飛鳥「十四歳と鍋」 (51)
蘭子「く……止めろ、飛鳥ぁ……」
飛鳥「残念だけど、キミじゃあボクには適わないよ」ジリジリ
蘭子「我が逆鱗に触れれば、煉獄に身を焦がす事に……!」
サワリ
蘭子「ひゃあっ!?」
飛鳥「…………」
蘭子「んあっ!、……」
蘭子「ぁうっ……止め、てぇっ……」
飛鳥「またまた残念。そんな顔で言われても、ただの起爆剤にしかならないよ」
蘭子「だれかぁ……」
飛鳥「さぁ大人しく───」
ガチャ バタン
光「何やってんだよ飛鳥ぁッ!!」///
飛鳥「くすぐり」
光「えっ?」
飛鳥「くすぐり」
光「あ、なんだ……」
晶葉「騙されるな、充分アウトだぞ」
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飛鳥「全く、そんなに慌てて……」
飛鳥「光は何を勘違いしていたんだい?」
光「いや!……その……」
飛鳥「いい加減ボク達も十四歳だし、興味があるのは自然なことだと言えないことも無いけれど」
光「な、何の話をしてるんだよっ!?」
晶葉「お前ら…今は話すことが違うだろう…」
蘭子「……………」プクー
晶葉「魔王殿がおかんむりだぞ」
飛鳥「あんまり恐くないけどね」
光「そんなこと言ってないで謝れよ……」
飛鳥「ごめんよ、蘭子……」
蘭子「……………」
蘭子「………ふんっ」プイッ
飛鳥「光ぅ……」
光「いやアタシに振られても……」
晶葉「ロボットのようにスイッチ一つとはいかないんだ、自分でどうにかするしかあるまい」
飛鳥「晶葉のロボットで……」
晶葉「お前にお灸を据えるのなら今すぐにでも可能だ」
飛鳥「…………」
飛鳥「アキえもん…」
晶葉「やれ、ロボ!」
『ま゛』
ゴシャア
飛鳥「ぐぇっ」
晶葉「……まだ改良の余地ありか…」
光「……そういう場合か?」
飛鳥「いい、…ボディだ…」
晶葉「馬鹿言え、私のロボは手加減も完璧だ」
飛鳥「えっ…結構痛」
晶葉「いいから謝ってこい」
飛鳥「さっきからボクの扱いがぞんざいすぎないかな……」
蘭子「……………」
飛鳥「……………」
飛鳥「どうすれば許してくれるかな……」
蘭子「……………」
蘭子「後ろ向いて」
飛鳥「蘭子?口調が…」
蘭子「いいから」
飛鳥「ひっ!?」
光「だんだん可哀想に見えてきたぞ…」
晶葉「いいんだ、あれで」
光「いいのかなぁ…」
飛鳥「…………」バクバクバクバク
蘭子「…………」ドドドドドドド
晶葉「さっき恐くないなんて言ってたのは誰だったか……」
光「言わないであげようよ……」
蘭子「……………」スッ…
ピト
飛鳥「ひゃうっ!?」
光(ひゃう?……)
晶葉(ひゃう……)
蘭子「…………」ツー……
飛鳥「あひゃあ!」
コチョコチョ
飛鳥「あひぃっ!、ひゃははっ!ひひひぃ!」
飛鳥「ふあぅっ、ひゃいあぁ!ははははっ!!」
飛鳥「や、やめっ!あ、ひゃひゃひゃひゃあ!!」
アヒィ、ヒャアウ!ヒィヒィ、ヒャヒャヒャヒャ!>
光「………おおう」
晶葉「私は蘭子の事を見くびっていたようだ」
飛鳥「はぁ──、はぁ───」
飛鳥「──てくに、しゃ、ん………」
ドサッ…
蘭子「当然の報いよっ!」
光「うわあ……」
晶葉「喜べ飛鳥、魔王殿には満足していただけたようだ」
飛鳥「……………」ピクッ ピクッ
蘭子「………飛鳥?」
光「だ、大丈夫か……?」
飛鳥「ぁ………」
晶葉「駄目だな……」
蘭子「ああっ、えとっ」アタフタ
晶葉「同じショックを与えれば……」
蘭子「ええい、彼の御霊を救いたまえー!」スッ
光「うわわっ!死んじゃう!死んじゃうから!」
飛鳥「ひどい目にあった」フゥ
蘭子「す、すまぬ、我が魔力を抑えきれず…」
光「女の子がして良い顔じゃなかったぞ」
晶葉「自業自得、因果応報、これに懲りたら止めることだな」
飛鳥「でもちょっとクセになりそう」
光「えっ…」
飛鳥「光も受けてみるかい?」
光「あ、アタシは騙されないぞ」
飛鳥「堕ちてみれば、気持ちの良いものだよ」
光「堕ちるってあんまり良い表現じゃないよな……」
蘭子「───して、飛鳥よ」
飛鳥「うん?なんだい?」
蘭子「我々は何故此処に召喚されたのだ?」
飛鳥「ああ、それはね………」
飛鳥「……何でだっけ」
晶葉「お前が呼んだんだろう…」
飛鳥「───ああ、そうだ、鍋。」
蘭子「鍋?」
飛鳥「皆で鍋を食べようと思って」
蘭子「ほう、なにやら惹かれる提案ね」
晶葉「しかし唐突だな」
飛鳥「物事の全てに理由があって、それらが納得いく物なら」
飛鳥「きっと世の中に理不尽や不条理という言葉は存在しないんだろう」
蘭子「其れもまた真理か……」
光「……………」
光「理不尽な鍋……」
晶葉「妙な語感だな」
晶葉「で、何鍋にするんだ?」
飛鳥「何にしようかな?」
光「決めてないのか」
蘭子「意味もなく、先も見えず……ただ歩み此処に至るか……」
晶葉「見切り発車に行き当たりばったり…」
飛鳥「流し流され生きるのさ」
光「ゴメン、かっこよくない」
蘭子「ふむ……凍てつく結界に干渉させてもらおう」
飛鳥「冷蔵庫だね、いいよ」
蘭子「いざ!大いなる我が名の下に、闇より出でよ!」
ガパ
飛鳥「一通りの調味料はあると思うんだけど…」
光「どんなのが作れそうだ?」
蘭子「…………」
蘭子「ぞ、俗事にはあまり触れなかったが故…」
晶葉「取り敢えず開けてみただけか」
光「な、何もしないよりはいいよな」
まともに料理しそうな魔王様がダメなんか……てかどれかのSRでなんかつくってなかったっけ?
なんか変な名前の料理作ってたね
ブリュンヒルデだかなんだか
飛鳥「特に候補があるわけでもなし、すき焼きでいいかな」
晶葉「作れるのか」
飛鳥「作れるよ」ドヤァ
晶葉(あ、うざい)
蘭子「我等の内自ら糧を得ることが可能なのは…」
光「料理?でいいんだよな…」
晶葉「…………」
光「…………」
蘭子「…………」
飛鳥「…………」
飛鳥「フッ………」
飛鳥「まあ?誰にでも出来ないことの一つや二つぐらいあるさ」
飛鳥「それは決して悪い事じゃあない」
飛鳥「ここはボクに任せておいていいよ、適材適所というだけの話さ」
飛鳥「ああ飲み物でも出しておこうか?そこでゆっくりしていたまえよ」
飛鳥「出来ないことを無理にやる必要は無いんだからねぇ?」
晶葉「…………」イラッ
晶葉「ええい、ロボ!そいつをどかせぇ!」
『ま゙』
飛鳥「うわあ!?」
晶葉「手順を間違えることさえ無ければ、やってできない事は無いぃ!!」
光「変なスイッチが入った!?」
蘭子「や、刃をその手にしたことは……」
晶葉「私は天才だぁ!」
光「根拠になってない!」
飛鳥「特に候補があるわけでもなし、すき焼きでいいかな」
晶葉「作れるのか」
飛鳥「作れるよ」ドヤァ
晶葉(あ、うざい)
蘭子「我等の内自ら糧を得ることが可能なのは…」
光「料理?でいいんだよな…」
晶葉「…………」
光「…………」
蘭子「…………」
飛鳥「…………」
飛鳥「フッ………」
飛鳥「まあ?誰にでも出来ないことの一つや二つぐらいあるさ」
飛鳥「それは決して悪い事じゃあない」
飛鳥「ここはボクに任せておいていいよ、適材適所というだけの話さ」
飛鳥「ああ飲み物でも出しておこうか?そこでゆっくりしていたまえよ」
飛鳥「出来ないことを無理にやる必要は無いんだからねぇ?」
晶葉「…………」イラッ
晶葉「ええい、ロボ!そいつをどかせぇ!」
『ま゙』
飛鳥「うわあ!?」
晶葉「手順を間違えることさえ無ければ、やってできない事は無いぃ!!」
光「変なスイッチが入った!?」
蘭子「や、刃をその手にしたことは……」
晶葉「私は天才だぁ!」
光「根拠になってない!」
飛鳥「特に候補があるわけでもなし、すき焼きでいいかな」
晶葉「作れるのか」
飛鳥「作れるよ」ドヤァ
晶葉(あ、うざい)
蘭子「我等の内自ら糧を得ることが可能なのは…」
光「料理?でいいんだよな…」
晶葉「…………」
光「…………」
蘭子「…………」
飛鳥「…………」
飛鳥「フッ………」
飛鳥「まあ?誰にでも出来ないことの一つや二つぐらいあるさ」
飛鳥「それは決して悪い事じゃあない」
飛鳥「ここはボクに任せておいていいよ、適材適所というだけの話さ」
飛鳥「ああ飲み物でも出しておこうか?そこでゆっくりしていたまえよ」
飛鳥「出来ないことを無理にやる必要は無いんだからねぇ?」
晶葉「…………」イラッ
晶葉「ええい、ロボ!そいつをどかせぇ!」
『ま゙』
飛鳥「うわあ!?」
晶葉「手順を間違えることさえ無ければ、やってできない事は無いぃ!!」
光「変なスイッチが入った!?」
蘭子「や、刃をその手にしたことは……」
晶葉「私は天才だぁ!」
光「根拠になってない!」
学校から帰った俺氏はハラキリの儀を執り行いつつ>>11から書き直すことを決意するのであった
蘭子「凍てつく結界に干渉しても良いか?」
飛鳥「冷蔵庫だね、いいよ」
蘭子「いざ、大いなる我が名の下にその闇を祓いたまえ!」
ガパ
飛鳥「一通りの調味料は揃ってると思うけど」
光「何が作れそうだ?」
蘭子「ふむ………」
蘭子「……………」
蘭子「わ、我が英知とこの結界にかかれば如何なる物であろうと…」
飛鳥「うん、ホントに一通り揃ってるから”何が”って聞かれても困ると思う」
晶葉「何も解決していないじゃないか…」
光「いっぱいあるもんなぁ、鍋料理」
飛鳥「”何を食べたいか”と聞いて”何でもいい”って言われたお母さんの心理に似ている」
晶葉「所謂女子力で私は蘭子に遅れをとる事になるな」
飛鳥「晶葉には縁が無さそうだけども」
晶葉「…何か鼻につく言い方だな」
光「女子力かぁ……」
蘭子「ひ、人の持つ波動は決して同質では無い……から」
光「気にしなくてもいいって?」
飛鳥「でも良かったよ、蘭子が料理できて」
蘭子「フハハ、造作もない事よ!……」
蘭子「え?」
光「ま、まるで自分が料理できないみたいな言い方……」
飛鳥「できないけど?」
晶葉「…………」
光「…………」
蘭子「…………」
晶葉「お前蘭子が料理出来なかったらどうするつもりだったんだ!?」
飛鳥「そ、そう難しい料理でもないかなって…」
晶葉「無計画もいい加減にしろぉ!」
蘭子「清き衣よ、我を邪気より護りたまえ!」
飛鳥「エプロン似合うなぁ」
光「何でだろうな?」
晶葉「イメージ、か?」
蘭子「ならば晶葉は白き……」
蘭子「……む、清き?ぁ、被っちゃうな……」
蘭子「じゃあ……探求者の……む!」
蘭子「探求者の証!」
晶葉「……ああ、白衣の事を言いたいのか」
光「何というか、難儀だなぁ……」
飛鳥「その点蘭子は頭の回転が早いのかもね」
晶葉「今、詰まったんだけどな」
蘭子「むぅ…未だ境地には至らずか……」
蘭子「如何なる時も証を纏っているのだな」
晶葉「まぁ、いちいち着直すのが面倒なだけだったりするが」
飛鳥「…白って便利なんだよね」
ファッション
蘭子「装具の話か?」
光「飛鳥って白いの着てた事あったっけ?」
飛鳥「全くって訳じゃないけど、…そうだね、暗い色の方が多いかな」
晶葉「前から思っていたんだが、飛鳥のファッションはどこか美玲に通じる所がある」
飛鳥「そうかな?結構違うと思うけど……」
光「……知らない人から見たら同じに見えるって、よくある事だよな」
蘭子「嘆かわしい事よ…」
晶葉「全くだ」
飛鳥「それぞれの個があると言うのにね」
飛鳥「ボク達の趣向って揃いも揃ってニッチな…」
晶葉「ええい、皆まで言うな」
蘭子「♪──…─♪─…」
トントントントン
晶葉「手慣れてるな」
飛鳥「鼻歌を歌う余裕さえあるね」
光「うーん、やっぱりできた方がいいよな」
飛鳥「レシピ通りやればなんとかなりそうな気もするけども」
光「でもそれだけじゃあ解決しない事もあるんじゃないか?」
晶葉「それこそあの包丁さばきとかか?」
飛鳥「そこは慣れかなぁ……」
光「蘭子も最初からああはいかなかったのかな?」
飛鳥「そりゃあそうだろうさ………」
晶葉「……刃物に戦々恐々したりしている図の想像が容易だ」
飛鳥「必要以上に顔を近付けたりしてそう」
光「好き勝手言い過ぎじゃないか…?」
光「晶葉は手先が器用だし、やってみたら意外とできちゃうんじゃないかな」
晶葉「包丁と工具は勝手が違うと思うのだが…」
飛鳥「ていうより料理を作るロボを作りそう」
晶葉「実際似たような事はしたぞ」
晶葉「あのときはチョコレートだったか」
光「チョコレートならアタシも……」
飛鳥「なんだ、できるんじゃないか」
光「チョコレートって溶かして固めるだけみたいな側面もあるからなぁ……」
飛鳥「まぁ、そんなものかな」
晶葉「一から作る訳にもいくまいよ」
グツグツグツグツ
飛鳥「うーん……」
光「どうしたんだ?」
飛鳥「火事とかならないよね」
光「…いい加減怒られるぞ?」
晶葉「私からすれば、お前が火を使うよりは安心していられる」
飛鳥「そんなにボクは頼り無いかい?」
晶葉「ああ、『取り敢えず強火でいいか』とか聞こえてきそうだ」
飛鳥「流石にそこまでは酷くないつもりなんだけどな…」
光「……でも、今の飛鳥は普段と比べて大分だらしないように見える」
飛鳥「だらしないだなんて、心外だね。オンとオフを使い分けているだけさ」
晶葉「言い訳にすらなってないぞ」
光「オンになると飛鳥語録が飛び出すのか…」ボソリ
飛鳥「…………」
飛鳥「光にそういう言葉を使われるとちょっと精神的にくるものがある」
光「あ、その、比奈さんとかがその表現を使ってるのを聞いてて…その…」
光「………ゴメン」
晶葉「何も悪いことは無いぞ」
飛鳥「まぁ、こっちも自覚があってやってるわけだし、ね?……」
蘭子「ぅんっ…」グイ
光「重くないか?手伝っても……」
蘭子「案ずるな…っ」
ゴト
蘭子「ふぅ…」
飛鳥「いやあ、助かったよ蘭子」
蘭子「フ、これぐらい、容易い事よ」
晶葉「本当にな……」
蘭子「時に、…飛鳥、晶葉」チョイチョイ
晶葉「なんだ?」ズリズリ
蘭子「…………」
コチョ
晶葉「やうっ!?」ビクッ
飛鳥「ひやぁっ!」ビクン
晶葉「な、何を…」
蘭子「…………」
蘭子「我にとって刃も焔も恐るるに足らずっ!」プイッ
晶葉「あ、ああ…」
光「聞かれてたんだな」
飛鳥「……………」
光「飛鳥?」
飛鳥「へっ?」
光「どうしたんだ?」
飛鳥「いや、何でもないよ?」
光「そうか…」
光「あ、火付けないと」
飛鳥「電気だから火じゃあないけどね」スッ
蘭子「あ待って!」
晶葉「ん?」
蘭子「……ごほん……待てい!」
光「冷めちゃうぞ?」
蘭子「なればこそよ!」
蘭子「焔よ!我が名において命ずる!」
蘭子「その紅蓮の力もて、蔓延る魔を祓い給え!」
ポチ
……グツグツグツグツ
晶葉「……徹底してるな」
飛鳥「だから火じゃないって」
光「そんな”水”を差すような事……」
晶葉「…………」
飛鳥「…………」
蘭子「……?」
蘭子「……あっ」
晶葉「……”火”だけにか?」
光「…うぅ……///」
蘭子「私は…」
飛鳥「ダメだ蘭子、下手に触れちゃ」ヒソ
光「す、すごくうまそうだな!鍋!」
晶葉「話題を逸らすにしても露骨が過ぎ……」
飛鳥「晶葉、キミはもうちょっと優しくなるべきだ」
晶葉「…まあ、光の言うことも事実だな」
蘭子「ふふん」フンス
飛鳥「いいおよめさんになるよ」モッチャモッチャ
蘭子「およ…花嫁……」ニヘラ
晶葉「二人してだらしないぞ」
飛鳥「…………」モグモグ
蘭子「…はっ」
光「蘭子がお嫁さんか…帰ってきたら『闇に飲まれよ』って言うのか?」
飛鳥「お疲れさまでした、だろう? ならおかえりが闇のまになるんじゃないかな」
蘭子「ならば、帰還を報せたるは『闇に飲まれた』に?」
晶葉「自分で疑問系になってどうする」
────……
───────…………
『闇に飲まれたー……』
蘭子『闇に飲まれよ!』
蘭子『贄を望むか?身を清めるか?』
蘭子『それとも………///』
────────………
─────……
光「……………」
晶葉「楽しい家庭になりそうだな」
光「…………」シャクシャク
飛鳥「……晶葉の料理はさ…」
晶葉「…ん………」ゴクン
晶葉「私か?」
飛鳥「きっちりレシピ通りになりそうだよね」
蘭子「………」シャクシャク
光「晶葉からしたら、設計図みたいなものか?」
晶葉「ふむ、そうなるか」
蘭子「やはり、その道を往く者の性か」
晶葉「おそらくは、だがな」
晶葉「レシピを光の言ったように扱うのならそうなるだろう」
飛鳥「えひひほいあへっほひへふ」ムグムグ
晶葉「先ず飲め込め」
光「先ず飲み込もう」
蘭子「言霊が伝わらぬ」
晶葉「まあ、私についてはわかった」
晶葉「光ならどうなる?」
光「アタシか?」
飛鳥「どうなんだろうね?」
蘭子「むむむ……」
光「そ、そんな考え込まなくてもさ」
晶葉「……私から切り出しておいてなんだが、別の話をしてもいいか?」
光「うん?」
晶葉「肉が全然減ってないんだが」
飛鳥「うーん、素晴らしきかな日本文化」
蘭子「謙虚なるか」
飛鳥「だって皆食べないんだもん」
晶葉「脂肪とかが気になるか?」
蘭子「………はっ!」
光「うーん、…アタシ達なら結構運動してるし、大丈夫じゃないかな」
飛鳥「じゃ、ボクはもう空気を読まないよ」ムグムグ
晶葉「だからって何枚も取るな」ヒョイ
光「ああ、あんま取りすぎないで…」ヒョイ
蘭子「…………」
蘭子「…………」シャクシャク
光「……蘭子?」
晶葉「気になるのか?」
蘭子「くぅ……我を蝕む暴食の化身が…」
光「職業柄敏感じゃないとなぁ」
蘭子「光には無縁ではないのか?」
光「へ?何で?」
飛鳥「増えてたと思ったら筋肉だったとかありうるよね」
光「…ああ、トレーニングは欠かしてないからな!」
晶葉「私達も人並み以上に動いてることには変わらんだろうがな」
飛鳥「光はそれに加えてだろう?」
蘭子「その躯のどこにそのような力が秘められて…」
飛鳥「…あっ」
晶葉「あ…」
蘭子「…え、何?」
晶葉「…………」チョィチョイ
光「………………」
光「悪かったなちっちゃくて」
蘭子「あ、ぁう、その……」
飛鳥「ボクが言おうとして言わなかった事を」
晶葉「思ったのか」
蘭「裁かれなければならぬ咎が……」
光「いや、いいんだ、事実だから…」
晶葉「ならそんな影のある顔をしないでくれ…」
光「ははっ、ヒーロー、失格かな」
蘭子「明けぬ夜は無いっ!」
飛鳥「そういえば」
飛鳥「小さい頃に筋肉が付きすぎると身長が伸びにくくなるって話が……」
光「ぇ………?」
光「なぁ…?…飛鳥…?」ガシッ
飛鳥「やめてくれ、そんな目でボクを見るのは」ココロガイタイ
蘭子「ばかぁ!何で言ったの!?」
晶葉「俗説、俗説だそんなの」
光「俗説……うん」
晶葉「そう簡単に影響するもんじゃない」
蘭子「暗黒を拓く光たれ!」
飛鳥「傷とは戒めさ、それがあればそこ前に進める」
晶葉「戒めるべきは別にいるがな…」
飛鳥「ま、またロボを出すのかい?」
蘭子「それに光よ!我等の魔力の高ぶりは未だ止まらず!」
光「うん、まだ成長期だからな!」
飛鳥「………うん」
晶葉「………そうだな」
光「?なんか歯切れが悪くないか?」
飛鳥「気のせいだよ」
晶葉(男子と違って女子の成長期はそろそろ終わるんだよな……)
飛鳥(でも、言わない方がいいんだ、よね)
蘭子「…この宴にも終わりが近付いてきたようね」
光「案外あっさり減るもんだね」
飛鳥「明日のお昼ご飯になることも心配していたけど、どうやら杞憂だったみたいだ」
晶葉「四人で食べるには足りなかったか?」
蘭子「……ところで、この混沌の泉は如何様にするのだ?」
飛鳥「〆のことかい?……それは……」
光「もちろん」
飛鳥「雑炊」
光「うどん」
飛鳥「………お?」
光「………ん?」
飛鳥「うどん………?」
光「雑炊だって……?」
………バチバチバチバチ
晶葉「ええい、食い意地の張ったやつらめ…」
飛鳥「……………」
光「……………」
飛鳥「さいしょは……!」
光「グー……!!」
ドドドドドドドド
蘭子「へあっ!?」
晶葉「なんだってこんな音が鳴るんだ…」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ
飛鳥「じゃん!」
光「けん!」
「「ぽい!!」
ピカッ!!
ドシャアアッ!!
飛鳥「………………」
光「………………」
パラパラ
飛鳥「が、……は……っ」ドサッ
光「正義は……勝つ…」
蘭子「……………」ポカーン
晶葉「理解してはいけないぞ」
飛鳥「まあ、そこまで固執しているわけでもないけど」ムクリ
蘭子「で、では一体……」
光「ノリと勢い、……?」
晶葉「ノリと勢いであんな擬音がでてたまるか」
飛鳥「ま、ボク達もアイドルのはしくれという事さ」
蘭子「ならば我にも…ぬぬぬぬ……!!」
晶葉「踏ん張るな、真に受けるな」
光「じゃあ、アタシはそろそろ帰るな」
飛鳥「え?」
蘭子「ほ?」
晶葉「ん?」
飛鳥「だって…え?、うどんは?」
光「え?…だから、ノリと勢いだって……」
飛鳥「あ、そう?…」
晶葉「ふん……じゃあ、私も帰るか」
晶葉「実は今日中に済ませておきたい事があってな」
蘭子「我も明日は光と闇の混じる混沌に身を委ねなければならぬ故……」
飛鳥「光と闇?……」
蘭子「明日早いの」
飛鳥「唐突に標準語使われるとびっくりするね」
光「そんな訳だから、また明日な!」
晶葉「邪魔したぞ」
蘭子「再び相まみえる日を!!」
ガチャリ
バタン
飛鳥「…………ふぅ」
飛鳥「…………」
鍋『クウカイ』
飛鳥「…………」
鍋『モッタイナイゼ』
飛鳥「………………」
飛鳥「腹を括る、かな」カチャ
後日
P「おお、飛鳥、お疲れ様」
飛鳥「…カ……ぁ……ッ」ヨレヨレ
P「どうした飛鳥、水無しで鳥取砂丘を横断したみたいになってるぞ」
飛鳥「ふふ、ちょっとオーバーだったかな…」
晶葉「例えが微妙過ぎるだろう」
P「まぁ、それは別として何か最近ストイックじゃないか?」
P「なんか理由があったり?」
飛鳥「…ま、まあいいじゃないか、何でもさ」
P「もしかして、ちょっと太っちゃったとか?」
飛鳥「……」ピクッ
晶葉「おま」
P「なんてな!HAHAHAHAHAHA☆…」
飛鳥「……ッ!、」ギロリ
P「ヒィ!?」
光「今のは無い…」ジト
P「光ぅ!?」
蘭子「最低」
P「オグえゥッ!!?」
P「今のは……かなり……」
晶葉「……助手…いや、P」
P「はひ……?」
晶葉「痛みというのは、戒めなんだそうだ」
P「へっ………」
ウィーン
ガション
おわり
>>1の投稿日時見たらちびった
これも全部スパロボがいけないんだ(責任転嫁
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