佐天「巨人を駆逐する能力かぁ」(117)

短い。キャラ口調変なのはごめん。


佐天「レベル1になったのは良いんだけど。ここどこ?」

「壁が破られた!巨人が入ってくるぞー逃げろー!」

ワーギャーヒーヒー

佐天「なんか皆が逃げてる、何事?能力者でも暴れてるのかな」

佐天「壁があるから学園都市のどこかな気はするんだけど、町並みがレトロだなぁ」

佐天「携帯も圏外?なんでー」

「おいミカサ!そっち持て!」

佐天「子供の声がする?御坂?いやミカサって聞こえたか」

佐天「こっちからかな。うわっ!大変!女の人が家に潰されちゃってる!」


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佐天「大丈夫ですか!?」

エレン「誰?」

カルラ「どちら様かわかりませんが、この子達を連れて逃げてもらえませんか!?」

佐天「えっと、何から逃げるんですか?」

エレン「何からって巨人からだよ!」

佐天「巨人ってなに?何かの能力者?」

エレン「何訳のわからないこと言ってんだよ!お前!」

佐天「お、お前!?ちょっと僕!私は年上だよ!?」

エレン「なんでも良いから母さんを助けるの手伝ってくれよ!」

佐天「そ、そうだね。私はこっち持てば良いかな」

エレン「ミカサ、と誰か知らない人いくぞ!」

ミカサ「うん」

佐天「おっけー、おっも!」

エレン「ちゃんと持てよ」

ズシーーーン

エレン「ああ……」

佐天「わぁ、おっきー」

エレン「何暢気なこと言ってんの!?」

佐天「あんな大きい人初めて見たから、でもなんで全裸なんだろ」

カルラ(助けてもらう側だけどこの子服装も変だし、ちょっとあれな子なのかしら……)

ハンネス「おぉ、お前ら無事か?初めて見る顔もいるが」

カルラ「ハンネスさん!良かった。この子達を連れて逃げて!」

ハンネス「見くびるなよカルラ!巨人をぶっ殺して皆で逃げるぞ!」

カルラ「待って!戦ってはダメ!」

佐天「あのデカイ人は悪者?」

ミカサ「お姉ちゃん、本当に巨人を知らないの?」

佐天「巨人って言葉は知ってるけど」

エレン「あいつらは人間を喰い殺す化物なんだよ!」

佐天「人間を食べちゃうの!?何それ、こわっ!」

ハンネス「おらああああ!」

ハンネス「」

ハンネス「やっぱ無理!」

エレン「ちょっとハンネスさん何すんだよ!」

カルラ「良かった……二人をお願いね」

佐天「あの!この子達のお母さんを見捨てるんですか!?」

ハンネス「仕方ないだろ!これしか助かる手がないんだ」

佐天「あの巨人ってのさっきの剣でズバッとやってくださいよ」

ハンネス「無茶言うな!」

佐天「意気地無し!!」

ハンネス「おいあんた!なにを!」

佐天(私の能力は巨人を駆逐する能力だったはず)

佐天(レベル1だからどうなるかわからないけど……)

巨人「……」ニタニタ


佐天「何笑ってんの!このー!!」

巨人「……!?」

ブシャアアアアアア

巨人「」

佐天「やった!倒せた!!」

エレン「すげー!あの姉ちゃん巨人を触りもしないでぶっ殺した!」

ハンネス「あ、ありえねぇ……」

エレン「何ボーッとしてんだよ!母さんを助けてくれよ!」

ハンネス「あ、あぁ」

エレン「なぁ!どうやったら巨人をそんな風に殺せるんだ!?」

ミカサ「私も知りたい」

佐天「えーっと、私の能力が巨人を駆逐する能力なんだよね。レベル1だけど」

エレン「能力?レベル1?なんだそれ。それに変な格好してるし、違う区から来たのかよ」

佐天「変な格好とは失礼な!柵川中の制服だよ!それと私が住んでたのは第七学区、ここはどこの学区?」

エレン「第七学区?どこだよそれ。母さんかハンネスさん知ってる?」

カルラ「初めて聞いたわ」

ハンネス「俺も聞いたことねぇな」

佐天「……ここって学園都市だよね?」

ミカサ「ここはウォール・マリアのシガンシナ区だよ?」

佐天「えっ!?海外?いつの間に」

エレン「な、なぁ!もしかしてだけど……壁外から来たのか!?」

佐天「実家は壁の外だけど?」

エレン「本当かよ!!壁の外にも人間の町があるんだな!?」

佐天「そりゃあるでしょ」

ハンネス「なんてこった。こいつは驚いたな……」

エレン「すげぇ……姉ちゃんすげぇよ!アルミンにも教えてやらなきゃ!」

佐天「アルミンって誰?そういえば普通に喋れてるけど皆外人さんだよね?」

エレン「アルミンは俺とミカサの友達だ。俺の名前はエレン・イェーガー、こっちがミカサ・アッカーマン」

佐天「私は佐天涙子ね。ところでーミカサちゃんはエレンの彼女?」

ミカサ「か、彼女じゃない///」

佐天(照れてるなぁ)

エレン「サテン・ルイコか。名前も珍しいんだな。こいつは家族だよ。訳あって一緒に暮らしてんだ」

ミカサ「……」

佐天(ちょっとしょんぼりしたミカサちゃん可愛ぇぇのう。恋心もありって感じかな)

ハンネス「おい、あんまり無駄口叩いてないでさっさと船に乗れ」

佐天「船に乗ってどこかに行くんですか?」

ハンネス「あぁ、シガンシナ区はもうダメだ。だから出来るだけウォール・ローゼのほうに逃がす」

佐天「ウォール・ローゼ?」

ミカサ「2番目に内側の壁だよ。本当に何も知らないの?」

佐天「あはは……」

佐天(船も見たことないタイプだし、もしかして……違う世界に来ちゃったのかな)

エレン「なにボサッとしてんだよ。佐天も早く乗れよ」

佐天「あっ、うん」

パシュッ

エレン「あれ!?佐天は?」

ミカサ「消えちゃった」

佐天「あれ……いつもの部屋だ」

佐天「おかしいなぁ、さっきまで見たこともない世界にいたはずなのに……夢?」

ピリリリリッ

佐天「ビックリした!携帯が鳴るってことは元の世界だよね?あっ、初春からだ」

佐天「もしもーし」

初春「やっと出ましたね、さっきからずっとかけてたんですよ?」

佐天「ごめーん、ちょっと別の世界を旅してた」

初春「佐天さん寝ぼけてます?」

佐天「ねぇ、ちょっと初春に調べて欲しいことがあるんだけど」

初春「調べ物ですか?なんでしょう」

「まさか……内側の壁まで破壊されたのか」

「ウォール・マリアはもうおしまいだ……」

エレン「佐天がいたらあの巨人も……」

ミカサ「おばさんが助かった以上、夢だとは思わないけど。居なくなった人のことを言ってはダメ」

エレン「ああ、そうだな」

エレン「俺は俺の手で巨人をこの世から駆逐してやる……」

エレン「一匹残らず!!」

ミカサ「エレン……私もあなたと同じ道を歩もう」

エレン「絶対に……あの家に帰る」

――ファミレス――

初春「佐天さーん、こっちです」

佐天「お待たせ、それで何かわかった?」

初春「佐天さんから電話で聞いたキーワードで色々検索してみましたけど。それらしき物には何もヒットしませんでした」

佐天「そっかぁ、やっぱり夢だったのかな」

初春「そうは思ってない顔をしてますね」

佐天「うーん、いやにリアル過ぎたっていうか。私の能力が人助けに役立ったから夢だと思いたくないってのもあるっていうか……」

初春「佐天さんは七不思議だとか、色々、現実的じゃないことが好きだから引き寄せられたのかも知れませんね」

佐天「能力も巨人を駆逐する能力だしね」

初春「それですよ!きっと能力とその世界は無関係じゃないんです。ところで巨人って本当に大きかったんですか?」

佐天「うん、ちょっとした家くらいの大きさはあったね。喋ったりはしなかったけど、なんかこうニタニタって感じに笑ってた」

初春「むぅ、少し想像しにくいですが。可愛いくはなさそうですね」

佐天「可愛いくは無かったなぁ」

――――
――


佐天「初春と別れて帰宅したけど、なんかモヤモヤだぁ」

佐天「ウォール・マリアにウォール・ローゼ。人間を食べちゃう巨人」

佐天「もしかして、エレン達は巨人達のせいで壁の中に閉じ込められてるのかな」

佐天「……よし!もし、もう一度あの世界に戻るけとがあった時の為にレベルを上げる努力をしよう!」

佐天「現実じゃない世界かもしれないけど、私の力が役に立つなら嬉しいじゃないか。やる気出てきた!」

佐天「という訳でご教授ください」

御坂「どしたの急に改まって」

佐天「レベル1になったんですが、これからどうやって上げていくのが効果的かと。努力の天才である御坂さんにご指導、ご鞭撻頂こうと!」

御坂「ど、努力の天才だなんてそんな///」

佐天「レベル1からレベル5まで上げた御坂さんは努力の天才ですよ!だから教えてください」

御坂「教えるのは良いけど、佐天さんの能力ってどんなやつなの?」

佐天「巨人を駆逐する能力です!」

御坂「巨人……?」

佐天「そうです巨人です!」

御坂「……野球チームの?」

佐天「そっちじゃないです!」

御坂「他に巨人って何があるかしら……」

佐天「読んで字のごとく巨大な人間です!しかも、人間を食べちゃう悪者です!!」

御坂「そんな悪者漫画とかに居るわよね」

佐天「それが実在する世界があるんです!信じてもらえないかも知れないですけど」

御坂(ほとんど何でもありな学園都市だから、巨人の1体や2体普通に造っててもおかしくはないわね)

――――

御坂「それにしても、駆逐ってのはちょっと物騒ね」

佐天「あはは、確かに」

御坂「聞いた感じでは、その世界で巨人は1つの種だから住み分けが出来てれば問題ないような」

佐天「壁外から来たって勘違いされて凄い驚きと喜びどちらも感じたので、もしかしたら壁外の人達は皆巨人に食べられちゃったのかも……」

御坂「それはかなり切迫した世界ね。生き延びてる人達からしたら、佐天さんは神様に思われるんじゃないかしら」

佐天「そんな大層なものになりたくはないですけど……役に立てたら良いなぁと」

御坂「わかった。私が絶対に佐天さんのレベルを上げてあげる」

佐天「ありがとうございます!心強いです!」

御坂「だいたいのやり方はわかってるわよね?」

佐天「一通りは教材にも目を通してます」

御坂「なら後は私が自分で実際にやってみたやり方を教えるわ」

佐天「はい!」

――そして月日は流れた――


御坂「今日の身体検査の結果はどうだった?」

佐天「……」

御坂「えっ?ダメだったの?」

佐天「……な、なんということでしょう」

御坂「劇的ビフォーアフター?」

佐天「私がレベル5になっちゃいました!」

御坂「本当に!?おめでとう!努力したかいがあったわね」

佐天「ありがとうございます……御坂さんのおかげです!」

御坂「私はやり方を教えただけ。実際に努力したのは佐天さんなんだから自信もって」

佐天「はい!」

佐天「私がレベル5なんて信じられないなぁ」

佐天「電話したら初春も喜んでくれてたし」

佐天「まぁ、この世界には巨人はいないし実用性は無いんだろうけど」

佐天「エレン達は元気にしてるのかなぁ」

佐天「会えないのかなぁ」

佐天「うとうとしてきた」

佐天「ここしばらく身体検査のことで能力のレベル上げに躍起になってたからかな。あんまり寝てなかったし」

佐天「少しだけお昼寝しよう」

――850――

コニー「壁が破られた!?また巨人達が入って来るぞ!」

エレン(また……)

エレン「固定砲整備4班!立体機動に移れ!目標超大型巨人!!」
エレン「よぅ……5年ぶりだな」

――――

トーマス「エレン!超大型巨人は!?」

エレン「すまん、逃がした……5年前と同じだ。消えちまった」

コニー「なに言ってんだよ!俺らなんか動けなかったんだから」

ミーナ「そうよ、エレンが気にすることはないわ」

エレン「また壁が……」

――――
――


「逃げろ!早くしないと巨人に喰われちまうぞ!!」

「まだ子供が!」

「息子を見ませんでしたか!誰か息子を!!」

佐天(ん……夢?なんか見たことがある建物が)

佐天「えっ!ここって」

佐天「間違いない!ちょっと景色は違うけどエレン達の世界だ!」

「そこの子も早く逃げないと巨人が来るわよ!」

佐天「そうか……また巨人に皆が襲われてるんだ。今こそ私の能力を発揮して助ける!」

「ちょっとそっちは!」

「ほっとけ!逃げるぞ!!」

駐屯兵A「くそっ!突破された!怯むな!ここで食い止めるぞ!」

駐屯兵B「先遣隊の俺らが時間を稼ぐんだ!」

駐屯兵C「調査兵団が居ないときに限って……ちくしょう!!」

「ひぃぃぎゃあああああ」

「嫌だ!死にたくない!!」

「ぎゃああああ!!」

佐天「ハァハァ……人の声がする」

駐屯兵D「おい!何してんだ!避難命令が出ただろ!」

ガシッ

佐天「きゃっ!空を飛んでる!?」

駐屯兵D「気休めにしかならんが建物の上に」

巨人「きしゃあああ!!」

佐天「危ない!!」

駐屯兵D「ひいっ!!」

ブシャアアア

巨人「」

駐屯兵D「あんた今何を……巨人がいきなり破裂しただと?」

佐天「見渡し良好、数は6体かな……確実に一体ずつ」

ブシャアアア ブシャアアア

「なんだ!?巨人達がいきなり破裂しだした」

「なんか知らないが好都合だ!行くぞ!!」

「オオオオオオオッ!!」

佐天(加減が難しいな……もし御坂さんが言った通りならちゃんと加減しないと全滅させちゃう)

佐天(それはそれで、この世界の生態系に干渉しすぎてしまうからダメっぽいし)

――本部――

上官「今回は卒業したばかりの訓練兵にも作戦に参加してもらう。敵前逃亡は死罪だ心せよ」

ミカサ「エレン、戦場が混乱したら私のところに来て」

エレン「はぁ?なに言ってんだよ!それにお前は違う班だろうが」

ミカサ「混乱した戦場では筋書き通りには行かない」

「大変です!!」

上官「何事だ!簡潔に述べよ!!」

「はっ!それが、突如現れた謎の少女の加勢によってトロスト区に進行した巨人がほぼ全滅しております!」

上官「なにそれ」

エレン「少女……?」

ミカサ「巨人を全滅?」

エレミカ「「まさか!」」

上官「えーっと……好機だ!各自の持ち場に着け!!」

「「「「「はっ!」」」」」

イアン「ミカサ、お前は後衛だ。町人の避難が遅れている」

エレン「34班行くぞ!!」

「「「おう!」」」

エレン「良かったなアルミン。前に話した壁外の姉ちゃんに会えるかもだ」

アルミン「本当かい!?」

エレン「ああ、間違いない」

――――

佐天(うん。慣れてきた)

――前衛――

エレン「いた!」

佐天「この声は!」

佐天「エレン?」

エレン「やっぱり佐天だった!」

アルミン「本当に見たことない服装をしているね」

佐天「……?なんか大きくなってない?」

エレン「なに言ってんだよ、5年も経てば身長くらい伸びるって」

佐天「5年!?そんなに経ってるの!?」

エレン「ああ、あの日はいきなり消えてビックリしたけど、戻ってきてくれたんだな」

佐天「うん。自由に行き来できるわけじゃないけどね」

トーマス「おーおー随分と仲良さ気なこって」

ミーナ「これはミカサが見たら修羅場になっちゃうんじゃない?」

サムエル「かもなぁ」

エレン「お前ら……だいたいミカサも佐天のことは知ってるよ」

ミーナ「なんだつまんないの」

佐天「ミカサも元気にしてる?」

エレン「ああ、訓練兵を首席で卒業したり色々と凄いよ」

佐天「訓練兵?エレン達もさっき助けてくれた人達と同じような格好してるんだね」

エレン「ああ、俺もミカサも昔と違って兵士だからな」

「10m級が入ってきたぞ!!」

「しかも2体だ!気をつけろ!」

アルミン「エレン!立ち話は後だ!加勢しよう!」

エレン「そうだな!行くぞ皆!」

「「「おう!!」」」

佐天「あっ、ちょっと!えいっ」

ブシャアアア!

佐天「よし!」

一同「」

佐天「あれ……もしかして倒しちゃいけなかった……?」

アルミン「本当に巨人を手も触れずに倒せるんだ……」

エレン「なんだこれ……勇んだだけに猛烈にやるせない」

一旦中断。夜に投下して終わります。

読んでくれた方ありがとうございます。

投下してきます。レスありがとう。

――――

ミカサ「巨人の進行が防がれてるのに、住民の避難が遅いのはおかしいと思って来てみれば」

商会ボス「なんだ!文句あんのか!?」

ミカサ「……えっと、今女の子が一人で戦っている」

商会ボス「は?お前らも戦えよ」

ミカサ「戦うけど。住民の避難が終わればその必要もない」

商会ボス「この荷物はてめぇらのしけた人生じゃ稼げねぇもんなんだよ」

ミカサ(一杯死んで……ない)

ミカサ(えーっと……)

ミカサ「死体がどうやって喋るの?」チャキッ

商会ボス「唐突だなぁ!おい!」

ミカサ「どかして」

商会ボス「くそったれ!!えーいどかせ!」

「やるなー嬢ちゃん!」

「助かったぜ!」

「無理矢理感半端なかったけどな!」

少女「ありがとうお姉ちゃん!」

ミカサ「……」キリッ

イアン「あのな、もうちょっとこう……色々会話術も学んだほうがいいぞ?」

ミカサ「……」

ミカサ(ああ、またこれか。特に死人出てないのに何で思い出す)

イアン「聞けよ」

ミカサ「前衛を見てきます!」

イアン「マイペースか!!」

コニー「おーい、住民避難したから撤退だってよー」

ジャン「うーす、明日から憲兵団だぜー」

ユミル「クリスター上がるぞ」

クリスタ「前衛に連絡は?」

コニー「ああ、俺行くわ。心配だしな」

ユミル「任せたー」

コニー「おー」

――――

コニー「おっ、アルミン達発見。なに暢気に前衛で喋ってんだよ……」

佐天「えーっ、皆ほとんど歳変わらないんだね!外国の人は大人っぽいなぁ。でもアルミンは可愛いね」

アルミン「僕、男だから可愛いってのは複雑だな……」

佐天「うっそ!女の子だと思った」

アルミン「はは……」

アルミン「あっ、また入って来た」

巨人「がああああああ!」

佐天「でさーそのブンブン飛び回るカッコイイの何?えいっ」

ブシャアアア

巨人「」

エレン「これか?立体機動装置って言って、俺達人類が巨人に対抗する武器だ」

佐天「凄いね!学園都市でも見たことない。私もやってみたいな」

エレン「素人には無理だよ。俺達は3年血ヘド吐いてやっと使えるんだからな」

佐天「あんなに小さかったエレンが成長したんだねぇ、弟の成長目の当たりにした気分だよ」

エレン「5年前は本当にただのガキだったからなぁ」

コニー「談笑か!!何してんだお前ら!!」

エレン「ようコニー」

コニー「おう」

コニー「そんなことより!住民が避難したから撤退命令出てんぞ!」

エレン「まじかよ、知らせに来てくれるとかコニーお前優しいな」

コニー「ば、ばかか!さっさとお前らも撤退しろ」

エレン「そうするか、撤退するぞ!」

一同「おー」

佐天「おー、皆はやーい。あれ?私はどうしたら」

エレン「俺が抱えて飛ぶ!」ダキッ

佐天「ほわっ!」

エレン「舌噛むなよ?」

佐天「りょーかい!いけーエレン!ゴーゴー!」

アルミン(あれはミカサが見たら怒るな)

ミカサ「あれはエレン達の班。良かった皆無事に……」

アルミン「あっ、やっべ」

エレン「おーミカサもこっちに来たのかよ。さっさと壁を登るぞ」

ミカサ(エレンがお姫様抱っこしてる……私もされたことがないのに)

アルミン(顔がヤバイよー)

佐天「ミカサ?うわー超美人になってるじゃん!」

ミカサ(美人、悪い気はしない)

佐天(けどなんか睨まれてるみたい。あっ!ははーん、そういうことか)

佐天「エレンストォォォップ!」

エレン「なんだよ!危ないだろうが」

佐天「ミカサーこっちこっち」

ミカサ「なに?」

佐天「私にヤキモチ妬いてたでしょう?」

ミカサ「!……そんなことは」

佐天「まったまたー!わっかりやすいなーミカサは」

ミカサ「私はその、その、ちょっと……」

佐天「素直が一番だよ!でさー、この立体機動装置っての皆の話からするにガスが切れたら飛べないんだよね?」

ミカサ「うん。だから補給が要」

佐天「ということはだよ?ミカサのガスが切れたら、エレンに抱っこしてもらえるんじゃない?」

ミカサ「あなたは天才!!」

ミカサ「エレン」

エレン「なんだよ、内緒話は終わったか?」

ミカサ「ガスが突然切れた。私も佐天みたいに抱いて飛んで」

アルミン(話はこれかい)

佐天(さーてエレンはどんな反応するかな)

エレン「えっ、やだよ。お前俺より重いじゃん」

ミカサ「」

アルミン(ないわ)

佐天(……えっ!?ミカサみたいな美人さんから言われたのに!?)

ミカサ(ま、負けない!)

ミカサ「ガスが無い。飛べない。このままだと私は巨人の餌だ」

ミカサ「ので」

ミカサ「抱いて」

佐天(わぁミカサ大胆!)

アルミン(楽しんでるなぁこの子)

エレン「仕方ねーなぁ、ほら」ダキッ

ミカサ「///」

佐天「やったね!ミカサ!」

ミカサ「佐天ありがとう」

エレン「?行くぞ」

――――

アルミン「二人を見送った訳だけど」

佐天「あっ、巨人だ。えいっ」

アルミン「この距離でも!?」

佐天「意外と射程長いみたい」

アルミン「そうなんだ……」

佐天「さて、アルミンよろしくね」

アルミン「ふぁっ!おんぶ!?」

佐天「こっちのがアルミンには楽でしょ?」

アルミン「ま、まぁ」

佐天「意外と筋肉質だね」

アルミン「い、一応兵士だから!」

佐天「だよねー」

アルミン(落ち着けアルミン!女の子とはミカサでよく親しんでるはずだろ!)

アルミン(しかし、なんだこの背中に当たる何とも形容し難い柔らかさと良い匂い)

アルミン(やべーす、思春期やべーす、アルチンコ立体機動しそうっす)

アルミン(負けるな!こんな状況で立体機動なんてしてみろ!軽蔑ものだ!そうだ、巨人の弱点は縦1m、横10cm)

佐天「あっ、壁だ」

アルミン(おじいちゃん僕は煩悩に勝つよ)

アルミン「登るね!しっかり掴まってね」

佐天「りょーかい」

アルミン(ぐほっ!密着度がヤバイ!密着度がヤバイんだよ……なんだよこれ!反則だろ!)

佐天「うわーたっかーい!」

アルミン「高いとこ平気なんだね」

佐天「あっ、巨人だ。えいっ」

アルミン「また倒したの?」

佐天「とりあえず壁から穴が空いた方の壁まで能力は届くみたい」

アルミン「それって街1つ丸ごと射程距離ってこと!?」

佐天「そうなるねぇ」

アルミン(インチキなんてレベルじゃないだろ)

――壁上――

佐天「アルミンありがとうー」

アルミン「いや、こっちこそありがとう」

佐天「なにが?」

アルミン「なんでもない!巨人を倒してくれてありがとうだよ」

佐天「あっ、なるほど」

アルミン(しばらくはあの感触と匂いでいけるな)

エレン「アルミン達も無事に登ったな」

ミカサ「佐天ありがとう。とても良い経験ができた」

佐天「良いってこのくらい。エレンも本当はまんざらでもないと思うよ」

ミカサ「そうだと嬉しい///」

佐天(眼福ですなー)

――――

ベルトルト「なぁ、ライナー……計画と違うじゃないか」

アニ「確かに。それにあの変な子のせいでほとんど死人も居なかったみたいだよ」

ライナー「俺のせいか?」

ベルトルト「君が内壁を壊していればまた違っていただろ」

ライナー「だけどよ!あんなのが現れるなんてそれこそ予定外だろ」

アニ「10m級が触れることもなく爆発して死んでたからね。ゾッとしたよ」

ライナー「ベルトルトは良いよな。あの女の子が現れる前だったし……」

ベルトルト「僕だって危険は冒したよ!」

アニ「それには同感だ。ベルトルトは危なく削がれかけたしね」

ベルトルト「そうだよ!同期に殺気まみれで攻撃されてみなよ!恐いから!」

ライナー「それは……」

アニ「しかもなんだい?まだだ、もっと集まってからだって」

ライナー「あれは状況を見てだな」

アニ「あまりにも巨人が来ないから、皆住民の避難終わって即座に壁に登って行ったじゃないか」

ベルトルト「ジャンの馬鹿なんて、やっほい明日から憲兵団だーって、今思い出しても前歯へし折ってやりたいよ」

アニ「見なよ、ベルトルトが怒髪天だよ。普段背景化してるのに珍しい」

ベルトルト「」

ライナー「そこまで言われたら仕方ない」

「ところでミカサって首席なんでしょ?凄いなー」

「誰がそんなことを?」

「エレンが自慢してたよ?」

「エレン///」

「他の上位の人ってどんな人達?」

「2位から4位まではあそこに集まってる3人」

ベルトルト「まさか!あの子を手にかける気か?」

アニ「正気かあんた……」

ライナー「俺は戦士だ!やり遂げてみせる!」

佐天「何をやり遂げるんですかー?」

ライナー「ひゃい!?」

佐天「あっ、私邪魔でしたかね?すみません、あっはは」

ライナー「いや、邪魔じゃないが」

佐天「そちらの二人はどうしたんですか?」

ライナー「二人?」

ベルトルト「ひゃ、ひゃいって、ひゃいってなんだよ……」

アニ「筋肉野郎がひゃいって……」

ライナー「おい笑うな。鎧タックルかますぞ」

佐天「三人は仲良しなんですね!あっ、私佐天涙子って言います!」

ライナー「仲良しというか……まぁ、それで良いか」

ライナー「佐天か。俺はライナー・ブラウン」

ライナー「そっちのノッポがベルトルト・フーバーでちびっこがアニ・レオンハートだ」

ベルトルト「ノッポって……」

アニ「覚えときなよ」

佐天「あのー、私こういう兵隊?軍隊?とかのわからないんですけど、成績には上官の方も入るんですか?」

ライナー「は?」

佐天「ライナーさんって10代じゃないですよね?」

ベルトルト「ぶふっ!」

アニ「教官サイド!ふひゃ!お腹が……」

ライナー「……俺も10代です」

佐天「うっそ!ごめんなさい……」

佐天「なんて言うんだろ、貫禄があったから……」

ベルトルト「フォローされてるし」

アニ「ただの老け顔なのに」

ライナー「おい、病むぞこら」

佐天「でも、ほとんど年齢変わらないのに凄い筋肉ですね。触っていいですか?」

ライナー「おう?」

佐天「すごーい!戦う男って感じですね!」

ライナー「おっう///」

ライナー(良い子じゃないか。俺はこんな子を手にかけようとしたのか!)

ベルトルト(思考が丸わかりだよ)

アニ(これだから男は)

佐天「そして、ベルトルト・フーバーさん」

ベルトルト(一回で名前覚えてくれた。あっ、この子天使だ)

佐天「背たかーい、何cmくらいあるんですか?」

ベルトルト「確か190以上はあったかな」

佐天「凄い!それにスタイルも引き締まってて完璧ですね」

ベルトルト「よしてくれ……僕なんて」

佐天「ちょっと漂うミステリアス感も良しです!物静かだけど勉強とかはちゃんと教えてくれるお兄さんタイプですよ」

ベルトルト「そんな///」

ライナー(単純さは仲間だな)

アニ(単純)

佐天「こんなお兄さんがいたら良かったなぁ」ニコッ

ベルトルト「……」

ベルトルト(ライナー!!)

ライナー(なんだベルトルト!)

ベルトルト(この子は天使か!)

ライナー(あぁ!間違いない!天使だ!)

アニ(男同士の目配せとかキモい)

佐天「……」ジーッ

アニ「なに」

佐天「……」ジーッ

アニ「言いたいことがあるなら言いなよ!」

佐天「顔綺麗ですね」

アニ「はぁ!?あんたいきなり何を」

佐天「笑わないんですか?」

アニ「私に笑顔は似合わないよ。氷の女だとか顔が恐いとか言われるしね」

佐天「よし、そんな馬鹿なことを言う人はぶっ飛ばしに行きましょう!」

アニ「あんた頭おかしいのか?」

佐天「こんな戦時中で本当に笑える人なんて少ないはずなのに、そういうこと言う人が嫌いなんです!」

アニ「……なんだろうね。きっとあんたは馬鹿なんだろうけど、嫌いになるタイプではないかな」

佐天「あっ!今ちょっと笑いましたね?凄い良かったですよ!」

アニ「ふん……やっぱり変わってるよあんた」

エレン「おーい!佐天!上官が呼んでるからちょっと来てくれ」

佐天「上官!?私なにかしちゃったかな……ちょっと行ってきますね」

――――

ライナー「あの子は、きっと俺らの知らない世界から来たんだろうな」

ベルトルト「だろうね」

ライナー「そんな子が、これからこの世界で何をしようが。それは神様ってやつが勝手にしたことと一緒だと思うんだが」

アニ「まどろっこしいね。殺せなくなったんだろ?」

ライナー「……そうだな」

アニ「好きにしなよ」

ベルトルト「アニも素直じゃないよね」

一旦おしまい。もうちょっと続く。

投下してきます。レスありがとう。

エレン「佐天こっちだ」

佐天「ねぇ、私なにか悪いことしちゃったかな?」

エレン「は?むしろ英雄だろ。巨人共をあんなに殺してくれたんだから」

佐天「英雄……?」

ピクシス「そうじゃな、お主は人類からすれば英雄視されてもおかしくはない」

佐天「どちら様?」

アルミン「佐天!?この方は、トロスト区を含む南側領土を束ねる最高責任者であり、駐屯兵団のドット・ピクシス司令官だよ!」

佐天「ああ、偉い人なんだぁ」

アルミン「偉い人って……」

ピクシス「かまらんかまわん。むしろトロスト区の被害を最小限に抑えてくれたのだ。こちらこそ敬意を払わねばならん」

アルミン「はっ」

ピクシス「名前はなんと言う?」

佐天「佐天涙子です」

ピクシス「初めて耳にする名前じゃな。巨人を手も触れずに殺せるのだろう?」

佐天「そうですけど」

ピクシス「ならば、丁度トロスト区側の眼下に群がってる巨人を殺せるか?」

佐天「えっ、はい」

一同(軽っ!)

佐天「うわー、一杯群がってるなぁ」

ハンネス(あれ、この子5年前の。年取ってなくねぇか?それよりなんで司令官の隣に)

佐天「あっ、5年前の意気地無しの人だー」

ハンネス「ぶっ!?」

ピクシス「知った顔がおったかの?」

佐天「あっはは、すみません。集中しますね」

佐天(5、60くらいいるかな?感じるのはそのくらいか)

ピクシス「そうじゃな、あの15m級を一匹殺ってもらえるか?)

佐天(演算完了、掃討)

ブシャアアアボボボン!

佐天「終わりましたー」

ピクシス「……え」

佐天「上官さんから許可出たのでドーンッとやりましたけど?」

ピクシス「あっ、うん。なんだろうな、想像と現実の処理が間に合わん」

佐天「いやーこの世界での巨人の立ち位置わからないから、力のセーブに疲れました」

ピクシス「セーブしてたんだ。ははは」

ハンネス(巨人が消えた!?)

エレン(なんだ!俺は巨人じゃないはずなのに、なんで背筋がこんなゾッとしたんだ!?)

アルミン(おじいちゃん、本で大概のこと知った風でいたけど世界は広いです)

ピクシス(想像以上だが……)

ピクシス「……すまんがワシと一緒に来てくれ。待つ時間もあるじゃろうから誰かを動向させても構わん」

佐天「わかりましたーちょっと呼びかけます」

佐天「あのー、今から上官さんと行動するんですが、待ち時間あるかもなんで、私と一緒に付き添ってくれる人いませんか?」

エレン「佐天は良いけど、上官達と一緒はなぁ……」

アルミン(上官達の話も聞けるかもしれないな)

ライナー(人類側の情報が聞けるかもな)

アルミン「僕が!」

ライナー「俺が!」

佐天「二人でも良いですか?」

ピクシス「では行こうか」

佐天「エレン、ミカサーまた後でー」

エレン「おう」

ミカサ「また」

佐天「ベルトルトさんーアニさんもねー」

ベルトルト「声が大きいなーはは」

アニ「人の名前をでかい声で呼ばれても困るよ」

ベルトルト「でも手は振り返すんだね」

アニ「うるさい」

――――

佐天「ちなみにどこに行くんですか?」

ピクシス「中央指令部じゃ。お主の力を持って壁外の巨人に最終戦争を仕掛けようかとな」

アルミン「最終戦争……?確かに、佐天の力を行使すればできるかもだけど」

ライナー(おいおい、冗談じゃないぞ!)

佐天「なんか大事になっちゃってる?あはは……」

――――
――


ピクシス「総督を含む面々が集結するまではこの控室で待ってなさい」

佐天「はーい」

アルミン(自然体だな)

ライナー(ソファーで遊ぶ天使、いや敵だろ!勝てる気がせんが)

コンコン

佐天「誰か来た?どうぞー」

ハンジ「しっつれーい!ここに巨人を手も触れずに全部殺った人がいるって聞いて来たんだけど!?」

佐天(女の人?)

佐天「私ですけど」

ハンジ「まーじで!?こんな女の子が!?」

アルミン「はい。トロスト区に侵入し、集まっていた60体近い巨人も一瞬で掃討してしまいました」

ライナー(うそーん。ベルトルト達と話してたから見てなかったとはいえ、うそーん)

ハンジ「……」

佐天「あれ?」

リヴァイ「クソメガネを思考停止させるとはやるな」

佐天(誰?目付き悪っ)

アルミン「リヴァイ兵長!?なんで今日はこんな大物ばかりに会うんだ……」

リヴァイ「そっちのガキは知ってるか。女、お前が巨人共をぶち殺したんだな?」

佐天「女じゃなくて私は佐天涙子ですよ!」

アルミン(あの兵長にビビらないとは。胸も度胸も凄い、なーんてな。あっ、思い出してしまう……巨人は主に男性体型で生殖器はなーし!!)

ライナー(なんかアルミンがキモい)

リヴァイ「佐天か。もし壁外の巨人を殺すことになれば調査兵団に所属されるだろう」

佐天「私は兵士じゃないですよ!」

リヴァイ「この世界に生きてる以上、そんなことは関係ない。最大の天敵である巨人共を全滅できるなら、生産者だろうが戦場に立たされる」

佐天「そうかもしれないですけど」

リヴァイ「俺は神様だとかいう存在を信じちゃいないが、お前みたいな存在は今まで居なかった。沢山の兵士が人類の勝利を信じて命を落としたんだ」

リヴァイ「生きてる奴らだって内地の富裕層以外はキツキツで生きにくい世界に生きてる」

リヴァイ「助けられるなら助けてやれよ。お前からすれば他人事かも知れんがな」

佐天(あぁ、こういうことですか御坂さん。何かしら強大な力を持つと、色んな目で見られるんですね)

佐天(決意が軽かったなぁ)

リヴァイ「まぁ、後悔のない決断をすることだ」

佐天「わかりました」

リヴァイ「行くぞハンジ、エルヴィンの野郎が待ってるだろ」

ハンジ「はっ!あまりにも衝撃的で放心してた!ちょっと頭痛い痛い」

リヴァイ「騒がしい。さっさと歩け」

ハンジ「わかったから!わかったからぁぁぁ!」

――――

佐天「……」

アルミン(佐天がしょぼんとしてる。何か言葉をかけるべきか)

ライナー(うっほ、俯きがちな表情儚いぜ)

佐天「よし!ライナーさん」

ライナー「えっ、どうした?」

佐天「あなた巨人ですね!」

アルミン「は?」

ライナー「……!?」

佐天「ごめんなさい。隠すつもりは無かったんですが、私の能力ってハッキリ言うと巨人関連じゃなんでもありなんです」

ライナー「それはどういう……」

佐天「わかっちゃうんです。巨人オーラというか……」

佐天「ライナーさん、ベルトルトさん、アニさん、あとエレンと名前知らないけど女の人」

アルミン「エレンも!?104期多いな!!」

ライナー「……知った上で俺らに話しかけて来たのかよ」

佐天「私の世界には漫画とかがあるんですが、変身物でそういうキャラクターが出るんですよ」

佐天「冗談半分で巨人も普通の人間が変身したり巨大化してるのかなぁとか考えたり、その逆も」

佐天「なら、仮にそういう人が普通の人間状態でもわかれば楽かなーって考えてたら出来ちゃいました」

ライナー「出来ちゃいましたって……」

佐天「だから迷ったんですけど……段々感覚が麻痺したというか、ゲーム感覚だったのが現実に引きずり戻されたというか」

アルミン「待ってよ!巨人は完全に人類と別の生物じゃないのか!?」

佐天「そこまではわかんないけど……目の前のライナーさんはどう見ても普通の人間に思えるよ」

ライナー「……」


アルミン「ちゃんと答えろよ!ライナー・ブラウン!君はずっと僕達を騙してたのか?」

ライナー「俺達には俺達の目的が有って生きてきた。それしか言えんし言う気もない」

アルミン「この!」

佐天「落ち着いてアルミン。こんな所で喧嘩しても意味無いよ」

ライナー「1つ尋ねても良いか?」

佐天「難しい質問以外なら、いくらでも聞いてよ!」

ライナー「ああ、いや難しいことじゃないんだ」

ライナー「本当に簡単なことなんだが……」

――――

総督「これより、巨人達へ最終戦争を行うことについての審議を開始する」

佐天(うわー、渋い顔した人が一杯だぁ)

アルミン(僕らまで参加出来たのは良いけど、凄い顔ぶれだ)

ピクシス「……」

エルヴィン「……」

ナイル「……」

ライナー(駐調憲のトップ勢揃いか)

総督「では、まず「はーい!はいはい!」

佐天「私は言いたいことがありまーす!!

アルミン(佐天!?)

ライナー(総督が話してる最中に!?)

総督「……発言してよい」

佐天「はい!あのー、審議とかしなくても巨人ならこの世界から消せます!」

一同(は?)

一同「はぁぁぁぁぁぁ!?」

総督「すまんが、貴様が何を言ってるのかさっぱりわからん」

佐天「ただ問題なのは、壁も無くなりますけど」

ニック司祭「はっ!?」

佐天「いや、あれ中身巨人ですよね?」

一同「はぁぁぁぁぁ!?」

ニック司祭「な、なにを申しておるのかな!?総督!こやつは異端者ですぞ!」

佐天「いや、壁も消えて良いなら今でも巨人をこの世界から消せますよ」

総督「貴様、発言に気をつけぬなら首をはねるぞ」

佐天「こわっ!人間のが恐いじゃないですか」

アルミン「あわわわ」

ピクシス「可愛い顔してなかなかひねくれとるわい」

ライナー「命知らずか……」

ナイル「総督を侮辱した罪は死罪に当たる!捕らえろ!」

憲兵「はっ!」

リヴァイ「待て、動いたら削ぐ」

憲兵「リヴァイ兵長!」

ナイル「リヴァイ貴様何をしている!」

リヴァイ「お前らこそ何をしてる?巨人を消せると言った人間に刃を向けるのか?敵は巨人のはずだよな」

ナイル「……」

佐天「守ってくれてありがとうございます」

リヴァイ「人類の為だ。続けろ」

佐天「続けろと言われても、もう言いたいことは終わったので、回答待ちですが」

リヴァイ「あっ、そう……」

ピクシス「総督、犠牲無しに巨人を駆逐出来るならば最良。壁も巨人が居なければ不要になり、問題は無いのでは?」

ニック司祭「ふざけるな!あれは神聖な神から与えられし壁なのだぞ!」

ピクシス「確かに、100年人類の平和を守り続けた壁だが。そこにいる者も神にしかできぬことをやると言うておる」

ニック司祭「屁理屈を……」

総督「なら今この場でやって見せろ」

佐天「あっ、OK出ました?じゃあやりますね。ライナーさん!」

ライナー「よしきた!!」

バリィィン!

「なんだ!ゴリラが窓を突き破ったぞ!」

ライナー(じゃあなベルトルト、アニ)

カッ

「巨人だ!!巨人が現れたぞ!」

アルミン「まさかライナーが鎧の巨人だったなんて……」

佐天「演算、演算、フルスロットルー、えいっ」

パシュン

ライナー「あら?あー!落ちる!」

「またゴリラに戻って落ちたぞ!捕まえろ」

佐天「待って!彼を自由にさせてください」

エルヴィン「どういうことかね?」

佐天(ヅラってどの世界も共通なのかな)

佐天「この世界から巨人は消えました。そして、巨人に変身できる存在の人達もただの人間になりました」

エルヴィン「ふむ」

佐天「ライナーさんには論より証拠。皆さんにわかりやすいこの場で、巨人化してもらいました」

佐天「ただし、その後は一切手を出さないという約束をして」

アルミン「ああ、さっきのはそれか」

佐天「そうだよアルミン」

総督「しかし、奴は裏切り者だろう」

佐天「過去です。それを飲んでもらえないなら巨人を復活させます」

総督「なに……」

佐天「消したものを復活させるのも私には可能ですから(嘘だよーん)」

総督「仕方ない。許可する」

佐天「ありがとうございます!」

アルミン(凄い複雑だなぁ。でも訓練生時代は、人間としてのライナーに助けられた。それを忘れてただ巨人として憎めるかといえば……別なんだよな)

アルミン(はぁ……)

その日、世界から巨人と僕らを重々しく囲っていた壁が消えた。人類は鳥籠から抜け出ることが出来たのだ。

エレン「佐天お前本当に凄い奴だったんだな!」

ミカサ「こんな未来は誰も想像して居なかった」

佐天「いやいや、でもまだこれからだよ?」

エレン「何が?」

ライナー達3人組はその姿をひっそりと消した。きっと彼らも巨人の呪縛に囚われていたんだろう。

佐天「クリスタって可愛いーお人形さんみたい」ダキッ

クリスタ「さ、佐天苦しいよ」

佐天「可愛いーなぁもう」

ユミル「おい!私のクリスタにベタベタするな!」

佐天「ユミルはクリスタが大好きなんだねぇ」

ユミル「なっ!///」

クリスタ「ええっ///」

佐天「わかるよー私にも初春って大好きな子がいるから」

巨人が居なくなってからもうすぐ、1月が経とうとしている。

佐天は、その愛嬌と人懐っこさから瞬く間に友人や淡い恋心を持つ男性達を増やしていた。

佐天「えっ、王様に謁見ですか?」

ピクシス「ああ、お主は人類を救った英雄じゃからな」

佐天はやっと来たかという顔をしていた。

そして、リヴァイ兵長とミカサという最強のお供を連れて王の元に向かった。

王「そなたが我ら人類を巨人共から救った救世主か」

佐天「はい!王様、1つお願いがあります」

王「申してみよ」

佐天「偉い人って、大概なんでも自分のものだと勘違いするんですよ。だから、この世界は領土とか関係なく戦争とかもしないと誓ってくれませんか?」

王「なんと」

佐天「破ったら、王様の一族に呪いをかけたんで皆が死にますよ。巨人を世界から消すより朝飯前ですからー(嘘ーだーよー)」

王「わ、わかった誓おう!誓約書を書いても良い」

これには、リヴァイ兵長も苦笑いしていたらしい。これは限りなく平和な交渉だった。

現在では王様より、誰も成し得なかった巨人の駆逐と自由を与えた佐天の支持率は比べようも無かった。

佐天「えっ!?私が女神ですか?」

ニック司祭「ああ、壁を失った民の信仰心はそなたに流れてしまったのだ」

佐天「えーっと、そういうのはちょっと恥ずかしいかなぁ、あっははは」

ニック司祭「何を申す、これはとても素晴らしいことだ」

ウォール教は過去の物になり、佐天を女神と讃えるサテン教が誕生した。

ニック司祭「偉大なる神が遣わしたる女神佐天を崇めよ」

「「「「サーテン」」」」

サテン教信者は、仕立て屋が佐天の衣服を真似て作った量産セーラー服を着ていた。

男性も年齢的に無理がある女性も着ていて、僕は吐き気がした。

エレン「おーい!アルミン行くぞー!」

ミカサ「アルミン急いで」

アルミン「待ってよ二人とも!」

僕達が3人で未開の地に旅をすると決めた前の晩、佐天はいなくなっていた。

彼女は本当に神様だったのかも知れない。

手記:アルミン・アルレルト

――――
――


「……さん」

「佐天さん」

初春「佐天さん!?」

佐天「……ん、初春?」

初春「やっと起きましたか。昨日から連絡付かないし、朝になって心配して来ても返事ないから管理人さんに開けてもらいましたよ」

佐天「……初春」

初春「なんですか?」

佐天「どうしよう!私女神にされちゃった!!」

初春「……寝ぼけてますね。さっさと用意してください。遅刻しちゃいますよ!」

――――

佐天「でさー、立体機動ってのがこうブワーッとパシュゥゥンとか凄く速くてさー」

初春「ふんふん」

佐天「私が能力使って巨人消した時とか皆凄く面白い顔をしててー」

初春「ほうほう」

私は自分の記憶を初春に話す度、あぁ、あれは夢じゃなかったんだろうなぁと改めて思っていた。

皆の顔を思い出すと少しだけ寂しい気持ちにはなるけれど。

佐天「信じてないだろー」

初春「信じてますってー」

佐天「本当かー?このー」バサッ
初春「きゃああ!何するんですか佐天さん!」

佐天「ふむ、今日は青か」

初春「佐天さんのバカー」

佐天「あっはは」

こっちの世界も楽しいから、順位は付けられないや。

おわり

終わりました。読んでくれた方ありがとうございます。

結構最後に他の宣伝してる人多いから

深夜
エレン「釣りしようぜ」
ライナー「メンヘライナー」

ここ
ミカサ「なんで……」

書いてるので読んでもらえたら嬉しいです。

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