召喚士「召喚したら変なのが出た」神「何をするのさ」(108)

召喚士「あ、あのさぁ、あんた誰?」

神「誰も何も、私は神だよ、か み さ ま」

召喚士「うぅん、どの本にもこんな人みたいなのは載ってないし」

神「えと、聞いてる?」

召喚士「どっかから転送して来ちゃったのかなぁ?」

神「そうだよ、天界から引っ張られて来ました」

召喚士「どうしよう、勝手に召喚したのがばれたら師匠に怒られるぅ……」

神「人の話を聞かない子なのかな」

召喚士「そうだ、殺しちゃえばばれないよね」

神「怖いこと言い始めたよこの子!?」

神「取りあえず話を聞いてよ、まずその包丁を下ろそう」

召喚士「早くしないと……師匠が帰って来ちゃう……」

神「時間が無いのか、それなら時間を止めよう、これで良いかい?」

召喚士「?本当だ、時間が止まってる、あなたすごいね!」

神「うん、何てったって世界も作ったから」

召喚士「それで話ってなに?」

神「何で私を呼んだのさ、せっかくいい気分で寝ていたのに」

召喚士「何故って、決まってるじゃない、師匠に反旗を翻すためだよ」

神「あれ、でもさっきはその師匠ってやつをあんなに怖がってたじゃないか」

召喚士「だって、召喚に失敗したら命令なんて出来ないし、ここは師匠の部屋だから使ってるのばれたらまた、お仕置きだし」

神「あぁ、さっき打ち込まれた針みたいな奴って召喚の呪文だったのか」

召喚士「その様子だと召喚は成功だったみたいだね、それじゃ、師匠の存在を消してきて」

神「え、やだよ」

召喚士「これは命令、『従わなければ呪文が実体を持って貴殿の身体を破壊するだろう』」

神「こんなので私に傷をつけれると思ったの?馬鹿だなぁ、無理に決まってるだろ」

召喚士「そう、なら、『業火』!」

神「だから効かないって、針ごと返すよ、ほら」

召喚士「みぎゃっ」

召喚士「何で言うこと聞かないの?」

神「神だからだよ、君なんかにどうこうできる訳がない」

召喚士「せっかく召喚したのに……」

神「もう時間動かして良い?」

召喚士「うん、もう良いよ、師匠に怒られてくる」

神「じゃあ、せっかくだし君のお願いを一つだけ聞いてあげよう」

召喚士「本当!?それじゃあねぇ、師匠をぶち殺して!」

神「いいよ、やってあげよう」

召喚士「やったー!」

神「ザキ!ザキザキザキザキザキザキザキザキザキザキ!」

召喚士「なんでそんなに唱えるの?」

神「だって効かない時あるからザキって」

差し支えなければ、暇な神様が世界を見に行ったり鍛冶をしたりしてた話を書いた人?

>>6うん

神「はい、たぶん死んだよ」

召喚士「あれ?なんか夢を見ていたような……ザキってなぁに?」

神「何のこと?パラレルワールドでも見たんじゃないかな?あっはっはっは」

召喚士「まぁいいや、これで師匠ともおさらばだね!」

神「うん、ただし師匠の怨霊があなたに取り付きまっせ」

召喚士「……え」

神「人を殺したんだ、そのくらいのことはしないと」

召喚士「やめてよぉ、取ってよぉぉ」

神「えぇぇ、人殺しといてその言いぐさかい?」

召喚士「そういう幽霊系だめなんだよぉ」

神「うーん、そうは言ってもねぇ」

召喚士「ホントやめて、まじでやめて」

怨霊「…ぅ……うぉぉ……」

召喚士「ああああああでてきてるでてきてるやばいやびああああいえjdhっs」

神「……うん、なんかごめん、そこまで嫌なんだ」

神「そうだなぁ、美味しいものでもくれればとってあげるよ」

召喚士「わかたわかったあげるあげるだからとってはやくとってあこっちきたあこっておfrjぢfr」

怨霊「キサマガコロシタノカ……ウワナニヲスルヤメ…」

神「はい、居なくなったよ」

召喚士「ふぅ、あーこわかった」

神「さぁ、早く美味しいものを頂戴な」

召喚士「はいはい、分かりました、近くに良いお店があるからそこに行こうよ」

神「ご飯、ごはん!」

召喚士「あれ?でも、神様って食事必要なの?」

神「ん?いらないよ?」

召喚士「じゃあなんで」

神「やだなぁ、美味しいものは幸せの素なんだよ、だから食べるんだ」

召喚士「へー神様は良いご身分ですねー」

神「何でだい?生き物は皆美味しいものを食べると幸せになれるんだ、私がそう決めた」

召喚士「うん、そりゃそうなんだろうけどね、私だってお給料さえ出れば良いものを食べるよ」

神「?はて、何でお給料が出ないんだい?お金がないならお店で美味しいものが食べられないじゃないか」

召喚士「知り合いが酒場をやってるから、ツケでね」

召喚士「ヤッホー、相変わらず繁盛してるね」

戦士「よう、お前はまた飯抜きか?」

召喚士「ううん、師匠は死にました」

戦士「ほう、良かったじゃねぇか」

神「うわぁ、人が死んだのにその反応、心が凍ってるんじゃないか?」

戦士「うん?あんたは誰だい?」

召喚士「この人が殺してくれたんだよ、神様なんだ」

神「うん、私は神様でぇす」

戦士「へぇ、まぁ神様みたいな人だね、あんにゃろうを殺してくれたんだから」

神「あれ、もしかしてその師匠ってかなり憎まれてんの?」

戦士「あぁ、あいつはこの町でかなりの悪行三昧だからな」

召喚士「まぁ、町長のポジションだし、年貢なのに毎月払わなきゃいけないし」

戦士「年貢払わねぇと、まぁ、娘や若い女房を年貢代わりに連れて行くし、美男子や可愛い男も最近じゃつれてかれてたしなぁ」

召喚士「かわいい子は自分の物に、中ぐらいなら王への貢ぎ物に、それ以下なら他の町の娼館に売られてたよ」

戦士「しかもそんな事しているのに王様はなぁんにもしてくんねぇ、貢ぎ物のせいだろうけどよ」

召喚士「私も年貢代わりでつれてかれて魔力があったから助かったんだけどね」

神「……へぇ」

神「その、王様はどこだい?」

召喚士「え?そりゃお城だと思うけど……」

神「そうか、もしかして君のお給料が出ないのも王のせいか」

戦士「まぁ、うちにくる騎士団の連中や店経営してる奴なんかは収入が無いなんて言ってるな」

召喚士「あれ?でもそれじゃあなんであんたの店に?」

戦士「うちはきちんと良心的な価格でそいつ等でも豪遊しない限りは払えるようになってるぜ、おまえ以外はな」

神「そう、ならポッケをみてごらん」

召喚士「ん?……!?き、金貨がこんなに一杯!?」

戦士「お、おい、どういうこったこりゃあ?」

神「それでツケを返してあげてね、それじゃあ」

召喚士「?どこに行くの?」

神「天罰してくる」

神「ただいまぁ」

召喚士「あれ?もう帰ってきた」

戦士「どうしたぁ?城に入れなかっただろ?」

神「ううん、普通に入れたよ」

戦士「それじゃなんでこんなに早いんだ?」

神「帰りはめんどいからワープしてきたんだよ」

召喚士「で?天罰ってなにしたのさ?」

神「えっとねぇ、取りあえず中身を名君にしといた」

召喚士「……ん?」

神「記憶はそのまま中身は賢く、今ごろ自分の今までの行いを後悔でもしてんじゃない?」

戦士「はっはっは!そんな事できるわきゃねぇだろ、神様でもねぇかぎりよぉ!」

神「うん、私しかできないよ、神様だもん」

戦士「……まじかよ」

召喚士「そういえばさぁ、神様って何の神様なの?」

神「何のこと?」

戦士「あ、あぁ、そうだな、一番似てるのは風の神だが……どうなんだ?」

神「……?訳が分からないなぁ、私以外に神はいないよ?」

戦士「はぁ?でもよぉ、火の神とか、大地の神とか、いっぱい居るだろ?」

神「うぅん、ただの精霊が自分を神だなんて言っているのか、人の想像から来ているのか……でも、私の名を騙るなんて許せないね」

召喚士「えっと、でも、伝承とかに載ってる神様は?」

神「私も何回か顕現してるからねぇ、そのどれかじゃない?」

戦士「でも信じらんねぇな、今まで信じてきた神が偽物だったのかよ」

神「まったく、だからお供えが最近全然無かったのか」

神「決めた、全国偽物神様天罰の旅をしよう」

召喚士「何ですかその怖い旅」

神「そうと決まれば善は急げ、行くよ」

召喚士「え?私も?何で?」

神「君も地理はあるだろう?旅は道連れ世は情けだよ」

召喚士「たぶんそれなんか違う気が……助けてぇ!……」

戦士「……行ってらっしゃいお気をつけて」

神「あっるっこーあっるっこーわたっしはーあなごー」

召喚士「神様ってさぁ、テレポート出来るんでしょ?別に歩かなくても……」

神「なに言ってんのさ、旅ってのは歩かないと風情が無いじゃないか」

召喚士「そうかなぁ?分からないや」

神「そう言うものだよ」

召喚士「ふーん……あ、そうだ、神様ってさぁどうやって生まれたの?」

神「お、聞きたい?聞きたい?」

召喚士「うん、神様よりも上の人が居るの?」

神「そうじゃないんだなぁ、それが実はねぇ」

召喚士「ごくっ……」

神「私が願ったからだよ」

召喚士「……?」

召喚士「……え、えっと、どういうことですか?」

神「うーん、まぁ、詳しい話は街の宿に着いてからね」

召喚士「むぅ、先延ばしか」

神「さぁ、街まであと3キロほど歩くよ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
召喚士「ほら、宿に着きましたし、話して下さいよ」

神「はいはい、まず私が生まれた時のことだけどね、まぁ、何にもない所に私が居たんだよ」

神「どこが自分か、どこまでが自分か、何もかも分からない状態に私が居た」

神「でもねぇ、それだと色々不便じゃない?だから私は体が欲しかった、体が欲しい、自分が欲しいって願ったらいつの間にかこの状態になっていたのさ」

召喚士「……」

神「そっからは天地創造さ、例えば太陽だね、明かりが欲しいって願ったら出てきたちっちゃい炎を核としてどんどん成長した結果があれさ」

召喚士「ってことは、この世界すべてが神様の願いで出来たの?」

神「私のって言うか、生きとし生けるすべての欲から出来てるよ、欲があるから世界を作れるのさ」

神「こんなとこかな、私が生まれた時のことは」

召喚士「うぅ、なんか壮大だなぁ、後半部分は話が難しいし」

神「そうかなぁ?別にそこまでじゃないと思うけど」

「すいません、少々よろしいでしょうか?」

神「誰だい?」

「この宿の主人です、現在眠れない方のためにホットミルクを配って回っております、いかがでしょうか?」

召喚士「もらうもらう!2人分下さい」

「ではドアの前に置いておきます、取りに来て下さい」

召喚士「はーい」

神「うぅん、久しぶりに長く話したよ」

神「……………………………」

神「遅いな、すぐそこのはず……千里眼!」

神「……おかしいな、どこにも姿が見あたらない」

神「ただそのかわり、人一人包めそうな麻袋を持って入り口に向かう男が4人」

神「……誘拐か!」

「ひゃひゃひゃ!疑いもなく出てきたなぁ!」

「ここまで楽に出来たのは初めてだな」

召喚士「……!」(くっ、離せよ!)

「おいおい暴れんなよ?せっかくの商品だ」

「しかし、売っちまうのももったいねぇなぁ、俺らでやっちまうか?」

召喚士(た、助け……)

ズゴォン!

「な、なんだぁ!?」

神「ばばぁん!」

「な、なんだてめぇ!」

神「貴様に名乗る名などない!リミッターを外させてもらう!」

「みぎゃぁ!」

神「続けて食らえ! 震天裂空斬光旋風滅砕神罰割殺撃!」

「ぐふっ!」

「だ、大丈夫か!?今回復してやる!」

神「回復晶術だとぉ?貧弱すぎるわぁ!断罪のエクセキューション!」

「ぶるぁっ!」

神「後ひとォり……」

「ひ、ヒィィィィ!」

神「これで終わりだ!こいつは……未来へ託す永劫の剣だ!」

「た、助けてぇ!」

神「斬!空!天!翔!けぇぇぇん!」

「ウボァァァァァァァァ!」

神「まぁ、リミッター外しても死なないけどね」

召喚士「ん~!ん~!」

神「あ、ごめんごめん、今外すよ」

召喚士「ぷはぁ!……!……!」

神「どうしたんだい?そんなに叩かないでおくれ」

召喚士「……怖かった……怖かったよ」

神「……あぁ、トラウマだろうね、記憶消すかい?」

召喚士「……いい、助けてくれたから」

召喚士「……!」

神「おや、おはよう」

召喚士「あ、あれ?いつの間に戻ったの?」

神「いやぁ、あの後疲れたのか君寝ちゃってさ、私が抱えて戻ってきたんだよ」

召喚士「そうなんだ」

神「……嫌な、事件だったね」

召喚士「よくわからないけどそれをいうと多分死ぬからやめた方がいいと思う」

神「うんそだね、さて、ご飯を食べたら出発しよう」

召喚士「はぁい」

神「でもよかったよ、昨日のことあんまり気にしてないようで」

召喚士「さらわれるのは2度目ですし、昨日のはちょっと油断しただけだし、本気だして召喚でも何でもすれば私だけでも勝てたし」

神「へぇ?それじゃあ少し召喚してもらおうかな」

召喚士「な、何で?」

神「君の実力を把握しておきたいじゃあないか」

召喚士「いいよ、やってやるよ、私はやると言ったらやるからね」

神「そう言いながら実は呼ぶ対象が選べないとかじゃあないよね?」

召喚士「え?ままままさかそんなわけあははははは」

神「がんばれぇ」

召喚士「何でそんなに人事なの?」

神「うんとねぇ、魔法陣とか書くのってさぁ、魔力使わなきゃいけないから体力使うし汗かくじゃん?」

召喚士「うん、汗が流れ出てくるんだよね」

神「まぁ、趣味かどうかは知らないけどさ、普段透けないけど薄手のローブじゃん?」

召喚士「風が通れば涼しいし」

神「こんな大通りで地べたに座り込んで何かを書いている少女がそんな汗で透けてる格好をしてればさすがに人目引くし他人の振りでもしようかなと」

召喚士「え?ちょ、そう言うの早く教えてよ!」

神「あぁ、どうして人をおちょくるのは楽しいんだろうか」

召喚士「……よし書けた!……あれ?神様ぁ?」

神「へぇ、マグロの串焼きかぁ、5本ほど貰えるかい?」

召喚士「あ、いいなぁ」

神「君にはあげないよ、早く召喚しなよ」

召喚士「そんなひどい……まぁいいか、じゃあいくよー」

神「何がでるかな♪何がでるかな♪」

召喚士「…ゴニョゴニョ…我が命に応じ、ここへ集え!」

神「おぉう、目に悪い光」

大地の神「……我を呼ぶのは貴様かぁ?」

神「うわよわそ」

召喚士「神様から見ればどれもそう見えるだけでしょ……えぇとこいつは……大地の神……え?」

大地の神「左様、我こそは大地の神、何故我を呼んだ?」

神「あーあ、早いよ、楽しみが早くなくなっちゃうじゃないか」

召喚士「えーと、私たち今、神殺しの旅の最中でぇす」

大地の神「ほう?それで我を呼んだと?見れば貴様等はまだ若い、自殺など企むでない」

召喚士「いや、うん、まぁいいやそれで」

神「じゃあ神を名乗るのやめてね」

大地の神「何を言っている、我は神だ、何故神を名乗ってはならぬと?」

神「私が神だからね、むしろ何で君が神なのさ?」

大地の神「……!ハッハッハ!どこの世界に串焼きを片手に持った神がいる?実に愉快だ!ハッハッハッハッハ!」

神「いや、ここにいるけどね」

大地の神「我は創世記にこの大地を造りし神、まぁ、我は貴様のような輩も受け入れよう、さぁ我を戻せ」

神「などと意味不明な供述を繰り返しており……創世記とか、よくそんな妄想できるね」

大地の神「……ふぅ、だめだな、こいつはもうその魂を浄化するしかないか」

神「残念、浄化されるのは君だよ」

大地の神「神の名において命ずる、大地に根を張る木々よ、その体を用いて、我の敵を貫け!」

ザシュッ!

神「……」

大地の神「あっけないな」

召喚士「神様!?」

神「……で?」

大地の神「!?ばかな!?なぜ生きている!?」

神「ダメージがこない、痛い詠唱文、本当にこれだけしか出来ないの?」

大地の神「くっ!」

大地の神「神の名において命ずる、大地を構成する土よ、意志を持って我が素へ集え!」

「ぐ、ゴゴゴ……」

神「ずいぶん弱そうな……ゴーレムかな?もっと魔力あげれば?やせ細ってるよ」

大地の神「くっ、やれ!」

「グォォォ!」

神「消えろ」

大地の神「……なに!?」

神「左右を見てみな」

大地の神「巨大な……土の手?」

神「じゃあねぇ」

大地の神「ぐぅっ!……ぐおぉ、お……」

プチ

神「なんかこんなの見たことあるなぁ、そう、あれは確か、カリオストロの……」

召喚士「神様ぁ、この串焼きすごく美味しいですよ!ほら、タレも色んな種類があります!」

神「あ!なに勝手に食べてるのさ!私も食べる!」

召喚士「あ、倒したんだ」

神「うん、弱かった」

召喚士「うぅん、一応あれでも神だったんだけど」

神「偽物が本物に適う訳ないだろ」

召喚士「なるほど」

神「さぁて、出発しようか」

召喚士「けど、いきなり一つ達成しちゃったね」

神「うん、どうしようか、今一番近い神もどきはどこかなぁ?」

召喚士「神が知らないけど、神殿なら北の国に氷の神の神殿があるよ」

神「じゃあそこにいこう」

召喚士「はぁい」

神「うーん」

召喚士「どうかしましたかぁ?」

神「魔物が居ないなぁと思ってさ、普通なら1匹や2匹は出てくるはずだけど」

召喚士「魔物?なに言ってんの?そんなのおとぎ話の中の存在だよ」

神「はて?だけど魔物はカウントされてるし、何でかなぁ?」

召喚士「それよりも、歩いて疲れたしあの町に寄りましょうよ」

神「何でかなぁ?……あ、なんだあの人だかり」

神「なになに?なんなのさぁ?」

「お、俺は偶々その場に居ただけだ!」「うるせぇ、さっさと死ね」

「やっちまえ勇者様!」「裏切り者を殺せぇ!」

召喚士「うわぁ、リンチですね」

神「酷いなぁ、勇者だからって殺していいわけじゃあ無いのに」

「……おい、そこの冒険者、なんつった?」

召喚士「ちょ、神様!?なに言ってるの!?」ヒソヒソ

神「あれ?私なんかいった?ちょ、何をするのさ、引っ張らないでおくれよ」

「勇者様!こいつ、反逆者です!」

勇者「へぇ、またか」

神「……あるぇ?勇者ってそんな三白眼なの?キモくね?」

勇者「遺言はそれでいいんだ?じゃあいくよぉ」ブォン!

神「おおっと手が滑って当たり判定無くなっちゃった!」

勇者「?当たらなかった?外れた?もう一度!」

神「おおっとテレポート!」

勇者「!?」

神「灼熱のぉ……バーンストライク!」

勇者「……」ニヤリ

神「あら?燃えてない?」

勇者「利かないなぁ!」

神「時よ止まれ!」

神「さて、何で利かなかったのかな?……うーん、わからないなぁ」

神「記憶読んじゃえ」

神「……へぇ、魔法無効化ねぇ」

神「時が動き出す」

勇者「冥土の土産に教えてあげるよ、この鎧は……」

神「腕をポキッと折りまぁす」

勇者「!?」

神「魔法無効化でしょ?物理も無効化できればよかったねぇ」

勇者「……クヒ、クヒヒヒヒ!」

神「わぁきもい」

勇者「どうした?殺せよ、殺せ!殺せばいいだろ?俺を殺してもまだまだ勇者は居るけど……」

神「ああそう」

「ひ、ひぃぃぃ!」「ゆ、勇者様の首が!」「司祭様を呼んでこい!」

召喚士「おおう、血が噴水みたいだ」

神「君も慣れたみたいだね……正直引く」

召喚士「えげつない暴力をいともたやすく行う神様よりましですよ」

司祭「な、こ、これは……!?貴様等、何をしたか分かっているのか!」

神「殺されそうだったからやっちゃった☆」キラッ

召喚士「それを見てました☆」キラッ

司祭「貴様等…!覚悟しておけ!必ず……必ず神の罰が下るだろう!」

神「私に負けるような神ならきっと雑魚だね」

召喚士「私にも呼べるような神ならきっと屑だね」

司祭「~~~!!!ええい許さん!断罪する!」

鍛冶屋ってどんなのだ?

司祭「神よ、我が命を糧とし、その姿を現したまえ!……ぐふっ」

コ”コ”コ”……

神「お、早くも二人目ですか?」

召喚士「え?何で司祭が神なんて呼べるんですか?」

神「?むしろ司祭だからこそだとおもうけど?」

召喚士「いや、そうじゃなくて……うわぁっ!」

「あらぁ?この子たちが可哀想な子猫ちゃんかしらぁ?」

風の神「私は風の神、あなた達を今から断罪しちゃう神様よぉ」

神「まぁきもい、喋り方きもい、服装きもい、メイクが濃い」

風の神「あらぁ、嫉妬かしらぁ?モテる女は辛いわねぇ」

>>40黒歴史だ、気にするな

ブ チ ッ

神「……」パァン!

風の神「ピィッ!?……な、なによ!殴らなくてもいいじゃ……」

神「……」パァン!

風の神「キャウッ!さっきから痛いわよ!そっちがその気なら……」

召喚士「……」ガンッ!

風の神「アウッ!……ご、ごめんなさい……殴らないで……」

神「……何がごめんなさいなんだ?」パァン!

風の神「ウミッ!……そ、それは……」

神「神の名をかた召喚士「世の中の女性は良いとして私に失礼なことを言ったからだよ!クソやろうが!」……え?」

召喚士「なぁにが『モテる女は辛いわね』だ!てめえどうせ一度も付き合ったことねぇだろうがよぉ!あぁん?」ガンッ!

風の神「ヒィッ!ご、ごめんなさい!一度も付き合ったことは無いです!あなたの言うとおりです!」

召喚士「あなただぁ!?私の名前を言ってみろォ」ゴンッ!

風の神「キャァ!す、すいません!分かりませ……召喚士「あぁ!?」ピャア!」

召喚士「召喚士様だ、間違えるなよ?」

風の神「すいません!召喚士さん……」コキャッ

召喚士「召喚士『様』だ、豚が……」

神「え?なにあのこちょうこわい」

神「……お、おう、これは……」

神「えっ?そんな大きいのを?うわ、ほんとに?」

神「うわぁ、2つも?1つでも辛そうなのに」

神「うそ、そんな大きいの入りきらないよ!うわ、うわ、入っちゃったよ」

神「わぁ、痛そう、あぁなったらもう戻れないだろうね」











神「まぁ、蟻の巣に運ばれるカブトムシの実況だけどね、足を2本ももがれて角も無くなってピクピク動いてたし、蟻の巣穴に入りきらないであろうサイズなのにスルッと入ったからびっくりしたよ、生命ってすごいね」

召喚士「ふぅ、終わったよ」

神「あれ?神もどきは?」

召喚士「調教」

風の神「あはぁ……もっと、もっと罵って下さい、ご主人様ぁ……」

召喚士「ほう?豚が命令か?」

風の神「あぁ、すいません!すいません!」

召喚士「こいつ連れて行っても構いませんね?」

神「良いんじゃないかな?面白そうだし」

召喚士「よかったぁ、神様の事だから『関係ない、殺す』とでも言いそうだと思ったけど」

神「別に殺したくてやってるわけじゃないからね、神を名乗れなくするだけで」

旅は進み……

氷の神「ふん、ここまできたか、大地の話は聞いている、私を殺しに来たのだろう?だがな、貴様のような下賤な者に私は殺せな……」

神「神の力に震えるが良い!」

旅は進み……

氷の神「ふん、ここまできたか、大地の話は聞いている、私を殺しに来たのだろう?だがな、貴様のような下賤な者に私は殺せな……」

神「神の力に震えるが良い!」

氷の神「ぐふっ」

風の神「元同僚が死ぬのは見てて気持ちいいですね!」

召喚士「だろうね、やっぱり胸が痛……気持ちいいの!?」

風の神「うぅん、若いので序列は下でしたから虐められてまして」

神「浄化完了!」

召喚士「そいつは大変……あ、神様、全く疲れてないようだね」

風の神「けど、唯一神様だったんですね、道理で大地の神なんかが勝てないわけです」

神「うぅ、寒い寒い、ここは雪国じゃないか」

風の神「寒さが苦手なんですか?」

神「いや?ただ、いまは鍋とアイスと熱燗が欲しいね」

召喚士「……神様ぁ、後ろ見て下さい」

「氷神様が消えたぞ!」「大地の神と同じか……」「居たぞ!あいつだ!」

神「あ、食べてる暇がないね、逃げろ逃げろ」

風の神「ご主人様、私に捕まって下さい」

召喚士「神様は……もうテレポートしてる……はぁ、行け」

風の神「ハァイ♪」

神「まぁ、姿変えれば問題ないよね」

召喚士「え?そんなこともできるの?」

神「だって神だもの」

風の神「私もできますよ!ご主人様!」

神「へんしーん」

神男「これが私の真の姿(仮)だ!」

召喚士「つまり仮の姿ですね分かりました!それより私はどうすればいいの!」

神男「仕方ないなぁ、インコグニート!」

召喚士「うわっ!っとっと、何なのこれ?」

神男「異世界の魔法さ、別人になれるって言う効果だよ」

風の神「あれ?ご主人様ぁ?まぁいいや、変身しよっと」

「こっちへ逃げたぞ!」「今ここにこんな顔をした奴が来なかったか?」「バカもーん!そいつがルパンだぁ!」

神男「……うまくまけたようだね、さぁ、酒場へ入ろう」

召喚士「はいはい」

神男「一番良い酒とメニューのここからここまでを頼む」

マスター「かしこまりました」

召喚士「ふぅ、もう変装解いてもいいでしょ?」

神男「そうだね、それじゃあそこで足踏みしといて」

召喚士「えぇっ!?なんで?」

神「その世界だとそうしないと解けないからね、仕方ないよ」

召喚士「うぅー……」

風の神「唯一神様、その異世界とやらの話が聞きたいです」

神「うぅん、説明が難しいなぁ」

召喚士「そういえば、前もなんかバーンストライクとかやってたけど、あれも異世界の魔法?」

神「じゃあ、まずは異世界の話だね、まぁ、簡単に言えばぁ……権利書を読むだけで家が建ったり人間が卵生だったりする世界だよ」

召喚士「なにそここわい」

神「でね、私が使ってる魔法は……えーっと……世界樹、だったかな?それが世界の素になってたりする世界かな」

召喚士「つまり、異世界の魔法ですね」

風の神「だから使ってくる魔法が分からなかったんですね」

神「何で敬語?」

召喚士「こわい」風の神「こわいです」

神「大丈夫大丈夫、そこまで怖くないよ、君らに撃つ気もないし」

召喚士「それはよかった」

神「万が一死んでも生き返らせられますし?」

召喚士「そ、それはよかった……」

「ちくしょう、見つけ出せなかった!」「まぁまぁ、こういう日もあるさ、飲んで全部忘れちゃおうぜ」

神「おっとやばい、変身しないと」

召喚士「ちょ、神様ぁ、私にも……」

風の神「ご主人様は私が隠して差し上げます!透過魔法!」

「おいあんた等、ちょっといいか?」

神男「なんだ?」

聖騎士「私は聖騎士団の者だが、神殺しの犯人を追っている、この写真のような者を見なかったか?」

神男「いいや、見てないな」

風の神「私も、こんな”人”は見てないわね」

聖騎士「そうか、すまなかったな、デートの邪魔をしてしまって」

「くそー、いいなぁ、おれだって……」「俺は女房と子供がいるからな、写真見るか?」「うるせぇしね」「爆発しろ」

聖騎士「お前ら、もっと聖騎士団としての振る舞いを……」

風の神「良いじゃない、彼らも今までがんばったのでしょう?少しハメを外しても文句は言われません」

神男「あぁ、君も飲んでいくといい」

聖騎士「そう、ですか?ではお言葉に甘えて……」

召喚士(……でれねぇ)

マスター「どうぞ」

神男「お、煮豚だね」

風の神「美味しそうね」

聖騎士「ここの人気メニューですからね」

「これは今日捕まえられなかった奴への恨み酒じゃあ!」「ひゃっほう壁!」「これが俺の物語だ!」「おまえらうるさい」

「だんちょー、好きだぁ」

聖騎士「あいつら、騒ぐのもいい加減にしてくれないか?」

風の神「賑やかで楽しいじゃないですか」

神男「……マスター!」

マスター「何でしょう?」

神男「この煮豚は出来損ないだ、食べられないよ」

マスター「何ですって?」

聖騎士「充分に美味しいじゃないか」

風の神「そうですよ」

召喚士「ほんとだよ、これ以上何を望むのさ」

神「仕方ないね、完成系を見せてあげるよ、神様流料理術!」

聖騎士「神、様?」

召喚士「あ、気にしなくていいよ」

神「さぁ、食べてみな」

風の神「どれどれ……こ、これは!」

聖騎士「口に含んだ瞬間、口の中で豚肉が溶けるような食感!」

召喚士「味もしっかり染みている、それでいてしつこさを感じさせない!」

神「この味は人がたどり着ける終着点の一つだ、マスター、まだまだ修行が足りないよ」

マスター「……負けました」

「ほんとだ、こりゃうめぇ」「酒の肴にゃぴったしだな」「うーーーーまーーーーいーーーーぞーーーー!」

聖騎士「お前ら!あまり食うな!私も食いたい!」

神「そういうと思ってたくさん作ったからどんどん食べてね!」

「……あれ?手配書の写真に似てね?」「つか、一緒じゃね?」

神「あ、ばれた」

「捕まえろ!」

神「仕方がない」

「え?」「あれ?」「ウワァッ!」「たわばっ!」「ひでぶ!」「わーかーめー」

神「ヒャハハ!首が吹っ飛んだ!」

召喚士「おう……グロい」

聖騎士「な、皆!貴様ぁぁぁぁぁ!!!!」

神「大丈夫、君もすぐに逝ける」

聖騎士「……あ、あぁ……まもれなかっ……」

神「はい、さよならー」

召喚士「へーい」

風の神「なっ、何してるんですか!?」

神「人殺しにきまってる」

召喚士「じゃあないですか」

風の神「まさか、罪もない民からも命を奪うとは思ってませんでした!やはり、あなたは倒さなければならない存在です!」

召喚士「なぁにカッコつけてんの?」

風の神「風よ、切り裂け!」

神「うわっとっと、そんな簡単に変わるかねぇ?」

召喚士「お手!お座り!阿部顔やらないか?!」

風の神「散れ!」

神「よっと、洗脳的な何かだね、多分あの氷野郎だね」

「よくぞ見破った、私を倒そうなど無理なこと、さぁ、氷の像にしてやろ……」

神「そこだ!燃えろ!ファイガ!バーンストライク!メラガイアー!」

「みぎゃああああ!」風の神「アハァァァァァ!」

神「……君、調教し過ぎ」

召喚士「ごめんなさいね」

神「神の力は絶対なのだ!」

風の神「」ビクンビクン

召喚士「取りあえず今日は宿に泊まりましょう、そして朝早くにでましょう、この町にもう居づらい」

神「そうだね、そうしよう」








氷の神「このままでは……オワラ、ン……ロ、グ…ソウシ…ン」

ーーーーーーーーーー
「氷がやられたか」

「神殺しか、怖いな、怖い怖い」

「あの速さじゃ次は君のところだろうな」

「……よわそう」

「では、我々はあの神殺しを魔王と認定する、至急、勇者の配備を」

神官「はっ」

「さぁ、楽しませてくれよ、神様」

乗っ取り……ではないのだよ!

神「ふーんふっふふーん♪」

召喚士「でも、殺しちゃってよかったんですかね?奥さん居たようだし」

神「大丈夫だよ、どうせ生き返らせるし」

召喚士「なんだ、大丈夫か」

神「さて、この子が起きたら出発しようか」

風の神「う、うーん……いやぁ…」

召喚士「悪夢でもみてるのか?」

神「ぜんぜん起きないね、どんな夢見てるんだろうか」

召喚士「どうせ変な夢でしょ、もう良い、担いでいこう」

神「あ、私夢んなかはいれ……行っちゃった、早っ、おーい、待ってよ待ってよ」

ーーーーーーーーーー

召喚士「全く、手間のかかるペットだよ」

風の神「う、うあぁ……やだ、やだ……」

召喚士「そういえば、虐められていたとか言ってたな」

召喚士「……」

神「神様到着!上空から降下中!」

召喚士「うわっ!」

風の神「おうふっ!」

神「危なかった、マットがなければ地面が割れてた」

召喚士「マットじゃないよ!?」

風の神「」

召喚士「うわぁぁぁ!フェニックスの尾、フェニックスの尾はどこだー!」

神「そのネタはいけない!」

神「回復回復ゥ、まぁ、これで起きたでしょ?」

召喚士「そうだろうね、むしろ起きてほしい」

風の神「うぅ……ぐぁ……だ、ダオス、を……だ…おす……」

神「あ、ダメだこりゃ、変な電波拾っちゃってる」

召喚士「どうすんですか?さっきの街はもう遠いし、次の街が少し近いくらいですよ?」

神「teleport」

召喚士「え?……」

神「はい着いた、さっさと運ぼう」

召喚士「な、何が起きた」

神「言っただろ?瞬間移動だよ」

神「うーん、さぁどうしよう、全く起きないぞ」

召喚士「何か呪いの類の魔法でも食らったんじゃ……」

神「私の魔法がなんかやっちゃったかなぁ?ちょっと待ってて」

召喚士「?何するの?」

神「我が左手になんたらかんたらー、その力を示せ!鬼の手!」

ベリベリィッ!

召喚士「な、何?これ」

神「魂、なにかやったのならこっちに影響が出るんだよ……いやぁ、でもこれはなぁ……」

召喚士「ズタズタに切り裂かれて、大分欠落してるよね」

神「この子の過去に何かあったんだろうね、根幹とも言える部分が傷ついてる、私の魔法はここまでやらないし、ちゃんと制御してたからね」

召喚士「神様、治せますか?」

神「軽傷ならまだいいけど、これはもう……かなりの欲が必要になるね」

召喚士「欲?どうして?」

神「うぅ、また説明か、面倒だなぁ」

神「いいかい、魂とはいわば欲望の塊なんだ、でね、私が落としたほんのちょっとの欲望が原初の生物になったんだよ」

召喚士「てことは私も……」

神「そうだね、君の魂はそれほど劣化してないようだけど、魂は欲を出すとどんどんと劣化していく、それに伴って体が老化していくのさ」

神「だから体の老化だけを止めようとしても魂の劣化を止めない限り人は絶対に死んでしまうのさ」

召喚士「なるほど」

神「まぁ、中には欲を捨てて不労不死になっちゃったりする人も居るけどね」

召喚士「へー」

風の神「泣くぞ?泣くぞ?そら泣くぞ、ぜってぇ泣くぞ」

神「さぁ、話はここまで、早速欲を集めよう」

召喚士「欲って……どうするのさ?」

神「うーん、一番簡単なのはあれだな」

召喚士「?」

神「色欲、まぁ、君が町の真ん中であられもない姿で眠っていたらすぐに貯まるだろう」

召喚士「なっ……!やらないよそんなこと!」

神「そうか、でも私はできないんだなぁ」

召喚士「なんでさ!私より大きいのを持ってるくせに!」

神「いやぁ、私に向けられた欲だとねぇ、体が爆裂四散しちゃうんだよ」

召喚士「なんでさ!?……そうだ!神様が欲を作り出せばいいんだよ!出来るでしょ?」

神「それを使うとね、体の穴という穴から血が吹き出しながら発狂して町一つ滅ぼす程の力を自分に使っちゃうからね、駄目なんだ」

召喚士「だから何でよ!?」

神「私の力は私が使いこなしてこそだからなぁ、中に入れちゃうと駄目なんだよ」

召喚士「う、うぅ……」

神「まぁ、諦めてよ、運が悪かったんだ」

神(あれ?欲って他にも有った気が……まぁいいか)

神「そうだなぁ、どんな衣装が良いかなぁ?」

召喚士「本当にするんですか?」

神「そうだよ、サービスシー……おっと、あのこのためにも欲望が必要不可欠だからね」

召喚士「今何か言いかけ「ん?衣装が要らないって?」何でもないでしたすいませんですから裸はやめて下さい」

神「どうしよっかなー、バニーに紐、うーん、こんなの誰が着るんだ?こんな小さな水着、うわっ、布地は大きいけどさ、大事な部分が……」

召喚士(うわー、どれもいやだ)

神「まぁいいや、これとこれとこれで」

召喚士「えぇー」

神「さぁほら、町へ行こう」

召喚士「うぅー」

神「唸ってないではい、行ってらっしゃい」

召喚士「え?何そのドアっぽいの、え、ちょ、押さないでうわぁ……」

神「2時間後くらいに様子を見に行くか」

神「ふんフフふーん、おや、お帰り」

召喚士「うぅ、恥ずかしさで死ねる……」

神「いやぁ、ごめんね、ちょっと時間がたったら迎えにいこうと思ってたんだけどさ」

召喚士「何かあったの?」

神「あぁ、うん、あーそうだね、少し忙しかった」

召喚士「そう、まぁいいや、それで?欲ってどうするの……」

風の神「あ、ご主人様!戻ってこられましたか!」

召喚士「…………………………………………え?」

神「いやぁ、街を歩いてたら金銭欲とか色々集まっちゃってさぁ、アッハッハッハッハ」

召喚士「へえぇぇぇそいつはよかったですねアッハッハッハッハ」

神「……目が、笑ってないよ」

風の神「?」

召喚士「取りあえず、治ったんだよね」

神「うん、魂から肉体までばっちしだよ、けどね……ちょっと知能に問題が……」

風の神「うにょらー」

神「ごめんよ、あれはどうしようもなかった」

召喚士「大丈夫だと思うよ、元からあんなでしょ」

神「そうだったっけ?そう言われればそうかもね」

風の神「とっぴろきー」

神「まぁいいか、出発しようよ」

召喚士「無理、疲れた」

神「……仕方ない、もう少し滞在か」

風の神「ご主人様ー」

召喚士「ん?どうした?」

風の神「うふふ~、おっぱい!」

召喚士「うわわ!何する!こうしてやる!」

風の神「うあー、くすぐったい!」

神「……あー、ごゆっくりどうぞ、外出てますね」

神「やぁやぁただいま」

風の神「ふぅ、はぁ……」

召喚士「ぜぇぜぇ……」

神「随分とお楽しみのようで、さぁさぁ、もう夜だ、寝よう」

風の神「お休みなさぁい!」

召喚士「私はちょっと……お花を摘みに」

神「トイレだね行ってらっ……(ゴキッ)あふんっ」

神「うぉぉ……首が、首がおかしい方向にぃ」

風の神「あはは!逆さだ!」

神「おや、笑ってくれるかい?それじゃあそうだな、こんなのはどうだい?」

風の神「わぁ!うねうねしてる!」

神「そしてこいつをちょっと動かすと……」

風の神「あ!サメだ!こわーい!」

神「」(あ、ダメだ声出せねぇ)

召喚士「……何やってんの?」

神「……うおっとっと、お帰り、そしておやすみ」

召喚士「うん、お休み」

ーーーー
ーーー
ーー

神「さぁさぁ起きなさい」

召喚士「はぁい、起きてまー……ぐぅzzz」

風の神「ふぁぁい…ぐう」

神「……これでもか」

召喚士「ぎゃぁぁぁああああああやだよやめてこわいこわいおばけやだおばけやだかwjcうえhfhdjし」

風の神「ワァイ!オムライスだ!」

神「はい、食べたければ起きてね、取ってほしければ起きてね」

召喚士「わかったわかった起きる起きるだからっとっとっっとりrふぃふぃrけjd」

神「さぁて、次はどこに行こうかな?」

召喚士「ふぅ、ふぅ、その事だけどさ、ぜぇぜぇ……この近くに、古いお城が在るらしいんだ」

神「……うん、それで?」

召喚士「そこに行ってみない?」

神「え?何でよ」

召喚士「あのね、貴重な本とかが有るみたいだし」

神「私全知全能だし」

召喚士「あ、綺麗なステンドグラスとかもあるし」

神「あら、わたくしより美しいかしら?フフッ」

召喚士「……この世の物とは思えないくらいおいしいものが……」

神「さぁいこう、ぐずぐずするな」

ーーーーー
ーーーー
ーー

神「ここが城か、さぁて食べ物食べ物、食べ物どっこだー?」

召喚士「ふーんふふふーん」

風の神「わー、汚いね」

神「お、はっけーん、結構あるな、この量だとみんなで分けても10年位保たせられそう」

召喚士「それじゃあまさか、ここに住む気ですか!」

神「イエスイエス、さぁみんな掃除だ掃除」

召喚士「何で住む気になったの?」

神「そりゃあおいしい物が有るからだよ、ほらそこ風で散らかさない!」

風の神「ひゅーんひゅーん♪」

神「うーん、まぁ、そこまで急がなきゃ行けないってわけでもない、ちょっと休みたくなっただけだよ」

召喚士「まじすか」

神「まじです」

召喚士「……」

神「どうしたの?そんな笑顔で」

召喚士「なぁんでもないでぇす♪」

2年ほどたちました

神「うむぁぁぁぁ、眠い」

召喚士「玉座の上でごろごろしないで下さい」

神「うーん、だって眠い」

召喚士「王様ごっこがしたいって言ってたのは誰だっけ?」

神「はいタメ口ー、罰ゲームー」

召喚士「……しまった」

風の神「おーい、お客さん役だよ!」

神「おぉ!きたか勇者よー実は魔王が出たんだが退治して……」

風の神「無理!」

神「残念でした、退治してきたって言おうとしたのだよ」

風の神「な、なんだってー!」

召喚士「……」

神「しっかし、この2年間外にも出ずに居たからねぇ、ちょっと体が痛いなぁ」

風の神「揉んであげるよ!」

神「おぉ、ありがたいね」

召喚士「あ、それじゃあ私買い物に行ってきますね」

神「それじゃあ野菜と串買ってきてね~」

召喚士「はい、今日は串焼きパーティーなんだね」

神「そう言うこと~おぉぉぁぁぁもうちょい右~」

神「うおおお、気持ちよかったぁ」

風の神「それじゃあ遊んでくるね!」

神「うん、いってきなさいな」

タタタッ……

神(うーん、ここ最近平和で良いけど何か忘れているような……)

神「うん?あぁ、魔物か、まだ危険値には入ってないけど着実に増えてるな」

神「あーあ、勇者は倒しちゃったしなぁ、めんどくせぇめんどくせぇ息をするのもめんどくせぇ」

バターン!

神「うわっ!おっとっと、誰だい?随分と礼儀がなってないじゃないか」

「お前か、おまえが魔王か」

神「魔王?どゆこと?」

「しらを切るつもりか?魔王にしちゃあずいぶん女々しいじゃねぇか」

「この魔力、ただ者ではないですね」

「お父様、お母様、皆、仇を討つよ」

神「あー、うん、盛り上がってるとこ悪いけど、あんたたち誰?」

神「あ、とりあえず自己紹介どうぞ」

勇者「ふむ、名乗らなくては失礼だったな、我が名は勇者、魔王を倒すため神託を受けし者だ」

僧侶「私は僧侶と申します、魔王、あなたの汚れた魂を浄化しに参りました」

魔法使い「僕は魔法使い、お前のせいで村のみんなが……!」

戦士「おいおい、そう慌てんな、俺は戦士ってんだ」

神「うん、君は知ってる、会ったこと有るよね?」

戦士「あぁ、あいつは元気かい?」

神「あぁ、君の心配が出来るくらい元気だね」

僧侶「知り合いだったのですか?」

戦士「2年程前だがな」

神「うぅん、とりあえず……はい」

戦士「……!おぉ!神様じゃねぇか!元気だったか!」

魔法使い「!?魔王!戦士に何をした!」

神「洗脳解きました☆」

戦士「あ?魔王?何言ってんだ?……そういや神様、天罰の旅ってのは終わったのか?」

神「うん?……………………あ」

勇者「くっ、戦士!目を覚ませ!」

僧侶「回復魔法!混乱回復!」

魔法使い「戦士……」

戦士「うぅぉ!……な、な、なんかへんなかんじが……」

神「大丈夫かい?休むといいよ」

戦士「あぁ、そうさせてもらうぜ」

勇者「!!戦士が、消えた!?」

僧侶「そんな……」

神「いや、ただのテレポートだけど」

神「鬱陶しいなぁ、そこまで痛くないし」

勇者「魔王が攻撃してこない今がチャンスだ!一気に行くぞ!」

魔法使い「殺してやる!業火炎魔法!」

僧侶「砕け!凍りつけ!」

神「だから何で私が魔王なのさ、私神だって」

勇者「黙れ!そんな戯言聞き入れん!」

僧侶「えぇ、あなたが神ならこの世はもうおしまいです!」

神「……そうか、ならば教えてやろう!私の恐怖を!」

魔法使い「!危ない!」

魔法使い「そ、そんな……魔法が全然効かないなんて……」

勇者「まだだ!まだ終わらない……!」

神「あ、終わった?それじゃあ話をしよう」

魔法使い「……」

僧侶「魔法使い?」

勇者「まさか、おい!」

神「えぇえぇぇ、まだ終わらないの?ほら、さっきまでのじゃ利かないよ、それともほんとに私の恐ろしさを見たいのかい?」

魔法使い「……ぅ……ぅぅううう…ぐぅぅ!」

勇者「おい!魔法使い!やめろ!」

神「あらら、はい握手」

魔法使い「……?術が、発動しない?」

神「命は大事にね」

勇者「よ、良かった……」

僧侶「勇者様!今のうちに!」

神「あぁ、勇者君、魔法使い君、少し眠りな」

僧侶「勇者様!?魔法使い!?」

神「起きないよ、君もばれるといろいろ不便だろう?かみさま?」

僧侶「……何だよ、ばれてたのか」

僧侶「あぁそうだよ、私は水の神だ」

神「へぇ、んで、神を名乗りたいのかい?」

僧侶「そんなことはどうでもいいんだよ、てめぇを殺したいだけだ!」

神「おっとあぶあぶ危ない、何さ、私別になんもしてないし」

僧侶「あぁ、覚えてないですかそうですか死ね!」

神「ひょいっと、えマジで私なんかした?」

僧侶「ウルセェ!私の夫を殺しておいてよく言うぜ!」

神「……どちら様?」

僧侶「……!そうかよ」

水の神「なら、思い出させてやるよ!」

神「えー、めんどい」

神「うわっとっと、水が切れ味鋭いなぁ」

水の神「死ね!糞神様よぉ!」

神「はい、後三回」

水の神「てめぇみてぇな神が居たら世界は滅んじまうよ!」

神「あとにかぁい」

水の神「私の夫の大地を返せよ!」

神「はい後一……え?何だって?」

水の神「聞こえなかったか?私の夫は大地の神だよ!」

神「……あぁ、忘れた」

水の神「……!死ね!死ね!死んでしまえ!」

神「……なんだよ、ちょっとふざけただけ……あぶねっ」

神「よっこらせっと」

水の神「逃げんじゃねぇ!」

神「ちょいちょいちょいとしてちょちょいのちょい」

水の神「どうしたどうした!そっちは行き止まりだ!さっき見といたぜ?」

神「……良し完成」

水の神「やっと観念したか、安心しな、塵も残さず流し尽くしてやる」

神「こいつも一緒に流れるがいいかな?」

水の神「あぁ?……そ、そいつは……!」

大地の神「……?我は、神を名乗る者に殺された筈、なぜ生きている?」

水の神「小さくなったあいつじゃないか!」

神「魂は呼び出せばすぐにくるから、後は体をちょいとすれば簡単だよ、これをあげようと思ってたけどなぁ、あーあ……」

水の神「ゆずってくれ、たのむ!」

神「お、おう、スライディング土下座……はじめて見たよ」

神「さぁどうぞ、あまり乱暴しちゃいけないよ」

水の神「えぇ、もちろんですわグヘヘヘヘ」

大地の神「なんだこの体は?少年のような体だが……む、貴様は水の神、私の妻などという世迷い言はもうやめ……うわぁなにをするやめ」

神「うーん、彼女、ずいぶんと危ない趣味のようで」

召喚士「……ただいまー」

神「おぉ帰ってきた、お帰り、お客さんが来ているよ、君の待ち望んでいたお客さんが」

召喚士「……!そう、ですか……すみませんでした」

神「何のことかぜんぜんわからないなぁ、それより、愛しの彼に会ってきたらどうだい?」

召喚士「い……う…ぅう、い、行ってきます!」

神「あーあ、おーい起きろー、あ、私が魔法解かないとだめか」

勇者「………う、何だったんだ?あの急な眠気……うわぁ!魔王!」

神「だから魔王じゃないって、まったく、記憶の操作でもできたらなぁ」

勇者「くっ、殺せ!」

神「それはいけない」

勇者「なぜ私を生かしている?さっさと殺せばよいものを」

神「だって、殺す必要ないし」

勇者「そういって私を魔物たちの……その、あれだ、あれにするつもりだろ!」

神「どこに需要があるのさ、それに魔物もこの城には居ないですし」

勇者「くっ、父上、母上、もうお婿に行けません……」

神「……もう良いや、話が通じない」

神「魔法使い君、起きてくださいな」

魔法使い「うーん、後2時間」

神「必殺、トラウマ思い出させ」

魔法使い「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!テケテケ怖いよぉ!七人ミサキ怖いよぉ!ガラフゥゥゥ!しまわれたくない、しまわれたくないぃぃ!原作のピノキオ怖いよぉぉ!」

神「まったく、寝坊は私以外しちゃいけないよ」

勇者「え、えげつない……」

魔法使い「ふぅ……ふぅ……、ぼ、僕は……うわぁ!魔王!」

神「もうやだ」

魔法使い「まままま、まっままま魔王!殺された村の皆の敵!貴様を倒す!」

神「無理だって、わかってるだろ?」

魔法使い「分かってるよ!でも、やらなきゃいけないんだ!」

神「……はぁ、そら、生き返らせてあげる、村も元通りだよ、これでいいだろう」

魔法使い「!?あ、うん……」

神「それで?私のところに来た理由をどうぞ、つまらなかったら断罪ね」

勇者「お、おう……って、言う訳ないだろ!お前みたいな極悪人なんかに!」

神「うん、まずそっからおかしいよね、私何もしてないよ?」

魔法使い「2年前、突如として現れ、世界を瞬く間に恐怖へと陥れた魔王、忘れたとは言わせない!」

神「うん…………………………うん?」

勇者「王都の中心部で幻影が現れ自らを魔王と名乗り、我々人類に宣戦布告をしてきただろ!」

神「……………うぅぅん?よくわからないなぁ、記憶読ませてね」

~勇者の記憶

ざわざわ……ざわわ…ざわわ…ざわわ…

王「き、きさま、いったいなにものなんだー」

まおう「われわまおう、きさまらじんるいにせんせんふこくするー」

取り巻き「な、なんだってー」

ざわざわ……

神「……え?何これ棒読み?」

勇者「ふっ、これでも記憶力はいい方だからな」

神「いや、うん……これを信じるのかぁ……人間は馬鹿に育っちゃってるのかなぁ」

魔法使い「もう言い逃れは出来ないぞ!さぁもう一度正々堂々と僕らと戦え!」

神「あぁむり」

勇者「逃げるのか?」

神「今からご飯の時間ですぅ、君らもいりますかぁ」

勇者「ふざけるな!」

魔法使い「お前ら魔族の施しなど……!」

神「そうか、今日はすごく良いお肉を使った串焼きパーティーなのになぁ……野菜も一番おいしいのを仕入れてもらってるのになぁ……」

魔法使い「ぐ、ぐぅ……!」

神「あーあ、今日は腕によりをかけて究極の調理もしたのになぁ……海産物なんか食べ放題なのになぁ」

魔法使い「僕らはそんなのに屈しな勇者「行きます」……!?」

神「はい、5名様ごあんなーい」

神「はいはい座って座って」

戦士「お、きたか、待ちわびたぜ」

召喚士「さぁさぁ、もう少し待っててね、すぐ作っちゃうから」

神「あと10」

召喚士「サラマンダー!炭に火をつけといて!シルフ!酸素を!ノーム!石焼き芋の準備!」

神「9」

召喚士「ケルピー!魚の水槽は大丈夫?グレムリン!オーブンにいたずらするな!」

神「8、7,6……」

召喚士「後3秒でできる…………はいできた!」

神「残り2秒!タイム更新!やっぱし恋人が近くにいるからかな?」

召喚士「そ、そんなんじゃないやい!」

戦士「……たまげたなぁ、お前こんな事できたっけか?」

召喚士「修行の成果よ!」

戦士「そうか、もう2年もたったもんな」

勇者「戦士って魔王のとこに知り合いが居たんだな……あぁそうか、魔王とも知り合いなのか」

魔法使い「……なんだあの女いきなり出てきて僕の戦士といちゃいちゃしやがってくそがそのポジションは僕のなんだよ……」

勇者「あ、あの……魔法使い?」

神「さぁて、それじゃあ皆席に着いたね、ほらそこ、水の、いたいけな少年にトラウマ植え付けない」

水の神「ちっ……まぁいい、あとでたぁぁぁぁぷりかわいがってあげるわうふふふふ」

大地の神「……帰りたい」

神「それじゃあ、突然の来客もあったけど、取りあえずかんぱーい!」

「「「「「「「乾杯!」」」」」」」

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