モバP「時子さんから目が離せない」 (25)
時子「ほら、さっさと仕事を取ってきなさいよ。トロトロしてる愚図は嫌いよ」
モバP「はいはい。ほら、ファッション誌の表紙だ」
時子「エックセレント。下僕にしては上出来じゃない」
モバP「ああ、うん。褒めてるんだよな。一応」
モバP(彼女の名前は財前時子。最近スカウトしてきたうちの新しいアイドルだ。前々からこの強烈なインパクトに眼を付けて熱心にスカウトをした逸材だ)
モバP(正確は……かなり控えめに言ってもSだ。幸子のポーズだけとは違い、こっちはかなりマジっぽい)
時子「何気持ちの悪い視線を向けてるのかしら。相変わらず脳みそ足りてないんじゃない?」
モバP「悪かったな。お前をどうプロデュースするかを考えてたんだよ」
時子「この私に出来ない事は無いわ。でもそうね……強いてあげるなら下僕たちが私を崇めるようにして欲しいわね」
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モバP「まゆから目が離せない」
モバP「やっぱりまゆからは目が離せない」
モバP「菜々さんから目が離せない」
モバP「幸子から目が離せない」
モバP「美波から目が離せない」
の続きになります。読んでいなくても問題ないはず。
モバP(言動はかなりあれだが、それなりにアイドルとしての活動を楽しんでいるようだ)
モバP(ただし問題が一つ)
幸子「随分と高飛車な人ですね!」
菜々「趣味は……お仕置き、豚を料理すること……」
美波「えっと……何だか凄い人ですね」
モバP(個性が天元突破しすぎてうちの個性派……一名除く、アイドル達も距離の取り方を図りかねているようだ)
モバP「まあこちらは時間が解決してくれるだろう。本当の問題は……」
まゆ「」ジーッ
モバP(物陰からものすごい視線を時子に向けているまゆの方だ)
時子「……さっきから何かしら。鬱陶しい視線を向けてきて。貴方に何かした覚えはないのだけど」
モバP(当然ながら時子がそれに気づかないはずもない。睨みつけているまゆに声をかけた瞬間、室温が五度位下がった気がした)
菜々「あ、そ、そういえばナナはウサミン星からの電波を受信しなくちゃいけないので屋上行ってきますね!」
幸子「そ、そういえば宿題が出てたんでした! 帰ろっと!」
美波「え、えええ。あ、私も大学の課題がありました!」
モバP(この様に事務所内にいる他のアイドルたちが恐慌状態になるくらいだ)
モバP「幸子。お前は仕事あるから残れ」
幸子「何でボクだけ!?」
モバP(そんなやり取りをしている間にもまゆと時子の対決は止まらない)
まゆ「そうですねぇ。別にまゆは何かされてませんよぉ」
モバP(ゆらりと立ちあがって時子の前に進むまゆ。その声音は普段聞いているものとは全く別……アイドル用でも俺用でもファン用でもない)
モバP(久しく聞いてなかったこれは……敵用、だ)
まゆ「でも、貴女は許せない事を一つしたんですよぉ?」
時子「ふぅん? ところでそのトロトロした喋り方どうにかならないの? 聞いててイライラするわ」
まゆ「あらあら。随分とせっかちなんですねぇ。やっぱり年を取ると短気になるんでしょうかぁ」
時子「イヤね。これでも花の二十一歳よ? 貴女、眼球腐ってるんじゃない? 或いは脳に栄養が行ってないとか」
時子「その癖胸にも行ってないみたいだし……惨めね」プッ
まゆ「二十一歳? 三十一歳の間違いじゃないんですか? 若作りは見苦しいですよぉ?」
菜々「ぐはぁぁぁぁ!」
モバP「菜々さんが流れ弾にやられた!」
まゆ「それにその高圧的な口調。性格の悪さが滲み出てますよぉ?」
幸子「プロデューサーさん。ボクってカワイイ……ですよね?」
モバP「そんな不安そうな顔をするな。大丈夫だ、幸子は可愛い」
モバP(流石にここでいつものように適当な返事をしたら本気で凹みそうなのでちゃんと褒めてやる)
モバP「しかし何だってあんなにまゆは怒ってるんだ」
幸子「え、プロデューサーさんそれ正気で言ってます?」
モバP「疑われるのは本気じゃなくて正気なのかよ……」
幸子「どう考えても時子さんがプロデューサーさんを虐げているようにしか見えないからじゃないですか」
モバP「え?」
モバP(俺の感覚としては幸子がちょっと酷くなった位だし、何だかんだで時子がそう言う性格だと言うのが分かっていたので気にしてなかったが……)
モバP(なるほど。まゆにはそう見えていて……その結果ああなったと)
モバP「え、やばくね?」
幸子「今頃気付いたんですか……」
モバP「ちょっと幸子止めて来てよ」
幸子「無茶言わないでくださいよ。あんなアイドルが発してはいけない罵詈壮言の中に飛び込んで行けって言うんですか?」
幸子「幾らボクが空も海も大地も制覇したアイドルでも限度はあります。っていうか自分で行ってくださいよ」
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日付見たらもう半年以上も前だった……
モバP「無理。だって怖いじゃん!」
幸子「年下の女の子にそんなこと威張って言わないでください……」
時子「××××!」
まゆ「▲▲▲▲!」
モバP「ああもう! 二人ともストップストップ! アイドルがそんな言葉づかいしちゃいけません!」
まゆ「止めないでくださいPさん」
時子「そうよ下僕。躾が必要でしょう? このお嬢さんには」
モバP(幸い、というか何というか。時子は別段本気では無い様だ。むしろまゆを煽って楽しんでいる空気さえある)
まゆ「躾が必要なのはどっちなんでしょうね……? Pさんの事良く分かってるのはまゆですから」
モバP「あれ。これってそう言う話だったっけ?」
幸子「ボクに聞かないで下さいよ」
まゆ「Pさんはまゆに白くてドロドロしたものを口に入れてくれたんですから!」
モバP「おい、幸子。そんな目で俺を見るなよ。少しは信じろよ。おかゆだよ。おかゆ食べさせただけだよ」
時子「ふん。その程度? 私の時は服を脱いで土下座して来たわよ。お願いしますって」
モバP「幸子さん? 無言で距離を取るのは止めて貰えませんかね? 飲んだ時に座敷で上着脱いでアイドルやって貰えないか頼んだだけだよ!」
まゆ「一緒にお風呂入りましたし!」
モバP「事実を捏造するな! 一人で逆上せてただけだろ!」
時子「言葉責めで悶えてたわね」
モバP「悶えてたんじゃなくて傷ついてたんだよ!」
まゆ「そのお話詳しく聞かせて貰えますか?」
モバP「食いつくな。あと幸子様。汚物を見る様な目を向けるのはやめて下さい」
時子「あら、幸子。貴女中々才能あるわね。どう? 少し本格的に訓練してみない?」
モバP「ちょっとそれに興味あるけど幸子を時子さんみたいにするのは止めてください」
まゆ「時子さん。Pさんが言葉攻めで悶えていた話を……」
モバP「だからアイドルがそこに食いつくんじゃありません!」
ちひろ「Pさん、うるさいですよ? ドリンクの値段倍にされたいんですか?」
モバP「はい。すみません!」
モバP(くそ……時子さんから目を離してないのにこんな事になるなんて……)
モバP(もし目を離していたら……)
時子「そう、そうよ! その視線が下僕どもを従えさせるのよ!」
まゆ「こ、こうですか?」
幸子「ふ、ふふーん」
モバP「一瞬目を離していただけなのに時子様のドS講座になってる!?」
時子「講座? 違うわね。二人とも私に屈服したのよ。安心なさい。二人とも立派にサディスティックなアイドルにしてみせるわ」
モバP「ダメです! 時子さんみたいなキャラは一人いれば十分です!」
モバP「……ダメだ時子さんの影響力が凄すぎて目が離せない」
終わり
時子様には何とも言えないカリスマがあると思います。
修羅場になると思った方。残念ながらこのシリーズのまゆはへっぽこです
依頼出してきます
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