【オリジナル】姫「魔法少女募集中」【安価】 (246)


侍女「姫様、無事異世界に着いたようです」

姫「栄華を極めた魔法王国もその守護者たる魔法少女達の造反により崩壊してしまった……今や王族は妾だけか……」

侍女「……心中御察しします」

姫「これからどうしよう……」


侍女「姫様、もうこの世界で静かに暮らしましょう」

姫「この世界で……静かに?」

侍女「そうです。王国の財産も十分にあります……この世界で不自由な思いをする事無く生活できるはずです」

姫「祖国を捨てて、この世界で……」

姫(全ては魔法少女のせいだ……おのれ魔法少女!主たる妾に弓引くとは言語道断!しかし、きゃつらは強い。どうすれば……)

侍女「……姫様?」


姫「そうだ!この世界で魔法少女の軍団を造り王国を取り戻せば良いのだ!」

侍女「えぇ!?」

姫「この世界で魔法因子を持つ女子が多く集まる所を探すのだ!」

侍女「や、やめましょうよ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1410356578


亡国のお姫様が安価で魔法少女を集うスレです。

キャラやイベントを募集する時は安価を指定します。

はたして姫の悲願は達成するのか?それとも……


担任「はーい、今日は転校生を紹介します。姫さんと侍女さんです」
 

姫「妾は我が騎士となる魔法少女を探している。妾に忠誠を誓い恩恵を賜りたき者よ、妾の元へ集うがよい」

侍女「姫様の侍従として参りました侍女です。どうか姫様共々宜しくお願い致します」ペコリ

 
クラスメイト(なんかヤバイ人達が来た!?)ザワッ

 
姫「ここに魔法少女候補が?……確かに娘子しかいないようだが」

侍女「この『私立槍満女学園』は初等部から高等部までの一貫校……魔法因子を持ち、尚且つ魔法少女適齢期の女子が多く通う学校です」

姫「学校?」

侍女「学校とは市生の者が学問を通じて知識を深める教育施設です」

姫「なるほど、この国の王へ忠誠を誓うよう民を洗脳教育をしているのか」

侍女(そういうのとは違うようですけど……)

侍女「姫様と私はここの中等部1―Aに在籍となります」

 
姫「フム、なれば後は待つのみ。妾の美貌とカリスマを持ってすれば家来になりたがる者達が直ぐにでも群がるぞ」ワクワク

侍女「……」






キーンコーンカーン・・

―放課後―

姫「おかしい……誰も来ないぞ」

侍女「クラスの皆様は遠巻きに見ているだけのようですね」

姫(何故だ!?このままでは王国を取り戻す事など出来ぬではないか!)

姫「…………帰るか」ショボーン

侍女「はい」

 
姫「…………」トボトボ

侍女(お痛わしや……でもこれで良いのです。姫様にはこの世界で……!!)

侍女「姫様、我々を尾行している者がいます」ボソッ

姫「!?」

 
尾行者は……

1・学園生徒
2・敵
3・変質者

↓1、2、3、4で多数決


侍女「どうやら学園生徒のようです。数は……>>10人です」


尾行者の人数>>10

あまり多くしないでね。

4


姫「そこの者共、出て参れ」


?「うわ!?」

??「バレてるの!?」


現れた学園生徒達の名前、学年、性格(簡単に)

例)姫山姫子 中等部1年 自己中

↓1、2、3、4


昴「えへへ……ども」

旬「あの……こんにちは」ペコリ

有紗「……こんにちは」


侍女「あら、クラスメイトの高津旬(たかつ しゅん)さんとそれに……」

昴「中等部2年の中島昴(なかじま すばる)ヨロシク!」

有紗「中等部3年、柊有紗(ひいらぎ ありさ)」

姫「もう一人隠れているな、出てこい」


根子「……」スッ


根子「……」


姫「…………」

侍女「…………」

根子「……」

姫「………………」イライラ

根子「……」

姫「おい、名を名乗れ」


根子「木下根子(きのした ねこ)……実は同じクラスだったり」

侍女「そ、そうでしたか」

姫「いたか?」

旬「い、いましたよ。根子ちゃんおとなしいから……ちょっと目立たないだけで」アセアセ


姫「……で、何ゆえ妾をつけていたのだ?」

昴「いやそれがさ、旬が『変な転校生が来た』って……」

旬「ちょ、違います!『ちょっと変わった人が転校してきたって』」ハワワ

姫「ほう……」

侍女「意味合いは同じですね」

旬「う……すみません」


有紗「私はこの二人がこそこそと貴女達を追っていたのを見かけて」


根子「……」

侍女「あの……根子さんは?」

根子「……姫さんのお話に興味を持って」

姫「ならば何故、妾に話しかけない!?」

根子「……ハズいし」
 

姫「くっ、『もしかしたら妾は転校初日にイカれた発言をしている危ない奴と思われているかも』と、不安になっていたのだぞ!?」

侍女(姫様、自覚があったのですね)


更新遅くて申し訳ない
今回はここまで


昴「ねえねえ、姫と侍女って姉妹なの?」

姫「違うわ!さてはお前、異国人の顔が皆同じに見えるタイプだな」

昴「えー、そんなことないよ。実際似てると思うけどなぁ」

侍女「私は姫様の従者にございます」

有紗「フフ、まるで二人は何処かの国のお姫様とお付きのメイドさんみたいね」

 
姫「『まるで』ではない。妾は《魔法王国》の第二王女で侍女は妾の従者なのだ」

 
昴「魔法王国って……」

旬(やっぱり変わった子だよね)アハハ

根子(……大変に興味深いのです)

有紗「まぁ!?それは大変なご無礼を致しました。お許しください王女様」ペコリ

姫「うむ、赦す。面を上げよ」

昴・旬((信じたの!?))

 
侍女「その……往来での立ち話もなんですし、何処か落ち着ける所にでも」

昴「それなら駅前の『サイゼリ屋』でお茶でも飲みながらダベろうよ」

姫(だべろうよ……?)






姫「《魔法王国》は、この地球と呼ばれる世界とは違ういわゆる異世界に存在する魔導大国だ。広大なアシュリオ大陸を魔導の力で三千年に渡り統治してきた……」ペラペラ

根子「フムフム」

昴「ぐぅ……」zzz

姫「こら、寝るな!」

昴「ちゃんと聞いてるよぉ……姫は地球とは違う星からやって来たお姫様なんでしょ?」ムニャ

姫「聞いていないではないか!」

侍女「まあまあ姫様」

旬「わ、私は姫ちゃんのお話し楽しいよ」

 
姫「……無理をせんでもよいぞ」

 
旬「え……?」


姫「信じていないのだろう?妾の話はお前達からすればただの妄想にしか聞こえまい」

旬「そんな……事……」

昴「ちょっと!なにキレてんの!?そんな話信じられるわけないじゃんか!有紗センパイだってそうでしょ?」

有紗「え?ええ、そうね……一概にはちょっと……」

姫「ほれみろ」

侍女「ひ、姫様」

根子(……ねこはわりと信じていますよ)

旬「私は……ただ姫ちゃんとお友達になりたいだけで……」

 
姫「妾が欲しいのは友などではない!」バンッ

 
旬「……!」ビクッ

昴「何その言い方!?」


店員「お客様、如何なされましたか?」

有紗「あ……」

姫「ふん、期待してしまった妾が愚かだったわ……帰るぞ」ガタッ

侍女「あ、姫様!?皆様申し訳ありません。失礼致します」ペコッ

 
昴「何なんアイツ」

有紗「ちょっと言い過ぎちゃったかしら……」

根子(もっと聞きたかったのです)

旬「…………」ガタッ

昴「旬?」


・・・・・

侍女「姫様、お待ちください!」

姫(妾が愚かだったのだ……)

 
??「あらぁ、姫殿下ご機嫌ななめ?」

 
姫・侍女「!?」

??「見つけましたよ第二王女」

侍女「その制服……王国の」

姫「……魔法少女!」

 
襲撃者、王国(異世界)の魔法少女の名前>>37

シルヴィア


姫「王国の魔法少女……だな?」

シルヴィア「左様です。王都治安維持部隊所属魔法少女、シルヴィアと申します」

姫「…………」

シルヴィア「まさかゲートを起動してまで異世界に逃げるとは畏れ入りました」

姫「信じられん……星の数ほどある異世界の中から、妾がいるこの世界にたどり着くとは……」


シルヴィア「フフッ、あまり時間も無いので単刀直入にお尋ねします……おとなしく縛に付いて魔法王国に戻るつもりはございませんか?」


侍女「姫様、お逃げください。私が時間稼ぎを」

姫「断る」

侍女「姫様!?」

姫「妾は逃げぬし投降もせんぞ」

 
シルヴィア「ならばお命頂戴いたします」ニタァ


シルヴィア「私が女王陛下より賜りし魔法……存分に堪能くださいませ!」バッ

ズズズ・・

浮かび上がり宙に静止したシルヴィアの周りの空間が歪む!


タッタッタ・・・

旬「姫さん!」

姫「!?馬鹿来るな!!」

 
シルヴィア「いきますよ!」ブンッ

侍女「姫様!!」グイッ

姫「……!?」

ザクザクッ

旬に気を捕られた姫の腕を侍女が引くと、白木の杭が地面をえぐった!

姫「何だ……杭?」


シルヴィア「私、王都では《串刺しシルヴィア》の名で通っていますの……ご存知ありません?」

侍女「……串刺しシルヴィア」

姫「知らないな」

シルヴィア「…………」イラッ

 
旬「な、何これ……?」


昴「旬!」

有紗「え……?」

根子「人が……浮いてる」


シルヴィア「あらぁ?異世界の方ですか?姫とかかわり合いになるのは止した方が良いですよ」

 
旬「姫さん!」

姫「来るなよ旬、逃げるのだ!」

シルヴィア「心外ですね。私は姫以外の方に危害を加えるつもりはありませんよ……でも」


シルヴィア「姫に荷担しようとするなら串刺しにしますよ」ギロッ


旬・昴・有紗・根子「「……!」」ビクゥ


侍女「……!」スチャッ

バンバァンッ!

シルヴィア「!」チュインッ



シルヴィア「……この世界の武器ですか?」

侍女「やはり駄目ですか……」


有紗「え……あれってピストル……?」

昴「ホンモノ?銃とかどこで!?」

根子「……なんか透明な壁みたいのが弾丸をはじいた……ように見えた」

 
シルヴィア「魔力を伴わない攻撃は《魔法障壁》を持つ魔法少女には通用しませんよ……例えそれが異世界の武器でもね」

 
侍女「承知しています……試してみただけです」


――――――――――
――――――
 
姫(“侍女……聞こえるな?”)

侍女(念話!?……“はい姫様”)

姫(“よし……《マジカルナイフ☆ゾーリンゲン》を持ってきているか?”)

侍女(“はい、正確には《魔力を付与した出刃包丁》ですが”)

 
姫(“奴を倒すぞ”)

侍女(“承知致しかねます。ここは逃げ……”)
姫(“作戦を説明するぞ”)

侍女(“私の話をお聞きください!”)

姫(“妾があの莫迦女を挑発して地に立つよう仕向ける”)

侍女(“いきなり無理がありますね……あの雨のように降ってくる杭はどうするおつもりですか?”)

姫(“あの魔法は命中精度がそれほどではない。それに杭を撃つ瞬間は移動出来ないはず……”)

侍女(“それでも……”)

姫(“しかも射角を取るために、奴に近付けば近付くほど降ってくる杭は少なくなる……全力で前に飛び出せばかわせる!”)

侍女(…………)

 
姫(“杭をかわし続ける妾の挑発に釣られまんまと地に降りた奴を侍女が後ろから《マジカルナイフ☆ゾーリンゲン》でブスリと刺すのだ!”)

侍女(“……そのように上手く行くとはおもえませんが”)

姫(“ゴチャゴチャと五月蝿いぞ!よいか狙うは肝臓だ、刃を上向きで刺すのだ。そしてかき混ぜるように……こうグリッと”)クイクイッ

侍女(…………)

姫(“……征くぞ!!”)

※この間2.3秒

――――――
――――――――――

 
シルヴィア「さあ、お覚悟を……」

姫「フッ、愚かな魔法少女め」

シルヴィア「愚か……?」ピクッ

姫「そもそもお前達魔法少女の力は王族によって引き出されたというのに、その王族を処刑しようとは」

シルヴィア「もしかして命乞いのつもりですか?」

 
姫「お前達が王国を支配したとして、新たな魔法少女を産み出せない状況で今後の国防をどうするのだ?」
 

シルヴィア「……首領にはお考えがあるはず」

姫「フッ」

シルヴィア「何が……可笑しい?」

姫「シルヴィアとやら、わざわざ危険を冒して異世界にまで妾を追って……もしかしてお前は捨て石なのではないのか?」

シルヴィア「なっ……私は志願して……!」ムカッ

姫「あぁ、手柄を挙げての出世狙いだったか。すまぬな、妾はお前を見くびっていたようだ」

シルヴィア「……何ですって」
 

有紗「何やらあからさまな挑発だね……」

根子「しかも、まんまと釣られているし」

昴「お、おう……」

旬(……姫ちゃん)


シルヴィア「い、言わせておけば……この……餓鬼!」

姫「おやおや、言葉が乱れているぞ。お里が知れるな」

 
シルヴィア「…………ぶっ殺す!!」プチッ

ズズズ・・
 

侍女「……!」

姫(きた!)

 
有紗「何あれ!?」

昴「ヤバい……絶対ヤバい!姫のやつ何煽ってんだよ!?」

根子「魔法……これがほんとの魔法……」

 
シルヴィア「死ねェッ!!」

ブンッ

 
旬「姫ちゃん危ない!!」ドンッ

姫「な……!」ドカッ

ドシュドシュドシュッ!!!


 

 

 
姫「…………旬……?」

 
旬「う……」
 

侍女「姫様!?」

有紗・根子「…………」

昴「旬!」

 
姫「お、おい……」

旬「……あ、姫ちゃ……だい……じょぶ……?」

姫「莫迦!妾より自分の心配をしろ!」

旬「え……あれ…………おなかに……なんかささって……」ドクドク

姫「喋るな!……何で妾を庇おうなどと……あれくらいかわせたのに!」

旬「……あはは……そう……か」パタリ

 
旬「」
 


姫「…………」

昴「しゅん……?おい、返事しろよ!?」

有紗「そんな……」

根子「……あっけなさすぎるのです」

 
姫「フン、お節介好きのしゃしゃり出のくせにドジだからこうなるのだ」


有紗「姫……さん?」

根子「助けてもらって……それはないです……」
 

姫「誰が助けてくれとたのんだ……言ったはずだぞ妾が欲しいのは友ではない……と」

昴「お前、いい加減に……!」


ぽた・・ぽたぽた

姫「迷惑だ……自分の周りで死なれるのは凄い迷惑だよ……この妾は!」ブワッ
 


つづく


シルヴィア「死にましたか……フッ、フフッ……姫が悪いのですよ。可哀想に……姫と出逢わなければ死なずにすんだでしょうに」

 
昴「しゅん……旬!」ユサユサ

旬「」

有紗「警察……いや、救急車呼ばないと……」オロオロ

侍女「皆様……姫様も早くこの場から離れてください!」

姫「…………」

根子「……もう遅いかも」

 
ズズズ・・

シルヴィア「さあ、これで終わりに!」ヴォン


再び空間から杭を撃ち出そうとするシルヴィア。侍女は懐に忍ばせた包丁に手を掛けた。

侍女(このままでは姫様だけでなく関係のないこの世界の方々まで……)
 
侍女「仕方ありません……本意ではありませんが……!」ブンッ

ザクッ!

 


 
シルヴィア「…………ハァ?」

侍女「…………」

根子(あ……包丁刺さった)

 
シルヴィア「……いってえぇェーーッ!!?」


シルヴィア「痛!?……足……私のあしィッ!!」

 
侍女「さあ、今のうちに逃げましょう!」

姫「…………」

侍女「姫様!」

旬「」

姫「勝手に死におって……こうなったら何がなんでも魔法少女になってもらうぞ」

侍女「姫様……しかし旬さんは……」

 
姫「妾の『命』を使ってでも!」パァァ
 

侍女「姫様……まさか《命の共有》を!?」

昴「ちょ、なにしてんだよ!?」

有紗「この光って……」

根子「……これも魔法……ですか?」

 
侍女「いけません……本来《命の共有》は生者同士で行う秘術……失敗すればご自身が死に引っ張られて……」

姫「それくらいのリスクがなくてはな……それに成功すれば契約をする手間が省けるというもの!」

 
シルヴィア「包丁を投げるとか信じられない!どんな教育を受けたらこんな非常識な事……あの光!?」

 
旬「」

姫「旬……帰ってこい!そして、妾より先に死ぬ事は許さん!!」

姫と旬がまばゆい光に包まれた!






姫「…………」

旬「」

 
侍女「……姫……さま」

有紗「どう……なったの……?」

根子「……!姫さんのお腹……血が滲んで」

姫「……失敗……か」バタッ

侍女「姫様!?」

 
 
 

旬「…………かはっ!」ビクンッ

 
昴「旬!」

旬「つぅ……!?お腹!刺さってる!刺さってるよ!?イタタタ!!」ジタバタ

有紗「だ、大丈夫なの!?」

根子「嘘みたい……です」
 


姫「……旬、戻ってきたな」ゼエゼエ

旬「姫ちゃん……怪我してるの!?」

姫「大した事は……ない。早速だが働いて……もらうぞ」ゼエゼエ

姫「あの……莫迦女を倒せ!」

旬「……はい?」

 
シルヴィア「生き返った……それにこの魔力……この世界の魔法少女か!?」

シルヴィア「クッ……」ヴォン

ズズズ・・

シルヴィア「突き刺せッ!」

ドドドシュドシュ!!

旬「きゃあぁーーッ!」

ガガッ!ガガガガッ!!

 
シルヴィア「これだけの杭を撃てば……!?」

 
旬「…………?何とも……ない」

昴「杭が……浮いてる?」

 
シルヴィア「通らない……障壁に刺さった?」

姫「ククク、王族正統直系の妾が命を分けたのだ。旬の魔法障壁に貴様の杭など簡単に通るか」


旬「姫ちゃん……これ」

姫「旬、お前は魔法少女として妾の為に戦うのだ」

旬「え、魔法少女って……」

昴「おい、何わけの分からない事言ってんだよ!旬は大怪我してんだぞ!こんな状態で……」

 
旬「あ、抜けそう」ズズ

 
有紗「キャア!?」

根子「……グロい……グロいのです」

昴「やめろって!」

侍女「……大丈夫です。魔法少女の回復力は普通の人間のそれとは比べ物になりません」


姫「戦うのだ妾を守るために……旬にはそうせねばならぬ理由がある」

旬「……戦う……理由?」


侍女「《命の共有》はその名の通り二人で一つの命を共有するのです。姫様が死……亡くなれば旬さんも、旬さんが亡くなれば姫様も命を落とす事に……」

姫「クク、妾と旬は運命共同体というわけだ。あの杭打ち女は妾の命を狙っている……なれば旬は妾を守るために戦うのは道理だろう?」

昴「なにそれ!?そんなの……」


旬「いいよ」


昴「旬!?」

旬「でも私が戦いで死んじゃうかもしれないよ?」

姫「妾は他人の魔法力を引き出せても、自分の身を守る事すら儘ならないのだ……旬に妾の命を預けよう」

 
旬「わかった……けど、私ケンカとかした事ないよ」

有紗「ええ!?やるの!?」


姫「まずは武器。その杭を使おう、イメージするのだ……己と共に戦場を駆ける武器の姿を!」

旬「武器……?ん……ぶき、ぶき……」

旬は杭を胸に抱き、目を閉じると自分の武器(?)の姿をイメージした。

 
 
 
旬の武器(武器でなくても可)↓1、2、3、4で良さげなのを>>1が選びます。


旬「む、ムム!」

パァァ

有紗「杭に変化が!」

姫「よし!」


旬「……出来ました!」シャキン


侍女「それは、銛……でしょうか?」

旬「え……槍をイメージしてみたんですけど」

根子「銛っぽい……かえしが付いてるし」

旬「あれ?」


姫「まあよい、次は魔法だ」

旬「魔法!?」


今回はここまで。

魔法はどうしよう……とりあえず次の本編再開まで魔法案を募集してみます。
※必ずしも採用するとはかぎらないので悪しからず。




シルヴィア「ちょっと!私を無視しないでくださる!?」

姫「五月蝿い!これから旬がお前をぶち殺してやるのだから大人しく待っていろ!!」

旬「え"」

 
シルヴィア「な……今なんと……?」ピシッ

 
姫「もはや旬はお前程度のヒラ魔法少女とは比べ物にならぬ程の超絶魔法少女。お前など嵐の海に浮かぶ枯れ枝の如くバッキバキのグシャミソにしてくれるわ!!」

旬「あ、あのね姫ちゃん、私は魔法少女初心者だからね……」

侍女「そうです、あまりシルヴィアを刺激しては……」

 
ズ・ズズズ・・

シルヴィア「……面白いですねぇ」ヴォン

 
姫「さあ征け!旬よ、翔ぶのだ!」

旬「とぶ?飛び方なんて知らないよ!」

姫「イメージだ!自分が自由に空を翔ぶ姿を想像するのだ!」

旬「ええ!?急にそんな……キャッ!」

ドガガガガガッ!

 
シルヴィア「チッ、やはり硬い!」


侍女「旬さん、魔法少女の身体能力ならばシルヴィアがいる高さまで跳躍できるはずです」

旬「そうなの?」

姫「旬、躊躇するなよ。奴に近付いたらその銛を突き刺せッ!」

旬「うん、でも……」

姫「戦うと決めたのだろう!?」

侍女「姫様、この世界の方……いえ、旬さんにはあまり血生臭い戦い方は……」


姫「ぬ……ならば《コア》を狙うのだ!」

旬「こあ?」

姫「《コア》は魔力の源、難易度は上がるが《コア》を破壊すれば魔法少女は魔法を行使する事はかなわず無力化出来る筈だ」

旬「う、うん……やってみる」

姫「征け!まずは奴に近付くのだ!」


昴「旬!」

旬「昴ちゃん……」

昴「……頑張って」


旬「…………うん!」


旬「……!」ダッ

ズアッ・ドガガッ


シルヴィア「……!速い!?」


有紗「旬さん凄い……」

根子「旬さんのスピードにあの杭が追いきれてないのです」

姫「よいぞ旬、その調子だ!」


侍女(姫様も人が悪い……)


旬「やあーーッ!」

ズガガガッ

姫(“旬、コアの位置には個体差がある”)

旬「え、姫ちゃん?」タタッ

姫(“脚を止めるな。走り続けろ!”)

旬「……!」

ズガガッ

姫(“コアは人によって手だったり骨だったりするのだ”)

旬(“だ、大丈夫なの?コアが無くなると魔法少女じゃなくなちゃうんでしょ?……そしたら回復力なくなってるのに手とか刺したりしたら……”)

姫(“コアを破壊したのち回復魔法をかければ問題ない……まずは奴のコアを見付けるのだ”)

 
シルヴィア「こ……の!」

ドヒュッ

旬「!」サッ

姫(“今だ、跳べ!”)

旬「……ハッ!」ズシャッ

ドヒュッ


シルヴィア「!?」


シルヴィア「この……高さまで……!?」

旬(この人のコアは……!)



シルヴィアのコアはどこ?

旬のサーチ能力↓1
シルヴィアのコアの位置(身体の一部 例・右足など)↓2

コンマ末尾の値で判断
サーチ能力の値がシルヴィアのコアの値を上回れば成功(大ダメージ)、下回れば失敗、同じで直撃(シルヴィア退場?)


旬(……鳩尾の辺りがボンヤリ光ってる?)

旬「視えた!!」ジャキッ

シルヴィア「ここまで近付くなんて……!」

姫「よし!貫け!!」


旬「っヤアァーーッ」


ズシュッ

シルヴィア「いぎゃあぁぁーーッ!!?」

旬「少し外した!?……あ!ゴメンなさい!!」

シルヴィア「こんなの刺し……といて……謝ってんじゃないわよ!!」ゴフッ

旬「す、すぐに抜きます」ギュ

シルヴィア「ま、待っ……」


旬「えい!」

ミチッビチビチ・・

シルヴィア「ひぃいだダだっッ!?」


昴「銛のかえしが……」

根子「エグい……のです」

有紗「旬さん……恐ろしい娘」


ズボッ

シルヴィア「いぎィッ!?」

旬「あ!落ち……」ヒューン



すたっ!

旬「……っと」


シルヴィア「ハア、ハァ……信じられない!こんな残虐な事するなんて!!」ボタボタ

旬「ご、ゴメンなさい、ゴメンなさい!」ペコペコ


姫「なんで敵に謝っているのだアイツは」


シルヴィア(コアを傷つけられたから回復に時間が……)

シルヴィア「お、覚えてらっしゃい!このサイコキラー魔法少女め!」

ドシュンッ!

旬「あ!?」


姫「あ、逃げたぞ!?旬、追うのだ!」

旬「む、無理だよ……」


有紗「……勝ったの……?」

昴「やった!旬、やったァ!!」

根子「魔法少女……凄まじいのです」


侍女「…………」ホッ

侍女(良かった……もしコアが脳や心臓といった重要器官にあったとしたら……それの破壊は即死を意味する)

侍女(……あえて旬さんに教えないとは、姫様は本当に人が悪い)


つづく


昴「旬、大丈夫なの!?」

旬「う、うん」

旬(あの魔法少女の人、大丈夫かな……)

旬「……あれ?」フラッ

ばたっ

昴「旬!?」





旬「…………ん、うぅん」ゴソゴソ

旬(……8時……?…………)


旬「……!遅刻……って……夜か」ホッ


旬「あれ?私……そうだ!魔法少女になって……」

ガチャ

旬ママ「あ、起きたのね。大丈夫?ご飯食べれる?」

旬「ママ……?うん、食べるけど……」

旬ママ「もう出来ているから早くいらっしゃい」


旬(あれ?もしかして夢……だったのかな?)




姫「ム、これはデザートではないのか?」

旬パパ「ハハハ、姫ちゃんそれは『冷やっこ』日本のソウルフードのひとつさ」

侍女「乗せてあるのは香草でしょうか……冷たさも相まって箸が進みますね」

昴か




姫「ム、これはデザートではないのか?」

旬パパ「ハハハ、姫ちゃんそれは『冷やっこ』日本のソウルフードのひとつさ」

侍女「乗せてあるのは香草でしょうか……冷たさも相まって箸が進みますね」パクパク

昴「あんたら、ちょっとは遠慮しなさいよ」


旬「」ガクッ

旬「姫ちゃん!?」

旬ママ「バッファローの群れに跳ねられて気絶した旬ちゃんをお隣の昴ちゃんとクラスのお友達が運んできてくれたのよ。もう、ママびっくりしちゃったわ」

旬「なにそれ!?」


姫「お、旬よ起きたのか」

侍女「大事無さそうで何よりです」

昴「……お、お邪魔しています」←苦笑い


姫「さて、旬も無事だった様だし我々もお暇(いとま)するか」

侍女「はい」


旬ママ「あらあら、もう帰っちゃうの?もっとゆっくりしていけば良いのに……」

姫「ママさんパパさん、ごちそうさまでした」ペコリ

侍女「大変美味しゅうございました」ペコリ

旬ママ「いえいえ、大したものも出せないで」

旬パパ「今後も旬をよろしく頼むよ、よかったらまた遊びに来なさい」

侍女「はい、是非とも……それではお邪魔しました」

姫「旬」

旬「あ、はい!」


姫「また明日……学校でな」ニコ


旬「あ、うん……」



―高津家の前―

侍女「良いご両親でしたね」

姫「……そうだな」


昴「姫!」

 
姫「ん、昴か」

昴「あのシルヴィアって奴、姫を追って来たんだろ?」

姫「そうなるな」

昴「じゃあ、姫がこの世界に来なければ旬は死なずにすんだんじゃないか?」

姫「……そうなるな」

昴「……!」ギリッ

侍女「…………」


昴「……それでも……旬を助けてくれてありがとう……じゃ!」


姫「……妙な奴」


―翌朝―

昴「旬、おはよ!」

旬「あ、おはよう昴ちゃん」

昴「体、大丈夫?」

旬「うん、なんともないよ」

昴「そっか、良かった」

旬「心配させちゃってゴメンね」

昴「そんな……悪いのは姫だよ」


旬「え、そんな事ないよ……姫ちゃん私を助けてくれたよ?」

昴「ハァ……あんた自分が被害者だっていう自覚が無いの?」

旬「被害者?……なんで?」

昴「…………」ムカ


姫「ごきげんよう。妾の話か?」

侍女「旬さん、昴さん、おはようございます」ペコリ

旬「おはよう姫ちゃん、侍女ちゃんも」

昴「……おはよ」


旬「そういえば姫ちゃん達ってどこに住んでるの」

姫「今はホテルに滞在しているが昨日良い物件を見付けてな、そちらに居を移そうかと思っている」

昴「住所不定で入学手続きできたの?」

姫「フッ、どうとでもなるものだよ」

旬「どうとでもって……」


昴「……あたし先に行くね」タッ 

旬「あ、昴ちゃん?」


姫「昴、昼休みに有紗を連れて妾の教室へ来い」

昴「ハア!?なんでよ?」

姫「昨日の話の続きだ。聞きたいだろう?」

昴「別に!聞きたくないし!」

姫「ならば妾が昴のクラスまで出向こう」

昴「……勝手にしなよ。じゃあね!」タタッ


旬「昴ちゃん……どうしたんだろう?」

姫「フフ……」


―昼休み―

クラスメイト「中島さん、なんかお客さんが呼んでるよ」


姫「昴、迎えに来たぞ」

根子(……上級生のクラスは落ち着かないのです)

有紗「私達ちょっと目立っているわねぇ」

旬「あはは……」

侍女「…………」


昴「ゲッ、ホントに来た」





―屋上―

旬「私、屋上来たの初めてだよ」

根子「……ねこも」

姫「うむ、ここならゆっくりと話が出来るな」

有紗「侍女さんの解錠テクニック凄かったわ」

侍女「お褒めに預かり恐縮です」


昴(何でもアリだな、こいつら)


姫「率直に妾の目的を教えよう……」


姫「魔法少女になってくれ!」


昴「ちょっと待て」

有紗「目的を教えてないよね?」

姫「ム、気が逸ってしまったな」


姫「魔法少女となって妾に力を貸してくれ!」


昴「だからさ!」

根子「……一応何が起きたのか知りたいのです」

姫「ム、そうだな……妾の祖国《魔法王国》で反乱が起きたのだ」

旬「反乱……ってクーデターとかいうあの?」

姫「そう、王族はことごとく捕らえられ処刑された」

有紗「まあ!」

侍女「…………」


姫「クーデターの首謀者は本来王国を守るべき魔法少女達……」

姫「きゃつらに王国は乗っ取られたのだ!」グヌヌ

旬「魔法少女……」

姫「妾は再起を計るべくは侍女と共にこの世界へ落ち延びたのだ!」

有紗「はあ……それで国を取り戻したいと……」

姫「そうだ!さあ、皆魔法少女に……」


昴「そもそも魔法少女ってなんなの?軍人?」


侍女「魔法少女とは王族によって魔法の行使を可能とした少女達……一応軍属になりますね」

旬「??」

根子「王族と契約して『魔法使い』になるのですか?」

侍女「契約……とも言えますが少し意味合いが違います。王族は魔法因子を持つ少女の『スイッチを入れる』だけです」コノセカイニマホウガ!?

有紗「それで魔法を使えるようになる、と」アリマセンヨ


姫「妾の味方は侍女と旬のみ……」

旬「私!?」

昴「ちょっと、勝手に旬を巻き込むなよ!」

姫「巻き込むも何も妾と旬は一蓮托生の関係だ。お前にとやかく言われたくないぞ……そもそも昴は旬の何なのだ?」

昴「旬はあたしの……幼馴染みだよ」

姫「フッ、幼馴染み」

昴「鼻で笑うな!」


侍女「姫様、やめましょう……あまりにも無謀過ぎます」

姫「くどいぞ。たとえ妾一人でも諦めぬ……それに刺客まで送り込まれたのだ。どちらにせよ逃げられぬのなら妾は戦う……旬よ」

旬「え……」

姫「もし妾が戦いで死んだらお前も……その時は赦せよ」

昴「お前、卑怯だぞ!」




旬「昴ちゃん……私、やるよ。魔法少女」


昴「ハア!?旬、なに言ってんの?死ぬかもしれないんだよ!?」

旬「死にたくないけど……でも、姫ちゃんをほっとけないよ。わ、私頑張るし!」

昴「」

姫「旬、よくぞ言った。では早速、特訓を……」

昴「ま……待て!」

姫「ん、何だ?妾と旬は戦いに備えなければならぬ。部外者には余計な口出しをしないでもらいたいのだが?」


昴「あたしもやる」

姫「今何と?」


昴「魔法少女をやる……そして、あたしが旬を守る!」


旬「昴ちゃん……」

姫「ほう、やってくれるのか」ニヤリ

昴「別に姫のためにやるわけじゃないからね!」

姫「フフ『ツンデレ』というやつか」

昴「ホントに!違うから!!」


姫「さて、有紗と根子は魔法少女になってくれるか?」


根子(う……大変興味がありますが、死ぬかもしれないですか)

有紗「うーん、その前に一つだけ質問があるの」

姫「ん、何だ?」


有紗の質問

1・「魔法少女になったとして私にメリットがあるようには思えないの」

2・「何故、クーデターが起きたのかしら……きっかけが知りたいわ」

↓1、2、3で多数決


有紗「魔法少女になったとして私にメリットがあるようには思えないの」

姫「ほう……確かに」

有紗「勿論、姫さんや旬さんを助けたいとは思うけど……それなりのご褒美を欲しがるのは我が儘ではないと思うの」

姫「有紗は綺麗な顔をして結構ドライな所があるのだな……嫌いではないぞ」

有紗「うふ、ありがとう」


姫「とは言っても妾には『どんな願いでも叶える』ような力は無いし、報酬も王国を取り戻した後払いになるかもしれないが……」

有紗「それでも構わないわ」

姫「フム、妾に出来る事なら何でもしよう……有紗は何を欲する?」


有紗「私は……」



有紗の要求は何?

↓1、2、3でコンマ下二桁の値が大きいもの


有紗「何があっても昴さんを死なせないでほしいの」

昴「え、有紗センパイ……?」

有紗「だって昴さん、旬さんのために無茶しそうだもの。可愛い後輩達にもしもの事があったら悲しいわ」

旬「有紗先輩……」ジーン


姫「無理だな」シレッ


有紗「……何故かしら?」

昴「…………」

旬「姫ちゃん!」

姫「別に意地悪をしているわけではない。勿論、万全のサポートをしていくが命の保障は出来かねる」

姫「……昴だけではない全員に言える事だ……妾も含めてな」



有紗「……そうですか」

根子「…………」

旬「昴ちゃんまで魔法少女になる事ないんじゃないかな……」

昴「旬!?何言ってんの!?」

旬「だって……」


姫(ムム……皆、弱気になってしまった)

侍女「姫様、やはり無理が……」

姫「……妾が皆に返せる物は少ない……旬よ」

旬「……何?」


姫「旬が決めてくれ。妾には戦う力は無い……旬が嫌だと言うのなら妾はこの世界で静かに暮らそう」

侍女「姫様……」


旬「わ、私……」



1・「姫ちゃん……この世界で暮らそうよ」(学園生活ルート)

2・「姫ちゃんの故郷を取り戻してあげたい」(修羅の道ルート)

↓1、2、3で多数決


旬「姫ちゃん……この世界で暮らそうよ」


姫「……そうか」

旬「その……姫ちゃんには復讐とか似合わないよ」

姫「復讐のつもりは無いのだが」

旬「そ、そうなんだ」

侍女「姫様……」


姫「わかった、どちらにせよ旬の協力無しには果たせぬ野望だ……この世界で落ち着いてみるか」


侍女「姫様……!」

旬「よろしくね……姫ちゃん!」

昴「私は旬が危ない目に合わないならどうでも良いけど」

根子「ちょっと残念ですが姫さんとは仲良くしたいのです」

有紗「この世界も良い所よ」

姫「……フン」


―その頃―

シルヴィア「あ、あら……ゲートが……?」


―数日後―

姫「…………」ホゲー


旬「姫ちゃん、元気ないね」

根子「心ここにあらずです」

侍女「そうですね、生きる目標を失ったようなものですから」

旬「だ、大丈夫かな?」

侍女「大丈夫ですよ。姫様はタフですし」





キーンコーンカーン・・

姫「…………」

侍女「姫様、もう放課後でございます」

姫「……ん、そうか」

旬「姫ちゃん、一緒に帰ろ?」

根子「ねこもお供するのです」


―駅前広場―

シルヴィア「…………ひもじいですわ」グゥゥキュルキュル

シルヴィア「何故かゲートは閉じていて帰れず……見ず知らずの異国でひとりぼっち……」

シルヴィア「笑えてきますわ……」


ちゃりん

??「恵んでやる」

シルヴィア「あ、ありがとうございます!」

ヒメチャンヤサシイネ フン,コウキナモノトシテアレクライトウゼンノコト ゴリッパデス


シルヴィア「五百円玉!?……この世界も捨てたものではありませんね」


邯壹¥


つづく



クラスメイトA「ひめさま、今日は私と日直だよ」

姫「ム、そうか……適当にやっておいてくれ」

クラスメイトB「侍女ちゃん宿題写させて!」

侍女「お断りです」ニコッ

転校から数日、最初はクラスメイト達にドン引きされていた姫と侍女は、旬や根子(主に旬)のおかげでクラスに馴染み始めていた。


キーンコーンカーンコーン・・

―放課後―

姫「さてどうするか?」

1・部活中の昴の様子を見に行く
2・旬はクラスメイトと話中か
3・根子は何処へ?
4・有紗は生徒会に在籍しているらしい
5・侍女と帰るか

↓2


姫「……最近、昴の姿を見ないな」

侍女「学年が違いますからね」

旬「姫ちゃん、昴ちゃんなら部活だよ」

姫「部活?あいつ部活なぞやっていたのか」


旬「色々掛け持ちしているよ>>109とか>>110>>111の他にも……」

侍女「それは……凄いですね」

姫「莫迦なのかアイツは?」


昴の部活>>109>>110>>111

サッカー部

剣道部

ソフトボール


姫「サッカー部、ケンドー部、ソフトボール部……」

旬「陸上競技部やメロンソーダ部にも入っているよ」

姫「フン、ちょっと冷やかしに行ってやるか」

侍女「旬さん、今の時間昴さんは何部で活動中でしょうか?」

旬「うーん……多分運動場にいると思うけど……」


姫「よし、サッカー部とやらに行ってみるか」


―サッカーグラウンド―

ソイヤ!ソイヤ!ヘイ!パスパース!

姫「フム、これが『サッカー』か」

侍女「ボールを蹴っていますね」

姫「何故、手を使わないのか?理解出来ないな」

旬「ま、まあそういうルールだから……昴ちゃんいるかな?」


↓1 コンマ末尾8以上で昴発見


旬「あのー、昴ちゃ……中島さんいますか?」

サッカー部員「中島さん?今日はうちには来てないよ」

旬「そうなんだ、ありがとうございます」

サッカー部員「いえいえ」


侍女「昴さんはいないようですね」

姫「フム……ん?旬よ、あの建物は何だ?」

旬「あれ?……あぁ、あれは武道館だよ。剣道部や薙刀部とか武道系の部活動の総本山だよ」

姫「昴はケンドー部も入っていたな、行ってみよう」


―武道館―

ソイヤ!ソイヤ!キエェーッ!コヨイノコテツハチニウエテオル

姫「これが『ケンドー』か」

侍女「なにやら棒で叩き合っていますね」

旬「昴ちゃんいるかな?」


↓1 コンマ末尾5以上で昴発見


昴「あれ、旬どうしたの?」

旬「あ、昴ちゃん発見」

昴「姫に侍女まで……なんかあったん?」

侍女「昴さん、こんにちは」

姫「旬がどうしても昴に会いたいと駄々をこねるから来てやったぞ」

旬「私!?」


昴「!……さては、あたしに会えなくて寂しかったんだな」ハハーン

姫「そんなわけなかろう」

侍女「昴さんは色々な部活を掛け持ちしているらしいですね」

昴「うん、ピンときた部活には全部入ってみたんだ」


姫「フン、そんな中途半端な事で大丈夫なのか?」

カチン
昴「部活動の掛け持ちを禁止されているわけじゃないし別に良いだろ!」

姫「この国には『二兎追う者は一兎も得ず』というコトワザがあるらしいが、三兎や四兎も追っては兎の足跡すら見付けられぬだろうな」ククク

昴「別に兎を探してるわけじゃないやい!」

姫「これはすまぬ、昴には難しすぎる比喩だったな」

昴「わかってるし!」グギギ


昴「そこまで言うなら見せてやるよ、あたしの腕前!」

姫「ほう、ならば妾が相手になってやる」

昴「相手って……姫は剣道やった事すらないだろ?」

姫「フッ……この程度のお遊び、練習すら必要ないわ」

昴「言ったな……泣かしてやる!」

姫「泣いて謝るのはお前の方だ」


旬「あわわ……なんか大変な事に」

侍女「まったく姫様は……」


??「待ちたまえ」


姫・昴「「!?」」


円光寺「神聖な道場で私闘とは何事だい?」


剣道部員B「円光寺様!?《槍満四天王》の円光寺様よ!」

剣道部員A「キャーッ!学園の王子様!!」

剣道部員C「円光寺様のお姿を拝見出来るなんて……もう私、死んでも良いわ」フラッ


侍女「…………何ですかあの方は?」

有紗「高等部の『円光寺ジュリアンヌ』様よ」

旬「あ、有紗先輩いつの間に……」

侍女「随分と人気のある方ですね」

有紗「それはそうよ、学園生徒の規範《槍満四天王》の一人ですから」

侍女「四天王……女子校なのに四天王ですか?」

有紗「《槍満四天王》は学園で最も政治的影響力を持つ四人の才媛……円光寺様は運動系部活動の総括をなされていて、その中性的な容姿も相まって《学園の王子様》の二つ名で呼ばれているの」

侍女「…………」


昴「円光寺先輩……」

円光寺「久し振りだね昴、僕の事は『お姉様』と呼んでくれと言ったじゃないかな?」

昴「は、はあ……お姉さま、こん……ごきげんよう」

円光寺「ごきげんよう、昴」キラキラッ


有紗「ちなみに円光寺様は昴さんの事をとても気に入っているらしいわ」

旬「四天王の人、初めて見たよ……なんか凄いね」

侍女「ええ、なんというか……凄いですね」


円光寺「可憐な乙女が眉間に皺を寄せるなんてエレガントじゃないな。この勝負は僕が預かろう」


姫「誰だお前は?いきなり出てきて好き勝手言うな」

昴「やめろよ、四天王のお姉さまに言われたんだ……ここは大人しくしよう」

姫「……フン、しらけたわ」プイ


円光寺「フフ、ありがとうキュートな子猫ちゃん……では、この勝負は後日改めて行うものとする」

昴「はい」

姫「…………」

円光寺「しかしやはり剣道では昴に分がありすぎるな」

姫「構わん、どうせ妾が勝つからな」

昴「むっ……」

円光寺「まあそう言わないでくれよ。そうだな……勝負の種目も後日発表しよう。では!」シュビッ

姫「おい、聞け……」

円光寺「アデュー」

キャーキャー!!


姫「……何なのだ、あれは?」


つづく


―帰り道―

姫「すっかり興が冷めてしまったな……何なのだ四天王とは?まさかあんなのが他に三人もいるわけではあるまいな?」

昴「……言うなよ、あたしもあの人達ニガテなんだ」ドヨーン

姫「い、いるのか……」


根子「そんな面白い事が起きてたとは……ねこも図書館へ行かず姫さん達と一緒にいればよかったのです」

姫「面白くないわ」

侍女「しかし生徒の規範とは素敵な伝統ですね」

有紗「いや別に伝統というほどのものではないのよ四天王って」

旬「え、そうなんですか?」


有紗「特に古い歴史があるわけでもない普通の私立女子校、昨今の少子化で生徒集めに苦心した学園経営側が適当に制定した制度……それが《槍満四天王》」


侍女「……ま、まあそれでも生徒の羨望を集めているようですし良いではないですか」

姫「そもそも何故、四天王なのだ?女子校なのだから他にも雅な名があるだろう……薔薇様とかエルダーシスターとかエトワールとか」

有紗「わからないわ。そればかりは理事長の趣味としか……」

全員「「…………」」


―駅前広場―

旬「もう駅だ……じゃあね姫ちゃん、侍女ちゃん」

姫「いや、今日からは妾達も電車で帰るぞ」

昴「……?姫達は駅前のホテル住まいだろ」

姫「引っ越したのだ」

根子「そうだったのですか」

侍女「いつまでもホテルに滞在しているわけにもいきませんから」




有紗「私達は上り線だから、ここでお別れね」

根子「さよならです」

旬「有紗先輩根子ちゃん、じゃあねまた明日」


昴「姫達は下り線なんだ?」

姫「そうだ」




車内アナウンス『次はー??次は??』

旬「あ、次で降りなきゃ」

姫「そうだな」

侍女「はい」

昴「…………」


昴「あのさ、さっきからずっとあたし達の後ついてきてるけど姫の家ってどこよ?」

姫「この先だが?」

旬「同じ町内なんだね」





旬「あれ?向井さんちの前にトラックがいっぱい止まってるよ」

姫「フム、指定した時間通りだな」

昴「は?何で姫が向井さんちの前に……」


姫「ここは妾の新居だ」

昴「……いや、向井さんちだろ」

旬「そうだよ姫ちゃん、うちのお向かいは向井さんだよ」

姫「向井氏の一家はジンバブエに引っ越すそうだ」

侍女「姫様は空き家となった元・向井家を購入したのです」

昴「な……!?」

旬「そうなんだ……今度から姫ちゃんちがお向かいさんだね」

姫「うむ、よしなにな」


昴「いや!いやいやいや……おかしいでしょ!?向井さん今朝は普通にいたじゃん!」

姫「昼の間に引っ越したのだろう?何もおかしくはないぞ」

昴「それもいきなりジンバブエって!?」

姫「それは向井氏の事情であって妾の関知するところではないな」

旬「ジンバブエってどこ?」

侍女「アフリカ大陸南部の共和国です」

旬「へぇ、アフリカかぁ」


姫「これで妾が危機に陥っても旬がすぐに駆け付ける事が出来るな」

旬「う、うんそうだね」

姫「勿論、旬が危機に陥れば我らが駆け付けようぞ」


昴「ちょっと待て、もう危ない事は無いはずだろ?」

姫「そんな事をいった覚えは無いが……それに危機は去ったわけではない」

昴「お前な……」

旬「ま、まあいいじゃない。これからはご近所さんなんだから仲良くしようよ」

昴「良くないし!」


業者「あの、ご注文の家具をお届けに参ったのですが」

侍女「はい、いま開けますね」

姫「今日は立て込んでいるので後日我が家へ招待しよう。勿論、昴も」

昴「いらないし!」


―その晩、中島家―

昴母「そうなのよ、向井さん突然引っ越すって……まるで何かに追われるように急いで仕度して行っちゃったわ」

昴「…………」


昴姉「お母さん、なんか引っ越してきたウチの人がお近づきの品だって」

昴母「まあ!こんな高級そうなお菓子……なんでお母さんを呼ばないのよ、ちゃんとご挨拶をしたかったのに」

昴姉「夕飯時に迷惑だろうから『また後日きちんとご挨拶に伺います』ってさ。外人の子とメイドさんだったよ……二人ともすっごい可愛いの」

昴母「あらそうなの」

昴姉「昴……どしたん?」

昴「……別に」


―次の日―

旬「そうそう、姫ちゃんお菓子ありがと。うちのママとっても喜んでたよ」

昴「あーうちも」

姫「フフン、そうであろう」

ガヤガヤ

侍女「……なにやら校舎前が凄い人混みですね」



美槌ヶ原「……アールグレイも悪くないわね」

倍多院「《美槌の君》のお眼鏡に叶って光栄ですわ」

下級生「お姉様、おかわりをお持ち致しました」

円光寺「ありがとう。君の淹れるお茶には千利休すら霞んでしまうよ(意味不明)」キラキラッ

下級生「そ、そのような事……ございません」キュン

髪町宮「ジュリアンヌ、そうやって下級生に手当たりしだい粉をかけるのは良くないわよ」

円光寺「僕は優れたものを称賛せずにはいられないだけさ」


中等生A「キャーッ!四天王のお姉様方がお茶会を開いていらっしゃるわ!」

中等生B「ああ、なんて優雅な光景でしょう」ウットリ

中等生C「朝からお姉様方に会えるなんて……私もう死んでも良いわ」フラッ



姫・昴「「…………」」



有紗「《お狂婦人》倍多院狂華様、《カルマ子様》こと髪町宮カルマ子様に《美槌の君》美槌ヶ原烏江様、そして《学園の王子》円光寺ジュリアンヌ様……いずれも槍満四天王のお姉様方よ」

姫「おはよう有紗、朝から知りたくもない情報をありがとう」


侍女「何故、あの方々は中等部の校舎前でお茶会を開いているのでしょうか?」

根子「……四天王主催のお茶会は時と場所を選ばないらしいのです」

旬「あ、根子ちゃんもおはよう」

根子「おはようなのです。何代か前の四天王は理事長室や職員室でもお茶会を催したと聞いたのです」

姫「ただの無頼者ではないか……学園の規範はどうした?」

有紗「お姉様方は自由人なのよ」

昴「うわ……」



倍多院「あら、そこにいるのは王子お気に入りの昴ではなくて?」

昴「げっ」

円光寺「ごきげんよう昴、姫」

昴「ご、ごきげんよう」

姫「……ごきげんよう」


円光寺「昨日の一件に皆興味を持ったらしくてね、お茶でもしながら君達を待っていたというわけさ」

美槌ヶ原「そちらが昴と揉めたっていう子かしら?可愛い♪」

姫「なんだお前、無礼な女だな」

旬「ひ、姫ちゃん!」

有紗「すみません美槌の君、彼女は転入したてで……」

美槌ヶ原「ウフフ、良いのよ」


髪町宮「その髪と瞳の色……魔法王国の方かしら?」

侍女「!?」

姫「貴様……何者だ!?」

髪町宮「フフフ」


姫(まさか……この女、刺客なのか!?)

髪町宮「フフッ、どうしたの?怖い顔よ」


倍多院「……魔法王国って去年カルマ子さんが旅行に行った国ですよね」


姫「は?」

髪町宮「もう、お狂ったら……いきなりばらさないでよ。せっかくミステリアスな女を演じていたんだから」ウフフ

美槌ヶ原「思わせ振りな態度なんかして悪趣味ですわよ」ホホホ

姫(何なのだこいつら)


円光寺「魔法王国?聞いたことのない国だね」

髪町宮「それはそうよ、こことは違う異世界の国名だもの」

円光寺「異世界?……まったくカルマ子の旅行好きにも困ったものだね、地球上全国だけにとどまらず異世界にまで旅行かい?」HAHAHA

髪町宮「とても素敵な国だったわ。水道水も飲めるし」

姫「フン、我が国の素晴らしさは水道だけではないわ」

髪町宮「もちろんよ」


旬「へえ、異世界へ旅行か……」

根子「パスポートとかいるですかね?」

昴「いや、おかしいだろ」


侍女「姫様、HRが始まってしまいます」

姫「うむ、では先輩方……妾はここで失礼する」

昴「それじゃあたしも……」コソッ


円光寺「待ちたまえ」


姫「…………」

昴「……なんすか?」ビクッ

円光寺「忘れたのかい?君達の対決についてだよ」

昴(うっ……覚えてたか)

姫(正直なところお前のせいでどうでもよくなったのだが……)


美槌ヶ原「そうよ、私達その為にここにいるのよ」

倍多院「可愛い妹達がいさかいを起こしていると聞いて黙ってはいられませんわ」ニヤニヤ


姫「先輩方、妾と昴は和解した(方が面倒が無さそうな)のでそれには及ばぬ」

昴「そ、そうです、及びません!」

髪町宮「あら、それでは面白くないわ」

円光寺「そういうわけで皆君達の対決を楽しみにしているのさ」


姫(“よし侍女、こいつらを銃で撃て”)

侍女(“無茶言わないでください”)


円光寺「それで対決の種目を僕達が考えてみたんだが意見が割れてね」

姫「おい、聞け!」


円光寺「>>136>>137>>138だけど、どれが良いかな?」


姫「くっ……」

昴(……逃げられない)


円光寺「なんだったら全部やっても……」

姫「いや!」

昴「それじゃどれにしようかな!」



姫と昴の対決種目
>>136>>137>>138コンマ下二桁、中の値

料理


つづく


円光寺「種目は料理……料理対決だよ」


侍女「料理……!?」

旬「昴ちゃん……」

円光寺「勝負は今日の放課後、講堂で行おう」

有紗「え、今日……ですか?準備とか」

髪町宮「『鉄は熱いうちに打て』と云うじゃない」

円光寺「食材や器具は、すべてこちらで用意しよう」

姫「フッ、妾は構わぬ」

昴「あ、あたしも!」


円光寺「では放課後、頑張ってくれたまえ」

倍多院「楽しみにしていましてよ」

髪町宮だけネタがわからん


侍女「大丈夫でしょうか……」

姫「心配には及ばぬ……何故なら妾が負けるなど有り得ないからな!」

侍女(料理などしたことないのに……この自信は何処から来るのでしょうか?)


昴「姫のやつあんな事言ってる……」ムカッ

旬「昴ちゃんって料理出来たっけ?」

昴「大丈夫!絶対に姫より美味しい料理作れるから!」

旬(ふ、不安)





そして放課後……姫と昴の対決の時がやって来た。

>>139
髪町宮→かみまちみや→神待ち みや→神待ち(少女)

みたいな感じで……


―講堂―

ワーワー・・ガヤガヤ

有紗「凄い熱気ね」

根子「……人がいすぎて気分が悪くなってきたのです」

有紗「壇上にキッチンが設置してあるわ」

根子「オーロラビジョンまで用意いてるのです」


カシャン

アナ「オラァ!槍満女子の皆さんごきげんよーッ!」

観客「「ごきげんよう!!」」

アナ「ついにきました世紀の対決!槍満女子中等部最強決定戦の始まりだーーッ!!」

ワアァァーーッ!!!


有紗「なんなのこのテンション……」

根子「いつの間にか『中等部最強決定戦』になってるのです」


アナ「まずはこの世紀のイベントの発起人をご紹介いたします……」

アナ「槍満女学園四天王にして《学園の王子》こと……円光寺ジュリアンヌお姉様だァーーッ!!」

キャァァッ!

円光寺「やあ、みんな今日は楽しんでいってね」キラキラッ

観客「「O・U・J・I!O・U・J・I!!」オウジサマー!ジュリアンヌオネエサマー!


アナ「そして……皆さん貴賓席にご注目ください!」

カシャ

倍多院「皆さんごきげんよう」フリフリ

髪町宮「うーん、お金掛けてるわね」

美槌ヶ原「私目が悪いからここだと見辛いわ……お狂さん、オペラグラスあります?」


アナ「同じく槍満四天王のお姉様方が観戦にいらしゃいましたァーーッ!!」

ワアァァーーッオネエサマー!

アナ「円光寺様には今回の勝負のレフェリーと見届け人をしていただきます」


アナ「そしていよいよ、選手の紹介だァ!このヤローッ!!」

おおおおぉぉーーッ!!!


アナ「青コーナー、暴君の転校生……ヒィィメエェェェッ!!」

ワアァァーーッヒメサマーッ

姫「やっと紹介されたか」

侍女「大変な騒ぎですね……」


アナ「赤コーナー、王子も認める中等部のエース……中島……スゥバルルルゥゥッ!!」

キャーッスバル!スバル!

昴「巻き舌やめろ」

旬「な、なんで私も?」


アナ「侍女さんと旬さんにはそれぞれのセコンドについてもらいます」


円光寺「さあ準備は良いかな?子猫ちゃん達」

旬「あの……これって料理の勝負ですよね?」

円光寺「そうだよ」

旬「それじゃ円光寺先輩が二人の料理を食べて審査するんですか?」


円光寺「いや、審査するのは昴と姫さ」


姫「なんだと?」

昴「どういう事ですか?」

円光寺「これは料理バトル……互いに相手の作った料理を食べて批評しあうのさ」

昴「……?」

姫「…………」

円光寺「料理で相手を『感服』させたら勝ち……わかりやすいだろう?」


円光寺「さあ、それぞれのキッチンに着くんだ」

昴「は、はい」

姫「……フッ」


昴「とにかく姫に負けを認めさせるくらい美味しい料理を作れば良いんだよね?」

旬「う、うん……そうだと思うけど……」


姫「ようは料理で昴を『倒せ』ば良いわけであろう……クックック」ニヤッ

侍女「……姫様?」


円光寺「料理に使用するのは用意された食材、器具しか認めないよ」

姫「うむ」

昴「わかりました!」


円光寺「それでは、料理バトル……レディ……Go!!」カーン

ワアァァーーッ


つづく


アナ「さあ、始まりました昴VS姫中等部最強決定料理バトル!はたして勝利の女神はどちらに微笑むのか!?」

アナ「まずは両者とも食材選びだ!」


姫「……フム」

昴「えっと……」キョロキョロ

姫「決めたぞ」ハシッ

昴「……!?」


アナ「先に動いたのは姫!選んだ食材は……」


有紗「え!?」

根子「……ありえないのです」


侍女「ひ、姫様それは……!?」

姫「見て判らぬか……納豆だ」


アナ「な、な、納豆だァーーッ!?姫は納豆を手に取ったァァッ!!」

ワアァァーーッ


侍女「納豆……はともかく、他の食材は何にするのですか?」

姫「フッ……必要ない」

侍女「そ……そんな!?納豆だけですか!?」


姫「……聞けい!皆の者よ!」

ザワッ

アナ「おーっとぉ!なにやら姫が観客に向けてアピールするようだ!」


姫「妾が最初に作る料理の食材は納豆のみ……そして、この納豆を別次元の代物に変えて見せようぞ!!」

ウオォォォーーッ

美槌ヶ原「納豆を別次元の……?」

髪町宮「……面白い娘ね」

倍多院「何故、食材に納豆が入っていますの?」


アナ「仰天宣言キターーッ!なんと姫の最初の料理は納豆しか使わない!?どうなってんだーーッ!!」


旬「納豆だけでいったい何を……?」

昴「……私も!」ガシッ


アナ「昴も食材を決めたぞ!?」


円光寺「それは……鰹かい?」

昴「はい、宮城県沖で獲れた初鰹です」


アナ「鰹だァーーッ!昴は鰹を選んだぞ!!」

ワアァァァッ

昴「さあ、料理開始だ!」

ウオォォォーーッ


根子「カツオ……なんかまともそうなのです」

有紗「え、ええそうね……」


ワーワー

姫「カツオか……フッ、笑止!」

ガガガガッ


アナ「姫が器に移した納豆を凄い勢いでかき混ぜ始めたーーッ!速い!なんて速いんだ!?」


姫「ハァァーーッ!」

ガガガガッ

侍女「姫様…………!?」

姫「ハァァーーッ!!」

ガガガガッ サラサラ

侍女(あ、あれは……?)


倍多院「ただ混ぜているだけではありません?」

髪町宮「……はたしてそれだけかしら?」

美槌ヶ原「カルマ子さん、どういう事?」


根子「姫さんの手から……箸を握っている手から赤い粉がこぼれて……いや振りかけてるのです」

有紗「あ!?本当だわ……何か赤い粉を握りこんでいたという事?でもあの粉はいったい?」


アナ「ひたすら混ぜる!姫が納豆を一心不乱にかき混ぜる!!」

ワアァァーーッ


昴「やるな姫……あたしも負けられない!」シャッ

ドシュッざく・・グシャッ

旬「す、昴ちゃん!?」

観客「キャァァッ!?」

昴「うおぉーーッ!!」

グシャグシャッ・ザンッ


アナ「こ、これは!?昴が鰹を捌いて……いや!これはまるで!」


倍多院「なんて猟奇的な……」ウプッ

髪町宮「……身が残るかしら」


昴「うおぉーーッ!!」

ざくグシャッ・・ざくざくっ


アナ「昴の蛮行に場内は阿鼻叫喚の嵐だーーッ!!」

ザワッキャーッヒィィ

旬「あわわ……」


昴「……こんなもんかな。さてとバーナーは……」

旬「昴ちゃん……なに作るの?」

昴「え、ここまでやったのに判らないの?」

旬(わからないよ!鰹を滅茶苦茶にしただけじゃん!?)


昴「鰹のタタキだよ。あとは炙って出来上がり」ガシャン


旬「炙ってって……なにそれ?何で炙るつもりなの!?」

昴「ん……点火!」

ゴオォォォッ!


観客「キャァァッ!?」

アナ「昴が火炎放射器で鰹の残骸を燃やしたーーッ!?」

キャーッイヤァーーッ

倍多院「な、なんという地獄絵図……昴……何て恐ろしい娘!」

円光寺「フッ、流石は僕が見込んだだけの事はある」


旬「やめて!鰹(の残骸)が消し炭になっちゃうよ!?」

昴「あれ……ちょっとやり過ぎたかな?」


昴「出来た!」

姫「こちらも完成だ」


アナ「両者、料理(?)が完成したようです!これからお互いの料理を実食となります」

ワアァァーーッ


円光寺「では昴の料理……これは?」

昴「はい、鰹のタタキです!」

姫「消し炭ではないか」

昴「鰹のタタキだよ!ちょっと黒いけどさ!!」

姫「……フッ」

昴「鼻で笑うな!」


円光寺「そして姫、これは……納豆ペーストかい?」

姫「そうだ」

昴「ただの混ぜ納豆じゃん」


旬「……!この納豆……赤いよ?」

姫「…………そうか?」

昴「そういえば……絶対辛いだろこれ!?」

姫「……隠し味だ」

昴「ぐ……」


円光寺「それでは実食してもらおう」


昴「…………」パクッ

姫「…………」パクッ


アナ「ここで料理バトルのルール説明です!」


姫と昴、それぞれ精神力が150あります。
安価コンマ下二桁の値が料理の攻撃力になります。※00は攻撃力100とします。相手の精神力をバーストさせれば勝ちです。

↓1 姫の料理の攻撃力
↓2 昴の料理の攻撃力

攻撃翌力……?

 


姫「…………」ガリッゴリッ

旬「ああ」ハラハラ

姫「……ブフッ!やはり消し炭ではないか!」

侍女「姫様!?」


姫は鰹のタタキ(>>160)で40のダメージを受けた!

姫の精神力
150→110



昴「…………」モグモグ

昴「……ぐはぁっ!?ひ……か、からっ、辛い!!」ボッ

旬「昴ちゃん大丈夫!?」

姫「フッ、どうだハバネロ粉末入り納豆の味は?」

昴「ッんーーッ!んーーッ!?」ジタバタ


昴は納豆ペースト(>>159)で76のダメージを受けた!

昴の精神力
150→74


アナ「昴が悶え苦しんでいる!?一方、姫は若干余裕があるようだ!」

おおおおぉぉ


美槌ヶ原「ハバネロ……いつの間に?」

髪町宮「フフッ、なかなかやるわね」


有紗「……あれはハバネロだったのね」

根子「えげつないのです」


アナ「第1ラウンドは姫が優勢かーーッ!?」

ワアァァーーッ


姫「ククク……次で終わりだ」ニヤッ

昴「く、くそ……次は負けない!」


つづく


旬「昴ちゃん大丈夫?水だよ!」

昴「あ、ありがとう……んぐっ」ゴキュゴキュ

昴「っはあ……まさかあんなもの食わせるなんて!」

昴「こうなったらあたしも不味い料理を作って姫に食わせてやる!」

旬(自分が料理下手なの自覚無し!?……あ、そうだ!)


旬「昴ちゃん、さっきの鰹のタタキの失敗を逆手に取ろうよ」


昴「え、どういう事?」

旬「不味い料理を食べた後に普通の味の料理を食べると美味しく感じるでしょ?」

昴「え?……うんそうかも」

旬「今度はまともな料理を姫ちゃんに食べさせれば絶対ショックを受けるよ!(※ギャップ攻撃 >>166)」

昴「なるほど……って、さっきの料理はまともじゃないって事!?」

旬「失敗したんだからしょうがないでしょ!(半ギレ)」

昴「そ、そうだね」

旬「私がアドバイスするけど……これは危険な賭けだからやるかどうかは昴ちゃんに任せるよ」


ギャップ攻撃について

前の料理のコンマの値より高い値を出した場合、ギャップ攻撃が成功して差分の値を攻撃力に上乗せできます。

低いと失敗して差分の値が相手の攻撃力に上乗せされて自分に返ってきます。


例 昴の場合(前の料理の値40)

成功例(60)
安価した値60 (安価した値60―前の料理の値40)=姫に80のダメージ

失敗例(昴20姫50)
安価した値20のみ姫にダメージ
(前の料理の値40―安価した値20) 姫の攻撃力50=昴に70のダメージ

文字化けか?
()のとなりのプラスが消えてる


昴(ギャップ攻撃で一発逆転……でも自爆する可能性があるな)

旬「どうする?」


昴は……

1・ギャップ攻撃に賭けてみる
2・いやまだ耐えるんだ……ここは地道に普通の攻撃

↓1

>>168

昴「……いや、ここで大きいのを狙うのは危険な気がする」

旬「そうか……昴ちゃんの精神力74しかないもんね」

昴「カウンターをもらうとバーストするかもしれない……ここは堅実にいくよ」

旬「うん、それで良いと思うよ」


姫「……口の中がジャリジャリするな」

侍女「お水をどうぞ」

姫「うむ」ガラガラ,,ペッ

侍女「姫様が優勢です。戦術はこのままで良いかと」

姫「フフッ、叩き潰してやるぞ!」

侍女(……なんて不毛な戦いでしょう)


『セコンドOUT、セコンドアーウト!』


アナ「さあ、第2ラウンドの開始です」カーン


姫「さっきはよくもやってくれたな」

昴「それはむしろこっちのセリフだ!」

円光寺「コラコラ、私語は慎みたまえ」

姫「フン」プイ

昴「ハン」プイ


アナ「何やら揉める二人を円光寺様が注意しているぞ!?二人とも食材選びを始めるーーッ!」

ワアァァァッ


昴(このラウンドじゃあたしの料理で姫を倒せない……でも、出来る限り大ダメージをあたえて次のラウンドに繋げる!!」

姫(ククク、次のラウンドは来ない……昴よお前はこのラウンドで無様に敗北するのだ!」


昴「……これだ!」シュババッ


アナ「今度は昴が先に食材を選んだ!」


姫(米!?)

昴「姫にとびっきり美味い飯を食わせてやるよ!」タタッ

旬(うう……まだ自分の可能性を信じている昴ちゃんが眩しいよ)


姫「……面白い、やれるものならやってみるがいい」スッ


アナ「姫も選んだようだ!両者の調理が始まる……次はどんな惨劇が起こるんだーーッ!!」

ウオォォォーーッ


根子「……女子校の歓声じゃないのです」

有紗「もう人死にが出ない事を祈るしかないわね」


姫「フグの内蔵、クラゲの触手、エイの尻尾……ヒョウモンダコにベニテングタケ……」チャポチャポン

侍女「ひ、姫様……いったい何を作って……?」

姫「知りたいか?……それは出来てのお楽しみというやつだ」ニヤリ

侍女(昴さん逃げてーーッ!!)



昴「圧力鍋に米を……」ザーッ

旬(圧力鍋?でも、まともそう……その調子だよ昴ちゃん)

昴「人参、ゴボウ、鶏肉」ポイポイ

旬「うんうん」


昴「……あっ!火薬を忘れてた……いけないいけない」


旬「はい?」

昴「鉄分の補給に釘も入れよう」

旬「ちょ、ちょっと待って昴ちゃん!?」

昴「ん、どしたの旬?」


旬「なんで火薬とか釘とか入れるの!?」

昴「だって『かやくご飯』だし」

旬「」


昴「大丈夫だよ。ちゃんと炊き上がったら釘は取りのぞくし……間違って姫が釘食べたら大変だもんね」

旬「なんかまずいって!それ絶対まずいよ!!」

昴「酷いなぁ不味いわけないじゃん。もうちょっと火薬を入れるかな……よし!」パタッカチッ

旬(水すら入れてないよ!?)←もう声すら出ない


つづく


謎の人参?「やあ」


姫「……ん?これは『マンドラゴラEX』ではないか……何故この世界に?」※マンドラゴラEXは魔法王国で栽培されている魔法植物

姫「まあよい、ついでに入れておくか」ポイ

マンドラゴラEX「いやん」チャプン

姫「あとはじっくり煮込むだけだな」シュボッ

グツグツ・・

マンドラゴラEX「う"い"え"あ"あ"あ"い"ひぃィ"ィっ」


アナ「姫の鍋からこの世のものとは思えない悲鳴が響く!」

キャーッヒイィィッ


昴「姫のやつなに作ってんだ?」

昴の圧力鍋「ギヒィ"う"エ"ヘェーーッ!」ボゴンッガンッ

旬「…………」




姫・昴「「出来た!!」」

ワアァァァッ

アナ「料理が完成したようです!さあ二人はどんな料理を我々に見せてくれるのかーーッ!?」


コンマ下二桁の値が攻撃力

姫の料理の攻撃力↓1
昴の料理の攻撃力↓2

おう


円光寺「さあ実食だ」

姫「フフフ、今度の料理は一味違うぞ!名付けて……『海と山の幸スープ』だ!!」パカッ


毒マンドラゴラ「URRRRRRRY!!」ブシュブシュウゥゥ

昴「うわっ!?」ガシッ

毒マンドラゴラ「うじゅるるばぁーーッ!!」グイグイ

昴「は、離せ!」

旬「キャッ!昴ちゃん!?」


姫「そうか、マンドラゴラEXを入れたから……」

昴「なんてもん入れてんだよ!?」


昴は毒マンドラゴラ(>>182)に20のダメージを受けた!

昴の精神力
74→54


姫「フッフッフ……ハッハッハ…………ハァーッハッハッハ!」←勝ち誇った笑い

昴「くっ……あたしの料理だって!」

姫「フッ、悪足掻きを……」

昴「『かやくご飯』キミの出番だ!」バッ

旬「あ」

パァンッビシビシビシッ・・

姫「な!?」サッ


キャアァァーーッ ワーワー

アナ「昴の圧力鍋が大爆発したーーッ!?うおっ!?き、危険です!辺りには何か……くぎ!?釘が飛び散っています」


侍女「姫様ご無事ですか!?」

姫「あ、ああ……問題ない」

姫(避けられたのか?……気のせいか飛んできた釘が一瞬止まったように感じたが……)


キャーッワーッ

美槌ヶ原「……危ないですね」

倍多院「まさに阿鼻叫喚の地獄絵図ですわね」


ヒョコ

爆弾マンドラゴラA「い"ぃぃ」ヨロッ

爆弾マンドラゴラB「ギギィ」ベチャ

爆弾マンドラゴラC「ヴぃあ"ぁ」フラフラ


姫・旬・侍女「「え?」」

昴「なんだあれ?」


アナ「圧力鍋からなんか出てきたーーッ!?」


毒マンドラ「RRR……!」

爆マンドラABC「「ミギャァァーーッス!!」」

毒マンドラ「うい"え"ぇーーっ!」カパッ

ブシュゥゥゥ

侍女「毒ガスです!」

姫「よし征け!毒マンドラゴラよ!」


爆マンドラABC「「シャい"ァーーッ!!」」ピョンピョン

がしがしがしっ

毒マンドラ「るぎぃ!?」


根子「圧力鍋から出た小さいのが謎生物に取り付いたのです!?」


爆マンドラABC「「み"イイィ!!!」」カッ

毒マンドラ「URRRRRRRY」

パァァーーン


アナ「爆発したーーッ!?」


侍女「自爆……?」

姫「ば、莫迦な……妾のマンドラゴラが!?」ガーーン


姫は爆弾マンドラゴラ(>>183)に93のダメージを受けた!

姫の精神力
110→17


アナ「爆発的なこの威力!第2ラウンドは昴が制した!」

ワアァァァッ

髪町宮「フフッ、これは大逆転かしら?」


昴「よし!巻き返した!!」

旬「料理じゃない……こんなの料理じゃない…………」


姫「形勢逆転……だと?この妾が追い詰められるとは……!」グヌヌ

侍女「……姫様」


つづく


姫(精神力17……このままでは負ける…………負ける?妾が敗北する……だと!?)

姫「……妾はまた敗北するのか?」

侍女「姫様……」


その時、姫の脳裏には魔法王国最後の日がよぎっていた。






-回想シーン-

永遠に続くものなど無い……それは三千年の栄華を誇る魔法王国とて例外ではなかった。


魔法少女A「いたか!?」

魔法少女B「駄目だ、こちらにはいない」

魔法少女A「必ずや第一王子と第二王女を捕らえろ!……いや、殺しても構わない、王族の悪魔供を逃がすな!」



姫「……フン、好き勝手言ってくれているな」

侍女「姫様、この森に紛れて逃げましょう。その後、どこか落ち着ける場所でゲートを開いて異世界へ行くのです」

姫「異世界だと?」

ガサッ

王子「姫、生きていたのか!?」

姫「兄上?兄上もご無事のようで何よりです」

王子「黙れ!よくもそのような口がきけるな、お前のせいでこんな事態になったのだぞ!?」

姫「フッ、自分や大臣の無能を棚に上げて」

王子「なんだと!?」

侍女「お、お静まりください……見付かってしまいます」


姫「しかしながら、たった5000人ほど魔導炉にくべたくらいで反乱が起きるとは思いませなんだな」

王子「フム……まさか魔法少女隊長があそこまでマジギレするとは」

侍女「…………」


事の起こりは国の発電に必要な魔導炉の燃料である魔鉱石の枯渇問題であった。

魔鉱石は特殊な方法で土に埋めれば魔力を充填して約100年ほどで再利用出来るが、その技術が確立されたのが数年前……その前に大陸に埋蔵されている魔鉱石は底を尽きようとしていた。

反王族派や環境保護団体は王国政府の不手際を批難し、病にふせった王に代わり宰相として国政を担っていた第一王子や大臣達は大いに困った。


姫「じゃあ、そやつらとその縁者を魔導炉にくべて燃料にしてしまえばよかろう」※多少、魔力を持っていれば燃料になる。


姫(国政に関わる権利は無い)の提案に王子は「あ、それいただき!」と本当に実行。

魔法少女達を始めとする国民はブチギレ→反乱起きる……という具合に王族と政府の要人はことごとく捕らえられた。


王子「お前の提案に乗ったのが間違いであったわ!」

姫「しかし、向こう25年分の電力には困らないほどの魔力を供給出来たではありませぬか」

侍女(あぁもう、この人達は……)


魔法少女C「いたぞ!二人ともいる!!」

魔法少女A「死ねやァッ!」ゴォッ


侍女「……!?姫様、見つかりました!」

王子「た、大変だにげ……」

ゲシッ

王子「げふゥッ!?」ベチャッ


姫「兄上、妾のため贄になってくれ」

王子「ちょ、おま!?」

姫「さらば兄上、貴方の死は無駄にはしない……行くぞ侍女!」

侍女「は、はい!」


王子・魔法少女「「待てやァーーッ!!」」




-回想シーンおしまい-


姫「妾は誓った、王国を取り返してみせると……ついでに兄上達の仇をとると!」

侍女「…………」

姫「もう二度と負けるわけにはいかぬ!!」


アナ「第3ラウンドの開始だァ!もういちいち料理の描写するのめんどくさいから安価取るぞーーッ!!」カーン



コンマ下二桁の値が攻撃力

姫の料理の攻撃力↓1
昴の料理の攻撃力↓2


姫の精神力
17→0

昴の精神力
54→27


円光寺「昴の勝ち」

ワアァァァッ

昴「やったァーーッ!!」


アナ「勝者、昴!この料理バトル……この激戦を制したのは昴だァーーッ!!」

キャーッワーッピーピー!ドンドンパフパフ


姫「」


つづく


姫「また……負けた」ガクッ

昴「ナイスファイトだったよ……姫」ポン

姫「昴……?」

昴「それにしても……姫って料理下手なんだな!」


姫「お前が言うな!!」ガーーン


円光寺「勝負の後に芽生える友情か……美しいね」

旬「あはは……」

侍女「ふぅ、何事もなくてよかった…………!?」

姫「侍女、どうしたのだ?」

旬「?」

侍女「あ、あれを……」

姫「『あれ』?……いったい何だと……」


たこ焼き「“ひれ伏せ人間よ、我は神である”」フワフワ


一同「「…………」」


姫「これは……?」

円光寺「昴が第3ラウンドで作ったたこ焼き(激マズ)だね……何で浮いているのかな?」チョンチョン

たこ焼き「“不敬である。我に触れるな人間”」

ビーーッ バリバリッ

円光寺「ギャッ!?」ビリビリッ


昴「たこ焼きがビーム撃った!?」

旬「え、円光寺先輩!大丈夫ですか!?」

円光寺「」ヒクヒクッ

侍女「駄目です、気絶していますね」

姫「これは……いったい……?」



倍多院「あらあら、王子ったら不様ですこと」

美槌ヶ原「所詮、彼女は四天王最弱……」

髪町宮「フフッ……私達も楽しめそうじゃない?」


倍多・美槌・髪町「「……………………」」






美槌ヶ原「……いつまでこのノリを続けるの?」

倍多院「もう、美槌の君は真面目でいらっしゃいますのね」カラカラ

髪町宮「もっと楽しみなさいよ」バシバシ

美槌ヶ原「…………」


たこ焼き「“我は世のありとあらゆる食材の神…………”」


たこ焼き「“人は我を《食材神》と呼ぶ”」バーーン


姫「食材神……神だと?」

侍女「……何なんですこの展開?」

昴「……!そうか!?」

旬「なんか解ったの昴ちゃん?」


昴「あたしの料理が神の領域だったから……」

姫・旬・侍女「「絶対に違う!!」」

昴「あれ?」


たこ焼き(神)「“大自然の恵みであるありがたい食材をことごとくゴミにする愚かなる人間よ”」


姫「おい昴、お前は神の怒りを買ったようだぞ」

昴「そんなわけないだろ!むしろ姫の方が!」

旬「どっちもどっちだよ……」

侍女「……ですね」


たこ焼き(神)「“食材に贖罪せよ”」

ゴゴゴゴゴゴ

旬「こ、今度はなに!?」

侍女「……!焼きそばです!姫様が作った焼きそば(危険物)が皿から溢れだして……!」


焼きそば「」ダバダバ

ズゾゾゾ・・・キャーッワーッ

たこ焼き(神)「“焼きそばの大洪水で滅びよ人間”」


アナ「な、ななななんという事だ!姫の作った混沌焼きそばがみるみる間に会場を埋めつく……って!?うわ!助けてSOS!!」


キャーッヤキソバガ!?イヤーッ

有紗「な、なんて事!」

根子「神が怒るのも無理ないのです」


侍女「姫様、このままでは!」

姫「くっ……旬よ、魔法少女に変身して、あのたこ焼きを……」

ズゾゾゾ

旬「キャーッ!?」ドバーッ

昴「旬!?」

侍女「旬さんが焼きそばに呑まれてしまいました!」


たこ焼き(神)「“焼きそばの洪水は七日もすれば全世界を呑み込むであろう”」


昴「旬、いま助ける……」

ガシッ

姫「待つのだ昴!」

昴「姫離せよ!旬が……!」

姫「落ち着け!そのまま飛び込んだところで昴も焼きそばに呑まれるだけだぞ!」

侍女「姫様の言う通りです。昴さん落ちついてください」

昴「でもこのままじゃ!?」


姫「昴が魔法少女となって、あのたこ焼きを討つのだ……そうすれば焼きそばも収まるはず」


侍女「無茶です姫様……」

昴「…………わかった!」

侍女「ええ!?」


昴「前に言っただろ、あたしは旬を守るために魔法少女になるって」

姫「その心意気や好し……では、いくぞ!」

昴「どんとこい!」


むにゅ

姫「フム……」サワサワ

昴「!///なんで胸を揉むんだよ!?」バッ

姫「魔力コアを探すためだ。別に減るものでもなし気にするでない」

昴「気にするよ!」

さわさわ・・

昴「ん……くすぐった……」ビクッ


姫「……!妾より大きい……だと!?」ガーーン

昴「え、マジ?……って、なに言ってんだ!魔力コアっての探してんだろ!?」


姫「む……どこだ?判りづらいな」サワサワ

昴「は、はやくしろよぉ!」



昴のコアの位置(体の一部)※あまり必要ない設定かも

安価↓2

右目


キイィィン

昴「いた!?目ぇ痛ッ」

姫「……右目(>>212コンマ05)か!」


姫「魔力を起動するためにパスワードを言うんだ」

昴「パスワード?なにそれ!?」

姫「パスワードは昴の恥ずかしい秘密だ……さあ秘密を暴露するのだ!」

昴「なんだそれ!?なんでそんな事言わなきゃ……」


姫「旬に危機が迫っているのだぞ!」


昴「う……」

侍女「…………」



昴の恥ずかしい秘密
安価↓1


姫「さあ……さぁ!」

昴「この前……数学のテストデ……13テン……」

姫「……んん?まるで聴こえんぞ、もっと大きな声で!」


昴「『数学のテストで13点取りました』!!」


姫「……プッ」フルフル

昴「笑うなァッ!」

姫「す、すまぬ……しかし、じゅうさ……ブフッ!」

昴「いいから始めろよ!」


侍女(姫様……パスワードとか必要ありませんでしたよね?)


姫「気を取り直して…………姫の名において新たなる魔法少女の誕生を祝福する……」パアァァ

昴「くっ、右目が……熱い!?」

姫「《魔力……発動!!》」

ゴウッ

昴「っあああァァーーッ!?」


侍女「……!」








昴「……?これで魔法少女になったの?」

姫「うむ、つつがなく魔法少女になったぞ」


根子「……判りづらいのです。もっとこう、フリフリのコスチュームが必要なのです」

有紗「昴さん……」


昴「なんだろ……なんとなく、いつものあたしじゃないみたいだ……」

姫「フフン、身体に魔力がみなぎっている証拠だ」



たこ焼き(神)「“……もうよいか?”」

姫「ちょっと待て」

たこ焼き(神)「“…………”」


姫「昴よ、自分の武器をイメージするのだ」

昴「あ、ああ……旬がやってたやつね」

姫「そうだ、あのたこ焼きをぶっ潰すグレートな武器を造り出せ!」

たこ焼き(神)「“…………”」

侍女(本人?の前で言うのは如何なものかと)


昴「うーん……ぶき……武器……」



昴の武器は?

1・切るやつ
2・叩くやつ
3・うつやつ
4・その他

安価↓2


昴(一番身近な武器といえば竹刀だけどなんか違うな……)


たこ焼き(神)「“…………まだ?”」

姫「昴、神を待たせるな」

昴「ちょ、ちょっと待ってよ!」


つづく

良い案が浮かばないので昴の武器案募集します。次の更新まで


たこ焼き(神)「“もう待てぬ……滅びよにんげ……”」

姫「待てと言っておろうが!」ブン

バチンッ・・べちゃっ

たこ焼き「」

侍女「あ」


姫「昴!まだか早くせい!」

昴「も、もちょっと待ってよ」




根子「たこ焼き……やられちゃったのです……」←貴賓席(安全)に移動

有紗「そうねぇ」←同じく

髪町宮「……そうかしら?」

有紗「え?」

美槌ヶ原「焼きそばの洪水は止まらないわね」

倍多院「あら……そのようですわね」

根子「……ほんとだ」



たこ焼き「」

侍女「あの、姫様……もう……」

姫「わかったから待っていろ!」


昴「……よし!いけそう!!」パァァ


姫「いいぞ、その調子だ」

侍女「…………」


シュウゥゥ・・ペカーッ

昴「よっしゃ!バッチこい!」ヘイヘイ!


姫「……なんだそれは?」

昴「鉄球(トゲつき)だよ。これをぶつけたら痛いだろ?」

姫「……まあ良い。待たせたな、たこ焼き(神)よ……ん?」


たこ焼き「」ベチャァ


侍女「このようになっておりまして……」

姫「なんだと!?これでは魔法少女昴のお披露目が出来ぬぞ!」

昴「え、そんな!せっかく武器創ったのに!?」


たこ焼き(神)「“問題はない”」フワフワ


侍女「え!?姫様に潰されたはずなのに……!?」

たこ焼きA(神)「“我は食材神”」

たこ焼きB(神)「“食材こそ我自身”」

たこ焼きC(神)「“食材があるかぎり我は不滅”」


昴「残ったたこ焼きが……全部浮いている!?」


たこ焼きA(神)「“愚かなる人間よ”」

たこ焼きB(神)「“神の怒りを思い知るがよい”」

たい焼き(神)「“食材に贖罪せよ”」

ゴゴゴゴゴゴ・・・


姫「来るぞ昴!」

昴「応!」


つづく

武器案の応募ありがとうございました。
今回はボール?になりました。

ファンネルやフォームチェンジとか多間接メカも捨てがいので、他の魔法少女で使いたいと思います。


たこ焼きABC(神)「「“滅せよ”」」

ビビィーーッ

昴「……!」ダッ


昴(よし……かわせた!)

たこ焼きB(神)「“……ほう”」

たこ焼きA(神)「“ただの人間ではないようだ”」


昴「今度はこっちの番だ!」ジャッ


有紗「あの構えは!?」

髪町宮「かつてメジャーリーグを席巻した《THE tornado》野茂英雄の代名詞……!」


昴「トルネード投法だァッ!!」ブンッ

ドヒュゥンッ


たこ焼きA(神)「“…………”」

たこ焼きB(神)「“…………”」

たこ焼きC(神)「“…………”」



侍女「…………」

姫「…………外れたではないか!」

昴「うっさいな!ちょっと手元が狂っただけだよ!!」


鉄球「」ビュゥッ

ドゴォーーーン


有紗「キャア!……な、なに!?」

根子「鉄球が講堂の壁をぶち抜いたのです!」

美槌ヶ原「あの鉄球……勢いが落ちていない?」

倍多院「外へ飛んでいきましたわよ……あの先って」


ドゴゴォーーーン・・ズゴゴゴ

髪町宮「中等部の校舎があったわね」

有紗・根子「」


昴「けっして威力が衰えない鉄球(トゲつき)……どうだ!」ドヤッ

姫「阿呆か!?」

侍女「校舎が……」


昴「さらに……!」バッ

ヴゥン・・ジャラララッ・・・

昴がかざした掌から光の鎖が勢いよく飛び出し、遥か彼方の鉄球をまっすぐ追いかけていく!


昴「掴んだ!」グイッ

ブンッ グシャァッ

たこ焼き「」ベチャァ


侍女「魔法の鎖で鉄球を操っている!?」

姫「魔法のモーニングスターといったところか……やるな」


昴「ウオォォーーッ!!」ジャッ

ゴゥッ ベシャッ


昴「うおりゃぁーーッ!」ブンッ

グシャァッ バキバキッ・・ドガン キャー!ワーッ!


倍多院「……凄まじいですわね」

髪町宮「ええ、みるみる間に講堂が破壊されていくわ」


姫「何をやっている!?ちゃんと狙え!」

昴「だい……じょぶ!慣れれば……!」ブオンッ

ドグシャァ ゴゴォン


侍女「慣れる前に講堂が無くなりそうな気が……」


たこ焼きA(神)「驕(おご)るな人間よ」

ころころ・・

昴「ん?トマト……?」


たこ焼きA(神)「《キラートマト》……食材は爆発する」


カッ

昴「!?」

ドガァーーーン


侍女「キャッ……トマトが!?」

姫「昴!?」



昴「ペッペッ……無茶苦茶するな!」

たこ焼きA(神)「“ほう……無事か”」

昴「あれくらいで!いくぞ!」ブンブン


姫「昴、魔法というは物理法則などの常識を越えた概念だ!」

昴「……?」

姫「常識を捨てるんだ。重力や慣性にとらわれず敵を狙え!」

昴「常識を捨てる……」


昴「こうか!」

ジャラララ・・クイッ

たこ焼きA(神)「“む”」ササッ

たこ焼きB「」ベチャッ

ジャラッ・・ギュンッ

たこ焼きD「」グチャ


有紗「鉄球がありえない軌道で!?」


昴「おりゃーーッ!!」ヴンッ

たこ焼きJ「」ベチャァ

たこ焼きF「」ベチャッ

たこ焼きG「」グチャ

たこ焼きH「」グシャッ


侍女「……凄い」

姫「昴のやつ……なかなかの魔法のセンスだ」



根子「どんどんたこ焼きをやっつけているのです」

倍多院「凄いわぁ」


昴「どうだッ!」ジャラジャラッ

たこ焼き(神)「“不敬である”」

ゴゴゴゴゴゴ

昴「う……これは!?」


リンゴ「」シューン
ゴボウ「」ヒューン
漆「」ヒューン
渋柿「」シューン
キクラゲ「」ヒューン


侍女「食材が……空へ!?」

姫「これは……?」


ガシガシッガシーン・・ジュウゥゥ

たこ焼き(神)「“成層圏で巨大たこ焼きを創った”」

姫「何だと!」

侍女「巨大……たこ焼き!?」


たこ焼き(神)「“もはや焼きそばが世界を呑み込むのを待つまでもない。今からこれを落とす……潰れろ”」


昴「やめろ!そんな事をすれば地球が寒くなって人が住めなくなる……核の冬が来るぞ!」

たこ焼き(神)「“食べ物を粗末にする人間を我が粛清しようと云うのだ”」

昴「神が人を罰するっていうのか!?」


キャー!ワーッ! チキュウハオシマイダ!

昴「あんなたこ焼き宇宙に押し出してやる!」


姫「無茶だ!死ぬ気か!?」

昴「地球がダメになるかって瀬戸際なんだ!」

侍女「昴さん……飛行魔法を使えるのですか?」

昴「!?」

侍女「…………」

昴「…………」

姫「…………」


昴「あたしは自分の可能性を信じる!」


姫・侍女((駄目だ!!))


つづく


昴「やめろたこ焼き!やめろよ、潰しちゃうぞ!!」グイグイ

たこ焼き(神)「“無駄である。我を潰したところでどうにもならない”」ギュムギュム

姫「おのれ……たこ焼きなんぞに滅ぼされてたまるか!」


??「いい加減に……しなさァーーいッ!!」


ドウッ・・ドガァァンッ

昴「うわ!?」

姫「何事だ!?」


根子「……焼きそばが爆発したのです」

有紗「あ……あれは!?」


旬(魔法少女化)「…………」

ゴゴゴゴ・・


昴「旬!」

姫「おお、無事だったか!」


旬「…………」

昴「旬、大変なんだ!たこ焼きが地球を滅ぼすために巨大たこ焼きを!」

旬「…………」

姫「何とかせねば妾の《槍満女学園全生徒魔法少女化計画》が危ういのだ!!」

旬「…………」

昴「なんだそれ!?姫、そんな事たくらんでたのかよ!」

旬「…………」

姫「やかましい!今はそれどころではなかろうが!」

昴「なんだと!?」

旬「昴ちゃん……姫ちゃん……」


旬「いい加減にしろって言ってんでしょッ!!」


姫・昴「「!?」」


姫「ど、どうしたというのだ旬よ」

昴「なんか怒ってる……?」


旬「怒ってるって?怒ってるよ!二人とも料理下手の域を越えているよ!」

昴「旬?」

姫「妾は違うぞ。妾の料理は昴にダメージを与えるための……」

昴「わざとかよ!?」

旬「尚の事、質(たち)が悪いよ!」

姫「う……」


旬「食べ物をこんなに駄目にしてなんとも思わないの!?」プンスコ


たこ焼き(神)「“あの……”」

旬「姫ちゃん、これ食べられる?」グチャァ

姫「い、いや無理……です」


旬「姫ちゃんが作ったんでしょ!」クワッ

姫「ご、ゴメン!」

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