ハンジ「リヴァイを泣かせよう」(37)
ハンジ「リヴァイっていっつも仏頂面してるよな~」
ハンジ「泣くこととかあんのかな」
ハンジ「やっべ超見てみたい」
ハンジ「リヴァイを泣かせよっと」
☆たまねぎを切らせてみる
ハンジ「リーヴァーイ」
リヴァイ「んだよ」
ハンジ「今日の料理当番代わって」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「たまねぎ切って」
リヴァイ「……?」
ハンジ「ねーお願い」
リヴァイ「……何故俺がお前の当番を代わってやんなきゃなんねーんだよ」
ハンジ「いいからいいから」
リヴァイ「おい」
ハンジ「頼むよ!!!!!!土下座でもなんでもするからさあ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
リヴァイ「うるせっ」
リヴァイ「なんなんだよ。分かったからもう大声だすな不愉快だ」
ハンジ「やったね!」
トントントントン……
ハンジ「切ってる切ってる うっしっし」
リヴァイ「気色わりいな。どっか行けよテメエ」
ハンジ「どう?目がしみてきたんじゃない?」
リヴァイ「ばか言え玉ねぎごときでそんなんなるか」
ハンジ「なに!?あっ なに薄目で切ってんだよ!!卑怯な真似すんなよ!!」
リヴァイ「なにが卑怯なんだよ。別にいいだろーが」
ハンジ「私の期待返してよ!ちきしょう!」
☆泣ける本を読んでみる
ハンジ「それでパトラッシュは言いました。もう疲れたよネロ……」
リヴァイ「おい」
ハンジ「ううううパトラッシュウウウ」グスグス
リヴァイ「おい」
リヴァイ「パトラッシュは犬だろ」
ハンジ「あ、つっこむところそこなんだ」
リヴァイ「いや……俺が寝ようとした瞬間に部屋に入ってきて」
リヴァイ「突然絵本を読み始めたお前にも十分イラついてるが……」
リヴァイ「つーか自覚あんなら出てけよクソメガネ」
ハンジ「どうだった?」
リヴァイ「なにが」
ハンジ「これクッソ泣けね?」
リヴァイ「別に」
ハンジ「お前の血は何色だ!?」
リヴァイ「赤」
ハンジ「これ聞いて泣かないとかリヴァイの涙腺は鋼でできてんの!?」
リヴァイ「夜更けになんでそんなテンション高ぇんだよ。出てけ」
ハンジ「じゃあ次は『泣いた赤鬼』でも……」
リヴァイ「出てけっつったんだよ!」ゲシッ
ハンジ「いってえ!」ドサッ
バタン
☆目をずっと開かせてみる
ハンジ「ドライアイだと自然に涙でてくるよね」
ハンジ「よーし」
ハンジ「リヴァイ、ちょっと失礼」グッ
リヴァイ「あ…?」
リヴァイ「おい。テメなにしてんだよ」
ハンジ「リヴァイの瞼を抑えてる。眼球がずっと空気に触れるように」
リヴァイ「理由は」
ハンジ「リヴァイが泣いたところ見てみたいから」
リヴァイ「それだけか?」
ハンジ「それだけ!」
リヴァイ「分かった死ね」
リヴァイ「目いてぇよ離せ」
ハンジ「やだし。でも全然涙でないね」
リヴァイ「当たり前だろ」
ハンジ「そうだよね、仲間が目の前で絶命しても全然泣かないもんねあなた」
リヴァイ「まあな。分かったらいい加減離せよ」
ハンジ「やだよーん」
エルヴィン「おーい。リヴァイいるか?」
リヴァイ「ああ、いる」バシッ
ハンジ「いてえ!あーちょっとリヴァイ~」
リヴァイ「なんか用かエルヴィン」スタスタ
☆罵倒してみる
ハンジ「リヴァイのチビ」
リヴァイ「……」
ドガッ!!
シュゥゥゥ……
リヴァイ「……なんか言ったか?」
ハンジ「なんにも」ニッコリ
ハンジ「壁に穴あけたの知られたらエルヴィンが怒るよ?」
リヴァイ「どっかの減らず口のせいだと伝えておけ」
モブリット(生き急ぎすぎィ)
☆褒めてみる
ハンジ「うれし涙っていうのもあるんだっけ」
ハンジ「リヴァイ!リヴァイってクッソかっこいいよね!」
ハンジ「まじ頼れる兵士長様って感じ!」
ハンジ「絵が下手なところもギャップがあってかわいいと思うよ!」
ハンジ「なにあの、エレンを半殺しで巨人化から取り出す方法を説明したときの絵!やっべえセンスだよねあれ!!」
ハンジ「まじそこにしびれるっつーか最高!」
リヴァイ「……とうとう頭にうじが湧いたか?」
ハンジ「ひど!人が褒めてんのに!」
リヴァイ「褒めてたのか、それで?」
リヴァイ「十中八九貶してるもんだと」
ハンジ「ないない!ちゃんと褒めてるって!」
ハンジ「あとさー潔癖症なところもさすがって感じだよ!」
ハンジ「潔癖症なのに死にそうな兵士の血にまみれた手を握ってあげるってところとかもいいよね!」
ハンジ「てか逆に男のくせにみみっちいなーとも思うけどね!」
ハンジ「私の実験室に入るたび、きたねえなって舌打ちしやがるよね」
ハンジ「私にとってはあれが最善の状態なんだよバーカ!」
リヴァイ「やっぱ貶してるよなお前」ブンッ
ハンジ「うおっ あぶねっ」ヒュッ
ハンジ「で、感動の涙、でた?」
リヴァイ「でるわけねえだろ」
☆ストレートに言ってみる
ハンジ「リヴァイ!!!」
リヴァイ「んっだようっせーな黙れ」
ハンジ「泣いて!!!!!!!!」
リヴァイ「黙れ」
ハンジ「泣いて!!!!!!!!!!!!」
リヴァイ「ふざけんな」
ハンジ「土下座するから!!!!!!!!!泣けよ!!!!!!!」
リヴァイ「ゴリ押しやめろ。耳元で叫ぶな」キーン
ハンジ「こんなに人が頭下げてんのに、なんでお願いを聞いてくれないんだ。ひどいなリヴァイ」
リヴァイ「いきなり泣けって言われて泣ける奴がいるかよ」
リヴァイ「大体女じゃねーんだからいちいち泣かねえっつの」
ハンジ「じゃあ……悲しい話する?」
リヴァイ「しねーよ帰れよ」
ハンジ「私たちこれまで命を賭けて人類のために戦ってきたけど」
ハンジ「ぶっちゃけあんまり成果ねえよな!!」
リヴァイ「馬鹿。少しずつウォール・ローゼ奪還のための布石を打ってってるだろうが」
ハンジ「うんそうだよね。そうなんだけどね」
リヴァイ「そろそろ食事の時間だ。行くぞ」
ハンジ「あーそうだね行こうか。あれなんの話してたっけ」
リヴァイ「クソの話か」
ハンジ「多分ちがうね」
☆巨人の話責めにする
ハンジ「え?リヴァイったら私に巨人の話を聞きたいって?」
リヴァイ「言ってねえ」
ハンジ「そっか仕方ないな。じゃあまず巨人の生態からおさらいといく?」
リヴァイ「一人でやってろ」ガタッ
ハンジ「待て待て待て待て」ガシッ
リヴァイ「テメエの巨人談義はどうせ朝まで続くだろうが」
ハンジ「いやいや。そんなことしないよ。それに今日は実験の報告も兼ねてるから」
ハンジ「リヴァイには聞く義務があるよ」
リヴァイ「……。手短に済ませろよ」
ハンジ「了解!」
ちゅんちゅん……
ハンジ「で、結局新しい発見はなかったけど、新しい着眼点を思いついたんだ!」
リヴァイ「……」
ハンジ「どう?楽しかった?感動して涙でた?」
リヴァイ「……」
ハンジ「って寝てんなよ!!起きろよリヴァイおい!!!」
リヴァイ「……」
ハンジ「おーい!」
☆死亡フラグをたててみる
ハンジ「私明日の壁外調査から帰ってきたら、結婚するんだ…」
リヴァイ「そうかおめでとう」
ハンジ「明日の壁外調査から帰ったら、久々に一緒に飲みに行こうぜ」
リヴァイ「俺は今仕事中でお前の戯言に付き合ってる暇はねえんだが」
ハンジ「いまの死亡フラグっていうんだよ」
リヴァイ「ほう……じゃあ死ね」
ハンジ「ひどい!ひどくねえ!?本当に死んじゃったらどうすんの!?」
ハンジ「今の言葉が私に放った最後の言葉になるんだよ!いいの!?」
リヴァイ「どうせ殺しても死なねえだろテメエは」
ハンジ「そんなんわかんねーじゃん!じゃあ私がもし死んだらのこと想像して今泣いて!!」
リヴァイ「意味わからん」
リヴァイ「大体……なんでそんなに俺を泣かせたがる」
ハンジ「えーだってリヴァイがかわいそーだったから」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「悲しいのに泣けないってかわいそーじゃん?」
リヴァイ「俺がいつ悲しんだんだよ。メガネ拭いてやろうか、そこの雑巾で」
ハンジ「余計汚れるって」
ハンジ「仲間が目の前で食われる光景を見るって結構きついと思うんだけど」
リヴァイ「いきなり、なんだよ」
ハンジ「リヴァイだけ泣かないから」
リヴァイ「泣かねえよ」
ハンジ「ぶん殴ってでも泣かせようかなって」
リヴァイ「くだらんことを言うな」
リヴァイ「あいつらの遺志は俺の意志になるんだ。なにも悲しいこたぁねえ」
リヴァイ「俺に出来ることは泣くことじゃなく、死んでいった奴らのために前に進み続けることだけだ」
ハンジ「それでもリヴァイは泣くべきだと思うな」
リヴァイ「……いつか巨人を絶滅させたらそのときは泣いてやるよ」
ハンジ「そっか」
リヴァイ「寝ろ。明日も早い」
ハンジ「じゃあおやすみ!!!また明日!!!」
リヴァイ「うっせ」
☆死んでみる
ハンジ「……」
ハンジ「あっはは」
ハンジ「やっと泣いた」
ハンジ「ぷっ、ひどい顔だねリヴァイ」
リヴァイ「うるせえクソメガネ 泣いてねえよハゲ」
ハンジ「殺しても死なないって言われたけど、やっぱ私も人だったってことかねハッハッハ」
リヴァイ「もうしゃべんじゃねえ」
ハンジ「あー いってえ」
リヴァイ「もうすぐ人がいるところに着く。それまで耐えろ」
ハンジ「でもさ、めちゃくちゃ痛いんだけど」
リヴァイ「我慢しろ」
ハンジ「……」
ハンジ「あんだけ言っといて、今更なんだけど」
ハンジ「泣くなよ、リヴァイ」
リヴァイ「……泣けっつったり泣くなっつったり」
リヴァイ「どっちなんだバカ野郎」
ハンジ「はは」
ハンジ「ごめんね」
ハンジ「やっぱ、なんつーか、心臓に悪いわ」
ハンジ「……ごめん」
ハンジ「泣かせてごめんねリヴァイ」
☆
リヴァイ「起きろクソメガネ」
リヴァイ「なにしれっと寝てんだよ」
リヴァイ「てめー巨人の実験すんだろ」
リヴァイ「お前がいねえと俺の仕事も進まねえんだよ」
リヴァイ「さっさと書類あげやがれ」
リヴァイ「俺の言葉を無視して寝こけるとはいい度胸だな」
リヴァイ「おい」
リヴァイ「こら」
リヴァイ「……」
リヴァイ「……」
リヴァイ「……」
リヴァイ「起きろっつってんだろーが!!」
バシッ!
ハンジ「ってええええ!!!」
ガバッ
ハンジ「は!?リヴァイ!?なに!?」
リヴァイ「さっさと起きねえテメエが悪い」
ハンジ「てゆーかまだ私けが人なんだけど!なにすんだよ!?」
リヴァイ「もうほぼ完治してんだろ」
ハンジ「ひでえ!鬼かよ」
ハンジ「なんだよ。私が死にそうだったときに泣いてたくせに」
リヴァイ「どうせ今際の刻みに見た幻だろう」
ハンジ「ちっげーよちゃんとこの目に見届けたかんな!」
リヴァイ「言ってろ」
リヴァイ「先に行ってるからな」
ハンジ「人のこと殴り起こしといてあのふてぶてしい態度……」
ハンジ「さすがリヴァイだよ全く」
ハンジ「私も行くか」
ハンジ「リヴァイの泣き顔も見るという目標も達成できたし」
ハンジ「じゃー次は」
ハンジ「笑う顔を見てみようかな!」
ハンジ「こっちの方が難易度高そうだけど。まあ、いつの日かね」
ハンジ「いつかきっと」
☆生きのびてみる。
それまで、なんとしても。
おわり
短いけど
読んでくれた人ありがとう
このSSまとめへのコメント
いい話だった