勇者「どうして武器に恵まれないんだろう」(71)

勇者「王国から持ってきた、旅の成功を意味する先代勇者の剣」

武闘家「まさか抜刀しただけで木っ端みじんなんて…」

僧侶「勇者が力任せに抜くからよ」

魔法使い「この先不安じゃの」

勇者「なに、たかが剣一本」

勇者「どうにでもなるよ」ズゥーン

僧侶「凄い落ち込んでるわ」

武闘家「新しい武器見つけようぜ」

魔法使い「ふぉっふぉっ」

勇者「いや、いいんだよ」

勇者「敵だ!」

武闘家「正拳!」ドカッ
僧侶「回復!」ポワワワ
魔法使い「火の玉じゃ」ボッ
勇者「いいぞ!皆!行けぇ!」


…………

仲間達「何してるの?」
勇者「いや、その、応援というか、指示を」

仲間達「勇者、武器を手に入れてきたよ」

勇者「皆…すまない」ウルウル

勇者「鞭か…」ヒュンヒュンブチッ
勇者「あれ」

勇者「斧か」ブンッバリバリィ

勇者「あらら」

勇者「弓か」キリキリップツン

勇者「皆、すまない…」ウルウル

僧侶「魔王に呪われてるのかしら、勇者」

武闘家「俺もそう思う」
魔法使い「ふぉっふぉっ」

勇者「自分たちの武器はいいの?」

武闘家「俺は拳がある」
僧侶「私は直接殴らないし…」

魔法使い「わしもじゃ」
勇者「そうか…」

僧侶「どうなってるのかしらね、勇者」ヒソヒソ

武闘家「力がありすぎるんじゃないか、馬鹿だし」ヒソヒソ

魔法使い「不器用過ぎるのか、運のよさが1なのかもしれん」ヒソヒソ

勇者「聞こえてるよ」ボソッ

僧侶「ほっ本心じゃないわ」
武闘家「そ、僧侶の言う通りだ」
魔法使い「ふぉっ」

勇者「今日は野宿だ」

武闘家「薪を集めてくる」
僧侶「魚を釣ってくるわ」
魔法使い「テントを張るぞい」

勇者「誰か手伝おうか」
武闘家「いや、いい」(薪が粉々になりそうだ)
僧侶「結構よ」(竿が折れるわ)

魔法使い「大丈夫じゃ」(テントが壊れそうじゃ)
勇者「そ、そうか」

僧侶「勇者、何を作ってるの?」

勇者「ああ、魚のムニエルだよ…完成!」ジュウウ

勇者「召し上がれ」

仲間達「う、美味い!」ガツガツ

勇者「ははは、ありがとう、僧侶の釣った魚のおかげだ」

魔法使い「不器用な訳では無いようじゃ」クチャクチャ
武闘家「ああ…クチャクチャすんのやめろよ」クチャクチャ

僧侶「あなたたち、下品な音たてないでよ」ジュルッズチュルッ

武闘家「お前はどうしたらそうなる」

勇者「くっ、取れない…」
武闘家「どうしたんだ勇者」
勇者「ああ、薬草が生えているんだが、抜けなくて」グググ
武闘家「根が深いのか…よっ」スポッ
武闘家「なんだ、子どもでも抜けるぜ」
勇者「ありがとう、流石武闘家だ」
武闘家「意外と力無いんだな」
僧侶「何してるの~行くわよ~」
勇者&武闘家「今行くー」

魔法使い「ほっほっ、みなさん」

魔法使い「薬草を調合して作った丸薬じゃ、疲れがとれるぞ」

武闘家「お、サンキュー」パク

武闘家「苦ェ!」ジタバタ

魔法使い「普通じゃつまらんからの、3つのうち2つは激苦じゃ」

僧侶「ううっ」クラクラ

勇者「おいしい!」

魔法使い「運がいいのぉ、勇者」
僧侶&武闘家「ついてなかった」

勇者「敵だ!」

武闘家「回し蹴り!」ドガッ
僧侶「攻防強化」ブオオオ
魔法使い「火の柱じゃ」ゴッ
勇者「いいぞ!武闘家!魔法使い、後ろ!」


…………

僧侶「勇者って指示うまくなったわね」
武闘家「そうか?一番後ろで大声出してるだけだろ」
魔法使い「いや、勇者のおかげで助かったぞい」
勇者「武器があればなぁ」ブツブツ

勇者「山だ」
僧侶「やまびこね…ヤッホー!」ヤッホー!
魔法使い「ヒェーックシ!冷えるのう…」ヒェーックシ!
武闘家「わははは!大丈夫か」ワハハハ!
勇者「ブッキー!!なんちて…」シーン


仲間達「どういうことだ」

僧侶「なにこれ、岩に剣が刺さってるわ」

武闘家「抜いてみるか…ぐっ」グッグッ

魔法使い「ダメじゃの…勇者、やってみい」

勇者「無理だよ、武闘家より力ないから」スポッ

僧侶「ぬ、抜けた!」

魔法使い「ほお…」

武闘家「柄だけな、刀身が刺さったままだ」

僧侶「シュールね」

勇者「」ガックリ

僧侶「勇者が使える武器ってないのかしら」

魔法使い「何でも使えるから勇者なんじゃぞ」

武闘家「でも何でも壊すからなぁ」

仲間達「うぅ~ん」

勇者「ほらっ小鳥たち、お食べ」ポイポイ

勇者「無人の武器屋だ」
勇者「これいいな」ヒュッバキッ
勇者「これとか」バキッバキィッ
勇者「…」

…………

勇者「皆、すまない」

僧侶「お金なんてまた稼げばいいのよ」

武闘家「そうだな、そしてもう武器に触るなよ」
魔法使い「ふぉっふぉっ」

勇者「森林だ!」

僧侶「果物があるわ」

武闘家「きのこもあるぜ」
魔法使い「勇者に料理してもらうかの」ジュル

仲間達「いいね!」キャッホウ
勇者「皆、目印とかつけて道覚えてよ?まったく…」ガリガリ

僧侶「霧が濃くなってきたわ」
勇者「晴れるまでここらで休もう」カラン
魔法使い「賢明じゃな」
武闘家「俺はまだ行けるぜ」
勇者「まあ、これでも食べようよ」
武闘家「きのこのパイか!」
僧侶「果物のサラダね…」
魔法使い「いつの間に作ったんじゃ」クチャクチャ
勇者「得意なんだ」
武闘家「僧侶は最後に食えよ」クチャクチャ
僧侶「何で」

勇者「平原だ」ポイッ

魔法使い「やっと森を抜けたのう」

僧侶「今の…見た?」

武闘家「あ、ああ」

僧侶「ひのきの棒よね」
武闘家「投げ捨てたな」
僧侶「しかも今まで地面をガリガリ引きずっていたわ」

勇者「どうかした?…あッ」
僧侶「気付いたようね」
勇者「もしかしたら…武器を使える?」ヒョイ
武闘家「かもな、棒が壊れていない」
勇者「よしっ…えいやっ」ベキベキィ
僧侶「ああ…」
武闘家「折れた」
僧侶「なぜかしら」
武闘家「武器と思って使うのが駄目なのかもな」
魔法使い「ふぉっふぉっ」

勇者「湖だ」
魔法使い「広いの」
武闘家「泳ぐか!」ヌギヌギ
僧侶「ちょっ、やめてよ」ボカッ
武闘家「イッテ」
勇者「魚が逃げるからね」
僧侶「そうじゃないわよ」
魔法使い「むう、釣れんのう」

僧侶「やった、釣れたわ」
勇者「僧侶ってさ」
僧侶「なに?」
勇者「魚釣り上手いよね」
僧侶「そんなことないわ」
勇者「可愛いし」
僧侶「やめてよ」
勇者「僧侶なのがもったいないくらい」
僧侶「やめてってば、勇者ったら」
魔法使い「ふぉっふぉっ、若いのぉ」
僧侶「やめてよ!」
勇者「あははは」

勇者「武闘家、静かだね」
僧侶「あら、風邪かしら」
武闘家「ち、ちげぇよ」
魔法使い「ふぉっふぉっ、こっそり泳ぐからじゃよ」
武闘家「…泳いでねぇよ」
勇者「今日はもう休もうか」

勇者「これでよし」
魔法使い「干し魚じゃな」
勇者「起きてたんだ」
魔法使い「年寄りは早起きなんじゃ。勇者、寝ておらんな?」
勇者「あはは、疲れてないから眠くないんだ」
魔法使い「本当に疲れてないからかの?」
勇者「え?」
魔法使い「…何でもないわい」

勇者「朝だ」
僧侶「何言ってるの、もう昼よ」
勇者「あれっ」
魔法使い「…ふぉっふぉっ」
勇者(寝てしまったのか)
武闘家「おい…勇者」
勇者「うん?」

武闘家「俺、パーティーを抜ける」
勇者「!!…ど、どうしたの急に」
僧侶「…」
魔法使い「……武闘家」
武闘家「うるせぇ!俺はお前らとは行かねえ」スタスタ
勇者「あっ、ちょっ」

勇者「待ってよ」ガッ
武闘家「離せ!勇者ァ!」バシィ
勇者「うわっ」ドサッ
僧侶「ちょっと、武闘家!」
武闘家「」スタスタ
勇者「イツツ…武闘家!」
魔法使い「ふむぅ…」
僧侶「どうしたのかしら」

魔法使い「多分な、僧侶に好意を抱いていたんじゃ」
僧侶「えっ?」
魔法使い「勇者と仲良くしている様子を見て、嫉妬したんじゃろ」
僧侶「そんなこと…」
勇者「そっか…」スクッ
僧侶「勇者!どこ行くの!」

勇者「武闘家を連れ戻す」

僧侶「私も行く」
勇者「いや、駄目だ」
僧侶「どうして!」
勇者「…誰がその干し魚を見張るんだい?」
僧侶「こんな時に魚の心配!?」
魔法使い「そうじゃの、わしだけじゃ不安じゃ」
魔法使い「それに」
僧侶「?」

魔法使い「こういうことは男だけで解決するもんじゃ」
勇者「すぐ戻ってくる」ニカ
僧侶「…わかったわよ」
勇者「武闘家っ…!」ダッ
僧侶「」ニタァ

勇者「武闘家ぁ!」
武闘家「…勇者、か…今更なんの用だ」
勇者「お前を連れ戻しに来た」
武闘家「イヤだね…うっ!?」ガッ
勇者「なんと言おうと…ぶん殴ってでも連れ戻す!」
武闘家「くっ…馬鹿が、素手で俺に勝てると思うな!」

魔法使い「さて、僧侶よ」
僧侶「…何よ」

魔法使い「随分、上手くいったようじゃの、顔に出ておる」
僧侶「何を言ってるの?」
魔法使い「そろそろ、本当の姿を見せい、夢魔」
僧侶「!」

魔法使い「騙されたふりも楽じゃなかったの」
魔法使い「あやつらもおらんことじゃ、本気をだすとしよう」ズゴゴゴ

…………

魔法使い「片づいたわい」
魔法使い「夢魔の話ではこの辺の草っぱらに」ガサガサ
魔法使い「おったわい、のんきに寝ておる」
僧侶「くぅくぅ」

勇者「はあ、はあ」ボロボロ

武闘家「はあ…はあ…」ボロボロ

勇者「くっ」ガク
武闘家「むぅっ」ガク

勇者「やるな」
武闘家「勇者こそ」

勇者「殴りあっていたら」

武闘家「どうでもよくなったな」

勇者「…戻ってくれる?」
武闘家「…ああ」

勇者「魔法使いだ」
魔法使い「ほほ、二人とも、話がある」
武闘家「…なんだよ」

…………
勇者「僕が夢魔に魅了されて」
武闘家「俺はそれに加えてに錯乱状態にさせられた」
魔法使い「そうじゃ。夢魔はおぬしらの同士討ちを企んだ」
勇者「夢魔本人はひ弱そうな魔法使いを狙った、と」
武闘家「甘かったな、殴り合いで正気に戻ったぜ」

魔法使い「わしも下級の悪魔なんぞに負けんわい」
勇者「でも、一体いつから僧侶と代わっていたんだろう」
魔法使い「湖に着くころじゃろ」
僧侶「んん…」ムクッ
勇者「あ、起きた…」
僧侶「…ああっ!」
武闘家「ど、どうした」
僧侶「夢魔が…、出てしまったようね…」
勇者「どういうこと?」

僧侶「私と契約した悪魔よ…!」ギリギリ
魔法使い「神に仕える者が、悪魔と契約とな」
僧侶「そうよ、私は僧侶の前は悪魔祓い師だったの」
勇者「それで使い魔を召喚したんだ」
僧侶「して無いわ!勝手に出たのよ!」
武闘家「悪魔祓い師が転職ね…聞いたことがない」

魔法使い「悪魔を殺す事に魅入られた者を悪魔祓い師、じゃったな…一度就くと死ぬまで辞められぬ呪いの職業…」

勇者「でも僧侶になってるよ」
僧侶「私、一度死んでるの」
武闘家「何だって、幽霊か」

僧侶「ちがうわ…悪魔に殺される間際に、その悪魔と契約したの。まだ生きられることを条件に」
勇者「その悪魔が夢魔か」
武闘家「なぜ勝手に出たんだろうな」
魔法使い「僧侶が男と遊ばず退屈だったからじゃろ」
僧侶「過去の私は、誰も信じられず、ひたすら悪魔を殺していたわ」
僧侶「でも、そんな私が死ぬ間際に、もう一度神様を信じようと思って…」
武闘家「一度死ねば悪魔祓い師を辞められて、僧侶に転職できたってわけだ」
勇者「なるほどね」

武闘家「夢魔は僧侶になるとは思わず、真面目な僧侶の生き方にしびれを切らした」
僧侶「いつかこうなると思ってたけど…黙っててごめんなさい」
魔法使い(僧侶を生かしていた神は、低俗な悪魔だったということか、皮肉なもんじゃな)
僧侶「夢魔は死んだけど…契約はまだ続いてる。まだ生きていられるわ」
勇者「まあ、何があろうと僧侶は僧侶!今まで通り、旅を続けようよ」
仲間達「…おお!」

勇者「谷だ」

魔法使い「一時はどうなるかと思ったの」
僧侶「ええ」
武闘家「これで良かったと思うぜ」
勇者「ねえ、聞いてる?谷だよ」

魔法使い「知っておる」
武闘家「深いな、迂回するか?」
僧侶「このまま行きましょうよ」
魔法使い「道具が無いから危険じゃ」

武闘家「魔法使いの言う通りだ」
勇者「魚の骨でピッケルを作ったよ」
魔法使い「本当に器用じゃの」
僧侶「食料も充分、じゃあ行きましょう」
武闘家「ああ」

カッ、カッ

僧侶「ねえ武闘家」

武闘家「ああ…」

魔法使い「うむ…」


仲間達「あれも武器だろ」

僧侶「普通に使ってるわ」

武闘家「勇者にこの事実を伝えるか」

魔法使い「やめた方がいいぞい」

武闘家「あっ、そうだな」

僧侶「武器と意識して使うと壊れてるからね」

魔法使い「ふぉっふぉっ」

勇者「~♪」カッ、カッ

勇者「谷を越えたね」

僧侶「ええ…食料も尽きて危なかったわ」

武闘家「そろそろ肉が食いたいぜ」

魔法使い「わしもじゃ」

勇者「見て、動物の足跡!」

武闘家「熊だな」

勇者「じゃあ、狩りをしよう」
僧侶「無理よ」

途中で行開けるの忘れた…こいつは失敬

勇者「なんで」

僧侶「武器が無いわ」

武闘家「俺なら勝てる」

僧侶「厚い毛皮に打撃は通用しないわ…魔法もね」

魔法使い「やはり剣かのぅ」

勇者「うーん…遭ったらマズいね」

勇者「熊だ」

僧侶「どうしてこうなったのかしら」

武闘家「腹空かしているみたいだぜ」

魔法使い「ふぉっふぉっ」

勇者「…みんな、僕の言う通りに動いてくれ」

勇者「この作戦で…よし、今だ!」

魔法使い「へいへい!熊公こっちじゃ!」

魔法使い「…きたぞい、とっておきの干し魚じゃ」ポイ

僧侶「食らいついたわね…拘束魔法っ」ビシッ

僧侶「くっ、なんて力なの、数秒しか持たないわ」

武闘家「充分だぜ、眉間にっ」ダッ

武闘家「正拳んぃぃえ゛ああぁ!」ミシミシィッ
ズズーン

勇者「やったね、みんな!」

勇者「じゃ、僕が〆るよ」

武闘家「ああ、俺そういうの苦手だから頼む」

僧侶「私も」

魔法使い「ふぉっふぉっ、手慣れておるの」

勇者「全ての生き物に、感謝を」ザクザク

武闘家「勇者って何者なんだろうな」

僧侶「こういう事ができるから勇者なのよ」

勇者「熊鍋だ」

武闘家「うめぇ」クチャクチャ

魔法使い「うむ」クチャクチャ

僧侶「そうね」スッ

武闘家「食べて無いだろ

僧侶「頂いているわ」スッ

魔法使い「おしとやかな食べ方じゃ」クチャ

武闘家「悪魔が消えたからか?」クチャ

勇者「あー疲れた」モグモグ

勇者「熊もいないだろうし、ここらで野宿だ」

僧侶「魚を釣ってくるわ」

勇者「もう釣ってきたよ」

武闘家「薪を集めてくる」

勇者「もう集まったし、火も起こしたよ」

魔法使い「テントを張るかの」

勇者「もう張ったよ」
仲間達「早いな」

勇者「じゃあ、しばらく休もうか」

勇者「ねえ…、武闘家」

武闘家「なんだ」

勇者「どうして戦士じゃないんだい?」

武闘家「わはは、そんなことか」

武闘家「俺はな、本当は魔法を使いたかったんだ」

勇者「へえ」

武闘家「だが、どんな生物も魔力は生まれもった素質」

武闘家「俺には素質が無かったのさ」

武闘家「それに、武器は俺の趣味じゃないからな」

勇者「そうか」

武闘家「俺は寝るぜ、勇者」

勇者「うん」

勇者「街だ」

僧侶「誰もいないわ」

武闘家「ああ」

魔法使い「……」

勇者「改めて…この世界が魔王に滅ぼされたと実感するよ」

勇者「みんな、魔王を倒そう。絶対に」

勇者「魔王城だ」

勇者「そして…」

勇者「魔王!」

僧侶「なんて魔力…!」
魔法使い「勝てるかのう」

武闘家「ヤバいかもな」

勇者「みんな…この作戦で行くよ!」


…………

武闘家「はあ、はあ、ダメだ!」

僧侶「傷が10秒で塞がるなんて」

魔法使い「手で魔法を跳ね返すようじゃ」

勇者「…」

勇者「みんな、今までありがとう、楽しかったよ」ボソッ

勇者「最後の作戦だ!」

勇者「魔王のガードをこじ開けてくれ!」

仲間達「うおおお!」

勇者「武器じゃないと決定的な一撃は与えられない」

勇者「非力な僕ならなおさらだ」

勇者「だから、命を犠牲に、能力強化」ギュンッ

勇者「この武器だけは唯一壊れなかった」スチャッ

勇者「岩に刺さっていた剣の…柄!」

勇者「食らえぇぇぇあああああぁ!」ズドォォン

……………

僧侶「終わったようだわ」

魔法使い「ふむ、街に人が戻っておる」

武闘家「勇者は戻ってこないけどな、…あの馬鹿やろう」

魔法使い「まったく、勝手に死におって」

僧侶「ほんと…勝手だわ…」

武闘家「これからどうする?」

僧侶「勇者のこれ…教会で手厚く葬るわ」

魔法使い「柄しか残らんとはな…そうじゃ、わしは、孫娘に合いにゆく」

武闘家「俺より強い奴がいないか探すか…勇者以上はいないと思うけどな」

「武器には恵まれなかったけど」

僧侶「ん?何か言った?」

「仲間に恵まれていたよ」

魔法使い「空耳かの」

「みんな、本当にありがとう」

武闘家「…」

仲間達「こちらこそ」

以上でおしまい
改行をミスったのは全力で後悔
色んなエンディング考えたけどやめとくかな

一つだけ別エンディングを書ぎますわ
パラレルだと思ってください

勇者「街だ」

武闘家「だれもいないぜ」

僧侶「ええ」

勇者「改めてこの世界が…魔王に滅ぼされたと実感するよ」

魔法使い「そうじゃの」
仲間達「…」

僧侶(まだバレてないようね)

武闘家(まだバレてないな)

魔法使い(気づかれてないようじゃ)

仲間達(実は私が魔王だということを)

武闘家(俺は生まれつき魔力がほとんど無かった歴代最弱の魔王)

武闘家(とはいえ、勇者の武器を封じる呪いをかけ、機会があれば殺そうと思ったが…)

僧侶(勇者を倒すため、複数の悪魔と契約した結果)

僧侶(悪魔達に力を奪われるなんて、末代までの恥だわ…勇者の武器を封じる程度が精一杯なんて)

僧侶(夢魔が勝手に出たのは焦ったけど、倒してくれたのは助かったわ)

僧侶(このまま力を取り戻して、この手で勇者を…)

魔法使い(先代勇者に倒されたが、復活し、勇者を殺さんとしたが)

魔法使い(復活しただけで魔力がもう持たん、こけおどしの火柱を出すのが精一杯じゃ)

魔法使い(谷や湖…殺す好機はいくつもあったが)

魔法使い(僧侶にさえ力負けしそうじゃ)

魔法使い(何より)

仲間達「勇者との旅が楽しすぎるぅ!」

勇者「え?」

勇者「そっか、僕もだよ」

武闘家「あっ、いや、これは」

僧侶「そっそそうね、これはあれよ」

魔法使い「ふぉっっ」

勇者「さあ、進もう、魔王を倒すために」

仲間達(私が魔王なんだがな)

武闘家「まあいっか」

僧侶「まあいいわ」

魔法使い「まあ良かろう」

仲間達「最期まで勇者との旅を楽しませてもらおう」

勇者「僕からも、最後までよろしく」

おしまい
行間開けなかったのは本当にすいませんでした
ではさよならノシ

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom