セイ「今度、ガンプラバトルしようよ!」レイジ「何言ってんだセイ」 (17)

セイ「え?」

レイジ「こ~んな玩具が動く訳ねーだろ、ほら起きろよ今日、学校だろ?」

セイ「え?え?」

リン子「レイジく~ん!セイ起きた~?」

レイジ「おう!今、起きたぜ~まだ寝ぼけてるけどな~」

セイ(レイジ……きっとからかってるんだな)



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セイ「おはよ~母さん」

リン子「おはようセイ、早くご飯食べちゃって」

セイ「うん、いただきま~す」

レイジ「いたっきやーす!ハグハグ」

セイ「ねえ、レイジ」

レイジ「なんだよ」

セイ「さっきの事だけどさ」

レイジ「あ~ガンプラがどうのこうのだっけ?お前、よっぽど楽しい夢見てたんだな」

セイ「夢じゃないよ!僕とレイジは世界大会に出場する為に地区予選を……」

リン子「セイ、夢の話もいいけどしっかりと勉強もするのよ~」

セイ「母さんまで……僕をからかってる……」ボソッ

セイ「行ってきまーす」

リン子「いってらっしゃーい!」レイジ「行ってら~」

セイ(二人して僕をからかって……何を企んでるんだろう……誕生日?はまだ先だしなぁ……)

チナ「イオリくん、おはよう」

セイ「あ、おはよう委員長……」

チナ「元気ないけど、どうかしたの?」

セイ「ま、まあね……レイジと母さんがガンプラバトルなんて夢の事だって言ってからかってくるんだよ」

チナ「ガンプラバトル……?何、それ?」

セイ「委員長まで?!皆、酷いよ~何企んでるんだよ……」

チナ「?だって、ガンプラバトルなんて……初めて聞いたから」

セイ「えぇ?!委員長もこないだ、商店街の女の子限定大会に出たじゃないか!べアッガイⅢで!」

チナ「確かにべアッガイⅢは作ったけど…………ガンプラって動くの?」

セイ「…………」ダッ

チナ「あっ、イオリくん!」

セイ(レイジも母さんも、委員長も僕をからかって……!ユウキ先輩なら……!)

模型部部室

ガララッ

セイ「ユウキ先輩!」

ゴンダ「な、なんだお前は?!」

タツヤ「君は……確か中等部の……イオリくん……だったかな?何か用かな?」

セイ「ユウキ先輩は、からったりなんかしませんよね?!」ガシッ

ゴンダ「おい!会長を離せ!」

タツヤ「イ、イオリくん……何かあったなら先生に……」

セイ「先輩は!ガンプラバトルが夢だなんて言いませんよね?!」

タツヤ「ガン……プラバトル……?」

ゴンダ「なんだぁそれは?くだらない事言って会長の邪魔を……」

タツヤ「いや、構わない。話を聞きたい」

ゴンダ「そう……ですか……」

タツヤ「イオリくん、まずは落ち着いて。ほら、座って」

イオリ「……はい……」

タツヤ「へぇ……ガンプラでバトルを……まるで『ガンプラビルダーズ』みたいだね」

イオリ「『みたい』じゃないです!本当にバトルをしてたんです!地区予選の決勝戦はユウキ先輩が僕とレイジの対戦相手で……!」

タツヤ「あはは、それは凄いや、私がイオリくんの作ったガンプラとバトルだなんて」

イオリ「ユウキ……先輩も……ガンプラバトルが僕の夢だって言うんですか……?」

タツヤ「残念ながらね、私はそのガンプラバトルなんて物は見た事も、聞いた事もないからね。もちろん地区予選の話だって初めて聞いた」

イオリ「そ、そんな……そんな……!!」

ゴンダ「ほらわかっただろ、これ以上、会長の貴重な時間を取らせるんじゃない」

イオリ「でも、会長の作ったザクアメイジングはそこにあるじゃないですか!」

タツヤ「あぁ、それは確かに僕がホビージャパンの『オラザク選手権』用に作ったガンプラだからね、今は電ホビの『ガンプラ王』に向けて新しいのを製作しているよ」

イオリ「でも……僕とレイジは確かにビルドストライクでゴンダ先輩のスモーを倒して……!」

タツヤ「イオリくん、ガンプラバトルは存在しないんだ。どこにも……あるとすれば君の夢の中だ。でもね、その夢を大事にして頑張ればきっといつか、実現できる日だってくるさ」

イオリ「ユウキ先輩……」

タツヤ「ほら、そろそろ行かないと中等部のホームルームが始まってしまうよ」

イオリ「あ……お時間を取らせて、すみませんでした……」

タツヤ「いいんだ、いい話を聞かせて貰ったよ。今度、ぜひ模型部に遊びに来てくれ、僕もイオリくんのお店に遊びに行くことを約束しよう」

イオリ「は、はい!ありがとうございました!」ガララッ

タツヤ「それじゃあ」ニコニコ

ゴンダ「会長は、ガンプラバトルなんて物が実現すると思って……」

タツヤ「思ってないよ、ただああでも言わないと引き下がりそうにもなかったからね」

ゴンダ「はい……しかし、妄想に会長を巻き込みおって……!」

セイ(そうか……ガンプラバトルがないなら……僕が実現させればいいんだ!)

セイ(もっと勉強して、凄い大学に行って……プラフスキー粒子を僕が開発すれば……!)カリカリカリ

チナ「…………」

チナ(イオリくんが絵を描かずにちゃんと勉強してる……)

教師「ではこの答えをイオリくん」

イオリ「はい!答えは2の3です!」

教師「正解です。ここはテストに出ますのでちゃんと復讐するように」

イオリ(そうだ……まずは今度のテストを頑張らなくちゃ……!)

リン子「レイジくんがうちに来てから、お店の切り盛りも楽になったわ~」

レイジ「おう!任せてくれよ、ママさん!」

リン子「うふふ、いいのよ~!アイラちゃんとも仲良くね♪」

レイジ「あ、そういやアイラと飯食いに行く約束してたんだった!」

リン子「あら、そうなの?じゃあ今日はここで切り上げていいから、デート行ってらっしゃい」

レイジ「ありがとな、ママさん!行ってくるぜ!」

セイ「ただいま~!」

リン子「お帰り~」

レイジ「お、セイ丁度よかった!俺、今から出かけるからよ店の手伝い頼むぜ!」

セイ「え、僕これから勉強しようと思って……」

レイジ「行ってきまーす!!」ダッ

セイ「もう勝手だなぁ……」

リン子「セイ、お店の手伝いを……」

セイ「ごめん母さん、僕今から勉強しなくちゃいけないから!」

リン子「ま、珍しっ」

それから数か月が経って、テストの結果が発表された。

セイ「やったよ母さん!僕、百点だ!」

リン子「凄いじゃない!流石、母さんの自慢の子供だわ~!頑張ったわね~!」ギュー

セイ「か、母さん……!」

レイジ「スゲェじゃねーかセイ、テストで百点なんて中々取れるもんじゃーぞ」

リン子「そーだ!それじゃあ、今日は皆で焼き肉に行きましょう!レイジくん、アイラちゃん呼んでもいいわよ!」

レイジ「やったぜ!それじゃあさっそく、電話するわ」

セイ(アイラさん……ってああ、レイジの彼女か……まあいいや、僕はなんとしてでも大学に行くんだ……!)

それから更に数か月……

セイ「よし、ここはこうだから……」

チナ「イオリくん、今日も勉強?」

セイ「うん……」

チナ「最近、ガンプラ……作らないね……」

セイ「うん……ガンプラよりも大学に行く方が大切なんだ……!」

チナ「ふーん……」

セイ「大学に行かなきゃいけないんだ……大学を出て……プラフスキー粒子を……」ブツブツ

チナ「…………」

チナ(イオリくんが突然、ガンプラを作らなくなってから数年が経ちました)

チナ(イオリくんは、高等部も学年一位を取り続けました)

チナ(でも……ガンプラを作らなくなってから、イオリくんと一緒にいる時間がだんだん少なくなって行って……)

チナ(いつの間にか、私たちは知り合う前みたいにお互いに関わらなくなって、記憶からもその名前を忘れてしまいました)

チナ(久しぶりにその名前を思い出したのは、イオリくんがとっても有名な大学への入学が決まったと聞いての事でした……)

速報復活したので再開

リン子「セイ……おめでとう……!」

タケシ「大学行っても、頑張れよ……!」

セイ「うん、頑張るよ……頑張ってここを出て……ガンプラを動かせるようにする研究をするんだ……」

レイジ「たまには店に戻って来いよ」

セイ「大丈夫だよ、ちゃんと夏休みと冬休みはあるし、週末には帰るから」

アイラ「あんたがいない間もお店は私とレイジがお手伝いするから安心して」

セイ「うん、アイラさんとレイジなら安心だよ。……食費以外は」

アイラ・レイジ「うっ……」

サザキ「セイくぅん、君が大学に行っている間の売り上げは心配しなくても大丈夫さ……なんたって僕がギャンを買い占めるからね!」

セイ「う、うん……ギャン以外も買ってね?」

サザキ「ギャンの改造の為にね!」ビシッ

マオ「セイはん、これはワイからの餞別どす、受け取ってください」スッX帽子

イオリ「マオ君……ありがと!大切にするよ!」

タケシ「さあ、みんな!今日はお祝いのパーティーだ!ドーンと食え!」

レイジ・アイラ「はーい!」

セイ「あはは……」

入学式当日

セイ(やっと、ここまで来た……)

セイ(ガンプラを辞めて、ひたすら勉強を頑張り続けてきた……)

セイ(その努力が、もうすぐ報われるかもしれないんだ……)

チナ「イオリくん!」

セイ「!委員長……」

チナ「はぁ……はぁ……遅くなっちゃったけど……大学に進学おめでとう……」

セイ「あ、ありがとう……委員長は今……」

チナ「私、絵の専門学校に行くことにしたの」

セイ「そうなんだ、僕は大学を出て……叶えたい夢を実現させるんだ」

チナ「夢って……?」

セイ「それは…………」

ブッブッー

セイ「!委員長!」バッ

チナ「キャッ」

キキイイイィィィィ…………ガシャン

チナ「っ……イオリ……くん……?」

チナ「そんな……そんな……イオ……リ……くん……」

「事故だ!」「救急車と警察を早く!」

チナ「イオリくん……いや……いや……イオリくん……!」

フェリーニ「嬢ちゃん、下手に触らない方がいい。今、救急車を呼ばせた、とかく傷の容態を……」

辰造「ちっ……なんてこった……」

フェリーニ「てめえ!どこ見て運転してやがった!」ガシッ

辰造「このガキがいきなり飛び出て――――」

チナ(イオリくん……イオリくん……死なないで……死んじゃ嫌……!!!)

――――――――――――――――

リン子「まさか……この子が事故に遭うなんて……」

タケシ「一命は取り留めたけど……いつ目を覚ますんだろうな……」

リン子「うっうっ……タケちゃん……!」

タケシ「大丈夫、僕らの息子だきっと目を覚ますさ……きっと……」

チナ「ごめんなさい……私がイオリくんを急かしたから……!」

マオ「セイはん……ワイ……ワイには……どうする事もできまへん……何もできへん、できへんかったワイをどうか許してください!」

ニルス「いや、僕が悪かったんだ……僕が……もう少し早く現場に着いていたらもう少し違う手を打てたかもしれなかったんだ……!」

フェリーニ「大尉、俺……」

ラルさん「いや、君も責任を背負う必要はない……大会先では彼の事は私に任されていた。私が、もっと目を配っていれば事故にも遭わなかっただろう……」

キララ「違うわよ!ラルさんも、フェリーニも、誰も悪くないんだから……!」

アイラ「そうよ!誰かが…誰かが責任取ったからってセイが起きる訳じゃないのよ……!」

セイ「………………」ピッピッピッ

レイジ「セイ……悪い、お前が出れなくなっちまって……結果的に優勝はユウキの野郎に譲っちまったけどよ……」

レイジ「お前が目ぇ覚ましたら、また一緒にバトルしようぜ……今度こそユウキとの決着つけて……俺たちが……俺たちのガンプラが世界一だって証明しようぜ……!これは……これは……約束だからな……!」

セイ「…………」ピッピッピッ

タツヤ(マシタ会長は、意図的にイオリくんたちを脱落させようとしていた節があった……本当に事故だったのだろうか……いやまさか…………)

タツヤ「レイジくん、セイくん、私からも約束しよう……いつかいつかきっと本当の決勝戦をやろう……!」

レイジ「ああ、絶対にな……!だから……戻って来いよ、セイ……!」


その後、セイは………………



終わり。
久しぶりに書きました、こんな駄作書いて申し訳ない

以前書いた物
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