神「ちょっと待ってゼウスに相談する」(15)

神「親父ー」

ゼウス「何だ我が息子よ」

神「ちょっとマジ意味不なお願いされたんだけど」

ゼウス「ほう」

神「作物を実らせてくれってさ」

神「自分達でやれよって話じゃん? 頭イカれてるわ」

ゼウス「だがな、息子よ」

ゼウス「時として、人は頼れるものがないと……」

神「はぁ? 説教垂れんなよ」

ゼウス「……」

神「もうマジいいわ、クソ親父消えろ」

下界

爺「お願いしますだ、今年不作だったらもう……」

婆「お願いしますお願いします」

神『だからさー、何度言っても無駄』

婆「お願いします」

神『いやだから』

爺「何でもしますだ」

神『じゃあ油売ってないで川の水汲むなりなんなりしろよジジイ』

神『大体ここ安産祈願する神社だからね? そこわかってる?』

婆「お願いしますお願いします」

神『日照り続きで大変なのはわかるけどさー』

神『ぶっちゃけ私には関係なんだわ、うん』

婆「お願いします」

神『なんなのさっきから』

神『無理なものは無理!』

爺「こうなったらもう……」

婆「気は進みませんがねぇ……」

神『お? 神社壊すの? いいよいいよ天変地異起こしたる』


神『……なんだ帰ったのか』

神界

アテナ「ねぇ、お父様カンカンでしたよ」

神「知らんよ」

アテナ「いやでもね」

神「姉ちゃんまで説教垂れんの?」

神「安産祈願なら何とかするさ、でも豊作祈願だよ?」

アテナ「……」

神「言いたいことは言わせてもらうよ」

アテナ「はぁ……もう結構」

アテナ「あなた、下界で人と言うものを勉強してきなさい」

アテナ「人間として生き、成長を見守らせていただきます」

アテナ「良しと判断したら、戻っても構いません、そうでなかった場合、二度と敷居は跨がせません」

神「……え?」

下界

ァァァァアアアア゛ア゛ア゛!!

ドゴォォォン!

神「……」

神「痛い……」

?「あ、あの、大丈夫ですか?」

神「あん?」

神「誰?」

村娘「わ、わたす、向こうの村のもんです」

神「へぇ、こんな辺鄙なとこで何してんの?」

村娘「おっかさんに洗濯さ、してこい言われまして……」

神「ふぅん……」

村娘「そ、そげより……大丈夫ですか?」

神「いや痛いし大丈夫じゃないよ、私人間にされたみたいだし」

村娘「……?」

アテナ『いいですか、あなたは下界で徳を積み、人間を知りなさい』

神「こんなことしないで戻してくれよ」

アテナ『まずはその人間を助けなさい、さすれば自ずと道は開けます』

神「はぁ?」

神「顔面小じわババァがうるさいんだよ」

アテナ『まだピチピチです』

村娘「えっ? えっ?」

神「……ねぇ君、今困ってる? 困ってるよね?」

村娘「え、あの……」

神「はぁぁぁぁぁ……ハキハキ喋れよ、君みたいなタイプ大っ嫌いだわ」

村娘「そ、そんな……初対面の人になしてそげなこつ言われないと!」

神「あぁぁもういい、バイバイ」


村娘「何なのあの人……」



村娘「おっかさん、今戻ったよー」

母「ご苦労様……ねぇ」

村娘「んだ?」

母「……ううん、何でもない」

母「ご飯にしましょ」

村娘「んだな、私腹へったよ」

母「今日は栗ご飯よー」

村娘「そっただ高価なもんどこで盗んできただか!」

母「人聞きの悪い、譲ってもらったのよ」

村娘「んだば、あとでお礼さ行ってくるだ」

母「ありがとね」

おやすみ

寝れないので続き

「なぁ……」

「だな……」

「しかし誰を……」

婆「若くてべっぴんな子と言ったら……」

「し、しかし……」

爺「そっただこと言ってもこっちも死活なんだべな」

「……」


村娘「おーい!」

村娘「栗さ美味しかっただよー!」



神「うわぁ……」

神「ほぼ干からびてる……」

神「確かにこれじゃどこの神様でもいいから神託承りたいよなー」

神「ポセイドンのおっさんは……ボケてるか」

ンーンー!

神「?」

ンーンーンーンー!

神「なに祭り? 政?」

アテナ『さぁ、ここがあなたの運命を左右する場面です』

神「は?」

村娘「んー!」

「すまね、すまねだ」

爺「暴れるでね!」

村娘「んー!」

「これで……これで豊作になるだか?」

爺「んだ、神様はそう仰った」

「……んだな」


神「ありゃさっきの小娘か」

神「なぁ、姉ちゃんか誰か何か言った?」

アテナ『いえ』

神「ふぅん……」

神「よし、ここで借りを作っておくのもありだな」

アテナ『頑張りなさい』

神「おい」

「だ、誰だ!」

神「お前さん今なんて言った?」

神「神様がその小娘をどうにかしろって?」

爺「んだ」

神「誰もそんなこと言ってないが」

「おめに何がわかるだ!」

爺「んだ、余所者は引っ込んどれ!」

神「いや、1神様としてここは引けないな」

神「その小娘どうするつもりだ?」

「おめには関係ないことだべ!」

神「大有りだバカタレ」

神「検討はつくけど、人柱?」

爺「……」

神「バカだなぁ、そんなことしてなんになるんだよ」

神「こっちに来るわけでもないし」

神「神様への供物が足りない、生け贄が足りない?」

神「数年間に渡って神様へ捧げる?」

神「数年経ったら嫌でも環境変わるわボケ」

「こ、このっ……」

神「警告だ、もしそいつの身に何かあったら姉ちゃんがただじゃおかない」

「うるさい! 向こうへ行け!」

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