「……何ですか、これ」
私のベッドの上でゲームをしている兄さんは、うーんと曖昧な言葉をかけてから。
「エロいことするゲーム」
けろっとした風に言うんです、顔色すら変わらず、平然としています
私は兄の趣味を軽蔑する趣味はありません
流石に、兄妹で、ともなると怪しいですが、生まれ持ってしまったもの、それを否定はしません
「兄さん、とりあえず布団から降りてください」
ですが、こんな物が私の部屋から見つかったなら、流石に動揺してしまいます
問いただしたくなるのも普通ですよね、ええ
「これは兄さんの物、ですよね?」
このパッケージを見るのも嫌なので、脇に逸らします
大体、なんなのでしょうかこのタイトルは
「そうだよ」
布団からは降りてくれません、もっというとゲームもやめません
ボタンを押す音が響きます……ゲームの音が無音なのは、なぜかわかりませんが
「兄さんの物がなんで、しかも、これが、私の部屋にあるんですか?」
またしても、うーんと勿体ぶるような反応をします
まるで私を弄ぶような、癇癪を起こしてもおかしくないとは思いますが
怒らない私はすごく優しいと思います
「嫌がらせ」
その癖、答えはハッキリしているんです、声に出すのを恥じてる訳でも、どう答えるか悩んでいる訳でもないのです
相変わらず無表情、それところか寛いで、地べたに正座してる私が馬鹿みたいです
「……これ、母さんや父さんが見つけてたらとか、考えないんですか?」
「いいよ、その時は俺のだっていうし」
この兄、既に親にそういう……え、えっちなゲームをしている所を見られているんです
けれど、様子はこれ、全く恥ずかしがる様子すら無く、厚顔無恥ってこういう事を言うんでしょうか
蛇足ですが、その日は父さんの部屋でそういうDVDも見つかりました
……母さんの部屋でも見つかりました
まあ、それはいいんです、ちょっと衝撃が大きかったですが
「兄さん、何か言う事はないんですか?」
じとーっと視線を送ります、そこで兄さんはやっとこちらに目を向けました
謝って、二度とやらないって言ってくれれば、それでいいんです……我が家はそういう家庭みたいですから
「ごめんな」
今度はすぐに返事を返してくれました
反省……して、くれてると思いますし、兄はこういう所はちゃんとメリハリをつける人間ですから
正直、害はありませんでしたが、やっぱりいい気分は――
「……何日待たせた?」
――、え?
「どういう意味ですか?」
「いつだったっけなー」
……返事を返してくれません、どういう趣旨の返事なのでしょう
いや、でも、まさか
「あー、そうか、六日前か
多分、その時だよな?」
心臓が飛び跳ねるような、どくん、と兄さんにも聞こえてしまいそうな音を出しました
――そのまさか、のようです
六日前、それで思い浮かぶ出来事が、私には一つしかありません
「じゃ、じゃあ――」
「俺、部屋戻るわ」
私の言葉に聞く耳持たず、ベッドから降りて、えっちなゲームと、もう片方のゲームを持って部屋に戻ります
追う事もできず、呆然と兄が出て行った扉をみる私、動悸が止まりません
兄は意地悪です、とっても、とーっても
・誤字は脳内修正よろ
・エロい事になるかわからん、やらないかもしれない、やるかもしれない
・書く時の気分次第
・他の作品の休憩に書くので遅いかも
・でも元の作品も遅い、多分投げないと思う
・テンポよくしたいからアドバイスよろ
疲れた、後で書きます
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