神「親父ー」
ゼウス「何だ我が息子よ」
神「ちょっとマジ意味不なお願いされたんだけど」
ゼウス「ほう」
神「作物を実らせてくれってさ」
神「自分達でやれよって話じゃん? 頭イカれてるわ」
ゼウス「だがな、息子よ」
ゼウス「時として、人は頼れるものがないと……」
神「はぁ? 説教垂れんなよ」
ゼウス「……」
神「もうマジいいわ、クソ親父消えろ」
下界
爺「お願いしますだ、今年不作だったらもう……」
婆「お願いしますお願いします」
神『だからさー、何度言っても無駄』
婆「お願いします」
神『いやだから』
爺「何でもしますだ」
神『じゃあ油売ってないで川の水汲むなりなんなりしろよジジイ』
神『大体ここ安産祈願する神社だからね? そこわかってる?』
婆「お願いしますお願いします」
神『日照り続きで大変なのはわかるけどさー』
神『ぶっちゃけ私には関係なんだわ、うん』
婆「お願いします」
神『なんなのさっきから』
神『無理なものは無理!』
爺「こうなったらもう……」
婆「気は進みませんがねぇ……」
神『お? 神社壊すの? いいよいいよ天変地異起こしたる』
神『……なんだ帰ったのか』
神界
アテナ「ねぇ、お父様カンカンでしたよ」
神「知らんよ」
アテナ「いやでもね」
神「姉ちゃんまで説教垂れんの?」
神「安産祈願なら何とかするさ、でも豊作祈願だよ?」
アテナ「……」
神「言いたいことは言わせてもらうよ」
アテナ「はぁ……もう結構」
アテナ「あなた、下界で人と言うものを勉強してきなさい」
アテナ「人間として生き、成長を見守らせていただきます」
アテナ「良しと判断したら、戻っても構いません、そうでなかった場合、二度と敷居は跨がせません」
神「……え?」
下界
ァァァァアアアア゛ア゛ア゛!!
ドゴォォォン!
神「……」
神「痛い……」
?「あ、あの、大丈夫ですか?」
神「あん?」
神「誰?」
村娘「わ、わたす、向こうの村のもんです」
神「へぇ、こんな辺鄙なとこで何してんの?」
村娘「おっかさんに洗濯さ、してこい言われまして……」
神「ふぅん……」
村娘「そ、そげより……大丈夫ですか?」
神「いや痛いし大丈夫じゃないよ、私人間にされたみたいだし」
村娘「……?」
アテナ『いいですか、あなたは下界で徳を積み、人間を知りなさい』
神「こんなことしないで戻してくれよ」
アテナ『まずはその人間を助けなさい、さすれば自ずと道は開けます』
神「はぁ?」
神「顔面小じわババァがうるさいんだよ」
アテナ『まだピチピチです』
村娘「えっ? えっ?」
神「……ねぇ君、今困ってる? 困ってるよね?」
村娘「え、あの……」
神「はぁぁぁぁぁ……ハキハキ喋れよ、君みたいなタイプ大っ嫌いだわ」
村娘「そ、そんな……初対面の人になしてそげなこつ言われないと!」
神「あぁぁもういい、バイバイ」
村娘「何なのあの人……」
村
村娘「おっかさん、今戻ったよー」
母「ご苦労様……ねぇ」
村娘「んだ?」
母「……ううん、何でもない」
母「ご飯にしましょ」
村娘「んだな、私腹へったよ」
母「今日は栗ご飯よー」
村娘「そっただ高価なもんどこで盗んできただか!」
母「人聞きの悪い、譲ってもらったのよ」
村娘「んだば、あとでお礼さ行ってくるだ」
母「ありがとね」
おやすみ
寝れないので続き
「なぁ……」
「だな……」
「しかし誰を……」
婆「若くてべっぴんな子と言ったら……」
「し、しかし……」
爺「そっただこと言ってもこっちも死活なんだべな」
「……」
村娘「おーい!」
村娘「栗さ美味しかっただよー!」
湖
神「うわぁ……」
神「ほぼ干からびてる……」
神「確かにこれじゃどこの神様でもいいから神託承りたいよなー」
神「ポセイドンのおっさんは……ボケてるか」
ンーンー!
神「?」
ンーンーンーンー!
神「なに祭り? 政?」
アテナ『さぁ、ここがあなたの運命を左右する場面です』
神「は?」
村娘「んー!」
「すまね、すまねだ」
爺「暴れるでね!」
村娘「んー!」
「これで……これで豊作になるだか?」
爺「んだ、神様はそう仰った」
「……んだな」
神「ありゃさっきの小娘か」
神「なぁ、姉ちゃんか誰か何か言った?」
アテナ『いえ』
神「ふぅん……」
神「よし、ここで借りを作っておくのもありだな」
アテナ『頑張りなさい』
神「おい」
「だ、誰だ!」
神「お前さん今なんて言った?」
神「神様がその小娘をどうにかしろって?」
爺「んだ」
神「誰もそんなこと言ってないが」
「おめに何がわかるだ!」
爺「んだ、余所者は引っ込んどれ!」
神「いや、1神様としてここは引けないな」
神「その小娘どうするつもりだ?」
「おめには関係ないことだべ!」
神「大有りだバカタレ」
神「検討はつくけど、人柱?」
爺「……」
神「バカだなぁ、そんなことしてなんになるんだよ」
神「こっちに来るわけでもないし」
神「神様への供物が足りない、生け贄が足りない?」
神「数年間に渡って神様へ捧げる?」
神「数年経ったら嫌でも環境変わるわボケ」
「こ、このっ……」
神「警告だ、もしそいつの身に何かあったら姉ちゃんがただじゃおかない」
「うるさい! 向こうへ行け!」
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