はやり「麻雀部限定、全国高等学校大食い選手権(1回戦)だぞっ☆」 (216)

・続き物です

・前作→優希「麻雀部限定、全国高等学校大食い選手権(予選)」
    http://ss.vip2ch.com/jmp/1399551723

・前々作→久「麻雀部限定、全国大食い選手権」
     久「麻雀部限定、全国大食い選手権」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1399305486/)

・インターハイ終了後の10月初旬、出場校のメンバーが再び東京に集まり、大食い大会に参加している。

・はやりにより、今回の食材は全国の駅弁八種であることが伝えられ、これから試合が始まる。

・試合場所はインターハイ会場地下の特別アリーナ

・テレビで生中継されている。

・前日の予選を勝ち抜いた10名↓

 西東京白糸台高校3年     宮永照
 長野清澄高校1年       片岡優希
 岩手宮守女子高校3年     小瀬川白望
 北大阪千里山女子高校3年   江口セーラ
 奈良阿知賀女子学院高等部1年 高鴨穏乃
 福岡新道寺女子高校2年    花田煌
 南大阪姫松高校2年      愛宕絹恵
 鹿児島永水女子高等部1年   滝見春
 兵庫劔谷高校3年       椿野美幸
 南北海道有珠山高校3年    獅子原爽



 

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1401369950


<1回戦のサポート体制>

・実況 福与恒子  ・解説 小鍛治健夜

・現場実況 針生えり  ・現場解説 三尋木咏

・特別リポーター 瑞原はやり 戒能良子

・補助スタッフ(バイト) 福路美穂子 池田華奈 小走やえ 巽由華


のよりんとみさきは干されているわけではないので悪しからず。
  


明日の夕方から投下しますのでよろしくお願いします

>>3
池田ァ! 名前間違えたァァ!
華奈× 華菜○


はやり「1回戦は

    『日本縦断! 全国駅弁八種食べまくりツアー勝負!』
    
                        だよーーーーーーーっっっ!!☆☆」ハヤッ
                         

ザワザワガヤガヤ
スゲエナンダコレ
デケーニホンチズダナ
エキベンエキベン!

はやり「むふーん☆ すごいでしょ! 
全長80メートルもある日本地図だよ!」

はやり「1回戦は『選手移動型』の大食い勝負!☆」

はやり「スタート地点は北海道! ここから、各地方にそれぞれ置いてある駅弁を食破していきながら南下して、八つ目の九州の駅弁を完食したら1回戦突破!☆」

はやり「制限時間は予選と同じ45分!
終了時点で、食べれていない量が一番多い子と二番目の子は脱落だよっ☆」

穏乃「えと…、じゃあもし全員45分以内に完食できたらどうなるんですか?」

はやり「その場合は脱落者なし! 10名全員が2回戦に参加できるよーっ☆
でも総重量は3.2㎏あるからね。 全員クリアはかなーり難しいと思うよ」




煌「ふーむ、予選と違って、一応ゴールがあるわけですね。これは気持ち的には少し楽でしょうか」

春「移動するの、大変そ…」

優希「なんでもいいじぇ! 早く食べさせろだじぇ!」

穏乃「なんか太平洋と日本海にでかいテントあるけど、なんだろあれ」

はやり「太平洋のテントは、特別に設置した駅弁の販売所だよっ☆ 今日は正午からのスタートだから、応援する子たちも同じお弁当食べられるんだ!」

はやり「みんなのチームメンバーだけは、みんなと同じ闘技場スペースで観戦できるわけ」

はやり「日本海のテントは… んー、ちょっと内緒にしとこかなっ。
試合が始まったら、何か分かるよん♪☆」


AM11:43
 スタジオ

恒子「なんと1回戦の食材は駅弁!! これは意表をつかれましたね」

健夜「その土地ならではの味を楽しめる御当地駅弁は、日本独自に発展してきた文化と言っていいでしょう。
  現在、国内に4000種類以上もあると言われています」

恒子「4000種類!? すごい、1日1種で毎日食べても、全部食べるには十年以上かかりますね」

健夜「駅弁大国日本と言われるくらいです。1回戦の食材としてなかなか面白いと思いますよ」

恒子「1個1個違う駅弁だから、飽きもこないで食べていけそうですね」

健夜「そうですね、しかし食べるときにけっこう水分を必要としますね。それと、非常に様々な種類の具材を食べることになります。
  今回、すべての弁当を“完食”しないといけませんから、好き嫌いがあったら大変かもしれませんよ」

恒子「ふーむ、駅弁なりの大食いの厳しさがあるということですね。
  さて、試合開始まで残り15分となりました。 現場の様子はどうでしょうか? 針生さーん!」


AM11:45
インターハイ会場地下・特別アリーナ

えり「はーいこちら試合会場針生です。選手たちはさきほどまで会場で試合の流れについて説明を受けていましたが、いったん控え室に移動しました。」

えり「それと入れ替わるようにして、応援のチームメンバーの子たちが入ってきてかなりにぎやかになってきました。」

えり「1人に1個パイプ椅子がわたされて、それぞれ好きな所で陣取って応援できます。ごらんの通り、今はスタート地点の北海道の周りにみんな自分の椅子を持っていってますね。」


ワイワイガヤガヤ


怜「はぁ、椅子持って移動すんのめんどいな」

竜華「はい病弱アピールやめ! めっちゃおもろそうやん?」キャッキャッ

泉「今日はパシリされないですむといいんですけど」

フナQ「いろいろ必要そうな物つっこんだリュック持たせたで、きょうは多分大丈夫やで」

霞「おなかすいたわねぇはっちゃん」

初美「早くお弁当の販売始めてほしいですよー」


えり「今日は、観客も試合中に駅弁を自由に食べて良いことになっているので、みんなおなかをすかせて来てるようですね」


久「お弁当いろいろあるわねぇ~ 洋榎は何にするつもり?」

洋榎「全部食いたいなぁ、とりあえず北海道のかに弁当と横川の釜飯ははずせんやろ」

久「おかずの交換しましょうね」キャイキャイ

洋榎「お、おう///」


和「部長、いろんな学校の人と交流してますね」

咲「あの社交性は羨ましい…」

まこ「ただのタラシじゃ」

淡「サキー! お弁当いっしょに食べようね! あたしがアーンしてあげるからね」ダキッ

咲「あ、淡ちゃん…//」

和「」イライラ



えり「今回の試合は選手たちが数ヶ所にバラけることが予想されますので、私と三尋木プロのほかに、2名の特別リポーターの方に入っていただいてます。一人は、今選手たちといる瑞原プロ、もう一人はこちら、戒能プロです」

良子「ども、グッドモーニングですー」

えり「戒能プロは駅弁は食べることありますか?」

良子「リーグ戦での移動のときとか、よくイートしてますよー。
  私も選手たちとトゥゲザーしたいですねー。
  どんだけグレートなストマックの持ち主がいるのか、ワクワクしています」


えり「さて、選手たちのいる控え室の方はどうでしょうか。 瑞原プロー!」


 選手控え室

はやり「はーい控え室ですよっ! 試合直前の選手たち10名、今日は全員ベストコンディションのようですね☆
   いろいろ準備してきた子もいるみたいだから、ちょっと声をかけてみましょー♪」

はやり「劔谷の椿野さん、何か飲んでるけど何かなそれ?☆」

美幸「これですか?ユンケル黄帝液ですよー!私の後輩が、『喰いしん坊』ていう大食い漫画を読んで買ってきてくれたんです」

はやり「へー☆ ユンケルって高いんだよねー 後輩ちゃんやさしいね!ハヤッ
   それにしてもずいぶん飲んでるね」

美幸「3本目です。これ初めて飲んだけど効きますね! 体がカッカしてきます。 
  昨日よりレベルアップした私をみせちゃいますよ、もー!」


えり『三尋木プロ、大食いするのに栄養ドリンクが効果があるんですか?』

咏『微妙なとこだね。人によりけりかな。確かに栄養ドリンクには、栄養の吸収を助ける成分が入ってるのもあるけど、腸の吸収率が上がるだけじゃないかな。血流を良くするのは、大食いに効果あるかもねぃ』

咏『でも飲みすぎて血糖値上げちゃったら本末転倒だよ。ユンケル3本も飲んだらラリッちゃうんじゃね?』シランケド


穏乃「」チューッ

はやり「高鴨ちゃんは野菜ジュース飲んでるね☆ それも大食い対策?」

穏乃「はい、憧に試合前に飲んどけって渡されたので」


えり『野菜ジュースはどうでしょう』

咏『胃薬と同じ効能があるね。胃が荒れたり、胸やけを防止したりできるから、食材によっては効果あるかもだね』


はやり「ほかの選手も、なんか今日はいろいろ秘密兵器持ってきてるみたいだねっ☆ 手ぶらの人ほとんどいない。
   宮永さん何それ? クーラーボックス? 釣りでもすんの?」

照「えと…、はいクーラーボックスです。誠子から借りてきたんですけど…」

はやり「中見せてもらっていい?」

照「ハイ」パカ

はやり「・・・なにこれ、マックシェイク…?」

はやり「バニラ、バナナ、チョコレート、ストロベリー、10本くらいあるね。 おいしそーっ!☆」


えり『シェイク…はどうなんでしょう』

咏『医学的には、シェイクが大食いにいいわけないよ。でもね、食欲を増進させるアイテムは、人それぞれでかなり違うのさ。
 多分宮永ちゃんの脳と胃は、甘いもので活性化するようにできているんだろうね。 こういうヘンな人けっこういるよ』








AM11:55
試合会場特別アリーナ

えり「さあ、1回戦開始までついにあと5分を切りました。
  選手たちも入場を終え、北海道スペースに着席して試合のゴングを待っています」

えり「選手に支給されたものは1ℓ入りのペットボトルの水とコップだけ。
  移動するときにはこれも持っていかなくちゃいけません」

えり「でもドリンクは各自、ウーロン茶とかオレンジジュースとか、自分で用意して持ってきてる人が多いみたいですね」


選手たち「・・・」ギラギラギラ

恒子『いやみんなすごい迫力ですね!血走った目でお弁当見つめてますよ』

えり「みんなこの会場に入ったときから、食べたくて仕方がないみたいです。何しろここにいるのはえりすぐりの食いしん坊さんたちですからね!」

恒子『・・・・? …あの、針生さん、なんかもうお弁当食べ始めてる選手がいる気がするんですけど…』

えり「は? …あ、え! ちょっと片岡選手と宮永選手!なぜ食べているんですか?!まだ始まっていませんよ!」

優希・照「…」モギュモギュガツガツ

えり「やめなさーい!失格になりますよぉ!」





優希「ごめんだじぇ… あんまりおいしそうで、気がついたら食べていたじぇ…」ショボン

照「スミマセン、片岡さん食べ始めたから、もう始まったのかと思って…」



 久「“まて”もできないなんて子犬ちゃんみたいね優希は」クスクス

 菫「ハァ・・・ あいつは本当に高校生なのか…?」アタマカカエ

 淡「いいねテルー、ポンコツぶり発揮してるね!今日もトップなれんじゃない?」


恒子『早速トラブルですね(あの2人今日もひっかきまわすんじゃねえか…?要注意だぜ…)』

健夜『駅弁の魔力ですね』


えり「お弁当班! 新しい『花咲きかにめし』2つ持ってきてください!」

?「ふん…、食欲で我を忘れるとは…、 ニワカだな!!」

 
 優希と照の食べかけ弁当は回収され、新しい弁当を一人のエプロン姿の少女が持ってきた。
 右おさげ、左方ドリルのその髪型・・・!

穏乃「え・・・? 小走さん? 何やってるんですか?」

やえ「バイトだよ。この大会の選手たちの手伝いを頼まれたのさ。
  私は団体ではインターハイ出場していないから、選手としては参加できないからな。
  今日は、王者の私が弁当屋としてお前たちの闘いを見届けてやろう…!」

穏乃(くっ… これはぬるい闘いはできないぜ!)ゴクリ


※食べかけ弁当は清澄と白糸台にお買い取りいただきました





はやり「みんな、おまたせー! いよいよ始めるよ!☆ 準備はいいね?」

はやり「では、

     『日本縦断! 全国駅弁八種食べまくりツアー勝負!』
              
             45分でまいりまぁーっす!

                     よーーーーーーーーーーーーぉぉぉっぉい!!」

はやり「スッタァァァーーーーットゥオッォォォーーーーッッ!!!☆」ハヤリーンッ


タイコ「ドドーン」


一同「「「「「「いただきます!!!」」」」」」バチンッ




PM0:00

ウワッカニガイッパイ!
イエス!カニ!カニ!
アーンオイシイ! モウヌレチャウー!

えり「ついに始まりました駅弁勝負の1回戦!
  北海道に、飢えた10匹の野獣が解き放たれました!」


モッシャガッバムッグアッグ モックモグシュムグモッシュムギュ

   ハグモッフマムマムモニュバックガバチョ ブワッフボッコモッチャモッチョアラフォウ


えり「予想はしていましたがとんでもない食べっぷりです。さすがは選ばれた大食い戦士たちですね!」

えり「しかしまずは食材の紹介から!
  北海道、第一弾の駅弁はその名も『花咲きかにめし』!
  自称駅弁愛好家の瑞原はやりプロ、お願いします!」

はやり「はあーい! 『花咲きかにめし』は、北海道の東端、オホーツク海に面した港町根室の駅弁だよ!☆」

はやり「北国の港町ならではの季節限定品! 
   しょうゆめしの上に花咲きがにとイクラがドドーンと乗っていて、錦糸玉子が彩りを添えています!☆」

はやり「北海道の二大海産物「かに」と「イクラ」をたっぷり味わえるちょーーーーーーおトクな一品だぞっ!
   重量は340gです!☆」ハヤッ


えり「おいしそうに食べてますねぇ、思いっきりフライングしてた片岡選手いかがですか?」

優希「うんまぁぁーーーいじょーーー!! ほっぺたで空が飛べちゃうじょ!」


爽「ぬは、ぬははははははは」

えり「おや、獅子原選手どうしました?」

爽「いや、うますぎて笑いが止まらないっす。 ぬひゃはひゃひゃひゃひゃ」


美幸「おいしぃぃーーーよーーう!」

えり「椿野選手素敵な笑顔で食べますねー」

美幸「私かに大好きなんです! やっばいですこれもー!」ハナジタラー

えり「おや、椿野選手鼻血が・・・」

美幸「ありゃ、やだほんと! ははっはは、ユンケル飲みすぎのせいです、すみませーん!」ティッシュティッシュ


照「むっはーっ」

えり「宮永選手どうしました」

照「いや、これ、うますぎます。おかしいですよこれ。異常です。意識を普通に保つので精一杯です」モッキュモッキュ


爽「」ヒックヒックヒックヒックヒック

えり「あれ、大丈夫ですか獅子原選手?」

爽「ーーー!!ーー」ヒックヒックヒックヒックヒック

誓子「ごめんなさいちょっとどいてください!」ドンッ

えり「!?」

誓子「爽! ほらビニール袋! スーハースーハーしなさい!」  爽「」スハースハー

誓子「この人たまにこういうふうになるんです。笑いすぎてしゃっくりが止まらなくなるんです。
  しばらくしたら落ち着きますので」


春「おいし…」トローン

煌「SUBARA!!!」

白望「モギュモギュモギュ」ニコニコニコ


 塞「胡桃! ねえシロが笑いながら食べてるわよ!」

 胡桃「なにあれすごい気持ち悪い・・・」

 豊音「ちょーキモいよー」

 エイ「キモイ!」=3


恒子『小鍛治プロ、選手たちの様子がちょっとおかしいですよ!』

健夜『うん、異常だね…』

恒子『いくらおいしくてもあんなんになりますか? あのお弁当何か変なクスリでも入ってるんじゃないですか?』

健夜『こ、こーこちゃん、変なこと言わないでよ』

はやり「なっはっはー! 変なクスリなんて入ってないよ恒子ちゃん!☆」

恒子『瑞原プロ?』

はやり「このお弁当は、かにとイクラが美味しいだけじゃないんだっ! しょうゆめしに秘密があるの!
   なんと、ホタテの貝柱の出し汁で炊き上げたごはんなんだよっ☆」

恒子・健夜『なっなにぃいぃぃぃぃぃ?』

はやり「ホタテ貝柱の出し汁と、かにイクラとの相性はバツグン! 北の海の神様がくれた奇跡のお弁当なのさーーーっ!!☆」ハヤリーンッ

恒子『そ、そんな秘密が・・・』

健夜『納得です…』


良子「・・・」ムグムグ

えり「おや、戒能プロも試食をしていますね。 どうですか戒能プロ? こちらのお弁当は?」

良子「…はい、いやこれはもうエニウェイ、かにのボディがベリーソフトでですね、なんかもう私のマウスのインの中でですね、ダンシングしてるんですね~
  こんなにディリシャースなお弁当をイートできる選手たちは、ベリーハッピーだと思いますね~」



えり「いや、さすがは全国4000種から選んだえりすぐりの8種!
  選手たち、みんな素晴らしい勢いで食しています!」

咏「えりちゃん」チョンチョン

えり「あ、はい、三尋木プロどうしましたか?」

咏「よく見てごらんよ。あんまりはしが進んでないヤツいるよ」


穏乃「…」モクモク

セーラ「…」トロトロ

絹恵「…」ホジホジ


えり「あれ、本当ですね。これはうっかりしました。 ・・・高鴨選手、ペースが遅いようですが、大丈夫ですか?」

穏乃「…私、子供のときから、かに大嫌いなんです…」グスグス

セーラ「俺もかに苦手なんやぁ。 洋榎は、俺がかに嫌いなの知っとって、わざとあのかにみたいな頭にしとるんや」

えり「あぁー… 確かに海産物はけっこう好みが別れる食べ物ですねぇ…」

咏「かにが苦手なのに、こんなにかにがどっさり乗っとっちゃあしんどいだろねえ。
 小鍛治さんも言ってたけど、この駅弁勝負、偏食が少しでもある子は厳しい闘いになるかもしれないねぃ」


絹恵「………」



 フナQ「えーぐち先輩! リュック、リュックの中見てください!」

セーラ「ああん?」

 フナQ「味変アイテム色々入れてあげたじゃないですか」

セーラ「お、そか。 忘れとったわ」ゴソゴソ


セーラ(フナQが、俺のために用意してくれたリュック…)

セーラ(困ったときに使えるかもしれないって言ってたけど、中見てないんだよな)ドレドレ

セーラ(んー・・・ いろんな調味料とドリンクに、いろんな食器…)

セーラ(苦手なかにちゃんの味を変えてくれるような調味料あるんかな)


えり「江口選手、いったん手を止めて、テーブルの上にいろんな調味料を並べ始めました」


セーラ(ふんふん、醤油にソース、マヨネーズ、黒胡椒、ワサビ、一味唐辛子、おろしポン酢… こりゃなんだ、コチジャンかな?)

セーラ(うーん、分からんなぁ。 ま、俺はやっぱオタフクソースが一番好きやからなぁ、こいつかければ外れはないかなぁ)トポトポトポ

 
 泉「うぇ、江口先輩、かにめしにソースかけ始めましたよ!」

 怜「なんやあれ・・・ グロ…」

 竜華「よ、よりによってソースゥ? あいつの感性はどうなっとるんや…」


セーラ(よし、では一口…  むむぅ!? なんだこれゲロまずい… ちくしょうしくったか? うーんじゃあワサビ入れてみっか…)ネリネリ


 フナQ「」






優希「ごっちそうさま、だじぇーーー!」


えり「1回戦駅弁勝負! 『花咲きかにめし』一人目の完食者は片岡優希選手! 北海道を突破し東北地方に向かいます! 時間は2分45秒!」

咏「時間も早いけど、あの子今、水を一口も飲まないで駅弁1個平らげたね。 ありゃいいのどしてる」

良子「彼女はバキュームのようにイートしますね」


優希「へっっへっへ、一番乗りだじぇ。 2個目は何かなー」ピョンピョン

優希「どれどれ、ん、これは・・・ ヤターーーッ! とりめしだじぇーー!」ウホホホーイ


えり「瑞原プロ、2個目の紹介お願いしまーすっ!」

はやり「はいはーい☆ 東北代表の駅弁は秋田駅の『秋田比内地鶏のこだわり鶏めし』だよーっ!!☆」

はやり「日本三大美味鶏のひとつ、比内地鶏の出し汁で炊いたとりめしに、照り焼き、つくね、ごまそぼろが乗った比内地鶏三昧の駅弁! 
   アクセントにはこれまた秋田名産のワラビ、ゼンマイが乗った至極の一品んんん! どぅーだ、まいったかぁぁーーーーーっっ!!!!☆」ドドーン

優希「んんんんっまいっじぇえええええぇぇぇーーー!! 天国… ここは天国だじぇ…」モッキュモッキュ




>>1です。
今日はここまでにします。書き込みあざした。
1/4行ってないので、多分明日また書きます。

紹介してる駅弁は実在の物をモデルにしてますが、少し変えてます。

西日本の駅弁がまだ決まってないので、もしオススメの美味しい駅弁があったら教えてくらさい!

おつー
前に九州駅弁グランプリてのをニュースで見たが佐賀牛のなんちゃらが優勝してた
ググッたら九州他県の駅弁も出てきそう

>>27さん
調べました
「九州駅弁グランプリ」の第8~9回優勝の「佐賀牛 すき焼き弁当」ですね!
やわらか牛肉たっぷり、これは美味そう!
最後に牛肉弁当は、選手にはきついかもだけど、九州はこれで決まりかなぁ
第7回優勝の有田焼きカレーもちょっと気になったけど
あざした


PM0:03

 「ごちそうさまでしたぁ♪」


えり「試合開始から3分が経過、完食2番手は劔谷の椿野選手です!
  ティッシュを鼻の穴からはみ出させながら、元気に津軽海峡を渡っていきます」


美幸「片岡さん、おとなりいいかなぁ?」トリメシダー

優希「おっ劔谷の、どうぞ座れだじぇ。あたしのこと知ってんのか?」モシャモシャ

美幸「インターハイ準優勝校の先鋒だし、ずっとマントしてて目立ってたし、有名人だよそりゃもー」

優希「むふっ、それほどでもないじぇ///」

美幸「片岡さんはまだ1年生だから、来年もインターハイ出るよね?」

優希「もちろんそのつもりだじぇ」

美幸「勝ち上がってけば、私の後輩と闘うかもね」

優希「ふふん、そうなったらこの優希ちゃんがボコボコにしてあげるから安心しろだじぇ」

美幸「へぇー、そんなに簡単にいくかな? 私の後輩は強いよー」

優希「ぬかしてろだじぇ。 しゃべってばっかだと食べる時間なくなるじょ?」

美幸「うん、そだね。 後半きつくなるのは覚悟してる。 でも今は美味しいからいいんだよもー」トリメシウマー



「「ごちそうさまでした」」

えり「滝見選手と宮永選手が同時に完食。 次々と東北へと移動していきます」

照「ふうふう」クーラーボックスオモイ・・・



えり「えー、ではここで応援席の人たちにお知らせです。
  遅くなりましたが、今から駅弁の一般販売を開始いたしますので、どうぞ太平洋スペースのお店に行ってお昼を買ってくださーい」

キタアアアアアアア!!!
マッテマシタデスヨー
カニメシ! カニメシ!
イクデトキー!

 選手が美味しそうに食べる様子を見ていた応援席のチームメイトたちは、我先にとばかりに一気に弁当店につめかけた


 


トリメシ2コクダサアアアイ
オサナイデナノヨー
アラオッパイガハサマッテトオレナイワア
フエエノドカチャーン

キャーキャーワイワイ

由華「お、押さないでください! みんな並んで…」アタフタ

やえ「ふう…、大衆とは常に浅ましきものよ…」

由華「小走先輩! 早く手伝ってくださいよぉ!」アセアセ

やえ「案ずるな由華、王者とは、いついかなる時も厳然として動じないものなのだ…」

やえ「お見せしよう・・・ 王者の客さばきを…!!」シュババババババババババ

 やえの超人的働きにより、1分で客はきれいに引けた


えり「さあ、試合開始から間もなく5分になろうとしています。」

えり「現在東北の鶏めしにとりかかっている選手は片岡・椿野・滝見・宮永・小瀬川・花田、の6名の選手です。
  高鴨、愛宕、江口、獅子原の4名の選手はまだ最初のかにめしを完食できていません」

咏「45分で8個だからね、1個に5分以上かけるのはちょっとまずいね」

えり「かにが苦手の江口選手、持参の調味料を使って味を変えようとしましたが、それが裏目に出てしまったか、かにめしを前にして顔面蒼白です」

セーラのかにめし「」チーン←ソース・ワサビ・コチジャン・ドレッシング

セーラ(すげええええ、この弁当・・・)

セーラ(芸術的なまずさや…)

セーラ(もうどんな化学反応が起こってもうまくはなんねえなこりゃ)

セーラ(食べ物粗末にしちまったなぁ…)

セーラ(なんとか、少しずつ水で流し込むしかねえかぁ)ングッングッ


 そのとき・・・ 10人の選手全員が、ほぼ同時に、えもいわれぬ芳しい匂いに包まれた


優希「な、なんだじぇ… この匂いは…」

美幸「すんごいいい匂い… どこから…?」ポワワーン

照「あっちだ… あの日本海のテントからだ」スンスン


えり「選手の皆さん気がつきましたね。この良い匂いは、あの日本海スペースのテントで作っていたある物の匂いなんです」

照「私、分かった。これ、『とん汁』の匂いだ」

えり「宮永選手すごいですね! 正解です。 
  駅弁ばかりを食べていると、どうしても途中で汁物が欲しくなってきます。そこで、選手の皆さんが最後まで美味しく食べられるように、こちらで特別にとん汁を用意していたのです。」

えり「とん汁は大食いとは関係なし。食べても食べなくてもいいし、おかわりは自由です」

えり「テントに行けば係の人がよそってくれます。食べたい人は、自由に自分のタイミングでもらいに行ってください」

えり「応援のチームメイトの皆さんも自由に食べて構いませんが、選手を絶対に優先させてあげてくださいね」


優希「とん汁! 欲しいじぇえええぇぇぇぇ!!」ダッシュ

照「あ、私も」
春「私も…」
セーラ「俺もやあ」スッ




~日本海テント下~

優希「うおおおおお、おいしそうなとん汁だじぇ! なるほど、鍋のふたを取ったから、急にいい匂いがしてきたんだな」

?「あら片岡さん、久しぶりね」

優希「じぇ…? おぬしは、風越の…!」



美穂子「私と華菜で作ったとん汁よ。たくさんあるから、どうぞ召し上がれ♪」メガミー

華菜「だし!」


PM0:05 選手現在地

<北海道> 高鴨穏乃 江口セーラ 獅子原爽 愛宕絹恵


<東北>  片岡優希 椿野美幸 滝見春 宮永照 小瀬川白望 花田煌


<関東>  なし


<中部>  なし


PM0:05

恒子『ただ今、試合開始5分が経過しました!
  どうでしょうか小鍛治プロ、序盤戦ご覧になって、何か気になったことなどありますか?』

健夜『そうですね…、えと、競技自体は滞りなく進んでいるとは思うんですが、思いのほかスローペースといいますか、こんなに1個目に手こずる選手が出るとは思わなかったですね』

恒子『まだかにめしを完食できていないのは、高鴨・江口・獅子原・愛宕の4名。この4人、予選ではかなりスピーディーに食べていましたよね』

健夜『そうなんです、昨日と全く違うというか… 4人とも本来の実力を今のところ出せていないと思いますので、早く調子を取り戻して元気に食べて欲しいです』



爽「ごちそうさまです」

えり「獅子原選手、かにめしを完食です。途中、しゃっくりの発作を起こしてかなり大幅に時間をロスしました」

咏「早く自分のペースを取り戻して欲しいねぃ」



絹恵「…ごちそうさまでした」

えり「愛宕選手もかにめしを完食。東北に入ってきました」


咏「・・・」

咏「ねぇ、先生、先生」

 
 三尋木は、小さい声で女性ドクターに声をかけた


ドクター「はい、なんでしょう」

咏「今の愛宕ちゃんだけどね、なんか様子が変なんだ。朝の健康診断のときは、なんにも異常なかったかい?」

ドクター「はい…、全く問題ない健康体でしたが…」

咏「ふうん…」



セーラ「ごちそーさまでしたぁ!」

えり「江口選手、だいぶ苦戦しましたが今ようやく完食です」

セーラ(ふー、とん汁で流し込んでなんとか食えた…)

セーラ(幸先悪いなあ、だいぶ時間と胃の容量ロスッちまった)

セーラ(ちょおお~っと、気合入れなあかんなこりゃ)

咏「江口ちゃん」

セーラ「はい? なんすか、三尋木プロ?」

咏「焦るとペース崩すよ。リラックスしてしっかり食べてきな」

セーラ「…は、はい…(心読まれた…)」

咏「あ、今のひとり言ね~」ヘラヘラ



えり「北海道に残っているのは高鴨選手一人だけになってしまいました。まだ、1/3ほど、残ってるでしょうか…」

咏「なんか教室に一人で居残りみたいになっちゃったねぃ」

穏乃(どうしても時間かかる…。 口にかに入れるとえづいちゃうんだよなぁ…)




優希「はい! ごちそうさま! だじぇ~!」ニッコニッコ

えり「はいはい、絶好調の片岡選手! 420gあった鶏めしと、とん汁も一杯完食してついにトップで関東地方に進出です!
  時間は6分32秒、独走体制に入りつつありますね」

えり「では、関東代表の駅弁の紹介! 瑞原プロ、お願いしまーっす!」

はやり「はーい呼ばれたよー!☆ 関東代表の駅弁といえば、やはりこれしかぬわい!!
   群馬県は横川駅の本舗おぎのや!   『峠の釜めし』   だよーーーうっ!☆☆」

はやり「なんと昭和33年から作られている駅弁界のゴッドファーザー!! 益子焼きの土釜に入ったしょうゆめしの上に、鶏肉、たけのこ、ウズラの卵、栗、杏などが乗った、黄金律のように完成された美しさを持つ駅弁!☆」

はやり「まさに駅弁の中の駅弁ん! キング・オブ・E K I B E N!!!☆ 
   釜めしなしの人生など、ありえなーい!!!」ハヤヤーンッ☆

優希「いいいやっっっっほおぉぉぉおぉぉーーーいぃぃ!! だじぇ~」

はやり「重量360g、おいしすぎて涙がちょちょぎれてもはやりは知らないよっ!☆」




PM0:07


美幸「ごちそうさまですよ!」

えり「お、椿野選手もすごい! 片岡選手の一人旅は許さないとばかりに鶏めし完食です!」

美幸「近畿の駅弁何かなー。 神戸牛だったらいいなー」ルンルンテクテク

 
友香・莉子「せんぱーい! かっこいいですぅー!!」キャー

美幸「ヤッホー、まかせちゃってねー」フリフリ


良子「やはりイートはエンジョイすることがマストですよー」



春「…」スッ

えり「おや?滝見選手ももう少しで鶏めし完食ですが…、途中で立ち上がりました」

春「…」スタスタ

えり「え、北海道の方に… 何か忘れ物でしょうか」


 春は北海道で一人になっていた穏乃の前に来てピタリと止まった


春「…」

穏乃「…滝見さん、どうしました?」

春「…カニ、嫌い?」

穏乃「あ、はい… 小さい時からずっと苦手で…」

春「…」ゴソゴソ

春「これ、なめて…みて」スッ

 春はふところから黒糖袋を出すと、小指の先ほどのかけらを穏乃に渡した

穏乃「…」

春「いい…から」

穏乃「は、はい…」ペロッ

春「目を閉じ…て」

穏乃「はい」ギュッ


 スッ スッ スッ


穏乃(・・・頭なでられてる…。 あぁ、でもなんかやわらかくて…あったかい手だなぁ)

春「目…あけて」

穏乃「」パチッ

春「食べら…れるよ、カニ…」

穏乃「え?」


春「食べて…ごらん」

穏乃「う、うん…」オソルオソル

穏乃「」ムグムグ

穏乃「!」

穏乃(なんだ…これ… エグさも、気持ち悪さも、全然ない…)

穏乃(いや… むしろ、美味しい…! 噛むとどんどんのどを通ってく…!)

穏乃「」ガツガツガツガツッ ペロリッ

穏乃「・・・食べれちゃった…」


春「…」スタスタ

穏乃「待って! 滝見さん!」

春「…」

穏乃「・・・何したの? 魔法?」

春「催眠…術」

穏乃「…えぇ、ええぇ、すげえ、これすげえええ! びっくりしたー!」

春「…」ニコオ

穏乃「すごい、こんなことできるんだ… ありがとう、滝見さん!」ムハーッ

春「行こ…うか」

穏乃「あ、うん、いそがないとだもんね! ごちそうさまでしたぁ!」



えり「遅れていた高鴨選手も、かに飯クリアです。 これで10人全員が本州に入りました。
  滝見選手が声をかけてから一気に食べてしまいましたね」

咏「うん、ちょっとオカルト使ったみたいだね。 …来そうだよぉ、このまま一気に…高鴨ちゃん…」




 霞「あらあら春ちゃん、敵に塩送っちゃったみたいねぇ」

 初美「はるるは強欲BBAとは違って、心が広いんだよ」(ちょっともったいないですねー)

 巴「はっちゃん、言葉と心が逆になってるよ」

 霞「ちょっと外に行きましょうか、はっちゃん…」ビキビキビキビキ

 初美「」


PM0:07
 観客席

久「はーあおいしかったぁ、花咲きかにめしほんとにサイコーねー!」

まこ「なんじゃわりゃあもう食べたんか」ムグムグ

久「洋榎に少しあげたから少なかったんだって。でも私はもう十分だわ。優希は多分私の5倍くらい食べるんでしょうね」

 モキュモキュモキュモキュンマーイジェー

咲「ほんと強いですね優希ちゃん、まだ全然余裕あるみたいだし」モクモク

和「でも咲さんのお姉さんもすごいじゃないですか」モムモム

咲「そうだね… なんか昔から食べる量に頓着しないというか… あればあるだけ全部食べちゃう人だった」

久「金魚みたいね」

咲「はは…、でも多分優希ちゃんのほうが食べるよ」

久「分からないわよー照さんは後半強いみたいだから。 そうそう私とん汁も食べたいんだった。 もらってくるわ。 全員分もらってきたげる」スクッ

まこ「おうたのむわ」

咲和「すみません」

久「お安い御用よ~」





 日本海テント下

久「あ~いい匂いだわ~って…、美穂子じゃないの何やってんの?」

美穂子「あ、久…」

華菜「清澄の部長!何しに来たし!」

久「何しにって、とん汁もらいに来たのよ、悪い?」

華菜「」ガルルルルルル

美穂子「華菜やめなさい、失礼よ」

華菜「キャプテン…」

久「私と美穂子が下の名前で呼び合ってんのが気に入らないのよね~」ケラケラ

華菜「なっ 美穂子「久!」


久「…なあに美穂子?」

美穂子「相変わらず、人の心をコロコロ転がして遊んでるのね」

久「遊んでるんじゃないわ。コミュニケーションよ。これで私はうまくいっちゃうの。トラブルなんか起きないわよ」

美穂子「あなたのその軽率な態度や行動で、傷ついている人たちがいる」

久「知ってるわよ。誰だって傷つけ合いながら生きてるわ。ヘラヘラしてるように見えるだろうけど、これでも周りに気を遣って、フォローもしてるわ」

美穂子「今のままがあなたにとっ 久「はいはいすみませんでした反省してます反省してます池田さんごめんなさい冗談言っただけですすみません~」

美穂子「……」

華菜「それが謝る態度かし…」ボソッ


久「ん~ とん汁あとでいいわ。 美穂子ちょっと手伝ってくれる?」

美穂子「え?」




久「まさか美穂子がここに来てるなんてね、ラッキーだわ」

華菜「キャプテンに何をやらせるつもりなんだし…」

久「やあね、怖い顔しないでよ、ちょっとした人助け? みたいなかんじ?」

美穂子「話は聞くわよ、久」

久「んーとね、どっから話せばいいのかな、えーっと、今大食いの試合をしている子たちの中の、愛宕絹恵さん、知ってるかしら?」

美穂子「もちろん知ってるわ。姫松の2年生の副将…」

久「さすが美穂子ね。えっとね、簡単に言うと、その子が今ものすごく落ち込んでいるんだけど、元気づけてあげてほしいの」

華菜「元気づける?そうしたいならなんで自分でやらないんだし」

久「私じゃ無理なことなのよ。多分美穂子じゃないとできない」

美穂子「…」

華菜「どういうことだし」

久「私はその… 愛宕絹恵さんに嫌われているというか… 誤解されていて、それが原因であの子は元気をなくしているの」

華菜「はーん、大体どんなことか分かったぞ? 自分の責任なら、なおさら自分でなんとかして欲しいし」

久「(うおおおお、やっぱり池田うっぜええええぇ…)うんうんそうよね、その通り、その通りなんだけど、私一人ではなんともしようがないのよ。だからこうして頼んでるの」

華菜「つまり、キャプテンに自分の尻拭いをして欲しいってことだし」

久「」ピクピクピク

美穂子「華菜、そんな追い詰めるような言い方をするのはあなたの悪い癖よ。何度も言ってきたと思うけど?」

華菜「・・・ごめんなさいだし」

美穂子「久、いいわよ? 私にできることがあるなら協力するわ」

久「ありがと!持つべきものはやっぱり親友ね。じゃあ詳しく話すわね。えーっとかくかくしかじかまるまるうまうま」で・・・・・」

美穂子「うんうん」









PM0:09
日本海テント下

美穂子「じゃあ華菜、少しだけ一人でお願いね」

華菜「まかせてくださいだし!」

久「頼むわね、美穂子」

美穂子「うん、じゃあ行ってきます」スタスタ


 美穂子は1杯のとん汁を持って、東北ゾーンで鶏めしを食べている絹恵の前に来た


美穂子「愛宕さん、こんにちは」

絹恵「…? 長野の、個人戦の人…ですよね」モクモク

美穂子「あら、私のこと知ってるなんて、うれしいな。 そこのテントで、皆さんが食べている姿を見ていたんだけどね、愛宕さん、なかなか食が進まない様子だったから、気になって」

絹恵「はあ…」

美穂子「とん汁少し食べてみてください。きっとまた食欲が湧いてきますよ」コトッ

絹恵「私のために持ってきてくれたんですか? わざわざありがとうございます…」


とん汁「」ホワアーーーン


絹恵(すっごい、いい匂い… きらきら輝いてる…)

絹恵(食欲ぜんぜん湧かないから… お弁当以外の物あんまり胃に入れたくないけど、せっかく持ってきてくれたんだから・・・、少し飲もう…)


絹恵「」ズッ・・ズズ・・・

絹恵「!?」

絹恵(はあああああぁぁぁぁ…)ホワア

絹恵(おいしい・・・!)ポロポロ

絹恵(…あったかい・・・!)ポロポロポロ

絹恵(すごい… あああ気持ちいい…! 心が解けていくよう…)ポロポロ

絹恵(しみわたる… 私の心と体の、すみずみに…)



美穂子「愛宕さん」

美穂子「私、本当は、あなたのことを心配しているある人に頼まれて、ここに来たんです」

絹恵(私のことを心配…? 誰…? まさかおねーちゃん…! いや、それはない…)

絹恵(だって、昨夜、おねーちゃんは私をだまして… あの女と一緒にいたんだ…!)

絹恵(私に言えないようなことを、あの女としてたんだ…!)

絹恵(私は、おねーちゃんが一番大事… それなのに、おねーちゃんはもう私のことは、どうでも、どうでもいいんだ・・・!)


美穂子「愛宕さん」


絹恵「・・・・・」


美穂子「私の、目を見てもらえますか」スウウウウ


美穂子「」ミギメカイガンー


美穂子「」ミギメパカーッ

絹恵(わあああ、すっごいきれいな目・・・)

絹恵(左目が赤くて右目が青い・・・ まるで宝石みたい・・・・)

   スウウウウウウウーーー

絹恵(あれ…? なんか青い目に吸い込まれて…?)
                     スウウウウウウウウウウウウ・・・・・・・・


ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
ーーーー


ヨーッシベントウニシテイイゾー
ワーイ
イッショニタベヨウゼー
ジョシハムコウイケヨナー


絹恵(・・・・・)

(見覚えがある…)

(ここ、小学校の全校遠足でよく行ってた森林公園だ…)

(お弁当の時間か…)

ガヤガヤキャッキャ

(あ、私発見!)

(小4…? いや、緑のバッジってことは3年のときの私や…)

(あの弁当箱、まだ家にあったなぁ… あっ)


悪ガキA「おーい、なんかくっせーと思ったら、やっぱりアタゴやー! アタゴの弁当まじくっせー!」

悪ガキB「うわ、マジだ! くっせー! はんぱじゃねー!お前何入れとんだーそれー?」

小3絹恵「な、納豆チャーハンだよう…」フルフル

悪ガキA「ナットー!? お前んちあんなくせーウンコ色のもん食っとるんか? ありえねーwwww!!」

悪ガキB「お前走ったりするだけでなんかにおいするもんなー! そんなくせえもん食っとるからやーー!!」

小3絹恵「う、ううう、う……」ポロポロポロ


?「ふらいんぐぼでぃぃぃぃぷれぇぇすぅぅぅ!!!」ドンガラガッシャーン!

悪ガキA・B「あらふぉー!!!」



小4洋榎「おうおう、うちの絹を泣かせるたあどういう了見じゃい・・・ ボッコボコにしてフルチンにしてさらすぞごぅるあぁぁ!! 2人まとめてかかってこいやぁ!!」ウラー


悪ガキA「んだと! なめんじゃねえこのタレ目がぁ!」パーンチ

小4洋榎「うぼあ!」

悪ガキB「おら!」ケリー

小4洋榎「イヤァオ!」

悪ガキA「でりゃ!」ウラケーン

小4洋榎「あっがーい!」

悪ガキB「うらあ!」ヒザゲリー

小4洋榎「ぺじゅーん!」


悪ガキA・B「こいつどつくとおもしれー声出すぜー!」ボコボコボコボコ

小4洋榎「アジャ、アジャジャジャジャジャジャジャジャ!!」


小3絹恵「もうやめてよぉー!」キックー

悪ガキA「いってぇ! 何さらすんじゃごりゃあ!」パチーン

小3絹恵「痛っ!」バタッ



  
小4洋榎「き ぬ に 手 を だ す ん じゃ ね え え ぇぇぇぇ! ! !」カッ


     悪ガキA・B「」

 

小4洋榎「」ギラギラギラ

悪ガキA「お、おいつまんねえよ、もどろうぜ」

悪ガキB「お、おう…」タッタッタッタ




絹恵(なつかしーなぁ、おねーちゃん、もやしみたいに細かったくせに、私を守ろうとしてけんかしてくれることあったなぁ)

絹恵(いつもいつも、自分自身より私のことを考えてくれてた)

絹恵(やさしかったなぁ)

絹恵(お姉ちゃんとなら、どこまででも行けるような気がした)

絹恵(あ、そういえば…)

   ぽやや~ん

ーーーーー
ーーー



小6洋榎「バクダンからあげ定食、ダブルでください!!」ドーン



絹恵(私が小5のとき、おかんと大ゲンカして、2人で家出したことあった)

(ケンカの原因は覚えてないけど、とにかくメチャクチャ怒ってて、何にも持たないで二人で家飛び出したんだ)

(すごく歩いて、隣町の公園で、暗くなってもブラブラしてた)

(でも、おなかが減って減って、目が回りそうになったとき、おねーちゃんが言った)


小6洋榎「絹ぅ、からあげ食いたないか?」

小5絹恵「からあげ? 食いたい…」ジュルリ

小6洋榎「食わしたるで」

小5絹恵「え、でもお金ないやん」

小6洋榎「いや、実は少し金持ってるんや」

小5絹恵「ええ、なんやそれ、そんなら早く言ってやー!」


(金持ってるいうのは嘘やった。おねーちゃんは、とにかく、なんでもいいから、私に食事をさせたかったのかもしれない)

(駅前の小さな定食屋さんに入って、二人で食べたバクダンからあげ定食・・・)

(おいしかったなー、大人用なのに2人とも完食した)

(そんで、そこのお店の人に電話してもらって、おかんが車で迎えにきた)

(あの時、私は怒られた覚えがない)

(でもおねーちゃんが怒られてた光景は覚えてる)

(おねーちゃんは、うちが絹を連れ回しただけやぁ言うて、私をかばった)

(何があっても、どんなときも私を守ってくれたおねーちゃん…)


(私、何を下らんことで悩んどったんだろう)

(おねーちゃんがたとえうそついても、だましても、私は変わらない)

(何があっても)

(何が起きても)


(私は、おねーちゃんのことが、好き)




グッギュウルルルルルルルルゥゥ~~~~~~~~~



絹恵(なんだこの音…?)

グルギュッギュギュウウウルルゥゥゥ~~~~


絹恵(私のお腹の音だよ!)

絹恵(はああ、お腹すいたなあぁぁー)

絹恵(私って、何してたんだっけ・・・?)

絹恵(ん・・・そういえばなんか駅弁食べてた)

絹恵(食べたいよ! 駅弁!)

     グルギュグギュグウウ~~~

絹恵(んんんっ 食べたいよぉ!)

絹恵(んん? なんだあの光は・・・?)


……サーーーーーーーッ







絹恵「」パチクリ


ワイワイガヤガヤ


えり「さあ、競技開始から10分が経過しました。現在・・・」


絹恵(寝てた…?)

絹恵(あ、あの長野のお姉さんは?)キョロキョロ

絹恵(いない…)

 
 洋榎「くおら絹ぅ!何ボサッとしてんねんはよ食えやぁ!」

 由子「おくれてるのよー」

 漫「後ろからせまってきとるよぉ!」

 恭子「絹ちゃん、大丈夫かぁー?」


絹恵(みんな…)

絹恵(はは、なんか知らんけど…)

絹恵(これは分かる)



絹恵(今の私、マジ最強や)



絹恵「おねーーーーーちゃん!!!!!!」


シン・・・


洋榎「…お、おう、絹、なんや・・・」

絹恵「この試合が終わったら」

絹恵「ちょっと話あるで、そっから離れんでね」ニコーーー

洋榎「・・・は…はい…」



PM0:10 選手現在地

<北海道>  なし


<東北>  花田煌 江口セーラ 獅子原爽 愛宕絹恵 高鴨穏乃


<関東>  椿野美幸 宮永照 滝見春 小瀬川白望


<中部>  片岡優希  

寝ます。
中部の駅弁は明日紹介できると思います。




日本海テント下

久「ありがとうね美穂子、うまくいったみたいね」

美穂子「どういたしまして。元気に食べ始めたからもう大丈夫だと思うわ」

久「あの子、予選はものすごく強かったみたいだけど、心理的なものであれだけ影響するのね」

美穂子「大食いは健康でなければできないというけど…、その健康というのは、体だけでなく、心も含めてなのよ」

美穂子「心配事があったり、極度の緊張や動揺があると、すぐに食欲に大きな影響を与える」

美穂子「不健康だけど食欲はあるということはありえない。逆に言えば、食欲があるということは健康であることの
証明になるのよ」

美穂子「スポーツや勉強や仕事なんかは、ストレスや緊張、ちょっとした体調不良によってかえって良い結果を生むこともあるけど、大食いではそういうことはありえない」

美穂子「『健康』と『美味しくたくさん食べられる事』は、切っても切れない関係と言っていいと思うわ」


美穂子「そういえば昨日、何があったかまでは詳しく聞いてないわ。教えてくれるかしら?」

久「ああ、そうね。昨日の夜に私は洋榎と、えと、絹恵さんのお姉さんね、に会ってたんだけど、絹恵さんが洋榎のあとをつけてたみたいで、会ってるとこを彼女に見られたのよ」

華菜「やっぱりそうかし。タラシもほどほどにするべきだし」

久「ち、ちがうわよ。私と洋榎は三尋木プロに麻雀のことで呼ばれてたの」

美穂子・華菜「?」

久「私と洋榎だけじゃなくて、白糸台と阿知賀の部長も呼ばれてたのよ」

美穂子「…インターハイの決勝進出の4校ね」

久「そう。今度この4校で集まって、泊まりの合同練習会を開くのよ」

久「何人かプロも来るんだけど、これは実は世界ジュニアに向けての全日本選抜候補の選出を兼ねてるの」

久「プロの方から希望があって、部長以外のメンバーには世界ジュニア云々のことは内緒にしてるの」

久「昨日はそのことの打ち合わせで三尋木プロのとこに行ってたのよ。洋榎と2人で会ってたのは、もともと付き合いあるから、待ち合わせて一緒に行っただけ」

久「絹恵さんがつけてきてるのにはすぐ気がついて、うまくまいたわけよ。一応内緒だからね」

久「今日、洋榎とお弁当の交換とかしてたら、絹恵さんがものすごい顔でにらんできて、あちゃーこりゃ誤解されてるな、て気がついたってわけ」

美穂子「そういうことだったのね。それなら、あとで洋榎さんが誤解を解いてくれるわね」

久「だと思うわ」

華菜「まぎらわしい事してるからそういうことになるんだし」

久(…本気でなぐっていいかしら…?)



PM0:11

「「ごちそーさま!」」


えり「高鴨選手と愛宕選手同時に東北を通過です。2人とも非常にテンポよく食べるようになりました」

咏「もう心配ないみたいだね。良かったわ」


「「ごちそうさまでした」」

えり「お、関東スペースでもごちそうさまの声! 宮永選手と椿野選手が片岡選手に続いて中部地方に入ります」

えり「こちら中部のお弁当の紹介がまだでした。瑞原プロ、お願いします!」

はやり「はーい☆ 中部代表は富山駅の 『ますのすし』 だよ!! 創業130年のますのすし本舗『源』が富山名産のマス寿司をギッチリつめこんだお弁当!」

はやり「緑の天然笹に包まれたサーモンピンクのマスがとーーっても目に鮮やか!☆」

はやり「重量は500gあって、8個のお弁当の中で一番重いよ! これを完食すれば半分以上を食べ切ったことになるからがーんばってねっ!☆」



えり「4つ目は富山のマス寿司弁当。さて、戒能プロにお味のほうを聞いてみましょう」

良子「」モムモム

良子「うーん、とってもディリシャースですが、ライスがベリーもちもちしていて、バイトするのがけっこうハードですね。これはビッグイートするには不向きかもしれません」

咏「このお弁当は前半最大の難所と言っていいだろうね。ここをスムーズに通過できるかどうかが鍵だと思うよ」

えり「おお? しかし1分半ほど前にトップで中部にやって来た片岡選手、もうすでに半分近くを食しています!」

  モキュモキュモグモグンマーイジョー

良子「エクセレント。とてもゴッドなあごですね~」


PM0:12

爽「ごちそうさまです!」

えり「獅子原選手2個目の鶏めしを完食。昨日はとんでもないスピードで食していた獅子原選手ですが、今日はわりとのんびり食べているようですね」

えり「おや、いったん日本海に向かいました。とん汁をもらうようです」


爽(ふふ、ふふふ・・・)

爽(さっき、愛宕さんに声かけてたとん汁のおねーさん)

爽(あんなサラブレッドに出会えるなんて、今日は超ラッキーだぜ!)

爽(大食いどころじゃないぜ、ここは私の交渉術で・・・)

爽(必ずあの子をゲットしてみせるぜ!)ムフー





日本海テント下


爽「たのもー!!」

美穂子「あらいらっしゃい♪」

爽「私は、君がほしい!」ズビシッ

美穂子「は、はあ?」

爽「お、おおう、近くで見るとさらにお美しい…」グヘヘヘ

華菜(キャプテンには本当によく変な虫が近寄ってくるな…)


爽「申し送れました。私、南北海道有珠山高校の獅子原爽という者です」キリッ

美穂子「え、ええ… 団体の準決勝で大活躍してた…」

爽「私、アイドルのプロデュースをしておりまして、今後輩の子をマネージしてるんですが、最近かなり売れてきましてね」

美穂子「あら」

爽「どうですか?あなたもアイドルを目指してみませんか?」

美穂子「え、そんな! ア、アイドルなんてとても無理です」

爽「何をおっしゃる。私、ティンときたんです。あなたには、美貌だけでなく、すばらしい華がある…!」

美穂子「はあ…」

爽「あなたなら、将来的にはあのはやりんだって越えられる! 私が保証します!」

華菜「おいあんた、いい加減にしろし。キャプテン嫌がってるし」

爽「ん、なんだねキミは」


華菜「キャプテンの後輩の池田華菜だし! とっととトン汁持って戻れし!」

爽「ふん、私はこちらのお嬢さんと話しているんだ。 ネコには用はない」

華菜「にゃ、にゃにおう!」ニャーッ

美穂子「か、華菜、やめなさい」

美穂子「あの、せっかくのお誘いですが、やっぱり私、アイドルはちょっと…」

 
 由暉子「ふーっ、ふーっ!!」メラメラ

 揺杏「ユ、ユキ、だいじょぶだって、ちょっと見てようぜ?」オサエー


爽(うーんけっこうガード固いな。ならば、奥義を使うか・・・)ギラッ


 獅子原爽は、太極拳のようなゆっくりとした動きをした

爽「」フオオオオオオオオオ

美穂子・華菜「?」

 そして、ゆっくりと右手を伸ばし…!


爽「はあ!」オモチモミモーミ     





美穂子「!」


爽(決まったぁぁぁっ! 今のセクハラ、コク・キレ・アロマがすべて五つ星! 完璧だぜ! ふふ、これで落ちない女はいない…)チラ

美穂子「・・・」ニコオ

爽「?」


 シュンッ


    「バッシーーーーーーン」ヒラテウチー


爽「ぼえっふぅ!!!!!!」



>>1ですがこれは言いたい。

爽てめぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!

俺の美穂子のチチを揉むとは・・・・・!!

許さん! 許さん! 許さあぁぁぁぁん!

天誅や!

>>1ですが冷やし中華食ってた
爽、おしおきタイムやでぇぇ・・・


美穂子「はいやあああああああああああああああ!!」ブンブンブンブンブンブン

爽「ぶもおおおおおおおおおおおおおお!!」ビュンビュンビュンビュンビュン


えり「おや、日本海スペースで乱闘発生ですね。 トン汁係の福路さんが獅子原選手をジャイアントスイングにとらえています」
      ビュンビュン ビュンビュン       
恒子『ちょっと針生さん!! ここ、ここ私に実況させてぇ!』
ビュンビュン ビュンビュン ビュンビュン
えり「え?」
ビュンビュン
恒子『緊急事態ぃぃぃぃ!!
  日本海に巨大な竜巻が発生ぃぃ!
  すさまじい気流によりテントが倒れそうだぁぁ!!』
ビュンビュンビュン ビュンビュン
恒子『福路美穂子ぉ! その豪腕で獅子原を回す回すぅ! 獅子原が分身して10人くらいいるように見えるぞぉぉ!!』
ビュンビュン ビュンビュン
良子「おおう、ワンダフルにマーベラスですね」
ビュンビュンビュン

美穂子「あいやぁぁ!!」スッパーン  ピューン

恒子「投げたぁぁぁぁ!」  

ドゴム! 爽「ぶげらぁ!」

恒子「獅子原壁に激突ぅ!!」

スタタタタタッ

恒子「おお? 福路が獅子原に走り寄り…?」

ダーーーーンッ

恒子「福路跳んだああぁぁぁぁぁぁ?!!!」


    ズガーーーーーーーーン!!!!!


爽「ギニャアアアアアアアアアァァァ!!!」


恒子「きぃぃまぁっっったああぁぁぁぁぁっっ!!!!!!
  福路、渾身のジャンピング・二ー・ドロップだぁぁぁぁぁ!!!!!」






爽「」チーン

恒子(気持ちいいぃぃ・・・ 私プロレスの実況とか合ってるかもぉ…)ポワーン

 久「おーこわ。 私も気をつけないといつかああなりそうだわ」

 由暉子「自業自得です」
 

えり「獅子原選手倒れたままピクリとも動きません。大丈夫でしょうか。
  あれ? でも顔は笑っていますねぇ・・・」

爽「」ニヘラー

 揺杏「なんだ爽のやつマジできめぇ… 笑ってるぜ?」

 由暉子「爽さんはSと見せかけた隠れドMなんです」

 揺杏(はああ? まさかお前らそういうプレイしてるんじゃあ…?)



PM0:14


穏乃「ごちそうさまでーっす! うまかったぁー!」ムフーッ

えり「高鴨選手横川の釜めしを完食です! 花田選手や小瀬川選手を抜いてトップ集団に混じってきました」

咏「やっぱりいい食べっぷりだねぇあの子」

「ごちそうさまでしたー♪」
「ごちそうさま…です」
「ごちそさま」

えり「続いて愛宕、滝見、小瀬川選手も釜めし完食。続々と中部地方に入ってきます」


優希「ごちそうさまだじぇ」

えり「おお!? トップの片岡選手、ついに『ますのすし』完食! ごはんがギッチリつまった押し寿司500gを苦もなく平らげました!」

えり「ペースがほとんど落ちていないようです。 15分かからずについに折り返し地点を通過! 独走態勢で近畿地方に入ります。」


優希「・・・なんだじぇこれ。 壺?」

えり「近畿スペースのテーブルにはズラッと茶色い壺のようなものが並んでいます。なんなんでしょうかこれは? 瑞原プロ、お願いします!」

はやり「はいはい! 近畿代表は、兵庫は西明石駅の 『ひっぱりだこ飯』 だよーーっ☆」

はやり「地元の名物・明石のたこを、たこ漁に使うたこ壺風の陶器でしょうゆめしと一緒に炊き上げた全国でも類を見ない珍しいお弁当!☆」

はやり「具はたこの足が二本まるごとに、アナゴと季節の野菜! 今日のお弁当にはれんこん、チンゲン菜、里芋、まいたけが入ってるよん♪」

はやり「たことダシの効いた炊き込みご飯に、はしが止まらない一品んん!! 1998年に明石海峡大橋の開通を記念して作られたそうだよ!!☆ 重量は410g! 心して食べるよーに!!☆☆」

えり「うーん私もこんなお弁当見たことありませんねぇ」

優希「いただきますだじぇ」

えり「? 片岡選手、ちょっとテンションが下がってきてませんか?」

優希「…なんか頭が、こめかみのあたりが痛いんだじぇ…」



PM0:15 選手現在地


<東北> なし


<関東> 花田煌 江口セーラ 獅子原爽


<中部> 椿野美幸 宮永照 高鴨穏乃 愛宕絹恵 滝見春 小瀬川白望


<近畿> 片岡優希 





>>1です
今日はこれで終わります
続きは今週金曜の18:00頃から書くつもりです
書き込みあざした
意見・感想・批評等頂けると嬉しいです

タコと名のついた食べ物は優希の独擅場だがどうなる?

多分…

モチモチしてる鱒寿司よく噛まなきゃ顎が疲れたこめかみの辺りが痛い。

おまけにタコは弾力があって顎が疲れやすい食材ときたもんだ

>>1です
>>71 そのこと忘れてた ナハハハハ

>>73>>74 正解です 優希はあごの力はそれほど強くないので、オーバーペースがたたって気づかないうちに顎を痛め始めています タコの弾力にこれから苦戦必至です


なんか読み返してたら爽が気の毒になってきた

俺「爽ごめん、やり過ぎた。 俺調子に乗ってた。 痛かったやろ?」

爽「べつに。これくらい平気」

俺「さすがタフやな。 俺、本当はお前の変態なところ、けっこう好きだぜ」

爽「キモヲタにそんなこと言われても嬉しくない。 第一私は変態じゃない。 後輩に慕われるイケメンクールな最強雀士なんだけど」

俺「何言ってんの。 あんなかわいい後輩にあんな改造制服着せてアイドルさせようとしてる時点でタラシの変態確定やろ」

爽「咲世界では国広くんが超常識人なんだよ? あの制服は普通だって」

俺「・・・確かに」

爽「こっからは私のことクールビューティーに書いてよ」

俺「いや無理っす。 お前本編ではまだほんの少ししかしゃべってないのに、SS界ではおもしろおかしいいじられ変態先輩キャラで定着してるもん」

爽「頼みの綱は立先生だけか…」

俺「お前、副将っていう説が無きにしもあらずだけど多分大将だろ?? 本編で本格的に活躍するまでに、あと半年以上かかるんじゃね? その間に、SS界でいろいろはちゃめちゃなキャラにされてくんだろーなww」

爽「マジであんまり変に書かないでよ私のこと」

俺「善処するわ。 このままここで脱落すればもう登場しないで済むけど?」

爽「それはヤダ…」



きも

一々この先の展開のネタバレをする必要はあったのか?
ドンピシャならわざわざ答える必要は無いだろ

>>78 ヤッターー! ども、あざす

>>79 続き書くのがけっこう先なので、気になる人いるかもと思って。 余計なことしましたスンマセン


PM0:15


優希「・・・」モキュモキュ


 咲「優希ちゃん、食べるのちょっと遅くなってきたみたいですね」

 久「タコがついてる食べ物なら喜んで食べるはずだけどねぇ、どうしたのかしら」

 まこ「時々顔をしかめとるのう、あごが疲れてきとるんじゃないか?」


恒子『トップの片岡選手、さすがに若干ペースが落ちてきた模様です。こめかみが痛いと言ってましたが…?』

健夜『恐らくあごを痛めてきているのではないかと思います。あごを酷使し過ぎると、普通は耳の前の顎関節に痛みが出ますが、頬やこめかみの筋肉に痛みが出る場合もあるのです』

健夜『片岡選手は、ここまで水をほとんど飲まずに食べてきています。大食いにおいて、水分摂取量を少な目にするのはセオリーですが、水分が少ないとその分たくさん噛まなくてはいけません』

健夜『片岡選手の、口いっぱいに食べ物をほおばって食べるのも、あごに負担がかかりやすい食べ方ですね』


優希(でっかいタコだじぇ… なんか、かみしめる時にこめかみがすごく痛くなるじょ… 耳の前あたりも痛くなってきた… どうしたんだろう…? )


照(片岡さんは、『神の胃袋』を持っているけど、『神のあご』は持っていない。戒脳プロが言ってたのは間違いだ)

照(昨日鏡で見たときの片岡さんのアゴ力は11。私と大差ない)

照(一度あごを痛めてしまうと、そう簡単には回復しない… 片岡さん、後半大丈夫かな…)


えり「1回戦、駅弁勝負も中盤戦に入りました!少し選手たちに、状況を聞いてみたいと思います」

えり「まずは中部のマス寿司ゾーンから。 宮永選手! なかなかいい調子ですが、どうですか? お腹は今何分目くらいまできてますか?」

照「…そうですね、6…くらいまできてますね」オナカサスリサスリ

えり「6分目ですか。まだ半分はいってませんから、8個完食は難しいでしょうか?」

照「…いや、まあ、なんとかしますよ。見ててください」


美幸「フンフンフン♪」モグガツモグガツ

えり「お、椿野選手、相変わらず幸せそうに食べてますねぇ。もう少しでマス寿司完食です!鼻血も止まったようですね。どうですか?」

美幸「あ、でも私ぼちぼちヤバイかんじしますねー♪」

えり「そうですか? あんまりそんな風に見えませんけど」

美幸「だって美味っしいんですもんもー! このマス寿司、笹の香りもしてほんっと美味しいですよぉ! たまんないです」モキュモキュ

美幸「でも後半は昨日みたいにやばーくなるでしょうね! 私の泣きっつらいっぱい見せてあげられると思いますよー ふふふふふ♪」


えり「椿野選手覚悟を決めているのか、なにやら不敵に笑っています。さて、安定したペースで淡々と食べている小瀬川選手、お腹の具合はどうですか?」

白望「…よく分からないです。お腹いっぱいになったことないので…」




 塞「シロってなぜかもてるじゃん」

 胡桃「うん、そだね」

 塞「中学の時さあ、シロのためにお弁当作ってくる子がたくさんいたのよ。お昼休みになると、シロの机の上、いつもお弁当の山ができてたのよ」

 胡桃「へえ…」

 塞「来る者こばまずだからいくらでもお弁当来てさあ、でも、シロは必ず全部完食してた」

 豊音「へー、ちょーすごいね!」

 塞「多いときは10個くらいあったと思う。それでも全部食べてたからね。駅弁8個くらい楽勝なんじゃないかしら」
 
 胡桃「ふーんそれで、塞もシロのお弁当作ってたの?」

 塞「わ、私は作ったことないわよ!///」


 エイ・胡桃(今度お弁当作ってみよう…)



えり「愛宕選手、だいぶ調子が出てきましたね。お腹は何分目くらいですか?」

絹「さあ? 少なすぎて分からないですね」フフーン


えり「愛宕選手から挑発的な意見が出ました! さあほかの選手はどうなんでしょう。 さきほど釜めし完食して中部にやってきた江口選手、お腹の具合はどうですか?」

セーラ「100%や」

えり「100%? もうおなかいっぱいってことですか?」

セーラ「ちがわい!! 100%『空』や!」


照(みんな強そうだなぁ。多分見栄はってるだけだと思うけど… 一応鏡で見ておいたほうがいいかなぁ)

照(よし、まずは江口さんから・・・)


照魔鏡「ぽやややーん」


セーラ「うっらあぁ!」ウラケーン

照魔鏡「」パリーン


照「!?」

照(照魔鏡を裏拳で割られた…!!)


セーラ「おうチャンピオン」

照「…」

セーラ「お前が照魔鏡を使ってくることは、怜ちゃんから聞いて知っとったんや…
   俺の力は見せへんでぇ。 そんなもん使わんと黙って食っとれ」


照(くっ… しかし、大丈夫。 照魔鏡はフェニックスのゴールドクロスのように、いくらでもよみがえる…)

照(岩手の小瀬川さんも気になる… この人だけ見ておこう)


照魔鏡「ぽややや~ん」


照(どれどれっと・・・ んん、なんだ? これ・・・?)


 照魔鏡には、胃力などのデータは現れず、一人の和服姿の女性が映し出されていた


 和服女は正座をし、照の反対側を向いていた 

 謎の女「…」

 照「あの、あ、あなたは誰ですか…?」

 謎の女「…私はオシラサマ… 岩手の畑の作物の神様…」

 照「か、神様でっか・・・ あ、あの…ど、どうしてここに…?」

 オシラサマ「今、私は小瀬川さんのお腹の中を住まいにしているんです… この人の中にいると食いっぱぐれないので…」


 そう言うと、オシラサマはゆっくりと振り返った・・・


 照「!?」

 照「ひ、ひえええええええええええぇぇ!!!」


 オシラサマの顔は人間ではなく、なんと馬の顔をしていたのである…!



照「ぎにゃあああああああああああ!!」

選手たち「!?」ビクッ


えり「!! み、宮永選手どうしました!大丈夫ですか?」

照「ハ、ハアハアハア・・・ す、すみません大丈夫です… な、なんでもありません…」ガクブルガクブル


 菫「なんだあいつ、いきなり大きな声を出して…」

 淡「食べながら寝てたんじゃないの? 多分怖い夢見て起きたんだよ」


照(うううっ・・・ ヘンな人ばっかりで怖いよ… もう周り気にしないで、おとなしく食べよ…)モキュモキュ


PM0:18

えり「現在、近畿のたこ飯に進んでいるのは片岡、椿野、宮永、の3選手。トップ3に変動はありません。」

咏「そろそろ後半に入るからねぇ。ぼちぼちきつくなってきて、大きく順位が入れ替わるかもしれないよ」


煌(このマス寿司、すばらに美味しいですが、もちもちしていて食べにくいとこはすばらくないですねぇ。水で流したいところですが、あまり水分を摂ると、多分あとがきつくなる…)ムグムグ

えり「江口選手とほぼ同時にマス寿司に入った花田選手。どうですか?お腹の具合は?」

煌「まだ大丈夫ですけど… そろそろきつくなってくるかもしれません」オナカサスーリ

えり「8個完食は厳しいでしょうか」

煌「厳しいとは思いますが、やり遂げてみせますよ」

えり「何か作戦とかはありますか?」

煌「作戦…  いや、ないですねぇ、そんなのがあったら、教えて欲しいです。誰か私のために作戦を考えてくれませんかねぇ」

煌(昨日と同じように、胃にはフル活動してもらってるから、断続的に幽門反射が起きている)

煌(しかし、食べた物を次から次へと腸に送り込めるわけではありません。今はまだ楽ですが、後半はにっちもさっちもいかなくなるかもしれませんね)

煌(何しろ今日は総重量3.2㎏。昨日私が食べた量より1㎏も多い)

煌(たこ焼きのように熱くないし、飽きもきませんから、その点は楽ですが、やはり1㎏プラスはきつい…)

煌(しかし、今は余計な事を考えずに、全力を尽くしましょう! そうすれば…、思いがけない道が拓けることもあるかもしれません…!)



爽「ごちそーさまです」


えり「おや、さきほど福路さんにノックアウトされていた獅子原選手、やっと3つ目の釜めしを完食です」

えり「獅子原選手、はっきり言ってダントツで最下位ですけど、大丈夫ですか?」

爽「なんちゃないです」

えり「はい?」

爽「なんてことないです。まあ見ててください」


 「ごちそうさまです!」
 「ごちそうさまぁ!」
 「ごちそさま」
 「ごちそうさま…です」
 「ごちそうさまやぁ!」

えり「中部では愛宕選手のごちそうさまを皮切りに続々と完食。近畿のタコめしに移動します」

えり「それにしても永水の滝見選手はきれいに食べますね!米粒1粒も残しません。その上、食べ終わるとお弁当箱を必ずきれいに折りたたんでいます」

えり「まるで水が流れるようになめらかに優雅に食べ進めています。さすがは巫女さんです」


 玄・灼「」ジーッ

 憧「え、なに? いや、私だって行儀いいわよ?」アセアセ

 
 久「春の食べ方は本当に綺麗ね。まるで龍門渕さんの治水を見るようだわ」

 和「優希につめの垢を煎じて飲ませたいですね」

 久「あらあら、私は優希の元気な食べ方好きよ? 今はちょっと元気なくなってきたみたいだけど」



美幸「」ムッギュムッギュ

えり「おや? 現在ナンバー2の椿野選手、なんか変な食べ方してますね。顔を横に向けてタコをかじってます。どうしました?」

美幸「…私、前歯の噛み合わせが少し悪くて、タコとかうまく噛み切れないんですよもー…。
  奥歯で引きちぎっていかないといけないんです」

 
咏「10人中8人がタコに入ったねぇ。押し寿司に続いてのタコめし。中盤戦は、胃力以上にアゴ力がものを言いそうだね」


PM0:20 選手現在地

<関東>  なし

<中部> 花田煌 獅子原爽

<近畿> 片岡優希 椿野美幸 宮永照 愛宕絹恵 高鴨穏乃 小瀬川白望 滝見春 江口セーラ

<中国>  なし





PM0:20

煌「ごちそうさま。美味しくいただきました」テアワセー


恒子『花田選手もマス寿司を完食です!これで、獅子原選手以外の全員が近畿に入りました!』

恒子『まるで後半に向けて仕切り直しをするかのように、選手たちが1ヶ所に集まってしまいましたね』

恒子『さあ、このダンゴ状態を抜け出すのは、果たして誰なのか・・・? 注目です!』



優希「ごちそうさま…だじぇ」

恒子『中国地方1番乗りは片岡優希選手ぅ!すごい!苦戦しながらも、トップを誰にも渡しません!』

健夜『しかし、今のタコめしを食すのに、片岡選手は7分近くの時間がかかっています。ペースは格段に落ちましたね』


 中国地方に入り、駅弁のふたを取った優希は驚愕した

優希「な、なんだじぇこれ…? ごはんが真っ黒だじぇ!」

えり「瑞原プロ、お願いします!」

はやり「はーい! 中国地方代表は、鳥取駅の 『いかすみ弁当 黒めし』です!☆ ご飯はなんとイカ墨で炊き込んであるのだ!!」

はやり「イカ墨めしの中にはゲソが散りばめられていて、イカ墨の香ばしい匂いとゲソの歯ごたえのある食感が同時に味わえるよ!」

はやり「おかずには、地元産の醤油で甘辛く煮付けた小イカがドドーンと4匹! イカ団子とゴボウの佃煮の副菜も美味しいよ♪」

はやり「重量は380g! イカを丸ごと味わい尽くせるお弁当! みんなそろそろきついかもしれないけど、味わいながら頑張って食べてね!☆☆」




優希「…」ムグムグ

優希「んんん、イカを噛むとあごと頭が痛くなるじぇ…」ズキズキ

優希「なんなんだじぇ? 頑張ってタコを食べ切ったと思ったら、今度はイカなんて… あたしに対する陰謀か?」

優希「やってられないじぇえ!まったく…」プンプン


えり「片岡選手、弾力のある食材が続いたため、アゴを炒めてしまったようです。怒りながら食べていますね…」

はやり「ふん、生意気だね…」


 その時、優希は弁当にサッと影がさしたように感じ、顔をあげた
 そこには、奇妙な髪型をしたエプロン姿の少女が立っていた


やえ「…」

優希「おぬしは弁当屋の… なんだじぇ? あたしに何か用か?」

やえ「清澄の… お前は、誰かのために弁当を作ったことがあるか?」

優希「え…?」

やえ「お前は、その弁当を作った人が仮に目の前にいても、そうやって怒りながら食べるのか」

優希「・・・」

やえ「料理に対する感謝と尊敬の気持ちを持てない者はここにいる資格はない。うせろ」

優希「…い、いやだ、じょ…」

やえ「ふん、ニワカが…。 去らないというなら、この王者自ら、お前に引導を渡してやる…」スウウウ

優希「な、なにをするんだじぇ…?」


 やえは、両手で優希の頭をがっちり持ったかと思うと、右手だけを放し後ろに大きく振りかぶった


優希「や、やめ…」

やえ「安らかに逝くが良い・・・ 
  
     くらえ!   
         奈良の都に吹き荒れるは八重桜・・・!!  

               “有情破顔拳”!!!!」ハアアッ

          ドスッ!

優希「ギニャアアアアアアア!!!」

 
 なんと、やえはそのまま優希の左側頭部に貫手を放ったのである…!



和・煌「優希!」ガタッ

 
 観客も選手も息を飲んだ
 しかし、やえは静かに手を放すと、優希に背を向けて歩き始めた


優希「…な、なにをしたんだじぇ…」イタクナイジョ・・・

やえ「…あごに作用する秘孔を突いた。お前のあごの痛みはもうないはずだ」

優希「・・・ほ、本当だ」アゴカクカク

やえ「あまり頬張り過ぎずに、水分もきちんと摂りながら食べていけ。そして、弁当を作った人や用意した人のことを思いながら食べろ」

優希「お、おう… ・・・ありがとうだじぇ!」

やえ「ふふっ」ニコッ
 


>>1です
今日はここまで、また明日書きます
本編の準決勝中堅戦終わっちゃいましたね。爽が副将で出てきたらどうしよう…

煌さんがマジでやばい
手を差し伸べようにも方法が見つからないっす


美幸「すみません、ナイフとフォークとかありませんか?」


えり「椿野選手、スタッフにナイフとフォークを希望。 お弁当のフタの上でタコを細かく切って食べ始めました」


「あ、私にもナイフとフォークくださーい」
「こっちもお願いします!」
「こっちもたのむわぁ!」
「あたしにもたのむじょ」

えり「みんな多かれ少なかれアゴが疲れてきていたようですね。半分くらいの選手がナイフとフォークを使い始めました」

咏「あれなら、手間はかかるけどアゴへの負担は確かにかなり減るよ。考えたね」


美幸「あは、みんな私の真似始めた。ごちそーさまでした!」

えり「椿野選手、宮永選手に少し抜かれてしまいましたが順調に食べ進めています。3番手でイカ飯に入りました」

えり「おや? 椿野選手、なんかカフェオレのような色のドリンクを持ってますね。何ですかそれは?ミルクティー?」

美幸「・・・えと、『ミルク麦茶』です。これも後輩が用意してくれて…」

えり「ミルク麦茶? そんなのあるんですね。おいしいんですか?」

美幸「…微妙です。やっぱお弁当には合わないかも。こっからはこれを使います」ドンッ

 美幸はスポーツドリンクのような色の液体の入ったペットボトルを取り出した

えり「なんでしょうそれは」

美幸「うふふ、甘さ控えめ『レモネード』です。今朝自分でレモン搾って作ってきたんですよ」

えり「レモネード…」

咏「レモンの酸味は、唾液の分泌を促進して食欲を増進させるからね。 使うにはいいタイミングだと思うよ」



PM0:22
 スタジオ


恒子「ただ今試合開始から22分が経過しました!1回戦駅弁勝負も折り返し地点に差しかかろうとしています!」
  
恒子「獅子原選手以外は全員5個目、あるいは6個目のお弁当に取りかかっていますから、みんな大体順調に食べ進めていると見てよろしいでしょうか、小鍛治プロ?」

健夜「いや、全体のペースとしては決して速くはないですよ。45分以内に完食するのであれば、後半厳しくなる選手が多いと思います」

恒子「そうですか?」

健夜「人により差はありますけど、大食い競技というものは前半がハイペースで進んで後半はペースが落ちるものです」

健夜「食材にもよりますが、一般的に、後半は前半で食べた量の半分くらいしか食べられないことが多いです。つまり、折り返し地点で全体の2/3を食べていなければ安全圏とは言えません」

恒子「全体の2/3… えーっと駅弁は8個だから、8×2/3=16/3… つまり5と1/3。 今、5個完食して6個目を1/3以上進んでいる選手は・・・
  あれ、トップの片岡選手がやっとそれくらいですよ。つまり、全員とても安全圏とは言えないということですか?」

健夜「そうですね。最後まで安定して食べ進めることができる後半追い上げ型の選手はまだいいかもしれませんが、後半失速するタイプの選手は厳しいと思います。
  きっと今選手たちは、自分の腹具合と相談しながら、後半どのように食べ進めるか考えていると思いますよ」



PM0:23

カチャカチャキコキコ
キコカチャキコカチャ


えり「会場では、選手たちのタコやイカを切り刻む音が響き渡っています。まるでステーキを食べているようですね」

えり「あれ、片岡選手? それ右手と左手が逆ですよ?」

優希「じぇ? そうなのか?」

えり「右利きですよね? 普通右手にナイフです」


セーラ「くそ、切れんわ。もうええわやめとこ」ポイ

穏乃「あーイライラする!ダメだ普通に食べよ」ポイ

えり「フォークとナイフ、みんななかなか使いこなせずに苦労していますね」

咏「ステーキとか普段食べつけてないんじゃねーの」


美幸「フンフンフン♪」キコキコキコ

えり「椿野選手だけはとても上手に素早くイカを切っています。さすがは芦屋のお嬢様ですね!」

美幸「へへ//」


爽「」ガシガシガシ

えり「先ほどマス寿司を完食した獅子原選手は、何かお豆腐でも食べるようにサクサクたこを噛みちぎってますね。たこの弾力をまったく意に介していない様子です」


 巴「小鍛治プロが、なんかこのままじゃ全員やばいみたいなこと言ってますよ」ケイタイテレビー

 霞「あらあら、分かっていないのね、春ちゃんのこと」ウフフ

 初美「でも、はるるがあんなに食べるなんて、私たちも最近知ったんですよねー」

 霞「そうね、あの時は本当にびっくりしたわ」

 巴「十曽ちゃんも明星ちゃんも目が点になってましたよね」

 小蒔「zzzzzzzz・・・」

 初美「おや、姫様寝てしまってるですよー」

 霞「お昼ご飯のあとはいつもお昼寝してるからね、仕方ないわ」

 初美「なんか少し微笑んでるみたいですよ?」

 巴「何か楽しいことを思い出してるのかもしれませんね」
 
 ・
 ・
 ・

 ~小蒔の脳内~

 8月・インターハイ個人戦終了後、霧島神境の海

霞「さあ、みんなそろそろ帰りますよー!」

明星「ますよー」

湧「ええ! 嫌ですぅ、もうちょっとだけー!!」

小蒔「私もまだ帰りたくありません…」ウキワー

霞「暗くなる前に帰る準備をしましょう。いっぱい遊んでお腹すいたでしょう?
 どこかにお夕ご飯を食べに行きましょう」

明星「行きましょー」

湧「わあ! 湧はラーメンが食べたいですぅ!」

巴「いいですね、ラーメン。ここから歩いて10分くらいのところに美味しい中華料理屋さんがあるんです。そこに行きませんか?」

一同「「「さんせー!!」」」
 


今さらだけど訂正
>>86 戒脳→戒能
>>97 炒め→痛め


 中華料理屋店内

湧「味噌チャーシュー麺大盛りで! あと餃子ください!」

小蒔「天津飯とサラダのセットお願いします」

初美「ジャージャー麺とライスお願いしますですよー」

春「海鮮焼きそばと…炒飯のセットで…」

巴「四川風担々麺と餃子をあと2皿ください」

霞「あら巴ちゃんそんなに食べれるの?」

明星「れるの?」

巴「ここの餃子、白菜が入っていてとっても美味しいんです。みんなで分けて食べましょう」





オマタセシヤシター

湧「キター! おいしそー!」ワーイ

霞「十曽ちゃん、先に食べてていいわよ」ワリバシー

湧「あ、すみません。ではお言葉に甘えて、いただきまーっす」

湧「ずぞっ ずぞぞぞぞぞぞぞぉぉぉ~っ」

湧「むぐむぐ、んんっ、うみゃーーい!!!」キャーッ


小蒔「十曽ちゃんは美味しそうに食べますね」ニコニコ

巴「姫様と六女仙そろっての外食なんて、いつ以来でしょう?」

霞「十曽ちゃんと明星が小学校を卒業する時に行ったわね。あれ以来じゃないかしら?」

明星「かしら?」

初美「十曽ちゃんが夏休みの宿題を終わらせていれば、もっと早く海水浴に来れたんですよー」

湧「うっううっ…反省してます…」ズルズル


ノコリオモチシヤシター

小蒔「全員そろったみたいですね。いただきます」ハムハム

霞「ラーメンなんて久しぶりだわ。おいしい」トンコツー

明星「おいしい…」モフーッ

初美「これは絶品ですねー」ホフホフ

湧「餃子もんまあーっい! あ、霞さんのとこ餃子ないですね。この皿持って行きましょう」ガタッ

霞「ありがと… あっ あぶない!!」

湧「えっ?」


    ドンッ


チンピラ「…てめぇ、何しやがんだ!! 俺のアルマーニに油がついたじゃねーかぁ!!」


 湧が、席の離れた霞の所へ餃子を運ぶとき、死角にいた男にぶつかり、餃子を服にかけてしまったのである


チンピラ「あ~あ、こんなゴマ油くせえ服もう着れねえよ! どうしてくれんだよああん?」

湧「ご、ごめんなさい…」プルプル

チンピラ「ごめんなさいですむかよ!」

霞「申し訳ありません。クリーニング代をお出しします」ポヨンッ

チンピラ「(うおっ なんだこのチチ!?)…ク、クリーニングだと? 俺のアルマーニは1級品なんだ! こんなにベッタリついた油が落ちるかよ!」

霞「…では、どうすれば…」

チンピラ「弁償しろ。20万で許したるわ」

霞「20万!? そんなお金とても・・・」

チンピラ「ふん、金がねえんなら、あんたの体で払ってくれてもいいんだぜぇ…」グッヘッヘ

今さらだけどフェニックスはいつから黄金聖衣になったん?


?「おう、ヤス」

 少し離れた席から、白いスーツを着たいかにもそっち系の派手な身なりの男が声をかけた

ヤス「あ、レイジさん!」

レイジ「ここは飯屋なんだ。あまりでかい声を出すな」

ヤス「いや、しかし、俺のいっちょうら汚されて、黙ってられませんよ…!」

レイジ「そっちのお嬢さんもわざとやったんじゃないんだ… 何かチャンスをやろうじゃねえか」

ヤス「お、麻雀勝負ですか?」

レイジ「ここは飯屋だ。飯屋でやる勝負と言ったら… やっぱり大食い勝負だろう。 おい、マサ!」

マサ「へい、レイジさん」スッ

 
 レイジの前に座っていたマサという男が立ち上がった
 その背丈はなんと宮守の大将ほどもあり、がっちりと体格の良い相撲取りのような男だった

姫様&六女仙「・・・?」

レイジ「このマサと、餃子の大食い勝負をしてもらおうか。負けた場合は、20万を払うか、俺たちの事務所まで来てもらう。しかしもし勝てたら、この件はチャラにしてやろうじゃねえか」

姫&六女仙「…!」

レイジ「あんたら7人の中から、誰か代表者を一人出してもらって、1対1の勝負をしよう。どうだ、受けるか?」

霞「いや、それは…」

春「私がやりましょう」スッ



本物のアルマーニだとしたら20万はやすすぎやせんかね?

>>110 そうだよ! 間違えてた。 すみません照も勘違いしてたということでよろしくお願いします

>>112マジ? 楽天市場とかで10万前後のスーツとかあるけどパチモンかな?


小蒔「春ちゃん?」

湧「滝見先輩…!」

初美「はるる…」


 春は、マサの前まで来てグッと胸を張ってみせた
 身長差は約40cm、体重は明らかに2倍以上は違う
 それは、大人と子供どころか、巨人と小人くらいの差があるように見えた


レイジ「ほう…、肝が座っているな。 このマサは、ローカルの大食い大会で優勝したこともある。ただデカいだけではないぞ? それでもやれるか?」

春「構わ…ない。 ルールは?」

レイジ「よし、では制限時間30分で、この1皿6個入りの餃子を何皿食べられるか、で勝負をしようじゃないか。
   おい、オヤジ、餃子をとりあえず10皿くらい焼いてくれ」

オヤジ「へい」


巴「は、春ちゃん、こんなに大きい人と大食い勝負なんて、勝てるわけないよ! やめて!」

初美「しかもはるるは、今海鮮焼きそばと炒飯を食べ終わったところですよー?」

霞「春ちゃん、やめましょう。私今からお父様に連絡しますから…」

春「大丈夫… 見ててくれればいい…」ニコッ



オヤジ「へい、餃子10皿です。続けて焼いていきますか?」

レイジ「そうしてくれ。よし、それでは勝負を始めるか」


 春とマサはテーブルをはさんで向かい合って座り、それぞれ前に5皿ずつ餃子の皿を並べた


マサ「ふふん、こんな小娘と餃子勝負とは、茶番だな」

春「…」


レイジ「よし、二人とも用意はいいな。30分間餃子勝負だ」

レイジ「よーーーーーーい…」


     レイジ「はじめぇ!!」


春「いただきます」テアワセー

マサ「」ムシャムシャバックバック

※春対マサの1対1餃子勝負
 制限時間30分
 1皿6個で150g


マサ「ワシワシガツガツ」


初美「あのデカブツすごいですねー。いっぺんに2個口に入れてどんどん飲み込んでますよー」ヒソヒソ

小蒔「最初にタレを上からかけて、お皿を持ってかき込むようにして食べてますね。すごい迫力です…」

巴「それに対して春ちゃんは…」チラ


春「」チョンチョン

春「」パクッムグムグ


巴「1個1個小皿のタレにつけながら、もそもそ食べてますね…」


マサ「うしっ」ターン


初美「わっ30秒で1皿食べちゃいましたよー?」

巴「は、春ちゃんはまだ3個目をかじっているところ… こ、これじゃあどんどん差がついちゃう…」カタカタ


開始2分経過


レイジ「おいオヤジ、次の餃子はまだか? マサがもう5皿食べ終わるんだが」

オヤジ「ええ? 早いですね。 へい、おまちです!」ジュージュー


マサ「ガツムシャガツムシャ」


巴「あの人、5皿を3分かからずに食べてしまいました…」

初美「はるるはさっき、2皿を食べ終わったところ… スピードに倍以上の差がありますねー」


ヤス「マサの兄貴は、うちの組で1番の大食いなんだ。あんなちまちま食っとって、勝てるわけがねえ」

ヤス「もう結果は見えてるな。よう巨乳の姉ちゃん、覚悟はできたかい?まあ、あんたなら20万くらいすぐに稼げるわ」ニヤニヤ

霞「・・・」

湧「滝見先輩…」ウルウル

 
開始4分経過


マサ「うしっ」ターン


巴「は、8皿完食… 全然ペースが衰えませんね…」カタカタ

初美「あの人もう1kg近くの餃子食べてますよー…」カタカタ

巴「春ちゃんはまだ3皿しか食べてない…」カタカタ


春「…」モクモクニコニコ


小蒔「…でも、春ちゃん、美味しそうに食べてますね…」

巴「姫様…?」

初美「美味しく食べても、今はガツガツ食べないと負けてしまいますよー…」

小蒔「そうかもしれないけど… でももし私が餃子に生まれ変わるんだったら、春ちゃんみたいにきれいに食べてもらいたいですね…」

 

マサ「ふうっ」ゴクゴク


 マサは一度手を止めて水でのどを潤しながら、対面にいる春の方を見た
 春は、食べ始めた時と全く変わらない様子で、淡々と笑みを浮かべながら食べていた


マサ(なんだこいつ・・・? もう2倍以上の差がついてるのに何をニコニコしながら食ってるんだ…?)

マサ(仲間の姉ちゃんたちは青い顔してカタカタしてるってのに・・・ なんでこいつはこんなに落ち着いているんだ…?)ムグムグツガツ



開始5分 皿数

 春   4皿
 マサ  9皿




開始7分経過

巴「…春ちゃんが6皿、相手の人は12皿、まだ2倍の差がありますね…」

初美「はるるは相変わらずもそもそ食べて、デカブツはガツガツ食べてますねー」


小蒔「…男の人は水をたくさん飲んでますね」

巴「え?」

小蒔「ほら、見てください。男の人はもうコップで3杯も水を飲んでます。でも、春ちゃんはまだ1杯目の半分くらいしか水を飲んでませんよ」

巴「・・・確かにそうですね」

初美「速く食べるために、水で餃子を流し込んでいますねー」

小蒔「水をたくさん飲んでるぶん、お腹も早くいっぱいになるんじゃないかしら…?」


ヤス「おうおう、ぺチャパイのねーちゃん、待ってても差は縮まらねーぞ。もうタオルを投げてあげたほうがいいんじゃねーか? 心配すんな、ウチにはロリコンの兄貴もいるからよう」ウエヒヒヒ

初美「私のことですかー?」

ヤス「お前しかいないだろww」

初美「願い下げですよー。はるるはあんなぶさいくなデカブツに負けたりしませんから」

ヤス「な、なんだとぅ?!」

初美「30分経った後の、あなたのほえ面を見るのが楽しみですよー」

ヤス「く、クソガキのくせに言うじゃねえか! お前あの女が負けたら、やばいDVDに出演させるからな!」

初美「上等ですよー」



湧「滝見先輩がんばってくださーい!」エーン

霞「春ちゃんごめんなさいね、がんばってー!」

明星「んばって-」


春「…」モクモク



開始9分経過

巴「・・・男の人、ペース落ちてきてますよね?」

霞「そうね、目が泳いでいるわ。さっきまでは食べる時は餃子しか見ていなかったけど、今はきょろきょろしながら食べている。集中力が切れてきているんだわ」

小蒔「食べ方も変わりましたね。かき込む食べ方ではなく、1個1個つまんで食べてます」


初美「おにーさんの兄貴さん、そろそろお腹いっぱいなんじゃないですかー?」

ヤス「ば、ばか言え! 大食いってのはある程度食べたらペースは落ちて当たり前なんだ!」

ヤス「まだ6皿、1㎏近くの差がある。今から抜かせるわけがねえ!」


マサ(・・・きつくなってきた・・・)

マサ(もう俺は14皿、2㎏を越える量を食べているんだから、ペースは落ちて当然・・・)

マサ(それなのに・・・)チラ


春「…」モクモクニコニコ


マサ(どうしてあいつは全然様子が変わらないんだ?)

マサ(ヤツももう8皿、1.2㎏以上食べてる… 普通はペースが落ちてくるはず・・・)

マサ(くそう、人間を相手にしてる気がしねえ… サイボーグみたいだ…)


 
開始10分 皿数
 春    8皿
 マサ  14皿



開始12分経過

マサ「・・・・」モグモグ


ヤス「マ、マサの兄貴…?」

レイジ「マサのやつペースが落ちてきたな」

ヤス「も、もう2㎏を優に超えていますから、そりゃペースは落ちて当然・・・」

レイジ「しかしあの子は…」チラ


春「…」モクモクニコニコ


巴「春ちゃん、大丈夫? 苦しくない?」

春「苦しい…? いや、全然…」モキュモキュ

巴「ほ、ほんとに…?」

春「この餃子、白菜の甘味…と肉汁がマッチして…すごいおいし… 皮のパリパリ感も最高…」ニコニコ


レイジ(まだ味を楽しむ余裕があるのか…?)

ヤス(バカな! はったりだ…! あんな小さな体にそんなにたくさん入るわけがねえ! もうそろそろ止まるはずだ…!)


開始14分経過


マサ「ふーっ」パタッ

ヤス「マサの兄貴? な、何はしを置いてるんですか?」

マサ「いやなに、ちょっと休憩だ。 大丈夫だ、少し休んでまた食べるから」


マサ(きつい・・・。体中に鎖を巻きつけられているみたいだ・・・)

マサ(俺は、ベンチプレスで150㎏を上げられるんだが… 今はこのはしが重くてたまらん…)

マサ(ヤツだって、ポーカーフェイスを保ってるだけで、内心きついはずだ…!)

マサ(ここは弱味を見せずに、逃げ切る…!)チラ


初美「はるるー!相手へばってますよー!」

巴「もう少しです! 抜かせますよぉー!」

春「…みんな、見てなくていいよ…/// デザートでも頼んで…待ってて…」ヨユー


マサ(・・・・・)



開始15分 皿数

 春   13皿
 マサ  17皿

 
開始17分経過

ヤス(兄貴…)ハラハラ

レイジ(・・・・)

マサ(…よし、少し腹が落ち着いてきた。ここで勢いよく食べて、まだまだいけるとアピールするか)

マサ「ふんっ」ガッ

マサ「バックバックモッシャモッシャ」ウオオオオオオオオ


小蒔「あ、またかき込んで食べ始めましたよ、相手の人…」

巴「ま、まだ余裕あるのかな?」ハラハラ

ヤス「きたあ兄貴! そのまま決めちゃって下さい!」


マサ(ど、どうだ… 後半でこの勢いで食べてみせれば、戦意喪失するはず…)チラ


春「…」ニコニコモクモク


マサ(こ、こっち全然見てねえええええええぇぇぇ!!! 俺のことOUT・OF・眼中ぅぅぅぅぅ!!!)ハアハアハア




すみません今日はここまでです
書き込みあざした
また明日書きます
回想長過ぎますね

霧島神境の海というのはまだ場所が特定されてないそうですね


開始19分経過

マサ「・・・・」ヒイハアヒイハア


初美「兄貴さん、はしを止めて肩で息をしてますねぇ、もう限界なんじゃないですかぁ?」

ヤス「…う、うるせえ…!」

ヤス(限界になっててもおかしくねえ… 普通は2~3皿も食べれば満腹になる餃子を、マサの兄貴はもう18皿、2.7kgも食べているんだ…)

ヤス(俺なら多分5皿も食べれば限界だ… そ、それなのにあの女は…)チラ

春「…」モキュニコモキュニコ

ヤス(じゅ、16皿も食べている… しかも全然様子が変わらねえ。あの小さな体の、一体どこに入っているんだ…?)


マサ「・・・」モクモク

巴「…相手の人、また食べ始めましたね…」

霞「ええ、でも勢いはないわね。姿勢も前のめりになって、ひじをついて食べてる。疲労が蓄積されている証拠だわ」

明星「証拠だわー」

小蒔「春ちゃんはしっかり背すじを伸ばしてきれいに食べていますね。表情も食べ方も全く変わらない」



開始20分 皿数

 春   17皿
 マサ  18皿



開始21分経過


春「・・・」タン


巴「春ちゃん18皿完食… ついに並んだわ」ハラハラドキドキ

レイジ「…」

ヤス「…」


マサ「・・・・」アセダラダラ

マサ(な、並ばれた…)

 マサは顔を上げて春の様子を窺った 
 その表情からは1点の苦しみも曇りも感じられない

マサ(ま、負けるのか…? この俺が… こんな華奢な小娘に…?)

 マサはその大きな手で餃子をつまみ、必死の思いで口に運んだ
 しかし餃子はもう口の中には入らなかった

マサ(こ、この俺が… 全力を出しても、かなわない・・・)

 修羅の道に生きてきたマサは、幾多の真剣勝負を経験したことがあるが、ここまで屈辱的な思いは初めてだった
 ここまで、手も足も出ない、歯が立たないという思いは初めてだった…

マサ「ぬうううう…」ガタッ

 マサはテーブルに両手をついたまま立ち上がった

春「…?」

 その時、春は試合が始まってから初めて、マサの方を見た

春「・・・・・」

マサ「・・・・・」


初美「な、なんか見つめ合ってますよー?」

巴「ど、どうしたんだろう…?」


マサ(こ、この小娘… 勝ちを確信して… 俺を見下してやがるのか…?)

春「・・・・」ジーッ

マサ(くそ! しかしもう俺は… 逆立ちしてもこれ以上は食えねえ…!)アセダラダラ


春「・・・だいじょ…うぶですか…?」コクビカシゲー

マサ「!!??」

マサ(なああああああああああああああ!!)

マサ(か、か、かわうぃいいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!)ズキューン



春「ぐあい… わるそ…」ミツメー

マサ(うおおおおおおおおおおおおおお!!! たまらねええええええええええええええ!!! かかかかかかっかっかか、かわいすぎるうぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!)モエモエキューン

マサ(な、なんで今まで気がつかなかったんだ? 天使!! 天使!!! いや女神がここにいるうぅぅぅぅ!!!111)

春「具合…悪いなら…休んだほうがいい…」

マサ「いいいいいいいや、なに、ちょっと休んでただけですよ! なはは、なは、い、今から食べますから…」スワリー

春「・・・」

マサ「お、お嬢さん。 お嬢さんの名前は、なんていうんだい…?」

春「…? 滝見、春…」

マサ「たきみはる… 美しい名前ですね・・・」

春「///・・・餃子、おいしいね…」ニコオ

マサ(ふおおおおおおおおおお!! 女神の微笑みキタコレー!!)

マサ「はい、おいしいですねぇ! いやいや、いくらでもイケますねぇ!!」ムグムグ



初美「なんかあのデカブツ、急に気持ち悪くなったですよー?」

霞「…」

巴「…」

小蒔「杏仁豆腐おいしいですねぇ♪」アムアム





開始24分経過


マサ「もぐ・・・ むぐ・・・」アセダラララ

春「もきゅもきゅもきゅもきゅ」ニコニコ


春「…」タン

巴「春ちゃん、21皿完食… ペース落ちるどころか上がってませんか…?」

霞「相手の人はさっき19皿を完食したところ… 2皿差がつきましたね」


マサ(ぎょ、餃子1個が…すげえでかい壁に感じる…)

マサ(女神は21皿… 3kg越えても普通に食べてる… マジすごいっす! 食欲の女神やぁ!)

マサ(おおう 食べてる口元が超セクシー!! はあはあ、あのエメラルドグリーンの髪の毛を、もふもふくんかくんかしてええええ!!)ハアハア


 その時、マサの目の前が急に真っ白になった
 レイジが、マサの頭にタオルをかけたのである

レイジ「終わりだ、マサ…」

マサ「・・・・」

レイジ「勝つのをあきらめた時点で、お前の負けだ」

レイジ「この勝負、ここまでだ。勝者はお嬢さん、あんただ」

春「…」


巴「や…やった!」

初美「はるるの完全勝利ですよー!」バンザーイ

湧「滝見せんぱーい!!」ダキッ

春「…」ヨシヨシ

霞「すごいわあ春ちゃん!」

小蒔「クリームぜんざいもおいしいですねぇ♪」ハムハム

明星「ですねぇ♪」モムモム



<30分餃子勝負 最終結果>

・開始24分56秒、タオル投入により春のTKO勝ち

春  21皿と2個完食(餃子128個・3200g)

マサ 19皿と1個完食(餃子115個・2875g)




レイジ「いや、驚いたぜ… こんな華奢な嬢ちゃんがマサに勝つとはな…」

レイジ「なかなかいいものを見させてもらったぜ。 約束通り、服の件はチャラにしよう」

ヤス「レ、レイジさん、それじゃ俺のアルマーニは…」

レイジ「知るか。雑巾ででも拭いておけ」

ヤス「…そ、そんにゃあ」グニャア

初美(くっくっく… いい気味ですよー♪)


レイジ「よしお前ら引き上げるぞ。オヤジ、会計はここに置いとく。釣りはいらねえ」マンケンサンマーイ

オヤジ「へい、毎度!」

マサ(完敗だ… 気持ちわりいけど… なんか、充実した気持ちだぁ…)デレデレー

スタスタスタ
ドア「がらがら、ばたん!」





初美「いやーっ 一時はどうなることかと思いましたけど、すごいですねはるるはほんとにー!!」
  あのデカブツを完膚なきまでに叩きのめしちゃいましたよー!?

巴「私なんか感動しちゃいましたー!」

霞「すごいわねえ、黒糖じゃなくてもあんなに食べれるなんて知らなかったわぁ」

春「///…姫様の…ぜんざいおいしそう… 私もたのむ…」

湧「ま、まだ食べるんですかー!?」

春「甘いもの…は別皿…///」


アハハハハ キャッキャッキャッ

ーーーーーーー
ーーーー
ーー

PM0:24
駅弁勝負会場

ワイワイ ガヤガヤ

「ごちそうさまでした!」
「ごちそうさまぁ!」

えり「愛宕選手と高鴨選手がタコめしを完食です!4番手、5番手でイカめしに入りました!」



 小蒔「zzz… んんっ…」

 初美「おや? 姫様お目覚めですかー?」

 霞「気持ちよさそうに眠ってたわねぇ」

 巴「姫様、何か見えましたか?」

 小蒔「…ええ、春ちゃんが餃子をいーっぱい食べた時のことを思い出していました」

 初美「ああ! 私たちもちょうどあのときのことを話していたんですよー!」

 巴「姫様、小鍛治プロがさっき、春ちゃんたちは完食するのは大変なんじゃないかって言ってたんですよ?」

 小蒔「あらら、小鍛治プロにも、あの時の春ちゃんを見せてあげたいですね」

 初美「本当ですよー! このくらいの勝負なら、はるるは本気を出す必要もないでしょうねー!」

 小蒔「いえ、でも勝負には何があるか分かりませんからね。油断は禁物ですよ」

 霞「そうね… まあ春ちゃんが負けるところは想像できないけれども… みんなでのんびり戦況を見守りましょう」

 初美「そうですね! 私トン汁もらってきますねー!」タタタッ


 
 このとき永水のメンバーたちは、会場内に、春と同等、あるいはそれ以上の力を持った化け物が何人か潜んでいることに、気づいていなかった


PM0:25 選手現在地

<中部>  なし

<近畿> 小瀬川白望 滝見春 江口セーラ 花田煌 獅子原爽 

<中国> 片岡優希 宮永照 椿野美幸 愛宕絹恵 高鴨穏乃

<四国>  なし 
 



今日はここまでにします
続きはまた金曜の夜から書きます
遅筆申し訳ありません


PM0:25

「ごちそさま」
「ごちそ…うさまでした」
「ごっそーさーん!」
「ごちそうさまです。すばらな味でした!」ハアハア

えり「小瀬川、滝見、江口、花田選手が立て続けにタコめし完食!6個目のイカめしに入りました」


セーラ「うおっ 本当にめしが黒いんやな」

春「おいし…」モフモフ

セーラ「おーーーっ うめえぇぇなーっ! 生臭いんかと思ったらそんなことあらへんなーっ!」モシャモシャ

はやり「ふふーん、キワモノ弁当だと思ったら大間違いだよん♪ この鳥取の黒めしは、『日本駅弁ハンター縦断バトル!』で日本一になったこともあるんだぞっ☆」ドヤア


恒子『イカ墨というとパスタが思い浮かびますけどねぇ。ご飯にも合うんですか?』

健夜『生臭ささえ消せば美味しいですよ。 イタリア料理のイカ墨リゾットは絶品です。 イカ墨は動脈硬化や老化の防止に効果がある食材としても注目を集めています』


えり「戒能プロ、こちらのお弁当はイカがですか?」

良子「ん~~~んテイスティ~~… 海のスメールと旨みとコクが、私のマウスのインの中でオーシャンビューしてますよお」モニュモニュ


えり「高鴨選手どうですか?」

穏乃「はい、見た目びっくりだけど、海の味がするご飯っていいですね。こりゃたまんないでゲソ!」

えり「え?」

穏乃「…いや、なんでもないっす…///」




優希「しんりゃくしんりゃくしんりゃくしんりゃくイカ娘~♪ ごっちそうさまでげそ~♪」フンフン


えり「調子を取り戻した片岡選手、早くもイカめし攻略! ついに7個目! ただ一人で日本海を渡り四国に入りました」

えり「片岡選手お腹の具合はまだ大丈夫ですか?」

優希「え? 何が?」

えり「え、いや、お腹…いっぱいになってきてませんか?」

優希「全然だじぇ! あと2個で終わりかと思うと悲しくなってくるじょ」


優希「さてー、四国のお弁当は何かな~ ん? じぇじぇじぇ? なんだこれご飯とお漬物しかないじょ?」

やえ「ふふっ」


優希「さびしいお弁当だじぇ…」ショボン

やえ「心配するな清澄。オカズは私が今持ってきた」ザッ

優希「じぇ… そ、それは・・・?!」

やえ「ふふ、そう… 四国の弁当は『かつおのタタキ』だっ!」

優希「ややっ、やったじぇえええ!!」ウヒョー

はやり「そー! 四国代表は高知駅の『かつおタタキ弁当』!! 駅弁には御法度のはずのナマモノ、つまり本物のかつおのタタキが入っているのだ!!☆」

良子「ホワット!?」

はやり「駅弁では不可能と言われてきた刺身を、お客さんに出す直前まで冷蔵庫で保管し、保冷剤と一緒にして出すことで提供可能にした画期的お弁当!☆」

はやり「土佐といえばかつおでしょおお!! 黒潮に乗ってやって来たトロ鰹ちゃんを、熟練の漁師さんが一本釣りぃぃ! すぐにわら焼きにしたタタキを、きざみネギ、みょうがなどの薬味と一緒にゆずポン酢で頂く超極上の一品んんっっ!!☆ こーれはヤバイよーっ?」

はやり「今日は、四国に着いた人から小走さんが冷蔵庫のかつおを持ってきてくれるよ!重量は370g!さっぱり食べやすいからみんながーんばってねっ☆」

優希「むほーんっっ かつおが柔らかくてもっちもちしてるじょお! ほんのり甘くて香ばしくて… んんんタマラン!!」メローン



PM0:27

爽「ごちそうさまぁ!」


えり「近畿で一人ぼっちになってた獅子原選手もタコめし完食!中国地方に入ってきました」

咏「早いね。差がつまってきてるよ」

爽「」ワシワシワシワシ



絹恵「んんっ…」ユサユサ

えり「おや? 愛宕選手が体を横にゆすり始めました」

はやり「どーしたの愛宕さん? おしりがかゆいのかな?☆」

絹恵「ち、ちがいますよ/// 胃の上にたまらないように下のほうに落としてるんです」

えり「へえ」

絹恵「ぼちぼちラストスパートかけていきますよ。片岡さんまくらないとですからね」ニッ

えり「愛宕選手、ゴムで髪を後ろにしばりポニーテールにしました!本気モードに入ったようです」


 
 洋榎「絹は、いろんなチャレンジメニューに挑戦して、全て成功してるからな。あいつは大食いにおいてはもう素人じゃないで」

 恭子「そうですね。こないだのカレー屋さんの開店イベントの時は圧巻でしたね」

 由子「そうそう、『元祖とろカツカレー』のお店でしょー? あれは私もビビッたのよー」

 漫「2kgのとろカツ3本のせカレーを20分以内で、てやつで、他の大食い自慢の人たちと一緒に食べたんですよね」

 洋榎「そうや。絹は2kgをダントツトップの8分で平らげて…」

 恭子「その時出た言葉が」

 由子「『すいません、おかわりもらえますか?』だったのよーww」

 洋榎「結局2杯目は7分で平らげて、15分で4kgも食ってもうた」

 漫「観客の人に『気持ち悪くならないですか?』て聞かれて『いや、気持ちいーです!』て答えてましたもんね」

 恭子「でも絹ちゃん、カレー4kgよりは駅弁3.2kgのほうが大変って言うてましたよ」

 洋榎「問題あらへんて。あいつはホンマもんのモンスターや」




白望「…」

 塞「あれ、シロ…?」

白望「…ちょいタンマ…」オナカサスリー

 胡桃「どうしたのかな」

白望「あの、すみません、脱いでもいいですか…?」

えり「え?」

白望「制服の上着とか靴下とか…」

えり「あ、ええ、もちろんいいですよ。ちょっと苦しくなってきました?」

白望「いや…体が張って、きつくなってきました」ヌギヌギ

 
えり「小瀬川選手、上着と靴下、胸元のタイを取り、す、スカートのホックもはずしてしまいました」


白望「ごめん塞これ持ってて」ウワギー

塞「ちょっとシロ! 移動する時ちゃんとスカート持ってよ?」

白望「忘れそう… 食べ終わったとき声かけて」


(オシラサマ「ZZZZZZZ・・・」←お腹いっぱいで昼寝中)


ワタシモヌグー
オナカキツイ・・・ユルメトコ

照(みんなぼちぼち苦しくなってきてるみたいだな・・・)

照(私もだいぶお腹張ってきたし、ベルトゆるめとこ)キュッキュ

照(そろそろ使ったほうがいいな、アレを…)スッ

 照はおもむろにはしを置き、イスから立ち上がった

 
 しかし、これが、大食い史上に残る大惨事の始まりだったのだ・・・・



照(よしやるか。『ストマック・コーク・スクリュー』を…!)ズオオオオオオオオ


※…「ストマック・コーク・スクリュー」とは、照が開発した超速消化術である。
  右腕に発生させるスクリューを全身、また体内にも送り込むことによって、胃袋の内容物を瞬時に細かく砕き、腸に送り込むスピードを格段にアップさせるのである…!


 この時、照の真後ろでイカめしを食べていた劔谷高校3年の椿野美幸(17)は、後に、この事件の様子を次のように語った


美幸「えーっとですね、まず宮永さんが突然立ち上がったんで、どうしたのかなと思って顔を上げて見てたんです」

「すると、宮永さんの右手に白い気流が発生し始めたんですね」

「私のところにもそよそよと風が吹いてくるのが感じられました」

「私もテレビで、チャンピオンのコーク・スクリュー・ツモを見たことはありましたからね」

「その時はまだ私も驚きはしませんでした」

「でも、宮永さんの右手の気流がどんどん肩のほうに上ってきて」

「宮永さんの上半身全体に気流が発生し始めたんです」



美幸「え…宮永さんですか?」

「仁王立ちしてました。こう、肩幅くらいに足を開いて、両腕もバンザイするみたいに上げてましたね」

「もーその時はすごい風ですよ。みんなのワーワー何かわめいてる声が聞こえました」

「で、唖然としてたら、私のお弁当がスススッと横にすべったんです」

「あわてておさえこみました。こう、上半身でかぶさるようにして」

「体でお弁当にフタをしながら顔をあげたら、もー宮永さんの全身を気流が覆っていました」


美幸「ワケ分かんなかったです。室内なのに目の前に竜巻が発生したんですから」

「小さい時に見た映画の『ツイスター』を思い出しました」

「阿鼻叫喚ってまさにあんなかんじだと思います」

「割りばしとかお弁当の箱とかマフラーとかが宙を舞ってるのが見えました」

「頭の上にごはんとかゲソが降ってきましたね」

「怖かったですよそりゃもー!飛ばされないようにテーブルにしがみついてるので精一杯でした」


美幸「そこに、瑞原プロが走りこんできたわけです」

「風でシュシュがはじけたんだと思いますけど、あの長い髪が全部ザーッて後ろになびいてて…」

「絶対言わないでくださいよ? ものすごい顔してて、一瞬山んばが来たのかと思いました」

「で、瑞原プロが竜巻に強烈なミドルキックを放ったんですね」

「お尻のあたりに当たったんだと思いますけど、すぽーんって宮永さんが飛び出てくるのが見えました」

「宮永さん、テーブル飛び越えて、ごろごろ転がってました」

「それで、やっと風がやんだわけです」


美幸「試合ですか?もちろん中断です。タイマーはすぐ止められました」

「なぜか宮永さんのお弁当は大丈夫だったんですけど、あとは私と片岡さん以外のお弁当は全部吹っ飛んだんですからね。メチャクチャですよ」

「とにかくいっぱいスタッフの人たちが出てきて掃除してくれました。はい、私もお腹きつかったのに、片付け手伝いましたよ?もー…」

「宮永さんは瑞原プロと小走さんと…あと白糸台の背の高い人にすごい怒られてて… 針生アナと三尋木プロがどうするか話し合ってました」

「ここまで食べたのにまさか中止?って心配になりましたけど、さすがにそれはなかったです」


美幸「この時初めて知ったんですけど、会場の天井に高精度カメラが何台も設置されてて、選手の食べた量をチェックできるようになっていたんです」

「それで、小走さんたちが、竜巻発生の直前の状態のお弁当をそれぞれに用意してくれて…」

「幸いカメラとか機械類は全部無事だったみたいで、15分間中断したあとに、なんとか試合が再開されたんです」


シロや他選手の衣服もどっか飛んでったりしてない?

>>148 飛んでったかもしれない… 咲世界にはパンツがないから、スカート飛んだらしゃれにならないですね

投下していきます

その前に、絹恵のカレー話が出たのでちょっと余談です

皆さんは「神の6分間」をご存知ですか?

カレーライスは、ご飯ものの中ではお茶漬けに次いで2番目に早くたくさん食べられる食材のようです

しかし、いくら食べやすいとはいえ、6.37kgものカレーをわずか6分6秒で食べ切った人がいます

「フードバトルクラブ」で記録を打ち立てた小林尊です

この記録はあまりにも異常だったため本当に食べているのか検証がされたそうですが、やはりちゃんと食べていたそうです

皿にご飯粒がけっこう残っていたし食べ方としては汚かったかもしれないけど、片手で皿を回しながらかき込むその姿はまさに神業でした

射手矢の幻の記録を思い出した





PM0:44(試合開始0:29)


はやり「はーいそれじゃあ再スタートします! みんな食べ始めていいよー!☆」

ワイワイガヤガヤ
モキュモキュムグムグ
パクパクモフモフ

恒子『視聴者の皆様大変長らくお待たせしました! 本物の竜巻発生という前代未聞の事故により一時中断しておりましたが、やっと現場が復旧しまして、選手が再び食べ始めました!』

恒子『いやしかしさすがはチャンピオン! やる事なす事常人離れしてますね』

健夜『いやいや、番組の損害考えてよ恒子ちゃん…』


「「ごちそうさまです」」

えり「愛宕選手と宮永選手ほぼ同時にイカめし完食です。愛宕選手、同着ですが2位まで浮上してきました」

絹恵(よっしゃ、椿野さん抜いたし高鴨さんも振り切ったで)

えり「愛宕選手は四国に向かいますが、宮永選手は北海道スペースに隔離されていますので、巽さんがお弁当を運んであげています」


 淡「テルー!私が応援してるからね!ボッチじゃないよー!」

照「あ、淡ありがとう…」ウルウル

 菫「…」ムッスー


試合開始0:30 選手現在地

<北海道>  宮永照(かつお弁当)


<中国>イカめし  高鴨穏乃 椿野美幸 小瀬川白望 滝見春 江口セーラ 花田煌 獅子原爽

<四国>かつお弁当 片岡優希 愛宕絹恵

<九州> ?     なし

  
 


PM0:45(試合開始0:30)

「ごちそうさまでした…」
「ごちです…」

えり「椿野選手と高鴨選手、イカめし完食で四国に向かいます。しかし2人とも足取りが重いですね。さすがに苦しくなってきたでしょうか」

穏乃(お腹いっぱいになってきたなあ… 歩くのしんどい…)

穏乃(あと15分足らずで駅弁2個か… いけるかなあ)


フンッフンッ トンットンッ

えり「おや?椿野選手、日本海で体をよじったり跳んだりし始めました」


穏乃「…なんですかそれ? お腹すく体操?」

美幸「えと、いや、お腹すくってほどじゃないけどねー…、こうやるとお腹の食べ物が少し下に落ちるような気がするんだよね」

穏乃「へえ…」

美幸「あ、そうだ高鴨さん一緒にやらない? 体の横伸ばしたいから、ちょっと私の両手持ってくれる?」

穏乃「え?」


セーノ! ンンーー! ノビノビーー

玄「穏乃ちゃん劔谷の子とストレッチ始めたよ」

憧「さすがにきつくなってきてるんだろね。体ほぐしてラストスパートかな?」


穏乃(ふーっお腹はきついけど、なんか頭と体がシャキッとしたな。まだまだ食べられるような気がしてきたぞ!)


 玄「穏乃ちゃんファイトだよー! がんばってー!」
 憧「シズあとちょっとだよ!」
 灼「四国のお弁当おいしいよ…」カツオー
 宥「が、がんばって…(マフラー飛んでって寒いよう…)」プルプル

穏乃「ありがとー! だいじょうぶ!まかせといてー!」


 友香「莉子! 私たちも応援するよぉ!」

 莉子「うん! 先輩ファイトー!!」

 友香「先輩ファイトォ! オイッ!オイッ!オイッ!オイッ!」

 莉子「オイッ!オイッ!オイッ!オイッ!」

 澄子「オイッ!オイッ!オイッ!オイッ!」

 梢「おいっおいっおいっおいっ・・・」


美幸「やめてよみんな! 恥ずかしいなもー!!」=3

 友香「でへへへ~~~っ♪」

>>150
フードバトルでの寿司の記録ですね?
メチャクチャに早かったけど、途中でシャリをこぼしてて失格になったんですよね


PM0:47(試合開始0:32)


爽「ごちそうさまでっす」

えり「おっ? 最下位だった獅子原選手がイカめしを完食です!滝見選手や江口選手を抜いてしまいましたよ?!」

咏「中盤過ぎてからのこのスピードはすごいねぃ」


 泉「江口先輩大丈夫ですかね?あと12分半くらいしかありませんよ?」

 フナQ「大丈夫やて。イカめしもう食べ終わるから。現時点での江口先輩の完食率は…86%や。ほぼ問題ないやろ」カタカタカタ

 竜華「ノーパソでそんな事まで計算できるんやな」

 フナQ「麻雀に限らず、データ集めと分析が私の趣味ですから」フフーン

 怜「あん時思いだすなぁ、竜華」ヒザマクラー

 竜華「ああ、1年前のアレね」ナデナデ

 泉「え、なんですか?」

 怜「んっとなぁ、うちらが高2のときに、セーラが宝くじ当てたことがあったんやけど…」

ーーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーー


1年前の秋・千里山女子高校


セーラ「怜! 竜華! 俺ついにやったでぇええぇ!」ダダダダ!

怜「なんや朝から騒々しいな」

竜華「どないしたの?」

セーラ「ロト6や!ロト6の3等に当たったんやぁ!」

竜華「な、なぬ?」

怜「セーラ…! でかい声でそゆ事言ったらあかん…! んで、んで、なんぼもらったんや…?」ヒソヒソ

セーラ「40万や…!」ウッヒッヒ

竜華「よ、よんじゅうまん・・・!?」

怜「ちっ!…なんや微妙な数字やな」ケッ


セーラ「ああん? ほうほう、怜さんはお嬢様やもんなぁ、はした金に興味はないと…」

怜「セーラさん! ごちになりますっす!」ビシッ

セーラ「調子ええな、ったく…。まあええわ。今日部活終わったら、3人でイタ飯食いに行こうや!おごったるで」

竜華「ええんか本当に?」

セーラ「2人にはいつも色々世話になっとるからな、こゆ時はみんなでパーッとやろうや」

怜「セーラさん… いったん家に帰って着替えた方が良くないですか?」

セーラ「ハ? なんでや?」

怜「やはり高級ホテルに制服でってのは…」

セーラ「何寝ぼけとるんや。行くのはサイ○リヤや」

怜「ハ、ハミレスやとぅ…!?」

セーラ「…何か問題でも?」

怜「…ナンデモナイヨ」





サイ○リヤ店内

イラッシャイマセー サンメイサマドウゾー

竜華「セーラ、でもなんでサイ○リヤなんや?」

セーラ「俺なあ、子供のときから思い描いてた夢があるんや… 今日はその夢をかなえるんや」

竜華「夢…?」


店員「ご注文お伺いいたします」

セーラ「好きな物好きなだけ頼んでええでー」

怜「んじゃうちは、このイタリアンハンバーグとライスのセット、小エビのサラダ、ドリンクバーと、デザートにアイスティラミスとプリンの盛り合わせお願いします」

竜華「怜そんな食べれるんか?けっこう量あるでこれ…?」

怜「タダ飯はガッツリ食う主義」

セーラ「竜華も遠慮せんでええで」

竜華「んー… じゃあうちはドリンクバーと、キャベツのぺペロンチーノとデザートにミルクジェラートください」

店員「はい、お客様は?」

セーラ「俺は、この見開きにあるメニュー全部や!」

店員「は?!」

セーラ「だ・か・ら、この見開きに載ってるの全部や!」

店員「・・・えっと、ではご注文確認いたします。ミラノ風ドリアと…」

セーラ「ええって。とにかくここに載ってるの全部!いっぺんに持ってきてください!」


 15分後、6人用の席についていた3人の前には、テーブルからこぼれ落ちそうなほどの料理が並べられていた

怜・竜華「・・・・・」

セーラ「ぐふっぐふふふふふぅ、うまそうやぁぁ・・・」

怜「喜色満面やな…」

竜華「えーっとセーラが注文したのは、リゾットとハヤシライスとピラフと…コーンスープにサラダ、グラタン、それにドリアが4種類にピザが4枚・・・ これを一人で食う気か?」

怜「なんなんやこれ…こんなのどう考えても物理法則を無視しとるやろ」

セーラ「心配すんなて…じゃあ食おうぜ!」

「「「いただきまーす」」」ガツムシャガツムシャ

ナニアレースゴーイ
ヨククウニーチャンヤナー
ワードンドンカラニナッテクー!

ーーー
ーーーーーー
ーーーーーーーーー


泉「そんで、江口先輩は全部食べちゃったんですか?」

怜「そうや。1時間後には、全ての皿がきれいに空になってた」

竜華「最後までうまそうに食ってたで。終わったあとにデザートまで頼んどった」

怜「しかも、その次の週にまた3人でサイ○リヤに行って、セーラは今度はパスタのページを全部食べちまった」

竜華「で、その次の週もまた行って、今度は肉料理のページを完食して、結局3回に分けてサイ○リヤの全メニューを食べつくしてしまったんや」

泉「…信じられない話ですね。なんでそんなに食べられるんでしょうか…?」

フナQ「生まれつきか、幼児期の食生活によって、大食いの体質ってのができあがるらしいで。もし泉が、今から努力して大食いになろうとしても、江口先輩みたいには絶対になれない」

泉「いや、別になりたくないですけど… でも、あんなにたくさん食べちゃうのはちょっとかっこいいですね」

フナQ「今試合やってる選手の中には、何人か江口先輩と同じくらい食べる人がいるみたいや… あの人たちはまさに“神に選ばれた”胃袋を持ってるんや」

泉「ただ燃費が悪い人たちが集まってる、て気がしなくもないですけどね…」


PM0:48(試合開始0:33)


「ごちそうさま! だじぇえ!」


絹恵「!」

えり「ついに…ついに来ました! 片岡選手、かつおタタキ弁当を完食!1個目から常にトップをキープしたままついに最終目的地九州に入ります!」

優希「ひっひっひ…。誰か私に敗北を教えて欲しいものだじぇえ」

絹恵「…片岡さん、その望み、私がかなえてあげるよ…」モクモク

優希「ん?姫松の副将… はああ、無理無理! おぬしじゃまるっきり役不足だじぇ…」ヤレヤレ

絹恵「終わったときにまた同じこと言えるかな…? 楽しみだね」ニタア


 恒子『トップの片岡選手と現在2位の愛宕選手、お互いを挑発! 2人の視線がぶつかり火花が散ります!これはトップ争いも面白くなってきそうだぁ!』

えり「競い合うのはいいけどちゃんと噛んできれいに食べるんですよ! 瑞原プロ!最後のお弁当の紹介お願いします!」

はやり「はいはい! いよいよ最後ぉ!九州の代表弁当は佐賀県は武雄温泉駅の  『佐賀牛 極上カルビ 焼肉弁当』   っだーーーーーーーーっっ!!!☆☆」ハヤリーンッ

はやり「今年行われた『第10回 九州駅弁グランプリ』のチャンピオン! 前身の『佐賀牛 すき焼き弁当』が第8~9回を優勝しているので、実質3連覇をしている九州駅弁界の皇帝!!」

はやり「牛肉の最高ランクA5等級の中でも、よりすぐれた佐賀牛極上カルビを使用したちょーーーーゼイタクなお弁当ぅぅ!!!☆」

はやり「ふわっふわごはんの上にやわらかカルビがたっぷり!☆ まさに食べる芸術品んん! これを食わずに死ねるかぁぁぁ!!」

はやり「どーーんなにお腹いっぱいでもこのお弁当を見たとたんにヨダレがたれるぞっ!☆ 重量は420g! 日本列島制覇を目指してファイトだぁぁーーーっっ!!☆」

優希「んんんんんnn、んまぁーーーーーいいじょおおおおおおお!! 舌が、舌がとろけるじょおお!!」ナミダポロポロ



中途半端ですが終わります
また明日書きます


煌「ごちそうさまでした…」


えり「現在最下位の花田選手、イカめしを完食です。これで全員が四国・九州に入りました!」
  
えり「残り時間はあと12分を切っています!果たして全員完食はありえるのか?それともやはり下位2名が脱落することになるのか?勝負はいよいよ終盤!目が離せません!」


煌(さっき宮永さんのおかげで15分休むことができたので、少しお腹が楽になりましたけど…)

煌(食べ始めたらまたすぐ苦しくなってきました。すばらくないです…)

煌(胃袋はずっとフル活動させてますが、もう幽門が開かなくなってきましたね…)

煌(本当の限界が近い…)

煌(この10人の中で、私は最も実力がない。 誰か脱落するとしたら、まず私でしょう…)

煌(でも、私は最後まであきらめませんよ…!)

煌(…それが、私の生き方だから…!)

煌(…負けるにしても、勝つにしても、誰かに何かを残せるような、そんな…そんな闘いを、私はしたい…!)


セーラ「花田」

煌「江口さん…」

セーラ「…みんなで2回戦に行くで…!」グッ

煌「…もちろんです!」ニコッ


美幸「…ああ、もーっ…」パタッ


えり「椿野選手、いったんはしを置いて天を仰ぎました。大丈夫ですか?」

美幸「大丈夫じゃないですねえ。このかつお、すごく美味しいんですけど、どーにもこーにも、私の胃袋ちゃんがねえ…」サスリサスリ

えり「もう限界ですか?」

美幸「いや、まだイケますよ? でもちょっと休憩します。 残り5分で勝負かけますよ」


穏乃(きついな… あと10分ちょい、か… はしがなかなか進まない…)モキュモキュ

爽(んーっ・・・ 腹いっぱいになってきたなぁ…)ムグムグ


絹恵「ごちそうさまです!」

えり「愛宕選手、片岡選手に1分ほど遅れてかつお弁当を完食です!しかし、終盤戦、ほぼすべての選手のペースが落ちてきています!」

えり「限界の近い選手もいるかもしれません。さあ、10分後… どのような結末を迎えるのでしょうか…!」


試合開始0:35 選手現在地

<北海道>  宮永照(かつお弁当)


<四国>かつお弁当  高鴨穏乃 椿野美幸 獅子原爽 小瀬川白望 滝見春 江口セーラ 花田煌

<九州>焼肉弁当  片岡優希 愛宕洋榎




PM0:50(試合開始0:35)

照「ごちそうさまでーす!」


えり「北海道で手が挙がりました。宮永選手、3番手で最後の焼肉弁当に入ります!」

照(コークスクリューしたから胃はまだ大丈夫…。 んっ!カルビマジでうまい…!)モキュモキュ


穏乃「…すいません、ドクターさん、ちょっと来てください・・・」

えり「あれ? 高鴨選手どうしました?」

穏乃「いや、なんか分かんないんですけど、その、右手がしびれて、はしが持てないんです…」カタカタ

ドクター「固まってますね… とりあえずマッサージしましょう」モミモミ


 玄「? 穏乃ちゃん、どうしたのかな?」

 憧「わ、わかんないわよ!」

 灼「終盤なのに、ピンチ…」

 スタジオ

恒子「高鴨選手、突然はしが持てなくなったようです! なんでしょう、腱鞘炎でしょうか?」

健夜「いや、これは・・・ おそらく手の筋肉が硬直してしまったか、神経の圧迫によるしびれだと思います」

健夜「45分間全力で食べ続けるなんてことは普通しませんから、ごくまれですが、大食い競技の最中に手が動かなくなることがあるんです」

恒子「もう時間がありませんよ? 大丈夫でしょうか?」

健夜「軽度ならマッサージで動くようになりますが… どうでしょうね…」


ドクター「…」モミモミ

穏乃「…」

ドクター「…どうでしょう、はしを持ってみて下さい」

穏乃「はい…」

  ポロッ

穏乃「ううう、持てない・・・ 手の感覚がありません…」

えり「これは…困りましたね。どうしましょう…」

咏「…」

穏乃「左手で、スプーンなら…」

えり「お弁当箱を持てないですよ」

穏乃「うっ、そうだ… チクショウ…」


憧「あの!」

えり「え、…新子さん?」

憧「わ、私が、介助します! 」

穏乃「憧・・・」

憧「私が! シズの右手になります!」

えり「…介助して食べさせてあげるということですね。…どうしましょう?三尋木プロ?」

咏「いいよ、OKOK。大食い競技は本来は一人で臨むものだけど、緊急事態だからしょうがない。ただし、スプーンを使いなさい。あと絶対にこぼしちゃダメだよ?」


憧「うっし!」

穏乃「憧、ありがとう…」

憧「応援してるだけじゃヒマだから、いいのよ。時間ないからどんどん口に放り込むからね。覚悟しなさい?」

穏乃「はは、お手柔らかにお願いします…」


PM0:52(試合開始0:37 残り8分)

スタジオ

恒子「新子さんが横について、食べさせてあげることになったようですね」

健夜「大食い競技で補助が入るというのは私も初めて見ます。気心が知れたパートナーがいないとできない事ですね」


 春『ごちそ…うさまです』


恒子「おや、そうこうしているうちに滝見選手が4番手でかつお弁当完食です!一時獅子原選手に抜かれていましたが抜き返しましたね!」

健夜「序盤とペースが全く変わっていないのは彼女だけですね。非常に安定しています」


爽「…ごちそうさまです」

えり「獅子原選手かつお弁当完食!若干ペースは落ちましたが、5番手で九州に入ります!」

爽「・・・・」スワッタママ

えり「…? 獅子原選手、次のお弁当へ移動しないんですか?」

爽「…あの、まだ食べないと駄目ですか」

えり「え?」

爽「けっこうお腹いっぱいなんです。・・・もういいや、私」

えり「…リタイアということですか?」

爽「はい」


一同「!?」

えり「えーっと、では、獅子原選手、四国通過時点でリタイ…」

?「まてよオイ!!」


爽「・・・・・」

美幸「ふざけんなよ… リタイヤなんかさせるかよ・・・」

爽「お腹いっぱいなんだって。どうして食べなきゃいけないの?」

美幸「…ここまで私を苦しめてきて、途中で逃げるつもり…?」

爽「はあ? そんなの知らねーし。何一人で盛り上がってんだよ。 てかアンタそんなキャラじゃねーだろ?」

美幸「昨日は、私と全力で勝負をしたじゃない…? ど、どうしてそんな簡単に…」

爽「昨日は私も色々てんぱってて、ノリでがんばっただけ。今日はもうやる気出ないの! ・・・関係ないでしょ?私がどうしようと…」

美幸「そ、そんな…」ワナワナ


煌「獅子原さん、ここにいる人たちはみんな、全力で闘っているんですよ」

爽「…」

煌「予選で敗れた人たちのためにも、私たちは本気で闘う義務があ 爽「あーやだやだ、なんつーの? 価値観の押し付け? 迷惑なんだよねぇー」

煌「・・・」

爽「んじゃ、そーゆー事で、私はリタイ  

      バチコーン!!

 爽は突然後ろから頭をはたかれたかと思ったら、胸倉をつかまれて吊り上げられていた


爽「…!!??」

揺杏「スカしてんじゃねーよこの腰ぬけ野郎がぁぁ!!」




爽「ゆ、揺杏…」

揺杏「お前、ワザと負けんのか?」

爽「…」

揺杏「こんな勝負くだらねえって、勝手に決め付けて、途中で投げ出すのがかっこいいと思ってんだ、アンタは」

爽「…はなせ…」

揺杏「はなさねーよ! どろ臭く、はいつくばってでも、前に進もうとするのがかっこいいんじゃねーのかよ!!」

爽「…」

揺杏「間抜けで変態ですっとこどっこいでも、勝負事には妥協しないのが獅子原爽じゃねーのかよ!」


 いつの間にか、爽の周りにはチームメイトが全員集まっていた


爽「…誓子、見てないでこいつなんとかしてよ…」

誓子「なんとかしなくちゃいけないのはあなたの方よ爽」

由暉子「根性なし…」

成香「幻滅です…」


爽「んんんっ 分かった! 分かった食べるから!いい加減はなせ…!」

揺杏「…」スッ

爽「ふーっ こわいこわい、こうやって集団によるいじめってやつが始まるんだよねー」ヤレヤレ

誓子「へらず口たたいてないで早く行きなさい」

爽「へえへえ」


爽「ねえ劔谷さん」

美幸「・・・」

爽「本気出した私見てションベンちびって後悔しても知らないからね?」

美幸「上等ですよぉ…」ニコー


PM0:54 (試合開始39分 残り6分)

美幸「…」モソモソ

えり「休憩宣言をしていた椿野選手、先ほどから動き始めました。小瀬川、高鴨、江口の3選手はすでにかつお弁当を完食!まだ四国にいるのは椿野選手と花田選手だけとなっています」

美幸「ごち そう さま です!」

えり「椿野選手もついに完食!九州に入りました!」


美幸(今、私の胃袋には駅弁が2.8kg入ってる…)

美幸(普段の私なら、もー限界を超えてる量…)

美幸(でも、昨日私は3㎏のお寿司を食べて胃袋を最大限に広げ…)

美幸(消化してしぼんだあとに、今度は水分をたくさん摂ってまたお腹を膨らませておいた)

美幸(そのおかげで、胃袋は膨らみやすいベストコンディションに調整されている…)

美幸(今の私ならまだもうちょい入る。最後、これで勝負を決めるよ…!!)ドン


えり「おや、椿野選手、鞄から霧吹き…? と何か調味料を取り出しました」

えり「椿野選手、それは何ですか?」

美幸「『酢』です!」シュッシュッ


えり「椿野選手、なんと焼肉弁当に霧吹きで酢をかけ、さらに一味唐辛子を振って食べ始めました!」

美幸(ん~おいしい!それに酸味と辛味のダブルの刺激が効く~!
  これで摂食中枢を刺激して、胃袋にスキ間をつくって…一気に決めるよ!獅子原さん抜いちゃる…!)モックモック


えり「さあ、一方こちらでは、片岡選手と愛宕選手が最後のラストスパートをかけています!」


優希「ムシャムシモシュモギュ」モキュモキュモキュモキュ

絹恵「ハグモフモムガッフ」ムシャムシャムシャムシャ


えり「長かった駅弁の旅を先に終えるのはどちらでしょうか…? 片岡選手の方が若干早いでしょうか?」

優希「マフマフマフ!」ムキュムキュ!

えり「あっあっ、なくなります!」

優希「ごちっごちそうさまだじぇえ!!」

えり「決まりました!! 片岡選手! ついに日本列島駅弁8種を全て胃袋の中におさめましたぁ!」


はやり「まったぁ!」

優希「じぇ?」

はやり「片岡さんダメ! ごはん粒残り過ぎだよ! 最後まできちんと食べなさい!」

優希「じぇ、じぇじぇ…」モソモソ

絹恵「ごちそうさまぁ!!」ターン

えり「片岡選手が食べ直してるスキに愛宕選手完食!」

優希「ごちそうさまだじぇ!!」

えり「2人ともほぼ同時に完食です。はやりさんOKですか?」

はやり「ん。2人ともOK!☆ おめでとぉー! 1回戦突破だよっ!」

えり「完食タイムは、愛宕選手が39分46秒! 続いて片岡選手の39秒48秒です!!」


優希「…じょ…」ハアハア

絹恵「…ふ、ふふん…」ハアハアハア



PM0:55(試合開始40分 残り5分)

 選手現在地

<北海道>    宮永照(焼肉弁当)


<四国>かつお弁当  花田煌

<九州>焼肉弁当  滝見春 獅子原爽 小瀬川白望 江口セーラ 高鴨穏乃 椿野美幸

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

≪完食者≫ 愛宕絹恵 片岡優希


今日はここまでにします
確かに、美穂子とやえがいなかったら2人ともどうなっていたことやら
また週末に投下していきます


PM0:55(試合開始40分)


煌「ごち…そうさまです」ムグムグ


えり「ここで花田選手もかつお弁当完食!残っている選手は全てラストの焼肉弁当に入っています!
  あと一歩!しかし残り時間はわずか5分!限界に近い胃袋を抱えての、一番厳しい時間帯に入りました!」

煌(…優希がゴールしましたね、すばらです!中学のときから底無しに食べる子でしたからね…)


 洋榎「よっしゃぁー! 絹がトップやぁ!」グッ

 漫「さすがですね、たいしたもんですわぁ」 

 由子「見事にまくったのよー」

 恭子「序盤は冷や冷やしましたけど、フタを開けてみればってかんじですね」パチパチパチ


優希「…まくられたじぇ…」

絹恵「ふぅっふーっ、まぁ、こんなとこかな…」ハアハア

優希「…姫松の…アタゴとか言ったな! 勝負はまだ終わってないじょ…次はコテンパンにのしてやるからな!」

絹恵「望むところやで…」

  
   グッ ギュウウゥゥ~~~~ッ


絹恵「え?」

優希「およ? 腹の虫が鳴っちゃったじぇえ! まだちょっと物足りない気がするじょ」

優希「まずはタコスだじぇ!」テケテケ

絹恵「・・・・」



美穂子「選手の皆さーん、こちらでデザートも用意してますからね。全部食べ終わった人は良かったら食べに来てくださいね!」

一同「!!」

優希「粋なはからいだじぇ! タコスはあとにするじぇ!」ステテテテテテ

優希「姫松の! 一緒に食べに行くじょ!」

絹恵「うん。 片岡さん、私は愛宕絹恵。 絹ちゃんって呼んでええで!」

優希「おう! あたしはゆーきでいいじょ! 今度長野に来い! タコスおごってやるじぇ!」ニャハッ

絹恵(かわいいなぁ、妹に欲しいわぁ…)


美穂子「はい、お疲れ様! 手作りのいちごババロアよ」

優希「ババ…なんだじぇ?」

絹恵「プリンみたいなもんやで優希ちゃん」

優希「な、なんだこれ舌の上でトロけていくじぇ… うますぎるじぇえ!」トローン

華菜「キャプテンはプロのパティシエ並の腕があるからな! ありがたく食べろし!」

優希「池田ァ! もう1個!」

華菜「一人1個しかないわ! いい加減上級生には敬語使えし!」

ヤイノヤイノ


煌(まだ食べてるんですか… まったく私とは次元が違いますねあの2人は…)

煌(正直ここまで来れただけでも上出来ですね)

煌(あと5分足らずで、この焼肉弁当を完食…)

煌(1口食べるのも、もう必死ですよ…)

煌(さてさて、どうしましょうかねぇ…)モギュモギュ



穏乃「デザートだって、憧…」ムギュムギュ

憧「しゃべってる時間ないわよ!とにかくこれ食べ切らないと…」

穏乃「マジでやばくなってきたんだって私… しゃべればお腹すいてこないかなーと思って… それにしても憧は食べさせるのうまいね」

憧「中学の時にお婆ちゃんの食事の介助してたことがあるのよ。…ほら、あと半分!これだけよ? なんとか入るでしょ?」スッ

穏乃「…」フリフリ

 穏乃は左手で自分の口を押さえ、首を横に振った

穏乃「…今、私の胃袋頑張ってるから… ちょっと待って…」

憧「…」

穏乃「大丈夫。絶対に…食べ切ってみせる」


PM0:57(試合開始42分 残り時間3分)


照「ごちそうさまでした!」

 恒子『! 完食3番手は宮永照選手です!』

 健夜『…とんでもないことしてくれましたけど、宮永選手も常に安定して上位をキープしていましたね』

照「デザートなんだろ…」イソイソ

 恒子『すべて完食した3人は全員涼しい顔してます』 

 恒子『しかし! ここに来てついに! 何人かの手が止まってしまいました!』

穏乃・煌・美幸「・・・・」

 恒子『7人中3人が手を止め、立ち上がって体をゆすっています』

 健夜『胃が落ち着くのを待ってから、ラストスパートをかけるタイミングをはかっているんだと思います』


美幸(あぁーー…マズいな…)

美幸(甘かった… 付け焼き刃の味変じゃあ、効果は一時的なものだよね…)

美幸(でもあと、1/3…いや、1/4…? 大丈夫、落ち着いて落ち着いて…)

美幸(私の胃袋ちゃん、ここが正念場だよ…!)


煌(…)

煌(立ってみても変わりませんね…)スワリー

煌(頭がボーっとしてきました、すばらくない…)

煌(残り時間は3分を切った…)

煌(お弁当は…まだ半分以上残っている)

煌(絶望的…ですね)

煌(しかし…昨日も思いましたが、こんなに、一生懸命になって食べるのって、生まれて初めてですね)

煌(こんなに真剣に、食べ物に向かい合う、というのは初めてです…)


煌(食べ物という物は全て、もともとは生きていた物…)

(子どもの頃、食べるということは、命を頂くということなんだよと言われたことがあります)

(しかし今は、それは少し違うと感じる)

(命をもらうのではなく、命を引き継ぐ、命を託されるということなんだと感じます)

(私は、食べることによって、いくつもの命を託されて生きている…)

(ふふ、今私のお腹の中には、一体どのくらいの命が入っているんでしょうね)サスリサスリ

(こんなにたくさんの命… 私ごときが背負い切れるんでしょうかね?)


?「…花田さん」

煌「え」

?「花田さん、ここです」


煌「どなたですか?」キョロキョロ

?「ここですよ。あなたの目の前です」

煌「・・・!?」


 煌が弁当箱に目を落とすと、そこには、手のひらにおさまりそうなほど小さな巫女服姿の少女と、4本足の黒い生き物が座っていた


煌「おやおや、夢でも見てるんでしょうか?」

?「初めまして、私は米娘。こちらは佐賀の黒毛和牛さんです」ペッコリン

煌「あらあら」

米娘「私は稲の精霊です。牛さんは、今あなたが召し上がっているお肉の持ち主の亡霊ですよ」

煌「おやおや、そうでしたか! ごめんなさいね、あなたの体を食べてしまって…」

牛「いいえ、気に病むことはありません」モフーッ

牛「死んだあとに、他の生き物の役に立てるということは、嬉しいことですから」

煌「…そうですか!すばらな心意気をお持ちですねぇ!」

米娘「花田さん、あなたが、私たちを食べるのに苦労している様子でしたので、こうして応援をしに現れたのです」

米娘「この牛さんが成仏するためにも、あなたにはこのお弁当をしっかり召し上がって欲しいのです」



煌「そうでしたか… ありがとうございます。でも申し訳ないのですが、私の胃袋は限界で…もう全く入りそうにないんです」

米娘「ふふっ、それなら、私にまかせてくださいな♪」パチンッ


 米娘が指を鳴らすと、煌の周りに何かがフワフワと浮かび上がってきた
 それは、カニ、にわとり、栗、マス、タコ、イカ、かつお、ネギ、みょうがなどの霊だった


カニ「花田さん、がんばって食べてください」

イカ「煌ちゃん、もうちょいじゃなイカ!」

ネギ「ファイトだよー」

煌「皆さんも、私が食べてしまった子たちですね。しかし…本当に申し訳ないのですが、私はもうこれ以上食べることはできそうにありません…」

タコ「大丈夫!お腹の具合なら、ボクたちの力で今からなんとかするから!」


 タコがそう言うと、煌の腹がギュルギュルと鳴り、胃袋にわずかだがスキ間ができるのを感じた


タコ「今、胃の中でみんなで思いっきりつめたから、スキ間ができたはずだよ!さあ、最後までがんばって食べてください!」

煌「…みなさん、食べられてからも、何かの役に立とうとするとは・・・ すばらです!! 敬服いたします…! 私、みなさんのお気持ちに必ずや応えてみせましょう!!」

霊たち「「「ガンバレー!!」」」キャイキャイ







えり「ついに、残り試合時間はあと2分を切りました!先ほど、滝見春選手が4番手で完食をし、残りは6人、そのうち3名はまだはしが止まったまま…!この膠着状態を抜け出すことはできるのでしょうか!!」

煌「」ムギュムギュガツガツ

えり「おや、花田選手が息を吹き返したかのように動き始めました!」


穏乃「・・・・よし! 憧!いいよ! イケル!」

憧「う…、うん!」


美幸(…!)

美幸(もーう! 私の神経!)

美幸(きついのを脳に伝えるなぁ!)

美幸(何も! 考えず! 食べる!!)モッキュモッキュ


えり「花田選手に呼応するかのように、残り2人も食べ始めました!」


セーラ「うーっす、ごちそうさまやぁ!」
白望「ごちそさま…」

えり「江口選手、小瀬川選手が完食! 残るは4人! 間もなく残り1分になります!ど、どうなるんでしょうかこの試合!」


爽(は~あ、もう、だっるぅ!)

爽(本気出すとか言っといて、このザマだけど)

爽(あの3人、いい緊張感で食べてるな)

爽(こういう空気、嫌いじゃない)

爽(私も、スパートかけちゃおっかな!)ムグモギュムグモギュ


PM0:59(試合開始44分 残り1分)

姫子「花田ぁ! もう少しじゃけん! いっちかー!!」

玄「穏乃ちゃん憧ちゃんあと1分だよ! がんばってー!!」

友香「せんぱーい!いっけぇぇー!」

成香「爽さん負けないでくださいよぉ!」

淡「みんながんばってぇぇ!」

竜華「全員完食やぁ! 負けんなぁぁ!」

エイ「ミンナ、ガンバレ!」

小蒔「み、みなさんがんばってくださーい!」

照「行けるよみんな!がんばれ!」

セーラ「お前ら食えええ! しっかり食えよおおお!」


えり「すさまじい歓声です! 学校の枠を飛び越えて、会場にいる全員が闘っている4名を応援しています!」


爽「(うひゃはー、恥ずかしぃー//)はいごっちそうさま!!」

えり「獅子原選手完食です! これで残り3名です!」

揺杏「やりゃできんじゃねーかこのすっとこどっこーい!」セナカバーン

爽「うべあ!? たたくんじゃねーよカルビ吐きつけんぞんにゃろー!!」

アハハハ ヤッタヤッタア ヨクヤリマシタネ!


えり「残り時間30秒切りました!」

はやり「針生さん!私選手見るからタイマー見といて! カウントダウン準備お願い!」

えり「はい!」

美幸「ご ち そ う さ まぁ !」

はやり「うしオッケー! 椿野さん完食ぅ! やったねぇ!」

美幸(…乗り切ったぁぁ!)グッ

えり「椿野選手!テーブルに倒れふしながら右手で力強くガッツポーズです!」

友香・莉子「せんぱあああああいぃぃ!!」


えり「あああしかし高鴨選手と花田選手、再び手が止まってしまっているぅ!」


憧「…シズ、あと、この一口だよ!」

穏乃「んっん、」ストップストップ

穏乃「…」ムグムグ・・・

穏乃「・・・っしゃあ! いいよ憧!」カッ

穏乃「ん!」ハムッ


憧「…完食!完食です!!」

はやり「うん! 高鴨さんもオッケー! お見事だよっ!」

玄・宥・灼「んやったあぁぁ!!」

えり「あとは花田選手一人です!残り時間は20秒を切っています。しかし花田選手のはしはまだ動いていない!このまま脱落でしょうか?」


優希「花田せんぱいぃ!がんばれぇぇ!!」

和「花田先輩、がんばってくださいぃ!!」ガタッ


煌(私のかわいい後輩たちが応援してくれてますねぇ)


哩「花田ぁ! がんばれ!」

美子「花田さんあと少しですよぉ!」

仁美「花田がんばりーぃ!」

セーラ「花田ぁ!」

咲「花田さんがんばって!」

まこ「がんばるんじゃあ!」

豊音「花田さーん、がんばれえ!」


煌(私の先輩たちに江口さん、それに面識のない方たちまでもが、本気でこんな私を応援してくれている…)

煌(しかし、もう胃にスキ間はありません… くるっしい・・・!)

煌(なのに… 何なんでしょう、この気持ちは…?)

煌(こんなに大勢の人が、私に期待をし、私が奮起するのを待っている…!)

煌(苦しいのに、漲るように、気持ちいい…!)


煌「…」ムグ ムグ


えり「! 花田選手ぅ! はしを動かしはじめましたぁ! 残りはわずかです! 果たして間に合うのでしょうか?」


煌(これほど苦しくて、これほど幸せだと思ったことはありません…!)バッ


えり「花田選手! 立ち上がりました! 立って、焼肉弁当をかき込んでいます!体に落とし込むようにして食べているぅ!」

ハナダアアアアアア! ガンバレエエエエエエエエ!


えり「あああしかし時間がありません!カウントダウンンン!! 5・ 4・ 3・ 2・ 1!」


タイコ「ドンドンドーン!!」


えり「終了です!!!」








えり「終了です! 花田選手! お弁当箱を下に置いてください!」


 煌は、立ち上がったまま、ゆっくりと弁当箱を下に降ろした

        コトリ・・・

弁当箱「」カラッ

えり「・・・・か、完 食 です!」

えり「いっ1回戦、終了…! 脱落者…なしです! 全員、2回戦進出です!! 合計80個あった駅弁が、ただ今、すべて綺麗に平らげられましたぁ!」


ウオオオオオオオオオオオ! ヤッタアアアアアアアアア! スゲエエエエエエエ!! パチパチパチパチパチ




≪1回戦 『日本縦断! 全国駅弁八種食べまくりツアー勝負!』 最終結果 ≫

 1. 愛宕洋榎  39分46秒

 2. 片岡優希  39分48秒

 3. 宮永照   42分05秒

 4. 滝見春   42分47秒

 5. 江口セーラ 43分36秒

 6. 小瀬川白望 43分39秒

 7. 獅子原爽  44分23秒

 8. 椿野美幸  44分35秒

 9. 高鴨穏乃  44分41秒

 10.花田煌   45分00秒

 
※全員時間内に完食により脱落者なし



今日はここまでにします

読んでくれた方、書き込みしてくれた方、ありがとうございます

明日は2回戦に向けての話を書いていきます

ところで、2回戦の現場の実況&解説(1回戦のえり&咏のポジション)を誰にやってもらうか、2パターン考えていて、どっちにするか決めかねています

1.みさき&のよりん

2.恒子&健夜

の、どちらかなのですが…

2回戦はスイーツオンリー、つまり様々な「甘味」が食材です

1と2の、どちらが良いと思いますか?

投票していただけると助かります よろしくお願いします

一応時間は明日の22:00まで、その中で数の多かった方に2回戦をまかせようと思います

投票ありがとうございます

>>187ミス 愛宕洋榎→愛宕絹恵  おねえちゃんを1位にしちゃったよ…ww すみません

投下していきます

佐賀弁&博多弁はわりといい加減です 


PM1:01

えり「…ただ今、すべて綺麗に平らげられましたぁ!」

ウオオオオオ・・・・


優希「やったじぇえええ!花田せんぱーい!」ダッ

和「花田先輩!」ダッ

哩「花田ぁ!大丈夫か?」ダッ

 煌のもとに駆け寄る新道寺部員&優希・和

煌「・・・」

和「だ、大丈夫ですか花田先輩!顔が白いですよ?!」

哩「横になったほうがいいばい」

優希「選手控え室に畳スペースとお布団があったじょ?」

美子「花田さん歩ける?」

煌「だ、大丈夫ですよ…」ヨロッ

姫子「花田!無理せんでよか! おんぶしとっと私の背中に乗りんしゃい!」スッ

煌「すみません…」ノリッ

仁美「よくがんばったけんゆっくり休みんしゃい」


煌(…つかれた… ああ、鶴田さんの背中、あったかいですね…)ホワア

 
 緊張の糸が切れた煌は、控え室に移動する途中で気を失うように眠ってしまった


PM1:03

はやり「みんな、昨日今日とおつかれさまっ☆ 今週はこれですべておしまいだよっ」

はやり「来週は最初に送った通知にも書いてあるけど、土曜日の午後2時から開会式やった会場で説明会をするから、遅れないように来ることっ☆」

はやり「では解散! パイプいすを返して、自分の周りにゴミが落ちてないか確認してから帰るんだよっ☆」

 ザワザワ ガヤガヤ オミヤゲノオベントカッテコーッ


※穏乃はこのあと念のため整形外科を受診、筋肉の硬直と神経の圧迫のダブルによるしびれでしたが、すぐに回復しことなきを得ました
 絹恵は、洋榎からこっそり事情を教えてもらい、若干わだかまりを抱えつつも仲直りできました



PM1:05
 スタジオ

恒子「延長してお送りしております女子高生雀士たちの大食い選手権! 時間もないのですが、最後に小鍛治プロに1回戦の総括と2回戦以降の見通しについてお伺いしたいと思います!」

健夜「はい、1回戦は予選のときと違い、『競い合い』が少なかったことが最も印象深かったです」

恒子「競い合い?」

健夜「競技ですので、他の選手に打ち勝とうと努力するのが普通ですが、この1回戦は選手同士が励まし合い、助け合ってがんばる姿がとても多く見られました」

恒子「最後は、完食し終わった選手みんなで、残っている選手を応援してましたものね!」

健夜「45分間以内に完食すれば誰も脱落しないというルールだからこそだとは思いますが、ライバルを心から応援する姿には胸が熱くなりました」

健夜「まるで、みんなで助け合って高い山を登り切ったような試合でしたね。高校生らしい清々しい良い闘いだったと思います。」

恒子「結局全員が1回戦を突破してしまいましたね!」

健夜「驚きましたね。2~3人は脱落するだろうと思ってましたが… 実際そうなってもおかしくなかったと思うのですが、これもチームメイトの助けや応援、選手同士の励まし合いによる成果だと思います」


恒子「試合前のお話では、選手それぞれの実力はまだ未知数と言ってましたが、どうですか? 1回戦の様子を見て、何か分かったことはありますか?」

健夜「そうですね。上位6名までの選手は、試合を終えてからもまだ余裕があるようでした。胃力、つまり基礎的な大食い力が非常に強いようです」

健夜「下位4名の選手は、上位6名と比べると若干見劣りがしますね。まあ、現時点での話ですが」

恒子「小鍛治プロ的に誰か注目している選手はいますか?」

健夜「私は、まずは滝見春選手ですかね… 予選含めての彼女の安定感は抜群です。 スピードがあまりないようなので、もしスプリント勝負になったときは分が悪いかもしれませんが」

健夜「あとはやはりトップツーの愛宕選手と片岡選手。強力な胃力といざというときの爆発力を持ち合わせています」

健夜「実力という点では現時点では劣るとは思いますが、椿野選手や花田選手も素晴らしい闘いを見せてくれる選手です。2回戦以降も、試合を面白くしてくれるのではないかと期待しています」



健夜「あと…上位6名には入っていませんが、獅子原爽選手も注目すべき選手ではないかと思います」

恒子「獅子原ねぇ…」

健夜「先ほど1回戦の詳細な資料が回ってきて、確認してびっくりしたんですが…」

健夜「あまり目立ってませんでしたが、彼女、中盤戦で無類の強さを発揮していたんです」

恒子「中盤って言うと、マス寿司とかタコとか、噛むのが大変なのが続いたとこですよね」

健夜「はい。ここに、全選手の、マス寿司・タコめし・イカめしの3つを食べ切るのにかかった時間の表があるんですが、獅子原選手はこの区間を12分58秒という抜群の速さで食べ切っているんです」

健夜「他の9名の選手の、この区間の平均タイムは約17分20秒です。その中で一番速かった愛宕選手でも15分30秒かかっています」

健夜「これはもう圧倒的と言っていい強さですね」

恒子「はあ… ほんとだ、グラフで見てみるとよく分かりますねえ」

健夜「アゴ力と飲み込む力つまり嚥下力は、食材によっては、胃力以上に重要なファクターになります。おそらく生まれつきの力だと思いますが、これはけっこうなアドバンテージになり得ますよ」


恒子「なるほど、ありがとうございましたぁ! では、もう時間切れになりますので… 2回戦の食材は番組の都合上お教えできませんが、来週も楽しみにしていてください!」

恒子「実況は私福与恒子!解説はグランドマスター小鍛治プロでお送りしました!!ではみなさん、さようならぁ! 来週も見てね!」

健夜「ありがとうございました」




22時を過ぎましたので、投票を締め切ります みなさんありがとうございました!

圧倒的でしたね…

みさき&のよりんが4票、恒子&健夜が0票ということで、2回戦の現場実況&解説はみさきとのよりんのコンビで決定します!

放送事故が起きないようみさきにはまたがんばってもらいます

ありがとうございました!



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煌「…」パチッ


煌「・・・・・」


煌「ここは、どこでしょうか…?」


 煌は、気が付くと雲の中のように白くもやのかかった、何もない世界に佇んでいた


?「見事な食べっぷりでしたね、さすがは花田さんです」

?「おいしかったかな?」

?「素敵でしたねえ」


煌「おや、あなたたちは… 米娘さんに黒毛和牛さん、イカさん、タコさん、ネギさん・・・ すばらです! またお会いできるとは!」

米娘「おつかれさまでした花田さん。あなたのおかげで、みんな気持ち良く成仏することができます」

煌「それは良かったです! …しかしここは一体どこなのでしょうか」

米娘「ここは天国へ行く時に通る雲の橋という場所です」

煌「すばっ!? 私は死んでしまったのですか?」

米娘「いえいえ、あなたの本体はちゃんと地上にありますよ。花田さんの意識だけがここに来ているのです」


カニ「煌ちゃん、おいしそうに食べてくれてありがとーなー」

かつお「一生懸命に食べてくれてありがとう」

イカ「煌ちゃんわしといっしょに天国でくらさなイカ?」

にわとり「あほう!花田さんは俺たちのかわりにこれから生きていくんだぜ?」

イカ「冗談でげそぅ」

アハハハ ヤイノヤイノ


米娘「みんなあなたに感謝しているんですよ」

煌「…いえ、私はただ食事をしただけですよ? 感謝されるようなことは別に…」

米娘「いいえ、ここにいる子たちはみんな死んでいますが、体をあなたに食べてもらうことで、命をあなたに託すことができた。あなたの一部になれたことが嬉しいんです」

煌「…私はここにいる方たち全員の命を背負っているわけですね… こりゃ責任重大ですね」

米娘「そうですよ。責任は重大です。しかし、あなたがあなたらしく生きていけば責任を果たすことができるでしょう」


煌「・・・米娘さん、私、ちょっと疑問に思っていることがあるのですが・・・」

米娘「なんですか?」

煌「大食いというのは…、みなさんに対する冒涜行為になるのではないでしょうか?」

米娘「…そうかもしれませんね」

煌「…」

米娘「しかし、食べる量云々の前に問題にすべきは、食という行為に対する姿勢です」

煌「姿勢、ですか?」

米娘「常に礼節をもって、真剣な気持ちと敬意をもって食に当たるということです」

米娘「食に対して感謝と喜びの気持ちをもっていれば、自然と食べる姿というのは美しいものになります」

米娘「美味しそうに、真面目に、一生懸命に、そしてたくさん食べる人というのは、それだけで周りを幸せにすることができるのではないでしょうか」

煌「…たくさん食べると、だんだんと苦しくなってきます。それでも、無理をして食べ続けるのが大食いです。苦しみながら食べることに、意味があるのでしょうか」

米娘「さあ… あなたが食べたみなさんに聞いてみてはどうですか」

牛「私は、苦しくても一生懸命に食べようとしてくれるのは嬉しいですよ」

ネギ「うんうん、テレビ見ながら漫然と食べられるのとかよりずっといいよね」

マス「私のこと苦しそうな顔して見つめて、それでも一生懸命に食べようとしてるの見ると、『ガンバレガンバレ!』って思っちゃう!」

煌「そうでしたか… それなら良かったです…」ホッ

米娘「…花田さんが、大食いに挑戦することで、食べるという行為に対してより真剣になれたのなら、冒涜行為ということはないと思います」

煌「ありがとうございます。わだかまりが少し解けました」


米娘「…これからも、美味しく一生懸命たくさん食べて、周りの人も元気にしてあげられるといいですね。 あ… 雲の橋の端まで来てしまいました。花田さん、ここでお別れです」

煌「…もうみなさんとは2度とお会いできないんでしょうね・・・」

米娘「何を言ってるんですか? 私たちはもうあなたの一部なんですよ」

煌「…!」

イカ「そうじゃー」

タコ「ボクたちがいつも見てるよ」

かつお「これからずっと支えてあげるよ」

煌「ううう、みなさん、なんてすばらなんでしょう…!」ウルウル

米娘「これから食事をするときに、たまにでいいから、あなたの体の中の私たちのことを思い出してくださいね」

米娘「…地上で、あなたの大事な御友人たちも待っているようです。では、いったん、さようなら…!」

霊たち「「「バイバーイ」」」

煌「みなさん、ありがとうございました! ごきげんよう…!」




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煌「…」パチクリ

優希「じょ! みんな花田先輩が目を覚ましたじょ!」

姫子「花田、気分はどがな?」

煌(…もどってきたんですね…)

煌「…大丈夫、ですよ… ここは… ああ、選手の控え室に運んで頂いたんでしたね」ムクリ

仁美「花田気持ち良さそうに寝とったばい。試合が終わって1時間ほどたっとうよ」

煌「おや、みなさん私が目を覚ますのを待ってくれていたんですね… 優希と和まで…」

哩「気にすることなか。 今日は花田ば主役なんじゃけん」

煌「福岡に戻るの遅くなっちゃいますね…」

美子「まだ2時過ぎだよ。ぜんぜん大丈夫」

哩「帰る準備ばするか。今日は博多でみんなにラーメンおごっちゃるばい」

姫子「ぶちょーふとっぱらー! 花田、もう私準備しとったけん。気分だいじょぶなら帰ろか」

煌「そうですね。優希と和、また来週会えますね。今度は福岡のお土産買ってきますからね」

優希「おう! 花田先輩とまた一緒に食べるの楽しみだじぇ!」

和「・・・・」

煌「…おや、和、どうかしましたか?」

和「…花田先輩…、あの…、次は…棄権したほうがいいのではないでしょうか…」

一同「「「!?」」」

中途半端ですが今日は終わります
もう少しだけ続きます
明日、2回戦の予告も書こうと思います
見てくれた方たちありがとうございました


優希「の、のどちゃん一体何を言い出すんだじぇ?」

和「…予選の映像も見ましたが…、花田先輩、最後いつもとっても無理して食べてるじゃないですか…」

姫子「…」

和「あんなにつらい思いをしてまで、やらなくてはいけないことなんですか…?」

姫子「ば、ばってん、せっかく勝ち上がったのに、棄権なんて…」

和「…花田先輩は、それほど、強くないじゃないですか…」

優希「…!?」

和「あんなにたくさん食べられる人たちと、なぜ張り合う必要があるんですか?」

優希「何を言うんだ!いくらのどちゃんでも、花田先輩を侮辱するのは許さないじょ!」


煌「優希やめなさい。和は私を心配して言っているんです」

和「…」

煌「和の言うことは、もっともですね…」

和「じゃあ…」

煌「いいえ、でも棄権するつもりはありませんよ」

和「…」

煌「確かに、私は他の方々に比べて、それほどたくさんは食べられません」

煌「2回戦に出ても、勝ち上がる可能性は非常に低いでしょうね」

煌「私みたいな弱っちいのが、無理して食べてる姿はさぞかし痛々しいだろうな、と思いますよ」

和「そうです、見ていて、胸がつまるんです…」


煌「和、でも…、そう、インターハイ準決勝の、私の闘いは見てくれたんでしたっけ?」

和「…試合のあとですけど、録画したものを全部見ました」

煌「それなら、千里山の園城寺怜さんは分かりますね?」

和「もちろんです」

煌「試合のあとに倒れたことも?」

和「はい…」

煌「じゃあ…園城寺さんは、どうしてそんな倒れるまで自分を追い詰めたんでしょうか?」

和「それは…当然、勝ちたかったからです」

煌「なぜ?」

和「え?」

煌「たかがゲームじゃないですか。どうしてそんな、倒れるほど苦しい思いをしてまで、勝とうとする必要があったんでしょうね」

和「…勝利を目指す理由は、人それぞれで色々あるかもしれませんが…、」

和「自分の力を限界まで発揮したい、勝つことで自分の力を認められたいといった本能的な欲求と、仲間と喜びを分かち合いたいからというのは、みんなあると思います…」

煌「ふふ、そうですね… じゃあ和は、そんな勝利のために倒れるまで闘った園城寺さんは間違っていたと思いますか」

和「・・・・」

煌「おっといけない、こんな答えのない意地悪な質問はすばらくないですね」

煌「しかし、あの時の園城寺さんの闘いぶりを、たくさんの人がすばらだと感じたことは事実です」

煌「人は、困難に立ち向かって全力を尽くす姿を美しいと感じるようにできているんです」

和「…」


煌「私も大食い競技の中で、園城寺さんほどではないでしょうが、困難に向かって全力を尽くしました」

煌「最後、会場の皆さんが応援してくれたのは、私のその姿勢が評価されたから…と思っています」

煌「…苦しかったですよ?あの時は本当に… そして、みっともない姿だったと思います」

煌「でも、応援の声が聞こえた時、私はとても嬉しかった」

煌「チームのみんなと、優希と和の応援の声が聞こえた時が、一番、力がみなぎってきて、本当に幸せな気持ちになりました」

一同「……」

煌「あの幸せな感覚と比べたら、苦しさなんて… 屁でもないと思いましたよ」

煌「次も、私の闘いは多分みっともないものだと思います。でも、その時もし優希や和の声が聞こえたら、きっとまた幸せな…、すばらな気持ちになれると思うんですよね…」

煌「…だから、また次も、私のことを応援してくれませんか? 和」

和「…分かりました。すみませんでした、花田先輩」

煌「すばらです!謝ることなんかありませんよ! この大食い競技、お祭りみたいで、食べているととっても楽しいんですよ? ねえ、優希?」

優希「お、おう、もちろんだじぇ! 美味しいし楽しいし、天国みたいだじぇ!」

和「でも…、もう無理だと思ったら、なるべく早くあきらめてくださいね?」

煌「大丈夫ですよ、私みたいなヘナチョコはそんなに無理できませんから」

哩「どの口が言うね。花田がヘナチョコやったら、江崎は超ド級のヘナチョコになってしまうばい」

仁美「な、なんで私にふるんね!?」ヂュー


アハハハハ サー、カエルバーイ! ハーイ!




~2回戦予告(ハイライト)~


「な、なんだこれぇ?」 「でかぁーい!!」


「私の胃袋好きにしてえっ♪ てかんじ?」


「ぶわっふぅ! ぶぉっこぉ! ばっふびゃっぐみゃっぐむぉっぐ!!」


 2回戦の食材はドーナツ、シュークリーム、デコレーションケーキなどの『スイーツ』オンリー!!



「あ…あかん! あれは血糖値が急激に上がってるんですよーぅ!」


「甘い、甘す、甘ゆす、甘んだ、甘んちょ、甘めら…」


「イヒヒヒ! 絹ちゃんはもうダメダメのポンコツちゃんやでぇ~」


 伝説のスーパースイーツ7種が、10人の最強美少女食闘士たちに襲い掛かる・・・!!



「のっ野依プロ!? そ、その格好は一体…?」


「… …!!」プンスコリンリン!=3=3


 はたして、のよりんは一回でもまともな解説をするのか・・・!?



「つ…強い! 強すぎます…! これは、これは一体…!?」


「バーナーナーのぅ王様ー♪ バーナーナーのぅ王様ー♪」


「な…なんというまなざし…! プリンに穴があきそうです!」


 最凶の甘味大魔王…! その体に隠された秘密とは・・・!?



「ぷぅりぃんn・・・ ああ、それは、どんな時も私の涙を止めてくれた魔法の薬…」


「なんか語り出したよ、キモい」


「…無視しろ」


 2回戦『激烈! レジェンドスイーツ7種勝負!!』


お楽しみに。



1回戦編は以上で終わりです

読んでくれた方、書き込みしてくれた方、ありがとうございました

来週(多分金曜夜)に のよりん「麻雀部限定、全国高等学校大食い選手権(2回戦)…!!」プンスコ=3=3 というタイトルで新スレを立てて、投下していきたいと思います

スレを立てたら、こちらにもリンクを貼ります

2回戦は、あまりごちゃごちゃしないように注意して書いていこうと思います



<咲-saki-以外の、1回戦の主な参考資料>

・TV 「元祖!大食い王決定戦」 「フードファイト(ドラマ)」 「食べる女(ドラマ風グルメ番組)」


・漫画 「てんむす」 「たべるダケ」 「もぐささん」 「喰いしん坊!」 「くーねるまるた」



最後に余談ですが、本日の夜6:30~10:00の時間帯で「大食い世界一決定戦!」という番組が放映されます

国ごとにチームを組んで団体戦を行うようです

日本人出演者はキング山本・三宅智子・アンジェラ佐藤・ロシアン佐藤の4名

面白いかどうか分かりませんが、見ましょう!


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