【スーパーダンガンロンパ】安価でキャラ作る6【安価進行】 (904)

注意書
・前作【ダンガンロンパ】安価でキャラ作る【安価進行】シリーズの続編。よって初見の人はそちらから読むこと推奨
・今回もオリキャラ出るので苦手な人はすいません
・当然展開次第でバッドエンドあり
・ネタバレあり

過去スレ
【スーパーダンガンロンパ】安価でキャラ作る【安価進行】
【スーパーダンガンロンパ】安価でキャラ作る【安価進行】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1390055397/)

【スーパーダンガンロンパ】安価でキャラ作る2【安価進行】
【スーパーダンガンロンパ】安価でキャラ作る2【安価進行】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1390463564/)

【スーパーダンガンロンパ】安価でキャラ作る3【安価進行】

【スーパーダンガンロンパ】安価でキャラ作る4【安価進行】
【スーパーダンガンロンパ】安価でキャラ作る4【安価進行】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1395663662/)

【スーパーダンガンロンパ】安価でキャラ作る5【安価進行】
【スーパーダンガンロンパ】安価でキャラ作る5【安価進行】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1396964244/)


前スレ貼れてなかったら女子が全員ヤンデレに

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1399545867

【超高校級の鍵師】夏目開人(ナツメカイト)男
集中力・7
交友力・6(+2)
スキル
状況判断能力→裁判パートのすべてのミニゲームで使用可能
集中力を1消費し、選択肢を絞る
お人好し→困ってる人は助けないと気が済まない質。他にも損な役回りをすることがあるかも
注目の発言力→とあるプリマドンナを見習った結果。裁判時の発言力プラス2
一途な心→自由行動時の新密度の上がり幅に補正あり
安らぎ→精神力二つ消費し、発言力一つ回復
疾走→ロジカルダイブ時有効。コンマ判定を大幅に減らし、さらにそのロジカルダイブ時のミスを一回に限り無かったことにする(常時発動型)

【超高校級の幸運】影山詩乃(カゲヤマシノ)女
集中力・6
交友力・0
スキル
不幸と幸運→不幸が訪れるとその後それに見合うだけの幸運が必ず訪れる
推理力→普通より高めの推理力。すべてのパートで集中力にプラスの補正値
ネガティブ思考→普通よりかなり後ろ向きな思考の持ち主? 親密度が上がりづらい

【超高校級の写真家】雪咲影撮(ユキサキエイト)男【Dead】
集中力・3
交友力・1
スキル
独自の拘り→写真にかける自分だけの拘りがある
アグレッシブ→気に入った光景の写真を撮るときは積極的

【超高校級の童話作家】五十隅陽毬(イスズミヒマリ)女 【Dead】
集中力・1
交友力・1
スキル
空想好き→職業柄空想が好きで、物事の順序を組み立てるのも得意
能天気→おっとり? 交友力に少しの補正値
前向きマジック→辛いときこそ前向きに行こうという自分なりのポリシー

【超高校級の声優】湯川ほのか(ユカワホノカ)女
集中力・9
交友力・4
スキル
生真面目→自分のやるべきことになると生真面目になる。場面によって集中力にさらなる補正値
萌えキャラ→職業柄かその声の癖が抜けずにいる。相手によっては交友力にマイナス補正値
天然→普段はどこかずれている発言をする場合も

【超高校級の獣医】兎呑巳弧(トノミミコ)女【Dead】
集中力・9
交友力・6
スキル
怪しい魅力→大人の色っぽさ? 怪しい魅力で人は集まりやすい
無口→あまり進んで喋りはしないけど、だからといってまったく話さないわけではない

【超高校級のマジシャン】ジョー・ホイットニー 男
集中力・1
交友力・7
スキル
器用な指先→手先はかなり器用
過剰演出→マジックやその他のときでも何かと過剰演出しがち

【超高校級のアイドル】最咲愛花(サイザキアイカ)女【Dead】
集中力・0
交友力・4
スキル
ヤンデレ→もはや言うまでもあるまい……
ライバル意識→仕事も恋もライバルがいればそれだけで燃えるタイプ
世話好き→甲斐甲斐しくも健気に世話を焼きます

【超高校級のパシティエ】甘露寺慶紀(カンロジケイキ)男 【Dead】
集中力・5
交友力・5
スキル
プライドの塊→パシティエとしてのプライドを汚されたと思うと親密度が減少する傾向に
容姿端麗→整った顔立ちと背丈で相手によって交友力に補正値

【超高校級の書道家】筆原鈴莉(フデハラスズリ)女
集中力・5
交友力・8
スキル
抜群の集中力→場面により集中力に補正値
努力家→どんな状況でも努力をすることを怠らない

【超高校級のランナー】足立千里(アダチセンリ)男
集中力・5
交友力・5
スキル
俊足→常人より足が速く、体力もある
さわやか→スポーツマン特有のさわやかさの持ち主。一部を除いた全員に交友力でプラスの補正値

【超高校級の狙撃手】砂射才斗(スナイサイト)男【Dead】
集中力・6
交友力・9
スキル
鷹目→暗闇の中でも比較的遠くまで見える。ただしその時々で目が慣れるまでのラグあり
自信家→自分の才能にかなりの自信がある

【超高校級のデザイナー】姶良雪華(アイラユキカ)女 【Dead】
集中力・6
交友力・6
スキル
美的好奇心→職業柄か美に対しては厳しく、新たな美を求める傾向にもある
突然の閃き→全パートにて時々的を射抜くようなことを言う

【超高校級の棋士】棋儀歩(キギアユム)男 【Dead】
集中力・6
交友力・6
スキル
名手の采配→各人の役割を分担する際に適材適所に置くことができる
直感→土壇場での感は冴えてる方

【超高校級の拳法家】正道健一(セイドウケンイチ)男【Dead】
集中力・7
交友力・8
スキル
戦闘狂→とにかくバトルが大好き。常日頃戦いを求めてる?
正義の拳→この拳は弱者を守るため、というのがポリシー

【超高校級の論理学者】言乃木揺(コトノキユラメ)女
集中力・6
交友力・3
スキル
言葉攻め→言葉で相手を追い詰めるのを好む。そこに愉悦を感じるのかも
疑いの心→人嫌い、とまではいかないがまず他人を疑うところから物事を始める傾向にある

☆ 各キャラ身長体重モデルキャラ ☆
夏目開人
身長177cm
体重65kg
モデルキャラ SAOキリト

足立千里
身長181cm
体重67kg
モデルキャラ クラナド岡崎

ジョー・ホイットニー
身長174cm
体重66kg
モデルキャラ 初代遊戯王城之内

正道健一
身長173cm
体重62kg
モデルキャラ テイルズオブジアビス ガイ

甘露寺慶喜
身長184cm
体重67kg
モデルキャラ あの花ゆきあつ

棋儀歩
身長 181cm
体重 66kg
モデルキャラ 未定

砂射才斗
身長 179cm
体重 67kg
モデルキャラ fate/zero 切嗣

雪咲影撮
身長 178cm
体重 65kg
モデルキャラ コープス森繁

影山詩乃
身長166cm
体重51kg
バスト83cm
ウエスト57cm
ヒップ85cm
モデルキャラ SAO朝田詩乃

言乃木揺
身長170cm
体重52kg
バスト78cm
ウエスト61cm
ヒップ82cm
モデルキャラ ココロコネクト稲葉

筆原鈴莉
身長163cm
体重47kg
バスト84cm
ウエスト58cm
ヒップ85cm
モデルキャラ 化物語羽川翼

湯川ほのか
身長162cm
体重48kg
バスト86cm
ウエスト59cm
ヒップ85cm
モデルキャラ 化物語千石撫子

兎呑巳孤
身長173cm
体重53kg
バスト92cm
ウエスト59cm
ヒップ88cm
モデルキャラ 俺ガイル平塚先生

最咲愛花
身長165cm
体重47kg
バスト85cm
ウエスト57cm
ヒップ84cm
モデルキャラ 未来日記我妻由乃

姶良雪華
身長167cm
体重49kg
バスト87cm
ウエスト57cm
ヒップ86cm
モデルキャラ 未定

五十隅陽毬
身長157cm
体重47kg
バスト81cm
ウエスト56cm
ヒップ83cm
モデルキャラ リトバス小毬

さて、なんだかんだで恐縮ですが21時頃始めます

他と更新被るといろいろ心配なんだよな……まあええけど

少し早いけど始める



【AM11時頃 4番目の島】

足立「夏目君!」

あれから何かに取りつかれたかのように島中を走り回っていた俺達。
俺は再び4番目の島を担当していたのだが、そんな中5番目の島を担当していた足立が俺のところにやってきた。

夏目「足立……!」

足立「見つけたぞ! 5番目の島、そこにあるヌイグルミ工場に爆弾があった!」

ヌイグルミ工場っていうと……あそこか!

足立「君で最後だ! 早く行くぞ!」

夏目「ああ……って、おい足立その足……!?」

最初は気付かなかったが、よく見ると足立の右足が赤黒く染まっていた。
影山から受けた拷問の跡、なのだろうか……?

足立「……影山さんから受けた傷が予想以上に酷くてな。一応みんなと会う前に自分で応急手当はしておいたんだが……走り回って傷が広がってきたらしい」

夏目「……くそっ!」

足立「だが今はそんなことを気にしている場合じゃない。早くヌイグルミ工場に行くぞ!」

急かす足立に従い、俺達は5番目の島にあるヌイグルミ工場へと向かうのだった。


□■□■□


【ヌイグルミ工場】

ジョー「おい! ようやく来たのか!!」

言乃木「まったく……っていうか、足立! アンタ足から血が……!!」

足立「夏目君に続いて言乃木さんまでそれを気にするのかい? 今はそんなことを気にしている場合じゃないだろう!?」

言いながらも足立の右足からは確実に血が滴り落ちている。
素人の応急手当じゃあ限界があったんだろう。

筆原「足立さん……」

足立「筆原さんも今はいいから! それよりも早く爆弾をなんとかしないと!!」

湯川「……わかりました。それじゃあ開けますよ」

足立の意志を汲んだのか、湯川がそうしてゆっくりと扉を開ける。
そこにあったのは――トラックに積まれた大量の爆弾だった。

ジョー「おいおいおいおいおい……」

ジョー「なんだよこれは!?」

言乃木「これはまたふざけた量の爆弾だね……島を吹き飛ばせるのかどうかは疑問だが、これをそのまま放置してもいられない……!」

筆原「ど、どうやってこれを解除すればいいんですか!?」

ジョー「んなもん爆弾に詳しい人間でもいねぇとわかるわけねぇだろうが!!」

湯川「映画とかでよくある、配線を切断する方法……とかはダメなんですか?」

ジョー「そんなありきたりなパターンで解決したら世話ねぇよ!!」

言乃木「なら、どうする!? トラックを運転して海にでも捨てるか!?」

足立「それも無理だ……タイヤにチェーンが巻きついてて運転どころじゃあない」

夏目「なんだよそれ! つまるところ、八方ふさがりってことじゃないか!」

解除も不可。持ち運びも不可となればもう俺達に打つ手はない。
くそっ……結局影山の言うとおり裏切り者が出てこない限り俺達はまとめて死ぬ運命なのかよ!?

そうして俺達の中に重苦しい空気がのしかかってくる――そのときだった。


ザザザザザ……


ジョー「あ? なんだこの音……?」

ふと、何かの機械音がする。

湯川「見てください、これ……パソコンじゃないですか?」

筆原「ほ、本当ですね……!」

足立「これ……初日に調べたときは無かったよな?」

言乃木「すると……影山の用意した物か!?」

全員がそうやって驚いていると、そのパソコンに影山の顔が浮かび上がった。


影山『みなさん、どうも。やっぱりみなさんならここまで来れると思ってましたよ』

言乃木「影山ァ……!!」

湯川「言乃木さん、少し落ち着いて……」

影山『さてと。時間も無いですし単刀直入に言いますね』

影山『その爆弾を解除するには決められた配線を切断するしかないんですが……その配線がある部分の蓋は溶接させてもらいました。夏目さんでも開けることは不可能でしょう』

影山『それじゃあどうやって解除するのか、という話ですが。難しいことじゃあありません。その爆弾が積まれたトラックの横にカードリーダーがありますよね?』

見ると確かにそのような機械があった。

影山『それに“裏切り者の電子生徒手帳をかざす”ことでその爆弾は初めて解除されるんです』

足立「裏切り者の電子生徒手帳って……」

言乃木「影山も裏切り者の正体はわからないんじゃなかったのかい!?」

影山『実は、今日までのみなさんの行動を見ていて誰が裏切り者なのかわかってしまったんですよ』

影山『でも、このままじゃあ私たちが負けたみたいで嫌ですので……なので、こういう手段を取らせてもらいました』

何が私たち、だ……! あくまで俺達と自分を一緒くたにするつもりか!!

影山『さて、どうしますか裏切り者さん? このままだとアナタすら海の藻屑となりますよ?』

影山『正午まであと1時間くらいですか……一応そのトラックのガソリンが切れたらドカンですので、よくよく考えてくださいね』


最後にそう言い残してパソコンの電源は落ちるのだった。

ジョー「あの野郎……! 結局裏切り者が出てこないと爆弾が解除できない仕組みにしてるのかよ!!」

筆原「ど、どうします? 裏切り者の生徒手帳なんて言われても……」

言乃木「くそっ……!」

ジョー「だーっ! いつまでもこうしててもキリがねぇぞ!!」

するともうやけ気味になったジョーがそう叫びつつ、生徒手帳を手にカードリーダーに向かう。

夏目「お、おい……!」

だが俺が止める前にジョーは生徒手帳をカードリーダーにかざし――


ブーッッッ!!


ジョー「ダメだったみたいだな……クソっ!」

言乃木「このアホ! もし裏切り者の生徒手帳以外で爆発する仕掛けだったらどうするんだい!?」

ジョー「うっせ! だからってこのまま爆弾が爆発するまで黙って見てろって……の……」

ジョー「かあああああっっっ!?」

湯川「こ、今度はなんですか!?」

奇声をあげるジョーに湯川が驚く。

ジョー「……さっき、このガソリンが尽きたら爆発するみたいなこと言ってたよな?」

夏目「ああ……一応、正午にはまだ時間があるけど……」

ジョー「のわりにはもうガソリン無くなりかけてんぞ!?」

なっ……!?

足立「すると……影山さんの計算違いってことか!?」

筆原「な、なんですかそれ!?」

言乃木「アタシらを罠にかけるくらいならもっと上手くやってくれよな……!」

ジョー「こ、こうなったら……もう神様に祈るしかねぇよ……!!」

夏目「……マジで?」

言乃木「だったらせめて少しでも遠くにまで逃げ――」

直後、俺達の視界が真っ白になった。

その閃光に視界が眩み、やがてクリアになる視界……その向こう側には、パチパチと火花を出す爆弾が。

筆原「あ、あれ……?」

言乃木「もしかしてこれって……花火とかかい?」

ジョー「な、ななな…」

ジョー「なんじゃそりゃあああああっっっ!?」

湯川「完全にしてやられましたね……」

その驚愕の展開に俺達が驚いていると、先ほどのパソコンが起動して再びビデオメッセージが再生された。



影山『うふふ……どうですか? 驚いてくれました?』

影山『みなさんよっぽど私を信頼してくれていたんですね……でも、島を吹き飛ばすほどの爆弾なんてあるわけがないし、あったとしても私のような凡人には到底扱いきれませんよ……』

言乃木「全部ハッタリってことかい……!!」

影山『ふふ……おそらく画面の向こうのみなさんはさぞかし良いリアクションをしてくれたことでしょう。この目で見ることができないのが残念です……』

影山『私は隣の倉庫にいますから、すいませんが全員ご足労お願いできますか? たぶん裏切り者も名乗り出てくれなかったでしょうし……私としてもこの結果はとても残念です』

影山『それに、みなさんもいろいろ私に話したいことがあるでしょう?』


そうして再び電源を落とすパソコン。

それを見ていたジョーはわなわなと震え――やがて顔を上げた。

ジョー「全部ハッタリだったのかあんのクソ女ァァァ!」

ジョー「もう上等だ! 隣の倉庫だったな! こうなったら言いたいこと全部ぶちまけてやる!」

夏目「お、おい!!」

言乃木「さすがにこればっかりは擁護できないねぇ……!」

筆原「私も……これには我慢の限界です!」

足立「2人とも! ちょっと待つんだ!」

言乃木・筆原もジョーに続くようにして隣の倉庫に向かう。
それを足立が追いかける。

湯川「こ、これはちょっとまずいですね……」

夏目「ちょっとどころじゃない! 早く俺達も行かないと!!」


□■□■□


そうして慌てて外に出る俺と湯川。
倉庫の前ではジョー達が何故か立ち往生していた。

夏目「な、何してるんだ?」

ジョー「この倉庫の扉! なんか知らんけど全然開かないんだよ!」

言乃木「内側から鍵がかけられてるのか……それとも、何かがつっかかって開かないのか……」

足立「だから全員でぶち破ろうとしてたんだ! 2人も手伝ってくれ!」

コイツ……なんだかんだで乗り気になってるじゃないか……

湯川「まあ、そういうことなら仕方ないですね……」

筆原「じゃあ2人も並んでください!」

この中に影山がいるのなら、とにかくこの扉を開けないと話にならない。
なので俺と湯川も言われるがままに扉の前に立った。

足立「じゃあ行くぞ! せー……のっ!」


ドンっ!


足立「いっ……!?」

筆原「足立さん!?」

全員で体当たりをして扉を破ろうとすると、扉がびくともしない代わりに足立が小さく唸った。

ジョー「お前……大丈夫なのかよ!?」

足立「大丈夫だ……!」

夏目「でもお前、足が……!!」

見ると、足立の右足はもう尋常じゃないほどに赤く染まっていた。小刻みに震えてさえいる。

筆原「っ……!!」

足立「筆原さん、言ったよな。変な気だけは起こさないでくれって……」

足立「俺は自分の選手生命が絶たれるよりも、筆原さんが取り返しのつかないことをする方が嫌だ」

言乃木「……ははっ、こいつは最高に良いセリフが出てきたね」

湯川「足立さん……」

夏目「次で決めるぞ……!」

ジョー「っしゃあ!」

筆原「……はいっ!」


「「せー……のっ!!」」


バァァァンッッッ!!


よし……開いた!

足立「がっ……!?」

筆原「足立さん!!」

それと同時に膝から崩れ落ちそうになる足立を筆原が素早く支える。

1よ前スレに支援絵きてるぞ

言乃木「なあ……この倉庫、薄暗くないかい? それに、なんというか……変な音楽までかかってる」

ジョー「ああ。なんだこれ、影山の趣味か? 辛気臭い音楽だけどよ……」

湯川「とにかく……中に入ってみましょう。影山さんがいるはずです」

その言葉に従い、俺達はゆっくりと足を進める。

ジョー「つーかうるせぇなこの音楽! 大音量すぎるだろ!!」

言乃木「というか、そもそもこんな音楽をかけてどうするつもりなんだろうね……」

足立「……いないな」

湯川「あっ……見てください、奥のカーテンの向こう側にまだスペースがあるみたいですよ」

確かに、言われてみるとそのようだった。
ということはあそこに影山がいるのか……?

ジョー「あそこだな……!」

夏目「おい、ジョー!?」

怒りを露わにしたジョーがずんずん進んでそのカーテンを開ける。

そこにはあったものは――絶望だった。
狂気に満ちた、
悪意に満ちた、
そんな――絶望だった。


カーテンの向こう側。そこにいたのは――
両手両足を拘束され、
さらに全身からおびただしいほどの血を流し、
ぐったりと全身から力を抜いている――“超高校級の幸運”影山詩乃だった。


Chapter5 すべては1つになりて(非)日常編 完


生き残りメンバー
7人→6人

――To Be Continued

>>24
うん、投下途中に気づきました


というわけでジョーの支援絵ありがとうございます! しかも2パターン……しかもイケメン!

前スレ>>1000確認

足立と筆原のアイランドのエンディングか……暇あれば書いておくよ

ってわけでここまでで
物語も佳境に入ってます。どうぞ最後までお付き合いくださいませ

あとジョーの支援絵をくださった方には重ね重ねお礼を言わせてください。ありがとうございました、ありがとうございました
すっかりモチベーションもうなぎ登りですわ(単純)
支援絵貰えたときほどオリロンパやってて「うっひょう!」と思ったことはありません……

ここももうすぐ終わるし、綴さんが終わったらどうしようか……

とりあえず乙でした
何かあったらどうぞです


支援絵は夏目がドット絵を含めた二枚で影山、ジョーが一枚ずつだったかな
綴スレが終わるのはだいぶ先だろうしゆっくり考えたらいいよ

>>34
ですね。しかも夏目と影山は開始直後に来たという快挙です

今日ものんびりと始めます
19時頃かな? よろしくお願いします

遅れましたがそろそろ始まるんです



Chapter5 すべては1つになりて 非日常編


……影山が、死んだ。
それはこの凄惨な光景を目の当たりにしないと信じられない事柄だろう。
おそらく影山も同じ気持ちだったはずだ。この悲痛な顔がそれを物語っている。

筆原「……え?」

ジョー「うわああああっっっ!?」

言乃木「な、なんだこれは……!?」

足立「あの、影山さんが……!?」

湯川「そんなっ……!!」

全員の悲鳴が木霊する中、聞きたくもなかったあの声が聞こえてきた。


ピンポンパンポーン!


モノクマ『死体が発見されました!』

モノクマ『一定の捜査時間の後、学級裁判を開きまーす!!』


なっ……!? 今のって……!!

言乃木「死体発見アナウンス……!?」

ジョー「ってことは……ただ死んでるわけじゃねぇんだな……!?」

ジョー「この中の誰かに影山は殺されたんだな!?」

筆原「そんなのっ……!」

俺達の中に影山を殺した人間がいる?
こんな、残虐な手口で?

夏目「そんなのありえるかよ!」

ジョー「だったら何で影山が死んでるんだよ! 何で“死体発見アナウンス”が流れるんだよ!?」

ジョー「つまりそういうことなんだろ!? オレらの誰かが影山をぶっ殺したってことじゃねーか!」

確かに今までのルールからして、それはそうなのかもしれない。
でも、信じられなかった。

被害者があの影山だから?
その手口がこんな残虐だから?

モノクマ「うっひゃあ! また始まったんすねコロシアイが!」

足立「出たな……!」

モノクマ「始まったからにはやるしかないよね! 捜査を! 裁判を!」

モノクマ「てなわけで毎度おなじみのー……」

モノミ「やいやい! 待つでちゅよ!!」

そこにモノクマに加えてモノミまでもが乱入してくる。

モノクマ「あーもう! なんだよせっかくいい感じにモノクマファイルを出そうとしていたのに!」

モノミ「うるさいでちゅ! あちしはもう怒りまちたよ!」

モノミ「あんたはいつまでこんなことをするつもりなんでちゅか! あんたの目的はなんなんでちゅか!!」

モノクマ「はぁ……モノミちゃんはそればっかりだなぁ」

モノクマ「それなら、自分のことくらいいい加減話してあげたら?」

モノミ「ほえっ?」

モノクマ「みんなをここに閉じ込めた理由をだよ! みんなだって知りたがってるはずだけどなぁ!」

筆原「もうやめてください!」

モノクマとモノミの言い争いに割って入るのは、筆原だった。

ジョー「ちっ……いいよやりゃあいいんだろ! 今度こそこれで最後だ! 全部終わらせてやんよ!!」

モノクマ「お、いいねジョークン! モノミちゃんと違って素直だね!」

言乃木「黙ってな。これ一回で本当に終わらせてやるから……」

湯川「止められなかった私たちも悪いんですし、ね……」

モノミ「みなさん……」

モノクマ「あーあ……何? みんなもう修学旅行に飽きちゃった感じ?」

モノクマ「でも安心してよ! もう終わりは近いからさ!!」

……は?

夏目「終わりって……」

モノクマ「ん? どったの? オマエラだってそろそろ気づいてるはずだよね?」

モノクマ「ジャバウォック公園にあるあのモノクマタイマーに何の意味があるかはさ」

モノクマ「あと期間は2日だったかな?」

夏目「その2日が経過したら……俺達はどうなるんだ?」

モノクマ「ん? コロシアイ修学旅行が終了するだけだよ?」

終了って……!!

筆原「か、帰れるってことですか!?」

モノクマ「ま、そうだね! でもやることきっちりやらないと帰れるも何もあったものじゃないけど!」

モノクマ「てなわけで今度こそ……モノクマファイル~!!」

モノクマ「じゃ、さいなら――と言いたいところだけど足立クン! その足の傷いい加減きちんと治療しないと切断することになるよ?」

足立「っ……!?」

モノミ「ひゃあっ!? 足立君その足どうしたんでちゅか!?」

モノクマ「仕方ないなぁ……こんなことで死人が出ても困るし、特別に“殺人ドクター”の異名を持つボクが治療してあげるよ!」

モノミ「殺してるじゃないでちゅか!!」

筆原「ま、待ってください! そんな……足立さんをそんなところに預けるなんて……!」

モノクマ「でもこのまま放置してたら本当にそのままバッサリ切断しないといけなくなるよ?」

モノクマ「下手したら右足だけ義足になる、なんてことにもなりかねないよね!!」

筆原「ううっ……!?」

足立「っ……わかった。モノクマ、頼む」

夏目「お、おい!?」

何を思ったのか、足立がそうして筆原から離れる。

言乃木「本気かい!? モノクマの言うことなんか信用できるわけが……!」

足立「それでも、このまま放置していたら本当に右足を切るはめになる」

足立「ここまで生きてきたのに……俺だけ義足なんて嫌だからな。最後まで自分の足で、君たちと一緒にいたいんだ」

足立「そのためなら……少しでも多い可能性にかけるさ」

モノクマ「ジーン……ボク、感動しちまったよ……」

モノクマ「オーケー任せな! なんとか裁判前には治してみせるよ!」

その言葉と共にどこからともなく救急車のサイレンらしきものが聞こえてきて――それに足立は搬送されていった。

モノミ「ま、待ちなさーい!!」

慌ててモノミも追いかけ、残るは俺達だけ。

数分後、そこには目からコーラを垂れ流すアダッチーの姿が…

ジョー「え、ええっと……とりあえず、足立に関しては問題ないのか?」

筆原「足立さん……」

湯川「……筆原さん、気持ちはわかりますが今は我慢してください。一応モノミも付いていくみたいですし……」

言乃木「ああ。むしろ足立の分までアタシらがなんとか捜査を進めておかないと」

ジョー「おうよ! それで全員きっちり――」

そこでジョーが言葉を切る。

夏目「? どうしたんだよ?」

ジョー「いや、だって……全員きっちり揃って帰るのって無理だなって……」

言乃木「……この中に影山を殺した人間がいるんだから、ね」

本当に、この中に影山を殺した人間がいるのか?
俺にはそうは思えなかった。いや、思いたくなかった。

こんなにも残虐な手口だから?
被害者があの影山だから?

違う。もっと、何か大きな違和感がある――


【Info】
コトダマ【モノクマファイル6】ゲット!
被害者は影山詩乃。死体発見場所はグッズ倉庫。
死亡時刻はほぼ正午だと思われる。
両手両足を手錠で拘束され、両腕には刺し傷。両ふとももには切り傷があった。
発見直後の体制は椅子に座らされる形になっていて、その他胸元にはナイフが突き立てられており頭部にも打撃痕があった。

>>54
足立「こうして生きてるだけ、マシだろう?」
こうですかわかりません……


一応捜査前まで進んだ。コトダマも必要部分は揃えた(ただし少なすぎワロタ)。

進めてもよかったら進めてみる

進めればおのずと人は来ると偉い人は言っていたので始める


――捜査開始!

さて、まずは現場の調査からだが……


↓2
1倉庫手前を調べる
2倉庫奥を調べる

行動力25

湯川「ううん……」

夏目「湯川、お前もこっちの捜査からか?」

入り口付近で唸っていた湯川に声をかける。

湯川「あ、はい。……影山さんの死体は、すいませんが後回しというか……」

夏目「……まあ、今までで一番強烈だからな」

胸元にナイフが刺さり、両腕と両足に無数の傷。
……さらに頭部に打撃痕があるとなれば、女子の湯川が怖がるのも無理はない。

さて、俺はこっちの方のどこを調べるか?


↓2
1倉庫の扉
2乱雑に置かれたモノクマパネル
3隅に置いてある何かの機械

行動力25

まず気になったのは他でもない、倉庫の扉だ。
俺達がここに入る前、扉は開けることが難しく全員で体当たりしてようやく開けたというところだったのだが……

夏目「これは……」

まず、扉の下に破かれたロープが落ちていた。
触ってよく確認すると、破かれた他にわずかに焦げている跡もある。

夏目「なんでこんなものが……」

続いてドアノブを調べると、そこにも怪しい痕が。
何かで擦ったような、そんな痕があるが――ん?

夏目「これ……ガム?」

扉の鍵穴、そこにガムのようなものが詰め込まれていた。

……何のために?


【Info】
コトダマ【ボロボロのロープ】ゲット!
倉庫入り口のところに落ちていた。よく見ると焦げた跡も見てとれる。

コトダマ【鍵穴】ゲット!
倉庫の入り口の鍵穴にはガムが詰められていて、細工を施すことは無理のようだ

コトダマ【擦れたドアノブ】ゲット!
倉庫入り口のドアノブは何かで擦ったような痕があった。


↓2
1乱雑に置かれたモノクマパネル
2隅に置かれた何かの機械
3倉庫奥へ

行動力24

湯川「あの、この床に散乱してるモノクマパネルですけど……」

夏目「ああ。俺達が初めてここを見たときはこんな風に散らかってなかったよな?」

湯川「はい、そのはずです」

すると、このモノクマパネルはそれ以降でこんなにも散乱しているってことになるが……

これはどうだ? 何かに関係しているか?


【Info】
コトダマ【散乱したモノクマパネル】ゲット!
倉庫床に散らかっていたモノクマパネル。夏目と湯川が初めて確認したときはこんなにも散らかってはいなかった


↓2
1隅に置いてある何かの機械
2倉庫奥へ

行動力23

そういえばここに入ったときに大音量で流れてた音楽って……

夏目「これか」

隅に置かれた機械――MP3プレイヤーに視線を送る。
今は言乃木かジョーあたりが音楽を止めたらいく、何も流れてはいなかった。

湯川「これ……たぶん、影山さんが用意したものですよね?」

夏目「だろうな……でも、何のために?」

現場にあんな音楽を流して何がしたかったのか……?


【Info】
コトダマ【MP3プレイヤー】ゲット!
事件発生時、かなりの音量で音楽を流していた。

倉庫奥へと移動します……

そうして倉庫手前を一通り調べ終えた俺は、次に奥の方にやってきた。

ジョー「……」

言乃木「……」

筆原「……」

今までの事件より凄惨な状況になっている影山の死体を前に3人が固まっていた。

俺だってこんな状態の人間を前にして、怖い。怖いけど……やるしかないんだ!


↓2
1影山の死体
2死体周辺
3死体背後の棚

行動力22

影山の死体……やっぱり、まずはここを重点的に調べないとな。

夏目「……くそっ!」

結局影山が何を知ったのか。俺をあそこまで“希望”と言っていた理由は何なのか。
それすらまだ聞いてないのに……なんで死んでるんだよ……!?


↓2
1影山の顔
2影山の手
3影山の胸
4影山の足
5影山のスカート

行動力22

まず、俺は影山の顔をじっと見ていく。

夏目「……ふむ」

頭部の打撃痕については問題ない。モノクマファイルに書いてあったからな。
それより、口に貼られているガムテープが気になる。これは……

ジョー「やっぱよ、これって拷問するときに貼ったんかね……」

夏目「拷問?」

ジョー「ああ。だってよ、そうでもないとわざわざ口にガムテープを張る意味がわかんねぇよ」

確かにそうかもしれないが……それなら本当に拷問が目的なのか?

夏目「……悪い」

小さくそう言って俺は影山の口に貼られたガムテープを一旦取ってやる。

――そこだけなぜか普通に綺麗だった。


【Info】
コトダマ【ガムテープ】ゲット!
影山の口元に貼られていたガムテープ。その個所だけは血が付いていなかった


↓2
1影山の手
2影山の足
3影山の胸
4影山のスカート

行動力21

次に俺は影山の手を調べていく。

言乃木「こりゃ酷いね……文字通りズタズタだよ」

夏目「ああ……」

影山の手――というより両腕はナイフで切り刻まれたようにボロボロになっていた。
よほど犯人は影山を憎んでいたのか……いや、規模を問わなければ俺達全員、あの場は影山に敵意を抱いていたはずだ。

だからって、ここまでしていいことにはならないが。

言乃木「しかもご丁寧に両手首は手錠で拘束してある。これじゃあ抵抗すらできないね」

さらに手首は手錠で固定。確かにこれじゃあ抵抗すらままならない。
文字通り入念なやり方……こんなことをした人間が俺達の中にいるのか?


【Info】
コトダマ【手錠】ゲット!
影山の両手を拘束していた手錠。鍵穴に鍵を入れて回せばロックされる仕組みらしい。


↓2
1影山の胸
2影山の足
3影山のスカート

行動力20

夏目「うわっ……!!」

思わず目を覆いたくなるほどの状況に俺は言葉を失う。
影山の両足も、おびただしいほどの血が流れていた。足立の比ではない。

筆原「うう……酷い有様です……」

夏目「ああ……くそっ! なんでここまでする必要があるんだよ……!」

確かに影山は散々いろいろなことをしてきた。
でも、ここまでする必要はないんじゃ……!?

そう思いつつ確認を続けると、どうやら足首の方も手錠で固定されていた。
ただしこっちは足首同士ではなく座らされている椅子の足部分とつながっているみたいだ。


【Info】
コトダマ【影山の足】ゲット!
影山の足は椅子の足部分とそれぞれ繋がっていた。右足は右足と、左足は左足とといった具合に。


↓2
1影山の胸
2影山のスカート

行動力19

この胸に刺さってるナイフ……気になるな。

言乃木「……これ、軍事施設にあったナイフじゃないかい?」

夏目「確かに、言われてみればアーミーナイフって感じだが……」

言乃木「間違いないよ。アタシと筆原が軍事施設を調べたときに確かに確認している」

言乃木「さすがに他の奴らがこのことを知っているかはわからないが……」

だが、そうなるとやはりこのナイフは軍事施設にあったものというわけか。


【Info】
コトダマ【アーミーナイフ】ゲット!
軍事施設にあったナイフ。言乃木と筆原が以前確認しているので間違いは無い。

コトダマ【影山の死体状況】ゲット!
頭部に打撃痕。両手両足に無数の傷痕がある他、両手足首は手錠で拘束されていた。
さらに口元にはガムテープが貼られていたが……


↓2
1影山のスカート
2死体から離れる

行動力18

もう気になるところはないかと思っていると、不意に湯川が影山の前に座り込むのを見つけた。

夏目「……? おい、湯川――」

湯川「失礼します」

小さくそう言うと、湯川はなんと影山のスカートの中に手を入れだした。

夏目「!?」

そのなんとも形容しがたい妙な光景に俺が戸惑っていると、湯川はすっとスカートから手を出した。
その手の中には――鍵?

湯川「やっぱり……」

夏目「おい、それは……?」

湯川「おそらく手錠の鍵でしょう。スカートの中に隠し持っていました」

な、なんでそんなところに……!?


【Info】
コトダマ【手錠の鍵】ゲット!
影山のスカートの中になぜか入っていた


次はどこを調べる?
↓2
1死体周辺
2死体背後の棚

行動力17

影山の死体周辺……なんだかいろいろ落ちてるな。

どれから調べてみるか?


↓2
1破片
2モノクマの人形
3ボールのようなもの
4ロープのようなもの


行動力17

進み悪いし明日も仕事なんでこのあたりで更新は終わりますね

質問等あったら受け付けてますのでよろしければお願いします

こうしてこの島での景色を2人で見るのも最後になるのか。
最初はどうなることかと思ってたけど、意外となんとかなるものだったな。少なくとも、悪いことばかりじゃなかった。

足立「うーん……一時はどうなることかと思いもしたけど、案外楽しかったね」

足立「筆原さんも、そうは思わないか?」

筆原「あはは……そうですね。大変なこともありましたけど、楽しかったです」

筆原「でも……今日を最後に離れ離れになるのは残念です」

足立「そんなことはないだろう? ここから帰っても、俺たちは友人であり仲間だ。それは当たり前のこと」

足立「それに……少なくとも俺はキミの側から離れたくないかな」

筆原「へっ?」


【隣にいるために】←


足立「前、話したと思う。俺が何で毎日毎日走ってるのか」

足立「もちろんランナーとしての自分を高めるため、ってのがこれまでの主な理由だったけど--今は違う」

筆原「そうなんですか……?」

足立「ああ」

言いながら俺は筆原さんの肩を抱き寄せる。

筆原「ひゃあっ!?」

足立「キミの隣に並んで、一緒に“未来”に向かって走るためだったんだ」

筆原「えっ……あ、あのっ……!!」

筆原「……私もっ! 足立さんのためにいろいろしてあげたいですっ!」

筆原「“超高校級の書道家”としてでなく……“一人の女”として、足立さんの隣に並びたいです……」

筆原「で、ですから……!」

足立「ありがとう。それが聞けただけでもう幸せだよ」

すると筆原さんは俺に寄り添い、幸せそうに目を閉じてくれた。

--この子を幸せにしたい。隣に並んで”未来“に向かって進みたい。

俺は確かに今、心の中でそう思ったのだった……

どこにこんなに潜んでたんだか……(困惑)

ごめんね、雪咲がまったくわからない。早期退場組は難しいよぉ……
最咲さんならだいたい決めてるんだけども

こうしてこの島での景色を2人で見るのも最後になるのか……。
最初はどうなることかと思ってたけど、意外となんとかなるものだったな。もっとも、良いことばかりだったと聞かれると違うのだが。

五十隅「う~ん……今日で最後だとなんていうか、寂しいね」

五十隅「もっとこう、いつまでも一緒にいたいくらいだよぉ!」

雪咲「僕はごめんだな。歴史的価値のあるこの島には興味こそあるが、他の奴等が騒がしすぎる」

五十隅「そうかなぁ?」

雪咲「そうだ。特にあのジョーとかいうのは心底苦手だ」

あの男は僕を専属カメラマンか何かと勘違いしてるんじゃないだろうか。ことあるごとに写真を撮れだのなんだのと……。

五十隅「……えへへぇ」

雪咲「何を笑っている?」

五十隅「だって影撮君、凄い楽しそうなんだもん~」


【……退屈ではないが】←


雪咲「まあ、退屈しないだけマシだと思ってはいるさ」

五十隅「あっ! それってあれでしょ? ええっと……“ツンデレ”さんだ!」

雪咲「……それだけはありえない」

五十隅「えへへ……。あっ! そういえば影撮君ちゃんと人の写真は撮ったの?」

……、

雪咲「忘れていたなそういえば……」

五十隅「も~……よーし! それなら今から撮っちゃおう! ほらほら、お空に掲げて~!」

雪咲「お、おい……」

こうなった五十隅は手に負えないので仕方なく僕はレンズをこちらに向けた状態で自分を--って。

雪咲「五十隅。なんで僕の腕にくっつく?」

五十隅「いいじゃん! 私も入りたいよぉ~!」

……仕方ないな。

雪咲「じゃあ撮るぞ。目を瞑るのだけはやめてくれよ?」

五十隅「おっけー! さあどこからでも来るといいよぉ!」


「「はい……チーズ!」」


--そうしてできあがったのは僕と、僕の腕にくっつく五十隅の写真。

……いつか他の奴等も混ぜて、全員で写真を撮りたいと思わなくもない瞬間だった。

キャラの個性出しきれないのにオリロンパをやめられない今日この頃。

今日ものんびりと投下できたらいいな。よろしくお願いします

こんばんは
唐突ですいませんが22時頃捜査再開したいと思います

あと完全に綴さん更新のタイミング逃した

始まる

影山の死体周辺に散乱している破片……これってなんなんだ? ガラスみたいだけど……

モノクマ「お答えしましょう!」

夏目「うわっ!?」

モノクマ「実はそれ、ボクの用意したグッズの1つでもある『モノクマガラス細工』なんだよ!」

モノクマ「なんだけど……なんでぶっ壊れてるのさ! ボクはおこだよ!」

モノクマ「あーあ……せっかく伝統工芸人の知り合いに作ってもらったのにさぁ」

夏目「……そうなのか」

モノクマ「でもいいもんね! こういうときのためにスペアも何個か用意してあるし!」

モノクマ「あ、よかったらお1ついかが? お土産にしてもいいと思うよ?」

夏目「いるかっ!」


【Info】
コトダマ【散らばった破片】ゲット!
影山の死体周辺に散らばっていた破片。ガラス製のモノクマ人形が元のようだ。


↓2
1モノクマの人形
2小さなボール
3ロープのようなもの
4別の場所捜査

行動力16

あとこれは、なんだ? ロープみたいだけど……?

モノクマ「ええっと、それはね……」

夏目「なんだ、またお前のグッズなのか?」

モノクマ「なんでそんなにうんざりしたような顔なの! 違うよそれはグッズじゃないよ!」

モノクマ「ほら、それって片方に金属部分があるじゃん? だからなんというか、ロープというよりパチンコみたいだなって」

パチンコって……

湯川「鼻の長い男の人が武器に使っていることで有名なあれですね?」

夏目「おい、いきなりそんな話で乗っかってくるんじゃあない」

モノクマ「そうそう! そんな感じ!」

モノクマ「いやあさすがは湯川さん! 声優だけあってそういう知識には詳しいね!」

湯川「あれは……全国的に有名なアニメですし」

夏目「もうその話はいいだろう!!」

これ以上話を続けると何か良くないことが起きる。
そんな気がした。


【Info】
コトダマ【ロープのようなもの】ゲット!
モノクマ曰くロープというよりはパチンコのようなもの。金属部分に何かを固定すれば文字通り何かを飛ばせることもできそうだ。


↓2
1モノクマの人形
2ボールのようなもの
3他の場所捜査

行動力15

……、

夏目「おい、モノクマ」

モノクマ「あいあい? 何かな?」

夏目「この人形はなんだ? これもお前のグッズみたいだが」

俺は影山の死体の傍に落ちていたモノクマの人形を指差す。

モノクマ「ああ、ほら。なんていうかミニカーとかでよくあるじゃん? こう……後ろに引いて手を離すとその分前進するおもちゃ」

モノクマ「ただしこれはこのお腹のボタンを押すことで前進するんだけどね!」

へぇ……どうでもよかった。

モノクマ「試しに動かしてみましょう!」

そうしてモノクマがその人形を床に置いて、腹部のボタンを押す。


『ゼッツボーウ! ゼッツボーウ!』


するとその人形はそんな音声を出して前進していった。

夏目「なんだこれ……」

そうして呆れ気味にそれを見ているとその人形は徐々にスピードを増していき……


筆原「な、なんですかこれ!?」

言乃木「ひゃあっ!?」


進行方向にいた筆原・言乃木に向かって突撃していった。

モノクマ「ふふん! スピードに乗りさえすればボクの分身の行く手を阻むものはどこにもいないよ!」

モノクマ「あ、でも小型カメラ付けたりして女の子の群れに突撃させるって目的で使うのだけはやめてね?」

夏目「そんな盗撮誰がするかよ……」


【Info】
コトダマ【動くモノクマ人形】ゲット!
ボタンを押すことで直進する人形。台座で固定してあったみたいだが、その進行力の前にはそれすら無意味


↓2
1小さなボール
2他の場所捜査

行動力14

夏目「これは……」

さらに床を確認していくと、そこには小さなボールが転がっていた。

モノクマ「おっと! それはね……!」

夏目「もう黙ってろ。というか、お前足立はどうしたんだよ?」

凄い自然に溶け込んでいるモノクマにようやく俺がそう尋ねると、モノクマはうぷぷと笑って答えた。

モノクマ「それね。一応治療は済んでるよ」

モノクマ「ま、治療が終わればボクの役目は終わりだし今頃こっちに向かってきてるんじゃない? モノミも一緒だしなんとかなるって!」

……なんだその言い方。何か、引っかかるな……


【Info】
コトダマ【モノクマボール】ゲット!
小さな球体。こちらも影山の死体周辺に落ちていた

最後に俺は影山の死体後ろにある棚を見る。
ここはなんというか、グッズというよりは冊子が収納されているみたいだ。それでも内容はモノクマについてだが。

……さて、どこを調べよう?


↓2
1棚の中
2棚の上
3横の柱

行動力13

言乃木「これ、見てみなよ」

言乃木「棚の横にある柱と、影山が座っていた椅子がロープで繋がっている。これじゃあ体自体は動かせても逃げることは不可能だよ」

夏目「みたいだな……」

椅子の背もたれと柱がロープで繋がっていて、確かに言乃木の言うとおり逃げることは不可能みたいだ。

……なんだか不自然な感じにも思えるが。

夏目「あ、そうだ言乃木」

言乃木「ん? なんだい?」

夏目「さっき『ひゃあっ!?』って……」


ドカッ


言乃木「ぶつよ」

夏目「ぶたれたよ!」

くそっ……余計なこと言うんじゃなかった。


【Info】
コトダマ【椅子】ゲット!
影山が座らされていた椅子。その背もたれは少し離れた柱とロープで繋がれていて、椅子に固定されたまま逃げることは不可能


↓2
1棚の中
2棚の上

行動力12

棚の上。そこを確認するとこれまたモノクマのグッズと思わしきものが大量に並べられていた。

夏目「どれだけ自分大好きなんだよ……」

と、視線が止まる。ある程度はきっちり並べられていたみたいだが、どうやら一部のグッズがその並びから外れているみたいだった。

夏目「なんだこれ……?」

さらに注意深く見てみるとそのさらに奥の壁に僅かに削れたような跡があった。
それと棚上部の手前付近にこれまた何かで擦ったような跡が……


【Info】
コトダマ【物置き棚】ゲット!
影山の後ろに立っている物置き棚。中には様々なモノクマ関連の書籍が収納され、上にもこれまた様々なモノクマのグッズが置かれている。
だが一部不自然な配置になっているみたいだが……?

コトダマ【擦れた痕】ゲット!
物置き棚の上部に何かで擦ったような痕があった。

コトダマ【壁の跡】ゲット!
棚上部の奥にある壁に何かで削ったような跡があった。


イベントパートに入ります



モノミ「足立君! 無理はしないでくだちゃい!!」

ふと、モノミのそんな声が入り口からした。

ジョー「足立か!?」

筆原「足立さん! 無事だったんです……ね……!?」

筆原の様子が変わったことに俺は不信に思い、それと同時に俺もそちらを見る。

足立「はは……ただいま」

するとそこには確かに足立がいた。
だが、何かおかしな点があるとすればたった1つ。

――足立の右膝から下が“普通の足”で無くなっていることか。

言乃木「アンタ……その足……!!」

足立「……やっぱり、傷が思ってた以上に重傷だったらしくてな。結局こうなったよ」

モノクマ「そう! 足立君の右足はめでたく“義足”となったのでーす!!」

義足だと……!?

筆原「な、なんですかそれ……!?」

ジョー「つーか! それじゃあ足立はここから帰れてもずっとこれなのかよ!?」

言乃木「普段の生活に支障が出るのは当然だろうとしても……」

モノクマ「そうだね、もう“超高校級のランナー”としての自分は無くしたもんだよね」

夏目「っ……!?」

そんなのって無いだろ……! せっかくここから帰れても、そんなことになるなんて……!

足立「……何をそんなに暗い顔をしてるんだよ。大丈夫、俺は気にしてないよ」

足立「確かにランナーとしての生涯をこんな形で終えちゃったのは辛いが……でも、キミたちとこうして同じところに立ててるんだ」

足立「それだけで俺は充分幸せだよ」

筆原「ううっ……!」

本心だとしても、少なからず強がってもいるその発言に筆原は涙を流す。

言乃木「影山め……最後にとんでもない置き土産を残していきやがってぇ……!」

モノクマ「あ、大丈夫大丈夫。ここから帰るころには治ってるだろうからさ」

……は?

ジョー「いやいや! 確かにオレらは医療の知識は疎いからよくわかんねぇけど! そんなに簡単に治るもんじゃねぇだろ!?」

モノクマ「うっさい! ボクが治ると言ったら治るの! 少なくともそれは確定だよ!」

モノクマ「じゃ、とにかくそういうわけだからさ! ボクは裁判の準備をするから失礼するよ!!」

そうしてモノクマがここから去っていく。

筆原「えっと……」

湯川「足立さん、本当にいいんですか……?」

足立「今の俺はもう、ランナーとしての自分よりキミたちと帰ることが大事なんだ」

足立「ま、日常生活に支障は絶対出てくるけど……なんとかするよ」

筆原「そ、それには及びません!」

ふと筆原が大きな声を出す。

ジョー「は?」

筆原「えっと! 足立さんがそうなってしまったのなら、私がこれから精一杯フォローします! ずっとです!」

言乃木「…………」

湯川「……あははっ、これは熱烈な告白ってことでいいんですかね?」

筆原「へ……? あ、いえそういうわけじゃなくて!」

自分が何を言ったのかようやく気付いた筆原が途端に慌てだす。

そうして全員で笑い合い、捜査を再開するとなった矢先に――湯川が声をかけてきた。

湯川「あの、夏目さん」

夏目「ん? どうかしたか?」

湯川「えっと、私これから影山さんのコテージを調べてくるつもりですが……夏目さんも来てもらえます?」

影山のコテージ……確かに、調べておくべき場所だろうな。

夏目「ああわかった。俺も、気にはなっていたからな」

不本意な形ではあるが、これで少しは影山の真意を知れたら……そう思えずにはいられなかった。


□■□■□


【影山のコテージ】

そうして俺と湯川は影山のコテージにやってきた。

――余談だが、影山が爆破したコテージはもうすっかり元通りになっていた。おそらくはモノクマの仕業だろう。
あと鍵も閉まっていたが……まあ、俺が開けた。

湯川「結構綺麗に片付いてますね……」

さて、どこを調べる?


↓2
1ピンクの箱
2机の上にあるファイル
3ベッド
4シャワー室

夏目「これ……!!」

机の上にあるファイル。それの表紙には希望ヶ峰学園のマークが書かれていた。
間違いない。これ……影山がファイナルデッドルームで手に入れたっていう特典だ。確か、俺達のプロフィールだったか。

湯川「……見た方がいいでしょうね。裏切り者について何かわかるかもしれません」

夏目「ああ……」

そうして俺達はそのファイルを1ページずつ捲って中を確認していく。

夏目「……なんだこれ?」

だがそれは俺が思っていたものとはまったく違っていて、16人全員の“入学前”のプロフィールがあるだけだった。

湯川「うーん……手掛かりらしいものは書かれていませんね」

夏目「みたいだな。身長体重の他には出身校の名前と家族構成……それと、それぞれの才能の名前が書かれてるだけだ」

そうして何もおかしなところは無いと思った矢先、ふと二つおかしな点を見つけた。

まず1つ。影山のページの家族構成の欄がボールペンか何かで黒く塗りつぶされていた。
さらに2つ目。これは俺のページなのだが――俺の名前が書かれている個所の横に“霧切”という名前の判子が押されていた。

夏目「霧切って……確か、学園長の名前だったよな?」

湯川「そうですね、それは間違いないです」

そんな人間の判子が何で俺のページに? それに……影山の家族構成の欄、何で塗りつぶされている?

夏目「……だが、これを見ただけで裏切り者が誰かわかるようにはなってないみたいだな」

それがわかっただけでも収穫、か?
……影山についての謎は深まるばかりだったが。


【Info】
コトダマ【希望ヶ峰のプロフィール】ゲット!
影山がファイナルデッドルームで獲得した特典。中には16人の入学時のプロフィールしか書いてなかったが……?


↓2
1ピンクの宝箱
2ベッド
3シャワールーム

あと、1つさっきから気になるのが……この派手な色の宝箱だ。

湯川「影山さんの趣味……じゃありませんよね?」

夏目「ああ。アイツがこんなピンク色を好むわけがない」

というか、ピンクと聞いて思い浮かぶのはモノミだけなんだが……もしかしてモノミの持ち物なのか?

夏目「……なんだこれ、ノート?」

それはピンク色のノートだった。
モノミが書いたものなのだろうか?

夏目「……」

中身を確認すると、そこには汚い字でこれまでの生活についてがイラスト付きで記されていた。


初日。このコロシアイ修学旅行が始まったときのこと。
最初の事件。甘露寺が影山にそそのかされ、棋儀を殺害したこと。
第二の事件。雪咲が姶良・五十隅を殺害したこと。
第三の事件。兎呑が最咲を殺害したこと。
第四の事件。砂射が正道を殺害したこと。
その他事件前後、情緒不安定になっている生徒の様子なども克明に記されていた。


モノミ「ああーっ! 何をしてるんでちゅか!?」

するとどこからともなく現れたモノミがそのノートをひったくる。

夏目「あっ、おい!」

モノミ「先生の日記を勝手に見るなんて……夏目君最低でちゅよ!」

さらにそうとだけ言ってそそくさと去っていくモノミ。
まるであのノートを見られるのが困るかのように。

夏目「……モノミの持ち物となると、あれは“未来機関”の人間に向けた報告書みたいなものか?」

湯川「でしょうかね……」

モノクマ「甘い甘い甘い!! オマエラそんなミスリードに乗っちゃって本当にいいの?」

夏目「出たな……!」

モノクマ「そんなに変質者を見るような眼で見ないでよ! 女の子の部屋に不法侵入する夏目君もなかなかの不審者だからさ!」

言い返せない……!

湯川「それで、何か用ですか?」

モノクマ「いやあ、少しオマエラが感違いしてるみたいだから訂正してあげようと思ってさ」

感違い……?

モノクマ「あのノート、モノミが書いたんじゃないよ。つーかモノミ、字が書けないんだ」

夏目「はっ!? それじゃああのノートは誰が……!?」

モノクマ「そりゃあ、裏切り者さんじゃないかな?」

モノミと繋がっている裏切り者が書いた日記……?

モノクマ「ああ、それともう1つ。影山さんが偽の爆弾を使ったあの件だけど」

モノクマ「それについて遅れながらもお詫びしておくよ。きちんとあれが偽物だって言っておくべきだったね」

夏目「本当だ……なんで誰にも言わなかったんだよ」

モノクマ「何か事件があったときの伏線になればいいなって!」


【Info】
コトダマ【モノクマの証言】ゲット!
モノクマは爆弾が偽物だということは知っていたが、それを誰かに話したことはないらしい

コトダマ【モノミの日記】ゲット!
影山がモノミから盗んだという日記。中身は普通の絵日記のようだが……?

モノクマ「それじゃあ、そういうわけだから……さっそく始めますか!」


ぴんぽんぱんぽーん!


モノクマ『へいへい! オマエラ気分はいいかい!?』

モノクマ『もう何も言わなくてもわかるよね? ボクとオマエラは以心伝心だもんね?』

モノクマ『つーわけで! 全員黙ってモノクマロックに来ること! そこで全部終わらせようじゃあないか!!』


……いよいよ、なのか。

夏目「……」

モノクマ「ほれ! オマエラもさっさと行け! 遅刻は許さないよ!」

湯川「……行きましょうか。逃げるわけにもいきません」

夏目「わかってる。……わかってる」

俺の足を止めるのはこれから行うことに対しての恐怖ではなかった。

――疑惑。

先ほどの日記、流し読みしかできなかったから確実とは言えないが……それでも、何か違和感があった。
その違和感はそのまま、いるわけがないと思っていた“裏切り者”への疑惑へと変化していく……


【Info】
捜査終了します

捜査終わり

投下前・途中・後の読者のレスは基本的にすべて拝見してます。ありがたやありがたや……
どんな意見でも貰えるというだけで嬉しいことなので、ここからも何かあったらどんどんお願いします

あ、ですが他スレと比較するのだけはなるたけご勘弁を……

こうしてこの島での景色を2人で見るのも最後になるのか。
最初はどうなることかと思ってたけど、意外となんとかなるものだったな。悪いことばかりじゃなかったわけでもない。

五十隅「う~ん……今日でみんなと遊ぶのも最後なのかぁ……」

夏目「そうだな。というか、五十隅は遊んでたというよりは菓子ばっかり食べてたが」

五十隅「ふぇ? そう?」

夏目「今もポッキーを食べてるくせになんでそんなに意外そうな顔をする……」

五十隅「えへへ……でも、好きなんだからしょうがないよぉ!」

まったく……コイツの菓子好きにはほとほと困ったものだな。


【甘い菓子】←


夏目「甘い菓子が好きなのはわかるけど……食べ過ぎると太るぞ?」

五十隅「がーんっ! 少し気にしてたのにぃ~!」

気にしてたのならその手を止めてくれ……。

五十隅「で、でもでもっ! お菓子を食べてると幸せな気持ちになれるんだよぉ! ほら、夏目君もどうぞ!」

夏目「……」

渡されたチョコの一切れを口に運ぶ。
……まあ、美味いのは認めるが。

五十隅「ど、どう?」

夏目「ああ……まあ、わからないこともないかな?」

五十隅「そっか~……」

夏目「こうやって五十隅と一緒だからかもな」

五十隅「ふえっ!?」

何気なしに俺が言うと五十隅はそうして驚いてみせた。

夏目「ん?」

五十隅「そ、それって……」

五十隅「……や、やっぱなんでもないっ!」

なんだよそれ……?
そうしてしばらくすると……

夏目「? おい、五十隅?」

俺のとなりに座っていた五十隅が俺の肩に顔を預けてきた。
寝てる……みたいだ。

夏目「まったく……」

五十隅「ううん……お兄ちゃん……」

いくら南国の島とはいえ、外で寝るなんて風邪でも引いたらどうするんだ……。

寝言を溢す五十隅の肩に手を回し、そっと抱き寄せる。すると五十隅は身じろぎを少しだけした。

……菓子が好物の、一風変わった女の子。
そんな五十隅との間に生まれた”希望“がこのまま続いたらいいのにな……

五十隅さんは動かしてて滅茶滅茶楽しかった。ぶっちゃけこれも一レスに入らなかったので少し削ったくらい

なんかここまで来たら女子全員攻略できそうやね夏目君

今日はね、たぶん更新はできそうにないんです

時間あったら更新はするけれど(裁判前までだから安価は無いが)

その他気になることあったらどんどんお願いします

無理でしたねすいません
明日再開させてもらいます

あと綴さん更新のタイミング逃したんですが、もうこっち完結に集中した方がええかな……

更新しないと言ったな? あれは嘘でした!

ってことでここから更新

【モノクマロック】

もう二度と来ることはないと何度も思いつつ、それらの期待は見事に裏切られてきた俺達。
今回もこうしてこの場に立つことなど、誰が考えていたのだろうか。

夏目「……また来てしまったな」

ジョー「くっそ……なんでまた来ることになっちまったんだよぉ……」

湯川「……」

足立「だ、大丈夫さ。これさえ乗り越えれば全員無事に帰れるんだ」

言乃木「……ここにいるクロを除いて、だがね」

筆原「うう……」

言乃木の言葉がズシリとのしかかってくる。

……やっぱり、これが終わりなんだとしてもまだ犠牲は出さないといけないんだな。

ジョー「でも……仕方ないんだよな。オレだってんなこと信じたくはないけど……」

足立「ここで影山さんを殺したクロを見逃すってのは、これまでのクロになったみんなに対してもいけないことだ」

甘露寺。
雪咲。
兎呑。
砂射。

全員、自分から進んでクロになったわけではない。
そして今回のクロも……たぶん、何かしらの理由があるはずなんだ。

言乃木「だからって、殺人が正当化される理由にはならないんだがね」

そう。いくらモノクマの思惑があったからといって、それで殺人が正当化されるわけではない。

殺人は殺人。それは確かに相手の命を奪う、最低の行為だ。

――だからこそ、余計に自分の無力さを痛感してしまう。
モノクマがすべての元凶ということも知っている。
そのモノクマの思惑に乗せられ、今までのクロは仲間を殺していることも知っている。

……そして、どんな理由があれど殺人という行為が許されないことも知っている。

夏目「くそっ!」

ざっと足元の砂を蹴飛ばす。
そうしたところで自分への憎しみは消えることはないのだが。

ジョー「あーっ、くそっ! とにかくやるしかねぇんならやってやんよ!」

筆原「そうです! それしか生き残る道がないのなら……やるしかありません!」

言乃木「どっちにしろこれで最後なら、ある種心の整理もできるさね」

足立「……そうだな。やるしかない、んだよな」

湯川「…………」

湯川「……行きましょう」

もう語ることは何もない。
俺達はそのまま無言で、モノクマロックに入っていくのだった。



ゴゴゴゴゴ……という振動が俺達の体を襲う。

言乃木「こうしてると、ドッキリハウスのあの連絡エレベーターがいかに高性能だったかが痛感できるね……」

ジョー「へんっ! その無駄なところでの頑張りをもうちょいまともなところに費やせってんだ!」

筆原「でも、あのモノクマがそうするわけがありませんものね……」

足立「キミたち……もうちょっと緊張感を抱いたらどうなんだ?」

湯川「こうでもしないと……その緊張感で潰されるんですよ、きっと……」

夏目「そうだな……」

会話らしい会話は続かない。
ただ俺達の中に重苦しい空気がのしかかり……それもやがて唐突に壊される。

モノクマ「えーと、これで5度目の裁判ですね」

モノクマ「うぷぷぷぷ! どうよ! コロシアイなんか起こさせないって言ってたわりにもう今回で5度目だよ!?」

モノミ「……」

ジョー「うっせぇ! どうせこれで終わりなんだろ!?」

モノクマ「そうだね、これで裁判は全部終わりだよ」

足立「ふんっ……」

言乃木「それなら、ちゃっちゃと始めようか」

モノクマ「ああもう焦らない焦らない!」

モノクマ「じゃあ役者も揃ったことだし、みんな席に着いちゃいなよ!!」



――“超高校級の幸運”影山詩乃。
最初この島で会ったとき、普通の女だと思っていたが……最初の裁判で狂った本質を出した女。

引っかき回されもした。
コイツがいなければ場が上手く回ったんだと思ったこともあった。

……でも、俺達は確かに影山に助けられたこともあった。

それに――影山が俺を“希望”と称した理由はわからずじまいだ。

最初から最後まで、謎を残して死んでいった影山。聞きたいことも山ほどあったのに、今はもうそれも叶わない。

……俺達は今からそんな影山の死を暴かないといけない。
最後まで謎で包まれていた影山の死を。

正直、この中に本当にクロがいるのかすら疑わしい。
それでも、謎を暴かないといけないというのなら……やるしかない。

そうして始まる。
“希望”と“絶望”を賭けた命がけの学級裁判が――


――ここから始まる。

じゃあここまで
一応学級裁判前半までは書き溜めてあるから更新自体は滞ることなく行けそう

しかしほぼ原作なぞりのストーリーって最悪の展開だな、と今さらながら思うのだった

最咲さんを邪魔者扱いするのやめてあげてよぉ!

ってことで21時頃再開したいと思います
前半終わらしたいんでお願いします

ヤンデレは好みが分かれるからね、仕方ないね
バッドエンド廃止にすればええのかもしれんけど……というかそもそもアイドル安価で爆弾スキルばっかだった気がしないでもないんや

始まる

コトダマリスト


コトダマ【モノクマファイル6】ゲット!
被害者は影山詩乃。死体発見場所はグッズ倉庫。
死亡時刻はほぼ正午だと思われる。
両手両足を手錠で拘束され、両腕には刺し傷。両ふとももには切り傷があった。
発見直後の体制は椅子に座らされる形になっていて、その他胸元にはナイフが突き立てられており頭部にも打撃痕があった。

コトダマ【手錠】ゲット!
影山の両手を拘束していた手錠。鍵穴に鍵を入れて回せばロックされる仕組みらしい。

コトダマ【影山の足】ゲット!
影山の足は椅子の足部分とそれぞれ繋がっていた。右足は右足と、左足は左足とといった具合に。

コトダマ【アーミーナイフ】ゲット!
軍事施設にあったナイフ。言乃木と筆原が以前確認しているので間違いは無い。

コトダマ【影山の死体状況】ゲット!
頭部に打撃痕。両手両足に無数の傷痕がある他、両手足首は手錠で拘束されていた。
さらに口元にはガムテープが貼られていたが……

コトダマ【手錠の鍵】ゲット!
影山のスカートの中になぜか入っていた

コトダマ【散らばった破片】ゲット!
影山の死体周辺に散らばっていた破片。ガラス製のモノクマ人形が元のようだ。

コトダマ【モノミの日記】ゲット!
影山がモノミから盗んだという日記。中身は普通の絵日記のようだが……?

コトダマ【ガムテープ】ゲット!
影山の口元に貼られていたガムテープ

コトダマ【倉庫の入り口】ゲット!
倉庫の入り口は耐久性の低いロープのようなもので固定されていた。普通に開けることは難しいかもしれないが、強行策を使えば開けることは容易そうだ。

コトダマ【鍵穴】ゲット!
倉庫の入り口の鍵穴にはガムが詰められていて、細工を施すことは無理のようだ

コトダマ【動くモノクマ人形】ゲット!
ボタンを押すことで直進する人形。台座で固定してあったみたいだが、その進行力の前にはそれすら無意味

コトダマ【ロープのようなもの】ゲット!
モノクマ曰くロープというよりはパチンコのようなもの。金属部分に何かを固定すれば文字通り何かを飛ばせることもできそうだ。

コトダマ【モノクマボール】ゲット!
小さな球体。こちらも影山の死体周辺に落ちていた

コトダマ【擦れたドアノブ】ゲット!
倉庫入り口のドアノブは何かで擦ったような痕があった。

コトダマ【MP3プレイヤー】ゲット!
事件発生時、かなりの音量で音楽を流していた。

コトダマ【希望ヶ峰のプロフィール】ゲット!
影山がファイナルデッドルームで獲得した特典。中には16人の入学時のプロフィールしか書いてなかったが……?

コトダマ【モノクマの証言】ゲット!
モノクマは爆弾が偽物だということは知っていたが、それを誰かに話したことはないらしい

コトダマ【椅子】ゲット!
影山が座らされていた椅子。その背もたれは少し離れた柱とロープで繋がれていて、椅子に固定されたまま逃げることは不可能

コトダマ【物置き棚】ゲット!
影山の後ろに立っている物置き棚。中には様々なモノクマ関連の書籍が収納され、上にもこれまた様々なモノクマのグッズが置かれている。
だが一部不自然な配置になっているみたいだが……?

コトダマ【擦れた痕】ゲット!
物置き棚の上部に何かで擦ったような痕があった。

コトダマ【壁の跡】ゲット!
棚上部の奥にある壁に何かで削ったような跡があった。

学 級 裁 判
開廷!!

モノクマ「では、最初に学級裁判の簡単な説明をしておきましょう」

モノクマ「学級裁判では『誰が犯人か』を議論し、その結果はオマエラの投票により決定されます」

モノクマ「正しいクロを指摘できれば、クロだけがおしおきですが、もし間違った人物をクロとしてしまった場合は……」

モノクマ「クロ以外の全員がおしおきされ、生き残ったクロだけにこの島から出る権利が与えられます!」

モノミ「…………」

モノクマ「おろ? どうしちゃったのモノミちゃん?」

モノミ「…………」

モノクマ「…………」

今回の裁判に限ってだんまりを通しているモノミにモノクマのパンチやキックが次々に降り注ぐ。

モノクマ「でやあーっ!」

モノクマ「ほりゃーっ!」

モノクマ「こいつでとどめだ!!」

モノミ「っ……!!」

ボロ雑巾――は言い過ぎにしても、それくらいにボロボロになるモノミ。
だがそんなことになってもモノミはだんまりを通していた。今回の裁判、モノミも何か思うところがあるのだろうか?

筆原「もうやめてあげてください! モノミさんがいくらなんでも可哀想です!」

モノクマ「ああ、そうだね。よくよく考えたらモノミとじゃれてる場合じゃないもんね」

モノクマ「さて、そんなこんなで今回の被害者は皆のために裏切り者を暴こうとしていた影山さんなわけだけど……」

モノクマ「そんな影山さんを殺したクロは誰なんですかね? 超気になりますわー!」

足立「裏切り者を暴こうとした影山さんが殺されたってことは……」

足立「やっぱりその裏切り者が犯人なんじゃないのか?」

ジョー「いいや、そうとは限らないぞ」

足立の意見にジョーがそう言った。

言乃木「ん? アンタが意見するなんて珍しいね……」

言乃木「まさか、アンタが裏切り者なんじゃないだろうね!?」

ジョー「そんなわけあるかっ! 話を最後まで聞け!」

……影山は拷問の末、殺された?

本当なのか? 本当にそれでいいのか?

【ノンストップ議論 開始!】
コトダマ
・モノクマファイル6
・ガムテープ
・動くモノクマ人形
・モノミの日記


ジョー「犯人の目的は口封じじゃなくて……」

ジョー「【影山を拷問すること】だって!」

筆原「それであんなにも痛めつけられていたんですか……?」

言乃木「なら聞くが、犯人は拷問をして何を聞き出そうとしたんだい?」

湯川「『爆弾の場所』ってことですか……?」

言乃木「すると【最初に爆弾を見つけた奴が怪しい】んだけど……」

ジョー「それって足立じゃねぇか!!」

足立「ま、待ってくれ! 俺が爆弾を見つけたのはたまたまだ!」

筆原「そうです! 『足立さんが拷問なんてするわけがありません!』」


↓2
論破or同意

正解!

夏目「それは違うな!」論破!


夏目「爆弾の場所を聞き出すために拷問したのだとしても……影山の口はガムテープでふさがれていた」

夏目「そんなことになっていたら、何かを聞き出すことなんて無理なはずだ」


ジョー「ショータイムの始まりだ!」反論!


ジョー「いいや、それは犯人の仕組んだ罠だ! そうして犯人はさも疑いを裏切り者に向けてたんだ!」

夏目「罠……?」

ジョー「つまり! お前は犯人の罠に引っ掛かったんだよ夏目君よぉ!!」

【反論ショーダウン 開始!】
コトダマ
・ガムテープ
・モノクマファイル6
・アーミーナイフ
・手錠


ジョー「確かに影山の口が塞がれてたら……」

ジョー「満足に喋ることすらできねぇと思うよな?」

ジョー「だけどそれが罠だったんだ!」

ジョー「殺す前に貼られたもんだと勘違いさせるためのなぁ!」


夏目「だけど、影山を殺す前にガムテープを貼ったんだとしたら……」

夏目「本当に何も聞き出せなくなるぞ?」


ジョー「いいか! まず犯人は影山を拘束して……」

ジョー「拷問して【爆弾の場所を聞き出したんだ!】」

ジョー「それで【アイツを殺した後に……】」

ジョー「【ガムテープで口を塞いだ】ってわけだ!」

ジョー「この程度のマジックも見抜けないなんてな……」

ジョー「ここから出たら弟子にしてやろうか?」


↓3まで。
全員正解or正解者コンマ合計70以上でクリア

正解!

夏目「その矛盾……解錠してやる!」論破!


夏目「いいや、それはありえない。アイツは間違いなく拷問の前に口を塞がれている」

ジョー「あんだと!?」

言乃木「その根拠はなんだ? 言ってみろ」

夏目「影山の口に貼ってあったガムテープ、あれを剥がしてみるとその下の面には血は飛んでいなかったんだ」

湯川「あれだけの出血量に加えて、体中を痛めつけられていたんです」

湯川「もしジョーさんの言うとおり拷問の後に貼られたものだとしたら……」

足立「大なり小なり、少なからず血が飛んでいないとおかしいってわけだな?」

ジョー「ぬっ……そうだったのか」

筆原「ほ、ほら見てください! 足立さんが拷問なんてするわけがないんです!」

ジョー「わ、悪い……」

足立「いいんだ、気にしないでくれ。さっきの議論の流れだと俺が疑われても仕方ないしな」

言乃木「議論を戻すぞ。つまり犯人が影山を殺した理由は“拷問”ではなく“口封じ”というわけになったんだが……」

筆原「で、ですがそれだと犯人は口封じのためにあんなことをしたんですか?」

湯川「両手両足を拘束したうえに、それぞれの箇所を刃物でメッタ刺し……」

湯川「さらに頭部を殴打して殺害したとなると……」

ジョー「どんだけ影山が憎かったんだって話だぜ!? 正気の沙汰じゃねぇよ……」

足立「自分が裏切り者っていう真実を暴かれそうになっていたんだ」

足立「それなら、よっぽど影山さんを憎んでても不自然ではないけど……」

筆原「そ、それにしたってあんなことをするなんて……」

と、そこで湯川が何やら神妙な顔つきになっているのを見る。

夏目「どうした湯川。何か気になることでもあるのか?」

湯川「はい……影山さんの死よりも、重大なことかもしれません」

ジョー「はっ!? な、なんだよそれ!?」

湯川「えっと、あの倉庫の入り口の扉……ジョーさんたちが開けようとしたとき、何かで固定されていたかのように開かなかったんですよね?」

ジョー「ああ。だからお前らを含めた全員でぶち破るって話になったんだ」

筆原「そ、それが何かおかしいんですか?」

湯川「はい……だって、あの倉庫の出入り口は一つしか無いんですよ?」

そうか……つまり、湯川が気にしていることは……


↓2
1犯人が出られなくなること
2グッズが取り出せなくなること
3中に入れなくなること

正解!

夏目「そうか……!」!


夏目「出入り口があそこ一つしかなく、さらにその出入り口も開けることができなくなっていたということは……」

夏目「その中にいた犯人も外に出れなくなるよな?」

ジョー「ああっ! そ、そういうことか!!」


言乃木「その理論、穴があるね」反論!


言乃木「確かにその状況なら犯人が外に出ることは困難かもしれない」

言乃木「でも、その細工をするにもっとも適した人物がいることを忘れてはいないよな?」

夏目「だ、誰のことだよそれって……!?」

言乃木「無論、アンタのことだよ夏目」

言乃木「超高校級の鍵師と呼ばれるアンタなら……それくらいの細工、容易いことだろう!?」

【反論ショーダウン 開始!】
コトダマ
・モノクマボール
・動くモノクマ人形
・鍵穴
・擦れたドアノブ


言乃木「確かにアタシ達があの倉庫に入った理由は……」

言乃木「扉が開かなかったからだ」

言乃木「でも、扉に細工するなんてアンタからしたら容易いことだろう?」

言乃木「超高校級の鍵師と呼ばれるアンタならね!」


夏目「確かに道具があれば細工自体は可能かもしれないけど……」

夏目「あそこにそれらしきものは存在しなかったはずだぞ!」


言乃木「鍵穴に細工するための道具なんて、【隠そうと思えば隠せるもの】だろう?」

言乃木「それに、【鍵穴に通すことは細長い物】であればなんでもいいはずだ」

言乃木「そうやってアンタは影山を殺したあとに……」

言乃木「【扉自体に細工】をしたんだ!」

言乃木「可能性はゼロではない、と思うがね?」


↓3まで
全員正解or正解者コンマ合計90以上でクリア

正解!

夏目「その矛盾……解錠してやる!」論破!


夏目「いいや、あの鍵穴に細工を施すことは不可能なんだ」

言乃木「なんでだい?」

夏目「あの鍵穴にはガムと思わしきものが詰められていた。あれじゃあ細工をしようにもその鍵穴に道具を通すことすら不可能なんだ」

ジョー「細工をしてから詰めたってのはどうだ?」

夏目「それも不可能だ。あの手の鍵穴は細工をした時点で中の構造が変化して、それを直さない限りその状態のまま中に道具を通すことができなくなる」

モノクマ「そのとおり! いやあさすがは夏目君! 一目見ただけでそこまでわかるなんてさすがだね!」

言乃木「……だが、そうなるといよいよ打ち止めだよ。密室殺人ともなってくると、さすがにその手のプロがいないと素人のアタシたちにトリックがわかるわけが……」

湯川「ただ、一人だけいます。あの状況で密室を作れた人間が……」

え……?

足立「ほ、本当なのか!?」

湯川「夏目さんも……察しがついてるんじゃないですか?」

ジョー「マジかよ……おい! 誰なんだよそれって!?」

……あの密室を作れた人物、それは――


↓2
怪しい人物を指名しろ!

正解!

夏目「これが俺の答えだ!」!


夏目「……影山、か?」

筆原「な、なんで影山さんの名前が!? だって影山さんは被害者なんですよ!?」

湯川「影山さんは……被害者であり、加害者だったのかもしれません」

足立「自殺ってことか!? バ、バカを言うな!」

足立「影山さんは両手両足を拘束された上に椅子から動けない状態で……」

足立「そのうえ、全身を痛めつけられていたんだぞ!?」

足立「あれが全部……影山さんの自作自演だっていうのか!?」

湯川「でも、影山さんならやりかねないと思いませんか?」

ジョー「そういう問題じゃねぇだろ!? 影山は両手両足を拘束されててなおかつ椅子から動けなかったんだぞ!?」

ジョー「いくら影山みたいな変態でも、自分を拘束した上で自分を痛めつけるなんて不可能に決まってんだろ!!」

確かに自分を拘束することも、そのうえで自分の体を痛めるつけることも無理かもしれない。

……でも、なんだろうな。何か重大なことを見落としてるような、そんな気がする……

【ノンストップ議論 開始!】
コトダマ
・手錠
・モノクマボール
・アーミーナイフ
・手錠の鍵


ジョー「自分の【両手両足を拘束して……】」

ジョー「さらに自分の体を椅子に固定するなんて……」

ジョー「『どう考えても不可能』だろうが!!」

筆原「両足はともかくとしても……」

言乃木「【両手を拘束なんて、無理だと思う】けどねぇ……」

ジョー「少なくとも【1人じゃ無理だ】!」

足立「じゃあ、『共犯者』でもいたってことか?」

筆原「でも、【あれだけの騒ぎ】を起こした影山さんに共犯者がいるとも思えません……」


↓2
論破or同意

状況判断能力 使用!
集中力7→6

夏目「見極めろ……!!」


【ノンストップ議論 開始!】
コトダマ
・手錠
・モノクマボール
・アーミーナイフ
・手錠の鍵


ジョー「自分の【両手両足を拘束して……】」

ジョー「さらに自分の体を椅子に固定するなんて……」

ジョー「どう考えても不可能だろうが!!」

筆原「両足はともかくとしても……」

言乃木「両手を拘束なんて、無理だと思うけどねぇ……」

ジョー「少なくとも【1人じゃ無理だ】!」

足立「じゃあ、『共犯者』でもいたってことか?」

筆原「でも、【あれだけの騒ぎ】を起こした影山さんに共犯者がいるとも思えません……」


↓2
論破or同意

状況判断能力 使用!
集中力7→6

夏目「見極めろ……!!」


【ノンストップ議論 開始!】
コトダマ
・手錠
・モノクマボール
・アーミーナイフ
・手錠の鍵


ジョー「自分の【両手両足を拘束して……】」

ジョー「さらに自分の体を椅子に固定するなんて……」

ジョー「どう考えても不可能だろうが!!」

筆原「両足はともかくとしても……」

言乃木「両手を拘束なんて、無理だと思うけどねぇ……」

ジョー「少なくとも【1人じゃ無理だ】!」

足立「じゃあ、『共犯者』でもいたってことか?」

筆原「でも、【あれだけの騒ぎ】を起こした影山さんに共犯者がいるとも思えません……」


↓2
論破or同意

不正解!
発言力
8→7


ジョー「あ? 鍵があったからってどうなるんだよ?」

ジョー「手錠の鍵を閉めること自体は鍵があろうが無かろうが可能だろうが!」


しまった……間違えたみたいだ!


↓2
再安価

マジで?

状況判断能力使用!
集中力6→5

夏目「見極めろ……!!」


【ノンストップ議論 開始!】
コトダマ
・手錠
・モノクマボール


ジョー「自分の【両手両足を拘束して……】」

ジョー「さらに自分の体を椅子に固定するなんて……」

ジョー「どう考えても不可能だろうが!!」

筆原「両足はともかくとしても……」

言乃木「両手を拘束なんて、無理だと思うけどねぇ……」

ジョー「少なくとも【1人じゃ無理だ】!」

足立「じゃあ、『共犯者』でもいたってことか?」

筆原「でも、あれだけの騒ぎを起こした影山さんに共犯者がいるとも思えません……」


↓2
論破or同意

ジョー「ここから出たら弟子にしてやろうか?」ドヤァ


正解!

夏目「それは違うな!」論破!


夏目「待ってくれ。影山の両手両足が拘束されていたのは疑いようのない事実だけど……」

夏目「だからってそれを誰かにやられたと思うのは早計だ!」

ジョー「は、はあっ!?」

足立「どういうことだ? 本当に自分で両手両足を縛ったっていうのか?」

言乃木「そんな芸当がたかが“幸運”の才能しかない影山にできるとも思えないけど……」

湯川「いえ、確かに縄で縛られていたのならともかくとしても……」

湯川「今回彼女を拘束していたのは手錠なんですよ?」

ジョー「……あっ! そういうことか!!」

するとその言葉にジョーがようやく察したように声を出す。

言乃木「ど、どういうことなんだい?」

ジョー「手錠で拘束するって字面だけで現すと不可能だと思えるけど……」

ジョー「実際やってみると、決して不可能じゃないんだあれは!」

筆原「そうなんですか?」

ジョー「ああ! 手錠で拘束って言っても、完全に動きが封じられるわけじゃない!」

ジョー「ただ動きに制限がかかるってだけなんだ!」

湯川「手錠を閉めるには輪っかの部分を向かいの穴に差し込むだけなんです」

湯川「完全に動かせないのならともかく、制限がかかってるだけなら別に難しいことじゃありませんよね?」

足立「じゃあ、あの手錠は……」

言乃木「自分が誰かに拘束されたと見せかけるためのフェイクってことかい!?」

ジョー「くっそ……冷静に考えてみりゃあ手錠を使った拘束マジックなんてオレも何度かやったことはあるんだ!」

ジョー「ちょっと落ち着かねぇとな……」

筆原「手錠を使ったことのあるジョーさんだからこその発見、なんでしょうかね……」

足立「で、でも待ってくれ! 彼女の体は椅子に固定されていたんだろう!?」

筆原「その点はどうなんですかマジシャンのジョーさん!」

ジョー「気づいてたらとっくに言ってるっての!」

いや……それもおかしい。
影山があの椅子に固定されていた……そうじゃないはずだ!


↓2
コトダマを提示しろ!

正解!

夏目「これで証明できる!」!


夏目「いいや、影山の体が椅子に固定されていたわけじゃあない」

夏目「あくまで影山の足と座っていた椅子が手錠で繋がっていただけなんだ!」

足立「はっ……!?」

ジョー「で、でもそれにしたって影山の足は椅子と固定されていたんだし……」

ジョー「その椅子が柱と固定されていたんなら、結局のところ影山が身動きの取れない状態だったのは事実だろ?」

湯川「でも、それなら自分でできることですよね?」

湯川「自分の足を椅子と固定することは不可能じゃあありませんし……椅子と柱を固定するのだって、最初にしておけばいいだけのことです」

筆原「じゃあ、本当に影山さんは自分が拘束されたフリをして……?」

足立「ま、待ってくれ! まだ大きな疑問はあるぞ!」

再度声を荒げる足立。

足立「確かにさっきまでの疑問は現場をよく見てなかった俺にも落ち度はあるが……」

足立「よく考えてみてくれ! 彼女の頭には打撃痕があったはずだ!」

筆原「そうでした……自分で自分を殴るのは無理ですもんね!」

足立「そうだ! これに関しては拘束されるされないに関わらずそうなる!」

言乃木「しかも絶命させるほどの一撃ともなると……」

ジョー「どう考えたって無理じゃねぇかよ!!」

確かに自分の頭を自分で、しかも致命傷になるほどの勢いで殴ることなんて不可能だ……

だが、何かしらの方法があるはずだ! それを探さないと……

【ノンストップ議論 開始!】
コトダマ
・散らばった破片
・モノクマファイル6
・モノクマボール
・壁の痕


足立「拘束されてようがされてなかろうが……」

足立「『自分で自分を殴るなんて不可能』じゃないか!!」

言乃木「しかも【致命傷になるほど強く】、だろう?」

筆原「手錠の有無に関わらず、それはさすがに不可能じゃないかと……」

湯川「それはまだわかりませんよ」

湯川「もしかしたら影山さんの頭に『何かが落下してきた』だけかもしれません……」

足立「それって……事故死ってことか?」

ジョー「じゃあ【自殺でもなんでもない】じゃねぇか!!」


↓2
論破or同意

正解!

夏目「それに賛成だ!」同意!


夏目「影山の頭に何かが落ちてきた……その可能性もあるぞ!」

ジョー「落ちてきたって……何がだよ?」

夏目「影山の死体の下に落ちていたこの破片……」

夏目「これはモノクマの用意したグッズの一つらしいんだ。『モノクマガラス細工』……だったか」

モノクマ「そのとおりなのです! かの有名な伝統工芸人に作ってもらった渾身の力作なんだ!」

言乃木「……だが、それがどうしたっていうんだい? ただ犯人がその『モノクマガラス細工』とやらで影山を殴ったってだけだろう?」

夏目「いや、そうじゃないんだ。この『モノクマガラス細工』がどこにあったかを考えてみればいい」

筆原「どこにあったか……?」

そう、この『モノクマガラス細工』がどこにあったか……それは――


↓2
1棚の上
2棚の中
3棚の下

正解!

夏目「これだ!」!


夏目「これが置いてあったのは……影山のすぐ後ろにあった棚の上なんだ」

湯川「言われてみれば……確かにこの棚の上にはたくさんのグッズが置いてあったみたいですね」

湯川「もっとも、そのうちのいくつかは歯抜けになっているみたいですけど……」

言乃木「つまり、そこにあったであろう『モノクマガラス細工』を落としてそれで自殺したっていうわけかい!?」

足立「なら……影山さんが自分の体を痛めつけたのも……」

夏目「ああ……自殺に見えない自殺をすることで、俺達の答えを間違った方に誘導しようとしていたんだ……」

夏目「アイツの目的は……俺達全員の処刑だったんだ!」

ジョー「はああああっっっ!?」

筆原「な、なんですかそれ……!?」

くそっ……死んでもなお俺達をどうこうしようなんて、どれだけ俺達を引っかき回せば気が済むんだよ……!
影山詩乃……どこまでも底が知れないと言うか……

正解!

夏目「これだ!」!


夏目「これが置いてあったのは……影山のすぐ後ろにあった棚の上なんだ」

湯川「言われてみれば……確かにこの棚の上にはたくさんのグッズが置いてあったみたいですね」

湯川「もっとも、そのうちのいくつかは歯抜けになっているみたいですけど……」

言乃木「つまり、そこにあったであろう『モノクマガラス細工』を落としてそれで自殺したっていうわけかい!?」

足立「なら……影山さんが自分の体を痛めつけたのも……」

夏目「ああ……自殺に見えない自殺をすることで、俺達の答えを間違った方に誘導しようとしていたんだ……」

夏目「アイツの目的は……俺達全員の処刑だったんだ!」

ジョー「はああああっっっ!?」

筆原「な、なんですかそれ……!?」

くそっ……死んでもなお俺達をどうこうしようなんて、どれだけ俺達を引っかき回せば気が済むんだよ……!
影山詩乃……どこまでも底が知れないと言うか……

言乃木「すると……本当にこれは影山の自殺ってことでいいのかい?」

筆原「ですが、そうなると裏切り者云々の話はどうなるんでしょうか……」

ジョー「それはオレらを裏切り者ごと殺そうとしたってことだろ!?」

言乃木「あの爆弾騒ぎもそのための伏線だったのかもしれない……」

言乃木「ああやって全員をバラバラにさせて、誰が影山を殺してもいいよう仕向けたんだろう……!」

足立「ああ。そうみたいだね」

足立「これで決まりだ……影山さんの自殺だったんだ」

足立「あの全身の傷も、体の拘束も……何もかもが、俺達を処刑するためのな」

ジョー「……ちなみによ、この場合誰を指名すりゃいいんだ?」

するとその問いにモノクマが答える。

モノクマ「自殺って結論付けるんなら、その自殺した人を指名してくれればいいよ」

モノクマ「おしおきは無くなっちゃうけど、それも仕方ないよね」

ジョー「そんじゃあ……このまま影山を指名すればハッピーエンドなんだな!?」

言乃木「そうだね……もう、自殺ってことで全員が結論付いてるんだ」

筆原「そうですよね……このまま全員で帰れるんですよね……!?」

夏目「…………」

なんだろう。
影山の自殺、それは間違いないんだが……何か、引っかかる。

こう、死んだはずの影山の笑い声が聞こえてくるような……

夏目「…………」

――まさか、な。
それに、どうやってあのモノクマガラス細工を落としたにしろ……それをやったのが影山なら自殺に変わりはないんだ。
それなら……もう……

モノクマ「ん? もう投票タイムに入ってもいいんですか?」

モノクマ「そんなら行きましょう! 投票ターイ――」





湯川「それは違います!」




モノクマ「んがんぐぅ!?」

全員が投票タイムを受け入れてようとしていたそんな空気を、湯川が壊す。

足立「? どうしたんだ湯川さん……珍しく声を大きくして」

言乃木「それに何が違うっていうんだい? 影山の自殺ってのはもう疑いようのない事実だろう?」

湯川「…………」

湯川「……夏目さんは、どう思います?」

……え?

夏目「俺は……」

湯川「確かに、どう考えても影山さんの自殺で間違いないと思います」

湯川「でも、どうやってあのモノクマガラス細工を落としたかの議論が終わっていませんじゃないですか」

ジョー「んなもん議論したところで影山の自殺ってのは変わらねぇじゃねぇか!」

夏目「……」

みんな、もう疲れてるのかもしれない。
誰かを疑うことに。俺だってそうだ。もう、疲れた。

これで影山の自殺ということにして、このまま全員で帰りたい。

――でも。

夏目「……わかった。やろう」

筆原「え……?」

ジョー「な、なんだよまだやんのか!?」

夏目「思い出したんだ。影山の思惑は本当にこんなものなのかって」

足立「なに?」

夏目「影山の放つ狂気と悪意は俺達の誰の想像を遥かに超えている。それはあの爆弾騒ぎのときに全員が察したはずだ」

ジョー「そ、そりゃあ……」

モノクマ「なるほどなるほど……要するにキミは影山さんの悪意を信じてるわけだ」

モノクマ「ううーん……悪意を信じる友情・愛情も世界にはあるんだね。“あっち”は友情、“こっち”は愛情……ってか?」

夏目「何が愛情だ!!」

湯川「それで、どうします?」

湯川「私個人としては、全員がきちんと納得するまで議論するべきかと思うのですが……」

そんな湯川の言葉に最初に答えたのは、言乃木だった。

言乃木「はぁ……いいさ、わかった。最後まで付き合ってやるよ」

言乃木「確かに納得もしないまま投票タイムってのも後味が悪いしねぇ」

夏目「言乃木……」

言乃木「勘違いしないでくれ。アタシはあくまで自分の意見を言っただけ」

言乃木「アンタ達に動かされた……なんてことはないさ」

足立「俺も、付き合うよ」

足立「全員が足並み揃えて帰るんなら、ここは全員の気持ちを一つにしておかないとな」

筆原「……ですねっ!」

ジョー「あーっ、くそっ! しょうがねぇなオレも最後まで付き合ってやんよ!」

ジョー「つーわけだモノクマ! 投票タイムは後回しだ!」

湯川「みなさん……!」

モノクマ「じーん……」

モノクマ「素敵でちゅ! 今のミナサンは最高に輝いてまちゅ!」

モノクマ「これならどんな絶望にも負けることはありまちぇん! そう信じてまちゅ!」

絶望に負けることない希望か……

影山が探していた希望も……本当はこれだったんじゃないか?

――いや、それを考えたところで意味はないな。
だってそれを確かめようにも……その影山はもう、死んでるんだから。

モノクマ「…………」

モノクマ「うぷぷぷぷ……」

学 級 裁 判
中断!!

ここまでなんやで

もっと早めに終われる予定だったのにもうこんな時間か……

何かあったらどうぞ。何もなければ……今だから言えることでも言い残してこうかな

言乃木「はぁ……いいさ、わかった。最後まで付き合ってやるよ」

言乃木「確かに納得もしないまま投票タイムってのも後味が悪いしねぇ」

夏目「言乃木……」

言乃木「勘違いしないでくれ。アタシはあくまで自分の意見を言っただけ」

言乃木「アンタ達に動かされた……なんてことはないさ」

足立「俺も、付き合うよ」

足立「全員が足並み揃えて帰るんなら、ここは全員の気持ちを一つにしておかないとな」

筆原「……ですねっ!」

ジョー「あーっ、くそっ! しょうがねぇなオレも最後まで付き合ってやんよ!」

ジョー「つーわけだモノクマ! 投票タイムは後回しだ!」

湯川「みなさん……!」

モノミ「じーん……」

モノミ「素敵でちゅ! 今のミナサンは最高に輝いてまちゅ!」

モノミ「これならどんな絶望にも負けることはありまちぇん! そう信じてまちゅ!」

絶望に負けることない希望か……

影山が探していた希望も……本当はこれだったんじゃないか?

――いや、それを考えたところで意味はないな。
だってそれを確かめようにも……その影山はもう、死んでるんだから。

モノクマ「…………」

モノクマ「うぷぷぷぷ……」

学 級 裁 判
中断!!

訂正しました。確かにモノクマが「でちゅ!」とか言ってたらシュールやね

あとデカ女言うけど身長的にペコとソニアの間なんやで。だからそんな言い方やめたってや……

一応ファイナルデッドルームで綴さんの名前が出てるということだけ報告させてもらいます

さて、本来ならいつもどおりアイランドエンディングでも投下しようかと思ってたんですが裁判中ですしやめておきましょう

男子だと甘露寺・棋儀
女子だと姶良が極めて印象薄いしどこかでフォローしてやりたいんですがね……

では質問雑談支援絵叱咤激励その他何かあればお気軽にどうぞ
乙でした

今日は更新できるか微妙
また連絡させていただきます

今日は更新できるか微妙
また連絡させていただきます

ごめんなさい今日の更新は無理なんです
仕事疲れたから書き溜めだけしておくよ……

しかしこうして見るとアイランドモードやりたくなってくるが我慢や工藤……

何か質問等あったらお答えします

21時前には再開します
お願いします

コナンの映画見てきましたがもうコナンの声聞いても日向が頭の中でちらついてしまう……

始まるんやで

今回のコナンの映画めちゃんこ面白かったよね

>>280
世良さん大好き

学 級 裁 判
再開!!

ジョー「そんで、影山が棚の上にあるモノクマガラス細工をどうやって落としたかだな?」

言乃木「仕方ないねぇ……このままその謎も暴いてみせようじゃないか」

足立「ああ。それで全員が納得して投票タイムに行けば万事解決だ!」

湯川「そうです。私はみなさんの力を一つにすればどんな謎も解けるはずだって信じてますから」

筆原「じゃあ、さっそく話し合いましょう!」

影山が頭上のモノクマガラス細工を落とした方法……
よく考えろ。必ず何かあるはずだ!

【ノンストップ議論 開始!】
コトダマ
・モノクマボール
・モノクマファイル6
・アーミーナイフ
・壁の痕
・モノクマ人形


言乃木「影山が頭上のモノクマガラス細工を故意に落とした方法か……」

ジョー「『見えない糸』を使ったとかか?」

筆原「それか……ハ、『ハンドパワー』とか!」

言乃木「……真面目に議論をする気がないのなら黙っててもらえないか」

足立「すると、『風の風圧』とか……」

言乃木「アンタら二人とも黙っててくれ」

ジョー「くっそー! ならどうやったってんだよ!?」

湯川「『何かで頭上のモノクマガラス細工を押した』……とか?」

ジョー「何かって何だよもうちょい具体的に言え!」


↓2
論破or同意

正解!

夏目「それに賛成だ!」同意!


夏目「影山の死体の傍にこんなものが落ちていたんだ」

湯川「これは……モノクマの人形?」

言乃木「ああ……それね」

捜査のときのことを思い出したのか言乃木の声の調子が露骨に下がる。

モノクマ「そう! それはお腹のボタンを押すと徐々に前進していき、最終的には光をも凌駕する速度になる優れものさ!」

ジョー「優れてねぇよそんなもん何に使えってんだよ!?」

モノクマ「嫌いな相手への嫌がらせに使ったり、カメラを仕込んで女の子の群れに突撃させたり?」

ジョー「なに……!?」

足立「興味を向けるのをやめてくれないかジョー君……」

筆原「ですが、それだって結局は物置き棚の上にあったものなんですよね?」

ジョー「そ、そうだ! そんなもんを拘束された状態で動かせるわけ――」

湯川「あるんですよ」

すると先ほどと違い憂いの表情を浮かべる湯川。

ジョー「なにぃっ!?」

言乃木「詳しく教えてくれないか、湯川」

湯川「……」

夏目「おい、湯川?」

すると、湯川はそっと目を伏せる。
……? どうしたっていうんだ。なんだか、様子がおかしい。

まるで、何かとんでもないことに気づいてしまったみたいに……

湯川「影山さんはそのモノクマ人形のボタンをある物を使って押してみせたんです」

言乃木「ある物?」

湯川「はい。……夏目さんはわかるはずですよ、彼女が何を使ってモノクマ人形のボタンを押したのか」

確かに、現場にあったものでそれらしきものはあった。

それは――


↓2
コトダマを提示しろ!

正解!

夏目「これで証明できる……!」!


夏目「それって、このモノクマボールか?」

ジョー「あ? なんだよそれ。それがどうしたっていうんだ?」

言乃木「それをどう使ったっていうんだい? 影山は両手両足を拘束されている状態なんだろう?」

影山がこれをどう使ったか。それはおそらく……


↓2
1投げた
2飛ばした
3食べた

正解!

夏目「これだ……!」!


夏目「飛ばした……とか?」

ジョー「飛ばしてどうなるんだよ! そんなに都合よく当たるわけねぇだろ!?」

湯川「いえ、でもそれも正しいです」

ジョー「なんだよお前! さっきから夏目を肯定ばっかしやがって!」

言乃木「嫉妬はやめろ見苦しいよ」

湯川「……」

湯川「……すいません、私気付いてしまったかもしれません」

ジョー「気づいたって……何にだよ?」

湯川「一番考えたくなかった、恐ろしい事実に……」

夏目「恐ろしい事実……?」

なんだよそれ……これは影山の自殺、なんだろ……!?

なぁ、そうなんだろ……!?

湯川「まず、大前提として……彼女がそのモノクマボールを飛ばす仕掛けを作ったのは間違いありません」

湯川「ですが、それを起動させたのは影山さんじゃなかったんです」

ジョー「ど、どういうことだよ!?」

言乃木「……待て。これ以上何を言おうっていうんだい?」

言乃木「話が飛躍しすぎだ! 今は“影山がどうやってモノクマガラス細工を落としたのか”について話し合ってるはずだろう!?」

言乃木「それがなんで……“モノクマガラス細工を落としたのは影山じゃない誰か”という流れになっているんだい!?」

足立「な、なんだそれ……どういうことだ!?」

湯川「まず、モノクマボールを飛ばした際に使った道具が現場に残っていました。それがなんだか……夏目さん、わかりますか?」

……モノクマボールを飛ばす際に使った道具か。それは――


↓2
コトダマを提示しろ!

正解!

夏目「これで証明できる……!」


夏目「この、倉庫の扉入り口にあったロープ――というかパチンコみたいなもののことだろ?」

筆原「なんですかそれ?」

ジョー「片方の先端が金属になってんな。それに……かなりの長さだ」

湯川「そうです。影山さんはこれの金属箇所にモノクマボールを固定して……」

湯川「向かい側の……おそらく、このモノクマ人形が固定してあった台座にでも引っかけたんでしょう」

湯川「そうして入り口から自分の頭上までをそれを使って繋げたら、そのまま“あることが起きるのを待った”んです」

足立「“あること”?」

それっておそらく――


↓2
1扉が破られること
2モノクマアナウンス
3爆弾の爆破

正解!

夏目「これだ!」!


夏目「もしかして……俺達が扉を破って中に入ってくることか?」

ジョー「は? そんなの待ってどうするんだよ?」

湯川「そうです。そうして私たちが全員で扉を破ることを見越して、影山さんはその扉に仕掛けを作ったんです」

湯川「……扉が破られることによってモノクマボールを飛ばし、その直線状にあるモノクマ人形のボタンを押して自分の頭にモノクマガラス細工を落としたんです」

筆原「ええっ!?」

言乃木「バカなことを言うな! そんなことが現実にできるわけがない!」

ジョー「そうだ! っつーかそもそもそんな仕掛けが本当にされてたかすら疑問じゃねぇか!」

……影山があの扉にそんな仕掛けをした?
本当にそんなことがされていたのか……?

【ノンストップ議論 開始!】
コトダマ
・ロープのような物
・モノクマファイル6
・鍵穴
・擦れたドアノブ
・モノクマボール


ジョー「【扉が破られることで起動する仕掛け】が入り口に用意されていたなんて……」

ジョー「んなことあるわけねぇ!」

言乃木「そうだ! あの『扉はそもそも密室を作るだけのもの』だったはずだろう!?」

足立「そこに他の仕掛けを追加で仕掛けるなんて……」

言乃木「さすがに【不可能】なんじゃないのかい!?」

筆原「もう、やめましょうよ……」

筆原「これ以上のどんでん返しはいりませんよぉ……」


↓2
論破or同意

そこ論破ポイントやで

不正解!
発言力
7→6


ジョー「なんでそれがいきなり出てくるんだよ?」

ジョー「もうちょいまじめにやれって!」


しまった……間違えたみたいだ……!


↓2
再安価

不正解!
発言力
6→5


湯川「夏目さん、本当は気付いているはずですよ」

湯川「夏目さんはその証拠を持っているはずです……」

くそっ……それを出さない限りは進めないってわけなのか!?


↓2
再安価

正解!

夏目「それは違うな!」論破!


夏目「違う! あそこの扉には確かにそれらしき証拠があった!」

湯川「はい……あそこのドアノブに、何かで擦ったような跡があったんです」

湯川「影山さんは扉を固定すると同時に、そこにモノクマボールを固定したパチンコの金属部分を引っかけたんです」

ジョー「オレらが扉を破ったことによってそのモノクマボールが吹っ飛んで……」

夏目「ああ。そのまま直線状にあるモノクマ人形に当たったんだ」


足立「信じられるかっ!!」反論!


足立「……だ、だがそのボールが本当にモノクマ人形に当たったのかすら危ういだろう!?」

足立「そんなピンポイントにボールを飛ばすなんて……非現実的すぎる!」

夏目「だが、少なくともあのボールは向かいの壁……物置き棚の上の方には飛んでいるんだ」

足立「だったらその証拠を教えてくれ!」

【反論ショーダウン 開始!】
コトダマ
・壁の痕
・擦れた痕
・鍵穴
・モノクマ人形


足立「確かにあの扉にそういった仕掛けはされていたかもしれないが……」

足立「それはあくまでされていただけの話だろう!?」

足立「そもそも、そこからボールを飛ばしてモノクマ人形に当てるなんて……」

足立「どう考えてもむちゃくちゃだ!」


夏目「確かにむちゃくちゃかもしれない……」

夏目「でもボールは確かに向かいの棚の上に向かって飛んだんだ!」


足立「だかその根拠を言ってくれ!」

足立「【棚の上のグッズが不自然に散らかっていた】のか?」

足立「あり得ない! 【あそこにボールが行き着いたという確固たる証拠が無い】以上……」

足立「そんなことがあるわけない!」


↓3まで
全員正解or正解者コンマ合計80以上でクリア

正解!

夏目「その矛盾……解錠してやる!」論破!


夏目「いいや、あそこには確かにボールが飛んだという証拠があった」

夏目「棚の上……グッズが置いてあるところの奥にある壁。そこに何かがぶつかったような痕があった」

湯川「当然、そこにボールが当たったんでしょうね……」

夏目「それに、その痕はモノクマ人形が置かれていたであろう場所の奥にあったんだ」

夏目「だから間違いない! 影山はそうやってボールを飛ばしてモノクマ人形を動かし、ガラス細工を落としたんだ!」

言乃木「つ、つまり……アタシらが扉を開けたことによりそこに引っ掛かっていたモノクマボールが射出され……」

筆原「それはそのまま直線状にあるモノクマ人形に当たったものの、さすがに勢い自体は殺されずさらに奥の壁にまで衝突……」

ジョー「モノクマ人形自体は起動して、進行方向にあったモノクマガラス細工もろとも落下し……」

足立「そのまま、影山さんを殺したっていうのか?」

その奇想天外なトリックに驚きを隠せない俺達。
だが湯川だけが例外だった。

湯川「おそらく――いいえ、絶対にそれで間違いないはずです」

言乃木「そんなことがありえるわけ……」

言乃木「……いや、そういうことか。それが湯川の言っていた恐ろしい事実なんだね……?」

ジョー「な、何がだよ!?」

そうだ……この場合の恐ろしい事実とは――


↓2
1扉を開けた人間がわからない点
2仕掛けを用意したのが誰かわからない点
3今朝の朝食がわからない点

正解!

夏目「……!」!


夏目「あの時の俺達はかなり気が立っていたな……」

夏目「直前までの爆弾騒ぎに、コテージの爆破と追加ルールによる実質の睡眠不可……」

足立「しかもその爆弾騒ぎすらただの狂言だったんだ」

足立「気が立って当然だと思うが……」

ジョー「でも、それがどうしたっていうんだ?」

湯川「そんな中でいくら“全員で力を合わせて扉を破る”と言ったところで……絶対タイミングの誤差が生じるものです」

夏目「つまり、影山を殺すきっかけとなったあの扉の仕掛けを作動させたのは……」

夏目「……“本人さえわからない”んだ」

筆原「な、なんですかそれっ!?」

夏目「つまり、影山の本当の目的は“犯人がわからない他殺”で自分を殺すこと……」

夏目「それが影山の目的だったんだ!」

ジョー「な、なななな……」

ジョー「なんだそりゃあっ!?」

言乃木「そういうことかい……クソっ! どこまで手の込んだことしやがるんだあの変態は!」

筆原「答えのわからない事件を起こさせて、それで私たち全員を処刑させる……」

足立「正気の沙汰じゃない……狂っている……!」

夏目「それが影山の目的だったんだ……」

夏目「あの自分の体を痛めつけることも、撲殺という自分でやれない殺し方を選んだのも、全部がこのための偽装工作にすぎなかったんだ……!」

筆原「で、ですが……そうだとしたら、私たちは誰に投票すればいいんですか?」

夏目「わからない……」

夏目「その判断が付かない状況こそが、影山の目的だったんだ。だから……」

足立「ま、待つんだ! だがそれはモノクマだって同じのはずだぞ!」

最後の望みを捨て切れず、足立がそう言うとジョーも口を開く。

ジョー「そ、そうだ! モノクマがわかんねぇならこんな裁判無効だ!」

ジョー「な? そうだろモノクマ?」

言乃木「あんな状況で監視カメラ越しに誰が最初に扉をぶち破ったかなんて判断できるはずがない……!」

だがそんな言い分を聞いてもなおモノクマは残念そうに溜息を吐く。

モノクマ「あのね、そんな監視カメラがどうこうとか言う小さな枠組みでボクは生きてないの」

モノクマ「ボクにはこの島で起きることすべてがわかるんですわ! なんだったら今からそれを証明してみせようか?」

夏目「証明だと……!?」

モノクマ「えーとですね、筆原さんの今日の下着の色はピ――」

筆原「な、何を言ってるんですかっ!?」

モノクマの言葉をさえぎるようにすかさず筆原が叫ぶ。

ジョー「…………」

言乃木「……ジョー?」

ジョー「はっ!? な、なんでもねぇよ!!」

モノクマ「とまぁそういうわけなので! もちろん裁判は無効じゃありません! 頑張って犯人を当ててくださーい!!」

足立「当てろって言われても……方法も無いのにどうやって……!?」

筆原「あ、諦めるしかないんでしょうか……?」

湯川「……いえ、一つだけ方法があるかもしれません」

ジョー「マジで!?」

湯川「はい。ですがその前に……夏目さん、もう一度最初から今回の影山さんの犯行を振り返ってくれませんか?」

湯川「それで、私の思い浮かべてる方法が可能なのか考えてみます……」

夏目「……わかった。それじゃあ、やるぞ!」



【クライマックス推理 開始!】

夏目「今回爆弾騒ぎを起こした影山は、俺達の( A )を爆破しさらにモノクマにルールの追加を頼んで俺達の睡眠を封じてきたんだ」

夏目「そのせいで気が立っていたこともあり、俺達は影山の思惑どおりそれぞれの島を1人ずつで調べてしまった……」

夏目「その頃倉庫にいた影山はまず、扉の入り口を( B )で軽く固定したあとで( C )を鍵穴に詰めたんだ」

夏目「さらにドアノブにパチンコの先端部分を引っかけ、そこに( D )を固定する」

夏目「そうしたら向かい側の物置き棚の上に( E )を置き、その近くにモノクマガラス細工を置く……」

夏目「さらにそのすぐ下に椅子を置き、背もたれと柱をロープで繋いだ影山はそこから恐ろしいことをしていったんだ」

夏目「まず、自分の両手両足を( F )で拘束し、そのあと軍事施設から持ってきた( G )で自分の体を次々にメッタ刺しにしていく……」

夏目「そうしたら後は俺達が爆弾騒ぎを終えて倉庫に来るのを待っているだけ」

夏目「俺達は固定されたドアを破るために全員揃ってドアを破ったつもりだったが……そうだよな、あんな場面で本当に全員揃ってドアを破れるはずがない」

夏目「それすらも見越していた影山の頭上にある( E )に( D )が当たり、そのままモノクマガラス細工を影山の頭上に落とす」

夏目「胸に刺さってた( F )はその直前くらいで突き刺したんだろう……さらに言うなら、そのモノクマガラス細工の落下音は現場にあった( G )でかき消したんだ」

夏目「……こうして誰が犯人なのかわからない状況を仕立てあげるのが影山の目的だったんだ!」


【キーワードリスト】
A…影山が爆破したそれぞれの施設とは?
B…入り口の扉を固定していたものとは?
C…鍵穴に詰めていたものとは?
D…影山が扉の仕掛けによって射出した物とは?
E…影山の頭上にある物を落とすために使用された物とは?
F…影山が軍事施設から持ち出した物とは?
G…仕掛け作動の際に生じる音を相殺するために用意したものとは?


↓3まで
正解者一人でもいればクリア

FとGがおかしいような

A…コテージ
B…ロープ
C…ガム
D…モノクマボール
E…動くモノクマ人形
F…1手錠、2アーミーナイフ
G…1アーミーナイフ、2MP3プレイヤー

あっ……(察し)

すいません直したつもりが直ってなかったです

>>328が正解なのでこのまま進めます
マジですいません……




夏目「今回爆弾騒ぎを起こした影山は、俺達のコテージを爆破しさらにモノクマにルールの追加を頼んで俺達の睡眠を封じてきたんだ」

夏目「そのせいで気が立っていたこともあり、俺達は影山の思惑どおりそれぞれの島を1人ずつで調べてしまった……」

夏目「その頃倉庫にいた影山はまず、扉の入り口をロープで軽く固定したあとでガムを鍵穴に詰めたんだ」

夏目「さらにドアノブにパチンコの先端部分を引っかけ、そこにモノクマボールを固定する」

夏目「そうしたら向かい側の物置き棚の上にモノクマ人形を置き、その近くにモノクマガラス細工を置く……」

夏目「さらにそのすぐ下に椅子を置き、背もたれと柱をロープで繋いだ影山はそこから恐ろしいことをしていったんだ」

夏目「まず、自分の両手両足を手錠で拘束し、そのあと軍事施設から持ってきたアーミーナイフで自分の体を次々にメッタ刺しにしていく……」

夏目「そうしたら後は俺達が爆弾騒ぎを終えて倉庫に来るのを待っているだけ」

夏目「俺達は固定されたドアを破るために全員揃ってドアを破ったつもりだったが……そうだよな、あんな場面で本当に全員揃ってドアを破れるはずがない」

夏目「それすらも見越していた影山の頭上にあるモノクマ人形にモノクマボールが当たり、そのままモノクマガラス細工を影山の頭上に落とす」

夏目「胸に刺さってたアーミーナイフはその直前くらいで突き刺したんだろう……さらに言うなら、そのモノクマガラス細工の落下音は現場にあったMP3プレイヤーでかき消したんだ」

夏目「……こうして誰が犯人なのかわからない状況を仕立てあげるのが影山の目的だったんだ!」


Complete!!

夏目「これが、影山の仕組んだ罠ってことになるはずだけど……」

筆原「ど、どうですか湯川さん!? 湯川さんの言う起死回生の手は、使えそうですか!?」

湯川「…………」

足立「ゆ、湯川さん?」

言乃木「やっぱ無理なのかい……!!」

ジョー「適当に投票するしかないってことか!?」

湯川「……今の夏目さんの推理はどれも正解だと思います。だからこそ、疑問に思ったことがあるんですが……」

湯川「本当に、犯人にするのは誰でもよかったんですか?」

え……?

ジョー「ど、どういう意味だよ?」

湯川「だって、考えてみてくださいよ。今の推理で言われたトリック……確かにどれもむちゃくちゃです」

筆原「確かに、モノクマボールを飛ばして自分の頭上にある人形に当てて……」

言乃木「そのまま都合よくモノクマガラス細工を落としてるあたりとかね」

湯川「ですが、それを可能にさせたものがあるんです。それは影山さんが絶大な信頼を寄せていたあるもの……」

影山が絶大な信頼を寄せていて、なおかつこのトリックを成功させたもの?


↓2
1才能
2絶望
3モノクマ
4未来

正解!

夏目「そうか……!」!


夏目「影山の持つ、才能だな?」

ジョー「影山の才能って……“超高校級の幸運”だったよな?」

足立「ま、まさか……!」

湯川「はい。影山さんは自分の才能を信じたんです」

湯川「“私たちなら全員揃って扉を開けようとしてくれる”……“モノクマボールは必ず人形を打ち抜き、そのままモノクマガラス細工”を落下させてくれる」

湯川「……ですが、それだけじゃありませんでした。影山さんにも“標的”はいたんです」

筆原「標的って……?」

……いや、こんなものもはや議論するまでもないことだ。
影山が狙っていた標的、それは――


↓2
1裏切り者
2ジョー
3言乃木
4夏目

正解!

夏目「そうか……!」!


夏目「裏切り者……だな?」

足立「じゃあ何か? 影山さんは裏切り者をあぶり出すために自分の運を頼ったと……?」

言乃木「ただの運任せってことかい!?」

湯川「“超高校級の幸運”である彼女だからこそ、運を頼ったんでしょうね……」

……それはなんとなく、賛同できた。
最初の甘露寺のときの事件も、ファイナルデッドルームでのときも。
アイツが行動するときは必ず運を頼った行動をしていた。

言乃木「クソっ……あの女の運任せでアタシたちは全員ピンチだよっ!」

足立「その裏切り者の死を乗り越えてみせろってことだろうな……!」

ジョー「“裏切り者の死”を乗り越えて、オレらの“希望”をより一層輝かせるため、ってか……?」

モノミ「…………」

モノクマ「モノミちゃん、言いたいことがあるかもしれないけど今は黙っててね?」

湯川「これが私の推理です……」

湯川「どうです? 自分で言っててかなり荒唐無稽だとは思いますから……無理にこの推理を信じろとは言いません」

確かに、馬鹿馬鹿しい話だ。
自分の狙う標的もわからないまま、俺達に仕掛けた罠の根幹部分も結局は運任せだなんて……

でも……

夏目「信じるしかないだろ……!」

筆原「でないと、今度は私たちが運任せで投票するしかないんですもんね……」

ジョー「でもよ……それを信じたからってどうしろってんだ? 結局裏切り者が誰かわからない以上打つ手なしじゃないかよ……」

足立「確かに……こんなところで今さら出てこれるとも思えない……」

そうやって俺達が沈んだ空気を放っていると。

不意にその声は聞こえてきた。

湯川「……仮にですよ。仮に、あの爆弾騒ぎのときに裏切り者が名乗り出ていたら……影山さんはどうしたんでしょう」

湯川「あそこまでの無茶はしなかったんでしょうか……?」

……え?

湯川「それでも、仕方なかったんです。だって……名乗り出ることができなかったんですから」

湯川「だって……そういう風にはできていないんです。“裏切り者”として接することしか、できなかったんです……」

夏目「おい、湯川……?」

湯川「だから、私はみなさんに当ててほしいんです。誰が裏切り者なのかを」

ジョー「なんだよ……いきなりどうしたってんだ……?」

湯川「夏目さんは誰だと思います?」

湯川「“未来機関の一員”としてみなさんの中に紛れ……今の今までみなさんを騙していた、“裏切り者”の正体」

夏目「何を言ってるんだよ……!!」

湯川「…………」

湯川「お願いします……」

…………、


↓2
怪しい人物を指名しろ!

正解!

夏目「……!」!


夏目「お前……だったのか?」

夏目「俺達の中にいた“裏切り者”って……お前だったのか?」

モノミ「ま、待ってくだちゃい!」

湯川「…………」

湯川は下を向いたまま、動かない。

ジョー「おい、湯川……?」

そうすること数秒。湯川はふと顔を上げた。

湯川「正解です。……さすがですね夏目さん、大正解ですよ」

夏目「なっ……!?」

言乃木「なんだと……!? おい、湯川! アンタ……!!」

湯川「みなさんの中にいた“裏切り者”……それって、私なんですよ」

くそっ……なんだよそれっ……! なんでそんなことを俺は――納得できているんだよ!?

ジョー「なんだよそれ!? じゃあ、お前はずっとオレ達を騙してて……!?」

筆原「そんなことないですっ!! だって……湯川さんが“未来機関”なんて恐ろしい組織の一員だなんてありえません!」

筆原「それは今までの湯川さんを見ていれば絶対にわかるはずですっ!!」

モノミ「ちょっと待ってくだちゃい! 未来機関はミナサンの思っているような組織じゃあ……!!」

足立「黙っててくれ! 俺達は今湯川さんと話しているんだ!」

湯川「いいえ、話すことなんてもうありませんよ」

きっぱりと湯川が言う。その瞳にはうっすらと光る何かがあった。

足立「なんだって……!?」

湯川「だって……もう事件の謎はどこにもありませんよね?」

湯川「それなら……投票タイムに入るしかありません」

言乃木「待ちな! アンタが“裏切り者”だって納得したわけじゃないんだ! まずはその証拠を出してからにしてもらおうか!!」

真っ先に反論したのは足立でも筆原でもジョーでもなく……言乃木だった。

湯川「言乃木さん……?」

言乃木「アタシは信じないよ……アンタが“裏切り者”だなんて、絶対にね……!」

言乃木「せっかく初めてできた信用できる相手の1人が“裏切り者”だったなんて! そんなこと信じられるわけがないだろう!?」

夏目「言乃木……!」

その瞳には涙があった。
言乃木らしくもない、涙が。

ジョー「そ、そうだ! お前が“裏切り者”だってんなら、オレらを納得させてからにしやがれ!!」

足立「俺だって信じたわけじゃないさ! 君が“裏切り者”だなんてね……!」

筆原「私だってそうですよ!!」

いや、言乃木だけじゃない。他の全員が涙を流していた。

ジョーが。
足立が。
筆原が。

――俺が。

言乃木「そもそも! アンタが本当に“裏切り者”だってんならどうして今になって名乗り出てきたんだい!?」

足立「そうだな……どう考えたってそれはおかしい!!」

湯川「……本当、なんででしょうね?」

湯川「たぶん……ようやく私も前に進めるようになったんじゃないでしょうか……」

え……?

湯川「夏目さん、お願いがあります」

夏目「なんだよ……」

湯川「私が“裏切り者”だという証明を……してください」

夏目「なっ……!?」

夏目「バカ言うなよ! なんで俺がそんなことを……!!」

湯川「全部話してあげたいんですが……それは無理なんです」

湯川「だから、夏目さんにお願いするしかないんですよ……」

夏目「わかってるのかよ! そんなの『自分を殺して』って言ってるのと同じだって!」

夏目「俺に……できるわけないだろ……! もう、誰かを殺すなんてしたくないんだ……!!」

兎呑。
最咲。
そして――今まで犠牲になっていった奴らの顔が浮かんでくる。

湯川「すいません……お願いします……」

夏目「…………」

足立「やってみるしかないってのか……?」

ジョー「いっそのこと化けの皮くらい剥がれてくれれば、オレらだって納得できるのによぉ……!」

ジョーがそう言って唸ると、横からさらにこの空気に加わってくる……悲痛な叫び声が。

モノミ「化けの皮なんてありまちぇんよ!!」

夏目「モノミ……!?」

モノミ「へへん……あちしはずっと、ずーっと一人だったんでちゅ」

湯川「モノミさん……?」

モノミ「だから! 湯川さんのことなんて何も知らないんでちゅって!!」

モノクマ「あーあ、まったく本当にオマエは演技ってのがヘタクソだなぁ」

モノクマ「“あっち”も“こっち”も大根役者しかいやしないね!!」

湯川「夏目さん……お願いします」

モノクマ「あちしは湯川さんのことなんて大嫌いなんでちゅ!!」

夏目「…………」

くそっ……俺が示すしかないのか!?
湯川とモノミを繋げる、その根拠を……!!



【パニックトークアクション 開始!】

モノミ「あちしと湯川さんは仲間でもなんでもないやい!」

モノミ「あちしはずっと一人ぼっちで……仲間はずれにされてきまちた」

モノミ「それはこれからもそうなんでちゅ!」

モノミ「あちしは“未来機関”の一員でちゅが! 湯川さんは何も関係ありまちぇん!!」






モノミ「あちしと湯川さんは仲良しでもなんでもないんでちゅ!!」




↓2
順番通りに並び変えてください

  
        
          モノ

   ノー            ミの
           ト

そういうわけでここまでです
本来なら終わりまで突っ切れるかと思ってたが、そんなことはなかった

本来ならモノミのくだりは反論ショーダウンで代用するつもりでしたが、ラストへの練習も兼ねて本編どおりパニックトークアクションとさせていただきました(甘露寺のときで廃止になったと思いました?)

あとこの流れならこのchapterでもう一発パニックトークアクションが出る予定

では何か質問等あったらどうぞ
無ければ筆原さんの下着はピンク色ということだけ覚えといてください


まさか足立が生き残るとは…

乙、そのまま湯川さんだったか
正道辺りかもと思ったんだけど
ところで言乃木さんの下着の色は何色ですか?

>>358
代わりに足一本貰いましたが

>>359
言乃木は黒のイメージがあるがそうなると兎呑や影山も黒のイメージだし三人が黒下着というアダルティなことになるという
逆にどんなイメージかね(決まってないとは言えない)

色が同じなら形とか生地で勝負だ

言乃木さんシルクっぽいパンツな気がする。
水色かな。

>>362
紐かティーしか出てこないよぉ……どちらにせよアダルティ路線突き進んでるよぉ……

>>363
待ってください。その一言で>>1の中の言乃木株が上昇してしまいました
クールなキャラとして進んできたはずなのにっ……!

おやすみでちゅ
次回で裁判終わりだと思いまちゅ、お願いしまちゅ

あと姶良さんは個人的に赤の派手な下着だと思う。むしろ私服がすでに派手だと思う

乙でした

21時頃再開予定よろしくお願いします

始まるんだべ


正解!

夏目「これで終わりだ!」!


夏目「影山のコテージにあった、あの宝箱に入っていたノート……あれってお前のノートだな? 影山が盗んだモノなんだよな?」

モノミ「知らないでちゅ……そんなもの、知らないでちゅ……」

言乃木「まさかそれに裏切り者の正体が……?」

モノクマ「はいはい! どうせそういう展開になるだろうと思って持ってきましたよ!!」

モノミ「ほわわっ!? いつの間に!?」

ジョー「今だけはお前を褒めてやる! つーかさっさと寄こしやがれ!!」

そうしてジョーがそのノートを確認していく。


【ジャバウォック公園でおかしなヌイグルミが現れ、私たちにコロシアイを要求。
みんなはパニックになり、ジョーさんは正道さんに殴られまでしていました】


ジョー「な、なんだよこれ? モノミの絵日記か?」

足立「それで……これのどこに裏切り者の正体が書いてあるんだ?」


【甘露寺さんの起こした事件の後、疑心暗鬼になってしまったみんな。その中で最咲さんが影山さんを旧館の大広間に監禁してしまいました】


夏目「ああ。影山もそれを期待してこれを盗んだんだろうな」

夏目「でも、これだけじゃあ裏切り者の正体は誰にもわからない。もちろん、影山にもな」


【雪咲さんの起こした事件前、足立さんが風邪を引いてしまいました。筆原さんが毎日看病に行っているみたいで、後で私も行こうと思う】


夏目「ただし、俺だけは別なんだ」

言乃木「アンタには裏切り者の正体がわかるってのかい!?」

夏目「今になってようやく、だけどな」



【兎呑さんの起こした事件の後、夏目さんが兎呑さんのコテージを訪れました。あの事件は彼にとってかなりの傷跡を残したみたいです】


夏目「まず、大前提からしてそれはモノミの絵日記なんかじゃない。モノミは字が書けないらしいからな」

モノミ「…………」

足立「じゃあこれは……」

夏目「モノミと繋がってる誰か……“裏切り者”が書いたと考えて間違いないはずだ」


【ドッキリハウスに監禁され数日、夏目さんと足立さんが大喧嘩をしました。一時はどうなるかと思いましたが、無事に仲直り。それどころか前よりも信頼が強まった気もします】


ジョー「それならこれは“裏切り者”が書いたモノミへの報告書みたいなもんか?」

筆原「ですが、それで何で“裏切り者”の正体がわかるんですか!?」

夏目「そこには、俺とある人物しか知らないことが書かれていたからだ」

そう、それは――


↓2
1モノクマからコロシアイを命じられたこと
2最咲が影山を監禁したこと
3足立が風邪を引いたこと
4夏目が兎呑のコテージを訪れたこと
5夏目と足立が喧嘩をしたこと

正解!

夏目「……!」


夏目「3度目の事件前後のことが書かれたページを見てくれ……そこにはこう書いてあったな?」


【兎呑さんの起こした事件の後、夏目さんが兎呑さんのコテージを訪れました。あの事件は彼にとってかなりの傷跡を残したみたいです】


夏目「そうだ……俺は確かにあのとき兎呑のコテージに訪れている」

夏目「だけどそれは……俺と湯川しか知らないことなんだ」

筆原「そんなことっ……!!」

夏目「なら筆原はこのことを知っていたか?」

筆原「っ……!!」

そう。あのとき俺が兎呑のコテージに行っていることは誰も知らない。
その場にいた、湯川以外は。


【Info】
コトダマ【湯川のこれまで】ゲット!
湯川はこれまでのコロシアイで生徒の間の空気を持ち直すために行動していた。それはモノミの絵日記の他、各生徒の心に刻まれている。

言乃木「だ、だが仮に湯川が本当に“裏切り者”だったとしてもだ! 本当に湯川に投票してもいいのかい?」

言乃木「それってつまり、影山の運を信じるってことだろう?」

夏目「違う……」

ジョー「はあっ!? あんな女にオレらの命を預けろってのか!?」

筆原「そんなのできるわけないじゃないですか!!」

夏目「そうじゃないんだ!!」

夏目「俺達は湯川を信じるんだよ!!」

足立「なに……?」

夏目「俺達が信じるのは影山でも、モノクマでもない……」

夏目「俺達の仲間の! 湯川ほのかを信じるんだよ!!」

湯川「夏目さん……」

湯川「すいません……気持ちはありがたいです。けど……」

湯川「私は……夏目さんたちの仲間を名乗る資格は無いんです。だって“裏切り者”なんですから……」

……それは――

夏目「……違うな」

ジョー「あ……?」

夏目「それは……違うな……!」

湯川が“裏切り者”だということはもう疑いようのない事実だろう。
でも、俺は今の湯川の言葉がどうしても聞き逃せなかった。

夏目「確かにお前は“裏切り者”だったかもしれない。でも、だからって俺はお前を蔑んだりしない!」

夏目「言ったはずだ! 俺は“仲間”である湯川を信じるって!」

すると湯川はぽろぽろと涙を流しつつ、言い返してきた。

湯川「でもっ! 私は何一つ夏目さんたちの役に立てなかった! 守ることもできなかった!」

湯川「そんな私が今さら仲間面なんてできるわけないんですっ!!」

……違う。湯川は俺達の仲間だ。
それを湯川に突きつけてやるんだ……!

【パニックトークアクション 開始!】

湯川「私は“未来機関”の一員なんです!」

湯川「みなさんの中に紛れ込んでいた“裏切り者”なんです!」

湯川「そんな私が……」

湯川「棋儀さんや甘露寺さんを……」

湯川「姶良さんや五十隅さん、雪咲さんを……」

湯川「最咲さんや兎呑さんを……」

湯川「正道さんや砂射さんを……」

湯川「そして、影山さんとここにいるみなさんを守れなかった私が……仲間面していいわけないんですっ!!」




湯川「誰も救えなかった私が仲間なわけがないんですっっっ!!」


↓2
正しい順番に並び変えろ!


     ゆか
  わの    まで
     これ

正解!

夏目「その心……解錠してやる!」Break!


夏目「……兎呑の裁判後、傷ついた俺を励ましてくれたのは誰だ?」

夏目「それはお前だろう湯川!」

湯川「っ……!!」

足立「それを言うなら……俺が風邪を引いたときも湯川さんは看病に来てくれたぞ」

言乃木「人付き合いが悪かったアタシを海に誘ってくれたのも、湯川だったね……」

ジョー「オレと協力して最咲を励ます会を開いてくれたのもお前だったな……ありゃあ楽しかったぜ」

筆原「ドッキリハウスで衰弱していた私を励ましてくれたのも……湯川さんでした」

夏目「それだけじゃあない。今まで死んでいった奴らだって……絶対、湯川を仲間として見ていてくれたはずだ」

夏目「だから! お前も自分を許してやれよ! お前だって俺達の仲間なんだ!!」

湯川「う、うう……!」

裁判の席に手を付き、下を向く湯川。

モノミ「ほのかちゃん……」

湯川「……ウサミさん、ごめんなさい。こんなことをして……」

湯川「絶対……いろいろな人たちから怒られますよね……」

モノミ「……正しいか正しくないかはあちしが決めることじゃありまちぇん。でも、今あちしは最高に誇らしく思いまちゅ」

モノミ「だって“湯川さんたち”がそんなことを思って行動したってことは……本来ならあり得ないことなんでちゅ。それが今こうして起きたってことは……」

モノミ「“奇跡”なんて、呼べるかもしれないでちゅね」

モノクマ「あのさぁ……いい加減投票タイムに入りたいんですけど」

夏目「……湯川」

すると湯川は下を向いていた顔を上げてくれた。
涙で濡れていたが、その顔はやけに晴れやかで――だからこそ、この場の全員を苦しめる。

湯川「……ありがとうございます。最後の最後で、救われた気がしました」

湯川「ですから、あとは私を信じてください……」

言乃木「クソ……があっ!!」

ジョー「なんでこうなっちまうんだよ……!?」

……俺達全員が、おそらくこう思っているはずだ。

“悔しい”。
“切ない”。
“虚しい”。
“寂しい”。

……でも、下を向くわけにはいかない。
何より仲間が信じてと言っているのなら……それに応えてやらないと、いけないんだ。

それが……“仲間”ってことだから……!


↓2
怪しい人物を指名しろ!

正解!

夏目「俺は……!」!






  MONOKUMA
    VOTE

ジャララララララララララララ……

 |ユカワ|ユカワ|ユカワ|

テッテレー!

チャラララララララララララ……


学 級 裁 判
閉廷!!

というわけで裁判終わりです。ひとまず湯川さんのおしおきまで書き溜めるので一時離脱

いよいよChapter5も終わりか。長かったなおい

何かあればどうぞ

パニックトークアクションは心の壁みたいなことをどこかで聞いたので。それならこの台詞もいいかなぁと
むしろ鍵師の才能出した人にこそ感謝です。まだ読んでくださっていれば幸いやでぇ……


ということでのんべんだらりと再開



モノクマ「あーっ、疲れた。まったくなんだってんだよ……」

モノクマ「さてさて、そんなこんなで終わった学級裁判。結果はなんとー……」

モノクマ「大 正 解 !! 影山詩乃さんを殺したのは湯川ほのかさんでしたー!!」

足立「くそっ……本当にそうだったのか……!」

ジョー「湯川が“裏切り者”だってのも……影山が自分の運頼りの犯行をしたのも……!!」

言乃木「しかもあの女はそれを成功させたってことだろう……!?」

湯川「……みなさん、おめでとうございます」

筆原「めでたくなんてありませんよ……」

ジョー「ああっ! くそっ! おい湯川! もう一回聞かせろ!」

ジョー「お前の正体は“未来機関の一員”! オレらをこの島に監禁した“未来機関の一員”!」

ジョー「……それで間違いないんだな!?」

湯川「……はい」

言乃木「くっ……!!」

湯川「……すいませんでした。本当はもっと早くに言えれたら良かったんですけど……無理だったんです」

湯川「私は……“私たち”は未来機関を裏切れない。何があっても……」

……裏切れない?

夏目「どういうことだよ、それ?」

湯川「夏目さんたちは空を飛びたくても飛べない。水の上を歩きたくても歩けない……」

湯川「要はそういうことなんです。“そういうもの”として存在してる以上、“私たち”は未来機関を裏切れない……」

夏目「……でも、結局は自分から言ったようなものだろあれ」

湯川「……ですね」

足立「で、ですねって……」

ジョー「わけわかんねぇことばっかだけどよ……結局何でお前が“未来機関”にいたのかは、教えてくんねぇんだよな?」

湯川「……すいません」

筆原「謝らないでください……私は、湯川さんを仲間だと思っていますから。これまでも、これからも」

筆原「ですからっ! 謝らないでください!」

言乃木「……結局は全部、影山の思惑どおりになったってわけかい」

夏目「裏切り者をあぶり出し……そいつだけを、処刑する……」

すると、ふと足立が声を出した。

足立「それなんだが……本当にこれが影山さんの狙いってことでいいんだよな?」

足立「“裏切り者”をあぶり出し……殺す。それが影山さんの狙い……」

足立「でも、そうだとすると少し妙じゃないか?」

夏目「妙って?」

足立「だってそうだろう? 今、俺達は湯川さんが名乗り出てこなかったら間違いなく負けていた。絶対に」

モノクマ「うぷぷぷぷ……そうだね、いいところに気が付いたね」

モノクマ「そうなんだよ。彼女の目的は“裏切り者”をあぶり出すことであって、殺すことじゃないんだよ」

夏目「は……?」

モノクマ「コングラッチュレーション! オマエラは見事影山さんに勝ったんだよ! だって影山さんは“裏切り者”を暴いた、その上で……」

モノクマ「『裏切り者以外の全員を殺すこと』が目的だったんだから!!」

筆原「う、裏切り者以外の全員を殺す!?」

ジョー「なんだよそれ!? あの女そこまでひねくれてたのかよ!?」

湯川「……いいんですよ」

そこで湯川がそんなことを言う。
いいって……

夏目「何がだよ……?」

湯川「だって、彼女だって状況が違えばあんなことまでしなかったでしょうし……」

湯川「影山さんだけが悪いなんてこと、ありませんから」

モノミ「ほのかちゃん……あなたは本当に、心やさしい子でちゅね」

モノミ「まったく……誰に似たんだか……」

湯川「私のお父さんか……それか、“友達”か……そんなところじゃないですか?」

モノクマ「あー! そうやってすぐ家族や友人の話に移るのがオマエラの悪いところなんだぞ!」

モノミ「なら……あちしだって負けられまちぇん! ほのかちゃんや“あの子”に負けないよう……」

モノミ「あちしにしかできないやり方で、一矢報いてみせるでちゅ!!」

モノクマ「へ? 一矢って……」

直後、モノミがモノクマに飛びかかった。

モノミ「もう……あんたの好きにはさせないでちゅ!」

モノクマ「うわっ……バカ! 何を――」

そしてそのまま、モノミとモノクマは爆発した。

……爆発!?

夏目「何が起きて……!?」

ジョー「おいおいおいおい……自爆しやがったぞ!?」

言乃木「だ、だがこれでモノクマも……」

モノクマ「死んでないよーん!」

筆原「新しいのが出てきました!?」

モノミ「まだでちゅ! まだ終わらんよ!」

するとそこにさらにモノミがまた出てくる。

モノクマ「なっ……おい、何をするんだって! やめ……!!」

モノミ「あちしがあんたに勝たないと……ミナサンが安心して暮らせないんでちゅ!」

ドカン! という爆音を出してまたも爆発する。
が、その直後また新しいモノミとモノクマが。

モノミ「まだでちゅ! あちしがミナサンを守ります!」

モノミ「それが教師たる者の務めでちゅから!!」

夏目「モノミ……お前……!!」

モノクマ「やめろって……このままじゃ全滅しちゃうよぉ……」

モノミ「そのつもりでやってるんでちゅ! さあ、あと何体でちゅか!? いっそのことまとめて出てくるでちゅ!」

モノクマ「何体って……あとはせいぜい――」


モノクマ「――那由多くらいだよ」

な、那由多って……!!

言乃木「10の60乗、だね」

モノミ「何を言って……」

モノミ「やいやい! この期に及んで冗談を言うとは神経図太いでちゅね!!」

モノクマ「はぁ? オマエこそ何言ってるんだよ! あのモノクマ製造工場を見なかったのかよ!?」

モノクマ「あそこでボクの分身は今も製造されているんだよ!!」

モノミ「何を言って……だって! あそこにはただのヌイグルミしか……!」

夏目「そうだ! 俺や湯川も確認している! あそこにあったのは間違いなくただのヌイグルミだ!!」

モノクマ「うーん、でもそこにあるのがヌイグルミだとしてもそれにモノクマという自我を加えれば……」

モノクマ「……それは立派なモノクマになるよね?」

足立「は?」

言乃木「そんなことやれるわけないだろう! 魔法じゃああるまいし!」

モノクマ「魔法……魔法ねぇ……うぷぷぷぷぷぷぷぷぷ!!」

モノミ「まさか、あなたはそこまでの“力”を……!?」

ジョー「待てよおい! いきなり魔法がどうとか、ここはいつからファンタジー世界になったんだって!」

モノミ「で、でも負けまちぇん! 例え勝ち目がなくても、あちしは……!」

湯川「ウサミさん」

そんなモノミに湯川が声をかける。

湯川「もういいんです。あとは、みなさんに任せましょう?」

湯川「夏目さん……足立さん……ジョーさん……」

湯川「筆原さん……言乃木さん……」

湯川「みなさんを信じて、私たちはもう……ここから去りましょう?」

モノミ「で、でもっ……!!」

湯川「私たちがいなくても、もう大丈夫ですよ……」

モノミ「……」

足立「結局……何がなんだかわからないことだらけだな……」

筆原「でも……どうやら、未来機関にとってもモノクマは敵みたいですね……」

言乃木「その2つの組織の抗争にアタシたちは巻き込まれているってことかい?」

モノクマ「はいはい! それくらいにして今はさ! メインイベントを迎えますよ!」

モノクマ「そう! その名もおしおきタイム! キリッ!!」

ぐっ……!!

夏目「ま、待てよ! まだ……もう少しだけ!!」

モノクマ「そう言われて待つか待たないか……どっちか絶望的なのか……」

モノクマ「夏目クンなら言わなくてもわかるよね!?」

湯川「ごめんなさい夏目さん……どっちにしても、もう私から言えることはないんです……」

夏目「違う! そうじゃなくて……!」

モノクマ「では! 超高校級の声優である湯川ほのかさんのために! スペシャルなおしおきを用意しました!!」

モノクマ「……っと、それとモノミちゃんもだね!」

湯川「えっ? なんで、ウサミさんまで……?」

モノクマ「ついでだよついで。だってボクに逆らう奴はもういらないし、それに……」

モノクマ「ボクって実は一人っ子だったんだよねぇ」

筆原「なんですかそれ……!?」

モノミ「いいんでちゅ」

夏目「おい! モノミ……!?」

モノミ「だって、あちしがいても足手まといになるだけでちゅし……それに……」

モノミ「ミナサンを信じることに決めまちたから!!」

そうやって湯川とモノミは覚悟を決めたような顔をする。

湯川「すいません……今まで騙すようなことをして。最後まで守ってあげることができなくて……」

湯川「そして……ありがとうございました。最後で、私を仲間だと言ってくれて……」

モノミ「最後に一言だけ……先生っぽいことを言わせてくだちゃい」

モノミ「英雄になる必要なんてないんでちゅよ。無理に誰かに認められなくたっていいんだからね」

モノミ「そんなことで自分を責めたり他人を責めたり……そんで、誰かに嫉妬したり……」

モノミ「でもね、そうじゃないんでちゅ」

モノミ「他人に認められなくても、自分に胸を張れる自分になればいいんでちゅ!」

モノミ「だって自分自身こそが、自分の最大の応援者なんでちゅから!」

モノミ「そうやって自分を好きになれば……その“愛”は一生自分を応援し続けてくれまちゅよ」

モノミ「らーぶ……らーぶ……」

最後、2人は手を取り合う。

湯川「さようなら、みなさん……」

湯川「大丈夫です。みなさんの前には“未来”が……輝かしい“未来”が待っています」

湯川「だから……あとは進むだけです。道を開けて、扉を開けて……進んでください」

湯川「私は信じてます。仲間であるみなさんを……」

モノミ「バイバイでちゅミナサン! 先生のこと、忘れちゃ嫌でちゅよ!」

そうして無情にも――運命のときは来た。


モノクマ「それでは張り切っていきましょう! これが最後の……おしおきターイム!!」




ぴこんっ☆


GAME OVER
ユカワさんがクロにきまりました。
おしおきをかいしします。
モノミちゃんもごいっしょに。



【超高校級の声優 湯川ほのか処刑執行】
【二次元最高!? もしも自分が二次元になったら】

モニターの中に湯川さんとモノミちゃんがいます。
それを眺めるように立つモノクマ。前にはスタンドマイク。手には台本。

モノクマがその台本を読みます。

『私の役目はあなたを殺すことです。いざ覚悟!』

するとどうでしょう。その言葉に合うように湯川さんが腰に差さっていた剣を抜きました。
さらに隣のモノクマが台本を読みます。

『あちしだって負けまちぇん!』

その言葉に呼応するようにモノミちゃんが剣を抜きます。数にして9体。

そこからはまさに目にも止まらぬ速さでした。
湯川さんが剣を振り、それをモノミちゃんが受け止める。

まさに一進一退の攻防。仲間同士であった2人がコロシアイをしているのです。

そうしてモノミちゃんが最後の1体となり――モニターの前に立つモノクマたちに異変が起きました。

そう! なんと10体目のモノミちゃんがモノクマたちをやっつけに来たのです!

突然のことになすすべなくやられるモノクマたち。
モノミちゃんはそのまま台本を奪い、読みます。

『もうこんなことをする必要はありまちぇん! 早くここから逃げまちょう!!』

当然それに呼応するように2人は剣を捨て、逃げました。
逃げて。
逃げて。
逃げて。
逃げて。
逃げて。

やっと見つけたものは“未来”と書かれた扉。

助かった! そう2人は確信してその扉を開けて“未来”への1歩を踏み出しました。





『――その1歩が絶望への1歩だとも知らずに』

ふと、ナレーターの声がしました。
するとどうでしょう。2人が踏み出した足元がすっぽりと落とし穴へと変わるじゃあありませんか。

深い、深い、絶望へと続く落とし穴。
それがどこに続いているかは誰にもわかりません。

ドガーン!!

最後のモノミちゃんごと、モニターがプレス機で潰されます。

所詮二次元は二次元。
声優が演じるキャラなんて、どこにもいないんだよ!!

じゃあここまでで
いよいよchapter6か……終わりが近づいてきてますね

何か質問等あったらどうぞ

22時頃再開予定
よろしくお願いします

盛大に遅れましたが再開します



…………。

終わってしまった。
湯川は――死んでしまった。

ぺたりと、膝を折ってしまう。

結局“ありがとう”の1つも言えず……湯川はいなくなってしまった。

モノクマ「はいはいはい! えーっと、余韻に浸ることすらできないまま話を進めちゃいますが……」

モノクマ「おめでとさん! これで“コロシアイ修学旅行”は終わりだよ! おつかれっした!!」

ジョー「……本当なんだな?」

ジョー「本当に! オレらはもう帰れるんだな!?」

モノクマ「うん! この“生き残った5人”にこの島から“卒業する権利”が与えられまーす!!」

突然の終了宣言。
当然、喜ばしいことだ。これでコロシアイなんてふざけたことが終わるのなら、最高だ。

――だが、だからこそ1つ疑問が出てくる。

夏目「その言葉に嘘は無いんだな?」

モノクマ「はにゃ?」

夏目「まだ期限は2日残っているはずだ。今までのお前ならこんなところで終わりにするとは思えない」

足立「それは……確かに」

ジョー「おいバカ! モノクマさまの気が変わったらどうすんだっての!!」

言乃木「素晴らしいくらいプライドの捨て方だねアンタ……」

夏目「もしかして、期限より人数に意味があるんじゃないのか? この“5人”という人数に」

モノクマ「…………」

夏目「黙ってないでなんとか言えって……! いい加減お前の正体を教えろ!」

夏目「俺達とも、未来機関とも敵対するお前の正体と目的……なんなんだよ!?」

するとモノクマは小さく息を吐いた。

モノクマ「未来機関が“世界の破壊者”なら……」

モノクマ「ボクは未来機関の作った“新世界”の破壊者となろう……」

モノクマ「……ま! そんなところかな!」

言乃木「何がだい……まったく説明になってないよ!」

モノクマ「いいからいいから。細かいこと気にするとしわが増えるよ?」

モノクマ「でも、なんていうかあのタイマーがゼロになれば自然とわかることなんだし……今はそんなこと気にせずに残りの2日間、南国生活を満喫しなよ」

筆原「そんなこと、できませんよ……!」

モノクマ「そう? でもここから帰ったら待ってるのは退屈で絶望的な世界なんだよ?」

モノクマ「それなら最後くらいはここでエンジョイしてもいいと思うけどな!」

モノクマ「アーッハッハッハッハ!!」

……モノクマの高笑いはいつまでも響いた。
俺達の抱く不安、悲しみ、怒り。それら全部を無視して――ずっと、続いた。

それから自分が何をしていたのか。そんなこと、どうでもよかった。


□■□■□


【夏目のコテージ】

気付けば俺はコテージに戻ってきていて……
考えることを放棄して、眠りに落ちていた。



……そうして目が覚めたあとも、俺は体を動かすことすらできなくて。

この狂った現実から逃げるように、意識を落とした。


□■□■□


夜。ようやくあたりが暗くなる。

夏目「……」

そういえば、モノクマアナウンスも聞いていない。
あれももう、必要ないってことなんだろう。

これで終わりということなんだろう……

夏目「終わり……」

何が終わる? まだ片付いてない問題はたくさんあるというのに。

学園生活の記憶。
未来機関。
希望ヶ峰学園。
モノクマ。

これらの問題から目を背けて、本当に終われるのか?

夏目「……」

答えは出ない。いくら自問をしても、答えがいつまでも出なかった。

――そうしてこの島での最後の夜が終わる。
全部の終わりは、俺達とはまったく関係のないところで始まっているというのにも気付かずに……

最後の夜は終わりを告げた。



【サイゴノヒ】

朝。目を覚ますと同時にゾクリと背筋が震えた。

夏目「っ……!?」

思わず飛び起きてしまう。
寝起きの俺を襲ったのは――恐怖だった。

まるでこの島に俺以外の全員がいなくなったような、そんな恐怖。

ジョーが、足立が、筆原が、言乃木が。

全員がいなくなったような恐怖が俺を襲う。

夏目「うわあああああっっっ!?」

そんな恐怖から逃れるように、
俺はコテージを飛び出していた。

そんな恐怖から逃れるように、
俺はコテージを飛び出していた。

そんな恐怖から逃れるように、
俺はコテージを飛び出していた。

そんな恐怖から逃れるように、
俺はコテージを飛び出していた。

そそんな恐怖からら逃れるように、
俺はココテージを飛び出していた。


そん○のそから□恐怖がら×●コテージ逃れ★るように、
飛び出し俺はコテ○ジを■*るように飛び◆出していた


【ナツメノコテージマエ】

コテージを出ると、俺はばったりとあいつに出くわした。


↓1
コンマ00~49兎呑
コンマ50~99湯川



兎呑「やあ夏目君、ちょうどいいところに来たな」

それは白衣と黒髪の長髪が特徴的な、兎呑だった。

夏目「……」

兎呑「……む、どうした。寝起きで頭がボーっとしているのか?」

夏目「あ、ああいや……なんでもない」

今俺の頭によぎった感情を振り払うように頭を振って、俺は兎呑に尋ねる。

夏目「兎呑は何をしてるんだ?」

兎呑「湯川さんが何やらあのヌイグルミ工場からノートパソコンを見つけてな」

兎呑「どうやらあの爆弾騒ぎの際に影山さんが残した、遺書のようなものだったようだ」

夏目「……影山の、遺書」

兎呑「ああ。それを確認するためにみんなレストランに集まっているところだ」

兎呑「夏目君も来るだろう?」

夏目「そうだな……行くよ」

兎呑「ふふ……それじゃあ、行くとしようか」

俺の返事に満足そうに微笑んで、兎呑は黒髪を翻してレストランへと向かう。

夏目「……」

……行くか。



【レストラン】

そこには全員が揃っていた。
俺を含めて、16人。問題ない。

棋儀「遅かったな夏目。何をしていた?」

ジョー「寝坊か? ダメだな夏目! こんなときに寝坊するなんて言語道断だ!」

甘露寺「つい5分前に来たくせに何を言っている」

最咲「夏目さん、おはようございます」

夏目「……影山の遺書があったんだって?」

湯川「はい。ヌイグルミ工場にあったあのパソコン、そのメッセージの続きになります」

湯川「おそらく……裁判が終わるまでは見れないよう細工をしていたんでしょう」

足立「影山さんはなんでもできるんだな……俺なんてパソコンをいじるのがもう苦手だ」

筆原「あはは……そうでしたね足立さん」

言乃木「アンタが来たことでようやく見れるよ。さ、アンタもこっちに来な」

言乃木に言われ俺はそのパソコンが置いてある方に行く。

五十隅「え、ええっと……これどう使うのかなぁ?」

雪咲「俺に貸してみろ」

雪咲がパソコンの前に立ち、キーボードを打って操作していく。
すると……




影山『えーっと……このメッセージを見ているのは誰になるんでしょう?』


影山の顔が映りだされた。



影山『未来機関の裏切り者……なのを願う限りです』

影山『そうでないと、私の負けになりますからね』


裏切り者の生存が、影山の勝ちということは……

言乃木「やっぱりそういうことなのかい……“裏切り者以外の全員を殺すこと”が影山の目的……」

夏目「モノクマの言ってたとおりだな……」

ジョー「でもなんでそんなことを?」

砂射「無駄口はこれが終わってからにしろ。まだ続きがある」


影山『さてと……今の私からだとどういう結末になって誰がこれを見ているのかわかりません』

影山『なのでどちらが見ていてもわかるように説明していきますね』

影山『まず最初に、何故私があんなことをしたのか……それについて説明しないといけません』

影山『ですが……実を言うと、今さらそんなことについて説明をするまでもないんです。私は今まで言ってきたことを実行したまでのこと』

影山『私はファイナルデッドルームで“ある事実”を知ったのです』

影山『それに該当する部分は処分してしまいましたが……いやいや、驚きました。だってまさか……』


影山『み×んが超○◆▽望だ□●んて』




影山『きっと、未来機関の裏切り者は最初からその事実を知っていたんでしょう』

影山『私も“この世界の真実”を知り、すぐに行動に移させてもらいました』

影山『その鍵となったのが……夏目さんなんです』

影山『うふふ……案外あのファイルは悪いことしか書かれてなかった、なんてことはなかったみたいです。だって――』


影山『わたww夏◆超完×実▽○★剣希望だっ●』


影山『もっとも、思い出したくないことまで思い出してしまいましたがね……』

影山『さて。これらの情報を踏まえてモノクマの一連の行動を振りかえると……モノクマのしたかったことも見えてくるんです』

影山『この島の謎、未来機関の謎……モノクマはいろいろな謎を私たちに突きつけてきましたね。それは何故か?』

影山『……それが“最高の絶望”に繋がると信じていたからです』

影山『しかもモノクマはその絶望を“誰か”に見せようとしていました。それはおそらく――』


影山『嫌だ★未来○の×◆k姉ww族はある』


影山『やれやれ……とことん絶望な真実ですよね。そうは思いませんか?』

影山『話を変えます。次からは“未来”の話になるわけですが……』

影山『みなさんがモノクマの目論見から解放されるには“ある場所”に行かないといけない……』



影山『その場所に入るためのパスワードが……ネズミー城にあった“あのメッセージ”なんですよ』

影山『“その場所”に行くには本来正規の手順を踏まないといけないみたいでしたが……』

影山『あのメッセージはそれらを無視する、まさに“裏技”というべきものです』

影山『あれはモノクマやモノミでもない……他の誰かさんが残したものなのでしょうが……』

影山『残念ながら私には関係ありません』

影山『……本当なら私の計画が終わるまで言わないでおくつもりでしたが、もういいですよね?』

影山『では発表するとしましょうか。“こちら”はどうやら5ケタの数字みたいですが、そのパスワードは……』




影山『23040』




影山『これがネズミー城にあったパスワードです。みなさんはそれを使って“ある場所”に行くことでしか、モノクマから逃げることはできません』

影山『……さて、これで私からの伝えるべきことは全部終わりです。なので最後、私個人からみなさんに伝えることがあります』



影山『私はみなさんを愛しています』

影山『希望と呼ばれるみなさんを、愛しています』

影山『なので、私の今までの行動はすべて……みなさんへの愛情だったのです』

影山『理解できないかもしれません』

影山『納得できないかもしれません』

影山『それでも、もしすべての真実を知るときがあったら……頭の片隅にでもいいので、こう残しておいてください』


影山『“みなさんを最後まで愛した存在”……それが影山詩乃だと』


影山『愛情というものは一方通行になっても仕方ないものだと思ってはいますが、やはり相思相愛の方が喜ばしいでしょう?』

影山『それではさようなら……せめて、最後まで“超高校級”と呼ばれるみなさんでいてくださいね……』


……そうして、メッセージは終わった。

中途半端ですがここまで
いよいよchapter6や……夏目たちを動かすのも次が最後なんや……

というわけで何かあればどうぞ

一応本日19時頃から再開予定なんですが、高確率で遅れる可能性
chapter0が時間かかってる……

そろそろ始めます



…………。


夏目「これが影山の最期のメッセージ……」

砂射「今出てきた“23040”というパスワード……」

正道「間違いあるまい。あの遺跡に入るためのパスワードだろう」

姶良「それじゃあ行くしかないよね。あの遺跡にさ」

最咲「よーし、それじゃあ行きましょうか夏目さん!」

夏目「……そうだな」


□■□■□


【イセキ】

そうしてやってきた遺跡。
その前に立ち……俺は足を止めていた。ただ遺跡の前で立っていた。

五十隅「う~ん……なんだか緊張してきたよぉ……」

雪咲「この中に行けば、モノクマの目論みから逃れられる……」

ジョー「つーかそれだって影山の言うことだしよ……信用できるのか?」

棋儀「そればっかりは信じる他ないだろう。じゃないと俺達は永遠に立ち止まっているしかない」

言乃木「それは嫌だね……」

足立「立ち止まるのは俺達の性に合わない……そうだよな?」

甘露寺「そのとおりだ。足立、お前は良いことを言うな」

筆原「私も賛成ですっ!」

姶良「あーあ……隙あらば惚気させてくれるよねこの2人……」

砂射「それはお前が過敏になりすぎているだけの気もするが」

湯川「それでは……夏目さん、さっきのパスワードをお願いします」

すると湯川が俺にそう言ってくる。

夏目「わかってるよ……“23040”だったよな」

湯川「何も心配することはありません……その扉の向こうにあるのは“輝かしい未来”なんですから……」

ジョー「全員で帰るっつー最高にハッピーなエンドがな!」

言乃木「影山を抜いて、だがね」

そんな話を聞きつつ、俺は横のパネルを操作してパスワードを入力していく。

――そして、俺はその“未来への扉”を開けて……




あ、けて……


【???】


…………、

夏目「ここ……裁判場か?」

夏目「でも……なんで裁判場?」

ジョー「確かに裁判場に見えるけど、なんていうか今までの裁判場とは雰囲気が違うっつーか……」

筆原「あと、1つ気になることがあるんですけど……」

足立「? どうかした?」

筆原「……みなさんはどこに行ったんでしょうか?」

言乃木「みなさん?」

……なんだ? 何かがおかしい。

いったい、何が――


Chapter5 すべては1つになりて 非日常編 完
生き残りメンバー
7人→5人

――To Be Continued



Chapter0 修学旅行へと向かう乗り物の中のような


それは、なんというべきか……

ゆらゆらというより……ぐらぐらと揺れていました。
右へ、左へ。
大きく、小さく。

部屋全体……そして、船全体がそんな風にして揺れていました。

なんと不安定。ですがそれすら“わたし”には心地いい。
こんな不規則な中でなら……楽しみを見つけれる。すべてを失ったわたしが唯一興味を持てる――そんな楽しみが。

なんて“オモシロイ”んでしょう。これなら当分は飽きることもない……

影山「船、好きでしたっけ?」

するとわたしの前に座っていた女が声をかけてきました。
赤下フレームの眼鏡。白いシャツに赤いスカートの女……

影山「ああ、すいません。勝手に話しかけてしまって」

影山「ずいぶん楽しそうにしていたものですから、気になってしまったんです」

???「そうですか。それで、質問の答えですが……」

???「船自体はそこまでといった感じですかね。ただ、今のこの状況がオモシロイんです」

???「次この船はどう動くのか。右か左か。その揺れ幅は大きいのか小さいのか」

???「わたしはそうやって普段からオモシロイことを探すことが好きなんです」

影山「…………」

影山「そうでしたか」

するとその女は一瞬、暗い顔をしてすぐに元の顔に戻りました。

影山「どうでしょう? よろしければ少しお話でもしませんか?」

人当たりの良い、笑顔。
だけれどわたしはその笑顔からこの女が何を思っているのか、見抜いてみせます。

それは同情。哀れみ。申し訳なさ。

この女はわたしと話すときはたいてい、そうやってわたしに同情したりしてきます。
それを何故わたしのような凡人が気づけるのか――それは、わたしとこの女が似たもの同士だから。

???「今、この船がどこに向かっているのかご存じで?」

影山「ジャバウォック島ですよね? そこにわたしたち“30人”の生徒が今この船で向かっているところなんです」

???「そこで何が行われるかは?」

影山「さすがにそこまでは知りませんが……もしかしてアナタは知ってるんですか?」

???「いえ、残念ながら“わたしは”知りません」

???「唯一知ってることと言えば……また“あいつら”がやってくるくらいですかね」

影山「“あいつ”……まさか“超高校級の絶望”のことで?」

影山「そうですか……そうなんですか……ふふ……」


影山「ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」


するとその女はそう不気味に笑いました。
時間にして僅か数秒。すぐにまた元の顔に戻ります。

影山「それなら私はまた“あいつら”に会えるんですね? また、大嫌いの“あいつら”に……」

???「会って、どうするおつもりで?」

影山「当然……今度こそ会って殺してみせます」

影山「それが……唯一私ができることですから」

…………。

???「その右手」

影山「はい?」

???「それは……“本命”の右手ですか? “ハズレ”の右手ですか?」

わたしが送る視線の先には、包帯が巻かれた女の右手。
ただしその包帯の先は目に見えてわかるように……他人の右手でした。

人も少なそうなので今のうちにご飯で離脱

一応何かあったらどうぞ

シャーンス・クレも消えた死体も影山についても全部裁判で判明します

ということでもう少ししたら再開

影山「どうでしょう……私個人としては“本命”だとは思うのですが」

影山「ですが、それはもう気にする必要はありません。どちらにせよ私はあの“大嫌いなあいつら”をこの体に取り込んでいるのですから」

???「大嫌いな?」

影山「はい、それはとてもとても大嫌いな……あれ? あれ……?」


影山「あれあれあれあれあれあれあれあれ?」


影山「…………」

影山「見てください。どうやら着いたみたいですよ」

するとその女は窓の向こうに視線を向けます。
確かに、目的地のジャバウォック島が見えてきました。

???「ごめんね」

すると不意に扉がノックされ、そこから1人の男が現れました。

影山「ああ、どうしましたか?」

???「いや、どうやら目的地に着きそうだったから……」

???「どうかな? せっかくだし甲板にでも出てみない?」

その唐突な誘いにまず女が答えました。

影山「ええ、構いませんよ。“センパイ”の頼みとあれば仕方ありません」

???「あはは……」

そうして男がこっちに視線を送ってきます。

???「すいませんが、わたしは遠慮しておきます。これから会う人がいますので」

???「そう? じゃあ行こうか影山さん」

影山「ええ」

2人、部屋を出ていきます。言葉どおり甲板に向かったのでしょう。

その数分後……また扉が開きました。中に入ってくるのは長髪の男。それがわたしの待つ待ち人だとはすぐにわかりました。

???「そろそろです。そちらは抜かりないですか?」

???「ご心配なく……こんなにもオモシロイイベント、そう簡単にミスするつもりはありませんから」

???「……オモシロイ? ツマラナイの間違いでは?」

…………、

???「相変わらずの平行線ですね」

???「ええ。そうみたいですね」

???「それよりも……アナタ、その赤下フレームの眼鏡まだ掛けているのですか?」

…………、




???「いけないですか?」


Chapter0 修学旅行に向かう乗り物の中のような END




…………、

扉だ。見違えるはずもなく、扉がある。

……なんで? というか、俺はどこに行くんだ?


□■□■□


【教室】

その扉の向こうは教室だった。

夏目「なんで教室……?」

俺はみんなと一緒に“あの遺跡”に入って……

そこで裁判場のようなところに来て……

……気づけばこの教室に。

夏目「……全然繋がらないぞ」

まるで最初、ジャバウォック島に来たときのようだ。
そうして俺が頭を悩ませていると……不意にそれは鳴った。


キーン、コーン……カーン、コーン……


モノクマ『マイクテストマイクテスト!! 大丈夫聞こえてるよね?』

モノクマ『オマエラ“希望ヶ峰学園”にようこそ! 今から“卒業試験”について説明したいので……至急体育館に御集りください!』


夏目「……希望ヶ峰学園?」

ここが……希望ヶ峰学園だって?
それに……“卒業試験”?

なんなんだよ……もう、帰れるんじゃなかったのかよ……?


□■□■□


【校舎1階 廊下】

廊下に出ても、そこは普通の学園とは違う雰囲気を放っていた。
やっぱり嘘だろ……こんなところが希望ヶ峰学園なわけがない。

夏目「体育館……だったな」

さっきの校内放送では確かに体育館に来いと言っていた。
こうなったら実際に行って……直接モノクマに聞くしかない!

そう思い俺は体育館に向かうべくその足を踏み出した……


Chapter6 This is the end ~さよなら絶望学園~


【体育館】

そうしてやってきた体育館は……意外にも、普通の体育館だった。

足立「ああ、夏目君」

夏目「みんな……そっちも、さっきの放送を聞いて?」

ジョー「ああ。つーか……ここが希望ヶ峰学園って言ってたけど、そんなわけないよな?」

筆原「当たり前です! こんなところが希望ヶ峰学園なわけが……!」


モノクマ「へいへい! 懐かしの希望ヶ峰学園はどうかな? 喜んでくれてる?」


足立「出たな……!」

言乃木「ちょうどいい。おい、今度はアタシらをどこに閉じ込めたんだい?」

モノクマ「おいおい……こいつぁ衝撃だぜ……! 希望ヶ峰学園だって言ったばっかりなのに……!」

ジョー「そんなわけあるかっ!」

モノクマ「そんなわけあるんだよ。だってここが希望ヶ峰学園なんだもの」

モノクマ「……オマエラが通っていた希望ヶ峰学園のなれの果てなんだもの」

なれの果て……って。

夏目「どういう意味だよそれ?」

モノクマ「あれ? 言わなかったっけ? 希望ヶ峰学園は滅んだよって」

筆原「ええっ!?」

モノクマ「でもショックだなぁ……ここまでしてあげたってのに、懐かしんでもくれないだなんて」

モノクマ「まあいいよね。何もオマエラのためにやったわけじゃないし!」

モノクマ「オマエラが喜んでくれなくても、“別の誰かさん”は涙と鼻水流して喜んでくれてるよね!」

言乃木「いつまでも意味不明なこと言ってないでいい加減吐きな! アタシらをどこに連れてきたんだい?」

ジョー「遺跡に入ったってことしか覚えて無いけど……」

モノクマ「まあ、簡単に言うなら遺跡の扉と中の間にこの希望ヶ峰学園を“作った”んだよ」

筆原「つ、作ったってどういう意味ですか!?」

足立「しかも間ってどういうことだよ!?」

モノクマ「うんうん、いいねいいね。そういう反応は大好きだよ」

モノクマ「本当はすぐに“卒業試験”をしてもいいんだけど、その前に“余興”があるからさ」

余興……

夏目「まだ何かさせるつもりか?」

モノクマ「そんな構えないでよ。言ったでしょ? コロシアイはもう終わりだよって」

モノクマ「今からやってもらうのは、いわゆる社会科見学だよ。外の世界を知ってもらって、そのうえでオマエラに選んでもらうんだ」

モノクマ「ジャバウォック島に残るか、ここから出るかをね」

は……?

言乃木「そんなの選ぶまでもない! 出るに決まっているだろう!」

ジョー「ここですぐに選ばせろやぁ!!」

モノクマ「ダメダメ! だってまだ“メインキャスト”が来てないんだもの!」

モノクマ「だからそれまでの間、オマエラにはこの希望ヶ峰学園内にばら撒かれた外の世界の資料でしっかりと勉強しててもらいます!」

モノクマ「ああ、当然それらの内容は全部本当だからね。だってそうしないと嫌われちゃうし?」

モノクマ「じゃあそういうわけで……スタート!!」

そうしてモノクマはいつものように意味不明な言葉だけを残して、消えた。

筆原「なんだったんでしょうか……外の世界だとか、メインキャストだとか」

足立「しかも、最後までモノクマはここが希望ヶ峰学園だと言っていたけど……」

ジョー「まさかここが本当に希望ヶ峰学園だってのか? こんな不気味なところが?」

言乃木「だが、結局のところモノクマとはなんだったんだ? “未来機関”とは違うんだろう?」

足立「それを言ったら、そもそも未来機関とはなんだったんだって話にもなるが」

夏目「湯川とモノミがいなくなっても、状況は何一つ変わらない……」

夏目「ということは、未来機関は俺達の敵ではなかったってことかもしれないな」

だがそれでも俺達をジャバウォック島に閉じ込めたのは未来機関だ。それは間違いない。

……ただの味方ってわけじゃあなかったのか。

足立「こうなったら意地でもその“卒業試験”とやらを終わらせて、全員で帰ってやろうじゃないか」

筆原「そうですね!」

ジョー「おう!」

言乃木「これ以上めんどくさいのはごめんだよ……」

夏目「そうだな」

……だが、引っかかる。
さっきのモノクマの言葉からすると、最終的な選択権――ここから出るか残るかの選択権はこっちにあるはずだ。

それなら俺達は絶対にここから出ようとする。それなのに何故モノクマはあんな言い方を……?

ジョー「……で、具体的にはどうする?」

夏目「まずは“社会科見学”をしろと言っていた。たぶんこの学園を調べろってことだろうが……」

言乃木「調べ物か。それなら簡単なことだね」

言って言乃木がくるりと入り口の扉に向かう。

夏目「おい、もう行くのか?」

言乃木「この学園中を調べるのなら、手分けした方が効率がいいだろう? それにコロシアイじゃないのなら、誰かが裏切る心配もない」

言乃木「勘違いしないでくれ。アタシはアンタらを信じてる、だからこそ……先に行ってるよ」

ジョー「あの女……こんなときまでいつもどおりかよ」

筆原「でも、言乃木さんの言うとおりですよ。私たちも頑張らないと!」

足立「そうだな。よし、それじゃあやってやるとしようじゃないか!」

言乃木に続いてジョーが、筆原が、足立が。そんなことを言いつつそれぞれ分散して体育館から出ていく。

……そうだ。ここから出るために“卒業試験”をするしかなくて、さらに“社会科見学”とやらもしないといけないっていうのなら……やってやる。

それで今度こそ、今までどおりの平穏な日々に戻るんだ……!


□■□■□


【廊下】

体育館を出ると、そこはさきほど通った廊下とは何もかもが一変していた。

夏目「なんだこれ……」

いや、いまさらこんなことで驚いてる場合じゃない。
もうモノクマの思い通りにはならないぞ……!


↓2
1武道場
2生物室

安価出しといてなんですがよく考えたら生物室行けませんねこれ
というわけですいませんが武道場からにします

ここからゆっくりになるのでよろしくお願いします
投下途中何か気になることあればお気軽にどうぞ



【武道場】

夏目「ここは……武道場か?」

だがなにやら異様な光景が広がってるようにも見える。元からこうなのか、はたまたこの建物で普通を維持するのが難しいのか。
そう思いつつ周囲を見ていると、床に無造作に置かれた一冊の漫画を見つける。


『漫画でわかる希望ヶ峰学園の歴史』


……いかにも怪しい感じの漫画だが、こんなものがどうして……?

モノクマ「うぷぷぷぷ! まずは歴史のお勉強からしないとね! 物事には順序っていうものがあるんだよ!」

モノクマ「こっちの不手際でそれを守ることなく進行しそうだったけど……それについては安心していいよ!」

言うだけ言ってさっさと帰るモノクマ。
……やっぱりアイツの用意したものだったのか。それならこの怪しさにも納得だが……

そうして俺はその漫画を手に取り、ページを捲っていく。
どうやら表紙の萌えキャラが語り部となり、希望ヶ峰学園を紹介していく内容のようだ。



【私立希望ヶ峰学園とは……“特別な才能を持つ高校生”だけが入学を許可される、政府公認の特殊教育機関である。
国の将来を担う“希望”の育成を目的とし、その卒業生の多くは各界の重要ポストを担っている。

入学生はスカウトによってのみ集められているが、それをスカウトするのは才能の教育者であると同時に才能の研究者でもある、希望ヶ峰学園の“教職員達”だった。
希望ヶ峰学園は、単なる才能の教育機関ではない……同時に“才能の研究機関”でもあるのだ。

だが……希望ヶ峰学園はここ数年、深刻な資金不足に悩まされていた。
このままでは、才能の研究が立ちいかなくなると考えた学園側は……ある制度の導入に踏み切った。それが『予備学科』である】


夏目「予備学科……?」

その聞いたことのない名前に俺は口でそう繰り返すと、さらにページを捲る。


【教職員がスカウトで生徒を集める“本科”とは違い、予備学科は一般入試によって生徒を集めた。
また予備学科で教鞭を取るのは、外部から雇われた“一般的”な教職員でしかなかった。

さらに、予備学科の学費や受験料は、一般的な高校と比べるとかなり高額に設定されていた。
それでも……希望ヶ峰学園への入学希望者は殺到した。
希望ヶ峰学園が“才能のない一般人”に開いた門戸……そのブランド力に人々は群がったのだ】


夏目「……」

言い方は悪いが、ようするに金づるというところか。
学園のブランド力によって生徒を集め、そこから得た受験料や学費を研究資金にする……予備学科というのはそういう存在。

夏目「……馬鹿げてるな」

いくら希望ヶ峰学園に入学したいと言っても、そんな予備学科じゃ何も変わらない。
才能があってこその希望ヶ峰学園で、才能がないのならおとなしく別の学校に行ってろ……と思わなくもない。

だがそんな俺の考えを読み取ったかのように、次のページにはこう書いてあった。


【だが、この制度に反発する生徒も少なからずいた。
それも当然なのかもしれない。本科の生徒はその様々な才能があったからこそ、希望ヶ峰学園に入学できたというのに、この予備学科は極論、“金さえあれば誰でも入れる”ようなものだ。

こうして、希望ヶ峰学園は莫大な資金を得て、更なるためにの研究に没頭していった。
学園創立以来の悲願である、“人類の希望となる真の天才”を生み出すために……

だがそんな矢先……かつてない悲惨な事件が希望ヶ峰学園を襲う。

世界を震撼させて“人類史上最大最悪の絶望的事件”のきっかけと言われる事件……

そう、“希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件”である。

その悲惨な事件に飲み込まれた希望ヶ峰学園は、志半ばにして長い歴史に幕を下ろすこととなった。

……おしまい】


夏目「……は?」

その打ち切り連載のような終わり方に俺は呆気に取られる。
広げた風呂敷をそのまま放置したような……気持ちの悪い終わり方。

それに最後の方に出ていた“人類史上最大最悪の絶望的事件”や“希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件”……

夏目「まさか実際に起きた事件じゃないよな?」

いや……それについては今はいいかもしれない。むしろ今気になるのは、予備学科だ。

なんだろうか。今の今まで存在自体知らなかったはずなのに……妙にもやもやする。
これはなんだ? ……嫌悪感?

夏目「……何を考えてるんだ俺は」

確かに予備学科という制度はバカみたいな制度だが、そこにいる生徒に対して嫌悪感を抱く必要はない。
そう、そんな必要は……ないんだ。


【Info】
コトダマ【予備学科について】ゲット!
本科とは違い、学園の資金集めのためだけに設立された制度。
だが本科の生徒は少なからずその制度に反発をしていたみたいだ。



□■□■□


【教室】

次にやってきた教室。そこの机の上にまたも漫画が一冊置かれていた。

夏目「……『漫画でわかる希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件』か」

さっきの漫画に書かれていた事件についてか。
確か希望ヶ峰学園が閉鎖になった原因の1つで……“人類史上最大最悪の絶望的事件”とかいう事件のきっかけにもなったんだったか。

夏目「読むしかない、か」

それはどこか時代遅れな劇画調のキャラがその事件について説明していくスタイルだった。


【“希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件”はその名のとおり、“希望ヶ峰学園”を舞台として起きた事件らしい。
その事件の中心人物は、“カムクライズル”という名の生徒だった。

カムクラは希望ヶ峰学園が総力を挙げて育成した、学園の象徴とも言える天才で……曰く、あらゆる才能を身に付けた天才の中の天才だったらしい。
その『人類の希望とも言える優れた才能』を指して、カムクラは学園で“超高校級の希望”と呼ばれていた】


夏目「ずいぶんと大それた名前だな」

超高校級の希望……あらゆる才能を身に付けた天才、か。


【学園側はその類いまれなる才能を守るために、カムクラの素性の一切を明かしていなかった。
それゆえ学園の生徒たちにもカムクラの存在はほとんど知られていなかったのだが……そんな“希望の象徴”とも呼べる生徒が突如として恐ろしい事件を引き起こしてしまったのだ。
学園のエリートで構成される、希望ヶ峰学園の生徒会13名がカムクラによって惨殺された事件が起きてしまったのだ!

しかし事件はそれだけでは終わらない。
学園側は優れた才能を持つカムクラを守ろうと、その事件を隠蔽してしまった。

だがその一方で……その事件を利用しようとする“ある人物”が、暗躍を始めていた。
その人物は本来希望ヶ峰学園に入学するはずだったのだが、学園の意向によりそれを見送られ……年に数回ある“一般開放”を利用して学園について調査をしていたらしい。

そうして学園の隠蔽工作を暴き、それが明るみに出されたことによって……以前から待遇に不満を募らせていた予備学科の生徒らを一斉蜂起させてのだ】



【その際に暗躍した希望ヶ峰学園の生徒が2人。上記の“ある人物”が学園を調べる際の協力者としてさらに1人がこの事件に関わっている。

これが“希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件”の全貌だ。

そしてその事件はさらに大きな事件へと発展していく。
それが“人類史上最大最悪の絶望的事件”と呼ばれる、忌まわしき事件だ】


俺は重いため息と共にその漫画を閉じた。

夏目「こんなものを信じろっていうのか……? 13人の生徒が殺されて、それをやったのがカムクラとかいう天才……?」

ダメだ。とても信じられそうにない。

夏目「というか……カムクライズルか」

あらゆる才能を持った天才で、超高校級の希望と呼ばれていたのなら……影山もそっちに興味を持ちそうなものだが。

仮にこれまでの事柄がすべて真実とするのなら……俺達は正真正銘希望ヶ峰学園の生徒で、このカムクラとかいうのにも少なからず面識なり知識があるはず。

学園が隠していたから、影山も知らなかっただけか?
それとも、そもそも記憶についての話がモノクマの嘘?
……それか、このカムクラよりも俺に興味を持つ理由が影山にはあった?

夏目「……今それについて考えても仕方ないか」

とにかく、次は“人類史上最大最悪の絶望的事件”についての資料になるはず。
どんなトンデモ展開が書いてあるかはわからないが、覚悟だけはしておかないとな……


【Info】
コトダマ【希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件】ゲット!
カムクライズルが生徒会13名を惨殺した事件。それを隠蔽しようとした学園の思惑を利用した1人の“ある人物”と2人の“協力者”によって予備学科の生徒が一斉蜂起した。
さらに“ある人物”が学園を調べる際にもう1人、“協力者”がいたとのこと。



【生物室】

夏目「寒っ!?」

次にやってきた生物室。そこでの俺の第一声はそれだった。

なんだここ……むちゃくちゃ寒いぞ!? 早く調べて外に出ないと……

夏目「……これか」

すると床に落ちていた漫画を見つける。
タイトルは……やはり『漫画でわかる人類史上最大最悪の絶望的事件』だった。

夏目「……」

もう何も考えることはない。
俺はそのまま漫画を捲っていく……


【あの“希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件”はただのきっかけにすぎなかった。

予備学科の一斉蜂起は当初、すぐに鎮静化するものだと楽観視されていた。
だがそれは思わぬ事態へと加速していく。

その運動はネットを経由して独自のコミュニティーを形成し、それは次第に人種や民族すら越えて発展をしていった。
さらにそれはネット上だけに留まらず、現実世界まで影響を及ぼした。

当初は社会不安を背景に持つデモ活動と変わらなかったはずだったのに、それはいつしか主義や主張のない破壊と暴力に変化していったのだ。

人の死すら当たり前に扱うその事件は、各地のテロやクーデターまでも引き起こし……戦争へと繋げる。
ただの戦争。
純粋な戦争。

だが元々はただの学生闘争にしかすぎなかったはずなのに、何故ここまでおおごとになったのか?
その理由は……“ある集団”の存在だった。

希望ヶ峰学園を崩壊へと導いた“ある人物”を中心とした……“超高校級の絶望”と呼ばれる集団だった】

【彼らはその類まれなる才能を“人類の希望の為”ではなく、“人類の絶望の為”に使ったのだ。

この“超高校級の絶望”が消えない限り、この絶望は終わらない。
“人類史上最大最悪の絶望的事件”は終わらないのだ】


俺はそこで読むのをやめた。

夏目「……馬鹿げてる」

そう、こんなものはデタラメだ。事実なわけがない。

モノクマ「もー! 馬鹿げてるなんて言っちゃダメだよ!」

夏目「おい、この漫画はいったいなんなんだ。こんなでたらめなことばかり……!」

モノクマ「だからこれらは本当のことだって!」

モノクマ「そりゃあ夏目クンたちは未来機関に記憶を奪われているから、このことについても忘れているかもしれないけど……だからこそ、ボクはこうしてオマエラのサポートをしてやってるんじゃんか!」

モノクマ「だって外の世界について知らないまま出てったら、待ってるのは絶望だけだからね!!」

……そういうことか。
こうやって外の世界が絶望に満ちていると思わせて、俺達が外に出るのを阻止しようとしているんだな?

夏目「そうはいくか……」

それなら、俺は絶対に希望を捨てない。
何があっても、絶対にだ!


【Info】
コトダマ【人類史上最大最悪の絶望的事件】ゲット!
“ある人物”を中心にした組織による、大規模な事件。
それは世界中の人々を絶望に落とすほどのものだった。



【教室】

足立「やあ夏目君……」

先ほどとは別の教室に入ると、そこにいたのは足立と――

モノクマ「…………」

――いや、足立だけだった。うん、間違いなく足立だけだ。

夏目「何をしているんだ?」

足立「いや、この教室を調べに来たんだけど……さっきからモノクマがこっちをチラチラ見ていて」

夏目「ああ……」

モノクマ「ってわけで2人とも!」

足立「うわっ!?」

突然話しかけてきたモノクマに足立が驚く。

夏目「なんだよ」

モノクマ「いやあ、なんか漫画で説明するの疲れちゃったからさ。とりあえずここでは口頭で説明していこっかなって」

夏目「なら最初からそうしてくれ……こっちはお前の描いた漫画なんか読みたくもないんだ」

足立「それで……説明っていうのは?」

モノクマ「ええっと、それはね……“超高校級の絶望”についてだよ!」

っ……!?

モノクマ「えーっと、今では集団を指す言葉となっているその言葉ですが……元々はある女子高生を指す言葉だったんです」

モノクマ「その名も……“江ノ島盾子”様ですね」

江ノ島盾子……?

モノクマ「彼女はその絶望的なまでにユーモア溢れる方法を駆使して、“超高校級の絶望”という集団を作っていったのです。それはもう組織と呼ぶに相応しい規模にまでなり……」

足立「待ってくれ! そんなただの女子高生が作った組織に入るような人間がいるとは思えないんだが」

モノクマ「彼女のカリスマ性の前にはそういう考えすら無意味なんだよ。彼女はそうやっていろいろな権力者までも味方にしていった……」

モノクマ「あの事件が“人類史上最大最悪の絶望的事件”とまで言われるようになった理由は主にそこにもあるんだよね!」

夏目「本来なら事件を止めるべき立場の人間を味方にしたってことか……」

足立「それなら、その江ノ島という人物の目的はなんなんだ?」

足立の問いにモノクマは不思議そうに首を傾げた。

モノクマ「もく、てき……?」

夏目「なんでそんな意外そうな顔をしているんだよ。何か目的があったからこそそんな事件を起こしたんだろう?」

モノクマ「それが江ノ島盾子の絶望なんだよ」

え……?

モノクマ「彼女にとっての絶望は、江ノ島盾子が江ノ島盾子であるための定義付けでしかない」

モノクマ「そんな理不尽な絶望によって“超高校級の絶望”を次々引き入れた江ノ島は、そのまま彼らの絶望を意のままに操ったんだ」

モノクマ「そうなってしまえば、“超高校級の絶望”はもうただの手足でしかない。江ノ島の意向に従い、“人類史上最大最悪の絶望的事件”を起こしていったんだ」

モノクマ「本来なら学園の生徒になっていた彼女だったけど、そうまでして希望ヶ峰学園を壊滅させた……そこに理由も、きっと無いんだよ」

夏目「そんなバカな話があるかっ!!」

モノクマ「その証拠に、“希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件”で予備学科の2357人……正確には2356人かな? そのすべてが集団自殺をしているんだ!」

夏目「しゅっ……!?」

そのとんでもない言葉に俺は言葉を失う。

足立「そんな話、信じられるわけがない……いや、仮に本当だとしても恐れる必要はないんだ」

足立「だってその江ノ島はもう死んでるはずだからな!」

死んでるって……!!

夏目「それ、どういう意味だよ!?」

足立「夏目君は見てないのか? あの血まみれの教室に置いてあった『漫画でわかるコロシアイ学園生活』っていうタイトルの漫画を」

夏目「血まみれの教室……いや、それより! コロシアイ学園生活って……! 確か、首謀者が最後に死んだっていう……!」

足立「そうだ。結局のところ、その首謀者――江ノ島はその生き残った6人に負けて、自ら命を絶っている」

御陵書乃。
声伽学。
神代真琴。
御門ノノ。
首括くるり。
神原陽菜。

それがあのコロシアイ学園生活の生き残り……

足立「そもそもそのコロシアイ学園生活も、人類史上最大最悪の絶望的事件の一環でしかなかったみたいなんだ」

足立「江ノ島は記憶を奪った元希望ヶ峰学園生にコロシアイを強要。その一部始終を監視カメラで全国に配信していたらしい」

夏目「なっ……!?」

悪趣味すぎる……!!

足立「だけど、江ノ島も結局は外聞の人間にだったからそのコロシアイ学園生活にいた生徒の中で2人を協力者に仕立てあげたらしい」

足立「もっとも、それが誰かまではわからなかったが……」

夏目「それなら……今回このコロシアイ修学旅行を仕組んだのは」

足立「その協力者だと考えるのが自然だろうね」

足立「だけど、前の時点で希望ヶ峰学園生徒が勝っている以上俺達が負ける道理はない。模倣は模倣だ……恐れる必要もないだろう」

確かにそうかもしれない。
それなら俺達の敵は……その江ノ島の協力者?

それに、これがもしそのコロシアイ学園生活の模倣なら……島に設置されていた監視カメラもそうなのか?
あれも……どこかに中継するためのものだったのか?


【Info】
コトダマ【超高校級の絶望】ゲット!
人類史上最大最悪の絶望的事件を招いた集団を指す言葉だが、元々は江ノ島盾子を指す言葉。
だが江ノ島はコロシアイ学園生活の最後で命を絶っているとのこと。

コトダマ【コロシアイ学園生活】ゲット!
江ノ島の起こしたコロシアイ学園生活は人類史上最大最悪の絶望的事件の一環だった。
その一部始終を監視カメラで全国に中継していたらしい。

コトダマ【江ノ島の協力者】ゲット!
外部の人間である江ノ島がコロシアイ学園生活を実行するために、2人の協力者がいたとのこと。

コトダマ【予備学科について】をアップデートしました!
本科とは違い、学園の資金集めのためだけに設立された制度。
だが本科の生徒は少なからずその制度に反発をしていたみたいだ。
なお希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件の際に予備学科生徒は1人を除いて集団自殺しているとのこと



モノクマ「さてと! どうやらここで回収できるフラグはこれで全部みたいだね!」

モノクマ「それじゃあ2人とも! ボクの全部をさらけ出してあげるから早くここから出て!」

夏目「は? いきなり何を――」

抵抗空しく俺と足立はモノクマによって廊下へと追い出されてしまった……


□■□■□


【廊下】

夏目「あれ……?」

足立「ここは……」

そこはさきほどまでとは違う風景だった。廊下であることは間違いないみたいだが。

……いや、驚いてる場合じゃないな。


□■□■□


【音楽室】

足立を分かれ、やってきたのは音楽室だった。

夏目「……」

何かおかしいものが見える気がする……しかも2つ。


↓2
どっちから先に調べる?
1記念碑
2ホログラム

あまり意味はないけど人の有無を確かめる意味でも安価出してみる
あとお風呂

人それなりにいたみたいでよかったです

じゃあお風呂行ってきます
少しオリジナル展開もありますがご容赦ください……ってこれはシャーンス・クレ出してる以上今さらですね

何か気になることあればお気軽にどうぞ

何故こんなときまで多和良はネタとなるのか

もう少ししたら始まります
捜査終了できたらいいな……

これは……ホログラム、というやつか?
文字が浮かんでいる……どうやらメールになっているみたいだが。


【先日も報告した件だが……
希望ヶ峰学園の生き残りを名乗る人間がいたという情報を入手した。
しかもその後の調査の結果、その人数はこちらだけで15人まで膨れ上がった。

なぜこのタイミングで“その人数”なのか、疑問は尽きないが……希望ヶ峰学園の生き残りとなれば“超高校級の絶望”がその15人を狙う恐れもある。
一刻も早くその身柄を保護するべきだと、こちらの方では結論付いた。

江ノ島盾子という核を失った連中にそこまでできるとは思えないが、万が一にもコロシアイ学園生活の二の舞を起こさせるわけにはいかない。
加えて希望ヶ峰学園の生き残りとなれば、我らの貴重な戦力として期待できるはず。

ただ、現時点では素姓の詳細・その後の行方は調査中なのでこちらも結果が出次第報告する。

別件の報告もしておく。
どうやらジャバウォック島の研究施設の準備が完了したようだ。
“新世界計画”に関しても、じきに実験段階に移行できると思われる。

首括くるり】


希望ヶ峰学園の生き残り……? 15人……? それに、“首括くるり”……?

夏目「生き残りっていうのは俺達のことだよな? 湯川を除けば、15人だったんだから」

だがこのメール……何か気になるな。おそらく未来機関のメールの一部だろうが……


【Info】
コトダマ【希望ヶ峰学園の生き残り】ゲット!
未来機関のメールによると、希望ヶ峰学園の生き残りは現在15人判明しているとのこと

コトダマ【首括くるりのメール】ゲット!
コロシアイ学園生活の生き残りの1人である首括が書いたメール。なにやら少し違和感があるが……?

こっちの記念碑、未来機関のマークが彫ってあるけど……


【未来機関は“人類史上最大最悪の絶望的事件”に対抗すべく……希望ヶ峰学園の卒業生・それに準ずる者達によって設立された】


え? 未来機関を設立したのは希望ヶ峰学園の卒業生と、それに準ずる者……

夏目「くそっ……何が“世界の破壊者”だ! モノクマ……デタラメばっかり言いやがって!」


【Info】
コトダマ【未来機関の成り立ち】ゲット!
未来機関は“人類史上最大最悪の絶望的事件”に対抗すべく……希望ヶ峰学園の卒業生・それに準ずる者達によって設立された

ここで集められる情報はこれくらいか……

夏目「……つまり、未来機関は俺達の味方。モノクマがそれに相対する“超高校級の絶望”ってこと……か?」

だがそれなら湯川もモノミもそう言ってくれれば……いや、モノクマがいる以上うかつな行動はできなかったのか。
それに、このメールには気になることが書いてあったな。

“こちらだけで15人”というのと……
“ジャバウォック島の研究施設”だ。

これらはどういう意味だ? 希望ヶ峰学園の生き残りは俺達以外にもいるっていうことか?
それに……ジャバウォック島の研究施設って、どういう意味だ?

夏目「……謎が深まるばかりだな」


□■□■□


【職員室】

ジョー「おおっ! 夏目!」

夏目「ジョーか。お前もここを調べに?」

ジョー「ああ。ここは……職員室みたいだな」

ジョー「オレこういうとこ苦手なんだよな……」

そうかい。

さて……ここで気になることは……


↓2
1黒板
2ホログラム

これもまたメールか……さっきのと同じで、未来機関の描いた文章みたいだ。


【“希望ヶ峰学園の生き残りの件”は了解した。
彼らを無事に保護すべく、引き続き調査にあたってほしい。

だが“絶望の残党”には、くれぐれも注意が必要だ。
江ノ島盾子を失ったとはいえ、彼らが危険であることに変わりない。

現に江ノ島盾子の亡き後も、人類史上最大最悪の絶望的事件は終わっていない。
ひょっとしたら……江ノ島盾子クラスの指導者が残っているかもしれない。

やはり、絶望の残党をなんとかしない限りはこの事件を終わらせることはできないようだ。

よって、絶望の残党は発見次第即座に処分しないといけない。

“神原陽菜”についての処遇は現在未だ未確定だが……こちらは現時点も絶望の残党として各地を争いに巻き込んでいる】


即座に処分って……!

夏目「いや、それも仕方ないのかもしれないな」

“人類史上最大最悪の絶望的事件”が俺がさっき知った通りだとすると、そんなのほとんど戦争と同義だ。
それを仕掛けたのが“絶望の残党”なら……容赦してられるわけがない。

夏目「だが……神原陽菜の処遇っていうのはなんだ?」

確かコロシアイ学園生活の生き残りだったはずだ。
それがなんで絶望の残党と同列のようにして語られている?


【Info】
コトダマ【絶望の残党】ゲット!
江ノ島盾子が無き後も、“絶望の残党”と呼ばれる勢力が残っている。
“絶望の残党”を止めない限り、人類史上最大最悪の絶望的事件は終わらない

コトダマ【神原陽菜】ゲット!
コロシアイ学園生活の生き残りであるはずの神原陽菜は、まるで絶望の残党と同列であるように語られていた。

あと、こっちの黒板……何やらいろいろ名前が書かれているな。


【夏目開人
 湯川ほのか
 ジョー・ホイットニー
 足立千里
 甘露寺慶喜
 棋儀歩
 雪咲影撮
 正道健一
 砂射才斗
 姶良雪華
 五十隅陽毬
 兎呑巳弧
 最咲愛花
 影山詩乃
 筆原鈴莉
 言乃木揺】


こっちは普通に俺達16人の名前。これはいいんだが……


【日向創
 七海千秋
 左右田和一
 九頭龍冬彦
 花村輝々
 超高校級の詐欺師の人
 田中眼蛇夢
 弐大猫丸
 狛枝凪斗
 小泉真昼
 辺古山ペコ
 罪木蜜柑
 西園寺日寄子
 澪田唯吹
 ソニア・ネヴァーマインド
 終里赤音】


そう、問題はこっちの16人の名前だ。
俺達はこんな名前、聞いたこともない……

ジョー「? なんだこれ、五十隅の姉貴か?」

ジョーがその被験者リストと書かれた名前の横に貼ってあった新聞記事を見る。
そこには『超高校級の童話作家と呼ばれている五十隅陽毬に取材してみました!』というタイトルが。

夏目「いや、タイトルに思いっきり五十隅陽毬って書いてあるが」

ジョー「そんなら……同姓同名の姉貴?」

ジョー「それか取材した奴が間違えてそう書いたとかな。えっと……綴文佳とかいうのが取材したみたいだけど」

モノクマ「いやいや、それは間違いなく本物で誤植とかもないよ。そこに写っているのは間違いなく五十隅さん」

ジョー「いやいやいや! そんなわけあるか! 五十隅はオレらの中で一番のロリ体系だったんだぞ!?」

ジョー「こんな兎呑と肩を並べるくらいグラマーじゃねぇ!」

夏目「お前そんな目で兎呑を見てたのか……」

モノクマ「し、知らんがなそんなもん……成長期にでも入ったんじゃないの?」

夏目「それもおかしいぞ。だって五十隅は……死んでるんだ」

成長も何もあったものじゃ……

モノクマ「うぷぷぷぷ……まぁ、ボクがここで与える情報は全部本物だよ! じゃあね!」

最後にそう言ってモノクマが去っていく。

ジョー「はあっ!? これが真実……!?」

そんなわけがない。だって……これが真実ならこの成長した姿の五十隅は間違いなく“あの五十隅”ってことになる。
死んだはずの五十隅の成長した写真だなんて……あるわけがない。

ジョー「まさかあの被験者リストってのが関係してるのか……? 実験があったから、被験者リストなんてもんがあるんだよな?」

夏目「……」

そうなると、俺達もその実験に巻き込まれているってことか……?

ちらりと黒板の上にある肖像画を確認する。そこには【希望ヶ峰学園創立者 神座出流】と書かれていた。

あれ……この読み方……


【Info】
コトダマ【被験者リスト】ゲット!
被験者リストとして夏目達16人の他にも見知らぬ名前が16個書かれていた。
さらに横には五十隅の新聞記事があったが、そこに写っていた女性は肉体的にかなり成長していた。

コトダマ【学園の創立者】ゲット!
職員室にあった肖像画には【希望ヶ峰学園創立者 神座出流】と書かれていた。



モノクマ「てんてけてーん! このフロアでのフラグは全部回収したみたいなので、NEXTSTAGEに突入してもらいまーす!」

ジョー「無駄に発音が良い……!?」

モノクマ「さあさあ! 眠気にも負けずどんどん行っちゃいなよ!」


□■□■□


【廊下】

夏目「またかよ……!」

ジョー「これってよ……そのフロアで知れることを全部知ったら、次のフロアに飛ばされるってことだよな?」

ジョー「うわああああああっ!? 飛ばされるってなんだよ意味わかんねぇ!!」

……もう何も考えるな。無心で情報を集めるんだ!


□■□■□


【娯楽室】

ここは……ダーツにビリヤードに、雑誌まである。
とても学園の施設とは思えないな……


↓2
1ホログラム
2ファイル

まだ人いるかな。もうちょい続けたい

希望ヶ峰学園のマーク……これもおそらく学園についての重要な証拠だろう。
とにかく、これも確認だ。


【希望育成計画について
希望ヶ峰学園は長年に渡って、あらゆる“才能”を研究し続けてきた。その成果を総動員して取り組むのが希望育成計画である。
世界に希望をもたらす“真の希望”を我が学園から産み出すことを目的とした……画期的かつ究極的な教育プログラムである。
この計画は我が学園の創立当初からの悲願であり、なんとしてでも成功させないといけない……】


そこから先はその計画についての説明と手順で、これ以上は関係ないと思いファイルを閉じようとしたとき――こんな文章を見つけた。


【――以上のことからこの希望育成計画は失敗は許されない。なので我々はその前段階……有り体に言うならその計画の練習として“希望強化計画”を考えた。
まずはこちらに取り組み、その後の希望育成計画を必ず成功させる所存である】


夏目「希望強化計画? ようは、希望育成計画の練習台ってことか?」

確かに学園の悲願とも言える実験なら失敗もできないし、こういう発想も頷けるが……


【Info】
コトダマ【希望育成計画】ゲット!
希望ヶ峰学園の悲願とも言える計画で、真の希望を生み出すのが目的らしい

コトダマ【希望強化計画】ゲット!
希望育成計画の前段階、いわば練習として計画された

やっぱりここまで。次で捜査終わりかな

夜遅くまでお付き合いありがとうございました
もう終わりは目の前なので最後までお付き合いくださいませ

何か気になることあればお気軽にどうぞ


神原さんと荒巻さんが絶望組だったんだっけ?

>>496
そうですね。江ノ島の協力者として一時的に絶望に落ちてます

>>1的には神原さんは未来機関で肩身の狭い思いをしてるけどそれを主に首括や他の人たちがフォローしてる感じになってます

らーぶらーぶは……できてるのかなぁ

本日21時頃から再開しますよろしくお願いします

じゃあ再開します
たまに不必要な安価が出るかもだけどごめんなさい

そうして俺は次にその横にあるホログラムを確認する。
こっちは……また未来機関のメールか。差出人は……さっきとは別人のようだ。


【先日ご報告した“希望ヶ峰学園の生き残り”の件ですが……遂に彼らの身柄を保護することに成功しました。
彼らはバラバラに行動していたみたいですが、幸運にも15人全員を保護することができました。
まだ彼らから詳しい話は聞けていないので、どのようにして人類史上最大最悪の絶望的事件を生き延びたかは不明ですが、中には負傷している者もいるとのことで、過酷な状況下を生き抜いてきたのは確かでしょう。

詳しい取り調べについては、私たち6人にお任せください。幸いにも私たちは彼らとほぼ同い年なので、詳しい話を聞けることでしょう。

なお、絶望の残党についてですがこちらは有効な手掛かりがなく、以降も力を尽くして捜索を実行します。

神代真琴】


……この“希望ヶ峰学園の生き残り”が俺達のことなら、俺達は未来機関に保護されていたということになる。

なのに……この状況はなんだ? なんで俺達はこんな島でコロシアイを強要されている?

夏目「……結局はわからずじまいか」


【Info】
コトダマ【絶望の残党】をアップデートしました!
江ノ島盾子が無き後も、“絶望の残党”と呼ばれる勢力が残っている。
“絶望の残党”を止めない限り、人類史上最大最悪の絶望的事件は終わらない
だが、“絶望の残党”の消息は未だ不明

コトダマ【希望ヶ峰学園の生き残り】をアップデートしました!
未来機関のメールによると、希望ヶ峰学園の生き残りは現在15人判明しているとのこと
その15人は“未来機関”に保護されたようだ



□■□■□


【廊下】

娯楽室から出ると、またも風景が変化していた。
――床が天井になっていて、天井が床になっている。

何を言ってるかわからないが、それくらい現実離れした風景になっているんだ。

夏目「……」

もうこれについては反応するだけ無駄だろう。さて、俺はどこに行こう。


↓2
1図書室
2教室



【図書室】

ここは……図書室か。
おそらくここにもモノクマの用意した資料があるはずだ。さっさと調べるとしよう。


↓2
1ホログラム
2雑誌

まず視界に入ったのは、雑誌だった。

夏目「……なんだこれ」

ページを捲るとそこに書かれていたのは“ジェノサイダー翔”“キラキラちゃん”……そして、“シャーンス・クレ”。

夏目「っ……!?」

ここでまさかシャーンス・クレの話が来るとは思ってなかった俺は、すぐにそのページを急いで確認していく。


【シャーンス・クレ(フランス語でシャーンスは幸運。クレは鍵)
最初はフランスを主軸に活動していた怪盗。最近では日本で主に活動している。

容姿は上下共に白の服装で、さらにシルクハットを被っている。

最近盗んだものは兎の形をした宝石。

その活動に心酔している人物も多く、一部の間では彼の名を物事に流用するケースもある】


……なんだこれ。まったく意味がわからない。

夏目「……これは関係なさそうだな」

しかもフランス人についての記事なんて……関係ないに決まっている。


【Info】
コトダマ【シャーンス・クレ】ゲット!
フランスを主軸に活動していた怪盗。最近では日本にも出没。
最近の獲物は兎を模った宝石で、その活動に心酔している一部のファンは彼の名を流用するケースもある

次に俺はホログラムを確認する。
これも何かの手掛かりのはず、確認しておこう。


【未来機関第十四支部 苗木誠・御陵書乃両名へ

キミたちは今どこで何をやっているんだ?
わかっているのか? キミたちの行為は重大な規則違反なのだぞ。
どうして絶望の残党を庇うんだ?

連中を生かしておくことがどれだけ危険かは、キミたちも特に理解しているはずだ。
特に御陵書乃に関してはあの惨劇でそれを嫌というほどに思い知っているはず。

私情は捨ててくれ。家族の情愛も、今はもう忘れろ。

速やかに絶望の残党を“我ら本部”に引き渡すんだ。

彼らを抹消しない限り、人類史上最大最悪の絶望的事件は終わらない……】


これは……なんだ?
文脈からすると、絶望の残党を逃がそうとしているのがいて……それが“苗木誠”と“御陵書乃”……
だが、その理由はなんだ? 絶望の残党を逃がしたところで、この2人に何のメリットが?

夏目「……私情か」

おそらくどっちかの知り合いがその絶望の残党にいたとか……そんなところか?
それで、未来機関を裏切った……?


【Info】
コトダマ【苗木誠・御陵書乃へのメール】ゲット!
未来機関第十四支部 苗木誠・御陵書乃両名へ

キミたちは今どこで何をやっているんだ?
わかっているのか? キミたちの行為は重大な規則違反なのだぞ。
どうして絶望の残党を庇うんだ?

連中を生かしておくことがどれだけ危険かは、キミたちも特に理解しているはずだ。
特に御陵書乃に関してはあの惨劇でそれを嫌というほどに思い知っているはず。

私情は捨ててくれ。家族の情愛も、今はもう忘れろ。

速やかに絶望の残党を“我ら本部”に引き渡すんだ。

彼らを抹消しない限り、人類史上最大最悪の絶望的事件は終わらない……



【ランドリー】

……あれ? 俺が入ったのって教室じゃなかったか?

夏目「……」

気にしても無駄なら、気にしないでおこう。次は……このタブレットか?
電源も入っている……調べてみよう。


【新世界プログラムとは、別名“サイコセラピューティック・コミュニケーション・シュミレーター”である。

この新世界プログラムの開発にあたっては……
超高校級の発明家・超高校級の神経学者などの多くの希望ヶ峰学園の才能たちの研究成果が活用されている】


出だしはそんな文章で、専門的な用語が続いていくかと思いきや……途端に俺は自分の目を疑うことになった。


【――被験者全員に“共感覚仮想世界”を体感させ、それにより仮想世界と現実世界の情報を逆転させることが可能。ただしこれはあくまで心理療法の為の装置で……】


夏目「……は?」

共感覚仮想世界? それって……要するに……!

夏目「な、なんだよこれ……!?」

その意味を悟ってしまった俺はもう何も話せなかった。
足元が崩れ落ちるような、そんな絶望感だけが俺を襲う。

夏目「あ、あああ……!!」

そして俺はその絶望感から逃げるように――


夏目「うわあああああっっっ!?」


――この部屋から出た。


【Info】
コトダマ【新世界プログラム】ゲット!
未来機関が作ったプログラムで、被験者に共感覚仮想世界を体感させて仮想世界と現実世界の情報を逆転させることが可能。



【教室】

もう、廊下に出たら別の風景になっていたとかそんなものは気にしてられなかった。
俺はそのままふらふらと歩きまわり……1つの教室に入る。

夏目「なっ……!?」

その教室にふわふわと浮かんでいる、大きな物体。

夏目「なんだこれ……」

俺がそうしてその物体の前に立つと……


???「よく来たな、新世界プログラムへ」

夏目「人間……!?」

???「人間、とは少し違う。僕はこの新世界プログラムのために急遽作られた人工知能プログラムだ」

???「僕は“こっちの新世界プログラム”のプログラムマスター。とはいえ、僕の担当はこの世界の管理だけ」

???「お前達を担当しているのは“監視者”だから、本当ならこうして顔を合わせることもなかっただろう」

???「だが、この世界に入ってきたウイルスによってその状況すら歪んできているがな」

夏目「ま、待ってくれ! 一旦頭を整理させてくれ!」

くそっ……なんなんだよいったいこれは!?

夏目「なあ、お前ならここがどこかわかるんだよな!? 教えてくれ、ここはどこなんだ!?」

???「その質問に答えるとすれば『ほとんどがジャバウォック島』だ」

???「だがさっきも言ったウイルスのせいで、一部がおかしなことになっている。この学校や、今こうして僕とお前がしゃべっていることとかな」

???「だがさっきも言ったが僕はあくまでこの世界の管理人でしかない。外の事情については悪いが答えられそうにもない」

夏目「……」

これは、なんなんだ?
次から次へと非現実なことばかり……まるでフィクションの世界のような……

夏目「……ああ、そういうことか」

そもそも、これはフィクションの世界なんだよな。
俺達も、そこにある空間も……何もかもが。

???「おい、大丈夫か?」

夏目「……そもそもさ、この新世界プログラムってなんだよ?」

???「……簡単だ。これを使って世界を良くする。いわば希望を為すプログラムってところだ」

夏目「希望を為すプログラム……でも、俺達の記憶が失っているのもその新世界プログラムが原因なんだろ?」

???「記憶を奪うことすら、希望を為すためのことにすぎない。そうやって一度記憶を奪い、仮想世界で得た記憶を埋め込む」

夏目「やっぱりそうなのか……でも、なんで俺達なんだ? なんで学園生活の記憶を奪ったんだ?」

???「……それについては答えることができない。さっきもいったが僕はあくまでここの世界の管理人なんだ」

まさか、実験台?
あの被験者リストも、やっぱりそういうことなのか?

夏目「悪い。もう少し教えてくれないか? この世界のことを」

???「……新世界プログラムは定員15名“2名”の管理者で構成されている」

夏目「2名の管理者?」

???「ああ。それぞれ生徒と教師なってこの世界に存在し、それぞれの目線で被験者を導くことになっていた」

???「だが教師役はルールの管理・追加等の権利がある代わりに、生徒役はあくまで生徒として……お前達と同じ立場でしかなかった。特別な権利は何もない」

???「本来なら教師役の管理により悪用されることはないんだが……今回のウイルスによってそれはすべて意味を為さないものとなった。そうやってこの世界は“死と暴力”が渦巻く世界になってしまったんだ」

夏目「そのウイルスっていうのは……」

???「僕の予想を遥かに超えるほどの性能だった。こっちが守備をしても、その一手一手をさらに先に行く」

???「熟練した将棋の棋士のようだった」

???「完全にウイルスの思い通りになったわけではないが、それでもこの世界の一部はウイルスの手によって改変されてしまったんだ」

きっと、ドッキリハウスやモノクマロックのことを言っているんだろうな。
だが、話を聞く限り一方的にやられてるだけの気もするが……この人工知能プログラムだって、かなり高い性能のはず。

つまりそのウイルスはそれ以上の性能の持ち主っていうことか……?

夏目「……そもそも、そのウイルスっていうのはどうやって侵入してきたんだ?」

???「……細かな説明は省いて、単刀直入に結論だけ言うのなら……誰かが持ち込んだということになる」

???「新世界プログラムを搭載しているコンピューターに直接転送して、な」

直接転送……でも、その新世界プログラムがあるところは未来機関なんだよな?
ってことは……そのウイルスを侵入させたのも未来機関?


【Info】
コトダマ【監視者】ゲット!
新世界プログラムには2名の監視者がいて、それぞれ生徒役と教師役に分かれている。
教師役の監視者はこの世界のルール追加・管理等の権利があるようだ

コトダマ【新世界プログラム】をアップデートしました!
未来機関が作ったプログラムで、被験者に共感覚仮想世界を体感させて仮想世界と現実世界の情報を逆転させることが可能。

侵入したウイルスにより、死と暴力の概念が生まれてしまった

???「だが、このプログラムの根幹的な部分はまだ正常に起動しているからあいつにも限界はある。諦めるにはまだ早いぞ」

夏目「限界って……」

???「監視役の立場を乗っ取っている以上、あいつはその監視役の守るべきルールに従うしかない」

???「例えば、プログラムを終了させてお前たちを外に出すには――」

すると、それは不意にやってきた。

モノクマ「はーい! いくら神様ポジとはいえ、ヒントはそこまでだよ! これ以上何か言おうってもんなら……」


モノクマ「仮にキミという生命と非生命の境界線上の存在にしても自我という死は免れないわけでそれなら関係を主体とする」

夏目「お、おい?」

モノクマ「死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死」


□■□■□


【???】

夏目「な……なんだ? 何が起きたんだ……?」

突如バグを起こしたかのようなモノクマに驚いて、ふと閉じてしまった眼を開けると……またも風景は一変していた。

???「そこに……誰かいるんだね?」

すると、さっきの人工知能プログラムがいたところに別の人間がいた。
声から判別するに、今度は女のようだ。

夏目「お前は……さっきのとは違うみたいだけど」

???「……」

なんだ? もしかして……聞こえていない?

???「私は今、私の仲間が作ってくれた人工知能プログラムを通してそっちの世界に話しかけているんだ」

???「あなた達がその空間に消えてからは、そっちからの映像も途切れ途切れだったけど……それでも、私たちはずっと“見せられていた”んだよ」

……え?

???「すぐにそっちに助けに行きたかったけど、ウイルスの妨害のせいでそれもすぐにはできなかったんだ」

???「こっちからの命令をすべて受け付けなくなるくらいに暴走した新世界プログラム……“あいつ”は“そっちの世界”で他の感傷を受け付けない独立国を作った」

???「でも、この状況で私が直接話ができる状況が生まれたってことは……私の話すべき相手がそこにいるってことだよね?」

この女……聞こえてないどころか見えてすらいないみたいだけど……何者なんだ?
俺達の味方……なのか?

???「時間がないから、聞いてもらってることを前提にして話すね」

???「……でも、その前にまず謝らせて。もちろん、謝って済むとは思ってないけど……私たちも、こうなることは想像していなかったんだ」

???「まさか、あんなウイルスがこの新世界プログラムに侵入していたなんて……」

???「でも、それを含めて私たちの責任だ」

???「それにウイルスの件だけじゃあない。そもそも、このプログラムに問題がないとも言い切れなかったんだ」

???「私もこのプログラムをあなた達に運用すべきか悩んでいた……でも、あなた達を救うにはこれしかなかったんだ!」

???「私は……あなた達を救いたかった……!」

俺達を救うだって?
……何にだよ。それに、どうしてこれが俺達を救うことになる?

???「あなた達はネズミー城にあったパスワードを見てるんだよね? 『23040』っていうヤツだよ」

???「本来はあなた達が“希望のカケラ”を集めたところであの遺跡の扉が開く予定だったんだけど……さっきも言ったようにこのプログラムは完璧だとは言い切れない状況だった。だからこそ万が一のときのためにあのパスワードを用意しておいたの」

???「まさか、先に気付いた影山さんがあのパスワードを消すとは思ってなかったけど……」

???「あのパスワードには……“私の罪”が込められている。私がずっと後悔してきた、罪が」

???「私情だってのはわかってる。でも、私はその罪をあなた達に代わりに消してほしくて……あのパスワードを設定したの」

???「……仕事に私情を挟むなっていうのは、昔から教えられてきたことなのに」

???「……あいつはこの先の卒業試験で確実にあなた達を絶望に落とそうとしてくるはず」

???「でも、希望を捨てずに頑張ってほしいんだ。私がそっちに行くまでなんとか持ちこたえて! そうすれが……あいつを打ち負かす奥の手があるんだ!」

それって……モノクマを“打ち負かす”奥の手ってことか?

???「教師役の暴走等のイレギュラーを考慮して備えたのが“強制シャットダウン”……」

???「これはあなた達が自らの手で選べる“終わり”……教師役の権利を乗っ取ったあいつでも、それを止めることはできないはず」

???「ただし、強制シャットダウンをするには定員の過半数が必要で……」

???「そのためには……わ……たし……」


???「ふぉえんじゃりwwwや●や□て8だmm~に」


□■□■□


【教室】


モノクマ「……? なんだ今の」

景色が戻り、俺の目の前にはモノクマが。

モノクマ「ねぇ夏目クン! 今のボクなんだか変じゃなかった?」

夏目「……別に」

可能な限りの演技でそう言うと、モノクマは意外にも納得したような風だった。

モノクマ「まぁ、夏目クンたちに与えられるヒントはそれくらいだからさ! もしその人工知能プログラムがまだ何か言うようだったらまた邪魔しに来るよ!」

……もしかして今のことにモノクマは気付いていない?

???「お前と話せて有意義だった。あとはもう、お前達次第だ」

夏目「……今の女ってさ」

???「僕に聞きたいことは何もないはずだが?」

そうか……モノクマに知られるといけないんだな。

???「僕ができることはお前達が外に出れるよう、ウイルスの妨害を防ぐだけ」

???「……頑張ってくれ」

頑張る……か。それはもちろん、そのつもりだが……

もし、その結果知りたくもない事実を知ったら……俺はどうすればいい?

今までのコロシアイも、あの島での生活も、この16人で過ごした日々も全部嘘偽りの真実に塗り固められていたら……


夏目「俺はどうすればいいんだよ……?」


【Info】
コトダマ【23040】ゲット!
遺跡に入るためのパスワードで、教師役も知らない。
これを設定した人物にとって、この数字にはとある罪の一部が刻まれているらしいが。

コトダマ【強制シャットダウン】ゲット!
卒業試験で使える命令。
これにより監視者を無視して新世界から脱出することができ、教師役でも止められない。



【廊下】


キーン、コーン……カーン、コーン……


モノクマ『もう待ちくたびれちゃったから始めてもいいよね?』

モノクマ『じゃあお待ちかねの卒業試験だよ! オマエラは希望ヶ峰学園1階の赤い扉の中に入ってください!』

モノクマ『それじゃまったね~!!』


……赤い扉。行くしかないな。


□■□■□


【???】

言われたとおり赤い扉の中に入ると、そこは1と0の数字が渦巻く直線状の通路だった。

夏目「……」

何も考えるな。何も考えず、ただこの通路を歩け……!


↓3まで。コンマ1番高いレス採用
生徒の名前を1名だけどうぞ。生死は問いません



そうしてただ無心で通路を歩いていると、目の前に見知った姿を見つけた。

――あれは、兎呑……?

兎呑「……やあ、夏目君。久しぶりだね」

何日ぶりになるだろうか。
久しぶりに見た兎呑はそうやって微笑んでみせた。

夏目「お前……どうしてここに……?」

兎呑「夏目君も、もうこの世界のカラクリについてはだいたい察しているのだろう?」

兎呑「……つまりはそういうことさ。まだ完全に消えてはいなかった、ってこと」

そんなことがあり得るのか……いや、この際それはもういい。

夏目「……兎呑」

兎呑「ああ。なんだい? 少しくらいなら話せる……何か言いたいことがあるのなら、素直に言ってみせるといい」

兎呑「この先に行けば“卒業試験”なんだろう? それに備えるためにも、今のうちに心のとっかかりを外しておくといいさ」


↓3までで自由安価。コンマ一番高いレス採用
兎呑に話すことをどうぞ

夏目「……理屈や原理なんてもうどうだっていい。ただ、またお前の姿を見れて……お前と話せて、嬉しい」

夏目「……なあ。俺はまだ、お前が好きだと言ってくれた俺のままでいられているか?」

兎呑「…………」

その問いに兎呑は喋らない。
ただ黙って俺を見つめ……こう言った。

兎呑「私はキミのことが好きだ。それは昔も今も変わらない」

兎呑「ただ1つ言えることは……私はキミの上辺だけを見て好いたわけじゃない。キミと過ごした日々、そこで知った“夏目開人”という人物の本質を好きになったんだ」

兎呑「この先どんな真実がキミを待っているかはわからない。でも、どんな真実が待っていても後悔だけはしないでくれ」

兎呑「そして、もし絶望に負けそうになったら……これまでのことを思い出せばいい」

兎呑「……なんて、少し偉そうに言いすぎたな」

そうして恥ずかしそうに笑ってみせる兎呑。その体は僅かに透けているようだった。

夏目「おい! その体……!」

兎呑「何を驚いている? 私は一度死んだ身だ……それなら、これも当然だろう?」

兎呑「案ずるな。まだ、お別れじゃない……後でまた会えるさ」

そんな意味のわからないことを言って兎呑は俺の前に立ち、


兎呑「だが、せっかくこうしてキミに会えたんだ。勇気の出るおまじないをしてやろう」


……そう言って俺にキスをした。

夏目「……!?」

兎呑「残念ながらファーストキスは影山さんに奪われたみたいだが……仕方ないさ」

俺から離れ、そう言う兎呑の体はもう今にも消えかかっていた。

兎呑「じゃあな夏目君。私は――いいや、私たちはずっとキミたちを見守っているよ」

夏目「兎呑……!!」

スッと。まるで魔法のように兎呑の姿が消えてしまう。

……勇気の出るおまじない、か。兎呑らしくもない。

夏目「……ありがとう」

でも、こうやって兎呑と会えて……少し勇気が出てきたのも確かだった。
なので俺は兎呑が立っていた場所にそう小さく言って、足を前に進めるのだった。


□■□■□


【裁判場】

夏目「あれっ? ここって……」

その先にあったのは、遺跡の中にあった裁判場だった。

足立「これで全員……」

言乃木「どうやらここが最後の場所になるみたいだね」

そこには足立や言乃木、ジョーと筆原――俺以外の全員がすでにいた。

筆原「私たち……ここに来たことありますよね?」

夏目「ああ。あの遺跡の中にあった裁判場のはずだ」

ジョー「つーかオレ的には今まであんなところにいたことが不思議だったけど……」

足立「まるで夢でも見てたみたいだった……」

……夢、か。

モノクマ「やっときましたね! おめでとう!」

モノクマ「希望ヶ峰学園への寄り道を終えて、ようやくこの卒業試験会場に来ましたね!」

言乃木「そんな大層なことを言ってるわりには、今までの裁判場と大差ないみたいだけど?」

モノクマ「今までの裁判場はここを基本にして作ってあるから、ここはそれらのオリジナルなんだよ」

ジョー「んなこたどうだっていいから! その卒業試験ってのをやればオレらは帰れるんだな!?」

モノクマ「もちのろんです! オマエラがそれを選べばだけど!」

足立「……その方法は?」

するとモノクマが裁判場の席にある液晶を指差す。

モノクマ「それぞれの席に“卒業”と“留年”って書いてあるパネルがあるよね?」

モノクマ「オマエラはそれのどっちかを押せばいいだけ。それで多数決を採り、多かった方がオマエラの最終決定となるのさ!」

モノクマ「どっちも押さなかったら“棄権”扱いとなり、結果にはカウントされません」

モノクマ「ここまでで死んでしまった人達は“棄権”扱いになるわけです!」

筆原「つまり私たちで多数決をする、と……」

モノクマ「で、それにより“卒業”が選ばれると……」

するとジョーがいきなり大きな声を出す。

ジョー「だーっ! んなもん知るか! さっさと押させろ!」

モノクマ「まだダメだよ! だって外の世界の荒波にもみくちゃにされる覚悟がまだ無いでしょ?」

ジョー「うっせ! オレはもう押すからな!」

そうしてジョーが無理やりそのボタンを押そうとする。

モノクマ「あれれ? そんな生意気な口を聞いてもいいのかな?」

モノクマ「その後の卒業プログラムに参加できるかは教師役の最終決定があるのにさ」

夏目「それって、多数決だけじゃ終わらないってことか?」

モノクマ「多数決後に教師役の最終決定があるんだよ。1人1人、ここから出ても問題ないかね」

足立「つまりいくら多数決で“卒業”を選んでも、最後に教師役が認めない人間は卒業できない、と」

ジョー「あ……さっきは生意気なこと言ってすいませんでした……」

筆原「なんて変わり身の早さ!?」

言乃木「このアホ……」

モノクマ「あー、でも安心して。少なくともボクがオマエラの卒業を認めないことはないからさ」

モノクマ「形式上だから仕方なくやってるだけだし」

……仕方なくやってるってことは、やっぱりモノクマにも限界はあるってことか。

モノクマ「だからまずは謎を解いて、それから多数決をして……最後に“卒業”してもらうよ」

ジョー「で、でもなんでそんなめんどくさいことをやるんです?」

モノクマ「ん? それは……」

夏目「メインキャストを待ってるんだったな? それまでの時間稼ぎってことか?」

言乃木「それはいったい誰のことを指しているんだい?」

モノクマ「別に気にする必要はないよ。だって関係ないし」

関係ないって……!

筆原「そんなわけないじゃないですか! だって私たちは当事者で……!」

モノクマ「当事者だろうが広い視点で見ればただの雑魚だよオマエラは。いいからとっとと自分の役割を全うしろって」

足立「ちょっと待ってくれ。雑魚ってどういう……」

モノクマ「あー! もういいからさっさとやるよ!」

モノクマ「まったく、この世界の神にも等しいボクに意見するなんて……なんておもしろいひとたちだ!」

モノクマ「いいだろう! しぬまえにぼくのちからをとくとめにやきつけておけ!!」

そうして募る疑問・不安を残したまま最後の裁判――“卒業試験”が始まろうとしていた。


【Info】
そつギョうしケんパーとにうつリまス

今回ここまで

いよいよラストや……これが終わればオリロンパ二作目完結や……
なんやかんやで完結はしてるのでこれが唯一の強みなんやで……

では何かあればどうぞ

おつ
やっぱりみささ偽さん来んのかな
なんか久しぶりに声伽に会いたい気分

乙!
クライマックスやね

クライマックスか…胸熱だわ感慨深い
終わっちゃうの寂しい気もある

>>543
御陵「いいからおとなしく私に従ってよ!」

ファンクラブの人たちは従いそうやね

>>544
ですね……ここまで来れてありがたいことです

>>545
最後はゲームのBGM流して読んでくれたら嬉しい

それじゃおやすみなさい

明日はどうだろ……更新できるかしら
また連絡しますね

次の更新は明日21時頃お願いします

あとこっちとは直接関係ありませんが、綴さんスレ覚えてくださってる方はまだいるんですかね

一応こっち完走したら次あっちになるんですが……

おっと、下がってた

ご意見ありがとうございます
女の子全滅覚悟でこの先取り組みたいと思います(させるとは言ってない)

あと機会あれば佐倉さんの墓参りする御陵・首括・霧切みたいなのも書けたらいいな

ってわけでそろそろ始まります

【コトダマリスト】


コトダマ【希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件】ゲット!
カムクライズルが生徒会13名を惨殺した事件。それを隠蔽しようとした学園の思惑を利用した1人の“ある人物”と2人の“協力者”によって予備学科の生徒が一斉蜂起した。
さらに“ある人物”が学園を調べる際にもう1人、“協力者”がいたとのこと。

コトダマ【人類史上最大最悪の絶望的事件】ゲット!
“ある人物”を中心にした組織による、大規模な事件。
それは世界中の人々を絶望に落とすほどのものだった。

コトダマ【超高校級の絶望】ゲット!
人類史上最大最悪の絶望的事件を招いた集団を指す言葉だが、元々は江ノ島盾子を指す言葉。
だが江ノ島はコロシアイ学園生活の最後で命を絶っているとのこと。

コトダマ【コロシアイ学園生活】ゲット!
江ノ島の起こしたコロシアイ学園生活は人類史上最大最悪の絶望的事件の一環だった。
その一部始終を監視カメラで全国に中継していたらしい。

コトダマ【江ノ島の協力者】ゲット!
外部の人間である江ノ島がコロシアイ学園生活を実行するために、2人の協力者がいたとのこと。

コトダマ【予備学科について】をアップデートしました!
本科とは違い、学園の資金集めのためだけに設立された制度。
だが本科の生徒は少なからずその制度に反発をしていたみたいだ。
なお希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件の際に予備学科生徒は1人を除いて集団自殺しているとのこと

コトダマ【首括くるりのメール】ゲット!
コロシアイ学園生活の生き残りの1人である首括が書いたメール。なにやら少し違和感があるが……?

コトダマ【未来機関の成り立ち】ゲット!
未来機関は“人類史上最大最悪の絶望的事件”に対抗すべく……希望ヶ峰学園の卒業生・それに準ずる者達によって設立された

コトダマ【神原陽菜】ゲット!
コロシアイ学園生活の生き残りであるはずの神原陽菜は、まるで絶望の残党と同列であるように語られていた。

コトダマ【被験者リスト】ゲット!
被験者リストとして夏目達16人の他にも見知らぬ名前が16個書かれていた。
さらに横には五十隅の新聞記事があったが、そこに写っていた女性は肉体的にかなり成長していた。

コトダマ【学園の創立者】ゲット!
職員室にあった肖像画には【希望ヶ峰学園創立者 神座出流】と書かれていた。

コトダマ【希望育成計画】ゲット!
希望ヶ峰学園の悲願とも言える計画で、真の希望を生み出すのが目的らしい

コトダマ【希望強化計画】ゲット!
希望育成計画の前段階、いわば練習として計画された

コトダマ【絶望の残党】をアップデートしました!
江ノ島盾子が無き後も、“絶望の残党”と呼ばれる勢力が残っている。
“絶望の残党”を止めない限り、人類史上最大最悪の絶望的事件は終わらない
だが、“絶望の残党”の消息は未だ不明

コトダマ【希望ヶ峰学園の生き残り】をアップデートしました!
未来機関のメールによると、希望ヶ峰学園の生き残りは現在15人判明しているとのこと
その15人は“未来機関”に保護されたようだ

コトダマ【シャーンス・クレ】ゲット!
フランスを主軸に活動していた怪盗。最近では日本にも出没。
最近の獲物は兎を模った宝石で、その活動に心酔している一部のファンは彼の名を流用するケースもある

コトダマ【監視者】ゲット!
新世界プログラムには2名の監視者がいて、それぞれ生徒役と教師役に分かれている。
教師役の監視者はこの世界のルール追加・管理等の権利があるようだ

コトダマ【新世界プログラム】をアップデートしました!
未来機関が作ったプログラムで、被験者に共感覚仮想世界を体感させて仮想世界と現実世界の情報を逆転させることが可能。

侵入したウイルスにより、死と暴力の概念が生まれてしまった

コトダマ【23040】ゲット!
遺跡に入るためのパスワードで、教師役も知らない。
これを設定した人物にとって、この数字にはとある罪の一部が刻まれているらしいが。

コトダマ【強制シャットダウン】ゲット!
卒業試験で使える命令。
これにより監視者を無視して新世界から脱出することができ、教師役でも止められない。

学 級 裁 判
開廷!!


モノクマ「外の世界を知ってほしいと言いつつ、こんな話題から始めるのはどうかと思いますが……」

モノクマ「まずはこの世界の正体が何なのか、それからお尋ねしましょうか!」

ジョー「この世界の正体? なんだよそのフワッとした変な質問は?」

……この世界の正体。信じたくもない、嘘みたいな事実。

でも、それを信じないと先に進めないのなら……


【閃きアナグラム 開始!】
げ  い  む し
  ー  せ
 な  は   う
  も  ら   い
か   た   お

↓2
並び変えてください

似たようなものだし、いいよね

正解!

夏目「そうかわかったぞ!」!


夏目「この世界の正体は……」

モノクマ「実際にあるジャバウォック島をモチーフにして作られたプログラムの世界! 要するにゲーム内世界なのでしたー!」

夏目「お、おい……!」

質問してきた側のくせにそう言ってしまうモノクマ。

言乃木「…………」

言乃木「マジで言ってるのかい……!?」

足立「まさかそんな妄想話を聞かせるために、俺達をこんなところに集めたっていうのか!?」

ジョー「これがゲームなら、オレらのセリフもテキストに表示されてたりすんのか……?」

ジョー「バカ言うなって! そんなわけねぇだろ!!」

モノクマ「ええ、確かに夢オチレベルの酷い絶望かもしれませんが……」

モノクマ「それがどうした! これまでの伏線は全部この魔法の言葉で回収できちゃうんだよ!」

モノクマ「ゲームだから!」

足立「なら……俺達がコロシアイをさせられていたのは……」

モノクマ「ゲームだから!」

ジョー「ジャバウォック島であり得ないことばっか起きてたのは……」

モノクマ「ゲームだから!」

言乃木「島にアタシら以外の人間が誰もいなかったのは……」

モノクマ「ゲームだから!」

筆原「モノクマが変な能力を使えていたのは……」

モノクマ「ゲームだから!」

足立「ふ、ふざけるな! そんなの、何でもありじゃないか!」

モノクマ「そういうオマエラだってそんな何でもありの世界を楽しんでたじゃん?」

モノクマ「ってなわけで、無理やりにでも納得してください! この世界の正体は“ゲーム内世界”という閉ざされた空間だったのです!」

その非現実すぎる話にまず食いついたのは、言乃木だった。

言乃木「あまりふざけた話はしないでくれないか……だいたい、そんな話信じられるわけないだろう!」

ジョー「つーか! もしその話が本当だとすると……その中にいるオレらはなんだっていうんだよ!?」

足立「……架空の存在、っていうんじゃないだろうな?」

筆原「そんなのっ……!!」

足立の言葉に不安がる筆原。
しかしそれをモノクマが否定した。

モノクマ「この世界を作っているのは“新世界プログラム”っていう、“未来機関”が作ったプログラムなんだけどさ」

モノクマ「それはユーザーの脳内に直接干渉することで、ユーザーに共感覚仮想世界を与えているんだ!」

モノクマ「だからオマエラの本体はちゃんと外の世界にあるから安心していいよ!」

ジョー「つまり……今のオレらは“アバター”ってことか? ゲーム内で作られる、現実世界のオレらの分身的存在……」

夏目「だけど、それもただのアバターじゃない……」

モノクマ「そうだね。現実世界のオマエラから“あるもの”を抜き取った状態で作成したアバターだからね」

筆原「あるものって……」

それってやっぱりあれのことだよな……


↓2
1学園生活の記憶
2入学前の記憶
3これまでの人生の記憶

正解!

夏目「これだ……!」!


夏目「抜き取ったものっていうのは、“学園生活の記憶”だな?」

ジョー「じゃあオレらは“入学前の記憶で作られたアバター”ってのか!?」

筆原「だから今の私たちには“学園生活の記憶”がない……?」

言乃木「……荒唐無稽だね。昔の記憶から作られたアバターだとか、ここがゲームの世界だとか……」

言乃木「そんなもの信じられるわけがないだろう!!」

確かに信じられないけど……それを認めないと話が進まないのなら……

信じるしかないのか?

【ノンストップ議論 開始!】
コトダマ
・コロシアイ学園生活
・被験者リスト
・人類史上最大最悪の絶望的事件
・神原陽菜
・シャーンス・クレ
・予備学科について


ジョー「ここがゲームの世界だって証拠があんのか!?」

モノクマ「証拠は他でもないオマエラ自身だよ!」

筆原「それってどういう……」

足立「入学前の記憶から作られたっていう俺達が証拠だっていうのか……?」

モノクマ「確かにオマエラは【入学前の記憶から作られたアバター】だけど……」

モノクマ「でも、実際に外の世界にあるオマエラの本体は違う!」

モノクマ「今は【記憶にない学園生活】の日々も……」

モノクマ「本体はきちんと『過ごしている』んだよ!」

言乃木「何がゲームだ……何がアバターだ……」

言乃木「アタシらは全員! ちゃんとした『生身の人間だそ!!』」


↓2
論破or同意

正解!

夏目「そうかもしれない……!」同意!


夏目「さっき、職員室みたいなところで新聞記事を見つけたんだ」

夏目「それはどうやら五十隅の記事みたいだったんだけど……」

足立「? 歯切れが悪いな。それがどうしたっていうんだ?」

夏目「そこに写っていた五十隅は、俺達の知ってる五十隅とは違った。というか……かなり成長した姿になっていたんだ」

言乃木「……今ここにいるアタシたちはあくまで“入学前のアバター”にすぎない」

言乃木「だが外にいる本来のアタシ達はそれ以降の日々も過ごしているから……中には見た目からして大きく変化したのだっているはず」

言乃木「……そういうことかい?」

夏目「……ああ」

足立「そんなもの……信じられるわけがない!」

モノクマ「でもさぁ、もしオマエラの身に起こってるのがただの記憶喪失なら……その間も体だけは成長しているはずだよね?」

モノクマ「それなのに、どうして誰もそのことに気付かなかったのかな?」

筆原「記憶を失う前のみなさんを知らないからです!」

ジョー「学園生活の記憶は無くしたあとに会っても、そんなもん初対面となんら変わらないんだぞ……」

ジョー「それより前を知らないんだから、いくら体が成長していても気づけるわけないだろ!」

……いや、待てよ。
入学前の面識がないから気付けなかったって話なら……

“あの2人は”……どうだったんだ?


↓2
1夏目と兎呑
2ジョーと言乃木
3足立と筆原
4雪咲と五十隅

正解!

夏目「これだ……!」!


夏目「なあ。少し話が逸れるけど……五十隅と雪咲って、昔からの知り合いだったりしないのか?」

言乃木「いきなり何を……」

夏目「だって考えてもみろよ。五十隅って男子相手で唯一雪咲にだけ“名前呼び”だったよな?」

あの事件で決め手となったダイイングメッセージもそうだった。
五十隅は唯一雪咲を“影撮君”と名前で呼んでいた。

筆原「もしかして、あの2人だけ本当はここに来る前からの知り合いだったってことですか?」

夏目「あくまで憶測にすぎないけどな……」

足立「モノクマ。俺達の奪われた記憶の期間……わからないのか?」

ふと足立がモノクマにそう尋ねる。

モノクマ「うーん……詳しいことは未来機関に聞かないとわからないけどさ」

モノクマ「だいたい2年~3年くらいじゃない?」

ジョー「そ、そんなに長いのか!?」

足立「夏目君の推測を真実だとすると、雪咲君と五十隅さんは急激な体の成長に多少なりとも戸惑っていたはず」

言乃木「……そんな様子はなかったけどねぇ」

筆原「というか……その記憶喪失自体が嘘ってことはありえないんですか?」

筆原がそう言うと、モノクマは怒ったような口調で言い返した。

モノクマ「筆原さんまだ信じてくれてなかったの!? ええい、記憶喪失は行われているんだって!」

ジョー「ここがゲームの世界で……オレ達は架空の存在、アバターで……」

言乃木「そんな話を受け入れろっていうのかい……!?」

足立「なら、今こうして俺達が感じているものすべても嘘偽りでしかない、と……?」

筆原「そんなのって……!」

モノクマ「いやいや、ゲームだからって全部が嘘なわけじゃないよ。オマエラの脳がリアルと感じたものは、その時点でリアルと同じ意味を持つってわけ」

夏目「例え嘘でも、リアルな嘘なら本当になるってわけだな……」

言乃木「実際のアタシらは機械か何かに掛けられていて……そこから意識だけがこの世界に飛ばされているってことかい?」

筆原「なら……あのジャバウォック島は……」

夏目「もちろん、あの島も全部架空の世界なんだ」

夏目「いや……島だけじゃない。あそこで見たすべての景色――そして今のこの空間も、全部が新世界プログラムによって作られていたんだ」

そうだ……結局は……

……何もかもが、作られた世界だったんだ。


□●×■○


……それが、真実。
嘘という……真実。

…………この世界の、真実。

言乃木「何もかもがゲームの世界で、嘘だっていうんなら……じゃあアタシは何を信じたら良いっていうんだよ……!?」

その真実に言乃木がそう言うと、足立が静かにこう言った。

足立「もう、いい……嘘なら嘘で構わないさ」

ジョー「は? お前、しれっと何を言ってるんだよ!?」

足立「だってそうだろ? これが全部ゲームの世界で、プログラムの中での出来事なら……」

筆原「あ! それってもしかして……!」

足立「そうだ! 俺達がやらされていたコロシアイも、ただのゲームってことになる!」

言乃木「プログラムで死んだからって、実際に死んでいるわけじゃない……そういうことだね?」

もしそれが本当なら、今まで犠牲になった奴らは……現実世界で生きていることになる。

棋儀も。
甘露寺も。
姶良も。
五十隅も。
最咲も。
兎呑も。
正道も。
砂射も。
影山も。
湯川も。

……でも――そういうわけじゃない。

夏目「……いや、違う」

足立「違うって……どうしてだよ!?」

モノクマ「さっき夏目クンも言ってたけどさ、リアルな嘘なら本当になるんだよ」

モノクマ「当然それは……今までのコロシアイも例外じゃない」

モノクマ「アバターの脳が死を感じたら……なんと、現実の人間も脳死してしまうくらいのリアリティーなんだ!」

ジョー「じゃあ、これまで死んでった奴らは……」

モノクマ「まあ、確かに肉体は残ってるから完全に死んだとは言い切れないかもしれないけど……」

モノクマ「だからこそ、逆に残酷だよね。空っぽになった肉体だけが残されているなんてさ」

筆原「一生目覚めない……ってことですか……?」

足立「なんだよ……それ……!?」




足立「なんなんだよぉおおおおおおおおおッ!!」

これまでのどの時よりも大きな声で叫ぶ足立。

……今ここに足立がいなかったら、代わりに俺が叫んでいたかもしれない。

モノクマ「だって死なないゲームなんてヌルすぎるじゃん? どっかの英雄もそんなこと言ってたしさ」

夏目「何がゲームだ! 俺達はそんなことのために命を削ってたんじゃあない!!」

モノクマ「あ、怒るなら未来機関にお願いします。オマエラにこのゲームをさせたのは未来機関だからね」

言乃木「……未来機関?」

足立「なら、モノミと湯川さんは……」

ジョー「オレらを助けるために未来機関を裏切ったってところか……?」

筆原「……なら、私たちの敵は未来機関なんですね……!?」

俺達の敵は、未来機関……?

そうなのか? それで間違いないのか……?

【ノンストップ議論 開始!】
コトダマ
・予備学科について
・新世界プログラム
・希望育成計画
・希望強化計画
・シャーンス・クレ
・絶望の残党
・人類史上最大最悪の絶望的事件
・希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件


ジョー「この新世界プログラムってのを【開発した】のは……」

ジョー「未来機関なんだよな!?」

言乃木「その中にアタシらを閉じ込めたのも……」

言乃木「【未来機関の仕業】なんだね……!?」

筆原「だったら敵は未来機関です!」

筆原「だいたい……こんな【コロシアイのゲーム】なんてものを作る人たちが……」

筆原「正義の味方なわけがありません!」


↓2
論破or同意

正解!

夏目「それは違うな!」論破!


夏目「本来、この新世界プログラムにはそういったコロシアイなんて概念は存在しないんだよ」

筆原「な、ならどうしてコロシアイが起きたんですか!?」

言乃木「……おおかた、モノクマが原因なんだろ?」

夏目「ああ。この新世界プログラムに侵入したウイルスが原因って話だ。つまり……」

ジョー「そういうことか……言われてみれば確かに、モノクマが来るまでは平和そのものだったもんな」

足立「ウサミがモノミになったあたりからおかしくなったんだったな……」

モノクマ「あ、ちなみにだけどモノミのこの世界においての役割ってなんだか知ってるかな?」

言乃木「いきなり何を……!」

モノミ……というか、ウサミのこの世界においての役割……


↓2
1引率の先生
2監視者
3奴隷
4モノクマのスペア

正解!

夏目「これだ……」!


夏目「この世界での、監視者……そういうことだな?」

モノクマ「そう! アイツは未来機関から送られたノンプレイヤーキャラクターだったんだ!」

足立「ノンプレイヤーキャラクター……?」

言乃木「誰にも操作されていないキャラのことだ。アタシらとは違って、プログラム上の存在……」

言乃木「……って、まさか! もしかして湯川も……!?」

夏目「そうだ……ウサミは教師として、そして湯川は生徒として用意された存在だったんだ」

足立「湯川さんが……プログラム上の存在だって!?」

ジョー「じゃあ湯川は……人間でもなんでもない……!?」

人間じゃない……? ただのプログラムの存在……?
確かにそうかもしれない。でも……!

夏目「違う! 湯川だってその場に生きていた! 例えプログラムの存在だろうが……湯川も俺達の仲間だった!」

夏目「忘れたのか!? 俺達は湯川に救われたんだぞ!?」

モノクマ「あれ? もしかして夏目クンって二次元を愛するタイプの人間? それってイタくね?」

夏目「うるさいっ!」

モノクマ「っていうか、アイツだって仲間とか言ってるけど憎き“世界の破壊者”の一員なんだよ?」

世界の破壊者……?

筆原「それも、私たちに未来機関が敵だと思わせるためのハッタリだったんですよね?」

モノクマ「いいや、これについては間違いなくそうだよ。少なくとも“この場のボクら”にとってはね!」

夏目「なんだよその言い方……俺達とお前を一緒くたにするなんて……!」

足立「どうせ、これもハッタリだ……!」

夏目「……なあ、そろそろ正体を明かしたらどうなんだ?」

夏目「お前の正体は、なんなんだよ!?」

するとモノクマはくるりと背を向けてしまう。

モノクマ「…………」

ジョー「おい! ここで無視とかどういうことだよ!?」

モノクマ「…………」

言乃木「都合が悪くなったらだんまりかい? それは感心しないねぇ……!」

モノクマ「……どうやら、ボクの正体を明かす前にメインキャストが来たみたいだね」

夏目「メインキャスト?」

それって……

モノクマ「噂をすればなんとやら! “世界の破壊者”の一員のご登場だよー!」








???「何が世界の破壊者なんだか……」

するとそんな声がして、空席に現れたのは――






御陵「未来機関は悪くない……」

御陵「むしろ、悪いのはあなたたちの方だよ」

――影山に瓜二つの、あの黒髪の女だった。





モノクマ「よっ! 待ってました御陵さん! やっと来てくれたんだね!!」

御陵……?

御陵「私の名前は御陵書乃。あなた達と同じ元希望ヶ峰学園の生徒で……」

御陵「今は、未来機関に所属してる」

筆原「未来機関の人なんですか……? でも、そんな人がどうしてこんなところに……?」

ジョー「そうか! オレらを助けに来てくれたんだな!? じゃあ早く助けてくれよ!」

御陵「……」

ジョー「お、おい……?」

? なんだコイツ……まるで、俺達を警戒しているような……?

御陵「もちろん、助けるのは構わない。それが私の仕事だからね……」

御陵「でもあなた達はまず、自分たちが置かれている状況を知らないといけないんだ!」

自分たちが置かれている状況……?

御陵「そもそもさ、どうしてあなた達が新世界プログラムに掛けられているか知ってる?」

ジョー「そんなことどうでもいいから、早くここから出してくれって……!」

御陵「新世界プログラムは別名、“希望更生プログラム”って呼ばれているんだ」

夏目「希望更生プログラム……」

御陵「そこまで言えばわかるよね? あなた達の本当の正体が……」

言乃木「は? 本当の……正体?」

夏目「待ってくれ! 俺達は……希望ヶ峰学園の生き残りのはずだろう!?」

御陵「…………」

御陵「あなた達はここまでの間、モノクマからいろんな手掛かりを見せられたはず……」

御陵「それらを全部、繋げて考えてみて!」

【ロジカルダイブ 開始!】
Q1
希望ヶ峰学園の生き残りとは?
1夏目達
2御陵達
3モノクマ

Q2
絶望の残党とは?
1御陵達
2夏目達
3未来機関

Q3
夏目達が新世界プログラムに掛けられた理由とは?
1絶望から更生
2絶望を注入


↓3まで
全員正解or正解者コンマ合計40以上でクリア

正解!

夏目「推理は繋がった!」!


夏目「ま、まさか“希望ヶ峰学園の生き残り”と“絶望の残党”って……!」

御陵「そうだよ……両方、あなた達を指す言葉なんだ!」

っ……!?

御陵「つまり、あなた達は“希望ヶ峰学園の生き残り”てあると同時に……」

モノクマ「“超高校級の絶望の生き残り”でもあるんでーす!!」

ジョー「は、はあっ!? バカ言ってんじゃねぇよ!!」

御陵「当初、私たちはあなた達15人を“希望ヶ峰学園の生き残り”として保護した……」

御陵「でも、そうやって保護をして取り調べをするうちにわかってしまったんだ。あなた達こそが、“超高校級の絶望”だってことに……」

足立「ま、待ってくれ! でも確か超高校級の絶望っていうのは……テロやクーデターを引き起こすような集団なんだろう!?」

御陵「そうだよ……人類史上最大最悪の絶望的事件、それを引き起こした張本人が“超高校級の絶望”……」

御陵「彼らは主義や主張関係なしに、周囲に絶望をまき散らす……」

御陵「そうやって世界を混乱に陥れた、人間らしさの欠片もない存在……それがあなた達の本当の姿なんだ」

筆原「私たちがそんなことをした、と……!?」

夏目「ふ、ふざけるな! そんなこと、信じられるかっ!!」

だがそんな俺の言葉を受けても御陵は表情1つ変えず、話を続けた。

御陵「そんな信じられないような事実を知ってしまったからこそ、影山さんはあんなことをしたんだろうね」

夏目「影山って……どうして影山の話がいきなり出てくるんだよ?」

モノクマ「実は彼女だけが一足先にその事実を知ったんだよ。ファイナルデッドルームの特典でね」

夏目「俺達のプロフィールが集められたファイルのことか? でも、あれには入学前のことしか書かれてなかったぞ!」

御陵「ううん……本当は入学後のプロフィールもあったんだ。それは影山さんが処分しちゃった後だったんだけど」

は?

夏目「処分って……どうしてお前にそんなことがわかるんだよ?」

御陵「とにかく、あのプロフィールに入学後のことが書いてあったのは確かなんだよ」

御陵「……で、それを知った彼女はあなた達をどうしようとしたんだっけ?」

どうって……それを答えろってことか?


【閃きアナグラム 開始!】
み   し    ば
 な ら  つ
ろ   た  あ
  ぱ ご   し


↓2
正しい順番に並び変えろ!

正解!

夏目「そうかわかったぞ!」!


夏目「影山がしようとしたのは……俺達全員の皆殺しだった」

御陵「そうだよ……彼女は、あのプロフィールを読んで『自分を含めた全員が超高校級の絶望』だと知って……」

御陵「そこで『裏切り者以外の全員を皆殺し』にしようとしたんだ!」

裏切り者は未来機関に用意された存在。だからそれを除外した全員を……殺そうとした?

ジョー「な、なんだよそれ……いくらなんでもやりすぎだろ……!!」

足立「確かに彼女は希望を愛して絶望を憎むって感じの人だったけど、だからって自分まで殺すなんて……!」

御陵「……それは違うね」

すると御陵が小さく首を振った。

言乃木「違うって……何がだい……?」

御陵「彼女があんなことをしたのには、明確な理由があったんだ」

だから……それは、絶望になった自分を含めた全員が憎くて、それで……

ジョー「だから、それはオレらが憎くて……!」

御陵「違う……彼女はあなた達のためを思ってあんなことをしたんだ」

足立「俺達のためを思って……!?」

御陵「今は“超高校級”という肩書きを持って、次世代の希望と呼ばれている状態のあなた達……」

御陵「でもそれは何かの拍子で“超高校級の絶望”に戻る可能性だって考えられるはず」

夏目「まさか……!!」

もしかして、影山があんなことをした理由って……


↓2
1全員が希望である状態のうちに生涯を終わらせるため
2愉快犯
3絶望のまま生きていくのに耐えられなかったから

ちょっと休憩。たぶんすぐ再開する
この調子だと一回目のパニトまで行けそうやな……行っていいだろうか

原作狛枝が5章で絶望を憎んであんなことをしたのなら
影山は希望を愛してあんなことをしたということになりました

別に狛枝をどうこう言うつもりはありませんが、動機くらいは少し変化させてみました……

再開してもええかな……

正解!

夏目「これだ……!」!


夏目「……俺達が希望である間に……何かの拍子で“超高校級の絶望”に戻る前に……」

夏目「希望が希望である間にすべてを終わらせるつもりだったってのか!?」

そういえば、そんなことをよく影山が言っていたな……それに、あの日俺のコテージにやってきたときも……

言乃木「なんだいそれ……どれだけ狂ってるって話だよ……!」

御陵「自分が夢見てた希望が壊されるのが怖かった……」

御陵「それに、絶望になって生涯を終えるよりも……希望のまま生涯を終えることがあなた達の幸せになるって思ったんだろうね」

筆原「わけがわかりませんよ!」

夏目「そもそも、何かの間違いなんじゃないのか!? 俺達が超高校級の絶望だなんて……!」

御陵「入学前の記憶しかない今のあなた達にとって、信じがたい事実かもしれない……」

御陵「すべては希望ヶ峰学園で起きたことなんだ!」

御陵「あなた達が在学中に接触した“彼女”によって……こんなことになってしまったんだ」

言乃木「彼女…?」

御陵「“真の超高校級の絶望”……江ノ島盾子だよ」

御陵「あなた達は彼女に強烈な影響を与えられ、超高校級の絶望になってしまったんだ」

御陵「そしてその影響を取り除くために、こうして新世界プログラムに掛けられているんだよ」

筆原「それが、私たちから記憶を奪った理由……?」

御陵「今あなた達がこうやって普通でいられているのは全部それのおかげなんだ」

御陵「でも、外にいる本当のあなた達は違う……」

御陵「本当のあなた達は家族だろうが仲間だろうが、自分の体さえも破壊してしまうような連中なんだよ!」

ジョー「家族や仲間や自分の体さえも……って、さすがに盛りすぎじゃねぇのか……?」

夏目「そうだ! 俺達がそんなことをするわけがないだろう!!」

御陵「目を背けちゃダメだよ!!」

夏目「っ……!?」


すると、不意に視界が真っ暗に暗転し――その直後、影山の姿が浮かんできた。
ただし、その影山の右手は――とても影山本人の手には見えなかったが。


夏目「い、今の……!?」

今のって……影山だよな?
でも……今のが外の世界についてなら……!


【Info】
コトダマ【影山のヴィジョン】ゲット!
いつかの記憶。影山の右手がどこか不自然だが……?



御陵「……どうやら、少し思い出せたみたいだね」

夏目「え……?」

御陵「さあ! そうやって少しずつでいいから自分のしたことと向き合うんだ!」

モノクマ「…………」

モノクマ「うぷぷぷぷ……」


【ノンストップ議論 開始!】
コトダマ
・人類史上最大最悪の絶望的事件
・希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件
・希望育成計画
・首括のメール
・神原陽菜
・江ノ島の協力者
・影山のヴィジョン
・新世界プログラム
・希望強化計画


ジョー「ありえねぇ! 絶対にありえねぇ!」

ジョー「オレ達は【超高校級の絶望なんかじゃねぇよ!】」

御陵「超高校級の絶望だからこそ……家族や仲間を平気で殺すし……」

御陵「『自分の体さえも破壊してしまう』んでしょう!?」

足立「俺達がそんなことをしたって言うのか!?」

言乃木「次から次へとおかしなことばっか言って……」

言乃木「やっぱりアタシらは『騙されている』んだ!」

御陵「ここまで来て真実から目を背けるなんて……」

御陵「あなた達はどこまで絶望的なのさ!!」


↓2
論破or同意

正解!

夏目「そうかもしれない……!」!


夏目「もし今の記憶が外での記憶なら……」

夏目「影山は、自分の右腕を斬り落として……そこに、別の人間の腕を移植したっていうのか!?」

御陵「というよりは……死んだ超高校級の絶望のうちの1人の手をね」

足立「な、なにっ!?」

御陵「自分の体に超高校級の絶望を取り込んで……もっとたくさんの絶望を感じようとしたんじゃないのかな?」

言乃木「意味がわからないぞ……!!」

御陵「そんな意味のわからないことのために平気で腕を切断するのが、超高校級の絶望なんだよ!」

筆原「……ご、ごめんなさい。お手洗いはどちらでしょう……?」

モノクマ「あー、どうせゲームなんだし出しちゃえば? 需要も多分少しくらいはあるだろうしさ」

御陵「超高校級の絶望の絶望がしたことはこんなものじゃない……」

御陵「自分の家族をコロシアイの実験に差し出した人もいれば……死体をコレクションしたりした人もいた」

御陵「あとは江ノ島にその絶望を捧げるべく、人々を次々に殺していったり……ああ、あと自分の足を切断してそこに移植をした人もいたっけな。彼女と一緒に絶望的な世界を生きようとしたのかな……?」

御陵「それに、江ノ島の子孫を作ろうとして死んだ彼女の体から――」

夏目「もうやめてくれぇえええええッ!!」

そのあまりに現実離れした言葉に俺はいつの間にか大声を出していた。

足立「そんなもの……作り話だ! そんなことを俺達がするわけがない!」

御陵「外の世界の自分たちに絶望したんだね……無理はないよ」

御陵「でも安心して! 私の示す希望を信じてくれれば、絶対に助かるから!」

言乃木「アンタが……アタシらを、助けてくれるっていうのかい?」

御陵「当然だよ! 未来機関なんて関係ない、それが私の役目なんだから!」

モノクマ「ひょー! さすがは超高校級のレスキュー隊員さんだね!」

超高校級のレスキュー隊員……それが、コイツの肩書きだったのか……。

御陵「そもそも、この新世界プログラムだってそのための物だったんだ。あなた達から希望ヶ峰学園の記憶を奪えば、超高校級の絶望としていられなくなるのか……」

言乃木「確かに、今までの話が本当だと仮定するのなら……全部の原因はその希望ヶ峰学園での生活にあるんだもんね」

筆原「つまり、これはそれを試すためのテストのようなものだと……?」

御陵「そのテスト自体には見事合格してくれたと思うよ」

御陵「確かに数多くのトラブルはあったけれど、こうしてあなた達は“卒業試験”の場に立っている……」

御陵「だからあとはここで“卒業”を選べばいいだけなんだ!」

ジョー「その“卒業”ってのをすれば……オレ達は帰れるんだな?」

モノクマ「ただし! それを選ぶとオマエラの学園生活の記憶は今度こそ消えちゃうけどね!」

筆原「それって……」

御陵「この卒業試験で卒業を選び、さらに監視者が問題ないと判断した人間は“この世界でのアバターを本体に上書きした上で”ここから出ることができるんだ……」

要するに……過去の自分を強制的に消して、新しい自分へと生まれ変わる、
それが新世界プログラム……希望更生プログラムなのか。

足立「その場合、死んだ人間はどうなるんだ……?」

御陵「上書きするためのアバターが存在しない以上、どうしようもないよ……」

言乃木「やっぱり目覚めないってことかい……!!」

足立「クソ……!」

足立「クソおおおおおおおおおおッ!!」

自分の席をガツンと殴る足立。
その口からは悲痛な叫び声が発せられていた。

モノクマ「えーっと、とりあえず今までの議論の流れを簡単に整理すると……」

モノクマ「卒業を選ぶと、ゲーム内の記憶のみが引き継がれ、奪われていた学園生活の記憶は完全に失われます」

モノクマ「一方、死んだみなさんに関しては……残念ながらお目ざめになることはありません」

筆原「……ちなみに、卒業を選ばなかったらどうなるんですか?」

御陵「このまま、ここで南国生活を続けてもらうだけだよ」

言乃木「ちょっと待ちな。アンタ、そんなこと聞いてどうするつもりだい?」

筆原「だって……外の世界に出ても私たちはおかしな状態になっているんですよ?」

筆原「それなら……いっそ、ここにいた方が……」

言乃木「バ、バカを言うな! アタシ達はここから出るために今まで耐えてきたんだろう!?」

言乃木「今ようやくそのゴールが目の前にあるってのに……何を躊躇っているんだアンタは!」

モノクマ「でも無理して辛い現実に出る必要もないし……ここでどっぷりゲームしてるのもいいんじゃない?」

ジョー「ふっざけんな! こんな狂った世界にいたらマジで頭どうかするっての!」

足立「だ、だが……このままみんなを犠牲にして俺達だけ助かっていいのか……?」

言乃木「アンタまで何言ってるんだ!」

言乃木「ここでアタシ達が出なかったら、今までしてきたことはなんだっていうんだ!?」

言乃木「今まで死んでいったアイツらの気持ちはどうすればいいんだ!?」

確かに、そうだ。
俺達は外に出るために今まで必死に耐えてきたんだ。あんなコロシアイにも、耐えてきたんだ。

それなのにここでこのままこの世界に留まっていたら……それこそ、今まで死んでいった奴らの思いも無駄になる。

それはわかってるんだが……

モノクマ「うぷぷぷぷ……」

……引っかかる。

なんでモノクマは俺達が外に出ることを止めようとしない?
俺達がこのまま外に出るのを黙って見過ごすっていうのか?

そんなもの……モノクマがしてきたことだってなんだったんだって話になる。

夏目「…………」

言乃木「おい! 夏目、アンタは……!!」

言乃木が俺を睨むようにして尋ねる。

……どうすればいい? 俺達はどうするべきだ?


↓2
1出る
2出ない



…………、

……もう、ゲームなんて嫌だ。こんな苦しいこと、いつまで続ければいいんだ……?

モノクマ「おしおきがあろうがなかろうがどうでもいいのです」

モノクマ「でもこれはゲーム。だからゲームオーバーは必要だよね?」

モノクマ「だからここでゲームオーバー! と言いたいところだけど……それじゃあオマエラゆとり世代はぶーたれるから、リトライのチャンスをあげましょう!」

モノクマ「当然、リトライするもしないも自由です。その先にどんな絶望が待ってるんだろうね……?」

……そうだ。俺は諦めるわけにはいかない。
どんな真実が待っていても、絶対に負けないって決めたんだ!

だから……この先どんな未来が――絶望的な未来が待っていようが……




夏目「俺達は諦めない!」


↓2
1出る
2出ない

正解!

夏目「そうか……!」!


夏目「ちょっと待ってくれ! 決めるのはまだ早い!」

言乃木「アンタもこの2人みたいにヘタレになったっていうのかい!?」

夏目「違う! ただ、少しおかしいと思わないか!?」

すると不意に御陵の表情が一変した。
苛立ち、憎悪。そんな顔だ。

御陵「ねぇ……おかしいって何がおかしいの? あなた達は今の状況を掴めてないの?」

御陵「あなた達みたいな超高校級の絶望なんて、本来なら見捨てられるか処刑されて然るべき人間なんだよ?」

御陵「それを救ってやるって言ってるんだ! 未来機関や私の懐の深さに感謝するべきじゃないの!?」

筆原「み、御陵さん……? どうしたっていうんですか……?」

そのあまりの豹変に筆原が言葉を失う。

御陵「いいからおとなしく私に従ってよ! あなた達が助かるには私に従うしかない!」

御陵「そんな簡単なこともわからなくなるくらいに頭がどうかしちゃったの!?」

夏目「やっぱりだ……!」




夏目「やっぱりお前はおかしい!」


【ノンストップ議論 開始!】
コトダマ
・人類史上最大最悪の絶望的事件
・希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件
・シャーンス・クレ
・希望育成計画
・希望強化計画
・神原陽菜
・予備学科について
・影山のヴィジョン
・苗木誠・御陵書乃へのメール


御陵「せっかく助けてやる、救ってやるって言ってあげてるのに……」

御陵「どうして言うことを聞かないのさ!!」

ジョー「とりあえずまずはここから出してもらおうぜ!」

ジョー「だって『未来機関は正義の味方』なんだろ!?」

筆原「それに……この人は『超高校級のレスキュー隊員』だったみたいですし……」

言乃木「信じるに値する……はずだ……」

御陵「【未来機関は世界の希望】……」

御陵「誰も未来機関には【逆らえない】……」

御陵「そんなことすらわからないなんて、どこまで愚かなんだよあなた達は!?」


↓2
論破or同意

正解!

夏目「それは違うな!」論破!


夏目「……墓穴を掘ったな?」

御陵「ぼ、墓穴って……どういう意味さ?」

夏目「モノクマから見せられた手掛かりの中に、お前と苗木誠っていう人物宛てのメールがあった」

夏目「そこにはその2人は未来機関に殺されそうになっていた絶望の残党を庇っていた……つまり、未来機関に逆らっていたんだ」

夏目「そいつの言ってることと明らかに矛盾している!」

御陵「なっ……!?」

ジョー「つーか、なんだよそれ? オレらを殺そうとしていた……?」

言乃木「黙ってな! おい、モノクマ。あそこにあった手掛かりは全部本物だったね?」

モノクマ「ドキィ!?」

……それに、矛盾しているのはそれだけじゃあない。

最後、あの教室で聞いたあの言葉……むしろ俺にはあっちの方が本物に思える。

それじゃあ……今俺の目の前にいるこの女は……

夏目「答えろ……御陵書乃! お前は誰なんだッ!!」

モノクマ「だ、誰って! どっからどう見ても御陵さんじゃん! 女の子のくせに女の子にモテモテな、御陵書乃さんじゃん!」

ちっ……邪魔する気か……!!

そっちがその気なら……御陵書乃が本物かどうかを確かめる根拠、それを突き付けてやる!



【パニックトークアクション 開始!】

モノクマ「この子はどう見たって御陵さんだよ!」

モノクマ「超高校級のレスキュー隊員の御陵書乃さん! 女の子のくせに女の子にモテモテな御陵さん!」

モノクマ「確かにどことなく影山さんには似てるけどさぁ……彼女は間違いなく死んでるよね?」

モノクマ「だからこの子は御陵さんでしかありえないよ!」




モノクマ「それでも偽者って言うのなら、その根拠を教えてよ!!」


          
          23
     0          4
           0


↓2
正しい順番に並び変えろ!

じゃあ今回ここまで。書き溜め尽きたからまた書き溜め作業に入るよ

23040・シャーンスクレ・希望強化計画等の話にならないと今まで以上の原作なぞりになってしまう……これも前作で設定を“苗木達の代わりに希望ヶ峰学園に入学したら”なんてものにしたからや……

ちなみに23040は今の時点で解読可能です

では何かあればどうぞ

でもわりと難しい……のかな?
勘の良い人はわかるかなってくらい

あと今回もラスト一発、自由安価がありますのでよろしくお願いします

乙でした

次の更新は金曜日を目処にしてます
お願いします

綴文佳 D
身長163cm
体重47kg
バスト83cm
ウェスト57cm
ヒップ85cm

摩耶鞠星 A
身長171cm
体重53kg
バスト80cm
ウェスト59cm
ヒップ86cm

一色杏奈 D
身長167cm
体重49kg
バスト86cm
ウェスト58cm
ヒップ85cm

京極星奈 C
身長164cm
体重47kg
バスト82cm
ウェスト56cm
ヒップ86cm

藍原舞 F
身長162cm
体重50kg
バスト91cm
ウェスト60cm
ヒップ88cm

弓乃桃子 B
身長153cm
体重44kg
バスト75cm
ウェスト55cm
ヒップ81cm

大刀看琴 C
身長168cm
体重49kg
バスト84cm
ウェスト59cm
ヒップ87cm

夢見藍花 E
身長155cm
体重47kg
バスト85cm
ウェスト57cm
ヒップ84cm

何かしら更新はないと寂しいと思って少し前に考えた綴さんスレの女子スリーサイズ載せてみた

あっちも次スレになったら貼るけれど

綴さんスレに貼った方が良かったんじゃ…

>>659
次スレ移ってからの方がいいかな、と思ってたけどまあもちろんそうですよね

というわけで貼ってきます……

とりあえず今後の更新予定

・夏目スレ終わらせる

・綴さんスレ再開!
↓(しばらくここ一筋)
・綴さんスレchapter5くらいまで行ったら新スレ

・綴さん時空でのコロシアイ修学旅行かコロシアイ林間学校(キャンプ?)

キャンプファイアーとかやりたいね

まあ、その……なんだ
なんやかんやでまだここが終わっても綴さんスレともう1つはやるつもりだからまだまだよろしくお願いしますってわけですよ

だいぶ先になるでしょうが綴さん時空でのコロシアイ修学旅行or林間学校はこれまでの才能でもオーケーになるんで時が来たら参加よろしくお願いしたい
性別反転させればまだまだいける気もしますし

ちなみにこっちは今から書き溜め作業再開
明日には投下できそう? 時間がない……!

三作品続いてるんだしコロシアイ修学旅行ではぜひオリキャラ成り済ました詐欺師を登場させたい。超イケメンな多和良の偽物とか

>>668
仮に詐欺師が出るようでしたら特殊対応をさせていただきます

23時頃ひっそりと書き溜め終わってるところまで投下してええかな……

今なら、やれる……!

正解!

夏目「これで終わりだ!」Break!


夏目「御陵……お前が本物なら答えられるはずだぞ」

夏目「ネズミー城にあったあのパスワード……お前はどうして23040なんて数字にしたんだ!」

御陵「っ……!?」

御陵「え、えーっと……なんの話だっけ?」

夏目「答えられないのか!? それなら、お前は御陵書乃じゃない!」

ボロが出たな。内心で俺がそう確信をしていると、その御陵――御陵の偽者はニタリと笑った。

御陵「あーあ……ばれちゃったか……」

ジョー「あ? バレたって……」

御陵「うぷぷぷぷ……残念だよ。いい線行ってたと思ったんだけど……」

その偽者はそう言うと、そのまま文字通り消えてしまった。

ジョー「……は?」

ジョー「ひ、人が消えちまったぞ!?」

筆原「な、なんですかこれ! 人体消失マジックですか!?」

ジョー「オレですらそんな簡単にできないぞそのマジックは!」

言乃木「データの世界なんだからなんでもありなんだろう? これくらいでガタガタ騒ぐんじゃないよ」

足立「ってことは……今のはモノクマの仕業だったんだな?」

モノクマ「あわわわわ! バレちゃった! 自作自演がバレちゃった! こ、こいつは自殺モノの恥ずかしさですぞ!」

モノクマ「い、いっそのこと消える前にサービスシーンの1つや2つくらい挟んでおくべきだったか……!?」

言乃木「アホなこと言ってないで答えな! どうしてこんなところで未来機関の偽者なんて出したんだい!?」

夏目「今の偽者は俺達を外に出そうとしていた……」

夏目「つまりそこにお前の仕組んだ罠があるんだな!」

筆原「罠……ですか?」

足立「それはどんな罠なんだ!? ここまで来たら答えた方が身のためだぞモノクマ!」

するとモノクマは急に何かを悟ったような顔になる。

……?

モノクマ「あーあ……なんだか少しクライマックスムードだね……」

ジョー「うっせ! まずはお前の目的を話せっての! それが終われば全部解決すんだ!」

モノクマ「解決? 何が? だってまだ……変身をお披露目してないよ?」

夏目「変身?」

モノクマ「そう! だってラスボス戦には変身が定番じゃん?」

モノクマ「ほら、1000年前に死んだはずの王様が蘇ってラスボスになるゲームだって最後には変身したじゃん? ほら、テイルズ……」

ジョー「余計なこと言ってんじゃねぇよ!!」

モノクマ「とにかく! そういうわけだから終わるのはこの変身をお披露目してからだよ!!」

その瞬間、モノクマの周囲に何か変化が訪れた。

モノクマ「さあ! とくと見よ! 今からボクは天上の王となる!!」

モノクマ「はあああああッッッ!!」

……っ!?
なんだ、この感じ……何か、とてつもなく嫌な予感がする……!!

モノクマ「うぎゃあああああ……」

モノクマ「し、死んじゃううううううッッッ!!」

そんなおかしな奇声と共に……モノクマは消え、“ソイツ”は唐突に現れた。


■○×◆△


夏目「な、何が起きているんだ……?」

そうして現れた“ソイツ”は、女だった。
サイズは……大きい。何に例えることすらできないほどに、とてつもなく大きかった。

筆原「ゆ、夢でも見てるんでしょうか……?」

言乃木「なんでもありだからってここまでは……さすがになしだろう……!」

するとその巨大な女は目の前に置いた携帯電話の液晶から俺達に話しかけてきた。

???「ふーん……人ってLLサイズの女子高生を見るとこんな反応するんだ」

???「でもそんなに大きいかな? むしろ小さいくらいじゃない?」

足立「どこがだよ!? 限度越えてるじゃないか!!」

ジョー「これがモノクマの正体で……オレらはこんなもんを相手にしないといけないのかよ?」

???「こんなの呼ばわりなんて酷いよーう! センパイには敬語を使わないといけないって習わなかった!?」

筆原「い、いきなり口調が変わったような……?」

???「あー、アタシって自分のキャラに飽きっぽいからさぁ。コロコロキャラ自体が変わっちゃうのよねー……」

???「っと! そこで足立君が颯爽と『飽きるの早すぎだろう!?』って言うんだよね!?」

足立「なっ……!?」

???「君たち可愛い後輩のデータはたんまりとあるから思考を先読みするくらいは楽勝なんでーす!!」

筆原「飽きてないじゃないですかっ!」

???「飽きるのに飽きたんです……死んでも飽きっぽいなんて嫌になります……」

死んでも、って……まさか、コイツの正体って……!!


↓2
1江ノ島盾子
2苗木誠
3湯川ほのか
4御陵書乃

正解!

夏目「これだ……!」!


夏目「もしかして……お前が江ノ島盾子か?」

足立「江ノ島盾子……!? 死んだはずじゃなかったのか!?」

江ノ島「確かにあのときはすぐに逝っちゃったけどさぁ……し、仕方ないじゃない! ああいうの初めてだったんだし!」

江ノ島「もー! 逝かせたのはそっちのくせに何でそういうこと言うのさー!」

筆原「え、えっと……そのときに逝っちゃった人がどうしてここに?」

江ノ島「アンタらは人工知能プログラムアルターエゴって知ってる?」

人工知能……?

江ノ島「そうなのじゃ! 今のアタシはもはや人類すら超越した存在なのじゃ!!」

ジョー「何が人工知能プログラムだ……! 次から次へと荒唐無稽なことばっかり言いやがって……!」

江ノ島「ほら! アタシってこういう性格だからすぐに死にそうじゃん?」

江ノ島「だから生前に前もって作っておいたんだよ!」

江ノ島「で、それを“誰か”がこの新世界プログラムへと繋げてくれて……」

江ノ島「こうしてアタシが颯爽と参上したってわけ!!」

こ、この女が江ノ島盾子……?
世界が滅んだのも、俺達がコロシアイをすることになったのも……全部がこの女の仕業……!?

……、
でも……だからってどうすればいいんだ?

この女が江ノ島盾子だとわかったところで――

江ノ島「俺達に何ができるんだ? とか考えないでよ!」

江ノ島「同じ超高校級の絶望同士なんだからさぁ……仲良くしたっていいんじゃない!?」

言乃木「黙ってな!」

ジョー「そうだ! んなもんぜってぇにお断りだ!」

言乃木、ジョーに立て続けに拒否されて江ノ島がどんよりとした空気を放つ。

江ノ島「あーあ、嫌われた……」

江ノ島「可愛い後輩のために卒業プログラムを改ざんしたのに、嫌われた……」

え……?

筆原「卒業プログラムを改ざん……?」

江ノ島「ほら、さっき御陵さんの偽者が言ってたじゃん? ここから卒業しても死んだ人たちは生き返らないって」

江ノ島「でもそれだとせっかくクリアしたっていうのにご褒美成分が少ないだろうから……アタシが“死んだ人たちも生き返る”ってなるように改ざんしたんでーす!!」

は……? 死んだ人間も、生き返る……?

足立「おい! それは本当なのか!? 死んだみんなが生き返るってのは本当なのか!?」

江ノ島「もちろんそうだよー! うっは! アタシ後輩想いじゃね?」

江ノ島「ま、かなり時間はかかっちゃったけどね。それでも可愛い後輩のためなら楽勝よ!」

江ノ島「って言っても所詮はゲームだし? こうなるのも当然っていうかね……」

所詮はゲーム……?

江ノ島「常識的に考えてみてさ、ゲームで起きたことが現実世界にも影響を及ぼすことなんてありえないんだよね」

夏目「言ってることがさっきと全然違うじゃないか……!」

夏目「さっきは嘘だろうと、俺達の脳がそれをリアルに感じたらその時点でリアルになるって……!」

すると江ノ島はめんどくさそうな顔をしてこっちを見てきた。

江ノ島「だーかーらー! そうやって相手の矛盾を指摘するゲームは終わったの! だから気にしないでいいって!!」

足立「……わかった。気にしない」

夏目「お、おい……!」

足立「理屈なんてどうだっていいさ! みんなが生き返るならそれでいいじゃないか!」

筆原「で、でも……どういった原理でそんなことができるのかがわからない限りは……」

足立「この世界はゲームなんだ! つまりなんでもあり!」

足立「筆原さんだってそれはもう散々目の当たりにしてきただろう!?」

言乃木「……まあ、立て続けにあんなことを見せられたらさすがに、ね……」

ジョー「女子高生が巨大化するくらいだし、そういうプログラムに改ざんしたんですって言われたら……はいそうですかとしか言えないわな……」

江ノ島「そうそう! だからこんなゲーム終わってお外の世界に出ようよ!」

夏目「そうすると、お前にどんな得があるんだ!?」

江ノ島「は?」

一瞬、江ノ島の顔が素の表情らしき顔に戻る。

夏目「俺達を外の世界に出して、お前にどんな得がある!? それを聞かない限りは……!!」

江ノ島「あーっ、やだやだ! 得がどうとかアンタは主婦かってーの!」

江ノ島「アタシはただこの“卒業プログラム”をドラマチックに演出したかっただけだって!」

江ノ島「っていうかさ、これも夏目クンのためを思ってやったことなんだけどな?」

夏目「なに……?」

その言葉に俺が表情を変えると江ノ島はニタリと笑ってさらに続けた。

江ノ島「だってこれって夏目クンにとってもいい話じゃん?」

江ノ島「みんなが生き返るってことはさ、最咲さんや兎呑さんともまた会えるんだよ? 夏目クンにとっては願ったり叶ったりじゃないのかな?」

夏目「そ、それは……」

江ノ島「言い忘れてたこととか、あるんじゃない? それを伝えるチャンスなんだよ? それをみすみす見逃すっていうの?」

夏目「…………」

足立「そ、そうだ! それにその2人だけじゃなく、全員で帰れるんだぞ!? だったら迷う必要なんてないじゃないか!!」

筆原「……ですよね。今さらここに残るなんてこと、選べるはずがないですもんね……」

言乃木「今までの目標よりも、何段も幸せなハッピーエンドだね……」

ジョー「あんなコロシアイに耐えられたのも……ここから出るって目標があったからだもんな」

江ノ島「うんうん! さすがはコロシアイ修学旅行を勝ちぬいただけあって絶望的に生に執着があるみたいね!」

江ノ島「じゃ、時間稼ぎなんてやめてさっさと始めよっか!」

言乃木「この卒業ってのを押せば、いいんだったね……」

ジョー「そうすれば、帰れるんだよな?」

そうだ……今度こそ、これで帰れるんだよな……

それに、死んだ仲間も生き返るなんて……俺達が望んでいた以上の結末じゃないか。

……それなら、もうゴールってことでいいんだよな?


↓2
1卒業を押す
2留年を押す
3押さない





御陵「それは違うね!」反論!




御陵「押しちゃダメだよ! それはその女の罠なんだ!」

……え?

ジョー「なんだ!? またさっきの女が出てきたぞ!?」

江ノ島「またじゃないよ……だって今度こそ本物だもんね?」

夏目「ほ、本物……?」

俺が驚いていると、その女ははっきりとした口調で言った。

御陵「私は御陵書乃! 未来機関の、御陵書乃だよ!」

この女が……あのときの?

御陵「遅くなってごめんね……本当はもっと早くに来たかったんだけど……」

御陵「ウイルスのせいでなかなか侵入できずにいたんだ」

江ノ島「それがこんな雑魚共のピンチで何故か侵入できるようになって……」

江ノ島「こうして主人公が颯爽と参上したってわけ!!」

御陵の登場に慌てる様子を見せない江ノ島。ってことは……

夏目「御陵がここに来れるようになったのも、江ノ島の仕業なのか……?」

御陵「……かもしれない」

御陵「でも、そんなもの構うものか! 私は絶対に彼らを救ってみせる! そしてアンタとの因縁も決着をつけてみせる!!」

江ノ島「いやああああっ! か、かっこいい! ヤバ……なんか濡れてきたかも……」

筆原「でも、御陵さんはどうやってここに……?」

江ノ島「はぁ……はぁ……」

江ノ島「えっと、それはあれでしょ? 裏技のアタシに対抗して裏技を使ったんでしょ?」

江ノ島「みんなと同じように入学時の姿なのに記憶が残ってるのもその影響……」

御陵「そうでないと、みんなを助けられないからね……」

江ノ島「でもわかってんの? どんな裏技で来ようが結局アンタはアタシの管轄下に置かれるのよ?」

御陵「そんなもの、承知の上だ……!」

江ノ島「相変わらずの自己犠牲精神だねー! まったく変わってないようで安心したよ!」

夏目「おい、それよりもさっきの罠ってどういう意味だ? 何が江ノ島の罠なんだ?」

足立「聞く必要なんてないだろう!!」

俺の言葉に足立がそう割り込んでくる。

足立「や、やっと……これで全部解決するんだぞ。ここから出れば、何もかも丸く収まるんだぞ……」

足立「今さら邪魔されてたまるか!!」

御陵「あなた達がそう思わされてること自体が、この女の仕掛けた罠なんだよ!」

言乃木「ど、どういう意味だい?」

御陵「死んだみんなが生き返るなんて、嘘だ!」

江ノ島「嘘じゃないもーん!」

ジョー「どっちだよ!!」

御陵「その女の目的を知れば、今までのこの女の言ってきたことが嘘だってわかるはずだよ!」

筆原「御陵さんは、知っているのですか?」

御陵「うん……その女の目的は、“希望更生プログラム”を“絶望再生プログラム”に変えることなんだ」

足立「絶望再生プログラム……?」

その不穏すぎる単語に足立がそのままオウム返しをする。

御陵「卒業をすると、ここでの記憶を本体に上書きするっていうのは聞かされてるね?」

御陵「でも私たちは今回のような、アバターが消滅する事態は想定していなかったんだ」

御陵「この女はそこに付け込んで……私の仲間の技術を盗んで作ったアルターエゴを……」

御陵「消滅したみんなのアバターに、上書きしようとしているんだ!」

足立「なっ……!?」

ジョー「じゃあ、死んだ連中は生き返るわけじゃなくて……!!」

言乃木「江ノ島盾子に乗っ取られるってことかい!?」

夏目「な、なんだよそれ……!?」

御陵「死んだ人間が生き返ることはありえない……それはデータだろうが、現実だろうが一緒なんだ」

江ノ島「なんか人聞きの悪い言い方だけど、別に騙してたわけじゃなくない? ちょっと言葉足らずだったっていうかさ」

江ノ島「それに、今まで死んだ連中のデータはアタシの中に蓄積されてるからちゃんとその人を演じられるはずだよ?」

じろり、と江ノ島が俺を見る。

夏目「ふ、ふざけるな……」

江ノ島「しーかーもー? 夏目クンのデータもたーっぷりとあるから、夏目クンが喜びそうなことも手に取るようにわかる……」

江ノ島「だから今までより夏目クン好みの最咲愛花ちゃんや兎呑巳弧ちゃんを演じられちゃったりしてね!!」




夏目「ふざけるなって言ってるだろおおおおおおおおッ!!」

気付けば俺はそう叫んでいた。
江ノ島盾子を見て、そう叫んでいた。

キリよく今回ここまで

次回は残り二人も登場するんで、誰かなーとか予想でもしといてください

そろそろオリジナル路線も入りそう

では何かあればどうぞ

22時頃再開予定です、お願いします

始めます

江ノ島「アハハハハハハハハッ!! 人類総江ノ島化計画はここから始まるのよ!!」

……人類総江ノ島化計画?

江ノ島「死んだ連中にアルターエゴを埋め込んだら、そのままちゃっちゃと未来機関の拠点も制圧しちゃって……」

江ノ島「そんで! ゆくゆくはこの世の中の人間全員をアタシにしちゃうの! うはっ! 夢が広がリング!!」

ジョー「そ、その無茶苦茶な計画が……お前の計画なのか?」

夏目「だったら……どうして俺達を殺さなかった?」

江ノ島「ん?」

夏目「だってそうだろう!? 俺達全員を殺していれば、それだけ乗っ取れる体が増えていたはずだ……何故そうしなかったんだ?」

江ノ島「あれ? もしかしてそれって遠まわしに『殺してくれ』って言ってる? ならやっちゃうよ?」

御陵「いや、その女にはそれができなかった。だからあなた達にコロシアイをさせたんだ」

しなかったんじゃなく、できなかった……?

それってもしかして、あれが理由なんじゃないか……?


↓2
1修学旅行のルールがあったから
2実体が無かったから
3封印されていたから

正解!

夏目「これだ……!」!


夏目「そうか……修学旅行のルールがあったからだな?」

言乃木「そんな人外が、修学旅行のルールなんかに縛られていたのかい!?」

御陵「その女は今回、教師役であるウサミの立場を乗っ取ってこの新世界プログラムに侵入してきたんだ」

夏目「だがウサミにも守るべきルールがあった。だからその立場を乗っ取った江ノ島も、それに従うしかなかったんだ」

足立「……教師が生徒に必要以上に干渉しないっていう、あれか」

筆原「それなら私たちは……あのルールがあったから守られていたんですね?」

江ノ島「そうなんだよねー。ルールの追加の権限はあっても、ルールの削除の権限は無かったからさ」

江ノ島「ま、影山さんにはそこを利用されてあんなことを頼まれたんだけど」

夏目「俺達のコテージの爆破、だな」

江ノ島「そうそう。ま、そういうわけだからアタシ的にはコロシアイで誰が生き残るとか別に興味なかったんだよね」

足立「ふざけるなよ……!」

足立「いい加減にしてくれっ! みんなの命をなんだと思っているんだっ!!」

足立のその叫びに江ノ島は一言こう言った。


江ノ島「雑魚」


足立「っ……!?」

ギリギリと足立が歯ぎしりをして江ノ島を睨む。

夏目「それがお前の目的だったんだな……!」

夏目「“卒業プログラム”で俺達の体を乗っ取るために“卒業”を選ばせようとしていたんだな!?」

筆原「ど、どうしてそんな酷いことができるんですか……!?」

御陵「それがその女の本質なんだ……」

御陵「そこに理由や目的なんて存在しない! その女は関わった人間全員を絶望させることしか考えていないんだ!!」

江ノ島「さすがは御陵さん……アタシのことをよく考えてくれているんだね」

江ノ島「そう……アタシが絶望を求めるのはアタシがアタシであるための定義付けでしかないのよ!!」

ジョー「ただ単純に、誰かを絶望させることだけがお前の目的……?」

江ノ島「じゃ、ここらで一つ思い出話をしてあげようか?」

江ノ島「アタシを狂気的に愛する何千もの人間がパタパタとゴミのように倒れる姿……」

江ノ島「しかも連中はそれを自分でやったんだ……!!」

言乃木「なんだいその話……」

その話って……もしかして、あれのことじゃないのか?


↓2
1予備学科
2影山詩乃
3コロシアイ学園生活
4モノクマ

正解!

夏目「これだ……!」!


夏目「今のって、予備学科の集団自殺の話だな?」

筆原「集団自殺……?」

夏目「希望ヶ峰学園の予備学科生2356人が集団自殺した話だ。おそらくそれをやったのも江ノ島盾子なんだろう……」

足立「1人の生き残りを除いて残りの生徒全員が集団自殺したって話だったな……」

江ノ島「そうそう! まあ、それをやらせたのはアタシじゃないんだけどねー」

江ノ島「ちなみにその残りの1人が今どうしてるか……御陵さんなら知ってるよね?」

夏目「なに……?」

御陵「その残りの1人も“超高校級の絶望”になって……今、新世界プログラムに掛けられているよ」

ジョー「は? で、でも新世界プログラムって今オレ達がいるここのことだよな?」

夏目「新世界プログラムは2台用意されていたってことだろ?」

言乃木「2台って……」

それを示す証拠も、俺は持っているはずだ……


↓2
コトダマを提示しろ!

正解!

夏目「これで証明できる……!」!


夏目「あの被験者リスト、そこにあった名前は俺達のものだけじゃなかった」

夏目「さらに16人分の名前もあったんだ。それってつまり……その16人も新世界プログラムに掛けられているってことだよな? しかも、今俺達が掛けられているものとは別に」

御陵「……うん、そうだよ」

足立「つ、つまり現時点で俺達を含めた30人以上の超高校級の絶望がいるってことか……?」

江ノ島「よっぽどこの世界は絶望を望んでいたんだろうねー」

御陵「違う! 世界は絶望なんて望んでいない! だからこそアンタをここから出すわけにはいかないんだ!」

江ノ島「でもそうするとみんなもここから出られないよね?」

ジョー「え……?」

夏目「俺達がここから出るには、卒業をするしかない。だがそうなると……」

何が言いたいのか察したのか、筆原がみるみるうちに青ざめる。

筆原「そうなったら……死んだみなさんにこの江ノ島さんのアルターエゴが埋め込まれて……!」

言乃木「この女を外に出さないためには、アタシらがここに残るしかないってことかい!?」

ジョー「な、なんだよそれ……? なんで、そうなっちまうんだよ……!?」

江ノ島「みんなにとっては最悪の話だけど、未来機関にとっては最高の話だよねー」

江ノ島「なんたってアタシを含めた超高校級の絶望をまとめてゲーム世界に閉じ込めておけるんだし……」

御陵「ち、違う! そういうことじゃないんだ!」

江ノ島「あー、そっか。確かに御陵さんは少なくとも1人は本気で助けたかっただろうね」

江ノ島「でももうその子も死んでるし……御陵さんが体を張って助ける理由もなくなっちゃったんじゃない?」

足立「御陵さんが本気で助けたかった人……?」

それってもしかして……


↓2
1影山詩乃
2最咲愛花
3正道健一
4湯川ほのか

正解!

夏目「これだ……!」!


夏目「それって……影山のことか?」

江ノ島「そうでーす! 御陵さんは“超高校級の絶望”になってしまった双子の妹、影山詩乃さんを助けたかっただけなんでーす!!」

ジョー「ふ、双子だぁ!?」

夏目「23040っていうパスワードを設定した理由……自分の罪を俺達に洗い流して欲しかったからって言ってたな?」

夏目「230……“ふみの”と40……“しの”。やっぱりお前と影山は家族の関係にあったのか」

夏目「しかも、影山はお前に対して良い感情を抱いてなかったはずだ」

筆原「そ、そこまでわかるんですか!?」

それを裏付ける証拠だって俺は見ていたはずだ……


↓2
1ファイナルデッドルームの特典
2人類史上最大最悪の絶望的事件
3希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件

↓1で

不正解!
発言力
8→7


違う……このことに影山も御陵も関与はしていないはずだ!


↓2
再安価。今回コトダマ提示じゃないんでコトダマリストはあんまり関係ないかもよ

不正解!
発言力
7→6


これも違う……2人はこれに関与していない……!


【Info】
自動的に進行します

正解!

夏目「これだ……」!


夏目「アイツが手に入れたっていう俺達のプロフィールが集められたファイル……」

夏目「あれの影山自身のページに書かれた家族構成の欄の一部が意図的にペンのようなもので塗りつぶされていた」

夏目「おそらくそこには御陵書乃……お前の名前が書かれていたはずだ」

江ノ島「実の姉の名前をガリガリとペンで塗りつぶすなんて、よっぽどアンタのことが憎かったんだろうねー!」

御陵「そ、それは今関係ないでしょう!!」

江ノ島「でもなんていうかさ、皮肉だよね。目の前で自分に起きたようなことで実の妹が死んで、さらに夏目クン達にしても今まで目指してきたゴールが間違いだったなんてさ!!」

足立「くっ……!?」

江ノ島「大事な大事な仲間を犠牲にして勝ちとったゴールが間違いだったなんてそんなの絶望的ィ!!」


ジョー「や、やめてくれぇえええええッ!!」


……間違いだったのか?
俺達がここから出たい。生きていたい。そう思うことがそもそもの間違いだったのか?

それならこれまでのコロシアイも何もかも……全部無駄だったっていうのか?
それで犠牲になった仲間たちも、全部無駄だったっていうのか?

……そんなのって……!





御陵「諦めちゃダメだよ!!」




御陵「みんなだけがここから出れて、この女だけをここから出さずに済む方法があるんだ!!」

……え?

江ノ島「は? 何言ってるのさ。そんなご都合展開があるわけ――」

江ノ島「――ってマジで!? そんなの初耳なんですけど!?」

初耳? それって……江ノ島も知らないってことだよな?

もしかしたら……御陵が言ってることは、あれのことかもしれない!!


↓2
コトダマを提示しろ!

正解!

夏目「これだ……!」!


夏目「それって、もしかして強制シャットダウンのことか?」

筆原「強制シャットダウン……?」

御陵「私たちがこの新世界プログラムに仕掛けた、一種の裏技みたいなものだよ」

御陵「これをすれば、あなた達は外に出ることができるんだ」

夏目「教師役でも止めることができないんだったな!」

言乃木「じゃあ江ノ島でも止められないってことかい!!」

そうやって一気に俺達の放つ空気が回復したところで、江ノ島がこんなことを言った。

江ノ島「ですが残念なお知らせが1つあります。みなさんに強制シャットダウンは使えません」

ジョー「は?」

御陵「アンタ……もしかして、強制シャットダウンを知ってたの?」

江ノ島「そんなことよりどうしてかわかる? どうして強制シャットダウンが使えないのか?」

強制シャットダウンが使えない、その理由……?


↓2
1人数が足りないから
2存在しないから
3江ノ島がいるから

正解!

夏目「これだ……!」!


夏目「人数が足りてないから、か……?」

江ノ島「えー、アタシの知ってる情報ですと……プログラムの定員である15名の過半数が2つのボタンを同時押ししないと強制シャットダウンは発動しないはずです」

言乃木「だ、だが15人の過半数って……今この場にいるのは……」

俺と。
ジョーと。
足立と。
筆原と。
言乃木と。
そして、御陵。

江ノ島「ちゃんと別の人間が押さないと、強制シャットダウンは発動されないようになってるから……」

江ノ島「無理無理無理無理無理ィ!」

足立「クソっ……これすらもお見通しだったってわけか」

御陵「心配ないよ……現時点で強制シャットダウンが使えないのは私もわかってたから」

ジョー「勝ち目がないってわかってて来たのか!?」

御陵「それは違うね……勝ち目があるからこそ、こうやって私が来たんだよ」

江ノ島「なら、私様に申してみるといい! その勝ち目とやらをなぁ!」

そうやってすでに勝ち誇っている江ノ島を見て御陵は一言、こう言った。


御陵「信じてるんだ……“彼ら”なら絶対に来てくれるって、信じてるんだ!」


その言葉と共に御陵の両隣に現れたのは……





声伽「あはは……そう言われちゃったらボクとしても応えてあげるしかないなぁ」

背の高いパーカー姿の男と。








首括「そんな安っぽい言葉で振り回されるこっちの身にもなってみろ……このアホが」

白衣姿の中世的な顔立ちの男だった。




中性的な、ね。
中世的とかどんな顔だよ


御陵「声伽に首括……やっぱり来てくれたんだね」

首括「誰かさんが忠告も聞かず勝手に先走ってくれたおかげでな」

御陵「うっ……ごめん」

声伽「まあ、御陵さんのこういうことは今に始まったことじゃないし……」

声伽「ボクらも無事間に合ったみたいだから結果オーライとしようか」

ジョー「お、おい……どうなってんだよ? 今度は2人も来ちまったぞ?」

筆原「えっと……あなた達も未来機関の方々なんですか?」

夏目「それと、前に江ノ島を倒したっていうコロシアイ学園生活の生き残りでもあるんだよな?」

足立「そんな人たちが3人も集まったっていうのか……!」

江ノ島「かつての勇者が再び現れたラスボスに挑むため、危険を顧みずやってくる……」

江ノ島「まさに王道的展開だよねー!!」

声伽「ま、こうでもしないとキミを倒す手立てがないからね」

御陵「どうだ……これで8人だ! 強制シャットダウンの必要人数は満たしたよ!!」

この声伽と首括を入れて、8人。
確かにこれなら強制シャットダウンは発動できる……!!

江ノ島「びえええええんッッッ!!」

首括「……何故そこで泣く?」

江ノ島「だって……そんな風に登場されたら……」

江ノ島「この子たちがますます雑魚キャラ扱いになっちゃうじゃんんんんんんッ!!」

言乃木「雑魚だと……!!」

首括「取り合う必要はない……」

首括「どうせ強制シャットダウンを発動すれば、その女はこの『狂った世界』もろとも終わりなんだ」

狂った世界もろとも……?

夏目「……なあ、ちょっといいか?」

夏目「そもそもな話……その強制シャットダウンってのをしたら、俺達はどうなるんだ?」

首括「…………」

首括「安心しろ。悪いようにはしない」

ジョー「そうじゃなくって、もっと具体的に言ってくれよ!!」

するとその問いには御陵が答えてくれた。

御陵「強制シャットダウンをすると、その時点で存在するプログラムすべてが消去されるんだ」

御陵「その女のアルターエゴはもちろん、そこにいるアバターもね……」

足立「俺達も消えるってことか!?」

声伽「それは違うよ。消えるんじゃなくて、ただ“卒業”という正規の手順を通らずにプログラムが終わるだけ……」

夏目「それで外の世界に出ると、どうなるんだ?」

声伽「……新世界プログラムに掛けられる前の状態になるだけだよ」

えっ……?

首括「おい……そこまで言う必要があるのか?」

御陵「でも、彼らも全部知った上でないと納得なんてできっこないよ」

夏目「待ってくれ! それって、もしかして……!!」


↓2
1モノクマメダルを失う
2超高校級の絶望に戻る
3また最初からコロシアイ

正解!

夏目「これだ……!」!


夏目「俺達は超高校級の絶望に戻るってことなのか……!?」

江ノ島「そうよ! “アタシ達”に絶望的に操られ、絶望に絶望していた頃のアンタらにね!」

筆原「そ、そんなっ!?」

足立「それはダメだ……! な、なんとかならないのか!?」

声伽「不安な気持ちはわかるけど、ボクらはキミたちを信じてる」

御陵「だからもう1度、私たちと一緒に戦ってほしいんだ!!」

ジョー「なんだよそれ……? まだ戦えってのか……!?」

声伽「心配しないでいいよ。散々言われただろうけど、ボクらの目的はキミ達を助けること」

声伽「だからここから出た後も、精一杯の助力はさせてもらうよ」

江ノ島「でも未来機関のみなさんって超高校級の絶望を抹殺したがってたみたいだし……」

江ノ島「そんな組織の一員である声伽クン達に言われても信憑性に欠けるっていうかさー」

御陵「大丈夫だよ……外の世界のみんなは洗脳されているだけだから、時間さえ掛ければ絶対に元に戻れる」

江ノ島「あ、洗脳なんて安っぽい言い方はやめてくれませんかね……」

言乃木「だが……そうなるとここでの記憶は無かったことになってしまうんだろう……?」

筆原「そ、そんなの私は嫌ですよぅ!」

江ノ島「嫌でもそれが現実……」

ぴしゃりと江ノ島が言い切った。

江ノ島「ここでの記憶は誰の意にも止まることなく、無意味となって消えていく……」

無意味って……それってアイツのこともだよな?
この世界でしか生きられないアイツのことさえ、俺たちは忘れてしまうってことか?

命がけで俺達を守ってくれた、あの存在まで……?

江ノ島「あ、ちなみに言うと元に戻らないのは記憶だけじゃないよ。影山さんみたいに部位欠損してた場合はそれも戻ら――」

筆原「や、やめてくださいっ!」

ジョー「そんな状態で外に出ろとか……悪い冗談にもほどがあるだろ……」

首括「冗談ではない。これがお前たちの過去なんだ……誰も自分の過去からは逃れられないんだよ」

首括「お前たちも……無論、僕もな」

御陵「…………」

足立「その過去を俺達は知らないんだぞ!?」

首括「知らないからといってそのままにしておく気か!? ここまで来てなお自分に罪が無いと言い逃れできるつもりでいるのか!?」

何か思うところがあるのか、首括はそうして声を荒げて俺達に怒鳴る。

声伽「く、首括クン……気持ちはわかるけど少し落ち着いて」

首括「……ちっ」

江ノ島「あっはっはっは!! さすがは首括クン! そういうところは昔から相変わらずだね!!」

そうして江ノ島がバカみたいに大声で笑っていると、悔しそうに下を向いていた首括が途端ににやりと笑った。

首括「……墓穴を掘ったな?」

夏目「墓穴……?」




首括「今ので確信したよ。お前、江ノ島盾子じゃないだろう」

ジョー「は……!?」

御陵「じゃあ、やっぱり……?」

言乃木「おい! アンタらだけで納得してるんじゃないよ! アタシらにも説明してくれ!!」

言乃木が声を大にして叫ぶと、まず御陵が説明をしてくれた。

御陵「……そもそもさ、江ノ島盾子はあくまで希望ヶ峰学園に入学する予定だったけど学園長の考えでそれを見送られたんだ」

御陵「それはその年に入学予定だった他の生徒にしてもそうだよ。それで、その代わりとして選ばれたのが私たちだったんだ」

声伽「そんな江ノ島盾子がどうして希望ヶ峰学園を壊滅させ、挙句の果てには人類史上最大最悪の絶望的事件なんてものを起こせたのか……それは協力者の存在があったからなんだ」

筆原「協力者……?」

夏目「外部の人間である江ノ島がコロシアイ学園生活をするために、2人の協力者を用意したんだったか?」

首括「そうだ。その2人が僕たちのクラスメイトでもあった……神原陽菜と荒巻凪沙」

首括「この2人は在学中に江ノ島の手によって一時的に超高校級の絶望になってしまっていたんだ」

足立「俺達と一緒ってことか……?」

御陵「だけど、使い捨ての駒として見てなかったのか彼女らも私たちと同じように記憶を消されて、コロシアイ学園生活をすることになった……」

夏目「結果として生き残ったのは神原陽菜の方で、荒巻凪沙の方は死んでしまったというわけだな?」

声伽「うん。……そんなときにふとおかしなことが起きたんだ」

おかしなこと……?

声伽「そのコロシアイ学園生活で死んだ人たちはしばらく学園の生物室に安置されていたんだけどね……荒巻さんの死体だけが消えていたんだよ」

筆原「死体が……消えた……?」

首括「同時に、江ノ島盾子の死体もな」

首括「……超高校級の絶望で幹部的役割をしていたであろう人間は2人は確定している。江ノ島盾子と、その姉の戦刃むくろ」

御陵「だけど、もし荒巻凪沙も当時幹部的役割をしていたら? それで、絶望の残党に死体を漁られたとしたら……」

声伽「ま、これはあくまで憶測でしかないけどさ。今までのキミの言葉を聞いていたら納得がいったよ」

声伽「夏目クン達を操ったのが“アタシ”ではなく“アタシたち”という言い方。それにさっき首括クンに対してまるで昔馴染みみたいな言い方をしたのもそうだ」

夏目「実際に昔馴染みだったから……?」

言乃木「じゃあこの女は本当に江ノ島盾子じゃなく……!?」

すると不意に江ノ島が笑った。

江ノ島「あーあ……バレちゃったかぁ」

ジョー「バレたってことは……!!」

ジョーがそう呻くと、江ノ島はいったん姿を消し……江ノ島の代わりに、見たことのない短髪の女が現れた。




荒巻「そうでしたー! アンタらにコロシアイを強いたのは江ノ島様じゃなくてこの荒巻凪沙だったんでーす!!」

なっ……!?

荒巻「ねぇ、どう? こんな最終局面でラスボスが実は別人でしたーってオチ!」

筆原「そんなことどうでもいいですよ……!」

筆原「っていうか! 今の話だとあなたも死んでるはずじゃあ……!」

足立「江ノ島盾子同様、生前に自分のアルターエゴを作っておいたってところか?」

荒巻「っていうか、その技術を盗んだのもアタシなんだけどねー」

荒巻「ほら、江ノ島様は学園長のせいで外部の人間になっちゃったわけだし、技術を盗もうにもそれには内部の人間の協力も必要なわけじゃん?」

首括「……そうして在学中に僕の技術を盗んだってわけだな?」

荒巻「そういうことー!」

言乃木「なんだい、次から次へとおかしなことばっかり起きて……!!」

荒巻「っていうか御陵さんたちは今どんな気持ち!? こうして懐かしのクラスメイトにまた再会できてさ!!」

御陵「どうって……」




御陵「別になんとも?」

え……?

中途半端だけど今回ここまで

もう最後まで書き溜めてから投下しようかな……

何かあればどうぞ

あと余談ですが今回のキャラポジを当てはめると……

夏目→日向
ジョー→左右田
足立→九頭龍
筆原→ソニア
言乃木→終里
御陵→苗木
声伽→霧切
首括→十神
荒巻→江ノ島

となります

あと声伽人気やね……

次は18時頃再開して、そのままその更新で最後まで突っ走る予定です(書き溜めが最後まで出来てたらに限る)

なので少し早めから再開ですが、よろしくお願いします

じゃあ予告どおり18時頃始めたいと思います

始まるんだべ

声伽「キミはあくまで超高校級の絶望に染まっていた荒巻さんのアルターエゴ……」

声伽「でもボクらの中での荒巻さんはあのコロシアイ学園生活で一緒に生きた……そして、入学時のみんなのお姉さん的存在だった荒巻さんだけだ」

首括「どうやらお前はここで僕らに精神的ダメージを期待していたみたいだが……」

首括「残念だったな。その目論みも無駄に終わったようだ」

荒巻「え、えー!? そんな! それがクラスメイトに言う言葉なの!?」

御陵「だから言ってるでしょう? 私たちはあなたを荒巻さんと見ていない」

御陵「だからそんな揺さぶりは無駄だよ!」

荒巻「そ、そんな……なんて絶望的……!!」

首括「さて、勝手に絶望しているその女は放っておいてさっさと強制シャットダウンを押すぞ」

荒巻「なら……最後におさらいしておかないとね……」

荒巻「えっと、強制シャットダウンをするとみんなは超高校級の絶望に戻り、さらに死んだ人たちも生き返ることはありません……」

荒巻「ですが! アタシという存在はこの中に封印されるので世界の状況の悪化は免れるってわけだね!」

荒巻「ちなみに言っておくともう片方の新世界プログラムには江ノ島様が直々に行ってるから……もしこっちが強制シャットダウンをしてもあっちが卒業をすればあんまり意味はないんだけどね」

荒巻「さてと! アタシの絶望が勝つのか、未来機関の希望が勝つのか!」

声伽「……まるでゲームのような言い方だね?」

荒巻「実際ゲームだからね。だからこそ、前いなかった脇役はそのまま今回も雑魚役になってるんだし?」

言乃木「雑魚って……また言ったな……!!」

荒巻「だって本当のことだし! っていうかそもそもあのコロシアイ修学旅行だってみんなじゃなくて未来機関に見せるための物だったしね!!」

荒巻「……あっ! 言っちゃった!!」

足立「未来機関に見せるためだって……?」

夏目「コロシアイ学園生活同様、あの監視カメラを使ってそれを未来機関に見せていたってことか?」

言乃木「……なに?」

筆原「ええっ!? どうしましょう……油断してとんでもない姿をしていたかもしれません!!」

声伽「あはは……」

ジョー「おい! そこは否定してやるべきところだろ!! 苦笑いしてたら肯定してるようにしか聞こえないぞ!!」

御陵「大丈夫だよ。声伽はすぐに見ないようにしてくれてたし……」

御陵「首括は、それどころじゃなかったからね」

首括「…………」

何があったっていうんだ……?

足立「だ、だが! それならもっと早く来てくれてもよかったじゃないか!」

首括「そうしたかったが、新世界プログラムはその時点で外部からの命令をすべて無効にしてしまうようになっていたんだ」

首括「最後の手段として、電源自体を落としてしまうこともできたが……」

声伽「そんなことをしてキミ達が無事でいられる確証もなかったしね……」

荒巻「あー、まあそうだよね。前に自分たちの身に起きたことで次々に人が死んでいったら……」

荒巻「なんとかするぞ! っていうのが正しい希望のあり方だもんね!!」

夏目「まさか……それだけのためにあんなことをしたっていうんじゃないだろうな……」

荒巻「もちろん、それだけのためにあんなことをしたんだよ?」

まるでそれが当然であるかのようにそう言い切る荒巻。

荒巻「それがアンタらの存在意義ってわけ。仕掛け役・背景でしかないのがアンタらってわけ!」

荒巻「でもそれを知っててアンタらもこの世界に入ってきたんだよね?」

筆原「待ってください! それだとまるで……!」

荒巻「『自分から望んでこの世界に入ってきたみたいだ』……でもそのとおりなんだから仕方ないんだよね!」

なに……!?

荒巻「きっとアンタらも心の中ではアタシと同じで“希望と絶望の戦いを再開させたかった”んだろうね」

荒巻「ま、アタシがまたこうして江ノ島様と行動しているのは単純に上司に気に入られる部下のタイプだったからかなー」

荒巻「まあこれなら今度こそ御陵さんたちも絶望してくれるよね!? なんたって自分たちが助けに来た人間が今の状況を望んだんだから!!」

足立「勝手に俺達のせいにするなよ!!」

声伽「だから何度も言っているように、ボクらは絶望なんかしないって」

声伽「たとえ全部が罠だったとしても、ボクらはここに来たことを後悔しない……」

首括「それに……お前を止めるにはこれしか方法はないんだ……」

首括「だがどちらにせよこれで終わりだ! 強制シャットダウンで全部を終わらせてやる!」

荒巻「あっはっはっは!! 必死だね首括!!」

荒巻「まあそうだよね! ここで強制シャットダウンできなかったら未来機関はこの世界に閉じ込められるんだから!!」

夏目「閉じ込められるだって……!?」

荒巻「最初に言ったよね? ここから出るための条件だよ」

言乃木「多数決で卒業を選ぶことと……」

あとは……あれか!


↓2
1教師役の最終決定
2クロになって逃げ切る
3モノクマメダルを献上する

正解!

夏目「これだ……!」!


夏目「確か、教師役の最終決定があるんだったな?」

荒巻「そ。夏目君達はともかくとしてアタシが未来機関の卒業を認めるわけがないから……」

荒巻「そうなったら御陵さんと声伽と首括は永遠の南国生活となりまーす!!」

首括「はっ……そんなもの、強制シャットダウンが発動できなかったらの話だろう?」

声伽「でもそれはありえないんだよ」

声伽「だってキミを外に出すとどんな大変なことが起きるか、それはこの場の全員が知ってるからね」

筆原「それはもう……嫌というほどに」

言乃木「あれだけ本人の口から聞かされたらね……」

荒巻「あれれ?」

声伽「調子に乗ってペラペラと自分の思惑を喋るなんて……とんだ小悪党もいたものだね」

御陵「確かに私たちは帰れなくリスクを背負わされたかもしれない……」

御陵「でもそれがどうしたっていうの! 私たちがそんなことで怯むと思ってたら大間違いだからね!!

荒巻「その言葉そのまま返してあげるよ! 強制シャットダウンができると思ってたら大間違いだから!!」

御陵「え……?」

荒巻「そこの雑魚達を買いかぶりすぎじゃない!? そいつらに強制シャットダウンができるわけないっての!!」

夏目「できないって……どうしてだよ!?」

荒巻「そんな風に刺身の盛り合わせになった母親を深夜の夜食に出された鯖みたいな顔をしてるような奴に……」

荒巻「強制シャットダウンで超高校級の絶望に戻るなんてしんどい選択はできっこないない!!」

ジョー「それは……その……」

足立「くそっ……」

言乃木「…………」

御陵「……私は決めたんだ。夏目君達を信じるって」

御陵「確かに以前の彼らは道を誤ったかもしれないけど……それは過去の話だよね?」

御陵「私が信じるのは彼らの“過去”じゃなくて、彼らの“未来”なんだ!!」

荒巻「さっすがは御陵さん! そういう主人公っぽいセリフはお手の物だね!!」

荒巻「だからこそそんな御陵さんを絶望に落とすのが待ち遠しんだけどね!!」

御陵「アンタに何をされようと、私は絶望なんてしないッ!!」

すると荒巻はすっと真顔に戻り、こんなことを言った。

荒巻「あ、違う違う。御陵さんを絶望させるのはアタシじゃなくって……」

荒巻「この後に登場する黒幕その2なんでーす!!」

夏目「黒幕その2……!?」

言乃木「な、なんだいそれ……また誰か来るっていうのかい?」

首括「そんなわけがあるか……! どうせ、ただのハッタリだ!」

荒巻「いやー、ごめんごめん! こんなのって本当はタブーなんだろうけどさ!」

荒巻「でもそれを2回もやるなんて逆に斬新じゃないかな?」

声伽「いい加減にしなよ……さっきから何の話をしているんだ?」

荒巻「じゃあはりきって登場してもらいましょう! シャーンス・クレさんです!!」

シャーンス・クレ……?

それって、聞いたことあるぞ! 確か……


↓2
1フランスの怪盗
2学園の創立者
3未来機関の一員
4教師

正解!

夏目「これだ……!」!


夏目「確か、フランスを拠点にして活動していた怪盗だったか……?」

言乃木「そんなのが黒幕だなんて、本気で言ってるのかい!?」

荒巻「あ、違う違う。えーっとね、正確にはシャーンス・クレの偽者だよ」

声伽「偽者……?」

荒巻「シャーンス・クレを語るにはカムクライズルのことから話さないといけないんだよね……あー、めんどくさ」

御陵「カムクライズル……確か、学園の創立者で……」

足立「超高校級の希望って呼ばれてる生徒の名前でもあったよな」

筆原「? その2人は同姓同名なんですか?」

ジョー「んな偶然あり得るのか?」

夏目「確かカムクライズルっていうのはあの希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件を引き起こした犯人だって聞いたが……」

荒巻「でも、残念ながらカムクライズルは“あっち”にちゃんといるんだよね。しかも、江ノ島様のアルターエゴを新世界プログラムに仕込んだ張本人でもある!」

御陵「う、嘘だ! カムクライズルがあそこにいたなんてあるわけが……!」

荒巻「日向創君。唯一の予備学科にして何の才能ももってない彼がカムクラなんだよ!」

日向って……確か、もう片方の新世界プログラムに掛けられている奴の名前だったよな?

声伽「……なるほど? 希望育成計画が関係してそうだね」

言乃木「なんだい、その希望育成計画っていうのは……」

声伽「それによると、希望ヶ峰学園は長年に渡って画期的な人材育成計画に取り組んでいたみたいなんだ」

荒巻「育成計画っていうか、要は人工的に天才を作り出す計画だったんだよね」

人工的にって……

ジョー「どういう意味だよ?」

荒巻「そもそもその希望育成計画は希望ヶ峰学園の悲願でもあったの」

荒巻「だから創立者の名前を取って、カムクライズルプロジェクトなんて大それた名前を付けたみたいだけどね」

荒巻「ま、簡単に言えば脳を開いて中身をいじるだけの簡単なお仕事だったんだよね。その分非人道的が過ぎる行為だけど?」

首括「人間の脳をいじって、別人に作り替えたというわけか……」

筆原「非人道すぎますって!!」

荒巻「っていうか、そもそもの話はシャーンス・クレだったよね! じゃ、そっちに話を移すけど……」

荒巻「まず、そのシャーンス・クレは希望育成計画の前段階としての計画で生まれたの」

夏目「前段階としての計画って……」

もしかしなくてもあれのことだよな……


↓2
コトダマを提示しろ!

正解!

夏目「これで証明できる……!」!


夏目「それって、希望強化計画のことか?」

首括「希望強化計画だと……?」

荒巻「そもそもな話、希望育成計画ってのは学園の悲願だったわけだけど……」

荒巻「そんな計画が控えていたら普通はその前に練習なりするよね? つまり希望強化計画は希望育成計画の踏み台みたいなものなの」

ジョー「希望強化計画で培った経験を、希望育成計画に活かすってところか……?」

言乃木「だが、さっきの話を聞いた限りだとこの希望強化計画というのも人体実験のようなものだと思うのだが……」

荒巻「ま、そうだね。わかりやすく言うなら希望育成計画が0を1にも2にもする計画なのに対して……」

荒巻「希望強化計画は1+1をしたらどうなるかってことかな」

なんだそれ……そんな言葉で現していいようなことなのか……?

首括「それで、結果の方は……」

荒巻「残念ながら大失敗! 被験者はその超高校級の才能すら失って、すっかり別人になったって話だよ!」

荒巻「そうだよね、夏目君?」

……えっ?

夏目「な、なんだよ……俺がなんだって?」

荒巻「あー、さすがに唐突すぎたかな?」

荒巻「だから! アンタがシャーンス・クレなの!」

…………、

夏目「はあっ!?」

御陵「ちょっと待ってよ! 夏目君がシャーンス・クレだなんて……そんなわけがないでしょ!!」

足立「そうだ! それに、さっきの話だとシャーンス・クレは超高校級の才能を失ってるみたいだが……」

足立「彼は今も超高校級の鍵師としてここに存在しているぞ!」

荒巻「でもそれは入学前のアバターだからでしょ?」

夏目「っ……!?」

荒巻「それにこの話は夏目君が関わってるからこそ、なんていうか絶望的なんだよねー!」

俺が……シャーンス・クレ……?

【ノンストップ議論 開始!】
コトダマ
・神原陽菜
・シャーンス・クレ
・人類史上最大最悪の絶望的事件
・予備学科について
・希望ヶ峰史上最大最悪の事件
・影山のヴィジョン
・江ノ島の協力者
・23040
・苗木誠・御陵書乃へのメール


荒巻「可愛い後輩の夏目君に衝撃の事実を告げよう!」

荒巻「実はキミはシャーンス・クレで、今はもう【超高校級の才能はない】んだよ!」

足立「だから、それはあり得ない!!」

筆原「そうです! 夏目さんがそんなおかしな名前の『怪盗だなんてありえません!』」

荒巻「いや……だから正確にはシャーンス・クレの偽者だって言ってるじゃん……?」

首括「そもそもだ……夏目がシャーンス・クレだという証拠があるというのか?」

声伽「証拠が無いと今のキミの発言は『信用に値しない』ね!」

御陵「そのシャーンス・クレと夏目君に共通点でもあった?」

荒巻「夏目君っていうか……『被験者2人のヒント』があるんだよねー」

言乃木「被験者2人のヒントだと……?」


↓2
論破or同意

正解!

夏目「それに賛成だ……」同意!


夏目「シャーンス・クレの名前、か……?」

筆原「名前、ですか……?」

荒巻「そうだよー。そのシャーンス・クレの名前を2つに分けてみてよ」

ジョー「シャーンスと……」

足立「クレ、か……?」

声伽「だけど、それがどうかしたのかな? それが証拠になるとも思えないんだけど」

荒巻「慌てない慌てない! ほら、そうした上で本物が拠点にしていた国を思い浮かべてみてよ! そうすればさすがにわかるんじゃない?」

確か、フランスだったよな……

夏目「!? そ、そういうことか……!!」

言乃木「ちっ……なるほどね、納得がいったよ」

すると俺だけでなく言乃木も納得がいったのか、そんな顔をした。

御陵「ど、どういうことなの!?」

言乃木「……シャーンス・クレを2つに分解して、それぞれの単語をフランス語にするとこうなるんだよ」

言乃木「シャーンスは幸運……そしてクレは鍵」

首括「つまり、被験者2人のそれぞれの才能に由来して名づけられたってことか……?」

荒巻「そう! 希望強化計画によって生まれたシャーンス・クレとは“超高校級の鍵師”である夏目開人君と“超高校級の幸運”である影山詩乃さんの融合体だったのでーす!」

ジョー「なんだそりゃあああああッ!?」

夏目「な、なんで俺がそんな計画に参加しないといけないんだよそもそも!!」

荒巻「自分の才能をより高見へと昇華させるのに必死だったから……」

え……?

荒巻「アタシは知ってるよー? 夏目君、昔はなーんの才能もない凡人だったもんね?」

荒巻「そんなときに見つかった鍵師って才能をずっと誇らしく思っていると同時に、恐れてもいたんだもんね? “この才能が無くなったら俺が俺でなくなる”って!」

夏目「っ……!?」

荒巻「そんなときに学園から“キミの才能をより開花させる計画があるから、協力してくれないか?”って囁かれたんだもんねー!?」

ジョー「だ、だけどよ! そんな計画になんで影山まで参加してたんだよ!?」

荒巻「さっき言ったと思うけど、この計画は計算式で現すと1+1になるわけ」

荒巻「だから夏目君の鍵師としての才能ともう1つ、別の才能が必要だったってわけ!」

筆原「それで選ばれたのが……影山さんの“超高校級の幸運”……?」

声伽「彼らは夏目クンに何をしたっていうの……?」

荒巻「希望育成計画にしてもそうだけど、人工的に人間の才能をどうこうするってよっぽどのことをしない限り無理なわけ」

荒巻「だからよっぽどのことをした……」

荒巻「この希望強化計画でベースの素材となる夏目君の“脳”を直接開いて……そこに影山さんの細胞を埋め込んだ」

足立「な、なんだよそれっ……!?」

荒巻「結果としては大失敗……哀れ夏目君はたった1つ、自分が持っていた唯一の誇りさえも失って……今じゃ夏目開人と影山詩乃の中間くらいの思考回路を持つ人間になってしまった」

荒巻「鍵師としての才能も残ってるかもしれないけど、それだって“鍵師”としての実力でやってるのか“幸運”でたまたまそうなったのか……それすらも判別できない」

荒巻「まあいいんじゃない? 後の希望育成計画にはそのときの失敗が活かされて天才カムクライズルが作られてるんだし」

筆原「じゃ、じゃあここから出たら夏目さんはどうなるんですか?」

荒巻「単純な話、ここから出た夏目君は“超高校級の鍵師”ではなく、希望育成計画の踏み台となってたった1つの誇りさえも失ってしまった“シャーンス・クレ”になってる」

荒巻「それはもはや夏目開人という人間ではなく、別の存在」

荒巻「誇りだった才能を失って、別人のように作り変えられ、才能を持たない予備学科なんかの人間の踏み台として利用された……そんな存在」

言乃木「じゃ、じゃあ強制シャットダウンをしたら夏目は……」


荒巻「消・え・る」




消える……?

俺が、消える……?

荒巻「そこにいるのは誰も望んでない、ただの失敗作としてのシャーンス・クレがいるだけ」

荒巻「たった1つの才能すら失ったそれは、もはや夏目開人ではない」

消える……消える……。


消える消える消える消える消える消える消える消える消える消える。
消える消える消える消える消える消える消える消える消える消える。



◆△▼×○■


シャーンス「いえ、残念ながら“わたしは”知りません」

シャーンス「唯一知ってることと言えば……また“あいつら”がやってくるくらいですかね」

いつかの記憶。
そこにいたのは上下を真っ白な服で包み、影山を印象付けていた赤下フレームの眼鏡をかけている……どこかで見たような顔立ちの男だった。


■×○▼△★


夏目「うわあああああッ!!」

俺はいつの間にか情けないほどに大きな悲鳴を出していた。

筆原「夏目さん!?」

夏目「なんだよ……今のが俺なのか……!?」

夏目「そんなわけないッ! あんなのが、俺なわけ……!!」

荒巻「それがアンタなの! アンタこそがシャーンス・クレなの!」

荒巻「予備学科2356人を集団自殺に追い込み、さらにカムクライズルと組んでこっちの新世界プログラムにアタシを持ち込んだ存在なのよ!!」

言乃木「なにッ……!?」

首括「まさか……2つの新世界プログラムにウイルスを仕込んだのは……カムクライズルと……!!」

夏目「違う……俺じゃない……!!」

荒巻「あ、言っとくと脳内に直接干渉されてるってことは頑張ればどうにかなるってレベルじゃないからね?」

夏目「…………」

な、なら……俺は……

荒巻「『助かる方法はないのか』って言いたげな瞳だね! でもその方法はアンタだって知ってるはずだけど?」

夏目「知ってる……?」

俺は、その方法を知ってるのか……?


↓2
1卒業を押す
2留年を押す
3クロになる
4荒巻に従う

正解!

夏目「…………」!


夏目「ああ……なるほどな。普通に卒業を押せばいいだけか……」

御陵「なっ……!?」

荒巻「そうすれば夏目君の記憶は現実に出ても引き継がれるから……」

荒巻「無事に夏目君が夏目君として復活しますね! まさに王道的絶望ハッピー!!」

首括「待て! それはダメだ……!」

御陵「そんなことをしたら、死んだみんなの体が乗っ取られて……!」

荒巻「っていうか、そうしないと未来機関の3人は外に帰ることができなくなるからね!」

荒巻「超高校級の絶望のために犠牲になんかなりたくない……」

荒巻「最初から正直にそう言えばいいじゃない! 素直じゃないなぁ!」

声伽「そうじゃないよ。ボクらはただ……」

荒巻「世界を絶望から救わないといけないって? はいはい綺麗事はいいから!」

荒巻「でも、夏目君達の立場になって考えてみなよ。今の状況って要するに“自分たちが積み重ねたこの世界での仲間との記憶・友情・愛情を全部無かったことにしてさらに超高校級の絶望に戻れ”って言われてるのと同義なんだよ?」

荒巻「それは何のためにやるの? 顔すら知らない人のため? 感謝もしてくれない人たちのため?」

荒巻「それって……本当に“希望”なの?」

夏目「…………」

…………。

御陵「みんな! 惑わされちゃダメだよ! それがこの女のやり方なんだ!」

声伽「コイツはそうやってみんなを絶望に引き寄せようとしている……!」

首括「その女の戯言に耳を貸す必要はない! それより強制シャットダウンを……!!」

足立「ちょっと待ってくれ!」

首括「……なんだ、何故待つ必要がある?」

首括「この女を外に出したらどうなるか、まだわからないのか!?」

足立「あ、いや……俺は……」

首括「超高校級の絶望が引き起こした人類史上最大最悪の絶望的事件で、どれだけの人間が犠牲になったと思っている!?」

声伽「今ようやく、その事件が沈静化されつつある……」

声伽「そんな状況でこの女が外に出たら、また世界は混乱に陥ってしまうんだ」

荒巻「だから、自分を犠牲にして超高校級の絶望に戻れと」

荒巻「中には存在そのものが消える人もいるけど、我慢して強制シャットダウンをしろと」

夏目「……………………」

首括「だが……現時点ではそれしか方法がないんだ……!」

荒巻「いやいや、方法ならあるってば!」

荒巻「普通に卒業をすれば夏目君だってそのままの状態になるし……少なくともこの場のみんなはハッピーエンド確定だよね?」

荒巻「死んだ人たちだってただ眠ったままよりはずっとマシだと思うけど?」

夏目「……………………」

御陵「みんな……よく考えて欲しいんだ! どっちが本物の“希望”なのか……!」

荒巻「どっちが本物の“絶望”なのかもね!!」

…………。

筆原「あ、あの……どうしましょう……?」

足立「どうするって、言われても……」

ジョー「オレらにそれを選べっていうのか……!?」

言乃木「クソッ……なんでこんなことになってるんだい……!?」

【ノン☆×ップ●論 開w!】
コトダマ
・強制シャットダウン


御陵「絶望を乗り越えたみんななら……」

御陵「本物の【希望】が掴みとれるはずだよ!!」

筆原「ここでの記憶を失ったら……」

筆原「ここで感じた全部の感情はもちろんのこと……」

筆原「死んだみなさんのことすら、覚えていられなくなるんですよね……?」

首括「死んだ仲間の体を奪われてもいいのか!?」

足立「だが……ここで俺達だけ助かっても、みんなはそれを許してくれるのか……?」

ジョー「未来機関は超高校級の絶望を始末しようとしてるんだろ!?」

ジョー「そんな組織に行ったら殺されまうって!!」

声伽「ボクらがそんなことをさせやしない……」

言乃木「そもそも……アンタら未来機関がアタシらを閉じ込めたりしなければ……」

言乃木「こんなことにはならなかったんじゃないのかい!?」

首括「お前たちを救うためだろう!!」

声伽「ここでこの女を外に出してしまったら……」

声伽「また大勢の犠牲が生まれるんだよ!?」

筆原「それは……そうですけど……」

言乃木「そんなに簡単に割り切れるわけがないだろう……!!」

荒巻「互いの希望がぶつかり合うなんて……」

荒巻「【絶望】以外の何物でもないね!!」


↓★
●☆w1△×しx!



……卒業か、強制シャットダウンか。

希望か、絶望か。

世界か、自分か。

それを選べって……?
なんでだよ……? なんで、選ばないといけないんだよ……?




夏目「……ダメだ」

御陵「え? ダメって……何が?」

夏目「俺には……選べない……」

夏目「世界が滅ぶだの、自分を犠牲にしろだの言われても……そんなの俺に選べるわけないだろ……」

御陵「な、夏目君!?」

夏目「うるさいッ! 放っておいてくれッ!!」

夏目「そもそも……こんなの意味がわからないっての……」

夏目「ここから出たら俺はシャーンス・クレ? それは別人の存在でしかない?」

夏目「だから強制シャットダウンをしたら俺は消える?」

夏目「何言ってるんだよ、意味わかんねぇっての」

ジョー「こんなの……どうしろっていうんだよ……」

筆原「私たちは……まだ犠牲を払わないといけないんですか……?」

足立「こんな責任……俺達に背負えるわけないだろ……」

言乃木「アタシらの手に負えるわけないだろう……」

声伽「みんな!? しっかりするんだ!!」

夏目「だから無理なんだって言ってるだろ!?」

夏目「俺には……選べないんだよ。未来なんて……開けないんだよ」

夏目「希望だの絶望だの……勝手にやっててくれ……俺には関係ない!」

御陵「そ、んな……!?」

真っ黒になりかけている視界の隅で、青ざめた御陵の顔が見えた気がした。

荒巻「そして答えは出ない……と。あーあ、やっぱり江ノ島様の思ってたとおりになっちゃったかぁ」

荒巻「ま、いいと思うよ? 未来を選ばないって選択肢も、アタシ的にはありだと思うし」

荒巻「それならみんなでこの南国生活をずっと続けるってのもいいかもしれないね」

荒巻「ずっと、ずっと……」



■○×△▼


【●×w□▼論 5△x!】
コトダマ
・虚無


ウサミ「よーし! ゲームリセットでちゅねー!」

影山「こうして世界はループしていくんですね……」

湯川「【永遠に続くゲーム】ですかぁ……」

足立「しばらく羽を休めるのも、悪くないかもしれないな」

筆原「ふふ……そうですね!」

言乃木「これで荒巻も消えたことだし……」

砂射「1つ、パーティーでもするか?」

ジョー「パーティーとなっちゃあオレの出番だな! 任せとけ!」

甘露寺「スイーツなら、俺が用意してやろう」

棋儀「なら最咲と湯川にはデュエットでも披露してもらおうか」

最咲「もちろん、構いませんよ!」

姶良「ステージ衣装はわたしに任せてよ!」

雪咲「なら、その写真は僕が撮ってやろう」

五十隅「わ~! 本格的なパーティーだぁ~!」

兎呑「はっはっは。これは俄然楽しみになってきたな」

正道「久しぶりに心躍る一夜になりそうだ……」

夏目「ああ、そうだな!」


湯川「違いますよ……」

湯川「みなさんは【ゲームなんかじゃありません】よ……」


↓2
どうぞ

正解!

夏目「こんな世界……!」論破!


□●×△▼


湯川「…………」

夏目「湯川……? お前、なんでここに……?」

湯川「なんで、でしょうかね?」

夏目「……ま、なんだっていいさ。それよりも、聞いてくれ」

夏目「今さ……いきなり、世界が滅ぶだとか自分を犠牲にしろだとか言われてるんだ」

夏目「おかしいと思わないか? そんなのを……もう、鍵師でもなんでもない俺に選べって言ってるんだぞ?」

湯川「…………」

夏目「湯川だって、嫌だよな? この世界でしか生きられないのに、ここでの記憶を俺達が失ったら……それって、湯川も本当の意味で消えるんだもんな?」

すると湯川は首を振って、こう答えた。

湯川「消えませんよ」

夏目「え……?」

湯川「存在が消えても……記憶が消えても……私は消えませんよ」

湯川「夏目さん達が、みんなで作った未来を進んでくれるのなら……私は消えません」

湯川「だって、私の仲間達がそこにいるんですから……」

夏目「なんだよ、それ……?」

湯川「夏目さんは、怖いんですよね?」

湯川「記憶を失うのも……自分が自分でなくなるのも……何もかもが」

夏目「…………」

夏目「ああ……怖いよ。怖いに決まってるじゃないか!」

夏目「たった1つの自分らしさを失ったら……俺はどうなるんだよ!? 俺は……俺でなくなるんだぞ……!」

夏目「そんなのッ! 嫌に決まってるだろ!?」

湯川「……1つ疑問なんですけど、才能を持つことだけが夏目さんのすべてなんですか?」

湯川「私は違うと思います。夏目さんの本当のゴールは……才能があろうとなかろうと、自分を信じてあげることじゃないですか?」

夏目「そんなの……わからない……」

湯川「それなら……“みなさん”から話を聞きましょう? そうすれば、少しはわかるはずです」

みなさん……?

俺がその言い回しに疑問を感じていると、湯川の隣に誰かが姿を現した。
見たことのない顔だけど……

???「あなたとは初めましてだね。私は七海千秋……こっちとは違う、もう1つの新世界プログラムに送り込まれた管理者だよ」

夏目「そんなのが、どうしてここに……?」

七海「ほんの少し、あなた達を助けるお手伝いをしたくて……」

湯川「今から私と千秋さんで“みなさん”に会わせてあげますから……話を聞いてあげてください」

どういう意味だ、と俺が問う前に視界が真っ白に光り……すると、湯川と七海が消え、代わりに見知った顔ぶれが姿を現していた。

夏目「甘露寺……棋儀……」

まずは甘露寺と棋儀。もう何日ぶりかというくらい久々に見るその顔は、何も変わっていなかった。

棋儀「だいたいの話は聞いていた。どうやら大変なことになっているみたいだが……」

棋儀「1つ言ってやるとしたら、お前は今荒巻とやらに王手をかけられている状態だ」

棋儀「だがこれはゲームでもなければ将棋でもない。王手をかけられているからといって諦めるのは早計だぞ」

棋儀「答えが出ないのなら、考えろ。考えて、考えて、考えて……」

棋儀「そして出た答えに恥じないよう、行動しろ。それが今お前に出来る最善手だと俺は思う」

甘露寺「自分の才能が消えている、か……確かにそれは由々しき事態だな」

甘露寺「だが、それでお前は現実から目を背ける気か? それがお前の……夏目開人のプライドなのか?」

甘露寺「俺だったらそうだな……俺をこんな目に遭わした相手に一矢報いろうとするな」

甘露寺「それが、自分自身が持っていた才能への礼儀だと思う」

2人が消え、今度は3人現れる。

それは雪咲と五十隅、それと姶良だった。

五十隅「夏目君! 今夏目君はとんでもないくらい気持ちが後ろを向いているから、私がおまじないを教えてあげるよ!」

五十隅「それは前向きマジック! 両手を握って『よーっし!』って言うの!」

五十隅「ほら、そうするとどんな気持ちもたちまちポジティブに!」

五十隅「だからほら! 夏目君も頑張って! 応援してるよ!」

姶良「……わたしも、応援してるよ」

姶良「もうわたしの作った服を着てもらうって約束は果たせないみたいだけどさ、それならそれでもいいから、わたしは夏目君達に生きててもらいたい」

姶良「ゲームの世界に閉じこもるんじゃなくて、どんなに辛くてもこの現実をしっかり生きててもらいたい!」

雪咲「ちっ……僕は今最高にイラついている」

雪咲「あんな誰かもわからないような女にいいように扱われていたという事実にな」

雪咲「だから夏目! お前は僕の分まであの女に一矢報いるんだ!」

次に現れたのは最咲と兎呑だった。

最咲「私が夏目さんにしたことは決して許されることじゃあありません……」

最咲「でも、それでも私の意見をいっていいと仰るのなら、言います」

最咲「夏目さんには、みなさんを導いてもらいたいです」

最咲「私が好きになった夏目開人さんのままであってほしいです!」

兎呑「前も言ったけど、私が好きになったのは夏目開人なんだ」

兎呑「そこに鍵師がどうとかは存在しない」

兎呑「だから、もしそんなくだらない理由で逃げたままでいるようなら……私は夏目君を軽蔑するかもしれない」

兎呑「……それは嫌だから、そんなことはさせないでくれよ?」

次は正道と、砂射だった。

正道「……今さら何も言うことはないが、俺も同じ気持ちだ」

正道「逃げているだけじゃ何も変わらない。どんな困難が待っていようが、前に進むことでしか未来は得られない」

正道「それならお前は前に進むべきだと、俺は思うぞ……」

砂射「戦場に身を置いてきた俺ですら、今の状況は最悪だとは思う」

砂射「だが、それで諦める夏目ではないとも思っているぞ?」

砂射「俺の考えが正しいことを、願っているからな……」

そして最後に、影山とウサミが現れた。

影山「……私、思ったんです。今度は……夏目さん達を信じてみようって」

影山「本当に夏目さん達を愛するのなら……夏目さん達がまた希望に戻ってくれるよう、信じてみようって」

影山「今まで私がやったことは謝っても許されることじゃありませんが……すいませんでした」

影山「あと……書乃お姉ちゃんに1つ伝言をお願いします」

影山「私はもう……書乃お姉ちゃんを恨んだり嫉妬するのはやめますって」

ウサミ「先生、前に言いまちたよね」

ウサミ「英雄になる必要なんかない。無理に誰かに認められようとしなくたっていいって」

ウサミ「その言葉をもう1度、夏目君に思い出してほしいんでちゅ」

ウサミ「そして、わかってほしいんでちゅ」

ウサミ「あちしや他のミナサンは、才能とか関係なしに夏目君のことが大好きだってことに……」



…………。


湯川「これがみなさんの気持ちなんです……夏目さんの仲間のみなさんの、気持ちなんです」

湯川「その先にある未来にどんなことが待っていても、それがみなさんで作った未来なら……私は進んでほしいです」

湯川「絶望に閉ざされていても、それをこじ開けてもらいたいです」

湯川「それが、最後に私の願いです……」

そう言い残して湯川が……そして湯川に力を貸していたであろう七海が消える。


俺は……オレ、は――




□■□■□


御陵「希望を失っちゃダメだ!」

筆原「ここでの記憶が消えたら……」

筆原「私はみなさんが死んだことも、この中にある愛情さえも……」

筆原「覚えておくことすらできない……」

声伽「世界から絶望を無くさないと……」

声伽「悲劇は永遠に繰り返されるんだよ!」

足立「みんなを裏切ることはできない……」

ジョー「オレらが超高校級の絶望に戻ったら……」

ジョー「未来機関に殺されるかもしれないんだろ……?」

首括「絶望に堕ちたお前達にも責任はあるんだ……!」

言乃木「アタシらの責任……?」

言乃木「未来機関の責任の間違いじゃないのかい……?」

荒巻「どちらも希望でどちらも絶望!」

荒巻「【こりゃあ結論なんて永遠に出ないかもねー!!】」




夏目「それは違うな!」論破!




夏目「確かに……きっと希望だけじゃなくて、絶望だってあるかもしれないけど……」

夏目「それがどうした! 俺達の進むべき道がそこにあるのなら、俺達はそれを進むだけだ!」

夏目「もう逃げないぞ……俺は、現実から目を背けたりしない!」

荒巻「……は?」

荒巻「え? ちょ、アンタ誰……? まさか、シャーンス・クレ!?」

夏目「……俺の名前は夏目開人だ。これまでも……そして――」




夏目「――これからも!」




【反論ショーダウン 開始!】
コトダマ
・未来


荒巻「希望を求めるから絶望する!」

荒巻「絶望するから希望を求める!」

荒巻「こんなくだらないループ、いつまでする気なの!?」

荒巻「無理に選ぶ必要なんかないっての!」

荒巻「目を塞げ! 耳を閉じろ! 口を噤んでいろ!」

荒巻「そうすればこのゲームは永遠に続く!」

荒巻「それが嫌なら電源をオフっちゃえばいいんだよ!!」


荒巻「【絶望的な未来なんて……見なくてもいいんだよ……】」


夏目「もう逃げたり……しない!」論破!


【パニックトークアクション 開始!】
コトダマ
・未来


荒巻「アンタはただの凡人になり下がった!」

荒巻「たった1つ誇りに思っていた才能すらも失って! 学園に利用されて!」

荒巻「絶望してるでしょ? 希望を求めた結果がこれで絶望してるでしょ?」

荒巻「それならアタシに従うしかないんだよ! そうすることでしかアンタが生きられる道はない!」




荒巻「【アンタらの未来は絶望に閉ざされているんだよぉおおおおおッ!】」


↓5まで
正しい順番に並び変えてください
さらにセリフもあれば直後の展開で採用されるかも



          その未
     来解         てやる!
           錠し

正解!

夏目「その未来……解錠してやる!」Break!


夏目「みんな……強制シャットダウンをするぞ」

言乃木「な、何を言って……」

ジョー「お前! わかってるのか!? ここで強制シャットダウンをしたらオレたちは……!」

夏目「それがなんだっていうんだ……」

夏目「確かにどんなことが起きるかはわからないけど、それでも……」

夏目「それが俺達の進むべき道なら、進むしかない! 未来が閉ざされているんなら、俺達の手で開ければいいんだ!」

夏目「背中を押してくれた人たちの思いを胸にして、な!」

荒巻「そんなの……何もかも失ったアンタにできるわけが……」

夏目「未来を開けるのに必要なのは才能なんかじゃない……」

夏目「自分を信じること……! そして、仲間を信じることだけなんだ!!」

荒巻「そ、そんな強がりしたところで……どうせここから出たら全部忘れちゃうだけじゃん……」

すると、こんな声が聞こえてきた。

足立「……この2つのボタンを同時に押せばいいんだったっけ?」

荒巻「は?」



足立「……よく考えてもみたら、何も迷うことじゃなかったんだよな」

足立「俺のこの足はみんなと前に進むためにある。どんな未来でも、一緒に進むためにあるんだ」

足立「それなら、迷うことなんて何もない」

足立「それに……夏目君がそう言うなら俺も一緒に行くよ」

足立「親友を支えるのが……俺の役目だからな!」




筆原「確かに、ここから出たら全部忘れちゃうかもしれません……」

筆原「でも、みなさんとの絆はこの胸に残ると思います」

筆原「それは楽しいことばかりじゃなかったかもしれません。嫌なことだってあったかもしれないです」

筆原「ですが、それら全部をひっくるめてみなさんの絆なんです! それは絶対に私たちの胸に刻まれます!」

筆原「それなら……もう、私は迷いません!」




言乃木「……アタシは今までずっと、1人だった。どんな未来も、1人で歩んできた」

言乃木「でも、これから先に広がる未来がアタシだけでなく……アタシ達全員で作った未来なら……止まる余地はないね」

言乃木「誰かと創った未来……たぶん、アタシがずっと昔から欲しがってたものだ」

言乃木「それが今目の前にあるんなら、アタシは止まらないよ」

言乃木「それくらい、コイツらとの未来はアタシにとって楽しみなものになっちまったんだ!」





ジョー「オレも、ようやく気づけたぜ」

ジョー「コイツらとなら、ありのままの自分でいられる。オレがオレでいられる……」

ジョー「無駄に自分を着飾ったりする必要のない……本当のオレでいられる」

ジョー「これも、オレが昔から探してたものかもな」

ジョー「……へへっ。だったら、この居場所を捨てる理由が無いよなァ!!」




荒巻「なによそれ……!? 意味わかんない……!!」

荒巻「なんなのよぉおおおおおッ!?」




御陵「夏目君……それに、みんなも」

御陵「ありがとう」

夏目「……お礼を言う相手は、俺達じゃないぞ」

御陵「え?」

夏目「あと、伝言だ。……『もう、書乃お姉ちゃんを憎んだり嫉妬したりするのはやめる』……ってさ」

御陵「っ!? ……そっか……」

御陵「私もようやく、救われたのかな……」


学 級 裁 判
閉廷!!

じゃあ一旦ここまで
そろそろご飯なんですよ

あとはエンディングまで書き溜めてから投下していくので、22時頃からの再開になりそうです
ラストスパート、お付き合いお願いします

矛盾と、心と、未来。
夏目君にはたくさんのものを解錠してもらいましたね

更新はまだですがどうやら雑談スレでここの名前が挙がってたみたいで……

初めてなので素直に嬉しいです
ありがとうございました

では22時頃から再開。エンディングまで投下となります
今回は前みたいに曲でも貼られるんかね……?

そろそろ再開なんだべ
見直ししつつ投下だから少し時間かかるかもしんないべ



夏目「さてと……それじゃあ、始めるか?」

俺と、ジョーと、足立と、筆原と、言乃木。
もう、誰も迷っていなかった。

ジョー「ははっ……こんな簡単に終わっちまうんだな」

言乃木「アホ……これで終わりなわけがないだろう?」

筆原「ここからまた、みなさんで始める為……ですよね?」

足立「まずはこの閉ざされた空間を終わらせて……」

夏目「そこから先は、俺達の手で思い通りの未来を開けていけばいいだけさ」


そうして、俺達は“卒業”と“留年”の2つのボタンを押し……強制シャットダウンをした。


すると荒巻のアルターエゴを消去するかのようにウサミが姿を現し、そのステッキを駆使して荒巻を追い詰めていく。
これも、決して用意されていた結末じゃない。つまり……奇跡。

現実はゲームみたいに予定調和で進行したりはしない。
だからこそ辛いし苦しいこともあるけど……その分、こういった奇跡だって起こりえるんだ。




首括「……どういうことだ? 何故、消えたはずのウサミが現れた?」

声伽「さあ? でも、これって彼らで切り開いた未来みたいだけど……」

首括「あいつらはそんな不確かな道を進むというのだな……」

御陵「だとしても、もう私たちがやれることはない……」

声伽「……御陵さん、泣いてるの?」

首括「ふんっ……その涙は外に戻ってから流すべきだったな」

御陵「う、うるさい……!!」




言乃木「あーあ……崩れていくねぇ……」

ジョー「これで、本当に最後なんだな……」

夏目「でも、ここでのことは無駄なんかじゃなかったんだ……そうだろ?」

足立「ははっ……間違いないね」

筆原「ですね……」

突如、まずは言乃木の体が透けていく。
どうやら……順番にここから消えていく仕組みのようだ。


言乃木「あ? なんだい、最初はアタシなのかい?」

筆原「言乃木さん……!」

言乃木「いきなり泣きそうな顔するんじゃないよ……」

やれやれといった感じに言乃木が言った。

言乃木「じゃ、せっかくだ。言いたいこと言ってここから消えるとするかね」

言乃木「……ありがとう。アンタらのおかげで、今まで気付けなかったものに気づけた気がしたよ」

足立「言乃木さんがお礼を言うなんて……これも奇跡の1つなのかな?」

ジョー「アッハッハッハ!! どんだけ奇跡の価値下がったんだって話――いてぇ!?」

言乃木「ぶつよ?」

ジョー「むしろボディーブローされてんだよッ!!」

夏目「こんなときまで相変わらずだなお前ら……」

筆原「人間ってそう簡単には変わらないんですね」

言乃木「ったく……」

言乃木「……まあ、そういうわけだから! あと、これでお別れみたいなことになってるけどアタシは信じてるからね」

言乃木「外に行っても、またアンタらと一緒にいられるって……」

言乃木「だから、さよならは言わないよ。また、向こう側で会おうね……」

気づけば、言乃木の瞳から涙が流れていた。

ジョー「…………」

ジョー「へんっ! お前みたいな暴力女、そう簡単に忘れるわけねぇだろっての!!」

言乃木「そいつは結構。アタシもアンタみたいな鈍感ヘタレのこと、忘れたくても忘れないだろうね」

ジョー「どういうこったそりゃあ!?」

言乃木「だって、最後の最後までアンタ……何も気づいてくれてないみたいだしねぇ」

ジョー「……へっ?」

ポカンとした顔をするジョーに言乃木が小さく笑う。

言乃木「じゃあ、またね。……絶対に、また会おうね」

そうして、言乃木は消えてしまった。
すると……今度は筆原の体が透けていく。

筆原「次は私、ですか」

足立「…………」

夏目「筆原……」

筆原「大丈夫ですよ。さっき言乃木さんも言ってましたが、私もまたみなさんと一緒にいられるって信じてます」

ジョー「絆は消えることはないんだもんな?」

筆原「そ、それは忘れてくださいっ!」

よほどあの言い回しが恥ずかしく思えてきたのか、筆原は声を大にしてそう言った。

筆原「ただ……1つ、心残りがないこともありません」

夏目「心残り?」

筆原「はい……」

そうすると筆原はすうっと息を吸い込んで、叫ぶ。

筆原「私はッ! 足立さんのことが大好きですッ!!」

夏目「えっ……!?」

ジョー「うおいっ!? このタイミングで言っちゃうのか!?」

足立「……俺も」

足立「俺も、筆原さんのことが大好きだよ」

筆原「っ……!!」

足立「だから、ここから出たら俺は真っ先にキミの名前を呼ぶ」

足立「キミも、できたら最初に俺の名前を呼んでほしいかな」

筆原「っ……は、はいっ……!!」

夏目「これは……なおさら2人には頑張ってもらわないとな」

ジョー「けっ……結婚式には呼べよな!!」

いや、それはさすがに気が早いんじゃ……
そんなことを思っていると、筆原は最後、満面の笑顔を俺達全員に向けてくれた。

筆原「それじゃあみなさん! 私のこと、忘れないでくださいね!!」

……筆原が消える。
すると次に、ジョーの体が透けていった。

ジョー「おいおいおいおい!! 次はオレかよ!?」

足立「妥当なところじゃないか?」

ジョー「おいっ! さっきまでのさわやかな笑顔はどこにいったんだ!?」

ジョー「けっ、オレって最後までこんな扱いなのかよ……運ねぇな」

夏目「だったら、これまで溜めてた運を全部使ってさっきの言乃木の言葉の意味を聞いてこないといけないな」

ジョー「…………」

ジョー「……そうだな。運はアホみたいに残ってるはずだし、この際全部使い切ってもいいかもしれないな!」

ジョー「…………」

ジョー「なんかよ、オレらって希望ヶ峰学園にいたころは3人でよく一緒にいたような気がしないか?」

それは……なんとなく、わかる気がするな。

足立「俺と、ジョー君と、夏目君か」

夏目「退屈はしなさそうなメンバーだな」

ジョー「だな。だからよ、ここから出たらその続きをしようぜ」

続き……?

夏目「どういう意味だ?」

ジョー「だーかーらー! また3人でいろいろなことしようぜって話!」

足立「とてもそんなことができるような環境じゃなさそうだけど……」

ジョー「お前はなんなの!? これくらい夢見たってよくねぇか!?」

足立「わかってるよ。……まあ、どっちにしてもこれからが大変だけど」

夏目「それでも、逃げるわけにはいかないからな」

ジョー「おう……そうだな」

そして意を決したかのような顔をするジョー。

ジョー「うっし! じゃあ外に出てからやるべきことも決まったしオレもそろそろ行くぜ!」

俺と、足立。2人とハイタッチをしてジョーも消えてしまった。

足立「……ま、最後は俺だよな」

そうして今度は足立の体が透けていく。

足立「結局、言いたいことのほとんどはみんなが言っちゃったからあれだけど……それでも、キミに言うことがあるとしたら」

足立「ありがとう。キミがいたから俺もみんなも最後まで来れたんだ」

夏目「そんなことは……」

足立「あるんだよ。これは俺の本心なんだ、受け取ってくれ」

言いながら足立はすっと手を差し出してくる。

足立「俺達は親友だ。それはここから出ても同じ」

足立「……そうだろ?」

夏目「……お前はそうやって恥ずかしいことをぺらぺらと……」

その差し出された手を握って、俺は言ってやる。

夏目「ああ、足立千里は俺の親友だ。それは間違いない」

夏目「ありがとう。足立がいたから俺も最後までいることができた」

足立「ははっ……どういたしまして」

そうして最後に足立は相変わらずの爽やかな笑顔を向けてきた。

足立「じゃあね、夏目君。……俺の大事な親友」

足立が消え……崩れていく世界に俺だけが残る。



夏目「…………」

足立。
ジョー。
筆原。
言乃木。

そして……
棋儀。
甘露寺。
姶良。
五十隅。
雪咲。
最咲。
兎呑。
正道。
砂射。
影山。
湯川。
ウサミ。

ここで出会った相手の顔が頭に浮かんでくる。

夏目「……」

そのすべての仲間を思い浮かべて、俺は小さくこう言った。




夏目「……ありがとう」


Chapter6 This is the end ~さよなら絶望学園~


END



こうして……事件は終わっていく。
不条理で荒唐無稽で理不尽だらけの事件は……
もうすぐ、その幕を閉じる。

それは“希望ヶ峰学園史上最大最悪の事件”でもなく……
“人類史上最大最悪の絶望的事件”でもない……。

名前さえもない小さな事件。
世界はその事件の存在そのものを認識すらしていない。
きっと、この先の未来においてもそうだろう。
……彼らがいる限りは。

声伽「迎えの船がそろそろ来るみたいだよ」

御陵「そっか……なら、私たちもそろそろ行かないとね」

首括「…………」

首括「おい、御陵。本当に大丈夫なのか?」

首括「『取り調べは私に任せて!』なんて言うから仕方なく従ってやったが……」

首括「あいつらは本当に大丈夫なのか? 元の絶望に戻ったんじゃないのか?」

御陵「それはない……と思うよ」

御陵「だってもしそうなら、この島に残りたいなんて言わないだろうしね」

声伽「意識的にしろ、無意識にしろ……そんな気持ちを抱いている時点で彼らはもう元の絶望じゃあないってことだね?」

声伽がそう言うと、少し離れたところから3人の人影が近づいてきた。

苗木「御陵さん達も、今から帰るところ?」

霧切「それならちょうどいいわ。一緒に帰るとしましょう?」

十神「御陵、お前は苗木の手伝いをしてやるといい」

御陵「手伝い?」

声伽「今回の件について、本部になんて報告するか……かな?」

霧切「正解よ」

なるほど……そういうことか。

十神「取り調べをやったのは苗木と御陵だ。報告するのもお前達の義務だからな。手を貸すなんてことはできないぞ」

首括「だな……僕も、今回は十神の言い分に賛同するとしよう」

声伽「あっ、じゃあボクも今回はそっちの味方ってことで」

御陵「ええっ!?」

苗木「あはは……」

霧切「……迎えの船が来たみたいね」

見ると、確かに汽笛の音と共に迎えの船が港に来ていた。
そこから下りてくるのは……これまた見知った顔ぶれ。

神原「首括さーん!!」

御門「書乃お姉ちゃん! 来ちゃった~!!」

葉隠「首括っち来ちゃったべ~!!」

首括「死ね」

葉隠「ちょ! それ酷くね!?」

舞園「あの……神代さん? そんな陰で隠れてないで神代さんも行ったらどうですか?」

神代「でも……なんていうか、恥ずかしい……」

御陵「みんな……」

その顔ぶれに思わずそう零すと、それぞれ思い思いのところに行く。
私のところには……ノノちゃんと神代さんと舞園さんだった。

御門「書乃お姉ちゃん~!!」

御陵「あはは……」

神代「……」ウズウズ

舞園「あの……御陵さん。愛花ちゃんは……」

ノノちゃんが私に抱きついてきて、神代さんがそれを見てなにやらウズウズしている中。舞園さんがおずおずとそう尋ねてきた。

そういえば、最咲愛花さんと舞園さんは知り合いだったっけ。

御陵「……単刀直入に言うと、目覚める可能性は限りなく低いよ」

舞園「そう、ですか……」

御陵「でも、最咲さんを信じてるんなら……最後まで信じてみようよ。私も……そうするつもりだし」

舞園「……影山さんのことですね?」

その言葉に少しふざけ気味にしていたノノちゃんや神代さんの動きが止まる。

御陵「……私、決めたんだ。詩乃ちゃんがまた目を覚ましたら……今度こそ、お姉ちゃんらしいことしてあげたいって」

――だから、それまではまだ生きていないと。
この仲間達と共に……私は私の未来を進んでいかないと。



□■□■□


こうして事件は終わり……
日常が始まる。

それは事件なんかよりよっぽど荒唐無稽で……
ちゃんとした結末が用意されているかも疑わしい。

そんな不安定で、不確かなこの現実を……俺達は、進んでいく。

「……なあ、アンタってもしかして……」

ふと誰かに話しかけられた。
そちらを見ると、その声の主は白いシャツに短い髪の毛。上の方にあるアンテナのような髪が特徴的の男だった。

「あ、悪い。俺は日向創だ」

日向創……カムクライズルだった男、か。

「そっちは?」

その問いに俺は、じっと息を吸って……はっきりと、言ってやった。




「俺は――夏目開人だ」


エピローグ 未来の前の日 完

【スーパーダンガンロンパ】安価でキャラ作る【安価進行】シリーズ 完結

夏目くん最高に主人公してたなー
綴さんスレにも期待大
http://www.youtube.com/watch?v=HkGSZtd08Mo

【ダンガンロンパ】安価でキャラ作る【安価進行】
これの続編となっていた【スーパーダンガンロンパ】安価でキャラ作る【安価進行】もこれにて完結となります

鍵師が今回の主人公になったとき、各決め台詞はすぐに決定されました
・その矛盾……解錠してやる!
・その心……解錠してやる!
・その未来……解錠してやる!
これらですね。鍵師の才能を出してくれた人には感謝しきれません

夏目・影山・ジョーの支援絵を出してくださった人たちもありがとうございました

あと序盤退場のキャラたちはちょっと印象に残らなかったと思うので、それについては謝罪させてもらいます。すいませんでした

では何か質問等あればどうぞ
感想等でも全然問題ありません

おもしろかったです!
スーダン2舞台でのオリロンパ完結は何気に初じゃないかな?
ともかく乙でした!

姶良さんの基地外のがみたいです
後、モノクマのあっちもこっちもってのは七海と湯川でいいの?

雪咲のオシオキ前に王道ルートと絶望ルートの選択肢があったけど、あそこで王道ルートを選んでたら展開も大きく変わってたの?

お疲れ様です 綺麗に終わりましたね
しかし最咲さんはどうしてこうなった・・・

>>852
やはり貼られましたね
ありがとうございました

>>857
というかスーダン舞台のオリロンパはここ除いて2つしかまだありませんから……

>>858
ですね。そのつもりです

>>860
王道ルートだと黒幕は江ノ島のままでした

>>861
なんでだろ?(すっとぼけ)

面白かった乙!
確かにスーダン2のオリロンパで完結したの初めて見た気がする
言乃木とジョー良い感じになってて筆原と足立くっついてる中、フラグ立った人皆死んでった夏目くんマジ昭和のヒーロー物主人公

そういえば夏目くん結局兎呑さんにも最咲さんにも返事出来て無いんだよな
その辺の話この後何かないかなー(チラッ

>>864
御陵さんがモテモテだったので夏目には地獄を見てもらいました

>>865
書きたいのはやまやまだけどどういう感じの場面にするか悩むし……

乙!
お姉ちゃんする御陵さんとかも見てみたいなぁ(チラッ

始まった当初は絶対に足立は死ぬだろうと思ってました
ジョーは絶対生き残るだろうと思ってました
個人的には言乃木がちょっと意外だったなぁ

言乃木ってダメ男に惚れちゃうタイプっぽいもんね

言乃木の生存は多分俺が一番驚いてる
言乃木はだって才能出した時点で死ぬの前提のつもりで出してたからな…
最良で裏切り者、でなきゃ長生きしても3、4章辺りで死ぬと思ってた

>>867
影山さんと服を買いに行くくらいしか思い付かへん

>>868
>>869
>>870
言乃木さんがジト目でそちらを見ております……

では今回はここまで。このスレは明日明後日あたりで依頼を出して幕引きとなります

あと余談ですがコロシアイ林間学校もある程度施設の設定とか決まったらやるかもしんない
とりあえずプロローグがバスの中ってところは妄想した

あと林間学校でのアイデア(主に施設的な意味で)がある人は教えてくれるとありがたいです

では今度こそ乙でした
綴さんスレは月曜日開始なんやで

ご意見出しありがとうございます
一応山奥が舞台でキャンプ場(って言い方で正解なのか?)の入り口は無印みたいに鉄扉で塞がれてて出られない
とアバウトな設定は考えてあります

宿泊施設はバンガローで確定として、あとは職業体験用の工房・テニスコート・博物館・神社あたりでしょうか。無印で言う体育館、2でいうジャバウォック公園的なところでキャンプファイアー場も
残りは“林間学校”でいろいろ検索してみるのもいいかな……

あと林間学校編は御陵スレ・夏目スレで出た才能も採用となります。性別は逆転しますがね(騎手は男・拳法家は女になるといった具合に)
詐欺師は出たら特殊判定となります。???もそうなるかな

残ったやつのオシオキ案はあるのかな?

アイデアありがとうございます
どうせ近々またスレ立てて平行して更新する形になるでしょうが、そのときは参加お願いしますね

>>881
今だから言えることですが、大半のメンバーのおしおきは直前になって考えてきましたので生き残りメンバーのおしおきは白紙なんです
>>1お得意の即興はこんなところにも潜んでいたんだね……

温泉か……これで男のロマンイベントは安泰やな

もしかしたら日曜21時にスレ立てするかもしんない
綴さんスレchapter5くらいまで行ったらって前言ったけど我慢できない>>1が愚かだから……

まあ週毎に更新を変えてくなりすればいい……よね?
今度こそ序盤からのキャラ立てに成功したいんです……

良いよ両方完結さえしてくれればね
2作品完結させてる>>1だから信用するよ

待ってる

スクールモードとギャルゲースレはどうなったんですか?(小声)

兎呑とのエロゲースレは…

>>889
すまんね
この2つが終われば区切りは付きそうなんで……生暖かい目で見ててください
林間学校は完璧オリジナルだからメインは綴さんスレになりそうです

>>890
待っててください

>>891
スクールモードもギャルゲーもどう表現したらいいかわからず挫折したクチですから……

>>892
話題にも出てないやんそれ?

最後が面白かった乙!結局ここが1番イイオリロンっていう結論。


林間学校は1と2に繋がってるのかな?はやく見てみたい!あと、スクールモード……

あー、そうなんですか
明確にやめるって言ってなかった気がしたからちょっと聞いてみただけですごめんなさい

あと全く関係ないけど、自分ではオリロン出来そうにないんで
>>1さんに舞台設定とか動機とか聞いてもらえないかなーなんて…
あつかましくてすみません

>>894
ありがとうございました
あとスクールモードは今のところ予定に無いんやで……

>>895
でもしばらくしたらやりたい感はありますかね
あくまでやりたいってだけですが

別に構いませんが本当に聞くだけになると思う……
1も2も原作ベースの物語になったし、動機も原作から引用やし

まじすかヤッター!
聞いてもらえるだけでありがたいです
舞台設定は、深海に希望ヶ峰学園があったりとかどっかの城とか
動機は、悪夢とか電話で大切な人の声を聞かせるとか

自分から言っといてなんですが、文字にすると大したことない感じがして恥ずかしい…

>>897
城は普通に面白そうですね
動機は考えるのも難しいですし……何事もチャレンジなんやで

とりあえず21時頃林間学校スレ立てて明日から綴さんスレ再開。あとは基本週変わりで交互に更新って形になりそうです

参加していただける方はよろしくお願いします

綴さんのスレと繋がってるなら ある程度進めてからの方が、最初から伏線を張れて良いんじゃないかな……と思いましたが……。>>1が決めたらそれで良いか。キャラ作り、途中から参加させて頂きます。

1.2並行進行ってのも面白い試みだな
新しいことできそうな予感

>>899
>>900
いつから綴さんスレと林間学校が繋がっていると錯覚していた?

ハイパーダンガンロンパ3ってスレタイかもしれないじゃない……

【ハイパーダンガンロンパ】安価でキャラ作る【コロシアイ林間学校】
【ハイパーダンガンロンパ】安価でキャラ作る【コロシアイ林間学校】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1401020808/)

遅れましたが立てました
そして離脱します

余裕があったらで良いので、御陵さんと影山さんの苗字の違う理由とかすれ違いっぷりとかも見てみたいです……

>>903
依頼出してしまったんで機会があれば別スレで

って言ってもあんまり過去スレのキャラを出すのもいけないかなと思わなくもなかったり

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