男「俺たちの」幼馴染「告白!!」(56)

告白。

漫画やアニメ、小説、ゲーム等々の創作ではよく扱われる題材だ。

そこに登場する主人公、またはヒロインは、いい雰囲気になったとしても
なかなか告白しない。出来ない。

俺たちはいっつもじれったいのだ。
「早く告れよ!」
そう思いながら、続きを待っている。

俺もそうだった。おそらく彼女も。

俺たちにも、告白する度胸なんてないくせに。


俺にはずっと好きな女の子がいる。

いわゆる幼馴染ってやつだ
生まれたときから一緒だった。
写真も残っていて、俺たちの区別はつかない。

俺はよく幼馴染のお父さん、俺はおじさんって呼んでいるんだけど、そのおじさんとそっくりだといわれる。
彼女にも、「私たち、親が逆なのかもね」とからかわれる。

彼女は、かわいかった。顔とかスタイルが特別いいわけではないけど、仕草が。

俺は彼女が好きだった。


彼女は、男に好かれる性格をしていた。

誰にでも親しく話しかけるし、優しかった。
男はそんな女に惚れるんだ。

だけど、俺は彼女を盗られるなんて心配していなかった。
彼女は、俺に誰にも見せない笑顔を見せてくれていたし、俺をよくデートに誘った。

彼女は俺のことが好きなはずだ。

バレンタインに手作りのチョコをくれた。
明らかに義理じゃないようなチョコを、顔を赤らめながら。

その時に彼女が告白してくれていれば、俺は悩まなくっても済むのに。
そんな度胸、彼女にはなかった。

もちろん俺にも。


彼女の趣味は変わっていた。
いつでも見ることができて、俺達には慣れ親しんだものだというのに、彼女はそれらに夢中だった。
まるで訪れる修学旅行生のように。

「これが日本のあるべき姿だよ!」
そう言って彼女は俺を神社やらお寺やらに連れて行った。

神社とお寺の違いが宗教の違いだってことくらいはわかっているけど、俺には違いはわからなかった。

俺たちはよく二人で、一緒に見学に行った。
もう飽き飽きな外観を見ながら、もう聞きあきた彼女の説明を聞いて。

そんな彼女が俺は好きだ。

「もっとしっかり聞いてよ~」彼女は毎回そう言ったが、そのセリフもその解説も何回も聞いている。
俺はそう何回も言っている

続きは今夜でにでも

修正です。
4-10  「もっとしっかり聞いてよ~」→「もっとしっかり聞いてよ~」

幼馴染の人か
期待してる


俺たちは今まで同じクラスになったことがない。

よくある幼馴染ものでは、いつも同じクラス、いつも隣の席だ。
俺たちはいつも違っていた。
もちろん隣の席は彼女じゃない。

俺たちは変化を求めていた。
漫画なんかでは、初めて違うクラスになることでお互いを意識する、なんてのがある。
よそでほかの男と仲良くしている彼女を見て。

でも俺たちには慣れっこだった。
だから俺たちは、同じクラス、隣の席になりたかった。

そうすれば、なにかが変わる。
そう信じていた。


もう高校生だ。
お互い恋人を作ってみてもいいころだ。
そう考えていた。

彼女はもてる。
割としょっちゅう告白されている。

それでも、OKしたことはなかった。

彼女がOKすることはないだろうと確信していた。

でも、俺はもてない。
告白されたことなんかないし、される予感もない。
たぶん。


俺には、小学生から今までずっと同じクラスの女友達がいる。
彼女は、紗希といった。

もしかすると、幼馴染よりも長い時間、紗希と過ごしているかもしれない。

でも、恋愛に発展することはなさそうだった。
俺が彼女のことを好きなことは知っているし、彼女にもどうやら好きな人がいるらしい。

彼女に告白しないのか?と聞いたことがある。
彼女は「ムードが大事なの。そんな雰囲気になれたなら迷わずするわ。」
そう男らしく言った。俺にもそんな勇気がほしい。

彼女も変化を求めているのだろう。
いつまでも変わらない関係がじれったいのだ。

たぶん今夜投下します


いつものように幼馴染と下校していると、珍しく彼女が
「ゲーセンによっていこ?」そう言った。

彼女の「どこかによる」はだいたい神社だったから。

ゲーセンにつくと彼女は、迷わずガンシューティングの筐体に向かった。
彼女は、体を動かすのは苦手で、こういったゲームは不得手だった。

彼女からこういうゲームをやろうといわれたのは初めてで
「どうしたの?」とつい尋ねたほどだ。

「いつも同じことやってても、しょうがないと思ったの。」
意味ありげな目線を俺に向け、彼女は銃を持った。

プレイしながら俺は、「ゲーセンでやるゲームが変わったって、告白なんかできねぇよ。」
そう思った。


彼女は相変わらずへたくそで、いつもと一緒だった。
これでめげるかと思ったけれど、次は「ホッケーをやるぞ」といいだした。

昔ホッケーで彼女を泣かせてしまったことがある。
彼女は弱すぎるんだ。

10年ぶりくらいに彼女とプレイしたけれど、相変わらず弱かった。
ただ、彼女は泣かなかったし、満足げな顔をしていた。

きっとおれも満足げだっただろう。
彼女の揺れる胸に目が釘付けだった。
彼女の靡くスカートに目を奪われていた。

そんな俺の目線に気付いていたのかもしれない。


最後にプリクラをとった。
実は初めて撮った。

あんなものは男がとるものじゃないとずっと断ってきたのだけれど、
彼女の色香に夢中でそれどころじゃなかったんだろう。

彼女と何枚か撮った。
つないだ手を正面にかざしたり、腕を組んで、胸を押し当てられたりもした。
彼女とほおを寄せ合ったりもした。

彼女の温かさに驚いた。

機械のアナウンスが次が最後の一枚だと告げた。

彼女は俺の頬にキスをした。

俺はあっけにとられ、撮影が終わった後も惚けていた。

彼女は澄まし顔を作っていた。


帰り道、いつもとは違う雰囲気のまま、俺たちは並んで帰った。

告白するんなら今しかないと、ずっと考えていた。

きっと彼女は俺の告白を待っていたんだと思う。

でもきっと俺から伝えることはできなかっただろう。
今日1日、主導権は彼女が握っていたから。

俺から告白される気配がないと察したのか彼女は、
ダッシュした後に勢いよく振り向いて、
「ゲーセンも馬鹿にできないだろ!!」
そう笑いながら、駆けて行った。

今日はピンクだった。

また明日投稿します。

>>7
おとといくらいまで投稿していたものなら確かに私のことです。
期待に応えられると嬉しいです。


俺は、20時頃に目が覚めた。

頭はすっきりしていた。

何をしなきゃいけないかもしっかりとわかっていた。

俺は幼馴染が好きなんだ。
彼女じゃなきゃだめだったんだ。

代わりの人なんていなくて、甘えさせてもらっていちゃいけなかったんだ。

俺は、ようやくわかったんだ。

俺が、ずっとしたかったこと。
そのタイミング。

それがいまなんだ。


彼に、メールで呼び出された。

何の話かわかっていた。
だから行きたくなかった。

でも、行かなきゃいけない。

彼とこれからも一緒にいるためには。
また、見つめ続ける日々に戻ることになったとしても。

終わらせなければいけない。

やっぱり私じゃダメだったから。

だから行った。
泣きそうな顔を必死に化粧で彩り、彼の好みの服で一番かわいいもので着飾り。

きっと、最後になるから。

「俺、あいつじゃないとだめだった。
最低だよな。こんなこと言って。」

そう言われた。


私は、後悔していた。

転校生との日々は、とても楽しかった。
生まれて初めてあんなにも話が会う人と出会えた。

彼のことを忘れていたわけではなかった。

ただの友達と一緒に過ごしているつもりだった。

彼にもそんな友達くらいいる。
だから私もいいと思ってた。

彼は常に、私のことを一番に考えてくれていた。
それを私を表現してくれていた。

私も、そうだった。
でも、転校生が来てからは・・・?


私はもう一度、示さなくてはならない。

「あなたのことが好きだよ」って

彼に伝わるように。

きっと態度じゃ伝わらない。
遠回りだ。

もっと近道がある。
言葉で伝えなきゃ。

ようやくわかった。
今がその時なんだ。

きっと今告白できなかったら、すべてが終わってしまうんだ。


紗希と別れてから、幼馴染の家に向かった。

彼女は、俺の家の前をうろちょろしていた。

声をかけると、彼女は下を向いたまま黙ってついてきた。
俺も黙っていた。

公園へ彼女を連れていき、ベンチに腰掛けた。

しかし、彼女が座らなかったので、俺も立ちあがった。

今だ、今しかない、今するんだ。
そう決心した。

「お、おれさ・・・」
声が震えてしまっていた。しっかり発音できていたかな?

「おれ、お前のこと・・・


「わたし、好きだよ!!! あなたのこと!!」
彼女が突然叫んだ。
俺も「好きだよ」って言ったのにきっと、聞こえていなかっただろう。

俺はつい笑ってしまった。
笑いながら、「大仏よりも?」そう聞いた。

「大仏よりもぉぉぉおぉぉぉ!!」
叫び続けていた。
もう叫ばなくていいのに。

彼女は真っ赤だった。

俺も好きだよ。お前のこと。

何よりも、だれよりも。

終わりです。

レスありがとうございました。
わかり辛いというのは前作でも言われたことなので、気を付けていきたいと思います。

明日にでも、新しいスレを立てると思うので、見ていただけると嬉しいです。

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