女「おい男!」男「なんだよ」 (38)
女「今日という今日は許さんぞ!なんだこれは!」バッ
男「エロ漫画の1シーンだが」
女「そうだ!そしてこの女がやっている『くぱぁ』というコマだ!」
男「そうね」
女「何回やっても『くぱぁ』なんていわないぞ!どういうことだ!」
男「いや、漫画的表現だしそれ」
女「私では出来ないというのか!?私を愚弄しているのかお前!」
男「どうしろってんだよ」
男「というか、その『くぱぁ』なんだが」
女「おう」
男「それって多分、濡れた粘膜の擦れから出るようだから」
女「ほう」
男「濡れにくい体質だと難しいのかもしれんぞ」
女「なるほど…というかおい!私はドライな女ってことか!」
男「いや、ナニして濡らせばいいんじゃねえの」
女「ナニをしてからか…それは盲点だった。よし、試してみよう!」
男「……なんだこのやりとり」
女「うーん」クニクニ
女「一向に濡れん…」グイグイ
女「漫画ではナニする以前から濡れてるというのに…」ムニムニ
女「よし、『くぱぁ』は諦めよう!」
女「ではこの…『ブルンブルン』というのをやってみるか」
女「…」ピョンピョン
女「男おおおおおお!!!」
男「今度はなんだよ」
女「揺れないぞ!音がしないぞ!ジャンプしすぎで疲れたぞ!」
男「いやだって…お前貧乳だし…」
女「貧乳キャラでも『プルンプルン』って言うじゃないか!」
男「それもだから漫画的表現だろ。実際に揺れたとしても…あ」
女「お、なんだ?」
男「おっぱい同士がぶつかるくらいなら、ッパン、ッパン、て音がするやもしれん」
女「そ、そうか……!……くっ、このっ…おい、谷間できないぞ!」
男「知らんがな」
男「そもそも」
女「なんだ」
男「漫画はあくまで漫画だ。ドラゴンボールのように舞空術は使えない」
女「当たり前だろう」
男「ならエロ漫画も然り。いくら中出ししても妊娠しないとか、おっぱいプルンプルンとか、くぱぁとかも使えない」
女「…ぐっ」
男「そういうことだ。漫画と現実を混同するのは程々にな」
女「う、腕立て伏せを毎日やれば…かめはめ波くらいできるかもしれないだろ…」
男「アラサーのリアル世代かおめえは」
女「男に完全論破された…」
女「一度冷静に振り返ってみよう…」
女「うん…そうだよな。初体験で血が出ない(もしくは痛みなし)とか、初体験で中イキとか、幻想なんだよな」
女「あ、でもスポーツしてる子は膜が摩擦で破けて血出ないって話は聞くな…」
女「いやいや、ともかく、男のいう通り、エロ漫画を現実的に考えるのはやはり無理があるんだろうな…」
女「…うんこしよ」
男友「おう男」
男「なんだ処女厨」
男友「最近女ちゃんと仲良さそうだな」
男「処女厨否定せんのかい」
男友「事実だからな。あとロリコンを付け足せ」
男「処女厨ロリコン、あれが仲いいように見えるか?」
男友「ああ。内容はどうあれ、会話が弾むってのはいいもんだぜ」
男「そうか」
男友「でも、全然羨ましく見えないんだよな」
男「だよね」
女「…ぐっ、うぐぐぐぐ」プスープゥゥプププ
女「やばい…」
女「 便 秘 か」
女「これはいかんぞ。すぐにイチジク師匠を使わなければ」
女「えーっと、確か棚の一番上の…これはコンドームだな」
女「あったあった。早速世話になるぞ」
女「よっこいせ」ペロン
女「ふんぬ!」ブスリ
女「……ぐぅ…おぉぉ」チュー
女「よ、よし…これでしばらく待てば…」
女「……」
女「あ、あれ?便意がこないぞ」
女「ど、どういうことだ。コーラックが足りないのか?」
女「い、嫌だ…便秘をこじらせて死ぬのだけは嫌だぁ…」
男「で、なんで俺ん家に来たわけ」
女「便秘治すの手伝って欲しい」
男「肛門科行け」
女「これが全然効かないんだよぉぉ!」ズイ
男「……これ使用期限切れてんじゃん」
女「え、まじで!てかイチジク師匠にもあるのかそれ!}
男「昭和54年3月…お前何年前の使ってんだよ」
女「私より年上なのか…うう、ごめんよイチジク先輩…年上なのに私の汚いアスホールに突っ込んでしまって…」
男「なんで泣いてんだよお前」
女「じゃあ新しいのを買って使えばいいわけだな」
男「ん。あー…まだ在庫あったかもな」
女「お、そうなのか!じゃあ入れてっていいか?」
男「別にいいけ…っておい、人ん家で座薬入れるとか…おかしいだろ」
女「なぜだ?食事と一緒だろう?確かに少し図々しいとは思うが、さして問題ではあるまい」
男「座薬と食事一緒にすんなよ」
女「というわけで入れてくるわ」
男「あぁ…トイレそこ出て奥な」
女「かたじけない」バタン
男「………なんなんだよあいつ」
<……アアアッーーー
男「色気のない喘ぎだ……エロ本読もう」
女「入れて来たぞ」
男「ああ…ってここに来るなよ!いつぶちまけるかわからんだろ!」
女「いいや、わからんぞ」
男「何がだ」
女「私の便秘糞は結構頑固のようだ。だから、いつもは3秒位で便意がやってくるが、今回は30秒くらいかかるかもしれん」
男「それでも十分早いと思うんだが」
女「お前はアホカード800メートル走を3分50秒で走り切るのと、4分20秒で走り切るのとでは雲泥の差だろう!」
男「例えがアホすぎて突っ込む気も起きない」
女「お前はいちいち一言多いんだ!だからそこそこハイスペックなのにモテああああーーーー!」
男「言わんこっちゃねえええええ!!」
女「あう…うぉぅううう…ごめん…立てない…」ペタリ
男「ま、待て!ここで漏らすな!きばれ!きばるんだよおおお!」
女「あう…はぁ…んんん…」プスゥ
男「ぐっ…!きばったところで状況が改善するわけでもなし!ちくしょおおおお!」ガバッ
女「ふぅふぅ…ほぉぉぉ…(こ、これってお姫様抱っこってやつか)」
男「おらああああ!!!!」ドドドド
女「はああああ…んおぉぉおおお……!?」
男「もう少し我慢しろおおお!後生だからあああああ!」
女「ぉぉん…ぅぉん…」プスゥー
ガチャ
男「おらパンツ降ろせ」
女「む、むりあああああッー」
男「くっそう!」ガシッ
女「あ、ああ…お、お尻そんながっしりなんてぇぇ」
男「ふんぬ!」ズルー
女(だ、抱きかかえたままパンツ降ろすとは…こいつできる)
男「よっこいせー!」ドシン!
女「あっ…」ブリブリブボオオオ
男「………」
女「ふああああ……」ブボボボボボッ ボバッ
男「……」バタン
女「臭いで失神したか…貴様の死に顔、とくと見届けたぞ」プリッププ
男「……う、ううん」
女「気がついたか。茶でもどうだ」スッ
男「…」ガッシボカッ
女「痛い!女に手を上げるとは!」
男「やかましい!人ん家で浣腸して無駄な労力させて糞させといてなぁ!殴るだけで済んでありがたく思えや!」
女「な、殴るだけで済んだって…本来はどういう罰が相当なんだ…」
男「ん?そうだなぁ…」マンダム
女(こ、これがエロ漫画だったら、エロいお仕置きとかになるんだろうか)
男「昼飯奢るのと、トーキョーグールの単行本買わせるくらいか」
女「なんかリアルな要求だな、それ」
女「とりあえず便秘は治った。今は思い付かないが、後々御礼をさせてくれ」
男「いや、別にいらん」
女「貸しを作るのが嫌なだけだ!勘違いするなよ!」
男「勘違いじゃねえよ、不要だって言ってるんだ」
女「私の気が収まらないんだ!黙って受け取れ!」
男「じゃあさっさとジョジョリオン全巻買ってこいや」
女「要求が増えた!!!しかも割高!!!!」
男「さっさとしろ」
女「あっはい」
女(ブックオフでセットのを買ってやったけど…はぁ、今月厳しくなったなぁ)
女(そういえば、男の部屋って初めて行ったなぁ)
女(ベッドの下とかに、エロ本とか置いてあるんだろうか)
女(あいつのことだ…きっと机の棚にトラップ仕掛けて入れてるに違いない。間違えたら発火とかするんだ)
男「さて、女もいったしエロ本の続きでも読むか」
男「……」ヨジヨジ
男「屋根裏部屋にいちいち登るのも一苦労だぜ」
女(エロ本は奥が深い)
女(ロリ、NTR、レイプ、イチャラブ、なりゆき…様々なジャンルがある)
女(最近気になっているのはこの汗だく系だな)
女(夏でもないのに、なんでこんなに汗かいてるんだ?)
女(しかも褐色ヒロインが多い)
女(あとは…うん、これだ)
女(うん、これ…って言うとうんこしたくなるな。うんこするか)
女「……」ペラペラ
女「なんというか…」
女「擬音もなんか独特だが…」
女「喘ぎ声も独特だな…」
女「あ"あ"あ"あ"あ"ーとか、んほぉぉぉとか、藤原竜也のようだな」
女「あとは…イクときの絶頂ボイス…?」
女「スケベマンコに精子汁ぶっかけてくださぃぃ~」
女「ある意味才能なんだろうな、こういうのは」
女「精子汁ってそもそも精液だろう。言い換える意味はあるのか?」
女「それに…着床したようなイメージ画像があるが…」
女「登場キャラは大体学生ばっかりだろう。本当に孕んだら生活とかどうなるんだ?」
女「漫画だからリアリティを求めてはいかんのだが…」
女「なぜだろうな…」
女「NTR物には妊娠エンドが多い気もする」
女「時折リアルなんだよな、エロ本って」
女「例えば連載もの…エロ本に求めるのはエロだろう」
女「だというのに、妙にシナリオに重きを置いた作品が多い」
女「連載ものでなくとも、だ。読み切りなのに少しキュンとなるものも多い」
女「こういうのは…作者の色というやつなのか?」
女「抜ければなんだっていいんじゃないのか?違うんだろうか」
女「エロ本も多様化しているというのだな……奥深いな」
女「んっ…くぅっ……」ブビ ブチュチュチュ
女「食事制限したせいか、あまり出なかったな」
女子1「ねね、聞いた?」
女「なんだ?」
女子1「ここの学校、七不思議があるんだってー」
女「ほう、どんなものがあるんだ?」
女子2「夜な夜な、廊下ですすり泣く女の声が聞こえるんだってー」
女「他には?」
女子1「いや、それしかないんだけどね」
女「……一不思議だろ、それ…」
女子2「男君と行ってくれば~?進展あるかもよぉ?」
女「そういうんじゃないし…」
女(よくわからんが、委員の仕事で遅くなってしまった)
女(とりあえずうんこしようかな。新しいエロ本も読んでおきたいし)
女「うーむ……おねショタか」
女「無知かつ無垢な少年を色気で誘惑する蠱惑な女」
女「恐らくは子供に対する支配欲…はたまた歳の差という背徳的なエロス」
女「そのあたりに惹かれる属性なのかもな…」
バタンッ
女「な、なんだ?教室のほうから音が…」
男「……」
女「男か。こんな時間まで何をしているんだ」
男「そんなもんあるわけねえ」
女「ん?なんだ?」
男「あるわけねえ!七不思議なんてデマだ!デタラメんだ!虚像だ!でっち上げだ!ウソだ!!!」
女「お、落ち着け男。七不思議がなんだって??」
男「ゆゆゆゆゆゆゆ幽霊なんていいいいいいるわけないんだよおおおおお。おおおおおお女の泣き声なんかかかかか空耳なんだよよよよよよ」
女(とか虚勢を張りつつ、めっちゃ怖がってるぞ)
男「うわああああああん!怖いよぉぉぉぉ!!!ママーーーー!!!」
女(キャラ崩壊まで起こした…男、怖いのダメなのか…)
男「帰りたいよぉぉぉぉ!でも歩けないよおおおお!ママ↑ーーーン!!!」
女「落ち着け、男」スッ
男「……ううっ」
女「怖がらないでいい。私がいてやるから」
男「ううううううう……」
女「ほら、大丈夫だ。声なんかしないだろ?」
男「うわあああああん!!!!!」
女(まったく…仕方ないやつだ。……こいつひょっとしてマザコンか?」
一時間後
男「へへっ、みっともないところ見せちまったな」
女「ああ…(あの後更に酷い有り様になったのは…忘れよう…出来るだけ早く)」
男「今度はお前に貸しを作っちまったな。なんでも言え。お返しならするぞ」
女「考えておく」
男「と、とりあえず…帰るか」
女「そうだな」
男「あ、あの…まだ怖いから…手つないでいいか…?」
女「そのくらいなら構わんぞ」
男「う…うぅぅぅ…」ギュッ
女(ま、このくらい欠点があるほうが可愛げがあるかもな)
女「まさか、お前が無類の怖いものダメーだったとはな」
男「その情けないネーミングはなんとかならんのか」
女「ふっ…優越感とはいいものだな。今お前に何を言われても流せそうだ」
男「くっ…こ、今回は俺の完敗か…」
女「ところで、いつまで手を握ってるつもりだ」
男「い、家に帰るまで…まだあの声が聞こえるかもしんないから…」
女「やれやれ…」
男(くそう…とんだ失態だ……うんこもしたくなってきたし、今日はふんだり蹴ったりだぜ)
女「そこだったな」
男「あ、あぁ。ありがとな。じゃ、また明日」
女「ああ。………あれ、そういえばトイレで読んでたのどこやったっけな…」
教師「えー、昨日女子トイレからこのようなものが見つかりました」スッ
女(げっ…トイレに置き忘れたのか…)
教師「比較的自由のある校則でやってきましたが…今回は問題とみなし、手荷物検査を実施するようにします」
女(くっ…ここにエロ本を持ち込むのが不可能になったか…)
男(今どきBOMかよ)
女「そういえば、七不思議とやらはどうなったんだ」
女子1「あ、なんかね、最近全然見かけなくなったんだってー」
女子2「だから七不思議撤廃ーだってさ」
女「そんなインスタントな七不思議でいいのか」
女子1「あたしも聞きたかったなー、女の声」
女子2「男君は何か知ってる?流行に敏感だしー」
男「し、知らない!俺は何も知らない!たとえ知ってたとしても話さないし話せない!だから許してくれえええええ!」
女子2「……あ、うん、ごめん…」
男友(こいつ…怖いもの嫌いで女の子を釣る気か…策士!)
女(結局、七不思議の謎は解明されず…か。正体くらいは突き止めたかったな)
男「お前エロ本にはまってるんだよな」
女「そこそにな」
男「だったらとっておきのがあるぞ。これとかどうだ!花音!お前腐女子っぽいし、こういうの好き…」
女「却下だ」
男「な、なぜ…!お前BLは好かんのか?」
女「当然だ。男同士なんぞ非生産的だ。しかも大体アナル物だろう?痛そうだし」
男「お前のこだわりには、なんか畏敬すらわくよ…」
女「ふっ…この調子で、エロソムリエに相応しい女になってみせるぞ。行くぞ男!また18禁エロ本コーナーに行くのだ!」
男「行かねえよ!常に付き添ってるような態度すんな!!!」
終
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