モバP「九天の玄女」 (15)

モバマスSSです

書き溜めあります

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藤原肇「じゃあレッスン行ってきますね、Pさん、ちひろさん」

モバP「気をつけてな。今日は薫と千枝が同じところでやってるから、もしよかったら面倒見てやってくれ」

肇「はい、わかりました。では」

千川ちひろ「いってらっしゃい♪」


ちひろ「え? 肇ちゃんが元気ない?」

モバP「ええ、そんな気がするんですよ」

ちひろ「そうですか? 私にはいつも通りに見えましたけど……」

モバP「なんとなく、なんですけどね。今日に限った話でもなくですね……

なんて言ったらいいのか」

ちひろ「うーん……」

モバP「ちょっと寂しげな感じがあるんですよね。心ここにあらずというか」

ちひろ「何か仕事で失敗した、とかはありましたか?」

モバP「いえ、しっかりこなしてくれてます。

ただ、あいつしっかり者なんで、根詰めて頑張りすぎっちゃってるかもしれないな、とも思うんですよね」

ちひろ「確かに、年齢の割には本当大人びてますよね、肇ちゃん。

あら、忍ちゃん?」

工藤忍「あ、ごめんなさい。盗み聞きするつもりはなかったんだけど」

モバP「いや、いいよ。気になったから、聞いてたんだろ?」

忍「……うん」

モバP「忍も肇の様子が気になってたのか?」

忍「そうなんだ。なんだか肇ちゃん、無理してるような気がするんだ」

モバP「無理を?」

忍「うん。人それぞれだと思うんだけどさ……

余裕ないときって、より一層しっかりしちゃうというか…アタシの場合、頑張る!ってなったんだけどね

まだ頑張ろうって気持ちがあるから大丈夫、みたいな。でも結構無理しちゃってて。

肇ちゃんも、小さい子たちの面倒をまだしっかり見れてる、大丈夫って思うことで、無理してる気がする」

ちひろ「心に余裕があるって言い聞かせてる、ってことですか」

忍「うん……そういうことだと思う」

モバP「なるほどな」

忍「肇ちゃん、ちょっと寂しいんだと思う。

肇ちゃんと同じように、田舎から状況してきたから、なんとなくそう思う」

モバP「わかった、ありがとな、忍」

忍「うん…大切な事務所の仲間だから、助けてあげて、Pさん

アタシも、Pさんにすごく助けられて、今があるって思ってる。お願い」

モバP「わかった、約束する」

肇「ただいま戻りました」

モバP「おかえり、肇。レッスン、どうだった?」

肇「小学生の吸収力ってすごいなって思いました。トレーナーさんが言ったこと、すぐできるようになってて」

モバP「そっか。でも、トレーナーさんたち、いつも肇のこと褒めてるぞ。みんなの模範になるってな」

肇「そんなこと……ないですよ。あ、薫ちゃんも、千枝ちゃんも親御さんが迎えに来てたんで、そこもご安心ください」

モバP「うん、親御さんから連絡あったよ。ありがとう」

肇「いえ。じゃあ、私はこれで失礼しますね」

モバP「あ、待った。ちょっとお茶でも飲んでいかないか? 今、入れるから」

肇「それならいただいていきます。ありがとうございます」


肇「なんだか、流れるような手つき、ですね」

モバP「そうか? お客がよく来る家でさ、親の手伝いでよくお茶入れてたんだ」

肇「そうだったんですか」

モバP「あと、肇が作ってくれた湯呑に入れると思うと、気合入るからな」

肇「なんだか、ちょっと照れますね」

モバP「さ、手伝いは大丈夫だから、ソファに座ってな」

肇「はい」

モバP「どうぞ」

肇「いただきます」





肇「すごくおいしいです。なんだか、濃くて、でも甘い」

モバP「お茶は濃くないとな。口にあってよかったよ」

肇「ひょっとしたら、これまで飲んだお茶の中で、一番おいしいかもしれません」

モバP「褒めても何にも出ないぞ…っと出るものあった」

肇「?」

モバP「冷蔵庫に入ってるから、ちょっと待っててくれ」


モバP「はい、召し上がれ」

肇「リンゴ…ふふっ ウサギ、ですね」

モバP「お、ようやく笑ったな」

肇「すみません、でも、Pさんがリンゴでウサギ作ってたって思うと、ちょっと面白くて」

モバP「案外器用だろ? 忍に教わったんだ」

肇「忍ちゃん…じゃあこのリンゴも?」

モバP「そう。忍母からの贈りものの青森産リンゴ」

肇「…これもすごくおいしいです」

モバP「おいしいよなあ。おいしいもの食べたり、飲んだりすると、ほっぺた緩むよなぁ」

肇「ふふっ そうですね」

モバP「いい笑顔だ」

肇「ちょっと照れます。Pさんこそ、褒めても何も出ませんよ?」

モバP「照れてる隙にリンゴ食べちゃうから、いいんだよ」

肇「あ、それはダメです」

肇「ごちそうさまでした」

モバP「いえいえ。さて……この後、まだ時間はあるか?」

肇「? ありますけど」

モバP「じゃあ片付けして、屋上に行こうか」

肇「夜風が気持ちいいですね」

モバP「夏でも、風があると涼しいな」

肇「そうですね……それに、夜景がすごくキレイです」

モバP「案外、事務所からもよく見えるだろ」

肇「はい。……でも、気が遠くなりそう。この街並み、光すべてに人がいるなんて」

モバP「まだみんな働いてるんだな」

肇「ずいぶん、遠いところに来ました」

モバP「ここのところ、ちょっと元気なかったな……都会はまだなれないか?」

肇「Pさん、やっぱりするどいですね。

この手は…天に届きますか?」

モバP「…不安か?」

肇「都会の空は、田舎と違います。時より、不安になります。

この空に描いた夢は、いつか手に届くものなのかなって」

モバP「肇」ポン

肇「あっ」

モバP「大丈夫、肇なら大丈夫だ」ナデナデ

肇「Pさん……」

モバP「俺が全力でプロデュースする。だから、信じてついてきてくれ」

肇「はい……Pさん…胸をお借りしてもいいですか」グスッ

モバP「……おいで」

肇「本当は、すごく寂しくて。家族に、おじいちゃんに会いたくて」

モバP「うん」ギュッ

肇「家を出て、うまくいくかわからなくて……しっかりしなきゃって」

モバP「無理しなくていいんだ、たまには甘えたっていいんだから」

肇「ありがとうございます……」ギュッ

肇「すみません、みっともないとこを見せてしまって」

モバP「たまには、いいんじゃないか」

肇「ありがとうございます。また、甘えてしまうことがあるかもしれません」

モバP「あぁ、我慢しなくていいんだからな」

肇「はい。Pさん」

モバP「ん?」

肇「見失いません。どんなに広い場所でも、Pさんを。

あなたを信じてついていきます。これからも、ずっと。ご指導、よろしくお願いします」

モバP「こちらこそ、これからもよろしくな。

さ、帰ろうか。送っていくよ」

肇「はい!」

ヴィーン、ヴィーン、ヴィーン


忍『Pさん、ありがとう!

さっき肇ちゃんがアタシの部屋に来たよ! リンゴありがとうって。

すっきりした顔してた。仲間が元気だと、うれしいね。

じゃあ、また明日、事務所で。おやすみなさい』




終わり

九天の玄女のセリフ集めながら書いてみました。

先日、頼子さんのセリフをもとに書いてた方とは別人です。

忍ちゃんのSR再登場に期待

ありがとうございました

おつおつ

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