ザザーン……
ザザーン……
小鳥「目の前には海、家には蒲団とウェットスーツとお米とお味噌……」
小鳥「はぁ、覚悟を決めようかしら……」
響「しょうがないぞ。もう、ここまで来ちゃったし……」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1404067593
~~~~ 数時間前 事務所 ~~~~
響「今日は、響チャレンジ特別編の撮影か~」
響「しかも、この為だけの特番があるって言うから、ちょっと気合も入るぞ」
響「だけど、今日の今日まで内容が秘密って、何するんだろ?」
ガチャッ
響「おはよう、プロデューサー」
P「おう、響。早いな!」
響「うん、今日から特番の撮影だって言うから、気合い入れてきたよ」
P「うん、良い心がけだ」
響「ところで、どんなことするんだ?」
P「ちょっと待っててくれよ」
ガチャッ
小鳥「おはようございます」
P「あ、小鳥さん、おはようございます」
響「おはよう、ぴよ子」
小鳥「おはよう、響ちゃん」
小鳥「朝から響ちゃんの声を聞くと、元気が出るわ~」
P「ですよね~」
小鳥「太陽のような笑顔!」
小鳥「小さな身体だけど、抜群のスリーサイズ!」
小鳥「そして、あふれる元気!」
小鳥「響ちゃんの共同生活の相手は、誰なんでしょう?」
小鳥「こんなコと一緒に生活できるとか」
小鳥「誰でもテンションあがるわよね~」
P「ですよね~」
響「ふ、二人とも何を言ってるんだ?///」
P「やっぱり、響は完璧だよな~」
響「プロデューサーまで、なんだか気持ち悪いぞ」
P「そんな響にやってもらいたいチャレンジは」
P「知らない場所で生活してみよう!」
響「え?」
P「今回の響チャレンジは」
P「これから目隠しをして連れて行った場所で、三日間生活してもらうぞ」
響「撮影スタッフさんとかどうするんだ?」
P「音無さんがやる」
小鳥「は?」
P「響と共同生活できたら、テンションあがるって言ったでしょ?」
小鳥「……いや」
P「はい?」
小鳥「……ほら、私は事務仕事とか忙しいですし」
P「ゴールデンウィークは忙しかったなぁ……」
小鳥「!?」
P「どーしてもコミケ行脚に行きたいって言って、土下座までしてましたけど」
P「後でなんでも言うコト聞くって、言ってましたよね?」
小鳥「……」
P「覚悟は決めましたか?」
小鳥「けど、着替えとか、何も準備が……」
ゴソゴソ
P「このイヤホンをどうぞ」
小鳥「嫌な予感が……」
P「中継の秋月さーん」
律子『はーい』
P「いま、どちらですか~?」
律子『アラサー腐女子の部屋の中ですが……』
律子『来たのが私でよかったですね』
律子「色々とありすぎてアイドルの子たちには見せられません」ハァ
小鳥「ちょ、ちょっと!? プライバシーの侵害ですよ!?」
P「ここは多分放送されないから、多分大丈夫です」
小鳥「来るってわかってたら、ちゃんと片付けてたのに!」
律子『音無さん』
小鳥「はい?」
律子『女性なんですから、最低限の片づけはしておきましょうね』
小鳥「……はい」シクシク
律子『とりあえず、部屋を片付けて荷物はあとで届けますから』
律子『安心して、ロケに行って来てください』
小鳥「……はぁ」
響「自分も荷物は持ってきてないぞ?」
P「響も、これ」
響「ん?」
P「中継の四条さーん」
貴音『はい、こちらは響の自宅にお邪魔しております』
響「た、貴音!?」
貴音『はい?』
響「へ、へび香とか大丈夫なのか!?」
貴音『そこは、わたくしのアシスタントが……』ジュイッ
響「ん?ハム蔵の声が」
響「貴音、そこにハム蔵がいるの?」
貴音『ええ、おりますよ』
響「ちょっと、イヤホンの音量最大にしてハム蔵の前に置いてくれる?」
貴音『わかりました。しばしお待ちを……』
貴音『どうぞ』
響「へび香とか別の部屋に連れてってくれたのか?」
ハム蔵『ジュイッ(そうだよ)』
響「これから三日間くらい留守にするけど、家の事たのんだぞ」
ハム蔵『ジュジュイッ(まかしとけ!)』
響「たーかーねー、もういーぞー」
何でや!アニメで小鳥さんの部屋凄いキレイだったやないか!
貴音『はい、戻しました』
貴音『響の荷物は、私が責任を持って届けますのでご安心を』
響「うん、わかったぞ」
貴音『では、後ほど』
P「音無さんほどのうろたえは無かったな」
響「貴音はけっこう遊びに来てくれてるし」
響「部屋だってそんなに汚くはないからな」
P「さすが響!それに比べて……」
小鳥「……」
P「そろそろ立ち直ってくださいよ」
小鳥「ちゃんと部屋の片づけはマメにやっておこう……」
P「……さて、音無さんが立ち直ってきたところで、行きましょうか」
P「事務所の車に乗ったら、このアイマスクを着けてくれ」
小鳥「はい」
響「変なことしないでよ~」
P「したいのはやまやまだけど、運転中だしな」
小鳥「私にはしてもいいですよ、その代わり……」
P「遠慮しときます」
小鳥「即答って……」
P「では、しゅっぱーつ!」
限界が来たから寝るわ~。
>>10
そこはホラ、SSだから許して
~~~~~~~~~~~~
小鳥「で、陸路と空路と海路を運ばれて今に至る……と」
小鳥「こんなことになるなら」
小鳥「コミケ行脚なんてしなきゃよかったわ」
小鳥「こうなったら、思う存分響ちゃんを堪能してやる」ジーッ
響「た、堪能って、どうするんだ?」
小鳥「そりゃー、みんなの知らない響ちゃんを、余すとこなく……」ジリッ
響「え……!?」
小鳥「……」ジリッ
響「……ピヨ子、目が怖いぞ?」アセッ
小鳥「響ちゃ~ん、楽しみましょうね~っ」ギューッ
響「うぎゃーっ、離せーっ!!」バタバタ
響「はぁっはぁっはぁっ……」
小鳥「いやーっ、とりあえず響ちゃん分を補充できたわ」
響「……ピヨ子は一応、撮影スタッフも兼ねているから、よろしく頼むぞ」
小鳥「ええ、わかったわ!」
小鳥「しかし、撮影スタッフが事務員で」
小鳥「機材がマイクとハンディカメラって」
小鳥「どんだけ低予算なのかしらね?」
小鳥「ホラーを撮影するならいざ知らず、こんなんで良いのかしら?」
小鳥「まぁ、気にしたら負けかしら」
小鳥「とりあえず、ビデオ回していくわよ」
響「プロデューサーは、普通どおりに生活してくれれば良いって言ってたけど」
響「ウェットスーツがあるってことは、食材は自分たちで集めろって事だよね?」
小鳥「そうね」
響「食材を集める時点で、普通の生活じゃないぞ?」
小鳥「響ちゃん」
響「ん?」
小鳥「気にしたら負けよ」
響「そ、そうだな」
小鳥「けど、野菜とかどうするのかしら?」
響「無人島ではなさそうだから、譲ってもらったりするんじゃないのか?」
小鳥「あんまり想像できないわね?」
響「そうかな? 自分の田舎ではけっこう当たり前だったぞ」
小鳥「今の東京じゃなかなか見られない光景かも」
小鳥「でも、食材確保が簡単なら、あんまり難しい生活では無いのかもね」
響「そうだな、まぁ、自分完璧だし、ピヨ子も安心してるといいさ」
小鳥「今日ほど、響ちゃんが頼もしく見えた日は無いわ~」
響「とりあえず、カメラを回すさ」
小鳥「まかせといて~」
~~~~ モニタールーム ~~~~
P「そんなわけで、最終回の共同生活スタートです」
P「音無さんにカメラを持たせたけど」
P「実際はスパイカメラで並行して撮影も行っているので」
P「取り漏れは無しで安心」
P「ってか、響ほど海が映える女の子もなかなかいないなぁ」
P「……」
P「一人でモニター監視もちょっと寂しいな」
P「まぁ、いいか」
P「とりあえず、響を思う存分堪能しよう」
~~~~ どこかの漁村 ~~~~
響「そういえば、着替えってまだ来てないけど」
響「どうやってくるんだろ?」
小鳥「そういえばそうね」
小鳥「けっこう遠くまで来たけど、だれかが持ってきてくれるってことでしょうね」
響「さすがに着替えも無く、海には行けないぞ」
小鳥「そうね。とりあえず、この辺を散策してみましょうか」
スタスタ
小鳥「あ、第一村人発見!」
響「他の番組のネタ使っていいのか……」
小鳥「こんにちわ~」
おばあちゃん「あら、こんにちわ」
響「ばあちゃん、元気そうだね」
おばあちゃん「毎日、畑耕したり、散歩したりしとるしの~」
響「散歩って、どれくらい歩いてるんだ?」
おばあちゃん「うーん、島を半周くらいかね~」
響「半周!?」
おばあちゃん「若いもんの足なら、6時間もあれば一周できるぞ」
響「けっこう小さな島なんだね」
おばあちゃん「そうじゃなぁ。魚ばっかり取れる、小さな漁村じゃな」
おばあちゃん「本島からも離れているから、年寄りばっかりだけど、のどかなところじゃ」
おばあちゃん「あんたたちは、どこから来たん?」
響「東京からだぞ」
おばあちゃん「あらあら、そりゃーずいぶん遠いところから来たんじゃねぇ」
おばあちゃん「どこに泊まりよるん?」
響「海が目の前にある、一軒家だぞ」
おばあちゃん「ああ、あの空き家かぁ」
響「わかるの?」
おばあちゃん「まぁ、小さい島だからなぁ」
おばあちゃん「あそこに住むのかい?」
響「うん、3日間だけだけどね」
響「今回は、テレビの撮影で来てるんだ」
おばあちゃん「あれ、今撮っとるん?」
おばあちゃん「あれ、今撮っとるん?」
響「うん、なまっすかサンデーって知らない?」
おばあちゃん「TVはあんまり見んけーの」
おばあちゃん「息子夫婦なら知ってるかもな~」
おばあちゃん「しっかし、こんなことなら一張羅着ときゃーよかった」
響「ばあちゃん、十分若々しいから大丈夫だぞ」
おばあちゃん「ありがとよ~」
おばあちゃん「お前さんたち、時間はあるのけ?」
響「うん、特にやることも無いから、とりあえず島を歩いてたんだ」
おばあちゃん「そろそろ、漁に出てるもんも帰ってくるし」
おばあちゃん「遅い昼飯にすっけど、来るか?」
小鳥「でも、お邪魔じゃ……」
グゥ~~~ッ
小鳥「ひ、響ちゃん?」
響「ぴ、ピヨ子、み、みっともないぞ///」
小鳥「響ちゃん、ここは私ということにしといてあげるわ」ププッ
おばあちゃん「身体は正直じゃのう」ヒャッヒャッヒャ
響「うぅ/// ど、どうもありがとう……」
響「じゃあ、ばあちゃん、改めてよろしくね」
おばあちゃん「はいよ」
~~~~ 漁港 ~~~~
おばあちゃん「と、いうわけじゃ」
息子「あれ、あんた、日曜朝に……」
響「うん、知ってるの?」
息子「ああ~、やっぱり? これってもしかして……」
響「うん、響チャレンジ特番の撮影中だよ」
息子「マジか~! みんな~、こんなさびれた漁村がテレビに映るってよ~」
ワイワイガヤガヤ
「生っすかサンデーに出れるって?」
「うちの娘も呼んでいいかな」
「うちの子の嫁に来ないか~」
ワイワイ
小鳥「響ちゃんがあの中に混じっても違和感が無いわ」
小鳥「さすが、海育ち」
おばあちゃん「さあ、ご飯が出来たぞ~」
小鳥「こ、これは……」
小鳥「酒がほしくなる料理ばかりじゃ……」
響「ピヨ子、一応仕事中だぞ」
小鳥「わ、わかってるわ……」ジュルリ
カンパーイ
小鳥「あれ、こんな日中からお酒飲むんですか?」
漁師1「ああ、俺たちは仕事終わったしな」
小鳥「……」
漁師2「さっきからビデオ撮ってる姉ちゃんも飲むかい?」
小鳥「いえ、私は……」ダラダラ
漁師3「ほら、かたいこと言わずに」トクトク
小鳥「響ちゃん……」チラッ
響「やっぱり、飲んじゃうのか?」
小鳥「ちょびっと、舐めるだけだから」
響「……しょうがないなぁ」ハァ
小鳥「ありがとう、響ちゃん大好き」チュー
響「や、やめろって」
小鳥「では、かんぱーい!」カチン
漁師「かんぱ~い!」カチン
グビッ
小鳥「うんんんんんまぁ~~~いっ」
漁師1「お、良い飲みっぷり」
漁師2「ほれ、もう一杯」
小鳥「ありがとうございますっ」
小鳥「刺身と日本酒の組み合わせ、たまりませんね~」
響「ぴ、ぴよ子!?」
~~~~ モニタールーム ~~~~
P「うわ、めっちゃ美味そう」
P「なんで、外で食べる料理ってあんなにうまそうに見えるのかな」
P「しかも、昼間から酒なんて飲んじゃって」
P「あの人、仕事だって忘れてんじゃなかろうか……」
P「まぁ、もうすぐアイツが到着するから」
P「きっちりシメてくれるだろ」
P「我ながら、ナイス人選」
~~~~~~~~~~~~~~~~
ワイワイ
イイノミップリダナァ
響「ぴ、ぴよ子、そんなに飲んだらダメだって……」
小鳥「勧められた酒を断ったら、女がすたるってもんよ、響ちゃん」
響「あ……」
「おねえさん、良い飲みっぷりですね、宜しければもう一杯どうぞ」トクトク
小鳥「ありがとうございまーす」グビグビ
小鳥「って、聞いたことのある声ねぇ」
小鳥「横顔もだれか……に……」ダラダラ
律子「あら、もうよろしいんですか、お・と・な・し・さん?」ビキビキ
小鳥「り、律子様お久しぶりでございます」
律子「真昼間から何やってんだダメ無ぃ!!」
小鳥「も、もうしわけございませーん」ドゲザー
~~~~ 海沿いの空き家 ~~~~
響「いやー、荷物を持ってきてくれたのが律子で助かったぞ」
律子「全く、響は未成年なんですからね」
律子「保護者としての自覚も持ってください」ガミガミ
小鳥「も、申し訳ございません」ダラダラ
貴音「律子嬢、小鳥嬢も反省しているようですし」モグモグ
小鳥「貴音ちゃ~ん」シクシク
貴音「しかし、新鮮な物を使った料理というのは」
貴音「真、美味ですね」モグモグ
貴音「これだけでも十分来た甲斐があったというものです」
響「うん、島を歩いてる途中で会ったばあちゃんが、誘ってくれたんだ」
響「食材も何もない状態だったから、凄い助かったぞ」
響「今日の晩御飯にって、料理のあまりも分けてくれたし」
響「初日の出足としては、大成功だったさー」
響「ぴよ子がお酒を飲む以外は」アハハ
小鳥「ごめんね、響ちゃん」
響「まぁ、一回は断ってたし、仕方ないよね」
律子「お酒はこれっきりにしてくださいよ」
小鳥「ふぁ~い」
響「そういえば、二人はこれからどうするんだ?」
貴音「私は、律子嬢に付き添ってもらいラーメン探訪の地方ロケです」
律子「ええ。だから、これから島を出て岡山入りよ」
小鳥「……」ホッ
律子「響、小鳥さんがおかしくなったら、すぐに電話してね」ギロリ
響「わかったぞ」
小鳥「ひーん」
~~~~ 一日目 夕方 ~~~~
律子「それじゃ、響、がんばってね」
律子「小鳥さん、宜しくお願いします」
貴音「響、頑張ってくださいね」
響「うん、貴音も律子もわざわざありがとう!」
ブオォォォォォッ
小鳥「ひどい目にあったピヨ」ハァ
響「自業自得だよ」
小鳥「さて、これからどうしようかしら」
響「もうちょっと、近くを散策してみようよ」
響「晩御飯の準備が必要ないから、ちょっと時間も取れるし」
小鳥「そうね、そうしましょうか」
~~~~ モニタールーム ~~~~
P「まぁ、仕事中のはずなのに昼間っから酒飲んでんの見たら、誰でも怒るよ」
P「しっかし、無料なのに普段行く居酒屋よりイイもん食ってたな」
P「やっぱり、小さな村っていいよなぁ」
P「漁村もいいけど、山村もいいんだよな」
P「噂が広まる早さがおかしいくらい早いって、デメリットもあるけどな」アハハ
P「まぁ、田舎はどこも同じか」
P「さて、律子たちも出たし、もうちょっと様子見とくか」
~~~~ 一日目 夜 ~~~~
響「それじゃ……」
ひびこと「いただきまーす!」
小鳥「お酒に合うってことは、当然ご飯にもあうわよねぇ」
響「そういうもんなのか?」
小鳥「ええ、あずささんにも食べさせてあげたかったわぁ」
響「それなら、明日作り方を聞きに行こうよ」
小鳥「そうね、幸い時間もあるし」
響「あとは、保育園と小中学校があったね」
小鳥「ええ、せっかくだし、ちょっと行ってみる?」
響「うん、小さい島の学校とか、ちょっと面白そうだし」
小鳥「明日の予定は、そんな感じになりそうね」
響「あとは、明日から食材調達が必要になるから」
響「素潜りするのに漁師さんに挨拶もしておかないと」
小鳥「そういうもんなの?」
響「うん、それが礼儀ってもんさー」
小鳥「色々あるのねぇ……」
小鳥(響ちゃんがイキイキして見えるわ)
響「ごちそうさま! 自分、食器を片づけるぞ」
小鳥「私はお風呂を沸かしてくるわ」
響「うん!」
~~~~ 1時間後 風呂場 ~~~~
チャプン
響「ずいぶん、古いタイプのお風呂だなぁ……」
響「お湯が冷めたら、どうやって温めるんだ?」
ガラガラッ
小鳥「ひーびーきーちゃん」
響「うわっ」アセッ
小鳥「お風呂一緒に入ってもいいかしら?」
響「もう、タオル巻いてるだけで裸じゃないか!」
小鳥「断られても入る気だったから」アハハ
小鳥「それに、旧式のボイラータイプの湯沸かし器だから」
小鳥「響ちゃん使い方わからないでしょ?」
響「たしかに……」
小鳥「ま、こんな機会もなかなか無いから、一緒に入りましょ」
響「しょうがないなぁ」
小鳥「じゃ、失礼するわね」チャプン
響(ピヨ子って、意外にスタイルいいんだなぁ……貴音と同じくらい?)
小鳥「じろじろ見られると恥ずかしいわ~」
響「そ、そんなこと無いぞ!」
小鳥「後10年若かったら、スタイルだけなら貴音ちゃんにも負けてないのに」フフッ
響「今からでもレッスンすればいいんじゃないか?」
響「プロデューサーもプロデュースしたいって言ってるじゃないか」
小鳥「私は、10年前にアイドルとしては終わったのよ」アハハ
響「ピヨ子って、アイドルだったの!?」
小鳥「そうよ~。みんなほど活躍もできなかったけどね」
響「そうなんだ……」
響「何か……あったのか?」
小鳥「……うーん」
小鳥「ま、大したことじゃないの」
響「……?」
小鳥「それに、今は、みんなの活躍を支えるための裏方でも十分楽しいわ」
響「……」
響「それなら……」
小鳥「?」
響「それなら、自分がピヨ子の気持ちも乗せて、トップアイドルになる!」
小鳥「ありがとうね、響ちゃん」ニコッ
小鳥「そのためには、この響チャレンジもしっかり成功させないとね」
響「うん!」
~~~~ 二日目 朝 ~~~~
チュンチュン
響「ピヨ子、朝だぞーっ!」
小鳥「うーん、あと五分……」
響「もう、しょうがないなぁ」
響「とりあえず、朝ごはんの準備でもしとこうかな……」
響「って言っても、昨日の残り物だけどね」
小鳥「おふぁよう、ひびきちゃん」
響「遅いぞ、ピヨ子。ご飯できてるからね」
小鳥「……」
小鳥「目が覚めて、人がいるっていいわねぇ」ジーン
小鳥「しかも、今をときめくアイドル、我那覇響が作る朝ごはん付」
小鳥「オークションに出したら、いったいいくらの値がつくのかしらね」
響「何言ってるんだ?」
小鳥「独身女性は、普段は孤独と妄想との闘いなのよ」
響「結婚すれば良いのに……」
小鳥「それができないから、この年になったのよ」ハァ
響「でも、昨日の漁師さんの一人が、嫁に来いって言ってなかった?」
小鳥「さすがにここだと、生活していく自信が無いわ」
響(そうやって、選り好みしてるのが原因じゃ……)
小鳥「さて、朝ごはん食べて今日もがんばろうかしら!」
響「う、うん」
~~~~~~~~~~~~~~~~
小鳥「これで、昨日貰った食事が無くなったわね」
響「うん、今日は食材の調達もしないといけないだろうから」
響「海に取りに行くことを考えて、組合には早めに挨拶に行っておくさー」
小鳥「ええ、そうしましょ」
響「とりあえず、片付けも終わったし、外に出ようよ」
~~~~ 漁村 保育園付近 ~~~~
響「と、いうわけで散歩がてら保育園まで来たけど」
小鳥「やっぱり、小さいわねぇ」
響「うん、こんなもんだと思うよ」
響「丁度、外で先生と園児が何かやってるね……って」
小鳥「あれ?」
先生1?「みんなー、こんにちわー」
園児「こーんにちわー!」
先生2?「せんせいのこと、知ってるコはいますかー」
園児「はーい」ワイワイ
先生1?「今日は、先生たちがおどりをおしえに来ました」
園児「わーい」キャッキャッ
園長「みなさん、先生によろしくお願いしますは~?」
園児「あずさせんせい、やよいせんせい、よろしくおねがいします!」
あずさ「はーい、こちらこそよろしくお願いします」ペコリ
響「あれ、あずさとやよいじゃないか!?」
小鳥「二人とも、どうしたんですか!?」
園児「あれ? ひびきちゃんだ~!」
やよい「今日は、響チャレンジの出演も兼ねて、保育園でボランティアですっ」
あずさ「小さい島だから、いつかは来ると思っていたけど、早めで良かったです」
あずさ「みんな~、もう一人せんせいが加わりましたよ~」
やよい「ひびきせんせいです~」
響「え、あ、が、がなはひびきだぞっ! 今日はよろしく~」
園児「はーい!」
園長「TVに出演してるアイドルの人たちが来てくれて」
園長「あのコ達も今日はさらに元気みたいですね」
園長「忙しいのに、ありがとうございます」ペコリ
小鳥「いえいえ、気になさらないでください」
園長「そう言ってもらえると助かります」
小鳥「そういえば、ここの漁協の組合長の方ってご存知ですか?」
園長「うちの夫ですが、何か?」
小鳥「ええっ、そうなんですか?」
小鳥「実は……」
園長「それでしたら、電話を入れておきますよ」
小鳥「助かります。後で挨拶に伺いますので」ペコリ
園長「ええ、伝えておきます」
小鳥(なんだか、プロデューサーみたいな仕事になってきたわね)
~~~~ 給食時間 ~~~~
園児「ごちそうさまでした~!」
あずさ「はい、よくできました」
やよい「とーっても、美味しかったです」
小鳥「わたし達までいただいて、すいません」ペコリ
園長「いえ、あの子たちの大きな思い出作りのお礼です」
小鳥「いただいてばかりで恐縮なんですが、私たちはこれで失礼します」
園長「ええ。主人も待ってると思いますので」
やよい「私たちは、園児のみんなが帰る時間までここにいますから」
響「夜には帰るの?」
あずさ「ええ、そのつもりだけど、明日からオフだから」
あずさ「ここに残って3人で生活していくのも面白そうね~」
小鳥(これは、お酒を飲めるチャンスか!?)
小鳥「ぜひ、そうしましょう!」
小鳥「そうと決まれば、律子さんかプロデューサーさんに電話をしましょう」ピピピッ
やよい「いいなぁ……」
小鳥「やよいちゃんも良かったら、いてもいいのよ?」
響「家も大きいし、部屋は大きいけど部屋数は少ないからみんな一緒の部屋だけどね」
やよい「けど、弟たちが……」
小鳥「それも、困ったときのプロデューサーさんに頼みましょう」
小鳥『もしもし、プロデューサーさんですか~?』
小鳥『実は、カクカクシカジカヒビヤヨペロペロ』
小鳥「やよいちゃん、オッケー出たわよ?」
小鳥「プロデューサーさんにかわる?」
やよい「はいっ!」
やよい「プロデューサー、わがまま言って本当にごめんなさい」
P『心配することはないよ、かすみちゃんたちもしっかりしてるし、2,3日は大丈夫だから』
P『ゆっくり羽をのばしておいで』
やよい「はい、ありがとうございます!」ガルーン
プツッ
やよい「ゆっくりしてこいって言われました!」
小鳥「じゃあ、あずささんもゆっくりしましょう!」
あずさ「そうねぇ、けど、わたしは律子さんがプロデューサーだから」
あずさ「律子さんにも連絡しておかないと」ピピッ
小鳥「……」ドキドキ
あずさ「ええ、そうですか。じゃあ、明日お待ちしてますね」
小鳥「どうでした?」
あずさ「明日、貴音ちゃんを連れて迎えに来てくれるそうです」
あずさ「今日は保育園のお仕事が終わったら、自由にしてって言われました」
あずさ「あと……」チラッ
小鳥「……?」
あずさ「音無さんがハメを外さないように見ておいてくださいって」フフフ
小鳥「大丈夫、だーいじょーぶですって」
響「ピヨ子、何考えてるか丸わかりだぞ」ハァ
小鳥「響ちゃん、大人は色々な顔を持つことが必要なの」
響「都合のいい顔ばっかりじゃないか」ハァ
小鳥「さて、そうと決まれば、組合に出発しましょう」
小鳥「夕ご飯、楽しむためにもね」ピヨー
やよい「わたしも楽しみですっ!」
響「やよいの無垢な笑顔を見てると、安心するぞ」
あずさ「では、また夕方に会いしましょう」
響「うん、いい晩御飯が準備できるように、がんばるさ~!」
~~~~ 漁協 ~~~~
小鳥「ここが漁協ね」
響「失礼しまーす」
ザワザワ
ホ、ホンモノダ
チッチャクテ、カワイイ~
組合長「ようこそ、丸島漁協へ」
組合長「私は、テレビをあまり見ないので存じませんでしたが」
組合長「うちの若い衆にバカにされましたよ」ハハハ
組合長「なんでも、うちの家内の保育園にも来られてたとか」
ザワッ
小鳥「ええ、うちの事務所の三浦と高槻が園児さんのお相手をさせていただいてます」
ザワッ
タカツキトミウラッテ!?
コンナサビレタギョソンニ サンニンモユウメイジンガ!?
ヤヨイチャンハァハァ
男「組合長、今日の業務は明日にまわしましょう!」
女「生やよいちゃん、見てみたいです!」ハァハァ
組合長「明日は土曜日だし、おまえらが良ければわしはかまわんのだけどな」
組合長「先方にも都合もあるだろう」
響「実は、ここには素潜り漁の許可をもらいに来たんだ」
響「食材が、今のところ米と味噌しか無くて……」
組合長「そんなことでしたか」
組合長「……」
組合長「せっかくでしたら、今日の夜は外でBBQでもどうでしょうか?」
ザワッ
響「けど、お金とかはあんまり持ってないんだけど……」
組合長「ここは漁村で、魚はそこそこあります」
組合長「野菜も持ち寄れば、そこそこの種類がそろいますし」
組合長「あんまりお金はかからないので、そこは気にしなくていいですよ?」
響「けど……」
小鳥「……!」ピコーン
小鳥「響ちゃん、私たちはなんの仕事をしているの?」
響「……」
響「……」
響「うん、そうか!」
響「組合長、通信カラオケの設備ってあるの?」
組合長「女君、盆踊りの時のカラオケ大会に使うあれがあるよな?」
女「はいっ、当然765のみんなの曲も選曲できますよ!」
響「それなら、あずさとやよいも呼んで、自分たちは歌と踊りをプレゼントするさー!」
組合長「よし、決まりだね」
男「組合長、当然自分らも参加できるんですよね」
組合長「参加希望者は早急に仕事を終わらせて」
組合長「BBQの準備にとりかかること」
組合長「よろしく頼むぞ?」
ウオォォォォォッ
小鳥「すごい活気」
組合長「それだけ、人気のある方々だったんですなぁ」
組合長「いやはや、今後はTVにも目を通すようにしますよ」アハハ
組合長「あ、素潜り漁の方は、自由に行って結構ですから」
響「うん、ありがとう組合長!」
組合長「いえいえ、では、歌の方は楽しみにしてますね」
響「うん!」
小鳥「では、宜しくお願い致します」ペコリ
響「なんだか、面白くなってきたな~」ワクワク
小鳥「ええ、まさか歌を披露することになるとは思わなかったけど」
小鳥「一応、曲と流れは考えておくわね」
響「ピヨ子って、そういうこともできるの?」
小鳥「私だって、みんなのライブは身近で見てるから」
小鳥「プロデューサーさんや律子さんほどの構成力はないけど」
小鳥「ある程度、流れを考えた組み立てはできるわよ」
小鳥「時間を見て、プロデューサーさんには連絡して相談するわ」
響「……ふーん」ジーッ
小鳥「どうしたの?」
響「ピヨ子って、意外に凄いんだね」
小鳥「私は、人気が出る前から、みんなの事を見てきたし」
小鳥「ライブだって数多く見てきたわ」
小鳥「伊達に裏方で、長いことやってきてはいないわよ」フフッ
響「じゃ、構成とかは任せたぞ」
小鳥「ええ。任せといて」
小鳥「じゃ、小中学校にも行ってみましょうか」
~~~~ 小中学校 ~~~~
小鳥「まずは、職員室にあいさつに行きましょう」
響「うん」
トントントン
先生1「どうぞー」
響「しつれいしまーす」
ホントニキタ
コレデヨニンメダゾ
サインモラワナキャ
教頭「我那覇さんですね? お話は先に来た三人より聞いています」
響「三人?? やよいとあずさじゃないよね?」
教頭「ええ、違いますよ。というか、その二人もこの島にこられているんですか?」
ザワザワ
ヨニンジャナクテロクニンもイルノ
コノムラハジマッテノジケンダ
ヤヨイチャンペロペロ
響「だれが来てるんだ?」
教頭「その三人から、名前を伏せておくように言われているんですが」
教頭「どこかの教室にいると思います」
響「だれだろう?」
小鳥「気になるわね~」
教頭「とりあえず、今日我那覇さんが来られることは、伝えてますので」
教頭「校内は自由にしていただいて結構ですよ」
小鳥「ありがとうございます」ペコリ
ガラガラ
響「やよいとあずさ以外にも来てるって、誰だろうね?」
小鳥「うーん、予想外すぎて、誰だかイメージもわかないわ」ウーン
響「とりあえず、各教室を回ってみようか」
小鳥「ええ」
小鳥「とりあえず、低学年から見ていきましょう」
響「うん。低学年は音楽の授業みたいだな」
トントン
響「失礼します」
ガラガラガラ
千早「う~さ~ぎ~お~いし、かーのーやーまー///」ハァハァ
響「いきなり見つけたけど、もう壊れてるね」タラリ
小鳥「やよいちゃんを愛でる時と同じ目ね」
千早「あら、我那覇さんどうしたの?」
響「せっかく、小さな漁村に来たから、小学校はどうなのかなぁって、見学に来たんだ」
千早「そう」
響「って、自分達が来てるの知ってたでしょ!?」
千早「このコ達の前では、些細なことよ」フフフッ
響「ちなみに、千早はどうして今回の仕事を受けたの」
千早「(歌の素晴らしさを小さな町にも広めるためよ)可愛い子を愛でるためよ」
響「本音と建前が逆になってるぞ」ハァ
小鳥「それでこそ、千早ちゃんね」ピヨヨ
子供「ねぇ、千早せんせぇ、お歌もっと教えてよ~」
千早「ええ、あなたたちの為に全力で教えてあげるわ」キリッ
子供「わーい!」
響「千早、一応夜にはBBQがあるから、覚えておいてね」
千早「ええ、わかったわ」
響「あと、多分BBQのお礼に歌を披露することになると思うから」
千早「もう、ウォーミングアップはバッチリよ」
小鳥「でしょうね~」アハハ
子供「千早せんせ~」
響「じゃあ、千早、無理しないようにね~」
千早「ここに高槻さんがいないから、そこまで無理はしないと思うわ」
響「そ、そっか」
響「ちなみに、この授業が終わったら、海沿いの空き家に来てほしいんだ」
千早「海沿いの空き家?」
響「うん。なんだか、みんな知ってるみたいだから、誰かに聞けばわかると思うぞ」
千早「みんな~、海沿いの空き家ってしてるひと~?」
子供「はーい」
千早「///連れてってもいいかしら?」
響「それはやめて」
千早「ちっ」
響「とりあえず、終わったら場所を教えてもらってきてほしいんだ」
千早「ええ、わかったわ」
響「それじゃ、また夕方にでも」
ガラガラ
小鳥「なんだか、笑顔がまぶしすぎたわね」
響「あんな千早、なかなか見たことないぞ」
響「それに、予想以上に子供に好かれていてびっくりした」
小鳥「まぁ、優くんが亡くなる前には、よく歌を聞かせてたみたいだし」
小鳥「変なことにはならないんじゃないかしら?」
響「それなら良いんだけどね……」
響「次は、中学年の教室か……」
トントン
ガラガラ
響「失礼し……」
ヒューン
パフッ
響「うわっ、こ、黒板消し!?」ケホケホ
「あははははっ、やっぱりひっかかった!」
小鳥「この声は……」
亜美「絶対にひっかかると思ったよ」
響「やっぱり、亜美か真美のどっちかだと思ったけど……」
亜美「んっふっふ~、この時間は自習ってことになったから」
亜美「亜美がイタズラの極意をみんなに教えてたんだYO」
小鳥「いくらなんでも、自由すぎでしょ……」
亜美「今日は特別みたいだよ?」
響「まさか、BBQって小学校も関係あるの?」
亜美「いや、今日って村総出でお祭りするって連絡があったみたいで」
亜美「いろんな人が、いろんな準備してるみたいだよ?」
小鳥「……わずかな間にそんな大きな話になってるのね」
亜美「学校も早く仕事を終わらせるって、ひびきん達が来る前に連絡があったし」
亜美「今日は授業も早めに終わるみたいだよ」
響「そ、そんなに凄い話になってるのか!?」
亜美「なに、どーゆーこと!?」
響「実は……」
亜美「面白そーじゃん!」
響「ちなみに、あと一人ってだれが来てるんだ?」
亜美「はるるんだよ?」
亜美「今頃、家庭科室で中学生に料理を教えているんじゃないかな」
響「うん、わかったぞ」
響「とりあえず、終わったら海沿いにある一軒家に集合してほしいさ」
響「場所は、きっと海沿いの空き家で聞けば、地元の人はわかるみたいだから」
響「よろしく頼むさー!」
女の子「亜美ちゃん、夜のお祭り楽しみにしてるから、がんばってね」
亜美「うん、アイドル亜美ちゃんの本気、見せてあげるから、みんなぜーったい来てね!」
「はーい」
~~~~ 家庭科室 ~~~~
トントン
響「失礼しま~す」
ア、ヒビキチャンダ
ウシロノキレイナオネエサンハ?
小鳥「だれ、綺麗なお姉さんって言ったのは!?///」
春香「音無さん、喜びすぎですよ」
響「良い匂いだなぁ~」クンクン
春香「うん、お祭りで出す料理の下ごしらえを、みんなでしてたんだ」
響「珍しく、お菓子じゃなく料理を作ってるんだね」
春香「ホントはお菓子を教えたかったんだけどね」
響「お祭りだから、お願いされたの?」
春香「うん、お願いされたら断れないし、料理もしないわけじゃいから」
生徒1「春香ちゃんの料理は、お洒落な料理が多いよね」
生徒2「うん、家じゃ絶対出てこないよね」アハハ
響「家だとどんな食事が出てくるの?」
生徒1「魚とか野菜中心の煮物とか、炒め物が多いよね?」
小鳥「その料理が、ゆくゆくは男の心を掴めるから、しっかりと教えてもらうのよ」キリッ
生徒2「は、はい……」ポカーン
響「あ、それはそうと……」カクカクシカジカ
春香「えっ!?」
生徒「えぇーっ! 生ライブが見れるの!?」
ガヤガヤ
響「カラオケが音源だから、そんな大したことはできないぞ?」
春香「すごい話になってるけど、やるなら精一杯やろうよ!」
響「春香なら、そう言ってくれると思ってたぞ!」
響「落ち着いたら、海沿いの空き家に来て」
生徒「春香ちゃん、案内してあげるよ」
春香「うん、よろしく!」
小鳥(春香ちゃんも馴染む能力で言えば、かなり高いわよね~)
小鳥(さて、こっちは戻ったらプロデューサーさんに相談ね……)
~~~~ 夕方 ~~~~
小鳥「凄いことになっちゃったわね」
響「うん。けど、みんながいてくれて助かったぞ」
春香「全員集合だったら、もっと盛り上げられたのにね」
あずさ「仕方ないわ、スケジュールの都合もあるでしょうし」
小鳥「けど、私が撮ったカメラだけで、特番なんて作れるのかしら?」
やよい「プロデューサーは、ちょっと変わった方法で撮影してるって言ってましたよ~」
小鳥「!!」
小鳥(スパイロボットがあったわ。すっかり忘れてた)
亜美「6人いたら、いろんな組み合わせができるね~」
千早「6人いるけど、ユニットとしては微妙に成立してないわよね」
亜美「別に、決まったユニットじゃなくてもいいんじゃない?」
あずさ「それは、面白そうね~」
やよい「保育園の子供たちと、今日教えた、おはよう朝ごはんを踊っても良いですよね」
響「うん。亜美と春香と自分でフェアリーや竜宮の歌を歌っても良いし」
小鳥「ええ、千早ちゃんがカラオケ大会で演歌を歌ってもいいし」
響「せっかくだから、自分たちも楽しもうよ!」
小鳥「BBQのお礼だけど、こんなに自由にできることもないでしょうしね」
響「そうと決まったら、セットリスト考えて、合わせてみよう」
あずさ「わたしは、園長先生に電話してみますね~」
小鳥「わたしは律子さんとプロデューサーさんに改めて電話しておきます」
~~~~ 二日目 夜 ~~~~
春香「プロデューサーさんと律子さん、なんか言ってましたか?」
小鳥「律子さんは」
『プロなんですから、きっちりとしたものを見せてあげてくださいね』
小鳥「プロデューサーさんは」
『面白そうですね~、おれも行ってみたかったですよ』
春香「あの二人らしい返事ですね」アハハ
亜美「しっかし、けっこう集まったね~」
響「さっき聞いたけど、隣の島の人たちも来てるしいぞ」
やよい「そんなに人が住んでる島があるんですか?」
響「うん、周囲の島の人たち集めると、2万人超えるんだって」
あずさ「それだけの人が集まったら、凄いことになるわね~」
千早「さすがに、そこまでは集まらないかと……」
組合長「みなさん、お揃いでしたか」
響「あ、組合長と園長」
「こんにちわ~」
組合長「なんだか、大々的になってしまいまして……」
園長「申し訳ないですね」
響「別に問題ないさー! ご飯のお礼だし、気にすることは無いぞ」
組合長「そう言っていただけると、助かります」
組合長「今日の流れは、カラオケ大会終わって、皆さんの披露となります」
あずさ「園長先生、子供たちはどうでしたか?」
園長「ばっちりです! みんなはりきっていますよ」ニコッ
やよい「わたしも楽しみです~」
園長「ところで、そちらにいらっしゃるのは、如月千早さんですよね?」
千早「ええ、そうですが……」
園長「もしよければ、お祭りカラオケ大会の特別審査員を務めていただけませんか?」
千早「いえ、私なんか人の歌を評価できるほど……」
春香「行ってきなよ~、千早ちゃん」
千早「でも……」
小鳥「歌の素晴らしさを教えてあげに来たんでしょ」ニコッ
千早「……そうですね、お引き受けします」ニコッ
組合長「できれば、最後に歌を一曲いただけると」
園長「あんた、何言ってるの」ギロッ
組合長「いや、孫が歌姫が来たと喜んでいたから……」
千早「ええ、いいですよ」ニコッ
園長「無理言ってすみません」ペコリ
亜美「千早おねーちゃん、ライブにパワー残しといてね」
千早「ええ、わかってるわ。じゃ、行ってきます」
あずさ「園長先生、子供たちを集められますか?」
やよい「私たちも、園児たちと合わせておきたいかなーって」
園長「ええ、大丈夫ですよ、やよい先生」
やよい「はわっ、もう先生じゃないですよ~///」
園長「たった1日でも、あの子たちにしてみたら」
園長「歌と踊りを教えてくれた先生ですから」
園長「あの子たちをお願いしますね」
やよい「はいっ」
あずさ「やよいちゃん、行きましょっか」
やよい「はい! がんばりましょ~」
響「じゃ、自分はもうちょっと練習しておくぞ」
春香「響ちゃん、無理しちゃダメだよ?」
響「大丈夫! なんたって、自分……」
亜美「完璧だもんね!」
響「うがー、真似するな~」
亜美「あはは、けど、ひびきんホントに無理しちゃダメだよ?」
響「うん、大丈夫さー」
春香「じゃ、居残り組は合わせておこっか」
小鳥「カラオケ大会以降の流れの調整は心配しなくていいですからね」
小鳥「安心して、各々調整してきてください」
「はーい」
~~~~ ライブ終了後 ~~~~
亜美「音源がカラオケだから、ちょっとやりにくかったけど」
春香「うん、みんな喜んでくれてたみたいで良かったね」
あずさ「千早ちゃんの舟歌、年配の方に大人気だったわね」
やよい「千早さん、演歌も上手でした~」
千早「ありがとう、高槻さん、あずささん」
春香「しっかし、一番頑張ってたのは……」
小鳥「やっぱり、響ちゃんね!」
亜美「あの短い時間で、よく何曲も振り付け覚えたよね」
響「うん、ちょっと今回は疲れたけど」
響「自分メインの企画だし、頑張って良かったぞ」
おばあちゃん「あんた達、有名人じゃったんねぇ」
響「あ、ばあちゃん」
小鳥「昨日はありがとうございます」
おばあちゃん「昨日の話をしてたら、孫に羨ましがられてな~」
おばあちゃん「もし、問題なければ、ちょっと話してやってもらえんか?」
響「うん、これからご飯ごちそうになるし」
響「それと一緒でよければ、構わないと思うけど、みんなどうかな?」
春香「うん、私は別にかまわないよ」
イイヨ~
イイワヨ
イイデス~
響「うん、問題ないぞ」
おばあちゃん「蓮実~、大丈夫だってよ~」
蓮実「あ、ありがとうございますっ」ペコリ
春香「蓮実ちゃん……でいいのかな?」
蓮実「はいっ!」
亜美「はすみん、あっちでお話しよう! 亜美もうお腹ペコペコ~」
ワイワイ
小鳥「あ、おばあちゃん、ちょっと教えてほしいんですけど……」
おばあちゃん「おお、酒豪のねえちゃん」
おばあちゃん「どうしたんじゃ?」
小鳥「昨日の魚と味噌と何かを細かく刻んだお酒のおつまみが美味しかったんですけど」
小鳥「作り方教えてもらえませんか?」
おばあちゃん「ああ、えーよ。丁度魚もあるじゃろうし」
おばあちゃん「あっちじゃ、若い衆も飲んでるから、つまみ作るついでに教えてあげるよ」
あずさ「あらあら、音無さん。美味しそうなお話ですね~」
小鳥「あずささんも行きましょう! 酒の肴の作り方を聞いて、一緒に作りましょう」
小鳥(そして、一緒に飲みましょう! 共犯がいれば、怒りも分散されるはず!!)
あずさ「ええ、そうしましょ~」
~~~~~~~~~~~~~~~~
春香「蓮実ちゃん、東京に来るときは、絶対教えてね」
蓮実「うん、ありがとう。春香ちゃん」
響「どこに行っても駅は迷路みたいだから、気をつけるんだぞ」
亜美「それって、思ってるのひびきんだけだと思うよ」アハハ
千早「そういえば、音無さんたちはどうしたのかしら」
小鳥「ほんっと、ここのお魚は美味しいですね~っ!」ゴクゴク
あずさ「ええ、毎年来たくなりますね~」コクコク
漁師1「小鳥ちゃん、毎年なんて言わず、永住しちゃいなよ」
漁師2「あずさちゃんも一緒に、どうかな~?」
漁師3「わりと普通以上の生活はできると思うよ~」
あずさ「んふふ~、私は、運命の人だと思う人が東京にいますから~」
漁師2「え~っ、残念! 小鳥ちゃんは?」
小鳥「あと3年経って、結婚相手がいなかったら考えますぅ」
漁師1「じゃあ、待ってようかなぁ」アッハッハ
響「んもう、ぴよ子! 昨日、律子に怒られたばっかりだろ」
漁師3「あ、響ちゃん! 今日はがんばってたね~!」
漁師1「あんだけ過酷な挑戦続けてるだけあって、体力に驚いたよ!!」
響「と、当然さー! なんたって、自分、完璧だからな~///」
響「なんだったら、ここでもう一曲くらい歌ってあげるさー!」
オオーッ
亜美(ちょろい)
漁師2(ちょろいな)
千早(ちょろいわね)
春香「ほら、小鳥さんもあずささんも、そろそろやめとかないと」
春香「明日来た律子さんに怒られますよ?」
あずさ「そうねぇ、そろそろやめとこうかしら」
小鳥「えーっ、もうちょっといきましょうよ~」
小鳥「鬼の居ぬ間になんとやらって言うじゃないですか~」
「そうですよね~! あずささん、もう一杯くらい大丈夫ですよ」
小鳥「そうそう! こちらのおねーさんの……言うとお…り?」
律子「心配して、海上タクシー使ってまで来てみたら……」
律子「だれが鬼なんですかね~、お・と・な・し・さぁん!?」
小鳥「ぷ、プロデューサーさんピヨ」
律子「ここにきて、誤魔化せると思うなよ、愚鳥がぁ!!」
ピヨーッ
ヨーッ
ーッ
~~~~ 海沿いの空き家 ~~~~
律子「まったく、一度ならず二度までも……」ガミガミ
あずさ「まぁまぁ、律子さん」
あずさ「今日は、音無さんも色々とがんばってましたし」
春香「なんだかんだ、気も使ってくれてましたから」
やよい「そこまでにしてあげてください~」
小鳥「みんな~」ウルウル
律子「……ふぅ」
律子「まったく、みんなに感謝してくださいよ」
小鳥「ははーっ」ドゲザー
律子「さぁ、あんたたちもお風呂入って早めに寝なさいよ」
「はーい」
~~~~ 夜中 ~~~~
小鳥「はぁ、正座してた膝が痛い」
小鳥「まさか律子さんが今日来るとは思わなかったわ」
小鳥「……」
小鳥「しっかし、良い風景ねぇ」
小鳥「東京じゃ、こんな星空考えられないわ」
カタッ
小鳥「??」
響「あ、ピヨ子……」
小鳥「あら、響ちゃん。眠れないの?」
響「うん、ちょっと興奮しちゃってさ」
小鳥「確かに、カラオケ設備でやったとは思わないくらい、盛り上がったしね」
響「うん。村の人たちのノリも良くて、こっちも楽しかったし」
小鳥「ええ、園児のお遊戯みたいなのもあったし、十分盛り上がったわね」
響「……」
小鳥「響ちゃん?」
響「いつかは……」
響「……いつかは、沖縄でもこの姿を見せてあげられるのかなぁ」
小鳥「ふふっ、大丈夫よ」ニコッ
小鳥「特番なんて、ある程度人気のある人じゃないと組めないし」
小鳥「もうちょっと人気が出てくれば……」
律子「全国ツアーで沖縄だっていけるわよ?」
響「律子?」
小鳥「起しちゃいましたか?」
律子「いえ、響が部屋を出た時から、起きてましたよ」
響「あ……ごめん」
律子「いつになく、しおらしいわね」フフッ
律子「完璧な響はどこにいったの?」
響「それは……」
小鳥「プロデューサーさんだって、トップアイドルになるまで沖縄に帰らないって」
小鳥「そんな響ちゃんの気持ちを知っているし」
律子「ええ、それをないがしろにする人じゃないって、響も知っているでしょ?」
響「うん……」
律子「それに、響が頑張っている姿は、これまでもTVで放送されてるし」
律子「向こうは、ある程度安心していると思うわよ」
響「そっか、そうだよね」
響「アンマーやにぃには、元気かなぁ……」
小鳥「響ちゃんもある程度有名にはなったから、何かあれば連絡は来るはずよ」
小鳥「便りが無いのは、ある意味問題が起こってないことだと思うわ」
小鳥「それに、子の心配をしない、親はいないわよ?」
律子「ええ、そう思います」
律子「まぁ、全国ツアーの話は、実際そんなに遠くないわ」
律子「このペースでいけば、年末か、来年の夏までには行けると思う」
響「ええっ、そうなの!?」
律子「ええ。立派になるまで帰らないって言うのなら」
律子「おそらくそのあたりが目途になると思うけど」
律子「3日くらいならスケジュール調整できると思うわよ?」
響「……」
響「ここまできたら、あとちょっと頑張る!」
律子「そうね、それがいいのかもしれないわね」
響「うん、それまで、レッスンや仕事をこれまで以上にがんばるさー」
小鳥「がんばってね、響ちゃん」
響「うん!」
響「色々話したら、眠くなってきた……」
律子「明日は、夕方前には島を出るから、そのつもりで動いてね」
小鳥「ええ、わかりました」
響「それじゃ、おやすみ。ピヨ子、律子」
~~~~ 三日目 朝 ~~~~
AM6:00
響「ちょっと早すぎたかな……」
亜美「んー、おはようひびきん」
響「あ、おはよう。亜美」
亜美「はやいね、ひびきん」
響「うん、なんだかミョーにスッキリしちゃってさ」
響「ちょっと散歩に出ようかと思ったんだ」
亜美「面白そうだね!」
亜美「亜美もついてっていーかな?」
響「うん、大丈夫だぞ」
亜美「そんなら、ちょっとした朝の冒険にしゅっぱーつ!」
響「あ、せっかくだしこれも持っていこっと」ガサゴソ
~~~~ 漁港 ~~~~
亜美「昨日は暗かったし、疲れもあったからすごく遠く感じたけど」
亜美「けっこー近いんだね」
響「うん」
亜美「けど、なんで漁港?」
響「せっかく素潜り漁の許可をもらって、しないのももったいないからさ」
亜美「けど、どうやって素潜りなんてするの?」
響「だれかに聞けばわかるんじゃないか?」
女の子「あ、亜美ちゃんだ」
亜美「あ、小学校の……」
響「ねぇ、この辺で、海女さんやってる人っていないかな?」
女の子「うちのおばあちゃんは現役の海女さんだよ?」
響「ほんとう? 今日もやってるのかな??」
女の子「うん、これから出るとこだと思うけど……」
女の子「あの辺にいるとおもうよ?」ユビサシ
響「あ、ホントだ、ありがとう!」
女の子「亜美ちゃん、響ちゃん、またね~」フリフリ
亜美「うん、ありがとー! またねっ」
響「おはようございまーっす!」
海女1「あら、昨日のアイドルのコ達じゃないか」
海女2「こんな朝からどうしたんだい?」
響「素潜りの許可もらったから、やらせてもらおうと思って」
海女3「せっかくだけど、最低限ウェットスーツくらいがないと、今時期はまだ厳しいよ?」
響「ウェットスーツはあるし、泳ぎは慣れてるから大丈夫だぞ」
海女1「そんなら、一緒にやってみるかい?」
海女2「今日は天気も良くて、波も穏やかだから不安も少ないし」
海女3「そっちのおじょーちゃんは?」
亜美「亜美は残念ながら、ウェットスーツないんだ~」
海女1「そんなら、とりあえず船に乗っとくかい?」
亜美「いいの?」
海女2「ここで待ってても、あんまり面白くないだろうし」
海女3「ええ、せっかくだし、取れたてのウニ食べさせてあげるよ」
亜美「ホント!?」
海女1「そうと決まったら、船に乗った乗った!」
響「ありがとう!」
~~~~ 船上 ~~~~
響「ええっ、海女さんって魚は捕ったりしないのか!?」
海女1「そうだけど、どんなイメージだったんだい?」
響「某番組で、とったどぉ~ってやるイメージかなぁ」
亜美「亜美もそうかも……」
海女2「私たちの仕事は、昔からウニやアワビ、海藻なんかを取る仕事だよ」アハハ
響「じゃあ、これは使わないんだな……」
海女3「まぁ、せっかくだから最後にちょっとだけ時間を作ってあげるよ」
響「ほんとに!?」
海女1「お嬢ちゃん達には、昨日楽しませてもらったからね」
響「じゃあ、ばあちゃんたちの仕事も手伝わせてもらうぞ」
海女2「あら、ありがとうね」
亜美「じゃあ、亜美は応援しとくね」
海女3「ああ、よろしくね」
海女1「海の中を見ているといいよ。この辺りは海が綺麗だし、色々見つかるから」
亜美「うん、わかった」
~~~~ 1時間後 ~~~~
海女1「いやはや、泳ぎが得意とは言ってたけど」
海女2「あんた、才能あるよ」
響「そうかなぁ///」
ウニアワビドッサリ
亜美「そのまま、海女さんになっちゃえば?」アハハ
響「ダメダメ、沖縄のあんまーやにぃにがトップアイドルになるの楽しみにしてるんだから」
海女3「ちょっと、捕りすぎちゃったかもねぇ」ハハハ
海女1「ギリギリじゃないかい?」
海女2「昨日のコ達って、まだ島にいるのかい?」
亜美「うん、もう起きてるかな?」
海女1「それなら、この子たちのご飯にすればいいんじゃないかい?」
響「ホントに!?」
海女2「ええ、昨日のお礼と言えば、誰も文句は言わないと思うし」
海女3「小さすぎるのだけは、海に返しておけば大丈夫かね」
海女3「じゃあ、お昼御飯のおかずを増やしに、ちょっと岩場の方まで行ってみようか」
響「うん!」
~~~~ 岩場周辺 ~~~~
海女1「じゃあ、この辺で1時間の時間限定でいいかい?」
響「それだけあれば十分さー!」
海女2「じゃ、がんばっておいで」
響「うん」
亜美「ひびきん、われわれのお昼ご飯がかかってるから、よろしく頼んだよ」
響「まかしといて!なんたって自分……」
あみひび「完璧だもんね」
響「もう、マネするなー!」ウガー
亜美「ほらほら、ひびきん、時間無くなっちゃうよ?」
響「もう…… 行ってくるさ~」
チャポン
海女1「しっかし、あの子はすごいね~」
亜美「ひびきんのコト?」
海女1「ええ。海女の仕事で、あれだけ適応が早いコは初めて見たよ」
亜美「もともと、運動神経がいいからね~」
亜美「もしよかったら、日曜日の朝にやってる、生っすかサンデーって番組見てみてよ」
亜美「ひびきんの運動神経の良さがわかるよっ」
海女2「こんど、孫にでも聞いてみるよ」
亜美「うん!」
ザパーッ
響「さっそく一匹目捕れたぞ!」
海女3「あんた、ホントすごいわぁ」
海女1「うん、メダイかね」
響「魚の種類は良くわからないぞ」
海女2「ああ、血抜きはやっとくから、時間まで楽しんでおいで」
響「うん」
チャプン
亜美「さすが、野生の血!」
海女3「せっかくだから、血抜き手伝ってみる?」
亜美「血抜き?」
海女1「魚の美味しさを保つために、魚の血を抜くんだよ」
海女2「これが上手くいかないと、魚に臭みが出るのさ」
亜美「ひびきんも頑張ってるし、亜美も頑張ってみようかな」
海女3「よし、それならやってみようか」
亜美「うん!」
~~~~ 1時間後 ~~~~
響「結局5匹しかとれなかったぞ」
海女1「いや、1時間で5匹は十分よ!?」
響「そうなのか?」
海女2「ええ。海に愛されてるとしか思えないわぁ」
響「そ、そんな誉めないでよ~///」テレテレ
亜美「ひびきんの捕った魚は、亜美が責任もって血抜きしたからね!」
響「そっか~、お昼が楽しみだね」
亜美「うん、そうだね!」
海女3「じゃあ、漁港に戻ろうか」
~~~~ 漁港 ~~~~
小鳥「おかえり、二人とも」
律子「まったく、朝からどこに行ったのかと思えば……」
響「ごめん、律子」
律子「まぁ、ちゃんと大人の方もいらしたみたいだから、良かったわ」
律子「みなさん、無茶を聞いていただいて申し訳ありません」ペコリ
海女1「いやいや、響ちゃんの凄さに驚いたわ」
やよい「どういうことですか~?」
海女2「そうねぇ……」
海女2「ウニ丼を食べるだけの予定に」
海女2「カルパッチョや縁起物の鯛がついてきたってことかしら」
あずさ「さすが、響ちゃんね~」
やよい「ウニって、プリンに醤油をかけた時の味がするあれですか!?」
春香「やよい……」
千早「私がトップアイドルになったら、高槻さんには一杯美味しいものを食べさせてあげるからね」グスッ
春香「千早ちゃん、ほどほどにしてあげてね」タラリ
貴音「さぁ、みなさん。ごはんの準備にかかりましょう」
律子「貴音、よだれを拭きなさい」ハァ
海女3「そういえば、今日頑張った二人は朝から何も食べてなかったわね」
亜美「うん。もうお腹ぺこぺこだよ」
響「うん。貴音の言うとおり、早く準備するさー」
海女1「ええ、そうしようかね」
響「できたぞーっ!」
亜美「なんだか、すごく美味しそうに見えるね」
海女1「あんたたちががんばったからこそ、食べられるものだからね」
海女2「味わって食べると良いよ」
亜美「うん、ありがとう!」
小鳥「しっかしまぁ、三日続けて捕れたて海の幸とは……」
あずさ「東京じゃ贅沢でなかなかできませんね」
律子「そうですねぇ。音無さんはお酒があったら最高でしょうけど」
小鳥「今日は我慢しますよ」ハァ
「小鳥ちゃ~ん」
小鳥「ん?」
漁師1「こっちで飲もうよ~!」
小鳥「いや、今日は保護者が……」チラリ
律子「だれが保護者ですか!」
漁師2「保護者のねーちゃんとあずさちゃんも一緒に」
律子「……」ハァ
律子「まぁ、もう少しで終わりですからね」
律子「なんだかんだ、初日から食料面でお世話になってますし」
律子「今日は特別です」
小鳥「ほ、ホントに!?」
律子「あんまり飲みすぎないでくださいよ」
小鳥「りっちゃんサイコー!」
漁師1「太っ腹!」
漁師2「社長!」
律子「もう、やめてください」アセアセ
あずさ「では、失礼してきますね~」
律子「はぁ……」
漁師1「あれ、保護者のねーちゃんは?」
小鳥「りっちゃんは未成年なんですよ」グビグビ
漁師2「小鳥ちゃんと違ってしっかり者だなぁ」
漁師1「どっちが年上かわかんねーや」アハハハハ
小鳥「じゃ、丸島と765プロの発展を祈って」
カンパーイ
亜美「ぴよちゃん、ガチ飲みする気だよ?」
律子「別にいいわ。ここでストレス発散させとけば」
律子「プロデューサー殿への飲みの誘いもしばらくは減るだろうし」
亜美「さっすが、765プロの策士!」
春香「まぁ、昨日のライブが滞りなく進んだのは」
春香「音無さんのおかげですからね」
律子「でしょうね~」
律子「あれで、頼りになるところもあっただろうし」
千早「確かに、カラオケ大会終わって、私たちの出番になってから、アナウンス引き継いでたけど」
千早「曲と曲の間を調整したり、上手いこと繋いでくれたりしてたからね」
律子「ま、そんなわけで、最終日くらい羽を伸ばしてもいいと思ったのよ」
亜美「けど、ぴよちゃん、肝心のビデオ撮影ってあんまりしてないよ?」
律子「ああ、それはプロデューサー殿から別の撮影方法を聞いてるから大丈夫よ」
律子「多分、亜美たちの漁の風景も撮られてると思うから」
亜美「えっ!? ホントに?」
亜美「ってか、ぴよちゃん撮影に関してはそんなに信用されてなかったんだね」アハハ
律子「まぁ、保険だったみたいだけど」
律子「結果としては、別の撮影方法があってよかったわ」
律子「まさか、あんたたちがライブすることになるとは思ってなかったし」
響「決められたことをやるライブとは違って自由だから、楽しかったけどね」
春香「確かに、新鮮だったよね~」
律子「全員でやるライブのときには、そういった遊び心もいいかもね」
律子「とりあえず、帰ったら映像チェックして、今後に役立たせてもらうわ」
律子「さぁ、そろそろ帰るわよ~」
~~~~ 翌日 事務所 ~~~~
P「いや~、カラオケだけの設備で、よくあれだけ盛り上げましたね~」
亜美「そりゃー、亜美達のさいのーだよね」
P「驚いたのは、音無さんの構成力だな! すごいですね」
小鳥「そんなに誉めないでくださいよ~///」
響「お酒飲んでるの律子にバレて、2回も絞られたけどね」
小鳥「うっ……」
P「千早の演歌もよかったぞ!」
P「演歌も一曲出してみるか?」
千早「私はかまいません。どんな歌でも歌うことは楽しいですから」ニコッ
P「けど、一番驚いたのはやっぱり響だな」
P「響の運動神経は知ってたつもりだけど」
P「あれだけの曲をきっちり、歌って踊りきったのは、正直驚いたよ」
響「だって、響チャレンジの一環だったし」
響「自分、完璧だし!」
P「まぁ、完璧って言ってる割には、凄い努力してるのを知ってるけどな」アハハ
響「そ、そんなことないぞ///」
P「がんばってる気持ちが伝わったよ」
響「当然さ~。だって、全国ツアーが決まったときに、みっともない姿は見せられないし」
P「ああ、そうだな」
P「当然、年末の全国ツアー構想に、沖縄は入ってるよ」
響「年末? 冬には沖縄にいけるの!?」
P「ああ、その予定だよ」
小鳥「よかったわね、響ちゃん」
響「うん、冬に向けて、レッスンを今以上に頑張っていくさ」
P「おう!」
P「それはそうと、東京を離れた生活はどうだった?」
響「なんだか、小さな漁村っていうのもあって、ちょっと地元を思い出したかな」
響「そういうのもあって、今回は余計に頑張れたのかも」
響「初日から会ったばあちゃんや漁師のみんな」
響「スタートから一緒だったピヨ子」
響「来てくれた、あずさ、やよい、春香、千早、亜美」
響「幼稚園や小中学校のみんな」
響「今回のライブがあの設備で盛り上がったのは」
響「いろんな人の協力があってこそだと思うし」
響「初心にも戻れたと思うぞ」
P「その気持ちは、きっとみんな共有できたと思うから」
P「忘れないようにな」
響「うん!」
P「音無さん」
小鳥「はい?」
P「映像の仕事は、あんまりできていませんでしたね」
小鳥「経験が少なくて……」
P「主に酒を飲んだあたりから」
小鳥「もう、言い訳はできませんね」タラリ
P「ただ、あの構成と間のつなぎ方はバッチリでしたよ」
小鳥「ありがとうございます」ペコリ
P「ツアーでは、音無さんも重要な戦力なので」
P「酒で体調崩すことだけは、無いようにしてくださいね」アハハ
小鳥「ええ、わかりました」アセリ
P「さて、これで一通り終わったな」
P「最後は、流れ的にちょっと違ったけど」
P「響は、色々と合わせる能力の高さもわかったから良しとしよう」
P「さて、年末のライブツアーに向けて、おれもがんばるか」
P「その前に、今まで撮影した共同生活のビデオ編集をしよっと」
終わり
と、言うわけで終わり。
乙サンクス
コメくれた人サンクス
見てくれた人もありがとう
響はみんなから愛されるキャラだと思った結果こうなった
初期設定は、どこに行ってしまったんだろうか?
まぁいいや。
とりあえず、長々と続いた共同生活はこれでおしまいです。
色々と見てくれた人には本当に感謝。
また、何かのSSを書く機会があれば、見てやってください。
申請しときます。
では/~~
乙!
共同生活シリーズ好きです
共同生活シリーズ以外になにか書いてたら教えて
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