エレン「オレの役割」(9)
【1ー11】
ライナーは大きい。
あいつは別格だ。他の男子とは大きな隔たりがある。
太さも、長さも、硬さも、形も、匂いも、何もかも一級品だ。
特に今日は気合いを入れていたようで本当にすごかった。言葉が出なかった。
オレの一日はこのような男から始まるため、朝から憂鬱な気分になる。
必要なことだとは分かっている。生きていく上で不可欠な行為だ。
とはいえこんなことをあと五回…ため息も出るというものだ。
【2ー5】
ベルトルトは長い。
長さに限ればあのライナーをも凌駕するだろう。男子の中で一番だ。
しかし、細い。この長さに太さが伴えばライナー級になれたであろうに…なる必要は全くないが。
二人目がベルトルトであったことは幸か不幸か。
いや、こんなことをやらされている時点で幸運とは言えないか。
気を入れ直して次へ行こう。
【3ー14】
マルコは普通だ。
太くもなく細くもなく、長くもなく短くもない。
毎日目にしているオレのと同じくらいで、平均的と言えるだろう。
そんなマルコにも、いやマルコだからこそ光る部分があることに気付いた。
なんと使い終わった後に周りを綺麗に掃除してくれていたのだ。あいつの真面目な性格によるものだろう。
もちろんこの行為が不快であることに変わりはない。
だがそのマルコの気遣いによって、オレは幾分か澄んだ気持ちで四人目に向かうことができた。
【4ー2】
コニーも普通だ。
オレやマルコと変わらない、平均的な男子のそれだ。
ただマルコとの大きな違いは、必要以上に汚し、かつ掃除をしないという点だ。
放置されたそれらの後始末を任されるのはもちろんオレ。
これではマルコの気遣いも帳消しになってしまう。
オレは今日一番のため息を吐きながら、コニーが汚したもの全てを掃除した。
【5ー5】
ジャンは臭い。
思わず鼻を塞いでしまうほど強烈な匂い。人それぞれ、十人十色だと分かっていても酷かった。
まるで普段衝突の絶えないオレに対する嫌がらせのようだ。
この惨状を見て、やはりあいつとは馬が合わないし、今後も合うことはないだろうと確信した。
これで五人目が終わった。残るは一人。
あいつなら、オレのことを考えてしてくれるはずた。
【6ー14】
アルミンは小さい。
あいつから大きいものが出てくるとは思っていなかったが、予想通り。
長年連れ添った親友のそれは、オレの考えにピタリと当てはまったわけだ。
更にはオレの期待に応えるかのように後始末もしっかりやってくれていた。さすがアルミン。
しかし親友のものとはいえ見るのは初めて。それなりに抵抗はあったもののなんとか処理を終えることができた。
これでオレの役割は九割方終わったと言える。
あとは…。
【7】
大きいライナー。
長いベルトルト。
普段のマルコ。
同じく普段のコニー。
臭いジャン。
そして、小さいアルミン。
あとは…これらをキース教官の下へ持って行くだけだ。
おわり
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