モバP「菜々さんから告白された」(69)

菜々「プロデューサーって独身でしたよね?」

P「そうですよ」

菜々「じゃあウサミン星で一番可愛いと評判の、ナナとお付き合いしましょう!」

P「……は?」


P(ああ……そういえばエイプリルフールか。ベタなことするなぁ、この人)

菜々「ナナ、プロデューサーが大好きですし! キャハッ☆」

P「それはどうも……それにしても、いきなりですね」

菜々「プロデューサーと結婚せよ、という電波をウサミン星から受信したのです!」

P「都合のいい電波だなぁ……まぁ、いいですよ。付き合いましょう」

菜々「……え?」

菜々「ほ、ホントに?」

P「ホントに」

菜々「お付き合いって、一緒にお買い物とかじゃないですよ?」

P「そんなベタな勘違いしませんよ。それに俺も菜々さんが好きですし」

菜々「……エヘッ♪」

菜々「ご主人様、ウサミンパワー全開ですっ♪」ギュッ

P「人目もあるのにくっつかないでください」

菜々「あら? 恥ずかしがってるんですかぁ?」

P「そんなんじゃないです。で、つかぬことをお聞きしますが」

菜々「ハイ! なんでも聞いてください、ご主人様♪」

P「菜々さんって処女ですか?」

菜々「……えっ」

菜々「な、なんで?」

P「本当に17歳ってことはないだろうし、どうなのかなって」

菜々「うっ……」

P「答えたくないならいいですよ」

菜々「…………」

P「…………」

菜々「……せ」

P「せ?」



菜々「セカンドバージンですっ☆」

P「そうですか」

菜々「……その、えっと」

P「ところで俺達の関係って、アイドルとプロデューサーじゃないですか」

菜々「あ、はい。そうですネ」

P「やっぱり、付き合うのは良くないですよね」

菜々「!?」

P「というわけで、この話は無かったことに」

菜々「えっ……ちょ、ちょっと待って! どういうこと!?」

P「どういうことって、そのままの意味です。菜々さんがアイドルである限りは……」

菜々「そんなのじゃないでしょ!? 私が非処女だから? 中古だから?」

P「実はそうですけど、キャラ崩れてますよ」

菜々「キャラなんてどうでもいいの! 今は私とあなたの話でしょ!?」

P「言い切っちゃったよこの人」

菜々「炊事も洗濯もするし、この際あなたはヒモでもいいから!」

P「それは男としてどうなんでしょう」

菜々「それに、夜のご奉仕だってするよ! ハードなやつでも頑張る!」

P「ちょっ……ここ事務所ですよ。子供の目もありますし」

菜々「はぁ……はぁ……」

P「よーし、落ち着こう。いったん落ち着こう」

菜々「ご、ごめんね……テヘッ☆」

P「えっと……ウソですよ」

菜々「……ウソ?」

P「菜々さんが好きなのは本当ですし、非処女だからイヤだなんて言いませんよ」

菜々「……じゃあ、なんでそんな酷いウソついたんですか……」

P「菜々さんが『お付き合いしたい』なんてウソつくから、俺も反撃を……」

菜々「ええっ……!? ウサミン星人はそんなウソつきませんよぉ!」

P「ほら、エイプリルフールだから」

菜々「限度があります! ナナは、今日も明日もプロデューサーが大好きですよっ!」

P「……すみませんでした……」

菜々「……あれ?」

P「どうしました?」

菜々「じゃあプロデューサーは、本当にナナとお付き合いしてくれるってことですか?」

P「そうですよ。本当に好きですから」

菜々「非処女でも?」

P「こだわりますね……どっちでもいいんですよ、そんなの」

菜々「…………」ウルッ

P「なんで泣くんですか……」

菜々「うぅ……と、ところで、実はナナもプロデューサーを驚かせようと思って……」

P「ほーら、やっぱりウソついてるじゃないですか!」

菜々「そんな大きいウソじゃないですっ。さぁ、どれがウソでしょう♪」

P「むぅ……ウソと言うからには、俺の動揺を誘おうとしたものに違いない」


①ナナはウサミン星で一番可愛い
②プロデューサーが大好き
③プロデューサーと結婚せよ、という電波を受信した
④セカンドバージンだ
⑤付き合ったら炊事洗濯をする
⑥付き合ったらプロデューサーはヒモでもいい
⑦付き合ったら夜のご奉仕をする


P「うーん……全然わからん」

菜々「実際、動揺してくれませんでしたからね……」

菜々「本当に分からないんですか?」

P「まったく分かりません」

菜々「はぁ……じゃあ教えてあげますから、今晩ウサミン星まで来てください」

P「電車で一時間のウサミン星にですか?」

菜々「イジワル言わないでくださいよぉ。今日は、両親も出かけてますから……ネ☆」

P「……よく分かりませんけど答えは気になりますし、行きますよ」

菜々「やった! 魅惑のウサミンボイスで教えてあげますよぉ、キャハッ☆」

翌日――


ちひろ「プロデューサーさん、おはようござ……って、なんだか疲れてませんか?」

P「……やってしまったんです。ウサミンボイスの魔力にやられて、つい……」

ちひろ「?」

P「たった1つのウソを暴くために、俺は取り返しのつかないことを……」

菜々「もうウソじゃないですよぉ♪」

P「嬉しそうに言わないでください! エイプリルフールって、怖い……」

菜々「エヘッ☆」



おわり。

毎日通って「ました」?
17歳なら「ます」だろう?えぇ?

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