノカミは中流ステージでダイコンと交換してもらえるお得アイテム
淡水版アイナメといった様相がイカスぜ!!

リクエストに応えていただきありがとうございました!
アジとサバは小学館の釣り入門で隣同士のページに載っていたのに片方の仕掛けでもう一方がエサにされててショックを受けた幼いあの日
(サバのエサに小アジとか。逆かも)

>>249
魚食性があるのはサバのほうなのでおそらくサバのエサに小鯵であってると思います
小鯵を使うと下手な餌木よりコウイカが釣れるのでマジオススメ

すみません

急遽明日から書き込み不可になりそうなので、このまま完結させてください

-番外編 名前の長い魚-

桃「おじゃましまーす」ヨッコイセ

男「あ、いらっさい」

友「男やばい!マンボウ釣れそう!!」

男「友よ・・・マンボウは釣れんのだ・・・現実を見ろ」

友「んんんん~~~~~!」(迫真)

桃「何やってんのー?ゲーム?」

男「あぁ・・・友の聖典、海のぬし釣り・・・」

桃「へー、スーファミかー。なつかしいなー」

男「あ、上がってていいよ。今つまみ作ってるから」

桃「いやー、いつも悪いねい」

・・・

男「・・・よし、こんなもんか。おーい、始めんぞー」

桃「あぁ!ちょっともう1秒早く巻いてたら絶対釣れてた!!」

友「あかんギジバリがこわれた・・・いやまだオキアミがある!」

男「ごはんやでー、ファミコンやめなー」

桃「もうちょっと!!」ソコダー

・・・

桃「あんなの釣れるわけないじゃん!」プンスカ

友「こちとらもう10年以上海のぬし釣りやってんだ!一回くらい釣らせてくれてもええやないか!!」プンスカ

男「釣りノートにはちゃんち登録されるんだからいいじゃん(いいじゃん)」

友「現実を無視しすぎたぬし釣りマンボウの引き・・・許せぬ!」テーテレーッテテレッ

男「お前まだスパイダーマ引きずってるのか・・・」

桃「それにしても男くんは料理が上手いね。男君の旦那さんになる人は幸せ者だねー」

友「いやぁそんな///」

男「お前そういうことやってっからサークルでガチホモ扱いされんだよ」

友「ドイヒー」

桃「わたしのことは遊びだったのね!!」

友「(桃原さんに)切り替えていく」

・・・

友「・・・あー、大分酔ってきたなぁ」ヒック

桃「マンビカーwwwうんぐとぅ色してねーらんwwww」 ※シイラ

男「日本語でおk」

友「桃原さん、酔うと中途半端に訛るんだよな・・・ヒック」

男「おぉなんだ、お前も結構酔ってるじゃねぇか」

友「いややっぱり煮魚の煮汁は酒を呼びゅ・・・呼ぶよな」

男「・・・ちょっとウケグチノホソミオナガノオキナハギって言ってみ?」

友「へっ?」

男「ウケグチノホソミオナガノオキナハギ」

友「ウ、ウケグチの・・・なんて?」

男「ウケグチノホソミオナガノオキナハギ、だ。一番長い和名の魚だ」

友「そんなんシラフでも言えねーよ!完全に所見(聞)殺しじゃねーか!!」


男「ちなみに、こんな姿かたちをしているがれっきとしたカワハギの仲間だ」

友「これもうわかんねえな」

男「ちなみに同じく和名の長い魚にミツクリエナガチョウチンアンコウってのがいる」

友「み、みとみつくにこうちょうちんあんこう・・・・」

男「おちつけ黄門様になってるぞ」

友「こんなん、学者でもよう言えまへんわ・・・」

男「受口乃 細見尾長乃 翁剥。箕作柄長 提灯鮟鱇」

友「俳句か。ご丁寧に下の句まであるじゃねえか」

桃「なになにー、名前が長い魚だったら私も知ってるよー」

桃「トランスルーセントグラスキャットフィッシュ!!」エッヘン

男「おー」

友「と、トランスオーシャン航空・・・」

桃「スーパーブラックドラゴンスタークラウンプレコ!!」フンス

友「必殺技かな?」(白目)

男「しかもどっちもナマズっていうね」

・・・

桃「うぃー、飲んだ飲んだ!お腹一杯!!」

友「あ・・・じゃあ男、俺桃原さん連れて帰るから」

男「おう、おやすみ」

友「ほら、いくよー」

桃「ちゃーにかないさ~」

友「日本語でおk」

男「やれやれ、人がいなくなると寂しいもんだな」

男「・・・洗い物は明日でいいか」

男「・・・」

男(俺もたまには、むったんに電話でもしてみるかな)

-番外編 名前の長い魚 おわり-

ちなみにゲーム中で同じく悔しい思いをした諸兄は
せめて↓の画像で溜飲を下げてくれ
http://s3.gazo.cc/up/26528.png

-ウツボ編-

友「男っ!すごいもんもらったぞー!」

男「んー・・・」

友「みろほら、これ!!」パカ

ウツボ「私だ」

男「あー・・・ウツボかぁ」

友「いやー、コイツを持って電車に乗るのはドキドキもんだったぜ!!」

男「どうしたんだこれ」

友「桃原さんの知り合いから貰ったんだ!!ほらまだ生きてるんだぜ!」

男「うん」

友「タタキにすると超美味いらしいんですよ!!男さん!」

男「ん・・・はいはい、じゃあ今料理するよ」ニョロリ

ウツボ「」ガブー

友「えっ・・・ちょ・・・お前、噛まれ・・・」

男「・・・痛E」

友「ちょっ!早く抜けって!!」

男「・・・落ち着け、ウツボの歯は内側に向かって生えてるから、無理に引き抜こうとするより奥に押し込んだ方がいい」ギュッ

ウツボ「ヴォエッ!!」

友「あ・・・取れた・・・・って!すごい血が出てr」

男「ぬん!!」ズダァン

ウツボ「」

友「」

男「・・・安心しろ、みね打ちだ」

友「ち、致命傷なんですがそれは・・・」ガクガク

男「・・・」包帯グルー

友「だ、大丈夫か?病院いったほうが・・・」

男「派手に出血はしたが、裂けてはいなかったから平気だ」

友「いやでも雑菌とか・・・」

男「・・・ま、コイツを料理したら行くよ」(ニッコリ)

友「そ、そうか・・・なんかすまんな」(目が怖ぇ)

http://web.archive.org/web/20080610063455im_/http://www1.odn.ne.jp/setsuna/sh/zaza/amimeutsubo2.jpg

男「はい」ドン

友「」

友「・・・・えっ、あ、あの・・・タタキは?」

男「さっきしこたま叩いただろ。包丁の背で」

友「叩き(物理)かよ!!」

友「で、でもまぁせっかく男が怪我してまで作ってくれたわけだし・・・いただきます」

男「あ、頬肉発達してるけど気をつけろよ。ものによってはウツボの喉元からいっぱい釣鉤出てきたりするから」

友「ヒエッ・・・」

友「・・・・・」モグモグモグ

男「どうだ」

友「皮がモッチリしてる・・・」

男「うまいか?」

友「お、おう・・・小骨が多いかな、うまいけど・・・」

男「・・・」

友「なんか今日は元気ないなお前・・・どうした?」

男「・・・実は」

・・・

桃「へー、男くんがねぇ・・・」

友「あぁ、なんでもこないだ俺たちが帰った後、急に寂しくなってむったんに電話したらしいんだけど、どうやらほとんど声が効けなくて凹んでるらしい」

桃「・・・まぁ、むったん無口だからねぇ・・・」 ※ヒフキアイゴ編参照

友「会話中に出てきた一番長い単語が『おやすみ』だったんだって」

桃「よ、4文字・・・」

桃「ん~、でも、声に出さないだけであの子も電話口じゃ相当喜んでると思うんだけどねー」

友「ま、そうかもしれないけど・・・それにしても、まさか男が恋患いとはねぇ。意外っつーかなんつーか」

桃「こんな時こそ釣りに誘えばいいんじゃないの?」

友「やっぱそうなるのかぁ・・・」

数日後・・・。

友「・・・というわけで、たまには磯釣りに誘ってみたぜ!」

男「おー、磯は久しぶりだなー」

友「今何が釣れるかな」

男「ま・・・この辺ならメジナかクロダイか・・・イシダイ辺りもそろそろ動き始めるころだけど、この小磯じゃどうかな」

友「・・・って言ってるそばからきたぁ!!」

友「・・・これは?」ピチピチ

男「あぁ、ニザダイだな」

友「結構でかいけど、食べれんの?」

男「ん・・・これからの時期は磯臭くなるからだめだ」

友「そ、そっか・・・じゃあリリースするわ」ポチャン

男「・・・」

友「・・・」

友「よ、よし!しりとりするか!!」

男「しりとり?・・・あぁ、やろうか」

友「じゃ・・・しりとり」

男「リール」

友「ルール・・・ってまた「る」攻めかよ!」

・・・

友「ルミノール!」

男「ルノアール」

友「ルーブル!!」(やった、これで勝つる!!) ※アイナメ編参照

男「ルシフェル」

友「」

友「な、なんでや・・・こいつ、一体どれだけの隠し玉を持ってるんや・・・」ガタガタ

男「お、俺も来た!」

友「あ、本当だ・・・って!なんだあのニョロニョロ!!」

男「お前がまさに数日前に食ったあの魚だよ」

友「う、ウツボ!!?」

男「あーしまったな、まさかコイツが釣れるとか・・・タモ持ってきてたっけ?」

友「い、いや・・・」

男「・・・仕方ねぇ、水際まで行って寄せるか」

友「あ、おい、そこ波かぶってんだからあんまり無理すん・・・」

男「あっ」ツルッ

<ボキッ

友「」

男「・・・」

友「お、お前・・・なんか、膝から下おかしくね・・・?リボルテックみたいになってるけど・・・」ガクガク

男「・・・友よ」

友「は、はい」

男「救急車だ・・・」ガクッ

友「お、男ォォーーーーーッ!!」

-ウツボ編 おわり-

-アジ編-

桃「うぇ!?男くんが入院!?」

友「あーうん・・・こないだ釣りに行ったときに足を滑らせて・・・」

桃「意識不明の重体!?」

友「いやそんなまさか。ただ脚をポッキリいってしまわれたようで・・・一週間の入院だそうです」

桃「あらまぁ・・・」

桃「とりあえず、むったんにもメールで教えとこ・・・」

友「あぁ、お願いね・・・それにしても、無理に連れ出すべきじゃなかったかなぁ」

桃「まぁ運が悪かったとしか・・・とりあえず明日仕事休みだから、一緒にお見舞いでも行こうか」

友「せやなぁ」

翌日

桃「お見舞いの品にたこ焼きって、内地では普通なの?」ハテ

友「だってアイツ果物とか甘いもの嫌いだし・・・魚介類食いたいかと思って」

桃「魚介類・・・タコね・・・」

友「あ、この病室だな」

友「おじゃましまーす、具合はどうだ?」

む「・・・・」

友「」

桃「」

男「あ、桃原さん、友」

友「な・・・なんでむったんがここに・・・」ガクガク

桃「メールしたの昨日の夜なのに・・・」ガタガタ

男「朝一の飛行機で来てくれたらしい」

む「・・・」コク

友「そ、そうか・・・よかったな、男」

男「正直俺も驚いたよ・・・一瞬死後の世界にきたのかと思った」

友「ま、まぁなぁ・・・あ、たこ焼き買ってきたぞ。食うか?」

男「おー、食う食う!サンキュー」

桃「・・・あ、じゃあ私お茶買ってくるね」

友「あ、うん。いってらっしゃ・・・」

む「・・・・」アーン

友「・・・い」

男「う・・・あ、ありがとう」モグモグ

む「・・・」ニコニコ

友「なにこれ砂吐きそう」

男「・・・///」モグモグ

友「・・・ふっ、何赤くなってんだよお前」

男「う、うるせーよ」

桃「ただいまー。いやー、若いってのは素晴らしいですねー」ウンウン

友「あー・・・そういやお前、お袋さんには連絡したのか?」

男「あー、うん。一応電話はした」

友「こっちこないのか?」

男「ん、とりあえず入院費もあるし大学には連絡しといたから大丈夫、って言ったら安心したみたいなんだけどさ」

友「うんうん」

男「・・・むったんが来てること言ったら食い気味で『じゃ行く!!』って言われて電話切られた」

友「お、おぉ・・・」

桃「ず、随分アグレッシブなお母さんだね・・・」

友「あぁ・・・俺もこないだ男の実家行ったときに会ったけど、なんかそんな感じだったよ・・・」

男「下手するとあの人、今日の昼過ぎにはつk」

男母「男ッ!!」バターン!!

男「」

友「」

桃「」

む「・・・はじめまして」ペコリ

男母「あぁ友くんお久しぶり!この子がむったんねかわいいじゃない!あとそのたこ焼き母さんにもちょうだいっ!!」

男「落ち着けよ。いやホント落ち着けよ。ここ病院ぞ」

・・・

男母「まったく、気をつけなさいよね!さすがに骨折れたらメンタムじゃ効かないんだからっ!」プンスカ

男「わかってるよ・・・」

桃「あ・・・よかったらお茶、どうぞ」

男母「あ、ありがとっ!・・・へー、この娘が友くんの彼女さんね。かわいいですねっ」

友「は、はぁ・・・どうも」

男母「うんうん、男の彼女とも会えたし!母さんこのまま今日の夜行バスで帰るからねっ!」

男「えっ」

男母「明日午前半休しかとれなかったんだもの!もう帰らなくちゃ!じゃあねっ!!」バイバーイ

男「お、おう・・・」

友「・・・なんか、嵐のように去って行ったな」

桃「・・・あ、そういえばむったん、いつまでこっちにいるの?何なら今日はうち泊まってく?」

む「・・・・ずっと」

桃「えっ」

友「えっ」

男「あーその・・・足が治るまでしばらくこっちにいてくれるそうで・・・」

桃「え、えっ!?だって市場のバイトは!?」

む「・・・私がいなくても、変わりはいるもの」

友(クオリティ高ぇ!!)ゴクリ

桃「え、えぇー・・・?」

男「・・・ま、まぁ前にヘラブナ釣りに来たときに俺の家来たことあるし・・・入院してる間は部屋の鍵を渡しておこうと思って」 ※ヘラブナ編参照

そして数週間後・・・

男「いやー、まだギプスとはいえやっと釣りに行けるようになったぜ!!」

友「いや・・・少なくとも周りからは好奇の目にさらされてるぞ・・・」

男「はい、というわけで今日はアジを釣りたいと思います」

友「あ、はい」

男「この時期になると、10cmくらいの小鯵が港内に押し寄せてくるようになる。刺身でよし、唐揚げでよし。サビキとコマセさえあれば入れ食い待ったなし!」

友「申し訳ないが頭がカリッとするかもしれない丸揚げはNG」 ※サヨリ編参照

む「・・・・」サッサッ ←カゴにコマセをつめてる

友「・・・むったん職人の目つきだな」

男「・・・昨夜ずっとイメトレしてたんだ」

友「えっ」

・・・

友「うはは!爆釣じゃー」ピチピチ

男「たまにイワシとかサヨリが混じってるのもうれC」

む「・・・・」チョンチョン

男「ん・・・はいはい」シャキン

友「ちょ・・・またビクトリノックス・・・」

男「安心しろ。今日は醤油も持ってきてる」

む「・・・」b

友「え、いやそうすか・・・じゃなくて、ここで食うのか・・・?」

男「これくらいの味は釣ってすぐに皮はいで半身にしたの刺身で食うと最高に美味いぞー」

む「・・・・」ワクワク

男「はい」

む「ありがとう・・・」モグモグ

男「ほら、お前も食ってみ」

友「あ、うん・・・うめぇ!すげぇ!!!」

男「しかも余った頭は内臓もそのまま刻んでコマセにできるしな」

友「・・・いやぁ、でも本当。アジって美味いよなぁ。さすが名前の由来が『味がいいから』だけのことはある」

男「ちなみに日本じゃアジといったらこの真鯵だけど、世界的にみるとそれほど普遍的な種じゃないらしい」

友「あ、そうなの?」

男「ああ。サバなんかは結構世界中にいるんだけどな・・・ちなみにアジ科の中では海のぬし釣りに出てくるカッポレが全世界に分布している」

友「カッポレインターナショナルコーポレーション・・・」ゴクリ

男「グローバル化に失敗してそうな企業名だな・・・」

友「ところで、アジのゼイゴってなんでついてんだろうな?」

男「うーん、敵から身を守るため・・・っていっても一飲みにされたらちょっとウザイくらいの役割しかないもんなぁ」

友「実はあれで水流を調節して水の抵抗を減らしてるとか?」

男「なるほど、そういう見方もあるか・・・」

・・・

男「いやぁ、それにしても、今日はたくさん釣れたなぁ」

む「・・・・」ニコニコ

友「そういやヘラブナのときも、むったんがいたとこだけやたら釣れてたよな」

男「あぁ、彼女は釣り神様なのかもしれんな」

む「・・・・///」テレテレ

友「・・・ずっとこうやって、皆で釣りに来れるといいな」

男「ん?あぁ、そうだな。・・・どうした、いきなり」

友「いや、ただ、なんとなく。なんとなくそう思っただけだ」

男「・・・よし、じゃあ帰って残りのアジを調理してしまおう」

友「おう!」

-アジ編 おわり-

とりあえず今回はここまでで終わりにしたいと思います
前作ならびに今回最後まで読んでくださった方ありがとうございました

ちなみに、作中でちょくちょく出てくる男愛用のナイフは↓のものです
http://vics.cc/?pid=1299782

魚画像検索してるうちに迷走しまくってイソメとゴカイとユムシの画像検索して食欲無くなった
カラスミ自作方法とイソギンが牡蛎味だっていうのとケヤリがわりと美味しいらしいことを知った
続々・淡々ともぜひ書いて欲しい

皆さんご感想ありがとうございます
皆さんの分まできっちり魚を釣ってきます

>>255
ちゃんち → ちゃんと

>>300
これくらいの味は釣ってすぐに → これくらいのアジは釣ってすぐに


誤字が多くて(アカン)



>>310
あなたには懐かしのこのサイトがいいと思うの

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