妹「なら大丈夫。絶対続けられるよ。お兄ちゃんはこのゲーム向いてる」 (46)


兄「よかった……」

兄「ゼルダのためだけにSwitch買うのはちょっと不安だったけど買って良かった……」

兄「何が良かったってアレだな。やっぱり自由度だな。うん」

兄「フィールドも広大で、時のオカリナの時に味わった感動に良く似てるわこれは……」

兄「ゼルダ特有のハッとするというか、思わず手を打つような謎解きも心地よかった」

兄「いや、ちょっと違うな。謎解きも面白かったけど。色々解法があったのが楽しかったんだな」

兄「『そんな方法もあったか!』みたいな」

兄「しかし……」






兄「暇だ」

兄「一週目で寄り道寄り道&寄り道プレイしたし、二週目する気力が湧かん……」

兄「いや、やろうと思ったら出来るし楽しめるっていうのは分かるけど、それで遊ぶのは何か違う気がする」

兄「…………」

兄「他のゲーム何かあるかな……」ガサゴソ…

兄「………………」

兄「無いな……。ていうかゼルダ以外のソフト買ってないし、他のハードは良くてPS3や……」

兄「…………」

兄「妹のとこ行くか……。何かあるだろ……」






妹「ゲームねぇ……」

兄「なんか無いか? しばらくだったらゼルダ貸してもいいぞ」

妹「mjd? 興味あったんだよねゼルダ。うーんお兄ちゃんが好きそうなゲームねぇ……」

妹「とりあえず好みのジャンル言ってみて」

兄「スクロールシューティングと音ゲーと格ゲーとレースゲーと落ち物パズル『 以 外 』」

妹「うーん、友人と遊ぶ系ゲームが苦手なのが実にお兄ちゃんらしいね。どうせ一人でシコシコエロゲとかFPSかストラテジーとかやってるんでしょ?」

兄「しばくぞ」


妹「だけど、まだ漠然としてるなぁ……。このままだと金色のコルダ(乙女ゲー)とかも選択肢に入るよ」

兄「別にそれでもいいけどがお前も大概雑食だろ……」

妹「もうちょい絞ってよ」

兄「うーん…………自由度? 自由度が欲しい」

妹「ゼルダやっとけ」

兄「前提から覆すな」
 


妹「ジョークジョーク。――RockStar系。車奪って市民引き殺そう」

兄「うーん……なんかしっくりこない。多分アクションが食傷気味なんだと思う(自己分析)」

妹「ベゼスタ!」

兄「うーん……」

妹「ベゼスタのおざなりアクションでも胸焼けって重症だね。――自由度以外には?」

兄「うーん……。ゼルダからアクション抜いた感じ?」

妹「うむむ……広大な世界で、自由な感じで、アクション無し……?」

兄「あと、キャラメイクとかもできたらええなあ……」

妹「欲張りさんめ……」













妹「あっ」

現実の妹は兄を呼ぶときに「お兄ちゃん」とは言わないっていう話をよく聞くんだが、
俺の妹は「お兄ちゃん」って言うんだな、これが。

友達と遊ぶ系?・・・別に1人でやっても良いだろ、何が悪い!

>>10
悲しいなぁ……

兄「? 有るのか?」

妹「ある。一つだけ」

兄「ハードは? PS4は持ってないぞ」

妹「ネットゲームだからPCでもスマホでも、ネットにつながるものなら多分何でも」

妹「試したこと無いけどPS3とかWiiとかネットに繋げるゲームハードでも出来るんじゃない?」

妹「だから、今お兄ちゃんが持ってるスマホでも今すぐ遊べるよ」

兄「???? アクション抜きにしても広大な世界と自由度だぞ?」

妹「アクション抜きの広大な世界と自由度だよ」




妹「いや、正確に言うと、『莫大』な世界と『持て余すほどの』自由度だね」


兄「……そんなゲームがあるんか?」

妹「あるとも」


兄「……オンラインって言ったけど。無料か? それとも有料?」

妹「無料」

兄「課金y――
妹「課金要素はある」

兄「……s妹「そういう部分で露骨に他のプレイヤーと差別化されるか?」

兄「……そういうゲームは萎えるぞ」

妹「――それはYESでもありNOでもある」

兄「……?」

妹「この課金要素の部分は追々説明するね。今はちょっと説明し辛い」

妹「僕が今から紹介するゲームで、とりあえず知っていておいて欲しいのは、『タダで遊べる』ってこと」

妹「だからとりあえず遊ぶだけ遊んでみて」
 

兄「……分かった。妹と俺との仲や。お前のオススメにハズレはそうないだろ」

妹「ありがとう。それじゃ、さっそく……」

兄「プレイ?」

妹「の前に、どんなゲームか説明させて」

妹「凄く変わったゲームで、お兄ちゃんはやったこと無いと思うし、なにより最初のキャラメイクに大きくかかわると思うから」

兄「了解」


妹「ありがとう。まず、このゲームは『人力RPG』っていうゲームなんだ」

兄「人力……?」

妹「うん。普通のRPGはシナリオもキャラも全部入ってるよね?」

兄「当たり前だろ」

妹「そして、そのシナリオとキャラに沿って遊ぶわけだ」

妹「だけど、このゲームは違う」







妹「キャラも、シナリオも全部皆で、人力で作るんだ」


兄「皆で作る……?」

妹「お兄ちゃんがキャラを作って、そのキャラの行動がゲームのシナリオに直結するんだ」

兄「???? どういうことだ? 良くわからん」

妹「だよね。それじゃ、世界観も交えて説明しようか」
 


妹「――舞台は地球。この地球に、ある物を求めて外宇宙から侵略者がやってきたんだ」

兄「あるもの?」

妹「うん。――『重力』だね」

兄「は? 重力? 他の星にもあるだろ?」

妹「もちろん他の星にもあるよ」
妹「だけど、他の星ううん、宇宙全ての重力は地球にある『重力の核』から生み出されたとされているんだ」

妹「それで、この宇宙に広がる重力、『グラビティ・チェイン』を奪うために外宇宙から地球に侵略者が来たんだ」

妹「地球に核があって、地球人はグラビティ・チェインをいっぱい持ってるからね」

妹「でまぁ、外宇宙から来た侵略者たちは不死な上に攻撃も防御も地球の常識外で、地球人的ににっちもさっちもいかなかったんだよね」

兄「……地球滅びるん違うんか」

妹「侵略者ニキたちも兄「おっ! いけるじゃん!」って思って攻め込んで700年」

兄「結構持ってるじゃん地球」

妹「なんと地球に近づいたら自分たちの無限の命が一年に! これにはニキ達も苦笑い」

兄「えぇ……」

妹「そのうえ侵略者同士で争いもあったし、こっちに味方するフレンズも出始めたからね」

兄「うーん、ぐだぐだ」













妹「そうして一回地球が滅んで一回蘇った結果地球人は戦う力を得た……!!」

兄「おい」

妹「それはこの星を、宇宙を創った「重力」のパワー……! 『グラビティ』……!」

兄「おい」

妹「神の如き力で侵略してくる『デウスエクス』達に対抗する者。地獄のような呈を表す地球を守る彼らを人は『ケルベロス』と呼んだ……!」

兄「おい」

妹「何」

兄「地球滅んでる」

妹「後で説明するけど蘇ったからセーフ」

兄「えぇ……」


妹「まとめると」

デウスエクス …… 外宇宙からやってきた侵略者。普通の人間では倒せない。

ケルベロス ……地球の「重力」の力を使って唯一「デウスエクス」を倒せる存在。

妹「ていうことだね」




妹「そうして、地球は『2017年の5月06日の00時57分』を無事に迎えられているわけだ」

兄「……?」








妹「話を人力RPGに戻すね」

兄「アッハイ」

妹「たとえば、お兄ちゃんがキャラクターを作るとする」

妹「そのキャラクターはゲームのメインコンテンツの『依頼』に参加することができる」

妹「この『依頼』って言うのは他のゲームで言ういわゆる、クエストとかそんな感じだね」

妹「そこにはこんな風に書いてある」

『東京の路上で子供を襲うデウスエクスが出た! デウスエクスから子供を守れ!』

妹「ってね」


兄「まぁストーリー? イントロ? は良くある感じだな」

妹「うん。――それでお兄ちゃんだったらどうする?」

兄「は?」

妹「だから、その子供をどうやって助ける?」

兄「そりゃ、子供を襲うデウスエクスを攻撃して……」

妹「攻撃して? それだけ? 具体的にどうやって攻撃するの? 他にやることは?」
 


兄「んん? んー……まぁ、剣とか銃とか持ってる武器で攻撃?」

兄「あとやることっていったら……子供の無事を確認したり? デウスエクス倒したら家まで送り届けたり?」

妹「なるほどなるほど。お兄ちゃんって見た目によらず優しいんだね」

兄「やかましい。ていうか、なんでこんなこと聞くんだ?」

妹「うん。この『依頼』は運営が雇ったシナリオライターが書くんだ」

兄「ふむふむ」


妹「だから、お兄ちゃんはシナリオライターにそういう要望を送るわけだ」

妹「『子供を襲うデウスエクスに持ってる武器で攻撃!』」

妹「『無事倒したら、子供に怪我がないか尋ねて、家まで送り届ける』」

妹「……こんな感じにね」

兄「ふーん……」








兄「待てよ? ……『 シ ナ リ オ ラ イ タ ー 』にそれを送るっていうことは……」

妹「そう。――お兄ちゃんの選択が『小説として書かれる』んだ」


兄「…………」

妹「勿論、他にも書けることはあるよ」

妹「『こんな技で敵を倒す!』 『他の市民も被害にあってないか調査する』 etc……」

妹「そうしてその結果が小説としてお兄ちゃんに送られる」






妹「もしかしたらお兄ちゃんの行動でこの事件の黒幕に気づくかもしれない」

妹「もしかしたらお兄ちゃんの行動で失敗するかもしれない」

妹「そうしたものが積み重なって……もしかしたら次の『依頼』が出てくるかもしれない」

妹「こう言ったことをプレイヤー全員でやっていくわけだね」

兄「…………」

兄「それじゃ、人力って言うのは――」


妹「文字通り、全部人間が、『これから』作り出すRPGってこと』

妹「大雑把な流れはあるよ? でももしかしたらそんな流れもひっくり返るかもしれない」

妹「世界中の誰もが予想しない展開が起こるかもね?」

妹「敵が味方になったり、味方が敵になったりなんて珍しいことじゃない」

妹「だって僕、ううん、僕たちも『人力RPG』の一部なんだから」

妹「僕たちの選択がどうなるか分からない」

妹「もしかしたら自分のキャラが大きなイベントのボスとかダンジョンのボスになったりするかもしれない」






妹「――勿論死んでしまうことだってあり得る」



妹「そんな『皆で作っていくネットゲーム』が」

兄「人力RPG……」


兄「…………」

兄「……な、なら――」

妹「出来るよ」

兄「ま、まだ何にも言ってないだろ!」

妹「大方、『仲間裏切って敵側につく』とかそんなことでしょ?」

兄「うぐっ……」

妹「わかりやすいお兄ちゃん。露悪的なことにまだまだ憧れてるんだね……」

兄「う、うるさい!」

妹「出来るよ。出来る」



妹「それどころか、『他の仲間を唆して裏切らせた』ことも有ったらしいよ

兄「」



妹「『ボスの10割がプレイヤーのキャラクター!!!!』っていうイベントも有ったらしいよ。昔ね」

妹「――沢山死んだらしいけど」

兄「」


妹「じゃ、キャラ作ってみよっか」

兄「ど、どうしたら……」

妹「うーんとさ、お兄ちゃんさ」

兄「な、何?」

妹「――寝る前、異世界に旅立ってる妄想するでしょ」

兄「な、何でそれを! 俺が先の魔界大戦でヴァン王国を解放した『十三騎士団』の一人、タカシ・ニューソクデっていう設定で異世界冒険活劇してることは誰にも言ってないはずなのに……」

妹「……」

兄「……」



妹「(ニッコリ)」

兄「」


妹「まぁそれがお兄ちゃんのキャラなんだけど」

兄「」

兄「何やて工藤」





妹「だから、その脳内設定の厨二成分マシマシのキャラで良いんだって」

妹「実はお兄ちゃんの設定はあんまりよくないけど、そのキャラの性格とかは多分そのままでいいよ」

兄「えぇ……」

妹「『魔界大戦』と『ヴァン王国』っていうのがあんまり良くないけどまぁそれは追々」

妹「この人力RPGが他のオンラインゲームと違う点はまずこの部分」

妹「【自分が考えたキャラになりきって、演じてゲームを遊ぶ】。この点」

妹「人によっては楽しくないかもしれない」

妹「『ごっこ遊びじゃん』とか言われたら何も言い返せない」

妹「『ヴァン王国(笑)』『十三騎士団(核爆)』とか言われたらお兄ちゃんが死ぬ」

兄「ヤメテ……ヤメテ……」


妹「まぁそれがお兄ちゃんのキャラなんだけど」

兄「」

兄「何やて工藤」



妹「だから、その脳内設定の厨二成分マシマシのキャラで良いんだって」

妹「実はお兄ちゃんの設定はあんまりよくないけど、そのキャラの性格とかは多分そのままでいいよ」

兄「えぇ……」

妹「『魔界大戦』と『ヴァン王国』っていうのがあんまり良くないけどまぁそれは追々」


妹「この人力RPGが他のオンラインゲームと違う点はまずこの部分」

妹「【自分が考えたキャラになりきって、演じてゲームを遊ぶ】。この点」


妹「人によっては楽しくないかもしれない」

妹「『ごっこ遊びじゃん』とか言われたら何も言い返せない」

妹「『ヴァン王国(笑)』『十三騎士団(核爆)』とか言われたらお兄ちゃんが死ぬ」

兄「ヤメテ……ヤメテ……」
 












妹「でもまぁ、こんな時間におVIPみてるお兄ちゃんたちは大丈夫だよね」

妹「おら、今見てる数人。お前らのことだよオラオラ」

妹「どうせ、『俺の考えた最強のサーヴァントorスタンド』とか色々考えたことあるんだろおらおら」
  


妹「実は、今のサーヴァントとかスタンドの部分にキャラ作成のヒントがある」

妹「【自分のキャラクターは自分の代理人ではない】ということ」

妹「【自分のキャラクターはその世界で生きる住民である】だということ」

妹「これが大事。舞台は現代の地球だから『ヴァン王国』とか『魔界大戦』とかは【世界にそぐわない】」

妹「だからお兄ちゃんもキャラ作る時はそこらへん気を付けてね」

兄「ハイ……」

妹「『~~という妄想をしてる厨二病キャラ』っていう変化球キャラ作成は有るけど色々アレだからここでは割愛」

(なにこのスレ)

あれ? 書き込める?

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