静「ペーパー・バック・ライターは父親に憧れる」(556)

※初めに

・このSSは「静・ジョースターの奇妙な日常」の続き・第六話です。
今回の話は伏線回収・説明回です。この話から読むと意味不明だと思います。

・オリジナルスタンド・オリジナル展開が多いオリジナルストーリーです。オリジナル苦手な方は逃げて下さい。

・ジョジョの小説、thebookと恥知らずのパープルヘイズを見ていないと一部意味不明な所があります。ご注意をば。

・長くなりましたが、書かせていただいます。

一話
静・ジョースターの奇妙な日常
静・ジョースターの奇妙な日常 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363790589/)

二話
仗助「静のやばい物を拾ったっス」
仗助「静のやばい物を拾ったっス」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1365094145/)

三話
静「ジャンケン教師がやって来た」
静「ジャンケン教師がやって来た」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1367669400/)

四話
静「引きこもりのうちへ遊びに行こう」
静「引きこもりのうちへ遊びに行こう」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1368951927/)

五話
静「泥棒をしよう」
静「泥棒をしよう」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1370177583/)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1373404472

東方家――

仗助「はあ……そうっス。『エニグマ』が……ええ、はい。やられまして……えッ?ああ、静が……静っすよ。ウチの……はい……」

静「……」

『……』

仗助「はい……はい……早くて3日……そうっスね。こっちも探ってみますが、主犯は……はい。そうなりますね……はい……ええ、それじゃあお願いするっス。承太郎さん……それでは……」

ピッ!

仗助「……承太郎さん、すぐに杜王町に来るってよ~~……」

静「ふーん……別に来なくていいのにさーッ……」

仗助「……」ジロリ

静「……何?兄さん」

仗助「テメーはよーッ……マジに今の状況理解してねーみたいだな~~……たしかに、今すぐヤベーっていう事じゃあねーが、あいつが管理下を離れたっつーのは深刻な状況なんだぜ~~」

『……』

静「……前にあたし、兄さんから聞いたわよ。……しゃべる本……『エニグマの少年』……たしか、物や人を紙に閉じ込めることが出来る、チンケなスタンド能力を持っていたんでしょう?」

仗助「……ああ、そうだ」

静「そいつはもう十何年も前に、兄さんが本にした。……今はもう人と数えていいのかもわかんない、奇妙な本よ。それがさ、兄さん……」

仗助「……」

静「それが……盗まれた?……『だから?』よ。……『だから、何?』……あたしはずっとそう思ってる。兄さんも、ペーパー・バック・ライターも……どうしてそんな、くたびれた本なんかを気にしているの?」

仗助「静……その理由はよ~~……オメーは知らなくていい事だ」

静「……」

『……』

仗助「ただ……あいつがもしも、何かしらの理由で『開放』されたら……きっとおれの思ってる以上に、世界はヤベー事になるんだよ。おそらくな~~」

静「……全く意味がわかんないわ。きちんと説明しなさいよッバカ兄さん」

仗助「……おれはよ~~……本当に、オメーには危険と無縁の、幸せな生活を送ってもらいたいんだよな~~……だからよ~~……」

静「あたしは当事者だってのーッ。説明されなきゃわかんないわよッこのタコッ!」

仗助「タッ……」

静「兄さんの言う『幸せ』が、『無知を恥じない事』なのだとしたら……あたし、そんな『幸せ』いらないわ。投げ捨てて犬にでも食わしてやるッ」

仗助「……」

『……』

静「教えて、兄さん。……あの本は……一体何を引き起こすっていうのッ?」

仗助「……何を引き起こすのか、わかんねーんだよ」

静「…………はあ?」

仗助「日本が銃社会になるかもしんねーし、薬物が蔓延するかもしんねーし、世界中にスタンド使いが生まれるかもしれねーッ。……何が起こってもおかしくねーんだ」

静「……ますます意味がわかんないわ」

仗助「……わかんねーほうが幸せだぜ~~……おれが今言っているのは、お前に事の重大さを教えるためだ。……これを見ろ、静」

ピラッ

仗助の差し出した『一枚の紙』には、
『拳銃の絵』が描かれていた。
それはまるで本物のようなリアルさで、
銃が幾何学模様で複雑にデザインされている。
エッシャーの『昼と夜』のようなイラストであった。

静「……?……これが、何?」

仗助「これと同じような物が、何枚も世界中で見つかっている」

静「?……」

仗助「これは……モノホンの拳銃だ」

静「……?……絵でしょう?」

仗助「ああ、今はな。……だがこれは……」

『……へえ……こんなものがあったのかい?……ペラペラ……』

静「!?」バッ!

仗助「……!」クルリ……

紙人間『……ペラリ』

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

静「ぺ……『ペーパー・バック・ライター』ッ!」

仗助「!……テメーが泥棒の黒幕か~~ッ?堂々と姿現すとはよーッいい度胸してやがるぜ~~ッ!」

紙人間『……ペラペラ……』

静「いッ……いつからそこにいたのッ?」

紙人間『結構最初のほうからさ……詳しく話は聞かせてもらった。東方仗助……アンタが何で『エニグマ』を、燃やしもせずに保管してたかよくわかったよ』

仗助「ああ……何も燃やす必要はねーな~~ッ!テメーをブチのめして『エニグマ』を返してもらえばいい話だからよ~~ッ!!」

紙人間『落ち着けよ……イライラすると寿命が縮まるぞ?僕は少し、君たちと話をしに来たんだからさあ……ペラペラ……』

静「……『話』……ですって?」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

紙人間『ああ……正直僕に交渉の材料はないんだが、それでも話をして、少し交渉をしたい』

静「『交渉』ゥ~~?」

紙人間『簡単な話だ。東方仗助……『エニグマ』を元に戻してくれ』

仗助「……!」

静「……は……?」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

紙人間『君の『スタンド』……『クレイジー・ダイヤモンド』にしかそれは出来ないはずだ。……僕は彼を開放したいんだよ』

仗助「……『エニグマ』を……開放する、だと……?」

静「ちょ、ちょっと待ちなさいよッ!色々言われてあたし付いて行けてないわッ!」

人間『……別にいいだろう。駒は駒らしく、何も考えず動いていれば』

静「あたしはもうアンタの駒じゃあないってのーッ!ていうかさ~~テメー覚えてるんだろうなッ!?アンタの駒として働いた報酬ッ!アンタの本体を教えるっていうさ~~ッ!」

紙人間『……』

静「交渉したいんだったらさ~~!まずはアンタの正体から教えなさいよねーッ!」

仗助「たまには良い事言うぜ、静。……正体も明かさずに裏でコソコソするような野郎と、交渉するつもりなんざねーなーッ!」

紙人間『……ふむ、そうか』

仗助「悔しかったらよ~~……本体自ら出て来いよッコラアッ」

紙人間『ならば……お邪魔するよ』

仗助「……」

静「……何ィ?」

ガチャッ

仗助「……」

静「……今の……玄関が、開いた……?」

コツ コツ コツ コツ……

???「一応ノックはしたんだがな……返事がないから、勝手にあがらせてもらったよ」

コツ コツ コツ コツ……

仗助「……」

紙人間『まるで泥棒みたいだが、許してほしい……どうせ本当に泥棒だしな。まっとうな人間じゃあないんだ、僕は』

コツ コツ コツ コツ……

静「……」

???「両親は……恋人で、兄妹で、学友で、人殺しだった。……そんな二人から産まれた僕だ。まっとうな人間に育つわけがないだろう?」

ガチャッ……

仗助「……」

静「……」

ドアをあけて現れたのは、まだ幼さが顔に残る、少年だった。
黒い長袖の学生服に腕を通し、首までボタンを閉めている。
切れ長のするどい目は真っ黒で、細いフレームの眼鏡越しに、ぎらぎらと光を放っていた。
片耳だけにつけたアクセサリーと、色素の薄い髪の毛に……
東方仗助は、かすかに、たしかに、誰かの面影のようなものを感じた。

「初めまして。東方仗助……静・ジョースター。僕の名前は双葉双馬……『ペーパー・バック・ライター』の『スタンド使い』だ」

本日はここまでです。
立て逃げとかはしませんよ。まだ。

次回投下いつになるかわかんないけど……

・「誰この新キャラ?」と思うThe Book未読の方へ
仗助くんは高校生のころ、殺人事件をおかした悪いスタンド使いと戦って、ぶったおしました。
しかしその悪いスタンド使いは、自分の妹との間に子供をつくっていたのです。
今回のソーマ君は、その悪いスタンド使いの子供という設定です。

・既読の方へ
たぶん一話二話から、彼の存在はわかっていたと思います。やっと出せました。長かった。
名前は『吉良吉影』『ジョジョ』みたいに合わせてみたというのと、ポストカードの『二頭の馬』から。
見た目イメージはメガネをかけた蓮見先輩でお願いします。
スタンドの名前は、The Bookが冬の話だったので『ウィンターズ・テイル』にするつもりでした。
今思うと変えといてよかった。自分のネーミングセンスの無さにビックリです。

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

仗助「お……お前は……」

双馬「……フー……」

仗助「お前はッ!……『まさか』ッ!!」

静「??……誰?兄さん、こいつ……ディ、『DIO』の息子なのっ?」

双馬「……中々面白いことを言うな、静。僕が……『帝王DIO』の息子?フフ……僕の父はいたって凡人さ。……今まで食ったパンの枚数を、おぼえている事以外はね」

静「……」

双馬「僕の父は……僕の家系は……言うならば、素晴らしく面白い物語に、誰かが勝手に付け加えて書き足しただけの……ツギハギだらけの取るに足らない家系だよ。ジョースターの血統と『DIO』の関係のように、何年も続く因縁があるわけじゃあない。……だけど、それでも……」

スイッ……

仗助「……」

双馬「会いたかったよ……東方仗助。本当に……死ぬほど会いたかった。いや!違うな。正確には……『殺してやりたいほど』会いたかった……!」

静「……!」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

仗助「……」

仗助「……殺したけりゃあ、殺せばいい」

双馬「……」

静「……」

仗助「テメーにはよ~~……その資格があるぜーッ。おれも、テメーになら殺されても文句は言えねえ。いつかは……こんな日が来るとは思っていたんだよ。心の奥底のドンゾコでな~~ッ」

双馬「……」

仗助「言い訳はしねーぜ。テメーの父親を……殺したのは、おれだ。……おれがこの手で……助けることの出来た命を、摘み取ったんだ」

双馬「……」

静「……」

双馬「……今すぐアンタの脳天に……ナイフをブッ刺してやりたい、が…………アンタ以外にこの『本』を元に戻すのは出来ないからな。……今の所はこの話、置いといてやるッ」

仗助「……そいつは……ありがとうよ」

双馬「フン……」

スッ……

双馬「さてと……話を戻そうか?東方仗助。この『本』を元に……人間・宮本輝之輔に戻すという話だが……」

静「アッ、アンタさ~~……いきなり現れて、『本』を戻すとか兄さんを殺すとか、意味わかんないことベラベラ喋りやがってよ~~!宇宙人かッああ~~ッ?」

双馬「……本当に面倒くさいな、君は。僕の家系の事は置いておくと、今言ったばかりだろう?」

静「ああ~~はいはいッ!わかったわよ……わかった!それじゃあそっちの……『本』について聞かせてもらうわよッ!アンタ……『本』を戻してどうするつもりなのッ!?」

双馬「んー……簡単に言うと、だな。……この『銃』を使えるようにする」

スッ……

静「……さっき兄さんが出した『紙』……『銃の絵』……?」

仗助「……やっぱりよ~~……それが目的かよ……」

双馬「簡単に言うと、だ。……僕の目的は他にある。まぁ……追々話していくよ」

静「どういう事なの?この絵は……」

双馬「全く、ニブいなあ君は。……この『紙』は……いいか?このチンケな『紙』は……『エニグマの能力によって、紙にされた銃』だ」

静「……はあッ!?」

静「いやいやいやいやいやいや、ちょっと、いやいやいやいやいやいやいや……それは、その……おかしいでしょッ?」

双馬「何がだ?」

静「だって……あたしが聞いた話は……『エニグマの能力で紙にされた物は、その紙を開けば元に戻る』っていう……そういう話だったわよ?」

双馬「ああ。しかし今……『エニグマ』は『本』にされているだろう?『生きている』のか?『死んでいる』のか?はっきりしない……『アウトサイド・イン』『インサイド・アウト』……その『中間』で……言わば、『彼の時は止まった』状態にあるんだよ……」

静「……だから、『能力の時も止まってしまった』……と……?」

双馬「そう結論づけたんだろう?空条承太郎は、さ」

静「……!」クルッ

仗助「……ああ、その通りだぜ……世界中で見つかった『紙にされた物』を……承太郎さんはそう分析した」

静「世界中で……」

双馬「そこなんだよな、面倒な話。……『エニグマの少年』宮本輝之輔が当時、他の杜王町の『スタンド使い』と大きく違った点。……彼は、杜王町で『スタンド』を身につけた後、数日かけて世界中を旅して回った。そして、自分の能力を世界中で試していたんだよ」

静「……何ィ~~?」

双馬「『紙』にした銃は空港の金属探知機をスリ抜けられるのか?麻薬は『紙』にしてもモレ出ないのか?……『九州のトンコツラーメン』は、杜王町に持ち帰ってもホカホカのままなのか……?」

静「……」

仗助「!!……テメー、もしかして……!」

双馬「お察しの通りだ、東方仗助。僕は持っているんだよ。……彼が、九州……福岡で手に入れて、『紙』にした物を、ね」

静「?……九州……?」

仗助「まさか、テメーの目的は……世界中の銃や麻薬を使えるようにすることなんかじゃあなく……!」

双馬「そうさ、僕の目的は……これだ」

スッ

双葉双馬が取り出した『紙』には……
奇妙にデザインされた『武器』のようなものが描かれていた。
それは、尖った石に細長い棒が付いた物で……
まさしく、それは……それは、『弓と矢』に違いなかった。
人から『スタンド』という才能を引き出す、危険な『弓と矢』に違いなかった。

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

静「そッ!それは!……この、無知でなんにも知らないあたしだって知っている!それは……『弓と矢』ッ!?どうしてここに!?『紙』になってここにあるのッ!?」

仗助「……」

双馬「簡単な話だ、東方仗助……僕はこの『弓と矢』が欲しいんだ。スタンド能力の『先』へ行くためにね。だから、彼を……エニグマの少年、宮本輝之輔を、人間に戻してくれないか?」

本日はここまでです。ありがとうございました。

説明回は今までの話読み返して、書き漏らしとか拾い忘れとか無いかチェックしないといけないから、書くの嫌いです……。
たぶん読んでる人もしんどいと思います。ごめんなさい。
次の話でたぶん説明回終わりです。その後バトル入ります。

すみません、まだエタるつもりはないです。
仕事が無ければ書けるんですけど……。

支援絵ありがとうございます。
これはカッコイイ双葉双馬……。マンガの1ページみたいに描かれると、SSとはまた違った印象があっていいですね。

テンション上がったので投下したいのですが、前述の通り休みが、休みが……。
一応今のところ、来週の火曜には投下出来るかなぁ……といった感じです。
お待たせして申し訳ないです。もう少々お待ちを……。

世界樹と逆転裁判やりたいけど当分出来ないなあ……。

人気が無いとは、私は思わないのですが、やっぱり参加キャラのスペースの問題でしょうねえ。
アバッキオやウェザーやホットパンツ参戦せずにシーラEとか入れたら、そりゃ文句出るでしょう。
小説は荒木先生が描かれたのではないので、「同人」だと考えるのが当然だと思います。
しかし、一応集英社から出されてる公式のものですので、ここでは小説ネタを使わせていただいてます。
小説苦手な方いましたらごめんなさい。

9時ごろ投下始めます。
今から書いてきますので、しばしお待ちを……

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

双馬「そう悩むことじゃあないだろう?少し強力してくれるだけでいいんだ……『スタンド』でちょいと『本』に触れて、あとは知らぬ顔をしてくれるだけでいい」

仗助「……」

静「ぐっ……!」

双馬「世界に銃が千丁生まれ、麻薬が万錠流出して、死人が億人出たとしても……なあに、君達には関係のない事だろう?全ては宮本輝之輔という、スタンド使いが引き起こした事なんだから……さ」

静「そッ!そんな事言われて首をタテに振る奴がいるかってのーッ!全然全く交渉になっちゃあいないわよッ!マヌケッ!」

双馬「……ああ、そうだな。僕に交渉のカードはない……」

双馬「しかし……断るというのなら……本当に、腹立たしい奴だよ。東方仗助。……君は、僕の父を殺すだけじゃあ飽きたらず……息子の僕の、たった一つの夢ですら、叶えさせてくれないんだから」

仗助「……!」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

双馬「全くもって、邪魔な男だ……東方仗助。アンタは何度……何度、僕から『幸せ』というものを奪ったら気がすむのだい?僕の父を殺してしまったのだから、息子は幸せにしてやろうという『人の情』ってのも無いのかい?……ああ、君はあれか。……僕の父親を殺した事について、陰毛の先っぽほども気にしていないという事か……」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

静「テメーッ!死んだ父親をダシによ~~ッ……なんかッ……卑怯じゃあないのーッ!?」

双馬「フン、父を殺されたのは、この僕だぜ?他人の君にとやかく言われる筋合いはないな。……それと、もしも……東方仗助、アンタが断るって言うのなら……」

双馬「僕はこの『本』を燃やすつもりでいる」

仗助「!……何……?」

静「も……や……?……はァ~~ッ?アンタ、そんな事したらッ……」

双馬「ああ……おそらくたぶんきっと、世界中に散らばる『紙』と、この『弓と矢』は……消えてしまうだろうな。……しかし、もしそうならないとしたら?」

静「『そうならない』って……」

双馬「もしかしたら……いいか、もしかしたらの話だ。……この『本』を燃やして、『宮本輝之輔』を『殺した』ことにすれば、だ。……この『紙』は能力の呪縛から開放されて、また再び使えるようになるかもしれないだろう?」

静「そ、そんな事……!」

仗助「……ああ。可能性はあるぜ」

静「……!」クルッ

仗助「……何せ前例がねーからな~~……だからおれ達も、その『本』を今まで処分出来ないでいたんだ……」

双馬「まあ、僕は実際の所……『紙』は物に戻るんじゃあなく、そのまま消滅してしまうんじゃあないかと思う。……能力で作られた物は、本体と一緒に消滅するものだ。……だから実際そんな事はやりたくない。……それは君も同じだろう?東方仗助?」

仗助「……」

双馬「この『本』を燃やすと何が起こるかわからないからな~~……この『本』を作ったアンタにだってわからない。……そんな危険な橋渡るくらいなら、大人しく『本』を『宮本輝之輔』に戻したほうが、ずっと利口だと思わないかい?」

静「……」

双馬「交渉だ。この『本』を……『宮本輝之輔』に戻してくれ。他に何も要求することはない……」

カキンッ!

静「!(ラッ、『ライター』ッ!?)」

双馬「交渉決裂なら……今この場で、こいつを燃やす。……さぁ、どうする?東方仗助!」

仗助「……」

双馬「ハッキリと……決めてもらおうか?口に出して、ね……」

仗助「……くッ……」

静「……兄さん?」

仗助「たしかに……その『本』を燃やすっていう……爆弾を爆発させるよーな事させるくらいなら……素直に戻したほうが懸命かもな……」

双馬「……ああ、そうだね」

静「兄さん?ちょっと……!?」

仗助「おれは……お前の父親をよ~~……殺した事を、ずっと気にしていた。これは……おれの『罪』だってな。それが……少しでも『罪滅ぼし』が、出来るっていうんならよ~~……この交渉はおれにとって、めちゃくちゃいいモンだよな~~……」

双馬「……ああ、そうかもね……」

静(に、兄さん……まさかッ!『迷ってる』……?こいつは!こいつの『交渉』はッ!兄さんの『誰よりも優しい心』に、付け入って入り込んでいやがるんだッ!)

静「兄さ――!!」

仗助「でも……断る、ぜ」

双馬「……!」

静「!……えッ……」

仗助「……」ハァハァハァハァ……

双馬「……断る時はさぁ~……もっとバシッ!っと、言ったらどうなんだい?そんな顔で言われても、僕には納得出来ないな」

仗助「……テメーに……何と言われようと、出来ないもんは出来ない。……そいつを戻すくらいなら……燃やして、紙が元に戻らないっていう方に賭けるぜ……」

双馬「それは……君が、昔『宮本輝之輔』と……一悶着あったからかい?」

仗助「いや……そうじゃあねぇ」

双馬「銃や麻薬が世界に出回ってしまうかもしれないからかい?」

仗助「……それでもねぇ」

双馬「……意味がわからないな……どうしてそこまで頑なに、コイツを戻すことを拒否するんだい?」

仗助「……銃や麻薬なんかよりも……もっと危険な物が、この世に開放されちまうからだ!」

バンッ!!

静「!……こ、これは……!?」

双馬「……!」

東方仗助が、机に叩きつけた『紙』には……
『銃』でも『麻薬』でもない別の、もっと危険な物が描かれていた。
それは……古臭く、ひび割れて、それでいで不気味な色気が漂う……
……石で出来た、『仮面』であった。
『帝王DIO』を生み出し、ジョースター家を数奇な運命へと誘った、
『石仮面』が、『紙』に封印されていた。

静「いッ……『石仮面』ッ!?」

双馬「『石仮面』……だと?」

仗助「……」

静「お、おじいちゃんに聞いたことがあるッ!この世には、人間を『吸血鬼』へと変えてしまう、とっても危険な道具があるって……まさか、これがッ!?」

仗助「おれが……考古学者のおれが、承太郎さんから預かったものだ。スピードワゴン財団が回収し、おれが、『DIO』のルーツを研究するため預かった」

双馬「……」

仗助「これはよ~~……この世に存在しちゃあいけないもんだ。今は紙となって使えないし、危険も無いと言えるが、これは……封印が解かれて、この世に開放された瞬間、世界で最も危険なシロモノとなる」

双馬「……」

仗助「しかし、同時にすごく貴重な物でもある。『DIO』のルーツに繋がる物は、これ以外には見つかって無いからな。……だからおれの独断でコイツを処分することも出来ねーッ。……イザとなったらそれこそ、この『紙』を燃やす覚悟はおれだってあるが……」

双馬「……だから、『本』を……『宮本輝之輔』に戻すことは出来ない、と?」

仗助「ああーッ。おれにとってメリットが何一つねーしなーッ……それはテメーも同じだろう?」

双馬「……何?」

仗助「イチかバチかで『本』を燃やして……もしも『弓と矢』が消えたらどうする?もうそいつはよ~~……この世にゃあ何本も残ってねーんだぜ?デメリットがデカすぎるんじゃあねーのかッ?」

双馬「……」

仗助「ホレッ!……今なら、カワイイ子供の『イタズラ』だって事にしてよ~~……スッキリ水に流してやるから、『本』を返せ。双葉双馬」

双馬「…………」

静「バック・ライター……いえ、双馬……アンタが『弓と矢』で何を望んでんのかは知らないけど……それって、世界中を混乱に陥れてまですることなのーッ?あたしはそうは思わないわよ。もっと別の……みんなが幸せになる方法だって、あるのかもしれないじゃあないの」

双馬「……フン」

スッ……

双馬「やっぱりな。……交渉の材料には『弱い』と思っていたんだよ。……もっと『考えないと』いけないな……」

仗助「……『本』を返す気はねーのか?」

双馬「ああ。……心配するなよ、燃やすつもりだってない。今はね。……どうにかして、アンタにこの『本』を戻してもらうまで……それまで少々『おあずけ』だな」

仗助「……」

静「……」

クルッ

双馬「失礼したね。東方仗助、静・ジョースター……交渉の材料を見つけたらまた、お邪魔させてもらうとするよ……」

スタスタ……

静「……双馬」

双馬「馴れ馴れしく僕の名を呼ぶな、静」

静「……いつでも遊びに来なさいよ。お茶くらいなら出すわよ、双馬」

仗助「……」

双馬「……フン」

ガチャッ……

バタンッ

仗助「……静よ~~……オメー何で、最後にあんな事言ったんだぁ?」

静「あたし……あいつの事、そんなに悪いヤツじゃあないなって思うの。たぶん、きっと……何か理由があって、『弓と矢』を求めてるのよ。そんな気がする……」

仗助「……ただのカンだろーがよ~~……」

静「あいつは、ただ真っ直ぐなだけよ。……そりゃあ、自分の夢のためなら何でも犠牲にしてもいいっていう……そんな邪悪な心もあるけど……それでも、あいつは『真っ直ぐ』なのよ……おそらくね」

仗助「……だといいがな~~ッ……」

静「……それにしても……」

スッ……

静「『石仮面』に……『弓と矢』か……」

仗助「……ああ……」

静「……近くでマジマジ見ると、少し……いや、かなり不気味ねーッ、この仮面……コイツ、動き出したりしないわよねッ?いきなり手に食い込んだりとかァ~~ッ?」

仗助「『紙』になってる時は危険は無いぜ。……もし危険があったら、オメーにゃあ触らせねーぜッおれァよ~~」

静「まったく……過保護なんだからさ~~……」

仗助「過保護にもなるぜ……何せこいつは……」

カサッ……

仗助「邪悪の化身『DIO』を生み出した……危険なシロモノなんだからなーッ。……おれは『DIO』ってヤツの事、話に聞いただけ、だけどよーッ」

静「……」

仗助「『永遠の命』とか、『人を超えた力』とか……そんな事に心惹かれるヤツに、こいつは……絶対に渡しちゃあいけねーんだよ」

静「……『吸血鬼』……『DIO』……ねぇ……」

仗助「『DIO』……ギリシャ語で、『神』……か……」

…………

…………

有栖川家――

メイ「ゴホッ!ゴホッ……ゲホッ……」

ボタボタッ

メイ「…………クンクン……」

ペロペロ……

メイ「……自分の血って、臭くてニガくて、マズいのね……やっぱり他人のが一番かしら?」

ペロペロ……

チェスタ「……血を吐くことが、多くなったな……」

メイ「『時間が無い』……って、事でしょうね。私はまだ、死にたくはないのだけれど……」

チェスタ「ああ……」

メイ「……間に合わなかった?」

チェスタ「いや、間に合った。……『ペーパー・バック・ライター』の『双葉双馬』は……『エニグマの本』を手に入れたぞ」

メイ「……」ニタリ……

メイ「そう。……じゃあ後は……私の『総取り』ね」

チェスタ「……ああ」

メイ「……行くわよ、チェスタ。……杜王町全てと戦う事と比べたら……バック・ライターなんて、容易いものでしょう?」

チェスタ「ああ。……メイ、お前は……」

メイ「もちろん、『彼』と……『友達』になるのよ。……『東方仗助』と、ね」

チェスタ「……死ぬなよ。『神』となるものよ」

メイ「死なないわ。貴方も知っているでしょう?私の『スタンド能力』を……」

チェスタ「……東方仗助は、強いぞ」

メイ「フフ……私も強いのよ?私の……『イエスタデイ・ワンス・モア』も……ね」

チェスタ「……」

…………

…………

『有栖川メイは神に憧れる』

…………

本日はここまでです。
大変遅くなって申し訳ないです。また投下には時間がかかると思いますが……
皆様の応援、レスのお陰で続けられているようなものです。これからもよろしくお願いします……。
っていうか人増えた?

次回、バトルだと思います。
久々のオリジナルスタンドです。

次回バトルか! 楽しみだ!!

>>133-134
どこぞの蝶人みたく病のまま……とかそういう可能性も

柱の男と人間・吸血鬼とでは脳の構造が違うだろうから、赤石使っても死ぬか、人間としての限界点である吸血鬼になるかのどっちかじゃね?
石仮面って謎だらけだよなあ……赤石のは何故か血じゃなくて太陽光で反応するし。あれなんで紫外線浴びたのにカーズ死ななかったんだろうね?

>>143
武装錬金は名作。
ゆえに、そのネタ使うとパクリって言われそうなんで……

遅れて申し訳ありません。難産してます。
書いては消してを繰り返してあまり進んでいませんが……
明日投下予定です。もうしばらくお待ちを……。

…………

次の日
ぶどうヶ丘高校、職員室――

静「だからさァ~~さっきから言ってるだろっ?先生ェ~~ッ」

早人「……」カリカリカリ……

静「『双葉君』って子に、このペンを借りたのよ……コレね、コレ。チョイとメモしたいなァーって思ったときに、偶然貸してくれたのよ」

早人「……」カリカリカリ……

静「で!すぐ返そうと思ったんだけど、彼さっさと行っちゃってさ~~ペン返せなかったのよ。このままじゃああたし、泥棒でしょーッ?……あたしの手で直接、お礼言って返したいからさー、教室教えてくれないかしら?……双葉君って何年何組ィ?」

早人「……」カリカリカリ……

静「……ねえ!聞いてんのかよーッ先生~~ッ!」ユサユサ

ブスッ

静「いっ……」

早人「採点中のテストを盗み見ない……」

静「おいこらァ~~っ、なにも赤ペンで刺すこと無いでしょーッ?別にテストをチラ見したわけじゃあないし!なんでそういうイジワルするのよォ!」

早人「フー……あのね、静さん……君の言ってる事はムチャクチャなんだよ」

静「はあ~~ッ?」

早人「ペンを借りたって?……その、新品同様のきれいなペンを?」

静「……キレイ好きなヤツだったんでしょうねーッ。かなり神経質な顔してたし」

早人「えっと……誰に、それを借りたって言った?」

静「双葉君よ。双葉双馬。センの細っちろい、メガネかけた野郎よ。……あたしに対して結構エラそうだったから、もしかしたら年上かもしんないわね……もしかして先生、一年以外の生徒は知らないのかしら……?」

早人「そこなんだよね……そこが、全く意味がわかんない」

静「だから、何が?」

早人「……確認するけどさ……その、ペンを借りた場所って……この校舎内で、なんだよね?」

静「……もったいぶった態度とらないでよねーッ先生。そういう陰湿でさ~~ネチネチした態度、あたし大ッ嫌いだってのーッ」

早人「……じゃあハッキリ言うけどさ、静さん。……『双葉』なんて苗字の子、この高校には『居ない』んだよ」

バン

静「……にゃにィ?そんな訳ないでしょお~~?あいつは『学ラン』を着ていたわ。ここの他に『学校』なんて……」

早人「うん。だから意味がわからないんだよ。……静さん、君もしかして……また変な『悪巧み』してるんじゃあないだろうね?」

静「し、してないってのーッ、失礼なッ……あたしがいつ悪巧みしたのよーッ?」

早人「……ならいいんだけど……ほら、疑うわけじゃあないんだけど、君が『ウソ』をついていて、ぼくから情報を引き出そうとしていた、とか……」

静「う……」ギクリ

早人「そんな事があったらさ、やっぱりぼくとしてもあまり『本当の事』を教えたくないっていうかさ~~……『ウソ』ついてる子にいいように利用されるなんて、やっぱり先生として、大人として、ガマンならないだろう?静さん、けっこう『チャッカリ者』で『シッカリ者』だからさ~~」

静「あ、アハハハ……そんな事あるわけないじゃあないのよォ~~もう!センセーったら冗談がうまいンだからさ!それで……その、『本当の事』って……?」

早人「……はぁー、もう……仕方ないなぁ」

早人「いいかい?静さん、この『双葉双馬』って子は、『高校生』じゃあなくって……」

静「……?」

…………

…………

ぶどうヶ丘中学校――

キィ~ン コォ~ン カァ~ン コォ~~ンッ……

女生徒「あのォ……私達とご飯、いっしょに食べないかしら?『双馬』君……」

双馬「……」ペラッ

女生徒「双馬君、いつもお昼は一人でしょ?たまにはさ、私達と……」

双馬「……ハァ~……」パタンッ

双馬「悪いけど、遠慮するよ。今日は少し外で食べようと思ったしね。……それに、僕はそーいう『馴れ合い』ってやつが大ッ嫌いなんだ」

女生徒「あッ!ご、ごめんね?双馬君……けど……」

双馬「それに君、今……僕に対して絶対に『やっちゃあいけない事』を堂々とやったんだぜ?それに気付いていたのかい?」

女生徒「えっ?」

双馬「『読書』さ。君は今、僕の『読書』のジャマをした。それは、『それだけは』絶対に許せない。……人は本を読んでいる間、『ここではないどこか』にいるんだよ。そんな人間を『ここ』に戻すなんて……君にはデリカシーってやつが無いのかい?まったく……」

女生徒「ご、ごめんなさいッ!」

双馬「フン……」ガタガタッ

ガラガラッ

男子生徒「おーい、『双葉双馬』はまだいるかっ?」

双馬「?……僕のことか?」

男子生徒「オメー以外に『双葉双馬』なんざ、いねェーだろーがよッ!」

双馬「いや、僕が名前を呼ばれるなんて珍しいからね……。しかし、愉快なものではないな。僕は今から外に食事に行くんだよ。用があるならさっさと済ませてくれないか?」

男子生徒「いや、おれじゃあね~~よォ~~用事があんのはさッ!『おねーさん』に呼んでくるよう言われたんだよッ!いやあ、相変わらずモテるねェ~~双馬クンッ!ウヒヒッ!」

双馬「?……誰だ?僕にそんな知り合いはいないはずだけど……」

スタスタ……

ガラガラッ

双馬「…………」

静「……ハァ~イ、双馬」モグモグ

双馬「……静・ジョースター……何故君がここにいるんだ?……高校と間違えたのか?道案内が必要なのか?」

静「バ~~カ!あたしはアンタに会いに来たんだってのーッ。ほら!『サンジェルマン』でサンドイッチ買ってきたのよ。一緒に食べる?アンタお昼まだよねェ?」モグモグ

双馬「……言いながら何を食べているんだ」

静「テリヤキチキンサンドよ。あたし好きなのよねェ~~ちょっぴりかじる?」

双馬「……結構だ。まったく……」スタスタ……

静「あっ、ちょっとアンタどこに行くのよ~~ッ?一人で先々行くなってのーッ」タッタッ

…………

…………

ぶどうヶ丘中学校、体育館裏――

静「しっかし、まさかアンタが『年下』とはねーッ!あんだけエラソーにしといてさ~~中坊だなんて、ちょっぴりユルせんとこだけど……ま!あたしは大海原のよーに心が広いからねッ!気にしないであげるわよ~~」モグモグ

双馬「フン、僕より年上で使えないヤツなんていっぱいいるさ。それこそ大海原にいる生物くらいね。静・ジョースター……君もなかなか使えないな」

静「何よ、いきなりケンカ売る気ィ?」ジロリ

双馬「サンジェルマンでサンドイッチ……まぁ、それは別にいいんだけどね。だけど、ドーナツが無いのはどういう事だい?ボックスサンドなんて僕は求めていないんだよ」モグモグ

静「ケッ!嫌なら食べなきゃいいでしょーッ?まったく、コニクたらしいガキねッ!それあたしの奢りだってのーッ」

双馬「せっかくだからもらってやってるだけだ。逆に感謝してほしいくらいだな」モグモグ

静「ハァー、ホンット性格悪いやつだわ……こいつに会いに来たのは間違いだったかしらねー……」

双馬「その事だが、静。君、どうして僕に会いに来たんだい?」

静「どうして、って……何よ、会いに来ちゃあダメだったわけ?」

双馬「正直迷惑だな」

静「冷たいヤツねーッ、一度は運命を共にした仲でしょう?」

双馬「ズーズーしいヤツだ……僕は本を読みたいんだよ。用が無ければさっさと学校に帰ってくれ」

静「はいはい、わかったわよ、用事ね。……と言ってもさ、あたしは本当に、一緒にごはんを食べようと思っただけなのよねーッ」

双馬「……何だと?」

静「あたし、昨日アンタと話して……というより、もっともっと前からアンタとは話をしてたんだけど……どうしても、アンタが極悪人だとは思えなかった。……一緒にサンドイッチを食べて、その思いが確信に変わったわ。アンタは悪いヤツじゃあない」

双馬「……君、頭は大丈夫か?昨日言っただろう?僕は世界を大混乱の渦に巻き込もうとしているんだぜ?」

静「そうよ。だから、わからないの。……アンタ、どうして『エニグマの本』を元に戻そうとしているの?……『弓と矢』を使って、どんな事をしようとしているのよ?」

双馬「……」

静「……アンタ、前に言ってたわよね。校門で……『どうしても知りたい情報がある』『ある男の情報が知りたい』『スタンド能力の先へ行きたい』って」

双馬「……」

静「……『ある男』って、一体誰……?そいつの情報を知るために、『弓と矢』が必要だっていうの……?」

双馬「……静。僕はドーナツが好きだ。あげたてで、穴があいてるやつだ。砂糖がまぶしてある、例のやつ」

静「?……ええ」

双馬「……しかし、幼少の時から好きだったわけじゃあないんだよ。僕がドーナツを好きになったのは、この生まれつきの才能……『スタンド能力』を、自在に使いこなせるようになってからだ」

静「……?」

双馬「僕は……この能力で、『読んだ』んだよ。……僕の『父親』の好物が……ドーナツだっていう事をね」

静「……『父親』……」

双馬は、地面に手を伸ばして『本』を取り出した。
『ペーパー・バック・ライター』の能力によって、地面の記憶を『本』にしたのだ。
その茶色い『本』をぺらぺらめくりながら、静になめらかに説明する。

双馬「父の名前は『蓮見琢馬』……右肩に馬のようなアザがあることから、『琢馬』という名前をつけられた。そのアザは僕の右肩にも受け継がれている。幼少期を児童養護施設で過ごし、『完全記憶能力』という稀有な才能を持つ。……そして、自身の母親を殺した者へ復讐するため、殺人を犯し、僕を産ませた。……自身の妹にね」

静「……」

双馬「……全部これに書いているんだよ。この杜王町の地面にね。……父が踏んだ杜王町の土地は、父の事を覚えている。それをかき集めて僕は知ったんだ。東方仗助に殺された、『蓮見琢馬』という男のことを」

双馬「しかし……これは、あくまで『記憶』だ。ただの情報……」

静「ただの……ですって?」

双馬「ああ。……僕の父の人生というヤツは……たかだか380ページほどの本くらいの文章量で、全て表すことが出来たんだ」

静「けど……その『情報』を読んで、アンタは、その……死んだ父親の事を知ったんでしょう?」

双馬「……『本』というやつはな、静……いつも『向こうからの一方通行』なんだよ」

静「……?」

双馬「どれだけ素晴らしい文章だとしても、どれだけつまらない物語だったとしても、僕らはそれに干渉することは出来ず、ただただ眺めて、一方的に共感して、一方的に感動を与えられ、一方的にフィナーレを読み、読まされることしか出来ないんだよ」

静「それって……本って、そういうモンでしょう?」

双馬「ああ。……それが、本の良い所であり、悪い所さ。……本は人間のように、話し合って新しいものになることは、絶対に出来ないんだよなあ……」

静「……」

双馬「僕の能力は……地面から、物質から、文章を取り出すことしか出来ない。たとえどれだけリアルだとしても……過ぎ去った過去を『読む』事しか出来ないんだ」

静「それで……それが、どうしたっていうの……?アンタの能力と『弓と矢』……一体何の関係が?」

双馬「……君は知らないかもしれないが……かつて『吉良吉影』という男はやってのけたんだ。……自身にさらに『弓と矢』を使うことで、『スタンド能力』をさらに強力なものへと変えたんだ」

静「……まさか、アンタの目的って……!」

双馬「僕の能力をさらに強力にすれば、静……もしかしたら、僕は『読む』以外にも、『聞いたり』『嗅いだり』『感じたり』出来るかもしれないだろう?そして、その過去の記録と……触れ合うことも出来るかもしれないじゃあないか」

静「……」

双馬「静、僕は……父親に会いたいんだ。ただ、ただ……それだけなんだよ。僕の目的は……幸せになりたいだけなんだ」

静「……やっぱりアンタ、あたしの思っていた通り……悪いヤツじゃあないわ。絶対」

双馬「……フン、勝手に言ってろ。僕は幸せになるためだったら、どんな犠牲だって払ってやるぞ」

静「いいわよ。あたしはその犠牲を、払わせないようにしてやるからッ」

双馬「何?」

静「とりあえず、その『エニグマの本』をどーにかするのだけはダメね。本当に世界がしっちゃかめっちゃかになっちゃうし。やっぱりその本、図書館に返すのが一番よねーッ」

双馬「やっぱりバカなのか?君は……そんな事するわけないだろう?」

静「ヘーッ!そんな口きいちゃっていいのかしらァン?あたしは知ってるんだけどなーッ」

双馬「……何をだ?」

静「へっへっへー……スピードワゴン財団に、『弓と矢』が一つ、大切に保管されてるって事ーッ!」

双馬「……!」

静「……アンタが頭下げて、兄さんにごめんなさいって言って、誰にも迷惑かけないっていうのなら……あたし、兄さんに頼んでみてもいいわよ。『弓と矢』をちょっとだけ貸してください、ってね」

双馬「……本当の事なのか?それは……」

静「といっても、結構ムチャクチャな頼みだし、貸してくれないかもしんないけどーッ……たぶん、承太郎さんとかの監視のもとでなら、大丈夫だと思う。きっとね」

双馬「……確証は無いんだな」

静「アンタ、その『本』を『人』に戻す『完璧な方法』知ってんのォー?それに比べたらいくぶんマシでしょう?こっちのほうが未来があるし、なにより誰にも迷惑かかんないわッ」

双馬「それは……そうかもしれない、が……」

静「ね?双馬……アンタ、幸せになりたいのなら……他の人を犠牲になんかしちゃあいけないのよ。四つ葉のクローバー見つけるために、三つ葉を踏みつけてどうするの?」

双馬「……」

静「なんならあたしも一緒に頭下げてあげるわよッ。それとも、もしかして……アンタ、あやまりに行くのが怖いのーッ?アハハハハハハハハ」

双馬「……僕をバカにするんじゃあないぞッ静!」

静「……だったら、どうすんの?」

双馬「…………」

双馬「……わかった。僕の負けだよ……」

静「!……じゃあ……!」

双馬「ああ……東方仗助に『本』を返して、また厳重に図書館で保管してもらお――」

「それは、やめてもらおうか?非常に面倒なことなんでな……」

ザッ

静「……?」

ザッ

双馬「……!」

ザッ

「その『本』が東方仗助らの監視下を離れている、今がチャンスなんだよなァ……正直俺の能力では、その『本』を図書館から盗み出すのはかなり、結構しんどいんだよ」

ザッ

静「……!?えッ?アンタって……アレ?……たしか……」

ザッ

「駄目元で君に『弓と矢の紙』を渡して、『本』を盗むよう焚きつけて正解だったよ、双葉双馬。……しかし、そうだな。言うならば『時間切れ』だ。こっちも抜き差しならない状態でね。それまではその『弓と矢』を、自由にしてもらって良かったが……」

ザッ

双馬「……どうしてこんな所にいる?貴様……『もう一人』は何処へ行った?」

ザッ

「双葉双馬、返してもらおうか?君に『貸して』いた『弓と矢』を。……それと、その『本』をいただこう。俺たちにそいつは必要なんだ」

ザッ!

双馬「『有栖川メイ』は何処へ行った!?答えろォ――ッ!『チェスタ・テスタロッサ』ッッ!!」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

チェスタ「フーッ……答える必要は無いな……君はここで死ぬのだから……」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

静「こ、こいつ……!『メイ』の執事の、えと……テスタとかいう執事?」

双馬「気をつけろ静ッ!こいつは――」

ガブウッ!!

双馬「――がッ……!」

静「!?……えッ……?」

空中に、体長130センチメートルほどの、『極彩色の魚』が浮かんでいたッ!
『極彩色の魚』の数は5匹……そのうち一体が、双葉双馬の肩に、いつの間にかかぶり付いている!
咀嚼するように数度アゴを動かして、その鋭い歯を双馬の身体に食い込ませていたッ!

双馬「うおおおおおおおおおお!?」

グチ!グジュ!グジュルッ!

静「双馬ァ――ッ!?こいつはッ……『スタンド』ッ!?」

双馬「クソッ!やっぱりか、畜生ッ!静、これは――チェスタの『スタンド』だッ!」

静「何ィ~~ッ!?」

双馬「『ペーパー・バック・ライター』ッッ!!」ギャン!

静「『ワイルド・ハニー』ッッ!!」ズギャン!

紙人間『ペラァッッ!!』

ワイルド・ハニー『ドラアッッ!!』

ズバシイーッ!!

サカナ『グブッ……』フヨフヨ……

静「いきなり『スタンド攻撃』しかけるとはさ~~ッ!アンタ敵ねッ!?ヘンな執事とは思ったけどさッ!」

チェスタ「敵……?違う、そうではない……」

チェスタ「ただ君たちが、俺の、俺達の『友達』であり、俺達の『神』……となる、メイの……行く道を邪魔しているだけなんだ。君たちが大人しく『本』と『弓と矢』を渡せば……俺は攻撃しなくてすむんだ……」

双馬「ぐッ……?な、なんだ、これは……!?」

静「!?……双馬ッ!どうかしたのッ!?」

チェスタ「だから死んでもらうぞ。双葉双馬、静・ジョースター……俺の能力、『サカナクション』でな……!」

双馬「静ッ!何処にいるッ?これは――」

静「はッ?双馬、どういう意味……?」

双馬「――前が……『目』がッ!『全く見えない』ッッ!!」

ギャ――z__ンッ!!

静「……何ィィ~~ッ!?」

⇐To be continued=

今日の投下はここまでです。
今回すごい勢いで投下してすみませんでした。
だいたいいつも10分間隔で投下しようと思ってるのですが、明日仕事なので急ぎました。
……おやすみなさい。

今更言うのもなんだが『』多すぎじゃね

>>212
ジョジョの、文字の上や横に点を打つ文の書き方を、ここではすべてカッコにしているからですね……気をつけます

ジョージのネタは、今の所書く予定ありません。
使ったとしても名前ネタくらいですかね。
ウゥンドとかは少し使いたいかな、と思いましたけど……
やはりアレは、どう控えめに見てもジョジョでは無いと私は思うので。(ストーリー的にもパラレルワールドだし)
だってスペースリパースティンギーアイズで火起こすんだぜ?

次回投下は木曜を予定しています。
雑談どうもです。早く投下出来るよう頑張ります。

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

双馬「暗くってなんにも見えない……!誰か明りを消したのか?」

静「『スタンド攻撃』……ヤツのかッ!?」クルッ

チェスタ「……」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

静「双馬に何しやがったのよッ!テメェーッ!!」

ドーン!!

チェスタ「……人の五感のうちの一つ……『視覚』を『食った』んだ。俺の『サカナクション』がな……」

静「……『食った』……ですって?」

チェスタ「人には視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚の……いわゆる『五感』というものがあり、そのうち『視覚』が外部から情報を受け取る割合は、実に80パーセント以上だという。……実際に『食われて』みると、その重要さがわかるだろう?」

双馬「くっ……!」

チェスタ「しかし、そう悲観することは無い。俺の『サカナクション』は偏食家でね~~この5匹それぞれ好みの『感覚』は違うのだが……『消化』する前に吐き出さす事が出来れば、食われた感覚は君に戻る。それに……消化されたとしても、君にはまだ4つも感覚があるんだ。そう悲観することは無い……」

静「バカな事言ってんじゃあないわよッ!今まで普通に視覚を持って生活してたのに、いきなり奪われて『まあ仕方ないな~~よし、明日もガンバって学校行こう!』ってなるワケ無いでしょうが~~ッ!」

チェスタ「……静・ジョースター……君は今『100パーセント』だな。しかし双葉双馬は『20パーセント以下』だ。まだまだ『ゼロパーセント』じゃあない。……感覚全てを『食われて』しまって、『ゼロパーセント』になってしまうと……人はどうなると思う?」

静「ど、どうなるって……」

チェスタ「……『死ぬ』……」

双馬「…………」

静「……は……?」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

チェスタ「外部からの刺激を全く受けなくなると、人間はものの数時間で死に至る……当たり前だ。感覚を受けないって事はつまり、死んでるのと変わらないんだからな。自分の心臓の動きだってわからなくなるんだからな……」

静「……『死』……ですって……」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

チェスタ「俺は今、君たちを殺すためにここにいる。……さあ、二人共……全てを失う覚悟は出来ているか?俺の能力『サカナクション』……メイの行く手を阻む『小石』は、俺が弾き飛ばしてやる……」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

静「くッ……上等よッテメーッ!食えるモンなら食ってみなさいッ!胃もたれするくらいのモンを食わせてやっからさ~~ッ!」ジャリッ!

双馬「……静ッ!僕に近寄るんじゃあないッ!こいつは僕が相手をするッ!」

静「はあーッ?何言ってんのよ双馬ッ!?アンタ今目が見えてないんでしょーッ!?」

双馬「こいつの目的は、僕の持っている『エニグマの本』と『弓と矢』だ……わかるか?こいつはつまり、『弓と矢』を手に入れる事が目的なんだよ。いや!……もしかしたら、それ以外の物も目的としているかもしれないが……!」

静「それはわかってるってのーッ!さっきコイツが言ってたわよッ!だからそれを渡すわけにはいかないじゃあないのッ!」

双馬「本当にわかっているのかッ?こいつは……こいつは『有栖川メイ』の忠実なる下僕だぞ?」

静「メイ……あの変な病人ね。あたしのクラスメイトの。『友達』を作るヘンな女ッ!」

双馬「僕はこいつからチラリと聞いたことがあるッ!有栖川メイの『友達』にならないか?と誘いを受けた時にね。こいつは……こいつらの目的は……『有栖川メイ』を『神(DIO)』にすることだッ!」

静「は……?『神(DIO)』……?」

双馬「急げ静!ここは僕に任せるんだッ!僕の予想が正しければ……『有栖川メイ』は今ごろ、君の家で『東方仗助』を『友達』にしているはずだッ!!」

静「なッ……!」

チェスタ「……フーッ……しゃべりすぎだ。双葉双馬……」

ガブウッ!!

双馬「うぐうッ!!」

サカナ『ギギギ……』ビッチ!ビッチ!

静「双馬ァ――ッ!!」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

チェスタ「そして、静・ジョースター……俺がわざわざ君たちの前に、姿を現した意味を理解しているか?君の、君たちの足止めをして、東方仗助の所へ行かさないために決まっているだろう?」

フワッ……

静「――はッ!」クルリッ!

サカナ『シャ――ッ!!』グワッ!!

チェスタ「君たちは全てを失うんだ……感覚も、『本』も、『弓と矢』もな……!」

ガブウッ!!

静「ぐッ……痛ァ~~ッ!」

チェスタ「さて、静・ジョースターはこれで『1つ』、双葉双馬は『2つ』失った。ダメ押しというやつで……双葉双馬、いただいていくぞ。『本』と『弓と矢』をな……!」

ガサゴソ……

双馬「うぐッ……触るな……それは、クソッ……!」

静「ううッ!チェスタが……『本』と『弓と矢』を……」

バ――z__ンッ!

静「『手に入れた』ァ――!!(チクショーッ!!)」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

チェスタ「さあ……あと『何パーセント』だ?君たちが全てを失うまで……」

…………

…………

同時刻、東方家――

仗助「ライクアブラッディストーム熱くライクアブラッディストーン」

ピッキィィ――ン

仗助「あ!……今、静のヤツ学校でおれのこと考えてるな~~。今……妹と心が通じ合った感覚があったぜェ~~」

シーン……

仗助「……ンなワケねーか。この前静の野郎、『もう兄さん!兄さんのパンツとあたしの服一緒に洗濯しないでよね~~!』って言ってたしよ~~……思春期って言うんですか~?『親離れ』っつーか、『兄離れ』っつーか……あの言葉は地味に傷ついたよなァ~~」

ハァ……

仗助「……ちょいと論文まとめるのも煮詰まってきたな。ここらで一息つくとすっかァ……」

ピンポォォ~~ン

仗助「?……宅急便でも来たのかあ?おれ何も頼んだ覚えはねーけどよ~」ヌシ、ヌシ……

ピンポン、ピンポォ~~ン

仗助「はいはい、今開けるっスよ~~。短気な野郎っスねーまったく……」

ガチャ、ガチャ……

ガチャッ!

仗助「はい、何スかァ~?印鑑は今持ってねーんで、ペンか何か貸してくれると……」

シーン……

仗助「……あん?誰もいねえ……?」

キョロキョロ

仗助「……ピンポンダッシュかよ~?こんな昼間っから、ヒマな小学生だな……こっちはヒマじゃあねーのによ~~」

シーン……

仗助「……足音すら聞こえねえとは……ずいぶん逃げ足の早いガキだぜ……」

キィ……

?「いいえ、まだいるわ。……ドアの後ろよ」

仗助「……あん?」

メキャッ!!

仗助「!?……ぐッ……!」

仗助が開けたドアの影から……

真っ白な、『スタンド』の腕が伸び、仗助の右の頬に当たった!

仗助「!!……『クレイジー・ダイヤモンド』ッ!!」

ドン!

クレイジー・ダイヤモンド『ドッラアアアア!!』

バゴォォン!!

仗助「いきなり何だァ~~?テメーッ!おれに『スタンド攻撃』するなんてよーッ、覚悟は出来てんだろうなッ?力の弱ェー『スタンド』みてーだがッ!」

ガシャンッ!

?「『クレイジー・ダイヤモンド』……恐ろしいパワーを持つスタンドね。ちょっぴりドアから離れていたからよかったけど、もう少しで今吹き飛んだドアと一緒に、私も飛ばされる所だった。……しかし、仗助……貴方は勘違いをしているわ」

仗助「……何ィ~~?」

?「私は今、貴方に『攻撃』したんじゃあないの。ただ……少し記憶を『動かした』だけ。……ほら、覚えていないのかしら?仗助、『私』よ。……貴方のかけがえの無い存在である……」

仗助「……」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

?「貴方の『友達』の……『私』よ。仗助。ほら……もう思い出したでしょう?」

仗助「訳わかんねー事言ってんじゃあねーぞッ!テメー何者だァ~~ッ!?『有栖川メイ』ッッ!!」

メイ「……フフ……」ニコリ

仗助「?……!?……はッ!?」

仗助「今、おれ……何て言ったッ!?あ……『有栖川メイ』……?違う……」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

メイ「……」

ザッ

仗助「おれは……こいつなんて知らねえ……なのに、なぜだ?……おれはこいつを『知っている』……『会ったことないのに知っている』ッ!?」

メイ「……忘れてしまったのかしら?仗助……私は貴方の『友達』よ?昔会ったことがあるでしょう?……ほら、もう少しゆっくり時間をかけて、じっくり思い返してみて……?『あの素晴らしき日よ、もう一度』……私は貴方の『友達』よ……」

ザッ

仗助「……」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

メイ「……ね?」

ニコリ

仗助「!おれに近付くんじゃあねーぜッ!『クレイジー・ダイヤモンド』ッ!」

メイ「攻撃するの?『友達』に?……ひどいわ、仗助……」

仗助「いや……『治す』」

メイ「……え?」

ブォン!

ドゴォ――ンッッ!!

メイ「!!ウッ……!」

有栖川メイの背後から、大きな『板』が飛んできてぶつかったッ!
その『板』は……今しがた、東方仗助が『スタンド』によって吹き飛ばした、東方家の『玄関扉』であった!!

仗助「おれが何も考えず、新築の家ブッ壊すと思ってんのかよ~~ッ!『ドア』はすでにおれが治していたぜッ!もう少し離れていたら当たらなかったのになッ!」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

メイ「い……痛いわ……ものすごく痛い……うう、血が出ているし、骨が折れた感覚もした。……今日はちょっぴり調子がいいとはいえ、私は『病弱』なのよ?仗助……」

仗助「へーッ!そうなんスかァ~~?だがおれが聞きてえのはそんな情報じゃあねえんだよッ!お前は何者なんだッ!?コラァーッ!!」

メイ「……言ってるでしょう?『友達』よ……貴方の……」

仗助「だからッ――!」

メイ「『友達』だから……ちょっとした『勘違い』も許すわ。……ちょっぴり『勘違い』したのよね?仗助?……貴方は突然現れた私を、タチの悪いコソドロと『勘違い』をした……」

仗助「……はあ?」

メイ「だから今、貴方は私を攻撃した。……そうなのでしょう?仗助、貴方は……ただちょっぴり『勘違い』をしたのでしょう?すぐに……ウグッ、この……私の怪我を、治してくれるのでしょう?仗助。貴方の『クレイジー・ダイヤモンド』は、貴方に似てとてもやさしいもの……」

仗助「……」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

仗助「……何を……言ってやがるんだ……?」

メイ「……『あの素晴らしき日よ、もう一度 (イエスタデイ・ワンス・モア)』」

バキッ!

イエスタデイ・ワンス・モア『……』

仗助「ぐ……おおおおおおお!!」

クレイジー・ダイヤモンド『ドララララララララララララララララララ!!!!』

ブン!ブン!

ブォ――z__ン!!

仗助「あッ……当たらないッ……!?」

メイ「……『当てられない』のよ。……当たり前でしょう?仗助。貴方は『友達』を攻撃するっていうの?……違うでしょう……貴方は私を殴るんじゃあなく、私の怪我を治さないと。……ほら、はやく……頭がぽーっとしてきたわ」

仗助「うッ……クソ、これは……何だっつーんだァァ~~?」

グニャア……

仗助「お前は……め……『メイ』……?おれは、何故か……知っている……?」フラッ……

メイ「……もう一発、って所かしら?もっと親密になりましょう……」

仗助「ぐ……うう……!」

メイ「……ね?仗助……」

ニ コ リ

仗助「め……メイ……お前、は……おれの、『友達』…………?」

…………

スタンド名―イエスタデイ・ワンス・モア(あの素晴らしき日よ、もう一度)
本体―有栖川 冥(15歳)

破壊力―E スピード―C   射程距離―E
持続力―E 精密動作性―C  成長性―A

ドレスを着たような姿をした、真っ白な人型スタンド。
『人の記憶』という時間軸に介入し、『友達』となる能力。
攻撃をすればするほど、強く親密な関係となる事が出来る。
しかし、『友達』となった人が記憶の矛盾に気付いたり、強い衝撃を受けたりすると、能力は簡単に解けてしまう。
最強かつ、穴だらけの最弱なスタンド。

簡単に言うとメアリー・スーになる能力。
もっと簡単に言うと月島さんのおかげ。
名前元ネタはカーペンターズの名曲。有栖川冥という名前はメアリー・スーから。
(メイ・アリスガワ→メアリー・スー)
名前ありきでそば屋の娘に決まった感じが少しある。

スタンド名―サカナクション
本体―チェスタ・テスタロッサ(29歳)

破壊力―D スピード―B    射程距離―A
持続力―B 精密動作性―E  成長性―E(完成)

五匹の極彩色の魚のスタンド。
人に噛み付くことで、『五感』を奪い食べることが出来る。
消化する前に吐き出させれば感覚は元に戻るが、消化されると一生戻らない。

名前元ネタは日本のオルタナティブ・ロックバンドから。
自分的には結構この名前、気に入っているんですけど……。

本日はここまでです。ありがとうございました。

あと4、5回の投下で終わると思います。
pixivでのまとめ記事、ありがとうございます。なんか……感動しました。はい。

…………

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双馬「ぐうう……!」

チェスタ「フーム、これが『エニグマの本』か……」

パラパラ……

静「こ、この野郎~~」ギリッ

チェスタ「文字の羅列に何の法則性も見られないな……紙の質もコピー用紙みたいな安っぽさだ。本当にこんなガラクタに、『宮本輝之輔』は閉じ込められているのか?うめき声が聞きたいな……」

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双馬「チェスタ、お前……僕に何を……!?」

チェスタ「説明が必要か?どうせ無駄だと思うがなあ……説明しても聞いてくれないんだろう?」

静「何ィ~~ッ?どういう事よッそれはッ!?」

チェスタ「……ヘレン・ケラーという人物は、2歳の頃高熱にかかり、『視力』と『聴力』を失った」

静「視力と……『聴力』ですって……?」

チェスタ「外部から受け取る情報量が10パーセント以下となり、学習能力は大きく低下……しつける事も出来なかったため、わがままな少女に育ったそうだ。8歳の頃アン・サリヴァン女史と出会い、教育を受けるまで、彼女は絶望的な状態だったんだ」

双馬「チェスタ……静……何処にいる?こ、これはッ……!」

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チェスタ「双葉双馬、君の近くに『アン・サリヴァン』のような人物はいるか?支えあってくれるような人が?『視覚』と『聴覚』を失った君は、生きていける事が出来るのか……?」

双馬「何も聞こえない……光も見えない……!クソッ、助けてくれ、静ッ……!」

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チェスタ「心配する事は無い。君に『アン・サリヴァン』がいなくても……君には『メイ』がいる。メイの友達になればきっと、君は10パーセント以下になっても生きていけるさ……」

静「そんな事ッ……させるわけねーだろーがよーッ!!」

ダッ!!

静「さっきあたしも攻撃を受けたけどッ!目も見えるし耳も聞こえるわーッ!アンタの攻撃も完全じゃあないのかしらねッ!『ワイルド・ハニー』ッ!」

ドン!

チェスタ「静・ジョースター……君が失ったものは、普通は絶対に失えないものだ。その奇妙な体験を味わうといい」

静「くらえッ!ドォラ――」

チェスタ「体当たりでも食らわせろッ『サカナクション』ッ!」

サカナ『ウギィィィ――!!』ギャンッ!

ドガア――ッ!!

静「うおッ!?」

ドッザァーッ!

静「ううッ、ビックリさせやがってよ~~ッ!転んじゃったけど、どーって事ないわよーッ!アンタの『スタンド』ちょっぴりパワーが弱いんじゃあないの?全然痛くなんかないもんねーッ!」

チェスタ「……『痛くない』……それは危険だな。『痛み』は人体のダメージを脳に伝える、重要な信号だというのに……」

静「何ィ~~?自分のパワーが弱いのを、あたしのオツムのせいだっていうのッ?」

ジャリッ!

チェスタ「そういう訳では無いが……そうだな、静。右手を見てみろ」

静「……?」

ヒョイッ

静「……何?これ……」

ドロッ……

静「……『血』?血が出ている……?……誰の?この血は……もしかして、あたしの……?」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

静「そんなワケないじゃあないの……こんなに血が出てたら、それって、すっごく『痛い』……痛くないとおかしいわ……けどあたしは、『痛み』なんて感じてない……」

ドロドロッ……

静「……あ、あたしの……額からも血が……全然痛くないっていうのにッ……!?」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

チェスタ「どうした?静。痛くはないんだろう?さっさと立ち上がって向かって来たらどうなんだ?俺の『スタンド』は貧弱だからな~~……しかし、おせっかいだが言わせてもらうと……君は今すごく『痛そう』だぞ?」

静「……くッ……言われなくても今すぐブチのめしてやるわよッ!」

ジャリイッ!!

ドサアッ!!

静「……!?何ッ……?」

チェスタ「……どうした静、立ち上がって俺をブチのめすんじゃあなかったのか?」

静「こ、これはッ!?」

バタバタ、ジャリジャリ

チェスタ「地面の上で何遊んでいるんだ?スイミングの練習か?俺は面白いと思うが……」

静「『地面』が……『無い』ッ!?」

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チェスタ「地面が無いだと?しっかりとあるぞ?クク……君が失ったものは地面以上に大きいかもなあ」

静「……違う……これはッ……あたしの『手足』の感覚が『無い』んだッ!」

チェスタ「『サカナクション』……『触覚』を奪ったぞッ!」

ド――z__ン!!

チェスタ「『触覚』を奪われたということは……つまり、どういう事かわかるか?」

静「ハン!アンタがブチのめされるまでの時間が数分伸びたって事かしらね~~ッ!さっさと戻せッコラァーッ!」

バタバタッ!

チェスタ「まず『痛み』が全く無くなる。生命をおびやかすダメージを受けようと、君は平然としていられる。そして『手足の感覚』が無くなり、自分が何に触れているのか、自分が何に立っているのかがわからなくなる……手足をもがれたのと同じだよ。一度こけてしまったら、どう動かそうとも再び立ち上がる事は『不可能』……!」

静「ぐッ……!」

バタバタッ!

チェスタ「そうやって無様に地上で泳いでろ。君はもう『再起不能』だ。『スタンド』で攻撃すればなんとかなるだろうが……俺がのうのうと射程距離内に入るとでも?」

静「『ワイルド・ハニィィィィィ』――!!!」

ズギャ――ン!

ワイルド・ハニー『うおおおおッ!ドラドラドラドラドラァ――』

チェスタ「面倒だ……『サカナクション』」

サカナ『ギャースッ!!』

ガブガブゥッッ!!!

ワイルド・ハニー『うぐおッッ……』

チェスタ「しまった……間違えて『嗅覚』と『味覚』を食ってしまった。この戦いではあまり意味が無いな……」

静「くそッ……この野郎~~ッ!」

チェスタ「諦めるんだな。地面に這いつくばった君が……動きまわる俺に攻撃を当てられる訳が無い」

静(たしかに……アイツは自由に動きまわるうえに、5匹の『スタンド』がいる!せめて……せめて!アイツの動きを数秒『止める』ことが出来たならッ!!)

チェスタ「さて、そろそろメイのもとへ向かうとしようか。今日は体調が良かったとはいえ、彼女の身体が心配だ……」

静「逃がすとッ……思ってんのかよーッ!絶対にブン殴って……!」

サカナ『グギギ……』

フヨフヨ……

静「ぐッ……!(隙が無いッ!)」

チェスタ「このままじっくりいたぶってやってもいいが……俺もなかなか忙しくてな。先にメイの元へ向かわせてもらう。『サカナクション』……じっくり咀嚼しながら五感全てを食って来い。ああ、メイの『友達』になるというのなら、ギリギリの状態で生かしてやってもいいぞ」

静「そ、そんなのなるワケが――!!」

チェスタ「ならば……さよならだ。静・ジョースター」

クルリ

静「待てッ!逃げるなッ!!このッ……」

サカナ『ウギャーッッ!!』

ビュウーン!

静「うッ……おおおおおおおおおおおおおおおおお」

チェスタ「……クク……」

スタスタ……

ビタアッ!!

チェスタ「……?……これは……」

パラ……パラパラ……

チェスタ「俺の足に……何か……?『紙切れ』が、へばりついている?……風で飛んできたのか?」

ビタ、ビタ、ビタ……

チェスタ「…………」

ペラペラペラペラ……

ビタ!ビタ!ビタ!ビタ!

チェスタ「……違うッ!『紙切れ』なんかじゃあないッ!これは――!!」

ビタビタビタビタビタッ!!

ペラペラペラペラペラペラッ!!

チェスタ「『ペーパー・バック・ライター』ッ!」

ド――z__ン!!

チェスタ「くそッ!足にまとわり付いて!『動くこと』が出来ないッ!!しかし何故だ!?何故あいつはッ……!!」

クルッ!!

チェスタ「『視覚』と『聴覚』を奪われたというのにッ!何故俺の居場所がわかったんだッ!?」

双馬「……」

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双馬「……『目』が見えない……『耳』も聞こえない……しかし、クンクン……」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

チェスタ「……!」

双馬「『鼻』はまだ無事なようだな。クンクン……におう、におうぞ。男性用のオーデコロンのニオイだ……反対側からは女性用の制汗剤のニオイ……確証は無いけどな~~、クンクン……試しにこの『ニオイ』に向かって……『ペーパー・バック・ライター』を飛ばして動きを封じるのは……『アリ』なんじゃあないのかな~~ッ!!」

チェスタ「……双葉双馬……貴様ッ……!」

ザリッ!!

チェスタ「はッ!!」

バッ!

ザリッ

静「手足の感覚が無いけれど……地面の感覚が無いけれどッ……もがいてもがいて、イモムシのよーに前に動くことは出来るわ……」

ザリッ

静「少しづづでいい。ナメクジみたいなスピードでいい……着実に向かいさえすればいい……」

ザリッ

チェスタ「……」

ザリッ

静「大切なのは『向かおうとする意志』よ……向かおうとする意志さえあれば、いつかはたどり着く。向かっているわけだからね……違う?」

ザリッ!!!!

チェスタ「……」

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静「……『射程距離内』よ……チェスタ・テスタロッサ!」

チェスタ「静ッ!貴様ら――ッッ!!!」

ドギュ――z__ンッ!!!

チェスタ「『サカナ――」

静「『ワイルド・ハニー』ッ!!」

ドガアッ!!

チェスタ「ぐぶッ!!」

静「今あたし……両手の感覚がないからさ~~、手を握りしめてる感覚もない。人をどんな力加減で殴ればいいのかもわかんないわ。だから……」

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チェスタ「う……うおおおおおおおおおお!!!食い殺すんだッ!!『サカナクション』ンンンンンンン!!!!」

静「ちょっぴり痛くしすぎたらゴメンなさいね――ッ!!」

ギュン!

ワイルド・ハニー『ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ
ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラァァァァッッッ!!!』

ドゴドゴドゴバキィィィィ!!!

チェスタ「うがああああああああああああああああああああッッ!!!!」

ビュン!!

サカナ『ガウッ!』

ガブウッ!!

静「!?」

チェスタ「……さ……『サカナクション』ッ……!ゴボッ!」

静のラッシュを受けるチェスタに、
チェスタ自身のスタンド『サカナクション』が食らいついたッ!
チェスタの左肩あたりに噛み付き、鋭い歯を食い込ませているッ!!

静「な、何をトチ狂ってんだッ!?テメェーッ!!自分を攻撃するなんてッ……!?」

チェスタ「無駄だ……無駄ァァ!静・ジョースターッ!俺自身の『触覚』を奪ったぞッ!!痛みなんて感じないッ!!これで俺はッ……死ぬまで倒れることは無いッ!!俺は……貴様を!貴様らをッ!!メイのもとへは行かせないんだッッ!!無駄無駄無駄無駄ァァァ!!」

静「何ィ~~ッ……!」

ハラリ……

静「……!?」

チェスタの身体は……静のラッシュを喰らい、自身のスタンド攻撃も喰らい……
すでにぼろぼろになっていた。
異常な精神力……それだけで、彼はかろうじて立っていた。

ぼろぼろになったのは身体だけではない。
服も――
特に、自身の『サカナクション』の噛み付いたあたりは、びりびりに破けてはだけていた。
そして、はだけた『左肩』の、背中の付け根あたりには……

……『星形のアザ』が、輝いていた。

…………

本日はここまでです。
次回投下はいつになるかマジでわかりません……ASBやりたいし。
出来るだけ早く書けるよう頑張ります。

チェスタ・テスタロッサという名前は、『ディオチェスタ』というバイクからと、
『チェスタ』と『テスタ』で頭の文字が似ており、イタリアっぽい名前で、なおかつ口に出したときテンポのいい『テスタロッサ』にしました。
見た目イメージはDIO+ジョルノ+ヴァニラ÷3という感じかなあ、たぶん。
メイの見た目がペルソナ3のチドリっていうのは結構いいかも……ペルソナ知らないけど。
一番いいのは個人個人のイメージで楽しむことですね。

ディオとジョルノはわかるがヴァニラ似だと…?
そういえばiPS細胞というので同性の間でも子供ができるらしいです

>>332
DIOとヴァニラの子ではありません。念のため……。
立ち位置がヴァニラなだけです。

>>338
静がメイの家に行った時に、チェスタがメイのことお嬢様って呼んでた気がするけど、普段は「メイ」って呼んでるのはきっとメイちゃんの『友達』だからじゃないかと思うんだ

>>340
はたして『友達』がどこまで適用されるのか。
チェスタのそれは『友情』っていうより忠誠心っぽいんだよなー。
そこまでメイの能力なんだとしたら仗助がヤバイ。
これは承太郎や徐倫、ジョルノまで巻き込んだ大乱闘になるのかな(・∀・)wktk

喋ってることについてはメタ的なことを言うと状況説明のためだろう
どんな臭いで見分けてるのかをチェスタに「俺の男性用オーデコロンのニオイを感知してッ!!」とか喋らせるわけにもいかないからな
地の文に任せるのもテンポというか盛り上がりとか勢いに欠けるしこれで正解

運動神経がなくなったならともかく触覚失っただけなら無理矢理にでも立つことはできそうなんだよなぁ、地面を感じられない、自分の動きを感じられないと言っても実際はあるわけだし見えるし足も動かせる
感覚が違うからフニャフニャにはなりそうだが、正座で足の感覚が痛みしかなくなっても無理に足を伸ばして立てるのと同じで全く立てないってことはないはず
全く立つことすらできないならそれは力が入れられないってことで、芋虫のように這うことはできても指が握れない、腕も大きく振り回せないから手加減できないどころか攻撃翌力は皆無になる

まぁそもそもジョジョは勢いで読むものだしそんなこといちいち気にしてたらキリがないがな!

だいたいは>>345の通りです。
今思いつく例としては、ナランチャが下水道のホルマジオを撃った時とか、結構ベラベラ喋ってたでしょ?あんな感じです。
「触覚失った→立てない」というのは、手足の感覚無いんだから、地面に触れてる感覚とかもないわけで、いつ力を込めたらいいのか?今腕は伸びているのか?足はどの方向を向いているのか?が、わからなくなるから立てないんじゃあないかなと……実際触覚失ったことないからわかりませんが。
正直私は「船は二隻あった」ですら納得出来る人だから、細かい所は凄みで楽しんでほしいです……。

「ジョルノのゆっくりパンチあるからイギー無理だろw」
→イギー参戦(昔の顔アリで)
「フーゴはパワー強すぎだし戦闘シーン少ないから無理だろw」
→フーゴ参戦。しかも小説ネタのディストーションありで。

しかもこの上バオー参戦とか……
ストーリーが文章だけとかキャンペーンが有料とかでもいいわ。ここまで予想以上のもんを作ってくれたら私は満足です。
キャラ以外の課金はしないけど。

あとは老ジョセフとアバッキオとトリッシュとFFとアナスイとウェザーとホットパンツとディエゴとウェカピポが出れば、101%満足なんですけど……。

…………

チェスタ・テスタロッサは1986年のうお座の生まれ。

ディオ・ブランドーが何を思って『チェスタの母親』に『チェスタ』を産ませたのか?
そのいきさつは誰も知らないが、
『チェスタの母親』はその事について、快くは思っていなかった。

『チェスタの母親』は、熱狂的な『DIOの盲信者』であった。
『DIO』という男に全てを渡し、全てをゆだね、全てを壊される。
その事に、得も言われぬ快感を覚える『狂信者』であった。

『いつかは私も、DIO様に命を奪われるんだな』

そう考えるだけで幸福感に満たされる女性であった。
『DIO』の血となり肉となることを、人生の目標としている女性であった。

そんな彼女が、『DIO』との間に子をもうけた。

普通の信者ならば、喜びに打ちひしがれる所だろう。
しかし、『DIOの盲信者』である彼女は、
『DIO』が死んだというのに自分はおめおめと生き延びたということに、
『DIO』に血肉を捧げることなく、このまま醜く老いていくということに、
この上ない絶望を感じていた。
チェスタが成長し、その顔に父親の面影が出始めたころには、

彼女はとっくに狂っていた。

バシ バシッ バシッ!

「どうして貴方は私に似てグズなのに、こんなにもそっくりなのおッ!?どうして私の血を飲んで下さらなかったのォォ!?DIO様ァァァ!!」

毎日毎日、虐待は行われた。
彼女は泣きながらチェスタを殴りつけ、ひっかき、罵声を浴びせ、首を締め、
最後には謝りながらキスをして、チェスタを抱きしめて眠った。
繰り返される暴力と、果てしない愛と、終わることの無い憎しみを受けて、チェスタは幼少期を過ごした。
それは、幼い彼を追い込むのには充分すぎるほどの事であった。
チェスタが五歳の誕生日を迎えるころには、彼は人生を諦めていた。

「目をつむれば、なにもみえない」

「耳をふさげば、なにもきこえない」

チェスタに出来るのは、ただ黙ってその苦痛に『耐える』ことだけであった。
彼は何も言わず、すべての虐待を受け続けた。

六歳の誕生日を迎えるころ、
彼は、その気になればすべての『感覚』を消せることに気付いた。
そして、七歳の誕生日を迎えるころ、
彼は、その『能力』を、他人にも使えることに気付いた。

ガブウッ!!

「どう……して?……どうして、なのォ……DIO様ァ……!」

「…………」

八歳になった誕生日の夜、
チェスタは初めて人を殺した。

自分の持つ能力の全てを、自分の母親に向けて使った。
動かなくなった彼女をチェスタは、自分の庭に穴を掘って埋めた。
まだちょっぴり生きていて、うわごとのように愛しい人の名を呼ぶ彼女に、
彼は、少し湿った冷たい土を丁寧にかぶせた。
彼女はついに最後まで、自分の息子ときちんと向き合うことなく死んだ。

自身の母親を殺すことに、恐怖は無かった。
ただ、

『自分はこれから暗やみの中で、幸せになるんだろうな』

という確信があった。
彼はもうイジけた目つきはしていない……
彼の瞳にはドス黒い炎が宿っていた。

その夜から、彼の人生は始まることとなる。

八歳という子供の彼は、生き延びるためにはなんでもやった。
警察に追われ、ギャングに命を狙われ、誰も助けてはくれない生き地獄の中、
彼は泥をすすって生き延びた。

チェスタの目標は『幸せになること』……
ただそれだけであった。
彼は自分だけの『天国』を手に入れるために、世界中を転々としながら、這いずりまわって生き延びた。

暗やみの中で生き続けたある日、
彼はついに、その『ヒント』を二つ、手に入れることとなる。

一つは、2010年の夏、日本の『杜王町』にて。
もう一つは、2012年……
アメリカの『フロリダ州』にて、一人の『神父』から……

彼は、『天国』について知ることとなったのだ。

…………

短いですが、本日はここまでで。
あと二、三回で終わりかな?

五部以降のキャラってなんであんなに過去不幸なヤツばっかなんだろ。

乙です!
掘り下げられるチェスタの過去、親からDIOの写し身としてしか見られなかった彼がメイに向けるのは、偽りの友情か真実の愛情か!
それと無粋かもしれませんが、ジョリーンやフーゴ、承太郎などを再登場させる予定はありますか?

>>385
なんだそのかっこいいアオリ文w

フーゴ再登場予定はたぶんありません。あったとしても会話だけで、パープルヘイズの戦闘シーンは今現在まったく書く予定ないです。
承太郎・徐倫・ジョルノはたぶん再登場あります。が……
ストーン・フリーの扱いが難しいのでいかんせん

途中で書き込んでしまった。

ストーン・フリーの扱いが、私にはすごく難しいので、もしかしたら目立った活躍や登場は出来ないかもしれません。
あと登場させる予定のキャラは……億泰とか康一君とか吉良とかボスとか?

…………

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

静「あ……アンタ、何で……何で、その『アザ』を持ってるの……?」

チェスタ「……ハァー、ハァー、ハァー、ハァァー……!!」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

静「あたしは……あたし、すっごく望んでるのに……それをすっごく欲しがってるのに……なんでアンタは、それを……テメェー……!!」

チェスタ「今、その話……本当に必要なことなのか?静・ジョースター……ハァー、ハァー……これから死にゆく君にとって、無駄な話だろう。無駄無駄ァァ……」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

静「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!テメーァ何モンよォォォ!!畜生がッ!!『ワイルド――」

ペラペラペラッ!!

ガシイッ!!

チェスタ「ウグッ……!」

静「!?」

紙人間『よし、捉えたぞ……チェスタ・テスタロッサ!油断したな。後ろから羽交い絞めにされればさすがに動けないだろう』

グググ……

チェスタ「くっ……『ペーパー・バック・ライター』か。力の弱い『スタンド』だと思っていたが……この距離ではなかなかのパワーだな……!」

静「双馬、アンタ……!!」クルリッ!

双馬「君の今の攻撃で、静……『視覚』と『聴覚』が戻ったようだ。僕はそこまでダメージがない。こいつは僕が引き受けよう」

静「邪魔すんじゃあないってのーッ!!コイツはあたしがブチのめすのよッッ!!」

双馬「……静、コイツについて知りたいことなら……コイツを尋問するより手っ取り早く、僕が地面から読んでやるよ。だから今は――」

静「あたしはコイツの口から直接聞きたいのよッ!コイツが何者なのかをねッ!今はそれが重要なのよ!コイツは絶対、あたしの血族と関係があるんだからッ!!」

双馬「グチグチとやかましいぞッこのボゲッ!」

静「にゃっ……にゃんだとォ~~?」

双馬「まだ気付いていないみたいだが、君は今かなりのダメージを負っているんだ。さっきこけた時頭から落ちただろう?頭のてっぺんからダクダク血が流れてるぜ?」

静「……」ダラリ

双馬「タイマンでコイツと戦っても、君には勝機がうすい。だからコイツは僕が足止めする。君は早く、東方仗助の所へと向かうんだッ!」

静「……クソォ~~……!」

チェスタ「俺が……簡単に行かせると思うか?」

双馬「……」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

クルッ!

静「双馬!約束よッ!絶対その男について、あたしに後で説明しなさいよねーッ!!」

ダ――ッ!

チェスタ「行かせるものかッ!!『サカナクション』ッッ!!」

ドキュ――z__ンッ!!!

サカナ『GYAAAAAAAAAAAAAAAA!!!』

ギュン!ギュン!!

双馬「『ペーパー・バック・ライター』ッ!!」

紙人間『ペラァ!!』

ドカアッ!!

サカナ『ウギ……!』

紙人間『ペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラァァァ!!』

ドゴゴゴゴゴゴゴゴッッ!!!

チェスタ「クソッ、双葉双馬……貴様!」

紙人間『ペラアッッ!!』

バキイッ!!

チェスタ「ぐっ……!!」

ドサアッ!!

双馬「面と向かい合えば、僕の『ペーパー・バック・ライター』……それなりにいい動きをするだろう?」

バサッ!

チェスタ「!……し、しまった……!」

双馬「ン!……懐から何か落ちたぞ?チェスタ。……こいつは、君にとって大切なものなんじゃあないのか?」

スッ……

チェスタ「……く……」

双馬「この……『エニグマの本』は、さ」

バァ――ン!

チェスタ「……奪われてしまったか。……しかし!すぐに取り返すさ。君の死と引き換えに、な」

…………

…………

静「ハァ!ハァ!ハァ!ハァ!」

タッタッタッタッ!!

静「なんかッ……あたし!いっつもかっつも『全力疾走』してるよーな気がするわッ!ハッ!ハッ!……早く兄さんの所へ行かないとッ!家にいるといいんだけどッ……!」

タッタッタッタッ!!

静「しかし……よくわからないわね!あいつは……有栖川メイって子は……どうしてあたしの兄さんと『友達』になろうとしているのッ!?」

タッタッタッタッ!!

静「あのチェスタって男が『本』と『弓と矢』を求めている理由もわかんないわッ!それがどう『神』につながるっていうのッ!?ヘンな宗教じゃあないんだからッ!」

タッタッタッタッ!!

静「しかし……何にせよッ!兄さんと変な能力で『友達』になるのだけは阻止しないとッ!気持ち悪いったらありゃしないわッ!」

タッタッタッタッ!!

静「『アンジェロ岩』が見えたわッ!あともう少しよーッ!!」

ダダダダ――ッ!!

…………

…………

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

チェスタ「双葉双馬ァァ~~……その『本』はメイにとって必要なものなんだ。返してもらうぞ……!」

双馬「何様だ、お前……これは元々僕が盗んだ、僕のものだ。いや、今から返しにいこうと思っていたから、正確には図書館の所有物か。とにかく、お前に渡すつもりなんてないよ」

チェスタ「……それを……」

双馬「……?」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

チェスタ「……その『本』をメイに渡さなくては、メイは『神(DIO)』になれないんだ……メイが俺を『天国』に連れて行ってくれないんだ……!」

双馬「?……『天国』だと?……有栖川メイを『神』にするという、大まかな目的は知っていたが……それについては初めて聞いたぞ?何だそれは」

チェスタ「…………」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

チェスタ「『必要なものは『わたしのスタンド』である』……『ザ・ワールド』」

双馬「…………」

チェスタ「これについては『無視』出来る。……とにかく、一定以上の力がある『スタンド』ならば何でもいい。『人間の限界を超えているもの』なら何でもだ……」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

チェスタ「『必要なものは信頼できる友である』……これは俺がなればいい。いつわりの『友達』なんかじゃあなく、俺が唯一無二の『友』となる……」

双馬「……お前……何の話だ……?」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

チェスタ「『必要なものは『極罪を犯した36名以上の魂』である』……ここ杜王町は悪事を働く『スタンド使い』が多い。いざとなればメイの能力で増やすことも出来る。……『必要なものは『14の言葉』である』……俺がメイに傷として刻みつけた言葉だ。絶対に忘れない……!」

双馬「……」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

チェスタ「場所などというものはどうでもいい。同じ重力の時さえわかればそれでいい……必要なのはシチュエーションよりも、キャラクターだ。メイが『神』と同じ力さえ持てば、メイは俺を、俺達を、『天国』へと連れて行ってくれるんだ……!!」

双馬「!……お前、もしかして……」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

双馬「知っているのか……東方仗助が『アレ』を持っているという事をッ!!お前は、お前――ッ!!」

チェスタ「双葉双馬ァァ!!お前は俺達の夢の邪魔なんだッ!俺達の目的のために死ぬがいいッ!!『サカナクション』ッッッ!!!」

ド――z__ンッ!!!

双馬「お前はッ!!『人工的に『DIO』を創るつもり』かッッ!!クソッ――」

カチンッ!!

チェスタ「!!」

チェスタ「それはッ――」

双馬「これは……『賭け』だ。僕は『戻らない』ほうに『賭ける』とするよ。そっちの方が確立は高いと思うんでね……」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

チェスタ「『ライター』……だと?待て、それは……」

双馬「こいつをお前らに渡してしまうと、きっと『友達』の東方仗助が、元に戻してしまうんだろう?だったら僕は、こうしてやるさ」

チェスタ「そいつを燃やすということは……誰にも、何が起こるかわからないのだぞ?」

双馬「…………フン……」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

双馬「お前に『本』は……」

チェスタ「やめろッ!」

双馬「『渡さない』」

ボウッ!!

…………

…………

東方家――

ガチャッ!

静「ハァ、ハァ……た、ただいまァーッ!」

バタバタッ

静(争ったような形跡は無し……カギが開いてたから兄さんはいるはずだけど、これは……)

ピタッ

静(……『女物の靴』?誰の?……あたしのじゃあない……)

……カチャカチャ

静「…………食器の音……?」

静「……」

スタスタ……

「――全く、仗助には困ったものなんだから――」

「ワルかったって――完璧に治したから許してくれよ――」

静「……に、兄さん……?」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

静「……兄さん、お客さん?」

スタスタ……

静「誰か……来てるの?」

ガチャリ

静「…………」

メイ「私を泥棒と間違えて攻撃するなんて、本当に困ったものだわ……まあ、貴方の『クレイジー・ダイヤモンド』はとても素晴らしいから……今はなんともないけどね。フフ……」

仗助「スマネーなぁ~~、病弱のお前がここに来るなんてメズラシイからよ~~。しかしなんともないようで良かったぜ~~」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

静「なっ!」

メイ「あら……静、おかえりなさい。早かったわね……フフ……」

仗助「おう静ァ~~学校フケたのか?メイが来てるからよ~~お前もこっちに来いよッ」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

静(『なんでこいつがあたしん家であたしの兄さんとお茶飲んでんだ?』)

静「に、兄さん……どういう事なの?こいつは……」

仗助「ん?ああ、メイじゃあねーか。ほら、『友達』のよ~~。忘れたのかよ、静?お前ら同じクラスじゃあなかったかぁ?」

メイ「仕方ないわよ、仗助……私は病弱で、静とはあまりお話出来なかったんだもの。大切なお話をする時だって、私はいつも仲間はずれだし……」

仗助「そ、そんなワケねーだろーがよーッメイッ!ほら!オメーが見たいって言ってたもんも、特別に見せてやってるだろぉ~~?」

静「……兄さん……!」

仗助「何だァ?静……ムズかしい顔してよ~~?ベンピか?」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

静「し……しっかりしてよ、兄さん……あたしや、兄さんに……こんな『友達』いないでしょう?どうしちゃったのよ、兄さん……!?」

仗助「……はァ~~?オメーッ何失礼な事をッ……」

静「じゃあ説明してよッ!兄さんはいつ!『有栖川メイと友達になったのッ!?』」

仗助「い、いつって……そりゃあ……」

グニャア……

仗助「……い……いつだ?いつ……おれは、友達に……?」

メイ「仗助!」

バンッ

仗助「ハッ!め、メイ……どうかしたのかよ?」

メイ「いえ……貴方今、すごく顔色が悪かったから。心配しちゃったのよ……ごめんなさいね、いきなり声をかけて」

仗助「いや……何でもねーぜッ!ちょいと立ちくらみがしただけだ。悪いなメイ、心配かけてよ~~」

静「……有栖川メイ……アンタ……!」

メイ「静……」スッ

静「!……」

メイ「今の貴方の行動は……正しいわ。私のこの能力は、記憶の矛盾に気付いてしまうと、すぐにもろくも崩れてしまうのだから……とっても弱いの、私ってね」ヒソヒソッ

静「……」

メイ「だけど……そんな貧弱な『私』も、もう終わり。……私は生まれ変わるのよ」ヒソヒソッ

静「……どういう、事……?」

メイ「……フフフ……」

スッ……

メイ「仗助、貴方から見せてもらった『これ』は……素晴らしいものね。私すごく、気に入ったわ」

仗助「そうかァ?静は不気味がってあんまし見なかったんだけどよ~~」

メイ「フフフ……本当に、素敵だわ。これが……かつて『DIO』という男を生み出したのね?間近で見ると、とても綺麗……!!」

静「!!…・…お前ッ、それは――ッ!!」

楽しそうにスカートをひるがえし、
クルクルと回る有栖川メイの手の中には……
『石仮面の紙』が、おさまっていたッ!!

静「……兄さん、どういう事なの?あれはッ……!」

仗助「ああ~?メイが見たいっつってたからよ~~見せてやったんだが……悪かったのか?」

静「……有栖川メイ……アンタ……!」

ギリッ!

メイ「……静……」

メイ「……人間ってのは、命に限界があるわよねえ……」

静「……」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

メイ「私が短い人生で学んだことは……人間は生きようとすればするほど、予期せぬ事態で寿命を縮めるってことよ……」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

メイ「人間を……超えるものにならないとね……」

静「……なんのことよ?……なにを言ってるのッ!」

…………

…………

本『アアアアアアアアアァァァァァァァ…………』

ブスブスブスブス……

双馬「…………」

チェスタ「…………これは……」

双馬「……どういう事、だ……これは……!!」

双馬が『エニグマの本』を燃やし、
『宮本輝之輔』が叫び声を上げて燃えた時、
その『変化』は起こった。

チェスタ「……『弓と矢』が……!」

ズルリ、ズルリ、ズルリッ……

双馬「……元に……『戻っている』ッ!?」

双葉双馬の賭けは、外れた。

世界中に点在する『エニグマの紙』は、
この瞬間、『元の物体』に戻った。
チェスタ・テスタロッサは『弓と矢』を手に入れ、
そして、有栖川メイも……

…………

…………

メイ「『私は人間をやめるわ!静ァ――ッ!!』」

バ ン

静「!?『石仮面』がッ……『元に戻っている』ッ!!」

メイ「私は人間を超越するッ!」

バリバリバリ

仗助「メイ!?なんでナイフなんざ持っているんだァー!?」

メイ「静!貴方の血でねェ――ッ!!」

ゴオ

静「ッ!!」

ドス

静「!……に……」

仗助「ぐ……し、静……」

有栖川メイの突きつけたナイフは!
静・ジョースターの胸ではなくッ!
兄・東方仗助の背中に突き刺さったッ!!

静「に……兄さんッ!あたしをかばって……!!」

仗助「あ……有栖川メイ……ヤツは……『誰』……なんだ……?」

ガクッ

静「兄さァァァ――――んッッ!!!」

うおあああ

ガッシ――z__ン

メイ「……」

ベットリ

メイ「うわっははははは――ッ!!」

ファアゴオ

ドス

ドス

ドス

ドス

メイ「……」

ビィィィィィン……

静「……ああ……」

バカ

メイ「…………」

静「……なんてこと……!」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

メイ「……WRY……」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

…………

⇐To be continued=

やっとここまで書けた……。皆様の応援のお陰です。
まだまだ静の日常は続くと思いますので、どうかひっそりと応援をば。

この戦いが終わっても続くのかな?
できれば続けて欲しい

>>434
今現在、自分が考えてる流れでは、15話くらいまで続く予定になってます。
盛り上がり的に言えば、この話がだいたい半分くらいの、ストーリーの折り返し地点ですね……
つまり、まだまだうっおとしいくらい続くという感じです。

……需要なかったりしたら打ち切りエンドか、私が波紋失踪するということも十分ありえます……
どうか、長くなったとしても、生暖かい目で見守ってやって下さい。

申し訳ありません、あと一週間くらいは書けそうにないです……。
まだ逃げませんので、少しの間お待ちください。お願いします……。

あんまりにも遅くなりそうなら、場をつなぐ意味でも、
これまでの話まとめとか登場人物覚書きとか、軽く書いていこうと思います。
……静にはちょこちょこネタがあるので……。

場つなぎの、覚書き……
(ボンヤリと定めている設定。伏線に触れる所もあるので詳しく書けない所も多い……クサいし長いので見なくても良い)

・静・ジョースター
16歳。正確な誕生日は不明。
ジョセフ・ジョースターと東方仗助に拾われた、5月の頭を誕生日としている。

低身長・純日本人・星形のアザを持たない・人型スタンドのヴィジョンを持たない等……
『ジョースター』という名前にコンプレックスを抱いている。
軽々しくそのコンプレックスに触れられるとムキになってしまう性格。

口癖は「~~っての」
(誰にも指摘されなかったので、ここで書いておく……)
「あなたは次に~~」や「グレート」など、過去の主人公の口癖を言う時もあるが、
これはジョースターの血統に憧れるがゆえに、真似をして言っているだけにすぎない。

絵本を読み聞かされて育つように、ジョセフから様々な冒険譚を聞かされて育ったため、様々な事(DIOや石仮面等)を知っている。
また、ジョセフや承太郎の行った冒険・危険に、自らも巻き込まれることを望んでいる。

赤ん坊のころ、溺れかけたため水に関するものが苦手。
泳ぐのはもちろん、魚介類や水槽なんかも苦手。雨はギリ平気。
好きな食べ物は肉。

本人曰く「運動神経は普通だが、普通の人よりか足は早いつもり」
実際は(本気出せば)一般人を遥かに超える運動能力を持つ。

スタンド『ワイルド・ハニー』
正直、透明だけで戦うのはすごく辛い……。
オリジナルSSなんだから、成長したって事で勝手に能力継ぎ足せば楽だったんだろうけど、
「持って生まれた能力で戦ってこそJOJO!」と思ったので貫き通した。少し後悔した……。

あれ、ワイルドハニーって人型のヴィジョンじゃないの?

>>465
このお話を書く前にメモってたことを、一部書きたしたり(ネタバレ部分を)消したりして載せました。
今現在は人型です。
見た目イメージは包帯+サングラスかな、とか思ってたけど、支援絵が素晴らしかったので、それプラス蜂、というイメージで……

全然今のストーリーの流れに関係ないけど
スーパーフライとミキタカは後で出る?
この二人も気になるんだが

>>470
鋼田一豊大は出すかもしれませんが、ミキタカを出す予定はキッパリ、ありません。
ミキタカを出しちゃうと、彼は本当に宇宙人だったのか?という問いに答えなければならなくなります。
宇宙人なら年を取らないだろうからまだ学生なんじゃあないか?とか、一般人なら仕事ついてるだろうな、とか、色々とその辺りについて書かなければならなくなります。
彼の正体はやっぱり謎で、個人個人の解釈があるからこそ彼の魅力があるんじゃあないかな、と思います。
なので、ミキタカは書けません。ごめんなさい。
(ちなみに私はミキタカ宇宙人説派です。ロマンがあるよね)

あ、明日の夜投下予定です。
遅くなって申し訳ありません。たぶん明日で今回のお話終わりです。

…………

その『天才』が!
人間の歴史の前に姿を現したのは、五千年前のことだと伝えられている。
しかし……彼はもっともっと昔……
人間が歴史を持つずっと以前から、この世界でひっそりと生きていたッ!
自身の作った道具……『石仮面』とともにッ!

『バカ者どもがッ!太陽を克服したいと思わないのかッ!何者をも支配したいと思わないのかッ!あらゆる恐怖をなくしたいと思わないのかッ!』

彼は人間を使って『石仮面』の人体実験を繰り返した。
自分が仮面をかぶり、太陽を克服する!究極の生物となるために!

『この石仮面の骨針は人間の脳を『押す』ことはできるッ!しかし――我われの脳を『押す』にはパワーがたりない!』

『石仮面』は、人間の脳から未知なる能力を引き出し、人間を闇の吸血鬼に変身させた!
多くの吸血鬼の、その高いパワーとカロリーは、彼や彼の仲間の食料となったが……
ごくまれに、食料となる運命から逃げ出した者がいた!
未知なる能力を引き出す『石仮面』を手に入れた者がいたッ!

『血は生命なり!』

ドッガァ!

『我はついに手に入れたぞ!!永遠の生命を!』

ウオォオォオォオォ――z__ッ

『族長!』

『族長!』

『族長!』

その名を太陽の民アステカ!
彼らに伝わった奇跡の道具『石仮面』は!
多くの吸血鬼を生み出したッ!

しかし!ある時その部族は『世界に君臨する』という目的をとげず、
こつ然と歴史から姿を消す!
無人の廃墟を残して!
残されたアステカ遺跡の廃墟には……
数々の『石仮面』と!一人の『柱の男』が眠ることとなる!

そしてその時から数百年後!
その遺跡に眠る数々の『石仮面』は!
イタリアの遺跡発掘隊の一人の青年――
『ツェペリ』という男の手により!
『再び歴史の表へと姿を現すこととなるッ』!!

『URRRRYYYY!』

…………

…………

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

静「うッ……ううッ!!」

メイ「…………」

コキ、コキ……

メイ「スウゥーッ……ハァア――ッ……」

静「……ハァハァハァハァ……」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

メイ「……スガスガしい……」

静「……!」

メイ「なんて……なんて!『スガスガしい気分』なの……!口から吸った空気に血の味がしないッ!鼻腔にさわやかな風が流れ込んでくる……!身体のふしぶしにあった痛みが完全に無くなった!身体の奥そこから、スバラしい力があふれでてくるのが実感出来るッ……!」

静「…………」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

メイ「静ァ~~……私はこんなにすばらしい力を手にいれたわ!石仮面からッ!!貴女の兄の血からッ!!」

静「……う……ううううッ……!!」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

メイ「私は『神』と同じ舞台に立った……その事実のみしっかりと理解出来る……ああ、なんて素晴らしいの!これなら……私は『天国』へ行くことが出来る……真の勝利者となることが出来る。本当の幸福を手に入れることが出来る……!」

静「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

ワイルド・ハニー『ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ!!!』

ドッヒャア――ッ!!

ワイルド・ハニー『ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ――』

メイ「……フウーッ……」

スッ……

イエスタデイ・ワンス・モア『WRY……』

ドッボァッ!!

静「うあああああああああああああッ!!」

メキョ!メキョッ!!

メイ「フフ……ちょいと小突いただけで、人間の腕をポッキリ折ることが出来るなんてッ!どうやら私だけじゃあなく、私の『イエスタデイ・ワンス・モア』も成長しているみたいね……嬉しい」

静「ああ……ああッ!」

ガクガク……

メイ「……私に『恐怖』しているの?静……人間というものを超越し、不死身、不老不死となったこの私を?」

静「……だ……れがッ!誰がッ!『あんたなんかに恐怖なんかするものかッ』!!」

メイ「……」

バギッ!

静「あああッッ!!!」ドッザアッ!!

メイ「ヒザをガクガクふるわしちゃって……今にもションベン垂れ流しそうな感じよ?静。……そんなにも怖がることないじゃあないの……静、特別に……私と『友達』になるのなら、特別に……貴女を生かしてあげてもいいのよ?」

静「……そんなのッ……嫌に、決まってるッて・・・…のッ……」ガクガク……

メイ「……そう」

静「殺す気なら……殺しなさいよッ!ただし!あたしはタダではやられないッ……わよッ……!」

ブルブル……

メイ「……そう言ってもらえると……『嬉しい』し、『悲しい』わ」

静「…………」

メイ「私は貴女を殺したくない。貴女にはなにか……強く感じるものがあるのよ。……それと同時に、貴女は絶対に殺さなくてはならないという、つよい『運命(さだめ)』がある」

静「……」

メイ「なぜなら……曲がりなりにも貴女は、私が『恐怖』する『ジョースターの血統』の者、なのだから」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

静「……『恐怖』……ですって?……そ、それに……あ、あたしはッ……!」

メイ「恐ろしいのは、ジョースター……その血統が持つ『黄金の精神』よ。貴女が恐ろしいわけじゃあない。決して折れず、自らの信じる正義のためなら、何処までも他人に『まとわりつく』あなどれない精神!……運命の歯車から、あなた達を取り除く必要を感じるわッ」クルッ

静「あ……あたしは……『ジョースターなんかじゃあないッ』……!」ポロ……

メイ「受け継いでいるのよ、貴女は……様々なものをその名前とともに受け継いでいる。だから……私は、貴女と一緒に『天国』へ行きたいけれど、貴女を殺さなくてはならない……!」

静「うう……ううううう……!!」ポロポロ……

メイ「……ごめんなさいね?」ニコリ

ボギョオォオ!!

静「……あ……!!」

メイ「……ずいぶんと、やわらかいのね。人の腕の関節って。……簡単に『もげた』わ」

ボドッ

静「あ……あああ……うああああ……!!」

ドグッ!ドグッ!!

メイ「あらあら、すごい血ね……心臓が近いからかしら?左腕をもいじゃったから。失血死までどのくらかかるのかしら?知りたいことがいっぱいあるわ……」

ペロッ

メイ「ん!美味しい……貴女A型なの?私と同じなのね。几帳面な性格どーしだから、血液型占いではすっごく相性がいいわ。ああ、なァんて美味しい血……!」

静「あ……あああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

メイ「……結構うるさいのね……女の子の出す声じゃあないわ。……ンンンン、失血死でもいいのだけど……せめてもの慈悲よ。……私の手で幕を引いてあげる」

静「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

メイ「……さようなら、静・ジョースター。……受け継いだ名前とともに、死になさい」

スッ……

静「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ……」

ブオン!!

静(あたしは……様々なものを……『受け継いだ』……?)

静「ああああああああああ……はあああ……すうううう……はあああああああああ……!!」

グラリッ……

メイ「……!?」

ド ン

一瞬の事であった。

メイが、静に向かって手刀を振り下ろし、
それが静の脳天に直撃する、その刹那……
静の身体が倒れるように前へと動き、手刀をかいくぐり、その内側へ……
メイのふところへと入り込んだ。

ほとんど無意識の行動であった。
静は、左腕を失い、大量に血を失い、朦朧とする意識の中で……
しっかりと、右腕を前に伸ばして、メイの腹へとそれを当てた。

ジュウウウウ……

メイ「!?……??……なッ……!!!」

静「……はああああ……」

実にッ!
実に奇怪だった!
静はふらふらの身体で、脆弱なパンチを……
パンチとも言えないような、ただの握りこぶしを!
『有栖川メイの腹部へと当てただけだというのにッ』!!
なんとその右腕はッ!
メイの腹部を『貫通』したのだッ!!
(メイの腹にドでかい穴が開いたッ!!)

メイ「何ィィィ――――ッッ!!!」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

メイ「これはッ!馬鹿なッッ!!この私がッ……吸血鬼となった!人間を超越したこの私がッ!!これほどのダメージを……ぐうう!!」

ドッザアッ!!

静「……す……ううう……は、ああああああ……!!」

グググ……

メイ(こ……コイツ!まだ『やる気』だ……!左腕が肩からもげた『死に体』だというのにッ!目には奇妙なくらい、輝かしい光がともっているッ!!)

ガクガク……!!

メイ「うぐぐ……!」

静「はあああああああ……!!!有栖川メイィィィィィ……!!!」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

静「アンタはここでッ!!あ、たし……がッ!!ブッ……たおすッ……!!あたしは……死んでも……アンタを、倒す……!!」

メイ「ハァ!ハァ!……ハァハァハァハァ!!」

静「あたしは……『ジョースターの血統』じゃあ、ない……けど……!『ジョースターの名を受け継いだ者』として……アンタを、ぶっ倒す……!!うおおおおおお!!!」

グオオ

メイ(身体がッ……動かないッ!避けろ……私の身体ッ!!動くんだァ――ッ!!)ガクガク!!

静「『ワイルド・ハニィィィィィィィィィィィィィィィィィイイイイイイ!!!』」

ギャ――ン!!

ワイルド・ハニー『ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラ!!!』

ドドドドドドドドドドド!!!

メイ「UGYYYYYYAAAAAAAAAAAAAAAAAA――ッ!!」

メシャ!メシャ!メシャアッ!!

静「ドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラドラど――ッ」

ガブウッ!!

静「!?……えっ?」

ドッサアア――z__ッ!!!

メイ「ハア!ハア!ハアッッ!!……い……『生きている』……?……??……」

静「な?……何で……?……『目』が……?か、『身体』が……『感覚』が……?」

┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

「……間に合って良かった。予想以上に……双葉双馬の『ペーパー・バック・ライター』……まくのに時間がかかってしまった……!」

静「……き……貴様、はッ……!!」

メイ「……チェスタぁ……!!」

チェスタ「……フーッ」

バ――ン!!

静「うおおおお!!ふざッ……けるなァッ!!こんな!……こんなことって……!!畜生ッ!!能力を解けッ!!チェスタァァァァァ!!!」

バタ!バタ!!

チェスタ「……心配しなくても、静……俺は今かなりのダメージを負っていてね。正直お前の感覚を消化する体力なんて無いんだ。今にも吐き出してしまいそうでね、すぐに感覚なら戻るさ。……ま、それより前に、君は死んじまいそうだがな……」

静「うう……う、おお…………畜生ッッ……!!」

バタ、バタ、バ……タ……ン……

静「…………」

チェスタ「……大丈夫か?メイ……その傷は……まさかこいつにやられたのか?……吸血鬼となったんじゃあなかったのか?」

メイ「……静が……やったの。この子、信じられないような力を持っていたわ……」

チェスタ「……」チラリ

静「…………」

…………

チェスタ「……『天国』を目指す前に……その腹の傷を治さないとな。人の血を吸えば治るのだろう?吸血鬼となったのだから……」

メイ「……たくさんの血が、必要ね……それと、身を隠す場所が必要だわ。もうあの家には戻れない。二人が死んだことで……空条承太郎や他の『スタンド使い』達に、追跡されることはわかっている……」

チェスタ「……どうせ仮初の家だ。仮初の家族……あんな古びた家に住むくたびれた老人に、何か未練でもあるのか?」

メイ「いいえ。ただ……全くいい思い出なんか無いけれど、あの人たちとは……すごく長い間、暮らしてきたから……」

チェスタ「行こう、メイ。……君には嫌な思いをさせてしまうかもしれないが……一先ずは下水道に身を隠そうと思う。太陽の光から逃れられるしな」

メイ「わかったわ……」

チェスタ「充分傷が癒えて、君の力が成長しきったのならば……すぐにでも、試していこうじゃあないか……この『弓と矢』を。……楽しみだ。君の『スタンド』のさらに先にあるものが」

メイ「……そうね。……じゃあ、静?」クルッ

静「…………」

…………

メイ「……もう私の声は聞こえていないでしょうけど……私本当に、貴女と一緒に『天国』へ行きたかったのよ?……これから先、私は……どんな犠牲を払ってでも……私の『天国』へと行き着く」

静「…………」

メイ「……さようなら、静……透明(クリア)な心を持つ少女」

バ タ ン

静「…………」

仗助「…………」

静「…………」

仗助「…………」

静「…………」

仗助「…………」

静「…………」

仗助「…………」

静「…………」

仗助「…………く……」

静「…………」

仗助「…………『クレイジー…………』……『ダイヤ……モンド……』」

ズキュン!!

静「………………」

仗助「……し……ずか…………」

静「…………」

仗助「……おれは……ほかの、誰でもない……お前を……」

静「…………」

仗助「……幸せに、してやりたかった……のになあ……」

静「…………」

仗助「…………すまねえ」

静「…………う……」

仗助「…………」

静「…………うう……」

ムクッ

静「…………兄さん……」

仗助「…………」

静「…………おたがい……」

仗助「…………」

静「……おたがい、息は……あるようね……」

仗助「…………」

静「…………」


――静・ジョースター……左腕が吹き飛んだが、『クレイジー・ダイヤモンド』によって傷は完治。少し貧血気味となったがいたって健康――

――双葉双馬……遅れて東方家へと着き、すぐに救急車の手配をした。めだった外傷ナシ――

――東方仗助……この後双馬の呼んだ救急車で運ばれた。ナイフで刺されたが、鍛えてたおかげか命に別状は無い。全治3週間――

――有栖川メイ……『吸血鬼』となり杜王町の闇へと消える。腹部に大きな穴あり。普通なら重症だが、きっとすぐに治るのだろう。沢山の生命と引き換えに――

…………

⇐To be continued=・・・?

スタンド名―イエスタデイ・ワンス・モア
本体―有栖川 冥

破壊力―E→A スピード―C→A 射程距離―E
持続力―E 精密動作性―C→A 成長性―A

『吸血鬼』となった事で死の恐怖から解き放たれ、精神が成長した姿。
ある意味これが彼女の本当の力だったのかもしれない。
全体的にパワーが底上げされた以外は変わらない。
彼女が『天国』を目指すというのなら、さらなる『先』へとこの能力は向かうだろう。

と、いうわけで、静ジョ6話完結です。
今回のお話、かなり長くなって申し訳ないです。やっと書きたかったことが書けた、という感じです。
これから先は、4部っぽい『日常にひそむスタンド使いとの奇妙な戦い』を書いていくつもりです。
一応、ラストバトルの展開はもう頭の中ではできていますので……
もう少しだけ、お付き合いくださいませ。

次回タイトルは
静「お見舞いへ行こう」
で行こうかなと。
またしばらくしたら次スレ案内します。
それでは……。

あと、ASBやってて初めて気付いたんですけど、『ジェット』じゃなくって『ジョット』なんですね……
14の言葉、脳内補完で修正してください……ああ恥ずかしい……。

あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!
『おれは幼じょりーんのSSを見てニヤニヤしてたら、いつの間にかおれのSSがほめられていた』
な…何を言っているのかわからねーと思うがおれも何をされたのかわからなかった…
『おれはロリコン』だとか『ジョジョ好き同士はひかれあう』だとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……

プロシュート兄貴のスタンド効果で成長した静が幼じょりーんと共演……
とか思いついたけど、どう考えても自分にしか需要無かったわ。
……エンペラーACT2とか出すほどネタに困っているなら、出してほしいかなああククク……ハハ
…とか言ったりして…ハハ

黙れ 本編を書け

覚書き(プラス、小ネタ)

・広瀬川康司の名前の由来は、
康一くんの苗字の元ネタとなった、仙台を流れる一級河川「広瀬川」と、
小説ジョージ・ジョースターのキャラ「広瀬康司」から。
スタンド使うとしたらやっぱりブルーサンダーなのかな、とか思ってる。
……出す予定今の所ないけど。(収集つかなくなるので)

・第一話『静・ジョースターの奇妙な日常』の、
一番最初の注意書きはバイツァ・ダストを意識したもんだったんだけど……
大不評だったので普通のに変えたというチキンな過去がある。
わかる人にはわかるかな、とか思ったけど、わからない人にはキモい文章ですよね……
ていうかパロった文章もマズかったのか。いや地の文もキモいのか。心当たり多すぎる。

・第二話『仗助「静のやばい物を拾ったっス」』
承太郎・徐倫の『スターフリー』は、
「この星の運命から自由になる」って言う意味が……
『蝶が飛んでいる』というのは、重力の異常が無くなった=プッチ死亡という意味と、
『蝶=徐倫』『自由に飛んでいる=徐倫は自由』とかいう意味が……
……あったんだけど、なんかもうキモいからどうでもいいや

・第五話『静「泥棒をしよう」』
250の、仗助が静の持っているはずだった本を手に入れようとするシーン……
この時の擬音、静の無い胸をペタペタ触りまくってるっていう音だったんだけど……
……自分は満足してるからどうでもいいや。

>>531
あっすんません月曜投下予定です。

次スレご案内です。

静「お見舞いへ行こう」
静「お見舞いへ行こう」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1379932767/)
今晩の9時~10時に投下始めます。
ではまた次スレで……。

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