モバP「まゆから目が離せない」 (21)
モバP(今日から温泉で二泊三日の撮影か……。うちのアイドルたちで観光地を案内する旅行雑誌のコーナーと言う企画だけど)
モバP(裕子は……まあ黙ってれば大丈夫だろう。スプーンが無ければ普通の子だ)
モバP(凛も多分大丈夫だ。心配ない)
モバP(問題なのは……)
???「Pさん♪」
モバP「!」ビクッ
???「どうしたんですかぁ? Pさん。そんなにびっくりして」
モバP「なんだ。まゆか。後ろから声かけられたからびっくりしたんだよ」
モバP(今ちょうどまゆの事を考えようとしてたから、なんて言えない)
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まゆ「そうですかぁ。楽しみですね。今日からの撮影」
モバP「そ、そうだな。結構大きな仕事だから上手くやれば今後の仕事も増えるしな」
まゆ「はい♪ あら?」
モパP「ど、どうした!?」
まゆ「いえ、ちょっとPさん屈んで貰えますか?」
モバP「こうか?」
まゆ「そのままじっとしててくださいねぇ。んしょ」
モバP(おおお。まゆの小さな手が俺の肩に触れて! 小さいのに一生懸命背伸びしようとしてるまゆ可愛い!)
モバP(そしてわざとなのか天然なのか! 丁度俺の目の前にまゆの胸元が……!)
まゆ「はい、取れましたよPさん。ゴミが付いてました」
モバP「ありがとう。それ位言ってくれたら自分で取ったんだけどな」
まゆ「うふふ。だってそうしたらまゆがPさんのお世話出来ないじゃないですかぁ」
モバP(と、まあこんな調子の出来事が日々何度も続いている)
モバP(正直慕われてるのは悪い気はしないが、俺だって男だ。可愛い女の子がこんなことを繰り返してくると気になって仕方ない)
モバP「ちゃんと言葉にするべきか……」
まゆ「何を言葉にするんですかぁ?」
モバP「い、いや。なんでもない! ただの独り言だ!」
まゆ「ふぅん……?」
モバP(車に揺られる事数時間。撮影現場の温泉に到着した)
モバP(早速凛の撮影が行われる。明日の昼にまゆ、夜に裕子だ)
モバP(撮影が始まってしまえばプロデューサーの仕事はそのアイドルに付っきりになる)
モバP(つまり今の時間、まゆは完全にフリー)
モバP(嫌な予感しかしない。まゆが目の届かないところにいると言うのが堪らなく不安だ)
凛「プロデューサー?」
モバP「お? おおう。どうした凛」
凛「いや、どうしたはこっちのセリフなんだけど。さっきからぼんやりしてるけど大丈夫?」
モバP「すまんすまん。ちょっと心配事があってな」
凛「もしかして今の撮影が延びたからスケジュールの問題?」
モバP「そっちは大丈夫だ。ほら。風邪ひくから早く着替えて来なさい」
凛「……うん。それじゃあまた後で」
モバP(流石にアイドル相手にまゆの事を相談するわけにも行かない)
モバP(……夜の撮影の前に風呂にでも入ろう。結構立派な部屋風呂付きだったはずだ)ガラッ
まゆ「お待ちしてましたよぉ。Pさん」
モバP「」
まゆ「Pさんが来ると思って支度して待ってたんですよ……そう、ずっと」
モバP(嫌な予感的中! まさかここまで大胆な事をしてくるとは!)
まゆ「凛ちゃんの撮影が終わる少し前くらいに忍び込んで、今か今かと待ち続けて……」
モバP(っていうかタオル巻いてるけど水吸って透けてるし! 肌色が……!)
まゆ「まゆ、Pさんの事考えてたら身体が熱く……」フラァ
モバP「まゆ? まゆううううう!」
モバP(いきなり倒れてびっくりしたが単なる湯あたりの様でほっとした)
モバP(結局風呂には入らずに夜の撮影が開始される。響きが卑猥だと思ったのは気のせいだ)
モバP「良いか裕子。頼むから変なことするなよ。撮影中はスプーン禁止だからな」
裕子「プロデューサー。そんなスプーンいつでも持ってる人みたいに……」
モバP「いや、言ってただろ。会ったばっかの頃スプーンはいつも持ち歩いてます! って」
裕子「そ、そんなこともありましたねー」
モバP「眼を逸らすんじゃない。俺は少し打ち合わせしてくるから任せたぞ」
モバP(明日の撮影は別の旅館で行われる。向こうの担当者と今日の内に話をしておく必要がある)
モバP「えっと車のキーは……あったあった」ガチャ
まゆ「どこ行くんですかぁ?」
モバP「」
まゆ「Pさんが来ると思って隠れてたんですよぉ」
モバP(ついさっきまでのぼせて倒れてたのにもう復活したのか!)
まゆ「今度こそ二人っきりですね……」
モバP(大慌てで来たのかまだしっとりと湿り気を帯びた髪……何か色っぽい!)ドキッ
まゆ「それはそうとPさん……」
モバP「お、おう! どうした!」
まゆ「まゆ、なんだか寒くて……寒くて温めて欲し……」ガタガタ
モバP「まゆ? まゆううううう!」
モバP(風呂上りに暖房も入っていない車内にいたせいで身体が冷えたらしい)
モバP(問答無用でもう一度風呂に叩き込んできた)
モバP(Pさんも一緒にどうですかぁ? と言ってる辺り反省はしていないだろう)
スタッフ「それじゃあ今日のスケジュールはこちらで……」
モバP「はい。よろしくお願いします」
モバP(朝一の打ち合わせが終わり、今日も順調に撮影が行われていく)
モバP(流石のまゆも撮影中は大人しい物だ)
まゆ「縛られちゃう……?」
モバP(大人しいと言うのは訂正しよう。新しい衣装に束縛するかのようなリボン。ノリノリだ)
スタッフ「はい、佐久間さんお疲れ様です」
まゆ「ありがとうございます。あらPさん♪」
モバP(撮影が終わり、俺に気付いたまゆ。その時事件が起こった!)
まゆ「あら? リボンが絡まって……」
モバP(まるで壮大な仕掛けを見ているかのようだった。足元に絡まったリボンを避けようとしたまゆが蜘蛛の巣に絡められるようにリボンに縛られていく)
まゆ「P、Pさん。助けてくださぁい」
モバP(涙目のまゆ可愛い!)
まゆ「あ、あら? 足が縛られて」ステン、ゴンッ
まゆ「起き上がれません……鼻打ちました。Pさぁん」シクシクシク
モバP「まゆ? まゆううううう!」
モバP(一体どうやったのか。リボンでぐるぐる巻きになったまゆはそのまま顔から倒れてしまった)
モバP(怪我が無いのが幸いだった)
モバP「よし。これが最後の撮影だ」
凛「撮影って……ここ?」
裕子「廃墟ですか!」
まゆ「え゛」
モバP「ああ。心霊スポット特集もしたいんだと」
モバP「二カ所で平行して撮影するから二手に分かれるぞ。凛と裕子はこっちのスタッフの方と一緒に」
モバP「まゆは俺と一緒にこっちの人達とだ」
凛「分かった。行こうか裕子」
裕子「はい、幽霊が出てもサイキックパワーで撃退しますよ!」
モバP「よし、それじゃあ俺たちも行こうか」
まゆ「は、はい……」
モバP(珍しくまゆが静かだ。いつもなら怖いですPさんとか言って抱きついてきそうなのに)
モバP(開始早々、まゆは涙目になってキョロキョロと落ち着きなく周囲を見渡している)
モバP「なあまゆ」
まゆ「ははははははい! 何でしょうかPさん♪」
モバP「むちゃくちゃ声震えてるし、頬ひきつってるぞまゆ」
まゆ「す、すいません。実は私……こういうの苦手で」
モバP「はっはは。そうか。何か意外だな」
まゆ「笑わないでくださいよ! もう」
モバP「すまんすまん。あれ、まゆの肩に手が」
まゆ「」キュウ
モバP「まゆ? まゆううううう!」
モバP(まさかそんな軽い冗談で失神されるとは思わなかった)
モバP(倒れこむ前に抱き留められたのは我ながらナイスな動きだった)
ちひろ「プロデューサーさん! 撮影お疲れ様でした」
モバP「向こうの人がこちらを気に入ってくれたのでまた同じような企画でやりたいって言ってましたよ」
ちひろ「お、良いですね。今度は大人組でアダルティな感じにするのも良いですね」
モバP「それは見てみたいですね。……次はハロウィンですか?」
ちひろ「はい! 今度参加するのは輝子ちゃんと小梅ちゃん、杏ちゃん。それとまゆちゃんですね。早速衣装合わせしてますよ」
モバP「まゆか……」
ちひろ「最近まゆちゃんもオファーが多くなってきましたね! CDデビューの話も来てますし」
モバP「ええ」
ちひろ「担当のアイドルが売れてるって言うのに元気ないですね。何かありました?」
モバP「実は……最近気が付くとまゆを眼で追っていて」
ちひろ「え、それって」
モバP「はい、恐らく」ガチャッ
幸子「大変ですPさん! ハロウィンで使う棺桶から飛び出した輝子さんにびっくりしてまゆさんが倒れました!」
モバP「ああ、もう!」
モバP{まゆからは心配で目が離せないな!」
投下は以上です。最近増えてきたまゆSSに触発されて初投稿
最初はエロいまゆを書こうとしてたのにどうしてこうなった
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