安部菜々「耳ミン」 (32)
※モバマスSSです。
鬱ではない。ええきっと。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1396709015
P「菜々! ボイスCDの仕事を取ってきたぞ!」
菜々「ボイスCD、ですか? なんかすごい声優っぽい仕事ですね!」
P「まあな。と言いつつ実は菜々だけの仕事じゃなくて、事務所のアイドル全員にやってもらう仕事なんだ」
P「そのトップバッターで、声優の仕事を多くやってる菜々にお願いしようと思ってる」
菜々「光栄です! それで、CDの内容はなんですか?」
菜々「おやすみCDですか? ツンデレCDですか? ナナはなんでもバッチリこなしちゃいますよっ!」
P「『アイドルが耳を触られて感じちゃうCD』だ」
菜々「はい?」
菜々「あの……ちょっとウサミン電波がうまく受信できなかったみたいです。もう一度お願いしてもいいですか?」
P「アイドルが耳を触られて感じちゃうCD」
菜々「…………」
P「なんでもバッチリ(死語)こなすんだよな?」
菜々「……………………」
P「(マジキチスマイル)」
菜々「なんですかその意味不明なCD!」
P「そういう需要があるんだってさ」
菜々「感じちゃう、って……それはつまり、あの……えっちなやつ、ってことなんですよね?」
P「なんだ、やりたくないのか?」
P「なんでもやる、って言ったのになあ(ゲス顔)」
菜々「ぐぬぬ……!」
P「まあ、もし菜々がやりたくないのであれば仕方がない」
P「繰り上げで次に予定してた雪美と薫にやってもらおう」
菜々「なんでよりによってロリ組の2人なんですか!」
菜々「ナナがするしないに関わらず、ちっちゃい子たちにそういうことやらせちゃダメです!」
P「じゃあ菜々がやってくれるんだな?」
菜々「……なんでもやる、と言ってしまいましたから」
菜々「でもナナ、そういうのやったことないので……不安です」
ちひろ「それなら練習すればいいんじゃないですか?」ヒョコッ
P「ちひろさん。聞いてたんですか?」
ちひろ「仕事の話ですからねえ」
P「で、練習と言うのは?」
ちひろ「言葉の通りですよ。その『耳を触られて感じちゃう』ときの声を練習してみればいいんです」
菜々「練習って……ま、まさか本当に誰かに耳を触ってもらうってことですか!?」///
ちひろ「そこまでする必要ないじゃないですか。それっぽい声を出すための練習ですよ」
ちひろ「実際に触られながら収録するってわけじゃないんですよね?」
P「そうですね。台本が用意されているので、それに沿って演技をしてもらう、って感じです」
ちひろ「ですよね。アダルトゲームだって、実際に行為に及びながら喘ぎ声を出すわけじゃないんですし」
P「えっ?」
ちひろ「えっ?」
ちひろ「ま、まあともかく、演技の練習ですよ」
P「確かに、それは必要ですよね」
ちひろ「ということで、Pさん今ヒマでしょ? 付き合ってあげてください」
菜々「えっ? あ、あの、Pさんの前で練習する、ってことですか?」
ちひろ「そうですよ?」
菜々「そ、それはちょっと……恥ずかしいんですけど」モジモジ
ちひろ「何言ってるんですか。聞いてもらえた方が練習になるでしょう」
ちひろ「それに、感じているCD、ってことは、当然聴いている男性を興奮させる必要があるということです」
菜々「まあ……そうですね」
ちひろ「Pさんを声だけで興奮させることができれば、大成功間違いなしですよ?
ちひろ「そういう意味でも一緒の方がいい練習になるかと」
菜々「な、なるほど……」
P「じゃあ、俺も練習に付き合うかな。ちひろさん、会議室は空いてますか?」
ちひろ「はい、どうぞどうぞ」
菜々(……Pさんに聞かれるんだ……)
菜々(演技だけど……ナナの、感じてる声……///)
会議室
P「ほら、菜々。これが台本」
菜々「は、はい。ありがとうございます」
P「基本的には、会話をしているような感じで、聴いてる人間に語りかけながら進行する」
菜々「はあ」パラパラ
P「ということで、練習に付き合うと言っても、本当に俺は聞くことしかできないが……」
菜々「い、いえ。ちひろさんも言ってましたけど、聞いてもらうだけでも練習になりますので!」
菜々「そ、それじゃあ……始めましょうっ」パラッ
菜々「って……あれ? いきなり触られてるシーンからじゃないんですね」
P「ああ、前フリがあるな。いきなり始められても、聞いてる側が困るだろうし」
菜々「それもそうですね……」
菜々「えーと……『膝枕してる人から触られる』?」
P「菜々が誰かに膝枕をしてて、されてるそいつが手を伸ばして、菜々の耳に触ってる……ってシチュのはずだ」
菜々「膝枕されてる人から……」パラッ
菜々(男の人が、家でアイドルとくつろいでるところからスタート)
菜々(アイドルの方から膝枕をしてあげると言って、男の人が寝転がる)
菜々(で、その後、手を伸ばしてアイドルの耳を触ってくる、かあ……)
P「ちなみにセリフは菜々を想定して書かれてるぞ」
P「まあ、前フリのところは、別に感じる演技をする必要もないからな。耳を触られるところからがポイントだ」
菜々「は、はい」
菜々「えー……じゃ、いきますね」コホンッ
菜々『お休みだから、今日はゆっくりできますね♪』
P(お、さすがに慣れてるな。当たり前か。アイドル安部菜々としてしゃべってるだけなんだし)
菜々『あら? なんだか眠そうですけど……お疲れなんですか?』
P(ええ、日頃の激務で疲れております)
菜々『んー……あ、そうだっ』
菜々「せっかくですし、ナナが膝枕してあげましょうか、Pさん♪」
P「……って、なんで俺の名前?」
菜々「へっ? あ、すすすすいませんっ///」
菜々(思わず言っちゃったー!)///
菜々「コホンッ……では、気を取り直して――」
菜々『せっかくですし、ナナが膝枕してあげましょうか?』
P「お願いします」
菜々「えっ……?」///
P「あ、すまん……普通に答えてしまった」
菜々「び、びっくりしました……同じところから行きますね?」
菜々『せっかくですし、ナナが膝枕してあげましょうか?』
菜々『遠慮しなくていいですよぉ♪ ナナとあなたの仲なんですから、ね?』
P(このCD買お……いや、サンプルもらえねーかなー)
菜々『さあさあ、どうぞどうぞっ』
P(ここで膝を手で叩くSEが入る、と)
P(で、数秒開けて頭を膝の上に置いたことの表現で、髪と服のこすれるSE、だな)
菜々『ふふっ……あなたの顔、よーく見えますよ?』
菜々『やっぱり疲れてるみたいです……このまま寝ちゃってもいいですからね?』
P(本当にこんなシチュあったらうらやましいなチクショウ)
菜々『今日くらい、ゆーっくり休んでくださいね?』
P(で、この辺から耳を触られるターンだな)
菜々『……ど、どうしたんですか? ナナのほっぺなんて触ってきて』
菜々『んっ……そんな風にされると……恥ずかしいです///』
P(ほっぺをさすって……次はいよいよ……)
菜々「……………………」
菜々『ん、んぅっ……!』
P(ちょっと声が硬いな……)
菜々「うー……今のは、ダメですよね……?」
P「そうだな……少しぎこちなかった」
菜々「うーん、難しいです」
P「やっぱり、そういう声出すのは恥ずかしいか?」
菜々「た、確かに恥ずかしいですけど……それはお仕事だって割り切れば大丈夫です」
菜々「ただ……」
P「ただ?」
菜々「その……ほ、他の人に耳を触られるとか、そういう経験ないので、ピンと来てないというか……」
P「んー……ちょっと自分で触ってみたらどうだ? 少しは感覚つかめるかもしれないし」
菜々「そうですね、ちょっとやってみます」フニフニ
菜々「んぅぅ、やっぱりちょっと分からないです」
P「そうか……」
菜々(でも、これはちゃんと成功させないといけないし……)
菜々(どうしたら……)
菜々「!」ピピッ!
P「どうした?」
菜々「過去のナナから今のナナに、ウサミン電波が届きました!」
P「何か思いついた、いや思い出したってことか。なんだ?」
菜々「じ、実際に触ってもらえばいいんですよ!」///
P「耳を?」
菜々「はい!」
P「誰に?」
菜々「ここには1人しかいないじゃないですか」///
P「…………俺っ?」
菜々「は、はい……///」
P「あー、俺は全然大丈夫だけど……いいのか?」
菜々(Pさん以外の人にこんなこと言いませんって!)
菜々「はいっ! お、お仕事のためですし……協力してください!」
P「……分かった」
P(役得……じゃない! 菜々は仕事と真面目に向き合ってこう言ってるんだから! 変なこと考えるな!)
P「え、ええっと、それじゃあ……あー、普通に触ればいいのか?」
菜々「いえ! あの……脚本の最初からお願いします!」
P「ひ、膝枕から?」
菜々「はい……///」
P(ヒャッホォォォォォォォウ! ……じゃなくって!)
P(これは菜々のため、これは菜々のため……!)
菜々「あ! でも、床に寝るなんて嫌ですよねっ!」アセアセ
P「いや、問題ない!」
菜々「そ、そうですか……」
菜々「では、またアタマから行きますね」コホン
菜々『お休みだから、今日はゆっくりできますね♪』
P(そうだなー……と心の中で返してみる)
菜々『あら? なんだか眠そうですけど……お疲れなんですか?』
P(はい! それはもう!)
菜々『んー……あ、そうだっ』
菜々『せっかくですし、ナナが膝枕してあげましょうか♪』
P(来たか……!)
菜々「遠慮しなくていいですよぉ♪ ナナとPさんの仲なんですから、ね?」
P「な、菜々? また名前が――」
菜々「……これは思わずじゃないですよ? 雰囲気出すために、わざと変えたんです……///」
菜々『さあさあ、どうぞどうぞっ』ポンポン
P(本当に膝の上を叩いた……)
P「そ、れじゃあ……失礼します」ゴロンッ
菜々(っ……Pさんの顔、近いっ///)
菜々「ふ、ふふっ、ああああなたの顔よーく見えましゅよっ!?」
P「菜々……カミカミだぞ?」
菜々「そ、そうですねすいません! やり直します!」コホン
菜々『ふふっ……あなたの顔、よーく見えますよ?』
菜々『やっぱり疲れてるみたいです……このまま寝ちゃってもいいですからね?』
P(無理。もったいなすぎて無理)
P(さて、いよいよ耳か……の前にまずは頬だな)
P「菜々、触るぞ……?」ボソッ
菜々「は、い……お願いします」ボソッ
P「…………」サワッ
菜々「っ」ピクッ
P(……すべすべだ。あと、熱い)
P(緊張してるんだな、菜々……)サワサワ
菜々「……………………っ//////」
P「菜々、セリフ」ボソッ
菜々「おっ……ととっ……!」
菜々『……ど、どうしたんですか? ナナのほっぺなんて触ってきて』
菜々『んっ……そんな風にされると……恥ずかしいです///』
菜々(本当に恥ずかしい……///)
P(今度こそ、耳だ……)
P(すっごい真っ赤になってるな……)
菜々「……………………///」
P(こんな様子見てると俺も照れてくるが……これは仕事のための練習だ!)
P(だから! 俺は! 菜々の耳に触る!!)クワッ!
……フニッ
菜々「ひゃんっ……!」
P「っ! い、痛かったかっ?」
菜々「だ、大丈夫、です……ちょっとビックリしただけで……」
P「そ、そうか」ホッ
フニフニ
菜々「んっ……/// ん、んぅっ……」
菜々「っ……Pさん……触っててください……このまま演技しますからね……?」
P「お、おう」
菜々「ん、んふぅぅ……い、行きますっ……」
菜々『も、もう……今度は、耳……ですかぁ……?』
菜々『こんなところ触っても……んっ……楽しくなんか、ないですよぉ……』
P(やっべ、声すごいエロい)フニフニ
菜々「ん、んっ……! ん、ぅ……あ、ふ……っ///」
菜々『ふぁ……ふにふに、しないでくださいよぉ……あんっ……』
P(しないわけないだろ!)フニフニフニ
菜々『んぅぅ……ん、あぁっ……さわさわ、しちゃ……ダメぇ……あんっ……///』
菜々(ど、どうしよ……本当に気持ちいい……)
菜々(ちょっと、頭の中……ぼーっとしてきたかも……)
菜々『あ、んっ……ん、んっ……んぅぅっ……』
菜々『気持ちいいか、って? えへ……分かっちゃいましたか……?』
菜々『だって、あなたの指……すっごく、優しいんですもん……』
P(ああいくらでも優しくするとも!)フニフニサワサワ
菜々「はぅんっ……ん、んぅぅ……!」
菜々(い、今のセリフにある喘ぎ声じゃない……! 勝手に出ちゃった……!)
P(あー、いくらでも触ってたい……!)フニフニフニフニ
菜々『このまま、ずーっと……触っててほしいくらい……』
菜々(本当に、このままずっと……///)
菜々『えへへ……あんっ……あなたの指、こんなに気持ちいいなんて……』
菜々『ウサミン星人は……耳が弱点なのかもしれませんね……んっ……ナナ、知らなかったです』
P「」フニフニフニフニフニフニフニフニ
菜々「ん、んぅぅっ……! ん、んふぁっ……///」
菜々「ふぁぁ……P……さぁん……//////」
菜々(あ……もうセリフ……言えないっ……!)
P「菜々……顔、とろーんってしてるぞ」
菜々「だって……Pさんの指、気持ちいいんですもん……!」
菜々「もっと……もっと、ナナのこと、触ってぇ……!」
P「ああ……だから菜々の声、いっぱい聞かせてくれ」サワサワサワサワ
菜々「ひゃうぅぅっ/// Pさんっ……Pさぁんっ……///////」
P(やばい、俺のpが……)ムクムク
菜々「Pさん……あんっ……もっと、ナナのぉ……あっ、あっ……菜々の耳、いじってぇ……!!」
P「な、菜々……!」
P(も、もう我慢が――!)
コンコン
>Pさーん。打ち合わせ中失礼しますねー。
P「!!」
菜々「!!」
>例のCDの件、先方から電話が来てますよー?
P「は、はいっ。今すぐ出ます!」アセアセ
菜々「……………………」
P(うおぉぉぉぉぉぉぉ終わりかよぉぉぉぉぉぉぉ!?)
菜々(…………………………………………)
菜々「…………あ、あの、Pさんっ」
P「んっ? な、なんだ?」
菜々「あの……」
菜々「電話終わったら、その……また練習付き合ってください、ね……?」///
電話終了後
菜々「CDの内容が変更になった!?」
P「さすがに喘ぎ声はアカンということになってな……」
ちひろ「そもそも企画の段階でおかしかったんですけどね」
菜々「その通りですよ! もー!」
菜々「は、恥ずかしいの我慢して……練習したのにっ……///」
P「まあまあ、いつか活かせるときが来るかもしれないし」
菜々「来るんですかねえ、そんなとき……」
菜々(……………………)
菜々(……まあ、Pさんに膝枕できたので、良しとしますか♪)
菜々(そ、それに……耳もいっぱい触られちゃったし///)
菜々「……で、結局、肝心のCDの内容はどうなったんですか?」
P「『アイドルが足の裏を舐められてくすぐったがるCD』になった」
菜々「」
菜々「……企画した人をここに連れてきてもらっていいですか?」
P「無理です」
菜々「っていうか、ナナ今度はそれをしなきゃいけないんですか!?」
P「お、引き受けてくれるつもりとはやる気あるな菜々! まあ嫌って言ってもやらせるつもりだったけどな!」
菜々「そんな勝手に!」
P「さあ菜々、今からCDの打ち合わせを始めるぞ!」
菜々「う、打ち合わせって……それ、演技指導も入るんですよね?」
P「当たり前だろ!」
P「……電話終わったら練習付き合うって言ったしな」
菜々「……//////」
菜々(で、でも……今度は足の裏って……///)
菜々「Pさん、あの……お手柔らかに……お願いしますね……?」
以上。くぅ疲。
お粗末さまでした。
読んでくれた方ありがとうございました。
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