男「やっぱり一人カラオケは最高だな」女「失礼しまーす」 (324)

男(注文なんてしてないけど何この子可愛い)


女「あのー、注文されたポテトとピザですが…」


男「…頼んでません。恐らくお隣さんが注文されたものかと思われます」


女「はっ!すみませんすみません!」


男「いえ、オカマイナク」


女「失礼しました!」


バタン!


男「やべえ、死ぬかと思った。主に女性と話すことによるドキドキで」


男「挙動不審だったよな、ははっ、俺、いくらなんでもきもすぎるだろ…」


男「…時間少ないしさっさと歌入れようっと」


男「てか、歌ってた曲見られたよな…まあ、知らないだろうから聞かれても下手なのはバレないよな、うん」
ーーーーー


女「ふわー、ビックリしたー…」


女(それにしてもさっきの人が歌ってた曲、私も好きなんだよなー)


女「失礼しまーす」


女(だけどあの曲歌ってる人のこと知ってる人少なんだよなー)


女「注文されたポテトサラダとピザです」


女(なんか嬉しいなー、知ってる人、私の周りにはいないからな)


女「ではごゆっくりー」


女(それにしてもさっきの人、歌上手だったな)



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1403429205

ーーーーー

「残り5分デース」


男「はい、分かりました」


男「ラストは、まあ適当に盛り上がる曲で終わろう」


女「もー!また同じとこから注文!まとめてしてよ!」


女「はぁ…もうバイト終わって帰れる寸前に最後の仕事って…」


女「あーもー!むしゃくしゃするー!」


バタァン!


女「失礼しまぁす!!」


男「いつだって、僕たちは、ゆ、れ、る…」


女「…」


男「…あのー?」


女「…申し訳ありません!」


男「うぉう!?いえいえ、大丈夫ですよで早く隣へ…」


女「はい!」


バタン!


男「嵐みたいな人だな、ほんとに。あっ、歌終わってる…」


女「二回もミスった!まじで!?やっちゃったぁ…」


女「あぁ…うぅ…失礼しまーす…」


女「ご注文のものです、ごゆっくり…」


女(…二回も、ミスした)


女(…かえろ)


先輩「丁度お預かりします。レシートはいかがなさいますか?」


男「もらいます」


先輩「ありがとうございました。またお越しくださいませ」


外人バイト「ヘイ先輩!これどうしたらエエネン!?」


先輩「口の聞き方覚えるのが先だろ…」


男(あああ…あの女性も二回も話したことによって恐らく今日の俺の運は使い果たしたな)


男(よって帰りは悪いことが起きるだろう。なので注意して帰ろう)


ーーーーー


女「お疲れ様ー…」


後輩「っつかれっしたー!」


女「おー、頑張れ後輩くん…」


後輩「っす!」


女「はぁぁぁ…」


後輩(先輩がこんなに落ち込んでんのも珍しっすね)


女「ああ…駅までの道がこんなに遠いなんて、なあ…」


ザアアアアア

女「ヘイユー、雨?レイン?神様鬼畜?」


ザアアアアア


女「もう…ツイてなさすぎでしょ…」


「降って欲しくなかったな…傘あるからいいけど、濡れるのめんどい…」


女「ん?この声…」


男「次から合羽も持ち込むか…いや、暑いしな…」


女(なーんかどっかのボーカロイドの歌のシチュエーションだけど、この人と話ししながらというのも悪くないか…)

男「ま、これ夕立だし、『夕立』と『雨上がり』聞きながら帰るなら雨に濡れるのもいいかな」


女「なんと!そこの君!」


男「ぅあい!?」


女「傘あるんだよね?駅まで行くの?」


男「はい、そうですが…」


女「傘入れて!君、夕立とか雨上がりとか知ってるんでしょ?」


男「あの、えっと、俺に死ねと?」


女「そんなこと言ってないよ!?ただ、それらの曲知ってる人がいないから話せないかなーって思ってさ」


男「は、はあ…」


女「いいよね?」


男「いいですが、むしろいいんですか?」


女「なにが?」


男「わかってないならいいです」


女「よし、なら行こう!」


男(まじかよ、俺多分明日死ぬな。こんな人と相合傘とか、むしろ幸せすぎて死ねる)

忘れてた
特定の歌手(アーティスト?)の名前が出たり出なかったり、その歌詞が出たり出なk(略 だから、不快になる人もいるかもしれんので注意
書くの遅くなってすまん…

女「それで、君の一番好きな曲は?」


男「あー、無難なのがいいかほんとに自分の好きなのでいいかわかんないっす…」


女「大丈夫ー!だいたい全部わかるから!」


男「えっと、なら…『雲よりも遠く』です」


女「全然わかるよ。私は断然『楔』だなー。あの歌詞が切なくてね…」


男「確かに。特に最後のサビのとことかが半端ないですよね」


女「そーそー!やっぱり本当に好きな歌手について話すのっていいなー」


男「えっと、うーんと…あなたは他にいないんですか?」


女「私は女だよ。他にって、好きな歌手?」


男「そうです」


女「いないこともないけど…あんまり聴かないからなー」


男「俺も同じです。周りに合わせて適当に流行のやつ聞いてるくらいであとは全部、新作の『ピリオド』とかを聞いてます」


女「おっ!私もだよ!いい歌が多いのに有名じゃなのがねー…」


男「まあ、そうですが…それは本当に好きな人たちだけが知ってるって考えれば有名じゃないのも納得できませんか?」


女「おー…大人だね、君。えっと、名前は?」


男「男です」

女「ほう、男君。いや、男でいいかな?」


男「…君付けでお願いします」


女「あははっ!かわいいなー。わかったよ、男君」


ザアアアアアア


女「むぅ、雨が強くなってきたね。もっと寄って」


男「すみません、まだ遺書書いてないので無理です」


女「なんで死ぬ前提なの!?」


男「だって、そもそもこの状況に対してついて行けてませんし…」


女「あー、相合傘は私も異性とでは初めてだよ。でも友人とあんまり話せない好きな歌手について話し合いながらだから意識してないんだろうねー」


男「いや、俺もさっきまでそうだったんですが…冷静に考えてこれ以上ひっつくのは、というかそれ以上に現状も結構辛いです」


女「なにが辛いの?」


男「いえ…こう、とにかくそうなんです」


男(顔真っ赤にしてドキドキしすぎて震えて辛いとか言えるか)


女(確かにこれ以上寄るのは私も躊躇っちゃうな…いくらなんでも今日知り合った人とそこまでいくのは…)


ザアアアアアアア


男「もっと雨が強くなってきたな…」


女「何?聞こえないよー」

男「何でもないです」


女「えー?なにー?」


男(…俺もギリギリ女さんの声が聞こえてるくらいだからな。向こうに聞こえないのも無理はないか)


女「そうだ!ねー、『夕立』歌ってよ!」


男(この人は一体何を言い出すんだ)


女「男君の声での夕立、すっごくいいと思ったんだ!」


男「あ、ありがとうございます…でいいのかな?」


女「いいんじゃない?とにかく、今はこの距離で大声出してギリギリ聞こえるくらいだから歌くらいバレないって」


男「えっ、でもやっぱり抵抗はありますよ…」


女「お願い!あの声での夕立、聞きたいんだよ!」


男「…」


女「…ダメ?」


男(上目遣い反則ぅ!!!俺みたいな女性に縁のない人にとっては余計に効果が…)


男「駅に着くまでですよ」


女「いいの?だめなの?」


男「駅に着くまでならいいですよ!」


女「やったー!ありがとうー!」


男「…下手でも笑わないでくださいよ」


女「はーい!」

男「…いつのまにか、出会ってしまった僕らは」


女(うんうん、雨の音を通り抜けて聞こえるこの声、やっぱりいいなぁ)


男「…8月の光る海は、二人にはまぶしすぎる」


女(そういえば今8月だった。でも雨のせいで全然暑くないなー)


男「夏の午後、夕立が、君をさらいそうで、少しでも、離れているのが怖かった」


女(…なんか落ち着くなー。いいよね、こういうの)


男「…信じあえる、人は…」


女(えっ、なんで終わるの?)


男「着きました。おしまいです」


女「うそっ。早いよー…」


男「約束は約束です。ここからは電車なのでさよならです」


女「待った!」


男「待ちません」


女「メルアドと電話番号交換しよ!」


男「あなたは俺を殺す気か!?」


女「殺さないよ!?てかなんでそうなるの!?」


男「だって普段女性に縁のない俺が急にそんな事になったらそう考えますよ。運を使い果たして次の日に事故にでも遭うんじゃないかって」


女「はへー、そんな風に考えてるんだ。大丈夫だよ!」


男「その自信はどこから…」


女「さあ?でも大丈夫だから、ほら早く!今のところではあるけどあの人知ってる唯一の友人なんだから!」


男「…了解です」


女「そうこなきゃね!」

女「さてさて、メルアドゲットしたところで私は帰ります!」


男「はい、お疲れ様でした」


女「はいはーい、男君も気を付けて帰ってねー」


男「女さんもお気を付けて」


女「…ところで君、どこの高校?」


男「…?」


女「私は○○高校の二年生だよ!」


男「えっ、俺もそこの一年ですが…」


女「…まじ?」


男「マジです」


女「学校にはバイトのこと内緒にしといてね!」


男「わかりました」


女「いやー、まさか後輩とはね。この身長差だから私と同学年か逆に先輩かと思ってたよ」


男「…女先輩に呼び方変えますね。失礼しました」


女「気にしないでよー。むしろ女でもいいんだよ?」


男「それは無理です」


女「残念。ま、いっか。じゃーねー」


男「はい」


男「…あの?」


女「…なに?」


男「もしかしてあれに乗りますか?」


女「そのまさかだよ。君も?」


男「はい」


女「あらー。さっきバイバイしなくてもよかったね」


男「ですね」


○番線より、列車が発車します


男「女先輩はどこで降りますか?」


女「私は結構先だなー。男は?」


男「あの、君を…」


女「いーじゃん。大丈夫大丈夫。照れるなよー」


男「っ、照れてません…」


女「で、どこで降りるの?」


男「俺も結構先です」


女「あらら。私と同んなじはっきりしない回答ね」


男「癖です。お気になさらず」


女「一体なんの癖!?」」


男「気にしないでって言ったのに…」


女「あっ、ごめん…」

ごめん

眠くてなに書いてるかわかんなくなってきた

寝る

次は○○駅ー


男「俺ここなんで」


女「はいはーい。学校で会ったら挨拶くらいしてよー?」


男「…善処します」


女「善処はしなくていいから、してよ?」


男「…」


女「へーんーじーはー?」


男「拒否権、は…」
女「ない!」


男「はい…」


女「それでよし!」


男「ではこれにて失礼しま…」


ガタンゴトン


女「…降りれなかったね!どんまい!」


男「…」


女「…ごめんなさい」


男「まあ、いいですけど」


女「なら、どうせだから私の駅までお話ししようよ!」


男「えっ、先輩の降りるのってどこですか?」


女「ん?あと…4つくらい先かな」


男「…マジで言ってるんですか?」


女「もちのろん!」


男「…わかりました、お付き合いします」


女「いいね!ノリのいい男の子はモテるよ!」


男「それはないです」

女「そんなことないよ!実際、私の教室ではモテる人はノリいいよ!」


男「先輩、知ってますか?そういうモテる条件には全て後ろに【※ただしイケメンに限る】がつくんです」


女「そんなこと、ない、よ…?」


男「大丈夫です。もうわかってます。情報源は俺です」


女「…黒歴史だね、それ」


男「もう過去のことです。だから同じ過ちをしなければいいだけです」


女「君は難しく考えるなー」


男「これが普通ではないのですか?」


女「そうだけどさ。もっと、こう、楽しく生きようよ!『虹の見える明日へ』みたい感じでさ!」


男「それは…」


女「前向きに考えれば、二回失敗したらその分だけ経験値になるってことだよ!」


男「まあ、確かにそうですが」


女「だから、今日の失敗も経験と考えれば!」


男「俺は別に怒ってませんけど」


女「それはわかってるよ。君はいい人だからね!」

男「…」


女「まーまー。そうじゃなくて、そのミスが先輩にとかに伝わることの方が心配なんだよ」


男「あの会計してたイケメンですか」


女「よくわかったね!そうだよ」


男「その先輩の機嫌が悪くなるんですか?」


女「違う違う。それは心配ないよ。どちらかと言えば後輩たちにバラされてないかなということがね…」


男「あのイケメンはそんな嫌なやつなんですか…」


女「普通はいい先輩なんだよ。でも、ね、うん…」


男「事情があるけど話せないんですね、わかりますので大丈夫です」


女「おお…ありがとう、なのかな?」


男「お礼言われることなのですか…」


女「そうじゃない?」


男「適当ですね…」


女「ザ・適当の女と呼びな!」


男「それはどうかと…」

女「ところでさ、奥華子さんで一番人気の曲って知ってる?」


男「ほんとに突然ですね。うーん…『ガーネット』か『変わらないもの』ですか?」


女「ざんねーん。それは5位以内には入ってるけど違うんだなー。正解は『初恋』でしたー!」


男「これはまた微妙なとこを…」


女「でも歌詞もメロディーも切ないよ」


男「いや、そうなんですが…違うか、有名どころも入ってるけど本当に奥華子が好きな人が選ぶ曲が初恋、ということだな」


女「そうそう!初恋はいいと思うけど、私の一番は『春風』かなー」


男「あー。それもよく歌いますよ。男目線で感情移入とかしやすいですし」


女「なるほどねー。私はよく歌うので言うと、なんだろ。『チョコレート』かな」


男「あれはバレンタイン前に聞いて死にたくなるのが落ちですよ」


女「それは君が男だからだよー。女の私としては共感できるとこがあるなーと思うんだ」


男「…」


女「どしたの?」


男「いえ、女の人目線から曲を見ることを全く考えたことなかったので…少し驚きでした」


女「それは私が女らしくないということか!?」


男「いやいやいや、そうじゃなくてですね。今まで誰とも(奥華子について)話したことなかったので新しい考え方だなと思いましてですね」


女「そうか、君は人と(普通に)話したことがないんだね。可哀想に…」


男「え、それは先輩も同じではないのですか?」


女「えっ、だっていつも話してるよ」


男「…俺が初めてじゃなかったんですね」


女「うん、だって日常会話くらいするでしょ?」


男「ストップです。今のなしです。忘れてください」


女「ん?なんで、って、ああ!奥華子さんについてのことだったのね!」


男「…わかってるなら大声はやめてください」


女「ごめーん…わかったよー…」

次は××駅ー


女「あっ、ここだ」


男「先輩。ここ俺の駅の次ですよ?」


女「そうだったそうだった。ごめんね」


男「まあ、近くて俺もすぐ帰れるからいいんですけど…」


女「そうだね!じゃ、またね!」


男「はい」


女「メールにはきちんと返信してよ?」


男「…はい」


女「よし!ばいばーい!」


男「ばいばーい、です」




男「…ふー、さて。夢なら覚めろー。覚めろー。ここならまだ傷は浅い」


男 ぐにーっ、うにゅーっ、びろーん…


男「…引っ張っても痛いだけ、つまり現実。そして携帯には可愛い先輩のアドレス」


男「帰りに魔除けの札でも買ってこよ。じゃないと明日、友とかその周りに呪詛られて死ぬ」


男「てか、それ以上に事故に遭う可能性の方が高いな。焦らず安全歩行で行こう」

女「いやー、今日はいいことありましたな!」


女「奥華子さんのことについて話せる友人(異性)…」


女「そのまま付き合ったりー…いや、ないか。向こうはそんなつもりなさそうだし」


女「第一、私の方が釣り合わないかな。向こうは真面目そうだし。私は適当だし」


女「なーんか寂しいけどなー…でもいっか!メールも電話も出来るんだから!」


女「今日の夜はどんなこと話そうかなー…」

男「さて、夜だ」


男「恐らく、人生における俺の決断の中で結構重たい方のものにあたると思われるのがこれ」


男「…女先輩にメールを送るか、待つか、だ」


男「ふぁー!どうすんのこれ!?こっちから送ってウザがられてそれで縁が切れるか!」


男「それとも待ちすぎて先輩が寝てしまい、次の日に怒られて切れておしまいか!」


男「…やばい、全くわからん。ほんとにわからん。経験値なさすきだろ俺」


男「ネットで聞くか…?いや、それはダメだな。冷やかされて呪われて終わりだ」


男「あと10分考えよう。うん、それからすぐに…」


メール:女先輩


男「ふお来たぁ!?」


ーーーーー


女「ふはー、さてメール送りますか」


女「どうせどうするか迷ったあげくオロオロしてるだろうからね!」


女「…それはそれで可愛いな、少しほっとこ」


女「メールを自動送信21:00にセットして…」


女「今が19:56か。ふふっ、戸惑いたまえ少年よ!」


女「その間暇だな。うん、『Wedding Dress』でも聞きながら本読んで待ってよっと!」

男「いよっし。メール、女の子とメール、メール…」


男「なんか実感わかないな。先輩が女らしくないからかな?」


男「えーと、『やっほー、良い子はもう寝る時間だよ!奥華子さんの歌聞いてるかな?』って、いきなりすぎるだろこれ…」


男「まあいいや。えーっと…」


男「『今聞いてるのは、『泡沫』です。それと俺は良い子ですがまだ寝ませんよ。先輩もそうですよね?』」


男「こんな感じかな…いつも友とメールしてるみたいな感じになっちまったけど、まあいいか」


男「ほい、送信、と」


男「…やっぱりもっと考えるべきだっか?」


ー30分後ー


男「待て待て。落ち着け俺。あのメールの不備を考えよう」


男「先輩はたまたま携帯の電源切ってて、今頃つけてるんだ、うん、そうだな」


ー1時間後ー


男「…これは携帯会社がなんかミスしたとかかな」


男「大丈夫。うん、たまには別の見方をして前向きにいこう」


ー3時間後ー


男「神様、俺、なんのミスしましたか?」


男「やっぱり駄目か…ははっ、やっぱりあれは罰ゲームかなにかなんだよな。くっそ、騙された…」


男「そもそもあんな可愛い美人な先輩が俺に話しかける時点でおかしいんだよ」


男「奥華子の話が出来たのは、嬉しかったけど、さ。うん、嬉しかったな」


男「…」


男「………」


男「…本当に罰ゲームか、おい。いや、違う。先輩の適当さから見て多分…」

ー20:00ー


女「ジロー君、そこは気づくだろ。この鈍感主人公め…」


ー20:10ー


女「あははっ!文化祭寝過ごすとか、ありあなーい!」


ー20:20ー


女「むう、少し眠たくなって来た…いかん、今日は男とメールをするんだから…」


ー20:30ー


女「…この微睡んでる時のベッドの魔翌力は、すごいな。離れないといけないのに離れられん…」


ー20:40ー


女「Zzz…♪」


ー21:00ー


携帯 ヴーッヴーッ


女「…うるさい、アラーミュ静かにしてほ…」


ー21:10ー


女「Zzz…」

男「…よし、結論。先輩は寝てる。うん、だから返事は来ない」


男「よって携帯の前で正座して待ってた俺の3時間は無駄だったというわけだ」


男「明日文句つけてやる、先輩め…」


男「まあ、いいけどさ。今日はたくさん話したしな」


男(…楽しそうだったな、先輩。本当に話したくて話したくてしょうがなかったって感じだった)


男(…仕方ない、明日からも俺が話を聞くようにしよう。俺にはそれしかできないからな)

短いけど寝るん

おやすみ

いい夢(カラオケで女の子が間違えて部屋に入ってくる夢)みたいなー…

まさかのミス
しかも大きい
訂正

>>30
Before
女「そうそう!初恋はいいと思うけど、私の一番は『春風』かなー」


男「あー。それもよく歌いますよ。男目線で感情移入とかしやすいですし」


女「なるほどねー。私はよく歌うので言うと、なんだろ。『チョコレート』かな」


After
女「そうそう!初恋はいいと思うけど、私の一番は『楔』だからなー」


男「好きな曲とは別に先輩がよく歌うのは何ですか?」


女「そうだねー、よく歌うので言うと、なんだろ。『チョコレート』かな」

あと、更新は遅めの時間になるます

ピピピ ピピピ…


女「んぁー…よく寝たー…」


女「寝た?…寝ちゃった」


女「何か忘れてるような…なんだっけ…」


女「アラーム君、もう止んでいいよ、と、あっ」


女「そうだよメールだよ!あー、男には悪いことしちゃったなー…」


女「学校で謝っとこ。えっと、クラスは何ですか、と…」




ヴーッ ヴーッ


男「…アラームでバイブ設定してたっけな」


男「…メール、来た。でもクラスが何か教えて、しか書かれてないね」


男「ま、教えて害はないよな。うん」


男「はー、さてさて。嫌な学校行きますかー…」


男「…で、なんでいるんですか、ここに、先輩が」


女「えっ、ダメだった?」


男「いやダメではないですが…わざわざここの駅で降りてまた同じ方向の電車に乗るの面倒じゃないですか?」


女「すぐにあやまらないといけないなと思ってさ!」


男「あー、なるほど…」


女「昨日はごめんね…ベッドで本読んでたら眠くなっちゃって…」


男「それはよくわかります。なのでOKです」


男(可愛いせいで簡単に許しちゃったじゃねえかちくしょー)


女「ありがと!それでちょうどいいから一緒に行こう!」


男「俺を地獄へ連れて行くんですか?」


女「無理だから!」


男「だって、先輩と登校したら周りの彼女いない男子たちからリンチ受けそうで…」


女「んー、大丈夫じゃない?いざとなれば逃げればいいんだよ!」


男「なんて適当な考えだ…」


女「適当は楽だよ?君も人生は適当に手抜きしながらじゃないと、すぐに疲れちゃうよ」


男「…まあ、それもそうですが」

女「というわけで電車に乗るぞ、男!」


男「あー、話し込んでたのもあって一本遅いのになっちゃいたね…あれ混んでるんだよな」


女「えっ、そうなの?」


男「そうですよ。だからいつもそれより早い電車に乗ってるんです」


女「…何かあったら助けてね!」


男「…わかりましたがしばらくおしゃべりは控えましょう」


女「なんで?」


男(周りの男子たち見てください)


女(んー、どれどれ…)


「なんだあいつ、朝からイチャコラしやがって」「後で討ち取るか」「その作戦俺も混ぜろ」


女(物騒だねー!)


男(先輩の容姿も原因かと…)


女(ん?なんか言った?)


男(っ、なんでもありません)

ザワザワ ガヤガヤ


男「うっわ、やっぱり多いな…」


女「ねー、私ドア側に立つからその前に立ってくれないかな?」


男「なんで、あー。わかりました」


女「物分りが良くて助かるぜ!ありがとー!」


男「…先輩はいつもどの時間の電車に乗るんですか?」


女「なに、気になるの?」


男「えぇ、それは、まぁ…」


女「可愛いなぁ!いつもはこれより3本か4本早いのだよ」


男「そんなに早く学校に行ってやることありますか?」


女「うん!なんたって家に長居したくないからね!」


男「なー、詳しくは聞きませんがいつもお疲れ様のようですね。お疲れ様です」


女「ありがとうねー。でもこんな風に混むなんて今まで知らなかったから、知れてよかったよ!」


女「男、ありがとうね!」


男「…感謝されるほどのことでもないような気がします。というか待っていたのは先輩だから感謝されることはないですね」


女「わかってないなー。そういうきっかけをくれてありがとうって言ってるんだよー?」


男「きっかけ、ですか…」


女「そうそう!男と知り合わなくても何かの機会でこれを知ったかもしれないよ。でも、男のおかげで今日、知ることができたんだ。だから、ありがとう!」


男「…俺にはよくわかりませんがどういたしたまして」


女「それでいいんだよー。素直に受け取っておけよ、少年よ」


男「なら先輩も少女ですね」


女「私がそんな歳に見えるなら眼科へ行ってきなさい!」


男「いやです、先輩こそ医者にかかったほうがいいですよ」


女「君もなかなか意地っ張りだな…」


男「先輩ほどではありません」

女「さてさて、学校に着いたけどとりあえず私についてきてねー」


男「なんでですか?」


女「なんでもなにも!いいからいいから」


ズルズル…


男「わかりましたから引きずらないでください」

女「やっほー、おっはよー!」


女友「おはよー、その隣の男の子は誰?」


女「彼氏ー」


女友「へー、え?」


男「何をいってるんですか!?」


女友「女、に、彼氏…?」


女「そうそう。奥華子さんの話ができる彼氏なんだよー!いいでしょ?」


女友「いや、いいかどうかは知らないけどさ」


男「彼氏じゃないです、そんな関係ではありません。知り合いです。顔見知りです」


女友「だよねー…あの女が彼氏できたとかなったらクラスの男子が泣き喚くからね」


男「あー、先輩、もしかしてあんな感じで皆さんに接してらっしゃるのですか?」


女「んー、相合傘みたいなことはしないけど話したりはするよ!」


女友「相合傘!?…とりあえず爆発しとけ、女。あとそこの男子」


男「巻き添えになった…普通なら俺も呪う立場なのに…」


女「大丈夫大丈夫。偶然カラオケで会って、私が傘忘れたから入れてもらったぢけだからさ」


男「そうです、そうなんです、だから大丈夫です」


女友「なーんだ面白くない。まあいいや。それで女はなんでこの子を連れてきたの?」


女「なんとなく」


男「!?」


女友「だと思ったよ。そこの君、お疲れさん。早く自分のクラスに戻らないと朝のSHRに間に合わなくなるぞー」


男「ぬぁ!?失礼します!」


女「じゃーねー」


女友「…で、本当にあの奥華子の話ができる人なの、あれ」


女「もちろん!だから、女友、ジュースお願いね!」


女友「あー、はいはい。そのために連れてきなのかよ、お前…」


女「いやいや、紹介のついでにジュースだよ。あんまり嬉しかったからさ!」


女友「はーいはい。全く…約束した次の日とかどんだけ運いいのよ、女は…」

男「ぐへー…着いたー…」


友「よう、男」


男「友か…今は疲れてるんだ、後にしてくれ…」


友「そうかそうか。なら今楽にしてやるよ!」


ダンッ!


男「あっぶねぇ![ピーーー]気か!?」


友「おいおい、朝に可愛い女子連れて一緒に登校してたのはどこのどいつだ?あ?」


男「弁解くらいさせてくれ」


友「問答無用!逝けぃ!」


男「だから待てって。あれは女先輩で、奥華子の話ができる友人、いや、知り合いだ」


友「女子の友人がいる時点でお前は死刑だぁぁぁ!」


男「あー、あー、聞こえない、聞こえない。それと友。座った方がいいぞ」


友「いいや!お前を処刑するまでは!」


先生「ほほう、ならば先にお前が刑に処されるな」


友「…ははっ、やだなー、先生。親友の男君にそんなことするわけないじゃないですか」

先生「ならば席につけい」


友「はい…」

男「やーっと終わった…長いよ学校…」


友「男ー、帰ろう…」


女「やっほー、男いるー?」


男「!?」


友「」


クラス女子「あっ、、あそこにいますよ」


女「ありがとー」


友「おい男、誰だあの可愛い人」


男「女先輩だって言ってるだろ」


女「男!カラオケ行くよー!」


男「えぇ…知り合って二日目でいきなり…」


友「はいはい!先輩、俺もついてっていいっすか!?」


女「あー、それはダメかなー。ごめんね」


男「落ち込むな。今度一緒にどっかへ行こう」


友「うるせえ!俺は可愛い女の子ときゃっきゃうふふしたいんだよあぁぁ!」


女「正直だねー、君。そんな君に悲報だ」


友「追い打ち…」


女「男はこれから先私が所有するから一緒に帰れないのでよろしく!」


男「…そんなこと聞いてませんよ、俺は」


女「今決めたもん。そりゃわかんないよ」


友「ははっ、男ぉ。覚えとけよてめえ。夜道に気をつけな…」


男「お前が俺に勝てるようになったら気を付けるさ」


友「くっそ…見てやがれー…」


女「よかったの?」


男「大丈夫ですよ、それよりいくなら行きましょう」


男(そほそろ周りからささる好機の目線が痛いからな…)



女(今日は何を歌ってもらおっかなー!)

男(何、この人は俺と何がしたいわけ?デートに近いものになっちゃうよこれいいの?)


女「…。そうだ!」


男「どうしましたか?」


女「ねえ!君、暇な曜日ってない?」


男「?」


女「はやくはやく!」


男「えっと、基本はどの日も空いてますが…」


女「そーかそーか…♪」


男(本当になんのつもりなの?勘違いしちゃうよ?)


女「ちょっとごめんねー。電話ー」


男「どうぞ」


女「…もしもーし?先輩ですか?店長呼んでおいてほしいんですけど…」


女「はーい、お願いしまーす」


女「さて、それでは急ごうか!」


男「それはまた急ですね」


女「そりゃーね、ふふっ…楽しみができたんだから当然だよ!」


男(落ち着け俺、平成を装え、大丈夫、先輩はそんな頭の中がお花畑だ、そんなことはこれっぽっちも考えてないはずだ)


男「へー、りょうかいです」


女「むぅ…棒読みだね…」


男「そんなことないです」

男「はーっ、はーっ…」


女「店長ー!ちょっといいですかー?」


男「先輩、の、スタミナ、は、無限、です、か…」


女「君がだらしないだけじゃないのー?」


男「そんな、こと、は、ない、で、す…」


女「ほんとかなー…」


店長「はろはろー、女ちゃん。どしたのー?」


女「この子、バイト希望です!」


男「…は?」


店長「ほんとー?一人募集しようと思ってたんだー。ちょうどいいねー」


男「…」


女「君はこれからバイトするんだよー。ここでね」


店長「よろしくー」


男「…いや、先輩、いきなりそんなこと言われましても…」


女「楽しいから大丈夫!ほら、これに着替えて!」


男「んんー?俺に選択権はないのかなー?」


店長「ないよー。諦めてねー」


男「えー…」


女「はやく!私と同じ時間にシフト入れてもらってるから!」


男「余計にえー…」


女「不満?だったら私のいない時間も入れてもらって…」


男「なんで俺のシフトを先輩が変えれるんですか」


女「私が君の先輩だからだ!」


店長「年上の言うことは聞いとおいて損はないよー?」


男「はぁ…わかりました」

ーーーーー


店長「わー!似合うねー!」


女「これはなかなか…」


男「…聞きますが、なんでサイズがわかったんですか?」


女「私との身長との比だよー」


男「あなた実はすっごい頭いいでしょ?」


女「そんなことないよ」


男(…反応も表情も冷え切ってるな。先輩らしくもない。地雷かな、この質問)


男「なるほど、勘も含まれてるんですか。先輩らしいですね」


女「勘は含まれてないよ!?」


店長「あのー、そろそろお仕事を…」


男「すみません、すぐにやります。先輩、教えてください」


女「は、はーい」




店長「初々しいねー…私とあの人のこと思い出すなー…」

男「今日からバイトに入ります男です」


女「私の紹介です!」


先輩「君は昨日の…そうか、よろしく。僕は先輩だ」


外人バイト「外人バイトだよ!いろいろ混じってるケド気にセントイテ!」


男「…ハーフ?」


先輩「いや、生粋の外国人。言葉遣いがいろいろ混じってるってことなんだ」


男「なるほど…」


外人バイト「ダベ!」


女「さて、私が男にいろいろ教えますね!」


先輩「ほうほう…」


外人バイト「オッケーよ!」


男「お願いします」

学校逝ってくる

ーーーーー


女「まずはお会計の仕方ね!」


男「家の手伝いでだいたい心得てます」


女「えっ」


男(驚かれたけどそんなに珍しいかな…)


ーーーーー


女「次に使われた部屋の掃除とセット!」


男「ふむふむ、家に比べたらそんなに手間ではないですね」


女「えー…」


男(だって強制労働の名のもと、ほとんど毎日ボランティア(タダ働き)させられてるし…)
ーーーーー


女「注文された料理の用意の仕方!」


男「なるほど、温めたりするのが主ですか。余裕です」


女「…うぅ」


男(家で作る夕飯に比べたら、ねー…それにしても先輩、なんか元気なくなってきたな。次は何か聞いてみるか)


ーーーーー


女「…店内の、清掃…」


男「広いですね、どうやったら効率良くできますか?」


男(実際に広くてなにやったらいいかわからん)


女「…! えっとね、まずこっちの通路からやると早いんだよ!」


男「なるほどなるほど」


男(やべえ…舞い上がってる先輩かわいい。というかやっぱりもとから可愛いんだよな。なんで俺普通に会話できてるんだよ…)


ーーーーー

女「ひとまずこれで一通りかな!」


男「わかりました。それぞれを時間でローテーション、でいいですよね?」


女「なんでわかったの!?」


男「いや、一つだけなら全てを教えられることもないかと思いまして…」


女「ふーん…ま、いいや。先輩ー!男になにやらせますかー?」


先輩「後輩がやってたことをその時間にやらせてくれないかな?」


女「はーい!、い?そういえば後輩ちゃんいないですね…」


先輩「部活とかで忙しくてしばらくシフト減らして欲しいって言ってたからさ。その時間を男君に埋めてもらう形でお願いするよ」


男「わかりました」


女「先輩!私のセリフ取らないでくださいよー…!」


先輩「ごめんごめん。さ、二人ともちゃんとやってね」


女「わっかりましたー!」


男「はい」


女「あっ、男!」


男「?」


女「これ、後輩ちゃんのやってた仕事とそれぞれの時間割!これ読んでがんばって!」


男「…はい」


女「じゃ、後でねー!」

ーーーーー


男「…あー、今更ながら俺コミュ障が微妙に入ってるんだった。やべ、会計の時どうしよう」


男「家なら知り合いばっかだから平気だけどここはな…知らん人多いからな…」


男「…とにかくやるしかない。その後輩とやらが何かは知らんが負けるのは腹が立つ」


ーーーーー


男「まずは…部屋の掃除、か。余裕だな」


男「次に、店内の清掃、かつ注文入ったら料理…なるほど。楽ではないが辛くもないな。調理場から離れたところを清掃してて注文入る時以外は余裕だ」


男「で、問題の会計…えっと、外人バイトさん?」


外人「ア?なんヤ?」


男「威圧感半端ない喋り方…会計の時の会話が苦手なのでやばい時には手伝ってください」


外人バイト「オッケーよ。ただ、先輩サンに「お前は敬語を学んでから客と話せ!」って言われテルから」


男「…つまり死ねと。了解です」


外人バイト「死ねとは言ってナイよ!ただ、戦力にはならないってダケナリよ…」


男「…女先輩にコミュ障の治し方教わっとくべきだったか…」

男(いや、あの人なら…
女『適当にやればなんとかなるよ!』
で終わらせるだろうな、きっと…)


男「腹くくりますかな!」


外人バイト「その意気でワッシの分までガンバってーな!」


男「えっ…」


外人バイト「嫌そうな声出さんとイテ!」


ーーーーー


男「…終わった…疲れた…」


先輩「お疲れ。初めてなのに初めてじゃないくらい全部こなしてたね」


男「いや、会計の時の会話で精神力が削られて…」


女「適当にやれば楽なのにねー…そんなに肩に力入れなさるなよ、若いのや」


男「女先輩も若いじゃないですか…」


先輩「ははっ、とにかく気を付けて帰ってね」


女「はいはーい!」


男「わっかりました!」

おい、男が明るい口調になってどうすんだよ…

訂正
男「わっかりました!」×
→男「分かりました」

短いけど寝るます
なるべく毎日、少しずつ更新していくスタンスとっていくことにしまじだ

女「さて!男、私は女の子です!」


男「そういえばそうでしたね…」


女「むかっ!まあいいや。それで今から帰りますが今は暗くて一人では危ないです!」


男「ふむふむ」


女「なので…」


男「警察の電話番号は110ですよ。あと、誰かが何をしてきても肘で抉るように相手を殴打すれば大抵勝てます」


女「ちがーう!送っていってって言ってるんだよー!」


男「…ほ?」


女「君はこーんなにか弱い少女に一人で夜道の帰路につけと言うの?」


男「先輩にお願いすれば…」


女「いーいーかーらー!行くよ!」


ズルズル


男「あっ、ちょっ、普通なら立場逆ですから!俺が無理矢理にでも送って行く場面ですから!」


女「そんなつもりあるの?」


男「ないです。というか先輩と二人でというのが学校での立場上あまり好ましくありません」


女「そんなもの気にするな!なんとかなる!」


ズルズル…


男「横暴だぁぁぁ…」


トコトコ…


男「それでどこまで送って行けばいいですか?さすがに自宅前までは気まずいのですが…」


女「いやいや、むしろ家に上がって欲しいんだよねー」


男「」


女「どしたの?」


男「待て落ちつけ俺大丈夫だ勘違いはダメだ他のことのために呼んでるんだノープローブレムおーけー」


女「余計にどうした…大丈夫?」


男「大丈夫です。なんのために家に行かないとダメなんですか?」


女「なんか乗り気じゃないね…ちょっとした事情があるからだよ。とって食ったりしないから安心していいよー」


男「食われるとしたら俺の人生の目標達成のために全力で逃げさせてもらいます」


女「目標って?」


男「…それは明かせません」


女「えー…いいじゃん、減るもんじゃないし!」


男「俺の心が擦り減ります」


女「そしたら私が埋め合わせるよ!」


男「だー!勘違いさせるような発言は控えて下さい!」


女「なにが?」


男「天然かよ…くっそぉ…」


男(絶対、勘違いはしないようにしないと。この人危ない。いろんな意味で)

女「ついたー!いらっしゃーい!」


男「お邪魔します…」


女「あっ、男」


男「はい?」


女(私これからいい子ぶるけど笑わないでね。あと、これからの私への対応も変えないで、お願い)


男(…了解です)


女母「おかえりなさい。遅かったわね」


女「いつも通り勉強とバイトをしてから帰りましたので」


女母「…はやくバイトなんかやめて勉強に専念なさい」


女「…」


女母「それからそちらの方は?」


男「あっ、男です…」


女「私の学友です」


女母「あれほど異性の友人を持つなと言っておいたのに…!」


女「この人は違います!私と同じ曲を聴いてる数少ない人なんです!」


女母「…お客様に玄関で立ち話させるのも忍びないので、どうぞ」


男「…いいんですか、上がっても」


女母「構いません。この子がこんなに強く主張することなんてそうありません。信用に足るかはわかりませんがとりあえずは…」


女「…」


男「…失礼します」

女母「もうすぐ父が帰りますので、それまでお待ちください」


男「わかりました」


女「…」


女母「私は夕飯の支度がありますのでしばらく離れます」




男(先輩先輩。なんで俺を家に?)


女(ごめんね、なんとなくだったんだ…)


男(さらになんでですか!一応理由あるみたいな事ほのめかしてたじゃないですか!)


女(…ほんとになんでだろ?)


男(はぁ…というか先輩のお父さんが帰るまで俺ここにいるんですか?)


女(うん、そうだよ)


男(気が重いです…どうして知り合って二日目の異性の先輩の家でお父さんと面会なんですか…)


女(細かいことは気にしない!大丈夫、なんとかなる!)


男(…まぁ、頑張るだけ頑張りますよ。何をだよ)


女(なんかをだよ!あははっ!)

ーーーーー


バタンッ


女父「…誰だ?」


男「女先輩の学友です」


女父「ほー…なるほどね。母さん、帰ったよ!」


女母「もう!父さん!せっかく厳格な雰囲気だしてたのに!」


女「もうちょっと引っ張りたかったのにー!もー!」


男「」

女父「む、すまんすまん。悪かったね、男君」


男「あの、えっと…?」


女母「あー、あんな風な言葉遣いいやだったのよねー」


女「でもなかなか完成度高かったよー!」


女父「いやあ、昨日女が
『今日ね!奥華子さんのお話ができる人がいてね!楽しかったんだ!』
って楽しそうに話してくれてねぇ」


女母「もうね。女があんなに楽しそうに話してるのを見るのはほんとに久しぶりでねー!私たちが明日男君を家に連れてきたら?って言ってね!」


女「私がそれなら驚かせて反応楽しもうって言ったんだ!」


男「」


女母「あらあら。びっくりして固まっちゃってるわよ」


女父「なかなかいいリアクションだな」


女「でしょでしょ!」


男「あの、先輩…」


女「ん?」


男「もしかして、これが普通の先輩の家の感じですか?」


女「いえーす!」


男「まじか…」


女母「さて男君。家に連絡してくれない?」


男「んぇ?」


女母「…夕飯作りすぎちゃったの!食べてって!」


男「…」


女「固まったままだー!ということで携帯拝借!えーと、男のお母さんのは…あった!」


女「あ、もしもし?私は男の友人の女といいます!ちょっと事情がありまして、今夜男君を借りますね!」


男母『えっ?えっ?よくわかりませんが、どうぞ…』


女「ありがとうございます!遅くなりすぎないように男は返します!では!」


女父「さて、男君。退路は絶たれたよ?」


男「…あー、夕飯いただいてもいいですか?」

寝る
おやすみ
なさい

ーーーーー


女母「はーい、出来ましたー!」


男「おお、すっげぇ…」

男(俺の家の夕飯にも出すメニューのはずなのに見た目から香りまで全部ちげぇ…)


男(…あとでいろいろと聞いてみるか)


女「男、食べないの?」


男「いえ、もらいます。いただきます」


パクッ


男「…」


女母「どう?」


男「…」バンバンバンッ


女「机叩いてどうした!?」


男「…美味い。なんですかこの差は」


女母「びっくりしたー…まあ経験の差じゃない?」


男「ぐぐぐ…やっぱり経験値貯めないと勝てないか…」


女「でもなんでそんなこと気にするの?」


男「家では俺が夕飯作ることが多いんですよ。で、これと同じものも作ったことあるんですが…これは…」


女父「ふっ、なんでもできる自慢の妻だからな!」


女母「もー、そんなこと言っても何も出しませんよー!」


女父「はははっ、それでいいよ」


男(天然のノロケを聞かされてる感じだ)

女「もー!惚気るのも大概にして食べようよ!」


男「料理は冷めないうちにとも言いますからね」


女「えっ、そうなの?」


男「えっ、普通じゃないんですか?」


女母「あら、私の料理は冷めても美味しいのよ?」


男「なん、だと…」


男父「ふははははっ!母さんの弁当はいつでも美味しいんだよ!」


女「私も冷めても美味しいのが普通だと思ってたから…驚きだね…」


男「…この家に来てから俺の常識とか精神がゴリゴリ削られていきます」


女「例えば例えば?」


男「親巻き込んでの芝居。見た目完璧味も最高の料理。冷めても美味しい弁当。これだけあるんですから他にも型破りなものがあると見ました。」


女「ほへー、でもそんなのうちにあるかな?」


女父「そうだな…他の家のことがあまりわからないからな…」


女母「まあいいんじゃないの?うちはうち他所は他所、じゃないの!」


男「そうなんですけどね…」


女「そうだ!夕飯終わったら私の部屋に来てよ!」


男「」


女父「おいおい何をいっt
女母「そうね。男君に女の部屋の型破りなものでも見つけてもらうのがいいわ!」


男「あの、女父さんの意見も…」


女「大丈夫!多分私はこの人たちに比べて常識人だから!


男(嘘つけ!)

女「というわけでいらっしゃーい!」


男「おお…ちゃんと女子の部屋だ…」


女「それはどゆ意味かな?」


男「いや、そのままですよ。入ったの初めてですし」


女「へ?女の子の部屋に入ったことないの?」


男「ははは、ないですねー」


女「そっか。まあいいや、ゆっくりしていきたまえ!」


男 キョロキョロ


女「…」


男 ジーッ


女「…」


男 マジマジ…


女「黙って部屋見回さないでなんか恥ずかしい!」ブンッ


ボフッ!


男「うわっ、びっくりした…いや、すみません…」


女「もー、なんか、こう、予想をはるかに超える恥ずかしさだったね…」


男「俺も先輩が予想以上に女の子女の子してたので驚きでした…」


女「君のそれは私への侮辱かな?」


男「いやいやいや、大丈夫ですよ。普通、俺は先輩みたいな…」


女「みたいな?」


男(やっべ、可愛い人と話すと挙動不審になるなんて話したらなんか色々とアウトでしょうな)


女「ねえ、なんなのー?」


男「話しやすい女子の部屋はシンプルな感じと思ってたので…」


女「ふむふむ、その話しやすい女子の基準ってなにかな?」


男「えっ、なんでしょう…」

女「なんでしょうって、私が聞いてるのに…」


男「改めて聞かれるとわかんなくなるんですよね…」


女「うーん…事務的な女の子とか!」


男「どういう、ってああ。仕事のことしか目にか入ってませんよっていう人ですか」


女「そーそー!当たってる?」


男「そういう人は確かに向こうから話しかけられても平気ですが、こちらから話しかけることはないですね」


女「ふーん…私には君から話しかけることもあるよね?」


男「ですね。なのでそれではありません」


女「なら…なら…うーん…」


男「本当に、なんで先輩となら普通に話せるんでしょう…」


男(てかなんでこんなこと聞くの?いくら俺でも勘違いしちゃいそうだからそろそろやめてほしいかな)


女「…あっ」


男「?」


女「私みたいに適当な女の子だ!」


男(そこで「私みたいな」をいれないで!結構頑張って勘違いしないようにしてるんだから!)


男「あー、確かに。でもそうなると先輩以外該当する人がいません」


女「そうかー…ざんねん…」


男「ところで、一つ気になることが」


女「?」


男「あの上着とかも先輩が着るんですか?」


女「あー、あの男の人が着るようなやつ?着るよー。なんか私にはスカートとかは似合わないみたいでね…」


男「えっ、そんなことないですよ」


女「えっ?」


男「今のなしですほんとにごめんなさいすみません…」


女「…」


男(うっわ黙っちゃったよどうすんの?すっげー怒ってるだろ…)


女「…ちょっと部屋の外に出てくれないかな?」

ギィィ バタン


男(終わったー!いやー、短い春でしたな。俺にスカート似合うなんて言われたらそりゃ怒りますわな。ごめんなさい…)


男(…さて、女先輩のお父さんお母さんにどう言い訳して帰ろうか。ありのまま話して怒られて終わりでもいいかな…)


男「あっ、ぅわー…」


男(荷物、部屋の中だ…)


男「…」


男(どうする俺。選択肢は3つあるな。1、ノックして全力で謝る。2、こっそり開けてこっそりとってこっそり出る。3、諦めて全部買い直す)


男(2は論外。現実的には1だけど、出来るかな…無理だったら3にしよう…)


男(ノックして、反応なかったら諦めよう。うっし)


コンコン


男「…」


男(反応なし、やばい…怒れば怒るほど物静かになる人か、女先輩は…)


男「あのー、先輩?中に鞄あるので取りたいのですが…」


男(無理だね。さて、帰ろうか、な…)


男(…先輩は適当だ。なら、気付かれずに鞄を取ることも可能、なはずだ!)


男(でも怒って物静かになるんだったらドアの方を見て「さっさと帰れ」って心で言ってるんだろうな…)


男(つまり、取るのは不可能に近い…だか、やってみる価値はある!)


男(成功すれば買い直さなくてもよくなるんだ!やってみよう!)


男(そーっと、慎重に、ドアノブを回して…ゆっくり、押す…)


バタンッ!


男「うぉぉぉぉ!?」


女「うわっ、びっくりした…なにやってんの…」


男「いや、先輩を怒らせてしまったので帰ろうとしたのですが鞄が部屋の中なのでどうしようと思ってました」


女「何言ってるの?私が怒ってる?」


男「そうですが…」


女「うーん…怒ってなんかいないんだけどな…」


男「えっ」

寝落ちしてまったぁぁぁぁ
ガッコ行く前に少しだけ書く

女「私は着替えするから出て欲しかっただけなんだよねー」


男「着替え…?でも何も着替えてな…」


女「そりゃ上は替えないよ。下だよ?」


男「…スカート」


女「いえーす。一応買ってはいるんだけどなんか似合わないなんて言葉が呪縛みたいになっててね。スカートにするのが怖かったんだよ…」


男「あー、ちなみにそれを言ったのは誰ですか?」


女「お父さんと幼稚園の頃の同級生」


男「それもう圧倒的にお父さんの娘を守りたい精神と男の子の好きな子にいじわるしたい心理ですよ。間違いないです」


女「えっ、そんなことだったの…でも、なんでわかるの?」


男「…言っても怒りませんか?」


女「うん、大丈夫」


男「すっげー似合ってるんですよ。俺も想定外のレベルで。先輩も可愛いから余計にです」


女「…」


男(やめて!その不安気な眼差しで上目遣いされるとオトされるから!)


男「マジです。ほんとです。改めて女父さんに聞いてみたら間違いなくわかりますよ」


女「ううん、違う…最後の、私が、可愛いっていうのだけどさ」


男「…」


女「…それって、ほんと?」


男(だぁぁぁぁあ!心で思ってること口走っちゃったよぉぉぉぉ!あああああああ!)


男「あー、うー、えっと、ですね…」


女「ねえ、答えてよ…」


男(…神様、これ言っても生きて帰れますようにお願いします。せめてお父さんお母さんに俺を育ててくれたお金を返すまでは…)


男「本当ですよ。先輩は可愛いです」

女「そっか、うん。ありがとね!」


男「いえ、なんでお礼を……」


女「…私にそんなこと言ってくれるの親以外いなかったからだよ」


男「女子からは僻みと嫉妬、男子は話しかけていいか迷って結果として話しかけられないというのが原因でしょうね」


女「ははっ、なんだそれー…」


男「ですよね…」


女「…」


男「…」


女「…なんかさ、すっごく顔赤い気がするんだけど気のせいかな?」


男「大丈夫です、俺も熱いですから」


女「ほんとに真っ赤だ!あはははっ!」


男「先輩もですよ。あー、恥ずかしい…」


女「あはははっ、それにしても長年の付き合いの女友と同じように男にもいろいろと話してるんだなー」


男「相談になら乗れます。俺なんかでよければですが…」


女「…うん、わかった!頼ったり甘えたりすることもあるけど許してね!」


男(可愛いので余裕で許します。でも…)

男「甘えるのだけはダメです」


女「えっ…」


男「それはいずれ彼氏さんが出来たらその人にたくさん甘えて下さい」


女(そんな気遣いいらないよ…)


女「…君もジロー君みたいに鈍感なんだね」


男「鈍感ではないです。むしろ鋭敏です」


女「それはないねえ。私が言うんだから間違いないよ!」


男「えぇ…ならもっと鍛えないとな…」


女「頑張って鍛えてね!あはは!」


ーーーーー


男「さて、そろそろお暇しますね」


女「はーい、今日は本当にありがとうね!」


男「いや、ただ俺の黒歴史を増やしただけなのでお礼言われることでもありません…」


女「君にとって黒歴史だとしても私にとってはすっごく新鮮だったの!だから、ありがと!」


男「どーいたしまして、です。ではまた明日」


女「おー!じゃーねー!」


男「お疲れ様でした」

ここまでぇ!
きええええ!
追試ぃ!
行ってくる

ーーーーー


男「…今更ながら今日はとんでもない日だった」


男「女先輩と同じバイトをすることになって、そのまま家に行って、ご飯食べさせてもらって、部屋にあげてもらった…」


男「ここだけ切り取れば恋人同士ではあるが向こうはそんなこと微塵も思っちゃいないはずだ」


男「とまあこんな感じだ、友」


友『今日のこと聞いた俺がバカだったよ!このくそリア充が!爆ぜろ!』


男「はっはっはっ、安心したまえ。女先輩と俺が釣り合うと思うか?」


友『向こうがそう思ってなければ成立するんだよ!この野郎!今夜呪っといてやる!』プツッ


男「あー、呪いよけの札買っといたって言いそびれた…ま、いっか」


男「…3本早い電車だな、よし、頑張ってみようじゃないか」

ーーーーー


女「はー、今日は楽しかったね!お父さんお母さん!」


女母「ねー!男君、また連れてきてよ!」


女父「そうだな、今度は泊まってってもらうのがいいだろう」


女「そうだねー。向こうに度胸があるならいいかもね…」


女母「あらあら…女は男君が気に入ったのねー」


女「あっ、ちがっ、その…もういい!寝る!おやすみ!」


女父「…娘が独立していくのを見るのは悲しいなぁ」


女母「でもいいじゃないですか。男君みたいなしっかりしてる子なら任せられますよ」


女父「そうだな…はぁ…」




女「もー…なんで私が男を好きだってことに…」


女「…あ、そんなこと言ってない。気に入ってるか否かって聞かれただけだった」


女「うーわー…明日またからかわれるよ…」


女「また家早く出よっと。朝から親のラブラブなとこみても虚しいだけだからね」


女「…男、同じ電車に乗ってくれないかなー…」

ーーーーー


女「おはよー!いってきまーす!」


女父「はやいな。いってらっしゃい」


女母「女はいつも通りよ!あなたが遅いんの!早くしてよ!」


女父「まあまあ、母さんの顔を少しでも長く見てたいんだからいいじゃないか」


女母「またそんなこと言って…」


女(そろそろ飽きないのかな、あのやりとり)


ーーーーー


女「ふはー、間に合ったー…」


女「疲れたー…そして昨日眠れなかったから眠いー…」


女「よし、寝よ。おやすみー…」


ーーーーー


男「っはぁ、はぁ…きっつ、辛い!この時間の電車に乗るだけでこんなに辛いのか…」


男「まあ、でもそのおかげですいてるな。席に座れるのは久しぶりだ」


男「さてさて、どこがいいか、な、あ…?」


女「スースー…」


男「…いた、女先輩。マジか、しかも寝てる」


女「スースー…」


男「…周りに同じ学校の生徒はいない、な。うん…」


女「スースー…」


男「…偶々だ。偶然だ。だから、隣に座ってしまって俺が寝てしまっても仕方ないんだ」


女「スー、スー…」


男「…失礼しまーす。よっと」


女「スー…」


男「…やっぱり可愛いんだよな、先輩は。うん、怒られたら謝ればいいんだ」


女「…すーすー」

男「早起きして眠かったんだよなー。だから女先輩に寄りかかって寝てしまうのも不可抗力だ…」コテン


男「」


女「すーすー…」


男(落ち着け、俺。大丈夫だ。先輩は寝ている。肩に頭を乗っけてきたのも偶然だ)


女「すーすー…」


男「…俺も寝るか。本当に眠いし。…先輩、おやすみなさい…」


女「すーすー…」


男「Zzz…」


女(…どうしよ。勢いに任せてというか、目が覚めた途端に隣に来たからつい頭乗っけちゃった)


女(寝たふりバレたかな…?大丈夫だよね)


女(…なんか、すっごく落ち着く…あ、ダメ。安心して、また、眠く…)

だーめだ
書いててむなしくなった
今日はここまで
糖分過多にし過ぎた、ブラックコーヒー飲んで寝るよ
おやすみ

友「今日の占いに従って早い電車に乗ってみた。そしたら可愛い女先輩が眠っていた」


友「その隣には男がいた。やつを仕留めて俺が隣へ行こうとしたら、この変な人に殴って止められたんだ…」


女友「変な人とはなんだ。先輩だぞ?」


友「行かせてくれぇー!男を仕留めて女先輩の隣に行くチャンスなんだぁぁぁ!」


女友「駄目。女が男子とあんな大胆なことすんなんてハレー彗星並みに珍しいことなんだから」


友「男の代わりに俺が大胆なことされてきますので離して下さいやがれぇ!」


女友「…窓から投げ捨てたろか、あぁ?」


友「すんません、まじすんません…」


女友「ったく…女のやつ、後から問い詰めてやる」


ズルズル…


友「あの、どちらへ?」


女友「隣の車両。あの二人が起きて私たちがいたら戸惑うでしょ」


友「だからって引きずらないでくれぇー…」


女友「うるさい。こうでもしないと動かないでしょ」


友「それはもちろん!男を仕留めるまでは…」


友「ぐえっ」キュッ


友「…」グターッ…


女友「よし、静かになった」

女「ん…ふぁー…よく寝た…」


男「Zzz…」


女「…」


男「Zzz…」


女「うぁぁ…そうだった、男の肩で寝ちゃったんだ…」


男「…ぐぅ、ん?」


女「! お、おはよー…」


男「…」


女「あはは、は…」


男「マジでごめんなさい…!」


女「!?」


男「先輩が寝てると知りながら隣に座って頭預けて寝てしまおうという魂胆でしたほんとにごめんなさい」


女「えっ、いいよいいよ。大丈夫だから」


男「…ほんとにすみません」


女「いいってば…それより、学校までもう少しあるよね…?」


男「そう、ですが…」


女「もうちょっとだけ。隣に、いてくれないかな…?」


男 ドガッ!ベギッ!


女「ちょ、ちょっと!?なんで自分叩いてるの!?」


男「いや、夢ならさっさと覚めろって感じなんですよ。というか、俺がそんなこと言われるはずないので夢です」


女「夢じゃ、ないんだってば…」


女「…それとも嫌だったかな?」


男「そんなわけないでしょう。むしろ嬉しいくらいです」

女「…」


男「ん?覚めない、覚めないぞ。夢」


女 ポンポン


男「…隣に座れと?」


女 コクコク


男「…許可貰いましたからね。後から首取らないでくださいよ」


女「…」


男「よっ、と…」


女 コテン


男「!?」


女「…」


男(やばいさっきまで寝ぼけてた。何言ってんだ俺。嬉しいとか思っても言ったら駄目だろうがぁぁぁぁ!)


男「…あの?」


女「…」


男(さっきまでは本当に眠かったんだな。こんなにいい匂いがしたり柔らかかったりするのによく寝れたな、俺)


女「…スースー」


男「せんぱーい、寝ないでー…」


女「んぅ…着いたら教えて…」ギュッ


男「…」


男(さあ、手を握られた。落ち着け、素数を数えろ。13579…あれ?素数ってなんだっけ?)


女「スースー…」


男(なにこれどうなってんの意味がわかんないよそろそろ他の生徒も乗り始めるのにどうしてこうなった)


女「スースー…」


男(いかん、この何もできない時間がもどかしくもあるが…それ以上に幸せに思えてしまう)


男(…今日くらいはいいよな。学校に着くまでの間だ。それくらいなら罰は当たらんだろう)

友「爆ぜろ爆ぜろ爆ぜろ爆ぜろ爆ぜろ…」


女友「うんうん、なんか見てるこっちがむず痒くなるような状況になってきたね」


友「とにかく同志にメールしてあいつを処刑せねば…」


女友「おい、なに物騒なこと言ってんだ。しばくぞ?」


友「さーせん…」


女友「うーん…それにしても残念だったね、男君に女よ。もう目的地に着く時間だ」


眠い
寝る
あと、キャラについてはもう出ない(予定)

ーーーーー


?「ほら、起きな。着いたよ」


男「…?」


?「学校に遅れてもいいのか、異端者?」


男「…友か。その前は…」


女友「女友だよ。女も早く起きないと降りれないぞ」


男(あんなに緊張してたのに、やっぱり寝ちまったのか…)


女「んー…あと5分…」


女友「…男君、女を頼むよ」


男「は、い?」


友「姐さん!それの役目は俺が受けおいます!」


女友「黙れ、許さん」


友「えーっ…わかりました…」


女友「私たちは先に行くからおぶってでも連れてきてね」


男「それは、いろいろと問題が…」


女友「安心してもいいよ。この時間帯の生徒たちにはもう全部目撃されてるから問題なしだ」


男「それもそうですが…いや、それは諦めはついてます。それではなく先輩を背負うと…その、察してください」


女友「少年なら間違いは起こさないと信じている」


男「えー…」


女友「頼むよ」


男「…わかりました…」


女友「よし。行くぞ」


友「へい!姐さん!」


男「一体友に何があったんだ…」

ーーーーー


男「はぁぁぁ…マジかー…」


男「あのー、女先輩?」


女「むー…」


男「立てますか?」


女「…おんぶ」


男「いや、まだ会って3日目ですよ、俺たち。それを頼むのは彼氏さんにお願いします」


女「私に彼氏はいないし、恋に会ってからの日にちは関係ないから大丈夫ー…」


男「はぁ…はぁ!?」


女「うるさーい…電車出発しちゃうからはやくしてー…」


男「へ、う、は、はい…どうぞ…」


スッ…


女「ん…」


トサッ…


男「よっ、と…」


女(人におんぶしてもらうの懐かしなー…)


ギュッ


男(いやぁぁぁ。いろいろと当たってる柔らかいあったかいやばいぃぃ…)


女「学校までよろしくー…」


男「いや、途中で起きてくださいよ」


女「スースー…」


男「マジでか」


男(…さっきの先輩の言った恋に日にちはどうたらっていうのは、まさか、ね…)


男「…さすがに勘違いではない、と思ってもいいのか?」


男「とにかく行こう…学校に行って女友先輩に渡せばいいんだよな、うんそうしよう。迅速に、俺の理性が崩壊する前に完遂すればいいんだ」

ーーーーー

男「着いたー…」


女「スースー…」


男「えーっと…いた、女友先輩」


女友「おぉ、少年。ほんとにおぶってきたのか。やるな」


友「…処刑処刑処刑」


女友「おい」


友「うっす、さーせん!」


女友「引き取るよ、ありがとうね」


男「お願いします」


女「スー…ん?学校?」


女友「女、おはよう」


男「先輩おはようございます」


友「うっす!」


女「おはよー。私、いつ学校に来たの?」


男「さー友。さっさと教室に行こうじゃないか」


友「うむ、異端者を処刑するためにな」


男「そうじゃないけど、もうそれでもいい。はやく行くぞ」


女「?」


女友「ずっと寝てたんだね。何も覚えてない?」


女「うーん…なんか安心できるなーってことと懐かしい感覚だなーってこと以外は何も…」


女友「そうか…ところで昨日何時まで起きてたの?」


女「…5分です」


女友「うっわ、マジか。いつも8時間は寝てるあんたがそんなに少ないならああなるのも仕方ないね」


女「ああなるって?」


女友「あ、大丈夫。忘れて」


女「???」


女友(少年よ、哀れなり…)

男「こんなにはやく学校に来るのも久しぶりだな」


友「ああ、お前が死ぬのにちょうどいい時間だな」


男「中二病か?そろそろ卒業しろよ」


友「ちがうわい!リア充が、覚悟しろぉ!」バッ!


ゴンッ…


友「おおおおおぉぉ…」


男「お前が俺に勝てるかっての…」


友「もう少し手加減してくれよ…ゲンコツ超いてえ…」


男「てか、女先輩学校来る時スカートじゃないか…」


友「何の話だ貴様」


男「いや、先輩がスカートはくのがトラウマみたいなこと言ってたからさ。なんで学校のは大丈夫なんだろって思って」


友「なぜ先輩のそんなことを知ってるんだよ!!!?」


男「あっ、やべ…」


友「…まあいい。続きは放課後にしといてやる」


男「珍しい。なんで引き下がるんだ?…ああ。先生来たのか」

まだ更新するけど、一時中断

再会

女友「そういや女はあの少年、男君のことはどう思ってるんだ?」


女「ぅ!?いやぁ…べつにー?」


女友「ふむふむ大好きで仕方が無いか」


女「そんなこと言ってない!」


女友「いや、朝のあれを見る限り間違いない」


女「だから朝のあれってなんなの!?」


女友「女の新しい一面が見れたんだよ」


女「…どういうの?」


女友「自分の気持ちにすっごく素直になってる乙女」


女「…つまり?」


女友「あんなに甘えちゃってさ。私を糖尿病にでもする気?」


女「まじかー…ぜんっぜん覚えてないや…」


女友「とりあえずこの写真見てよ」


女「どれー、え、え?」


女友「加工等は一切合切してないよ」


女「これ、私?」


女友「うん」


女「これ、男、だね…」


女友「うん」


女「…恋人にしか見えないんだけど」


女友「だよね。当事者が言うんだから周り全員それを思ってたに違いない」


女「わー…恥ずかしい…帰りに男の顔見れないじゃんか」


女友「向こうはそれ以上に色々とされてるんだからより一層合わせ辛いと思うよ」


女「それ以上っ!?」


女友「詳しくは本人に聞きなよ」


女「あー気になるー…」

女友「とりあえず女に彼氏が出来そうだからこれだけは言っとくね」


「なんだって!?」「女さんに彼氏…」「俺たちの希望がぁ!」「あんたたちでは釣り合わないって」「その彼氏を殺れば…」


女「まだ彼氏じゃないってば!」


女「まだとな?まだと来ましたか…爆ぜろリア充!」


女「揚げ足とるようなことしないでよ!?」


女友「だってさー。本当のことなんでしょ?」


女「う、うん、そうだけど…」


女友「ほらほらほらほら自白しやがったよこいつ」


女「はっ…しまった…」


女友「あーあ。もういいや。どこに惹かれたの?教えてよ」


女「…いやだ。知られたくない」


女友「ケチー。減るもんじゃないでしょ?」


女「減るよ、私のぷらいどが!」


女友「それは誰が言ったセリフ?」


女「…男です」


女友「だよねー。女がそんなセリフ言うわけないからねー」


女「それ、私をけなしてる?」


女友「違う違う。褒めてるよ」

まじでゴメン
もののけ姫見てたら眠くなった…
おやすみ…
明日は10レスくらいを目標に大幅更新(予定)

女「放課後だ。バイトだ。男を迎えに行かないといけない…恥ずかしい…」


女友「はよ行ってこい。見てるこっちがもどかしいわ」


女「そりゃあんたは何もしないからでしょー…」


女友「知るかー!リア充がー!さっさとイチャラブしながら下校してバイト行っちまえー!」


女「はーい…じゃない!イチャラブなんてしないから!」


ーーーーー


男「さてやばいどうする先輩が来る顔見れないでもバイトがある」


友「うるせえ。姐さんに止められてなかったら今頃お前を仕留めてるぞ」


男「返り討ちにしてやる」


友「そりゃ格闘技習ってるお前には勝てねえけどさ。数の力っていうのを見せてやりたかったな…」


男「その場合は逃げるぞ。俺の逃げ足舐めるなよ」


友「ほんとになんで足速いんだろーなお前」


男「さーな。鍛えてるからじゃねえのか」


友「…俺も筋トレするか」

男「なら一度うちに来い。俺とお父さんで鍛えてやるよ」


友「そんなむさ苦しいとこ行ってたまるか」


ーーーーー


女「あー、どーやって呼ぼう…そうだ!」


コソコソ…


ーーーーー


男「むさ苦しいけどな…ん?」


友「どうした…って、えー…」


ーーーーー


チョンチョン


クラス女子「ひゃう!?」


女「またまたごめん、男呼んでー」


クラス女子「せ、先輩…びっくりした…わかりました」


女「ありがとー」


ーーーーー


友「あれでバレてないつもりなのかね。可愛いのう」


男「…」


友「どうした、顔赤いぞ。とりあえず爆発しとけ」


クラス女子「女先輩が呼んでるよ」


男「…わかっt、りました。ありがとうございます」


クラス女子「はい、私はこれで」


友「っく…くくく…」


男「なんだよ、俺はもう行くぞ」


友「お前、敬語の癖治らねえな!あはははっ!」


女(敬語の癖?)


男「うるせー。これでも努力してるんだよ。じゃーな、負け組」


友「あっ、てめえ!明日覚えとけよ!」

女「や、やっほー。元気にしてるー?」


男「ボチボチです…バイトですよね?」


女「そーそー。行こっか」


男「…はい」




友「初々しいのう、爆ぜんかのう」


ーーーーー


女「あのー、男?」


男「なんでしょうか」


女「敬語の癖ってなに?」


男「…聞いちゃいますか、それ」


女「そりゃーね。何のことかも分かんないから好奇心が…」


男「慣れない人と話す時は敬語になってしまう、というだけのことですよ」


女「ほんとにそれだけ?」


男「っ…」


男(この人は…鋭いのか天然なのか適当なのかわからん…)


男「先輩だけではなく、異性であれば後輩であれ、同級生であれ、ほぼ確実に敬語になります」


女「なーるほど。それが敬語の癖ね」


男「そうです」


女「ほぼ確実ってことは、そうじゃない人もいるよね。誰?」

男「お母さん、妹、あとは中学時代に仲のよかった友人…だけですね」


女「ほへー。少ない!少ないよ!もっと増やそうよー」


男「無理です。というか、現状に満足してるため全然構いません」


女「現状、ね…それは私と会ってからの期間でいいの?」


男(この人はこう、なんで…はぁ…)


男「構いません。それより前から思ってはいましたが、先輩と会ってからはより一層敬語の癖は気にしなくなりました」


女「ふーん…」


男(言っちゃったよいいのかこれ。…うん、嫌がられたらそれまでだな。諦めよう)


女「わかった。よし、走るぞー!」


男「おー、おー!?なんでですか!?」


女「なんでも!はやく!」


男「ちょ、待ってくださいよー…」


女(…敬語の癖を治さなくてもいいと思える部分に確実に私の存在がある。うん、ひとまずそれだけでもいいかな!)

よし、更新できた
よかったー…
おやすみ

女「とと、信号赤だ」


男「ふーっ、ふーっ…はー、きついです」


女「そのうち慣れるよ!きっと!」


男「そう言うと思いましたよ。ところで先輩、一つ聞いていいですか?」


女「どしたの?」


男「制服ってスカートじゃないですか。今まで先輩はなんで平気だったんですか?」


女「あ、それねー。めくって見ればわかるよ。ほれ」ピラッ


男「ちょっ!?…なるほど、そういうことですか…」


女「スカートから出ないギリギリの長さのズボンはいてるからスカートを着てると思わずにいられるというわけさ!」


男「…そうですね、よかったです」


女「残念そうだねー!ほんとは見たかったとか?」


男「先輩、信号青です。行きましょう」


女「えー!ちょっと待ってよー!答え聞かせてー!」


ーーーーー


女「さて、今日もバイト頑張りましょー!」


男「善処します」


ーーーーー


先輩「今日もお疲れ様。次は来週かな?」


女「はい!」


先輩「うん、わかった。またね」


女「お疲れ様でした!」


男「お疲れ様っした」

女「それにしても君はもう少し接客をどうにか出来ないのかな?」


男「このコミュ障の俺に何をどう頑張れと?」


女「私相手に練習する!」


男「女先輩相手では練習になりません。慣れてしまってるので」


女「えー…」


男「まあ、頑張りますよ。ありがとうございます」


女「…そうだね。お礼なら感謝されるよりも朝の駅から学校まで何があったのか教えてくれる方がいいな」


男「女友先輩か…」


女「うん、えーっとね…ほら、これ見て」


男「」


女「まあただのカップルの画像だけどね。写ってるのが私と男ということを除けば、だけど」


男「あの、それで…」


女「あいつがさー。これよりも恥ずかしいことをしてたって言ってたの。それを教えて!」

男「…それは俺が恥ずかしいだけなので嫌です、なんていうのは通じませんよね」


女「いやならいいけど、すっごく気になるなー」


男「…」


女「気になりすぎて眠れなくてまた同じようなことが起こったりしちゃうかもなー」


男「!?」


女(お、釣れたかな?)


男「…先輩が、眠くて動けないと言って、俺に」


女「俺に?」


男「おんぶして下さいって言ったんですよ」


女「…そんなけ?」


男「えっ、ちょっ、そんなけって言えますか!?」


女「言えるよー。なーんだ、よかった。じゃないよヘタレ!」


男「なんで貶されるんですか…」


女「この鈍感主人公が!」


女(好きだバカ!…なんて、さすがに言えないねー)


男「えっ、ならやっぱり感覚磨かないと…勘違いはダメですからね。勘違い、ダメ、絶対。ですよ」


女「はいはいそうですかー」


男「むー…俺に原因があるんだろうけどわからん…」


女「いいや。とりあえず送ってってよね」


男「ああ、了解です」


ーーーーー


女「なんで今日の電車はこんなに混んでるの…」


男「まあ、いろいろあるんでしょうね。とにかく乗りましょう」


女「はーい…はー、人混みいやだー…」

男「そのうち減りますから。頑張りましょうよ」


女「はーい…」


サワサワッ


女「っ!?」ゴスッ!


痴漢「っ、がっ、くっそ…」


女「こいつ痴漢です!」ガシッ!


痴漢「あ、くっそ…俺はなにもやってない!」


女「いやいや、やったでしょ。なにも出来ずに震えてる女の人だけじゃないんだからね、覚えとけ!」


痴漢「ひいいいっ…」


女「男!拘束!」


男「り、了解です!」


痴漢「やめろっての!いてててっ」


女「次の駅で降りてもらうからね!」


男(先輩強すぎだろ、すっげーな…)

あっかん、今週は書き溜め作って週末にまとめて更新する
すまぬ、さらばだ

痴漢「だから、何もやってねえって言ってるだろ!」


女「いいえやりましたー!触ってた手を直接掴んだんだから間違いありません!」


男(痴漢とこんな風に口喧嘩する人って初めて見た)


痴漢「なら証拠はあるのかー?あ?」


女「痴漢は証拠なくてもダメだからね?諦めなよ」


痴漢「くっ…冤罪だぁ!誰か信じてくれよぉ!」


男「あー、すみません、うるさいです」ギリリッ


痴漢「いででででででで!やめろ!離せよ!」


男「それ以上喋るならもっとしめますよ?静かにお願いします」


女「ひゃー、君、握力何キロ?」


男「えっと、確か60くらいですね…」


女「おー!なんというか、いいね!」


男「握力強いと何かと便利なので少し鍛えました」


女「私も鍛えよっかなー…」


男「先輩はそのままでいいです。むしろそのままがいい」


女「えっ?」


男「いまのはなんというかとにかくあれですなんでもいいのでわすれてください」

ーーーーー


駅員「こいつが痴漢ですね?」


女「はい!」


痴漢「だからやってねえって言ってるだろ!」


男「…」


駅員「わかりました。ご協力ありがとうございました」


女「いえいえ、では失礼します」


男 ペコリ


痴漢「ちっ…覚えとけよクソガキがぁ!」




女「いやー、あのヤローの騒がしいこと騒がしいこと」


男「それにしても先輩凄いですね」


女「ん?」


男「俺が知る限りでは痴漢された時は大抵身が竦むと思ってました。ですが先輩はすぐに掴んで声を出して…」


女「ああ、もう3回目くらいだからね。慣れたんだー」

男「…そうですか。でもこれからは俺がついてるので大丈夫です」


女「今日はダメだったけど?」


男「いや、これからは…」


女「これからは?」


男「…?」


女「どしたの?」


男(一体、俺は何を言ってるんだ。俺は、この人の、彼氏では、ない。だから、こんなことを言って言いわけがない)


女「おーい?もう帰ろうよー」


男「というかなんで先輩はあの言葉をそのまま受け入れてるんですか。おかしいでしょう」


女「えっ、何の話?」


男「いや、だから…俺がついてるから大丈夫ですの下りです」


女「?」


男「むしろ何を疑問に思ってるんですか?」


女「これからは一緒に登校したり下校したりバイトしたりするんでしょ?ならおかしくはないよ」


男「いや、バイトはともかく登校や下校まで一緒って…」


女「…だめ?」


男「いやいや全然オッケーです。むしろ大歓迎です」


女「ありがとー!」


女(…よしっ!)


男(あー!何言ってんの俺!?乗せられたー!?…いや、でもそうしたいとは思ってたよ?でも、いいのかな…)


ー物陰ー


女友「偶然見かけた女が痴漢に巻き込まれたから慰めようとつけてきて結果としてイチャイチャを見せられただけかい爆ぜろ!」


友「姐さん!口から呪詛漏れてますぜ!」


女友「あ、あぁ、すまんな…ったく、帰るぞ!」


友「へい!」

ーーーーー


男「着きましたね」


女「うん、ありがと!」


男「いえ、お疲れ様でした。失礼します」


女「…ちょっとだけ時間貰ってもいいかな?」


男「どうしましたか?今日は家には上がりませんよ絶対」


女「そんな拒絶しないでよー…実はさ、今日のアレすっごい怖かったんだよね」


女「それでさ。なんというか、このままだと夢に出そうっていうか…ね?」


男「…」

女「…だからちょっとだけ許してね」


男「ストップ、5秒ください」


女「…むー」


男「すー…ふっ!」ゴッ!


女「なんで地面殴ってるの!?」


男「いや、痛み与えて夢から覚めろと脳に命令を送ったんです」


男(あと、これから何されても痛みで覚醒していられるように)


女「…雰囲気台無し。ちょっと長くなるからね」コツン…


男「…」!?


男(頭で俺にもたれかからないでくださいまじでやばい、何か、冷静になれることを考えろ俺ー)


女「…」ぎゅっ…


男(耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ。大丈夫だ安心したまえ見ろ人がゴミのよう私はラピュタ王だ三分間だけまってや時間だ答えを聞こう!)



女「…」クイッ


男(シータぁぁぁぁ、あ?手を引っ張って、どこへ持ってかれるの?)


女「…ここに置いといて」ポンッ


男「…っす」


男(頭の上ぇ!?なにこれなんかすごい触り心地いいんですけどいいのこれ撫でてもいいの?)


女「…怖かったよぉ…」ポロポロ…


男「…あー、はい。よく頑張りました、ね、先輩」ナデナデ


男(…少しだけならいいよな。むしろここで放っとくのはダメだと俺の危機察知能力が叫んでいるくらいだ)


女「ぐすっ、ぅー…」

女父(玄関前で何やってるんだこの子たちは。それより男、貴様、女を泣かせたn)


女「えぐっ、ふっ…」


男「よしよし、です」ナデナデ


女父(というわけでもないみたいだな。仕方ない、入るのは少しだけ待ってやる)


女「…うん、オッケー。ありがとね」


男「え、う、はい」


女「ふふっ、こんなに泣いたのいつ以来かなー」


男「先輩が泣くところ、全く想像出来ませんでした」


女「今は?」


男「目の前でみてまだわからないほど馬鹿ではありませんよ?」


女「だよね!よかったよかった!おやすみ、男!」


男「はい」

よし、いい感じで更新出来た。
書き溜めなし、そのうえ短くて早くおわってすまんが今日はここまで
おつかれっしたー

男「ただいまー」


男母「おかえり。最近帰り遅いね?」


男「気にしないで」


男母「ふふふっ、ようやく彼女でもできたのかしら?」


男「あー、そうじゃあないな。うん」


男母「ふーん…ま、いいけどね」


男(やべー…先輩は彼女じゃないよな?うん、そうじゃない。はず)


ーーーーー


女「はー、ただいまー」


女父「ついでに私も帰宅だ」


女「!?!?」


女母「はいはいおかえりなさい。って、どうしたの女?」


女「いやぁ、別にー?」


女父「ほんとはもっと早く帰ってこれるはずだったんだけどね。なー、女?」


女「なんのはなしかなーわたしわかんないやー」


女母「あんたは何やったの…」


女「何もしてないってば!」


女父「とにかく、ああいうのは屋内でやってくれ。近所の人から生暖かい目で見られてもしらんからな」


女「…見てたの」


女父「もーばっちり」


女母「???」

男「ただいまー」


男母「おかえり。最近帰り遅いね?」


男「気にしないで」


男母「ふふふっ、ようやく彼女でもできたのかしら?」


男「あー、そうじゃあないな。うん」


男母「ふーん…ま、いいけどね」


男(やべー…先輩は彼女じゃないよな?うん、そうじゃない。はず)


ーーーーー


女「はー、ただいまー」


女父「ついでに私も帰宅だ」


女「!?!?」


女母「はいはいおかえりなさい。って、どうしたの女?」


女「いやぁ、別にー?」


女父「ほんとはもっと早く帰ってこれるはずだったんだけどね。なー、女?」


女「なんのはなしかなーわたしわかんないやー」


女母「あんたは何やったの…」


女「何もしてないってば!」


女父「とにかく、ああいうのは屋内でやってくれ。近所の人から生暖かい目で見られてもしらんからな」


女「…見てたの」


女父「もーばっちり」


女母「???」

女「うーわーそれはないよお父さん!」


女父「だから部屋に連れ込んでからやればこんなことは言わないって!」


女母「なーんーのーはーなーしー?」


女「大丈夫!お母さんは気にしないで!」


女父「女が家の前で男に」


女「うわー!!!」ドゴォッ!


女父「コポォっ…」バタッ…


女母「ちょ、女!?なにやってんの!?」


女「知らない知らない!とにかくお父さん、お母さんに何も言わないでね!私、部屋行ってくる!」


女母「ちょっと、女…はぁ…」


女父「か、母さん…」


女母「はいはい、どうしたの?」


女父「膝枕して…」


女母「まったく…先にお風呂入って来てください。じゃないとしてあげません」


女父「はいはい!いってくる!」


女母(こういう時に素直なとこが可愛いのよねー…)

男(それにしても先輩、泣いてたけど怖がってる様子なかったけどなー…うーん…)


男(あれか。好きな人の前だから強がったけどやっぱり本当は怖かったんだよってやつですか。ははは、可愛いなー先輩)


男(…死ね俺!)バキッ


男(なんで前向き思考してんだよ…あほか…)


男(勘違いが酷くなる前に今日はもう寝よう)


ヴーーッヴーーッ


男「…電話?」


着信:女先輩


男「おいいいぃぃぃぃ!自己暗示で必死に勘違いを悪化させはいようにしたのにいいいぃぃぃぃ!」


男「はぁ…ま、いいや」


男「もしもし?」


女『もしもーし。さっきの今でごめんね?』


男「大丈夫ですよ。どうしましたか?」


女『えーっとね、今日のことは皆には内緒だよ?』


男「もちろんです。むしろ口外していいことなんてないですから」


女『よかったー…突然話題変わるけど先輩から電話かかって来たんだけどね』


男「ほんとに突然ですね。まあいつものことですが………先輩が?」


女『そーそー。バイトの先輩ね。店長が店を休みにして皆で海にでも行こー!って話が出てね』


男「なるほど。それでなんでその話を俺に?」


女『一緒に行くから予定開けといてねー、ってことだよ』


男「ほほう、つまり遺書を書いて推敲しておけと。わかりました」


女『んー、水難事故は起きないようにすればいいから。そんなの書かないで』


男「念には念をです。大丈夫です」


女『大丈夫じゃないの!』


男「またまた。平気ですよ。俺は鍛えてますからそう簡単には死にはしま…」


女『死ぬとか、そういうのやめて!』


男「…はい、すみません」

女『…ごめんね。ちょっと、うん。実はパズル聞いちゃってさ』


男「えーと、奥華子さんのやつですよね?」


女『うん。それで私と男だったらーって考えるとさ…とにかく嫌なんだ。だから、もう死ぬとかそういうの、やめて?』


男「…了解です。これは善処しますでも努力しますでもなく、すぐにそうします」


女『うん、ありがとう』


男「さて、では俺はとりあえず冷水浴びて寝るので。おやすみなさいです」


女『うん、うん?冷水?なんで?」


男「そこは気にしないで下さい。大丈夫です」


女『うん、わかった…おやすみー!』


男「はい、失礼します」


男「…待て、なぜ俺は疑問に思わなかった。馬鹿か。アホか」


男「パズルっていったら、重たいけど恋人の歌じゃねえか…まじかよ…」


男「いや、それくらい大切だってことだな。奥華子さんの話ができる異性の友人として!うん、間違いない!」


男「さー、冷水浴びて頭冷やして寝よう。このままだと多分、夢に先輩が出て来ちまうからな…」


ーーーーー


女「はー、緊張したー…」


女「もう眠くて眠くて…でも男の声が聞きたくて聞きたくて…」


女「矛盾だねー、大変だねー。これが恋かなー?」


女「…なんか言ってみて恥ずかしくなっちゃった…寝よ、おやすみー…」

寝るべ
また明日くるドン

男「あ、先輩。おはようございます」


女「おはよー…今更ながらなんで私たちこんなに補修が多いの?」


男「えーとですね。神学校だから、ですかね…」


女「うがー!実質学校ない夏休みは後半の一週間しかないじゃないかー!」


男「まあまあ…そのおかげで模試とかの平均点は県内でもいいほうのはずですよ」


女「そんなの自分たちでやらせればいーじゃん…」


男「そうですが…諦めましょうよ」


女「むー…」


女友(おやおや、朝早くからイチャイチャしてやがるのかこいつらは」


女友「おはよー」


男「女友先輩、なんか漏れてますよ」


女友「む、いかんいかん…」


女「だから付き合ってないんだってば!」


女友「へー、そーなんだー。でも客観的に見れば間違いなくそれにしか見えないよ」


男「ぐばっ…まじか…」


女「なに男、その反応。もしかしてそう思われるのが嫌?」


男「えっ、そういうわけでは…」


女友「もう相思相愛じゃないか。付き合え。今すぐ、この場で」


女「…」


男「…」


女友「な、なんでそんな目でこっち見るの?別に合理的な判断の気がするけど…」


女「そういう問題じゃないの!こんなとこで告白されても私は断るからね!」


男(いくら恋愛経験値0の俺でもこんなとこでは言わないな。でもこんなことは言えないから)


男「…のーこめんとで」


女友「つまらんなー…」


女「男、わかった!?」




男「え、はい」


女友「ん?今、返事したよね」


女「…」


男「…」


女友「よし、女に予約が出来たな。クラスの男子には私が言っとくから女は恋人になる前の少年との甘いひと時を過ごしたまえ」


女「…」


男「…」


女友「あ、私は隣の車両に行くから気にしなくても大丈夫だから。じゃーねー」


女「…ねえ、さっきのって、私、待っててもいいの?」


男(判断を間違えるな俺。勘違いは…勘違いは…これを勘違いとして片付けるのは簡単だ。でも、ここは。先輩の言葉は本物と信じないことには、多分俺は一生後悔する気がする)


男「…はい。もう予約しました。絶対に他の人なんかに渡しません」


女「…うん、わかった!よし、そうと決まったら」


男「決まったら、?」


女「どうしようねー。なんも思い浮かばないやー!」


男「うん、これでこそ先輩だな。間違いない」

ーーーーー


女友「ふー。いい仕事したぜ」


友「あ、姐さん!おはようございます!」


女友「おお、おはよう。隣の車両にはいかないように。いいね?」


友「うっす!」


女友(それにしても頭を撫でられるとどんな感じなんだろうな。昨日の女を見る限りでは安心させられる効果があるみたいだが…)


女友(…知るために試しておくのも悪くないな。よし)


女友「友。私の隣に座れ」


友「うっす!…ん?うぇ!?」


女友「早くしろ」


友「は、はい…」


女友「動くなよ」


友「うっす…」


女友 ナデナデ


友「!?!?!?!?」


女友「どんな感じだ?」ナデナデ


友「ちょ、え、あの…すんません!」バッ!


女友「おい、動くなと言っただろう」


友「いや、それ以上続けられると危ないっていうか、こう…」


女友「ほーう。なるほどな。どう危ないんだ?」


友「それは…言えません…」


女友「ちっ…しゃーねえ。なら友。逆に私を撫でてくれ」

友「」


女友「どうした?はやくしろ」


友「い、いいんですか、姐さん?」


女友「私はいいと言っているだろう。ほら早く」


友「し、失礼します…」ナデナデ…


女友「ん。なるほどな」


友 ナデナデ…


女友(なんか、遠慮されてるのがわかるなでかただな…気に入らん)


女友「友。遠慮はいらん。普通になでろ」


友「ふえぇ…」

友「…痛いことしないで下さいよ?」


女友「わかった。約束しよう」


友「では…」ナデナデ


友(さっきは分からんかったけど、姐さんの髪の毛柔らかいな…)


女友(ふーむ。なるほど)


友 ナデナデ


友(いい匂いもするし…これ以上は俺がやばいな)


女友(悪くないな。むしろ妙な安心感が持てる。だがそれ以上に…)


女友「よし、OKだ」


友「うっす!」


女友(む、なんか寂しいな…なんでだ?)


友(セーフ。変なこと考えずにすんだぜ)


女友「友、ありがとう」


友「いやいや、とんでもないです」


女友「あとは学校着くまで暇するか」


友「うっす!」

ここまでぃやっはー
次回予告
海、行くぜ!
おやすみ

月曜から更新するといったな?
あれは嘘だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!

ー土曜日ー


男「えっ、今日海ですか」


女「うん!店で集合だから早く行くよー!」


男「まあ用意は終わってるからいいんですけど…」


女「行きの車で『海風通り』歌ってもらうからね!よろしくー!」


男「あれは女先輩が歌うべきでは?せっかくの女性目線の歌ですし」


女「私は恥ずかしいからパス!」


男「俺もパスです。店長にでも歌ってもらいましょうか」


女「それいーねー。ほんとにやってもらおっか!」


ーーーーー


店長「はーい、皆集まったかなー?」


女「出席確認!1!」


先輩「2」


男「3?」


外人バイト「4!」


後輩「5です」


男「うぉう!?だれ!?」


後輩「失礼ですね…後輩といいます」

男「あ、君が後輩…男です、よろしくお願いします」


後輩「男先輩、敬語はやめてください」


女「あー、この子ね。これが癖なんだー。後輩ちゃん、慣れて!」


男「…はい、俺からもお願いします」


後輩「癖って…今はいいですがそのうち治して下さいね。こう、年上の人に下に出られるとむず痒いので」


男「善処します」


店長「よーし、自己紹介終わったところで出発しよー!」


女「どーやって行くんですか?」


店長「走って」


男「…」


女「おー、お?」


先輩「店長…」


外人バイト「走ル?うっし行くゼよ!」


後輩「先輩と店長で車出して下さい」


店長「えー…それだと楽しくないよー…」

後輩「この炎天下の中で走っていくのですか?私は嫌です」


男「トゲがある言い方ですね…」


女「んー、私には後輩言葉になるんだけどねー。そのギャップが可愛いんだけどさ!」


先輩「店長。後輩の言葉に従うのがいいと思います」


店長「仕方ないなー…わかったよぅ」


男「ところで外人バイトさんは…」


女「あの人はほっといても大丈夫!水無しの砂漠で1ヶ月過ごせる人だから」


男「!?」


先輩「こらこら、嘘を言わない。途中で拾うから気にしなくてもいいよ」


男「り、了解です」


後輩「女先輩!一緒に乗ってもいいっすか?」


女「えー、私は男と…」


後輩「…え?」


男「にゃにを言ってるんですか女先輩」


女「ダメかな?未来形だけど恋人同士になるから、支障は無いんだけど…」


後輩「」


先輩「はいはい、後輩。俺の車で行こうか」ズルズル


男「あー、後輩さん、すみません…」


店長「なら二人は私の車ねー」


女「あっ、店長!海風通り歌って行ってくださいよ!」


店長「え、何その曲?」


男「先輩先輩。奥華子さんの歌ですよ。さらにあまり有名でない曲ですよ」


女「はっ…みんな知らないんだー…」


ーーーーー


女「都会のビルの間をすり抜けてすり抜けて~♪」


店長「いい歌だねー。私も聞こっかなー?」


男「CDとかなら、俺と先輩で大体全部揃ってるので貸せますよ」


店長「うーん、帰ったら二人から1枚ずつお願いするね」


男「わかりました」


女「なんだかヤキモチ焼いちゃうな、私も車になりたいな、だけどハンドル握る横顔、放したくない~♪」


男「…そういえば店長って結婚されてるんですか?」


店長「んー、してるよー。でも独り身なんだー」


男「…」(結婚してても独り身。別居か、あるいは…)


店長「今は上から私のこと見ててくれるといいんだけどねー…」


男「あー、すみません…」


店長「いーよいーよー。全然大丈夫だからねー」


女「店長の旦那さん、すっごいかっこいい人なんだよー」


男「かっこいい…羨ましい…」


女「こらっ。今の男でも十分だからそんなこと言わないの!」


男「はい、すみません…」

先輩「いやー、外人バイトのやつどこまで行ったんだろうな…」


後輩「…道を間違えてたりして」


先輩「うっわ、あり得そう。やめて欲しいな…」


後輩「と、噂をすればなんとやら。反対の歩道で大の字で寝てますよ」


先輩「熱いだろ、あんなとこで寝てたら」


後輩「まあまあ。迎えに行きましょう」




外人バイト「車なラ先に言ってクんロ!」


後輩「あなたが先走って行ってしまうのが原因です」


先輩「そうだな、後輩の言う通りだ。もう少し人の話を聞いてから行動するようにしよう、な?」


外人バイト「あい、サーセン…」


女「店長たちはだいぶ先に行ってしまいましたね」


先輩「大丈夫。目的地は聞いてるからなんとかなるさ」


外人バイト「ンじゃ、さっサと行コうや!」


先輩「お前が原因で遅れてるって言ってるだろ…」


外人バイト「はっ…」

いやー、冒頭みたいな元気なくなっちった…
模試の威力半端ないな
海に行けず申し訳ない
おやすみ

店長「とーちゃーく♪」


男「うおっ…凄いですけど人いないですね」


女「えーと、なんでだろ?」


店長「貸切の場所って考えてもいーよー。だから他の人はこないんだー」


男「へー…すごいですね」


店長(実際は私のプライベートビーチなんだけどねー♪)


男「なるほど…ところで着替えはどこでするんですか?」


店長「んーとね、向こうに海の家が見えるでしょー?あれの3階でお願いねー」


男「はい、わかり…3階?」


女「おー、3階建ての海の家って初めてみたなー」


店長「でしょでしょ?」


男(この人何者なんだろう…そうなるとカラオケも個人経営に近い形で営業してるのか、やばいな)


デデンデンデデン


店長「メールだ…ふむふむ、先輩君たちはもう少ししたら着くってー。先に着替えてこよっか」


女「わーい!そうしまーす!」


男「…暑いなか待つのも辛いですからね。賛成です」

男「…なんだこのでかい家」


女「店長店長店長!私、こういうとこで焼きそば食べるの夢だったので食べたいです!」


店長「はーい。用意させるから着替えちゃおー」


男(させるって…お手伝いさんですか、店長すげえ)


ーーーーー


女「ところで今日ってお泊りですか?」


店長「もちのろんだよー!」


男「…ふぇっ?」


女「おろ?男、もしかして日帰りと思ってた?」


男「それは…むしろバイトの人たちと行く先の海でお泊まりなんて普通はないですよ」


女「なるほど。なら仕方ないね」


店長「んー、ならその辺にある服適当に使っちゃってー」


男「その辺…?このタンスの中、かな」ガタッ


男「おー…サイズとかぴったりだ。店長、ありがとうございます」


店長「いーよいーよー。部屋が二つあるから、私たち女性陣はもう一つの部屋で着替えるからねー」


女「覗くなよ、少年?あははっ」


男「それはしません。まだ死にたく…いえ、捕まりたくないので」
(あっぶね。死ぬとかのワードは禁句だったな)


女「…うん、それでいいよ!」


店長「着替えたら下で焼きそば食べてていいからねー?」


男「わかりました」

後輩「着きましたか?」


先輩「うん」


外人バイト「アカん。酔ッた。助けテエな…」


先輩「車のなかで吐くなよ。外で吐け、外で」


外人バイト「アイ…」バタンッ


後輩「さて、私たちも降りましょう。店長たちと合流しないと」


先輩「えーと。海の家の3階で着替えて1階で焼きそば食べて、それから海だって」


後輩「この暑い中、焼きそば…」


外人バイト「ふー、スッキリしたアル」


先輩「焼きそばは女さんの希望だっ
後輩「それを早く言ってください」


先輩「ははっ…外人バイト。歩けるよな?」


外人バイト「心配無用ナリ!いケルよ!」


先輩「よし、行こう」

男「ひとまず水着のままでいるのは気が引けるから上から上着羽織って…よし。焼きそば食べに行くか」


女「お、来たね」


男「」


店長「どーしたの?」


男「い、いえ。何でもないです」


店長「?」


女「変なのー。それより焼きそば焼きそば…!」


男(いや、学校の修学旅行じゃないんだからスク水じゃなくてもよくないですか、先輩?いや、似合ってるからいいんですけど…)


男(それに店長も…なんであんたもワンピース型の水着なんですか。胸の大きさ考えてくださいよ…)


男(と、やばい…しっかりしろ俺。やましいことは考えるな…)

男「…うまい」


女「んー、美味しい!!」


店長「よかったよかった。ありがとうねー」


コッグ「いえ、また用事があればお呼びください」


店長「はーい」


先輩「おー、うまそうな匂いがするなあ…」


後輩「この人のせいで遅れてお腹ペコペコです」


外人バイト「ヘイ、わっちのせいジャないンヨ?」


先輩「俺たちも着替えてから食べよう」


後輩「いえ、私は先に…お腹が…」


外人バイト「食べるー?なら俺ッチも…」


店長「外人バイト君。君は外の犬小屋で着替えてねー♪」


外人バイト「…ぽ?」


後輩「ふむ、なら夜の餌やりは私がやります」


女「はいこれ、首輪。つけてあげるねー」ガチャン


外人バイト「店長ー?」


店長「ふふっ、たまには日本人の生活じゃなくて日本犬としての生活を経験してみるのもいいでしょ?」

男(絶対に店長を怒らせてはいけない。今わかった)


先輩(だよね。俺も前に怒らせちゃってひどい目にあったからわかるよ)


男(こいつ、脳内に直接…!)


先輩「まあまあ店長。首輪はかわいそうですよ」


外人バイト「先輩!あんた、ええ人ヤナぁ…」


先輩「せめて手錠にして人間の囚人としての生活を送らせてあげるべきです」


男「!?」


外人バイト「エッ」


店長「先輩君のいうことなら仕方ないねー。そうしよっかー」


ガシャン ワー!ヤメトクベ! ギァー…


男「女先輩。外人バイトさんって、何やらかしたんですか?」


女「んー?男がバイトに入る前にちょっとね…やらかしちゃったんだよ」


男「よくわかりませんが聞くと俺も対象になりそうなので聞きません」


後輩「さてさて、では焼きそばいただきます」


店長「男君、女ちゃーん、この囚人を外に連れてってくれないかなー?」


女「はーい」


男「了解です」


外人バイト「弁明サセてけろ!」


店長「んー、だーめ♪」


男「ということでドンマイです」ズルズル


外人バイト「あー!せめて、セメテ焼きそば食わセテぇナ!」

男「…ふー、疲れた」


女「お疲れー。でも本番はまだこれからだよ?」


男「泳ぐんですよね。余裕です」


女「勝負する?」


男「負けませんよ?」


女「よっし!そうとなれば先輩か後輩に見ててもらおうよ!」


男「ですね。ゴーグル取ってくるのでしばらく待っててくれませんか?」


女「はーい。じゃない!私も用事が!」


男「ならしばらくしてから入り口で」


女「りょーかい!」


ーーーーー


女「ふっふっふっ…実は明日、私の誕生日なのだ!どうせやつは夜中まで携帯みないだろうから、今日の16:00くらいに男宛にメールを送信するように設定して…よし!」


女「…男の慌てふためく姿が目に浮かぶよ!可愛いなー」


ーーーーー


男「さて、OKです」


女「こっちも後輩にお願いしてきたよー!」


後輩「私がどっちが早いか見てればいいんですよね?」


女「うん、お願いね!」


後輩「わかったっす!」


男(マジで口調変わるんだな、なんか怖い)

女「あの島というか、離れ小島?みたいなのまで行ったらまたこっちまで戻ってくる!それで早い方の勝ちね!」


男「ちょっと遠くないですか?…まあいいですけどね。了解です」


後輩「では…位置について」


後輩「用意…」


後輩「始め!」


男(やっぱり男として負けられんだろ)バシャバシャ


女(勝って男に何してもらおうかな…あっ!そもそも勝ったら負けた人にお願い出来るようにするの忘れてたぁ…)スイーッ


後輩「二人ともはやい…もうあんな遠くに…」


先輩「ん?なにやってるの?」


後輩「あ、先輩。女先輩と男さんが遠泳対決してます」


先輩「ふーん…雲行き怪しくなってきてるから気を付けてね、って言えなかったな」


後輩「多分大丈夫ですよ。はい」


先輩「何かあったら店長に言ってね」


後輩「わかりました」

ーーーーー


女(男はやーい…もー、追いつけない…)


男(うっし、差が出来た。あとはこれをキープするように…)


女(うー!負けられるかー!)バシャバシャ


女(ーっ!?足が…)


男(折り返し!って、先輩…?)


女(あと、ちょっと、岸…)


男「溺れて。る?先輩!」


ーーーーー


女「あたたたたたっ!足がー…」


男「はーっ、はーっ…大丈夫、ですか?」


女「うん、ごめんねー…つっちゃった!」


男「準備運動は大切ですね…すみません…」


女「いーよいーよ。私が言い出したことだし、たたたっ…」


男「伸ばせば楽になりますよ」


女「いったーい…無理そう、男お願い…」


男(無理です)
男「喜んで」


男(あ゙ーっ、ミスったぁ!心と口が逆になった…)


女「…変態さん、よろしくね」


男「すみません…」グッ…
男(うっわ、柔らかい、じゃない考えるな考えるな)


女「いったいってー!あーー!」


男「あと、少し、です…」グーッ!


女「うーー…」


男「…どうですか?」


女「ん、楽になったよ。ありがとう」

男「よかったー…しばらく休んだら戻りましょう」


女「あれ、私のこと置いてけば勝てるのになんで?」


男「それは…」


女「?」


男「す、え、っと…」


女「男ならはっきりしろー!」


男「…好きな人を置いて戻れるかって話です」


女「あ…」


男「ちょっと砂に埋まってます。回復したら教えてください」


女「…私は向こう向いてるから。埋まらなくても、いいよ」


男「はい…」


女「…」


男「…」

男「…?」


ポツッ


女「つめたっ…雨?」


男「あー、まずいですね。まだ戻れないし、長時間打たれると体が冷えて風邪ひきます」


女「ごめんねー…」


男「いえ、大丈夫です」


女「あっちの木の下行こ。多分砂浜よりかはマシだから」


男「了解です」


ーーーーー


先輩「降ってきたね」


後輩「女先輩たちは向こうの島で休んですといいですが…」


先輩「店長ー。迎えに行きますか?雨、酷くなりそうなので」


店長「そうだねー。あの島、満潮と豪雨が重なると沈んじゃうから迎えにいこっか~」


先輩「了解です。後輩、海の家で待ってて、彼等が泳いで戻って来たら知らせて」


後輩「わかりました」


先輩「ありがとう。…雨が強くなって来たな」

店長「さてさて…間に合うかなー?」

学校前にちょっとだけ書いた
もうそろそろ終わりが見えたり見えなかったり

ザアアアアアアア


女「これ夕立だね。強すぎて困るんですけど…」


男「それにさっきから気になってたのですが、海面がだんだん近づいてきてます」


女「わー、私たちの人生詰んだ?」


男「…詰んでません。夕立が止むのを待ちましょう」


女「男も前向き思考になったね!よかったよかった」


男「今だけです。この危機を脱したらまたマイナス思考に戻します」


女「戻さなくてもいいんだよ?」


男「先輩がプラスで俺がマイナスならちょうどいいくらいになりますので」


女「なるほどー。でもプラスとプラスならより大きなプラスになってもっと楽しいんじゃないかな?」


男「確かに…そういう考え方もありますね」


女「でしょ?…それにしても寒いねー」


男「はい。すみません…服持ってれば貸せたのですが…」


女「びしょ濡れの服借りたところで変わんないよ!」


男「あー、それもそうですね」


女「そんなのよりもよく漫画とかでもあるでしょ?あったまる方法」


男「えーと、筋トレ?」

女「ちがーう!」


男「なら、組手」


女「私がそんなこと出来ると思う?」


男「えー…ギブアップです。わかりません」


女「…ほんとに?実は分かってて言わないとか無しだよ?」


男「うーん…」


女「…人肌で温めるって知らないの?」


男「」(いや、それ雪山のやつですやん。寒いのは同じだけど、乾いた布と濡れない空間がないと意味ないですよ?)


女「うー、恥ずかしい…なんでこんなこと言わせるの?」


男「いや、俺は何も言ってませんのに先輩が言いましたですよ?」(冷静になれ俺)


女「だって…寒いし、不安だし、それに…さみしいから」


男「…」


女「男は手も握ってくれないもん…いくら私が彼女じゃないからって、今この時くらいはさ。安心、させてよ…」(やばい、顔真っ赤だ恥ずかしいどうしよう言っちゃったよ、あー…)


男「そう、ですね。すみません、不安にさせたりさみしいと思わせてしまったりして」ギュッ


女「…!」(握って、くれた?)


男「ははっ、慣れてなくて、ですね…痛くないですか?」


女「うん…うん!大丈夫!」


男(…どうしよう、いつもよりも可愛いと思える。先輩はツンデレじゃないけどなんか、うん。可愛い)

店長「いやー、船って結構揺れるんだねー」


先輩「…結構どころじゃないですよ。というか店長。運転免許持ってたんですか」


店長「うん。簡単だよー。先輩君もやってみるー?」


先輩「いや、それよりも安全に向こうの島まで行って下さい。二人が心配です」


店長「ふっふっふー。大丈夫!さっき双眼鏡で見たらごちそうさまーって光景だったからー」


先輩「…間違いをしてなければいいんですけどね」


店長「あ、大丈夫だよー。至って健全だったからー」


先輩「健全…」


店長「手をつなぐだけであんなに幸せそうになっちゃうんだもん。見ててお腹いっぱいだよー」


先輩「ああ、そういう…なるほどです」


店長「んー?君はどんな想像をしてたのかなー?」


先輩「それは店長の想像にお任せします」


店長「なら勝手に考えちゃうよ?」


先輩「どうぞ、正解の保証なんてないですから」


店長「面白くないなー…」


先輩「面白くなくていいですから。そろそろ着くのでなにか目印になるものを…」


店長「はいこれ!」


先輩「防水性能の懐中電灯ですか。店長って何かと考えて行動しますよね」カチッ


店長「それはそうだよー。皆の命預かってるんだから。当然です!」


先輩「頼りになります。さて、と…おーい!二人ともー!無事かー!」

男「…」ギュッ


女「…♪」


男(どうしよう、すごい幸せだ)


女(あったかいなー、それに、安心できる…)


男(先輩の手、冷たい。早く帰って温めないと…でも、この状態が続いて欲しいと思ってる自分もいるわけであって、うーん…)


女(…なんか、眠たい…)


男「…先輩?」


女「なーにー…?今眠たいんだよー…」


男「ここ、雪山じゃないですけど寝たら危なそうなので寝ないで下さい」


女「無理ー…」


男「えー…どうすれば起きますか?」


女「んー…」(むしろ膝枕して欲しい)


男「…冷たっ!やばっ、ここまで海水上がってきてる」


女「おー、ほんとだー…どーしよー…」


男「眠たげな声ですね。しっかりして下さい」


女「わかったー…おやすみー…」


男「寝ないで下さいよ!?」


女「頭撫でてー…そうすれば目覚めるー…」


男「…わかりました」ナデナデ


女「♪」ゴロン


男「先輩。寝っ転がって水に体浸さないで下さい」(猫みたい。可愛い)ナデナデ


女「大丈夫大丈夫…だ、よ…」


男「…女先輩?」


女「スースー…」


男「大物や…じゃない。どうしよう」


「ぉーぃ…」


男「…!これって…あっ、光線!ということは…先輩たちか!」

男「助かった…女先輩。起きて下さい。迎えがきましたよ」


女「スースー…」


男「…後で怒らないで下さいね。よいしょっ、と」グイッ


女「ふみゅー…」


男(おんぶは悩ましい部分が当たるからやめといたけどお姫様抱っこもなかなか危ない。早く先輩たち探さないと)


女「…♪」スリスリ


男(俺の理性が崩れる。いや、大丈夫なんだけどね。念のためだよ念のため)


男「せんぱーい!ここでーす!」


ーーーーー


先輩「! 店長、あっちから声がしました!」


店長「おっけい!任せといてー!」


先輩「…!いた、無事かー!?」


男「はい!女先輩は寝てますけど、大丈夫です!」


女「スースー…」


先輩「よし、乗って。すぐに戻るよ」


男「はい!」

ーーーーー
ザアアアアア

外人バイト「オオオ…雨や、なカナかヤノう」


ピチョンッ


外人バイト「おうっ、水漏レ!あかん!」


外人バイト「コップ!あカン!我の飲ム器がノウなる!」


外人バイト「とりあえズ、布団の位置ずらシて…」


外人バイト「これクライやな…ヒとまズ安心ズラ」


バキバキバキバキッ!


外人バイト「ヌオオオオオ!天井が!落ちタベ!」


外人バイト「ちょ、店長に言わンと…雨に打タレて寝るのハ辛いなり…」


ーーーーー

後輩「…遅いです、何やってるんですか先輩と店長は…」


後輩「もし女先輩に何かあったら許しません…」


後輩「あの男って人も同じです。むしろもっと酷い目に」


男「戻れたー!ぃよっしゃー!」


後輩「…」


男「後輩さん?どうしたの?」


後輩「先輩が抱っこしてるのって…」


男「あー、女先輩です。疲れて寝ちゃいまして…悪いけど連れてくの手伝ってくれませんか?」


後輩「むしろ私だけで大丈夫なのでさっさと降ろしてあげてください」


男「わかった、けど…一人で?」


後輩「バカにしないでください。陸上部の練習で人をおんぶしたまま坂ダッシュなんていうのもやりますから軽い女先輩なんて余裕です」


男「なるほど、じゃあお願いしよう」
女「むー…」ギューッ


男「ちょっ、先輩。俺抱きしめてどうするんですか。後輩抱きしめないと部屋に行けませんよ?」


女「いやー!男がいーのっ!」


後輩「…変態先輩。女先輩に何したんですか」

男「なにもしてません。だからそんな目で見ないで下さい…」


後輩「…仕方ないです。男先輩に任せます」


男「ごめんなさい…」


後輩「でもついていきます。女先輩を着替えさせないと風邪ひいてしまいますから」


男「ありがとうございます、お願いします」


後輩「女先輩のためですから。あなた:女先輩は0:10で女先輩のためです」


男「うん、それでもありがたいです」


先輩(ツンデレ、なのかな…)


店長(んーん、好意も何も無い相手だからそれはないはずだよー)


先輩(…店長。人の思考に入ってこないで下さい)


店長(やだー!だって楽しいんだもん)

ここまで
久々の大幅(飽くまでここの>>1としては)更新できた
寝るべ

男「はー…女先輩、起きて下さい」


女「…えー」


男「着替える時まで同伴するのはまだ無理です。お願いですから後輩さんについて行って下さい」


女「…はーい」


男「お願いします」


後輩「言われずともです」


女「またあとでねー…」


男「はい」


ーーーーー


男「俺も着替えないとな…ん?」


メール:女先輩


男「…あの様子着替えてから寝てるはずなんだけどな」


『私の誕生日は明日です!おめでとうメール忘れないでねー?いや、やっぱりおめでとう電話にしといて!よろしく!』


男「全く、この人は…心配よりこっちの方が大事なのかよ…」


男「まあ、あの人の性格上過去のことを振り返らない方が似合って…る?」


着信 16:00


男「今の時間は」


時計 18:42


男「…一瞬の俺の感動を返してください、女先輩」

すまんな…
ちょっといろいろと構成が甘かったから進めたい方向に進めなかった(言い訳だなさーせん…)
今日中に完結目指す(一応明日までには必ず完結する)
ということで一日かけてゆっくり確実に投下

ーーーーー


店長「無事で良かったよー。とりあえず今日はもう寝て明日に備えよー」


先輩「俺も疲れたんで寝ます。お疲れ様でした」


店長「はーい、おやすみー」


男「…俺も寝ないとダメですか?」


店長「疲れてないの?」


男「いえ、ですがちょっとやることが…」


店長「んー、ならちょっとお手伝いお願いしてもいいかなー?」


男「わかりました」

男「…これって」


店長「部屋中に飾ってねー♪」


男「店長知ってたんですか?」


店長「何を?」


男「いえ、明日が女先輩の誕生日だってことです」


店長「もっちろん!」


男「俺もその関係で起きてるんです」


後輩「私も手伝います」


男「…気配なく表れるの怖いです」


後輩「失礼ですね…店長、囚人さんが店長のこと呼んでましたよ」


店長「どうしたのかなー…後輩ちゃん、男くん、飾りつけよろしくー」


男「了解です」


後輩「はい」

後輩「…」


男「…」


後輩「…あの」


男「はい?」


後輩「女先輩と未来形で付き合うってどういうことですか?」


男「…」


後輩「なんで黙るんですか」


男「改めて考えたり口にしようとすると恥ずかしいことしてるなと思いましてね…」


後輩「はぁ…そんなことならさっさと付き合って下さい。見てる方が辛いんです」


男「ごめんなさい…でも、後輩さんが辛いっていうのは…」


後輩「…あの人がいたから、私はバイトをしたり、男の人と話せるようになったりしたんです」


後輩「他にもありますが、とにかく私は女先輩のおかげでこうしていられるんです」


男「…後輩さん」


後輩「なんでしょう?」

男「いきなり自分語りされてもどう反応したらいいかわかりません…」


後輩「…」ゴスッ


男「うっ…」


後輩「なに言ってるんですか私がそんなことするはずないじゃないですかそれは先輩の聞き間違いであって私はそんなことは…」


男「わかりました…いてぇ…」


男「つまり、女先輩のおかげで今の後輩さんがあるというわけですね」


後輩「そうです。本当にすごいんですよ。私はもともと根暗といえる部類だったうえ、人の言うことなんか何も聞かないような人間でしたので、なおのこと一層すごいと思うんです」


男「そんなだったのにバイトを始めたのはなんでですか…」


後輩「…店長と親が知り合いでして…家にばかりいたらもやしになるぞって連れて来られたのがあそこでした」


男「そんなことが…」


後輩「…本当に、あの人にはお世話になってるんです。だから、中途半端な気持ちで接するのなら私が排除…じゃなくて遠ざけますよ」


男「それについては反論させてもらいます。中途半端ではありません。それと、そう簡単に排除されたりしませんよ、俺」

後輩「私は陸上部の短距離専門です。今まで私が蹴ったなかで痛がらなかった人はいませんよ」


男「蹴られた人かわいそうですよ…」(多分理不尽な理由で蹴られたんだろうな。まじで同情します)


後輩「そんなことありません。じゃなくて、なんでそんなことが言えるんですか?」


男「腐っても格闘家です。素人の蹴りをマトモに食らうわけにはいきませんよ」


後輩「…試しましょうか」


男「嫌です。無意味な暴力は嫌いです。それと痛いのも嫌です」


後輩「優柔不断な上に意気地なし…女先輩はどこが気に入ったんでしょう…」


男「わかりません…」


女「なんでだろー。私も知りたいんだよねー、それ」

男「」


後輩「びっくりしますから急に声かけないで下さい…」


女「ごめんごめん!で、なんでこんな飾り付けしてるの?」


店長「はいはい女ちゃんごめんねー」トンッ


女「へぅ…」パタン


店長「あー、女ちゃん倒れちゃったー…疲れてたのかなー?男くん、運んであげてー」

男「…」


後輩「店長なにしてるんですか」


店長「何のこと?」


後輩「…」


男「俺は女先輩を運搬してきます」


店長「よろしくー」


後輩「…囚人さんはどうなりましたか?」


店長「んー、仕方ないから寝るときだけここの床を使わせてあげることにしたよ」


後輩「店長って優しいですね」


店長「うん、さすがにあんな濡れてる場所じゃ可哀想だからねー」


後輩「だから砂が散らばってる1階の床で、ですか」


店長「ツボの刺激になるんじゃないかな?」


後輩「ですね。むしろ健康にいいでしょう」

男「よっ、と…」


男「はー…ようやく寝かせられた…」


男「疲れた…もう寝ようかな…」


女「…」


男「あ、時間…」


23:57


男「結構ギリギリだったな…でもセーフだ」


女「…?」


男「あっ、先輩。おはようございます」


女「おはよう、なのかな…なんかまだ寝足りない…」


男「だってまだ夜中ですからね。あと3分起きてて下さい」


女「えー…2分経ったら起こして…」


男「…起きますか?」


女「うん、だからそれまでおやすみー…」


男「はい、おやすみなさいです」


男「…」


男「…」


男「あと、1分、か…」


男「先輩、起きて下さい」


女「む…わかったよ…」


男「そう言いながら寝ないで下さいよ」


女「…なに」


男「あと、4秒です。2、1…」


男「女先輩、誕生日おめでとうございます」


女「…!」


男「起きてなかったら留守電の機能使って言う予定でしたが直接言えてよかったです」


女「…ありが、とう」


男「いえ、こちらこそありがとうです、先輩。眠いんですよね?おやすみなさいです」


女「う、うん…おやすみ…」


男「では、俺は失礼しま」


女 ギュッ


男「…離して下さい。部屋から出られません」


女「寝るまで一緒にいて」


男「ダメです。後輩さんに蹴られます」


女「私じゃなくて後輩ちゃんの言うことを聞くのかー」


男「そうではないですが…」


女 ジーッ


男「…」


女「お願い」


男「近くにいるだけですからね」


女「うん!」


男(やばいやばいやばい。ここから先は先輩が寝るまで俺の理性との戦いだ。任せとけ、ハガネノココロをもつ俺なら余裕だ、はーっはっはっはっはっ)


女(どうしよう。嬉しすぎて目が覚めちゃった…寝れそうにないや…)




後輩「…」


店長「あらあらあら…後輩ちゃん、私たちは2階で寝ようか」


後輩「…」


店長「ごめんねー」スッ… ト


後輩 パシッ


店長「…!」


後輩「大丈夫です。自分の足で行けます」


店長「あっ、そうだったの…わかったよー」

男「…」


女「…」


男(今の時間は…01:25…)


女(どうしようどうしようどうしようどうしよう、ドキドキが止まらない…ねれない!)


男「先輩、起きてますか?」


女「すーすー…」
(寝たふり寝たふりー」


男「…寝たみたいですね。失礼します」


女「…!」ガシッ


男「…」


女「す、すーすー」


男「寝相ですか。それとも起きてるんですか」


女(ひー…ごめん、でも朝まで一緒にいてー!)


男「それなら仕方ないですね。俺も寝ます。後輩さんに蹴られてもいいや」


女(あっ、よかった…ん?なんで私の問いに答えて…)


男「寝ぼけてるようですね。さっきのも今のも声に出てますよ」


女「!?」ガバッ!


男「おはようございます。ですが俺も寝るのでおやすみなさいです」コロン


女「あ、うん…私も…」


男「お疲れ様、でした…」


女「おやすみー…」

あかんあかん…
寝てまった…
今日中に完結する

ーーーーー


先輩「ふあーぁ…よく寝た…」


先輩「…そういえば男がいないけど、あいつどこで寝てるんだ?」


先輩「店長ー、入りますよー」


先輩「…」


男「Zzz…」


女「スースー…」


先輩(…二人ならんで寝てる。なんか可愛いな、写真撮っとこ)パシャッ


先輩(店長どこだろう?)


店長(おっはよー!隣の部屋見たらダメだよー?)


先輩(もう遅いです。どこにいますか?)


店長(後輩ちゃんと2階で寝てます!ご飯食べたいな1階行ってコックに頼んでねー)


先輩(わかりましたが、走ってくるので食べるのは後になります)


店長(おー、日課?)


先輩(はい。さっさと帰ってきたいので失礼します)


店長(はいはーい)

後輩「…女先輩…」


後輩「ん…おはようございます、店長…」


店長「なんか弱ってる後輩ちゃん可愛いなー!おっはよー!」ダキツキッ


後輩「あうっ…やめてください。暑いです」


店長「つれないなー…」


後輩「さっさとご飯食べませんか?もうお腹が減ってしょうがないのです」


店長「やけ食いはダメだよ?いい?」


後輩「はい…それは重々承知です…」


店長「うん♪ならコッグに頼みに行こう!」

ーーーーー


女「…」


男「…」


女「お、おはよー、きょーもいい天気だねー」


男「ですね。そしてそれがもう夕焼けの色に染まっているのは気のせいでしょうか?」


女「…夜明けなんじゃないかな?」


男「すみません、俺は夜明けがくるまで寝られませんでしたので違うと思います」


女「実は私もなんて言えない」
(へー、なら夕焼けかなー…)


男「そうですか。なら今は夕方なんですね」


女「うん、うん?なんでそうですかなの?」


男「口と心が逆です」


女「…」


男「たぶんそろそろ帰る時間だと思うので荷物の片付けをしませんか?」


女「はーい…」


男「ではおれは向こうの部屋で片付けてきます」


女「あっ、男!」


男「?」


女「…誕生日のお祝い、ありがとうね」ニコッ


男 ドキッ


男「…はい」

先輩「ちょっと男借りるぞ」


女「どーぞ」


男「借りられてきます。また後で」


女「はーい」




先輩「下で女の誕生日のパーティみたいな用意がされてるから着替えて向かってくれ」


男「了解です」


先輩「皆(囚人除く)揃ってるかるな、いそげよー?」


男「…はい」




女「どーしたんだろ…」


男「先輩、着替えて下に来て下さい」


女「あっ、はーい」


男「先に行ってます」


ーーーーー


女「なんだろ…すごくいい匂いが…」


女「お腹減っ」


「「女ちゃん(先輩)、誕生日おめでとう(ございます)!」」パンッ パパンッ


女「わっ…えっ?」

店長「びっくりしたー?」


先輩「誕生日って聞いたからさ。皆で
用意したんだ」


女「おー、おー!ありがとー!!!」


後輩「昨日はすみませんでした…」


女「何が?」


男「何をしてるのか話せなくてごめんなさい…ということです」


女「あっ、そういえばあの時意識がなくなったんだ!なんでだろ?」


店長「~♪」


男「疲れてたんですよ」


後輩「疲れてたんすね」


先輩「疲労が溜まってたんだよ」

男(さすが先輩。話を合わせるのがうまいです)


女「そっか…まあいいや!店長店長!ご飯食べたい!」


店長「はいはい、よーし、食べるぞ~」


ーーーーー


女「おいしー!」


後輩「はむはむっ、もぐもぐ…」


先輩「美味しいな…」


店長「食後のケーキの分のお腹とっといてねー?」


後輩「みなさん、お腹いっぱいにしてもいいですよ。私が全部食べます」


男「食い意地半端ねえ…」


ーーーーー


店長「じゃーん!ケーキです!」


先輩「これは…」


後輩「大きい…美味しそうです!」


男「誕生日に食べるケーキじゃないですよね?」


女「ウェディングケーキだー!」


店長「切り分けるのめんどうだからこのまま皆で食べちゃってー」


後輩「もぐもぐ…」


男「…はやっ」


女「可愛いなぁー」ナデナデ


後輩「~♪」ぱくぱく…

男「もう入りません…」


先輩「俺も…」


女「少し余ったね。外人バイト「囚人さんね」はい、すみません。のとこに持ってこうかな」


店長「残飯あげるなんて、女ちゃんってSの素質あるね~」


後輩「わ、私が、食べます…」


女「無理しないの。わかった?」


後輩「はい…」


男「俺も付いて行きます」


女「うん、行こうか」ギュッ


男「ちょっ、手、手!」


女「いいじゃんいいじゃん」


店長「ふふふっ」


先輩 パシャッ


後輩「ムムッ…」

ーーーーー


外人バイト「皆楽しソウね…ミーは暇ネ…」


外人バイト「どーしてこーナッタべ?」


外人バイト「わからンノう…」


女「ご飯、余り物だけど持ってきたよー」


外人バイト「女神様ー!」


男「発音がすごいよくなった」


女「はい、置いとくね」コトッ


外人バイト「女神サマ、アの、ソコは、チョット届かナいかなと…」


女「がんばって伸ばせば届く!努力してとった方が美味しいよ!」


男(ほんとにSだ)


外人バイト「わかッた…やってやロウじゃナイノ!」


女「その意気だー!私たちは戻るけど、もうすぐ帰るから用意しといてね」


外人バイト「ははーっ…わかったマシた…」


男(進化した!微妙に敬語使えるようになった!)


女「ちなみに食べられなかったらご飯なしで帰ることになるからよろしくー」


外人バイト「んな殺生ナ…!」

ーーーーー


店長「もう帰るけど忘れ物ないかなー?」


女「ない!」


男「ありません」


後輩「ないです」


先輩「ないかな」


外人バイト「ゴハン…」


店長「よーし、帰るぞー!」


ーーーーー


店長「とうちゃーく…私が疲れたー…」


男「お疲れ様です」


店長「ありがとう…私はもう帰って寝るよ…明日からまたよろしくね、皆」


先輩「はい」


女「お疲れ様でしたー!」


後輩「私も帰るので、失礼します」


男「あっ、泊まりって親に言ってない…俺も急いで帰ります!」


女「はーい!お疲れ様ー!」


先輩「外人バイトは俺が送ってから、女さんは気を付けて帰ってね」


女「りょーかいです!じゃ、私も失礼しまーす!」

ーーーーー


女「…そういえば明後日は花火大会だったなー」


女「男誘ってみるかな!うん!」


女「えっと、花火大会、一緒に、行くぞー!、と。よし」


女「そーしん!」ピッ


女「楽しみがまた出来たなー」


ーーーーー


男母「それで、日帰りだと思ったらお泊りだったと」


男「仰る通りです…」


男母「…」


男「ごめんなさい」


男母「あの消極的な男がこんなに積極的になるなんてねー。明後日の花火大会もそのメンバーで行くの?」


男「メンバー…といえばそうです、はい」


男母「ふーん…ま、いいわ。今回は許す」


男「あざーっす!」


男母「代わりに、彼女出来たら報告。いね?」


男「。」


男母「い、い、ね!?」


男「はい…」

男「花火大会、か…久々に『花火』でも聞きながら…ん?」


メール:女先輩


男「はやいよ。俺が誘いたかったのに…」


『もちろんOKですが俺が誘いたかったです』


男「送信で、終わりっと…寝よ…疲れた…」

翌日


女「お母さーん!浴衣ぷりーず!」


女母「あら?誰に見せたいの?」


女「それは…と、ともだち…」


女母「嘘なら貸さない」


女「嘘じゃないよ!嘘じゃ、ないもん…」
(まだ男とはともだちだから…)


女母「…本当みたいね。仕方ない、いいよ。どれがいい?」ズラッ


女「わっ、こんなに………全部試着していい?」


女母「私の苦労を考え…ま、女がこんなこと頼むの珍しいからね。いいわよ」


女「やったー!ありがとー!」


ーーーーー


男「…明日、どの服で行こうか…」


男母「ジャージはダメだからね」


男「なんで!?あの服、通気性よし、吸水性よし、それに防御力上がるしで良い事尽くめのものなのに!?」


男母「そんなのを来て花火大会なんて許しません。着る服がないなら買いに行きます」


男「…めんど」
男母「買いに行くね。わかった。一日かけるわよ」


男「えー」


男母「初デートにはきちんとした服装で出なさい!」


男「きちんとした服装…制服!」


男母「却下ぁ!おら、さっさと行くぞ!」ズルズル


男「ぎぃーやぁー…」

花火大会当日


女「うー…男、遅いよう…」


男「…早くないですか?」


女「集合時間の15分前は当たり前でしょ!」


男「10分前でも十分だと思いましたがね…それ以上に女の人って集合時間に遅れるものだってテレビでもやってたんですよ」


女「私が普通の定義に当てはまる?」


男「…ですね。すみませんでした」


女「素直でよろしい!『花火』聞きて来た?」


男「もちろんです」


女「なら私の格好について何か言うことはある?」


男(確か、「待ち合わせ浴衣姿の君、照れくさくて何も言えなかった」だったような…とあうことは)


男「すごく良く似合ってます。綺麗ですし可愛いです」


女「あ、ありがと、う…」


男(俺今なんて言った似合うまでで止めればよかっただろうバカか俺は!)


女「さ、行こうか!」


男「は、はい」

男(『花火』の最後の歌詞。「君がいた夏の日」…いた、と過去形になってるから別れてしまったのだろうか…)


男「それにしても人が多いですね」


女「私、小さいから見失わないでよー?」


男「…」(逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ…こっちから、手を握る!)ギュウ


女「!!!」


男「はぐれたら困ります。繋いでてもいいですか?」


女「…もちろん!」


男(よかった…)


女(ようやく男から握ってくれた!私が何も言わなくても!嬉しーなー♪)


男「花火がよく見える場所、探しましょうか」


女「あ、それなんだけどさ。店長がその辺のビルの屋上借りてくれるって!」


男「あの人すごいな。なんでもありか…」


女「ほんとにねー。ということで行こ!」


男「はい」

男「…ここって、この辺りで一番大きな建物じゃないですか?」


女「だねー。ま、いいじゃん!入ろう」


男「はい…」


黒服「関係者以外立ち入り禁止です」


男(強面兄ちゃん。でももっも怖いもの←(店長)知ってるから全然怖くない)


女「私は女です!この人は男!店長がこの建物の屋上借りてくれてるからそこに行きたいです!」


黒服「…! 失礼しました。案内しますのでどうぞこちらへ…」


女「ありがとー」


男「ありがとうございます」


女「話通じる人でよかったー…」


男「物怖じせず話を通じさせたあなたもすごいですよ」


女「褒め言葉?」


女友「だろうね」


男「!?」


女「あれ?なんでここに?」


女友「君の友人だと言ったら通してくれたよ」


友「姐さんマジで凄かったんだぞ」


女友「姐さんと呼ぶな。女友さんと呼べ」


友「す、すみません、女友さん…」


男「…一体何があった」


女「そういえば女友も浴衣だね!どうしたの?」


女友「これか?ただ友に見せたかったから着てきたんだがな。変か?」


男(理由がアレです)


女(ねー!)


男(あなたも人の思考に入ってくるか!)


女(さっきマスターした!)

友「あ、う…似合ってます、女友さん」


女友「ん、よろしい。屋上まではあと少しだな」


女「みたいだねー。他の人もいるかな?」


男「それは…いて当然じゃないですか?店長の計らいなら尚更です」


女「だね!」


ー外ー


後輩「先輩、外人バイト、離して下さい。私は女先輩のとこに行かないと」


先輩「今日は諦めて。たぶん男は今日告白するから」


外人バイト「ソーなの!?」


店長「私もそう思うなー。だから後輩ちゃん。諦めて?」


後輩「っ…仕方ない、です…」


店長「いいこだねー。何か屋台ごと買ってあげよっか?」


後輩「…!なら食べ物の屋台で…」


先輩「単位がおかしい」


外人バイト「ダベ」

あかん、塾あったんだ(>>1は高3)
さすがにサボれんから残りは夜
ちゅうとはんぱですまん

男「…いませんね」


女「ねー。なんでだろ?」


男(今日告白するのばれてたかな)


女友「…友。別の場所に行くぞ」


友会「うす!」


女「えっ」


男(空気読んでくれるのはありがたいですけどなんかすみません…)


女友「またな女、少年。頑張りたまえ」


友「姐さん、じゃないや…女友さん、どちらへ行きましょう」


女友「…花火の見えるとこならどこでもいい」


友「なら川岸へ行きましょうぜ!人が多いですが女友さんのためならどかしてやります!」


女友「いや、友と見れるなら、どこでも…」


友「?」


女友「なんでもない。案内してくれ」


友「うすっ!男、じゃーな!」


男「あ、ああ…」


女「…なんとまぁ、あの子、友君に恋してるんだねー」


男「びっくりですね。姐さんから呼び方が(多分強制的に)変えられてましたからね」


女「…男も私のことを呼び捨てにしてくれないかなー?」


男「目上の人に同い年の人と同じ話し方をしろと?無理です」

女「それにしてもここ、特等席だねー」


男「はい…」


男(…俺は今までに何度も恋をしてきた)


女「気の抜けた返事だなー。綺麗だと思わないの?」


男「いえ…」


男(その度に告白するまでもなく失恋して、いつしか恋をすることが怖くなった)


女「はっ…もしかして私の方が綺麗だとか言いたいのか!」


男「…」


男(でも、先輩は。この人は、俺のことを好きだと言ってくれた)


女「ちょっと…反応してくれないと私が恥ずかしい発言したような感じになるじゃないか…」


男「実際恥ずかしい発言じゃないですか」


男(俺は告白せずに後悔してきた。もし言っていたら叶ったものもあったのではないかと…だから、これは…この気持ちだけは)


男「先輩」


女「ん?」

男「…その」


女「うん?」


男「好き、です!お付き合い願えませんか!?」


女「…」


男「…」


女「はい、喜んで!」ニコッ


男「…っ」


女「やーっと言ってくれたねー…ん?やっとって程でもないか」


男「はぁー…」ペタン


女「どしたの?」


男「気が、抜けました…」


女「聞こえないなー。気が、なんだって?」


男「気が、抜けて、足腰に、力が入らないです…」


女「ですとかますとかございますとかはもういらないよね?」


男「…はい。気をつけ、るよ」


女「よろしい!さ、花火見よ?」


男「分かり、うん。そうしよう」


女「ー♪」


男「…最後の敬語です。許して下さい」


女「最後、ね?何?」


男「ありがとうございます、女先輩。そしてこれからよろしく、女」


女「こちらこそ、よろしくね!男!」

ー数日後ー


男「はー…やっぱり一人は落ち着くなー…」


男「女先輩、じゃない。女といると緊張しちゃって…」


男「まあ、慣れればいいんだろうなきっと」


男「それまでのストレス発散は、やっぱり一人カラオケ」
女「私が来た!」


男「」


女「一人カラオケもいいけどやっぱり二人でしょ!ね?」


男「いや、女の前だと緊張して、歌いづらいというか…」


女「慣れるまでは一人カラオケ禁止!じゃないとまた先輩後輩に戻っちゃいそうだからね」


男「そんな…」


女「いいから!もう一人カラオケは最高なんて言わせないよ!」


男「…二人カラオケが最高になるように努力します」


女「それならよろしい!」

やばい、最後のところに書き込み忘れた

ー終わりー

読んでくれた人あざっした
最後の方全力失踪になってすまんかった
完全に考えてたのと違う方向になってしまって焦った結果がこれだ…
次回作からは何と無くの勢いとかだけじゃなくて全部の内容決めてからスレ立てることにする
ほんとにさーせんした…

後日談じゃなくて、先に前日談書くことにした
友と女友の話っす

>>173の日の放課後


女友「…」(どうにも友になでられた辺りがくすぐったい。痒いわけではないんだがな…)


友「姐さん!帰りますか?」


女友「ああ、そうしよう」


友「うっす!」


友(姐さんの髪の毛また触りたいな…ふわふわだったし、いつもと違って可愛かったからな…)


女友(…なんというかな、うずく、が一番しっくりくる言葉になるな。何が原因…)


ーーーーー

女友「わかった。約束しよう」


友「では…」ナデナデ


女友(ふーむ。なるほど)


友 ナデナデ


女友(悪くないな。むしろ妙な安心感が持てる。だがそれ以上に…)


女友「よし、OKだ」


友「うっす!」


ーーーーー


女友「…友」


友「へいっ!」


女友「提案なんだが…ここでは言いづらい。うちに来てくれ」


友「」

女友「どうした?」


友「いえ…なんでもないですが、女子が言うとすごい大胆な発言に聞こえてですね…」


女友「あ、あー。大丈夫だ。今日の朝のことをもう一度やって欲しいんだがな」


友「! それって」


女友「朝は気にしなかったが今更恥ずかしくなってな。家でもう一度頼めるか?」


友「うっす!!喜んで!!」


友(まじか!いよっしゃぁ!)


女友「…ノリノリだな」


友「っ、さーせん…」


女友「いや、いいんだ。行くぞ」


友「はい!」


女友(そんなに嬉しいことなのか…そうか…)

ーーーーー


友「お邪魔しまーす…」


女友「誰もいないから遠慮はいらんぞ」


友「…うっす」


女友「…これも変な意味ではないからな。わかってるよな?」


友「も、もちろんです!」


女友(部屋で…いや、居間にしておこう)


女友「こっちだ」


友「へい!」




女友「さて、座っていてくれ。菓子を持ってくる」


友「え、いえ!それは悪いです!」


女友「客人をもてなすくらいさせてくれ。いいよな?」


友「は、はい!」


女友(さてさて…いつでも冷静になれるように冷たいお茶でも入れておこうかな)


友(どうしよう、俺女子の家に上がっちゃってるよ。いや、姐さんだから変な考えは持たないけどな。持ったら…死ぬ(´・ω・`))


女友「どうぞ」


友「あざっす!」


女友「…」


友「…」


女友「本題だがな」


友「へいっ」

女友「朝お前になでられたところがうずくんだ。もう一度やってくれないか?」


友「うず………了解っす」


女友「頼む」


女友(これで変なうずきもなくなればいいのだがな)


友「では…」ナデナデ


女友「ん…」


友「っ、すみませんすみません!」パッ


女友「あ、いや。続けて、くれ…」


女友(なんで声が出たんだ私…)


友「へ、へい…」


友(変な声出さないで下さい姐さん)


友 ナデナデ


女友(…気持ちいい)


友(…目、閉じてる。すっげえ可愛い…)


女友「友」


友「! なんでしょうか?」


女友「…注文が多くて悪いが、そんなに頂点ばかりなでられては髪の毛が乱れる。もっと髪の毛に沿ってなでてくれないか?」


友「…いいんすか?」


女「こっちがお願いしてるんだ。構わんさ」


友(まじかよいいのかよヤバイヨヤバイヨ)


女友(…一体私は何を言ってるんだ…これ以上うずく場所が増えたら…困るじゃ、ないか…)

今日はここまで
こんな感じで進めてくみょみょみょみょーん、といっても短いんだけどね…

この二人が終わったら男と女の後日談を書く

友 ナデナデ


女友(…もう止めないと。何かわからんがとにかくまずい。私の何かが決壊する)


女友「友、ありがとう。もう…」


女友「…もう少し、頼む」


友「…うす」ナデナデ


女友(私は馬鹿か…)


友(やめるきっかけ探さないと理性が崩壊する。急げ、何かないか何かないかなにかないか…そうだ!)


友「…姐さん!すんません!」パッ


女友「……どうした?」


女友(なんでやめるんだ……)


友「親父に買い物頼まれてたの思い出しまして…帰らせてもらいます!」


女友「…」


友「失礼しま」ガシッ


友「」


女友「…あと、少しでいいから、お願い…」


友(…ええい振り切れ!離脱!)バッ


友「ほんとにすんません!今度埋め合わせはしますんで!では!」ダダダッ!


女友「おい…はぁ…」


女友「待て、私はさっき何を口走った」


女友「…」


女友「何があと少しでいいからお願いだ。しっかりしろ私」

友「うおおおおおおおおっ!!!」


友「あああああああああっ!!!」


友「どぅああああああああっ!」


友「…フーッ、フーッ」


友「あの姐さんは何だ。あれは姐さんなのか?双子とかいう落ちじゃないのか」


友「…髪の毛サラサラだったなー。いい匂いだったなー。柔らかかったなー、じゃねえ!」


友「帰る!あれは姐さんであってそうでない!これは夢だ!明日にはまたいつもの姐さんになっている!はずだ!」

ーーーーー


友自宅


ピンポーン


友「ふゎーい…誰だ、こんな朝はや、く…」


女友「おはよう。さっさと学校行くぞ」


友「…姐さん、ですか?」


女友「お前を迎えに来る先輩で私以外誰がいる」


友「いや、姐さんが来るのも初めてですぜ」


女友「…そんなことはいいんだ。早く支度を済ませろ」


友「! うす!」


友(っしゃぁ!いつもの姐さんだぁ!)


女友(…どうしよう。何で来たのかもわからんが、とにかく来たかったから来てしまった)


ーーーーー


友「遅れてすんません!姐さん!」


女友「いや、いい。行くぞ」


友「うっす!!」


女友「ああ、そうそう。今日は男と女は休みだそうだ」


友「なんででしょうね?」


女友「海だそうだ。羨ましいな…」


友「…ですね。学校行ってから男のこと呪っときます!」


女友「ああ…」


友(おかしい。普通なら、そんなことさせねえぐらい言うのに、どうしたんです姐さん?)

ーーーーー

友「うおー。俺、土曜でこんなに電車が空いてるの見るの初めてです」


女友「席に座れるからこれからはこの時間に乗ろうな」


友「うっす!頑張ります!」


女友「…なあ、友。一つ頼んでもいいか?」


友「なんでしょう?」(昨日の続きならまだ夢の中なんだ。目を覚まさないといけないな)


女友「髪を櫛で解いてくれないか?」


友「…」(夢だ!確定!)ドガッ!メギッ!


女友「おい!何をしてるんだ!?」ガシッ

友「これは夢なんすよ!じゃないと姐さんがそんなことを言うはずがないです」


女友「…私が髪を解いてくれというのはおかしいか?」


友「おかしくはないです!ですが、ですが…」


女友「ですが、何だ?そもそもなんで姐さんなんだ。何が原因でそう呼んでいる…」


友「俺は!姐さんの強さとその凛々しい姿に惚れたんです!」


女友「惚れ…」


友「だから尊敬して姐さんと呼んでるんです!」


友「だから、姐さんは」
女友「…友!」


友「!」


女友「私はこれでも女子高生なんだ!尊敬してくれてるのは嬉しいが、姐さんはやめてくれ!それに…」


女友「女の子なんだから、髪を解くくらい普通なんだ。そんな風に言わないでくれ」


友「…」


女友「…友?」


友「っ、さーせんしたぁっ!」ゴンッ!


女友「お、おい!なんで土下座なんか…」


友「俺は勝手に、姐さんはひたすらに強くてかっこいい存在だと思いこんでました!」


友「そのせいで、今日みたいな女子らしいことは姐さんがするはずがないと思ってこんなことを言ってしまった次第です!」


友「ほんとに、さーせん…!」


女友「わ、わかった。わかったから頭を上げてくれ」

友「…許して頂けるんすか?」


女友「許す!許すから普通にしてろ!」


友「姐さん…! あざっす!」


女友「…許すから、隣に座れ」


友「うっす!」ストン


女友「…それから、許す代わりに一つ条件がある」


友「な、なんでしょう…」


女「…これ」スッ…


友「…櫛?」


女友「やってくれるな?」


友「うっす!一応妹とか姉とかのやつやってたんで出来ます!」


女友「そうか…頼む」


友「っす!あっ、もし痛いとかあったら言ってください!」


女友「ああ」


友(姐さんは普通の女の子だ。でも姐さんは姐さんだ!強いしかっこいいんだ!)


女友(…くすぐったいな。けど、心地いい…こういうのを幸せとでも言うのだろうか?)

ここまでぃ
女子の髪を触ることができるのは恋人かイケメンだけ
俺が触れたら即刑務所行きだからな
はっはっはっはっ!
HAHAHA…

イエス
猿山氏を1、リト氏を10とすると
男が7、友が5くらいのつもり

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの0716さん   2014年06月25日 (水) 08:14:43   ID: TyWg-_3e

逝ったらだめですよ

2 :  SS好きの774さん   2014年12月23日 (火) 21:03:17   ID: hhXUpUpH

35>まよチキか?

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom