書き溜めあり。
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律子「よその事務所がどうかしました? どうせくだらない事で――」
P「Pヘッドつけたプロデューサーなんて他にいないよな」
律子「へっ」
P「もしかして、Pヘッドって被る必要ないんじゃ……」
春香「ちょ、ちょちょちょストップですよストップ!!」
P「うおっ、なんだ春香騒々しい」
千早「今、ありえない言葉が聞こえた気がしたんですけど」
あずさ「あの~、Pヘッドってプロデューサーさん自ら進んでつけてたんじゃ……」
P「まさか! 誰がこんなの好き好んで仕事中につけるんですか」
真「えええぇぇ!」
雪歩「だったらプロデューサーはなんで今までPヘッドを?」
P「これが業界の普通だとばかり……」
伊織「一体どこで聞いた常識よ」
P「マジかよ……今までの俺は一体……」
やよい「あうぅ、プロデューサー元気出してください」
響「あれ? ちょっと待った。という事はもうPヘッドいらないのか?」
美希「ハニーの素顔が見れるの!」
貴音「なんと! 真ですか、貴方様!?」
P「まぁ、確かにPヘッド被らなくていいならそうなるな」
小鳥「何という事なの。今までどう頑張っても暴けなかった素顔がこうも簡単にッ!」
亜美「ピヨちゃん……」
真美「でも、その努力が報われる日が来たんだよっ」
小鳥「ええ……えぇ! そうよね真美ちゃん!」
律子「で、本当にPヘッド取るんですか?」
春香「さぁさぁ、カモンカモーン! バッチコイですよ、プロデューサーさん」
P「……うーん、でもなぁ」
千早「何でそこで悩むんですか」
P「いや、今日に限って髭剃り忘れてきててな。初披露がヒゲモジャじゃカッコつかないだろ?」
美希「ミキはそーいうの気にしないよ?」
P「俺が気にするんだよ」
真「それじゃ、結局どうするんですか」
P「まぁ、順当に明日だろ」
雪歩「明日ですか」
P「おう。明日の朝、被らずに来る。それでいいだろ」
小鳥「ま、まぁ今更一日くらい平気よね」
あずさ「そうですね~。これまで待った時間に比べれば一日くらい」
響「自分、期待して待ってるからな!」
~翌日~
P「皆、おはよう!」Pヘッドダヨ
小鳥「って、なんでPヘッド被ってるんですかぁぁぁぁ!!」
P「うわおっ!? 小鳥さん、いきなり大声出さないでくださいよ」
貴音「ですが、これは流石に小鳥嬢に同情します」
春香「プロデューサーさん、昨日言いましたよね? Pヘッド取ってくるって」
千早「何で今日も普通に被ってるんですか」
P「…………あっ」
亜美「何今気がついたみたいなリアクションしてんの」
真美「それで誤魔化したつもりなの、にーちゃん」
P「いや、マジで普通に忘れてた。申し訳ない」
あずさ「ま、まぁまぁ皆落ち着いて~」
やよい「忘れちゃう事って誰にでもありますよね」
伊織「どうせ今までの習慣で着けてきちゃっただけでしょ」
美希「今ここで脱げばそれでいいって思うの」
律子「確かに、別にここで脱げば何も問題ないわね。ね? プロデューサー」
P「それもそうだな」
P「では…………」ガサゴソ
P「…………」ガサゴソ
雪歩「あのぅ、何をやってるんでしょう?」
真「Pヘッドじゃなくて、何で内ポケットまさぐってるんですか」
P「……無い」
あずさ「一体何が無いのかしら~?」
伊織「……嫌な予感しかしないわ」
やよい「何か忘れ物ですか?」
P「…………皆、すまん!!」
律子「何を謝ってるんですか」
P「このPヘッドってさ、誤って脱げないように鍵ついてんだよ」
響「意外と頑丈に出来てるんだな」
小鳥「……それで?」
P「……鍵を家に忘れてきました」
小鳥「何やってるんですかもおぉぉぉぉぉッッ!!!」
P「あ、明日! 明日こそ必ずPヘッド外してくるから!」
春香「全くもう。約束ですよ、プロデューサーさん?」
千早「絶対ですからね」
P「勿論だ!」
~翌日~
P「皆、今日も元気に集まってるな!」Pヘッドダヨ!
春香「やっぱりPヘッドじゃないですかぁぁあ!!」
千早「あれだけ念を押したのに……」
P「…………あ」
亜美「その『しまった!』みたいな顔ウソくさいよ」
真美「にーちゃん、真美たちからかってるよね?」
P「そんなわけあるか!」
響「じゃぁ、何で今日もPヘッドなんだ!?」
貴音「貴方様、真摯な説明を要求します」
P「いや、気がついたらつい付けてて」
美希「言い訳まで酷いの」
やよい「約束をやぶっちゃダメですよ、プロデューサー!」
P「いや、もう。本当申し訳ないです」
律子「まぁ……反省してるならいいです」
小鳥「それで、今日は鍵を忘れたりしてないですよね?」
P「さすがに二日連続で忘れたりしないですよ」
真「二日連続Pヘッド脱ぐの忘れてますけど」
P「ぐぅの音も出ない」
雪歩「あ、あの話を進めませんかぁ」
あずさ「そうね~。プロデューサーさん、それじゃ早速今からPヘッドを……」
P「あ~、それなんだけどさ」
伊織「……また何かあるわけ?」
P「いや、実は今朝寝坊しちゃって」
春香「は? 寝坊?」
P「髪のセットとか出来なくて寝癖が……」
千早「は?」
律子「……結局、今日はPヘッド取るんですか、取らないんですか」
P「……ま、また明日で」
亜美「にーちゃん、Pヘッド被る時間はあっても髪のセットはしないんだ」
真美「真美たちの事なんてどーでもいいんだ」
P「いや、そういうわけじゃないんだ。ほ、本当だぞ」
小鳥「あの、このままじゃ私プロデューサーさんを信じられません」
真「正直、ボクもです」
P「あの、明日こそは必ず……」
雪歩「ホントですか?」
P「俺はお前らを裏切ったりしない」
響「もう既に裏切られてるぞ」
律子「……皆、もう一度プロデューサーを信じましょう」
あずさ「そうね~。明日こそ必ずって言っている事だし」
伊織「次は絶対ないと思いなさいよ。バカプロデューサー」
P「ああ、絶対だ!」
~翌日~
P「皆~、おっはー!」ヤッパリPヘッドダヨ!
真「うおおおおおぉぉぉぉぉ!!!」
雪歩「あ、穴掘って埋めますぅぅぅぅ!!!」
亜美「ああっ、まこちんのみならず!」
真美「温厚なゆきぴょんまでが怒りに身を任せてる!!」
あずさ「あらあら~」ゴゴゴゴ
小鳥「あずささんの背後に怒りのオーラが見えるわ……」
律子「さすがにこれはどうしようもないわね」
春香「プロデューサーめがっ」
やよい「は、春香さん?」
響「は、春香まで汚物を見るような目をしてるぞ!」
美希「しかもハニーの事呼び捨てなの」
千早「我那覇さんたちは普通なのね」
響「正直、覚悟してたからな」
美希「ハニーの事だからこうなるって分かって当然なの」
貴音「ですが、二人とも静かなのは表面上だけで、心情は皆と一緒ですよ」
貴音「……無論、私もですが」
P「…………皆、すまん」
小鳥「今更取り繕った謝罪してもらっても……」
あずさ「プロデューサーさん、説明して頂けますよね?」
P「いや、実は途中までは素顔だったんだよ」
春香「えっ、そうなんですか?」
千早「だとしたら、何で今Pヘッドを?」
P「事務所との丁度境目くらいでさ、ふと『Pヘッド家に忘れた』って思って」
響「戻っちゃったのか?」
P「……はい」
春香「なんでそこで戻っちゃうんですか!!」
P「ひ、日ごろの習慣?」
千早「約束を忘れてたんですか?」
P「ごめんなさい」
真「今更ただ謝るだけで許されるとでも?」
雪歩「せめてお詫びの品でもあって然るべきですぅ!」
P「……あの、栗饅頭などを」スッ
亜美「なんでそーいう準備はいいのかな」モグモグ
真美「全く、真美たちがそんな食べ物で買収されるとでも……」モグモグ
貴音「……ほう。これは美味ですね」モグモグモグモグ
雪歩「あ、お饅頭にはお茶ですよね。淹れてきますぅ」
真「ボクも手伝うよ」
あずさ「あらあら、すっかり普段の事務所ね~」モグモグ
律子「皆……陥落早すぎよ」
小鳥「念のため聞きますけど、ここで脱ぐという選択肢は?」
P「あ~、実は今日はマユゲ書くの失敗しちゃって」
美希「ハニー、マユゲ書いてるの?」
響「何でプロデューサーがマユゲ書く必要あるんだ!?」
春香「どう考えても私たちをからかってますよね?」
千早「どうなんですか、プロデューサー」
P「いやいや、からかうなんてとんでもない!」
真「でも、途中まではマユゲ失敗してても素顔晒してたんですよね?」
雪歩「何で私たちには見せてくれないんですか」
P「そりゃ、アレだ。ただの通行人と皆じゃ、見られて恥ずかしくなる度合いが違う」
伊織「はぁぁ……ねぇ? 明日こそ絶対って今度こそ約束できる?」
P「だ、大丈夫だ」
やよい「それじゃ指きりしましょー!」
小鳥「そうね。やよいちゃんと指きりまでしたら、流石にプロデューサーさんも裏切れませんよね?」
律子「これで裏切ったら、さすがに鬼畜生ですよ?」
P・やよい「ゆーびきーりげーんまーん――」
P「……ふぅ、これで明日は大丈夫だ」
伊織「次はないからね?」
P「任せろ」
~翌日~
P「よっ! 今日はいい天気だな皆~」モチロンPヘッドダヨ!
やよい「うっ……うう~」
伊織「……もしもし、新堂? ちょっとコンクリと人気のない埠頭の用意を……」ピポパ
響「なぁ? どうしてなんだ? どうしてかちゃーんと皆に話してみよ。な?」
美希「ミキもそろそろ怒りでもう一回覚醒しちゃうよ? ハニー、それでもいいの?」
貴音「貴方様……私、先日から怒りでらぁめんの消費量が倍増中なのですが、責任は取って頂けるので?」
千早「…………」スッ
春香「ち、千早ちゃん? クッキングタイムでもないのに、包丁は危ないよ?」
真「あー、今日は響たちも怒る番だったかー」
雪歩「私たちは昨日終わっちゃったもんね」
律子「……プロデューサー、正直に言ってください。Pヘッド脱ぐ気あるんですか?」
P「……あの、あります」
小鳥「本当ですか? ウソはいけませんよ?」
P「ウソじゃないです」
真「それが真実って証拠はあるんですか?」
雪歩「私たち全員を納得させないともう許せませんよぅ!」
P「あの、今日はちゃんと朝覚えてたんだよ」
亜美「覚えてた?」
真美「じゃ、何でPヘッドつけてるのさ」
あずさ「昨日と同じ理由かしら~?」
P「いや、途中で引き返したわけでもない」
伊織「それじゃ一体なんでなのよ」
P「こう、持ち歩いてたらさ、かさばってしょうがなかったんだよ。それでつい……」
律子「被っちゃったと」
P「はい……」
亜美「何でそこでかぶっちゃうかなぁぁぁぁ!?」
真美「そもそも何で持ち歩いてるのさー!!」
P「だ、だって家に置いといて盗まれたりしたらどうするんだよ」
春香「多分ドロボーはもっと別のもの盗ってくと思います」
千早「完全に無用の心配ね」
美希「でも、そういう理由ならここで脱いでも大丈夫だよね?」
貴音「そうですね。貴方様? さ、どうぞ」
P「その……実は」
響「またなのか!?」
小鳥「ヒゲ、鍵、髪の毛、マユゲときて次は何です?」
P「あの、シートマスクつけっぱなしでして……」
律子「シートマスクぅ?」
あずさ「確認のためお聞きしますけど、女性が美容で使うあのシートマスクですか?」
P「そうです」
亜美「にーちゃんってもしかして」
真美「……ねーちゃんだったりする?」
P「バカ言うなよ。俺はちゃんと男だ」
春香「じゃ、何でシートマスクなんて使ってるんですか!?」
千早「プロデューサーには……ましてやPヘッド装着中では必要ないものだと思いますが」
律子「そもそもあれ、つけっぱなしにするものじゃないですからね」
P「いや、俺ってさ、男じゃん? 美容とかそういうのはどうしても疎いからさ」
P「女性の気持ちを理解する方がプロデュースもしやすいと思って、たまに実践してるんだよ」
貴音「……言い訳としてはまともなような」
響「ううー、自分たちが言い訳にされてるみたいでモヤモヤするぞ」
真「……ちょっと待って。それじゃプロデューサーはシートマスクつけたまま事務所来たんですか?」
P「うん。途中、道行く人が俺の顔をしきりに見るから何かなって思ったら気が付いた」
雪歩「そ、それでどうしたんですかぁ?」
P「さすがに恥ずかしいから、手元にあったPヘッドを……あ」
亜美「どーやら間抜けが」
真美「ひっかかったようだぜー!」
貴音「はて。先ほど貴方様はかさばってたから被ったと、そう仰っていたのでは?」
美希「ミキもそう聞いたよ。間違いないの」
やよい「……ウソついたんですか?」
P「うぐっ」
伊織「つまってないで答えなさい。どうなの? ウソついたの?」
P「……ごめんなさい。シートマスクつけっぱなんて恥ずかしくてつい……」
律子「他にウソはもうないんですね?」
P「……後は、約束破った事だけです。はい」
小鳥「そこはちゃんと反省してるんですね」
律子「……皆、どうする?」
伊織「やよいと指きりしてもダメだなんて、もうどうしようもないわよ」
春香「こうなったらもう強制的に……」
千早「それは無理よ、春香。前にプロデューサーがお昼寝してた時、試したけど不可能だったでしょ」
真「でも、それは鍵の存在を知らなかったからだよ」
雪歩「今なら何とかなりそうですぅ!」
やよい「あ、あの、あんまり乱暴なのはよくないかなーって」
響「やよいは優しいなぁ。でも、時にはこういう方法も必要なんだぞ」
美希「運命を切り開くには荒療治も必要って思うな」
あずさ「仕方ないわよね~」
亜美「ふっふっふ、準備万端だぜぃ」
真美「おとなしく真美たちの手にかかるがいいー!」
貴音「……では貴方様、お覚悟を」
P「ま、待て! 待ってくれ! 明日、明日だ!」
P「今度こそ100%! 俺のプロデューサー人生かけるから!」
P「だから後一度だけ頼むよ! 俺の事を信じてくれぇぇぇぇ!!」
P以外「…………」
春香「……あのですね、プロデューサーさんを信じたいって気持ちは皆一緒なんです」
千早「これまで私たちをトップアイドルへと導いてくれたのは、他でもないプロデューサーですし」
貴音「貴方様の力量、情熱、そして私たちへの信頼を疑った事などありません」
律子「ですが、事この件に関してはこれまでの経過を見るとどうしても……」
響「このままじゃ明日も間違いなく同じパターンだぞ」
美希「人生なんてかけなくていいから、Pヘッドを脱いでくる方法を弁解するべきだと思うの」
あずさ「そうね~。プロデューサーさんは、どうやって明日素顔で来るつもりなんですか?」
P「へ? そりゃ普通に朝Pヘッドつけずに事務所へ――」
伊織「それで今まで失敗してるんでしょーが!!」
真「全く懲りてないじゃないですか」
雪歩「それなら皆で考えればいいんじゃないかなぁ」
小鳥「なるほど。これだけの人数でアイディアを出し合えば、きっと大丈夫よね!」
やよい「賛成ですー!」
P「皆……俺のために、すまない」ウルウル
亜美「あれ、にーちゃん泣いてる?」
真美「涙もろすぎるよー」
律子「話がおかしな方向に……えぇい、こうなったらとことん考えましょう!」
貴音「分かりました。では早速、私から一つ宜しいですか?」
小鳥「どうぞ」
貴音「ぴぃへっどを持ってくるからいけないと思うのです。まずは家に置きましょう」
響「そうだな。それがなければ少なくとも二回はこの事態を回避できた事になるぞ」
美希「お化粧も禁止でいいと思うの」
亜美「全くだね」
真美「じゃ、それも決定で」
真「一度家を出たら引き返さないっていうのは?」
雪歩「あ、それも絶対必要だよね!」
伊織「……思ったんだけど、今日帰ったらPヘッド捨てればいいんじゃない?」
P「ま、待て。それはダメだ。これ一応事務所の備品だし」
律子「へっ? プロデューサーの私物じゃなかったんですか?」
P「違うよ。初めて事務所来た時、目の前にこれが置いてあったんだ」
P「それで、俺が被るものだと思って……誰もツッコんでくれなかったし」
小鳥「その格好で堂々と入ってきて挨拶されたら、誰もツッコめませんて」
伊織「もしあの時にツッコんでたら、こんなメンドくさい事態にはならなかったのね」
千早「私はてっきり、何か理由があって顔を見せられないのかと思ってました」
春香「あ~、そういえば一時期色んな噂出回ったよね。女説とかPヘッドが本体説とか」
貴音「皆、話が逸れていますよ」
あずさ「やよいちゃんは、何か考えあるの?」
やよい「うー、難しい事はよく分かんないですけど、朝に確認のお電話入れたらどうでしょう」
小鳥「なるほど! 『今日はPヘッドつけてないですよね?』って聞けば間違いないわね」
春香「ここまでの提案をまとめると、まず今日は帰ってもお化粧の類は一切ナシで」
千早「明日、Pヘッドは被らずに家に置いてくる事」
小鳥「家を出たら例え忘れ物があっても事務所にくる事」
律子「後、朝誰かが電話で確認する事ね」
響「大体出揃ったんじゃないか」
美希「これでダメならもう諦めるしかないの」
貴音「ところで、電話は誰がするのでしょう?」
亜美「電話できる人全員でいーんじゃない?」
真美「一人だと万が一って事もあるかもだし」
春香「それじゃ、明日は皆でプロデューサーさんに電話しよう!」
千早「いいですね、プロデューサー?」
P「ああ。むしろ俺の方からお願いするよ。これなら絶対上手くいく!」
小鳥「じゃぁ、明日こそ楽しみにしてますからね!」
~翌日~
春香「朝電話したけど、今日は大丈夫みたいだよ」
千早「昨日の夜にも電話して、化粧してないか確認したわ」
伊織「少し遅めにかけて、引き返してない事も確かめたわよ」
響「皆すっごい気合入ってるな。自分も電話したけどさ」
小鳥「これでもう大丈夫ね!」
P「皆、おはよう!」アイアムPヘッド!!
P以外「…………」
真「なぜっ……なぜなんだっ!!」
あずさ「これは……試練なのかしら~?」
雪歩「そうだ……お茶、お茶を淹れないと……」カタカタ
やよい「はわっ!? 雪歩さん、両手がすっごく震えてますよ~!」
亜美「ゆきぴょん! 現実に負けないで!」
真美「真美たちがついてるよぉっ」
貴音「貴方様……」
律子「説明を、お願いできますよね?」
P「……へ?」
美希「へ? じゃねーの!」
P「……あ、あれ!? 何で俺Pヘッド被ってるんだ!?」
やよい「……さすがにそれはないかなーって」
伊織「往生際が悪いわよ、このバカプロデューサー」
P「ま、待て! 俺のPヘッドはちゃんと自宅に置いてきたぞ!!」
春香「えっ」
千早「では、そのPヘッドは何なんですか」
P「それは俺の方が聞きたいよ。何で俺はPヘッド被ってるんだ?」
貴音「……はて? 嘘を吐いているようには見えませんね」
美希「ミキには分かるの。ハニーはウソなんて言ってないの」
亜美「ミキミキ、ついさっきまで荒ぶってたのに」
真美「手のひら返しが凄いね」
あずさ「でも、それならいつPヘッドを被ったのかしら~?」
律子「ここに入ってくる前までの状況で、何かそれらしい事はなかったんですか?」
P「そう言われても……あぁ、事務所の前で社長にあったな」
小鳥「社長? そういえば、今日は出張があるってさっき出掛けていきましたね」
伊織「で? 何か話でもしたの?」
P「そりゃ、目に付いたら挨拶くらいするさ」
真「どんな感じだったんです?」
P「確か『キミィ、今日はPヘッドは忘れたのかね?』とか言われて」
雪歩「その時までは素顔だったって事ですか」
響「それで、その後はどうしたんだ?」
P「えーっと『そのままだと物騒だ。これを被っておきなさい』って……」
春香「そこ! そこですよ!」
美希「一ミリの疑いようもないの」
響「むしろ何でプロデューサーは気が付かなかったんだ」
P「いや、これ被ってるの当たり前すぎて、違和感なかったんだよ」
あずさ「つまり今日に限っては原因は社長という事ね~」
やよい「プロデューサーがウソつきじゃなくて良かったです!」
P「二人とも……ありがとう」
伊織「はぁ、そういう事なら仕方ない……のかしら?」
律子「もう何でもいいです。とっととPヘッド脱いでください」
千早「今日はもう、脱げない理由はないですよね」
P「おう。……で、鍵は?」
春香「えっ」
亜美「鍵はにーちゃんが持ってるんじゃないの?」
真美「今日も忘れちゃったの?」
P「俺のPヘッドは自宅だって言ったろ。当然、鍵だって自宅だよ」
P「第一、このPヘッドと同じ鍵穴とも限らないし」
雪歩「鍵なんて持ってませんよぅ」
真「持ってるのは社長じゃないかな」
あずさ「でも、さっき社長は出張って……」
貴音「小鳥嬢、高木殿はどちらに?」
小鳥「そういえば、場所までは聞いてなかったわ。フラっと出て行っちゃったし」
伊織「日数は? 日帰りよね?」
小鳥「……一週間だって」
律子「一週間んんん!!?」
P「え? 俺、これ一週間外せないの? 食事は?」
亜美「にーちゃんは犠牲になったのだ」
真美「真美たちが素顔を暴こうとした犠牲に……」
あずさ「やっぱり、これは天啓なのかしら~」
春香「考えてみればPヘッドの中を覗こうだなんて、おこがましい事なのかもしれないね」
千早「私たちにはプロデューサーがいる、それだけで満足しておくべきだったのかもしれないわ」
真「結局、ボクたちには大きすぎる問題だったんだ」
雪歩「残念ですぅ」
やよい「でも、今日まで皆で頑張って楽しかったですよ!」
伊織「やよい……そうね。終わってみれば、いい思い出よね」
響「プロデューサーの素顔が見れなかったのは残念だけど」
美希「きっとそのうち機会は巡ってくるの」
貴音「はい。いつか、星の巡り合せがあれば……」
小鳥「そうね。きっとその時はすぐ近くまで迫ってるわ」
律子「これで終焉……か。まぁ、それが一番いいのかもしれないわね」
P「…………あのー、俺、メシとかどうしたらいいの?」
P「え? マジでこれで終わり?」
……こうして、Pヘッドを巡る一連の事件は終末を迎えた。
この事件は『Pヘッドの乱』と名付けられ、
これ以後、Pヘッドの中を暴こうとする事は永遠にタブーとされたのである。
高木「皆も秘密は秘密のままにしておこう。私との約束だ」
終わり
ふぅ……もうPヘッドSSは当分書かなくてもいいや。
読んでくれた方、コメくれた方々、ありがとうございます。
よしまた書いてきたSSを全部挙げてみようか
いつものPヘッドのアイツか
乙乙
このSSまとめへのコメント
いらつくしつまらん