日向「ノナリーゲーム…?」 (398)
ダンガンロンパと善人シボウデスのクロスSSです
両方の作品への多大なネタバレを含んでおりますのでご注意ください
また、プロローグはほぼ善人シボウデスの原作に沿う形になります
安価or多数決もする予定です
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1397864757
─────
───
──
─
日向「んん…うーん…」
日向「痛てっ……痛ててててててててて……」
日向「…頭が割れそうだ…」
日向「…? あれ…?」
日向「どこなんだ、ここは……?」
キョロキョロ…
日向「エレベータ…?」
少女「そうだ…と思うよ?」
日向「!?」
日向「誰だ、お前…?」
少女「……」
日向「おい、聞いてるのか?」
少女「………」
日向「分かった。それじゃあ質問を変えるぞ」
日向「ここはどこだ?」
少女「………」
日向「………」
なんだかやりにくい奴だな…
とにかく、ここから出ないと…
日向「よっと…」ムクッ
……?
なんか、妙な違和感があるような…
カチッカチッ
日向「くそ……」
エレベータも反応なしときたか。
日向「非常ボタンっぽいのも鍵でロックされてるし…」
日向「無理やりこじ開けて──」
少女「ねえ」
日向「え?」クルッ
少女「そんな事をしても無駄──だと思うよ?」
日向「そ、そうか…」
日向「それじゃあ改めて聞かせてもらうが、ここはどこなんだ?」
少女「……知らない」
日向「知らない…か」
少なくとも『悪の秘密結社が建設した極秘人体施設のエレベータの中』と言われるよりは遥かにマシだな…
少女「…………」
日向「そうだ。最初にも聞いたけどお前の名前は?」
少女「………【ヒナタハジメ】……」
日向「俺は俺の名前───ってお前なんで俺の名前を!? 俺、お前と面識ないよな?」
少女「うん…そのはず…だと思う。んだけど…」
日向「それじゃあなんで俺の事を…?」
少女「分からない…もしかして、エスパー…とか?」
日向「なんだよそれ…訳分かんねぇよ……」
少女「でも…なんとなくきみが…【ヒナタハジメ】なんじゃないって…」
日向「お前なぁ……」
少女「ね、そんな事よりさ。この手首の腕輪、なんだと思う?」
日向「え? な、なんだよコレ…? いつの間に……!?」
少女「目が覚めてたときにはもうはめられたんだけど…なんの装置なんだろう」
日向「時計…には見えないな。赤い文字で「3」って数字と「PAIR」って表示されてるだけで…」
少女「私も同じのが表示されてる。両端のボタンも押してみたけど、なんの反応もなかったよ」
日向「く…!」ググッ
日向「駄目だ…がっちりはまってて外れそうにない」
少女「留め具みたいなモノもついてなさそうだね」
日向「くそッ……なんだってこんな事に…俺は───」
ピンポンパンポーン♪
日向「なんだ!?」
少女「見て! モニターのところ…!」
日向「モニター…?」
??『やあ、目覚めの気分はどう?』
なんだコイツ……!?
???『ぼくは【モノクマ】──ここの管理人だよ』
少女「ウサギ…?」
いや、どう見てもクマだろ…
モノクマ『聞きたい事もたくさんあると思うけど、こんな形で長話をするのもなんだし…」
モノクマ『さっそくだけど、オマエラにはゲームをしてもらうよ」
ゲーム…?
モノクマ『なづけて───』
モノクマ『のなりーげぇぇぇむ! あんびでっくすえでぃしょん!』
日向「ノナリーゲーム…?」
モノクマ『詳しい事は、そこを出たら教えてあげるよ』
日向「お、おい! ちょっと待て!!」
モノクマ『あ、そうそう、大事なこと言い忘れてた』
モノクマ『今、オマエラがいるその場所だけど──』
モノクマ『しばらくしたら、【オシオキ】が作動するようになってるから』
少女「オシオキ…?」
モノクマ『ま、急ぐことだねー。死にたくなかったら…うぷぷぷぷッ!』
日向「し、死ぬ!?」
モノクマ『そんじゃ、また後でね。Have a nice trick~!』
日向「ちょ、ちょっと待て!! 死ぬってどういう───』
ブツッ!
日向「どういう事だよ……なにが『良きイタズラを』だ…」
少女「ああ、そっか。トリックとトラップをかけたんだね」
日向「感心してる場合じゃないだろ! しばらくすると死んじまうんだぞ! 急いで脱出しないと!!!」
少女「私も協力するよ」
日向「そうしてくれ!」
少女「脱出ゲームの基本は探索だよ。色々見てみよう」
日向「まずはどこに手をつけたらいいか…」
少女「そこの大きな装置なんかどう?」
日向「ああ、それか。なんか銀行のATMっぽいな」
少女「その下にある金庫にはお金がたくさん入ってるって事かな?」
日向「しかし、今金が手に入っても意味ないしな…」
少女「それで、どう? なにか分かった?」
日向「………駄目だな。これも起動してない。金庫も…パスがかかってて開かない」
少女「そう…」
少女「あ」
日向「どうした?」
少女「エレベータのボタンがつくようになってる」
日向「なに…?」
少女「もしかしたら、脱出ゲームが始まったから起動したのかも」
日向「それで、動きそうか?」
少女「ううん、ボタンがつくだけ」
日向「そうか…」ポチポチ
ガシュッ
日向「うわッ!? な、なんだ!?」
少女「操作盤からこんなのが出てきたよ」
日向「それは……メモリーカードか?」
少女「ゲームのメモリーカードじゃないね。私が持ってるゲームのどれにも合わないもん」
日向「そ、そうなのか…?」
日向「次に気になるのは…消火器のケースか」
ガタガタッ
日向「これも鍵が掛かってて開かないか…」
少女「上に説明書みたいのが貼ってるね」
日向「…なんかコレおかしくないか?」
少女「『1、本体からピンを抜く。2、ピンを鍵穴に差し込む。3、捻る』…ホントだ、おかしいね」
日向「どういう意味だ…? てか、本体からピンを抜くにしたって、本体はこの中──」
少女「ねえ、反対側の角に置いてあるよ?」
日向「………」
日向「どう見ても消火器……だな」
少女「それじゃあ、あの説明書通りピンを抜いてみようか」
日向「ああ」
スポッ
日向「このピン、先が鍵みたいになってるな」
少女「これをあのケースに差し込むって事かな?」
日向「多分そうだと思うが……」
少女「どうしたの?」
日向「いや、これ使ってドアをぶち破れないかなと…」
少女「…中に爆発物が詰まってたり、毒ガスが入っててもいいなら、やったら?」
日向「………すまん」
日向「それじゃあケース開けるぞ?」
少女「うん」
ガチャッ
日向「よし、開いた」
少女「じゃあ、中身を拝見させてもらおっか」
パカッ
日向「なんだこれ…なんかの部品か?」
少女「レンチのソケットみたいだね。全部で四つあるよ」
日向「でもこれじゃ使えないな…」
少女「ソケットがあるという事は、ハンドルもどこかにあるはずだよ。探してみよう」
日向「そうだな。それじゃあこれは全部回収しておこう」
日向「ハンドルか……大きいから目立ちそうなモンなんだがなあ…」
少女「目立つと言ったら、そこの壁に貼ってあるポスターも気になるよね」
日向「ん? あ、本当だ…気がつかなかった」
少女「たくさんの人の絵が描いてるね。えっと、いち、にぃ…」
日向「大人が二人、子供が三人、赤ん坊が四人、老人が七人だな」
少女「上の方に何か字が書いてるけど…高くて読めないや」
日向「ちょっと待ってろ、剥がせるかもしれない。よっと…」グッ
ペラ
日向「よし、とれ───」
グラッ
日向「うわっ!?」
少女「大丈夫?」
日向「あ、ああ…この手摺り、端の色が違う所がグラグラして…」
少女「色が違うところ…? もしかして…」
クルクルクル、スポッ
日向「外れた!?」
少女「…やっぱり、これ工具のハンドルだよ。ほら、さっきのソケットにぴったり」
日向「それじゃあ、他の所も──!!」
日向「ふう、これで全部か?」
少女「うん。あとはこれをこうして──出来た!」
日向「これで4つのレンチが出来た訳か」
少女「後はこれを……あ、あった。あそこ、エレベータのボタンの下の鉄のカバーに使えそう」
日向「よし、これを使って……」
ギリギリギリ……ゴトン
日向「よし、これでカバーが外れるな。よっと…」
バカンッ
日向「……ん?」
少女「どうしたの?」
日向「なんか、迷路のパズルみたいのが入ってた」
少女「どれどれ…? なんだ、こんな簡単だよ。ちょっと貸して」ヒョイ
日向「え」
少女「はい、出来たよ」
日向「早ッ! 得意なのか?」
少女「ん~…まぁね。ゲームは大得意。それより、ほら。箱からまたこれが出てきたよ」
日向「メモリーカード…二枚目だな」
少女「それで、日向くん。さっきのポスター、何が書いてたの?」
日向「ああ、えっと…『赤ん坊と老人の数を数えてみよう』って書いてるな」
少女「さっき数えたよね」
日向「赤ん坊は四人、老人は七人だな」
少女「うん。後はその数字を何かに──」
日向「もしかして、手摺りの上の操作盤か? ほら、マークが赤ん坊と老人に見えるし」
少女「そうかも。押してみようよ」
日向「えっと…老人のマークが描かれてるのが7で、赤ん坊のが4…と」
ポチ
ポチ
ガシュッ!!
日向「うわッ!? また!?」
少女「三枚目のメモリーカードだね」
日向「大体調べ終わったか?」
少女「うん。後は───」
日向「あの起動しないATMみたいな装置か…」
ゴソゴソ
日向「やっぱり動かないか……」
少女「……あ、ここ」
日向「どうした? 何か見つかったか?」
少女「うん、ちょっと……」
カチッブゥン
日向「モニターが点いたぞ! なにをしたんだ?」
少女「やっぱり…ここ、あのメモリーカードが入りそうだったから入れてみたんだけど正解だったみたいだね」
日向「でも、点いただけで何も表示されてないな…」
少女「それじゃ、残りの二枚も入れるよ?」
カチッカチッ
ブゥン…
日向「おっ何か表示されたぞ!」
少女「どれどれ…?」
☽☽×
☀××
×××
日向「なんだこりゃ?」
少女「何かのパスみたいだね。多分下の金庫の……だと思うよ?」
ウゥン……
日向「あっ消えちまった!? お、おいまだ覚えてないぞ!?」
少女「私が覚えたから大丈夫だよ。よく復活の呪文覚えてたからこんなの簡単」
日向「そうか…」ホッ
少女「それじゃあ、入力しちゃうよ?」
ポチポチポチッ
カチッ
日向「開いたみたいだな。早速中身を…」
少女「生首とか入ってたらどうする?」
日向「開けてから、そんな事言うなよ…」
少女「それじゃ、御開帳ー」
ガチャッ
日向「これは……鍵、か…?」
少女「そうみたいだね。それ以外には何もないみたいだね。後はこれを使う所だけど…」
日向「!!…それは俺が分かる」
少女「そうなの?」
日向「ああ、多分だけど……」スタスタ…
ガチンッ!
日向「やっぱり…!!」
少女「そうか、非常ボタンのロック解除の鍵だったんだね」
日向「ああ」
少女「それじゃ、押してみよう」
日向「よし行くぞ…いち、にの…」
日向「さんっ!!」
ポチッ
日向「………」
少女「………」
日向「………」
少女「……開かないよ?」
日向「ど、どういう事だ!? ここじゃなかったらどこの──」
ガコンッ!!
日向「……え?」
少女「…上のハッチが開いたみたいだね」
日向「ハッチって…なんでそんなもんがエレベータにあるんだよ!?」
少女「分からないけど…あそこから、外に出れそうだよ?」
日向「だ、だったら早く行こう! 早く出ないと死んじまう!」
少女「うん。でも…」
日向「どうした?…ああ、そうか。高いもんな。俺が手を貸してやる」
少女「…あ、ありがとう。それじゃ遠慮なく……よっこいしょ」
日向「…なんのつもりだ?」
少女「なにって…肩車だよ?」
日向「それは分かるけど…ムギュ!? 俺を踏み台にするなよ?!」
少女「よっしょ…はい、つかまって」
日向「あ、ああ…」
少女「そうだ、自己紹介がまだだったね。私は【七海千秋】。【超高校級のゲーマー】だよ」
日向「【超高校級】──!? お前もか!?」
七海「お前も…? それじゃあきみも…? まあその話は後。ほら、つかまって」
日向「…………」
─────
───
──
─
日向「ここは…?」
七海「少なくともエレベータシャフトの中じゃ…なさそうだね。倉庫…?」
日向「それじゃあ、俺達は動かないエレベータの中に閉じ込められたのか?」
七海「動かないし、なんの仕掛けもない…だね」
日向「それじゃ、『急がないと死ぬ』ってのはハッタリだったのか?」
七海「そうなんだと…思うよ。それより見て、あそこ…人がいる。私達と同年代くらいのが…5人」
日向「本当だ…」
七海「みんな同じ腕輪をしてるみたいだね。敵じゃあなさそう」
日向「よ、よし! 行ってみよう!!」
日向「な、なあお前達!! 一体なにがどうなってるんだ?!」
そばかすの女「わ、分かんないわよ…。アタシ達もさっきあのエレベータから…」
大柄な男「お前さん達もか?」
日向「そうだ。俺たちも──」
ズキッ
日向「ぐッ…!」
七海「大丈夫?」
日向「そ、そうだ…俺は希望ヶ峰学園に入学して…校門をくぐって…」
弱気な女「私達もそうなんですぅ…希望ヶ峰学園に来たら意識を失って…気づいたらあの中に」
七海「5人一緒に?」
胡散臭い男「いや、俺は【狛枝】っちと同じエレベータの中にいたけど、他の三人は…」
日向「狛枝…?」
狛枝「ボクだよ。ボクが【狛枝凪斗】。ねえ、キミ達もすごい才能を持ってるんだよね? 教えてよ!」
大柄な男「まあ待て狛枝。まずは自己紹介が先じゃろうが」
狛枝「あ、ごめんね…ボクなんかが会話を遮っちゃって…」
弐大「ワシは【超高校級のマネージャー】の【弐大猫丸】じゃああ!! よろしく頼むぞ!!」
小泉「アタシは【超高校級の写真家】の【小泉真昼】だよ」
罪木「わ、わたしは【超高校級保健委員】、【罪木蜜柑】ですぅ…おっ覚えてもらうと嬉しいですぅ!」
葉隠「俺は【超高校級の占い師】の【葉隠康比呂】だべ! 訳あって三浪してっからこんなかじゃ年長だな!」
狛枝「ボクは【超高校級の幸運】。ま、一般の抽選から選ばれただけのゴミみたいな才能なんだけどね…」
七海「……【七海千秋】。【超高校級のゲーマー】…」
狛枝「後は、キミだけだね?」
日向「ああ、俺は【日向創】だ。才能は【超高校級の……」
小泉「? どうしたの?」
日向「……思い出せない」
弐大「思い出せないって…自分の才能がか?」
日向「あ、ああ…」
罪木「もしかしたら、記憶障害が起きてるのかもしれません。さっき頭が痛そうでしたし…」
葉隠「そんじゃ、そのうち思い出すのか?」
罪木「多分…でも、一度ちゃんとしたところで検査したほうがいいと思いますぅ」
日向「そうか…」
狛枝「さて、自己紹介も終わった事だし、腕輪を見せてもらってもいいかな?」
日向「腕輪…? 別に構わないけど」スッ
狛枝「七海さんも、いい?」
七海「うん」スッ
狛枝「ふむ… 日向クンと七海さんは【赤のPAIR】か…」
日向「? これがどうしたんだ?」
狛枝「ボクと葉隠クンの腕輪を見てくれる?」スッ
七海「これは…【青い3のPAIR】の腕輪だね」
日向「色以外、俺と七海にはめられてる腕輪と同じだな」
七海「他のは?」
小泉「アタシは【赤い3のSOLO】よ」
罪木「わ、わたしは【青い3のSOLO】ですぅ…」
弐大「ワシは【緑の3のSOLO】じゃのう」
日向「【SOLO】…?」
狛枝「これで気づいた事はある?」
気づいた事か…
七海「私と日向くんは【赤のペア】で、狛枝くんと葉隠くんが【青のペア】…」
日向「同じ色のペアがふた組で……残りの三人はソロ…」
日向「そうか分かったぞ!」
狛枝「答えを聞いてみようかな」
日向「ペアふた組は同じエレベータに閉じ込められてて、残りの三人はそれぞれ別のエレベータに閉じ込められたんだな?」
狛枝「うん、正解だよ。さすがは超高校級の才能を持つだけはあるね!」
七海「だけど…ペアとソロにはどんな意味があるんだろう?」
狛枝「それは…分からないけど…」
弐大「色分けされているのも気になるのう」
葉隠「3って数字の意味も分からないべ」
罪木「も、もしかしたら、例のゲームになにか関係してるんじゃ…?」
七海「ノナリーゲームの事?」
罪木「そう、それですぅ…」
日向「お前達も見てたのか? あの変なクマを」
小泉「うん。エレベータのモニターで…そしたら、『急がないと死ぬ』とか言い出して…」
葉隠「いやああせったべ! もし俺がソロだったら多分ここにはいないべ!」
弐大「ワシもなかなかヤバかったのう。もしパスがもっと複雑だったらおしまいだったわ! パズルは少し壊してしまったがのう!!」
大丈夫かよ。コイツ等……
狛枝「それで、脱出して合流したボク達は出口を探したんだけど…」
小泉「どれもガッチリ閉められててさ」
弐大「ワシの力を持ってしても傷一つつけられなかったわい」
狛枝「それで、最後にここ──【9】って書かれてるこの扉を調べようとした時に──」
七海「私達が来たって事だね」
罪木「ふゆぅ…はい…」
日向「…で、コイツは開くのか?」
小泉「開けられるんなら最初から開けてるわよ」
七海「左側になにかの装置がついてるけど…これは?」
罪木「それが、この扉のロックだと思うんですけど…レバーを下げてみても反応しないんですぅ」
日向「無理やり開けるのは……無理そうだな」
葉隠「戦車とか、ミサイルとかならなんとかなるかもしれないけども…」
弐大「【超高校級の格闘家】がいたら、壊せるかもしれんのお! ガッハッハッハ!!」
日向「笑ってる場合じゃないだろ…」
七海「あっちの【紫・黄色・水色】の三枚の扉は?」
小泉「あそこも無理みたい。あそこも電子ロックがかけられてて…」
狛枝「【超高校級のプログラマー】がいたら開けられたかも…」
七海「【プログラマー】…?」
狛枝「ああ、ごめん。独り言だから気にしないで」
日向「他に出られそうなところはないのか?」
狛枝「残念だけど…あ、でも」
七海「でも?」
狛枝「あの箱から最初に出てきたのはボク達だから、誰がどこに閉じ込められてたか分かるよ」
葉隠「あの6つのエレベータの中から、俺達以外が出てくるのをしっかり見てるべ!」
狛枝「えっと…まずボク達は右から二番目」
葉隠「次に小泉っちがその隣、右から三番目から出てきたベ」
小泉「そうよ」
狛枝「そして、その次に罪木さんが右端から。弐大クンは左から二番目から出てきたよ」
罪木「す、凄いですぅ…確かにそこから出てきましたぁ…」
狛枝「ははっ【超高校級の保健委員】さんから褒められるなんて光栄だね」
七海「最後に私達が左から三番目から出てきた…」
日向「ちょ、ちょっと待てよ。それじゃあ──」
日向「左端からは誰も出てきてないのか?」
狛枝「そうなんだよ。そもそも本当に誰か入ってるかも怪しいし…」
七海「ねえ、ちょっと調べてみようよ」
小泉「そうだね。それじゃ、日向。アンタ行きなさいよ」
日向「な、なんで俺が!?」
小泉「男子でしょ? それにアタシはまだアンタを信用した訳じゃないからね。才能も分からないし」
日向「なんだよそれ…」
小泉「ほら、さっさと行きなさい」
日向「分かったよ…」
スタスタ…
日向「さて、どうするか…」
とりあえず、扉を叩いて声をかけてみるか…
ドンドンッ!
日向「おーい! 中に誰かいるのか? いたら返事してくれー!!」
シーン…
日向「返事はなしか…」
日向「ん? 扉になにか書いてるな」
【AMBIDEX ROOM】
日向「アンビデックスルーム…?」
日向「右にあるのはカードリーダーか…ロックの解除装置か?」
キョロキョロ
日向「よく見たら他のエレベータにもついてるな。【AMBIDEX ROOM】って文字も…」
───のなりーげぇぇぇむ! あんびでっくすえでぃしょん!
日向「あのクマが言ってたゲームとなんか関係あるのか…?」
葉隠「おーい!! 何か分かったかー!?」
日向「誰か、カードキーかなんかもってないかー!?」
狛枝「カードキー?」
日向「ここ、扉の横にカードリーダーがあるんだよ!!」
狛枝「ボクは持ってないけど……他の皆は?」
小泉「アタシも持ってないわ。ていうか、財布もないわよ」
罪木「ど、どうやら、アクセサリー以外のものは全部没収されてしまったみたいですねぇ…」
葉隠「よ、よかった…この一億円で買った水晶玉は無事だったべ~…」
弐大「ただのガラス玉にしか見えんが…」
七海「私もゲーム機以外は……ゲームで使ってるメモリカードとは大きさも合わなそう」
日向「誰も持ってないのか───」
ガコンッ!
「「「「「「「!?」」」」」」」
葉隠「な、なんの音だべ!?」
小泉「み、見て! 今日向が調べてたエレベータのハッチが開いてるよ!」
バッ!
弐大「誰か出てきたぞ!!」
スタッ
???「…………」
日向「な、何者だ…?」
狛枝「鎧みたいなのを着てるね…」
罪木「あ、あの人、なにか抱えてますよぉ…?」
七海「本当だ…赤いジャージの……女の子?」
葉隠「朝日奈っち!?」
葉隠「朝日奈っち! しっかりするべ!」ユサユサ
朝日奈「………」
小泉「ア、アンタ達知り合いなの…?」
仮面の男「…………」
弐大「応ッ!! 己、コイツに何をしたんじゃあ!?」
仮面の男「………」
弐大「だんまりか!? あぁ!?」
仮面の男「………私はなにもしていませんよ。私が目を覚ました時には既に…」
罪木「息はしっかりしてますし、傷も見当たりません…」
仮面の男「眠っているだけでしょう」
日向「ここに連れてこられてから、まだ目を覚ましてないのか…」
狛枝「それで、キミは一体何者なんだい? どうしてそんな格好を?」
仮面の男「………分かりません」
七海「分からない…? 分からないってどういう事?」
仮面の男「そのままの意味です……自分が誰なのか分からないんです」
日向「はあ…?」
仮面の男「何も覚えていないんです。ここがどこなのか、今がいつなのか、貴方達が誰なのか……」
仮面の男「逆に教えてもらいたいですよ」
狛枝「それじゃあ、その金属製の仮面とボディスーツの事は?」
仮面の男「これも…分かりません」
小泉「誰かに無理やり着せられたっていうの?」
仮面の男「そう…なんでしょうか? 目が覚めた時には既にこの状態で…」
弐大「その割には随分と落ち着いているな」
仮面の男「落ち着いてる…という表現は正しくありません。貴方達には私の顔は見えないでしょう」
弐大「ぐッ…減らず口を…!!」
罪木「記憶喪失…でしょうか」
日向「記憶喪失…?」
朝日奈「ぅ…ん…」
小泉「来て! 気がついたみたい!」
葉隠「朝日奈っち!」
朝日奈「ん…葉…隠…? ここは…?」
葉隠「分からないべ。でも閉じ込められて……」
朝日奈「閉じ込められて…!? そんな…"また"…!?」
日向「また…? 以前にもこんな事が?」
葉隠「なに言ってるんだべ朝日奈っち」
朝日奈「覚えてないの葉隠!! 私達はあの時も──!!」
葉隠「ま、待つベ朝日奈っち! あの時っていつだべ!?」
朝日奈「あの時はあの時だよ! ほら──!」
朝日奈「えっと……いつだっけ……?」
葉隠「???」
こっちも記憶が混乱してるのか…? 俺といい、コイツといい──
狛枝「いつから記憶がないの?」
仮面の男「…全てです」
弐大「全て? それは生まれた時からという事か?」
仮面の男「はい、そうです」
狛枝「どう? 罪木さん」
罪木「はい、えっと…恐らく『全生活健忘』だと思いますぅ」
弐大「なんじゃそりゃあ?」
罪木「えっと…簡単に言うと、知識や技能は覚えているけど、自分の事だけを思い出せない…そういう疾患です」
狛枝「確かそれは主に心因性によるものだったっけ?」
罪木「はい。頭部の損傷などによる発症は極めて稀なんです」
狛枝「何か思い当たる事は…?」
仮面の男「さあ…? 何かひどい悩みでもあったのでしょうか…」
弐大「無? お前さんそれ…」
仮面の男「え? ああ、これですか。これも起きた時には既につけられていたんですよ」
罪木「また腕輪…」
狛枝「これ、ボディスーツの間から生身の腕にはめられてるね。【緑の3のPAIR】か…」
葉隠「朝日奈っちの腕にもそれと同じのがはめられてたべ」
キーンコーンカーンコーン
「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」
???『うぷぷ…皆集まったみたいだね』
あのクマの声…!!
日向「どこだ!! どこにいる!?」
モノクマ『それじゃあオマエラ、目の前にご注目ください!!』
ヴンッ!
小泉「きゃあッ!?」
狛枝「落ち着いて、ただの映像だよ」
モノクマ『うぷぷぷぷ。オマエラ、おはようございます!』
日向「………」
狛枝「………」
弐大「………」
葉隠「………」
仮面の男「………」
七海「………」
小泉「………」
罪木「………」
朝日奈「………」
モノクマ『なんだよノリが悪いなあ…。ま、いいか。それでは───』
モノクマ『これより希望ヶ峰学園、入学試験を開始します!!』
……は?
日向「お、おい! まさか……まさかここは希望ヶ峰学園なのか!?」
モノクマ『そうだよ? 旧校舎だけどね』
日向「旧こう………」
狛枝「希望ヶ峰学園は入学試験はしないんじゃなかったの?」
モノクマ『色々事情があってね。まあ気にしないでよ』
モノクマ『それじゃ、時間もおしてるし、進行を進めちゃうよ』
モノクマ『えーっと…入学試験の内容なんだけどね。ルールは簡単だよ』
モノクマ『"ここから脱出する事"!!』
小泉「ここから脱出する…?」
モノクマ『それで、ここから脱出する為にオマエラには【ノナリーゲーム】をしてもらいます』
モノクマ『これから【ノナリーゲーム】の説明に入るよ。別に聞き流しても構わないけど、後悔しないでね』
モノクマ『それでは一同、手首についてる腕輪──【バングル】を見て下さい!』
弐大「これか…」
モノクマ『日向クン、そこに示されている数字は?』
日向「…【3】だ」
モノクマ『他の皆もそうだよね?』
七海「うん、そうだよ。皆【3】が表示されてる」
モノクマ『その数字は【BP=バングルポイント】っていうんだ』
罪木「それで、これがなんだっていうんですかぁ…?」
モノクマ『これを【9以上】にした人だけがあの【9】の扉を開いて脱出できるんだ』
モノクマ『【9以上】の人が扉のわきの解除装置のレバーを下げると、扉は開くようになってる』
モノクマ『ここで注意してもらいたい事が三つあるんだ』
三つ…?
モノクマ『一つ! 【9】の扉が開いてのは9秒だけ! 9秒たったら自動的に閉まるようになってるよ!』
モノクマ『二つ!【9】の扉は一回しか開放できない! 閉まったら最後、二度と開く事はできないから注意してね』
小泉「ちょ、ちょっと!! 一度閉まったらもう二度と開かないってどういう事よ!?」
モノクマ『え? だってこんなゲームもクリアできない奴なんか人類の希望になんかなれないでしょ?』
小泉「ふざけるんじゃ…!!」
葉隠「まあまあ、大丈夫だべ。もし誰かが開いた時はそんとき一緒に──」
モノクマ『三つ!! 自分のBPが【8以下】なのに【9】の扉を通過した人には【オシオキ】が科せられます!!』
葉隠「んなァッ!?」
狛枝「ねえ、エレベータの中にいた時も気になったんだけどさ、その【オシオキ】ってなんなの?」
モノクマ『それはヒ・ミ・ツ♪ その方が楽しいでしょ?』
日向「ふ、ふざけるな!!」
葉隠「そうだべ!! さっさと教えるベ!!」
モノクマ『あーもう!! うるさいなあ! 分かった分かった! 後で教えてあげるよ!!』
七海「それで、BPを【9以上】にするにはどうしたらいいの?」
モノクマ『いい質問だね。それはあそこの【アンビデックスルーム】を使うんだよ。ま、めんどいから【ABルーム】でいいよ』
七海「【ABルーム】ってあの……」
モノクマ『そっ、さっきオマエラが出てきたエレベータの事!』
罪木「使うって……どうやって?」
モノクマ『そりゃあ中に入ってだよ』
弐大「天井のハッチからか?」
モノクマ『いや? ハッチはさっき閉めちゃった』
葉隠「いつの間に!?」
モノクマ『そりゃ、ボクがここの管理人兼学園長だからさ』
日向「だったらどうやって入るんだ? ドアはロックがかかってて開かなかったぞ」
モノクマ『わきにカードリーダーがあったでしょ? あそこにカードをすべらせたら解除されるよ』
仮面の男「……そのカードを持ってないんですが」
小泉「そのカードはどこにあるのよ」
モノクマ『【CD=カラードドア】の先にあるんじゃない?』
罪木「カラードドア?」
モノクマ『オマエラの右側にある、それぞれ【紫・黄色・水色】の三つの扉のことだよ』
罪木「あれもロックがかかってて開かないはずでしたが…」
モノクマ『みんな、バングルの左右のポッチを同時に押してくれる?』
小泉「こう?」カチッ
00:10
葉隠「なんだコレ…【3】から表示が変わったべ」
七海「時計…?」
モノクマ『ううん。違うよ』
00:09
朝日奈「あ、減った…」
弐大「応、朝日奈といったな。もう平気なのか?」
朝日奈「うん…まだフラフラするけど」
モノクマ『それは【CD】のロックが解除されるまでの時間なんだ』
狛枝「なるほどね…」
モノクマ『と、いう訳で。後9分でCDは自動的に開くようになってるんだ』
モノクマ『ただし! これにも制限時間があって5分で閉まっちゃうんだクマ』
小泉「五分ね…」
モノクマ『でもこれは手前の【第一扉】の話で…』
狛枝「第一扉?」
モノクマ『ここの全ての扉は【二重扉】になってるクマ』
モノクマ『んで、奥の【第二扉】もロックがかかっちゃってるんだクマ』
弐大「面倒くさいのう…」
モノクマ『まあそう言わないでよ。これはオマエラを分かれさせるためなんだから』
弐大「分かれる…?」
モノクマ『七海さん。光の3原色って知ってるクマ?』
七海「うん、知ってるけど…それがどうしたの?」
モノクマ『いいからいいから』
七海「……【赤・青・緑】の3色でしょ? この三つの組み合わせ方によって、無限の色を表現できる…」
モノクマ『そう、正解! それじゃあ【紫色】は?』
狛枝「…【赤】と【青】だね?」
モノクマ『【黄色】は?』
小泉「えっと、【緑】と【赤】だったっけ?」
モノクマ『【水色】は?』
七海「【青】と【緑】」
モノクマ『はい正解~!』
狛枝「……そういう事か」
弐大「??? どういう事だ?」
狛枝「ほら、さっき光の3原色って話があったでしょ? その色とバングルに表示されている色が一緒なんだよ」
弐大「おお、なるほどのう!! ……それで? それと【第二扉】がなんの関係があるんじゃ?」
狛枝「えっと…バングルの表示が【赤の人】と【青の人】が組めば【紫色の第二扉】を開ける事ができるんだ」
狛枝「【緑】と【赤】が組めば【黄色の第二扉】を開く事ができる」
狛枝「【青】と【緑】が組めば【水色の第二扉】を開く事ができる……分かった?」
葉隠「ああ、なるほどな…」
狛枝「どうモノクマ? あってる?」
モノクマ『エークセレント!! その通りだクマ! でも80点くらいだね』
七海「同じ色の人が組んだ時の事?」
モノクマ『うん。その場合は例外的に、その色の補色──反対色の扉を開く事ができるんだクマ」
葉隠「反対色…?」
七海「【赤】と【赤】なら【水色】、【青】と【青】なら【黄色】、【緑】と【緑】なら【紫】」
日向「それらの色の扉を開く事ができるって訳か」
モノクマ『はいこれで100て~ん! さすが七海さん、冴えてるね~』
七海「………」
参考に
『光の3原色』
http://i.imgur.com/UbckpvW.gif
モノクマ『バングルには【PAIR】と【SOLO】の2種類があるよね?』
モノクマ『次からは前者を【ペアバン】、後者を【ソロバン】と呼ぶクマ』
モノクマ『このゲームではペアバンの二名は一心同体、運命共同体とみなされるクマ』
仮面の男「二人で一人…行動を共にしなければいけないという事ですか」
モノクマ『そ、ペアは必ず同じドアに入んないと駄目クマ』
罪木「そ、それじゃあソロの人は…?」
モノクマ『【ソロバン】の方には、これといった制約はない。自由に行動できるクマ』
モノクマ『それじゃあここらへんでオマエラのバングルを再確認しとこうか』
日向「俺と七海は【赤のペアバン】だ」
狛枝「ボクと葉隠クンは【青のペアバン】だね」
朝日奈「私と……えっと、貴方はなんて呼べばいいの?」
仮面の男「そうですね…それでは、【K】と呼んで下さい」
朝日奈「K…?」
狛枝「あれ? 記憶は無いんじゃなかったの?」
K「よく分かりませんが、何故か【K】が頭に浮かんだんです」
朝日奈「とりあえずKだね。私とKは【緑のペアバン】だよ」
弐大「ワシは【緑のソロバン】じゃな」
小泉「アタシは【赤のソロバン】ね」
罪木「わ、わたしは【青のソロバン】ですねぇ…」
モノクマ『はいおっけ~。確認が終わったクマね。そんじゃ話を元に戻すクマよ」
モノクマ『【第二扉】を開くことができるのは三人だけクマ』
K「つまりペアバンとペアバンで組む事はできないという事ですね」
モノクマ『そう。後、【第二扉】は【第一扉】が閉まってないと開く事はできないクマ』
モノクマ『関係ない4人目、5人目が駆け込んじゃうのは困るからね』
モノクマ『さて、長くなっちゃったけど、これでルール説明は一旦終了だクマ』
日向「………」
とりあえずルールをまとめてみるか……
・脱出するにはどうすればいいか?
バングルの【BP=バングルポイント】を【9】以上にして【9】の扉を開ける
・BPを【9】以上にするには?
詳しい事は分からんが、【ABルーム=アンビデックスルーム】の中でなにかをすればいいらしい
・【ABルーム】に入るには?
【CD=カラードドア】に入って、その先でカードキーを見つける必要があるらしい
・【CD】に入るには?
第一扉は所定の時間になれば自動で開くらしい。
第二扉はペアとソロで三人組を作り、三人のバングルの表示色を合成したものが扉と同じだったら開くという
(基本:赤+青=紫 緑+赤=黄色 青+緑=水色)
(例外:赤+赤=水色 緑+緑=紫 青+青=黄色)
ピコンピコンッ
七海「なんの音…?」
モノクマ『あ、カラードドアの【第一扉】が開放されたみたいだクマ』
葉隠「もう10分たったんか」
モノクマ『ほら急いだ急いだ。【第一扉】が閉鎖されたときに、誰かがここに残ってたらその人は──』
モノクマ『【オシオキ】されちゃうからねえ。うぷぷぷぷぷぷ…』
日向「だ、だからその【オシオキ】ってのはなんなんだよッ!?」
モノクマ『まあ簡単にいうと……処刑だよ』
小泉「しょッ───」
弐大「処刑じゃとぉぉぉおおおおおお!!!?」
モノクマ『そのバングルには、とあるクスリが入っててね。ルール違反するとバングルの中から注射針が飛び出してくるんだ』
モノクマ『それを投与されるとたちまち気持ち良くなって意識を失っちゃうんだクマ。で、その間に処刑場に運ぶ…と。まあこんな感じ』
モノクマ『あ、残り3分だね。そんじゃ頑張ってね。Have a nice trap~!』
ブツッ
日向「どうして…こんな事になっちまったんだ…」
入学試験…だと? こんな頭のおかしいとしか思えないゲームがか?
小泉「ぐッぐずぐずしてる場合じゃないでしょ!? 早く【第一扉】をくぐらないと!!」
朝日奈「でも…誰がどの扉に入るか…」
狛枝「それじゃあボクから簡単に組み合わせを説明するよ」
狛枝「実は考えられる組み合わせは、3つしかないんだ。ここでは日向クン達【赤ペア】を基準にするよ」
パターンその1
【赤ペアの日向クンと七海さん】が【青ソロの罪木さん】と組んで【紫の扉】に進む
狛枝「この時、必然的に【緑ペアのKと朝日奈さん】は【赤ソロの小泉さん】と組んで【黄色】に行く事になるんだ」
狛枝「で、【青ペアのボクと葉隠クン】は【緑ソロの弐大クン】と組んで【水色】に行く事になる」
パターン2
【赤ペアの日向クンと七海さん】が【緑ソロの弐大クン】と組んで【黄色の扉】を開く
K「この場合、【緑ペアの私と朝日奈さん】は【青ソロの罪木さん】と組んで【水色の扉】に行く事になりますね」
狛枝「そうだね」
葉隠「んじゃ、【俺と狛枝っち】は【赤ソロの小泉っち】と組んで【紫の扉】って訳だな」
狛枝「そして最後にその3。これは補色を使った組み合わせだね」
パターン3
【赤ペアの日向クンと七海さん】は【赤ソロの小泉さん】と組んで【水色の扉】を開く
朝日奈「それじゃあ【私とK】は【弐大】と組んで【紫色】に進むんだね」
狛枝「【ボクと葉隠クン】は【罪木さん】と組んで【黄色】に進む…と」
K「それで、どの組み合わせでいくんですか?」
弐大「そんなもん選んでる暇なんてないじゃろうが!! 日向! お前さんが決めてくれ!!」
日向「ええ!? おッ俺!?」
葉隠「後2分だべ!」
小泉「いいから早く!!」
罪木「日向さぁん!!」
七海「日向くん!」
日向「お、俺は───」
1【赤ソロ】の小泉と組んで【水色の扉】に入る
2【青ソロ】の罪木と組んで【紫色の扉】に入る
3【緑ソロ】の弐大と組んで【黄色の扉】に入る
一旦終了します
多数決で一番多かったルートに進みます
弐大人気だなwww小泉ェ…
それじゃ続き投下します
日向「俺と七海は弐大と組んで【黄色の扉】に進む」
弐大「了解じゃ!!」
狛枝「よし! それじゃあ【紫の扉】の中に! 葉隠クン、小泉さん!」
葉隠「おう!」
小泉「女がアタシ一人ってのがちょっと納得いかないけど……そんな事言ってる場合じゃないわね!」
朝日奈「私達は【水色】だね? いくよ! K! えっと…罪木ちゃん!」
K「はい!」
罪木「お、置いていかないでくださぁい!!」
タタタタタ…
モノクマ『3、2、1…0~! はい、カラードドア【第一扉】閉鎖します!』
日向「二人とも大丈夫か?」
七海「うん」
弐大「うむ」
ゴゥゥン…
日向「【第二扉】が開いた…」
七海「それじゃ、入ろうか」
スタスタ…
弐大「ここは…【保健室】か?」
日向「どうして保健室が倉庫の先になんかあるんだ?」
七海「もしかしたら、さっきまでいた場所は【体育館】だったのかも。ほら『旧校舎』って言ってたし」
弐大「それにしてもおかしな場所にあるのう…」
七海「【超高校級】の生徒が通う学校だったから、部屋の配置が特殊なんだよきっと」
弐大「そういうモンか…?」
ゴゥゥン…
日向「!? と、扉が閉まっちまったぞ!? クソッ開かない…!」
弐大「落ち着け日向。奥にも扉がある。あそこから出るんじゃろう」
日向「ああ、本当だ……って、あの扉も閉まってるじゃないか!」
七海「扉の横の装置の表示が【LOCK】になってるね…」
日向「まさか…また謎を解いて、ここから脱出しろって事か…?!」
七海「そうだね…とにかく室内を調べてみよう」
弐大「そうじゃな。【ABルーム】とやらの【カードキー】があるかもしれんしの」
日向「ベッドの下にはなにもないか…そっちはどうだ?」
弐大「洗面台も特に変わったところはないな。蛇口から出てくるのもただの水道水だ。……鏡が顔が写らんほど汚れているが」
七海「水があるなら、しばらくはこの中に閉じ込められても大丈夫だね」
日向「ふっふざけるな! 俺は絶対にここから出てやるからな!」
七海「ただの冗談なのに……」
日向「冗談を言うなら、時と場所を選んでくれ!」
弐大「落ち着け日向。頭に血が上りすぎだぞ。それで七海、お前はどうだ?」
七海「うん。戸棚の中にエレベータにあった物と同じ金庫があったよ」
日向「それじゃあここから出る為の鍵は…」
弐大「その金庫の中にあるという事じゃな」
七海「入力方法は同じだけど……やっぱりエレベータのとはパスが違うみたい」
日向「そう簡単にはいかないか」
七海「次に見つけたのはこれ」
日向「それは……バインダーか? 何が挟まってるな」
弐大「どれ…これまた、エレベータの中にあった物と似たメモリーカードじゃな。後は…」
七海「何かの図が描かれた紙が一枚」
日向「何が描いてあるんだ?」
七海「『AとBを洗面器に一緒に入れてる絵』と『汚れた服を洗って綺麗にした絵』が描かれてる」
日向「AとBってなんだ…?」
弐大「さぁ…?」
七海「Aは戸棚の上の棚からAって書かれた薬品を見つけたよ」
日向「なんの薬品だ?」
七海「分かんないけど、粉を舐めてみたら苦かったよ?」
日向「なッなめ──!?」
弐大「がっはっは!! なかなか度胸があるのぅ七海よ!!」
七海「え?」
日向「もしそれがモノクマが用意した毒だったりしたらどうすんだ!!」
七海「……ごめんなさい?」
日向「ハァ……じゃあまずこの絵のとおり、Aの薬品を洗面器に入れよう」
弐大「洗面器なら、そこのテーブルに置いてあるぞ」
日向「よし、それじゃあこれを──ん?」
弐大「どうした?」
日向「洗面器の中にメスが入ってた」
弐大「メスゥ? 動物がいたのか?」
日向「いや動物の雌じゃなくて…手術とかで使うほうのメスだよ」
七海「それでどこかを切るのかも。ちょっと探してみてくれる?」
日向「ああ分かった」
サラサラ…
七海「よし、これで薬品の粉は全部入ったね」
弐大「なあ七海よ」
七海「なに? 弐大くん」
弐大「そのメモリーカードじゃが、もしかしたらここに差し込むのではないか?」
七海「どこ?」
弐大「この弩でけぇモニターの横じゃ。ここ、妙な隙間があるじゃろ?」
七海「……ああ、本当だ。これカードスロットだよ。お手柄だね弐大くん」
弐大「噴、こんな事他愛もないわ」
七海「それじゃ、挿しこんでみるよ」
カチッ
ブゥン…
弐大「おお、モニターが点いたぞ!」
七海「何か表示されてるね。なになに…?」
A=薬ビンに入った白い粉末
B=水
弐大「……これ、もしかすると」
七海「うん。さっきの絵のAとBの答えだね」
弐大「Aはやはり七海の見つけた薬で間違いないようじゃな。水ならそこの蛇口から出るぞ」
七海「ちょっと入れてみようか」
ジャアアアアア…
弐大「こんなもんか?」
七海「うん。後はかき混ぜて……」
弐大「なんじゃこりゃあ!? だんだんと泡立ってきおったぞ!!」
七海「……これ、洗剤みたいだね」
弐大「洗剤か! そりゃあ丁度いい! 実は服が汗で──」
七海「駄目だよ弐大くん」
弐大「無…」
七海「ねえ日向くん」
日向「なんだ? 切れそうなものはまだ見つかってないぞ?」
七海「どこかに汚れた布みたいのない?」
日向「布ー? ここにある布といえばベッドのシーツくらいだけど……ん?」
最初に調べた時には気づかなかったけど…ここだけ上から布が縫い付けられてるな。なんか汚いし…
日向「そうか、メスはここで使うんだな。よっと……」
日向「……よしとれた! 七海、もしかしてこの布か?」
七海「それじゃあそれをこの洗面器にいれて」
日向「なんだこれ? 泡立ってるけど」
七海「Aの薬品は洗剤だったんだよ」
日向「洗剤か…毒じゃなくてよかった」
日向「これを水に入れればいいんだな?」
七海「うん。それで濡らして擦ってみてくれる?」
日向「分かった」
ゴシゴシ…
弐大「おお、汚れがみるみるうちに、落ちてゆくな」
七海「…その布、何か書いてない?」
日向「え? なになに…?」
日向「【NRONP】…?」
弐大「なんじゃこりゃあ?」
七海「パスワード…かな?」
日向「でもこれ、金庫のじゃないよな。金庫のは記号を入力するやつだし」
七海「どこかにこれを入力するものがあるはず…皆で探そう」
日向「ああ!」
弐大「応ッ!!」
日向「なあ。この【AED】ってなんだ? もしかしてこれがパスワードを入力する奴か?」
弐大「いや、それは………なんていったかのう。何度か特訓に耐えられなかった選手に使っている所を見たんじゃが…」
七海「私も医療道具って事以外よく知らない。後で【超高校級の保健委員】の罪木さんに聞いてみれば?」
日向「そうだな…」
七海「それより、ここの診療台。ここになにか入ってるよ」
日向「どれ、そこもメスで切ってみよう」
ビリビリ…
日向「なんかキーボートみたいのが出てきたぞ」
七海「それにさっきのパスを入力してみてくれる?」
日向「えっと、【NRONP】…っと」
ブゥン
日向「なんだ?」
弐大「見ろ! モニターの表示が変わってるぞ!」
×☽×
×☀×
×☀×
七海「金庫のパスだね」
弐大「うぬぬぬぬ…! よし、覚えたぞぉ!!」
日向「俺も今度こそ覚えたぞ!」
七海「じゃあ今回は日向くんが入力してくれる?」
日向「分かった」
ポチポチポチ
カチッ
日向「よし!」
弐大「開いたようじゃな。それじゃあ早速中身をみるとしよう!」
ガチャッ
七海「なんか色々ごちゃごちゃ入ってるね」
日向「一枚ずつ見ていこう。一番上のこれは…」
弐大「地図じゃな。左上に1階と書いてある」
日向「次は…カードだ」
七海「同じものが2枚ある。これが【ABルームのカードキー】だね」
弐大「AMB…【アムビデエックスロオム】と書いてあるな」
日向「【アンビデックスルーム】だろ…」
弐大「だが何故2枚なんだ? こっちは3人だろう」
七海「3人だけど、私と日向くんはペアだから、きっと2人で1枚なんだよ。だから一枚は弐大くんが持ってて」
弐大「うむ、了解した」
日向「次のは小さいな。メモか」
日向「えっと…」
【ルールの補足】
一度開いた扉は、内側からでも外側からでも自由に開くことができるクマ。
【CD=カラードドア】も同様に、一度開けば何度でも出入りできるクマ。この時には色と人数制限も解除されるクマ
た・だ・し、CDの先にある部屋を抜けた後じゃないと、このルールは適応されないクマよ
出口を開ける前に来た道を戻るのは無理だから注意してね☆
日向「要するにこの部屋から脱出さえすれば、倉庫に戻れるんだな」
七海「残りは全部写真みたいだね」
弐大「どれ、見せてみい」
ペラッ
日向「………!?」
弐大「な、なんじゃこりゃああああああああッ!!?」
七海「………」
日向「ど、どうして……」
日向「どうして『ボロボロになった俺の家』が写ってるんだよッ!?」
弐大「どういう事じゃあああッ!? どうしてこんなモンが写ってるんじゃあ!?」
七海「………」
日向「この写真…これ…十神財閥じゃないか!? それがどうして崩壊してんだよ!?」
弐大「皆、ボロボロに崩壊してやがる…!!」
日向「そ、外で何があったんだよ…!? 早く出ないと…!!」
弐大「ワ、ワシもじゃ!? 一刻も早く脱出せんと───」
七海「落ち着いて」
日向「これが落ち着いていられるか!!」
弐大「そうじゃぞ、七海!!」
七海「この写真が本物って証拠ある?」
日向「あ………」
七海「考えるのは後にして、まずはここから脱出しよ? ね?」
弐大「あ、ああ……すまん、取り乱した…」
七海「ほら、金庫の中に鍵があった。これで出口の扉を開けられる…と思うよ」
日向「よ、よし! それじゃあすぐに開くぞ!!」
七海「うん」
弐大「頼むぞ!」
日向「1、2の…3!」
ガチャッ
日向「開いた! 行くぞみんな!!」
タタタタタ……
日向「ハァ…ハァ…」
七海「はあ…はあ…」
弐大「なんじゃお前さんら。だらしがないのう」
日向「ハァ…ハァ…わ、悪かったな…ふぅ…」
七海「それで…エレベータ…だね」
弐大「うむ」
日向「動くのか?」
弐大「分からん。スイッチを押してみよう」
七海「待って!」
弐大「無? どうした?」
七海「通路の向こうから誰かくる」
日向「何──!?」
タタタタタ…
朝日奈「ふぅ~走った走った」
K「この格好で走るのは、骨が折れますね」
罪木「ふぇぇええ~ん転んでしまいましたぁ~」
日向「朝日奈、 罪木、K…!」
朝日奈「あ、あれ? どうして…?」
タタタタタ…
葉隠「ふぃ~…ちょ、ちょっと休憩…」
小泉「はぁはぁ…だ、だらしないわね、男のくせに」
狛枝「あれ? どうして皆がここに?」
日向「それはこっちが聞きたいよ…」
七海「日向くん、さっきの部屋で見つけた地図、見せてくれる?」
日向「ん? ああ」
七海「……やっぱり。これ、あの3つのどの部屋から出ても同じ道に出るんだ」
朝日奈「それと同じ地図、【寮部屋】で私達も見つけたよ!」
日向「なに?」
葉隠「それだったら俺達も見つけたベ!【ラウンジ】で!!」
弐大「ふむ…ワシらが入ったのは【保健室】だったが…」
K「情報交換をする必要がありそうですね」
狛枝「待って。まずはエレベータを調べてからでも遅くないよ」
小泉「そうだね。それじゃ日向お願い」
また俺かよ…
─────
───
──
─
葉隠「なんだ、さっきまでいたとことほとんど変わんないべ」
罪木「でもちょっと違いますよぉ?」
罪木「エレベータを背にして、左手が【緑】…正面が【青】…右手が【赤】になってます…」
狛枝「さすが罪木さん! 素晴らしい観察眼だね!!」
朝日奈「このドアもカラードドアかな? ほら、同じ装置もついてるし」
七海「【LOCK】……先にはまだ行けないみたいだね」
弐大「噴…!! ……駄目じゃ。やはり力づくでは開きそうにない」
小泉「ねえ見て! バングルの残り時間が変わってる!」
日向「残り時間…?」
七海「ほら、左右のボタンの」カチッ
02:06
K「2時間…6分ですか」
葉隠「お、おいおい冗談だべ!? こんな狭いとこで2時間も待つってのか!?」
狛枝「仕方ない。一旦元の場所に引き返そう」
朝日奈「うん。【ルールの補足】によると戻れるらしいからね」
日向「え? お前達も知ってるのか?」
朝日奈「うん、【寮室】でこんなメモを見つけたよ」
狛枝「それならボク達も見つけたよ。金庫の中に入ってたんだ」
日向「なんか……『戻ってこい』と言われてるようで気持ち悪いな」
小泉「そうだね…」
K「きっとそうなんでしょう。そうでなければ【アンビデックスルームのカードキー】の意味がなくなります」
罪木「もしかして皆さんも…」
弐大「うむ。持っている」
葉隠「持ってるベ」
日向「俺達のも含めて6枚…丁度【体育館】にあったエレベータと同じ数だな」
狛枝「とにかく戻ろう」
葉隠「あんなクマに言いなりになるのは嫌だべ…」
小泉「だったらアンタだけ残ってても構わないけど?」
葉隠「そッそれは嫌だべ!!」
─────
───
──
─
モノクマ『あ、お帰り~』
日向「モノクマ…!!」
葉隠「やいモノクマ!! カバーズドアはクリアしたべ! さあ早く俺を家に帰すベ!!」
モノクマ『カラードドアね。それにBPを【9】以上にしないと駄目なんだって。次間違えたら【オシオキ】だよ?』
葉隠「いやあああああああッ!!!!」
モノクマ『それじゃ、さっき保留にしたBPを【9以上】にする方法を教えてあげるよ』
七海「まずはあの【ABルーム】に入ればいいんだよね? この【カードキー】を使って」
モノクマ『そう。場所は特に決まってないから、好きな場所に入ればいいよ。ただし【ペアバン】の人は同じ所に入ってね』
狛枝「それで? 部屋に入った後は?」
モノクマ『【アンビデックスゲーム】をするんだよ。部屋の名前にあるようにね』
葉隠「ていうか、【アンビデックス】ってなんだべ?」
K「おそらく『ambidexterity』の略だと」
朝日奈「……なんて?」
狛枝「『両利き』、『二心』、『二枚舌』…転じて、狡猾さや不誠実、裏切りといったニュアンスを含む名詞だね」
七海「ようするに『裏切りゲーム』ってことだね」
モノクマ『まあ『裏切り』…とはちょっと違うけど大体あってる』
小泉「それじゃ、ノナリーゲームってのは?」
モノクマ『それはこのゲーム全体のことを指した呼び方だよ』
罪木「【9】の扉を開いて脱出するまでを競うのが【ノナリーゲーム】…」
七海「その中で行われるミニゲームが…【アンビデックスゲーム】…」
モノクマ『そう!!』
弐大「なんだかややこしいのう」
葉隠「だべ」
モノクマ『それは単にキミ達が馬鹿なだけじゃない?』
葉隠「なんだt──」
モノクマ『【オシオキ】』
葉隠「なんでもありませんです!!」
小泉「情けない…」
モノクマ『それじゃ、話の続きは【ABルーム】の中でするから移動してね』
日向「えっとこの【カードキー】を……」
ピピッ
ゴゥウン…
七海「開いたね」
ゴゥン ゴゥン ゴゥン ゴゥン ゴゥン
日向「他の皆も開いたみたいだな」
七海「それじゃあ私達も入ろう」
日向「ああ」
モノクマ『アンビデックスゲートが開放されました! 投票の締め切りまで残り45分です!』
日向「このゲームにもタイムリミットが…?」
七海「投票って…なんの事だろうね?」
「う、うわぁああああああああああッ!!!!」
日向「なっなんだ!!?」
七海「葉隠くん達が入った、左端からだよ!!」
タタタタタ…
日向「どうした!? なにがあった!!?」
葉隠「ひっ人が…人が死んでるべ…!!」
なに…?
人が……死んでる?
葉隠「ほ、ほら…そこだべ…エレベータの…中…」
日向「………!!」
葉隠が指差したエレベータの中を見ると
そこには、俺達と同い年くらいの、奇抜な髪形の女が胸から血を流して倒れていた…
今日はここまでです
次回はまた書き溜めが溜まったときに
酉付けました
続き投下します
あれ、なんか酉が別の作者さんのとかぶってる
変更します
狛枝「息もないし、脈もない……それに…すでに冷たくなってるから……」
弐大「やはり……死んでるのか」
小泉「嘘…!」
狛枝「これ…自殺や事故でできた傷じゃないね」
罪木「そ、それじゃあこの人は殺されたっていうんですかぁ…!?」
七海「でも、凶器は見当たらないね…」
朝日奈「という事は……犯人がそれを持ち去ったって事?」
弐大「と、とりあえず保健室に運ぶぞ!!」
狛枝「うん。こんな所で女性の胸元を開けるのは失礼だからね」
日向「胸元…?」
狛枝「それじゃ罪木さん。検死をお願いできるかな?」
罪木「え、えぇえええッ!? わ、わたしですかぁ!?」
狛枝「うん。だって【超高校級の保健委員】でしょ? 検死くらいできるよね?」
罪木「そ、そうですけどぉ…」
狛枝「………」ニコニコ
罪木「わ、分かりましたぁ! やります! やりますから虐めないで下さいぃ!!」
─────
───
──
─
【保健室】
日向「…………」
狛枝「………」
モノクマ「いや~大変な事になったね」ヒョコッ
葉隠「うわぁああああああ本体ッ!?」
朝日奈「ヌイグルミがしゃべってる!?」
モノクマ「あーもうその反応飽きたから。『ザ・モノクマファイ……え? 今回はいらない?」
七海「一人でなに言ってるの?」
モノクマ「なんでもないよ。んもう目ざといなあ」
罪木「お、終わりましたぁ…あぅう…」フラッ
小泉「ちょ、ちょっと大丈夫!?」
罪木「す、すいませぇん…ちょっとフラッと来ちゃいましたぁ…」
狛枝「罪木さん。それでどうだった?」
罪木「は、はいぃ……やっぱり致命傷は胸元の刃物による刺し傷が原因で……即死だったと思います」
朝日奈「誰がそんなひどい事を……」
モノクマ「誰って、そりゃオマエラの中の誰かに決まってるでしょ?」
日向「な…」
七海「……!」
小泉「え…?」
狛枝「……」
葉隠「へ…?」
朝日奈「な…!」
罪木「あ…?」
K「………」
弐大「う、嘘を言うんじゃないぞッ!!」
モノクマ「ボクはここの管理人兼学園長だよ? 全ての物事を把握してるに決まってるじゃん」
モノクマ「そのボクが犯人──『【クロ】がこの中にいる』って言ってるんだよ?」
あの女子を殺した…犯人がこの中に…?
モノクマ「ちなみにあの殺された女子は【超高校級の軽音楽部】の【澪田伊吹】さんっていうんだ」
狛枝「そうか…どこかで見た顔かと思ったら…」
モノクマ「酷いよね。仲間になるはずだった人を殺すなんてさ。絶望的だよね」
小泉「け、K!! アンタがあの子を殺したんでしょ!!?」
K「どうしてそうなるのです?」
小泉「だって左端のエレベータから出てきたのはアンタと葵ちゃんでしょ!? それに葵ちゃんは外に出るまで気絶してたらしいじゃない!」
K「確かにそうですが……私達があのエレベータの中にいた時にはあの女性はいませんでした」
小泉「そんなの誰が信用できるっていうの!?」
七海「それにロックの問題もあるよね」
K「【天井のハッチから入れた】のでは?」
日向「……!」
日向「それは違うぞ!」
K「……どういう事です?」
日向「ハッチはモノクマが俺達にルールを説明している間に閉じたはずだろ!」
モノクマ「うん。そりゃあもうガッチリと」
狛枝「という事は、死体を中にいれる事は不可能…」
葉隠「や、やっぱりオメーが犯人じゃないか!! もしかして、俺達をここに閉じ込めたのもオメーか!?」
K「私が黒幕なら、どうして怪しまれるような真似をしないといけないんです?」
葉隠「そ、それは……」
狛枝「でも、確かに黒幕ならハッチだろうと正面の扉だろうといくらでも開きようがあるよね?」
弐大「どうなんだモノクマ! 誰がお前さんを操ってるんだッ!?」
モノクマ「ストップ、スト~~~~ップ!!」
モノクマ「今回は裁判もクロの指摘も黒幕を暴く必要もないの!!」
モノクマ「んもう、前作病は駄目だよ。そんなだからルール変更されたゲームでミスするんだよ。例えば2ではボタンを押しっぱなしとか」
七海「うっ…」ギク
モノクマ「今はこんな事よりも、【アンビデックスゲーム】の方が重要だよ!」
朝日奈「ひ、人が死んでるのに、『こんな事』って……」
モノクマ「ほらほら、のんびりしちゃっていいの? 投票の締め切りまでもう10分切っちゃってるんだよ?」
日向「な、なに?! もうそんなに経ってるのか!?」
モノクマ「もし投票に間に合わなかったら、その時は【オシオキ】されちゃうよ?」
狛枝「仕方ない。みんな、【体育館】に戻ろう!」
日向「あ、ああ!!」
タタタタタ…
─────
───
──
─
葉隠「な、なんか入るのは気が引けるべ…」
狛枝「さっきまで死体があった訳だしね」
葉隠「な、なあ日向っち、七海っち。場所交代してくれねーか?」
日向「なんでだよ! 俺だって嫌だよ!」
葉隠「後生だべ! もし中に幽霊がいてとりつかれでもしたら──!」
日向「そんなん聞いたら余計嫌だ!」
狛枝「ほら葉隠クン、時間もないし入った入った」グイグイ
葉隠「狛枝っちは平気なんか!? い、嫌だ! 助けて───!!」
七海「…入っちゃったね」
日向「他の皆も入ったようだし、俺達も入ろう」
七海「うん」
日向「ん…?」
七海「どうしたの?」
日向「見ろ。奥のATMに似た装置のモニターがついてる」
七海「またパスでも表示されてるのかな?」
日向「いや、違うみたいだ…」
アンビデックスゲームを開始します
投票を行う場合は画面内の下にある
【START】ボタンに触れて下さい
この時入口の扉は自動的に閉鎖されます
閉じた扉はこのラウンドが終了するまで
開放されないのでご注意して下さい
【START】
日向「なんだこれ…ラウンド…?」
七海「とりあえずスタートを押してみよっか」
日向「お、おい、ちょ、ま──」
ポチッ
ウィーン、ガコンッ…
日向「扉が閉まった……」
七海「みたいだね…」
モノクマ『よし、やっとそろったね。って、ちょっと葉隠くんうるさいよ。【オシオキ】するよ?』
日向「葉隠…?」
モノクマ『日向くん、他の部屋で葉隠くんがやいやい言ってるんだよ』
モノクマ『その部屋自体は完全な防音処置が施されてるから、オマエラには聞こえないだろうけどね』
モノクマ『まあ? 管理人兼学園長のボクには筒抜けだけど?』
日向「………」
モノクマ『それじゃ、さっそく説明を始めるよ』
モノクマ『このABゲーム──。ゲームである以上は、当然対戦相手がいることになるんだけど…』
モノクマ『別に、全員で戦うバトルロイヤル形式じゃないんだクマ』
モノクマ『一つ一つのラウンドは個人戦になってるクマ。まあ【ペアバン】は二人で一人扱いだけど』
モノクマ『だから、正確には『2対1』って事になるね』
モノクマ『さて、その対戦相手は誰なのかというと───七海さん、分かる?』
七海「……『さっきチームを組んで同じ扉に入った人』?」
モノクマ『そう! 対戦相手は『さっきチームを組んで同じ扉に入った人物』なんだクマ!』
モノクマ『例えば【日向クンと七海さん】は【弐大くん】と組んで【黄色】に入ったでしょ?』
モノクマ『したがって、日向くんと七海さんの敵は弐大くんってことになるんだ』
モノクマ『逆も同じ。弐大くんは日向くん七海さんペアと戦う事になる』
七海「同様に…Kと朝日奈さんの敵は罪木さん」
日向「狛枝と葉隠の敵は小泉…そういう事だな?」
モノクマ『そう。なかなか物分かりがいいね。一部を除いて…』
モノクマ『まあ『敵』って言い方はあんまり相応しくないかもね』
モノクマ『互いに【希望】を選べば『味方』にもなる訳で…』
日向「【希望】?」
モノクマ『あ、ごめんごめん。説明してなかったね。まずは奥のモニターに注目してもらえる?』
七海「モニターに…」
A:希望
B:絶望
モノクマ『【A:希望】【B:絶望】って表示されてるよね?』
モノクマ『オマエラがすることはただひとつ──【どちらかを選ぶこと】』
モノクマ『【A:希望】【B:絶望】って表示されてるよね?』
モノクマ『オマエラがすることはただひとつ──【どちらかを選ぶこと】』
モノクマ『その結果によって、オマエラの【BP=バングルポイント】は変動するんだクマ』
モノクマ『分かりやすいように表にまとめておいたから、確認してね』
【対戦相手】
<希望> <絶望>
【自分& <希望> +2 -2
モノクマ『例えば、自分が【希望】を選んで、対戦相手も【希望】を選んだ場合──』
七海「…互いにBPが【2点】ずつ増える…」
モノクマ『いいねぇ友情を感じるねえ』
モノクマ『次に、自分は【希望】を選んだのに、対戦相手が【絶望】を選んじゃった場合──』
日向「自分のBPが【2点】減って、逆に相手は【3点】増える…」
モノクマ『ひっどいねー殺されても文句いえないよねー』
モノクマ『3は今の逆』
モノクマ『自分は【絶望】を選んだのに、お人よしの対戦相手が【希望】を選んでくれちゃった場合──』
七海「自分に【3点】加点されて、相手は【2点】減る…んだね」
モノクマ『簡単に人を信用しちゃう奴が馬鹿なのさ。どこかのオチビさんみたいにね』
モノクマ『で、最後。4つめは一番最初に言った奴の反対』
モノクマ『自分も相手もどっちも【絶望】を選んだ場合──』
日向「どちらのBPも変わらない…か」
モノクマ『いっちばんつまんない展開だよねー。主にボクが』
モノクマ『ちなみに【ソロバン】も【ペアバン】の人も投じる事ができるのは一票だけ。人類皆平等だね』
モノクマ『一度だけしか選択できないから、押し間違いには注意してね』
モノクマ『あ、後。【ペアバン】はBP変動が半分になる訳じゃないから。例えば【2点】増えるときは二人とも【2点】増えるよ』
モノクマ『さて、以上で基本的な説明は終了だクマ。本当はもうちょっと言わないといけないんだけど…』
モノクマ『時間がなくなっちゃうし、ここでは割愛させてもらうよ。どうせ後1分くらいだしね』
モノクマ『という訳だから、ぼくは失礼させてもらうね。Have a nice trauma~!』
ブツン
日向「………」
七海「日向くん、時間がないよ」
日向「ああ…」
七海「ボタンはきみが押してくれる?」
日向「いいのか…?」
七海「うん。私だときっと迷っちゃうから」
日向「分かった。それで、どっちを押す?」
七海「私達の対戦相手は弐大くん…だったよね」
日向「あいつが【希望】を選ぶ保障はない。いい奴だとは思うんだが…信用しきれない」
日向「もし俺達が【希望】を選んで、あいつが【絶望】を選んだら……」
七海「私達のBPが【3点】から【2点】減点で【1点】になっちゃうね…」
日向「だから、どっちを選ぶ?」
七海「う~ん……日向くん、きみが決めていいよ」
日向「いいのか? 本当に?」
七海「うん。もし減点されるような事になっても、また後で挽回すればいいからね」
日向「後でって…いつの事だよ?」
七海「このゲームは最低でもあと2回は確実に行われるよ。だってそうじゃないと誰も【9点以上】になれないもん」
日向「なるほどな…」
ピンポンパンポーン
モノクマ『オマエラ、投票まで残り10秒です! とっとと決めやがってくださーい!!』
日向「じゅ、10秒!?」
七海「日向くん!」
日向「わ、分かってる!!」
どっちを選ぶ…?
【希望】か───?
【絶望】か───?
弐大はどっちを選ぶんだ───?
俺は───
希望
希望
皆いい人だなぁ…
続きは飯の後にします
対戦相手は場合によってやる時とやらない時があります
今回は初回ということで安価にしました
お待たせしました続き投下します
モノクマ『アンビデックスゲーム、第1ラウンド終了ー!!』
モノクマ『結果は体育館のスクリーンに表示されるよ!』
モノクマ『それじゃ、ゲートを開放するよ!』
ウィーン、ガコン…
七海「日向くん、【希望】にしたんだね」
日向「ああ。俺は弐大を信じることにした」
七海「うん、そうだね。それがいいよ」ニコッ
モノクマ『おーい! 日向くーん! 七海さーん! もう皆集まってるよー!』
七海「いこ?」
日向「ああ」
モノクマ『それじゃ、始めよっか』
モノクマ『アンビデックスゲーム第1ラウンド!! 結果はこのようになりました!!』
日向「………!」
七海「………」
弐大「………!」
狛枝「………」
葉隠「………!」
小泉「っ………!」
朝日奈「………!」
K「………」
罪木「ッ………」
PAIR SOLO
【日向 七海】 【弐大】
現BP:3 / 3 3
選択: 希望 希望
増減: +2 +2
結果:5 / 5 5
PAIR SOLO
【狛枝 葉隠】 【小泉】
現BP:3 / 3 3
選択: 絶望 希望
増減: +3 -2
結果:6 / 6 1
PAIR SOLO
【K 朝日奈】 【罪木】
現BP:3 / 3 3
増減: +3 -2
結果:6 / 6 1
うわ、かなりずれてる
修正します
PAIR SOLO
【日向 七海】 【弐大】
現BP:3 / 3 3
選択: 希望 希望
増減: +2 +2
結果: 5 / 5 5
PAIR SOLO
【狛枝 葉隠】 【小泉】
現BP:3 / 3 3
選択: 絶望 希望
増減: +3 -2
結果: 6 / 6 1
PAIR SOLO
【K 朝日奈】 【罪木】
現BP: 3 / 3 3
増減: +3 -2
結果: 6 / 6 1
PAIR SOLO
【日向 七海】 【弐大】
現BP: 3 / 3 3
選択: 希望 希望
増減: +2 +2
結果: 5 / 5 5
PAIR SOLO
【狛枝 葉隠】 【小泉】
現BP: 3 / 3 3
選択: 絶望 希望
増減: +3 -2
結果: 6 / 6 1
PAIR SOLO
【K 朝日奈】 【罪木】
現BP: 3 / 3 3
増減: +3 -2
結果: 6 / 6 1
日向「弐大、ありがとう俺達を信じてくれて」
弐大「なに、当然な事をしたまでだ!!」
七海「でも、他の皆は…」
弐大「うむ…」
小泉「二人とも、これはどういう事!?」
葉隠「だ、だって、こんなかには人殺しがいるんだべ!? 早く脱出しないと今度は俺が殺されるかもしれないべ!!」
狛枝「ごめん小泉さん……ボクが葉隠クンを止められなかったから…」
小泉「葉隠!! アンタの事はもう絶対に信用しないからね!!」
葉隠「上等だべ!! オメーが人殺しじゃないって保証もねえからな!!!」
小泉「ハァ!? なにいってるの! アタシが人を殺す訳ないでしょ!?」
葉隠「それこそ信用できないべ!」
狛枝「二人とも落ち着いて…」
罪木「そんな……」
朝日奈「あの……罪木ちゃん…」
K「すみません…このような結果になってしまって…」
罪木「いいんです……どうせ、わたしなんか……信用してもらえませんよね…わたしが悪いんです…」スタスタ…
朝日奈「あ……K、あんたの所為だからね! あんたが【絶望】を押したから……!」
K「『ジャンケンでどっちが押すか決めよう』と言ったのは朝日奈さん、貴方ですよ」
朝日奈「そうだけど…!」
日向「…………」
モノクマ『いやぁ~素晴らしいッ!! なかなかいい結果になりましたねェッ!!』
日向「ふざけるなよ…これのどこがいい結果だ!!?」
モノクマ『え? だって、これで次のラウンドはもっとスリリングになりそうじゃん?』
小泉「次のラウンドはいつ行われるの?」
モノクマ『それはオマエラ次第だよ。投票の受け付けは【ABルームの扉=ABゲート】が開いたときから始まるんだから』
罪木「もう開いてますけど…」
モノクマ『じゃあ閉めちゃおっか』
ゴゥン ゴゥン ゴゥン ゴウン ゴゥン ゴゥン
ピンポンパンポーン
モノクマ『アンビデックスゲートが閉鎖されました! 次のラウンドは【月の回】です!』
モノクマ『ゲートは【月のマーク】が記された【カードキー】によって開かれます!』
日向「月のマーク…?」
モノクマ『今回オマエラが使ったカードキーをよく見てみてよ。太陽が示されてるでしょ?」
七海「あ、本当だ…それじゃあこのカードはもう使えないんだね?」
モノクマ『そゆこと! 次は【月のマーク】がついた奴を探さないといけないのです!』
葉隠「で? ABゲームはあと何回やるんだべ?」
モノクマ『それもオマエラ次第。ABゲームは誰かが【9】の扉を開くまでやるよ』
狛枝「つまり、誰かが【9】以上になって扉を開けないかぎり…」
七海「このゲームは永遠に続く訳だね」
モノクマ『イグザクトリー!その通り!』
モノクマ『ちなみに、【9】の扉にはCDとは違って人数制限がないから、全員【9】以上になったら全員脱出できるよ』
モノクマ『そ・れ・とー。さっきは『CDの第二扉に入るには3人でチームを組まないといけない』的な事言ったけど…」
モノクマ『実際にはちょっと違うんだよね』
日向「どういう事だ…?」
モノクマ『バングルの組み合わせさえあってれば、第一扉と第二扉の間にあるスキャナーにちゃんと認識されるんだ』
モノクマ『いるのが一人だろうと二人だろうとね』
小泉「けど…そもそもこのバングルって外れるの?」
モノクマ『うん。ちゃーんと外れるよ』
葉隠「ど、どうすればいいんだべ!?」
モノクマ『方法は二つありまーす。ひとーつ。【9】の扉を開いて脱出すること』
モノクマ『ここからでれば、ロックは自動的に解除されるから』
葉隠「ふたつめは…!?」
モノクマ『二つ目は………死ねばいいんだよ』
小泉「しッ…」
弐大「死ぬじゃとォォオオッ!!!」
モノクマ『そのバングルは人間の生命反応で作動してるんだ。それが途絶えれば…ポロッっととれちゃう』
K「心臓が止まれば……ロックが解除されるんですね」
モノクマ『そういう事クマ』
狛枝「もしも、無理に外そうとしたり、破壊しようとしたら?」
モノクマ『そんときは【校則違反】と見なされて、【オシオキ】をうける事になる』
モノクマ『ああ、そうそう。運が良かったら…いや、悪かったら。次のラウンドで実際にバングルが外れるのを見れるかもよ?』
葉隠「おう! 俺のBPは【6】だから運が良かったら次で外れるべ!!」
小泉「……!」ギロッ
モノクマ『いや、そうじゃなくてね。次で誰かが死ぬかもしれないよって事』
葉隠「は…?」
モノクマ『そうだなぁ…死ぬとしたら、小泉さんか、罪木さんのどっちか。いや、全員って可能性もあるかな』
小泉「え…ど、どうして!?」
罪木「そうですよぉ!!」
モノクマ『あのね、BPが【0以下】になった人にも、【オシオキ】が科せられるんだ』
日向「な──なんだと…!?」
K「なるほど…小泉さんと罪木さんのBPは【1】…次のラウンドで【2点】引かれて【0点以下】になるのはこの二人だけって事ですね」
小泉「冗談じゃないわよ!! どうしてそんな大事な事を先に言わないのよ!」
モノクマ『ごめんちゃい☆』コツンッ
弐大「ルール説明くらいちゃんとせんかいッッッ!!」
七海「そうだね…正確なルールを教えないでゲームをするなんて、フェアじゃないからね」
モノクマ『フェアじゃん? 他の皆も知らなかったんだし?』
小泉「ふざけないでッッ!!」
モノクマ「あーもー。ごめんってば。以後気をつけるから」
日向「………」
俺は今の話をまとめてみた
・ABゲームは誰かが【9】の扉を開くまで続けられる
・【9】の扉に人数制限はない。全員で脱出する事も可能
・CDの第二扉は正しい組み合わせのバングルさえあれば開く
・バングルのロックは、ここから脱出するか、心臓が停止することによって解除される
・BPが【0以下】になると、【オシオキ】が作動する
モノクマ『オマエラが次に開くCD、分かる?』
七海「さっきのエレベータの先にあったやつでしょ?」
モノクマ『そうそう。あれもバングルを【紫色・黄色・水色】にする必要があるんだけど…オマエラ、もう持ってるんだよね』
朝日奈「え?」
モノクマ『ちょっとバングルを確認してもらえる?』
罪木「あ…」
朝日奈「色が変わってる───!」
モノクマ『オマエラがABゲートから出た時に変えておきましたー』
日向「俺のバングルの色も【赤】から【紫】に変わっている…!!」
朝日奈「あ、アタシのも…同じ【紫色】になってるよ…」
狛枝「ボクのも【紫】……ってアレ? 変わってるのは色だけじゃないみたいだね。【ペア】から【ソロ】になってる」
モノクマ『そう、【ペア】と【ソロ】の種類も少しいじらせてもらいました! 色とペアの区別はランダムで変わってるからね』
罪木「わたしのは【黄色】で…【ペア】になってます…」
七海「私も【黄色】だけど…【ペア】のままだね」
狛枝「それじゃあ【黄色】の【ソロ】は?」
葉隠「俺だべ」
小泉「アタシも変わらず【ソロ】で…【水色】ね」
弐大「ワシは【水色】の【ペア】じゃな」
K「それじゃあ私は弐大さんと【ペア】ですね」
モノクマ『えーっと、それじゃあ確認するよ。【紫】は?」
日向「【ペア】は俺と朝日奈だ」
狛枝「【ソロ】はボクだね」
モノクマ『それじゃあ【黄色】」
七海「私と罪木さんが【ペア】」
葉隠「俺が【ソロ】だべ」
モノクマ『最後に【水色】」
K「私と弐大さんが【ペア】ですね」
小泉「アタシが【ソロ】ね」
モノクマ『おっけ~おっけ~! それじゃ、ぼくはこれで消えるね。頑張ってね! Have a nice tragedy~!』
ブツッ
日向「………」
狛枝「第一開放まで後どれくらい?」
朝日奈「えっと…後、30分くらい」
日向「まだ結構あるな…」
七海「そうだ。それじゃあ今のうちに他の人が開いた部屋を探索しようよ」
葉隠「そうだな! もしかしたら別に出口があるかもしれないべ! 皆で協力すればきっと見つかるベ!」
小泉「よく言うわよ……千秋ちゃん、蜜柑ちゃん、気をつけてね! 第2ラウンドの時、絶対に【希望】を選んじゃ駄目だよ!?」
小泉「特に蜜柑ちゃん! アンタはBPが【1】なんだからね!」
罪木「は、はいぃ…」
葉隠「何をいうべ! 俺は罪木っちと七海っちを絶対に見捨てないべ! 絶対に【希望】を押すベ!」
小泉「だから信用できないんだって! アタシを殺そうとしたくせに!!」
葉隠「あ、あれはルールを知らなかったから……」
ギャーギャー!!
狛枝「凄い…互いの希望がぶつかりあって更に輝きを増してるよ…」ハアハア
何言ってんだコイツ…
七海「……それじゃあ集合はCDの第一扉の開く5分前に、場所は同じくCDの第一扉の前でね」
日向「分かった」
ここまでにします
結果発表のときに何度もミスしてすみませんでした
次以降は気をつけます
続き投下します
【ラウンジ】
葉隠「おう、日向っち」
罪木「ふゆぅ…日向さぁん」
日向「ここを調べたのは、確か狛枝と葉隠と小泉だったよな?」
葉隠「そうだべ」
日向「何かなかったか?」
葉隠「何かかぁ……あ! そうだべ!」
日向「なんだ?」
葉隠「なんかうまそうな酒があったべ! 日向っちも飲むか?」
日向「い、いや…俺はいい…未成年だし」
罪木「あのぅ…未成年の飲酒は身体に大きな影響を与えてしまうので…よした方がいいと…思いますぅ…」
葉隠「俺は成人してるから問題ないな! それじゃあ飲むベ!」キュポン
三浪してるとはいえ、仮にも高校生だろお前……
日向「……他にはないのか?」
葉隠「ソファの座り心地がいいべ」
日向「はあ…もういい。分かった」
パサッ
日向「ん? おい葉隠、なにか落ちたぞ」
葉隠「ああコレ? 特に面白いモンじゃないべ」グビ
日向「罪木、とってくれるか」
罪木「は、はぃい、どうぞ」
日向「これは…【希望ヶ峰学園本科生入学パンフレット】?」
葉隠「ああ。希望ヶ峰学園に来る前に嫌なほど目を通したべ」
日向「俺のとこにこんなの来てたっけかな…?」
葉隠「つまらない事しか書いてないから、覚えてないのも無理はないべ」
日向「そういうもんかな…?」
日向「そういえば、罪木達は【寮部屋】を調べたんだっけ。なにかなかったのか?」
罪木「そうですねぇ……【動物の飼育方法】に関する事が書かれた本と……なんだかよく分からないノートがありました」
日向「なんだかよく分からないノート…?」
罪木「あぅ…直接見てもらったほうがいいと思いますぅ…」
─────
───
──
─
【寮部屋】
日向「『破壊神暗黒四天王はカタフトロフの時にこそその真価を発揮する。そしてまたそれも因果律の定め』──なんだこりゃ」
罪木「ふゆぅ…日向さんでも分かりませんかぁ…」
日向「他のページは…」
ペラッ
『あの女が冥界から暗黒物質を持って出向いてきた。放っておくと滅びの雨を降らせるやもしれん』
『仕方ない、不本意ではあるが世界を救ってやる事にするか…』
日向「……訳も分からんしこれ以上見るのはやめて、外に出よう」
ガチャッ
日向「しかしこれは【寮部屋】…というより【キャビン】に近いな」
罪木「言われてみればそうですねぇ」
日向「ひぃふぅみぃ…うわ、16部屋もある」
罪木「左右に8部屋ずつになってますぅ」
朝日奈「あ、日向に罪木ちゃん。調べに来たの?」
日向「ここに入ったのはお前と罪木とKだったか。こんなに部屋が多いのによく俺達とほぼ同時に脱出できたな」
朝日奈「ううん。ほとんどの扉がロックかけられてるみたいなんだ」
日向「そうなのか?」
罪木「はい…開くのはさっきの部屋も含めて4つでしたぁ…」
日向「なるほど…ところで、どこかに外に出られそうな穴とかはなかったのか?」
朝日奈「ううん。なかったよ」
罪木「人どころか、ネズミが入れそうな穴すらありませんでしたぁ…」
日向「そうか…」
朝日奈「それでも、まだ調べ残しがあるかもしれないから、弐大に調べてもらってるんだけど…」
日向「弐大はどの部屋に?」
朝日奈「あそこだよ。日向から見て右から2番目」
日向「おーい、弐大。なにか見つかって────」
弐大「ぬぐおおおおおおおおおおおおおおッッッッッ!!!!!」バンッ!!!
日向「ぐはぁッ!?」ガンッ
罪木「日向さぁん!?」
朝日奈「ちょ、ちょっと弐大、何かあったの!?」
弐大「…じゃ」
朝日奈「へ?」
弐大「糞じゃああああああああああ!!!! 糞が漏れるぞおおおおおおおおおおおおッ!!!」
「「「ハァッ!?」」」
弐大「ぬぐおおおおおおおおおおトイレはどこじゃあああああああッ!!!!」
ドドドドドドドド……
日向「いたたた…どうしたんだアイツ…」
朝日奈「さあ…?」
罪木「わ、わたしちょっと見てきますねえ!」
日向「お、おう」
朝日奈「頼んだね」
罪木「はいっ!」
タタタタ…
日向「……そうだ、朝日奈。聞きたい事があったんだ」
朝日奈「ん? なに? 好きなドーナツの味とか? そうだな~…」
日向「いや、違う。その……お前と葉隠の事なんだが」
朝日奈「あ~…」
日向「最初から知り合いっぽかったけど…どういう関係なんだ?」
朝日奈「へ!? それって私が葉隠と付き合ってるかって事!? ないない!絶対にありえないよ!」
日向「別にそういう事を聞いてる訳じゃないんだが…それじゃあ質問を変えよう」
日向「お前、目が覚めたときに『また』って言ってたよな。あの時は思い出せなかったみたいだったが」
朝日奈「あ~それか…」
日向「何か思い出してないか? お前は前にもこんな事を経験してるのか?」
朝日奈「それは……その……ごめん。まだ思い出せないんだ」
日向「そうか…」
まぁ、俺もまだ自分の才能を思い出してない訳だしな…
朝日奈「実はそれと別にもう一つ、思い出せない事があるんだ」
日向「なんだ?」
朝日奈「葉隠といつ、どこで知り合ったのかも…思い出せないんだ」
日向「……そりゃあまあ、付き合いが長くなればそうだろ」
朝日奈「ううん。少なくとも前通ってた高校も含めて、アイツと同じ学校になった事はないし、会った事もないよ」
日向「うーん、それだけじゃなんとも言えないな。本当にただ忘れてる事もあるだろうし」
朝日奈「でも、本当にいつ知り合ったんだろ? いくら私でもあのウニ頭は凄く印象に残るし…」
日向「まあそれは後にしようぜ。今は脱出する事を考えよう」
朝日奈「そうだね。もしかしたら葉隠が覚えてるかもしれないし! 私ちょっと葉隠に聞いてくるね!」
タタタタタ…
日向「話聞いてたか…? 仕方ない。俺も移動しよう」
【保健室】
狛枝「やあ、日向クン」
日向「ここはお前だけか?」
狛枝「ううん。ついたての向こうに小泉さんと七海さんがいるよ。それと…」
日向「ああ…例の殺された希望ヶ峰の女生徒か」
狛枝「うん…」
日向「そういえば狛枝。お前、あの女子の名前を聞いたときに『見た顔かと思ったら』って言ってたけどどういう事だ?」
狛枝「え? 日向クン『放課後ボヨヨンアワー』って曲知らない? 澪田伊吹さんはそのガールズバンドで活動してたんだよ?」
日向「そうなのか? 家ではいつも勉強してたから、そういうのには詳しくないからなぁ…」
狛枝「へえ。日向クンって見かけによらずガリ勉だったんだね。体系的にいつも運動してるかと思ってたよ」
日向「そりゃ運動も人並みにやってたけど…」
狛枝「それにしても、【希望】の象徴の一人だった澪田伊吹さんの姿をこんな形で見る事になるなんて…悲しいよ」
日向「狛枝…」
そうか。狛枝は他の誰よりも【超高校級の才能】に興味を持ってたみたいだから、ショックも倍なんだな…
狛枝「でも、あれはきっと他の【希望】が更に高みを、輝きを増すために必要な犠牲だったんだね!」ニコッ
日向「………」
日向「は?」
狛枝「見たでしょ? あの死体が発見されてから、みんな何としてでもここから脱出しようと更に必死になってる」
日向「あ、ああ…確かにな…」
狛枝「一人の死という【絶望】で、複数の生きる【希望】が輝く…ああ、なんて素晴らしいんだろう」
日向「狛枝…お前、何言って…」
必要な…犠牲だって?
狛枝「あ、そうだ日向クン。必要だったらボクを殺しても構わないよ」
日向「は…!?」
狛枝「それで更にみんなの【希望】が更に輝くのなら…ボクは喜んでみんなの踏み台になるよ…」
日向「ふ、踏み台って…?」
狛枝「こんなクズで生まれた事が間違いなボクがみんなの──【希望】の踏み台になれるなんて、嗚呼、ボクはなんて【幸運】なんだろう…」
日向「ちょ、ちょっと待てよ…お前がさっきからなにを言ってるのかさっぱり───」
狛枝「それじゃボクは他のところを見てくるよ」
日向「おい待てって──!!」
スタスタスタ…
日向「……………」
ここまでです
次で第2ラウンドくらいまでいく予定です
修正版と続きを少し投下します
モノクマ『オマエラが次に開くCD、分かる?』
七海「さっきのエレベータの先にあったやつでしょ?」
モノクマ『そうそう。あれも開けるには組み合わせを【赤色・青色・緑色】にする必要があるんだけど…」
モノクマ『オマエラ、バングルを確認してください!!』
小泉「え?」
罪木「あ…」
朝日奈「色が変わってる───」
モノクマ『オマエラがぼくの話を聞いてる間に変えておきましたー』
日向「俺のバングルの色が【赤】から【紫】に変わっている…!!」
朝日奈「あ、アタシのも…同じ【紫色】になってるよ…」
狛枝「ボクのも【紫】……ってアレ? 変わってるのは色だけじゃないみたいだね。【ペア】から【ソロ】になってる」
モノクマ『そう、【ペア】と【ソロ】の種類も少しいじらせてもらいました!』
罪木「わたしのは【黄色】で…【ペア】になってます…」
七海「私も【黄色】で…【ペア】のままだね」
狛枝「それじゃあ【黄色】の【ソロ】は?」
葉隠「俺だべ」
小泉「アタシも変わらず【ソロ】で…【水色】ね」
弐大「ワシは【水色】の【ペア】じゃな」
K「それじゃあ私は弐大さんと【ペア】ですね」
モノクマ『えーっと、それじゃあ確認するよ。【紫】は?」
日向「【ペア】は俺と朝日奈だ」
狛枝「【ソロ】はボクだね」
モノクマ『それじゃあ【黄色】」
七海「私と罪木さんが【ペア】」
葉隠「俺が【ソロ】だべ」
モノクマ『最後に【水色】」
K「私と弐大さんが【ペア】ですね」
小泉「アタシが【ソロ】ね」
モノクマ『おっけ~おっけ~! それじゃ、ぼくはこれで消えるね。頑張ってね! Have a nice tragedy~!』
ブツッ
日向「………」
狛枝「第一扉が開放されるまで後どれくらい?」
朝日奈「えっと…後、30分くらい」
日向「まだ結構あるな…」
七海「そうだ。それじゃあ今のうちに他の人が開いた部屋を探索しようよ」
葉隠「そうだな! もしかしたら別に出口があるかもしれないべ! 皆で協力すればきっと見つかるベ!」
小泉「よく言うわよ……蜜柑ちゃん、気をつけてね! もし葉隠と組んだら絶対に【希望】を選んじゃ駄目だよ!?」
小泉「罪木ちゃんはBPが【1】なんだからね!」
罪木「は、はいぃ…」
葉隠「何をいうべ! 俺は罪木っちを絶対に見捨てないべ! 絶対に【希望】を押すベ!」
小泉「だから信用できないんだって! アタシを殺そうとしたくせに!!」
葉隠「あ、あれはルールを知らなかったから……」
ギャーギャー!!
狛枝「凄い…互いの希望がぶつかりあって更に輝きを増してるよ…」
何言ってんだコイツ…
七海「……それじゃあ集合はCDの第一扉の開く5分前に、同じくCDの第一扉の前でね」
日向「分かった」
【ラウンジ】
葉隠「おう、日向っち」
罪木「ふゆぅ…日向さぁん」
日向「ここを調べたのは、確か狛枝と葉隠と小泉だったよな?」
葉隠「そうだべ」
日向「何かなかったか?」
葉隠「何かかぁ……あ! そうだべ!」
日向「なんだ?」
葉隠「なんかうまそうな酒があったべ! 日向っちも飲むか?」
日向「い、いや…俺はいい…未成年だし」
罪木「あのぅ…未成年の飲酒は身体に大きな影響を与えてしまうので…よした方がいいと…思いますぅ…」
葉隠「俺は成人してるから問題ないな! それじゃあ飲むベ!」キュポン
三浪してるとはいえ、仮にも高校生だろお前……
日向「……他にはないのか?」
葉隠「ソファの座り心地がいいべ」
日向「はあ…もういい。分かった」
パサッ
日向「ん? おい葉隠、なにか落ちたぞ」
葉隠「ああコレ? 特に面白いモンじゃないべ」グビ
日向「罪木、とってくれるか」
罪木「は、はぃい、どうぞ」
日向「これは…【希望ヶ峰学園本科生入学パンフレット】?」
葉隠「ああ。希望ヶ峰学園に来る前に嫌なほど目を通したべ」
日向「俺のとこにこんなの来てたっけかな…?」
葉隠「つまらない事しか書いてないから、覚えてないのも無理はないべ」
日向「そういうもんかな…?」
日向「そういえば、罪木達は【寮部屋】を調べたんだっけ。なにかなかったのか?」
罪木「そうですねぇ……【動物の飼育方法】に関する事が書かれた本と……なんだかよく分からないノートがありました」
日向「なんだかよく分からないノート…?」
罪木「あぅ…直接見てもらったほうがいいと思いますぅ…」
─────
───
──
─
【寮部屋】
日向「『破壊神暗黒四天王はカタフトロフの時にこそその真価を発揮する。そしてまたそれも因果律の定め』──なんだこりゃ」
罪木「ふゆぅ…日向さんでも分かりませんかぁ…」
日向「他のページは…」
ペラッ
『あの女が冥界から暗黒物質を持って出向いてきた。放っておくと滅びの雨を降らせるやもしれん』
『仕方ない、不本意ではあるが世界を救ってやる事にするか…』
日向「……訳も分からんしこれ以上見るのはやめて、外に出よう」
ガチャッ
日向「しかしこれは【寮部屋】…というより【キャビン】に近いな」
罪木「言われてみればそうですねぇ…」
日向「ひぃふぅみぃ…うわ、16部屋もある」
罪木「左右に8部屋ずつになってます」
朝日奈「あ、日向に罪木ちゃん。調べに来たの?」
日向「ここに入ったのはお前と罪木とKだったか。こんなに部屋が多いのによく俺達とほぼ同時に脱出できたな」
朝日奈「ううん。ほとんどの扉がロックかけられてるみたいなんだ」
日向「そうなのか?」
罪木「はい…開くのはさっきの部屋も含めて4つですぅ…」
日向「なるほど…ところで、どこかに外に出られそうな穴とかはなかったのか?」
朝日奈「ううん。なかったよ」
罪木「はい…人どころか、ネズミが入れそうな穴すらありませんでしたぁ…」
日向「そうか…」
朝日奈「それでも、まだ調べ残しがあるかもしれないから、弐大に調べてもらってるんだけど…」
日向「弐大はどの部屋に?」
朝日奈「あそこだよ。日向から見て右から2番目」
日向「おーい、弐大。なにか見つかって────」
弐大「ぬぐおおおおおおおおおおおおおおッッッッッ!!!!!」バンッ!!!
日向「ぐはぁッ!?」ガンッ
罪木「日向さぁん!?」
朝日奈「ちょ、ちょっと弐大、何かあったの!?」
弐大「…じゃ」
朝日奈「へ?」
弐大「糞じゃああああああああああ!!!! 糞が漏れるぞおおおおおおおおおおおおッ!!!」
「「「ハァッ!?」」」
弐大「ぬぐおおおおおおおおおおトイレはどこじゃあああああああッ!!!!」
ドドドドドドドド……
日向「いたたた…どうしたんだアイツ…」
朝日奈「さあ…?」
罪木「わ、わたしちょっと見てきますねえ!」
日向「お、おう」
朝日奈「頼んだね」
罪木「はいっ!」
タタタタ…
日向「……そうだ、朝日奈。聞きたい事があったんだ」
朝日奈「ん? なに? 好きなドーナツの味とか? そうだな~…」
日向「いや、違う。その……お前と葉隠の事なんだが」
朝日奈「あ~…」
日向「最初から知り合いっぽかったけど…どういう関係なんだ?」
朝日奈「へ!? それって私が葉隠と付き合ってるかって事!? ないない!絶対にありえないよ!」
日向「別にそういう事を聞いてる訳じゃないんだが…それじゃあ質問を変えよう」
日向「お前、目が覚めたときに『また』って言ってたよな。あの時は思い出せなかったみたいだったが…」
朝日奈「ああ、その事か…」
日向「何か思い出してないか? お前は前にもこんな事を経験してるのか?」
朝日奈「それは……その……ごめん。まだ思い出せないんだ」
日向「そうか…」
まぁ、俺もまだ自分の才能を思い出してない訳だしな…
朝日奈「それと別にもう一つ、思い出せない事があるんだ」
日向「なんだ?」
朝日奈「葉隠といつ、どこで知り合ったのかも…思い出せないんだ」
日向「……そりゃあまあ、付き合いが長くなればそうだろ」
朝日奈「ううん。少なくとも前通ってた高校も含めて、アイツと同じ学校になった事はないし、会った事もないよ」
日向「うーん、それだけじゃなんとも言えないな。ただ本当に忘れてる事もあるだろうし」
朝日奈「でも、本当にいつ知り合ったんだろ? いくら私でもあのウニ頭は凄く印象に残るし…」
日向「まあそれは後にしようぜ。今は脱出する事を考えよう」
朝日奈「そうだね。もしかしたら葉隠が覚えてるかもしれないし! それじゃ、私葉隠に聞いてくるね!」
タタタタタ…
日向「話聞いてたか…? 仕方ない。俺も移動しよう」
【保健室】
狛枝「やあ、日向クン」
日向「ここはお前だけか?」
狛枝「ううん。ついたての向こうに小泉さんと七海さんがいるよ。それと…」
日向「ああ…例の殺された希望ヶ峰の女生徒か」
狛枝「うん…」
日向「そういえば狛枝。お前、あの女子の名前を聞いたときに『見た顔かと思ったら』って言ってたけどどういう事だ?」
狛枝「え? 日向クン『放課後ボヨヨンアワー』って曲知らない? 澪田伊吹さんはそのガールズバンドで活動してたんだよ?」
日向「そうなのか? 家ではいつも勉強してたからそういうのには詳しくないからなぁ…」
狛枝「へえ。日向クンって見かけによらずガリ勉だったんだね。体系的にいつも運動してるかと思ってたよ」
日向「そりゃ運動も人並みにやってたけど…」
狛枝「それにしても、【希望】の象徴の一人だった澪田伊吹さんの姿をこんな形で見る事になるなんて…悲しいよ」
日向「狛枝…」
そうか。狛枝は他の誰よりも【超高校級の才能】に興味を持ってたみたいだから、ショックも倍なんだな…
狛枝「でも、あれはきっと他の【希望】が更に高みを、輝きを増すために必要な犠牲だったんだね!」ニコッ
日向「………」
日向「は?」
狛枝「見たでしょ? あの死体が発見されてから、みんな何としてでもここから脱出しようと更に必死になってる」
日向「あ、ああ…確かにな…」
狛枝「一人の死という【絶望】で、複数の生きる【希望】が輝く…ああ、なんて素晴らしいんだろう」
日向「狛枝…お前、何言って…」
必要な…犠牲だって?
狛枝「あ、そうだ日向クン。必要だったらボクを殺しても構わないよ」
日向「は…!?」
狛枝「それでみんなの【希望】が更に輝くのなら…ボクは喜んでみんなの踏み台になるよ…」
日向「ふ、踏み台って…?」
狛枝「こんなクズで生まれた事が間違いなボクがみんなの──【希望】の踏み台になれるなんて、嗚呼、ボクはなんて【幸運】なんだろう…」
日向「ちょ、ちょっと待てよ…お前がさっきからなにを言ってるのかさっぱり───」
狛枝「それじゃボクは他のところを見てくるよ」
日向「おい待てって──!!」
スタスタスタ…
日向「……………」
00:07
日向「さて……」
朝日奈「あ、日向。そろそろ時間だよ」
日向「ああ、移動しようか」
タタタタタ…
─────
───
──
─
【CD前】
葉隠「二人とも遅いべ!」
日向「悪いな」
狛枝「でもよかった。遅れたら大変だからね」
日向「あ、ああ……」
朝日奈「……?」
弐大「ぬ、ぐぉ…お…」
七海「ねえ大丈夫?」
弐大「うぐ……どうやら、腹を下した、ようだ…」
罪木「一応、【保健室】にあった薬を飲んだから大丈夫だと思うんですけどぉ…」
小泉「…………」
狛枝「ねえ、小泉さんはどうして黙ってるの?」
小泉「……そりゃ黙るわよ。あんな写真を見せられたら…」
日向「写真? ああ、金庫の中に入ってた……」
朝日奈「でも、あれが本物とは限らないんでしょ?」
小泉「そうなんだけど………」
K「小泉さんは【超高校級の写真家】なのですから、あれが加工か分かるのではないですか?」
小泉「どうだろう…最近の技術は馬鹿にできないから、はっきりとは…」
K「そうですか…」
ウィーン…
日向「あ、【第一扉】が…」
ピンポンパンポーン
モノクマ『カラードドアが開放されました! 5分以内に【第一扉】に入り、【第二扉】を開放してください!』
七海「………さて、誰がどのCDに入るか。決めないといけないね」
葉隠「えーっと。組み合わせはどうなんだべ?」
狛枝「それじゃあ、今回もボクから説明するよ」
狛枝「組み合わせ数は前回と同じ三つになる」
パターン1
【紫ペアの日向クン・朝日奈さん】と【水ソロの小泉さん】が組んで【青の扉】を開く
【水ペアの弐大クン・K】と【黄ソロの葉隠クン】が組んで【緑の扉】を開く
【黄ペアの七海さん・罪木さん】と【紫ソロのボク】が組んで【赤の扉】を開く
パターン2
【紫ペアの日向クン・朝日奈さん】と【黄ソロの葉隠クン】が組んで【赤の扉】を開く
【水ペアの弐大クン・K】と【紫ソロのボク】が組んで【青の扉】を開く
【黄ペアの七海さん・罪木さん】と【水ソロの小泉さん】が組んで【緑の扉】を開く
パターン3
【紫ペアの日向クン・朝日奈さん】と【紫ソロのボク】が組んで【緑の扉】を開く
【水ペアの弐大クン・K】と【水ソロの小泉さん】が組んで【赤の扉】を開く
【黄ペアの七海さん・罪木さん】と【黄ソロの葉隠クン】が組んで【青の扉】を開く
モノクマ『カラードドア閉鎖まで後3分でーす!』
日向「それじゃあどうやって組む?」
小泉「さっきは時間がなかったから仕方なかったけど、できれば女の子が固まってるところがいいわ」
狛枝「つまり、七海さん罪木さんペアがいいってこと?」
七海「パターン2だね」
小泉「あ、ちょっと待って! やっぱり日向と葵ちゃんのペアと組みたい」
七海「パターン1?」
小泉「うん。だって蜜柑ちゃんのBPも【1】だから…」
葉隠「ちょ、ちょっと待つベ! それじゃあ俺はKと組む事になるんか!? そんなん絶対嫌だべ!」
K「どうしてですか?」
葉隠「それはお前が第一ラウンドで【絶望】を選んだからだべ! 弐大は具合悪そうで役に立ちそうにないし!」
K「それは貴方もでしょう」
葉隠「俺が役立たずって事かぁ!?」
K「そうではなく…」
狛枝「まあまあ、ここはまた日向クンに決めてもらおうよ」
日向「また俺!?」
小泉「日向!」
葉隠「日向っち!」
日向「お、俺は───」
1【水ソロの小泉】と組んで【青の扉】に入る
2【黄ソロの葉隠】と組んで【赤の扉】に入る
3【紫ソロの狛枝】と組んで【緑の扉】に入る
多数決で一番多い所にします
続きは学校から帰ってきた後に
すいません遅くなりました
続きを投下します
日向「俺は小泉と組む」
小泉「本当!? ありがとう日向!」
日向「ああ。朝日奈もいいよな?」
朝日奈「うん。小泉ちゃんなら大歓迎だよ」
狛枝「日向に朝日に真昼…あはは、なんだかポカポカしそうな面子だね」
ほっとけ…
狛枝「よろしくね七海さん、罪木さん」
七海「こちらこそ」
罪木「あの…迷惑にならないように頑張りますぅ」
葉隠「嫌だー!! こんなごっつい野郎二人と一緒なんて嫌だー!!」ズルズル
K「ほら時間がないんですから、とっとと扉に入って下さい。弐大さんも行きますよ」
弐大「お、応……ふぐッ」ギュゴルルルル
モノクマ『閉鎖まで後10秒どえーッす!!』
日向「さあいくぞ! 朝日奈! 小泉!」
朝日奈「うんッ!」
小泉「いわれなくとも!」
タタタタタ…
モノクマ『さーん、にーい、いーち…ぜろー!! カラードドア【第一扉】閉鎖しまーす!』
日向「ふう、ギリギリだった…」
朝日奈「見て、扉が三枚ある」
小泉「どれに進めばいいんだろう?」
日向「どっちも何も…全部ロックされてるぞ?」
モノクマ「説明しよう!」ヌッ
小泉「ひゃあ!?」
モノクマ「そこに、レバーのついた装置があるじゃろ?」
日向「これか。真ん中の扉の前にあるやつ」
モノクマ「それを下げてみ? そんじゃねー」
日向「……?」
ガコンッ
ピコンッ、ゴゥゥン…
朝日奈「扉が開いたね。真ん中のやつだけだけど…」
小泉「どうやら、『こっちへ進め』という事らしいわね」
日向「とにかく行ってみよう」
スタスタ…
日向「【保健室】の次は【治療室】か…俺の入る部屋は医療関係ばっかりだな…」
朝日奈「弐大がこっちに来たらよかったのにね。お腹壊してたみたいだし」
日向「それより罪木が来た方が色々分かりそうだが…」
小泉「それだと千秋ちゃんと蜜柑ちゃんが葉隠と組まないといけなくなるでしょ!?」
日向「そ、そうだったな…悪い」
小泉「全く…」
葉隠、嫌われてるな……
朝日奈「そ、それよりもさ! 早速入ってみようよ!」
小泉「うん。そうだね」
ゴゥゥン…
日向「やっぱり、俺達が入ってきた扉は閉められるのか…」
小泉「とりあえず室内を調べてみようよ。前と一緒ならどこかに開ける手掛かりがあるはずだし」
日向「ああ」
朝日奈「それじゃあまず、初めにあの奥のなんだけど…」
日向「なんだ、あの棺みたいなのは」
小泉「説明書きがあるよ。えっと…【TREATMENT POD】って書いてる」
日向「【治療用のポッド】か。本当になんでもありだな…」
朝日奈「これに入れば弐大のお腹も治りそうだね」
日向「アイツの体格で入るかな…? まあ、なるべく早めに開放してやろう」
小泉「そうね。漏らされても困るし」
日向「これは…時計みたいだな。針がないみたいだけど…」
小泉「まだおかしい所が3つあるよ。まずは文字盤の6のところ、緑色に発光してる物がある」
日向「本当だ。でもガラスのカバーで覆われてるからとれないな…」
小泉「どこかにそのロックを外す為の仕掛けがあるはずよ」
日向「ん、もしかして時計の左側にある鍵穴に鍵を入れればいいのか」
小泉「それが二つ目。その隣──時計の右側を見てみて」
日向「赤と緑に塗り分けられた溝がふたつ…カードスロットか」
小泉「それが最後よ。全く、こんなにおかしい所があるのに針しか気づかないなんて。男子なんだからしっかりしてよね!」
日向「お、おう…すまん」
日向「大きなモニターもやっぱり点いてない。それと今回はカードスロットもなしか…」
日向「その隣の絵画は…モノクマにそっくりなウサギの絵…? 悪趣味だなぁ」
日向「ん? 左目のところに穴があいてるな…」
朝日奈「うーん、うーん!…やっぱ駄目だぁ」
日向「朝日奈。なんかあったか?」
朝日奈「うん。この観葉植物なんだけど…うーん! ハァ、やっぱり抜けない…」
日向「どうした?」
朝日奈「幹のところになにか刺さってるんだけど抜けなくて…」
日向「どれ、俺がやってみよう。ん、結構がっちりハマってるな…ふんッ!!」
朝日奈「頑張って!」
日向「ぬ、ぐ、おおおおおお…! ハァ…駄目だ…」
朝日奈「それじゃあ、そこの枯れてる奴にも刺さってるんだけど、そっちは?」
日向「ま、待て……今は…無理…もう握力が…」
朝日奈「それじゃあとりあえず保留だね…」
日向「ここには【治療用ポッド】が三つ並んでるな。【1号ポッド・2号ポッド・3号ポッド】か」
日向「えっと、ポッドのカバーを開けるには、このハンドルかな…」
ガコンッ
日向「【3号ポッド】には何も入ってないな。【2号ポッド】は…」
ガコンッ
日向「…ん? なんだこれ」ヒョイ
日向「小さい鍵か…もしかして時計のかな? よし、後で確かめてみよう」
日向「最後の【1号ポッド】は…」
ガコンッ
日向「あれ? こっちも鍵が入ってる。さっきのとこっち…どっちなんだろう」
小泉「ねえ日向。そもそもこれって動くの?」
日向「さあ? えっと操作パネルはこれか」ポチ
日向「『メンテナンス中』…? 【1号ポッド】は使えないのか。他のはどうだ?」
小泉「【2号ポッド】もメンテナンス中みたい。【3号ポッド】は…使えるみたいだけど…」
日向「どうしたんだ?」
小泉「起動するには【起動用チップ】を入れないと駄目みたい」
日向「脱出の鍵とメモリーカードに加えて【起動用チップ】も探さないといけないのか…どんどん面倒になってくな…」
朝日奈「………」ジー
日向「……朝日奈? なにやってんだ?」
朝日奈「え!? い、いや別に水槽の魚が美味しそうだなって思ってた訳じゃないよ!?」
思ってたのか…
日向「ん? なんか一匹だけ変なクラゲがいないか?」
朝日奈「え? あれ、本当だ。クラゲの中に赤い円形のパネルが入ってるね」
日向「赤い円形のパネルか…とれるか?」
朝日奈「やってみる。あ、でも水槽に鍵がかかってるよ」
日向「鍵…? 二本持ってるけど、どっちかで開くのかな?」
カチッ
日向「お、開いた。やっぱり一本はこれの鍵だったか」
朝日奈「よっと…うひゃあクラゲがヌルヌルする!」
日向「大丈夫か?」
朝日奈「だ、大丈夫だけど……凄い気持ち悪い…うぅ」
チャプンッ
朝日奈「…とれたよ。はい」
日向「お、おう…悪いな…」
朝日奈「うん……ああ、ヌルヌル…」
日向「パネルはひとまず置いといて…まずは鍵を片付けるか」
カチッ
日向「よし、ガラスのカバー外れたな。えーと…緑に発光してる物を…」
日向「『NO3』って書かれたチップか…ん? チップ?」
日向「あ、もしかして!!」
タタタタタタ
小泉「わぁ!? な、なに日向!?」
日向「あの時計に入ってた緑色に発光してた物が取れたんだが、もしかしてこれ、【起動用チップ】じゃないか!?」
小泉「ええ!? ちょ、ちょっと貸して!」
小泉「モニターの色が変わった…やっぱりこれ【起動用チップ】だよ! お手柄だね日向!」
日向「それより、なにか文章が表示されてるぞ」
小泉「えーと…『本起動の前に試運転を行う必要があります。次の2つの試験を必ず実施して下さい』だって」
日向「その試験って?」
小泉「『植物の治療実験』と『植物の冷凍実験』…だってさ」
日向「植物…植物か」
朝日奈「ねえ日向ー。そろそろ握力回復したー?」
日向「……!」
日向「そうか分かったぞ!」
小泉「え?」
日向「朝日奈、小泉! 観葉植物を持ってきてくれ! 二つともだ!」
小泉「え、うん分かった!」
─────
───
──
─
朝日奈「持ってきたよ」
日向「よし、まずは枯れた方を【治療用ポッド】に入れてくれ」
朝日奈「了解だよ!」
ガコン、コト
日向「カバーを閉めてくれ」
ガコン
アナウンス『自動識別モード…診断モードを作動します』
小泉「動いた!」
日向「やっぱり…!」
アナウンス『これより、植物の治療を開始します』
ウィィィィィィン……チーン
アナウンス『治療試験が終了しました。ポッドを開放します』
ガシュー…
朝日奈「わぁ…!」
小泉「凄い…あんなに枯れてた植物が活き活きとしてる」
日向「ああ…。よし、この植物をどかしてくれ。次の試験をするから」
小泉「うん」
ポロッ
小泉「? 何か植物から落ちたよ?」
日向「これは…幹に突き刺さってた物か。治療の時に異物として出されたのかもしれない」
朝日奈「これ、メモリーカードだね。赤色の」
小泉「あ、それもしかして時計の奴じゃない?」
日向「きっとそうだろうな。だがそれを時計に差し込む前に、もう一つの試験を終わらせちまおう」
日向「よし、いれてくれ」
小泉「入れたよ」
ガコン
アナウンス『自動識別モード…診断モードを作動します』
日向「よしっ…」
アナウンス『これより、植物の冷凍を開始します』
ウィィィィィィン……チーン
アナウンス『冷凍試験が終了しました。ポッドを開放します』
ガシュー…
朝日奈「今度はカチコチだね」
日向「カチカチっつーより、ガチガチだな」
朝日奈「ほら、はっぱもパリパリ。パリパリ…パリパリ…」
バキンッ!
朝日奈「ひゃあ!?」ビクッ
小泉「葵ちゃん、大丈夫!?」
朝日奈「う、うん…」
日向「あーあ…植物が粉々になっちまった。片付けるぞ」
朝日奈「ご、ごめん…」
日向「まあいいか…どうせ動かそうとしてもこうなっただろうし…ん?」
小泉「また何か落ちてるよ。緑色のメモリーカードだね」
日向「試運転も終わったし、これで赤と緑の二つのメモリーカードが揃った訳だな」
朝日奈「それじゃあ、この【治療用ポッド】はもう使えるんだね?」
日向「どうした? お前どこか悪いのか?」
朝日奈「いや、特に病気って訳じゃないけど…肩がこって仕方ないんだよねー」
そりゃあそんな立派なモン持ってればな…
小泉「日向…?」ギロ
日向「ゴホンゴホン! 朝日奈、止めとけ。間違ってカチカチに冷凍されでもしたらどうすんだ?」
朝日奈「う…それは嫌かも」
日向「よし、メモリーカードを入れに行こう」
カチ、カチ
日向「入れたぞ。何か起きたか? 時計の針が出てきたとか」
朝日奈「いや、時計には何も変化ないけど…」
小泉「見て! モニターに何か表示されてる!」
日向「なに!?」
×××
☀××
×☆☆
日向「これは…金庫のパスだ!」
小泉「それじゃあこれを金庫に入力すれば出られるんだね!?」
日向「ああ!」
朝日奈「でも…肝心の金庫が見つからないよ」
小泉「あ……」
日向「さ、探せ! どこかに必ずあるはずだ!」
朝日奈「うん!」
─────
───
──
─
小泉「全然…見つからないよ…?」
朝日奈「本当にあるの…?」
日向「おかしいな…あるはずなんだけど…」
ポロッ
小泉「日向、ポケットから何か落ちたよ? 円形のパネル」
日向「あ。そ、そうだ忘れてた!!」
小泉「へ?」
日向「このパネルをこの絵画の目の部分に入れて…!」
ズズズズズズ…
朝日奈「絵が動いて金庫が出てきた!」
日向「やっぱり…!」
小泉「ひ~な~た~…」
日向「は、はは…悪い。よし、入力するぞ」
ポチポチポチ
カチッ
日向「よし! 開いたぞ!」
朝日奈「中にはなにが入ってるの?」
日向「今確認する。えーっと…?」
ガチャッ
小泉「な、なんか物騒な物が入ってない?」
日向「銃みたいだけど……違うみたいだ。どうやらこれは注射銃みたいだな」
朝日奈「注射銃?」
日向「ああ。先の針を刺して、トリガーを弾くんだ」
朝日奈「へえ~」
小泉「それで装填されてる薬品はなに?」
日向「えっと……すまん分からん。詳しい訳じゃないからな…」
小泉「そっか。後で蜜柑ちゃんに聞いてみよう。他には?」
日向「後は紙ばっかりだな。えっと…これは地図だな。この階のみたいだ」
朝日奈「さっきの別の部屋で手に入れたのと合わせて二枚目だね」
日向「次、これは……【ABゲームのカードキー】だな」
朝日奈「月のマークが描いてるね」
日向「ああ。小泉はソロだから一枚持っててくれ」
小泉「……うん」
日向「次は…紙きれだな。読むぞ」
【ルールの補足~ABゲーム編~】
ABゲームのあるラウンドにおいて、
対戦相手となるペアバン・ソロバンの双方が【未投票】のまま締め切り時刻を迎えてしまった場合、
その双方には【オシオキ】は科せられますクマ
言い換えると、ペアバン・ソロバンの両者のうち
【少なくともどちらか一方は、必ず投票を行わなければならない】
ってことになるクマ
日向「つまり、3人全員で投票を棄権する事はできないって事だな」
朝日奈「でも、片方だけが投票したらどうなるんだろう?」
小泉「さあ…?」
日向「最後に…よし、これが出口の鍵だな」
小泉「それじゃ早速開けようよ!」
朝日奈「もう窮屈で仕方ないよ!」
タタタタタ…
日向「よし、開くぞ。 1、2の…3!」
ガチャッ
日向「開いた! 行くぞみんな!!」
モノクマ『アンビデックスゲートが開放されました! 投票締め切りまで、残り45分です!』
朝日奈「は…?」
日向「どういう事だ…?」
小泉「どういう事って、別のチームの誰かが、ABルームを開けたに決まってるでしょ!?」
朝日奈「誰がそんな…」
小泉「きっと葉隠の奴よ!!」
日向「と、とにかく一旦出口から出て、【体育館】に引き返そう!!」
朝日奈「あれ、ちょっと待って!!」
日向「どうした!?」
朝日奈「ポッドのモニターの表示が変わってるの!」
日向「なに!?」
朝日奈「ほら、『最近の稼働記録』ってなってる!」
日向「本当だ…変わってるのは【1号ポッド】と【2号ポッド】か」
朝日奈「「えっと…どっちも『10時間前──収容者を搬出』になってる」
日向「10時間前まで、ここに二人入れられてたって事か…!?」
朝日奈「私達以外にも、この建物に誰かいるの…?」
日向「それとも俺達9人の誰かがこの中に入ってたか…」
小泉「そんな事はいいから早く移動しようよ!」
日向「あ、ああ!!」
タタタタタタタ…
日向「ここは…【体育館】か?」
朝日奈「えっとさっきの地図によると…ここは【第二体育館】みたい」
日向「校舎の中に二つも体育館があるのか…」
小泉「ねえみんな、あれって、もしかして…」
日向「三枚の扉が白く光ってる…カラードドアだな。恐らく、次はあそこに進むんだろう」
朝日奈「いままでの事を考えると…そうなんだろうね」
日向「特に調べる事はないし、急いで【体育館】に戻ろう」
小泉「ええ!」
朝日奈「うん!」
─────
───
──
─
【体育館】
小泉「ちょっと! 一体どういう事なの!!」
七海「あ、日向くん、朝日奈さん、罪木さん」
狛枝「よかった、間に合ったんだね!」
日向「俺達が最後なのか」
罪木「は、はい。最初に戻って来たのはわたし達なんですけど…」
狛枝「Kと葉隠クンもここに戻って来たと思ったら、葉隠クンが一目散にABルームの中に…」
小泉「やっぱりアイツが…!!」ギリッ
七海「Kは既にABルームの中に入ってるよ。私達もはやく入ろう」
日向「待て、弐大は?」
狛枝「弐大クンなら、今はトイレだよ。あれは当分出られそうにないね…」
日向「それって大丈夫なのか…?
七海「『片方だけが投票したら、投票しなかった方は強制的に【希望】にされる』んだってモノクマが言ってたよ」
狛枝「ていうか、弐大クンはKがいるから心配はいらないんだよ」
日向「そ、そうなのか…」
七海「それじゃ、私達もABルームに入っちゃうね。いこ、罪木ちゃん」
罪木「は、はいぃ」
狛枝「じゃあね皆」
日向「それじゃあ、俺達も入るか」
小泉「ね、ねえ日向…」
日向「ん? なんだ?」
小泉「次のABゲーム……【希望】に投票してくれないかな…?」
日向「え…?」
小泉「お、お願いね!」
タタタタタタ…
日向「お、おい小泉!」
朝日奈「小泉ちゃん、様子がおかしかったね…」
日向「ああ…」
【ABルーム】
日向「…………」
アンビデックスゲームを開始します
【START】ボタンに触れて下さい
この時入口の扉は自動的に閉鎖されます
閉じた扉はこのラウンドが終了するまで
開放されないのでご注意して下さい
【START】
ウィーン、ガコンッ…
朝日奈「あのさ日向…」
日向「どうした? お前が押すか?」
朝日奈「いや、それは日向が押していいよ」
日向「そうか。それじゃあなんなんだ?」
朝日奈「そうじゃなくて…日向はどっちを押すの?」
日向「ああ……」
小泉のBPは【1】……
俺のBPは【5】……
朝日奈のBPは【6】……
どっちを選ぶ…?
【希望】か───?
【絶望】か───?
小泉はどっちを選ぶんだ───?
俺は───
小泉:>>250
日向&朝日奈:>>250
今日はここまでです
続きは書きためが溜まったらになります
てか、更新する度ミスしてんな俺…
ちょっと安価近かったか
日向&朝日奈:>>260
に変更します
希望
希望しかない
10先はさすがに遠かったか…
少しだけ続き書きます
モノクマ『アンビデックスゲーム、第2ラウンド終了ー!!』
モノクマ『結果は体育館のスクリーンに表示されるよ!』
モノクマ『それじゃ、ゲートおーぷん!』
ウィーン、ガコン…
モノクマ『それじゃ、始めよっか』
モノクマ『アンビデックスゲーム第2ラウンド!! 結果はこのようになりました!!』
日向「………!」
朝日奈「……!」
小泉「………」
七海「………」
罪木「……ッ」
狛枝「………」
葉隠「……!!!」
K「………」
PAIR SOLO
【日向 朝日奈】 【小泉】
現BP: 5 / 6 1
選択: 希望 絶望
増減: -2 +3
結果: 3 / 4 4
PAIR SOLO
【七海 罪木】 【狛枝】
現BP: 5 / 1 6
選択: 絶望 絶望
増減: ±0 ±0
結果: 5 / 1 6
PAIR SOLO
【弐大 K】 【葉隠】
現BP: 5 / 6 6
増減: ±0 ±0
結果: 5 / 6 6
小泉「二人とも…ごめん」
やっぱり、小泉は【絶望】を選んだか…
日向「いいさ…小泉のBPは【1】だった。【絶望】を選ぶしかなかったんだろ?」
小泉「うん…二人を信用してなかった訳じゃないんだけど…」
日向「だから気にするなって。仕方なかったんだ」
朝日奈「そうだよ小泉ちゃん! 私と日向のBPが【1】になった訳じゃないだからさ!」
日向「ああ」
小泉「……本当にありがとう…」
葉隠「K! どうして【絶望】を選んだんだべ!」
K「貴方が【絶望】を押すと分かってて、私が【希望】を押すと思いますか?」
葉隠「それじゃあ日向っち達のとこはどうなんだべ!? 小泉っちだって【絶望】を押すって分かってたようなもんだべ!」
K「あの結果は恐らく、日向さん達がBPが【1】だった小泉さんを救う為に【希望】を押したからでしょう」
K「小泉さんを追い詰めたのは葉隠さん、貴方自身ですよね?」
葉隠「く…」
K「しかし、意外だったのは七海さん達のところですね…」
葉隠「ん、ああ…」
七海「狛枝くん……どうして【絶望】を押したの?」
狛枝「…………七海さん達こそ、どうして?」
七海「私達が【絶望】を選んだのは、小泉さんと同じ理由。BPが【1】の罪木さんがいたから」
罪木「うゆぅ…すみません…わたしのBPが【1】だったから…」
七海「けど、狛枝くんのBPは【6】。今回で減っても【オシオキ】される事はない」
七海「だから…狛枝くんには悪いと思ったけど【絶望】を選んだの」
狛枝「…………」
七海「狛枝くんも黙ってないで答えてくれるかな? どうして【絶望】を?」
狛枝「それは…」
七海「先に言っておくけど、『焦って間違えた』は駄目だよ? 前回と違って、時間はたっぷりあったはずなんだから」
狛枝「……………ねえ、七海さん、罪木さん」
七海「なに?」
罪木「な、なんですかぁ…?」
狛枝「人が一番輝くときって……どんな時だと思う?」
七海「なに言って──」
狛枝「ボクはね。人は『命のやりとり』をする時に、一番輝くと思ってる」
罪木「命の…やりとりって…?」
狛枝「追い詰めて、追い詰められて…殺して、殺されて…」
狛枝「そんな【絶望】を乗り越えてこそ、人はより強く希望を輝かせると考えてるんだよ!」
狛枝「ボクはみんなの希望が輝くのに、少しでも協力してあげたいんだ……」
七海「……それが【絶望】を選んだ動機?」
狛枝「そうだよ?」
七海「そんな事で、罪木さんを殺しかけたの?」
狛枝「全ては【絶対的な希望】の為……こんな所で終わってしまうなら、所詮その程度の希望だったって事だよ…」
七海「狛枝くん…キミは…」
狛枝「あ、でも、もしボクのBPが【9以上】になっても、脱出するつもりはないよ」
罪木「ど、どうしてですかぁ…?」
狛枝「だってボクが生き残ったって仕方ないでしょ? それだったらここに残って、キミ達の輝きを見ていたいんだよ…」
七海「……そう。それがキミの本性だったんだね」
ここまでです
今日中に続きを投下できるか分かりませんが、早めに投下したいと思います
お久しぶりです
少しですが続き投下します
ありゃ西間違えた
日向「狛枝…」
あいつはやっぱり…あれが本当の…
ウィーン、ガコンッ…
モノクマ『アンビデックスゲートが閉鎖されました!』
モノクマ『アンビデックスゲーム、第3ラウンドは【星の回】です!』
モノクマ『ゲートは、【星のマーク】が記された【カードキー】で開錠されます!』
K「次は【星の回】…ですか」
朝日奈「ねえみんな、バングルを確認しない?」
七海「そうだね。色と種類を確かめておかなきゃ。私は【水色のペア】」
日向「えっと、俺は【赤のソロ】だ」
小泉「アタシは…【青のソロ】」
葉隠「俺は【黄色のペア】だべ」
朝日奈「私は【紫のペア】だよ」
罪木「わ、わたしは【黄色のペア】ですぅ…」
K「私のバングルは【緑のソロ】ですね」
狛枝「ボクは七海さんと同じ【水色のペア】だね」
狛枝「はは、また七海さんと一緒なんだ! よろしくね」
七海「………」
狛枝「あれ、もしかして嫌われちゃった?」
小泉「冗談じゃない!! 蜜柑ちゃんと葉隠が一緒なんて!!」
葉隠「ハァ!? どういう事だべ!!」
K「落ち着いて下さい二人とも」
朝日奈「あれ? 私ペアなんだけど、相手がいないよ?」
罪木「えと、朝日奈さんとペアの方は、ここにいない弐大さんだと思いますぅ」
朝日奈「あ、そっか!」
日向「朝日奈と弐大が【紫のペア】で、罪木と葉隠が【黄色のペア】、七海と…狛枝が【水色のペア】か」
K「残りの三人はいずれも【ソロ】。色は私が【緑】、小泉さんが【青】、日向さんが【赤】ですね」
朝日奈「それじゃあ、次の組み合わせはどうなるの?」
小泉「次に開かれるCDは多分、さっき脱出した部屋の先にあった【白の扉】だと思うんだけど…」
狛枝「ああ、それならボク達も見たよ。ねぇ罪木さん?」
罪木「ふぇ!? は、はい!!!」
狛枝「それで今回の組み合わせだね。えっと──」
パターン1
【黄ペアの罪木さん・葉隠クン】が【青ソロの小泉さん】と組んで【白の扉】を開く
【紫ペアの朝日奈さん・弐大クン】が【緑ソロのK】と組んで【白の扉】を開く
【水ペアの七海さん・ボク】が【赤ソロの日向クン】と組んで【白の扉】を開く
狛枝「…………」
朝日奈「…………えっ、終わり!? パターン2と3は!?」
狛枝「無いよ? 今回はこの組み合わせ以外じゃ【白の第2扉】は開けられないんだ」
小泉「悪夢だよ……葉隠と組まないといけない上に、対戦相手に蜜柑ちゃんがいるなんて」
罪木「す、すいませぇん! 不快でしたかぁ!? なんでもするからゆるしてくださぁい!!」
小泉「そ、そうじゃないの! 悪いのは全部葉隠だよ!!」
葉隠「はぁ~~~~ッ!!? それは聞き捨てならないべ!」
朝日奈「だからやめなって二人とも!」
K「私はまた朝日奈さんとですか…」
朝日奈「え?あぁうん、そうだね…対戦相手だけど…」
K「……朝日奈さん。私は次こそ、必ず【希望】を選びます」
朝日奈「え?」
K「小泉さんと葉隠さんを見て感じました……やはりこのゲームは皆で信じあわないといけない」
朝日奈「K…」
K「最も、既に【絶望】を選んで罪木さんを追い詰めた私の言うことなど、信じて貰えないでしょうが…」
朝日奈「……ううん! 私は信じるよ!! Kの言う事!!」
K「朝日奈さん…」
狛枝「また七海さんと組めて、しかも日向クンも一緒だなんて! ボクはついてるよ!」
日向「…………」
狛枝「日向クン?」
日向「……悪い、少し気分が悪いんだ。頭も痛いし…」
七海「確かに顔色が悪いね。キャビンで少し休んだら? 【白の第1扉】が開放されるまでかなりあるし」カチッ
06:13
日向「6時間もあんのか……それじゃあ言われたとおりキャビンで休むよ」
七海「一人で大丈夫?」
日向「ああ、そこまで酷くは──グッ」ズキッ
狛枝「日向クン、やっぱりボクがついてくよ」
日向「……いや、大丈夫だ…」フラ
─────
───
──
─
【キャビン】
日向「ぐっ……」ズキズキ
頭痛、だんだん酷くなってくるな……
日向「少し眠れば、良くなるかな…」
スタスタ、ボスッ
日向「………」
ベットで横になり目を閉じると、俺の意識はすぐに遠のいていった───
───よーしゲームリセットでちゅねー!
───こうして世界はループしていくんだね
───【永遠に続く楽園のゲーム】なんて楽しそう」
───しばらくこうしてんのもいいかもな…
───坊ちゃん懸命な判断ですよ
───よかったー忘れられずにすんだー
───はい、忘れるわけないじゃないですか
───これで江ノ島も消えたし…
───よーしパーティでもしようぜ
───だったら腕をふるっちゃうっぺー!
───ならばBGMは澪田にまかせるっす
───トレーニングのカリキュラムも用意したぞー
───俺の美技に酔いしれるか?
───ねぇ、記念に写真撮ってあげようか?
───怪我をしたらわたしにいってくださいね
───僕は自己紹介からした方がいいかな?
───ははは、今更かよっ
───違うよ。皆はゲームなんかじゃないでしょ?
───ツマラナイ
七海「日向くん!!」
日向「ッ!?」
七海「早く起きて!」
日向「あ、ああ…悪い。もう時間か…?」カチ
00:53
七海「違うの。いいから早く!!」
日向「……何かあったのか?」
─────
───
──
─
【治療室】
日向「みんな!!」タタタタ
朝日奈「あ、日向……」
K「日向さん…」
罪木「う…ひっく……日向さぁん……」
日向「何が起きたんだ……?」
弐大「…見れば分かる」
日向「───!!?」
そこには、自らが吐いたであろう血で白い床を汚した、小泉が横たわっていた…
ここで終了です
次回の更新はもう少し長めにします
続き投下します
日向「小泉……!!?」
死んでる…のか…?
日向「そんな…どうして…」
朝日奈「小泉ちゃん、この中の誰かに殺されたってモノクマが…」
日向「殺された…!?」
誰に…? まさか澪田伊吹を殺した奴に…?!
狛枝「…凶器は恐らく、そこに転がってる注射銃だね」
日向「それ…俺と朝日奈と小泉が入った部屋の金庫に入ってた…」
狛枝「うん、話は聞いてるよ。それに中身のこともね」
日向「中身も…? なんの薬品かって事か?」
朝日奈「うん…その注射銃に装填されてた薬品……毒だったんだ」
日向「ど、毒!?」
罪木「はいぃ…そうなんですぅ。この毒は少しでも体内に入れると───」
弐大「その説明はもうたくさんじゃあ。 頭が痛くなる!!」
七海「簡単に言うと、少しでも体内に入ると死んじゃう毒…って事だよ」
日向「毒殺……」
狛枝「…もしかして日向クン、罪木さんが犯人だと思ってる?」
日向「え!?」
罪木「日向さん、わたしを疑ってるんですかぁ!?」
日向「ち、ちがッ…! 確かにあれが毒かどうか分かるのは罪木くらいだから、可能性は高いと思ったけど…!!」
罪木「ふぇええ~ん! やっぱり疑ってるじゃないですかぁ~!!」
狛枝「あーあ。日向クン、泣かせちゃだめだよ」
七海「日向くん。毒の説明をしてもらったのは小泉さんが殺される前だよ」
日向「そうなのか…?」
朝日奈「うん。日向が休んでる間、残りの皆で他の部屋を探索してその時に……」
K「その時には小泉さんもいました」
日向「それじゃあ、注射銃に装填されてる薬品が毒だって知ってたのは、俺以外の全員って事か…」
狛枝「ねぇ日向クン。キミ、さらっと自分を犯人候補から外してるよね?」
日向「え? そりゃそうだろ。俺は今までずっと寮室で寝てたんだから」
狛枝「それ、証明できる?」
日向「しょ、証明って……お前まさか俺を疑ってるのか!?」
狛枝「日向クンも罪木さんを疑ったよね」
日向「そ、それは事情を知らなかったから……!!」
狛枝「ボク達も同じだよ。キミが本当にずっと寝てたのか…ボク達は知らないんだ」
日向「だ、だからって……な、七海! 俺は確かに寝てたよな!?」
七海「うん。確かに寝てた、けど…」
狛枝「もしかしたら小泉さんを殺した後に眠ったのかもしれないよね」
日向「ッいい加減にしろ狛枝!! 俺が小泉を殺す訳ないだろ! 殺すつもりだったらABゲームで【絶望】を選んでた!」
朝日奈「そっそうだよ! もしそうなら、【BP】を減らしてまで【希望】を選ばなかったよ!」
狛枝「う~ん……そうだね。よく考えればそうだね!」
日向「分かったか…?」
狛枝「それじゃあ、誰が小泉さんを…」
弐大「そういうのは後にして、まずは小泉をどうにかしてやらんか? このままじゃあんまりだ…」
日向「ああ、そうだな…」
日向「そういえば葉隠の姿が見えないな」
七海「葉隠くんなら、小泉さんを見てすぐにどっかに行っちゃった」
日向「そっか…」
コツ
日向「ん…?」ヒョイ
七海「それは小泉さんのバングルだね…」
日向「そうか……小泉が死んだから、外れたのか」
七海「………そうだね」
日向「罪木」
罪木「は、はいぃ…?」
日向「葉隠はいないから、お前が持っててくれ。次のCDを開けるのに必要だから…」
罪木「あ…分かりましたぁ」
日向「それじゃあ小泉を運ぼう」
【保健室】
七海「………」
狛枝「………」
朝日奈「………」
K「………」
弐大「………」
罪木「………」
日向「小泉……くそっ…!」
助けられたと思ったのに…!!
ゴゥゥンッ
日向「!!」
葉隠「………」
朝日奈「葉隠! アンタいままでどこに──」
葉隠「ち、近寄るんじゃねぇ!!」バッ
罪木「メ、メスゥ!?」
葉隠「誰も近づくんじゃねぇべ!!」ブンブンッ
朝日奈「あぶな…!」
K「葉隠さん、メスを置いて下さい!」
日向「お、落ち着け葉隠!!」
葉隠「こんな状況で落ち着いてられるか!!」
七海「まずいね…錯乱してる」
葉隠「この中にABルームで死んでた女と小泉っちを殺した犯人がいるんだべ!そんな奴らと一緒になんか過ごせるかってんだ!!」
狛枝「それ、推理小説とかじゃ部屋で殺されるお約束のパターンだね」
葉隠「ふ、ふざけんじゃねェ!!! 俺は死なねぇぞ!!」バッ
日向「ば、馬鹿! 更に興奮させてどうする!!」
狛枝「あは、ごめん」
葉隠「わ、分かったべ!! オメーら全員グルなんだな!?」
日向「なに言って……!?」
葉隠「ここに閉じ込めたのも、あの女を殺したのも、小泉っちを殺したのもオメーら全員なんだべ!! あ!? そうなんだろ!?」
弐大「無駄じゃあ…聞く耳もたん。ここはワシが──」
K「いえ、相手は刃物を持っています。ここは私がいきましょう」スッ
葉隠「く、来るんじゃねぇ!!!」ブンブン
K「………」スタスタ
葉隠「来るなっつってんだ!! 刺すぞ!!」
ベキンッ!
K「……このスーツが役に立ちましたね」
葉隠「ひ、ひぃぃいいいいいいいいいッ!!!」
K「すいません葉隠さん、少し眠ってもらいますよ」
ドゴッ
葉隠「うぐッ…」ガクッ
朝日奈「葉隠……」
K「彼には、CDが開くまでの間寝てて貰いましょう」
狛枝「【CDの第1扉】が開くまでの残り時間は……」カチッ
00:21
罪木「後、二十分ちょっとですかぁ…」
七海「そうだ。日向くん、今のうちに他の部屋を見てきたら?」
日向「いいのか?」
七海「うん。と言ってもじっくりとは見れないと思うけど…」
日向「どうせお前らが大体探索し終えてるんだろ? だったらざっと見る程度でいいさ」
弐大「それでは、前と同じ【第1扉】が開く5分前に集合じゃな」
日向「ああ、分かった」
七海「それじゃあ案内するよ。着いてきて」
【物理室】
ゴゥンゴゥンゴゥン…
日向「なんだあのでっかい機械……」
七海「【空気清浄機】だって」
日向「【空気清浄機】?」
七海「うん。なんでも外は大気が汚染されてるらしいよ」
日向「ハァ!?」
七海「それで、外に出る時はあそこのロッカーから【防護服】を着ないと駄目なんだって」
日向「外に出るって……この部屋から外に出られるのか!?」
七海「元々はそうだったらしいけど……肝心の扉が溶接されちゃってて」
日向「なんだ……ていうか、当然か。こんな大掛かりな舞台を用意する奴が逃げ道を残すヘマはしないか…」
七海「やっぱり、【9】の扉を開けるしか出る方法はないみたいだね…」
日向「ああ……」
七海「………」
日向「……なあ、大気汚染って、どういう事かな…? やっぱりあの写真は……」
七海「そうかもね……でもやっぱり、本当かどうかは、ここから出て自分の目で見てみないと分からないよ」
日向「……ああ」
【娯楽室】
日向「ここは【娯楽室】か」
日向「モノクマ型の遊具……ふざけやがって」
七海「………」
日向「どうした七海?」
七海「え? ううん。あそこのアーケードゲームがやりたいなって思ってた訳じゃないよ?」
日向「できないのか?」
七海「うん。専用のコインが必要みたいなんだけど、見つからなくて」
日向「…そう言いながら棚の下を漁るのはやめろ」
七海「ぶー」
日向「ぶー、じゃない」
日向「ところであそこの鎧、武器みたいの持ってるけど大丈夫か?」
七海「さあ?」
日向「さあ、って……」
七海「重そうだし、大丈夫じゃないかな。 弐大くんとかなら使えそうだけど」
日向「弐大か…アイツなら大丈夫だな」
00:09
七海「あ、もうそろそろ時間。大丈夫?」
日向「ああ。大体分かったし、急ごう」
─────
───
──
─
【CD前】
朝日奈「日向に七海ちゃん」
日向「朝日奈だけか? 他の皆は?」
朝日奈「あ~…その…あ、来た」
葉隠「離せ! 離すべ!!」ジタバタ
弐大「暴れるじゃない!」
K「忘れたんですか? 【第1扉】が閉鎖された時にここに残っていたら死んでしまうんですよ」
葉隠「あ! 忘れてたべ!!」
狛枝「それに、わざわざ【ペア】と【ソロ】に分けるくらいだ。【ペア】は二つ揃わないと【CDの第2扉】を開けないんじゃないかな?」
弐大「つまりお前さんには罪木の命もかかってるという訳じゃな」
罪木「すみませぇんわたしの為にご迷惑をおかけしてしまって…」
七海「これでみんな揃ったね」
ウィーン…
ピンポンパンポーン
モノクマ『カラードドアが開放されました! 5分以内に【第一扉】に入り、【第二扉】を開放してください!』
狛枝「さて、行こうか七海さん、日向クン」
日向「……ああ」
七海「うん…」
スタスタ…
日向「ここは……?」
七海「【学園長室】みたいだね」
狛枝「それじゃあここは『モノクマの部屋』ってとこかな。ほら、学園長兼管理人って言ってたし」
日向「だとすると、同時にモノクマを操っている『黒幕の部屋』になるのか…?」
狛枝「そうかもね」
七海「とりあえず調べてみようよ。もし本当に『黒幕の部屋』だとしたら、何か手掛かりがあるかもしれないし」
狛枝「そうだね。じゃ、始めようか!」
七海「随分古いタイプだね」
狛枝「分かるの?」
七海「うん。兄さんが得意なんだ」
狛枝「へえ、兄弟がいるんだ?」
七海「え…? うん、そうなの…かな?」
日向「何か表示されてるぞ」
ID:
PASS:
七海「IDとパスワードの入力欄…みたいだね」
狛枝「とりあえず適当に押してみようか」
日向「分かった……ん?」カタカタ
狛枝「どうしたの?」
日向「キーボードが効かないんだ」
七海「どれどれ…あ、本当だ。全部のキーが効かなくなってるね」
狛枝「これじゃ入力のしようがないね」
日向「仕方ない。他を当たろう」
狛枝「じゃあ次はこれ、パソコンの隣に置いてあったファイル」
日向「何が入ってるんだ?」
狛枝「えっと…名刺みたいだね」
日向「名刺! それに書かれた名前で何か分かるかもしれないぞ!!」
狛枝「え、でも『田中』『山田』『松田』『安弘』『苗木』……苗字しか書かれてないし、どれも在り来たりな奴ばっかりだよ」
日向「なんだよ期待して損した…」
狛枝「でも、その裏に変な模様みたいのが描かれてるよ」
七海「多分、それを並び替えると何かの手がかりが浮かび上がってくるじゃないかな?」
狛枝「これはボクがやってるから、七海さんと日向クンは別の所調べててよ」
日向「分かった」
七海「あ、見て向こうの本棚。金庫が置いてある」
日向「この中に鍵とカードと…もしかしたら、なんらかの手掛かりが入ってるんだな」
七海「本棚の中には…小さいモニター」
日向「動かないのか?」
七海「バッテリーが無くなってるから無理みたい」
日向「そうか。それも探す必要があるな」
七海「日向くん、段々慣れてきたね」
日向「慣れたくなんてないがな…後は?」
七海「えっと、下の3つの棚に文学書全4巻セット、哲学書全3巻セット、歴史冒険小説全3巻セット」
日向「手掛かりがこの中にあったら、お終いだな…こんな量読み切れないぞ」
七海「読み終わるまで最低でも一週間ぐらいかかるかも。ゲームを少し出して本をリュックに入れておくよ」
日向「あれ、この本棚、奥の壁に赤い塗料が塗ってあるな」
七海「なんだろう…きっと何かの手掛かりなんだろうけど…」
日向「少し離れた所から見てみよう……うわッ!?」ドテ
七海「大丈夫日向くん」
日向「いてて…この足元にある機械につまづいたみたいだ」
七海「なにこれ……ルンバ?」
日向「こんなルンバないだろ…ボタンも何もないな。叩いても無駄だな」ゴンゴン
七海「起動してないようだし、無視してもいいんじゃないかな」
日向「そうだな」
七海「次は…この頭の無い鎧だね」
日向「【娯楽室】に似たようなのが置いてたな。黒幕の趣味なのか?」
七海「これにも赤い線がペイントされてるね。まるで血みたい」
日向「血とか止めろよ…よく見ればこれと本棚以外にも、部屋の色んな所に赤いペイントがされてるな」
七海「本当だ。そこの壁の奴は『E』って読めるね」
狛枝「ちょっとみんな来て!」
七海「解けたの?」
狛枝「うん。ほら」
日向「文字…に見えるな」
七海「えっと…『BOOK 334』て読めるかな」
狛枝「どういう意味だろうね」
日向「BOOK……本…そうか!」
狛枝「分かったの?」
日向「ああ! 多分だが…七海、さっきの本貸してくれ!」
七海「え、うん」
日向「それで、これをさっきの本棚に…!」
そうして俺は三つに分かれた本棚に3:3:4になるように本を置いた
日向「これで、この赤いペイントが一部隠れて『H』に見えないか?」
七海「言われてみれば…」
狛枝「……それで?」
日向「え?」
狛枝「それで、なに?」
日向「それは…えっと…」
狛枝「それじゃ、次はこの機械を調べようか」
日向「えーと…【Facial Recognition Device】って書かれてるから…【顔認証装置】か?」
七海「顔認証装置?」
狛枝「両脇のグリップを握りしめて、丸いレンズの前に顔を近づけるんだ」
狛枝「するとその顔が、データベースに登録されてる特定の個人のものであるかどうかを識別する事ができるんだ」
日向「よく知ってるな」
狛枝「あはは」
七海「とりあえずやってみようか」
ピーピー
アナウンス『認証エラー』
狛枝「七海さんも駄目か…ま、当然だよね」
日向「最後は俺か……どうせ無駄だろうけどな」スッ
ピピッ
アナウンス『認証が完了しました』
「「「ハァ!?」」」
狛枝「日向クン、どういう事? どうして日向クンの顔が…?」
日向「お、俺に聞かれても──!」
七海「見て! 壁が……!!」
ゴゴゴゴゴ……ガコンッ
日向「壁の一部が回転して……」
狛枝「イスが出てきた…」
七海「イスに何か乗ってるよ」
日向「これは…鎧の頭だな」
カチャッ
日向「鎧が完成した訳だが…赤いペイント部分が『L』と読めるな」
狛枝「それで、このイス誰が座る?」
日向「は?」
狛枝「だってこの回転した壁の向こう側に、何かあるかもしれないでしょ?」
日向「そうかもしれないけど…これがもう一度回転するとは限らないだろ?」
狛枝「そうかな。イスと一緒にあのレバーも回転してきたんだけど…」
日向「………」
狛枝「………」
七海「………それじゃあジャンケンで決めよっか」
日向「結局俺かよ…」
狛枝「頑張ってね日向クン」
日向「はいはい、それじゃあイスに座って…」ギシ
日向「レバーをひく、と」ガコン
ゴゴゴゴゴ……
日向「おお、本当に回転した」
ガコンッ
日向「隠し部屋か…かなり狭いな」
ここにも赤いペイントで『P』と書かれてる
日向「丸テーブルの上に何かあるな。これは…バッテリーか」
モニターを持ってるのは七海だから、後で渡そう
日向「あるのはこれだけか」
日向「もう一度このレバーをひけば元に……戻れるんだろうな?」
ガコン、ゴゴゴゴゴ……
ガコンッ
七海「お帰り、早かったね」
日向「めちゃくちゃ狭かったからな。ほらオミヤゲ」
七海「あ、バッテリーだね。それじゃあこれをモニターにいれて…点いた!」
狛枝「モニターには何と?」
七海「えっと…4文字のパスワードを入力する必要があるみたい」
狛枝「4文字…?」
日向「文字と言えば、壁の向こうに『P』と書かれていたぞ」
七海「えっと…鎧に書かれてた『L』、壁に書かれてた『E』、本棚に書かれてた『H』、壁の向こうに書かれてた『P』で4文字かな」
日向「その4文字で浮かび上がるのは…」
閃きアナグラム
『L』『E』『H』『P』
風呂入ってました
投下再開します(誰か答え書いてくれてるかもと期待してたなんていえない…)
『H』『E』『L』『P』
日向「よし分かったぞ!!」
狛枝「『HELP』だね」
分かってたのかよ…ま、いいか
七海「あ、正解みたいだよ。モニターの表示が変わった」
☀××
××☽
☆××
日向「金庫のパスか!」
狛枝「じゃあすぐに入力しようか」
ポチポチポチ
カチッ
日向「よし開いた!」
七海「さて、中身は…?」
狛枝「随分とガランとしてるね。これは…」
日向「【ABルームのカードキー】……だな」
七海「【星のカードキー】だね。2枚あるから、1枚は【ソロバン】の日向くんが持ってて」
日向「分かった」
狛枝「後はいつもの鍵だね。日向クン、お願いできる?」
日向「了解だ。いくぞ?」
七海「うん」
狛枝「大丈夫だよ」
日向「3…2……1!」
ガチャッ
日向「開いた!」
狛枝「行こうか!」
タタタタタ……
七海「あれ?」
日向「どうした?」
七海「ゲーム忘れてきちゃった…」
日向「ゲーム? ああ、本を入れた時に…」
狛枝「どうしたの急に立ち止まって」
日向「七海がゲームをさっきの部屋に忘れてきたみたいなんだ」
狛枝「それは大変だ! 【超高校級のゲーマー】の七海さんには命より大切なモノだよ!」
日向「ちょっと大げさすぎだろ…」
七海「取りに行ってくるから、二人は先に行ってて」
狛枝「ボクも行くよ」
日向「いや、ゲームを取りに行くのに二人もいらないだろ。ここは俺が行ってくる」
七海「そんな、悪いよ…」
日向「気にするなって。他の奴らがいたら事情を説明しておいてくれ!」
タタタタタ……
【学園長室】
日向「さて、ゲームはっと……あった!」
日向「後はこれを持って戻るだけだな」
ヴォンッ
日向「ん? なんだ?」
音のした方を見ると、起動していなかったルンバのような装置が作動していた
日向「これ、どうして起動したんだ?」
装置に近づくと───
???『これを聞いてる人がいる事を願うよ』
小柄な少年の映像が浮かび上がると同時に、声が聴こえてきた
再開してすぐですが、今回はここまでです
このSSも中盤に差し掛かってきました
次回はABゲームラウンド3。相手は狛枝&七海
澪田を殺したのは誰なのか。小泉を殺したのは誰なのか。Kの正体は誰なのか……はまだ先です
いまさらですが、>>4は
日向「俺は俺の名前───ってお前なんで俺の名前を!? 俺、お前と面識ないよな?」ではなく
日向「それは俺の名前───ってお前なんで俺の名前を!? 俺、お前と面識ないよな?」
です。いままで気づかずすいませんでした
他にも何か疑問に感じた点、誤字脱字がありましたらご指摘下さい。また感想なども頂けたら励みになります
お久しぶりです
続き投下するです
日向「なっ──」
突然の出来事に、言葉を失った
???『これが動いているという事は、ボクの話すべき相手がそこにいるって事だと思う…』
日向「お、おい!」
映像に向かって声をかけるが、少年は反応を示さない
日向「もしかして…こっちの声が聞こえてないのか?」
???『だからボクも、誰かいるものだと信じて、一方的に喋らせて貰うね』
聞こえていないだけじゃない…見えてすらいないみたいだけど──
日向「……あれ?」
その時、俺は妙な感覚に襲われた
前にも、こんな事があったような…?
???『伝えたい事はたくさんあるんだけど…時間がない』
???『だから、その中でも、特に重要な事を3つ伝える事にする』
伝えたい事?
こいつは黒幕の仲間なのか…?
???『まず初めに──キミ達が今いる、そこの事だ』
???『もう勘付いているかも知れないけど…そこは本当の【希望ヶ峰学園】じゃない』
???『そこは黒幕が実験の為に用意した、【偽の希望ヶ峰学園】なんだ』
日向「ここが偽物の希望ヶ峰学園…」
それは薄々思っていた。もしかして、ここは本当は希望ヶ峰学園ではないのではないかと…
きっと【入学試験】というのは嘘で、実験とは【ノナリーゲーム】の事なのだろう
???『二つ目は、その【黒幕】について』
日向「!!」
???『実はもう、誰がこんな事をしたのか分かってるんだ』
???『一人はキミ達も聞いた事があるかもしれない…』
俺達でも聞いたことが…?
黒幕はそんなに有名な奴なのか?!
???『この事態を引き起こしたのは───』
???『【倉式 茜】と【シグマ・クライム博士】の二人だ』
日向「倉式…クライム……【クライム博士】だって!?」
【倉式 茜】の方は知らないが、【クライム博士】は知らない方がおかしいくらい有名だ
【シグマ・クライム】は遺伝子工学界の権威で、【人工生体組織=ABT】の技術を生み出して医療技術を大きく進歩させた人物だ
そして、【人類の希望】の一人に数えられている人物でもある
なんで、そんな人が俺達にこんなことを──?
???『ボクと彼らは、元々同じ組織の一員だったんだ』
???『迂闊だった……組織内に裏切り者がいたなんて……思わなかった…』
【クライム博士】と【倉式茜】とこいつが同じ組織で、裏切られたって事は…
こいつは黒幕の仲間じゃないのか?
もしかして俺達の味方…なのか?
???『……最後、キミ達のこれからについてだ』
日向「………」
???『キミ達には、ある物を見つけて貰いたい』
日向「ある物…?」
???『それは、【未来機関】と彫られた入力端末だ』
日向「【未来…機関】?」
こいつらが所属しているという組織の名前だろうか…聞いた事がない名前だ
【クライム博士】が所属している組織だから、有名な組織だと思ったが…
???『そして、それを見つけたらこう入力してほしい』
???『【11037】…と」
日向「【11037】……ネズミー城にあった…?」
……って
日向「ネズミー城ってなんだよ!! どこだよ!?」
自分の発言につっこむ
日向「くそッ…いよいよ頭がおかしくなったか…?」
頭をガシガシと掻き毟る
???『それさえ入力出来れば、キミ達全員を助ける事ができるんだ』
日向「俺達全員を…?」
???『……これでボクの話は終わりだ』
日向「………」
この少年は、俺達を助けようとしている…のか?
【体育館】に戻ったら、みんなに相談して───
???『ここで聞いた話は、その部屋から出た後は誰も話したり、相談したりしないで貰いたい』
日向「……え?」
どうして…?
???『今、ボクは【黒幕】の目を盗んでキミ達に話しかけている』
???『だから、ボクの存在が気づかれるとまずいんだ』
???『ボクのことがバレると、奴らはすぐにでも妨害行動をとってくるだろう』
???『そんな事になったら…キミ達を救う事ができなくなるかもしれない』
日向「………」
???『……さあ、もう時間だ。ボク達は必ずキミ達を助ける』
???『だから、キミ達も諦めないでほしい───』
そう言うと少年の映像は消え、【学園長室】は静寂に包まれた
日向「………」
諦めるな……か
???「日向…くん?」
日向「!!?」バッ
七海「………」
振り向くと、そこには七海が立っていた
少年の話に夢中で、七海が来てた事に気づかなかったのか…
日向「七海、これはその──」
七海「日向くん」
日向「ッ!」
七海はさっきまで少年が映し出されていた機械に視線を向ける
話すな、という事だろう
七海「ちょっと遅いから、心配で来たの」
日向「あ、ああ。ゲームなら見つかったよ、ほら」スッ
七海「ありがとう。みんな待ってる、いこ?」
日向「ああ」
日向「………」
七海はいつから聞いていたのだろうか…
─────
───
──
─
【体育館】
朝日奈「あ、来た!」
葉隠「遅いべ日向っち!!」
日向「わ、悪い悪い」
七海「…あれ? 罪木さんと狛枝くんは?」
K「二人だったら、今は【保健室】ですよ」
日向「なぜ? 狛枝の具合でも悪いのか?」
K「いや、具合が悪いのは狛枝さんではなく…」
弐大「ぬ、無ゥゥ…」ギュルルル
またか……
K「薬を取るときに罪木さんがうっかり薬品の入ったビンを落としてしまって。二人はその掃除をしてるんです」
七海「なるほど」
葉隠「全く、若い奴は落ち着きが無くて仕方ないべ! はっはっは!!」
…………葉隠が気持ち悪い
日向「な、なあ…なんか葉隠、妙に機嫌良くないか?」ボソ
K「それは…多分、葉隠さんは次の【ABゲーム】で…」
日向「あ…!!」
そうだ、今回の葉隠の対戦相手は、死んでしまった小泉──
七海から聞いたモノクマの話だと『片方だけが投票した場合、投票しなかった方は強制的に【希望】にされる』らしい──
葉隠のBPは現在【6】───
これで葉隠が【絶望】に投票したら──
【ソロバン】である小泉の投票先は、強制的に【希望】になり───
日向「葉隠のBPは【9】になる──!!」
日向「は、葉隠!!」
葉隠「んあ? どうした日向っち?」
日向「お前、次の【ABゲーム】何に投票するつもりだ?」
葉隠「そりゃあ、【絶望】に決まってるべ」
日向「ど、どうして…?」
葉隠「小泉っちはもう死んじまっんだ。 もう相手を気にする事なんてないだろ?」
日向「そうだけど…」
葉隠「だいじょーぶだって! 外に出た後はちゃんと助けを呼んできてやっから!」
日向「もし…もしだぞ? 外が本当にあの写真みたいにボロボロになってたらどうするんだ…?」
葉隠「……それでも、殺人鬼がいる密室に閉じ込められてるよりはマシだべ」
日向「………!」
罪木「すみませぇ~ん、遅くなりましたぁ~!!」
その時、罪木と狛枝が戻ってくる
葉隠「日向っちがなんと言おうと、変えるつもりはねえからな!」
日向「あ…お、おい!」
葉隠「遅いべ罪木っち! ほれ入んぞ!!」グイッ
罪木「ふ、ふえぇええッ!!?」
ピピッ
ゴゥウン…
葉隠は罪木の手を引いて、さっさと【ABルーム】の中に入ってしまった…
モノクマ『アンビデックスゲートが開放されました! 投票締め切りまで、残り45分です!』
K「私もそろそろ入るとしましょう」
日向「待ってくれ」
Kを呼び止める
K「なんですか?」
日向「お前のBPも【6】だったよな…お前はどうするつもりなんだ?」
K「……私は【希望】を選びますよ。朝日奈さんと約束しましたからね」
ピピッ
ゴゥウン…
朝日奈「弐大、大丈夫?」
弐大「うむ。薬が効いてきたようで大分楽になった」
朝日奈「それじゃ三人とも、また後でね」
ピピッ
ゴゥウン…
狛枝「日向クン、ボク達も【ABルーム】に入るね」
日向「ああ…」
ピピッ
ゴゥウン…
【体育館】にいるのは、俺だけになった
日向「……俺も入ろう」
【ABルーム】
日向「…………」
アンビデックスゲームを開始します
【START】ボタンに触れて下さい
この時入口の扉は自動的に閉鎖されます
閉じた扉はこのラウンドが終了するまで
開放されないのでご注意して下さい
【START】
ウィーン、ガコンッ…
日向「………」
さて、どうする…
葉隠とKの事は気がかりだが…今となってはどうしようもない
俺のBPは【3】……
七海のBPは【5】……
狛枝のBPは【6】……
どっちを選ぶ…?
【希望】か───?
【絶望】か───?
狛枝と七海はどっちを選ぶんだ───?
俺は───
日向:>>359
希望
それじゃあ結果を投下します
モノクマ『アンビデックスゲーム、第3ラウンド終了ー!!』
モノクマ『結果は体育館のスクリーンに表示されるよ!』
モノクマ『それじゃ、ゲートおーぷん!』
ウィーン、ガコン…
日向「………」
俺は【希望】を押した
正直、狛枝が何をするか不安だったが、七海がいるから大丈夫だと思ったからだ
K「葉隠さん、どこに行くんですか!!」
葉隠「結果なんて見なくても分かるべ!」タタタ
朝日奈「葉隠!!」
あいつ、【9】の扉を開けるつもりか!!
葉隠「元気でな殺人鬼共!!」
モノクマ『アンビデックスゲーム第3ラウンド!! 結果はこのようになりました!!』
日向「………!」
朝日奈「……!」
弐大「……っ!!」
七海「………」
罪木「……ッ」
狛枝「………」
K「………」
葉隠「はっはっはー!!!」ガコン
PAIR SOLO
【狛枝 七海】 【日向】
現BP: 6 / 5 3
選択: 絶望 希望
増減: +3 -2
結果: 9 / 8 1
PAIR SOLO
【弐大 朝日奈】 【K】
現BP: 5 / 4 6
選択: 絶望 絶望
増減: ±0 ±0
結果: 5 / 4 6
PAIR SOLO
【罪木 葉隠】 【小泉】
選択: 希望 希望
増減: +2 +2
結果: 3 / 8 6
シーン…
「……え?」
皆がこの結果を見て驚いている
だが──
葉隠「な、なんでだべ!?」
一番驚いているのは、葉隠だった
葉隠「なんで……なんで、俺の投票先が【希望】になってるんだべッッ!!?」
葉隠は鬼のような形相で、モノクマが映されたスクリーンに詰め寄った
葉隠「モノクマァ!!結果が間違ってんぞ!!」
モノクマ『え?』
葉隠「なんで俺の投票先が【希望】になってんだべ!!?」
モノクマ『そりゃあ【希望】に投票したからでしょ』
葉隠「俺はしっかり【絶望】を押したべ!!」
モノクマ『うるさいなぁ……詳しくは狛枝クンに聞いてよ』
葉隠「……は?」
7人の視線が狛枝へ向く
狛枝「なるほどね……こういう結果になるんだ」
七海「狛枝くん……何をしたの?」
狛枝「……ボク、少し気になってた事があってね」
日向「気になってたこと…?」
狛枝「見たところ、【ABルーム】は【カードリーダー】と【投票機】以外は普通のエレベータなんだよ」
日向「それがどうしたってんだよ…?」
狛枝「え、 気にならない? 『どうやって誰が何に投票したのか判別してるのか』」
日向「それは……モノクマだろ。あいつは最初のABゲームで『ABルーム内で起きた事は全て自分には筒抜け』って言ってたし…」
狛枝「本当にそうなのかな? ねぇ七海さん?」
七海「………」
日向「七海…?」
狛枝「今回のABゲーム、投票したのはボクじゃなくて七海さんなんだ」
日向「それじゃあ七海が【絶望】に投票を…?」
そんな…
日向「七海…お前、俺が第1ラウンドで【希望】を選んだ時、『それがいいよ』って言ってたじゃないか…それなのに──」
七海「違う!!」
七海「違う……私はちゃんと【希望】を選んだ! 押し間違いなんて事もない!!」
日向「…え」
狛枝「七海さんの言う通り、七海さんは【希望】を押したよ」
日向「じゃあなんであんな結果に……」
狛枝「その答えの説明の前に葉隠クン。ちょっといいかな」
葉隠「なんだべ…?」
狛枝「どうして、今回はすぐにABルームに入らなかったの? 前回は帰ってきてすぐに入っていってたのに」
葉隠「それは…俺は【カードキー】を持ってなかったからだべ」
朝日奈「【カードキー】を持ってなかった?」
罪木「ふゆぅ…はい。葉隠さん、金庫を開けた時【カードキー】を2枚ともわたしに預けて、さっさと部屋を出て行っちゃったんですぅ」
葉隠「だって、これで外に出られると思うと嬉しくて……」
狛枝「どうしてその後、取りに行かなかったの?」
葉隠「罪木っちが薬ビンを落として、それを掃除してる間も…『どうせ出られるからいいや』って…そう思って…」
弐大「だからあんなに機嫌がよかったんじゃな…」
狛枝「ありがとう葉隠クン。それじゃあ説明するね」
狛枝「どうして今回、こんな結果になってしまったのか…その答えは、これなんだ」
そう言って、狛枝はポケットからある物を取り出した
それは──2枚の【星のカードキー】だった
今日はここまでっす
日向「それは…【星のカードキー】……って」
【カードキー】は金庫に2枚入っていて、その内1枚は俺が持っている
なのにどうして
どうして狛枝は【2枚】持ってるんだ?
七海「狛枝くん…どうして【カードキー】を2枚持っているの…?」
狛枝「どうしてかって? 譲ってもらったんだよ。罪木さんから」
罪木「ふえ!?」ビクッ
弐大「譲ってもらったじゃと…? どういう事じゃ」
朝日奈「どういう事、罪木ちゃん…?」
罪木「えっと…それは…そのぅ…」
狛枝「日向クンと七海さんがここに戻ってきた頃の事なんだけど…」
日向「ああ、罪木がうっかり薬ビンを落として、二人でその掃除をしてるって…」
狛枝「あ、聞いてたんだね。じゃあ話が早いや」
~1時間前~
【保健室】
狛枝「終わったよ罪木さん」
罪木「うぅ…すみません手伝ってもらって…なんとお礼を…」
狛枝「……じゃあさ、手伝ったお礼に、ボクの頼みひとつ聞いてくれる?」
罪木「えっ? わ、わたしに出来る事でしたら…あ、海亀の産卵の真似しましょうか? それとも好きな所に落書き──」
狛枝「それもいいけどさ、今回は別の事を頼みたいんだ」
罪木「な、なんですかぁ…?」
狛枝「【カードキー】を2枚とも譲ってほしいんだ」
罪木「【カードキー】…ですかぁ?」
狛枝「うん」
罪木「でも、【カードキー】がないと【ABルーム】が開けられなくなって…」
狛枝「ボクのをあげるよ。小泉さんがいないから、1枚で十分でしょ?」
罪木「で、でもぉ…」
狛枝「……分かった。しょうがないね…」
罪木「……! わ、分かりました、交換しますぅ!」
狛枝「ありがとう罪木さん」
狛枝「──と、いう訳で、ボクと罪木さんは【カードキー】を交換したんだ」
葉隠「なんでそんな簡単に大事なモン交換するんだべ!!」
罪木「だ、だってぇ…断ったら嫌われると思って……」
狛枝「話を戻していいかな?」
狛枝「実はこの【カードキー】、部屋毎に違う物が入ってたんだ」
K「別の物…?」
朝日奈「見比べてみても、どれも同じに見えるよ?」
狛枝「外見は全部同じだよ。違うのは『中身』」
七海「……データの事?」
狛枝「そう。記録されているデータが違うんだ」
狛枝「例えば、葉隠クン達が手に入れた【カードキー】には『データA』」
狛枝「ボクらが手に入れた【カードキー】には『データB』…てな具合でね」
狛枝「どうモノクマ? あってる?」
モノクマ『……その通り、正解だよ。【カードキー】には、それぞれ【部屋のデータ】が記録されてる』
モノクマ『【保健室のカードキー】、【ラウンジのカードキー】って感じでね』
狛枝「やっぱりね…で、『誰が』の部分なんだけど」
狛枝「【CDの第一扉】に入った時、バングルがスキャナーで読み取られる。多分この時に記録されてるんだ」
モノクマ『正解。バングルがスキャナーで読み取られた時に【誰がどの部屋に入ったか】が記録される」
狛枝「つまり、CDをクリアした時点で『誰がどの部屋に入って、どの部屋のカードキーを手に入れたか』が判別されるんだ」
狛枝「さて、ここで問題」
狛枝「ボクはさっき【罪木さんと葉隠クンが手に入れたカードキー】でABルームを開けた訳だけど」
狛枝「開けた時、【ABルーム】の入り口のカードリーダーは何を読み込んだのかな?」
すいません、風呂入ってきます
再開します
七海「…【罪木さん達が入った部屋のデータ】…!!」
日向「じゃあ罪木たちは【俺達が入った部屋──学園長室のデータ】が記録されたカードキーで開けたから…!」
狛枝「そう。ボクと七海さんはデータ上『罪木さんと葉隠クン』になっていて、罪木さんと葉隠クンは『ボクと七海さん』になっていたんだ」
狛枝「その状態で『七海さんは【希望】を押し、葉隠クンは【絶望】を押した』……さて、どうなるかな?」
七海「データ上だと『葉隠くんが【希望】に投票して、私が【絶望】に投票した』事になる……!!」
弐大「??? つまりどういう事だ?」
日向「七海達と葉隠達の投票先が入れ替わってたんだ…【カードキー】が交換された事によって…!!」
狛枝「さすが日向クン、ボクの凄く分かり難い下手糞な説明を一言でまとめてくれたね」
葉隠「なんって……」ブルブル
狛枝「え?」
葉隠「なんて事してくれたんだぁあああああああああああッ!!!!」
葉隠が狛枝に飛び掛り、首を絞める
日向「葉隠!!?」
七海「いけない、止めないと…!!」
弐大「よせッ!!」
罪木「だ、駄目ですよぉ首なんか絞めちゃ! 死んでしまいますぅ!」
朝日奈「葉隠止めて!」
K「葉隠さん!」
葉隠「離せ! こいつを殺すんだ!!」
6人がかりで葉隠を狛枝から引き剥がす
狛枝「ごほっごほ!! はぁ…はぁ…」
葉隠「なんでそんな事したんだべ!? これで…これで出られたのにッ!!」
狛枝「……なんでかって? それは最初にも言った通り、『気になったから』かな?」
葉隠「そんな事で───!!」
日向「落ち着け葉隠!!」
葉隠「『落ち着け』だって!? 日向っちはよく落ち着いてられんな! BPを【1】にされたのに!!」
日向「……!!」
そうだ…俺は狛枝の所為で、BPが【1】になって後がない状態に──
葉隠「それに見ろ! 狛枝のBPは【9】になっちまった!! 脱出しちまう!」
狛枝「それも言ったよね? 『ボクはBPが【9以上】になっても脱出するつもりはない』って」
葉隠「んなの信用できるかぁ!!」
中途半端ですがここまでです
このSSまとめへのコメント
2で
つまらんな
なんでも中途半端にやるようなやつがssなんかやるなよ。