ー火曜日ー


時子「……」ﾃｸﾃｸ

飛鳥「……」ﾁｮｺﾁｮｺ



時子「だからなんでついてきてんのよ」

飛鳥「昨日も言っただろう？ボクもこっちに用があるだけだってさ」


時子「はぁ…ま、べつにいいわ」ｸﾙｯ

飛鳥「おや、方向転換してどこに行くんだい？」

時子「トイレよ、わざわざ言わせないでめんどくさいから」

飛鳥「なるほど、ね」

飛鳥「野暮なことを聞いてしまったね、どうぞごゆっくり花をつむといい」

時子「言われなくても自分のペースで用くらい足すわよ」ｶﾞﾁｬｯ

飛鳥「せっかく上品な言い方をしたのに言い直さなくていいじゃないか」ｶﾞﾁｬｯ


時子「…アンタもトイレ？」

飛鳥「ちょっと催してしまってね」


時子「まぁどうでもいいわ」ｶﾁｬｯ

飛鳥「ハハッ、逆に興味もたれても困るしね」ｶﾁｬｯ



時子「なにナチュラルに同じ個室に入ってんのよ！！！！」

ー水曜日ー


時子「……」ｶﾂｶﾂ

飛鳥「……」ﾁｮｺﾁｮｺ



時子「もうついてくることには何も言わないことにするわ」

時子「だけどこれだけは答えてもらうわ、何か用なの？」

飛鳥「時子さん、今日はハイヒールなんだね似合っているよ」

時子「会話のキャッチボールって知ってる？」



飛鳥「何度もいっているとおりボクもこっちに用があるだけでなにも時子さんの後をついている訳ではないよ？」

時子「えぇ、今まで疑問には感じてたけどそれでなんとか納得していたわ」

飛鳥「じゃあ今日もそれで納得してくれないかい？」


時子「今日はオフでなおかつここは事務所じゃなくて道よ、わかる？」

飛鳥「へぇ、オフなんだねボクも今日はオフなんだ 」

時子「そう、ならどこかに行けば？」

飛鳥「言われなくても向かっている途中だよ？」



時子「………ちなみに私は実家に帰ろうとしてる途中なのよね」

飛鳥「奇遇だね、ボクも時子さんの実家に用があるんだ」


時子「こっちはないわよ！！」

ー木曜日ー


時子「……」ﾍﾟﾗｯ

飛鳥「……」ｼﾞｰｯ


時子「……」ﾍﾟﾗｯ

飛鳥「…」ｼﾞｰｯ



時子「……」ﾍﾟﾗｯ

飛鳥「あ、まだ読んでる」

時子「あぁ、わかったわ」


飛鳥「読めたよー」

時子「はいはい」ﾍﾟﾗｯ



飛鳥「時子さん、読むの速いよ」

時子「私の本なんだからアンタが私に合わせなさい」

時子「ていうかなんで私の膝の上のってんのよ」

飛鳥「ダメかい？」

時子「重いのよふつうに」




モバP「時子様ー、そろそろ仕事ですよー」

時子「あそう、じゃあいくわよこのブタ」

モバP「ブッヒィィィ！！」



ー車内ー


時子「……」ﾍﾟﾗｯ


時子(……あ、飛鳥と読んだところまでしおり挟まないと)

ー金曜日ー

『事務所』



時子「ふわぁ…」

飛鳥「……！？」


時子「…なによ」

飛鳥「いや…時子さんがあくびするなんて珍しくてね」


時子「昨日遅くまでペットの世話してたのよ、わるい？」

飛鳥「え、ペット？初耳だね」

時子「あらそう」

飛鳥「なにを飼ってるんだい？」


時子「……」

飛鳥「…？」


時子「ま、わからないならいいわ」

飛鳥「…？でも昨日の夜はボクと電話してたのにいつの間に世話してたのかな？」

時子「あら、自覚がないみたいね」

飛鳥「？」


時子「そうはもういいわ、背中流してあげるからはやく洗いなさい」

飛鳥「うん、おねがいするよ」




くるみ「ぐしゅっ……ふぇぇ、くるみもシャワーつかいたいのになかなかでてきてくれないでしゅ…」ｳﾙｳﾙ

ー土曜日ー


時子「……」ｽﾞｰﾝ


飛鳥「……時子さん？」

時子「…なに？」

飛鳥「どうしたんだい？いつもの覇気がないよ？」

時子「そんなもん別に常日頃から出してないわよ」

飛鳥「じゃあ言い方を変えよう、元気がないよ？」

時子「…なんでもないわよ」


飛鳥「…仕事でミスでもしたのかい？」

時子「アンタに関係ないでしょ」

飛鳥「関係ない…か」

飛鳥「確かにボクには関係ないかもしれないね、でも時子さんが元気がないとボクまで暗い気分になってしまうよ」


飛鳥「そう言われて時子さんはうざいと感じると思う、ボクだってあまり他人に干渉されたくない気分の時はあるしね…というよりボクの場合はほとんどそうかもしれないけど」

飛鳥「だから時子さんがうざいならすぐにでもボクは消えるからそう言って欲しいんだ、別に傷ついたりしないから遠慮なく言ってくれても大丈夫だから…」

時子「うるさい」ｷﾞｭｯ

飛鳥「！！？ちょ、時子さん！？」



時子「いちいちごちゃごちゃと訳のわからない理屈でかためる暇があるならさっさと私に抱きしめられてなさい、ちょうどいいサイズなのよアンタは」ｷﾞｭｰｯ

飛鳥「きょ、今日はいつになく強引だね？」

時子「なに、文句でもある？」ｷﾞﾛｯ

飛鳥「め、めっそうもないです！！」


時子「あー……落ち着く…」ｷﾞｭｰｯ

飛鳥(苦しい)

ー日曜日ー


時子「……」ｷｮﾛｷｮﾛ


時子「………」ｷｮﾛｷｮﾛ


時子「…？」

ちひろ「どうしたんですか時子さん、なにか探してるみたいですけど」

時子「いえ、別にそういう訳じゃないわ」

ちひろ「…飛鳥ちゃんなら今日はオフですよ？」

モバP「ぶひぶひぶひ」

時子「は、はぁ！？なんで私が飛鳥を探さなきゃいけないのよ、興味ないわよ飛鳥のことなんて」

ちひろ「そうなんですか？最近仲が良いみたいだからそう思ったんですけど」

モバP「ぶひぶひぶひ」


時子「仲が良い？それは違うわよ、アイツとはただなんとなく一緒にいるだけ、むしろいなくて助かるくらいよ」

ちひろ「あ、飛鳥ちゃん来たみたいですよ」

時子「！！」ｶﾞﾀｯ

ちひろ「嘘ですけどね」

時子「……」ｷﾞﾛｯ

ちひろ「ふふ、さーて仕事仕事！」


時子(飛鳥…飛鳥の分際でオフだからって私のところに来ないなんてもっとしつけが必要みたいね…！！)

モバP「ぶひぶひぶひ」

ｶﾞﾁｬｯ


飛鳥「やぁ、おはよう皆」

時子「！！」




ちひろ「あれ？飛鳥ちゃん今日はオフよ？」

飛鳥「うん、でも家にいても退屈だからね」

飛鳥「だから事務所で時間を潰そうかと思ってね、全く厄介なものだよ時間というものは…無限のように思えて有限なんだからね」

モバP「ぶひぶひぶひ！！」


時子「……」ｶﾂｶﾂｶﾂｶﾂ

飛鳥「ん？おやおはよう時子さん、今日もお仕事頑張って…ちょいたいいたいどうして無言でほっぺをつねるんだい時子さん？」ｷﾞｭｰｯ


飛鳥「ちょっと時子さんいたい痛いよ！？なんだか心なしかどんどん力が強くなって…いふぁいいふぁいいふぁいってば時子さん！！」ｷﾞｭｰｯ

時子「私に抵抗するんじゃないわよこのつけ髪！！」ﾑｷﾞｭｰ

飛鳥「ごめんなふぁいなんかわからないけどごめんなふぁい勝手に時子さんのプリン食べたから怒ってるの！？」ｷﾞｭｰｯ

時子「あれは元々アンタのために買っといたのよ！！！」ﾑｷﾞｭｰ



ちひろ「ふふふ、本当に仲良しさんですねぇ」

モバP「ぶひぶひ……ぶひ！！」



ちひろ「プロデューサーさん、ギャグボールとらないんですか？」




ー終わりー