光（なんか今の声聞き覚えがあったような…）

光（具体的に言うと飛鳥だけど）ﾁﾗｯ


飛鳥「…………」


光（………でも髪黒いしなぁ）

光（それ以外はほぼ飛鳥だけど）




光（…ウィッグかあれ？）

光（最近やけに黒い物が入ったビニール袋持ってたような）

光（…でもこれじゃ憶測の域を出ないかな）




飛鳥「………」ﾁﾗｯ


飛鳥「、………」ｿﾜｿﾜ

光（飛鳥だあれ）

光（アタシスルーしちゃったよ）

光（指摘していいのか？）


飛鳥「…………」


光（あっちからのアプローチは無いんだよな…）

光（……隠してるのかな、）

光（バイトしてるって話も聞かなかったし）





飛鳥「……」ﾁﾗｯ


光（他人のフリをするならチラチラ見ないでくれよ）

光（どうしたらいいかわかんなくなっちゃうだろ）

飛鳥「………」

光「…………」




光（どーすんだよこの空気……）

光（気まずい）

光（気まず過ぎる）



　ｩｨｰﾝ



飛鳥「、」ﾋﾟｸ

飛鳥「ﾗｯｼｬｯｾｰ」

光（…！）

光（誰でもいい、この空気を…）




麗奈「…………」

飛鳥「…………」


　ｽﾀｽﾀｽﾀｽﾀ…




麗奈「……」ﾆﾀﾘ

光（麗奈ァー！）

光（気付いた！絶対気付いた！）

麗奈「……ﾌﾝ、ﾌｰﾝ♪」

光（一瞬で全てを察して、敢えてスルーしたな！？）

光（そのままイジるわけでもなく……）



麗奈「……あっ、光じゃーん」

麗奈「こんな所で知り合いに会うと思わなかったわー」ﾁﾗｯ

光（止めろぉ！）



飛鳥「………」ｿﾜｿﾜ

光（そわそわしないで！）

麗奈「こんな所で何してんの？」

光「あ、アイスでも買おうかなっt」

麗奈「ホント意外だわー」

麗奈「普段どこ行ってんのかと思ったらこんな所にねー」

光（アタシに言ってないだろそれ！？）

麗奈「……………」




麗奈（ちょっとこっち来て）ｸﾞｲｯ

光（な、なにさ）




麗奈「…………」

光「………」




麗奈（何やってんのアイツw）ﾌﾟｰｸｽｸｽ

光（止めよう）

麗奈（何あれバレてないと思ってるわけ？）

光（止めよ）

麗奈（他人のフリできてないっつの）ﾌﾟｯ

光（止めてあげよう）

麗奈（ガバガバにも程があるわよ）

光（止めて）

光（麗奈は何しにきたんだよ）

麗奈（立ち読みでもしようかと）

麗奈（思ってた）ﾋｮｲ

雑誌『』

光（過去形？）

麗奈（立ち読みはするけど、…ね……）ﾊﾟﾗﾊﾟﾗ


　ﾋﾟﾀｯ


麗奈「……………」


麗奈「………」ﾆﾀﾘ

光（あ、ああ……）

光（この雑誌……）




麗奈「……」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

光（飛鳥が載ってる……！）

光（なんて物を見つけてしまったんだ麗奈……！）

麗奈「…ｯ……ﾌ…ｸｯ」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

光（笑うなって！）


麗奈「……あーっ、これアイドルの飛鳥ちゃんじゃーん！（棒）」

麗奈「アタシぃー、この子好きなんだよねーっ！（棒）」

光（止めて！）ｶﾞｼｯ

麗奈「…ｨﾋｯ…ホントカワイイよねー（棒）」

麗奈「ミステリアスでカッコいいしぃー、マジ憧れの存在だよねー（棒）」

光（止めろォ！）





飛鳥「…………」ﾆﾍ

光（ちょっと嬉しそうにするんじゃなーい！）

麗奈「…この前の…なんだっけ？アレ」

光（こんな…公開処刑みたいな…）

麗奈「アレかっこよかったわよねー」



麗奈「『束　縛　の　メ　タ　フ　ァ　ー』」

光「…ｸｯ」

麗奈「『さ　さ　や　か　な　抵　抗』」

麗奈「『オ　ト　ナ　の　仮　面』」

光（止めよう！な！止めよう！）

光（あと束縛なんたらはプロデューサーの発言だからな！？）






飛鳥「………」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

光（飛鳥は飛鳥でなんで他人のフリを続けるんだ）

飛鳥「………///」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

光（もういいんだよ…！バレバレだから…！）



麗奈「…わー…ホント……」

光（もう…もうアタシ知らないからな、！）

光（アイスと飲み物買う！）


麗奈（ふーん、じゃ、そうしなさい）


光（…アイスだアイスに集中しよう）

光（余計な事考えたら……）ﾁﾗｯ




麗奈「これください」ﾊﾞｻｯ

飛鳥「………」ﾋﾟｸｯ

光（買うなァー！）

光（立ち読みするんじゃなかったのか！？）

光（急いで止め……）



光（……たら飛鳥の努力が…）

光（見守るしかないのか…）




飛鳥「…ﾊｲ」ﾋﾟｯ

飛鳥「540ｴﾝﾆ…ﾅﾘﾏｽ…」ｶｧｰ…

麗奈「あ、袋は無しで」

飛鳥「…ﾊｲ」ﾋﾞｯ


光（もう…真っ赤じゃないか…）


飛鳥「600ｴﾝｶﾗﾃﾞ…」ﾁｬﾘﾁｬﾘ

飛鳥「…ｱﾘｶﾞﾄｺﾞｻﾞｲﾏｼﾀ」
麗奈「あちょっと待って」

麗奈「ポテト一つ」

飛鳥「…ﾊｲ」


光（引き延ばすなよ…！）

光（早く帰ってあげてよ……！）



飛鳥「…ｱﾘｶﾞﾄｺﾞｻﾞｲﾏｼﾀｰ」

麗奈「…………」


　ｩｨｰﾝ


飛鳥「……………」




飛鳥「ぅ……っ///」

光（ああ……）



スマホ『ﾗｲｰﾝ』ｳﾞｰｳﾞｰ

光（………ん？）





光（早速グループに広められてる……！）ﾜﾅﾜﾅ

飛鳥「……………」ｺﾞｿｺﾞｿ



　ｳﾞｰｳﾞｰ

光（だめだ、どんどん追いつめられてる…）

光（このままじゃ飛鳥みんなのおもちゃにされちゃうぞ…）




光（ていうかアタシもとっとと出てった方がいいか）

光（アイス…なんでもいいや）ﾋｮｲ



光「…あの…すいません」


飛鳥「……はい」

光「………」






光（なんでちょっと目が潤んでるんだよ…）



光「飛鳥……」

飛鳥「…………」





飛鳥「誰っすかそれ…」

光（もういいじゃん…）

飛鳥「…知り合いか、誰かっすか…？」

光（親友だよばかやろう）

光（ちょっと声低くしたって無駄だよ、わかっちゃうよ）

飛鳥「…わ、ﾜﾀｼそんなんじゃないんで」

光（慣れない一人称使わなくていいよ…）

飛鳥「……ホント、お客サン、な…」


光「…いや飛鳥さ…」

飛鳥「わ、わた…わた…」


飛鳥「ボクは飛鳥じゃない！」

光「往生際が悪いっ！！」バンッ！！
飛鳥「ヒィッ！？」ﾋﾞｸ

光「………………」

飛鳥「………………」





光「どこまで自信あった？」

飛鳥「……麗奈が、雑誌を…」

光「………」

飛鳥「…うん」


光「開き直っちゃえば良かったのに…」

飛鳥「…………」

光「……意地張った？」


飛鳥「…あそこで折れるのは癪だったから…」
光「煽られてムキになった」

飛鳥「……ﾊｲ」

光「でもちょっと嬉しかったよな？」

飛鳥「えっ？」

光「笑ってたよね」

飛鳥「あっ」


飛鳥「///」

光（ワンテンポ遅い）

光「…多分皆はあんま触れないようにしてくれる筈だから」

飛鳥「えっ？」

光「麗奈が思いっ切り説教された」

飛鳥「何だって…」

光「芸能人の情報ポロリしたからだって」

光「今回は身内だからそれで済んだけど」

飛鳥「ふうん…」



光「…寮に戻ろうね」

飛鳥「…そうだね」




────…………

───────………………

───────………………

─────……………




光（またこのコンビニ来ちゃった……）


光（…うん、絶対に飛鳥がレジしてるってわけじゃないし）

光（心配になったわけでも、冷やかしに来たわけでもない）

光（不可抗力だよ、うん）


　ｩｨｰﾝ


飛鳥「…ﾗｯｼｬｯｾｰ」

光「…………」


飛鳥「……………」ﾌﾟｲｯ

光「………」



光「飛鳥ぁっ！！」
飛鳥「ひゃいっ！？」




光「いくら何でもグラサンにマスクは無い！」