男「ゾンビ発生?はいはい釣り乙、っと」(447)

男「全く厨二病全開だろ。ネタに乗る奴も多すぎ」

男「はぁ。ババァが五月蝿いし、明日はハロワ行く振りしてパチでも行くか」

男「ふぁぁぁああ……寝よ」

男「zzZZZZ」

男「はぁ、普通の時間に起きると眠いわ」

男「ん?なんだよ、ババァ、朝飯用意してないのかよ」

男「だりぃ……。カップ麺もアレだしパンにすっか」

男「あー、寝汗きも。飯食ったらシャワーだな」

男「……。何か外、静かだな?」

男「まさか」

男「ああ、そうか。世間一般は夏休みだからだな」

男「さて、シャワーシャワー」

男「ふぅ、スッキリした」

男「今から出かけてもハロワもホールも開いて無いしなぁ」

男「少しネットやって時間潰そう」

男「ん?まだゾンビ云々やってんのかよ。しかもスレ多すぎ。なんかの祭りか?」

prrrrrrrrrr

男「電話?家ん中だしババァじゃないな。誰だろ」

男「ああ、友じゃん。久しぶりだな」カチャッ

友『おい、男か?無事なのか!?』

男「いきなりどしたん」

友『は?お前マジで言ってんの!?』

男「何言ってんのかわかんねーよ」

友『まぁいいや。とりあえず無事みたいだな』

男「いや、話が見えないんだけど」

友『ほんとに分かってないみたいだな……テレビとか見てないのか?』

男「あ?テレビとかまともな番組ないし。情弱しか見ないっしょ、あんなの」

友『今大変な事になってんだぞ。てか家の周りで何も起こってないのか?』

男「俺一回寝たら基本、外音で起きないし」

友『一言で言えばな。今ゾンビが発生してる。日本やばいぞ』

男「ワロスwwwww釣り乙!」

友『いいよ、もう……テレビは……何局かは生きてるみたいだな。それかネットでニュース見てみろ』

友『それで状況理解できたら電話してくれ』カチャッ

男「何だったんだ、一体?とりあえずニュースでも見るか」

フジ「ザー」

TBS「ザー」

男「砂嵐多すぎ」

テレ東「モエモエプリプリ」

男「ブヒヒwwww」


男「やばwwwつい見入ってしまったでござるwwww」

男「よし、一発抜くか」


男「ふぅ」

男「あー、抜いたらダルくなってきた。寝よ。ハロワは明日だな」


男「zzz」

男「ふぁぁぁぁ……もう夕方か。あー腹減った」

男「飯だ、飯」


男「あれ、クソが。ババァ、また飯作ってねぇのかよ」

男「チッ、床パンしてやんねぇとわかんねぇんすかねぇ?」

男「はぁ、ソーメンでも茹でるか」


男「うめぇwwww夏場はこれだはwwwww」

ガタン

男「ん?ババァかよ。顔合わせんのダリぃから部屋戻るか」

男「よし、早速床パンしてやっか」ドンッ

男「ったく。飯くらい用意しとくのが当然だろが」

男「おら、もいっちょ!」ドンッ

男「これで少しは反省すんだろ」

ヴォァァァァァ

男「まただよwww嘘泣きで俺働かせようとかwwwいつもの演技乙wwww」

男「さて、落とした未見のアニメでも見るか」

男「どれにすっかなー」

男「いやー、緒花ちゃんカワユスだったわー」

男「旅館で働くってのも楽しそうだなー。ハロワに求人ねーかなー」

男「っと、もうこんな時間じゃん。ババァの飯でも食ってやるか」


男「っざっけんなよ!夕飯すらねーとか馬鹿じゃねーの!?」

男「床パンでわかんねーなら壁パンすっきゃねーわな」

男「……」ドンッ

男「これで少しは懲りるだろ」

ヴォァァァァァ

男「うぜぇ。まただよ」

男「気分わりぃ。カップ麺でいいや」

男「俺だって……こんな風になるはずじゃぁ無かったんだ……」



「お母さん見てみてー!テストで満点だったんだよー!」

「わぁ、すごい!ゆぅちゃん、頑張ったのねぇ!」



「俺さ、高校出たら働くよ」

「え?だって今の成績なら大学にだって……」

「いいんだよ。別に勉強したい事も無いしwwwすぐに沢山稼いで楽させてやっからwww」

「ゆぅちゃん……」



男「俺だって……」

男「あんな事さえ無ければ……」



「新入りの男です!よろしくお願いします!

「同じく友です!お願いします!」

「おー、よろしく頼むよ!」

「よろしくね~」



「だから!そうじゃないって何回も言ってるだろ!」

「すいません……」

「チッ……」

「大丈夫か、男?」

「友か。よゆーだよ、こんくれー!」

「その意気だ、頑張ろうぜ!」



男「俺だって頑張ってたんだ……」

男「頑張って仕事覚えて……」



「最近、男も大分やれるようになってきたじゃないか」

「いやぁ、先輩のお陰ですよ!」

「あー、男ちゃん、ごめん!昨日私が見てきた現場いってくれない?」

「どうしたんですか?」

「何かトラブってるらしくって。ウチは関係無いと思うんだけど」

「わかりました。ルート沿いですし行っておきますよ!」

「助かるわー」



男「でも、あの日……」

男「軽い気持ちで請け負った現場で俺は……ハメられたんだ……」



「昨日さぁ、女の人がメンテしてったんだけど、それから調子悪いんだよね」

「わかりました、ちょっと見てみますね」

「って、え?これこないだ技術伝達来てたヤツじゃん!更新パーツ使ってないのかよ!」

「やばい!電装系に相当ガタ来てる!早く換えないと!」バチッ

「うわっ!!」

「おいおいおい!?何してくれてんの……うわ、壊れてるじゃないか!」

「幾らすると思ってんだこれ!しかも修理したばっかで壊れるとかなめんなよ!!」



「男くん、今回のミスはちょっとやばいよ?」

「そ、そんな!元々先輩女さんがやったとこですよ!?俺が見た時はもう!」

「なにそれ、私のせいにする気?」

「ち、ちが……本当に!!」



「おい、男……本当にやめるのかよ」

「友……あんな事あったんじゃ俺にはもう、ここは無理だよ」

「じゃぁな……」

「男……」



男「結局、俺は退職してそれっきりだ……」

男「こんなはずじゃ……無かったんだ……」

男「……」

男「一応ババァに明日こそハロワ行くって伝えとくか」


男「おい、カーチャン」トントン

男「明日は……ちゃんとハロワ行くから」

男「……」

男「んじゃ……おやすみ」

ヴォァァァァァ

男(もしかして、具合悪いのか?)

男「チッ、薬箱どこだっけ」

男「風邪なんかな。まぁいいや。箱ごと持っていこう」

男「カーチャン?具合悪いん?薬箱持ってきたから。入るよ?」

男「カーチャン?」

「……」

男「カー……チャン?」

「……」

「ヴォァァァァァァァ!」

男「カ、カーチャン!?な、何すんだよ!?」

「ヴォァァァァァ!!」

男「ちょ!まじやめろって!!」


男「はぁはぁ……振り切ってきたけど……そんなに怒んなくても……」

友『一言で言えばな。今ゾンビが発生してる。日本やばいぞ』


男「ハハ、あほらし……」

男「まさか、な?」


友『それで状況理解できたら電話してくれ』カチャッ


男「そういや電話すんの忘れてたな」

男「い、一応連絡だけはしとくのが礼儀だよな」

prrrrrrrrr

男「つながんねーし……」

男「そ、そうだ、ネット!」

アホーニュース:全国で謎の暴動発生。政府は自衛隊の治安出動を決定

男「う、嘘だろ……?」

グーグルニュース:暴動収まらず。既に連絡がつかない地域も。

エキサイトニュース:政府、国外脱出か?在日米軍も既に撤退準備完了との声も

男「ほ、本当なのかよ!?」

男「い、一応まとめブログとかも見てみよう!」

2chまとめ:全国でゾンビが発生した件について

男「2chのスレ、本当だったんだ……」

男「下手にニュースサイト見るより2chの方が情報は早いはず……」

男「2chは……」

0001 ゾンビから逃げ切ったったwwwww (15)
0002 安全な避難場所をうpしませんか? (1001)
0003 妹が噛まれたんだが・・・        (251)
0004 日本終了wwwリア充実ざまぁww  (691)
0005 ゾンビだけど質問ある?        (975)
0006 効果的なゾンビの撃退方法      (565)
0007 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール (15)
0008 今都内にいる奴の数→         (1001)
0009 廃屋に逃げ込んだんだが俺はもう限界かもしれない (119)
0010 今赤羽にいる。生存者いるか?    (334)
0011 美樹さやかちゃんはゾンビ可愛い  (249)
0012 ゾンビのエロ画像ください!!    (513)

男「ゾンビ関連ばっかりだ……」

男「だ、ダメだ……情報が混雑しすぎてる……」

男「と、とりあえずここを離れよう!確か近くの小学校が避難場所だったはず」

男「カ、カーチャン!何か今危険らしいから小学校まで行こう!

男「え、そういえばカーチャン、さっきから……」

ヴォァァァァァ

男「そ、そんな訳ないだろ!」

男「そ、そう!顔色めっちゃ悪かったのだって具合が悪いせいだよ!」

男「な、何か変な声出してんのだってハロワ行かなかったし床パンしたから怒ってるだけだって!」

男「そうだよな……カーチャン……」

男「カーチャン!カーチャン!!カーチャン!!! 」



「ごめん……仕事、やめちゃったよ……」

「いいんだよ、ゆぅちゃんは頑張ったんだから」

「ほんとに……ごめん……」

「大丈夫!カーチャンだってパートしてるんだから!今はゆっくり休もう、ね?」

「うん……失業保険切れるまでには仕事見つけるから……」

「次の仕事はきっとゆぅちゃんに合った仕事が見つかるよ!」

「俺、頑張るから……」



男「カーチャン!!!」

男「カーチャン!今すぐ家出るよ!準備して!」ガタッ



「僕大人になったらおかーさんと結婚するー」

「あらあら、ゆぅちゃんったら」



「ヴォァァァァァ」

男「大丈夫!具合悪いだけなんでしょ!?」



「大きくなったらプロ野球選手になるんだ!」

「ゆぅちゃん、ほら、プレゼントよ!イチローみたいになれるといいね」

「お母さん、ありがとう!」



男「きっと避難場所いけば医者いるから!そこで見てもらおう!」

「ヴォァァァァァァァ!」

男「大変なのはわかるけど!大人しくして!体に響くから!」

「ヴォァァァァァ!」



「お父さん、どこ行っちゃったの?」

「大丈夫よ……お父さんは遠くで見守ってくれてるから」

「大丈夫……ゆぅちゃんはお母さんが守ってあげるからね」



男「カーチャン、頼むよ!何かちゃんと喋ってくれよ!!」

「ヴォァァァァァァァ!!」



「お前の成績なら相当いい大学にも行ける。奨学金だって狙える。本当に就職するのか?」

「早くカーチャンに楽させてやりたいんすよ。実はもう就職先も決まってて」



男「俺が悪かったから!仕事をえり好みなんてしないから!良い子になるから!」

「ヴォァァァァァァァァァ!!!」

男「カーチャン、ねぇ、冗談なんだろ?」

「ヴォァァァァァァ!!」



「カーチャン、母の日にさ、何か欲しいものある?初任給入ったからさ。何でも買ってやるよ!」

「カーチャンはね。ゆぅちゃんが元気でいてくれれば他は何にもいらないよ」



男「そっか……もうカーチャンはカーチャンじゃぁ無くなっちゃったんだね……」

「ヴォァァァァァ!!!」

男「知ってた?昔貰ったバットさ、今でもたまにさ、素振りしてるんだよ。カーチャン寝てる時だけどさ」

「ヴォァァァァァァ!!!!」

男「さよなら、カーチャン……」

男「ちゃんと親孝行……したかったよ……」


「」

男「カーチャン……」

男「……」

男「外でる準備すっか……」

男「食べ物……冷蔵庫に何かあるかな」

男「ん、プリンのフタ、血がついて……」



「だーらぁ!明日はハロワ行くってんじゃん!」

「そっか。それじゃゆぅちゃんの好きなプリン買ってくるからね!それで頑張ってね!」



男「嘘だろ……そんときかよ……」

男「……全然美味しくねぇよ、こんなの……」

男「まずは避難場所に行く事だけ考えよう……」

男「今はとにかく、考え事したくない……」

男「防災セットもってくか……中身は……」

男「懐中電灯、充電付き手回しラジオ、ライター、乾パン、か。ないよりマシだろ」

男「一応地図ももっていこう」

男「そうだな、このバットも」

男「それじゃ……行ってきます、カーチャン……」

男「外、静かだな……」

ヴォァァァァァ

男「そうでも無かった……」

男「声はそんな近く無かったけど……」

男「見つかるとまずいから懐中電灯はなるべく使わないでおこう」

男「小学校までは1キロくらいだからすぐつくはずだ」

ヴォォォォォ

男「曲がり角か……見つからないようにしないと……」

グッチャ グッチャ

男「よ、様子だけ見てみよう……」

「クチャ……クチャ……」

男「うわ、向かいの旦那さんかよ……見なきゃ良かった……」

男「この辺……俺以外に誰もいないのか?」

男「皆ゾンビになったか……さっきの人みたいに食べられちゃったのかな……」

男「一人だと怖すぎだろJK……」

男「早く避難場所で他の人と合流しないと……」

「イヤァァァァァ!誰かぁぁぁああ!助けてぇぇぇぇぇ!!」

男「嘘だろ……」

男「と、とりあえず助けにいかないと!」

「やだぁぁぁぁぁぁ!こないでよぉぉぉぉ!」

男「あ、あそこか」

男「おーい、今助けに……」

ヴォォォォォォォ ヴォァァァァァァァ
  ヴォォォォォォ ヴォォォォォォ

男「ちょ、多すぎだろ!」

「あ、そ、そこの人!お願い!こっちにきて助けて!殺される!!」

男「うはwww美少女ktkr!!で、でもゾンビ多すぎて……」

「そ、そんな!行かないで、お願い!」

男「お、俺だけじゃ無理だから!だ、誰か、そ、そうだ!警察か自衛隊でも呼んでくるからさ!そ、それじゃ!」

「や、やだぁぁぁ!見捨てないで!」

男「い、いやいやいや!現実的にさ?お、俺だけじゃ無理だから、ね?それじゃまた!」

「やめて!こなギャァァァァァァァァ!!!!」

男「はぁ・・・はぁ・・・」

「ぎゃああああああああ!い”た”い!い”た”いぃぃぃいいい!」

「や”め”て”よ”ぉ”ぉ”ぉ”ぉ”ぉ”ぉ”!!!」

男(くっそぉぉぉぉ!)

男(やっぱ見捨てられねぇぇぇぇ!!)


男「だ、誰も居なかったからや、やっぱ助けにき……」

「あ…あ…」グチャ グチャ

ヴォォォォ  ヴォォォォォ

男(や、やっぱ……遅かったんだ……最初から助けてれば……)

「……」グチャ グチャ

男(やっべ!目あった!?」

「こ”…ろ…し”……て”……」グチャッ メキャッ

男(うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!)

「ひ……ぎょ……も……」ベキィ グチャ

ヴォァァァァァ ヴォァァァァァァ

男「はぁっはぁっ……」

男「これだけ、はぁっ、走れば……」

男「って、100Mくらいしか離れてねーし!」

男「か、考えてみればここ数年ろくに運動してなかったし……」

ヴォァァァァァ ヴォァァァァァァ

   ヴォァァァァァァ ヴォァァァァァ

男「無理だろ……2人死ぬより1人助かるほうが……」

男「小学校へ急ごう……」

男「それで救助してもらって……すぐに事態も収まって……」

男「そんで……いつも通りの生活に……戻るんだよ……」

男「ここを曲がれば小学校だ」

男「救助部隊がいるはず。助けてもらおう」

男「警察がいるのかな?機動隊とかSAT?」

男「治安出動してるらしいから自衛隊?」

男「遂に陸自の炊き出しカーをこの目で見れる日がきたかwwww」

男「さぁ、俺を助けておくれwwwwww」

男「れっつへるぷみーwwwww」

「ヴォァァァァァァァ」

男「あwwwwさーせんwwwwまちがえましたwwww」

男「……」

男「」

男(え?ちょ、え?は?警察は?自衛隊は?)

男(え?いやいやいやwwおかしいでしょ?え???)

男(いや、だってさ?どう見てもあれゾンビでしょ?どう見ても生きた人間じゃないっしょ?)

男(おかしいってwwwwここ避難場所でしょ?避難できねーじゃんwwwゆっくりできないよwwwww)

男(……)

男(す、少し観察してみよう)

男(……)

男(まず……確かにここは避難所だったみたいだ)

男(天幕はってある場所がある。多分受け付けとか司令部とかそんなのだったんだろうな)

男(炊き出しとかみたいのもある。随分前から動いてないっぽいけど)

男(つまり少なくとも今日の昼ごろまでにはここは壊滅してたんだ……)

男(俺がシコって寝てる間か……)

男(ゾンビも……色んなのがいるな)

男(ジジババがいれば若いのも結構いる……)

男(子供もいるし……警察や自衛官っぽいのもいる……)

男(やっぱり民間人を守って……戦って死んだのかな)

『あ、そ、そこの人!お願い!こっちにきて助けて!殺される!!』

男(すげーよ……俺にそんな度胸ないわ……)

男(今はそんな事考えてる場合じゃないな。離れて安全な場所探さないと)

男(待てよ……探せばここには銃があるんじゃないか?)

男(正直バットだけじゃこの先生きのこれない。何とか入手できないかな)

男(ゾンビから奪うのは……)

元自ガチムチマッチョゾンビ「ヴォァァァァァァァァ」

男(不可能。無理。死ぬ。最悪掘られる)

男(待て、落ち着け、俺。もっと考えろ)

男(そうだ!全部が全部ゾンビになるとは考えにくい)

男(見る限りただの死体もあるみたいだ。そういった死体から拾おう)

男(かと言ってこのまま出たら見つかる……)

男(見つかりにくい場所で銃を持った死体があれば……)

男(裏に回ろう)

男(体育館の裏の方はゾンビも数が少ないみたいだ。あそこなら)

男(幸い裏口にはゾンビはいなかった)

男(この辺に銃を持ってそうな死体は……)

男(あ!警官っぽいのと自衛官っぽい死体だ!)

男(拳銃と……ライフル、小銃っていうんだっけ?どっちでもいいや)

男(これはありがたく使わせていただきますっと)カチャカチャ

男(あ、拳銃落とし……)ガタンッ

ヴォァァァァァ

男「やっべ、ばれた!」

男「でも残念でしたwww今の俺には銃がありますんwwww」

男「オラァッ!」パンッ

ヴォァァァ……

男「初めての射撃で初HITwww俺ぱねぇwwwざまぁwwww」

ヴォァァァァ ヴォァァァァァ

男「銃声でいっぱいきた……」

男「と、とにかく逃げよう!」

男「走れ!とにかく走れ!!!」


男「ら、ライフル重すぎ……抱えて走るの超きついんですけど……」

男「だ、ダメだ!これなきゃ絶対生き残れん!」

男「ひ、一休みしよう……」

ヴォァァァァァァ ヴォァァァァ

男「こ、声は結構遠いから……あいつらならとろいからまだ時間かかるだろ……せめて息を整えて……」

ヴォァァァァァァァァァァ! タッタッタッタッタッ

男「ちょwwwwww走んなwwwwwwww」

男「オワタ……」

「ヴォァァァァァァァ」

男「ひぎぃぃぃぃ!た、助け」

「ッラァ!」

「ヴォガッ……」

男「え?え?」

「ぼさっとしてんな!おいてくぞ!?」

男「は、はひぃぃぃぃ!」


「はぁはぁ……この辺までクりゃもうダイジョブだ」

男「ぜはぁ……ぜはぁ……」

「おいおい、ガチでヘバってんのかよ」

「まぁ……無事で何よりだわ……」

男「ひぎぃ……ひぎぃ……」

BoA「」


























BoA「ヴォアアアアアアア」

男「ひはぁ……ひはぁ……」

「ほれ、とりあえず水でも飲んで一息つけろよ」

男「あ、ありがてぇ、ありがてぇ……!」

男「ゴク……ゴク……ぷはぁ」

男「……」

男「俺……生きてるのか……?」

男「無事に……逃げられたんだ……」

男「も、もう少しで……あいつらに……喰われて……」

男「ガクブルガクブル」ガクブルガクブル

「お、おい。お前、大丈夫か……?」

男「は、はひぃ!だ、だいりょーぶれす!」

「……?えっと、地方の人……?」

男(やべぇ、カーチャンと友以外と話したのなんて何年ぶりだよ!?)

「まぁいいや。俺は郷田DQN夫。DQNでいいよ」

男「お、おおおお俺、男っていいます」

男「たたた、たしゅきてきゅれてあ、ああああざーした!」

DQN「いやいやwww落ち着けってwwwwここなら大丈夫だからwwww」

男「ははは、はひぃ!」

DQN「でも運が良かったよ、男クンは」

DQN「数時間ぶりに生きた人間の叫び声がしたからさ」

DQN「生存者まだいるんだって思ってさ。俺探しにいったんだよ」

DQN「そうしたら男クンが追われてたのを見つけたんだよ」

DQN「最初の叫び声は女の子だったみたいだけど見つからなかった」

DQN「多分、別ントコでもうやられちまったんだろうな」

『ひ……ぎょ……も……』

男「……」

DQN「かわりってわけでもねーけど男クン助けられてさ、マジ良かったよ」

男「……」

DQN「随分疲れてるみてーだし。ここは俺が見てっから少し横ンなって休んだほうがいいぜ」

男「あざっす……」

男「あ、あの……」

DQN「ん?男クン、どしたん?」

男「そ、そそそその、DQNさんの家族とか、そ、その知り合いとかは……?」

DQN「あー」

DQN「うちさ、両親いなくてさ。ジーチャンと妹と住んでたんだよ」

DQN「ちょーど俺、仕事しててさ。妹も働いてたし、ジーチャンは家にいたんだ」

DQN「で、警報出て、俺、どっちを探しいくか、きめらんなくて……」

DQN「したら……親方とカンちゃんが……妹は俺らが連れてくからジーチャン連れて来いっていってくれてさ」

DQN「マッハで家帰ったけど……ジーチャンはダメだったよ」

DQN「避難所いったらカンちゃんと妹が居た。親方はいなくって……カンちゃんも妹も泣いてたっけ」

DQN「でも3人で頑張ろうって言ってた矢先に……避難所、ダメんなっちゃったろ?」

DQN「二人ともそんときに……」

男「ご、ごごごめんなさ……」

DQN「いーっていーって!そーいうつもりじゃねーし!それに多かれ少なかれ皆にたよーなもんっしょ!」

DQN「さ、いーから男クンは休みなって!」

男「俺だけじゃないんだ……辛い思いしてるのは……」

男「カーチャン……」

男「名前も知らない美少女……」

男「皆助けられなかった……」

男「DQNさんに助けてもらえなかったら俺だって……」

男「もしこれから途中で困ってる人がいたら……」

男「俺はそういう人たちを助けられるのかな……」

男「寝よう……もやもやして何を考えたいのかもわからない……」

………………

…………

……

男「ん……朝か……」

「ゆぅちゃん、おはよう。朝ごはん出来てるからね」

男「うん、いただきまーす」

「おいしい?」

男「カーチャンの飯はいつも美味しいよ」

「嬉しい!カーチャン、頑張るからね!」

男「俺もハロワ行くよ。いつまでもカーチャンばっか働かせてらんないからさ」

「いいお仕事見つかるといいわね」

男「うん。でもある程度は妥協もしないとダメなのかもなぁ」

「それじゃカーチャン、もういくね?」

男「ん、パートまだでしょ?早くない?」

「ううん。大分まってもらっちゃってるから。ゆぅちゃん」

男「なに?」

「カーチャンはずっとゆぅちゃんの味方だからね」

男「やだよ!カーチャン、いかないでよ!」

男「カーチャン!カーチャン!!」

「男クン!男クン!!」

男「カーチャン!俺まだ、まだなんにも親孝行してないんだ!いかないでよ、お願いだから!」

「男クン!しっかりしろ!」


男「あ……」

DQN「大丈夫?かなりうなされてたけど」

男「ご、ごごごめ。ちょっと夢みちゃって……」

DQN「そっか……。落ち着いたらそこにあるメシ食べるといいよ。簡単なやつで悪いけどね」

男「とととんでもないす!あ、ああああざーす!」

男(カーチャン、俺、頑張るよ……)

DQN「まだ夜明けまで少しあるからさ。俺も少し休んでいーかな」

男「だ、だだだーじょっす!お、おおおれ見とっす!」

DQN「もし何かあったら起こしてくれる?仮眠だからさ、すぐ起きっから」

男「りょ、りょーかいっす!」

DQN「んじゃ、ちょっとお願い。おやすみ……」

DQN「……」

男(すぐ寝入っちゃった……自分も疲れてるのに俺を先に休ませてくれたのか)

男「……」

男「スマホで今のうちに情報収集しとこう」

男「2chのスレは……」

0001 【日本】政府既に国外へ逃亡済み【終了】 (486)
0002 発電所っていつまでもつの? (865)
0003 ゾンビに噛まれたんだけどこれってもうアウト? (1001)
0004 比較的安全な地域を教えてください (158)
0005 死ぬ前に生存者レイプしまくる老若男女問わず (1)
0006 【生存】救出要請を受けたら最寄のVIPPERが助けにいくスレ【救出】 (777)
0007 俺を助けてくれたらマジで5億やる (23)
0008 幼女ゾンビを捕獲したんだが・・・ (517)
0009 ミッキー「ハハッ、閉園後に残ってる子はどぉこだ ?」
0010 我はメシア、世界を浄化する (1001)
0011 みんなーおちんちんランド開園だよー (1002)

男「相変わらずのカオスっぷりだな。どれを見るべきか」

男「ん、これは……」

0027 対ゾンビ VIP対策室司令部 Part2108 (481)

男「有用な情報あるかな」

478 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 本日のレス 投稿日:2012/08/18(木) 20:56:37.76 hSTg7+yW0
おい、政府はもうハワイへ脱出したらしいぞ!


479 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 本日のレス 投稿日:2012/08/18(木) 20:57:37.36 n0C6skJn0
大手ニュースサイトじゃまだ扱ってないけど確定らしいな SPからリークあった


480 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 本日のレス 投稿日:2012/08/18(木) 20:57:56.16 3s0N2Qmm0
マジかよ……民間人の避難とかどうすんだよ……


481 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 本日のレス 投稿日:2012/08/18(木) 20:59:22.92 O9ADB94o0
日本オワタ

男「え、ちょ、どうなるんだよこの国……!」

男「どうすりゃいいんだ……身動き取れないぞ……」

男「ん……?」

0028 自衛隊群馬残存部隊です。生存者の方、見てください。 (158)

153 名前:12旅団司令部 投稿日:2012/08/17(金) 20:49:20.99 BoS18p0T0
新町駐屯地は連絡が途絶えましたが相馬原駐屯地は未だ顕在です。
生存者の方の受け入れも行っております。


154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/17(金) 20:49:21.46 XJW5HUW10
マジで?やはりグンマーは格が違ったか……


155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/17(金) 20:49:35.31 ImY5nEwQ0
12旅団って事はヘリボーン旅団でしょ?
民間人をヘリで脱出できない?


156 名前:12旅団司令部 投稿日:2012/08/17(金) 20:49:35.70 BoS18p0T0
現在、その計画も立案中です。
米軍は殆ど脱出していますが一部海兵隊が横須賀駐屯地の部隊と協力し、駐屯地を死守しています。
上手くいけば船で脱出できるかもしれません。


男「こ、これだ……」

適当なスレからコピペしたからな、改変しくった

男「どうすりゃいいんだ……身動き取れないぞ……」

男「ん……?」

0028 自衛隊群馬残存部隊です。生存者の方、見てください。 (158)

153 名前:12旅団司令部 投稿日:2012/08/18(金) 20:48:20.99 BoS18p0T0
新町駐屯地は連絡が途絶えましたが相馬原駐屯地は未だ顕在です。
生存者の方の受け入れも行っております。


154 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/18(金) 20:51:21.46 XJW5HUW10
やはりグンマーは格が違ったか……


155 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2012/08/18(金) 20:52:35.31 ImY5nEwQ0
12旅団って事は空中機動旅団でしょ?
民間人をヘリで脱出できない?


156 名前:12旅団司令部 投稿日:2012/08/17(金) 20:56:35.70 BoS18p0T0
現在、その計画も立案中です。
米軍は殆ど脱出していますが一部海兵隊が横須賀駐屯地の部隊と協力し、駐屯地を死守しています。
上手くいけば船で脱出できるかもしれません。


男「こ、これだ……」

DQN「ふぁぁ……よく休めた」

DQN「男クン、ありがと。大分休めたよ」

男「あ、あああああの、DQNさん」

DQN「ん?どかした?」

男「じ、じじじ自衛隊が脱出させてくれるかも」

DQN「……詳しく聞かせてくれる?」


DQN「へぇ、群馬か」

男「さ、ささささいたまからなら隣県だし、い、いいいいってみませんか?」

DQN「んー……俺はやめとくよ」

男「ちょwwwww」

男「え、なんで?なんでなんで?」

DQN「なんつーか、上手く言えねーんだけどさ」

DQN「多分、上手く群馬行きゃ生き残れるかもしんないけどさ」

DQN「多分、そしたら……もうここに帰ってこれない気がすんだよね」

男「……」

DQN「何だかんだでココ、俺の故郷だしさ。ここで何とか、生き残ってみるよ」

男「そ、そそそんな……DQNさん……」

DQN「あ、ちげーよ!?別にここで死ぬつもりもねーしさ!」

DQN「また困ってる人いっかもしんねーし。まぁやれる事やってからさ」

DQN「んで、気がすんだら俺も群馬いくかもね」

DQN「男クンは別に付き合う事ねーからさ!男クンのお陰で大分休めたし!コレマジだから!」

DQN「だーら、俺んコト気にしねーで群馬行くべきだって!」

男「DQNさん……」

DQN「ここ真っ直ぐいきゃ17号だから。そしたら17号のってけば群馬入れるよ」

男「あ、あああ、あの。あざーっした!」

男「そ、そそそその、お礼にこの銃…使ってくだひゃい!」

DQN「マジで?助かるよ。でも男クンもこれから絶対必要っしょ。この小さい方だけもらうよ」

DQN「そんじゃ、きーつけてね!」

男「あ、あじゃじゃしたー!!」



男「DQNさん、生き残れるといいな」



DQN「男クン、心配だなぁ。生き残れるといいな」

タスケテー

DQN「っと!今行くぞー!」

男「また一人か……」

ヴォァァァァ

男「!?ゆ、油断してるとすぐに喰われるな……」

男「こんな時ことチョンゲFPSで鍛えたクリアリングの出番だ」

男「幸い銃もあるし、慎重に行こう」


男「曲がり角クリア!」

男「死角クリア!」

男「……」

男「無理だろこれ……身も心ももたん……疲れる……」

男「ん?コンビニがある。寄ってこう」

男「一応入る前に周りを確認しとこう……」

男「よ、よし、いないな!?」

男「隣県とは言え、かなり歩く訳だし、ここで食べ物とか補充してこう」

男「防災バッグ、そんな大きくないけど、とりあえず持てるだけは持たないとな」

男「お邪魔しま~す……」

男「カップ麺とかはお湯用意しなきゃだし外しておくか」

男「日持ちする奴重視で……飲み物はペットボトルかカンだな……」

男「さて、あんま長居するのも危険だし離れ……」

「あ、あのー、誰かいますかー?」

男「!?」

「ど、どなたかいませんかー?」

男(え?誰!?誰!?)

「そ、その誰もいないんですかー?」

「わ、私食べ物とか欲しくて……お邪魔しまーす」

男(お、女の子!?)

「少しわけてもらいま……だ、誰ですか!?」

男「チ、チョリーッス……」

男「それじゃJKちゃんも群馬に?」

JK「はい……知り合いが自衛隊にいて、それで来て見たらどうかって」

男「き、奇遇だねぇ。実は俺も群馬の自衛隊に行く所なんだ」

JK「そうなんですか!?」

男「上手くすれば脱出できるかもしれないってネットで見てさ」

男「そ、それで、その……JKちゃんさえ良かったら一緒に行かない?」

JK「え、いいんですか!?嬉しいです!」

男(JK最高やぁぁぁぁぁぁぁ!!!)

男「ふぅ、結構今日は歩いたねぇ」

JK「でもまだ埼玉ですから……このペースだと2,3日はかかりそうですね」

男「だねぇ。思ったよりしんどそうだ」

ヴォァァァァ

男「……そろそろ暗くなってきたし休める所でも探そう」

JK「そう、ですね。夜に出歩くのは危険ですし……」

JK「あ、あそことかどうでしょうか?」

男(ラ、ラブフォォォォォ!?)

JK「え、あ、そ、その!私だって本当は初めてだし入った事も無いですけど!安全そうですし」

JK「そ、それに私、その、男さんとなら……」

男(ふぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!)

JK「お、男さんはこういう所なれてるんですか?」///

男「ま、まままぁ、以前はよくねぇ!あは、あはははは!」

男「あ、明日も歩きそうだし早めに休もうかぁ///」

JK「は、はい///」

JK「あ、でも」

男「ん?」

JK「二人一緒に寝ると何かあったとき危ないと思うんです」

男「ああ、そうだねぇ」

JK「だから交代で休みましょう。まず男さんからどうぞ」

男「え、いいの?」

JK「はい。男さんに先に休んでもらいたいんです」

男「そ、それじゃ先に休むね。何かあったら起こしてね」

JK「わかりました。おやすみなさい」

男「おやすみ……」zzz

男「zzz」

JK「……男さん?」

男「zzz」

JK「……寝入っちゃったか」

男「zzz」

JK「バーカwwwwwwww」

JK「誰がテメェみたいなキモヲタと一緒に行動すっかっつーの」

JK「コンビニに誰か入ってくの見たから行ったらコイツだもんなぁ」

JK「まぁ多少役に立ちそうだし銃も持ってたからついてきてやったけど」

JK「一秒でも一緒にいたくないし銃と役立ちそうな物だけパクってこ」

JK「出鱈目で群馬いくっていったらいいことも聞いたしwwwww」

JK「あ、でもこいつ生きてると群馬で蜂合うのかぁ……それは面倒だなぁ」

JK「あ、そうだwwwww」

JK「えーと、コイツの携帯は……」

JK「お、生意気にスマホじゃんwwwww」

JK「で、5分後に設定して、とwwwwwww」

JK「よし、おっけーwwwwwwそれじゃさよならキモヲタくんwwwwww」


男「zzz」

男「zzz」

アートイーチードーダケーキセキーハオーコルーダロー

男「zzz」

キーレーイーナツキーノヒーカーリーガー

男「んんん……JKちゃん、もっと力抜いて……」

ホーントーハーダーレガースークワーレタークテー

男「んんん……JKちゃん……?」

男「あれ、どこに……てかタイマーなんてつけてたっけ……?」

ヴォァァァ ヴォァァァァァァ ヴォァァァァァァァアアア!!!

男「ちょ……やばッ……!?」

ヴォァァァァァァ

男「そ、そんなJKちゃんは……!?」

男「い、いない!何処に……!?」

ヴォォォォォォォ!!

男「じゅ、銃だ!銃でまずコイツを……あれ、無い!?」

男「う、嘘だろ!?ちくしょう、バ、バットで……よし、ある!」

男「あるけどバットしかないぃぃぃぃ!!え、嘘、俺のバッグは!?」

ヴォォォォォォオオオ!

男「畜生、やるよ、やってやんよ!やればいいんだろぉぉぉぉ!!」

男は、まず室内を見渡す

アラームに釣られてきたゾンビの数は3体、最悪である

しかし渦中にあって幸いなのはゾンビが男を未だ包囲していない事だった

ゾンビに包囲という概念と戦術が在るかは考察の余地が残るが、今は詮無き事

自分の体に意識を向ける

体調良好 休みを取ったお陰で睡眠前の披露は無い

精神不調 寝起きによる半覚醒状態の意識 思いがけない事態への混乱 消えたJKと自身の装備

……悪くない

男「うぉぉぉぉぉおおおおお!!!」

「ッラァッ!!」

一番手近のゾンビが突き出した腕にバットを振り下ろす

怒声と共に腕を打ち砕く

ゾンビと言えど元は人間 凶器と貸したバットを受け折れぬ道理が無い

しかしそれを意に介す事も無くゾンビは近づく 捕食の為に

この獲物を引き裂くには腕が一つ そして強靭なその顎があれば十分

そしてその腕が男を掴む寸前に

男はゾンビを蹴り飛ばす

「ってんじゃねぇぞ!」

体勢を崩し、尚立ち上がろうとするゾンビの視界が最後に捉えたのは

またしても振り下ろされたバットであった

「まず一匹ィッ!!」

ゾンビに連携等という物は存在しない

その物量が結果として連携となる習性があるだけである

故に今バットを振り下ろし無防備を晒す男が別のゾンビに捕まるのは必然である

「ッの!ッたねェ手でェ……触んなッ!!」

身体制御から解き放たれたゾンビの腕力をして男から引き離す

それは封じられた腕でも無く 未だ踏みしめる足でも無く

人体で2番目に硬い頭部 所謂頭突き

刹那の隙は しかしそれだけで十分

目には目を 足には足を 棒立ちのゾンビの膝へ垂直角度の蹴り砕き

またしても訪れた刹那の瞬間 崩れ臥す腐体

その頭頂目掛け

人体で1番硬い部位

踵が降り立った

果たして生ける屍に感情という物が存在するのか せしめるのか

目前の同胞と呼ぶべき物体が

この屍人が生まれ出でて そしてこの今まで

これ程容易く粉砕せしめるを見た事は確かに無かった

しかし屍は死する故に屍であり そこに心があるかどうかはついぞ分からぬ

ただ反応が遅い個体だったのか

或いは驚愕を覚えたのか

だがそれは男にとって己の愚息を拭き取るオナティッシュ程の価値も無く

ただひたすらに 一途に

握り締めたバットで頭を打ち抜くのみである

男「ぜはぁ……ぜはぁ……」

男「え、嘘?これ俺がやったの……?」

「」

男「はぁっ……はぁっ……」

男「死、死ぬかと思った……」

男「火事場の馬鹿力、馬鹿にできねーわ……」

男「あとでキン肉マン、トレントで落とそう……」

ヴォァァァァァ

男「やべ、これ以上ここいたらまずい!」

男「とにかくここから離れよう!!」

男「ふぐぅ……!!」

男「な、慣れない筋肉使ったから体が……」

男「た、耐えろ、俺……」

男「ヒギィ!あ、足がつりそう……!」

男「ふんぬぬぬぬぬぬ!!」


男「ぶひぃ……ぶひぃ……」

男「ラブホから何とか脱出出来た」

男「JKちゃん……」

男「何処行ったんだろう……」

男「もしや!?」

男「俺の為にゾンビを迎撃に出てるのか!?」

男「なーんちゃって」

男「……」

男「あのメスガキィィィ!!俺の荷物パクりやがったなぁぁぁぁぁ!!」

男「次あったらブチのめす!んで俺のマグナムでんあーって言わせるわ!!!」

男「あ、でも流石に顔殴るのはまずいよな……」

男「む、無理矢理レイプってのも可哀相だし……」

男「つ、次あったら匂いクンカクンカして太股ペロペロしてやっからな!!」


JK「な、何か悪寒が……」

JK「あいつ死んだかなー」

JK「まあ普通に考えて死ぬっしょ」

JK「後は群馬いってじえーたいに助けてもらって」

JK「多分そしたら海外だよね!」

JK「アメリカとかーイギリスとかーフランスとかー」

JK「金髪イケメンゲットして夢の海外セレブの仲間いりっしょwwww」

JK「まぁジモティーだから地元離れんのちょっと悲しいけど」

JK「どうせ一ヶ月もすれば元通りだろうしwwwww」

ヴォォォォォ

JK「うぉぃ!?こっちにもいたの!?ヤッベ!!」

JK「でもwwww私にはキモヲタからパクった銃あるしwww」

ヴォォォォォ

JK「人撃つの初めてwwwwいっきまーすwwww」カチカチ

JK「あれ……?」

JK「な、何で!?何で弾出ないの!?」

JKには知る由も無い

銃には安全装置がある事も

弾倉に弾が無ければ撃てないという事も

弾倉を装填したならまずコッキングし初弾を装填する必要がある事も

適切な整備を施さなければ銃はすぐ不可動になる事も

排出不良という事象がある事も

その他無象の事象がある事も

何も彼女は知らなかった

無知は罪であり

そして

彼女は罰を受けた

ギャァァァァァァァ!ガヒィ!?ギガッ……ギャアァァァァ!やだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
いたいイたイ痛い痛イヒギィィィィィィィ!!!ごめギャッ!やめフングッ!ゆルしギャァァァァァアアアア!!

ベキッ メキッ グチャ グチャ メキリ ペキッ グチャ グチャ

男「もう絶対人は信じない」

男「あ、嘘。ごめん」

男「もう絶対友とDQNさん以外は信じない」

男「あ、これもごめん。ちょい訂正」

男「もう絶対友とDQNさんと自衛隊の方々の海兵隊の方以外信じねーわ」

男「あれだよ。結局大半の人間はてめーが可愛いだけだな」

男「いざとなりゃ平気でさっきまで話してた人間を裏切るんだわ」

男「道中絶対誰も助けねーわ」

男「そう、俺は心を閉ざす。これからは孤高に生きるわ」

男「何にも心を開かないわ。マジだわ」

男「フッ……」ニャー

男「おうふwwwwwヌコwwwwwwかわゆすwwwww」ニャーニャー

男「そういえば道中で動物って見かけなかったなぁ」ニャー

男「ゾンビって人間しかなんないのかな」ニャニャー

男「てか人間以外襲わないのかね」ニャーニャー

男「ん、このヌコ……腹減ってんのかな」ニャーニャー

男「そういや俺も腹減った……」ニャーニャー

男「何かコンビニでも無いかな……」ニャーニャー

男「ん、あれは……ホームセンター?」ニャニャー

さーせん、呼び出しっす
しばらく戻らんちん

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