神「これで何十体目だっけ……」 (71)

神「もうそろそろ飽きてきたな」

天使「思ったより難しいものですね……」

神「いや、作るだけならそれほど難しくはねーのよ」

天使「でも知性を持った動物なんて、前例がありません」

神「そこはほら、俺天才じゃん? ほらこうして」モゴモゴ

 ポタッ
人間「おはようございます神様」

神「な? できたろ?」

天使「そんな簡単に作っていいんですか」

俺「もうそろそろ飽きてきたな」

俺「思ったより難しいものですね……」

俺「いや、作るだけならそれほど難しくはねーのよ」

俺「でも知性を持った動物なんて、前例がありません」

俺「そこはほら、俺天才じゃん? ほらこうして」モゴモゴ

 ポタッ
俺「おはようございます神様」

俺「な? できたろ?」

俺「そんな簡単に作っていいんですか」

神「おはよう。成功したかな? 知性ある?」

人間「勿論でございます」

天使「ホントにできた……」

神「よし。では説明しよう。俺は神な。この世界とお前ら動物を作ったの」

人間「存じ上げておりまする」

神「でね、周り見るとわかると思うんだけど、動物っていっぱいいるじゃん?」

神「でもみんな知能はあんまり高くないわけ」

人間「どうやらそのようですね」

神「んでそろそろアタマいい動物を作ろうと思ってお前さんを作ったの。わかる?」

人間「はい。しかし知性のある動物は私だけなのですか?」

神「それがね……」

人間「おはよう。成功したかな? 知性ある?」

神「勿論でございます」

人間「ホントにできた……」

天使「よし。では説明しよう。俺は神な。この世界とお前ら動物を作ったの」

俺「存じ上げておりまする」

天使「でね、周り見るとわかると思うんだけど、動物っていっぱいいるじゃん?」

人間「でもみんな知能はあんまり高くないわけ」

俺「どうやらそのようですね」

天使「んでそろそろアタマいい動物を作ろうと思ってお前さんを作ったの。わかる?」

俺「はい。しかし知性のある動物は私だけなのですか?」

人間「それがね……」

神「けっこう作ったんだ… えっと……」

天使「これでもう数十体目くらいじゃないですか」

神「あ、そうそうそんくらい」

人間「では他の人間はどこにいるのですか」

神「……」

天使「……それは……」

神「ごめん、みんな死んじゃった」

天使「そういう言い方ないでしょ!」

>>6
ごめん紛らわしいからやめて

>>9
わかった

神「だってこいつら増えないんだからしょうがねーだろ!」

人間「増える…… とはどういうことでしょうか」

天使「他の動物はつがいで一体ずつ作っただけなんです」

神「それがどんどん増えていってこうなったわけだな」

人間「なるほど…… 確かに同じような姿の動物がいますね」

神「でな、その増える機能がなんとおまえら人間にもあるんだよ!」

人間「それは素晴らしい!」

天使「どんどん増えてくださいね!」

天使「でもその『増える』というのは一人ではできないのです」

神「あとでもう一人作ってやるからちょっと待っててね」

人間「わかりました」

神「しばらくかかりそうだから、その間に家でも作ってなよ。住むとこないと困るだろ?」

人間「ではそういたしましょう」

神「あ、それと食料はその辺の動物とか果物とか食べていいからね」

天使「果物が足りなくならないように雨降らせてきますね」

人間「何から何まで、ありがとうございます」

—— 夜 ——

人間「とりあえず、仮住まいとしてはこんなものか」

人間「ここでしばらく暮らしながら、本格的な住居を作ろう」

人間「それに、辺りが暗くなってきた…… 夜というのか、不便だな。火の起こし方を練習しておこう」

天使(…どうするんですか!もう寝ちゃいそうな雰囲気ですよ!)ヒソヒソ

神(一日二本はちょっとキツかったぜ… しかも造形にも凝ったし)

神「あ~ えっと、起きなさい人間よ」

人間「これはこれは神様、こんな暗い時に」

神「待たせてゴメンな! 人間がもう一人できたからつれてきたわ」

誰かキャラの絵描いて

>>20
参考
http://i.imgur.com/kFr4Kax.jpg
http://i.imgur.com/choCQmg.jpg

天使「仮住まいなのに二人分のスペースがとってあるんですね」

神「これから寝るとこみたいだし、ちょうどよかった。さぁ入って」

女「……失礼します」

人間「おおお人間だ! 自分以外の人間は初めてです」

神「こいつは女といって、人間といってもちょっとお前と造りが違うんだ」

天使「それでも同じ人間同士、ここで仲良く暮らしてくださいね」

神「……そうしてくれないと、人間増えないしな」

——それから数ヶ月が過ぎた——

神「あの人間たちはどうなったかな」

天使「人間の妊娠期間ってどのくらいにしてあるんですか?」

神「一年よりちょっと短めって感じだな」

天使「じゃあそろそろ何か変化が現れるかもしれませんね」

神「いろいろ不安だろうし、教えに行ってやろうか」





男「よくぞおいでくださいました」

女「近くで獲れた果物です。どうぞ」

神「お、おうすまんね」チラッ

天使「いただきま~す」チラッ

神&天使(…妊娠してねーなこりゃ……)

神「近頃どうだい、仲良くやってるかな…」

男「ええ。苦しい事もありましたが、仕事を分担して、お互いラクに暮らしていけるようになりました」

女「私たちが少しずつ違う体を与えられたのは、そのように役目をわけるためだったのですね」

神「いや、まぁ、それもあるけど……」

天使「他に何か変わった事はありませんか」

神「うんそうだな。たとえば… 夜にこう、何か面白いこと見つけたとか」

男「夜の間は特にすることもありませんから…」

女「星を眺めて、飽きたら寝てしまいます」

神「……そっかぁ」

——天界——

天使「……どうやったら増えるか、案外気付かないもんですね」

神「だろ!? 今までもそうだったから、作っても結局子孫残さないんだよ」

神「おっかしいよなぁ… どうすりゃいいんだろう」

天使「ストレートに教えるしかないのでは? このままだとまた気付く前に死んでしまいます」

神「でもさぁ、こういうのって、自分で開拓していくから面白いんじゃない」

天使「……神様、意外と変なところに凝りますよね」

神「まぁ俺自身そうだったしな」

天使「いやその話いいから」

神「初めてしたのは若い頃、千年ブッ続けで断食修行してて……」

天使「いいって言ってるでしょ! あんたの下ネタは長いんだよ!」

神「…なぁ、本当に何もおかしなこととかないの?」

男「ええ、毎日が充実していますよ。女と支え合って暮らしていますから」

神「そりゃいいことなんだけどさ… 女と自分の体を見比べたりしたことない? 何か気付くよね?」

男「確かに、いろいろと違いが有りますね」

神「そうそうそう! それで君ら仲いいじゃん。お互い足りない所を補うように」

天使「つまり片方の人に余ったものを、もう片方の足りない部分に継ぎ足すとかですね」

男「……ふむ、いくつか心当たりがありますね」

神「人間ってそうやって生きてくわけよ。体も必然的にそうなるようにできてんのね」

天使「よ~く見比べてくださいよ。うまく補い合えるようになってる場所がありますから」

男「わかりました。ではこの仕事が終わったら、今夜調べてみましょう」

神(とりあえずはこんなもんか……)

——さらにそれから数ヶ月が過ぎた——

神(もういいよな)

天使(もういいですよね)

神&天使(…と思って様子見に来たのに)

女「動物を火にかけるとおいしくなるんですよ! ぜひどうぞ」

神「お、おぅ…」

天使「神様はベジタリアンなので私がいただきます」

神「それでどうだい、前に話した事、覚えてる?」

男「ええ、私たちの体の違いについてですね」

神「そうそう。何か見つかった?」

女「……」

男「…その話はよしませんか」

男「実は一カ所、うまく重なるような所を見附はしたのですが」

神「お、いいねぇ! それでどうした? 入れたの?」

天使「ストレートすぎますよ!」

男「とんでもない! いくらなんでも、あんな所を『補い合う』だなんて」

神「え? しないの?」

女「一番汚い所ではありませんか」

男「そこだけは『補い合う』ことなく、自分で洗おうということに決めたのです」

天使「……こういう時、初心者に限って鋭いとこ突いたりしますよね」

神「さすが俺の作った知性ある動物だぜ…」

天使「よりにもよって、あんな造形にするあんたもあんただよ!」

神「いいじゃん! 海の生き物だってグロい方がウマいだろ!?」

神「…もういいや。とにかくな、俺たちはその辺のことを教えに来たのだ」

男「神様がそうおっしゃるということは、もしかして、入れるべきなのでしょうか」

神「話が早くて助かる。ネタバレすると入れなきゃ人間増やせないしね」

男「冗談はよしてください。一番汚い所に、そんなに大事な機能が隠れているなんて」

天使「本当ですよ。他の動物たちを見てください」

神「動物も男と女にわかれてるの、気付いてた?」

男「ええ、よく観察すると、脚の間が違いますから」

女「それに、時々折り重なっている光景を見かけます」

神「わかってるじゃん。だったら人間もそうしないと」

男「しかし我々には知性があります。他の動物のように汚い所を触れ合わせるなんて」

女「そんな野蛮な真似はいけません」

神「いや、してもらわないと困るんだけど……」

天使(十中八九、変な構造にしたせいじゃないのコレって)

神「最初に話したっけ。君らでもう人間って何十体目なんだよね」

男「はい。覚えております」

神「でもみんな増えなかったから、もう誰も残っていないんだ」

男「以前の人間たちにも、同じように知性を与えたのですか」

神「そうだね。イマイチなのからかなりアタマいいヤツまでいろいろ作ってみたんだけど」

女「その人間たちも、きっと私たちと同じように考えたのではないでしょうか」

神「そうかもなぁ… どうりで増えなかったわけだ」

天使「自分たちの知性を誇りに思うのはいいことですけど」

天使「あくまで人間も動物であるというということを忘れてはいけませんよ」

神「ぶっちゃけドッチも俺が作ったんだしな」

天使「あなたたちは動物の肉を焼いて食べたり、骨や角で道具を作ったりするではありませんか」

男「そうしていますね。もうおそらく、動物の肉を食べなくては生活していけません」

天使「それは他の動物に助けてもらっているということです」

男「……一理あるかもしれない……」

神「確かに人間は他の動物と違うところもあるけど、お前らはみんなお仲間なわけよ」

天使「だからあまり他の動物と同じ事をしてはいけない、と思い詰める必要はないんです」

男「では、入れても構わないのですね」

神「むしろ入れなきゃいけないんだっつーの」

天使「新しい生命を生み出す行為でもあるんです。汚いわけがないですよ」

女「そういう解釈は初めてしました……」

——それからさらに数ヶ月がすぎた——

神「いくらなんでも、もうやってるよな?」

天使「ええ、きっと今頃バキンバキンにやってますよ!」

神「おっし、じゃあちょっと今夜あたり見に行ってみるか」

天使「神様も人が悪い」




男「ようこそおおいでくださいました。しかし女は既に寝ておりますので」

神「わかってるって。静かにしないとね」

天使「女さんに変化は見られましたか?」

男「相変わらずです。私を気遣ってくれますし、私が留守にしている間もよく働いてくれます」

神「……お腹の下半分あたりとか、近頃妙に大きくなったりしてない?」

男「? いいえ、特にそんなことはありません」

神「ちゃんと入れてるんだよね?」

男「はい。実は今日も数回」

神「数回かよ。よっぽど気に入ったんだな」

天使「食わず嫌いというものだったようですね」

男「恥ずかしながら、いざ始めるとなかなかの会館を覚えまして」

神「だろ? 俺もよく…  天使「その話いいから、男さん続けて」

男「しかし何事もよい事尽くめとはいかないものですね」

神「……また何か問題あったの?」

男「ええ、しばらく入れると私の先から、何か得体のしれないものが出てくるのです」

神「あ、それ正常だから気にしないでいいよ」

男「あれは一体何なのですか? 色はなかなかですが、おかしな匂いがするし…」

神「別に汚いものじゃないから安心していいよ」

男「出すまでは私もつい出す事ばかり考えてしまうのですが、出した後は、しばらく冷静になるのです」

男「まるで体の中に渦巻く欲望が排出されているようです。きっと悪いものに違い有りません」

神様「正常なんだっつーの」

男「ともかく、そんなものを女の中に入れてしまうわけには参りません」

天使「まさか……」

男「そこでこんなものを用意しました」

天使「なんですか、これ?」フニフニ

男「魚の腸で作りました。これを着けておけば、あの体液が女には届きません」

天使「そんなものを発明していたとは……」

神「ちょっと知性盛りすぎたかな……」

神「あのね、その白い体液は汚くないのね」

天使「というかそれを入れないと、新しい人間は産まれてこないのですよ」

男「…どうしてこう、いちいち不条理な仕組みでできているのですか」

神「人間とは条理を覆す存在だからさ」

天使「カッコつけてごまかさないでください」

神「まぁさっきも言ったけど、別におかしなものじゃないから、どんどん女の中に入れちゃっていいよ」

男「では早速、明日から試してみるといたしましょう」

天使「これでようやく……」

神「ああ、知性を持った動物が繁栄していくな!」

——それから数十年が経った——

天使「人間がどんどん増えたのはいいんだけど……」

神「だから言ってるだろ! そこに入れても子供はできねーんだよ!」

若い男「しかし神様! 僕たち愛し合っているんです!」

イイ男「しかも、そこらの女より断然気持ちイイんすよ!」

神「だけどなぁ、本来子供作るためのもんだし…… よく気付いたなぁ」

若い男「穴があったら入れたくなるモンっすよ」

天使「神様! むこうでは女の子たちも」

神「おまえら、真面目に子作りしろよ!」




神「でもまぁ、俺が考えつかなかったことをどんどん見つけていくな」

神「それも人間の性(サガ)…… なのかね」

 おわり

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