リヴァイ(シークレットブーツ、か…)(56)

リヴァイ(久しぶりに内地の店に出向いたが、こんなもんが売っているとは)

リヴァイ(俺は自分の身長なんざ気にしてねえが、部下に示しがつかないのも事実)

リヴァイ(…何足か買っていくか)

リヴァイ(ほう、内側と外側の合わせで7㎝も背が高く見えるのか)

リヴァイ(前回の測定では160.0㎝だったから、これだけで167㎝…)

リヴァイ(…この俺が、165㎝の大台を超えられるのか…)ドキドキ

リヴァイ(結局予備も含めて三足買ってしまった)

リヴァイ(しかし167㎝あれば、まだまだ小さいが嘲笑うほどの低身長ではなくなる)

リヴァイ(ふふっ…)ニヤニヤ

リヴァイ(よっ…と。くっ、さすがに内側が3㎝高くなっているだけあってバランスが…)ヨロヨロ

リヴァイ(だが俺はバランス感覚には自信がある)キリッ

リヴァイ(チッ、重心が前にかかりやがる。注意しねえとすぐにバレるぞ)

リヴァイ(よっ…と。くっ、さすがに内側が3㎝高くなっているだけあってバランスが…)ヨロヨロ

リヴァイ(だが俺はバランス感覚には自信がある)キリッ

リヴァイ(チッ、重心が前にかかりやがる。注意しねえとすぐにバレるぞ)

リヴァイ(…バランス感覚はいい方だと思っていたが、やはり地に足がついていては勝手が違う…!)

リヴァイ(くそ、面倒だ。こんなもん投げ出していつものブーツに戻してえ)

リヴァイ(だが、初対面の人間のあの幻滅したような眼差しは許せねえ…)

リヴァイ(ふっ、ほっ…よし、コツは掴んだ。ハッ、実戦投入も可能な域だ)

リヴァイ(早速明日から使うとしよう)

リヴァイ(ふふ…四捨五入で170㎝…)ニヤニヤ

~翌日~

ペトラ(なんか今日の兵長背が高く見える…シークレットブーツにしたのかな)

エレン(今日は兵長と目線が合わせやすい気がする。なんでだ?)

オルオ(兵長…シークレットブーツなど使わずともあなたは威厳に満ち満ちていらっしゃるのに…むしろ惨めではありませんか)

グンタ(へえ、昨日内地に召還されたって聞いてたけど、ついでにシークレットブーツ買ったんだな)

エルド(兵長…たとえ身長がコンプレックスだとしても、私はあなたについていきます)

リヴァイ(おお…見上げずともエレンと視線が合うとは。フン、最近の職人はいいものを作る)プルプル

ペトラ(ちょっと震えてる…バランスとりにくいのかな。鼻血でそう)

エレン(兵長、脚が震えてる…どうしたんだ、何かを察知しているのか?)

オルオ(兵長…無理をなさらないでください…多少背が低くとも、俺の忠誠は変わらぬというのに)

リヴァイ「…食料が不足してきたな。買い出しに行くか」

ペトラ「あっ、お供します兵長!」

オルオ「おいペトラ…兵長のお供は俺にしか務まらん。お前はここでガキのお守りをしていろ」

エレン「オルオさーん、ちょっと排水管の調子が悪いみたいなんですけど見てもらえませんかー?」

オルオ「…チッ、世話のやける新米だ」

ペトラ「自分から身を引いていくのか…」

リヴァイ「…行くぞペトラ」

ペトラ「はい!(やった、兵長と二人きり♪)」

リヴァイ(しばらく歩いていれば慣れるだろう…)

~数時間後~

ペトラ「あはは、結構買っちゃいましたねー兵長」ドッサリ

リヴァイ「ああ…」ギロッ

ペトラ(兵長の目が怖い…もしかして、調子に乗ってあちこち引っ張り回しちゃったの怒ってる!?)

リヴァイ(チィ…踏みつけのところに体重が集まって、痛え…!)グゥ…

ペトラ(すっごい怒ってる…やだな…嫌われちゃったらやだな…ていうか歩くの遅いわね兵長)

リヴァイ(これはまずい…一歩一歩が億劫になる。ここはペトラにバラして合わせてもらう方がいいか?)

リヴァイ「ペトラ…少し、あそこのベンチで話をしないか…」ガクガク

ペトラ「はっ、はい!(話って何だろう…もしかして…いや、ないないないない…)」

リヴァイ「…よっこいしょういち(おお、楽になった…)」

ペトラ「へ、兵長…お話とは…(もしかして?もしかして?)」

リヴァイ「…実は今日から、シークレットブーツを履いている」

ペトラ(知ってた)

リヴァイ「なるべく悟られないように意識していたが、さすがに昨日の今日では慣れないようだ」

ペトラ(悟ってた)

リヴァイ「別にコンプレックスというわけではないが、部下に見下ろされる上司というのも威厳がないからな」

リヴァイ「決してコンプレックスじゃない。これだけは頭に入れておけ」

ペトラ「はあ…私に言わせてもらうと、そんなの気にしなくてもいいと思うんですけど」

ペトラ「昨日までの兵長だって十分威厳はあったと思いますし」

リヴァイ「…そう思うか」

ペトラ「はい。それと、ちょっと寂しかったです。今日は」

リヴァイ「…?」

ペトラ「いつもなら、隣を見れば兵長の目がすぐそこにあるのに、今日はなかったから」

リヴァイ「…」

ペトラ「ふとした時に兵長を見て、その表情がぱっとわかると、何でですかね、すごく安心するんですよ」

ペトラ「今何考えてるのかな、とか、眠そうだな、とか。よく考えちゃいます」

ペトラ「兵長が何十センチも背の高い人だったら、そうはいかないから。だから、兵長はあり…の、ままで…って///」

リヴァイ「…どうした?」

ペトラ「ち、違うんですよっ!?別に、兵長のことをいつも見てるとかじゃなくてですね!」

ペトラ「ただっ、私は、その、自分とそんなに身長が変わらない人の方が、親しみやすいというだけでっ!」

ペトラ「決して…その…あぅ」

リヴァイ「…お前の言いたいことはわかった」

ペトラ(いやわかってもらっても困っちゃうんですけど!)

リヴァイ「俺はありのままでいい、こんな小細工に頼る必要はない…そう思うんだな?」

ペトラ「は、はい!(…うぅ…なんか複雑)」

リヴァイ「そうと決まれば、こんなもんは売っ払うか」

ペトラ「え、売っちゃうんですか?別に私の意見なんか鵜呑みにしなくても…」

リヴァイ「いいんだ。ほんの少し歩いただけで足が痛くなるような欠陥品をいつまでも使ってられるか」

ペトラ「欠陥品とは、違うと思うんですけど…」

リヴァイ「さて、帰るぞ。馬鹿どもが騒ぎを起こしてないといいんだがな」

~翌日~

リヴァイ「…これより、壊れた排水管の修繕を行う」

一同「ハッ」

リヴァイ「エルヴィンに無理を言って修理道具一式を借用した。道具もなしに直そうとした野郎がいたらしいがな」

オルオ「…」

リヴァイ「まずグンタとエルドが……エレンは……オルオはここで…」

ペトラ(宣言通り、兵長は今日からいつもの靴に戻したようです)

ペトラ(無駄になったシークレットブーツは、エレンの同期のアルミン、コニー、アニという子にプレゼントされました)

ペトラ(今日も兵長は不機嫌そうな顔をしています。でも、ほんの少し暖かい目をしていたり)

リヴァイ「何ボーッとしてやがるペトラ。さっさと配置につけ」

ペトラ「ハッ」

ペトラ(大好きな兵長を、誰よりも近いところで見ることができる私は、本当に幸せ者です)

~おしまい~

くぅ疲これ完!
途中で適当になってすまんな。
俺も高い方じゃないが、背の低さで悩んでる人の励ましになったらと思います。

ペトラさんは天使

アルミン「リヴァイ兵士長が僕等にこれを? ・・・ハッ!?」

コニー「アルミン、何察した顔してんだよ? 人類最強の兵士がわざわざ俺達にくれたんだぜ? それってつまり最強のブーツって事じゃね?」

アニ「・・・ (内側と外側の合わせで7㎝アップ・・・153cmの私が履けば、ゆ、夢の160cmに・・・っ!)」パァァ

コニー「アnうおっ、早ぇなお前! もう履いてんのかよ」

アルミン「(・・・生まれたての小鹿みたいになってる)」

アニ「・・・っ! ・・・っ!」プルプル


>>1
>>1じゃないけど、こんな感じのシーンが脳に浮かんだ。

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