妹「何のバイトしてるの?」兄「え?」続(1000)

どうも厨二全開の>>1です。他のスレは削除依頼が出てたみたいでしたので自分でたてました。
とりあえず続きから投下してけばいいのかな?

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1352901623

兄「あ、すいません!」

看護師「どうされました?」

兄「ここに友っていう名前の人運び込まれませんでした?」

看護師「友…様ですか?私は存じ上げておりませんね…先ほど重傷の方は運び込まれましたが」

兄「多分そいつです!どこの部屋かわかりますか!?」

看護師「え…と、あ」

医者「看護師くん代わろう。友くんの身内さんかな?」

兄「…友達です」

医者「…ついてきなさい」


側近(なぜ、紅友さんではなく友さんが怪我を負ってるとわかったんです?)

兄(んー、紅竜はともかくあいつなら女の子に怪我はさせないと思ったからな)

側近(へえ、結構頼りにしてるんですね)


兄(まあな。あいつはDランクらしいが頭のキレはあるし、度胸もある)

兄(…そのスイッチが入るまでアホだがな)

兄「あの、あなたが処置してくれたんですか?」

医者「ああ。死ぬまであと2分もあったがな、女の子が心配してたんで治してやったわ」

側近「2分も…って」

医者「私はビショップの称号をもっとる。あんな毒なぞ朝飯前じゃ」

兄「毒ですか!?」

医者「ああ。ま、友くんのガールフレンドに言っておいてくれ」

医者「外傷の治癒は遅いし解毒も勉強不足、私の仕事を増やすな。とな」

医者「ま、傷の治癒がなければ今頃死んでるがな。下手くそなりによく頑張ったと伝えてくれ」

兄「はあ…」

あ、sage進行か


医者「ここだ」

兄「どうもありがとうございました」

医者「うむ。目を覚ましても、しばらくは安静と言っておいてくれ」

兄「わかりました」

医者「次は狂った三人組の相手をせにゃならん…じゃあの」


兄「…忘却魔法かけたんじゃなかったの?」

側近「記憶に関しては問題ありませんが、体に刻まれた恐怖までは忘却できなかったみたいですね」

兄「なんじゃそりゃ」


ガラ

紅竜「あ、兄さん」

紅友「兄さん…ごめんなさい!明日皆でE盗賊…さんを問い詰めるって話だったのに…こんなことになってしまって」

兄「…はぁ、どうせ友が暴走したんだろ?はい、これ。」

紅友「あ……ありがとうございます!!」

兄「それより、どういう経緯なのか教えてもらえる?」

紅友「はい…あ、でも…」

紅竜「いいよ、紅友ちゃん」

紅友「…わかった」


……

紅友「…というわけです」

兄「なるほど、紅竜がね…」

紅友「でも!紅竜ちゃんは私たちを守ってくれました!彼女はドラゴンだけど、人間の敵だけど、私のともだちなんです!だから…」

兄「わかってる、けど一つ間違ってるな」

紅友「え?」

側近「私たちのともだち、ですよね」

紅友「…はい!」

今日は疲れてものすごく眠いんでこのへんにしときます

今書き溜めとか見直しとかやってますがそろそろバイトなんで投下は23時か0時ですね

います!ちょっと色々アリマシテ

兄「そうそう、医者が言ってたぜ。外傷を治すのが遅い、解毒の勉強不足だって」

紅友「そう、ですよね。もう少し回復魔法を練習してれば…解毒魔法の勉強をしていれば、友さんをこんなにしないで済んだかもしれませんから」

兄「でも、紅友ちゃんが回復魔法してなかったら死んでたとも言ってた」

兄「よく頑張ったな、紅友ちゃん」

紅友「……はいっ!」

兄「友は紅竜のこと知らないんだっけ?」

紅友「そうですね…あのときは意識無くしてたはずです」

兄「そっか…どうする?内緒にしとくのか?」

紅友「いえ、紅竜ちゃんさえよければ話しておきたいです。嘘はつきたくありませんし…友さんなら大丈夫だと思います」

紅竜 チラ
兄(ま、どのみち友には嘘はつけないしな。いいだろ)
紅竜 コクン

紅竜「いいよ話して。友達だもんね!」

紅友「ありがと、紅竜ちゃん」

兄「じゃ、一件落着ってとこかな。妹留守番頼みっきりだから俺はこのへんで帰るよ」

側近「では私も」

紅友「…あの、側近さん」

側近「なんでしょう?」

紅友「その…」チラ

兄「あ、俺邪魔か。先行くな側近」

側近「はい」

紅友「…すみません」

……

側近「それで、なんでしょう」

紅友「つかぬことを伺いますが…入学した時とか、晩くなる前に帰るようにとか、見た限り側近さんは紅竜ちゃんの身内…ですよね?」

側近「……」

紅友「紅竜ちゃんが火竜だったのなら…側近さんは…?」

紅竜「紅友ちゃん…」

紅友「すみません、でも、そういうことですよね…?」

側近「…そうですよ。私も人間ではありません、魔族です」

紅友「…それなら紅竜ちゃんも側近さんも、どうして人間界に?私はてっきり、魔物は人を襲うものとばかり…」

側近「…人間にも善人と悪人がいるように、魔物にも人を襲う好戦的な者がいれば、そうでない者もいます」

側近「私たちはただ遊びに来ただけなのです」

紅友「え、遊びに?たったそれだけ?」

側近「ええ。だからこうして人間の友達ができて、うれしいのはこちらなのです」

側近「だから…これからも私たちとともだちでいてくれませんか?」

紅友「そんな…こ、こちらこそ」

紅竜「改めてよろしくね、紅友ちゃん!」

紅友「…うん!」

流れはできてるけどそれを形にするのがとても難しいね!今日はちょっとだけでごめんね。おやすみ!

さて、ぼちぼち投下していこう


ー魔界ー

魔物1「ギィィィ…」

魔物2「キシャァアア…」

D魔法使い「強制契約」

魔物1「ギャッ!?」

D魔法使い「攻撃」

魔物1「ギィ!」ザクッ

魔物2「ギャアアア!…ギ……」バタ

D魔法使い「…よし、魔力を吸収」

D魔法使い「お前はもう死んでいいよ」

魔物1「ギ…ギ…ギ…」

D魔法使い「…ああ、めんどくさいな」ザク

魔物1「ギャッ!」

D魔法使い「…もう少し強い魔物探すか…」


D魔法使い「ん?あれは…」コソ


ゴーレム「エルフ男…エルフ女とは…最近どーだ…?」

エルフ男「ゴーレムよ、それ聞く?」

ゴーレム「エルフ女、お前から…言うの…まってる…」

エルフ男「でもよぉ…俺、甲斐性なしだぜ?それに…」

エルフ男「…あいつの方が強いし…」

ゴーレム「エルフ男、あほ…もしくはへたれ…」

エルフ男「なんだと!」

ゴーレム「エルフ女、そんなの関係ない…大事なのは…ハートだ…」

エルフ男「ゴーレムのくせにハートとか」


ゴーレム「お前…叩きつぶすぞ…」

エルフ男「ほー、やってみな。一生あたらんぜ」

ゴーレム「お前のその弓矢も…俺には効かん」

エルフ男「上等だ、今度こそその体ぶっ壊してやる」

ゴーレム「48回目の…決闘か」

エルフ男「49回目だ、バカ」

ゴーレム「だが…」

エルフ男「そうだな、その前に」グッ


エルフ男「ネズミ駆除といこうか!!!」ヒュン


ダンッ!

D魔法使い「うわぁ!くそっばれてたのか!」

エルフ男「逃がさねえぞ!」ヒュンヒュンヒュン!

D魔法使い「ひっ!土壁!」ダダダッ

エルフ男「ちっ!ゴーレム!」

ゴーレム「ああ…わかってる…岩砲」ブン!

D魔法使い「これで矢は効かな……で…か…」


グシャァ!


エルフ男「ふん、死んだかな」



D魔法使い(ハァ…ハァ…あと少し強く投げられていたら)

D魔法使い(ぺしゃんこだった…!)

D魔法使い(幸い、死んだものと思ってるのか…?よし、このまま…)


エルフ男「…ん?」

ゴーレム「どうした」

エルフ男「フゥゥ…」グググッ

ゴーレム「ああ…なるほど…」

エルフ男「ハァァ……………貫通矢!!!!!」ヒュゥッ!

シュコン!

D魔法使い「……え?……う、うわあああああ!!腕がっ!腕があああああ!!」

エルフ男「ふん、俺の目は魔力が見える」

エルフ男「つまり相手が何をしようとしてるのか、どこに居るのか分かるのさ」

エルフ男「ふん、俺の目は魔力を透視する」 の方がいいかな?こっちで


D魔法使い「ぐうううう…う……ふ、ふ、ふふふはははは…」

エルフ男「な、なんだこいつ…」

ゴーレム「エルフ男、さっさととどめ…」

エルフ男「…おう」

D魔法使い「ちょっとまってください…魔力が見えるんですよね?」

エルフ男「あ?」

D魔法使い「どうせ死ぬのなら…最後に僕の今の魔力はどのくらいなのか教えていただけませんか?」

エルフ男「…俺の半分くれえだ。じゃあな」グッ

前の奴知らんけど
ggrば出る?

>>59多分ログ速で出ます。暖房器具を用意してお読みください


D魔法使い「…ありがとう!!!」ボン!

エルフ男「くっけむり玉!?俺は魔力を透視するっつったろ!…な!?」

ゴーレム「どうした」

エルフ男「魔力の…数が増えた…」

D魔法使い「ハハハハハハハ!ストックしといてよかったぜ!契約させた魔物を召喚!召喚!召喚!」

D魔法使い「減った魔力を…魔復丸で回復し…そしてぇ!」

D魔法使い「死ね死ね死ねぇーーー!!!!」ザシュザシュザシュ!!!

エルフ男「ばかな…魔力が…増えて…!」

D魔法使い「……ふぅ~~~」

エルフ男「こいつ…!」

やりたい事は出来てるんだけどセリフが思いつかない


エルフ男「ゴーレム、逃げろ!」

ゴーレム「何を言う、あんなやつ…俺がつぶして…」

エルフ男「やめろゴーレム!」

D魔法使い「呪縛魔法!」

ゴーレム「ガ…」

D魔法使い「………」ブツブツ

エルフ男(!?何か放つ気だ!)

エルフ男「ゴーレム避けろ!解縛魔法!」

D魔法使い「狙いはお前だァ!!我と契約せよ!!」

エルフ男「しまっ…!」

エヴァンゲリオン見忘れたので今日はここまで

さーて頑張るぞー


ゴーレム「エルフ男、大丈夫か!」

エルフ男「………すまないゴーレム…逃げてくれ…」

ゴーレム「エルフ男…置いて逃げない!」

D魔法使い「ふむ、しゃべれる魔族は契約後も自由にしゃべれる。と」

エルフ男「…俺は今、何故か知らんがこいつの契約下になっちまった…」

ゴーレム「よくわからんが…こいつを殺せば…元に戻る…」

D魔法使い「そうだね。僕を殺せば元に戻るだろうね」

ゴーレム「よし、岩砲…」

D魔法使い「命令だ。俺が死んだらお前も死ね」

エルフ男「!!」

ゴーレム「…何?」

ああん D魔の俺→僕でorz

エルフ男「ゴーレム!早くこいつを殺せ!」

D魔法使い「…どうかなぁ~。僕が死んだら解放が先か、命令が先か」

ゴーレム「……」

D魔法使い「別にさ、契約と言っても僕が呼んだらすぐ来て戦ってくれるだけでいいんだ。それ以外は自由さ」

D魔法使い「君のその弓矢と魔力を視る力、便利だからさ」

D魔法使い「ここで命賭ける必要、無いと思うけどなぁ~」

エルフ男「悩むなゴーレム!殺すんだ!」

D魔法使い「ま、いいけどね?どうぞゴーレムさん。好きにしなよ」

ゴーレム「……それだけか?」

D魔法使い「ん?」

ゴーレム「本当に…戦うだけで…いいのかと聞いてる」

D魔法使い「ああそれだけさ!何もしないよ!たまに僕が召喚魔法で呼ぶから、それに応えてくれるだけでいいんだ」

ゴーレム「………わかった。殺さない…」

エルフ男「ゴーレム!」

ゴーレム「エルフ男…エルフ女を…悲しませるな…」

エルフ男「…お前…」

ゴーレム「だが…その召喚魔法に…俺も入れろ」

エルフ男「え」

D魔法使い「…ほう?」

ゴーレム「エルフ男とは…もう長い間…タッグを組んで…戦ってきた」

ゴーレム「いがみ合ったりもしたが…大切なパートナーだ」

エルフ男「…ゴーレム…」

ゴーレム「だから…一緒に戦う…それに」

ゴーレム「お前が…エルフ男に何かしたら…お前を確実に殺す」

D魔法使い「おーこわいこわい。わかったよ、仲間に入れてやるよゴーレム君」

D魔法使い(ふん、僕には契約魔法があるんだ。隙を見て契約させてやる)

エルフ男「一つ言っておくがゴーレムは魔族ではなくゴーレム族だ。魔族契約は存在しない」

D魔法使い「……」

D魔法使い(まあいいだろう。良い手駒が手に入ったと考えれば)

エルフ男「…すまないなゴーレム」

ゴーレム「かまわんさ…死ぬ時は一緒だ」


ー側近家ー

兄「ただいま~」

妹・魔王娘 zzz…

兄「…姉妹みたいだな」

兄「…」

兄「勉強するか」

………

側近「ただいまです」

兄「おう、おかえり」

側近「あらあら、二人とも寝ちゃってますね」

兄「だな」

側近「…ちょうどいいので少し付き合ってもらえますか?」

兄「ん、何?」

側近「…魔王城へ」

兄「…わかった」


シュン

ー魔王城ー

兄「それで、ここで何するんだ?」

側近「ちょっと待っててくださいね、ええっとこのへんに…あった」

兄「なんだそれ」

側近「魔王の書です」

兄「…いやだからなんだそれ」

側近「魔王になってすること・できることや、魔界や人間界について詳しく書かれている本だそうです」

兄「だそうです?読んだ事無いのか?」

側近「はい。その本は特別で、魔王位を継承している本物の魔王しか読めませんから」

兄「…俺も読めないんだが…俺、魔王になってなかったの?」

側近「はい。魔王位を継承しないと正式な魔王にはなれません」

兄「継承?」

側近「そうです。魔王となるには魔王位を継承しなければなりません」

側近「これを読んでください」

兄「これは?」

側近「魔王位継承に関する本です」

兄「また本か…」

側近「はい。ですのでちゃっちゃと読んで継承してくれませんか」

兄「はいはい言われなくとも………あぁ…これ…」

側近「当然ながら魔界文字です」

兄「…本を読めるようにするための本を読めるようにしないといけないのか…」

ここだァーーー!


兄「というか、今になってどうして?なんで今まで黙ってたんだ?」

側近「…今日、もし紅竜の炎弾が多数の人に見られていたら」

側近「今頃紅竜は二度と人間界に来ることはできず、紅友さんも重要参考人として囚われていたことでしょう」

側近「紅竜がドラゴンだとしても、分け隔てなく人々と接していける世の中…」

兄「それが俺が成そうとしている事だ」

側近「…はい。しかしそうするにはいくつも問題があります」

兄「だろうな…」

側近「魔界の者はただ強くても誰も魔王とは思いません」

側近「魔王位を継承し、魔王の紋章を持つ者を魔王とします」

側近「ですのでトップとして話をするにはまずちゃんと魔王となることです」

兄「なるほど」

側近「あと…次期魔王を狙っていた魔族から攻撃される恐れがあります」

側近「…私が今まで黙っていた理由です」

兄「…でも、俺はやるよ」

側近「…そういえば、具体的にはどうするんです?」

兄「そうだな、まずはお互いにお互いを理解する必要がある」

兄「人間は魔物を、“人間を襲うもの”としているし」

兄「魔物は人間を、“魔物を襲うもの”としてしまっている」

兄「だからこの植えついてしまった考えを正さないとな」

兄「まずは魔界の者達に人間の事をわかってもらう」

兄「そして人を襲う事をやめさせないといけないな…」

側近「それは難しいですね」

兄「そうだな…わかってくれればいいが」

側近「いえ、不可能という意味です」

兄「…なに?」


側近「魔界に住む者達の中に、本当に人を襲う食人族がいるからです」

兄「そう…なのか…」

側近「人間の思い浮かべる魔物のイメージがこの魔族でしょう」

側近「確かに人を騙し、食い物とします。しかし」

側近「彼らもまた立派な魔族で、魔界の住人なのです」

側近「どうします?私たちの勝手なエゴで、彼ら一族を捨てますか?」

兄「…まずは話をしてみるよ、俺はまだ彼らを知らなすぎる」

側近「話してどうこうできるとお思いですか?」

兄「…やるしかないさ」

サーテ、ガンバルゾー


兄「というか、魔界にはどれだけの種族がいるんだ?」

側近「魔王なのに知らないとは…いえ、まだ魔王ではありませんでしたね。説明しましょう」

兄「むう」

側近「まず魔族についてです。魔族とは…そうですね、人間の姿を少し魔物風にして身体能力を向上させたものと覚えてください」

側近「生活は人間とほとんど同じです。それと魔族といってもまだ広域的な表現で、さらに細かな種族が存在します」

側近「弓矢を得意とするエルフ族」

側近「近接戦闘を得意とする獣人族」

側近「驚異的な身体能力と魔力を誇る鬼族」

側近「非戦闘的で温厚な日和族」

側近「そして人間を食べる食人族。これはあまり知能を有さず、本能で人を襲います。が、あまり実力を持ち合わせてはいません」

兄「よく魔界の入口にいるヤツらか」

側近「はい。ですから人間は、魔物はこういう生き物だと刷り込まれてるんでしょうね」

側近「ちなみに魔族でない種族に、ゴーレム族、妖精族、そして」

兄「紅竜のドラゴン族か…そういえば、側近はどれにあたるんだ?」

側近「わ、私ですか?」

兄「ああ」

側近「その…鬼族です」

兄「へぇ、全然そういう風には見えないな」

側近「か、隠してますので…」

兄「角を?」

側近「……はい…」


兄「ちょっと見せ」

側近「だめです!」

兄「あれ、すげー拒否するのな」

側近「ええ!別にいいじゃないですか!別に角を見せなくったって別に多分戦闘には影響しないと思いますし!」

兄「側近さん?混乱してませんか?」

側近「それよりまだ説明することあるんですよ聞いてください!」

兄「んー気になるなぁ…」

側近「それは気のせいです!」

兄「魔王命令」

側近「魔王様はまだ魔王様じゃないので受け付けません!」

兄「じゃあ急いで魔王になるよ。そしたら一番先に角見せてね?」

側近「…この鬼!」

兄「あんたが言うか…どうしてそんなに見せたくないんだ?」


側近「…その…私の角は…なんといいますか…他の鬼族と比べてたくましく無くて…」

側近「…昔集落に住んでた頃はよく絡まれました」

兄「へぇ、鬼族の角ってステータスなんだな」

側近「だからいつも隠してるんです…もういいでしょう?」

兄「俺は気にしないがなぁ…それにどうせ見るんだから今見ても同じじゃないか?」

兄「俺は絶対に角見るぞ?何があっても見るぞ?」


側近「くっ…………わかりました、見せればいいんでしょう?」

兄「おお!」

側近「……笑わないでくださいね…」


チョコン


兄「…これは…」

側近「も、もういいですよね?戻しま」

兄「かわいいいいいいい!!!」ガバッ

側近「ちょちょちょちょちょっとなにしてんですか!触らないでください!」

兄「いやいやいやこれは予想外だ!これは反則だ!」サワサワ

側近「近い近い!やめっ…そこっ…だ、だめぇーーーー!!!」ボカァッ

兄「ぁぶえ!」





兄「……」

側近「……」

兄「……」

側近「説明を続けますね」

兄「は、はひ」

側近「魔族には、魔族契約というものがあります」

側近「魔族契約とは、契約者となる者・物質とその魔族とでルールを決めて契約します」

側近「その内容が過酷であればあるほど、その分能力が向上します」

側近「能力向上は魔族側がどれだけ危険を冒しているかによって決まります」

側近「例えば信用できない者に絶対服従の契約をすると、いつ何をされるかわからないのでかなりの能力向上が見込めますが」

側近「信用できる者に絶対服従の契約をしても、まあそれなりに能力向上はしますが、前者ほどではありません」

側近「まあしかし基本は後者ですがね」


兄「ん、ふっしつでお、けいやくできうのか?」

側近「はい、その辺の石ころに対してもできます。ただし一度契約をすると魔族側からは契約を破棄できません」

側近「契約者が契約を破棄することでその契約から解放されます。ですので意志を持たない物質に契約してしまうと」

側近「二度と解除できませんし、魔族契約の共通ルールとして契約者が死ぬと何かしらの反動があります」

側近「この場合石ころに“この石を持つ者に絶対服従する”と契約しておきながら海の底に投げ込むと」

側近「危険意識の低下から能力向上は少ないですし、その石が何かの拍子に壊れると」

側近「契約の対価として何か反動がきます」

側近「それに物質を契約者とすると、その物質には魔力が宿るので」

側近「拾われてしまう可能性もありとても危険です」

こんな感じで、1レスだけの日もあれば今日みたいな日もあります。それでよければお付き合いください。
それではおやすみなさい

今日も0時くらいまでで

側近「わかりましたか?」

兄「なるほろ、しょくにんほくが」

側近「治癒魔法」

兄「…なるほど、食人族がそもそも知能を持たず話し合いにはならない事と」

兄「各種族と話し合いするにはまずちゃんとした魔王にならなければならない事」

側近「そうです。その二つをまず解決しなければなりません」

側近「それに魔界だけでなく人間界の方も、魔者を襲うのをやめていただきたいですね」

兄「そう…だな」

側近「そっちは何か考えがあるんですか?」


兄「……トーナメント戦でSランクを三回取ると、王と話ができるらしい」

側近「…まさか」

兄「ああ。俺は王を説得するためにSランクを取る」

側近「…ほ、本当に一人で魔王と勇者やるんですか…」

兄「…あー言ってたなそういや…そうなるのか…」

兄「まあ、王を説得できれば国民も変わる…と信じよう」

側近「…私もできるだけ魔族と話をしてみるつもりです」

側近「ですが魔王様自ら説得されるのが一番でしょうね」

兄「うし、んじゃあ魔王になるためにも魔界文字の勉強しに帰るか」

側近「そうですね」


兄「………」

側近「…どうしました?」

兄「いや、難題ばかりだってことがわかった」

側近「…道のりは長いですね…でも、私はあなたの側近ですからね」

兄「…ありがとう」

側近「いえいえ」

兄「………」

側近「……?」

兄「………」

側近「…あの、帰らないので?」




兄「いやあ……角…かわいかっ」



ー側近家ー

側近「ただいまです」

兄「……」

妹「おかえりお兄…どしたのその顔」


紅竜「あ、おかえり~。私より早く帰ったはずなのになんで私より遅いの?」

側近「…色々ありまして」

妹「わかった!お兄ちゃんが側近さん襲ったんでしょう!」

兄「ふぃがう!…ふぁいふく魔法!」パアア

兄「違う!」

側近「どこが違うんですか…やめろと言ったのに…」

妹「…え、マジ?」

側近「…もう私…おヨメに行けません…」グスッ

妹「お、お兄ちゃん…」

兄「だから違うって!ちょっと違わないけど…いや違うよ!?」

妹「……」

側近「ま、冗談はここまでにしておいてですね」

妹「なんだ…」

側近「妹さん、紅竜から話は聞きましたか?

妹「はい、聞きました」

兄「え」

妹「友さんが紅友さん守ったんですよね!ああいうのカッコイイなぁ…」

紅竜「私は友さんを病院に連れてっただけだからね~。」

側近(妹さんには言ってないみたいですね)

兄(…それがいいだろうな)

兄「あれ、側近娘は?」

妹「寝ちゃったから隣の部屋に運んだよ。かくいう私もちょっと寝ちゃったけどね!」

妹「さ、勉強の続きしましょう側近さん!」

兄「…そうだな!頼む!」

側近「…もう真っ暗なんですが…ま、家が隣ですしどうでもいいですか…寝ないでくださいよ?」

兄「…」

妹「…」

側近「ちょっと?」

よっし。きりがいいのでここまでです!……魔王娘出番無いなぁ…orz

オーソドックス(?)に2本ちょこん、とが僕のイメージですけどこういうのは皆さんが一番萌える角を妄想すればいいと思います!

今から2時まで頑張る


ー朝ー

側近「結局二人そろって寝ましたね」

兄「…すまん」

妹「…ごめんなさい」

側近「そうそう、魔界文字が読めるようになった時の注意点です」

兄「そんなのあるのか」

妹「知らないのお兄ちゃん?魔界の魔法書って読むだけで魔法が発動しちゃうものがあるんだよ?」

兄「妹、なんでそんなこと知ってるんだ?」

妹「…授業でやったじゃん…どーせバイトだったんだろうけど…」

側近「そうですね、魔界文字は魔力を保持する力がありますから」

側近「魔法書を読んで“理解する”事がトリガーとなって読み手を襲うトラップとか、よくありますね」

側近「魔界文字が読めないと発動しないので、なまじ読めてしまうと逆に危ないのです」

側近「というか、そういう魔法書にはよく出会う事になるでしょうから、これから気を付けてください」

側近「ま、そういうものには魔力が宿ってますから丸わかりですがね」

側近「魔力を感じる魔法書には要注意ということです」

妹「なるほど…」

兄「そういえば紅竜は?」

側近「友さんの所に行くと言ってましたので、先に出ましたね」

兄「友…トーナメント戦出れるんだろうか…あ」



友「おっす!」

側近「………紅竜…」

兄「よう友、もう体は大丈夫なのか?」

友「おうよ!なんでも、医者が称号持ちの方だったみたいでさ、嘘のように治ったぜ!」

友「だからよぉ、早くトーナメント戦に向けて練習したくて出てきちまった!」

友さ~ん…友さーん!

友「フッ、早くも俺のファンがかけつけて…」

紅竜「ちょっと友さん!行ったのにもぬけの殻って泣きそうになったよ!?」

紅友「友さん!退院したら言ってくださいよ!心配したんですから!」

友「うあ、わり…」

兄「そもそも医者にしばらく安静って言われてるだろ」


友「いやあ…」

紅友「友さん…ちょっと話があります。昼休み、お付き合い頂けますか?」

友「お、おう…?なんだろうちょっと緊張してきた」

兄「…」

妹「ね、ね!友さんと紅友さんていい感じじゃない!?」

兄「あ、ああ。そうだな…妹、そろそろ行かなくていいのか」

妹「おっとそうだった!じゃ、また後で!」

兄「おう…側近娘は今日はどうする?」

魔王娘「んー…あのおじいちゃんの授業聞きたい!」

兄「え、まじか」

魔王娘「うん!面白いもん!」

兄「…あの授業を面白いって…先生、一人確実に授業聞いてる子いますよ!よかったですね…」ウルッ

魔王娘「?」

兄「ああいや、なんでもない…」

今日はここまで!

今頭の中でもやもやしてる段階
はっきりしたら書きます

老魔法使い「さて、講義を始める…なぜこんなに多いのじゃ?」

側近娘「おじいちゃんが人気者なんだよ!はやくはやく!」

老魔法使い「…100人くらいおるんじゃが…久しぶりに拡声魔法使うかの…」

兄(講義じゃなくて側近娘・側近・紅竜を見に来た奴らなんじゃ…?)



ー昼休みー

友「それで話ってなんだ?」

紅友「すいません、ここは人が多いので付いてきてもらえますか?」

友「お、おう」

紅友「歩きながらでも話せる事を言っておきます」

友「ああ」

紅友「…昨日は本当にありがとうございました!」

友「…それは俺が言いたいよ。医者が、紅友ちゃんが手当してくれてなかったら死んでたって言ってたから」

友「それに、俺が先走っちゃった結果だからね…」

紅友「そんなこと…」

友「あ、そうだ!結局俺が毒で意識無くなったあとどうなったの?」

紅友「…それを今から行く場所で話します」

友「あ、ああ…」

紅友「……」

友「……」

紅友「あの」

友「ん?」

紅友「友さんは…魔者ってどういう風に思ってます?」

友「魔物?」

紅友「魔界に住む者…で魔者です」

友「え?いや魔物は魔物だろ?人を襲う…」

紅友「…出会った事はありますか?」

友「んーそうだな…俺の故郷って結構田舎だからさ、村から離れるとたまに魔物がいるから」

友「里帰りする時やこの街に来る時に、たまに戦うね」

友「俺でもやっつけれるレベルだから弱い魔物なんだけどね」

紅友「じゃあ強い魔物に出会ったらどうするんですか?」

友「んー基本的に村と街を結ぶルートは、Aランクの人を雇って道を管理してもらってるから」

友「強い魔物はその人たちがやっつけてくれてるはずだよ」

紅友「…なるほど」


紅友「では、ドラゴンについて何か知ってますか?」

友「ドラゴン…ドラゴンかぁ~」

友「確か魔物の上位種だろ?強さで言うとSランクレベルっていう」

紅友「そうですか……」

友「あれ?違った?」

紅友「…着きました、ここです」

友「ここって…使われてない旧闘技場じゃないか」

友「どうしてこんな所で…って」

紅竜「どうも」

友「紅竜ちゃんじゃん」

紅友「さて友さん」

友「は、はい」

紅友「…昨日起こったこと、全て話したいと思います」

友「お、おう…」

よし、今日も頑張るぞ


…………

友「紅竜ちゃんが…ドラゴン…」

紅竜「はい。改めて自己紹介しますね」

紅竜「ドラゴン族・火竜の、紅竜です」

紅竜「この学校が楽しそうだったので魔界から来ました!」

紅竜「よろしくお願いします」

紅友「軽いなぁ」

友「本当に…ドラゴン…あの…?」

紅友「嘘かどうかはわかるのでは?」

友「いや、体調はすこぶる良いけどさ、やっぱ病み上がりだから上手く魔法が使えないんだ」

友「だから今嘘発見魔法は使ってないよ」

紅竜「それなら…」シュウウ

紅竜「これでどうでしょう」

友「え」

紅友「う…わお…」

友「…ほ、本当に…ドラゴン…」

紅竜「これが本当の姿だよ」



紅竜「誰かに見られちゃ困るから戻るね…よっと」シュウウ

紅竜「信じてくれた?」

友「まぁ…信じるも何も本物だったし…」

紅友「ねね、空も飛べるの?」

紅竜「そりゃね。でも紅友ちゃんも浮遊魔法で飛べるんじゃないの?」

紅友「あー、浮遊魔法ってのはちょっと特殊でね…」

友「まてまてまて、俺の理解が追いついてない」

紅友「深く考えちゃだめですよ」

紅友「紅竜ちゃんは魔者です」

紅友「ドラゴンです」

紅友「そして、友達です」

紅友「これだけじゃないですか!」


友「そ…っか、そうだな…そうだよな!」

友「うん!紅竜ちゃんは友達だ!そんだけだな!」

紅竜「ありがとう…でも私が魔者って分かって、本当にいいの?」

友「…実際助けてもらってるわけだし、魔界の者、魔者にも色んなのがいるってことが分かったから」

友「これからもよろしくな」

友「まぁなんだ…カードゲームする時とか、俺も呼んでくれよな」

紅竜「…もちろん!」


紅竜「それで…浮遊魔法って特殊なの?」

紅友「ええと…何て言ったらいいのかな…こう…魔力を連続で固めて足場にする…みたいな」

紅竜「ん~…?」

友「俺が説明しよう」

友「二人とも、そもそも魔力とは何か分かってる?」

紅竜「私あんまり知らない…なんとなくで炎弾撃ってるから」

紅友「…なんとなくであの威力かぁ…」

友「紅竜ちゃんの為に基本から教えてあげよう」

紅竜「ありがと!昼休み終わりそうだけどね!」

紅友「うそ!」

友「…じゃあ放課後か…とりあえず戻ろう」

紅竜「そうだね!」

紅友「ああ…弁当…」ブツブツ


……


兄「おかえり友、お前のいない昼食は寂しかったぜぇ…」モグモグ

友「嘘つくな!おまっ…それ俺の!俺の弁当ーー!」

兄「ごっそさん、厚焼き玉子焦げてたぜ。それと男でたこさんウィンナーはどうかと思う」

友「ひ、人の物食っといて…こ、殺してやるぅ…」

兄「まぁそういうな、いいことあるかもしれんぞ?」

友「はあ!?」

兄 チラ

紅友(…!)

紅友「あああの!友さん!」

友「なにー…?」グス

紅友「お弁当無いのでしたら、こ、これどうぞ!」

友「…え?」

紅友「その…私料理するんですけど、おいしく作れたか自信なくて…」

紅友「あ、味見していただけませんか?」

友「おお!クソヤローに弁当食われて困ってたとこなんだ!ありがとう!」

紅友「お、おいしいですか?」

友「……まずい…まずいぞ…」

紅友「えっ」


友「俺の弁当とはなんだったのかわからなくなるほど美味い!」

友「うおおおおおおウマイウマイウマイ!」ガツガツガツ

友「…けど非常にまずい!」

友「俺…もう自分の弁当食べられねえよ…」

紅友「あの…それでしたら、また持ってきましょうか?」

友「え!」

紅友「私いつも弁当作る時、量が多くなっちゃうんですよ」

紅友「だから余った分とか、味見して欲しい物とかを食べていただきたいので…」

友「おおお!全然!全然いいよ!むしろお願いします!」

紅友「じ、じゃあ明日から持ってきますね…で、では…」

紅友(…ありがとうございました)ボソ

兄(いえいえ)ボソ


友「やった!やった!うおおおおおおおおおお」

老魔法使い「…もう授業中なんじゃがのぉ……」ニコニコ

友「おおおぉぉぉ…ぉ……ぁ……」

老魔法使い「呪縛魔法!」

友「ひっ!」

老魔法使い「土魔法・蟻地獄!」

友「アアアアアアァァァァァ………」

老魔法使い「生首になって聞いとれ」


兄「安定してるなぁ…」

とりあえず今日はここまでかな、オヤスミ!

さて眠くなるまで頑張るぞ



ー放課後ー

紅竜「友さん、昼休みの続き聞きに来たよ~」

友「おう」

友「魔力について、だったな」

紅竜「うん!」

友「魔力ってのはな、一種のスタミナなんだ」

紅竜「スタミナ…?」

友「これは走って消費するスタミナとはまた別のスタミナで」

友「そのスタミナってのが魔力なんだ」

友「だから使いすぎるとヘトヘトになる」

紅竜「ふむふむ」

友「ちなみに魔力に対して、走ると疲れるスタミナの方を体力って呼ぶ」

紅竜「体力と魔力か…」

友「魔力はそのまま使ったり物質に変化させたり、物質を操る事ができるんだ」

紅竜「そのまま使うって?」

友「うん。雪に例えるとわかりやすいね」

紅竜「雪?」

友「ふわふわな雪をすくって投げても全然痛くないけど」

友「ギュっと圧縮して投げると痛いでしょ?」

紅竜「うん!」

友「これが魔力にも同じ事が言えるんだ」

友「魔力の基本的な使い方に遠当てってのがあって」

友「これは単純に魔力を圧縮して撃つだけ」

友「するとちょっとした空気砲ができる」

紅竜「ふむふむ」

友「ちなみにCランク以下は大抵、圧縮はするけど撃つとだんだん圧縮が解けて威力が無くなるんだ」

友「そういうのを遠当てって言うんだけど」

友「Bランク以上は限界まで圧縮して、圧縮が解けないようにして」

友「遠当ての破壊力を高めた上位互換を波動弾って呼んでる」

友「その超圧縮ができるできないの壁が、CランクとBランクの壁なんだ」

紅竜「魔王娘ちゃんはB以上かぁ…」

友「え?」

紅竜「ああっなんでもない!続けて続けて!?」

良い言い回しが思いつかないから一回寝て明日投下します



友「…その圧縮なんだけど、雪を圧縮するのに体力を使うように」

友「魔力を変化させるのに体力を使うんだ」

友「遠当てを3発撃ったらへとへとになる人もいれば」

友「10発撃っても平気な人もいる」

紅竜「あれ?じゃあ結局体力ある人が有利なの?」

友「いや、そうでもないんだ。老魔法使い先生とかそんな体力あるように見えないでしょ?」

紅竜「そだね…」

友「もっかい雪で例えるなら、圧縮が下手な人はいちいち手でギュってしてるけど」

友「上手い人は雪玉生成セットを持ってる感じだね」

紅竜「おおなるほど~」

紅竜「つまり魔法使いは体力ではなく魔力が多い方が有利なのか~」

友「そういうことになるね」


紅竜「じゃあ魔法の使い方は?」

友「ほんとに何も知らないんだね…」

紅竜「まーね!」

友「魔法は、使う魔法によって魔力の質を変えないとちゃんと発動しないんだ」

友「その質を変化させる基本練習に火の玉生成ってのがある」

友「アレは中心に圧縮した魔力、その魔力に圧縮せず炎に変化させた魔力を混ぜ込むんだ」

友「そうすることで燃え続ける火の玉が出来上がる」

友「コレ結構難しくてね、圧縮魔力が多いと炎にならないし」

友「非圧縮魔力が多いと拡散して消えてしまうんだ」

紅竜「なるほど…ちなみにそれを撃つと炎弾になるの?」

友「そう。でもその撃つっていうのがまた難しくて」

友「さっきの遠当てと同じように撃っちゃうと」

友「大抵は炎が消えて普通の遠当てになるか、ボフッと炎が拡散して失敗する」

友「上手い人は数キロ先まで形や威力を保ったまま撃てるってんだからすごいよなぁ…」


兄「なんか友、先生みたいだな」

友「おわっ!兄居たのか!」

兄「最初からいたが?紅友ちゃんもな」

紅友「どうも」

紅友(…生首状態のまま話してる事について誰もツッコまないんでしょうか…?)

友「いやー後ろが見えなくて…」



老魔法使い「…何を話してるのかと思えば…それ全て儂が教えた事じゃろうが」

友「ぁぁ…ど、どうも…」

老魔法使い「いつまで埋まっとる気じゃ、ホレ」ズゴゴゴ

友「ぅぉおおお…」

兄「おー出てきた出てきた」

友「…土まみれなんですが」

老魔法使い「そうか…ホレ」ザバァ

紅友「一瞬でそんなに水が出るんですね、すごい」

友「あの…今度はずぶ濡れなんですが」

老魔法使い「そうか…」ボッ

友「わあああいいです!十分ですありがとうございました!」

月曜日が迫って来て怖いのでここまでっす

かちゃかちゃかちゃ・・・ったーん!


ーBクラスー

妹「さーて今日の晩御飯は何にしようかなぁー」

妹友「あたしは焼き魚がいいなぁ」

妹「…我が家の食卓に入って来ないでくれる?」

妹友「えーいいじゃーん」

妹「よくない!ほら!もう帰るよ!」

妹友「むぅ…待ってよう」



妹「でも魔法使えないのによくBランクまで来れたよね妹友」

妹友「ふっふっふ、それは妹への愛さ!」

妹「…確かAランクに頼もしそうな戦士さんが居たかなぁ…」

妹友「ああっ!何故!戦士枠はあたし!あたしだかんね!」

妹「はいはい…ふふ」

妹友「もう!………あら?」

妹「どうしたの?」

妹友「ちょっと待ってて」タタッ

妹「…んー?」


…タッタッタ

妹友「どうかしました?」

D魔法使い「…」

妹友「どこか痛みます?」

D魔法使い「いえ、ちょっと魔法に失敗しちゃって…あっ」

妹友「?」

D魔法使い「あの、Bランクの人…ですよね?」

妹友「そうだよ?」

D魔法使い「ああ助かったぁ。実はこの本の内容が分からなくて…少しでいいので見て頂けませんか?」

妹友「いいけど…でも私も魔法からっきしだよ?」

D魔法使い「大丈夫です。見て頂ければそれだけで結構です、どうぞ」

妹友「…おっけー。…どれどれ…」

妹「…なにやってんの?」

D魔法使い「…」

妹友「この人がさ、この本に書いてある内容が分からないから教えてくれって。ええっと…なんだこれ…転…移…?」

妹「!!!!転移!?…妹友!その本を読んじゃだめ!!!」

妹友「え?」カァァ…

妹「間に合わない!!せめて…!」ブチ


カッ!!!



D魔法使い「ふむ。魔界文字でも意味が分かるようにかたどれば読めなくとも発動する…と」

D魔法使い「良い実験台になってくれてありがとう」

D魔法使い「…………ふふふ…」

今の光は何だ!?

D魔法使い「…おっと目立っちゃったか。………転移魔法」シュン


…コロン


ー少し前ー

側近娘「ねー帰ろー!」

側近「そうですね。紅竜、兄さん、帰りましょう」

兄「おう」

紅竜「はーい」

友「えっどういうことなの…」

兄「言ってなかったっけ?家が隣なんだよ」

友「なんでだよ!お前んちの隣は空き地だったはずだろ!」

兄「色々あったんだよ」

友「何があったんだよ…てか思ったんだけどよ、側近さんと紅竜ちゃんて身内?」

側近「みたいなものですね」

友「…てことは…」

側近「…はい、私も魔界の者です。ちなみにこの子も」ボソ

友「そ、そうだったのか…」ボソ

友「紅友ちゃん、この事は兄は知ってるの?」

紅友「はい、多分知ってると思います」

友「そっか……隠さないでくれて、ありがとな」

紅友「…はい」

側近「それにしても妹さん遅いですね」

兄「あれ?…そうだな…ちょっくら迎えに行くか」

側近「そうしましょう。たしかBクラスのある校舎はあっちでしたよね?」

兄「お、もう覚えたのか」

友「んじゃあ、俺も帰るとするか。じゃーな兄」

兄「おう」

紅友「あっ…あの!帰りながらでいいので…こないだのカードの話…とか…しませんか…?」

友「お、タッグ戦の話だっけ?いいね。じゃあ一緒に帰ろうか」

紅友「は、はい!」

兄(いいね)

側近(いいですね)

紅竜「あ、私もカードの話する…もご」

側近「はーい紅竜は私たちと一緒に帰りましょうね~」

兄「おう、紅竜は俺らと一緒だ!良かったな!」

紅竜「もごご~!(なんでぇ~!?)」




カッ!!!


側近娘「うわぁ~!」

紅竜「ぉお~」

兄「な、今の光はなんだ!?」

側近「…向かいましょう」


ダダダダダ…



側近「…何もありませんね…誰か魔法の練習でもしてたんでしょうか?」

兄「う~んそうだな…あ、すいませーん」

B女「はい?」

兄「妹、見ませんでした?」

B女「妹ちゃん?さっき帰りましたよ?妹友ちゃんと一緒に」

兄「…あれー?入れ違いか…」

側近「そうでしょうか…」


紅竜「~~~」

側近娘「~~~!」

側近「…何してるんです?」

紅竜「あ、側近さん!見てくださいこれ!キレイなペンダント!」

側近娘「私が見つけたの!きれいでしょ~~!」

側近「ほんとだ。キレイですね…でも誰かの落し物でしょ…う?」

紅竜「どうしたんです?」

側近「このペンダント…魔力が込められてますね…ただ込められただけで害は無いようですが…」

兄「ハァ、ハァ…いないな…先帰っちゃったのか~?お前らも手伝ってくれよ~…」

側近「これだけ探していないようなら、帰ったのでは?」

兄「うーんそうかぁ…?あいつは勝手に帰るような奴じゃないんだが…」

紅竜「ねね、落し物ってどこに届ければいーの?」

兄「ん?落し物があったのか?…じゃあ俺が届けてくるよ」

紅竜「んじゃ、はいこれ!」

兄「おう…………え……」

側近「どうしました?」

兄「…どこ………つけた…」

紅竜「?」

兄「これを!!どこで見つけたんだ!!」

紅竜「ひ!?そ、そこに落ちてたんだけど…」

側近娘「こわい…」

側近「どうしたんです!?」


兄「これは…俺が妹にやった誕生日プレゼントなんだよ…」

兄「中途半端に魔力が込められてる…何かあったんだ…!」



……

ザワ…ザワ……

妹友「…う…あ………こ…こは…?」

妹「…」

妹友「あ…妹、妹ってば!」ユサユサ

妹「ん…いっ…てて」

妹友「気が付いた?」

妹「うん…はっ!?」

妹友「あたしたち…どうなったの?」

妹「……多分、強制転移魔法にかかっちゃった」

妹友「強制…転移…?」

妹「うん。読むと発動するトラップ魔法だと思う」

妹友「読むと…発動…あ…」

妹友「…ごめん!!あたしが読んじゃったばっかりに!」バッ

妹「ちょっ!土下座とかやめて!仕方ないよ!」

妹友「でもっ!」

妹「ああいう魔法は、そもそも魔界文字で書かれた魔法書でしか発動しないはずで」

妹「理解できないと発動さえしないんだ。だから妹友が読んで発動するなんてありえない」

妹「なのに発動した…妹友、どんな内容だったか覚えてる?」

妹友「ええと…たしか変な模様で、転移って書かれてた」

妹友「なんとなくだけど、こんな感じだったと思う」カリカリ

妹「…魔界文字で…文字を書くなんて…こんな…っ!」

妹友「…どういう事なの?」

妹「…魔界文字を理解できなきゃ発動しない。でも」

妹「…その魔界文字で文字を描く事によって、無理矢理内容を理解させたって事かな」

妹「そんな事ができるなんて…やられた…!」

妹友「じゃあ、あの本持ってた人って…」

妹「うん…あいつが仕掛けた犯人だね…」

妹友「ちきしょう……それにしても…ここはどこ?」

…ギャァッ!……ギャァッ!……

妹「…あの魔物…ということは……」




妹「ここは………………」








妹「魔界…!」

よし今日はここまで


妹友「ま…魔界!?」

妹「う…うん…しかもあの魔物は…オーガの偵察使い魔だ…」

妹友「え…て…ことは…」

妹「…ここはオーガの森!…察知されると危険だ…逃げよう!」

妹友「に、逃げようったってどこに!?」

妹「…わかんないけど、とりあえずあの使い魔に見つかるわけにはいかない!」

妹友「……見つかるとどうなるの…?」

妹「………オーガは3・4体で行動し、使い魔が察知した獲物を囲んで捉えるって本に書いてあった」

妹「オーガの使い魔は独特な形しててわかりやすいからね」

妹友「…確かになんか…コウモリとオーガを足して2で割ったみたい…きもちわる」

妹「木の陰に隠れながら行こう。視界に入った動くものを察知するはずだから、見つかりそうになったら動いちゃだめだよ」

妹友「りょ…了解…」

妹「何突っ立ってるの!早く!」

妹友「何って…動いちゃ…だめなんでしょ…?」

妹「まさか…」



ギャアーッギャアーッ!!


妹(近い!なんで!?)

妹友(わかんないよ!)

妹(くっ…とりあえず動かないで!)

妹友(わかってる!)



……ギャァーッ…ギャァーッ………


妹友「び、びっくりした…」

妹「私たちを見つけたわけじゃ…なかったんだね……さ、行こう」

妹友「……」

妹「妹友?」

妹友「…ねぇ…あの使い魔…一直線に向こうに向かっていったよね…?」

妹「…?それがどうかした?」

妹友「てことは…獲物を見つけたって事…だよね…?」

妹「あ…!」

妹友「誰かが襲われてる!!助けにいかないと!!」

妹「…でもオーガは攻撃力・防御力共に高いよ?それが複数いるんだよ?」

妹友「関係ない!妹とあたしが組めば負けるはず無い!」

妹「………たく、そんな自信どっから出てくるんだか」

妹友「ほら行くよ!」タタッ

妹「はぁ…オーガから逃げるつもりが何で戦いに行ってるの…」タタッ


妹「……妹友は…すごいな…」


オーガ1「グオオオオ!」

???「ひっ!」タタタ…

オーガ2「ゲゲゲゲゲゲ」

オーガ3「オオオオオオ!!」

???「うっ…うぇっ…たすけてぇ……グス」タタタタタ…

???「あっ!」ドサッ

オーガ4「グヒヒヒヒヒ」

???「たすけてぇ…姉さまぁ……」ガクガク




妹友「はっ!」ズバッ!

オーガ4「グオ!?」

妹友「ちっ!やっぱ硬いな!妹!」

妹「はいはい…補助魔法!筋力増加!速度増加!」

妹友「ふぅ……てやあ!」シュバッ!

オーガ4「グオオオオオアアア!!」ボト

妹友「ちっ片腕だけか…次は首だっ!」

妹「!!…妹友!後ろ!」

ブンッ!

妹友「うわっ!」バッ

オーガ3「オオオ~~~」

妹友「あっぶねー…」

オーガ2「グオオオ!」

妹「おっと……妹友!その子を!」

妹友「あいよ!」ダッ!

オーガ1「グオオ~」

妹友「邪魔だぁ!」バシュッ!

オーガ1「ガッ!」

妹友「君!大丈夫か!」

???「う、うん…」

妹友「よし!あたしにつかまれ!」ダキッ

妹友「…妹に加勢しに行かないと!」ダッ


妹「ハァッ!炎剣!」ズバッ

オーガ2「グアアアア!!」ボウ

妹「高密炎弾!!」ドン!

オーガ2「グェアアアアア!!!!」ボオオオオ

オーガ2「…グ…グオオオオ…」

妹「タ、タフだねぇ……でも、とどめだっ!」バッ

オーガ2「カッ!」

妹「え」

ドォン!

妹「うあああっ!!」ドサドサバキ

妹友「なっ妹!大丈夫か!?…ちょっと降りててくれな」

???「…うん」

妹「ご、ごめん…油断しちゃった…まさか波動弾を口から撃つなんて…」

妹友「立てるか?」

妹「ちょ、ちょっとまって…今回復するから…」パアアア

妹「ふぅ……今ので…囲まれちゃったね」

オーガ1234「「「「オオオオオオ……」」」」

妹友「…ごめん、またあたしのせいでこうなっちゃって」

妹「何言ってるの…そんな妹友だからこそ、私は妹友が大好きなんだよ」

妹友「妹…ちゃん」

妹「呼び捨てでいいよ…それに…こうやって背中合わせで戦うの…悪くないよ」

妹友「……」

妹「とりあえずあのオーガとあのオーガの間が広いからそこへ走って抜けよう」

妹「この子は私にまかせて!妹友はオーガの攻撃を弾いてくれればいいから」

妹「この子を抱いたままでも魔法はできるから、妹友は剣に集中して!」

妹友「…りょーかい!」

妹「よいしょ…しっかりつかまっててね…」

???「………ッ」ギュ

妹「よし……ゴー!!」

ダッ!


オーガ12「「ウオオオオオ!」」

妹友「はっ!圧剣!」

ガキィン!

オーガ12「「ウオッ!?」」ヨロッ

妹友「いまだ!」ダッ

妹「あいよ!」ダッ

オーガ34「「オオオオオオオ!!」」ダッダッダッ

妹「くっ巨体のくせに速いなぁ!呪縛魔法!呪縛魔法!」

オーガ34「「オオオッ!?」」ビシッ

妹友「よしっ抜けた!」

妹「このまま走ろう!」

妹友「おう!………え……」

妹「わっ!急に止まらないで!」

妹友「な、なぁ…オーガは3・4体で行動するんじゃ…なかったのか…?」

妹「…………そ…そんな…」

オーガ5678「「「「グオオオオオオ!!!!」」」」

妹友「あ…あっちに行けば…くっ!」

オーガ12「「ウオオオオオ!!」」

妹「…追ってくるのが速い…呪縛魔法も…」

オーガ34「「オオオオアアアアア…」」

妹「あまり効いてない…!」


妹友「どう…するんだ…!?」

妹「………ど、どうしようも…ない…」

妹友「こ…ここまでなのか!?や…やだよ…」

妹「……泣かないの!せ、戦士でしょ!」

妹友「妹だって…」

妹「う……く……」

オーガ56「「オオオオオオ!!!」」

妹友「オ、オーガが!!く、くそぉ!!」ガクガク


????「お前らそこを動くなよ!!」シュン!シュン!

ドス!!ドス!!

オーガ56「「ガッ………」」ドサ

妹・妹友「「え…」」

ヒュバッ!!

ドス!

オーガ2「カッ…」ドサ

ドスドス!!

オーガ78「「グェアア!!」」ドサッドサッ

ドス!ドス!ドス!

オーガ134「「「アア…ア…グ」」」ドサドサドサ


妹「な…何が…起こったの…?」

妹友「い、一瞬で…オーガの群れを…ばかな…」

妹「…矢が全部急所に当たってる……」




???「姉さま!!!」

妹「えっ姉さま!?」

ヒュッヒュッスタッ!

????「…」

???「姉さまーーーーー!!!」バッ

妹「あっ」

????「無事だったか…心配かけやがって…!」ダキッ

???「姉さまぁ!こわかったです…グス」

????「あれほどオーガの森には近づくなと言ったろ…」

???「ごめんなさぁーーい!!うぇぇぇ……」


妹友「あの子のお姉さんなのか…強い…」

妹「うん…でもよかった…あの子も…私たちもね」

妹友「そうだね…」


????「……あんたら人間だな?どうして魔界にいる…冒険者共か?」スッ

妹「…えっ」

???「やめて姉さま!この人達は命がけで私を守ってくれたの!」

????「……チッ」

妹「あ、あの…助けてくださって…ありがとうございました!!」

妹友「あれ?耳の形……魔物……?」

妹「え?」

妹友「ほ、ほら…」

妹「あ…!」

????「…なんだお前ら?魔界は初めてか?」

????「はぁ…まぁいい。あんたらにはこの子を助けてくれた恩がある」

エルフ姉「俺はエルフのエルフ姉だ。んでこいつは俺の妹のエルフ妹だ」

エルフ妹「ありがとうございました!!」

妹「…エルフ…?」

エルフ女「んだよ何にも知らねえのかよ…」

ギャアッ…ギャアッ…

エルフ女「…ここは危険だ。ついてきな」

妹友「…魔物だけど…悪い人じゃなさそう?」

妹「そう…みたいだね…助けてくれたし……ついていこう」

妹友「…うん」

あーエルフ女=エルフ姉でお願いします。今後はエルフ姉で通すと思います。それと今日はここまでっす

今日は無しで

バイト行ってきま。22時過ぎくらいに帰ってくるからその時にぼちぼちやろかな


ー学校ー少し前

兄「くそっ!!くそっ!」

側近「落ち着いてください!」

兄「これが落ち着いていられるか!絶対に何かがあったんだ!た、助けに行かないと!」

魔王娘「おにーちゃん…」

兄「誰かに連れ去られたか…?いや、そんなところ誰にも見られずに移動するなんて…転移魔法か?でも妹は警戒心はあるほうだ、魔法は気づけたはず…」

側近「落ち着いて」

兄「ならば何がどうなってるんだ…くそ!」

パアン!

兄「…あ」

側近「しっかりしてください魔王様。冷静にならなければ、できるものもできなくなりますよ」

兄「………すまん。ありがとう」

側近「さて、B女さんからの証言からいなくなったのは明らかに5分以内」

側近「とすれば、十中八九転移魔法でしょう」

兄「…しかしなぁ、さっきも言ったが妹はそんな魔法かけられそうなら気づくはず」

側近「…魔法書によるトラップ魔法なら?」

兄「いや、それも考えたが朝注意したばかりなのに魔力が宿っている本を読むか…?」

側近「読んだのが妹さんではないとしたら?」

兄「…トラップ魔法を発動させるには魔界文字が読める必要があるんだろう?」

兄「妹友ちゃんは魔界文字は読めないはずだ」

兄「…だから分かんないんだよな…転移魔法書を読んだのだろうって事だけはわかったが…」

紅竜「ねね、その魔法書トラップを作るには魔界文字が理解できてないと作れないよね?」

兄「…そう…なのか側近?」

側近「まぁ当然ですけど…」

紅竜「だったらさ、この学校で魔界文字が読めるヤツ!それが犯人だよ!」

側近「…なるほど、紅竜にしては良い考えですね。かなり絞られるはずです」

紅竜「アレ?褒められてるんだよね…?」

兄「なるほど、まずはそれでどこに飛ばしたか問い詰めるのか」

側近「そういう事ですね。この際どうやって飛ばされたのかは後で考えましょう」

兄「犯人捕獲、が最優先か…まてよ?相手が魔界文字が読めるってんなら」

兄「そいつも魔法書トラップに引っかかるんじゃないか…?」

兄「よし、魔法書の作成だ!」

側近「ちょっと待ってください。作ったところで全校生にひとりひとり見せに行く気ですか?」

兄「…」

側近「やっぱりどこか抜けてますね…」

兄「く………あ!」

側近「何か思いつきました?」

兄「普通に聞けばいいんだよ!」

側近「………はいい?」

兄「だけど…くそ、どうやっても時間がかかる…妹…無事でいてくれよ…」

側近「ちょっと説明してくれませんか」

紅竜「そうだよ、わかんないよ~?」

魔王娘「わかんないよ~?」

ー魔界ー

エルフ姉「で、お前らは冒険者じゃないんだな?」

妹「はい。転移魔法をかけられて飛ばされたんです」

エルフ姉「そうか…ま、何かしようとしたら遠慮なくオーガみてーに殺すからな」

妹(……変な事したら間違いなく殺されるな…)

エルフ姉「着いた」

妹友「村…?大きい…」

エルフ姉「エルフの里だ。一応妹を助けてもらったからな。お前らも俺が助けたからお互い様だが」

エルフ村長「お、エルフ姉、エルフ妹、おかえり。そやつらは…人間じゃの…?」

エルフ姉「安心しろ。妹をオーガから助けてくれた恩人だ。それに何かあったら責任は俺がとる」

エルフ村長「そうか。では客人という事じゃな」

エルフ姉「ま、なんか食ってけよ」

妹(…魔界に村なんてあるんだ…しかも……)

エルフ子供1「火炎魔法ー!」ポーズ

エルフ子供2「ぶぶー!おれ水魔法使ってるから効かないもんねー!」タタタ…

エルフ子供1「えーずるい!」タタタ…

妹(幸せそう………)

妹友「ね、ねぇ妹…」

妹「うん…なんか魔界って…イメージしてたのと全然違うね」

妹「オーガとかは聞いてた通りだったけど」

妹友「エルフ族とか初耳だよね」

妹「どうしてこんなに魔界について知らないんだろ」

妹友「え?仕方無いんじゃない?授業でもあんまやらないし」

妹「そこだよ。なんで称号持ちの人が魔界を知らないんだろう」

妹「確かに魔界の入口へは傭兵が守っていてなかなか魔界へは行けないけど」

妹「称号持ちは自由に魔界へ行けるはずなんだよ。でないと魔王倒しに行けないし」

妹「だからもっと魔界についての情報があってもいいはずなのに…」

妹「魔界についての授業といえば、人間界には下級の魔物がたまに居るということとか」

妹「魔王がしてきた事とか…そんなのばっかり」

妹「まぁ確かに魔王は私の父と母を殺したけど…」ボソ

妹友「難しく考えすぎなんじゃない?」

妹「……だといいけど」

やばい、眠いから少し寝ます。起きたら再開で…

エルフ姉「おう、コレ四つ頼むわ」

エルフ店長「あいよぉ」

エルフ姉「…ホレ」

妹「ありがと…ございます…これ何て名前ですか?」

エルフ妹「ケーキだよ!おいしいよ!」

妹「……なにこれ、すごく甘くておいしい」

妹友「やばいこれ!」

妹(魔界って…料理進んでるんだ……あの本、読みたくなってきたな…)

妹「あの、人間界に帰るにはどうしたらいいですか…?」

エルフ姉「…人間界ね…」

妹友「転移魔法でひとっとびできないかな?」

妹「あのね、転移魔法はマーキングが必要なの。仮に今転移魔法覚えたとしても」

妹「人間界にマーキングしてないからどの道自力で戻らないと」

妹友「そっかぁ……じゃあ、転移魔法覚えてここにマーキングすればまたケーキ食べに来れるってことだよね!」

妹「あんた魔法できないでしょうが…ってケーキにハマったの?」

妹友「うん!」

エルフ姉「このエルフの里にはマーキングできねーぜ」

妹友「えっ」

エルフ姉「この土地はな、常に魔力の流れがあるんだ。感じるだろ?」

妹「確かに…風みたいに感じるけど…風じゃない…」

エルフ姉「だから魔力を固定し、マーキングとする転移魔法の類は使えねえのさ」

エルフ姉「さらに里の外側は、返しの森つってな。特殊な進み方をしないと森の外に返されるからここまで来れないんだ」

エルフ姉「だからこの村は安全なのさ」

妹「なるほど、ついてこいって言ったのはそういう事ですか」

エルフ姉「ああ。だからこういう…」ガシ

エルフ妹「はう!」

エルフ姉「道を覚えてないガキが出ると帰れなくなるんだよ!ええ!?」グリグリ

エルフ妹「ああんごめんなさい姉さまーー!」

エルフ姉「ったく」


エルフ姉「…人間界に帰りたいんだよな?」

妹「はい」

エルフ姉「案内してやるよ…だがもう暗くなってきたから、今日は泊まってけ」

妹「あ、ありがとうございます!」

妹友「うーんもっとケーキ食べたいな…」

妹「…ここに住むつもり?」

妹友「……………………」

妹「どんだけ悩むの」

ーエルフ姉宅ー

エルフ姉「今日はここに泊まっていきな」

妹友「ぉぉお、なんか今あたし達すごい体験してない!?」

妹「だね…魔物に助けてもらって、さらにその魔物の家にお泊りなんて…」

妹友「もうさ魔物って雰囲気じゃないよね?」

妹「…うん」

妹友「魔界にも色々あるんだな…」

妹「………あの」

エルフ姉「なんだ」

妹「魔界について…教えてもらえませんか?」

妹「私たちは無知過ぎる…」

エルフ姉「めんどくさ」

妹「…何か手伝います!」

エルフ姉「うーん何ができんの?」

妹「…あ!料理します!晩御飯は人間界の料理ってのはどうでしょう!?」

エルフ姉「……ふむ…」

エルフ妹「食べてみたい!」

エルフ姉「…好きにしろ」

妹「はい!まずどんな素材があるか見てもいいですか?」

エルフ姉「ああ」


……


妹「あっお米だ」

エルフ姉「どうかしたか?」

妹「いえ、魔界にもあるんだと思って…」


……


妹「すいません!これってどんな時に使うものですか?」

エルフ姉「ああそれはな…」


……


妹「これ…は…?」

エルフ姉「食ってみな」

妹「はい」パク

妹「…………」

エルフ姉 ニヤニヤ

妹「~~~~~~!!!!!!」

エルフ姉「ハハハハハハ!!」


……


妹友「…暇だな、何かするか?」

エルフ妹「…うん」


……

妹「わあ、これ全部香辛料ですか!?…全部味見しても?」

エルフ姉「いいぜ」

……

妹「よいしょ、よいしょ」ゴリゴリ

妹「よし、次は…」

……

妹 トントントン…

エルフ姉「これ全部その形に切るのか?」

妹「はい」

エルフ姉「ほい」シュバッ

妹「………あとでコツを教えてください」

……

妹友「いっせーのーで、2!」

エルフ妹「あ!」

妹友「よーし3連勝!」

エルフ妹「次!次!」

……


妹「できたよ~~!」

妹友「おお!…この匂いはカレーか!!」

妹「うん!香辛料がいっぱいあったからね!」

エルフ姉「へぇ、カレーというのか」

妹「はい!人間界で最も大衆向けで、おいしくて失敗しない料理です!」

エルフ姉「ほー…」

妹「あと、お好みでコレをかけて辛さを調節してください」

エルフ姉「ふむ…」モグモグ

エルフ妹「辛い方がいい!」バサッ

エルフ妹「んー!!おいしい!!!」

エルフ姉「……うまい」

妹「よかった~!」

妹友「おお、あたしも辛い方がいい!」バサッ

妹「あ、妹友はあんまりかけない方が…」

妹友「何言ってんだ。あたしは激辛カレーがデフォルトだと言うのに」モグ

妹友「………かっらああああああああああ!」

妹「それ多分唐辛子の百倍辛いよ?」

妹友「それを先に言えええええええああああああ!!水ぅううう!!」

エルフ姉「そんなに辛いか?」

妹「いえ、多分味覚が違うせいだと思います」

エルフ姉「そうか……しかしうまいなコレ」

エルフ妹「おいしい!おかわり!」

エルフ姉「はえーよ」

妹「ふふ、まだまだあるよ」

エルフ妹「ごちそうさまでした!」

エルフ姉「ごっそさん。…食べ過ぎた……」

妹友「あたし今火炎魔法使えてる!使えてるよ妹!」

妹「ちなみにカレーは煮込めば煮込むほどおいしくなります」

妹「今日は1時間程しか煮込めてませんが」

妹「長い時間煮込んだり、寝かせたりして1日以上かけるともっとおいしくできますよ」

エルフ姉「ほう、まだ上があるのか…」

妹「…あの」

エルフ姉「ああ、魔界についてだろ?わかったよ」

エルフ姉「……そ、そのかわりカレーの作り方教えろ…」

妹「…よろこんで!」

睡魔とバイトがあるので続きはまた夜で

さーやるぞー



……


妹友「魔族…あたし達がイメージしてた魔物って…食人族…」

妹友「全部初耳だよね…」

妹「……エルフ姉さん、魔王ってどんな奴ですか?」

エルフ姉「…殺すのか?」

妹「な」

エルフ姉「…おれは地獄耳でね、父上と母上を殺されたんだろう?」

妹「…そうです。だから…」

エルフ姉「いつの話だ?」

妹「3年程前です」

エルフ姉「…なら、残念だが復讐は無理な話だな」

妹「…ですよね、魔界の敵にそんな情報…でも私は魔王を…」

妹友「ねぇ魔王倒すのが目的ならさ、ここから魔王倒しに行ってもいんじゃない?丁度魔界に居るんだし」

妹「…へぇ、オーガすら倒せないのに魔王が倒せるんだ」

妹友「ぁ…」


エルフ姉「魔王なら既に死んだぞ」








妹「今、なんと?」

エルフ姉「だから、魔王死んでるって」




妹・妹友「………ええええええええええええええ!!!!」

エルフ姉「まぁあんな魔王は死んでせいせいしたがな」

エルフ姉「魔族同士で争いが起きても無関心、冒険者の対処もいい加減、各地の特産品や宝は奪い放題」

エルフ姉「エルフの目を盗られ犠牲になったエルフが何人いたか…」

エルフ姉「どっちが勇者だっつーの」

妹「エルフの目…?」

エルフ姉「ああ、エルフ族の目は特殊でな、見ようと思えば魔力を透視できるんだよ」

エルフ姉「だからエルフ族は遠距離攻撃と索敵が得意なのさ」

エルフ姉「そんでエルフの目を食べると同じ効果が得られる」

妹「だから殺された…と」

エルフ姉「ああ。だがな………それは単なる噂で、食ったところで実際はそんな効果なんぞ得られん」

妹「それじゃあ…」

エルフ姉「無駄に殺されただけなんだよ」

妹「じゃあ今魔王は…?」

エルフ姉「んー…新しい魔王が居るって話だが…どうだろうな」

妹「そう…なんですか…」

妹友「どうすんの?復讐する相手もういないって…」

妹「いや、今の魔王に会って人間界と魔界についてちゃんと話し合う」

妹「話が出来なかった場合は…その時は…」

エルフ姉「…ま、好きにしなよ。現魔王がどんな奴か知らねえし」

エルフ姉「…つーかよ、魔王魔王言ってるが人間界の王はどうなんだよ」

エルフ姉「人間から魔族を襲ってる限り話し合いなんぞできないと思うがね」


妹「え?」

妹友「人間から?」


エルフ姉「そうさ。最近魔法使いやら戦士やらが魔族の里を荒らしに来てるって噂だぜ」

エルフ姉「この里にも侵入を試みようとしている奴らもいる」

エルフ姉「こないだ獣人族の一部の村じゃあ虐殺が行われた」

妹友「そんなバカな!」

エルフ姉「事実だ。だから最初あんたらに会った時、疑心暗鬼だったのさ」

妹「そ、そんな…」

エルフ姉「魔界の王と話し合う前に、自分とこの王と話し合うこったな」

妹「………」

エルフ姉「もう寝るぞ。明日、人間界まで届けてやっから」

妹「…はい」

今日はここまでっす

ちくわ大明神

よしやるぞ


ー翌日ー

妹「…ふわ…ぁ…ちょっと早かったかな…」

エルフ妹「zzz……」

妹友「…ん~…妹…そこはダメだ…勇者と戦士でなんて…あん…」

妹「…まじで別の戦士探したろか…」

妹「……あれ?エルフ姉さんがいないな…よっと」



妹「ふわぁいい空気…というより、この感じは魔力か…」

妹「この心地いい魔力の流れ…ここが魔界だなんて…」

エルフ姉「よう、起きたか」

妹「あ、おはようございます。早いですね」

エルフ姉「…まあな」

妹「なにしてるんです?」

エルフ姉「…歩きながらでいいか?」タッ

妹「?…はい」タッ

エルフ姉「ちょっと里の外を見てきたんだよ」

妹「見張り、ですか?」

エルフ姉「そんなもんだ。99%安全だろうと、1%は油断できねぇのさ」

妹「すごいですね…それでどうでした?」

エルフ姉「ああ、その事なんだが…ちょっとまずいことになった」

妹「え」

エルフ姉「村長!」

エルフ村長「どうした?」

エルフ姉「毒蟲だ」

エルフ村長「なに?毒蟲じゃと?発生する時期はもっと先じゃろうに…」

エルフ姉「わかってるが、俺が見たんだぜ?」

エルフ村長「わかった、皆には儂が言っておこう。ご苦労じゃ」

妹「あの、毒蟲って…瘴気をばらまくあの?」

エルフ姉「そうだ。まぁ3日すれば消える流行り蟲だ、っつーわけですまんが帰るのは3日後だ」

妹「そうですか…でも、その対処法なら知ってますよ?体を潰さずに頭を落とせば、瘴気を拡散させずに駆除できるはずです」

妹「一匹ずつ倒せば、出られるのでは?」

エルフ姉「…お前、どんなイメージしてるんだ?」

妹「どんなって、20㎝くらいの巨大アリみたいな蟲ですよね?」

エルフ姉「あ?なに言っ………ちっ入ったな」

エルフ姉「ちょうどいい、あっちで一匹迷い込んだみてぇだ。駆除してみな」

妹「?…わかりました」




毒蟲「キキ…」

妹「なっ…これ…本当に毒蟲ですか…?大きさがまるで違う…」

エルフ姉「体長1.2メートル、口から瘴気を吐き、危機が迫れば仲間を呼ぶ」

エルフ姉「そして絶命時に体内の瘴気を一気に拡散させる」

エルフ姉「こいつの瘴気を吸っちまうとヤバいぜ?」

妹「くっ…けど対処は同じなはず!」チャキ

妹「はっ!」ブンッ

ガキン!

妹「かた……!」

毒蟲「キキャーーー!」ボフッ

妹「な、なんて量!一旦引かないと!」バッ

エルフ姉「ちなみに甲殻はオーガの硬皮をも凌ぐ」

エルフ姉「生半可な攻撃じゃ通らんぜ」

妹「…」

エルフ姉「わかったら代われ、この里では対処法が違うんだ」

妹「…はい」


エルフ姉「さて…」スタスタスタ

妹「…!…何のためらいもなく近づいて…!」

エルフ姉「よう、仲間とはぐれたか?ドンマイだ。だがな、この里には入ってほしくねーんだわ」

毒蟲「キキ…」

エルフ姉「だから…」

妹(こ、この威圧感…!?)


毒蟲「……キッ!?」

エルフ姉「帰れ」ギロ

毒蟲「キィーーー!!」カサカサカサ…


エルフ姉「とまあ、こんな感じで追い返すのさ」

妹「……すごい」

エルフ姉「毒蟲は戦ったらデメリットしかねぇ。だから戦わないってのが正解だ」

妹「…なるほど」

エルフ姉「今頃森は毒蟲の瘴気でいっぱいだからな、出るなよ?」

妹「はい…ちなみに何匹くらいいたんですか?」

エルフ姉「んーざっと見で1万匹くらい。もっといるだろうがな」

妹「いちまん…」

エルフ姉「だから今森を抜けるなんざ不可能なんだ。ま、ゆっくりしていきな」

妹「わかりました」



ガヤガヤ…

エルフ姉「よし、毒蟲の情報も伝わったな。帰るか」


ーエルフ姉宅ー

エルフ姉「なんだ、まだ寝てやがる…まあいいか」

エルフ姉「さ…て、朝飯は何にすっかなぁ…っと、その前に…」カチャ

エルフ姉「ほれ、飲みな。あったまるぜ」コト

妹「…あの!」

エルフ姉「?」ズズ…

妹「私を鍛えてください!」

エルフ姉「!?」ブッフゥーーー!!

妹「私が帰れるようになるまでの3日間でかまいません!稽古をつけていただけませんか!?」

エルフ姉「ゲホッ…お前何言ってるか分かってんのか!?俺は魔族で、お前は人間だろうが!!」

妹「か、関係ありません!私強くなりたいんです!」

エルフ姉「……なんでそこまで?」

妹「私、人間界では…まあそれなりの実力を持ってました…持ってると思ってました」

妹「けど魔界に飛ばされて、オーガと戦った…けど、もうちょっとで死ぬところでした」

妹「私は弱かったんだと…思い知らされました」

妹「エルフ姉さんが来てくれなかったら、エルフ妹ちゃんも守れなかった」

妹「せめて…誰かを守れるまで強くなりたいんです」

エルフ姉「ふーん…………わかった」

妹「!!ありがとうござ」

エルフ姉「ただし!」

妹 ビク

エルフ姉「魔界には話の通じるヤツもいるし、友好的なヤツもいる」

エルフ姉「だから、一方的に魔者が悪いと…決めつけないでくれるか?」

妹「……はい!」

とりあえずココマデ

な、なんだってー!今書くから1円落とさないでーー!


ー家の外ー

エルフ姉「んじゃあとりあえず最初に、俺に向かって得意な魔法ぶつけてこい」

妹「い、いいんですか?」

エルフ姉「いいからさっさとしろ」

妹「は、はい!」


妹「はぁぁぁ……」

エルフ姉「…んん?」

妹「いきますよ!…っはぁっ!」ドン!

エルフ姉「おかしいな」バシ

妹(ええ!?魔力を超圧縮した高密炎弾が片手で…いくら実力差があるとはいえ…)ズーン

エルフ姉「なあ、魔力を少し練ってみてくれるか?」

妹「練る?」

エルフ姉「魔法を使える状態までもってく事だ」

妹「ああ、圧縮の事ですか」

エルフ姉「へぇ、人間は圧縮って言うのか。まあちょっとやってみてくれ」

エルフ姉「まずは火球作ってみろ」

妹「…はい」

ボッ

エルフ姉「次は水球」

妹「…はい」

チャポン

エルフ姉「………違うなぁ…なにその練り方」

妹「え?」


エルフ姉「俺の妹でもそんな練り方しねえわ」

妹「な、なにか間違ってる…んですか?」

エルフ姉「いやあ違うっていうかさ…それ誰に習ったんだ?」

妹「誰というか…学校で魔力の扱い方を習いましたから」

エルフ姉「……学校、ねぇ」

妹(な、なんだろう)

エルフ姉「扱い方ってーと、具体的には?」

妹「そうですね…属性付与、圧縮の仕方、各魔法の適した圧縮率とか…ですね」

エルフ姉「は?なんだそれ」

妹「ええと…初めて魔法を使う時にこう習ったんですが…」

エルフ姉「………ふぅん」

妹「…???」

エルフ姉「わかった。…いいか、今まで習った魔力の練り方は忘れろ」

妹「え!」

エルフ姉「お前は魔力をまず属性と圧縮に分けてるみてーだが」

エルフ姉「そもそもそれが間違いだ」

エルフ姉「魔法はな、発動すれば魔力を食うもんなんだよ」

妹「…ちょ、ちょっとわけがわからないんですが…」

エルフ姉「まあ魔法を知らなかった時に戻ったと思え。今から教えてやるから」スッ

妹「は、はぁ……って」

エルフ姉「…」モミ

妹「なな、何やってんですか!」バッ

エルフ姉「いいから黙って聞け、動くな目を閉じろ」ムンズ

妹「あぅ……」

エルフ姉「感じるか?」

妹「えちょ…そん」

エルフ姉「魔力」

妹「…」

エルフ姉「どうだ?」

妹「…………自分の中が鮮明になるような感覚です」

エルフ姉「そうだ。魔力は血液であり、呼吸であり、意識であり、自分だ」

妹「…」

エルフ姉「良い感じに集中してきたな。後ろを向け」

妹「はい…」

ギュ

エルフ姉「意識を俺と一つにしろ。俺の魔力はお前の物だ」

妹「…はい」

エルフ姉「いいか?今から俺が炎弾を撃つ。魔力の流れを感じ取れ」

妹「…はい」

エルフ姉「……ハッ」ドン

妹「…あ」

エルフ姉「わかったか?」


エルフ姉「まあ魔法を知らなかった時に戻ったと思え。今から教えてやるから」スッ

妹「は、はぁ……って」

エルフ姉「…」モミ

妹「なな、何やってんですか!」バッ

エルフ姉「いいから黙って聞け、動くな目を閉じろ」ムンズ

妹「あぅ……」

エルフ姉「感じるか?」

妹「えちょ…そん」

エルフ姉「魔力」

妹「…」

エルフ姉「どうだ?」

妹「…………自分の中が鮮明になるような感覚です」

エルフ姉「そうだ。魔力は血液であり、呼吸であり、意識であり、自分だ」

妹「…」

エルフ姉「良い感じに集中してきたな。後ろを向け」

妹「はい…」

ギュ

エルフ姉「意識を俺と一つにしろ。俺の魔力はお前の物だ」

妹「…はい」

エルフ姉「いいか?今から俺が炎弾を撃つ。魔力の流れを感じ取れ」

妹「…はい」

エルフ姉「……ハッ」ドン

妹「…あ」

エルフ姉「わかったか?」

妹「これが…魔法の使い方……魔法が魔力の流れを利用する…」

エルフ姉「そうだ。属性とか、圧縮とか関係無いんだ」

エルフ姉「魔力で魔法を使うんじゃない。魔法が魔力を使うんだよ」

エルフ姉「俺らはその魔法が使いたい魔力の流れを用意してやるだけだ」

エルフ姉「その魔力の流れを作る事を、魔力を練るっていうんだ。ホレ」スッ

シュルルルルルルル…

妹「手の上でキレイな渦が巻いてる…」

エルフ姉「これは火球の流れだ。今は魔法を使ってないが、魔法を使うと…」

ボンッ!

妹「わっ」

エルフ姉「そして使われなかった余分な魔力は戻る」

シュウウウウ…

エルフ姉「今のは一瞬だったが、継続的に流れを続けてやると…」

ボオオオオ…

エルフ姉「半永久的に燃やし続ける事ができる」

妹「な、なるほど…」

エルフ姉「やってみな」

妹「はい!」


………

妹友「あっふ………妹ぉ~おなかすいた~…あれ?」

違う!こうだ!

はいっ!

よし、次は…

妹友「…なんだろ」



妹友「妹と…エルフ姉さん?なにやってんだろ、魔法の練習かな?」

エルフ姉「じゃあラストだ。まず前の練り方で俺に炎弾を撃て」

妹友「えっ無防備で妹の炎弾受けるの!?てか前の練り方って?」

妹「はい!…はぁぁぁ」

妹友「おお、アレは妹の得意な高密炎弾だ!どうなるどうなる♪」

妹「はっ!!」ドン

バシッ

妹友「はあ!?」

エルフ姉「よし!じゃあ次は今回の練り方で撃て!」

妹「はい!」

妹友「嘘でしょ!?妹の高密炎弾だよ!?」

妹「…はっ!」ドォン!

エルフ姉「魔法障壁!!」バシュゥッ

妹友「えええ!?でか!っつーか圧縮は!?」

エルフ姉「そうだ!その練り方なら魔力を最低限に抑え、魔法本来の威力を出せるんだ!」

妹「はい!」

エルフ姉「おっし、ここまでにしとくか」

妹「ありがとうございました!!」

エルフ姉「待ちくたびれてるようだしな」

妹「…あ」

妹友「妹…なに今の…」

妹「あはは、エルフ姉さんに稽古つけてもらってた」

妹友「いやいやいや!ちょっとやそこらであんなにできるようになるもんなの!?」

妹「ちょっとしたコツをね」

妹友「………えーーー」

ここまで


カチャカチャ モグモグ

妹友「そういえばエルフ姉さんの強さってどのくらいなんすか?」

エルフ姉「強さねぇ……一応エルフ族じゃ一番強いぜ」

妹友「わお」

エルフ姉「エルフ族では…な」

妹「あ、やっぱり種族によって違うんですか?」

エルフ姉「ああ…魔界では鬼族・ドラゴン族が二強で、その次にエルフ族、獣人族と続くな」

エルフ姉「それでも俺は大抵の鬼族やドラゴン族よりは強いがな」

妹友「え、もしかしてあたし達とんでもない人と話してるの?」

エルフ姉「鬼族の幼馴染がいるが、結局一度も勝てなかったな…」

妹「種族違いますけど幼馴染なんてあるんですね」


エルフ姉「種族間交流は割とあるぜ。香辛料やったり、米もらったりな。今食ってる米は鬼族からもらったもんだ」

エルフ姉「で、ガキの頃そういう時に大人に交じって鬼族の里についていったんだわ」

エルフ姉「そしたらしょっぼい角の奴が居たから、そいつの角をからかってやったんだよ」

妹友「おお、そっから喧嘩して仲よくなるパターンですか」

エルフ姉「いや…喧嘩にもならなかったよ…そっから意識が無くなって、気づいたら3日経ってた」

妹「鬼族すさまじいですね…」

エルフ姉「鬼族の中でもそいつは突出して強かったらしいけどな」

エルフ姉「それでも悔しかったから何回もリベンジしに行ったんだ」

エルフ姉「そしたらいつの間にか今の強さになってたっつーわけ」

妹「なるほど、強い人と戦ってるうちに自分もどんどん強くなってたんですね…」

エルフ姉「一回も勝ててないがな」

寝落ち乙…

すまない…土日が忙しすぎてやる暇無かった(言い訳)

1時くらいまで頑張る


妹友「妹~結局何を教えてもらってたの?」

妹「ん…魔界式魔法?」

妹友「あたしにも教えてよ~!」

妹「えー…妹友って魔法できないじゃん…」

妹友「だって魔力を圧縮なんてできないもん!」

エルフ姉「あ、その件についてなんだがな」

エルフ姉「学校はわざと魔法を使いにくいやり方を教えてるように感じるんだ」

エルフ姉「だから魔界式をやってみる気はあるか?」

妹友「そりゃ魔法が使えるようになるなら…」

エルフ姉「オーケー。じゃあ教えてやるよ…妹友だっけ?」

妹友「そうっす」

エルフ姉「魔界式でも妹友が魔法を使えないならそれはお前がアホなだけだが」

妹友「うっ」

エルフ姉「もし魔界式を教えて魔法が使えるようになるなら………」


ー学校ー

D魔法使い(エルフ男にゴーレム、魔法書のテスト…順調だ)

D魔法使い(あとはもうちょい魔力の底上げをするかな)

D魔法使い(ああ側近さん…その姿を目に焼き付けてから…)

側近「…さ、寒気が……」

紅竜「あっためてあげよか?」

側近「やめてください死んでしまいます」

老魔法使い「さあ、今日も講義を…」

老魔法使い「兄、それに友…どうしたんじゃ?」

兄「すいません、3分で終わりますんで…」

友「兄よ、この人数見るのか…?」

兄「頼む」

友「…なんかおごれよなオメー」

友(嘘発見魔法展開…)

兄(よし、今日もいつもより大分多い!これなら!)

側近「考えましたね…」

紅竜「なるほど~、友さんの嘘発見魔法で一気に聞いちゃうんだね」

D魔法使い(ふぅ…今日も素敵だ…よし、目の保養も済んだしここに居る意味は無いな)


友「…よしいけるぞ、これだけの範囲だと3分しか持たないから早めにな」

兄「わかった…ちょっと皆聞いてくれ!」

兄「昨日の放課後から俺の妹とその友達が消えたんだ!」

友「まじでか」

兄「Bクラスの妹と妹友だ!何か知ってる奴はいないか!?」

ざわざわ…

D魔法使い(…ああ、転移魔法で飛ばした奴らか…今頃魔界でオーガの餌食になってるだろうに…フハッ)

兄「知ってたら手を挙げてくれ!」

側近「二択なら嘘を見抜ける…」

シーン…

D魔法使い(もう死んでるよ…くっだらね、こんなのに付き合ってる暇は無ぇな…)スタスタ

友「…いた!あそこだ!!」

兄「あいつか!っ待て!」

友「つ、疲れた…兄、しばらく俺は魔法使えないぞ」

兄「わかった。サンキューな、また今度なんかおごる!」ダッ

友「うぃ…しかし妹ちゃんと妹友ちゃんが行方不明?…昨日帰らなかったら良かったな…くそ」


エルフ姉「そういやお前、兄弟は居るのか?」

妹「私ですか?兄が居ます…だから心配させたく無いんですけど…」

妹「帰れないんじゃどうしようも…」

エルフ姉「…お前の魔力がついてる物とか、向こうに無いのか?」

妹「え?…あ、そういえば…」

~~~

妹「間に合わない!!せめて…!」ブチ

~~~

エルフ姉「よし、魔力が少しついてりゃその魔力を消費して声を届ける事ができる魔法がある」

エルフ姉「届けるだけだから一方通行だ。しかも向こうの魔力を消費するから一回だけだが…やってみるか?」

妹「はい!お願いします!」

エルフ姉「どんくらい魔力ついてる?」

妹「ええと…このくらいかな?」シュルル

エルフ姉「ふむ…じゃあせいぜい10秒ってところだな…準備はいいか?」

妹「はい!」

妹(お願い持ってて…お兄ちゃん…!)


タッタッタッタ

兄「待て!」

D魔法使い「…なんでしょう?」

兄「お前Bクラスの妹と妹友について何か知ってるんじゃないのか!?」

D魔法使い「さ、さあ…?誰ですか?」

兄「とぼけんな!嘘ついてることは分かってんだ!」

D魔法使い(ちっ鬱陶しい…なら)

D魔法使い「あっもしかしてあの事ですか!?」

兄「…」

D魔法使い「昨日女の人に魔法書の内容教えてもらってたんですよ」

D魔法使い「そしたら何かに気づいてどっか行っちゃったんです」

D魔法使い「これがその魔法書です」スッ

兄「……」

D魔法使い(よし!開け!!)

兄「その手には乗らねえぜ…トラップなんだろ?」

D魔法使い「なっ」

兄「本当の事を言え!さもなくば…!」キィィ

D魔法使い「い…いいんですか?トーナメント戦以外での攻撃魔法の使用は厳罰…もしくは退学ですよ?」

兄「くっ」ピクッ

D魔法使い(今だ!転移魔法!!)

シュン

兄「なにっしまった!…転移魔法使えるのか……くそ!」


兄「ちくしょおおおお!!!」


タタタ…

側近「どうでした!?」

兄「逃げられた…このクラスで転移魔法使える奴がいたなんて…」

側近「そう…ですか……あれ?ペンダント光ってません?」

兄「え?ペンダント…妹!?」

妹「もしもし妹と申します!」

側近・兄「「!!!」」

妹「一方通行なので手短に言います!」

妹「どなたか聞いていたらお兄ちゃんに…兄という人に私は無事ですと伝えてください!」

妹「私はBクラスの妹といいます!お願いしま」ブツッ

兄「……伝達…魔法…」

兄「聞いてたぞ…妹…無事で良かった…!」

よーしやるぞー


エルフ姉「…さて、続きやるぞー」

妹友「ういッス!」

妹「誰か聞いててくれたらいいけど…」

エルフ姉「まず魔力の流れを感じるんだ」ムンズ

妹友「わひゃい!?」

妹「あ、その流れからか」


……


ドォォン…

妹友「…………」

エルフ姉「…決まりだな……」

妹「妹友……あんた…」

妹友「は、初めて…魔法が使えた…!使えたよ妹!!」

妹「やったじゃん!…でも、どうして…?」

エルフ姉「…学校はわざと魔法を使いにくい法で教えてる分があるな…」

エルフ姉「そうだ、久しぶりに行ってみるか」

妹「え?どこに行くんです?」

エルフ姉「学校だよ学校」


妹友・妹「「え?」」


エルフ姉「俺、1年か2年くらい前に人間界の学校行ってたんだよな」

妹「ちょ、ちょっと待ってください理解が…」

エルフ姉「ああ、話の展開が急過ぎたか」

エルフ姉「俺な、偵察とか監視とか?そういう類が得意だからよ」

エルフ姉「人間界の様子とか見に行く時に、変身指輪つけて人間界に行ってた時期があるんだわ」

エルフ姉「んで、学校が色んな情報得るのに最適だったから入ってたってわけだ」

妹「まさかエルフ姉さん学校に行ってたとは…」

妹友「あの、変身指輪ってなんです?」

エルフ姉「ん?ああ、流石にこのナリで学校には行けんだろう?」

エルフ姉「だから……あった、これだ。こいつを付けると…」パァァァ

エルフ姉「ほれ、人間っぽくなったろ」

妹友「おお~…あれ?どっかで見たことあるような」

妹「………え……」

妹友「妹?」


妹「Aランクの遠距離使いじゃないですか!!!!」


妹友「ああ!そういえば!!」

エルフ姉「ん?あー…そうか、確かあん時トーナメントで目立っちまったんだよなぁ…」

妹「相手に近づく事を許さず、反撃の隙を与えない攻撃速度と広すぎる攻撃範囲で入学して速攻Aランクまでのし上がった化物女の子…」

妹「でもAランクになった途端来なくなったんだよね…まさかエルフ姉さんだったなんて…」

伏線回収ktkr
あとむんずは乳鷲掴みしてる効果音なのかい?

>>316
yes!!

エルフ姉「まぁ任務が終わったからこっちに帰っただけなんだがな」

妹「何の任務だったんです?」

エルフ姉「それはさすがに秘密だ」

妹「…すみません」

エルフ姉「まぁいい。毒虫が去るまでの間、暇だから稽古つけてやるよ」

妹・妹友「「お願いします!」」



ー人間界 王宮ー

王「ガハッ…」

賢者「大丈夫ですか王様」

王「早く…トーナメント戦を…」

魔法戦士「トーナメント戦は7日後開催予定ですぜ」

王「少し早めろ…」

賢者「…では3日後…という事でよろしいですか?」

王「ああ…楽しみだ…今度こそ…」

武闘家「明日でいいじゃん」

賢者「バカですかあなたは…急にしてしまっては人数が集まらないでしょうが…」

武闘家「うっせぇな賢者は…胸はでけーくせに器が小さいんだよ!あふれちまえバァカ!」

賢者「…あ?貴様死にたいのか?」

武闘家「死ぬのはオメーだ」

魔法戦士「うっせぇぞアホ共が!王様の体に障るだろうが!」


王「…黙れ」

賢者・武闘家・魔法戦士「「「…はい」」」

王「儂の体は見てのとおり永くない…だからこのトーナメント戦で見極める…」

王「おぬし等も…しっかりと判別するのじゃ…」

賢者・武闘家・魔法戦士「「「…はっ」」」

王「魔法陣は完成しておるか?」

賢者「もちろんです。あとは適合者が現れるのを待つのみです」

王「…もう少しじゃ…もう少しで………」


ー学校ー

老魔法使い「ということで、トーナメント戦が3日後になった」

老魔法使い「各自調整は済ませておくようにの。では、解散」

…ガヤガヤ

側近「3日後…妹さん…間に合うんでしょうか…?」

兄「無事に帰ってくれば、間に合わなくてもいいさ…」

エルフ姉「もしもし?俺だよ俺ー。ちょっくら人間界まで頼むわー」

エルフ姉「…3人ほど…いけんだろ?」

エルフ姉「…わりーな、んじゃ」


~三日後 朝~

エルフ妹「姉さま…行っちゃうの…?」

エルフ姉「ああ…留守番…できるな?」

エルフ妹「はい…」

エルフ姉「里の外には出るなよ?」

エルフ妹「はい…」

エルフ姉「……」チュ

エルフ妹「あっ」

エルフ姉「いい子にしてろよ。じゃ、行ってくるな」

エルフ妹「…行ってらっしゃい!」

妹「…妹っていいなあ…私も妹なんだけど」

エルフ姉「よし!行くぞ人間界に!ついてこい!」

妹・妹友「「はい!」」


ー森の外ー

妹「やっと帰れるんだね…エルフの里も名残惜しいけど…」

エルフ姉「…なら、また遊びに来るといい。俺が案内してやるから」

妹友「まじっすか!やった!」

妹「あんたケーキ食べたいだけでしょ」

エルフ姉「さて、そろそろ…よし来た」

妹友「何が来てるんすか?」

エルフ姉「ほらアレだ」

妹友「何もないっすけど」

妹「ん?アレは…鳥?にしては大きい…」

妹友「あー………でかすぎね?」

妹「…あ…あれってもしかして!」


妹「ドラゴ」

ビュワアアアアアッ

妹友「うおわあああ!」

バサッバサッ

ドシン!

「ドラゴン使いが荒いぞエルフ姉よ」

エルフ姉「まぁまぁ、そんなかてーこと言うなよ」

エルフ姉「ほれお前ら早く乗れ!」

「……」

妹「どど、どうも…お邪魔します…」

妹友「よ、よおしく…おねあいしゃーす…」


エルフ姉「…よし乗ったぞ、特急で頼むわ」

「飛ばされるなよ?」

エルフ姉「そんなわけねーだろ~」

「二人に言ったんだよ」

バサッ!バサッ!

妹「わ、わお」

妹友「ドラゴンに乗って空飛んでる…ヤバイ妹…泣きそう」

エルフ姉「多分泣く暇は無ぇな」

妹友「え?」

エルフ姉「ほら掴まれ、死ぬぞ」

妹友「はあ…」ガシ

エルフ姉「それいけ~」

「あいよ~」

ビュワッ!!!!

妹・妹友「「ひっぎゃああああああああああああ!!!!!」」

エルフ姉「おせーよ!とばせとばせ!」

「ちっほらよ」

ギュンッ!!

妹・妹友「「ああああああああああああああ!!!!!!!」」

エルフ姉「ハハハハハハハハ!!!!」

ここまでっす

16時まで頑張る


………

エルフ姉「うし、ここまで来たらもういけるな?」

妹「はい!ありがとうございました!」

エルフ姉「あ、そうそう。学校では魔界式魔法だっていう事は伏せてくれるか?」

エルフ姉「学校は信用してねーんだ」

妹「はい…わかりました」

妹友「了解っす」

エルフ姉「それと……動かないでくれ」ススス…

妹「?」

妹友(妹の後ろに回り込んで…何かついてるのかな)

エルフ姉「んしょ」モミ

妹友「お?」

妹「えひゃっ!ま、魔力の話ですか?」

エルフ姉「いや?」モミモミモミ

妹「じゃあ…」

エルフ姉「最初に触った時さ、良い乳だなーっと思ってよ…」モミモミモミ

妹友「エルフ姉さんそういう趣味が…?」


エルフ姉「いや単純になんかこう…惹かれただけだ。それにちゃんと好きな男はいるぜ」モミモミモミ

エルフ姉「って何言わすんだ!」モミモミモミモミ!

妹「自分のを揉んでくださいよおおお!私より大きいじゃないですかあ!」

エルフ姉「ちげーよ、この手に収まりそうで収まらない大きさとこの形がいいんじゃねーか!」モミモミモミ

妹「知りませんよ!!妹友のを揉んでください!!」

エルフ姉「………フッ」

妹友「あっなんか心折れた今」

……

妹「………」

エルフ姉「いやーすっきりした!」テカテカ

エルフ姉「俺は別ルートで変身してから行くから!じゃっ!」シュッ

妹「体…汚されちゃった…」ズーン

妹友「あたしは精神を汚された…」ズーン

妹友「……行くか…お兄さん待ってるでしょ?」

妹「…そだね…学校行こう…」


兄「あれから3日…さすがに心配だな…」

紅竜「ついにトーナメント戦だ!楽しみだな!あれ?」

兄「いかん…妹が普通に登校してる幻覚が見え始めた…」

側近「魔王様、あれはもしかして妹さんでは?」

兄「…んっ!?」ダッ



兄「妹!?」

妹「………お兄ちゃん!!」ダキッ

兄「妹…よかった……よかった…!!」ギュウウ

妹「あれっ…ちょ…くるし…ぐえ」

兄「……」ギュウウウ

妹「ギブ!お兄ちゃん!!ギブ!」バンバン

兄「あっすまん」パッ

妹「…ふ、ふう…」

側近「お帰りなさい妹さん、それと妹友さん」

妹友「ただいまッス!」

側近「何があったのか…教えてくれますか?」

妹友「あー」

妹友(妹、どこまで話したらいいんだ?)

妹(魔界式魔法とエルフ姉さんの事以外ならいいんじゃない?)

妹友(うーん…まかすわ)

妹(はいはい)

妹「ええと、まず飛ばされた時の話をしますね…」



妹「オーガに襲われてる女の子がいて…」



妹「で、そのエルフの人に助けられて…」



妹「そして人間界まで送ってもらいました」

とりあえずここまでで、バイト終わったらまた来るよ!

よしやるぞー

語彙力ェ…orz


兄「魔界…か…」

妹「エルフの人、優しかったよ…ちょっとアレだったけど…」

妹友「ケーキおいしかったなぁ~」

妹「魔界って…皆が思ってるほど絶対悪ってわけじゃないんだって思ったの」

側近(…うれしいです)

兄(…そうだな……)


キャー!ウオーー!ワーー!

妹「あ、あれ?開戦式!?」

側近「早まったそうなんです」

妹友「ギリギリじゃん!」

魔法戦士「あー、王様の側近の一人、魔法戦士だ!」

魔法戦士「いつもの様に組み合わせは各ランク毎のくじ引きがあるからこの後すぐ引いてくれ!」

魔法戦士「組み合わせの構造は…説明がメンドクサイからこの図を見ろ!」

      Z
   ┏━┻━┓
 ┏┻┓  ┏┻┓

┏┓┏┓ ┏┓┏┓
F E F D E D E F

魔法戦士「まずDEFランクの者達で予選を行う!」

      Y
   ┏━┻━┓
 ┏┻┓  ┏┻┓

┏┓┏┓ ┏┓┏┓
Z C Z C Z C Z C

魔法戦士「そして勝ち進んだ奴がCランクに挑戦する!」

魔法戦士「この時Cランクに勝てばCランクは約束される!」

魔法戦士「逆にCランクは負けるとランクダウンだ!」

魔法戦士「こんな感じでB、A、Sと進んでいってランクを決める!」

魔法戦士「まぁ例外は多少あるがな!じゃ、今回も称号取れるよう頑張ってくれ!以上だ!」

今日も頑張るぞっと

ガヤガヤ…

妹「じゃっお兄ちゃん行くね」

兄「おう、頑張れよ」

妹「お兄ちゃんもね!」

妹「といっても下位が終わるまで暇だけどね!まあお兄ちゃんの試合でも観戦しよっかな!」

兄「………」

妹「どしたの?」

兄「…前にさ、良くてDランクかなって言ったよな…俺」

妹「実はAランク以上なんでしょ?」

兄「実は…あれ?」

妹「あのさ…私が魔法教えてもらってる側なのに私より弱いってことは無いでしょ…」

兄「気づいてたのか…」

妹「うん、バレバレ」

兄「そっ…か…」

妹「でも私、魔界で修業したからもうお兄ちゃんなんて目じゃないかもね~!」

兄「ほう」

妹「もし私と当たっても手加減無用だからね」

兄「わかった…手加減無しだ」

妹「ふふ、楽しみ!じゃっくじ引き引いてくる!」

兄「おう」

二十歳になったよ!やったね!


妹「んーと…Bのくじ引き…と、ここか」

ドン

妹「わっすみません!」

???「いえ!こちらこそすみま…あ」

妹「………あ!」



妹「エルフ姉さ」バッ

エルフ姉(ちょいっちょい~~…ここでは村娘って事になってんだ!そっちで頼むぜ!)

妹(わ、わかりました)

エルフ姉「どうもはじめまして妹さん!わたくしは村娘と申します!同じBランクですね!お手柔らかに!」

妹「ブフッ!お、お手柔らかに…」

エルフ姉(何笑ってんだよ!)

妹(いやっ…キャラ違いすぎません!?)

エルフ姉(うっせーな!この方が情報収集に向いてんだよ!揉むぞコラ!)

妹「はじめっ…まして村娘さん!ところで村娘さんはAランクだったのでは?」

エルフ姉「いやあ、家庭の事情で学校行っておりませんでしたの!」

妹「うぐっ」プルプル

エルフ姉「そしたら自動的にランクダウンしてしまいまして!今はBランクなんです!」

妹「そう…でしたか!あ、ちょっと私トイレへ…」

エルフ姉「あ、どうぞ」

妹 ダッ



妹「あはははははははは!!!!」

妹「あはっあはははははははは!!!」

エルフ姉「おいコラ」ムンズ

妹「はひぇえ!!!」

エルフ姉「決めた。お前と当たったら、こてんぱんにしてやる」ワシャワシャワシャ

妹「わひゃっすみまっひゃっあひぃ!」



妹「…………」ピクッピクッ

妹友「なにやってんの」

妹「と、通り魔にちょっとね…」

妹友「?…とりあえずくじ引きなよ」

妹「う、うん…」フラフラ



係員「Bランクの方ですね?どうぞ…あの、大丈夫ですか?」

妹「大丈夫…です…」ガサガサ

妹「はい…」

係員「そうですか…S1-A3-B7ですね」

係員「S1はSランクブロックの1番を、A3はAランクブロックの3番を、B7はBランクブロックの7番である事を示します」

係員「初戦は…同じBランクの方ですね。S1-A3-B8のB魔法使いさんです」

妹友「B魔法使い君か…確か水魔法を得意としてたな…」

妹「ふうん…ところで妹友は?」

妹友「私はS2-A1-B1だね、Sから違うから会うのはSランクレベルで無いと会えないね」

妹「まぁよかったじゃん。早々にぶつかったらどっちかが上に行けなくなっちゃう」

妹友「…でも妹とも戦ってみたかったな」

妹「それはまたいずれなる時はなるでしょ」

妹友「ま、そうだね」

妹「…あ!エル…村娘さん!」

エルフ姉「…あ、どうも~」

妹友「あ、そういう事か。どうも村娘さん」

妹「そちらはどうなったんです?」

エルフ姉「S1-A5-B1ですわ」

妹友(ですわ?)

エルフ姉「相手の方がS1-A5-B2-Cなので、下からの挑戦ですね」

エルフ姉「そちらは?」

妹「S1-A3-B7です。…Aランクの決勝戦で会えますね」

エルフ姉「ふふふ…」

妹「……ごめん妹友。今回Sランクは無理…」

妹友「まじか…」


兄「妹~!どうだった?っと…初めまして兄ッス!妹の兄やってます!」

エルフ姉「初めまして、わたくしは妹さんのクラスメイトの村娘と申します!」

エルフ姉「番号はS1-A5-B1です。以後お見知りおき……を……」






側近「初めまして!側近と申します!私はS1-A5-B2-C3-F15です!」

側近「もし私がBランクまで行ければ村娘さんとですね!当たったらよろしくお願いします!」


エルフ姉「…………」

側近「あの、どうしました?」

エルフ姉「…………いえ!お気になさらず!では良い試合を…」


妹「ところでお兄ちゃんは?」

兄「ああ。俺はS1-A6-B2-C3-F1だ。Aランクまで行くと、もしかすると側近と当たるかもしれないんだよなー。妹は?」

妹「S1-A3-B7だよ」

兄「ということはAランク決勝戦かな?」

妹「はたしてお兄ちゃんはそこまで来れるかな?」

兄「はっは、ナメんな~!」

妹(…割とまじで)

今日はここまで!to be continued !!

おめでとう

ちなみに完結は年内?

さんきゅう!考えてる間、今日はふたご座流星群があるっぽいから見てるといいよ!

>>362自分でも分からないっす


紅友「やっ!」

紅竜「おはよ紅友ちゃん!と、友さん!」

魔王娘「おはよーございます!」

紅友「おはよ!側近娘ちゃん!」

友「おっす、兄は?」

紅竜「あっちで妹さんと話してるよ~」

友「ふむ…割り込めなさそーだな…」

友「まいいや!紅竜ちゃんは組み合わせどんな感じになった?」

紅竜「ええと…S2-A2-B4-C1-F8です」

紅友「私は…S2-A2-B4-C1-E1………紅竜ちゃんと同じ予選ブロック!?」

友「紅友ちゃん…」

紅友「うそぉん…か、勝ち目無いよ…」ガックリ

紅友「紅竜ちゃんはいいなぁ…炎系最強なんでしょ?トーナメントでも炎弾一つでSランクなんじゃ?」

紅竜「使わないよ」

友「え」


紅竜「…私さ、ある人に出会うまで私が最強だと思ってたの。仮にも炎の化身だしね」

紅竜「でもその人と戦った時、私は井の中の蛙だったんだなって思ったの」

友「なんでだ?」

紅竜「炎弾が効かなかったんだ。全く」

友「…ふむ、耐火防具を付けてたか…炎無効魔法を使っていたか…だね」

紅竜「私は炎以外が弱すぎるの…だから」

紅友「うん、だから私と水魔法や土魔法、雷魔法とか炎以外の魔法の練習してたんだよね!」

友「ほほー、成果は?」

紅竜「見ててよー!よっと!」ザバァ

紅竜「ほら!火竜なのに水魔法!」

友「…またか……」ビショ…

紅竜「…あ、ごめん…乾かそっか?」

友「いや…いい……そろそろ俺の試合あるから…じゃあな」

紅友「あの、これで拭いてください」

友「お、サンキューな」ナデナデ

紅友「わっ!いえっそのっ…が、頑張ってくださいね…」

友「ああ、行けるとこまで頑張るよ」


兄「やあ紅友ちゃん。友は?」

紅友「あちゃ、すぐ試合があるって言ってさっき行っちゃいました」

妹「お兄ちゃんもすぐじゃないの?」

兄「ああ、たしか20分後くらいかな…DEFランクは多いからな」

妹「確か500人くらいいますもんね」

兄「来てない奴が多いから、今日は200人くらいかな」

兄「それでもかなり多いけどな…じゃ、友の試合でも観戦しようかな」

妹「村娘さんも観戦しましょ…っていないや…まあ、興味なかったら仕方ないか…」



エルフ姉「……側近、か…こんな所で会うとはな…」

エルフ姉「それと妹の兄…なんつー魔力してんだ…」

エルフ姉「しばらく見ない間に面白い事になってんなぁ…」

いかん眠くて頭が回らない
また明日っす

...〆(ω・


兄「ってアレ?どこの闘技場だ?」

紅友「ええと確か…4番ですね」

兄「DEF闘技場は10個あるんだっけ」

妹友「人数多いからね~」

兄「でも案外でけーよな、闘技場」

妹「そうだね。リングがあって場外があって内壁があって観戦席があるから」

妹「DEF闘技場といえど…このとおり、直径80mくらいあるね」

妹「ほら、観戦するんでしょ?」

兄「おう」



兄「でもやっぱり予選なだけあって、観戦者は少ないな…」

妹「ランクが低くても…実力はあるけど単純に出てないだけって人も希にいるから」

妹「SランクやAランクの人でも、よく観戦しに来てるよ。ほらあそこのフード被ってる人」

妹「確かあの人はAランクの盗賊さんだよ」

紅友「あ、確かに見たことありますね…」

兄「へぇ、どんな奴なんだ?」

妹「過去に対戦したことあるけど…テクニックがすごかったなぁ…」

妹「攻撃が全て設置魔法へ誘導するための囮だったり」

妹「攻撃を読んで有利な魔法を撃ったりね」

妹「とにかく観察と、その対応が早くて完璧なんだよね」

妹「為す術も無く負けちゃった」

兄「おお、見てみたいな…」



妹「あ、始まるよ」


初老戦士「それでは対戦を始める!両者リングへ!」

友「よろしく!」

F武闘家「よろしくお願いしまッス!!」

初老戦士「準備は…いいようだな。では…始め!!」

F武闘家「先手必勝ッスよ!」ダッ

友「そう…だな!土魔法!」

モコッ

ガッ

F武闘家「うわ!」ゴチン!

初老戦士「ダウン!10!9!8!」

F武闘家「……」

友「さーこい!」

初老戦士「7!6!5!」

友「…おい?早く立てれよー?」

初老戦士「4!3!2!1!0!勝者友!!」

友・兄・妹・妹友・紅友「「「「「………」」」」」


友「か、勝ったよ」

紅友「お、おめでとうございます」

兄「……さーて、自分の対戦の用意っと」




ーどこかの闘技場ー

老魔法使い「はじめ!」

D戦士「あんたさー、確かE盗賊とつるんでたよなー」

D魔法使い「……」

D戦士「俺、あいつに金スられた事あってよ」

D戦士「結構ムカついてんだわ」

D戦士「でもあいつトーナメント戦出てねえんだよ…」

D戦士「だからあいつに代わりに…」

D戦士「俺のストレスのはけ口になってくれや!!」

D魔法使い「そんだけか?」

D戦士「は?」

D魔法使い「言いたいことはそれだけか?」

D戦士「ああ!これだけだよ!!」バッ

D魔法使い「…あっそ」

ドォン!!

D戦士「グァッ!」

ガァン!

D戦士「ア…ア…」ガクッ

老魔法使い「…場外!10!9!」

「うそだろ…」「今の遠当て!?」「波動弾でしょ」「30メートルは飛ばされたぞ」「これがDランクの試合かよ…」

老魔法使い「…0!勝者D魔法使い!」

D魔法使い「………」クルッスタスタスタ


……

兄「よっ」

「勝者!兄!」


友「…端折ったなぁ……」

兄「だらだらやっても仕方ないしな。皆は?」

妹「相手を調べたり、自分の番だったりでバラバラだね」


ワーワー

兄「…あれ?あそこの闘技場えらい人気だな」

友「行ってみる?」


ガヤガヤ…

妹「うわ、人多いなぁ…誰と誰の試合…あ」

友「側近さんだ」


側近「…観戦者多いです……」

D女「人気者だねーいいねー……くそが」ボソ

老魔法使い「では始めじゃ!」

D女「死ね!」ボゥッ

側近(炎弾ですか…避けるまでも無いんですけど…Bランクまでって言われてますからね…)

側近「わっ!」ヒョイ

側近「あーこわい!こちらの番ですね!はっ!」ボシュウ!

D女(煙幕!!目くらましか!)

側近「そりゃーーー」ドンドンドン!


妹「見えなくなっちゃった…しかも側近さん適当に撃っても当たらないのに~」


D女(ただの遠当てか?自分の煙幕で当たってねぇし…バカかよ)

D女(まぁいい、この間に魔力を溜めて…一撃で)

シュバッ

側近「どうも」

D女「え?」

側近「ごめんなさいね」カコン

D女「あ…がっ…」ドサ

側近(元の位置に戻って…と)

側近「…そりゃああーー」ドンドンドン


妹「煙幕晴れてきた…ありゃ」

D女「……」

側近「あっ当たってました!ラッキーです!」

老魔法使い「ダウンじゃ!10!9!」


老魔法使い「…0!勝者側近!」

ウオオオーー!

妹「ありゃあ、運いいね側近さん」

兄(たまったもんじゃねぇな、相手…)



D魔法使い「……美しい……」


エルフ姉(…茶番だな)

あ、分かると思うけど…最初の方のD戦士と今回のD戦士は別人す


……

Dモブ1「ハッ!」ドン

紅友「あっ!よけれな…あうっ!」

「場外!10!9!」

紅友「戻ら…ないと!」

友「頑張れーー!!」

Dモブ1「戻ってくんな!」ドン!

紅友「あ…」

………

紅友「負けちゃいました」

友「…大丈夫か?」

紅友「はい、回復担当の方に治してもらいましたから」

友「そっか…んじゃ、一緒に観戦しに行くか!」

紅友「…はい!あ、そういえば友さん次に勝つとCランクですね!」

友「そうだな!さっきなんとかDモブ2に勝ったからな」

紅友「じゃあ次に当たる人の観戦しに行きましょう!」

友「うし、ええと…あそこの闘技場かな?」



ザワ…ザワ…

紅友「あれ、なんか雰囲気悪いですね」

友「ああ……あの、何かあったんですか?」

「相手の魔法使いが一方的に嬲ってるんだよ!」

「ああ!わざと魔法で立ち上がらせたり、場外に出ないようにしたり」

「最低だな…」


D魔法使い「アハハハハ!側近さんを侮辱するからだ!」ドン!

Dモブ3「アガッ!…ぎ、ぎぶあっ」

D魔法使い「ハァ!?」ドン!

Dモブ3「ウグッ!ゆ、許してくれぇ…」

初老戦士「そこまで!勝者D魔法使い!これ以上の攻撃は失格とみなす!回復班急いで!」

D魔法使い「チッ…」


友「…こいつが次の相手か…胸くそ悪い奴だな…」

紅友「負けないでください!」

友「おう!……しかしどっかで見たような気がするな…」

D女のDは[ピザ]のD?

>>388クスっときた 一応Dランクって意味だけど、面白いからそっちでいいかも


……

妹「いけー!そこです側近さーん!」

魔王娘「おにーちゃんおにーちゃん…」

兄「ん?なんだ?すまん妹、ちょっと外す」

妹「えー」


兄「よし、ここなら誰もいないな…どうした?」

魔王娘「おにーちゃん、やっぱり私も戦ってみたい…」

兄「んーごめんな、それはできないんだ…」

魔王娘「ぶー…」

兄「……そうだ」

魔王娘「?」

兄「変身魔法使えるか?」

魔王娘「使えるよー!えい!」ボン

魔王娘「どう?かっちょいーでしょ!」

兄「…それがカッコイイかどうかは別にしてだな…」

兄「ごにょごにょごにょ…」

魔王娘「………おー!!」


……


妹「また勝ちましたね側近さん!」

側近「そうですね!…兄さんは?」

妹「たしかそろそろ対戦だったかな、見に行きますか」

側近「はい!」



「ジュースいかがっすかー」

妹「あ、これ二つお願いします」

「まいどー」

妹「どうぞ」

側近「あ、ありがとうございます」

妹「いいって、始まるよ」


老武闘家「両者リングへ!」

Fモブ「よろしく」ニヤニヤ

兄「よろしく」

老武闘家「これより予選決勝戦を行う!勝った方がCランクになるのじゃ!」

老武闘家「準備は良いかの?それでは…はじめ!」

Fモブ「ふっふっふ…」

兄「なんだよさっきから気持ち悪いなぁ…攻撃していいかー?」

Fモブ「僕さ、Fランクなんだよね」

兄「ああそう?俺も俺も!」

Fモブ「うっさい!聞いてない!」

兄「そっすか」

Fモブ「なんでFランクの僕が一気にここまで来れたか不思議だろ?」

兄「…そうだねー」

兄(なんかこいつめんどくさい)

>>315で妹は前にエルフ女の人間ver見たことあるみたいだけど
そんな伏線あったか?
完全に忘れてしまったwwwwww

>>393いや、伏線作ってないっす。単純にAランクは13人しかいないんで、
観戦なり対戦なりで見たことがあるとか…強い人は有名っていう意味での見たことある…です


Fモブ「答えは…これだあ!!召喚!!」ボン!

魔獣「グルルルル…」

Fモブ「フハハハハ!僕はこいつの召喚に成功したんだ!こいつは強いぜぇー!」

Fモブ「ギブアップするなら今のうちだぞ!」

Fモブ「僕はもうAランク…いやSランクになれるかも!?うひひひ…」




兄「じゃあ俺も…召喚」ボン!



魔王娘「がおー☆」


側近「ブフッ!!!!」

妹「わあちょっと側近さん!?」

側近「…すみません」

側近(あれは変身した魔王娘…何やってるんですか!!)

明日は早いんで今日はここまでっす。
めちゃ忙しいんで、この土日は期待しないでください…

やっと落ち着いた
飯食ったらやるぜぃー


ザワザワ…

何だろうこの気持ち…
…俺、あの召喚獣をゲットするために勉強するわ…
俺も戦士だけど召喚獣使いになる…

妹「それにしてもお兄ちゃん…あんなの召喚できたんだ…ちょっと引くわ…」

兄「…なぁ、やっぱり別のじゃダメなのか?」

魔王娘「かっこいいじゃん!」

兄「いやかっこいいというより…なんだ、あざといというかなんというか…」

魔王娘「えー!かっこいいでしょ!?ねぇおに…ご主人!」

側近(そういえば魔王娘は獣人族の真似をするのが気に入ってましたね…)

Fモブ「……かわいい…」


Fモブ「じゃなくて!ああっ…でもっ…関係ない!やれ!…いや待て!」

魔獣「………」

老武闘家「はよやれ」

Fモブ「くぅ…魔獣!やっちまえ!」

魔獣「グアオオオ!!!」バッ



兄「まぁ手加減してな」

魔王娘「わーい!」

魔獣「グオオ!」シャッ

魔王娘「よっ、ほっ」バッバッ

魔獣「グルル…」

魔王娘「やーい、鬼さんこっちらー♪」


側近「…ほう」

妹「?」


魔獣「グルァァァァ!!」シャシャシャッ!!

魔王娘「あははは!!」ヒョイッヒョイッピョーン

Fモブ「今だ!やれぇ!」

魔獣「ガアッ!!!」ドォン!

兄「うお、波動弾撃つのか」

Fモブ「空中は避けれないだろ!」

魔王娘「ありゃ…」


ドオオオン!!



兄「あらら」

Fモブ「フッ…次は貴様だ!」

魔獣「グルル…」


ビュンッ!

ドゲシッ!

魔獣「ギャイン!」

ドカァン!

魔王娘「今のは痛かったぞぉーーー!」

Fモブ「何っ…やるな…魔獣さっさと戻ってこい!」

魔獣「ガル……」バッ…バッ…スタッ


兄「…痛かった?」

魔王娘「全然?」

兄「そうか」


Fモブ「次だ!魔獣!」

魔獣「!」ビクッ

兄「……」

魔王娘「…なんかあの子怯えてるね」

兄「そうだな…使い手が悪いんだろうなぁ…」


魔王娘「ねぇ、なんとかできない?」

兄「いや、倒すしか無いからなぁ…」

魔王娘「……ご主人のばかああ!!!」ズドン!

兄「おっふぅ!!!」

ビュン!

妹「うわ!」

ズドオオオン!!!!


妹「…大丈夫お兄ちゃん?結構情けないよ?」

兄「みっ、味方にやられるとは…」ガラッ

側近「早くしないと時間切れですよ」

兄「そうだった…」バッ


俺、やっぱ召喚獣はやめるわ…
…俺も普通に戦士にしとくわ…


老武闘家「…5!4!」

兄「ただいま………」

老武闘家「…おぬし召喚獣くらい手なずけておれ」

兄「いやあ…はは」

魔獣「ガルァ!!」シュバッ

兄「おっと!こっち狙ってきたか!」バッ

兄「はっ!」

ドン!

魔獣「ギャイン!」ドサッ

Fモブ「くそっなんだ!?弱いのかコイツ!使えねぇ!」ゲシッ

魔獣「キャウン!……」ガクガク



魔王娘「ねぇ」スタッ

Fモブ「あっ!?しまった!魔獣さっさと攻撃しろ!!」

魔獣「ガ…ガウ!」バッ


ガブッ!!

ちょい修正


Fモブ「くそっなんだ!?弱いのかコイツ!使えねぇ!」ゲシッ

魔獣「キャウン!……」ガクガク



魔王娘(おにーちゃん…)ゴニョゴニョ…

兄(…わかった)


ヒュッ

魔王娘「ねぇ」スタッ

Fモブ「あっ!?しまった!魔獣さっさと攻撃しろ!!」

魔獣「ガ…ガウ!」バッ


ガブッ!!


Fモブ「よし!もったいないが…そのまま噛み切れ!!」


魔王娘「……」サワサワ

魔獣「……グル…?」

魔王娘「ねぇ、どうしてこの子をそんな扱いするの?」

Fモブ「な、何言ってるんだコイツ…」

兄「そんなんじゃせっかくの魔獣も、1割も実力を発揮できてないって言ってるんだよ」

Fモブ「はああ!?僕の召喚獣だっつの!関係ないだろ!!」

魔王娘「ねぇ、君はこれでいいの?」

魔獣「………クゥゥン」スリ

Fモブ「おいおい!!…もういいよ………死ね!」バッ

魔獣「!!! キャインキャイン!!」バタバタ

Fモブ「この召喚制御玉を壊せば…!!!」

兄「よし!今だ!」ヒュバッ!

Fモブ「あ!?」

兄「こいつを出すのを待ってたぜ」


Fモブ「ふ、ふん!だからどうした!僕の魔力で登録している以上!貴様が持ってても壊すしか無いだろが!」

兄「ほれ」

魔王娘「ありがと!…返すよ…」

パァァァァ…

魔獣「…!!クゥン!!クゥン!!」パタパタ

Fモブ「なっ…何したんだ…」

兄「別に?解放させてあげただけだ」


妹「…何が起こったの?」

側近「召喚獣とは通常、魔法により呼び出され召喚された際に召喚制御玉という核のような物が分離します」

側近「その召喚制御玉に魔力を登録される事によって、その登録した人の召喚獣となるのです」

側近「今のはその手順を逆、つまり玉を返す事により、解放してあげた…という事ですね」

妹「そんなのできるんだ…」

側近(本来ならばありえないのですが…後で魔王娘に聞いてみましょう)



魔獣「クゥン…」ペロペロ

魔王娘「あはは、くすぐったいよ~」

すげぇ!寝返ったぞ!
おおおお!!こんな事あるのか!
ザワザワ…

Fモブ「な…」


兄「…さて、どうする?」

Fモブ「…ふ、ふざけるな!!人の召喚獣奪いやがって!審判!!違反じゃないのか!?」

老武闘家「はて?そんなルール聞いたことないがの」

Fモブ「…クソ審判め」


魔獣「グルルルルル…」


Fモブ「…あ?」

魔王娘「あの子が直々にやっつけたいんだって」


ワアアアア!!
下剋上キター!
やっちまえーー!!

兄「…だってよ」


魔獣「グルァアアアアアア!!!!」ガブッ!

Fモブ「うあああああああ!!ギブアップ!ギブアップ!!審判止めろぉおお!」

老武闘家「試合終了!勝者兄!」

魔獣「ガルァァアア!!」

Fモブ「ギャアアア!!おい止めろ!これは立派な違反だろうが!!!うわあああ!!!」

老武闘家「…おぬしの魔獣はおぬしが召喚した召喚獣じゃ。よって儂らは関知せんよ」

Fモブ「はあああああ!?ちょっ…ひぎっ…」

魔獣「ヴゥアウ!!」

Fモブ「アアアアアアアアアアア!!!たた、助けて!助けてくださいいいいい!!!!!」


魔王娘「…もう十分じゃない?」

魔獣「………………グルルルル…」ポタッ

魔王娘「泣いてるの?…辛かったんだね」

魔獣「…………クゥン」

魔王娘「よしよし」ナデナデ

ウオオオオオーーーー!!

兄「……イイハナシダナー」

……

風呂


妹「おにーちゃん玉を取った以外はふっとばされただけだったね」

兄「うるさいな!」

側近(魔王様、魔王娘は…?)

兄(ああ、魔獣と一緒に魔王城だ。少し遊びたいんだと)

側近(そうですか…魔王娘に聞きたい事があるので少し魔王城へ帰ります)

兄(おうわかった)

側近「私、ちょっと席を外しますね」

妹「は~い、時間には遅れないようにしてくださいね~」

側近「わかってます、では」ニコ

兄「うっし、んじゃあ次は友の試合かな?」

妹「そだね~」

友「よお」

紅友「どうもです」

兄「おっ友…なんか雰囲気悪いな…どした?」

友「ん、次の相手がちょっと気にくわなくてな…それより、お前試合どうだったんだ?」

兄「まあ順調にね」

友「…っつーことはCランクか、いいね。俺もすぐ追いついてやるよ」

兄「おう」

D魔法使い「……」スタスタスタ

友「…あ、あいつだ…次の対戦相手…」

妹「………あの人だ、私と妹友を魔界に飛ばしたのは…!!」

兄「…ああ、友、お前がこの前見つけてくれた犯人だよ」

友「なるほど…こりゃ負けるわけにはいかねーな」

妹「こてんぱんにしちゃってくださいよ!」

友「おうけい!やる気出た!」

ここまで!おやすみ!

ヨシヤルゾー…



初老戦士「それでは!Cランクへの切符はどちらが手にするのか!」

初老戦士「両者、準備はいいかな?」

友「あ、ちょっち質問させてくれ」

初老戦士「ほいほい?」

友「ああ、あなたじゃなくて…あんただ」

D魔法使い「…僕ですか?」

友「お前、何が目的なんだ?」

D魔法使い「はい?そりゃあ僕は魔法使いになりたくて…」

友「嘘つくな、前の試合見てたぜ。あんなことやってると良い評価はもらえないだろ」

D魔法使い「ああ…アレですか…アレはほら、大切な人をけなされたら誰だってムカつきますでしょ?」

友(…嘘じゃないのか…)

友「なら質問を変えるぜ。妹ちゃんと妹友ちゃんを魔界に飛ばしたのは何故だ?」

D魔法使い「…お前どっかで見たと思ったらあんときの兄とかいう奴のダチか」

友「質問に答えな」

D魔法使い「さあ、何のことかわからないなぁ。審判さん、これ以上は時間の無駄じゃないんですか?」

初老戦士「うぅむ…そうだな…そこまでだ」

友「なっ!」

初老戦士「…戦闘!!」


初老戦士「開始!!」


D魔法使い「手始めに…」ヒュォォ…

D魔法使い「3連氷柱」ヒュンッ!

友「…」サッ

D魔法使い「10連氷柱!!」

友「くっ…」バッ

D魔法使い「100連氷柱!!!」

友「なっ!?…土壁!!」

ドカザクドカドカザク

友「ぐっ!」

紅友「友さん!!」

友「…………なん…だこれは……!!」

D魔法使い「……………氷柱雨」

ザアアアアアアア!!

友「なん…つー数だ!!岩盾!!」

ドカドカドカドカ!!!

友「ぐ…あ……な、なんとか左腕だけで済んだ…はは、魔力の圧縮遅ぇな…俺…」

兄「友!!」

友「うっせーな!……やっと反撃できる所なんだよ!!」

D魔法使い「…足が…」

友「さっき土魔法で固めておいたんだ…必死こいて魔力を圧縮し続けてた甲斐があったぜ!」

友「悪いが手加減無しだ!ハアアアア!」


D魔法使い「動けない…めんどくさいな……」


D魔法使い「…召喚!!!」ボン!!


友「ちっ召喚獣か……関係ねぇ!」


ゴーレム「………いつも通り…か?」

D魔法使い「ああ、よろしく頼むよ」

妹「ゴーレム……あれ?ゴーレムの腕についてるあのでっかい物なんだろ」

兄「…どっかで見たような………あ!魔力無効水晶の半分だ!」

妹「どうしてあんな重いもの……しかも半分って…効果発揮されないじゃん…」

兄「…いや…そうか!!!」

妹「……あっ!!」



友「くらえ!!炎弾!!」ドン!!

兄「おそらく魔法は…!!」


ボシュウ……

友「炎が…消えた……なんだこいつは…」


兄「…なるほど…あのでかくて重い無効水晶も、ゴーレムに任せれば楽に扱える」

妹「そして半分にしておくことで、通常時は魔法が使えるし…両腕を合わせるだけで魔法を無効にできる」

兄「そして接近戦に持ち込むにしても相手はゴーレム…厄介だな…」


パキン

D魔法使い「よし動ける…あー、靴が汚れちゃったよ…どうしてくれんだ」

友(クソ!魔法は効かず、接近戦ではゴーレム相手じゃ勝ち目が…どうすれば…!)


友(いや…危険だがアレなら…!)


D魔法使い「さて…遊びはここまでにしとこうか」

友「煙幕!!」ボフッ

D魔法使い「…無駄なのにな~…」

パキパキパキ…

D魔法使い「…氷柱雨!!」

ガガガガガガッ!!!

D魔法使い「…ハイ終わり」



友「どこがだよ」


D魔法使い「なんだとっ!」

友「全体攻撃には欠点がある!それは術者の至近距離に攻撃は来ないという事だ!ハアッ!」ドン!

D魔法使い「ぐっ」ドウン!

ゴーレム「…」

ブン!

友「おわっと!…当たったら一発でやられるな…」

ちょい休憩、でも寝ちゃうかも

1時くらいまで


友「さあて!こっからだぜ!!かかってこいやあ!!!!」


D魔法使い「………飽きた」

ボン…

友「…ゴーレムを引っ込めた…?」


D魔法使い「………召喚」


友「…召喚…?ゴーレムで充分勝機あったろ…ま、相手は煙幕の中だ、こっちが動きまわってりゃ位置はわかんねーだろ」タタッ



友「しかし一体何を召か」ヒュン!

ドス!!

友「…………え……?」

紅友「…友…さん…?」


ドス!!!

友「なっ……」

ドス!!!

友「………どう…して…」

紅友「友さん!!!!!」


D魔法使い「心臓を狙え」

エルフ男「……わかった」グッ

友「っは……ぁ……」ガクッ

ドス!!!!

友「……ぁ……」


ドサ……


紅友「友さーーーーん!!!いやああああああ!!!!」バッ

初老戦士「きゅ、急所…!!っそこまで!勝者D魔法使い!!ビショップを呼べ!!」


エルフ男「……」

D魔法使い「ご苦労」

ボン…


ヒュッスタッ

ビショップ「ほいほい」

初老戦士「早いですね!頼みます!」

ビショップ「あいよ……またこいつか…おい小娘さわるな」

紅友「ああ…ああああ…」

ビショップ「あんたが触ると心臓が傷つくだろうが」

紅友「…えっ?」

ビショップ「たまたまこの試合見ておったが…最後に力が抜けて矢の当たり所がずれた」

ビショップ「心臓のすぐ上だが、大事な血管に傷は無い。それより肩や足や肺の損傷がひどい」

ビショップ「下手に触って心臓にグサッと刺したいなら別だが?」

紅友「…は、はい!お願いします!」

ビショップ「しかしこいつよく死にかけるのぅ…」パアア…


~少し前~

???「あー!村娘ちゃんや!!久しぶりやん!」

エルフ姉「あ…申し訳ありません、どなたでしょう?」

???「あ、ごめん!フード被ってたら分かんないか!うちや!A盗賊や!」バサッ

エルフ姉「……ああ!」

エルフ姉(前回のトーナメント戦最後の相手だったな…)

A盗賊「うわーひっさしぶりやなぁーー!去年のトーナメント戦以来かー!」

A盗賊「あんときはええ勝負したなぁー!またやろうで!前回はうちが勝ったけど、リベンジはさせへんで!!」

エルフ姉(そりゃ、目立ってる事に気づいてそこでやめたからなぁ)

A盗賊「せや、今回出てんねやろ?何番?」

エルフ姉「S1-A5-B1です」

A盗賊「んーと、うちはS1-A8やから…Aランク二回戦で戦えるな!!」

エルフ姉「…そうですね」

エルフ姉(こいつ暑苦しいんだよなぁ…)

A盗賊「せや、学校急におらんよーなってどないしてん?」

エルフ姉「…村がモンスターによく襲わるんですよ。Aランク以上はわたくししか居なかったもので…」

A盗賊「あー…そら大変やわなあー…んじゃ!今回のトーナメント戦の、要注意人物を教えたる!」

エルフ姉「はぁ…」


A盗賊「まず…兄君や!確か妹ちゃんの兄貴だったかな?妹ちゃん知ってるんやろ?話してたん見かけたんやけどな」

A盗賊「兄君は…Aランクとみた!」

エルフ姉(…あいつか……Sランクだろ…)

エルフ姉「どうしてAランク?」

A盗賊「簡単や!村娘ちゃんが倒すからや!!確かS1-A6-B2-C3-F1やから、あんたと当たるで!負けんな!」

エルフ姉(……ああ、そういえばコイツ戦闘以外天然だったか)

A盗賊「次にや!D魔法使い!アイツは何やったか知らんが、最近になって一気に力付けた奴や!」

A盗賊「確かBランクの途中であんたと当たるで!気ぃつけぇ!」

エルフ姉「……気を付けます」

A盗賊「最後に…友や!!」

エルフ姉「…あの人、そんなに」

A盗賊「あいつは雑魚や!!」

エルフ姉「………はい?」

A盗賊「特に気にせんでええ!!」

エルフ姉「…なら何故名前を出したので?」

A盗賊「弱いからや!!」

エルフ姉(…????)


A盗賊「ま、ざっとこんなもんやな!!」

エルフ姉(最後が謎だが…)

A盗賊「そういや、今は友とD魔法使いが試合してるな!まぁD魔法使いが勝つやろ!」

エルフ姉「その試合は確か…」

A盗賊「あの闘技場でやってるな!」ビシッ!

エルフ姉「あー…………………あ?」ギンッ

A盗賊「…ぉおう?どないしたんそんな怖い顔して」

エルフ姉「ごめん、話はまた後で」

A盗賊「えーちょっと気にな」

ドン!

A盗賊「うわ!」

シャシャシャシャシャ……

A盗賊「はや………う、うそやん………」



A盗賊「う、うちも向かおうかな…」タタッ




シャッ…シャッ…

ズダン!!


うわっ!!なんだ!?
人が降ってきたぞ!?


エルフ姉「エルフ男!!」

妹「エル…村娘さん!?」

エルフ姉「試合は!!??」

妹「ぅあ…D魔法使いが勝ちました…」

エルフ姉「違う!試合内容を聞いてる!!」

兄「ちょっと!どうしたんですか!?」

エルフ姉「あ…ぐ…」

兄「…もしもし?」

エルフ姉「…失礼しました…この試合の内容はどうだったか気になって…教えて頂けますか?」

兄「……ああ…まずD魔法使いが氷柱で…」


……


兄「となった」

エルフ姉「ゴーレム…煙幕からの矢…」ブツブツ…

妹「村娘さん…どうしたんです?」

エルフ姉「…いえ、ありがとうございました…」

妹「あっちょっと?」




エルフ姉「D魔法使い…!!」

よしここまで

適当に始める



友「う……」

紅友「友さん!!」

ビショップ「ほい、もう心配いらん」

紅友「また…ありがとうございました」

ビショップ「ふん」


A盗賊「へぇー、危ないトコやったんやね~惜しい~」

紅友「……?」

A盗賊「しっかし弱いなーあんた。まだDかいな」

友「ぐ…うっせぇよ……」

紅友「…あ!友さん!……友…さん…!」ガバッ

友「うお!あー…わり、心配かけた」

A盗賊「…お?おおーーー?おい!この子何?何?彼女?」

紅友「あ、あの…Aランクの盗賊さんですよね?」

A盗賊「ああ、せやな」

紅友「知り合い…ですか?」

友「……知ら」

A盗賊「コイツはウチの弟や!雑魚やけどな!」

紅友「ええっ!!」


友「…何が弟だよ…何の用だよ人の事雑魚雑魚言って見下してるくせに…」

友姉「別に?気になる奴を追っかけて来ただけ」

友姉「あんたに声かけたんはただのついでやし、本当の事なんやからしゃーないやん、雑魚は雑魚らしく観戦席に座ってな」


友「っ…この…う!」ズキッ

紅友「あっまだ…」

友姉「はっは!!じゃあな、雑魚」クルッ

紅友「っ!!!」バッ

友姉「…なんや?ウチは強い奴にしか興味無いで?」


パアン!!


友姉「…あ?」

紅友「あ、謝ってください!!」

友姉「あんた…誰に喧嘩売っとるかわかっとるやろなァ!!」ガシッ!

紅友「う…あ…あ…」ギリギリ

風呂


初老戦士「お、おい!やめなさい!」

友姉「…ふっ」パッ

ドサ

紅友「…ッゲホ!ゲホ!」

友「ってめぇ!っく!」ズキッ

友姉「なんや文句あるかいな」

友「……こ…のぉ…!!」

紅友「っ友さんは!雑魚じゃありません!」

友姉「……ほー?」

紅友「友さんは私を、命をかけて守ってくれました!私にとっては勇者です!」

友姉「…………あっそ」スタスタスタ…

紅友「…本当に…友さんのお姉さんなんですか…?」

友「…ああ…変わり者なんだ…レベルの高い戦いにしか興味が無い…」

友「学校には居るけど、家には全く帰って来ないし…」

友「…ああいう奴だから、互いに干渉しないけどね」

ここまでにしとこう

すまんかった寝落ち
続きを書くので許してください


ー魔王城ー

魔獣「ワン!ワン!」タタタタタタ

魔王娘「あははははは!!」

側近「魔王娘~…楽しそうですね」

魔王娘「あ!一緒に乗ろうよ!楽しいよー!!」

側近「また今度にしますよ…それより魔王娘、ちょっといいですか?」

魔王娘「なにー?」

側近「召喚制御玉に魔力が入っていたはずですが…どうやって空にしたんです?」

魔王娘「え?魔力が入ってたから吸っただけだけど…」

側近「…吸った?」

魔王娘「うん!」

側近(魔力を吸う…?そんな事が…)

魔王娘「ちょっと前からねー!できるようになってた!」

側近「…やってみてくれますか?」

魔王娘「えー…でも吸うものがないよ?」

側近「私の魔力を吸ってください」

魔王娘「いいの…?加減がわかんないけど…」

側近「かまいません」

側近(そういえば前魔王とこの子の種族知りませんでした…魔力を吸う種族なんて…?)


魔王娘「じゃあ…手貸して~」

側近「どうぞ」スッ

側近(…まぁ私なら…)

ズ ズ ズ ズ ズ

側近「う…ああああああああああ!!!っす…ストップ!」

魔王娘「あっ!!ごめんなさい!!ねえ大丈夫?大丈夫?ごめんなさいぃぃ」グス

側近「………大丈夫、ちょっとびっくりしちゃっただけです」ナデナデ

魔王娘「あぅ…」

側近「ありがとう、魔獣と遊んでていいですよ。私は魔王様の所に戻りますので」

魔王娘「…ほんとに大丈夫?」

側近「ええ!ほら!」ダンッ!

ダダダダダダ!!

魔王娘「わあっはやーい!壁とか天井とかおかまいなしだあ~!」

ズダン!

側近「元気でしょう?」

魔王娘「うん!よかったあ!」

側近「では…」クルッスタスタスタ

魔王娘「魔獣~、乗せて乗せて!」

魔獣「ワン!」



側近「……」フラッ

ガッ

側近「ハアッ!ハアッ!魔力のほとんどをとられましたね……」

側近「元気を見せるために超速走をやりましたが…ちょっと無理がありました…」ズル…

側近「いけない、まだトーナメントの途中……あ」

側近「幸か不幸か…これで全力でやってもB止まり…ですかね…っふふ」


シュンッ


友「兄、お前はあのゴーレムの対処法…わかるか?」

兄「ああアレね…そうだな…ゴーレムのスピードはそんなに速くないから」

兄「そのスピードを上回るスピードで攻撃するとか…あとは」

兄「あの水晶を一つにさせないようにするとか」

友「うーんどっちもそれが出来れば苦労しねーな…」

兄「それより最後…避けられなかったのか?」

友「ああ、完全に油断してた…」

紅友「まったく、心配させないでくださいよ」

友「すまんな、どーにも俺は死にかけやすいみたいで」

兄「死にかけやすいて…あ、逆に考えれば毎回ギリギリ生きてるからいいのか…いいのか?」

紅友「よくないです!そんなんじゃ私の寿命が縮みます!」

友「んー、俺の事そんなに心配するか?」

紅友「あたりまえです!…わ、私の気持ち知ってるでしょう!?」

友「え?…何かあったっけ…」

紅友「あれ?まさかE盗賊さんの時憶えてない…?」

友「ああ、紅友ちゃんとあいつらから逃げたあたりからあやふやなんだよ」

紅友「えー…一番大事なトコ…」


友「たしか毒食らってたから、その影響じゃないかなぁ」

紅友「うう…はっきり言うべき…ですか…」

兄(…あ、友と紅友ちゃんはいい感じになったけど、友が倒れてから憶えてないのか)

紅友「ぁあ、あのですね!」

友「?…おう」

兄(おお!?)

紅友「じ…実は私!…」

友「う、うん」

紅友「友さんの事が好」


シュン


側近「あら?」

友・紅友「「わあああああああああ!!!!!」」

兄「側近…こんな所で転移魔法は……どうした?」

側近「あっ…すみません、調子悪くて…ちょっといいですか?」

兄「わかった」


友「…あーびっくりした…転移魔法かぁ…いいなあ」

紅友「…………」カァー

友「どうしたの頭抱えて」

紅友「…いいです…なんでもないです…」


側近「魔王様…魔王娘の事なんですけど」

兄「どうかしたか?」

側近「魔力吸収能力があるようです」

兄「魔力吸収…?」

側近「はい、確認の為に私の魔力を吸うよう言ったら8割方吸われました」

兄「なっ!」

側近「早めに何かしらの対処が必要です。アレだと近づいた魔者を殺してしまう事になります」

側近「魔者は魔力が無くなると死んでしまいますから…」

兄「わかった…俺なりに調べてみる。といっても今日はトーナメントで忙しいな…」

側近「そうですね…」


……


ワアアアアア!

「勝者!側近!!S1-A5-B2-C3をゲットしました!Cランク進出です!」

側近「はっ…はっ……ふぅ」

エルフ姉「なんだこの試合…アイツの魔力が著しく減ってる…何があったんだ…」


妹「やりましたね!」

側近「ええ…」

妹「さすがに疲れました?」

側近「……そうですね!ここまで来ると皆さん強いです!」

mesi


妹「今から休憩だね、何か買おうか皆?」

兄「あーちょっと俺はパス、ちと出かける」

妹「えっ帰ってくるよね?」

兄「当たり前だろ…じゃっ」

妹「…わかった。他の人は?」

側近「私は…そうですね。何か魔力を回復する物お願いします」

友「そんなに魔力使ったんですか?」

側近「ええ。午後のCランクの試合に向けて少しでも回復しとこうかと」

妹「妹友は?」

妹友「zzz……」

妹「…無しでいいな」

友「まあ明日からBランクの試合だろ?やっぱ暇なんだろうな」

妹「私は観戦してるので暇ではないんですけど…妹友…」げしっ

妹友「ふがっ」

ここまで、また明日~

眠くなるまで頑張る

やっぱキツイ おやすみ


紅竜「やほー!みんなー!」

側近「あ…お久しぶりです紅竜」

紅竜「何言ってるの?朝別れたばかりだよ?」

側近「いえ…なんとなく…紅竜の調子はどうですか?」

紅竜「ん!予選決勝まで行ったけど負けた!」

友「え!」

紅友「うそっ」

紅竜「結構頑張ったけど、最後に判定で負けた!」

紅竜「被弾はこっちの方が多かったからな~…でも楽しかったよ!」

紅竜「というか!紅友ちゃんと勝負したかったよぅ」

紅友「あは、ごめんね!」

妹「あ、紅竜ちゃんも何か食べ物か飲み物いる?」

紅竜「じゃあ~紅友ちゃんと同じやつがいいな!」

妹「紅友…ちゃんって私と話したことあったっけ?」

紅友「いえ、無かったと思います…よろしくです」

紅竜「えっお二方初見!?」

妹「よろしく、それで何がいい?」

紅友「えっとそれじゃあ…」

……


……

ー魔王城ー

シュン

兄「よっと…お?」

魔王娘「あ!おにーちゃん!あそぼあそぼー!」

兄「あーごめんな!俺ちょっと調べものしなきゃならんから…」

魔王娘「そっか~…」

兄「また今度な」

魔王娘「はーい」


兄「さてと…色んな本読んでる側近でさえ知らなかったって話だから…」

兄「側近でも読んでない本…いや、読めない本といえば…」



兄「魔王の書……」



兄「関係あるとは思えんが…一応読むか…の前に」

兄「継承の本だな…どれ、どこまで読めるかなっと」パラ


兄「…やっぱ読めないし……ん?ところどころおかしい所が…」パラ

兄「…ここも不自然だ…側近は気づかなかったのか…?まあいい、今日のトーナメント終わったら聞」ヒュルル…

ドォン!

兄「ぐはっ!?」

魔王娘「こらー!魔獣!おにーちゃんに当たっちゃったじゃない!」バタバタ

魔獣「キャインキャイン!」バタバタ


兄「…魔獣か…ったく…………あ」


ボロッ


兄「あああっ!!継承の本がバラバラに!」



兄「…どうしようこれ…」ヒョイッヒョイッ


兄「いくらなんでも側近怒るかな…?」ヒョイ


兄「……ん?」ピタッ


兄「おかしい所が重なって…ちょっと待てよ!?」バッ


兄「このページは……ここか…」


兄「こうすると…つながった!…そんでこれは…こうか」


……


兄「できた……まさかこの本が魔法陣になるとは…」

兄「あ、読める…中央に立って魔力を込めよ…よし」


兄「…ふぅ…ハアッ!」


キイン!!ゴゴゴゴゴゴゴ…


兄「どうなる…」


ズズズズズ…


兄「ぐ…何か…注がれてるような…」


ズズズズズズズズ!!!


兄「う…あ…あ…きっつ……」


兄「ぐ…あああああああああああ!!!」


バシュウ!!!!


……


おに…ちゃん!

兄「う…」

おにーちゃん!

兄「ん…ん…」

魔王娘「おにーちゃん!!」

兄「はっ!!」バッ

魔王娘「…おにーちゃぁん…」グス

兄「魔王娘…すまん、何がどうなったんだ…」

魔王娘「なんかね、おにーちゃんの周りがすっごく光って」

魔王娘「気づいたらおにーちゃんが倒れてて…」

魔王娘「死んじゃったかと…思っ…思っちゃって…」グシグシ

兄「ごめん、心配かけたな…」ナデ…

キィイン!

魔王娘「…んっ…」

兄「!!!」バッ

魔王娘「……」

兄「手のひらに…紋章が…これってもしかして…」

兄「魔王娘、大丈夫か!?」

魔王娘「なんともないよ…どうしたの…?」

兄「そっか…なんでもないよ!…あー、魔王の書読みたい所だが…そろそろトーナメント再開かな」

魔王娘「そっか!また呼んでね!」

兄「おう!!」


魔王娘「じゃあしばらく」ボン

魔王娘「この姿で居るね!…あ、召喚するならこの子も一緒にお願い!」

兄「…そうだな!魔獣、ちょっと来い」

魔獣「?」タタッ

兄「いいか、今からするのは召喚の契約じゃない。単なる口寄せ契約、つまり」

兄「こちらが呼び出した時にそっちがOKすれば、こちらに呼べるというもので」

兄「縛りとか制御とかは一切ないし、契約はどっちからでも好きな時に破棄できる。いいか?」

魔準「わん!」スリスリ

兄「おおう…じゃあ…」

……

兄「よし!契約完了!結構時間食ったな…少し急ごう」


兄「じゃ!」シュン

魔獣「ワン!」

魔王娘「いってらっしゃーい!」







魔王娘「……パパ」

すまないが今日はここまでっす

マルカイオンガンオンペニボルカイコーヘルイン


……

紅友「紅竜ちゃん、食べないの?」ハフハフ

紅竜「あー…まさか辛い物を食べるとは思ってなくて…」

紅友「食べようよ!おいしいよ!」

紅竜「だめだよう…」

側近「ごめんなさいね紅友さん。この子は…」チョイチョイ

紅友「…?」

側近(辛い物食べると火を吹いちゃうんです)

紅友(そ、そうなんですか)

側近(ええ。ですので、ここで辛い物はちょっと…)

紅友(そういう事でしたか…すみません)

紅友「紅竜ちゃん!ごめん!代わりに友さんのをあげますから!」

友「ええっ俺!?」

紅竜「ごめんね紅友ちゃん…ありがとう」ヒョイ

友「ちょっうおおい!」

紅友「…同じものですね」

友「そりゃーな!!」

紅友「い、いやでしたか?」

友「う……まぁ…いいけど…」

妹「…甘いよー」

紅竜「それ甘いの?」

妹「いや別に」

紅竜「…?」

妹「そだ、そろそろお兄ちゃんの…Cランクの試合始まるな…」

側近「私も同時刻にありますね」

妹「うあー、どっち見に行こうか悩むなあ」

友「ん、解散か?」

側近「そうですね」


ーC闘技場1ー

妹「こっち来ちゃった」

エルフ姉「…よぉ」

妹「あっエルフ姉さん!観戦なんてするんですね」

エルフ姉「…まーな、気になる奴がいんだよ」

妹「へぇ…ちなみにどちらが気になるんです?」

エルフ姉「側…」

スタスタスタ
…でよー、お前はどっち見に来たんだ?
そうだなあ…やっぱ側近さんかなー

エルフ姉「わたくしは側近さんが勝つと思いますわ!」

妹「そうですか!村娘さんはそっちを応援してるわけですね!?」

エルフ姉「いえっ応援してるわけではないんですけれど…」

そっかお前もかー…俺も…側……

エルフ姉「…そうだな、注目してんのは側近だ」モミモミ

妹「ちょっ笑ってないじゃないですか!!」

エルフ姉「うるせぇ魔力が乱れてるのはみえみえなんだよ言ったろ俺は魔力が見えると」モミモミ

妹「くっ…ずるい!!」


ーC闘技場2-

紅竜「兄さん遅いなあ」

紅友「そうですね…不戦敗にならなければいいですけど」

友「ま、来るだろ……げ」

紅友「……あ!」キッ


友姉「…そんな睨むなよ。観戦するんやろぉ?ところでその子は彼女その2か?」

紅竜「?」

友「…ちげーよ、こいつの友達だ」

紅竜「よくわからないけど初めまして!」

友姉「おう、ところであんた今ランクいくつや?」

紅竜「ええと確か…予選決勝で負けたから…ええと…」

友姉「なんだザ…」

紅友「雑魚じゃないです」

友姉「……はいはい、んじゃうちはあんたのハーレムには加わる気はあらへんから~」スタスタ……

紅友「……最後のは嘘じゃないですもんね」

友「そうだな、間違っても雑魚では無いな」

紅竜「何の話~?」



老魔法使い「ふーむ、兄が来ないのぅ」

Cモブ「もう俺の勝ちでよくね?」

タタタ…

兄「…すいまっせーん!遅れました!」

Cモブ「ッチ」

老魔法使い「兄、次からは気を付けるように」

兄「はいーっす」

老魔法使い「それではCランクの試合を始める…」


……

妹友「あんっ妹ぉ!そこぉ!…zzz」クネクネ

「なんだコイツ」

「ほっとけ関わらんほうがいいぞ」

……


「そこまで!勝者側近!」

エルフ姉(ふむ…やはり魔力が減ってるとはいえこの程度は余裕か…)

妹「………」ビクッビクッ

エルフ姉「おいどけよ、動けないだろうが」

妹「だっ…たら…「あーそこでそれは通らないわー」とか…」

妹「「お!いけるかぁ!?」とか反応するたびに強く揉むのやめてもらえますか…」

エルフ姉「あーすまんな、つい夢中になっちまって」

妹「最後なんか直に…入れてきたし…」

エルフ姉「つい夢中になっちまって」

妹「もう…いいです…私ここで休むので勝手にどっかいってくださいよ…」

エルフ姉「はっは、まぁ次見たい試合もここだから構わんがな!」

妹「………zzz」ダラーン




エルフ姉「……よし…」



エルフ姉「悪いな、次の試合は俺一人で観戦したかったんだ…」

「では次の試合を開始する!」

「Cランクを保持できるか!?C風使い!」

C風使い「あたりまえだろ!」

「対する予選を勝ち抜いてきた挑戦者は!」


「D魔法使い!!」


D魔法使い「………」


「では…試合開始!!」


カチカチカチ……

D魔法使い「氷柱雨!」

C風使い「はっ!それはもう見たし、そもそも俺には効かねえ…よっと!」

ビュウウウウ!!

バラバラバラ…

D魔法使い「…」

C風使い「オラどうした!?来ねえならこっちからいくぜぇ!カマイタチ!!」

ヒュオオオオオ!


ボボン!


C風使い「…さっそく出やがったな…ゴーレム!」

エルフ姉(……D魔法使いめ…やはり…!)

D魔法使い「これを攻略できますかね?」

C風使い「……」




C風使い「もちろんだ!」


おおー!アレをもう破ったのか!?
どうやるんだ…


C風使い「………………」

D魔法使い「……来ないんですか?…ではこちらから…岩砲」

ゴーレム「……」ブン!!

C風使い「……ハッ!」サッ

ドオン!

C風使い「今だ!烈風!」

D魔法使い「防げ」

ゴーレム「…無効水晶」スッ!

ガキン!!

D魔法使い「…なに」

ゴーレム「小石が…挟まって…」

C風使い「残念だったな!ぴったりくっつけないとそいつは一つにならず、無効水晶として効果が出ない!」

C風使い「つまり間に異物を挟んじまえば!簡単に攻略できるんだぜ!」

C風使い「小石ぐらいなら風でこっそり運ぶのなんてわけなぇ!」

C風使い「そしてその隙間から狙い撃つぜ!一点集中!カマイタ……!!」





エルフ男「……」キリキリキリ…

D魔法使い「かかったなアホが…狙い撃つのはこっちだ」


エルフ姉(…最初の召喚で既に二人召喚していた…)

エルフ姉(そしてやはりあの顔…あの魔力…あの弓矢……エルフ男!!!)

エルフ姉(何故あんな奴と契約を!!!!)ギリギリ…


ドスドスドス!!

……

「そこまで!勝者D魔法使い!!」

わけなぇ!wwww
わけねぇ!で脳内補完しておくれ


エルフ姉(やはりあの時見えた魔力はエルフ男だった!)

エルフ姉(…直に戦ってみるしか無いか…?)

エルフ姉(たしか私はS1-A5-B1で、今やってるのはS1-A5-B5のとこだから…)

エルフ姉(Bランク決勝か…その前に恐らく側近と当たるんだったか…)

エルフ姉(今の側近は余裕だが…問題はBランクの試合は明日、それまでに側近がどれだけ回復するか…)

エルフ姉(本当は全快で戦いたかったが…エルフ男の事が先だ。全力で倒す!!)


……

老魔法使い「勝者兄!」

兄「すまんな、大丈夫か?」

Cモブ「くそ…またCランクか…いいよ大丈夫だよ…はぁ」


友姉(……やっぱ手加減してんなぁ…本気見てみたいなぁ…)



……

………

魔法戦士「Cランク決勝終了!今日のトーナメントは終わりだ!」

魔法戦士「そんで明日から本命!Bランク以上の試合だ!」

魔法戦士「今日負けた奴らも!強ぇ奴の戦い方を観ろ!学べ!盗め!」

魔法戦士「今日勝った奴ら!B・A・Sランクの奴ら!明日!いよいよ勇者となる奴が出るかもしれん!」

魔法戦士「勇者となるのはお前だ!頑張れよ!以上だ!解散!!」


ガヤガヤ…

友「…Bランクいったな」

兄「ああ」

友「ちぇっ…あーあ、くじ運無かったなぁー!」

妹「お兄ちゃんも側近さんも私と同じBランクか…すごいな…」

紅友「兄さん側近さん一気にBランク…いいなあ」

兄「…さて、明日に備えて今日はもう帰って寝るか」

妹「…そうだね、やっと私も参加できるよ」

友「…じゃ、また明日!」

兄「おう、じゃーな」



兄「っと、すまん妹先帰っててくれ」

妹「うん…早く帰って来てね」

兄「…側近」

側近「あ、はい」



ー魔王城ー

側近「どうしました?」

兄「実は…」



側近「…やっと魔王になったんですね」

兄「そっか、やっぱコレが魔王の紋章か」

側近「本をバラバラにして魔法陣とするとは…とにかく、これで」スッ

側近「魔王の書が読めますね」

兄「…今すぐ読まないとダメか?」

側近「はい、魔王になられたんですから読んでください。家に持って帰ってもいいですよ、どうせ魔王様以外読めませんから」

兄「……わかったよ」


……


妹友「……ペニボルカイコーヘルイン!!!」バッ!

妹友「びっくりした…夢か…」

妹友「アレ?真っ暗じゃん…え?」

妹友「…………妹ぉぉおおおおおおお!!!!!」

早いけど今日はここまでかな、気が向いたらまた投下しにくるよ!メリークリスマス!ビバ一人酒!クソッ

今日も眠くなるまでガンバルぞっと



妹「何読んでるの?」

兄「魔王の書」

妹「またわけのわかんない物読んで…それよりごはんできたよ」

兄「おー…」

兄「…あ、こんなことできるのか…うーむ…」

兄「魔王の名において命じる…うわ言いたくねぇー」

妹「おにーちゃんてば!」

兄「あーすまんすまん!」



~朝~


ー王宮ー

賢者「王様、そろそろ演説の時間です。どうなされますか?」

王様「…もちろん出る…ゴホッ」

武闘家「おいおいそんなご老体で持つのかい?」

賢者「分をわきまえろ!これでも全盛期は勇者と同じくらい強かったのよ!」

武闘家「ケッすまんねぇ俺は新参で」

賢者「……」




兵士1「…おい、武闘家って…元殺し屋じゃなかったのか?」

兵士2「あ…ああ…聞いたところによると、王様を攻撃するものを殺すよう雇っているって噂だ」

兵士1「なるほど…背に腹は代えられぬってやつか?」

兵士2「そうだろうな…」

兵士1「でもよ…王様って多分もう少しで…」

兵士2「その先は言うなよ、俺がお前を捕える事になるぞ」

兵士1「…わかってるよ…」


……

ちょっとまって腹の調子が悪い


ガヤガヤ…

魔法戦士「おはよう諸君!今日は王様も観戦されるぜ!」

魔法戦士「王様の御眼鏡に適った奴が居たら、即称号という事もありえるから全力を出すように!」

兄「…へぇ、それは知らなかった」

魔法戦士「では諸君!力を出し切れ!トーナメント後半戦!開始!!」

ワアアアアー!

兄「あの人元気いっぱいだな…」

友「そうだな…」


賢者「コラ魔法戦士!違うでしょうが!」ザバァ

魔法戦士「うぼぁ!お前賢者!びしょ濡れになったじゃねーか!」

賢者「はぁ…ごめんなさいね、その前に王様のお言葉があるわ」

魔法戦士「シカトーーー!!」



王様「…諸君…お主らがこうやって高め合い…強い勇者を生み出し、魔王に天罰を与える日も近くなっただろう…」

王様「私が生きているうちに魔王を倒してくれると信じている…」


友「……」

紅友「友さん大丈夫ですか?」

兄「どうした?」

友「……すまん兄、気分悪くなったからちょっと外す」

兄「ああわかった…ホントに大丈夫か…?」

友「多分…」スタスタ…

紅友「私、友さんを介抱してきます」

兄「ああ、それがいいだろうな」



側近「あ、演説終わったみたいですよ」

兄「よし、そろそろ試合か……側近、魔力…」

側近「…今は大体50%ってところですね…」ボソ

兄「そうか…気を付けてな」ボソ

側近「まあ大丈夫でしょう」


……


賢者「どうでしたか王様」

王様「…ついに見つけた…適合者……」

賢者「おお!!」

武闘家「…なあ、前から気になってたんだが適合者って何だ?勇者の話か?」

賢者「………そーよ、勇者となるには勇者の剣を継承しなくてはならないの」

賢者「それを継承することができるのが適合者。ただ強くても勇者にはなれない」

賢者「さっきの演説は、適合者を見分ける目的があったのよ」

武闘家「…ふーん…胡散くせぇな」

賢者「数が多いと面倒なのよ…やっぱり昨日負けた人は今日来ない事が多いから…」

賢者「王様、その適合者…どういたしますか?すぐにでも…」

王様「いや、その者をもう少し観察する…」

武闘家「ちなみにそいつってどいつだ?」

賢者「コラ!王様に向かって…!」

王様「その者の名は…」


……


妹友「妹ぉぉぉおお~~」

妹「わ、悪かったってば!でも起きないのも悪いんだからね!」

妹友「むぅ…」

妹「それよりいきなり注目の試合があるよ!見逃せないよ!」

妹友「ん、誰と誰?お兄さん?」





妹「エルフ姉さんと、側近さんだよ!!!」




ザワザワ…

初老戦士「さあ!今トーナメント初!注目のカードが揃いました!!」

初老戦士「今年入学してから負け知らずの側近!」

初老戦士「対するは去年入学してからAランクまで上り詰めた村娘!!」

初老戦士「村娘はしばらく休んでいたためBランクになっていましたが!」

初老戦士「どちらも実力は申し分ないでありましょう!!」

側近「よろしくお願いしますね」ニコッ

エルフ姉「……」



妹「なんだかんだ言って側近さんて強いよね」

妹友「でもやっぱエルフ姉さんが勝つでしょ、エルフ最強だし」

妹「やっぱそうかなぁ~」



初老戦士「さあ!どんな試合を見せてくれるのでしょうか!試合開始!!!」


エルフ姉「…まさかこんな形で会うとは思いもよらなかったぜ、側近」

側近「…お会いしたことあります?」

エルフ姉「…思い出させてやる…よ!!」ヒュン!!

側近「!!」サッ!

エルフ姉「さすが、魔力が半分とはいえこの程度は避けるか」

側近(何故私の魔力の状態を…!こんな形で会うって一体…!?)


エルフ姉「ハァァァ!!」ヒュヒュヒュヒュヒュン!!

側近(くっ!やはり全快じゃないから反撃の隙がない!)シュバババッ!

初老戦士「凄まじい攻撃!それを避ける側近もやはり凄まじい!!」

エルフ姉「…審判さん、ちょっとリングの外に出てくれますか?」

初老戦士「あっ…邪魔ですか!申し訳ない!」バッ

エルフ姉「すみませんねぇ…結界起動!!」

側近(先に撃った矢が結界を模って…!)


グワァッ!!



妹友「…ありゃ、見えなくなっちゃった…」

妹(エルフ姉さん…側近さんと知り合い…なの…?)

妹(…もしかして側近さんって…魔族!?)


エルフ姉「これで外から隔離された」

側近「…さっきから何のつもりですか…」

側近(…魔力の状態を見切るなんて…あの種族以外…………!!!)

エルフ姉「まだわからねぇか…この弓と矢を見て…この声を聞いて!」

側近「ま…さか……!!」

パアアッ

エルフ姉「この姿を見てもまだわからねえか!!!!」

側近「……エルフ姉!!!どうしてこんな所に…!!」

エルフ姉「それはこっちのセリフだ!!どうしてお前がこんな所にいやがる!!」ヒュバッ

側近「っ…それは…!!」ババッ

エルフ姉「…悪いがこの試合勝たせてもらうぜ、勝たなきゃならない理由がある!!」


……


初老戦士「……二人が結界に覆われて10分が経とうとしています…一体中はどうなっているのでしょうか…!」

妹友「うーん、見えないとつまんないなぁ」

妹「……」


側近「ハァッ!ハァッ!」ボロッ

エルフ姉「ハッ…ハッ…」ボロッ

側近「勝たなきゃならない理由とは…なんですか…?」

エルフ姉「…………」

側近「教えてくださいエルフ姉…幼馴染でしょう?」

エルフ姉「……エルフ男…知ってるか…?」

側近「…ええ……エルフ姉の…大切な人…でしょう…?」

エルフ姉「…そいつが…D魔法使いと魔族契約して召喚されてやがったのさ」

側近「ええっ!!エルフ族って生涯を共にする相手と魔族契約するんじゃ…」

エルフ姉「多分何かあって強制的に契約させられたに違いない…」

エルフ姉「D魔法使いはBランク決勝で当たる…だからどうしても…ここは勝たせてもらう!!」キリキリ…


側近「そういう事でしたか…それなら勝ちを譲りましょう」

エルフ姉「…ああ!?」

側近「元々私はBランクのどこかで身を引くつもりでしたし」

側近「魔力が半分とはいえこうやって戦えて楽しかったです」

エルフ姉「…はぁー…なんっだよそれ……」


エルフ姉「……この借りは必ず返す…」

側近「ふふ、また昔みたいに遊びましょ?」

エルフ姉「……はっ、それは一方的な虐殺というんだぜ…」パアア

側近「思い出しました…その姿…昔の私ですね」

エルフ姉「…ああ…口調も似せた…」パチン

バラバラバラ…

初老戦士「あっと!結界が崩れていきます!」


エルフ姉「……」

側近「……」


初老戦士「やっと姿が見えたー!どっちも汚れています!どんな戦いが繰り広げられていたんでしょうか!!」

側近「…すいません、ギブアップです」

初老戦士「おおーーーっとぉ!!ここで側近、ギブアップだあああ!!」



妹友「やっぱりエルフ姉さんだったねー」

妹「……そだね」


初老戦士「次の対戦は!B魔法使い対妹!!両者準備お願いします!」

妹友「次妹だよ~」

妹「…そうだった」ガタッ




初老戦士「さて!それでは試合を…」

ザワッ!!
おっおいっあれ…!

妹友「うそだろ…」


王様「……」

武闘家(結局名前教えてもらえなかった…ま、この二人のどちらかって事だから)

武闘家(たぶん勝った方…いや、勝つ方だろうな)


王様だああ!王様が見に来てるぞぉおお!!
側近の武闘家も一緒だ!!


妹「…うそっ…どうして…私なんかの試合を…」

B魔法使い「お前勘違いしてるんじゃねーの?お前を見に来たんじゃなくて、俺を見に来たに決まってるだろ」

妹「…そう…だよね…」

B魔法使い(…挑発には乗らねーか)


初老戦士(…この試合にそれだけの価値があるというのか…?まあいい…)

初老戦士「それでは!試合開始!!」

俺一ヵ月以上も書いてるのか…びっくりした…


妹(うう…き、緊張するなぁ…)

B魔法使い「ところで水ってさ…高圧で飛ばすとそのへんの包丁より切れるんだぜ…」

妹(この試合で良い所見せられたら…勇者になれるんだろうか…)

妹(いや!勇者になるんじゃない!まず王様と話して魔界の事を知ってもらうんだ!)

B魔法使い「…聞いてんのか?」

妹「え?あっごめん聞いてなかった…」

B魔法使い「……」イラッ

B魔法使い「くらってみろぉおお!」ピシュウウウウ!!

妹「わっ!っとっ」

B魔法使い「はぁぁぁ!!」ザバアア

妹「くっ!足がとられて…」

初老戦士「おっと!大量の水を流して動けなくする戦法だ!」

妹「好都合…!今の実力を試すにはもってこい…!」

B魔法使い「おっりゃああ!!!」シャシャシャシャッ!!!

妹「ハッ!炎弾!」ドォン!

ジュッ

B魔法使い「…え…一瞬で蒸」

ドカァン!!!

…外!…ント!

B魔法使い「あ…が…くそ!」ザザッ

ボッボッボッ

B魔法使い「連続だと!?…上等!!はあああ!!」


シュウウ…


B魔法使い「…っどうだ!耐えきったぜ!」

初老戦士「そこまで!勝者妹!!」

B魔法使い「…はあああ!?」

妹「あなたが居る場所、確認することだね」

B魔法使い「…あっ!」

初老戦士「お主が攻撃を防いでいる間、場外だったからな…10カウントし終わったよ」

B魔法使い「…くっそーーーー!!!!」


妹友「おお!頭脳プレイだったねぇ!!」

妹「まーね、これでアピールできてるといいけど…」チラ

王様「……」

妹「そういえば妹友、試合は?」

妹友「あっ!急がないと」ダッ

妹「ちょっとちょっとー!」ダッ

初老戦士「次の試合は…B戦士対…」




初老戦士「D魔法使い!」




……

「勝者、兄!」

……

「勝者…村娘!」

……

「妹の勝利です!」

……

初老戦士「さあ!ここまで来たD魔法使い!!このまま連覇を狙えるのか!」

エルフ姉「さ…て…ついに来たか…!」ギロ

D魔法使い「なんか熱い視線を感じるなぁ…」

D魔法使い「ごめんね、僕は側近さん一筋なんだ」

エルフ姉「は、はあ!?」

D魔法使い「だから側近さんを倒したあなたを…全力で倒す!!」

エルフ姉「…こ、こんな奴に…!」



初老戦士「はじめ!」

エルフ姉(まずはエルフ男を引きずり出)

ボン!ボン!

D魔法使い「やっちまえ!」

ゴーレム「…」

エルフ男「…」

エルフ姉(…早速召喚してきたか!よし!)


エルフ男「…なっ!?」


エルフ姉(エルフ男…俺の魔力に気づいたか…?)

エルフ男(エ、エルフ姉!?どうして!?)

D魔法使い「どうした、はやくやれ」

エルフ男「くっ!」ヒュバッ!

エルフ姉「……」シャッシャッシャッ

エルフ男(!!あいつ魔力を変化させて文字を!…なるほど、エルフ族ならではの会話だな…)

ゴーレム「岩砲!」

エルフ男(…あいつならこっちの攻撃は当たらんな…会話に集中できる!)

エルフ男 “どうしてここに?”

エルフ姉 “それはこっちのセリフだ!何故そんな奴と魔族契約を!”

エルフ男 “強制魔族契約魔法だ”

エルフ姉 “なんだそれ…”

エルフ男 “どうやら相手の魔力の二倍あれば強制的に魔族契約することができるようだ”

エルフ姉 “…内容は?”

エルフ男 “コイツが死んだら俺も死ぬ…だ…”

エルフ姉「…」ピクッ

D魔法使い「今だあ!呪縛魔法!」バッ

エルフ姉「う!?」ガクッ

エルフ姉(しまった!会話に集中し過ぎた!)

エルフ男 “よけろ!!” ヒュン!

エルフ姉(しまっ…)


ドス

ちと寝る、起きたらまた書く



エルフ姉「う…」

初老戦士「おおっと!攻撃が当たってしまったぁー!」

初老戦士「D魔法使いは呪縛魔法、召喚獣?は攻撃と、役割分担する戦法だー!」

D魔法使い「はっはー…いいぞ!」

エルフ姉「こ…のぉ!!」バシュッ…

初老戦士「エルフ姉、矢を上空に向けて撃ちました!これは…何かの意図があるのでしょうか!」

D魔法使い「…どこに撃ってんの?」

エルフ男(あれは…!)

エルフ姉「……氷雨!」ザァァァ

D魔法使い「僕の真似かい…ゴーレム!!」

ゴーレム「無効水晶」バッ

ガガガガガガガガ!!!!

初老戦士「なっなんという密度!威力!リングが抉られていきます!」

ヒュバッ

D魔法使い「な!まだそんなスピード…」

エルフ姉「おらぁ!!!」

バキィッ!!

D魔法使い「ぐわっ!」

初老戦士「渾身の蹴りが決まったぁー!矢が肩に刺さっているのにまだ戦えてます!」

エルフ姉「おい!こいつらの契約を解除しろ!そうすれば命だけは助けてやる!」

D魔法使い「…あはは、変な事を言うねぇ?」ムクッ

エルフ姉「…なんだと…!」キリキリ

D魔法使い「…そもそも今3対1だってこと忘れてるんじゃない?」

ヒュンヒュンヒュン!!

エルフ姉「それがどうした!!」ヒュバッ

D魔法使い「っな!見ずに…!」


エルフ男(だろうな、エルフ姉は特有魔法を展開している…)

エルフ男(広域魔力探知…今のアイツはこの闘技場全ての魔力の位置、状態を把握している…)

D魔法使い(…契約を解除しろ…か…もしや…)ニヤ

エルフ姉「ハアアア!」バシュッバシュッバシュッ

D魔法使い「……」スッ

エルフ姉「な!?」

初老戦士「ああーーーっと!?D魔法使い、なんと無防備で近づいていくー!!」

エルフ姉「っち!!」クンッ

ヒュンヒュンヒュン!

初老戦士「な、なんとぉ!エルフ姉、矢を外しました!何が起こっているのでしょうか!!」

D魔法使い「…やっぱりねぇ」スタスタ

エルフ姉「……」

初老戦士「両者接近!会話が聞き取れませんが…何か話しているようです!」

D魔法使い「君とコイツ、知り合いでしょ」

エルフ姉「…いいや別に?お前なんぞに従うってのはかわいそうだと思ってよ」ギロッ

D魔法使い「ふふ、君が教えてくれなくてもさぁ…エルフ男」

エルフ男「ぐっ!…ああ…知り合いだ…」

エルフ姉「っ貴様…」

D魔法使い「あはははははは!!!僕が死ぬとこいつも死ぬっていう契約があったから!」

D魔法使い「さっき思わず矢を操作して避けたんだろう!?」

エルフ姉「…っ!」

D魔法使い「ねぇ、ギブアップしてよ」ボソ

エルフ姉「な…に」

D魔法使い「…エルフ男…動くなよ」チャキ

エルフ男「…くっ」

エルフ姉「やっやめろ!」

D魔法使い「どうしようかなあ…」グググ…

エルフ姉「わ…わかったから…」クルッ

初老戦士「なんでしょう!?エルフ姉が私の方へ走ってきます!」


エルフ姉「審判…ギ、ギブアップ…だ……」ギリ…

初老戦士「エルフ姉!なんとギブアップだーーー!!」

初老戦士「勝者D魔法使い!ついにAランクまで上り詰めましたあああああ!!」

D魔法使い「くっ…ふふふ!あっははははははははは!!!!」



エルフ姉「っく…う…う…うう!!」ポロポロ

側近「エルフ姉…」

エルフ姉「っち…きしょ…ちきしょう!!何もできなかった…!何…も…!」

側近「……」

エルフ姉「…っ誰だ!!」バッ



兄「おっと、驚かせてすまないな」


エルフ姉「…お前確か…妹の…」

兄「あんたが妹の話に出てきたエルフの人…だろ?妹が世話になった。…ありがとう」

エルフ姉「あ…ああ…」

側近「私が呼びました」

エルフ姉「…だが人間風情に何ができる……こんな時に冗談言うと…キレるぜ…」

側近「……」

パァン!

エルフ姉「…あ」

側近「…私は本気であなたを助けようとしています!幼馴染を…大切な親友を!」

エルフ姉「…側近……」

側近「だから…一人で抱え込まないで…頼ってください…」

エルフ姉「……わ…かった…わかったよ…」


エルフ姉「頼む…助けてくれ…!」

側近「承りました」ニコ


エルフ姉「しかし一体どうするってんだ?確かにコイツが私以上の魔力を持っているのはわかってる」

エルフ姉「けどあの契約は本人同士でないと解除できない…悪いが本当にコイツに任せていいのか…?」

側近「エルフ姉、私は今…魔王の側近をやっています」


エルフ姉「……今何て言った?」

側近「魔王の、側近をやっています」

エルフ姉「魔王の側近!?ってか魔王だと!?やっぱり新魔王が生まれたのは本当だったのか!」

側近「はい、今はその方にお仕えしています…」

エルフ姉「って…ことはつまり…流れ的に…」バッ


兄「…ああ。俺が新魔王だ」

エルフ姉「う、嘘…」

兄「嘘じゃないさ、ほれ」ズズズ…

エルフ姉「…それは魔王の紋章…!!!」

エルフ姉「し、失礼しました!いえ、してました!?あぁああの、今までの無礼をお許しください!」バッ!

側近「パニクってますね」

兄「ああ大丈夫だよ…言ったろ、助けてくれって…助けに来たんだぜ」

エルフ姉「あ…りが…と……ございます……」

兄「いいから土下座なんてやめろって。君も協力してもらうんだから」

エルフ姉「…え?私はもう負けて…」

兄「そうだ、“村娘”は負けた…だが、“エルフ姉”は負けてない!」

エルフ姉「…ま…さか…」

兄「ああ。奴と同様…君を召喚して戦う…君が必要だ、エルフ姉」

エルフ姉「…は、はい!」

兄「今から作戦を言う。よく聞いてくれ…」


……

「勝者!妹!」



妹「やっったああああ!ついにAランクだああ!!」

妹友「妹ー!!どうだーー!?」タタタ

妹「勝ったよ!!ついにAランクだよ!!そっちどうだった!?」

妹友「…ぶい!!」ピース

妹・妹友「「…いえーーーい!!」」

妹(魔界式魔法でここまで強くなれるなんて!エルフ姉さんに感謝だなっ!!)

妹(そういえばエルフ姉さん勝ったかなぁ!?)



妹「村娘さーーん!」

エルフ姉「…よう」

妹「おかげでAランクまでいけました!そちらはどうですか!?」

エルフ姉「…負けたよ」

妹「…え!?」

妹友「うそん」

エルフ姉「油断大敵ってやつだ……すまんが一人にさせてくれるか?」

妹「あ…はい、すみません」

妹友「村娘さんが負けるって…」

エルフ姉「…」

妹「あっお兄ちゃん!」

兄「よ!どうだ調子は?」

妹・妹友「「絶好調!」」

兄「おお!お前らもAランクいったか!」

妹「お前らもってことは…」

兄「ああ、俺もAランクだ」

妹「やっぱり強かったんだね」

兄「おう」



エルフ姉(…魔王様に呼ばれるまで元の姿で隠れてないとな…)

エルフ姉(…あ…そういえば妹……お前の兄ちゃん…魔王だってよ……)

ドン

賢者「あら申し訳ありません、大丈夫ですか?」

エルフ姉「…ええ、こちらこそすみませんでし…た?」

賢者「…本当に大丈夫ですか?」

エルフ姉「…はい、大丈夫です…では」スタスタスタ

賢者「……?」


エルフ姉(あいつ…魔力小さすぎだろ…俺が人とぶつかるなんて…)

エルフ姉(…しかしあの魔力の色…どっかで見たな…ま、いいか)


……

妹「うわー、A闘技場2つしか無いのに試合時間被っちゃった…」

兄「まあそういうなって」

兄(よかった、エルフ姉を召喚した所見られたら厄介なことになるからな…)

兄「…さ、次はSランク目指して…頑張れよ!」

妹「…お兄ちゃんもね!っじゃ!」タタッ

兄「ああ!……さて…」




兄「いよいよだな…!」


……


魔法戦士「さあ!Aランクからは!王様の側近である魔法戦士が直に審判と実況させてもらうぜ!よろしくな!」

ワアアアーーー!
キャーーー!

魔法戦士「今回の組み合わせは!驚く事なかれ!FランクとDランクだあああ!!!」

魔法戦士「さあ登場して頂きましょう!ゴーレムとエルフを使役するDランクの召喚士!D魔法使い!!」

D魔法使い「召喚士じゃねぇよ…」ボソ

魔法戦士「対するは相手の召喚獣を寝返らせるという離れ業を見せてくれました!」

魔法戦士「同じく召喚士!兄!!」

兄「召喚士じゃねえって」ボソ

魔法戦士「さあ!注目の試合!はじめぇぇぇええ!!!」


D魔法使い「ふふ、君は相手の召喚獣を奪う方法を知ってるみたいだけど…」

D魔法使い「僕はそうはいかな」

兄「知ってるからさっさとかかってこい」

D魔法使い「強がっちゃって…ハッ!」ザアアアア…


魔法戦士「おっと!まずは得意な氷柱雨だあ!」


兄「…確か召喚させるには…魔法ばっかつかえば…」ヒュォオオオ!!!

バラバラバラ

C風使い「あの人…僕の風より強い風魔法を…!す、すげー」

D魔法使い「…ふん、対策済みってわけか」


兄「3連炎弾」ドン

D魔法使い「…そんなもので」ヒョイ

兄「10連炎弾」

D魔法使い「…む」ババッ

兄「100連炎弾!!」


魔法戦士「おおっとこの流れは!昨日のD魔法使いが見せた戦法だああああ!!」


D魔法使い「氷壁!!!」ゴゴゴ

ドカン!ドカンドカン!!

D魔法使い「…まてよ…ならこの後…!!」

兄「……火山弾!!!」ゴオオオオ…


ドドドドドドォォォォオオン!!!



D魔法使い「…だからー…効かないって」

ゴーレム「……」

エルフ男「……また…か…」


魔法戦士「でたあああ!!!魔法を無効化する水晶を持ったゴーレムとぉ!!」

魔法戦士「容赦ない遠距離攻撃!!エルフだあああああ!!!」



兄「ふぅ…待ってたぜ!!!!」


D魔法使い「やっちまえええ!!」


兄「ハッ!!」ドドン!

エルフ男「ぐわっ!」

ゴーレム「…」バシュッ


魔法戦士「おおっと今のは…まさかの遠当て!?挑発でしょうか!」


D魔法使い「…なめやがって…」


兄「さあ…出番だ!!召…喚!!!!!」

ボン!!!


魔法戦士「出たー!!!あの猫娘!また俊敏な動きを魅せ…え?猫娘じゃない!?」




エルフ姉 “よう、また会ったな”


エルフ男「…な…なに!!??」


魔法戦士「ああーーっとぉおお!なんと!兄もエルフを持っていたあああ!!!」

魔法戦士「これは面白い展開になってきたああ!」


エルフ男 “何で…まさか魔族契約!?”

エルフ姉 “よく見ろ、口寄せだ…”

エルフ姉 “…エルフ男…助けに来たぜ!”


D魔法使い「か、関係ねぇ…おい!あいつの魔力は!?エルフ男!」

エルフ男「…残念ながら契約で強くなってる俺の魔力の…10倍だ」

D魔法使い「なん…だと…」

シャッ!

エルフ姉「そういう事だ」

D魔法使い「っ!」

ドカァン!!

エルフ男「あ…」

エルフ姉「大丈夫だエルフ男…あいつを殺さずにお前を取り戻す方法があるんだ」

エルフ姉「心置きなく全力で動ける!!」

エルフ男「ほ、本当か!!」

D魔法使い「く…そ…ゆるさねぇ!!!超!氷柱砲!!」ドォオン!

D魔法使い「ハッハァ!そいつらなんぞに頼らなくたって!俺は十分強…」

バキィッ!!!

兄「……」

D魔法使い「……な…素手で…」

兄「…」キィィィ…

D魔法使い「くっ!ゴーレム守れ!」

ダダッ

ゴーレム「水晶」バッ

兄「ハッ」ドォン!

バシュウ!!

D魔法使い「…はっ魔法は…効か」

バッ!

兄「すまないゴーレム、少し我慢してくれ!!」ググッ…

D魔法使い「…目くらましかっ!!だがっゴーレム相手に…」



兄「ッハアアアアア!!!」


ガッシャアアアアアン!!!


魔法戦士「なな、なんと!!!!あの水晶を素手で叩き割ったーーーー!!!!」


D魔法使い「な…な…な…エルフ男!今だやれえ!」

エルフ姉「そうはいかねぇ」ガシッ

エルフ男「おお…」

兄「…」ヒュッ

ガシッ





兄「魔王の名において命じる…契約を…破棄せよ!!」



キィィィイイン!!

バチバチバチバチ!!

エルフ男「うっ…があああああああ!!!!」

兄(魔王の書に書いてあった…魔王は…魔王だけが…)

兄(契約内容のわかっている他者の契約を!強制的に破棄させることができる!)




バシュウゥ!!


エルフ男「はっ…はっ…」

エルフ姉「…どうだ?」

エルフ男「…やった…」



エルフ男「か、解放されたあああああ!!!!」


魔法戦士「なっなんと!!!やはり奪い取ったあああ!!!!」



D魔法使い「ば…バカな!!!!」


兄「さて…お前一人になったわけだが…どうする?」

D魔法使い「なっなめるな!まだゴーレムが!」

ゴーレム「俺は…口寄せ契約だ…」

D魔法使い「おっ…おいっ…」

ゴーレム「エルフ男が…解放された以上…」

ゴーレム「お前と契約する必要も無くなった!」キィン!


D魔法使い「あっ!?く…くそ…い、いや…俺一人で十分…やれるんだああ!!」



エルフ男「……特有魔法発動!!!」


D魔法使い「と、特有魔法だと…」

エルフ男「俺の特有魔法は…対象のスペックを30秒間完全コピーする!」

D魔法使い「コピー…ま…さか!」

エルフ男「久しぶりだな、こうするのは」

エルフ姉「ああ…確か手を触れて…」

エルフ男「覚えててくれたか」

エルフ姉「もちろん…」


エルフ男・エルフ姉「「トレース!!!」」


カッ!!!



D魔法使い「うっ!!」


エルフ男「さて、魔王様…任せてくれますよね?」

兄「もちろん。気が済むまで…ああ、できるだけ殺しはしないでくれ」

エルフ姉「おうよ…あいつには…」

エルフ男・エルフ姉「「苦しんでもらう」」シュバッ!!


D魔法使い「っひ…ギッギブ」

エルフ男「させねぇなあ!!」バキィ!!

D魔法使い「があっ!!」ヒュン

エルフ姉「オーライ!」

ダダダダダダ!!!

D魔法使い「あああああああああ!!」

エルフ男「昇竜脚!!」ドカアッ!!

D魔法使い「ぐわっ!」」ビューン…



シュタッ!

エルフ姉「エルフ男」

エルフ男「…ああ」


D魔法使い「ぁ…ぅ…く…そ!!」ヒュウウ…


エルフ男・エルフ姉「「ッハアアアアアアアア!!!」」




エルフ男・エルフ姉「「双・波動砲!!!」」


D魔法使い「…あ……」ズアアア


ッドオオオオオオオン!!!!



兄「…こ、殺さないでおくれよぅ?」



魔法戦士「…すさまじいコンボ…でした!はたしてD魔法使いの安否は…!?」


モクモクモク…

D魔法使い「う…う…」ガクッ


魔法戦士「…そこまで!!勝者!兄!!!!」

ウオオオオーー!!!!!


兄「ひやひやしたぜ…」

エルフ男「大丈夫です、アレで威力は半分も出てませんから」

兄「わ…わお」

一段落、ここまでっす。また明日~

おはよう


王様「素晴らしい!!」パチパチパチ


王様が褒めてくださってるぞぉー!
もう勇者決まったも同然じゃないか…?


王様「決まりじゃ」

賢者「…はい」



賢者「あとは頼んだ」

魔法戦士「お…そろそろか」

賢者「ああ、そっちも準備してね」グイッ

魔法戦士「おっけ」

D魔法使い「…う…」

賢者「ボロボロだねぇ……もうすぐ楽になるから安心しなよ」

スタスタスタ………

……


妹「高密炎弾!!ハアッ!!」ドオン!!

Aモブ「高圧水流弾!!」ババッ!


ドオオオオオン!!


妹「やるね」

Aモブ「そっちこそ」


妹「でも、私の勝ちだよ…今のが全力だったんでしょ?」

Aモブ「…なに」

妹「ふふ…超!高密炎弾!!!!」キィィィイイン

Aモブ「バカな!!」

妹「くらええええ!!」

Aモブ「わああ!ギブアップ!」

妹「…よっし」シュウウウ

Aモブ「助かった…」

武闘家「あー、勝者妹ー。」

妹「っよーし!!あとちょっとでお兄ちゃんと…!」



ザザッ

賢者『~~~』

武闘家「…りょーかい」




武闘家「君、王様との謁見が許された。ついてこい」




妹「…え?」



今…なんて…?
王様と謁見とかなんとか…
まじかよ…てことは…
勇者の誕生!?


妹「ちょ、ちょっとまってください!トーナメントはまだ途中なんじゃ!」

武闘家「うっせーな、王様の命令なんだよ!それより何か?せっかくのチャンスを不意にするのか?」

妹「いっ…いえ!行きます!!」


オオオオーー!!


紅竜「…面白そう」ガタッ




エルフ姉「はー…良かった…さすが魔王様だなぁ…」

ドン

エルフ姉「あてっ!」

紅竜「ごめんなさい!」タタッ…

エルフ姉「まーたぶつかった…だからなんで魔力が…ん?」

エルフ姉「あの色…また…」




エルフ男「まさか魔王様がこんな所にいらっしゃるとは」

兄「ちょっと王様に説教しにな!あ、ここでは魔王ってこと伏せてくれよ?」

エルフ男「もちろんですよ!」

エルフ姉「…おーい」

エルフ男「お、エルフ姉…ブフッ!!なにその」

エルフ姉「よいしょ」ガシッ

エルフ男「あぎゃあああ!!ゴメン!ちょ!まて!死ぬ!」ギリギリ

兄「ははは!!あ、紅友ー!友の調子どうだ?」

紅友「あ、兄さん!大分良くなってって…すごい…豪華ですね…」

エルフ姉「豪華か?」

エルフ男「お前っ後ろ!見ろ!」

エルフ姉「ん?……あー」

ゴーレム「…む?」

エルフ姉「…確かに目立つな…」

兄「…気にしないでくれ」

紅友「は…はぁ…」



紅友「そういえば兄さん、紅竜ちゃん知りませんか?」

兄「…うーん、妹の試合の観戦しに行ってるんじゃないか?」

エルフ姉「…おい、今なんつった」

兄「俺?」

エルフ姉「違います!そっち!」

紅友「…え、私?紅竜ちゃん知りませんかって」


エルフ姉「………紅竜!?」


紅友「紅竜ちゃん知ってるん…まって、知ってるって事は…」

エルフ姉「なるほど…だから気配…魔力が…」

紅友「まさかあなた…」

エルフ姉「……まてよ…なら…」ブツブツ


妹ちゃんすげーな…王様と謁見だなんて…
だなー、戦いもすごかったし…


兄「な!?ちょ、ちょっと!その話詳しく聞かせてくれ!」

「ん?ああ!…さっきA闘技場で妹ちゃんが王様に謁見できるってさ!」
「すげーよな!まだAランクなのに…称号もらえんのかな!」

兄「妹が…もう!?王様に認められたって事か…まじか…」

エルフ姉「なん…だと…」

兄「エルフ姉?」




エルフ姉「だとしたら…やばい!!!!」ドン!

兄「あっおい!?」

紅友「……」


友「兄…」ムクッ

兄「あ、友…体調はどうだ?」

友「兄…よく聞け…いいか…」


ー王宮ー


武闘家「……」スタスタスタ

妹「……」スタスタスタ

武闘家「入れ」ギィィ…

妹(うわ、緊張するなぁ!)


妹「…あ、お目にかかる事ができて光栄です…」

王様「ゴホッ…こんにちはお嬢さん。そなたの戦績を称え、称号を与えよう」

妹「…はい!!」

妹(トーナメント済んでないけど…ううん!魔界の事情を知ってもらうんだ!これで)


妹「あの!王様は魔界について」

王様「その前に見ておくれお嬢さん。年老い、病にかかり、ボロボロになったこの姿を」

妹「あ…心中、お察し致します…」


王様「これというのも…」


―――

友「気をつけろ兄…王様の言葉は嘘だらけだ!!」

兄「は、はあ!?」

友「あんな気持ち悪い嘘は初めてだ…色で例えると真っ黒みたいな…」

友「それで気分が悪くなったんだ…」

兄「それって…どういう…」

―――



王様「3年前勇者と相打ち、ボロボロになった我は人間なぞに魂を預け延命するしかなかったせいだ!!」



妹「…え?」



王様「しかしそれももう終わりだ。我の魔力に一致する器を手に入れた」

妹「ちょっ…と何を仰っているのか……!」

王様「小娘、お前には贄となってもらう!!」

魔法戦士「動くな」チャキ

妹「!!!!」


賢者「王様、用意が出来ました」ギギィ…


妹「そんな所に扉が…」

魔法戦士「歩け」

妹「…くっ」

妹(なに!?なんなの!?何が起こってるの!?)



妹「な…にこれ…」




D魔法使い「や…やめろぉ!!っこれを外せぇ!!!」ガチャガチャ

賢者「王様…あとは転生を済ませるだけです」キィン

D魔法使い「なっなんだ…なんの魔法陣だこれは!!僕に何するんだ!!!」


妹「王様!?転生!?」



王様「…D魔法使い…適合者よ…我にその体を献上せよ!」バッ



王様「転生魔法発動!!魂を!!入れ替えよ!!!!」



D魔法使い「うわあああああああああ!!!!!」


カァァァッ!!!!


妹「っ…!!」





王様「うっ…体が…重い…なんだこの体!?」


D魔法使い「クッ…フフ…フッハハハハハハハハハハハ!!!!」


王様「なんっ…で僕がそこに居るんだ!?」


妹「!!」ゾクッ


D魔法使い「フンッ」

バキッ!バキッ!

賢者「王様、いかがですか」

D魔法使い「ふぅ~~清々しいな…元々コレが我の体だったようだ…よくやった」

賢者「はっ…ありがとうございます」

D魔法使い「それと…もう王様などではない!」

賢者「承知致しました」

魔法戦士「ああ、了解した」




賢者・魔法戦士「「魔王様」」



妹「う…あ…うわああああ!!」ダッ

魔法戦士「魔王様!」


魔王「…舐めるなよ小娘!!」ズアッ!


妹「!!!」ビタッ!

妹(こっ…この感じ…エルフ姉さんが毒蟲を追い払う時にやった…!!)



魔王「……」ギロッ!!



妹(魔力が…違い過ぎる……!)

妹「あっ…あう…」ガクガクガク

バタッ…ジワァ…

妹「…はあっ…はあっ…」


魔王「ふん…雑魚が」


賢者「あらあら、おもらしなんかしちゃって…怖かったねぇ~」



武闘家「…賢者…お前俺に嘘ついてたのか」

賢者「…ええそうよ、この方は魔王。復活の為の器を探していただけよ」

武闘家「…適合者って…勇者の剣とかいう話は…!」

賢者「作り話に決まってるわ、勇者の剣は魔王様が粉々に砕いたし」

武闘家「……魔法戦士は…」

賢者「魔法戦士も魔族。側近で人間なのはあなただけ」

賢者「もうあなたを生かす必要もない…恐れ入った?」

武闘家「…ああ…恐れ入った…恐れ入ったぜ!!すげえ!魔王だったとは!!」


魔王「ほう?」


武闘家「なあ!俺も仲間に入れてくれよ!!何でもする!!」

魔法戦士「どうします?」

魔王「…いいだろう…流石、我の見込んだ人間だ…」

武闘家「っひゃっはーーーー!!!!サイッコーだぜ!!」






紅竜「そこまでだよ!!」バタン!!


妹「紅竜ちゃん!?」

紅竜「あんたらの悪事!しかと見届けた!!」




賢者「あらあら誰かと思えば紅竜じゃない、久しぶりね」



―――

タタタタタ…

エルフ姉(紅竜で思い出した…ドラゴンは気配…つまり感じる魔力を抑えることができる!)

エルフ姉(だから俺の目には魔力が少なく見えた!!そして!!)

エルフ姉(ドラゴンの魔力の色は!銀!!)


エルフ姉(あの賢者!!!あいつは…ドラゴンだ!!!)

ダァン!!!

―――


妹「紅竜ちゃん!来ちゃダメ!逃げて!!!」


紅竜「だいじょーぶ!私っ…強いから!!」ドン!!


妹「わっ!」


賢者「魔王様、ここは私が」

魔王「ふむ」


バシュウ!


紅竜「むっ」


賢者「紅竜、私の事覚えてないの?残念だな…」

賢者「あれだけドラゴンの里でいじめてあげたのに!」ドン!


紅竜「水流弾!?炎盾!!」バシュッ

ドォン!!

紅竜「あうっ!!!」

賢者「アッハハハハハ!!火竜が水竜に勝てるわけないでしょお!?」


紅竜「まさか…」

賢者「そう!!…私は魔王様にお仕えする四天王の一人、蒼竜!!」

魔法戦士「同じく四天王の一人、邪鬼!!」

武闘家「四天王なのに二人なのか」

邪鬼「一人は勇者との戦いで死んだからな…ま、弱かったしどうでもいいよ」

蒼竜「もう一人は…そうね、張りぼて魔王の側近でもやってるんじゃないかしら」

邪鬼「まぁ俺らとは馬が合わなかったからそいつもどうでもいい」

蒼竜「そうね、人間と仲良くしたいだの、魔族と人間の共存をだの…うるさかったわね」


邪鬼「さて…このゴミどうする?」

D魔法使い「ひっ!?」

魔王「殺せ」

邪鬼「あいよ」

妹「やっやめっ!!」ガクガク

武闘家「はっ!おもしれー!」

紅竜「っこのぉおおお!」

蒼竜「おっとあんたの相手は私だよん」ドカン!

紅竜「うわっ!!…あっ…」

蒼竜「ばいばーい」ズドン!!

紅竜「蒼竜ーーー!!!」ヒュウウウウ…

妹「紅竜ちゃん!!」



邪鬼「……俺ってさ、鬼のくせに刃物が好きなんだよな~」スラッ

D魔法使い「やっ…やめっ…」


ザクッ


D魔法使い「がっ……………」



妹「あ…あ……おええええええ!!!」ビチャビチャ


蒼竜「ちょっとさっきから酷いんだけどこの子」

邪鬼「もうずらかろうぜ」

魔王「そうだな…その前に…蒼竜」

蒼竜「はい魔王様」スゥッ


蒼竜「っきゃああああー!誰か来てーー!!王様がーー!!」


なんだ?悲鳴?
王室からだ!行くぞ!


武闘家「ひでぇ棒読み」

蒼竜「うっさいわね…」

魔王「そういえば小娘、称号が欲しいのであったな?」

妹「!!」





魔王「……王殺しの称号、授けたぞ」



シュンッ


妹「………………………」


……バタバタ

兵士1「王様!どうかされました…うわああああ!!!」

兵士2「おいどうした…お、王様が!!」

兵士1「お、王殺しだあああ!」


なんだって!もっと兵を集めろぉおお!!


妹「ちょ、ちょっと待って!私じゃ…!」

兵士2「近づくな!貴様が王様を殺したのはわかっている!罰を受けよ!」

妹「そ…そんな…私じゃ…ない…」

兵士1「呪縛魔法!」

妹「あっ!!!」

兵士2「もっと重ねろぉお!呪縛魔法!!」

ズン!ズン!

妹「う…あ…重い…うご…けな…」

兵士2「観念しろ賊め!!」

妹「……誰…か…たす…け…」


ッドカアアアアアアン!!!


兵士達「「「うわああ!!」」」

兵士1「くっひるむな!賊が逃げるぞ!」

兵士2「でっでもアレ見ろよ………」

兵士1「…なっ!!」


バサッバサッ

紅竜「妹ちゃん!!」


兵士達「「「ドラゴンだああああ!!」」」


エルフ姉「サンキュー紅竜!!」バッ


兵士1「ひるむな!ひるむなああ!!」

シュバッ

エルフ姉「いーや、ひるんでくれないと困る」バキッ

兵士1「ぐわっ!」

シャシャシャッ!!

「ぐはあっ!」「がっ!」「いでっ!」


妹「あ…呪縛魔法が…」

エルフ姉「妹!!」バッ

妹「エルフ姉さん!!」ガシッ

エルフ姉「すまん、遅れた」

妹「うう…ううううっ…」ガクガク


エルフ姉「……捕まっててくれ…」バッ

シュタッ

エルフ姉「紅竜、いいぞ!」

紅竜「おっけー!」

バギュン!!




兵士達「「「…………」」」

兵士2「た、大変な事が起こった…」


兵士1「…指名手配だ!!ドラゴンとエルフを使役する妹を永久追放!!王殺しの犯人とする!」

兵士1「見つけ次第殺せ!!今後妹は魔物として処理する!!」

兵士達「「「はっ!!!」」」

兵士1「妹に関係のある人物も拘束せよ!抵抗するなら殺してもかまわん!」

兵士1「称号持ちを呼べ!!」

書き溜めが尽きたのでまた考えます。
ちょっち時間かかると思うのでこのまま今日は終わるかもです

吉幾三


ジロジロ…


側近「何かすごく見られてる感じがするのですが」

兄「……なんだ…この雰囲気は…」

ゾロゾロ

紅友「え…何この人達…」

エルフ男「…まお…兄さん、こいつら戦闘態勢に入ってるぞ…」

兄「…皆手を出すなよ」

S魔法使い「やあこんにちは、兄君…でしたよね?」

兄「…そうだが?」

S魔法使い「残念だよ、どうせなら闘技場できちんと戦いたかった」

兄「…何を言ってる」

とぼけんな魔物が!

紅友「は、はい!?」

エルフ男「まあ俺は魔物だが」

S魔法使い「まさか君が魔物だったとは…人間界に何をしにきたんだい?」

兄「わけのわかんねー事言ってんじゃねぇ!!」

S武闘家「とぼけんな!てめーの妹が王を殺したっつー事実があんだよ!!」

兄・側近・友・紅友「「「「!!??」」」」

兄「妹が…王様を殺した…!?…はは、どんな冗談だよ…」

友「兄…」

兄「友は黙ってろ」

S武闘家「あーあ、俺さ妹ちゃんの事好きでよぉ…ファンだったのによぉ…」

S武闘家「妹ちゃんが王様に呼ばれ、称号をもらえるって聞いた時には泣いてよろこんだのによぉ!!」

S武闘家「まさか魔物だったとはなぁ!!!!」

兄「う、嘘ばっか言ってんじゃねえ!!!」

友「兄!!そいつらは嘘は!」

兄「黙ってろって言ったろ!!!」

友「……兄…」

兄「……頼むから……黙っててくれよ…」


ー魔界ー


魔王「…む、魔王城に飛んだつもりだったが…どこだここは」

蒼竜「どうやらマーキングが外されているようですね、魔界なのは確かですが」

武闘家「ここが魔界か…いいねぇいいねぇ!」

オーガ「グオオオオ!!」バッ

邪鬼「ほっ」グチャァ!

蒼竜「…オーガの森のようです」

魔王「ふーむ…とりあえず魔王の紋章でも取り戻すか」バッ

魔王「魔法陣展開」ズアアアア

魔王「ハアッ!!」



武闘家「何も起こらねぇぞ?」

魔王「ふむ、既に魔王が居るみたいじゃの」

蒼竜「…では」

魔王「ああ、現魔王を殺して我の城へと戻る」

蒼竜「たしか今の時期魔王城は…」

魔王「……ゆっくり向かえばよい、散歩するのも久方ぶりじゃしの」

蒼竜「かしこまりました」

魔王「そうそう、例の仕掛けはちゃんと作動しておるか?」

蒼竜「ええ、もちろんですわ」

武闘家「例の仕掛けってなんだ?」


蒼竜「学校には…魔王様の敵、勇者の卵がたくさんいます」

武闘家「…まさか」

蒼竜「ええ、魔王様がそんなものを生かしておくわけがありません」

武闘家「…さすが…魔王様だねぇ…」

……

エルフ男(…ん?)


S魔法使い「妹と関係のある者全て拘束する、抵抗すれば殺してよしとの事です」

S魔法使い「おとなしく捕まってください。私含めこの人達は全てSランクと称号持ちの方です」


側近(どうしますか)

兄(どうもこうも…まずちゃんとした事実を知りたい…)

兄(紅竜やエルフ姉、そして妹を探しに行かないと…)

兄(今捕まるわけにはいかない…!)


S武闘家「何ごちゃごちゃ話してんだ!さっさと」


エルフ男「おい!!お前らここから逃げろ!!」

兄「おい何を…はっ!?よけろぉおおおおお!!」


S武闘家「ははっ狂ったか!?なぁ、もう痛めつけて拘束し」ドカァン!!!


ビチャ


S魔法使い「……はっ?」


エルフ男「…そらみたことか…っ」

側近「!!」

兄「うっ!」

紅友「なっ何…今」

友「見るな!!!」バッ


S魔法使い「う…うわあああああ!!!」


エルフ男「超高等魔法…メテオだ…こいつは魔法障壁でも防げないぜ…」

エルフ男「お前ら!死にたくなかったら避けるんだ!」

兄「なんなんだ次から次へと!」


ヒュンヒュンヒュン!!!


S魔法使い「ひいい!!テレポート!!!」シュッ

兄「よし!」

S魔法使い「こ、ここまでくれば…」

エルフ男「……まだだ!!!」


クンッ!


兄「なに!?」

S魔法使い「…えっ」


ドカァン!!


エルフ男「…ホーミングまでついてやがる…!!」

ドカン!ドカン!

うわああああーーーー!!


エルフ男「おそらく一人一人にマーキングがついてる…しかも複雑な魔法だ…簡単には解除できねぇ!」

友「な、なぁ…なんで俺たちは狙われないんだ?」

エルフ男「…わからねぇ…」



「それは儂の授業に参加していたからじゃよ」



エルフ男「誰だ!」

友「あっ…ジジ…老魔法使い先生!」

老魔法使い「お主らがメテオの対象になってないのは儂が授業と称して解除魔法を延々とかけ続けていたからなのじゃ」

老魔法使い「この学校が3年前からおかしな事をしているのは気づいておった」

老魔法使い「しかしあまり派手に動くと気づかれて消される可能性があった」

老魔法使い「じゃから授業中に解除魔法をかけるしか無かったのじゃ…」

兄「なるほど…だからDEFランクの奴らは狙われてないのか…」

側近「メテオにホーミング…一体どれだけの時間と魔法陣をかければ…っ!?」

老魔法使い「友、お前には姉が居たろう…助けにいきなさい」

友「…いかねぇよ…なんで俺があんな奴!!つーか防げねぇんだろ!?無理だろうが!」


老魔法使い「大丈夫じゃ、お主には対ホーミング魔法をかけてある」



友「っはあ!?いつのまにそんなもん…」

老魔法使い「その魔法をかけるのに1時間かかったからのう…骨が折れたわい」

友「…あの…詠唱がそうだったのか…」

老魔法使い「そうじゃ、一回目が対ホーミング魔法」

老魔法使い「二回目が付与魔法じゃ」

兄「付与魔法?」

老魔法使い「そうじゃ。友が対象にある事をすると、そいつにも同じ効果が得られるようになるのじゃ」

兄「…すげえな」

老魔法使い「10分間だけじゃがの」

兄「…友」

友「なんだよ…行かねえからな…」

紅友「友さん…あの人は確かに非道い人です…けど、家族なら…守るべきだと…思います」

友「っ…わ、わかったよ行けばいいんだろ行けば!」

老魔法使い「よろしい」

友「っそれで!何すりゃいいんだよ!?」




老魔法使い「キスじゃ」




友「はいはいキスねキス…あ?」

紅友「え?」

兄「ぶっ!」


友「っはああああああ!!??」

紅友「ええええええええええ!!!!」



老魔法使い「ふむ?ちゅーと言えばよかったかの?」

紅友「ちょっと待ってくださいなんですかそれっ!」

兄「こ…この非常時に…」

友「キ、キ、キ…キスだと…」


ヒュン!

エルフ男「…おい!お前と似た魔力のマーキングがついたメテオが!」

友「くっくそぉ!!!」ダッ


紅友「あっ…うう…先生ぇ~~~!!!」

老魔法使い「…なんじゃい」

紅友「なっなんでもない…です…!うう…」


……

ドォン!

A戦士「あがっ…」

友姉「A戦士!」

ドカァン!

A魔法使い「ぐぁ……」

友姉「A魔法使い!!」

友姉「なっなんやねんこれっ!」

ヒュウウウ…

友姉「き、きたっ!!」ダッ

ゴォォォォ…

友姉「っはあっ!!」バッ

クンッ!

友姉「…しつこいで!!!」ババッ!

ヒュッヒュッ!

友姉「く…くそぉ……し、死にたないぃ…」グス


タタタタ…


友「ね…姉ちゃん!」



友姉「なっ友!!??なにしに来たんや!邪魔すんな雑魚!!」


友「っ…俺は!!」ダッ!



友「あんたを!!助けにきた!!!」ガシッ

ドサッ!

友姉「なにすっんぅ!!!」


ヒュゥゥ……


友「…………」

友姉「……………」


ヒュン…ヒュン…


友「っはぁっ!…よ、よし…行き場を見失ってる…」

友姉「………ぁ…っ…」


友「…ほら、もう襲われる事は無いぞ…」

友姉「………あんたに襲われてるやん……」

友「………ごめんこうするしか……た、立てるか…?」スッ

友姉「………」スッ

友「……よっ…」グイッ

友姉「……」

友「…いこう、行き場を見失ったとはいえまだメテオはあるから」

友姉「…うん」


…ヒュゥゥゥ


友姉「っ危ない!!」グイッ!

友「わっ!」

ドカァン!!!

友「あ、あぶねぇ……って」

友姉「~~!」ギュウウウ

友「姉ちゃん…もう大丈夫…だ…けど…」


友姉「…!」スッ

友「…手は離さないのか?」

友姉「……いいから行けよ」

友「ああ…」

眠くなってきた…また明日

3時まで頑張る




妹友「…はぁっ!」


妹友「ふっ!」


妹友「エルフ姉さんとの修行が効いたかな…はっ!」


妹友「でもっ…時間の問題かもっ…」


妹友「そろそろ…体力の限界…あぶなっ!」ヒュン!


妹友「はぁっ…や、やばいなぁ……!!」


うう…足がぁ…痛いよぉ…


妹友「…………なるほどね…そうするしか…ないか…」スッ

ヒュゥゥゥ…

妹友「おっ…落ち着けぇ…」

ゴォォオオオオオオ!

妹友「はぁっ…はぁっ…はぁっ!…今だ!!」バッ!


ドカァン!!!


妹友「~~~うぐあああぁぁああっ!!!」バタバタ

妹友「ぐぅぅううううう!!う…う…でっでも……これでっ…」




妹友「腕一本で済んだ………」




妹友「んしょっ…止血できたかな…?」ギュッ

妹友「妹…兄さん…エルフ姉さん…皆…無事かなぁ……」トボトボ


……


エルフ男「あ、帰ってきた。二人とも無事みたいだぜ」

紅友「ホントですか!よかったぁ…ん?」

兄「あ、戻ってきた…ぉお?」


友・友姉「「………」」


紅友「ちょっ…とぉ?」

友「ただいま」

友姉「……」

紅友「ず、ずいぶん仲良くなったね…?」

友姉「…あの…」ボソ

紅友「なっなんですか」

友姉「悪かったな…雑魚いうて」

友・紅友「「えっ?」」

友姉「その…雑魚って言ってごめんなさい!」バッ

友・紅友「「ええええっ!?」」

友姉「友も…今までごめん…許してや…」

友「……」

友姉「許してください……」

紅友「…変わったんですね…」ニコ

友「…いいよもう…顔あげてよ」

友姉「ほんとか?」バッ

友「~~!」

友(うっ!なんだこれ!いかんいかん姉だぞ姉!)

紅友「…」イラッ

友「うん、もういいって。そのかわり、弱い人を見下すのはもうやめろな」

友姉「うん!」ギュッ

友「うお!?」

友姉「かっこよかったで!友♪」

紅友「友姉さん?なんなのかなーその腕組みは…?」イライラ

友「そそ、そうだぞ。姉弟なんだから」

友姉「ええやんけ、減るもんやないしぃ」ギュゥ

紅友「…こ、この人やっぱり嫌い!!」

兄「すごい勢いでデレたな…」


妹友「あー!兄さーん!側近さーん!」タタタ

兄「あ!!妹友ちゃん!無事だったか!」

妹友「いえあんまり?ほら」

兄「うわっ!腕が…」

妹友「いや~死ぬかと思いましたけど、なんとか腕一本で済みました!」

側近「笑ってる場合じゃないですよねそれ…」

妹友「生きてればなんとかなりますから!」

兄「超ポジティブ…」

妹友「皆さん無事なん……あの、妹は!?…エルフ姉さんは!?」

兄「多分生きてる」

妹友「どうして…そんなことがわかるんです?」

兄「実はな……」

……

兄「というわけで学校には居ないから大丈夫だよ…多分」

妹友「妹が…そんなっ…」

兄「妹友ちゃんも、多分…どこへ行っても追われる事になる」

兄「だからこのメンバーは…逃げなくちゃならないんだ…」


ヒュウウ…

エルフ姉「さて、どうするかね…」

紅竜「妹ちゃんどう?」

エルフ姉「ん、安心したのかさっきから寝てる」

妹「…あ」

エルフ姉「起きたわ」

妹「…っわあ!」

エルフ姉「おう、起きていきなり空飛んでたらびっくりするわな」

妹「ドラ…ゴン……はっ!紅竜ちゃん!?」

紅竜「やっほー、ドラゴンの紅竜ですよー」

妹「ドラゴン…だったんだ…」

紅竜「黙っててごめんね」

妹「ううん…ありがとう…」

妹「…エルフ姉さんも、ありがとうございました」

エルフ姉「…おう」

妹「……これから…どうしよう………」

エルフ姉「……そうだな…とりあえずさ…エルフの里に来い」

妹「え?」

エルフ姉「指名手配されちまったんなら、人間界にいても…仕方ないぜ」

妹「……」

エルフ姉「またカレーを作ってくれ…ほとぼりが冷めるまで居ればいい」

エルフ姉「いつになるかわかんねぇけど…」

妹「…でも、私と関係のある人全て追われる事になってるから…」

妹「私だけ逃げるなんてできないよ…」

エルフ姉「なら、皆で来ればいい」

妹「え?」

エルフ姉「紅竜、学校に行ってくれ」

紅竜「…りょーかいっ」クンッ

妹「わわっ!」


妹「…いいんですか?」

エルフ姉「ああ…多い方が楽しいだろ?」


エルフ姉「……まて、学校の様子がおかしい!」

妹「どうしたんです?っ!!なに…あの魔法陣」

紅竜「わお」

妹「学校を丸々囲う程の魔法陣なんて……」

エルフ姉「っ!みろ!!上!!」

妹「なっ!?…こんな…こんなもの…!!!」


―――


武闘家「でもよ、それやっても生き残る奴いるんじゃねーの?」

蒼竜「バカね、魔王様がそんなもの見逃すわけないでしょ」

魔王「ふん、とどめはちゃんと用意してある」

邪鬼「超ド級のを…な!」


―――


友「…なんだ?暗くなっ…な…な…」

兄「…はあああ!!??」

側近「ふ、ふざけてますね…」


ゴ オ オ オ オ


エルフ男「…この学校跡形も無くなるな」

兄「い…や!それどころじゃねぇ!逃げられねぇぞ!」

妹友「はは、こりゃー…やばいね」

紅友「…っ」

友姉「…そんな…ダメなんか…?」







妹「みんなーーーー!!!!!」


兄「妹!!??」


ビュワッ!!

バサッバサッ!ズシン!!


側近「紅竜!!!」
友・紅友「「紅竜ちゃん!!!」」
友姉「え!?えええ!!??」
老魔法使い「ほう」
エルフ男「エルフ姉…」


エルフ姉「早くつかまれ!!」




ゴオオオオオ!!!!


エルフ姉「よしっ飛ばせ紅竜!!」

紅竜「がってんだーー!!」バサッ!

エルフ姉「全員振り落とされんなよぉおおお!!」


……


ドオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!!!

今日はここまでっすー

ちょっとまって、家族の麻雀終わらない
はやく切れやあああああ

ねーちゃん飛んでかーちゃんトップだった。よし投下するぞ



~メテオ衝突前~


エルフ姉「早くつかまれ!!」

老魔法使い「……ふむ、図書館を潰されるのは頂けないのぅ」

エルフ姉「何ごちゃごちゃ言ってんだ!早く乗れ!」

老魔法使い「儂は大丈夫じゃ、転移魔法があるからの。他の者を乗せるがよい」

兄「…そういう事なら俺もだ。代わりに他の誰かを乗せてやってくれ!」

側近「…私も転移魔法使えるので…」

妹「…わかった!紅竜ちゃん、できるだけ他の人を連れてって!」

紅竜「うん!」

兄「恐らくパニックになるからまだ家は安全なはずだ!家で落ち合おう!」

妹「了解!!」

エルフ姉「エルフ男!俺をコピーしろ!生きてる奴を上へ投げろ!」

エルフ姉「お前らはそれをキャッチするんだ!」

紅竜・妹・紅友・友・友姉「「「「「わかった!」」」」」バサッ!!

エルフ男「了解!」

エルフ姉・エルフ男「「トレース!!」」キィン!!

エルフ姉・エルフ男「「いくぞ!!」」ドン!




ゴ ゴ ゴ ゴ


老魔法使い「さて、お主らにはちょっと手伝ってもらう事がある」

兄「なんだよ!?早くしないと俺らも…」

老魔法使い「超速伝達魔法」キィン!

兄「…あ…」

老魔法使い「ほれ、お主も」キィン!

側近「…私達も残ると見越してですか…何者ですか…」

老魔法使い「では頼むぞ」シュン

兄「了解!」シュン

側近「…わかりました!」シュン


ー図書館ー

兄「っここか!起動!!」ブゥン


側近「ここですね!起動!!」ブゥン


老魔法使い「うむ…超広域転移魔法起動!!」バッ!


ジジッ…ジジジジジッ!!


…バシュウッ!!




武闘家「なぁ、手っ取り早くメテオとやらで皆殺しにすればよかったんじゃないか?」

魔王「…妹という奴の試合を見てわかった…奴は恐らく次の勇者に一番近い素質をもっておる」

魔王「…それに奴の取り巻きも相当な実力者、メテオで殺せれば良いが…」

魔王「万が一逃れられた場合…勇者一行として向かってくるであろう」

魔王「人間の王も、しばらくすれば新しいのが出てくるものだ」

蒼竜「なるほど、だから王殺しの罪を被せたのね…」

魔王「そうだ…これで奴は…絶対に勇者にはなれん!人間の民も、奴らを勇者一行として認めない!」

武闘家「なるほど…だから王殺し…」

魔王「あと魔王の書・魔王継承の書があるように、学校にある図書館にも勇者の書・勇者継承の書があるはずなのだ」

武闘家「ある…はず?」

魔王「…ふん、姑息にも隠されておってな…小賢しい…」

魔王「どうやら人間は、王の命により勇者継承を行うのだ」

魔王「人間の王に転生て分かった唯一の利点じゃ」

魔王「だから、まとめて消すことにしたのだ」

魔王「勇者になられると色々厄介でな…さすがの我も、前の勇者で身に染みた…」

魔王「ま、これで勇者は生まれまい…」



ゴオオオオオオオ!!!!


エルフ姉「…もう限界だ!戻るぞ!」バッ

エルフ男「ああ!」バッ

ガシッ

エルフ姉「よしっ飛ばせ紅竜!!」

紅竜「がってんだーー!!」バサッ!

エルフ姉「全員振り落とされんなよぉおおお!!」

ひいいい!!!
うわあああああ!!




…………



ーある丘の上ー


バサッ!バサッ!ズシン!

ドサッ!

いてっ!
うう…
はは…夢だこれは…夢だ…


紅竜「…さすがにきつかったよぅ……」ボン

紅竜「っふう!っつかれたー!」ドサ

紅友「…学校が……」

友「街は…多少被害受けてるみたいだが、何とか無事そうだな…」

友姉「…」ギュッ


モブ1「っ見ろ!あいつら王殺しの!!」

モブ2「…マジだ!にっ逃げろぉ!!兵士呼べぇ!!」ダッ

うわああーーー!!!バタバタバタ


妹「…っ」

エルフ姉「てめぇら…助けてもらっておきながら…!」

妹「いいですエルフ姉さん…仕方ない…事なんです…」


エルフ男「…よう、お前は逃げないのか?」

C風使い「別に…片足無いのに逃げられないよ…好きにしなよ、王殺しさん?」

妹「っ…や…やって…ない……私はやってない!!」

C風使い「犯罪者は皆そう言う」クスッ

エルフ姉「こいつ!!」バッ!

C風使い「っ!」ビクッ

妹「やめてください!!!」

エルフ姉「……」ピタッ

妹「……うっ…うっ……」


妹友「まぁまぁ」

C風使い「……ま、あのままだと死んでたわけだから…一応感謝するよ…助けてくれてありがとう」

エルフ姉「……」

妹「……」グイッ

C風使い「…おい、何のつもりだよ」

妹「手当て…しないと…」

妹友「あ、あたしもおねがーい」

妹「あ…え!?妹友!っ腕…!!」パッ

ドサッ

C風使い「おま……」

妹友「気づくの遅いよぅ」


エルフ姉「妹、お前の家で待ち合わせすんだろ?…いこうぜ」

紅竜「いやっちょっと休ませて…」

エルフ姉「……」



ー同時刻ー


兄「……ここはどこだ?」

老魔法使い「儂の家の地下じゃ」

側近「図書館が入る空間って…」

老魔法使い「まあそう気にするな、努力と根気の賜物じゃ」

兄「せっせと地下を掘る爺さん…魔法使ってるだろうとはいえシュールだな」

側近「それより、さっき直接頭の中にイメージが入ってきた魔法って?」

老魔法使い「ああ、アレは儂の特有魔法・超速伝達魔法じゃ」

老魔法使い「さっきは『図書館を転移させるための魔法陣を起動してくれ・場所は○○』というメッセージを送ったのじゃ」

老魔法使い「頭では理解して分かってるけど言葉にできない・説明できない…という事がたまに無いかの?」

老魔法使い「その頭で理解している事柄をそのまま相手に伝えられるという魔法じゃ」

側近「へぇ…便利ですね」

兄「授業する必要ないんじゃね?」

老魔法使い「あほぅ、あんな人数に使ったら死んでしまうわ!それに…」

老魔法使い「さっきのお主らが魔法陣を起動させた場所…覚えておるかの?」

兄「へ?そりゃさっきまで…あれ?」

側近「…ふーむ」

老魔法使い「即理解できるかわりに、しばらくすると忘れるのも早いのじゃ。もうあやふやじゃろう?」

側近「……なるほど」

新年あけましてここまでです

咳が止まらない…病院行こう
その前にちょっとだけ更新していこう


兄「図書館は…先生にとっては大事なものなのか?」

老魔法使い「儂にとっては…ではない、お主らにとって…じゃ」

側近「…どういう……」

老魔法使い「この図書館には、勇者の書と勇者継承の書があるのじゃ」

兄「勇者の書…勇者継承の書…対となってるのか…」

側近「それ今見ることできますか?」

老魔法使い「それがのぅ…この図書館にある、というのは知っておるのじゃが…」

老魔法使い「それがどれなのか…どんなものなのか儂も知らんのじゃよ」

兄「じゃあ、意味不明な本とか無かったか?」

老魔法使い「いや…儂は図書館の管理を務めておったが、そういう物は見たこと無いのぅ…」

老魔法使い「お主の父…先代の勇者殿にこの図書館だけは大事にしてくれ、と言われておるからここにあるのは確実なんじゃがのー」

兄「っちょっと待ってくれ!!?」

老魔法使い「む?」

兄「父さんを知ってるのか!?」

老魔法使い「知ってるも何も学校から勇者が生まれるんじゃから儂が知ってて当然じゃろう?」

兄「ああ、そうだった…」

老魔法使い「そういえば家で待ち合わせとるんじゃなかったのか?」

兄「あ!…先生、マーキングしてもいいかな」

老魔法使い「もちろんじゃ。ここには色んな知識が詰まった本があるからの」

老魔法使い「ああ、マーキングするなら…ついてきなさい」


兄「このドアって、本来じゃ図書館の外につながってたドアだから…向こうは壁か?」

老魔法使い「ほっほ、転移位置を調節するのに苦労したわい」ガチャ

兄「…魔法…陣?」

老魔法使い「乗って魔力を込めてみなさい、地上の儂の家へつながっておる」

兄「ふむ…」シュン

側近「…では」シュン


ー地上・老魔法使いの家ー


シュン!シュン!シュン!

兄「ここが先生の部屋かー…」

老魔法使い「このオーブにでもマーキングしておくれ、本を読みたくなったら来るがよい」

兄「わかった」ブゥン

側近「…あなた、何者なんです?」ブゥン

兄「確かに気になるなぁ」

老魔法使い「さてのぅ…勇者になら話してもよいぞ」

兄「むぅ…じゃあ勇者連れて聞いてやるからな」

老魔法使い「ほっほっほ」

兄「いこう、側近」

側近「はい」

シュン!!



老魔法使い「……頑張るのじゃぞ…」



ガチャ


?????「ん?爺さん帰ってたのか」

老魔法使い「まあの、どうじゃ最近は」

?????「獣人族が憤ってるぜ。いつ人間界に侵攻してもおかしくない」

老魔法使い「まだ冒険者は魔界に居るのか?」

?????「ああ……我ら日和族も…気を張ってる状態だ…」

老魔法使い「食人族については?」

?????「まだ有効な手段は…」


老魔法使い「そうか…すまんのう日和族族長」


日和族族長「爺さんの方はどうだ?勇者は現れたのか?」

老魔法使い「近い者はおる…が……」

日和族族長「どうしたんだ?」

老魔法使い「…話せば長くなるんじゃがの…」


……


日和族族長「学校が破壊され、人間の王が殺されたのか…しかもその犯人として、一番勇者に近い妹君が…」

老魔法使い「……勇者の書、勇者継承の書は代々王族が言い伝えるものとされておる…」

老魔法使い「じゃから非常にまずい問題が三つ」

老魔法使い「…王が殺されて勇者の書の在り処が分からなくなった事」

老魔法使い「…妹君が王殺しとして追われてしまっている事」

老魔法使い「…そして次代の王が………死んでしまわれた可能性がある事じゃ」

日和族族長「ん?死んだのは今の王じゃないのか?」

老魔法使い「…実は国家機密だったのじゃが…死んだ王の孫・王孫も学校で勉強しておったのじゃ…」

日和族族長「孫?王の息子は?」

老魔法使い「…王位を継承する前に行方不明になってしもうたのじゃ…」

日和族族長「何か裏がありそうだな…だったらその王孫に護衛でもつけりゃぁ…」

老魔法使い「…逆じゃ…あえて護衛をつけず人目に付けない事によって」

老魔法使い「一般人として学校に入学し、王孫だからと差別を受けず、暗殺されることも無く学校で勉強できるのじゃ」

日和族族長「それで、誰なんだその王孫というのは?」

老魔法使い「それがのう…さっきも言うたが一般人として過ごす為、だれが王孫かは完全に分からなくなっとるのじゃ」

老魔法使い「5年前に10歳で入学したという話は聞いたことあるから…今は15歳くらいかのう…」

老魔法使い「…才能があれば、CかBランクにはなっとるから…儂の解除魔法を受けてない可能性が高いのじゃ…」

日和族族長「…もしその子がやられていたら…」

老魔法使い「………この国は崩壊するかもしれん…」

今日はここまでっす

さあ今から………書き溜める…


ー王宮 会議室ー

老婆「まったく騒がしくなってしもうたの…」

国民大臣「…国民になんと伝えればいいものか…」

近衛隊隊長「っなんで王様が殺される時誰も居なかった!!兵士1!何故だ!」ドン!

兵士1「は…はっ!あの時は王様による称号授与が行われていまして!」

兵士1「王様直属の親衛隊3人があの場に居たはずでした!!」

近衛隊隊長「だったら何故その親衛隊も居ないんだ!!!」

兵士1「わっ…わかりません!!」

国民大臣「……親衛隊というと…賢者様に魔法戦士様に武闘家様…でしたな」

国民大臣「王様が選ばれたあの方々がたった一人に負けるとは…いえ」

国民大臣「…勝っても負けても…王が殺されているのにその側近は居なくなる…とは…これは…」

退魔大臣「王様も歳を重ね、息子が行方不明となりゃ実力不明の奴らでも傍に置きたくなるんじゃないか?」

国民大臣「…口が過ぎるぞ退魔大臣…確かに3年前に急に親衛隊を作られたのはいささか疑問に感じたが…」

退魔大臣「ともかく!王の暗殺…学校の壊滅……犯人は魔界のスパイであり」

退魔大臣「学校に潜伏し魔法陣を作成、王との謁見の際に暗殺を謀り、その後魔法陣を発動させ学校を壊滅させたと思われる」

退魔大臣「よって兵士1の証言通り、妹…を王殺しの魔物として指名手配、それに関係する者を捕える…でよろしいな」

近衛隊隊長「もちろんだ!」

国民大臣「まて!!まだ妹殿が犯人と決まったわけではないであろう!!」


退魔大臣「決まってるんだよ!王が殺されていた時!密室だった部屋には奴しかいなかった!」

退魔大臣「そしてドラゴンを呼び逃走!!これを王殺しの魔物と言わずしてなんと言う!!」

国民大臣「その居なくなった親衛隊が犯人で!妹殿は犯人に仕立てあげられたという可能性は!?」

退魔大臣「…ええいうるさい!ならば何故その妹がドラゴンを扱えるのだ!?何故逃走をする!!」

兵士1「あっ…退魔大臣殿…そっその時」

退魔大臣「貴様!私に意見する気か!さっさと犯人を捕らえて来い!」

兵士1「はっはい!!すっ…既に兵士達に伝達し、行動させておりますが…学校の件で多少の混乱が…」

近衛隊隊長「ええい!使えん者どもめ!!私が行く!!」

老婆「お待ちなされ近衛隊隊長殿…王が亡くなられた今、代わりの王はどうするのじゃ?」

近衛隊隊長「…王孫様はどうした!彼は若すぎるが王子様が行方不明になられてしまっている以上、彼になっていただくしか!」

国民大臣「彼が今何をしているのか…王族法により、行方不明の王子様と…亡くなられた王様しかわかりません…」

近衛隊隊長「……これが目的か!!……許せん…許せんぞ魔物ぉぉぉおお!!!」

退魔大臣「問題なのは…この混乱に乗じて魔界からの侵攻が懸念される…老婆殿!」

老婆「うむ…いち早く次の王を立てて指揮を出さねば…人間界が魔物に支配されてしまう…」

退魔大臣「……では不本意ですが……」

老婆「うむ…この時をもって次の王は…退魔大臣とする!」

退魔王「ありがとうございます」

国民大臣「お待ちなされ老婆殿!王孫様の安否も分からぬ上にいくらなんでもそれは!」

老婆「なに…王孫様が生きておったら王孫様をすぐ王にすれば良い事じゃ」

退魔王「そうさ、王孫様が生きていたら俺は退魔大臣に戻れば良いのさ…生きていれば…な」

近衛隊隊長「…王様、早速ですが仕事に行ってもよろしいか?」

退魔王「いいだろう」

近衛隊隊長「…この王様はものわかり良くていいねぇえ!」ダッ

国民大臣「っおい!!」


退魔王「さて…まずは国民に私が王になった事と、現状を伝える事…」

退魔王「あとは魔界へ送った称号持ちを呼び戻して…勇者の称号を与えよう…これで国民も悦ぶであろう」

国民大臣「…勇者継承もせずにどうする気だ」

退魔王「勇者とは国民の信用なのだよ国民大臣」

国民大臣「勇者でないと魔王を倒せないんだぞ!」

退魔王「ふん、では勇者とは何だ?」

国民大臣「何を…」

退魔王「魔王を倒す者が勇者か?王が勇者とした者が勇者なのか?」

国民大臣「勇者とは勇者継承によりその力を!」

退魔王「貴様は勇者継承の儀式を…見た事があるのか?」

国民大臣「…何が言いたい…」

退魔王「俺が思うに…勇者継承の儀式をした事にして…」

退魔王「国民に勇者が生まれたと…そうさせて来たのでは無いか?」

国民大臣「そんな!…国民に嘘などっ」

退魔王「ついているのさ!現に勇者は魔王を倒せなかったではないか!」

国民大臣「くっ!」

退魔王「逆を言えば…勇者で無ければ魔王を倒せるのではないか!?」

国民大臣「なんだと!」

退魔王「ふん、勇者勇者とばかばかしい…踊らされていたのだよ我々は!」

国民大臣「……っ」

退魔王「勇者でなくとも魔王を倒せる!私はそう思うね!」

国民大臣「…す…好きにしろ…」

退魔王「ふん…それと」

国民大臣「なんだ…」


退魔王「私は王だ、言葉に気をつけろ」

国民大臣「……わかり…ました………」

        .__

        ,.._,/ /〉_______
      ./// //──∧_゚∧ ─::ァ /|
     /// //~~'~~(‐∀‐ ,)~~/ / .|
    .///_//     "'''"'''"'" / /  |
   //_《_》′─────‐ ' /  ./
    | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  /
    |                 .| ./
    |__________|/

        .__

        ,.._,/ /〉_______
      ./// //──────::ァ /|
     /// //~~'~~ ∧_゚∧ ~~/ / .|
    .///_//     "'''"'''"'" / /  |
   //_《_》′─────‐ ' /  ./
    | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|  /
    |                 .| ./
    |__________|/

いかん進まないから一回寝る
おやすみ

ぼちぼち始めよか


ー兄妹の家ー

シュン!

兄「…まだ皆着いてないみたいだな…よし今のうちに転移魔法陣を書いておこう」

側近「ここもどうせ追っ手が来ますしね…ところで行き先は?」

兄「あ……」

側近「……」

兄「ま、魔王城?」

側近「本気ですか…」



……


バサッバサッ

紅竜「よいしょっと」ズン

スタッ…
気を付けて…
ほら、つかまって~…


側近「皆さん無事のようですね…」


兄「…おかえり…妹」

妹「ただいま…お兄ちゃん」


兄「…紅竜」

紅竜「はいな」

兄「どれくらいの人が助かったんだ?」

紅竜「ええとぉ………」

エルフ姉「私ら抜いて40人くれえだ」

兄「それだけの人数乗せて飛んだのか…さんきゅーな」

紅竜「えへへ」

妹「…」

側近「紅竜もっといけたのでは?」

兄「いけたのか…」

紅竜「いやあ……何分ゴーレム君が重くて…」

エルフ男「…あー」

ゴーレム「む…すまん……」

エルフ姉「いやいや、ゴーレムはめっちゃキャッチしてくれてたから…逆にゴーレムがいなかったらここまで助けられなかったぜ」

兄「そいつらは?」

エルフ姉「……礼も言わず逃げたよ…」

兄「……」

エルフ姉「こいつ以外な」

兄「え?…あ」


C風使い「…………ふん…勝手に連れて来られただけだよ…!」プイ


兄「お前、足が…」

C風使い「…………」

紅友「応急処置はしておきましたので…命に別状は無いと思います」

兄「そっか」


妹「あの……皆さんごめんなさい!私のせいで……追われる事に…」

兄「……妹、何があったのか詳しく聞きたいんだが…いいか?」

妹「うん…」


……


兄「魔王…だと…!!」(じゃあ…俺が殺した魔王は…!?)

側近「っ!」(死んで……なかった……!!!)ギリッ

エルフ姉「……魔王の復活か…」

友「でも!これで妹ちゃんが無実だって事は分かったぜ!」

兄「…ああ…ああ!そうだ!」

妹「だめ…だよ……あの状況はどう見ても私が……」

兄「……」


友姉「うちら…追われる事になるんやな」

友「姉ちゃん!」

妹「事実です……本当に…ごめんなさい…」

いやっ

遅筆ですまない



友「兄、何だこれ?」

兄「ああ、転移魔法陣だ。この中に入って起動させるとこの魔法陣が示す場所に転移できる」

妹「そっか…この家も…」

兄「…今のうちに大事なものあったら取っとけよ…」

妹「…うん」

兄「…皆も、紅竜に乗って大切な物を取ってくるなり家族に別れを言うなりした方がいい…」

紅友「そういえば友姉さんは妹ちゃんとはあんまり関係ない…よね?」

友姉「そういえばそうやね」

紅友「なら、残っても大丈夫なんじゃ?」

友姉「……それを言うならあんたもやん」ジト

紅友「……わ、私は友さんについて行くので…」

兄「友は…追われるんだろうか…」

友「うーん……よし、ちょっと街を歩いてくる」

妹「ええっ!?」

兄「なら俺が変身魔法で友に化けて行くよ、危なくなったらすぐ戻る」

友「おお、頼む」

兄「ついでに皆の分も試してみるよ、誰がセーフか調べてくる」

側近「良いですね」

兄「紅竜、途中まで頼む」

紅竜「ほいほい」

うーんここまでか…おやすみっ

よーし全裸で投下するぞー


友「…あれ?皆変身魔法で変身してたらいいんじゃね?」

側近「友さん…変身魔法は継続魔法です…確かに街でちょっとっていう時は良いですけど」

側近「そんなずっとは保てないですよ…」

友「…むう」



バサッ

兄「…ここでいいよ、ありがとう。あとは転移魔法で戻るよ」

紅竜「はーい…じゃねっ!」バサッ

兄「街まで後1キロくらいかな…近すぎると見つかるし…くそ、マーキングしときゃよかった」

兄「……急ごう」ドン!!

ダダダダダ……




ー街ー

ガヤガヤ…

兄「騒然としてるな…やっぱ…」

兄「うっし、まずは…友からかな」ボン




いたぞー!!

兄「やべっ!」ダッ



兄「…この姿は平気か…」



あのー、道をお尋ねしたいんですけどぉ

兄「はぁ…」

ジロジロ

兄(…この姿もアウトか…)ダッ!

あっ!くそっ!


妹友「そんなに暗くなるなよ、妹」

妹「う…ん…」

妹友「あたしはさ、どんな事があっても妹の事信じてるし!」

妹「ありがと…でも…私のせいで…」



エルフ姉「…ウラア!!!」ワッシャ

妹「あひい!」

エルフ姉「いつまでも沈んでんじゃねえええ!!!」ワシャシャシャシャ!!!

妹「あふっやめっあひゃっ!」


エルフ男「…ああ、そういえばそうだったなあ…頑張れよ、妹君」ボケー

側近「………くっ…!」

友「わお過激……どしたんすか?」

側近「………いえ……」

友「?」

C風使い「俺、もう帰っていいか?」



妹「はぁ…はぁ…っそうだね…これ以上居るとあなたまで追われる事になるよね…帰れる…の?」

C風使い「…さっき拾った棒があるからなんとか」スッ

妹「…そう………」

C風使い「…よっ…とぉ?」グラ

妹「あ」

ガシッ

妹「大丈夫?」

C風使い「あぁ…大丈夫だけど…服を整えてくれる?」プイ

妹「!!!…エルフ姉さん!!」バッ

エルフ姉「~♪」ピューピュー



C風使い「じゃーな」

妹「気を付けて…」

C風使い「…ま……無実になるといいな」ニコ

妹「…うん…ありがとう」ニコ

クルッ

ヒョコッヒョコッ……



C風使い(………無実に…しなくちゃな…)キッ


友姉「そういえばちょっと確認したいんやけど…紅竜って子は…ドラゴンなん?」

紅友「そうですね」

友姉「……そのドラゴンが来た時「紅竜!」って言ってたけど…知り合い…?」


妹「…あ……紅竜ちゃんはまだ一度もドラゴンから戻ってないから…」

妹「ドラゴンが紅竜ちゃんだと知ってたって事ですよね…?」


友「あー……」

紅友「側近さん、ここまで来ると…」

側近「……わかりました、話しましょう」

友「でもよ、妹ちゃんと妹友ちゃんも…エルフ姉さん?と知り合いっぽいけど…」

紅友「…そう…だよね…それに…エルフ姉さんと紅竜ちゃんは知り合いなのかな?」

エルフ姉「む…」



側近「一度…話し合った方が良さそうですね」


兄「よし、こんなもんだな…ん?」


パカッパカッパカッ

近衛隊隊長「進めーーー!!」


「いけええ!!」

兄「なんです?これ」

「ああ、王殺し・学校潰しの極悪人を今から討伐しに行くんだ!!」

兄「!!」

「俺の息子も…学校で………」

「あなた…うぅ…」

「しっかりしろ!…くそ!!っ許さねぇ!!」


兄「…っ!」ダッ

兄(そうだよな…許せねぇよなぁ……魔王め!!たとえ世界が俺たちを悪人にしようと…お前だけは俺が!!)

シュン!

ちょっと某SS発祥アニメ見てくる

観終わったけど用事入ったのでもうちょい遅れます

起きてるんだからねっ




シュン!

側近「まず私と紅竜は…あら」

妹「あ」

友「おかえり」

側近「どうでした?」

兄「俺と妹友と友がダメだったな…側近や紅竜は入学して日が浅いから、そんなに関係あるとは思われなかったのかもな」

兄「友姉さんは…色々聞かれる程度だったけど…今までの友への接し方を考えると大丈夫っぽいな」

兄「逆に友は…よく俺らとつるんでたりするから…な」

友姉「うちは…追われてへんのか…」

友「紅友ちゃん…良かったな…」

紅友「……」


兄「それはそうと、そろそろ離れるぞ皆…兵士が向かってる!」

兄「友姉さん…紅友ちゃん…悪いけどここでお別れだ…巻き込むわけにはいかない」

友姉「…わ、わかった……友、元気でな……」ギュッ

友「ああ…姉ちゃんも…」ギュッ

友姉「……友…強くなれよ…」

友「ああ…」

スッ

友姉「じゃあ…な……」タッ


紅友「………」

兄「さ、紅友ちゃんも」






紅友「いやです!!!」


兄「ええ!?」

紅友「私!友さんと一緒について行きます!ご一緒させてください!!」

友「…お、おい…せっかく安全に暮らせるんだから…」

紅友「……私…友さんが好きです!」

友「!!!」

兄「おお!?」

妹「わお」


紅友「私のために必死になってくれました」

紅友「私とタッグを組むと言ってくれました」

紅友「私を…守ってくれました…」

友「……あ」

紅友「お願いします…」

友「…」

兄「友、まかせるぜ」

側近「泣かせてはダメですよ?」


紅友「…っ」ジワ


友「……わかった…一緒に行こう」

紅友「あ…………はい!!!」

兄・妹「「おー…」」


友「……」スッ

紅友「あ…」スッ


兄・妹・側近・妹友「「「「おお!」」」」







バサァァッ!!

紅竜「ただいまー!兄さんもう帰ってたんだあ!」


友・紅友「「!!!!」」ビックウウウウウ!!


兄・側近「「紅竜ぅぅぅうう!!」」

妹・妹友「「ええええええ!!!」」




紅友「………」

友「そっ…それで、行き先はどこなんだ?」

兄「…それがなー…決まってないんだよなぁ…」

友「だめじゃん!」

エルフ姉「…なら」スッ

エルフ男「…まさか」

エルフ姉「ああ…エルフの里にご招待だ」

エルフ男「…いいのか」

エルフ姉「そう約束した」ニコ

妹「あっ…ありがとうございます!」

妹友「またあそこに行けるのか!うっしゃあケーキキタアアア!!」グッ

友「ケーキ?」

エルフ姉「もうおごらねーぞ、働いて自分で買え」

妹友「おっふ…了解であります…」


エルフ姉「えーと、こうして…」カキカキ

兄「…すまないな」

エルフ姉「いえいえ……できた!これで行き先はエルフの里…の手前だ!」

兄「紅竜、エルフの里の場所は知ってるか?」

紅竜「うん!」

兄「じゃあ、俺と側近は紅竜に乗って行くよ。この魔法陣は消さなきゃならんからな」

妹友「でもさ、返しの森ってのがあって…」

側近「大丈夫です、私が森の抜け方知ってますから」

エルフ姉「へえ、覚えてたのか」

側近「まあ…結構遊びに行ってましたし…」

ここまでっす
おやすみん



エルフ男「……あっちの方角、魔力が見える…人間だな……20人以上はいるぞ」

兄「わかった……じゃ、起動するぞ」

妹「…お兄ちゃんまたね…」

兄「ああ、すぐ向かう」


兄「…起動」

シュン!!


兄「…さて、魔法陣を破壊して…と」ドン!

ドゴォン!

兄「よし」

紅竜「エルフの里にひとっ跳びだね!」バサッ

兄「いや」

紅竜「あら?」ガクッ

兄「俺らはまず魔王城に戻ろう。魔王娘の事もあるし」


……


近衛隊隊長「ここか…っ!」バタァン!

近衛隊隊長「……住んでいる形跡はあるが……」ドタドタ

近衛隊隊長「おい!何ボサっとしてんだ!!隠れていないか探せ!!」

「ハ、ハッ!」ドタドタ

近衛隊隊長「小僧!本当にさっきまで居たのか!?」

C風使い「…いましたよ」

近衛隊隊長「……嘘を言って奴らを逃がす手助けをしているのではなかろうな?」

C風使い「嘘なんて言ってません!道中拾ってくれたあなた方には感謝しているんですから!」

近衛隊隊長「…ふん、その足では街までたどり着けんだろうしなあ?」

C風使い(……こいつ…嫌いだ…)

近衛隊隊長「ただ…君はあの学校の件で足を無くしたんだったな?」

C風使い「そうですが」

近衛隊隊長「おかしいよなあ?何故その状態で、この家付近まで来れたのか」

近衛隊隊長「何故この家から街への方向に向かっているのか」

近衛隊隊長「…貴様奴らの…」チャキ

C風使い「っ!…違います!…ですが全てあの人らの仕業だったとすれば、何故僕を助ける必要が?」

近衛隊隊長「そんなもの信じるなよ、油断させる罠だぞ」

C風使い「は、はい…」

C風使い(……何言ってるんだコイツ…僕一人にそんな事したって意味がないのに)

近衛隊隊長「オラァ!キビキビ動け!!」


ボソボソ
「はぁ…無駄だろこんな事したって…貴重品だけ無くなってるから、既に逃亡してる事は明らかだろ」
「なんでこんな奴が隊長なんだよ……」


C風使い(人望無し…これなら本当の事を言っても仕方ない…か)


ー魔界 北の氷海ー

武闘家「さーむさむさむさむ!!!」

蒼竜「だらしないわね」

武闘家「仕方ねーだろ!人間は氷山に乗る事なんてねーからな!」

グラッ

武闘家「あぶね!海に落ちたら死ねるだろコレ!」

武闘家「つーかこんな所で何するんだ?」

魔王「まあ見ておれ…蒼竜」

蒼竜「はい」ヒュォォォォ…


蒼竜「カッ!!」ドン!


カチカチカチカチカチ!!!!


武闘家「すげー、海が一瞬で氷原に…つか氷も操れるのか…」

蒼竜「ええ、水と氷。ドラゴンの中で二つ操れるのは私だけよ」

武闘家「似たようなもんだからできるってわけじゃねえの?」

蒼竜「まぁそれもあるけど…それでも、他の水竜にもできないわよ」

武闘家「へぇ…」


魔王「次に…邪鬼」


邪鬼「はいよ……」キィィィィィィン

武闘家「なんだこれ!?魔法陣が作られていく!?」


蒼竜「邪鬼の特有魔法・魔法陣生成ね。邪鬼はいちいち魔法陣を書かなくても、」

蒼竜「魔法で魔法陣を作れるのよ。メテオ魔法陣を学校に埋め込んだのも彼よ」

武闘家「とんでもねーな…それで、何の魔法陣なんだ?」

蒼竜「それは発動してからのお楽しみ」

武闘家「…ケッ……」

いよっしゃあああ今日はPCに張りつけれる!
書いては投下スルヨー!


キィィィィィン……

邪鬼「よし、完了だ」


魔王「蒼竜、魔法陣を氷で覆って沈めろ」

蒼竜「はい」ヒュォォォォ…


ガチガチガチガチ…


武闘家「氷のドームだな…魔法陣がでかいだけにそれを覆う氷もまたでかいな…」


蒼竜「邪鬼、周りを切ってもらえる?」

邪鬼「どれくらい厚さがあるんだ?」

蒼竜「2mはあるはずよ」

邪鬼「了解」


邪鬼「拡散魔法陣展開…」ズズズ


武闘家「ドームの周りに魔法陣が…」


邪鬼「………鬼剣…」スラッ

鬼剣「ギギギ…」

邪鬼「ハアッ!!」ドス!


ドオン!!


武闘家「うおっ!」

邪鬼「斬撃を魔法陣で拡散させた…」

武闘家「へぇ、そんな事もできるんだな…」


ズズズズズズズ…………


魔王「…よし、塞げ」

蒼竜「はっ……冷気弾」ドンッ


カチカチカチ…


魔王「次は東の火山だ」

武闘家「北…東…とすると南も西もするのか」

魔王「ああ。北の氷海、東の烈火山、南の毒沼」

魔王「そして西の…獣人族の里だ」


……

シュン!


兄「側近、魔王城っていつ浮上すんだ?」

側近「…まだ先です。少なくとも後一週間は」

兄「良かった、今魔王の仕事はできそうにないからな…」

側近「そうですね」



魔王娘「おかえり!」

兄「おう、ただいま」


兄「…魔王娘には…どうする?しばらく魔王城に居てもらうか?」

側近「そうですね……あれ?」

兄「どうした?」

側近「魔王娘、魔獣は?」


魔王娘「なんかね、疲れて眠っちゃったみたい」

兄「元気だな魔王娘は」

魔王娘「うん、元気だよ!」


側近「魔王様、魔王娘の魔力吸収の件…」

兄「ああそうだったな…調べないと…」

側近「魔王娘、魔力吸収は使わないでください。いいですね?」

魔王娘「わかった!」

側近「それと…」パチン

魔族メイド達「「「お呼びでしょうか」」」スタッ

側近「しばらく魔王娘の世話をお願いね」

魔族メイド達「「「かしこまりました」」」ペコッ


兄「…あんなの居たんだ」

側近「知らなかったんですか?…ああ、必要時以外いませんからね」

兄「ああ、魔王って言ってもまだ形だけだし…学校もあったしな」

兄「さて、エルフの里に向かうか」

紅竜「ねーねー魔王娘ちゃんと遊びたいんだけど~」

兄「すまん、また今度にしてくれ。紅竜が居ないとエルフの里はちと遠い」

側近「ごめんなさいね紅竜」

紅竜「ぶー…」





ーエルフの里付近ー


シュン!!

友「うおー…ここが魔界か…」

紅友「魔界…案外人間界と変わらないね…ん?なんだろアレ!?」


ギャアッ…ギャアッ…

エルフ姉「あれ?ちょっとずれたな…オーガの森だココ」

妹「っ!…オーガ…!」


ギャッ!ギャッ!ギャッ!


エルフ男「見つかったぞ」

エルフ姉「…面倒くせぇ……」


オーガ「「「「オオオオオ!」」」」


エルフ姉「4体か…ちょっくら待っててくれ、すぐ倒して…」

妹「待ってください!私に戦わせてください!」

妹友「あたしも。結局オーガに勝ててないからなぁ」チャキ

エルフ姉「…ふむ、やってみな」


ザッ

妹友「さー…リベンジだ!」

妹「片腕でいける…?」

妹友「心配無用無用!さ、くるよ!」


オーガ「「「「ウゴアアアア!」」」」


妹「波動弾!」ドン!

オーガ1「オアッ!!」

妹「…効いてる…」

妹「妹友!いけるよ!」


妹友「なんてーーー!?」ザンザンザンザン!!

オーガ3・4「「グオアアアアア!!!」」


妹「…すご……オーガの硬皮なんてたやすく……」


オーガ2「オアアア!!」ブン!

妹「ふっ!!」シュッ

妹「ハアッ!!炎弾!!」ドォン!!!!

オーガ2「ガアッ!!!」

オーガ1「ウオ!?」ヒュウウ

ドサァッ!

オーガ1・2「ウガアッ!!」


妹「………」



妹(私は…無実とはいえ、罪人になっちゃった……もう勇者にはなれない……でも)

エルフ姉「…む」

妹(王殺し……学校の壊滅……そして!父と母の仇!!!)

妹(魔王は…必ずこの手で倒す!!!)


妹(そのために!)ギロッ!!

オーガ「「「「ゴアッ!?」」」」


妹「私は!もっと強くなる!!!」


オーガ「「「「ウオオオ!ウオオォォォォ!」」」」ダッ

バタバタバタ………


妹友「…え?」

エルフ姉「ほう」

エルフ男「わお、威圧できるのか」


妹「……あれ?」

ここまでっす

今日も夜投下したいけど寝てしまいそうな予感がビンビンなので今のうちにこっそりちょっとだけ投下しときやす


エルフ姉「やるじゃねぇか。威圧までできるようになってるとは」

妹「威圧…?」

エルフ姉「ああ。魔力を大きく見せて睨みつける事で相手に恐怖を植え付けるのさ」

妹友「あたしもやりたい!魔力を大きく見せるってどういう事!?見えないよね?」

エルフ姉「こう…グワッ!と」

妹友「グワ…?」

エルフ男「こればっかりは感覚だからな…ま、いずれできるようになるだろ」

妹友「妹!教えて!」

妹「…ごめん私もどうやったかさっぱり……」

妹友「ぶー」


エルフ姉「とりあえず行くぞ、ついて来いよ」

妹友「了解っす!」


友「……とりあえず皆レベル高いって事は分かった」

紅友「ですね…」

友(あと無言でついてくるゴーレムさんが怖い)

紅友(……しゃべらないですね)

ゴーレム「……」


……


エルフ姉「ついたぞ、ここだ」

友「ここが…」

紅友「エルフの里…」

エルフ妹「お姉様~~~~!!」タタタ…

エルフ姉「ん、ただいま!」ダキッ

エルフ姉「あれ?なんで帰ってきたってわかったんだ?」

エルフ妹「だって、姉さまの魔力が見えたから…」

エルフ姉「魔力見えるようになったか!!ん~今夜はご馳走してやるぞ!」ナデナデ

友「え、魔力見えるって?」

エルフ男「ああ、エルフ族の眼は魔力が見えるんだ。たとえ壁の向こうでもな」

友「すげぇ」

エルフ男「ただ、見えるようになるのは個人差があるんだ」

エルフ男「最初から見えるヤツも居れば老人になってから見えるようになったヤツもいる」

エルフ男「ま、普通はこの子の年には大体見えるようになる」

エルフ男「見えるようになると、決まって祝うんだ」

紅友「へぇ~~」


エルフ姉「妹」

妹「なんでしょう?」

エルフ姉「料理、教えてやるよ。今日はコイツの為に里全体で祝うから、たくさん料理を作らにゃならん」

妹「…はい!お願いします!」

んじゃっ!

やったね!眠くない!


……

ー返しの森ー

紅竜「んしょっと…」バサッ

スタッ

側近「紅竜はルート覚えてます?」

紅竜「憶えてるよ!こっちこっち!」シュウウ

兄「なんだ紅竜も知ってたのか」

側近「…違います。あっちです」

兄「……」

紅竜「……あれぇ?」

兄「紅竜エルフの里に行ったことあるのか?」

紅竜「あるよ!遊んだ事あるもん!!」

側近「その時はどうやって中へ?」

紅竜「外に出てきてもらって、ついて行って…」

兄「要するにエルフの人まかせで覚えてないんだな」

紅竜「あう…」


側近「…私についてきてくださいね」


……


側近「ところで魔王様は日和族の特徴はご存じでしょうか?」

兄「日和族?」

側近「日和族は人間と同じ姿をしています。むしろ人間より人間らしいと言われており」

兄「…ほう?」

側近「それゆえに戦闘魔族からは嫌われている傾向にあります」

兄「ふむ」

側近「私は好きですがね」

兄「そうか」

側近「数十年前まで人間界にも日和族は居たんですよ」

兄「まじでか!」

側近「はい。もしかすると友達が日和族だった、なんて事がありえたかもしれませんね!」

兄「日和族ってもう人間でよくね?」

側近「ですがやはり人間と決定的に違う所がありまして」

兄「へぇ」

側近「魔族なので魔族契約が可能です」

兄「あ~」

側近「あとは寿命ですかね。人間の二倍あります」

兄「ほう」


側近「人間で120歳まで生きる人が居ますが」

側近「昔まだ人間界と魔界が分かれて無かったころ、魔族と人間との間に子ができる事が稀にあったそうです」

兄「その子孫…と。」

側近「はい。長生きする人は先祖に日和族が居る可能性が高いですね」

兄「へぇ~」

側近「たしか20年ほど前でしょうか…日和族は人間界に一切立ち入らない事を決めたそうです」

兄「なんでだ?」

側近「それは…すみません、日和族が報告してきたことですので詳細は…」

兄「…ふむ、気になるな…日和族は平和主義なんだろ?」

側近「そうですね。数十年前まで日和族は普通に人間界に混じって生活していたらしいんですが…突然…」

側近「以来、日和族は魔界の奥に移ってしまわれました」

兄「…気になるな」

側近「はい」

兄「気になるといえばよう…」

側近「?」


兄「いつになったら着くんだよ!!!もう真っ暗だぞ!!!」

側近「……」


紅竜「むー」ジトー

側近「日和族は平和主義でして」

兄「それは聞いた」

側近「……日和族は」

兄「おい」

側近「……ルートが変わってるんです!!こればっかりはどうしようも無いじゃないですかー!!」ブワッ

兄「言えよ…」

側近「う…途中からアレ?とは思いましたけど…」グスン


紅竜「あはははは!!ばーかばー…がっ!」ガシッ

側近「どうしましょう?」グググ…

紅竜「あがががが!!」バシッバシッバシッ!!

兄「側近!タップ!タップしてるから!」

ちょい投下


ーエルフの里ー


ガヤガヤ…

「嬢ちゃ~ん!こっちにも運んどくれ~!」

妹「あ、はーい!…おっとと」ガタガタ


友「……すげー馴染んでるなぁ」

紅友「…ですね」

エルフ姉「意外か?」ザッ

友「あ、えと…はい」


エルフ姉「…あー」パァァ

エルフ姉「こっちの姿の方がわかりやすいか?」

紅友・友「「…村娘さん!!??」」

友「え!村娘さんてエルフだったんですか!?」

エルフ姉「む…本来はこっちだ、村娘は適当につけた名前だよ」

紅友「学校に居たんですね…」

エルフ姉「人間界の観察にな」


ガシャアン!!!


友「なんだ!?」

エルフ姉「…あーしまった…」


片目エルフ「てめぇ人間だろ!?なんでエルフの里に居やがる!」

妹「わっ…私は、エルフの方に助けて頂いた恩があって…それで…」

片目エルフ「…まさかコレ、お前が作ったんじゃねぇだろうな」

妹「え…いや…あの…作りました…けど……」

片目エルフ「人間の料理なぞ食えるか!!」ガシャアン!

妹「ひっ!」ビクッ

エルフ姉「おい!」

片目エルフ「…チッ」ガタッ

スタスタスタ…


エルフ姉「すまんな」

妹「…いえ」

エルフ姉「アイツは親を冒険者に殺され、自身も片目を潰されたのだ」

妹「それは…仕方ないですね…」

エルフ姉「…エルフ族も、日和族みてーに皆が皆人間の事を分かってるわけじゃない」

エルフ姉「時間がかかるかもしれんが…今回で人間のイメージを払拭できたらいいと思ってる」

エルフ姉「…利用してるみたいですまないな」

妹「いえ!分かち合う努力ならいくらでも!」

エルフ姉「…頼む」ギュッ





妹「あの…なんでこの流れで胸を揉むんですか…」




「いいなあエルフ妹…僕も早く見えるようになりたい!」

エルフ妹「えへへ~!」

「エルフ妹、お祝いに…ほら!」スッ

エルフ妹「わっありがとう!」キラッ


ゴトッ

妹友「さぁ~ここに大きな丸太があります!」

エルフ妹「お、何が始まるんだろー!」

妹友「行きますよ~…」チャキ…

妹友「っはああ!」シャシャシャシャシャ!!



妹友「っはい!等身大エルフ妹ちゃんの出来上がり!」チキン!

「わぁ~~!!」パチパチパチ

エルフ妹「私そっくりだ!しかもポーズかっこいい!!」

「いいなあ~!!」

エルフ妹「ありがとー!」

妹友「ふふん」ドヤァ

よし

エルフ村長→エルフ族族長でお願いしたいです

日和族について妹が触れないことはいいのか?

>>804
やっちまったZE
なんとかしよう

朝読み返さなかったから変な単語入れて変になったんだな。こっちに脳内置換お願いします


エルフ姉「…エルフ族も、皆が皆人間の事を分かってるわけじゃない」


妹「…お兄ちゃん達遅いなあ」

エルフ姉「…そうだな……あ!!」

妹「どうしたんです?」

エルフ姉「………ルート変わったんだった…」

妹「え、変わるものなんですか?」

エルフ姉「ああ、返しの森の魔力の流れが10年周期くらいで変わるんだ」

妹「へぇ…」

エルフ姉「エルフ族は魔力が見えるから、見てルートを決めれるが…」

エルフ姉「変わったのすこし前だったかな…アイツ多分知らないなぁ…」

妹「じゃあ…」

エルフ姉「ああ…多分迷ってるわ……迎えに行ってくる」

妹「…お願いします」


……


側近「やっぱりルート変わってましたか」

エルフ姉「すまねぇな、言ってなかったからな」

兄「まあ仕方ないよ」

紅竜「久しぶりだなー!!」

ガヤガヤ…

兄「…騒がしいな…祭り?」

側近「多分…アレでしょうね」

兄「?」

エルフ姉「ああ…」


細かいツッコミ入れてすまん

>>808
いや、ありがとう!


妹「…お兄ちゃん達遅いなあ」

エルフ姉「…そうだな……あ!!」

妹「どうしたんです?」

エルフ姉「………ルート変わったんだった…」

妹「え、変わるものなんですか?」

エルフ姉「ああ、返しの森の魔力の流れが10年周期くらいで変わるんだ」

妹「へぇ…」

エルフ姉「エルフ族は魔力が見えるから、見てルートを決めれるが…」

エルフ姉「変わったのすこし前だったかな…アイツ多分知らないなぁ…」

妹「じゃあ…」

エルフ姉「ああ…多分迷ってるわ……迎えに行ってくる」

妹「…お願いします」


………



側近「やっぱりルート変わってましたか」

エルフ姉「すまねぇな、言ってなかったからな」

兄「まあ仕方ないよ」

紅竜「久しぶりだなー!!」

ガヤガヤ…

兄「…騒がしいな…祭り?」

側近「多分…アレでしょうね」

兄「?」

エルフ姉「ああ…」



エルフ姉「…というわけだ」

側近「それはそれはおめでとうございます」

兄「へぇ、最初からってわけじゃねーのか…」


ザワザワ

「紅竜ちゃんだ!」
「マジ?おお、相変わらずだな!」
「むぅ、やっぱりおっきいじゃないか…」

紅竜「おおっ!?」

兄「人気だな」

紅竜「やー久しぶりだね!大きくなったね~みんな!」

兄「…あれ?エルフの人の方が年上じゃないのか?」

側近「ドラゴンは長生きですからね、ああ見えてあの方々が子供の頃に紅竜と遊んでいたのですよ」

ちょい投下


スタスタ

友「おっす兄、良い所だぜここ」モグモグ

兄「おう、みたいだな…心地良い」

側近「懐かしいですね、この魔力の流れ…」

紅友「紅竜ちゃん!」スッ

紅竜「紅友ちゃん…あ!!カード!!」

紅友「また…やろ?」

紅竜「うん!」

紅友(そういえば初めて会った時言ってた115歳ってのは本当だったんだ…)

紅友(まぁでも…関係ないや!)


……

ザァァ…

妹「本物の風も気持ちいいなぁ…」


兄「こんな所に居たのか」

妹「…お兄ちゃん」

兄「落ち着いたな」

妹「……うん」

兄「これからどうする?ここで暮らすのも…有りだと思うぜ?」

妹「ううん、私…魔王を倒す旅に出ようと思う」

兄「……」

妹「学校でSランク魔法使いさんや称号持ちさんが来た時…実はそんなに強く感じなかったの」

兄「ほう」

妹「だから…もうちょっとここで修業していけば…魔王を倒す力が手に入るかもしれない」

兄「魔王…ね」

妹「お父さんとお母さんの仇だしね」

兄「知ってたのか」

妹「……知ってたよ……お兄ちゃん、全部背負う事無いんだよ?」

兄「む…」


妹「でも……王様が魔王に乗っ取られてたなんて…」

妹「しかも次はD魔法使いさんの体を乗っ取って復活した……あれ、復活?」

妹「じゃあこの3年間魔王城はどうなってたんだろ……E盗賊さん達が返り討ちに遭ってるから魔王城はあるみたいだけど」

兄「……」

妹「むぅ、こんがらがってきた…たしか…張りぼて魔王とか言ってたなぁ……代役が居たのかな…」

兄(張りぼて魔王……じゃあ、俺が殺したのは……くそ)ギリ

兄(待てよ!?なら魔王娘はなんだ!?あの子はあの魔王をパパと呼んでたが…)

兄(改めて考えると本当にあの魔王の娘か?とてもそうは思えん……なんで気づけなかったんだ!)

兄(側近も、3年前も側近だったなら…復活した魔王の側近で、父さん達と刃を交えたはず!…何か、隠してるんだろうか…)


妹「あーわかんない!」

兄 ビクッ

妹「話変わるけど結局さ」

兄「…うん」



妹「何のバイトしてたの?」

兄「え?」

ここまで
次は0時くらいに投下するかも

眠くなるまでやるぞお



妹「ほら、もうバイトなんてできる状況じゃないよね?」

妹「何のバイトしてたか教えてよ~」

兄「………」

兄(妹は…魔王のせいで社会的に殺された…もう当事者だ……)

妹「お兄ちゃん?」

兄(……それに俺も、父さんと母さんの仇を討ててなかった)


兄「いいだろう、教えてやるよ」

妹「うん、なになにー?」

兄「…俺はな、実は魔」

友「おーい!兄~!」タタタ

妹「…あ」

友「こんな所に居たのか…なんかよ、族長さんが呼んでるぜ」

兄「俺?」

友「いや、正確には俺らなんだけど」


……


エルフ族族長「初めまして、儂がエルフ族族長じゃ」

兄・友・紅友「「「初めまして」」」

エルフ族族長「そちらのお二方は…また会ったの」

妹友「あは!ただいまです!」

妹「押しかけて申し訳ありません……」

エルフ族族長「よいよい」


エルフ族族長「と、言いたいところじゃが」

エルフ族族長「ただで居座られても困る。働かざる者食うべからず、人間の諺にあるじゃろう?」

妹友「そうっすね、何か仕事ありませんかね?」

妹「ちょ、もうちょっと礼儀正しくできない?」

エルフ族族長「よい、話はそれじゃ。お主らにやってもらいたいことがある」

兄「なんでしょう?」

エルフ族族長「魔界には日和族というのが居るのじゃが…」

エルフ族族長「彼らは回復魔法が得意で、特殊な魔法陣や魔法を知っておる」

エルフ族族長「対してエルフ族は攻撃魔法が主じゃ」

エルフ族族長「ここでエルフ族が回復魔法やその他の特殊な魔法も覚えると、鬼族やドラゴンにも引けをとらんエルフを育成できるじゃろう」

エルフ族族長「まぁ元から日和族は大多数の魔者からは嫌われておったが、エルフ族とだけは仲が良かった」

エルフ族族長「しかし日和族は魔界の奥に移り、エルフ族との交流を断ってしまった」


紅友「つまり、回復魔法やその他の特殊な魔法を教わりに日和族との交流を再開させたい。と言う事ですね」

エルフ族族長「そうじゃ」

友「なるほど、それで俺たちに日和族との交流を再開させるようにしてほしい…と」

エルフ族族長「うむ。日和族は人間となら話ができるかもしれん」

投下~~~~…できたらいいなあ





友「って言われてもな~!どうすんだよ?」

エルフ姉「俺が案内しよう」

妹「あの、転移はできないんですか?」

エルフ姉「そもそも誰も里に入らせてもらえねぇからな…ああ、近くにはいけるぜ。ただ…」

妹「ただ…?」

エルフ姉「日和族の里周辺はオーガより数段強い魔物が棲んでいる」

エルフ姉「それも、日和族の里に立ち入れない理由の一つだ」

妹「日和族の人たちは襲われないんですか?」

エルフ姉「……さあな…そのへんはもう俺でもわからねぇ」


兄「ま、とりあえず明日だな」

エルフ姉「そうです…だな、今日はもう解散だ」

妹「……」

エルフ姉「この人数だ、さすがに俺んちにゃ入らねぇから宿を紹介するぜ」

兄「ああ、頼む」


……


エルフ姉「よう、7人ほど頼めるか?」

宿エルフ「今日はどうしたんだ?」

エルフ姉「いやあ…魔界の散策してたら昔の知人達にばったり会ってよう」

宿エルフ「お、側近さんじゃないか」

側近「お久しぶりです」

紅竜「やー!」

宿エルフ「紅竜ちゃん……風呂入る時は気を付けておくれよ…?」

紅竜「あー…うん」





宿エルフ「それで、こちらはどこのエルフさんだい?」




エルフ姉「東の小さなエルフ村からだとよ」

宿エルフ「ほぅ、はるばる大変だのぅ」


兄・妹「「…はは」」

妹友「むぅ、耳に違和感…」

友・紅友「「……」」


――――――-

エルフ姉「そうそう、皆変化魔法は使えるか?」

妹友「どうしてです?」

エルフ姉「宿には他の地域から来たエルフも居るんだ。そいつらは人間嫌いな可能性が高いからな」

エルフ姉「部屋の外を出歩く時は変化して行った方が良い」

兄「了解」

妹「了解です」

妹友「むぅ…」

友「…できない……」

紅友「私も……」

エルフ姉「ああ、心配すんな。…ほれ」

友「あ、これは…」

エルフ姉「俺がつけてた物とはまた別の変化の指輪だ。つけるとエルフ族の特徴を持った風格になれる」

パァァァ

妹友「…おー」

紅友「友さんかっこいいです!…私はどうですか?」

友「う…い、いいんじゃないかな」プイ

紅友「そ、そうですか…」シュン


友(……か、かわいすぎる!!)

――――――-

ここまでっすー

濡れ場(物理)投下


宿エルフ「ではこの3部屋を使ってくれ」

エルフ姉「じゃ、勝手に割り振ってくれ。また明日な」ヒラヒラ

妹「はい、おやすみなさい」

兄「こっちの部屋は俺と友で使うよ」

妹友「隣はあたしと妹と紅友ちゃんでいいかな?」

側近「では私と紅竜はここですね」

兄「あ、風呂はどこですか?」

宿エルフ「風呂はこっちだ」

兄「もう皆入っちまおうぜ~」

宿エルフ「なら早めにな。他にも風呂入るヤツがいるんだ」

側近「……私達は後で入ります」

紅竜「え?後なの?」

側近「いいから戻りますよ紅竜」グイグイ

紅竜「え~~~~~」


妹「?」


ー浴場ー


宿エルフ「脱衣所…男性はこっち、女性はこっちな」

妹「どもです」





兄「…さて!入るか!」

 ガラ

兄「お、露天風呂なのか。気持ちよさそうだな」

友「魔界の露天風呂とか大丈夫なんだろうか…変な成分とか無いかな…?」


友「ん~湯加減はっと…」チャポ

友「お、丁度いいな。エルフと人間は温度感覚は同じみたいで良かった良かった」

兄「だな」

ザバン

兄・友「「ふい~~~」」





 ガ ラ


兄・友「「……え?」」



妹「わ~~露天風呂だあ~~~!」

妹友「むぅ、片腕じゃうまく隠せない…だー!もういいや!」バサ

紅友「露天風呂なんて初めてです…それが魔界でだなんて…複雑です」



妹・妹友・紅友「「「あれ?」」」



兄「……はは、混浴か…」プイ

友「だから引き返したんだね…側近さん」ブクブク


妹「……入り直そ?そうしよう?」クル

紅友「…え、あ…そ、そうだね」


「あんまり長風呂しないでおくれよ~~!」


妹「……」

妹友「妹…あたしさ……もう……どうでも……いい………」スポーン

紅友「妹友さん…お気を確かに…」





紅友「友さん」ススー

友「なっ!なななななにかな?」クル

紅友「っ!!……ごめんなさい」ポロポロ

友「え、えええ!?」

紅友「この傷…私のせいで……」サワ…

友「…ああ……別に大丈夫だって!」

紅友「……」

友「俺さ、この傷が紅友ちゃんに付いてたらと思うと…自分で自分が許せなくなると思う」

紅友「…でも」

友「友達…いや、大切な人を守った結果なんだ。たとえ傷が消せても、俺は消さないよ」

紅友「友さん…」



兄「…お、泡出てる。気持ちいいな……うん、気持ちいい……」ポツン



妹「…なにやってるの?」

妹友「穴があったから入ってる」

妹「…ほどほどにね」

妹友「うん」

ココマデッスー

完結したら修正して投下したい…

エアコン起動!Jane起動!メモ帳起動!


ー南の毒沼付近ー

武闘家「魔界の夜…か、俺にとっちゃ人間界の夜の方がよっぽど怖ぇ」

ザッザッザッ

武闘家「!…よっこらせ」


蒼竜「あら、律儀に待ってたのね」

武闘家「ま、あんたらについて行くって決めたからな」

蒼竜「なら一緒に来ればよかったのに」

武闘家「俺はあんなとこに居たら死んじまう」

蒼竜「人間って不便ね、烈火山でも私が冷気纏ってなければ死んでたわよね」

武闘家「……まーな」


魔王「…今日は眠るとしよう…明日で最後だ」ニヤ




側近「湯加減どうでした~?♪」

友「側近さん!混浴なら混浴だって教えてくださいよ!」

妹友「まったくですよぅ側近さん…おかげであたしは…あたしはあああぁぁぁぁ……」

側近「いえいえ!私はなんとなく後で入りたかったので」

友「む!嘘は良くないですよ側近さん!」

側近「あら、あー…そういえば友さんに嘘は通じないんでしたね…」

友「知ってたんですよね?」ズイ

妹友「むうううう」ズイ

側近「う…はい」ショボン

コソ

兄(なんで黙ってたんだ?)

側近(その方がほら、面白いじゃないですか)

兄「……側近くすぐりの刑ーーー!!」ガシ

側近「わっ!ちょ!魔お…兄さん!?」

友「兄!ナイスだ!いけぇ!!」ビシッ!

妹友「がってんだぁああああ!!」コチョコチョコチョ

側近「ひゃっ!あひゃっ!すみまっ!すみませあひゃっ!」

妹「おりゃああああ!!」コチョコチョコチョ

側近「あひゃひゃひゃひゃ!!」

紅友「……えい」ズム

側近「あふん!」


……


妹「妹友」

妹友「んー?」

妹「どしたの、ぼーっとして」

トットットッ

???「!……」スッ

妹友「さっきさ、友さんが嘘見破ったじゃん?」

妹「だね、便利だよね友さんの特有魔法」

妹友「それだよそれ、特有魔法。いいなーって思ってさ…」

妹「私達は持ってないもんね」

妹友「あたしも持ってたら…強くなってたのかなー…」

妹「…私は関係無いと思うな」

妹友「え?何で?」

妹「だってさ、実際友さんは…言っちゃ悪いけどDランクでしょ?」

妹友「うん」

妹「過去に特有魔法持ちの人と戦ったことあるけど、その魔法に頼りっぱなしで読みやすかったし」

妹「もちろん厄介な特有魔法にも出会った事あるけど、どれも冷静に対処すればどうにかなるものだったよ」

妹「それに戦闘向きじゃない方が多いらしい」

妹「ま、まだ特有魔法を持ってないと決まったわけじゃないよ。ある日突然特有魔法を持った人だって居るんだから!」

妹「わかった?」

妹友「三行で」

妹「特有魔法は強いとは限らない。戦闘向きは少ない。妹友も特有魔法持ってる可能性ある。」

妹「以上!」



妹友「そっか、あたしも持ってるかもしれない…か……」

妹「そうだよ。ポジティブこそ妹友でしょ?」

妹友「…そだね!ありがと妹!!」

妹「ん!」


妹友「って、何持ってるの?」

妹「ああこれ?」トットッ

妹「このへんでいいか…みてて」

妹友「んー?」

妹「はっ!」ブウン

妹友「おーーー?」

妹「対象との距離を表示する魔法陣を組み込んだ道具!」

妹友「授業で習ったヤツじゃん。何時の間に作って……そんなものどうするの?」

妹「宴の時さ、片目を失った人が居たんだ」

???「!」

妹友「あー、妹に怒鳴ってた…」

妹「片目だと距離感が分からないって言うでしょ?だからコレあげようと思って」

妹友「…人間嫌いみたいだったけど、受け取ってくれるの?」

妹「…わかんない。けどやっぱり困ってるならエルフだろうと何だろうと助けたいよ」

妹「それが、皆が仲良くできる一歩だと思うんだ」

妹友「優しいね、妹は」

妹「ううん…利用してるだけ…かも」

スッ

???「やあ、君たちはもう風呂に入ったのかい?」

妹友「あ、はい」

妹「!!!」



???「いい湯だよね。君たちも、エルフ族ならそう思うだろう?」

妹「っ!」

妹友(あ、今エルフに変身してるんだったな)

妹友「そうですね~、疲れが一気にとびましたよ~」


???「あ、僕は片目エルフ。好きなのは風呂に入る事」



片目エルフ「嫌いなのは…人間だ。」

妹友「っ!」

妹「……」

片目エルフ「あはは、ちょっと怖かったかい?すまないねぇ」


片目エルフ「………姿は変えても魔力は覚えているよ人間。エルフをなめるなよ?」ガシッ

妹友「うあっ!」

妹「や、やめてください!!」バッ

片目エルフ「ふん…」クル

妹友「……っ」





片目エルフ「お前の特有魔法は超肉体活性だ。動体視力、筋肉、脳の回転等が飛躍的に上昇する」

妹友「えっ?」

片目エルフ「発現の仕方は…そうだな、自分以外がスローモーションになったとイメージしろ。後は普通に修行すればいい」

妹「…どうして……」

片目エルフ「俺の特有魔法だ、頭を掴む事で相手の潜在能力を読む。良かったな妹友とやら、戦闘向きで」

妹友「あ……」

片目エルフ「あと、俺は片目でも距離感はつかめる。そんなものはいらん………じゃあな」


妹「………」パチクリ

妹友「よかったじゃん妹!!偶然だけど気持ちは伝わってるよ!!」バンバン

妹「いてて…夢じゃない…」

妹友「……そっ…かぁ……超肉体活性かぁ…!私の特有魔法…!ありがとーーーーー!!!」ブンブン


片目エルフ「………ふん」トットットッ……


妹「…よかったぁ!」

妹友「ありがとおおおお!あーーりがーーとーーーおーーーー!!」






「うるせえぞゴルァ!!!!!何時だと思ってんだボケ!!!!」

妹・妹友「「!!」」ビクッ

小さいことだけど妹友の 私の特有魔法→あたしの特有魔法 で

ちょい休憩


ー朝ー


エルフ姉「さて、今から日和族の里付近に転移させるが」

エルフ姉「エルフの里には例によって転移できねぇからすぐには戻れなくなる。気を付けてな」

妹「わかりました」

友「転移魔法陣…あの時のヤツだな、こっちのが数倍デカイが……なるほど、ここで行き先を指定すれば飛べると。」

エルフ姉「ああ。大体魔界の、里と呼ばれる集落には大体一つはこういう施設がある」

友「すごいな、人間界にも作れば便利なのに…」

妹「ですね~」

エルフ姉「あるぜ?」

妹「あるんですか!?」

エルフ姉「ただし簡単に使えないように特殊な場所にある。一般人にはまず利用できんだろうな」

友「ちょっとまて、なら何で兄はそんな魔法陣知ってたんだ?」

兄「………エルフ姉、行き先変えていいか?」

エルフ姉「あ、どうぞ」

妹(敬語…)

兄「ここ…を、こうして……」

側近「……兄さん……そこは…」


兄「よし………頼む」

エルフ姉「わかった」

妹友「エルフ姉さんは来ないので?」

エルフ姉「ああ。この魔法陣は外から起動するタイプでな。誰かが外に居ないと使えない」

エルフ姉「それに…エルフ妹をほったらかしにはできないし、エルフの里での仕事もある」

妹友「そうですか…」

エルフ姉「じゃ、起動するぜ」ブゥン

兄「あとでその行き先消しといてくれ」

エルフ姉「…はい」


バシュッ!!

あかん、やっぱ眠いんでおやすみなさい

おはようございます



バシュン!!


友「…っうわ!!真っ青だ…魚!?どうなってんだこれ…」

紅友「海の…中?キレイ…」

妹友「どこだここ……」

妹「ねぇお兄ちゃん、ここどこ…」クル

妹「……!!皆後ろ!!!!」

友「え?うわ!!」

紅友「授業で見た事ありますよこれ!!」

妹「お、お兄ちゃん!?」




兄「ああ……魔王城だ」


ギ イ イ イ イ


友「いきなりラスボス!?いやいやいや!!!」

妹「友さんと紅友ちゃんは私達から離れないで!」チャキ

妹友「修行してからの方が良いんじゃないかな兄さーん!」シャキン

兄「実はとっくに魔王城見つけて魔王に挑んだ事があるんだ」

妹「い、いつのまに…!?」

兄「その時魔王城入口にマーキングしといたんだよ」

友「な、なあ。俺たち場違いなんじゃないのか?」

紅友「そ、そうですよ…私達DとEランクなんですよ!?」

兄「友は精神攻撃してくる敵の対処、紅友は回復をしてもらいたいんだ」

友「ま、まじか……」

兄「妹、妹友……本気でいけよ」

妹「当然…!お父さんとお母さんの仇…!!」

紅友(……何で今なんだろう…)



……

コツコツコツ

兄「……」

妹「この先に魔王が…っ」ギリ

兄(側近)

側近(了解です……~~~)ブツブツブツ


キィィィィン


兄「あぶない!」ドン!

妹・妹友「!!」

シュルルルルルル!!

兄「しまっ!」

側近「きゃあっ!」

紅竜「わわっ!!」


妹「お兄ちゃん!!側近さん!紅竜ちゃん!!」

スッ

魔族メイド1「持って行って」

魔族メイド2「了解」スーー……

兄「ん~~!ん~~!」

側近「~~~!」

紅竜「もがもがもが!」


妹友「待てぇ!!」ダッ

バッ

魔族メイド1「侵入者…殺す」ギロ

妹友「くっ…」


……

ー魔王の間ー

兄「やっぱ演技は苦手だ」

紅竜「私は面白かったよー!!」

側近「実力を測る為…ですか」

兄「ああ。全力を出してもらうために…少々悪役になる」ガサゴソ

側近「私は何をすれば?」

兄「そうだな、ベタだが…傷ついた所を助けられ、道中を案内した後実は魔王の側近だったってシナリオで」

側近「まあ本物ですがね…友さんにバレませんか?」

兄「だから良いんだよ」

側近「え?あ、あーなるほど…」

魔王娘「おかえりー!!」

兄「おう、魔王娘すまんがあっちの部屋行っててくれるか?」

魔王娘「ぇ…邪魔なの…?」ウル

兄「あああ、そうじゃなくてだな」オロオロ

側近「ふふ、魔王様は魔王娘をびっくりさせたいの」

側近「でも魔王娘が居たらびっくりさせられないでしょう?」

魔王娘「んーよくわかんないけどそうなんだ!じゃあ向こう行ってるね!楽しみ!」タタタ…

兄「…何のサプライズすればいいんだよ」

側近「それは考えてください」

兄「はぁ…んしょ」バサッ

兄「魔王っぽいか?」

側近「似合ってますよ、魔王様」

兄「よし、じゃあ手筈通りに」

側近「了解しました」バッ

シュタタタタタ……

続きは夜か明日っす


妹友「はぁっ!」シャッ

魔族メイド1「……」バッ

妹友「てやあ!」シャシャッ

魔族メイド1「……ここ」

ヒュオッ!ガキィン!

友「剣が蹴り飛ばされた!」

妹友「やべ!」

魔族メイド1「とどめです」バッ

妹友「なんてね!波動弾!!」ドォン!

魔族メイド1「くはっ!!」

ズシャア!

妹友「んしょっと」ヒョイ

魔族メイド1「ちい…」

妹友「へいかも~ん」


友「加勢しないのか?」

妹「うん。勝てるよ妹友なら」

紅友(……何か引っかかるなぁ…)


妹友「はっ!」シャシャッ!

魔族メイド1「くっ」バッバッ

妹友「また離れやがって!」パッ

妹友「波動弾!」ドン!

魔族メイド1「!…」ニヤ

ヒョイ

妹友「ちぇ!」チャキ


友「妹友ちゃん…やっぱり片腕な分、いちいち剣を離さないと魔法弾撃てないのか…」

友「それだと読まれて当たらないぞ…それに隙も大きい…」

妹「大丈夫ですよ」

友「え?」


魔族メイド1「炎弾」ドン!ドン!

妹友「く、もう間合いには入って来ないか…」バッバッ

妹友「なっ!!!」ドォン!!

魔族メイド1「!?」

ドカァン!!!ガラガラガラ……

魔族メイド1「く…は…」


妹友「手のひらからしか魔法弾撃てないと思った?」

妹友「残念!特訓して剣先から撃てるようにしてたのでした~!」


友「す、すげー」

妹「エルフ姉さんとの修行の成果だね!」



ガラガラ…

???「ひっ!あっ…」

魔族メイド1「!」

妹友「あっ!?おい!逃げろ!!」

魔族メイド1「……」バッ

???「きゃあ!!」

魔族メイド1「……コイツが殺されたくなかったら…今すぐ出ていけ」

???「ひ…た、助けて…!」

妹「はぁ…私もやりますかー…よっ」キィン

魔族メイド1「動く…な……!?」ピキッ

妹「呪縛魔法……ごめんね、妹友と戦ってる途中ゆっくりとかけさせてもらったよ」

妹友「えー!サシでやってたのに!」

妹「逃げられたら困るじゃない?」

妹友「むーーー!!」

???「…えと…」スルッ

タタッ

???「あの、ありがとうございました!」ペコ

妹「んっ」

妹友「むぅ…二対一になっちゃった…けど」

魔族メイド1「く…」

妹友「人質とったあんたが悪い!」バッ!

魔族メイド1「!!」

???(~~~)ブツブツ

紅友(…?)

キィン!

妹「あ!!解けた!?妹友気を付けて!」

魔族メイド1「煙幕」ボン!!

妹友「むっ!!げほっげほっ!!」

今日はここまでっす
めちゃ忙しくなるのでしばらく投下できないです
気分転換にたまに書いて投下できるかもです

作業が進まないので投下ァ



………


妹「風魔法!」ビュオッ

スウウウウウ…

妹友「逃げられた…」

???「あの、皆さんはどうしてここへ…?」

妹「魔王倒しに来たんだけど…仲間がさらわれちゃって…」

???「そうなんですか…私、転移魔法の修行してたら失敗して変な所来ちゃって…」

妹「転移魔法怖いなぁ…」

友「気づいたら魔王城とか怖すぎる」

???「…さっきも人が連れて行かれちゃったし……あ!男の人1人と女の人2人でしたけどもしかして?」

妹「それだ!」

???「なら案内しましょうか?こういう紋章が…」カキカキ

???「書かれた扉があって、そこに入っていくの見ましたから」

妹友「魔王の紋章!」

妹「ごめんなさい、案内お願いします!」





スタスタ…

???「こっちです」

妹(友さん友さん)コソ

友(ん?)

妹(あの人を嘘発見魔法で見ていてくれませんか?罠の可能性もありますから)

友(さすがだな妹ちゃん。でももう既にやってるが本当の事しか言ってないぞ)

妹(そうですか)

友(ま、しばらく見てるよ)

妹(……お願いします)


……



???「ここです」

妹「…」チラ

友(大丈夫だ)

妹「…ここか……」

妹友「行こう!」

???「妹さん!」

ピタ

妹「……………なに?」

???「相手は魔族の王です…本当に勝てると思ってるんですか?」

妹「……」

???「死ぬかも…しれませんよ……?」

妹「お兄ちゃんや側近さん、紅竜ちゃんを見捨てて逃げたくない」

妹友「だねー」

妹「たとえ力及ばずとも、仲間だけは絶対助ける!!」ガシッ




ギイイイイイイイ…




妹・妹友「「魔王!!覚悟ぉ!!!」」バッ









妹「……………うそ」



ポタッ……ポタッ……



魔王「ふーむ……侵入者とは貴様らの事であったか…」

兄「………逃げ…ろ……」



妹「お兄ちゃん!!!!!!」ダッ


側近「待ってください!」


妹「っ!?」キッ

妹友「側近さん!無事…じゃ……ないみたいですね……」

側近「はい…魔王にやられて……っ」ジワァ…

紅友「大丈夫ですか!?すぐ治療します!」パァァァ

側近「すみません…」



妹「妹友!さすがに一対一って言わないよね?」

妹友「うん…さすがにね!」

妹「はっ!高密炎弾!!」ドン!



魔王「おっと」ヒラッ

ドカァン!

妹友「はぁぁぁぁ!!」

魔王「目くらましだったか。だが」

ガキン!

妹友「ちっ!」シュタッ

魔王「波動弾」ドォン!

妹友「波動弾!!」ドォン!


ドカアアアアアン!!!


魔王「…む」

妹友「よっし!!」


妹「お兄ちゃん!」バッ


魔王「そもそもお前の攻撃は全て陽動だったか」

妹友「よし!取り返したぜ!妹!紅友ちゃんの所に早く!!」



魔王「だがな……」

妹友「妹……?」



妹「おに……ちゃ……」ペタン





魔王「もう遅い」


妹友「うそ……だろ……」


魔王「油断大敵だな」ヒュオ

妹友「くっ!!」バッ

妹友「妹!そんなのまだわからない!紅友ちゃんおねが」


側近「そう、油断大敵です」ズボッ…

ドサ…ドサ…

妹友「側近さん……何…やって……」

友「妹…ちゃ……こいつ……偽……」

紅友「う……あ……」



側近「っふ……あっはははははははははははは!!!!」

側近「こーーーんな簡単な手に引っかかるなんて!!」


 ボン


蒼竜「あなた達ってホント、馬鹿ねぇ!!」


妹「……………」



妹友「……こ……のやろぉぉぉおおお!!!」バッ

魔王「ほう、我に背を向け」

ドオオン!!

魔王「ぐ……貴様」


妹「……殺してやる」


妹「殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる!!!」ギロッ

魔王「…かかってこい勇者のなりそこない!!」

妹「うわあああああああああああああああああ!」バッ!



妹友「はっ!らぁっ!!」シャッ!シャッ!

蒼竜「ふん、遅いのよ!」ヒュバッ

ゲシィッ!

妹友「ぐっ!」ヒュン

ドカァン!

妹友「がっはぁ!!!」

ヒュォ

妹友「!!!」バッ

ガァン!

蒼竜「惜しい惜しい」ズボッ

バッ

妹友「はぁっ!はぁっ!!」

蒼竜「フッ!」シュッ

妹友(周りがスローになる感覚……)バッ

蒼竜「ハッ!ハァッ!」シャッ!シャッ!

妹友(周りがスローになる感覚)スッスッ

蒼竜(この子……)

妹友(周りがスローになる感覚!!!)キィン!!!

ヒュバッ!!!



妹友「できた……」


蒼竜「…やる……わね……」



ドサ……




蒼竜「私にキズをつけるなんて」ツー






妹「あああああああ!!!」ギン!ギン!ギン!

魔王「っ剣が持たんっ!!」バキン!!!

妹「はぁぁあああ!!!」シャッ!

魔王「っやべ!」ドォン!

妹「くはっ!!!」

ドサッゴロゴロゴロ

妹「っ!」シュタッ

妹「高密炎弾……」キィィィィィン

魔王「…………魔法障壁」バッ

妹「っはあああ!!!!」

ッドオオオン!


バシュウッ!

ヒュッ

魔王「……何!?剣を投げっ」バッ

ヒュン!

魔王「っやるな!だが剣を手放せ…ば…」

キラッ

魔王「糸…まさか!」

妹「……」グイッ!

魔王「ぬおっ!」

チッ

妹「カスっただけ…っ」パシ

魔王「いつの間にそんな技術を…」


妹「……禁忌魔法!リミッター解除!!」キィン!

魔王(!!脳のリミッターを強制的に解除する禁忌魔法!まずい!!)

妹「補助魔法!!速度増加!増加増加増加ぁぁあ!!」キィィィィィ

妹「シャァッ!!」ヒュ

魔王「っち!」ギィン!

キン!キン!キン!キン!キン!キン!キン!キン!

妹「あああああああ!!!」シュバ

ガァン!

魔王「剣がっ!」

ブチブチッ

妹「つっ…ハアアアアア!!」シャッ

魔王(やっ…べ)

ポロ

妹「!?」ピクッ

魔王「隙あり!!」ドン!!

妹「あうっ!!」

ズザーーッ……

魔王(今の隙が無ければちょっとやばかったかもな…)


妹「……………」


魔王「この程度か!?ふははははははは!!」




妹「…………はー……頭冷えたよ」ムク

魔王「なんだ?無駄だと悟っ」

妹「いやそうじゃなくてさ……」





妹「何やってるのお兄ちゃん…」

魔王「あ」

妹「…お兄ちゃんだと思ってたコレ、よく見るとスライムじゃん…変化解けかかってるよ」

兄(スライム)「!!」ムクッ

兄(魔王)「あ、いや…よく変化持ったもんだよ」

兄(スライム)「……」ショボン

妹「スライムなら致命傷っぽいダメージでも全然余裕だもんね…てことは」

側近(蒼竜)「ふぅ、もういいですよ~」

友(スライム)「…」ムク

紅友(スライム)「……」ポヨン

スッ

友「あ、終わった?」

紅友「妹さん、騙すような事してごめんなさい!!」


ボン

側近「私からも、申し訳ありませんでした」ペコ

兄(魔王)「悪いな…妹、どうしてもお前らの実力を知りたかったんだ」

妹「はーーーーー……もーーーーー……」ガックシ

???「あはははーー!」タタタ

ボン

紅竜「演技うまかったでしょ!」

妹「…残念でした。最後私の名前呼んだよね?」

紅竜「?」

妹「私、あの時まで名前言ってないし、呼ばれても無いから知ってるはず無いんだよね」

側近「紅~竜~~~」

紅竜「ありゃ……ちぇ~~」ブー

妹「ま、さっきまで激情してて何も考えて無かったけど」

妹「お兄ちゃん、服の切れ目から私がプレゼントしたペンダント…見えてるよ」

兄(魔王)「あ……決定的だったのは俺かぁ」ボン


妹「友さん達はいつの間に入れ替わってたの?」

側近「魔族メイドが煙幕張った時に、ですね」

妹「そこから!?どーりで聞いても嘘発見してくれなかったわけだ」

友「俺らもびっくりしたよ。すごいスピードでさらわれたからマジで死ぬかと思ったわ」

紅友「まったくです。もうちょっと優しくできなかったんですかね…おかげでちょっと」モジ

友「え?」

紅友「あっ!?いや!!おかげでちょっと涙が出ましたよあははははー!!」

妹「ふふ」クス

側近「申し訳ありません荒っぽくなってしまって」

妹友「う…ん……あ…れ?妹……皆?」ムク

妹「妹友は無事みたいだね…さて、改めて……お兄ちゃん達、魔王城を簡単に使ってるけどどういう事?」


兄「……ふぅ。実はな…」

よし今日はここまで

やらなきゃいけない事がある時に限って筆が進む


兄「俺のバイト、魔王なんだ」

妹友・妹「「………ちょっと何言ってるかわからない」」

兄「えーと…俺さ、3年前に家出た時あったじゃん?」

妹「あー…うん……」

兄「…悪かったってあの時は」

妹「お父さんお母さんに次いでお兄ちゃんまで居なくなっちゃうかと思ったんだからね!」ポカ

ズキッ

妹「痛っ!」

兄「リミッター解除なんて禁忌魔法どこで覚えたんだ…そんなもの使うな、体が壊れる」

妹「…だって」

紅友「妹さん」パァァ

妹「……ありがと」

兄「さて、話を戻そう」


カサ

妹「何?」

兄「父さん達の遺書だ」

妹「……」

兄「俺はコレを見て父さん達が死んだと思い知らされたんだ」

兄「…読むぞ」

妹「うん」

――――-

兄へ

悪い…力及ばず、だ。魔王と相打つ形になったが恐らくヤツは生きている。

俺達は致命傷を負ってしまった…助からない……

…すまない、妹の世話を頼む。

家の裏の木の根の所にお金を埋めておいた。生活の足しにしてくれ。

それと、復讐はするな。

生きろよ

――――-


妹「お兄ちゃん思いっきり無視してんじゃん」

兄「まぁな…」

カサ

兄「…え?」

妹「私も、持ってるよ」

兄「まじか」

妹「そうだよ、だから私もお母さん達が死んだこと知ってるんだよ」

――――-

妹へ

ごめんね、もう家には帰れない。

あとちょっとだったんだけど…だめだった。

魔王強いね!

これからお兄ちゃんと二人になっちゃうけど、しっかりするんだよ。

何かあったらお兄ちゃんを頼るんだよ。

お母さん弱くてごめんね…

もっと愛したかった

――――-


紅友・友「「……」」グスッ

妹「…はいはい!お兄ちゃん次の話!」

兄「ああ…それで、魔界で修行して魔王を倒したんだ」

妹友「え?」

妹「端折りすぎじゃない!?」

兄「いや、実際そうなんだよなー…ただよ、魔王っていう割に弱かったから…復活した魔王の言ってたはりぼて魔王ってヤツかもしれん…」

妹「…なるほど……って!じゃあその魔王ここに来るんじゃないの!?」

兄「だろうな、だから操作しに来たんだ」

側近「この城は魔王継承者の示す通りに動き、居ない時は浮上と沈没を繰り返すように作られてますから」

紅友「…転移魔法はどうでしょう?」

兄「それも大丈夫だ。俺が魔王になった時一度マーキングの類は全て外したから、俺ら以外は転移して来れないはずだ」

紅友「そうですか」

兄「それで、魔王を倒したはいいが魔王娘がそばに居てな…このままじゃ、魔族と人間が殺し合うままなんだと思ったんだ」

妹「それで、自分が魔王になるって?」

兄「ああ」

妹「……波動弾!」

ドカン!

兄「おぶっ!!!!」

妹「お兄ちゃんのっ!ばかばかばかばかばーーか!!」

兄「む」

妹「なんで言ってくれないの!」

兄「言えるわけ…ないだろ」

妹「どうして!」

兄「…普通に生きて欲しかったんだよ」


妹「……もう…無理だよ……」

兄「ああそうさ。だからこうやってバラしたんだ」

妹友「まとめるとどういう事なの?」

兄「俺は今肩書きは魔王だが、3年前父さん達と戦った魔王が本当の魔王だ」

兄「だがヤツをもう一度魔王にするわけにはいかない」

フィィン

兄「この魔王の紋章が無ければ魔者は命令を聞かないらしいからな」

妹友「なるほど…」

兄「だからこの城を魔王に見つからないように操作する」

妹「でもいずれ見つかるんじゃ…」

兄「ああ。だから今のうちに力をつけるんだ」

兄「皆が力をつけて、力を合わせれば勝てるはずだ……そうだ側近」

側近「はい、例の件ですね」パチン

シュタ

魔族メイド1「はい」

妹友「あってめっ」

魔族メイド1「先ほどは申し訳ありませんでした」ペコ

妹友「まぁ、もう事情は把握したけども」

魔族メイド1「左腕が無いのですね」

妹友「…まーねぇ」


魔族メイド1「動かないでくださいね」スッ

妹友「…左腕を出して何を」

魔族メイド1「……はっ」ブチ

妹・友・紅友「「「えええええええ!」」」

妹友「ちょちょちょ何してるの!?」

魔族メイド1「動かないで」スッ

ピト

魔族メイド1「~~~~」ブツブツ

ジワァ…

妹友「…腕が……くっついて…」

魔族メイド1「…三日あれば完全に馴染みます」

妹「移植!?」

妹友「いいん…ですか?」

魔族メイド1「はい。私は腕くらい1週間あればまた生えてきますので」

妹友「まじか……」

魔族メイド1「あの戦闘力を持ちながら片腕とは勿体ない、是非とも両腕で剣を振るってください」

妹友「……ありがとうございます」

じゃあの

ゆっくり投下します


兄「側近」

側近「なんでしょう?」

兄「俺が倒した魔王は…魔王じゃなかったのか?」

側近「……魔王継承者という意味なら魔王でした」

側近「しかしその魔王は元々今回復活した魔王の部下で」

側近「魔王の座を狙う魔者の一人でした。そして勇者との戦いで消息を絶ったのをいいことに」

側近「魔王になった、というわけです」

兄「…なんで黙ってたんだ」

側近「いえ…私も、本当の魔王の方は勇者との戦いで死んだと思っていましたから…」

兄「…そうか」

側近「私が知っているのは、魔王様が倒した魔王は…魔王という役におぼれ」

妹友「ちょっとまって魔王魔王わけわかんなくなってきた」

側近「…では復活した魔王を真魔王、魔王様…兄さんが倒した魔王を魔王Aとしましょう」

妹「お兄ちゃんの事魔王様って呼んでるんだ」

側近「…現在魔王ですからね、側近である私はそう呼んでます」

妹友「ふ…む…おっけーです」

側近「……魔王Aは各地の魔族から色んなものを搾取し、同胞を殺しても笑っていました」

妹「ひどい……」


側近「はい…ただ、一つだけ不可解な点があります」

兄「とは?」

側近「魔王娘です」

妹友「魔王娘?」

妹「…もしかしてその子って」

側近「ええ。人間界では側近娘という名で呼んでいました」

妹「魔王の娘だったんだ……」

側近「その魔王娘ですが……実は魔王Aが魔王になる前から居たのです」

妹友「え?じゃあ誰の娘なの?」

側近「わかりません。真魔王の娘かもしれませんが…あの真魔王が子を成すなんてとても…」

妹「どうしてです?」

側近「あの方は…自分以外の強い存在を認めない性格です…だから」

兄「子が自分の能力を受け継ぎ、強くなる事を嫌った…」

側近「ええ……そして4年前、自身の死をも克服する魔法を完成させた」

妹「転生…魔法…!」

側近「…死ぬ前に他の者に移れば、半永久的に生きることができる」

友「…恐ろしいな」

側近「ま、それなりの準備が必要ですがね」

紅友「まってください、魔王娘ちゃんが魔王の娘で無いならなんで魔王Aは溺愛していたんです?」

側近「そこです。しかもパパと呼ばれる事を受け入れている…」


兄「……魔王娘がどストライクだったとか」

妹「お兄ちゃんこんな時にふざけないで」

兄「はい」

側近「もしかすると魔王娘は……魔王継承者を父と慕うようにされている可能性があります」

兄「魔族契約か?……でも俺は呼ばれてないぞ?」

側近「魔王継承する前はそうでしょうね。しかし今は…」

ガチャ

魔王娘「ねーパパ!いつまで待てばいいのー!?…あ!お姉ちゃんだー!」タタッ

妹「…今の話聞いてなかったら波動弾10発はお兄ちゃんに撃ってそう」

兄「……あっぶねぇ」

紅友「あのー、魔族契約ってなんです?」

側近「…長くなるので後で説明しましょう」

魔王娘「あっはは!また魔界文字のべんきょーしようよー!」


……


魔王娘「えーまたおるすばん?」

紅竜「私も一緒におるすばんだよ!」

兄「じゃ、紅竜頼んだぞ」

紅竜「頼まれましたー!」

紅友「またね紅竜ちゃん」フリフリ

紅竜「うん!」フリフリ




スタスタスタ

紅友「紅竜ちゃん置いていくんですか?」

兄「ああ、これから行く日和族は人間としか話をしないっぽいからな」

兄「それにあいつに乗ったら目立っちまってもう入らせてくれなくなるだろ」

友「あーなるほど」

側近「私も、日和族の里には立ち入らない事にします」

兄「側近ならその辺りの魔物にはやられないだろ…っと」ガチャ

妹「あ、転移魔法陣」

兄「日和族の里への位置情報はエルフ姉に教えてもらったから…」カキカキ

兄「…よし、いくぞ」


シュン!!


……


ー獣人族の里 塀の外ー

武闘家「塀に囲まれてるな…門番もいたし」

魔王「邪鬼」

邪鬼「はいよ」ピト

ブゥン

武闘家「また魔法陣か…次から次へと…」

邪鬼「…はっ!」

ジュウウウウウ…

魔王「…行くぞ」

武闘家「溶け……おっかねぇー」



……

ー獣王宮ー

ポチャッ…ポチャッ

獣王「む、雨漏り……まさかな。獣姫、濡れるぞ」

獣姫「はて…外は快晴だったはずですのに」

タタタ…

獣人兵「獣王!!塀に不自然な穴が!」

獣王「何?早急に調査と修理をせい」


ズ ズ ズ ズ


獣人兵「………」

獣王「なんじゃ?どうした」

獣人兵「あの…そちらの方は…?」

獣王「…っ!!!」バッ!

蒼竜「やっほー」ガシッ!

獣姫「あうっ!!ち、父上……」ガタガタ

獣王「貴様蒼竜!!死んだと聞いたが?」

蒼竜「あっははは!私が死ぬわけ無いでしょう?」

獣王「…何の用だ…獣姫は関係ない離せ!」

獣人兵「反逆者か!!覚悟ぉ!!」ダッ

獣王「!!阿呆止まれ!」

蒼竜「…ふぅっ」ビュォオ!!

カチカチカチ…

獣人兵「あ……か……」

ピキン


獣王「阿呆が…!」

獣姫「ひぃぃ!!」ガクガクガク


蒼竜「さてと」ピッ

ヒラッヒラッ

蒼竜「起動」

ボン!!

武闘家「おー便利だな転移符」

邪鬼「転移符は俺なら1分で作れるからな」

蒼竜「相変わらずのチート特有魔法ね、魔法陣を埋め込むだけって。普通1枚1日かかるのに」


魔王「…久しぶりだな獣王よ」

獣王「…誰だ貴様……蒼竜に邪鬼……まさか魔王!?」

魔王「いかにも」

獣王「生きておったのか…姿を変えて…我の娘を捕えてどうするつもりじゃ!?」

魔王「なぁに、ちょっとこの獣王宮を借りたくてね」

獣王「なんだと…我らは人間界へ攻め入る準備をしておる、邪魔はしないでもらおうか」

魔王「邪魔?むしろ協力しに来たんだが?」

獣王「…なに」

魔王「はっきり言おう。お前らは弱い」

獣王「…なんだと!!」ダッ

蒼竜「……」バッ!

獣姫「ひっ!!」

獣王「っく…」ピタ


魔王「このまま人間界に攻め入っても返り討ちだな」

獣王「何故そんなことがわかる!」

魔王「我が直々に人間界を見てきたのだ。ヤツらは称号持ちと呼ばれる魔法、剣術の上級者がごろごろおる」

魔王「さらにそやつらを育成する学校なるものまであり、そこに居るやつらもそれなりの強さだ」

邪鬼「学校は潰したがな」

魔王「確かに今は攻め入りやすい…が、それでもその称号持ちにすらお前たちは敵わない」

魔王「事実、冒険者という称号持ちパーティーに村を一つ壊滅させられているではないか」

獣王「く……どうすれば良いのだ」

魔王「我々に任せればよい、まずは待つことだ」

獣王「わかった……従おう」

魔王「それでよい……蒼竜」

蒼竜「……」パッ

獣姫「父上!」タタッ

蒼竜「それと……解凍」スッ

シュウウウ…

獣人兵「はっ!?」

魔王「では、ここを使うから出て行ってもらおうか」

獣王「わかった……行くぞ」クルッ

獣人兵「獣王!?……???」タッ


魔王「やれやれ、魔王紋章があれば堂々と命令できたんだがな」

ズ ズ ズ ズ ズ

邪鬼「魔王様」

魔王「さすが邪鬼、仕事が早い…」

武闘家「これで最後か…何が起こるんだ…?」



魔王「起動」

ブゥゥゥン……

……

武闘家「…何も起こらねぇが……」



…………キィィィィイイイイイイイン!!

武闘家「回転しだした!?」

魔王「ふむ、うまく同期したな」


カッ!!!


武闘家「うっ!」




フワフワ…

武闘家「なんだこの球体…」スッ

魔王「ああ、触ると」

バチバチバチバチ!!!!

武闘家「ぐわあああああ!!」バッ

魔王「死ぬぞ」

武闘家「はぁっ…はぁっ…早く言ってくれよ……で、コレなんなんだ?」


……

ー獣王宮 ベランダー

武闘家「っち、まーたお楽しみか…待っていればわかるって…」

蒼竜「ふふ、かわいいわね」

武闘家「な、はああ!?」

蒼竜「なに?顔真っ赤にしちゃって!…ふっ」ヒュォ

武闘家「おおわーーーー!」ガクガクガク

蒼竜「あっはは!今度は真っ青ね!」

武闘家「こんにゃろ……」

蒼竜「そういえばあなた、元殺し屋なのよね?」

武闘家「それがどうした?」

蒼竜「マイナーな職業よね」

武闘家「気になるか?」

蒼竜「別に」

武闘家「……金が必要だったんだよ」

蒼竜「…ふぅん」

武闘家「もういらねェけどな」

蒼竜「あっそう」

武闘家「本当にどうでもよさそうだな」


蒼竜「ええ。興味ないわ」

武闘家「そうか…俺は興味あるけどな、お前に」

蒼竜「お前じゃないわ蒼竜よ」ギロ

武闘家「むお、わーったから睨むな」

蒼竜「言っとくけど昔の事なんて何も話さないわよ」

武闘家「ん、昔の事を知りたいんじゃない。今の蒼竜に興味があるんだ」

蒼竜「ナニソレ口説き文句?まさか私にホレてるのぉ?」ニヤァ

武闘家「…俺もよくわからん。ただ、賢者だった時の蒼竜も今の蒼竜も、一緒に居ると楽しい」

蒼竜「……はぁ?」

武闘家「魔王についてきたのだって、実は蒼竜と会えなくなるのが嫌だった」

蒼竜「……」

武闘家「かもしれねぇな」

蒼竜「バッカじゃないの?」

武闘家「そうだな」

蒼竜「はーくだらない…」スタスタスタ…

武闘家「……」


……


ー日和族の里 近くー

妹「炎弾!氷弾!」ドンドン!

妹友「てやっ!はあっ!」ズバッ!バシュッ!

兄「エルフ姉の言った通り、1体1体が強いな」バキッドカッ

妹「ってかこいつら食人族だよね!?こんな強かったっけ!?」

妹友(…何食わぬ顔でもくもくと対処してるお兄さんて…)ガキン!

側近「私から離れないでくださいね」

友・紅友「「は、はい」」

「グルァァアア!!」

???「た、たすケてええ!」タタタ…

妹・妹友「!!」

――


エルフ妹「助けて!」


――

妹「妹友!」

妹友「承知っ!」バッ

妹「波動弾!!」ドンドン!

「ゥウッ!」

妹友「鋭剣!」シュカカッ!

「グ…?」ズル

ドサドサドサ

妹「よし、もう大丈夫だよ!」

???「ありがト…ございます!」

側近「……」ジー


妹友「ふぅ…大体片付いたよ!」

妹「ん、お疲れ!」

???「ウ…」ガクガク

妹「…どうしたの?どこか怪我してるの?」

紅友「怪我なら私にまかせて…」

???「ウガアアアア!!!」バッ

紅友「えっ」

友「紅友!!!」

ヒュバッ ゲシッ!!

???「グアッ!!」ズザアーーッ!

側近「油断大敵と、言ったはずですよ」

紅友「す、すみません…」

妹「どういう事!?あの子魔物だったの?」

???「グルルルル……」ムクッ

側近「外見は普通の女の子ですが…目の色や爪を見ると…」

側近「食人族ですね……」

???「ウアアアア!!」バッ

ガッ!!ドサッ!!

兄「はぁ…女の子に手荒なマネはしたくないんだが…」ガチッ

???「グルァアアアア!!」バタバタ

妹「でも、途中まで助けを求めてたよね…?」

紅友「騙すタイプの食人族でしょうか」

妹「…はあ、まだまだ未熟だな…こんなのに引っかかるなんて」チャキ


???「ハッ……はぁっ……あれ?」スゥゥゥ…

兄「…ん?」

???「っ痛い痛い痛い!痛いよぉおお!!」バタバタバタ!

???「誰か助けてぇっ!いやああああ!!」

兄「…なんか罪悪感が半端無いんだけど」

妹「お兄ちゃんそのままでいてね…」スッ

???「!!!いっいやあああああ!!!」

兄「う……」


紅友「殺すしか…無いんですか?」

側近「出来れば私も殺したくはありません、一応同じ魔族ですから…」

側近「ですが食人族は放っておくと人を襲いに人間界へ向かいますからね…」


妹「……ハッ!!」ブン!

???「っひぃ!!」


パシ


妹「…え?」

兄「………妹、殺すのはちょっと待ってくれ」

友「片手で白刃取りって…」

妹「…でも」

兄「いいから」スッ

ちょっとデータ飛んだんで書き直し中です(;ω;)
こまめなデータ保存は大事やね…


???「はぁっ…はぁっ…」バッ

兄「立てるか?」スッ

???「っこ、来ない…で!!」パァン!

兄「………足が震えて動けないのか」


兄「……」ギュッ

???「!?」


側近・妹・妹友「「「!?」」」

友「お?」


兄「大丈夫、大丈夫だから」ポンポン

???「うぁ…あう…」

側近・妹・妹友「「「………」」」イライライラ




???「………」ボー

兄「…落ち着いたか」パッ

???「あっ………」

兄「立てるか?」スッ

???「…はい」ギュ

スック

兄「ごめんな、殺そうとして」

???「…いえ、仕方ないです…」

妹「お兄ちゃん騙されてるって!!」

???「ひっ!!」バッ

コソッ

兄「むお」

???「…っ」ギュー

兄(かわいいな…)

妹「……」イラッ

妹友「…ほ、ほら!兄さんに隠れてないで出てきなよ!もう大丈夫だから!」

兄「大丈夫だぞ」

???「……っ」ブンブン

兄「あーらら……」

紅友「…まあそのままでいいんで、どういう事か説明してくれますか?」

友「そうだぞ、また紅友が危ない目に遭ったらゆるさねぇぞ」


兄「なぁ、君は食人族か?」

???「っ!」ブンブン!

兄「ならさっきどうして襲ってきたんだ?」

???「………」

兄「正体がわからないんじゃ、食人族とみなすがいいか?」

???「っ!!ぁ…私…はっ」

兄「うん」

???「私…は………」

兄「……」

???「………」

兄「よし、最初から聞いて行こう。君は人間か?魔族か?」



???「……日和族…です……」



全員「日和族!?」

???「!!」ビクッ

兄「本当に日和族なのか?」

???「…はい…日和族の、日和娘と申します」



妹「騙してるんじゃ」

友「妹ちゃん」フルフル

妹「あ……」


兄「近くに日和族の里があるんじゃないのか?何でこんな所にいるんだ?」

日和娘「その……あの……」チラ

紅友「…?」

日和娘「っ!」バッ

タタッ

紅友「!」

妹友「っ!」チャキ

グッ

側近「……」

妹友「側近さん……」




日和娘「あの、ごめんなさい!!」バッ!

紅友「うええ!?」

日和娘「…っ」クルッタタタ…

紅友「そしてそれだけ!?」


コソッ

兄「ここに戻るのね」



日和娘「すみません、詳しくお話しします…」

兄「ああ、頼む」



日和娘「日和族には魔成長と呼ばれる、急激に魔力が増加する時期があるのです」

日和娘「丁度16歳となる時期です」

日和娘「その魔成長が起こった時、その魔力を受け止める器が足りてないとあふれた魔力が暴走し」

日和娘「理性を失い、足りない器を求め人を襲います…」

日和娘「これが発作です…」

日和娘「そしてそのあふれた魔力は、目の色や鋭利な爪・牙として現れるのです…こんな感じで」ギラッ

日和娘「そして最後には骨格も変わり、異形になり、いわゆる食人族と呼ばれるもの…となるのです」


妹「食人族は……日和族の成れの果てってこと!?」

日和娘「…はい」

紅友「…もう治らないの?」

日和娘「今は静まってますが…一度発作が起きると二度と元には戻れません……」

日和娘「いずれまた発作を起こし、その度に姿が変異していき最後には……」

日和娘「…ごめんなさい、また発作が起きると皆さんに迷惑がかかりますよね…」パッ

兄「……」


日和娘「助けて頂きありがとうございました…」

日和娘「私が食人族になっていた時は…遠慮せずに…こ、殺してください」


日和娘「では」クルッ


友「兄」

兄「ああ、わかってる」


ガシ

日和娘「あ…え?」

兄「おかしいだろ」

日和娘「えっ?」

兄「君さ、殺されそうになった時誰か助けてって言ってたじゃん」

日和娘「……」

兄「助かりたいくせに殺してとか言うなよ」

日和娘「…でも発作が…」

兄「俺らなら落ち着くまですぐ取り押さえられるから…なっ?」

側近「事情はわかりました」

妹友「仕方ないねー!」

妹「ごめんね、疑ってて…」

友「発作起きそうになったら言えよ?」

紅友「元に戻す魔法、見つけましょ?」ニコ


日和娘「……いいん、ですか?」ポロッ

兄「いいから泣くな泣くな」

日和娘「…うぅ…」ダキッ

兄「あーまたか」ヨシヨシ


側近「……」イラッ

妹「抱きつくのは無しで」

妹友「同意」


日和娘「……あの、お名前を聞いてもいいですか?」

兄「ああ、俺は兄ってんだ」

妹「私はー」

日和娘「兄さん、私の事は日和娘と呼んでください」ニコ


妹「お?」


兄「あ、ああ…わかった」

日和娘「…ふふ」ギュ

妹友「…私は妹友!こっちが側近さんで、友さんと、紅友ちゃん!」

妹友「んで、妹だ!」

日和娘「はい!よろしくお願いします!」

妹「あ、天然だったの…」

紅友「16歳で魔成長って事は…私と同じくらいだね!」

日和娘「そうなんですか?」

紅友「うん、私もそろそろ16になるんだ!だから、敬語はナシ!」

日和娘「はい!あ、うん!」

今日はここまでっすー


兄「じゃあ、日和族の里まで案内してくれないか?」

日和娘「いいですけど…自分から里を出ておいてのこのこ帰ってくると入れてくれるかどうか…」

紅友「自分から出たの?」

日和娘「うん…食人族になって皆に怪我させちゃったら耐えられないから…」

兄「でもよ、このまま食人族になってたらそれこそ人を襲って殺してしまったりするんだぜ?」

日和娘「…はい、そうでした……」ショボン

紅友「自分で食人族になりそうな時ってわかるの?」

日和娘「うん。初めて食人族になる前は異常にのどが渇いて…それから、人の体がおいしそうに見えてしまうんです」

紅友「なんか、いやな感じだね」

日和娘「……症状が出始めた時、自殺さえ考えたんだ…食人族になる前に自殺する人、多いから…」

日和娘「…でもやっぱり自殺する勇気が無くて…いっそ里の外に出て殺される方がいいかなって」

日和娘「…結局また怖くなっちゃったんだけど…」

妹友「ねぇ、いつまでくっついてるの?」

日和娘「あ…その……なんというか、兄さんの手を握ってると安心して…落ち着くんです」

妹友「ふーーーむ」ジー

側近「……」ジトー

妹「魔王め……」ギリッ

兄「不可抗力だ!」


ー人間界 王宮ー

退魔大臣「学校の再建は進んでいるか?」

退魔部下「はい、各地の魔法使いを集めたので後3日後には学校としての機能は果たせるでしょう」

退魔大臣「うむ」

退魔部下「それと、冒険者の収集が完了致しました」

退魔大臣「ようやくか」

退魔部下「入れ!!」

ゾロゾロ

S盗賊「話は聞いたぜ。S魔法使いとS武闘家が………許せねぇ…」

女魔法使い「よかったわね、運よく魔族討伐について来てて」

戦士「王位継承おめでとうございまーす」

退魔部下「貴様ら!国王の面前であるぞ!!」

退魔大臣「……まぁよい、実は貴様らに……ヤツはどうした?」

戦士「寝坊だってよ」

退魔大臣「…ちっ国王との謁見だというのに…」

戦士「で、魔族討伐の命を途中で取り消してまで何の用ですかい?」

退魔大臣「うむ。いままで勇者の称号を出してこなかった理由は知っておるか?」

女魔法使い「勇者の素質を持った者がいなかったからでしょ?」

戦士「勇者になるのはアイツだと思ったんだがなー、学校でも悠々トップで卒業したし」

退魔大臣「そうだ。先代の王達は何故かヤツに勇者の称号を出すのを渋っておったからな」

退魔大臣「しかし私は違う!相応の者にはちゃんと称号を与えるのだ!」

S盗賊「と、なると」

退魔大臣「ああ。ヤツに勇者の称号を与える!!」


ガッシャーーーン!


退魔部下「何奴!!!!」バッ

???「ふあ…すんません、眠くて魔法がうまく操作できなくて…」

女魔法使い「おはよー、勇者」

???「…は?勇者?」

戦士「今日からお前勇者だってよ」

???「おー…やっとかー」

退魔部下「いいかげんにしろ貴様ら!国王に対してそのような態度を」

???「…ちょ、寝起きに怒鳴るとかさー…」スッ

退魔大臣「………馬鹿者が…」

???「うるさい」キィン

退魔部下「っあ!?」フワッ

???「…死ね」

退魔部下「ぁぁああああああ!!!!!!」ギシ…ギシ…

パァン!ベチャア!

女魔法使い「きゃっ!ちょっと!血が付いたじゃない!!!」

???「わりーわりー、あー無駄な魔力使っちまったな…目は覚めたけどぉ~」


勇者「で、俺勇者でいいのか?」

退魔大臣「…ああ。勇者となって魔王を倒し、国民の英雄となるのだ」

勇者「…ま、魔物ぶっ殺せるならなんでもいいや」

退魔大臣「その前にやってもらいたい事がある。おい!」

ガチャ

兵士「お呼びでしょうか…っうわ!!」

退魔大臣「気にするな。それより例の」

兵士「は…はい」ピラ

勇者「……こいつは?」

退魔大臣「学校の壊滅と王殺しの件は聞いておるだろう?」

勇者「ああ、こいつがそうなのか……かわいいのに」

退魔大臣「油断するな。ドラゴンを従えておるぞ」

勇者「へぇ!ドラゴン!ドラゴンにゃまだ会った事ねーなー」

退魔大臣「こいつを殺す事が勇者の称号を与える条件だ」

勇者「魔王討伐じゃねーの?」

退魔大臣「それもだが…後でもよい、こちらが最優先だ」

勇者「殺すのもったいねー……あ、いいこと思いついた」ボソ

戦士「確かに殺す前に…な」ニヤ

女魔法使い「ちょっと私じゃ物足りないってわけ!?」

勇者「えー飽きたし」

戦士「俺はいいけど」

S盗賊「どうでもいい」


ー王宮 国民大臣室ー

国民大臣「退魔大臣め…先代が何故ヤツを勇者にせず魔物討伐と銘打って魔界に送り出したか分かっておらぬ!!」ダン!

国民部下「落ち着きを…」

国民大臣「魔王を倒す?っ無理だ!ヤツの性格上、逆に魔王の配下になって暴れまわるに違いない!」

国民部下「その、新勇者…を知ってるんですか?」

国民大臣「知ってるも何も……私の弟だ」

国民部下「弟様ですか!?」

国民大臣「私と違い恵まれた魔力と才能を持っているが…性格は真逆、最悪だよ。勇者とは程遠い……」

国民部下「それほどですか…」

国民大臣「ああ…ヤツは父と母を殺している…」

国民部下「な、何故罪に問われてないので!?」

国民大臣「一度強盗に入られた事があってな…その時に弟と強盗が戦ったのだ」

国民大臣「その時の流れ弾に当たり父と母が……」

国民部下「しかしそれは…」

国民大臣「仕方の無い事……では無いのだ!」ギリ

国民大臣「強盗とはヤツが雇った殺し屋だった!」

国民大臣「父と母を疎ましく思った弟が仕掛けた自作自演だったのだ!」


国民大臣「……すまない、少し激昂した」

国民部下「いえ……そうだ国民大臣殿!面会したいと言う人がいますが…」

国民大臣「…通せ」

国民部下「では呼んで参ります」





国民部下「…自己紹介を」

C風使い「お初にお目にかかります国民大臣殿、C風使いと申します」

国民大臣「ふむ、若いな…して、何用だ?」

C風使い「今指名手配されている”妹”の件についてです」

国民大臣「何か情報が?」

C風使い「実は僕、実際に会ってきたのです」

国民大臣「…ほう」

C風使い「国民大臣殿、今から話すのは事実です…よろしいですか?」

国民大臣「ふむ、衝撃的な事なのか…言いたまえ」

ちょっと休憩

再開

再開宣言からが長いんだよなぁここは


……

国民大臣「では3年前に王様に魔王が憑依していて、今回の事件はその魔王が全ての元凶である。と」

C風使い「はい」

国民大臣「おぬしがあちら側で無いという保証は?」

国民部下「……」チャキ

C風使い「それを、今から証明します」

国民大臣「…なんだ?」

C風使い「老婆様をお呼び頂けませんか?」

国民大臣「何故だ?あの方は一般人との面会は絶対せぬ。諦めよ」

C風使い「……では言い方を変えましょう。老巫女様に話があるのです」

国民大臣「!!!!」ガタッ!

国民部下「老巫女…?」

国民大臣「…国民部下、少し席を外せ」

国民部下「え!?っしかし!」

国民大臣「外せ」ギロ

国民部下「…はい」クルッ

ガチャ

バタン


国民大臣「…何故その名を知っている!?」

国民大臣「その名を知っているのは上層部か国王しか…も、もしやあなた様は!?」

C風使い「王は国民を信頼せよ。王は常に先を見据え、国民に信頼されよ。王は国民との信頼を元に国を築くもの也。」

C風使い「…父から聞いた、王としての心得です」

国民大臣「王孫様!!王孫様なのですね!」

C風使い「ええ」

国民大臣「ああ…先までの失礼申し訳ありませんでした!!」

C風使い「いやいやいいですよ。それより…今は退魔大臣が国王をやっているのですよね」

国民大臣「はい…魔界に送った冒険者を呼び戻し、勇者パーティーとして活動させ始めました…」

C風使い「っ!…行動が思ったより早いですね…早く対策しないと…!」

国民大臣「…王孫様は…どこまでこの国を分かっておいでで?」

C風使い「……全てです」

国民大臣「なんと…」

C風使い「といっても、手紙を読んだだけですがね」カサ

国民大臣「…これは?」

C風使い「父からの…手紙です」

国民大臣「王子殿の!?生きておられるのか!?」

C風使い「はい。今は魔界にいると」

国民大臣「魔界に!?」


C風使い「ええ。月に一度手紙が送られて来ます」

国民大臣「この手紙はまだ封が切られてない様ですが…」

C風使い「…では、今開封しますね」カサ

――――

王孫、元気か?今日は16歳の誕生日だな。おめでとう。

直接会って祝ってやれなくてすまない。

事情は分かってくれているはずだが、謝っておく。

先ほど通信石を送っておいた。今のお前の魔力なら使えるはずだ。

今の王国の状況を知りたい。連絡を待つ。

  --王子より

――――

国民大臣「…本当に、生きておられた……」

C風使い「……おっと」

ボウッ

国民大臣「手紙が!」

C風使い「大丈夫です。開封後2分で燃える、いつも掛けられている魔法です。ちなみに僕以外が触っても燃えます」


国民大臣「なぜそこまで?」

C風使い「父は……王国の本当の姿を知ってしまった、と言ってました」

国民大臣「どういう…事です?」

C風使い「父の話によると、既に魔界と人間界は悪い意味で繋がっている…と」

国民大臣「何ですと!?」

C風使い「だから父は命を狙われ、姿を隠すしか無かった…と言ってました」

国民大臣「この国が…人間界が…魔界と!?」

C風使い「…これが父が送ってきた通信石です。起動させてみますね……ハッ!」


ブウゥン…………ザザッ


王子『……王孫か?』

C風使い「父上!」

国民大臣「王子殿!!」

王子『そこにいるのは国民大臣か…言った通りにしてくれてるようで助かるぞ王孫』

国民大臣「ああ…本当に生きておいでだ…」

外食につきまた小休止

>>962そうなんですよね、申し訳ない
本当に書き溜め0の状態で終わりで、PCの前に座って宣言してから書き溜めですから…
やっぱりある程度溜まってからの方が良いんですかね

と、言い訳とだらだらしてもしょうがないので以後投下準備完了してから書き込みます

揚々と書き溜めたはいいけど矛盾しまくりに気づいて書き直し…
できれば>>967を無かった事にしたい…orz

酉も間違えた…ID見たらわかるけど

申し訳ない>>967を無しで…その方が筆が進む進む


C風使い「大丈夫です。開封後2分で燃える、いつも掛けられている魔法です。ちなみに僕以外が触っても燃えます」

国民大臣「おお……」

ゴト

C風使い「これが父が送ってきた通信石です。起動させてみますね……ハッ!」


ブウゥン…………ザザッ


王子『……王孫か?』

C風使い「父上!」

国民大臣「王子殿!!」

王子『そこにいるのは国民大臣か…言った通りにしてくれてるようで助かるぞ王孫』

国民大臣「ああ…本当に生きておいでだ…」


王子『そちらの状況はどうなっておるのだ?』

国民大臣「…は、申し上げます」

……

王子『学校が壊滅!?図書館は無事か!?』

国民大臣「…いえ、跡形も無かったそうです」

王子『跡形も…無い、か。ならばよしだ。』

国民大臣「ええ?」

王子『ふん、やはりよくやってくれているなあの爺さんは』

国民大臣「…???」


C風使い「父上、僕は…」

王子『お前はまだ国民大臣以外には名乗るな。だれが命を狙っているかもわからぬ」

C風使い「わかりました」

王子『すまぬ国民大臣。お主しか頼れる臣下がおらんかったのだ』

国民大臣「いえ!ありがたきお言葉!」

王子『国民大臣、王孫にはもう言ってあるが…私の父、国王の事だ』

国民大臣「……崩御なされた事、お悔み申し上げます」

王子『ああ、その事なんだが』ガサ

国民大臣「…?」



国王『勝手に殺すな阿呆』



国民大臣「…ここ、国王様!!!な、何故!?」

王子『…3年前、魔界入口で食人族という魔物について父上と視察へ行っていた時の事だ。』

王子『突然瀕死の魔王が現れ、私達を拘束』

王子『父上の魔力が一番魔王に近かったからなのか父上に転生魔法を使い、そして成り変わった』

国民大臣「…よく殺されませんでしたね……」

王子『ああ、私は転移魔法を使えるのでな』

王子『相手も転生魔法で魔力を使い果たしたのか転生してひるんでいた所をとっさに父上…姿は魔王だが…を抱え込み転移したのだ』

国民大臣「二人分の転移はっ!」

王子『うむ。無理があって片目が潰れて右腕がどっかいっちゃった☆』


C風使い「最初の手紙に書いてましたねそういえば」

王子『まぁ奇跡的に、通りがかりの回復魔法の達人に二人とも助けてもらったがな』

国民大臣「そのような人が魔界に居たとは…」

C風使い「正確には魔族でしたっけ…」ボソ

国民大臣「それにしても国王様…病に伏せられていたのでは」

国王『ああ、あの体は魔王が乗っ取ったじゃろう?こっちの体の方が何分楽じゃぞ。はっはっは!』

国民大臣「なん…と……」

王子『結果オーライって事だなぁがっはっは!!』

C風使い「…父上、今魔界のどこに?」

王子『今は…魔界のある村に住まわせてもらっている』

国民大臣「魔界の村ですか!?危険では!?」

王子『国民大臣よ…考えを改めよ。先ほど言った回復魔法の達人が、魔族だったのだ』

王子『そしてその魔族が棲む小さな村に案内され、手厚い看護を受けたのだ』

王子『しかもその魔族と私は、この3年で普通に接するどころか軽い冗談さえ言い合える親友になったぞ』

国民大臣「そんな……私の信じてきたものは一体……」

C風使い「父上とお爺様でそのような村に居るのですか?」

王子『いや、もう一人連れが居る。最近魔界で知り合った魔法使い殿だ。ある呪いを解く解呪の魔法を探しにここへ辿り着いたらしい』

…おっとあの一言でちょっち矛盾…やべ…これは不可避だ…
完結後の修正点だなあ……
筆が進むからと言ってあんまり調子に乗るとひどくなるな

一応次スレ作りました

妹「何のバイトしてるの?」兄「え?」3(魔王勇者系)
妹「何のバイトしてるの?」兄「え?」3(魔王勇者系) - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1361199280/)

明らかに魔王勇者のジャンルなので勝手ながらタイトルに入れちゃいました
1000行くまではここに投下します

と言う事で今日はここまでにしときます

やっべ気付いたら1時過ぎてる!
投下~



C風使い「まだこちらへは戻ってこられないのですか?」

王子『そう…だな…魔王が父上の姿を捨てて魔王に戻ったのならば、戻っても良いかもしれぬな…いや、すぐにでも戻るべきか』

国王『儂はこのナリじゃからのぅ…国は王子に任せて、老後の魔界ライフでも送るとするよ。この村の者達とも話が合うしの』

???『人間界へお戻りになられますか?』

王子『…魔法使い殿か』

???『では、私も護衛として同伴致しましょう』

王子『解呪の魔法の件は良いのか?』

???『ええ。後は地道に解析して、魔法陣を生成するだけなので…資料さえあれば、あとは人間界でも進められます』

王子『そうか。あの時魔王に側近を全て殺されてしまったからな…助かるよ』

???『できれば研究室をお借りしたいのですが…』

王子『おお、良いぞ良いぞ!存分に使いたまえ!私が王位継承できればの話だがな!』

国民大臣「何を仰います!本物の王族なのですから堂々とすればいいじゃないですか!」

王子『退魔大臣が黙ってないだろうな…おそらく、何者かを送り込んでくるはずだ』

国民大臣「…あ…どう…すれば……」

王子『いや?良い助言であるぞ国民大臣。堂々と王に成ろう』

国民大臣「え?し、しかし」

王子『大丈夫だ…では今から向かう』

王子『それと…誕生日おめでとう王孫よ』

C風使い「…はいっ!」

ブツン


国民大臣「……本当に…衝撃的な話ばかりでした……」ヘナヘナ

C風使い「これで、騒動の真実を分かって頂けたでしょうか」

国民大臣「…は、はい!申し訳ありませんでした!」

C風使い「いえいえ。そちらこそ、あまり根を詰めないでくださいね」

国民大臣「ご親切痛み入る」ペコ

C風使い「では」ガチャ

国民大臣「…よし、やる気出た!!まずは近衛隊の制圧だな…なんとか根回しせねば…!」



ー魔界 日和族の里ー

ザッ

兄「門番、か」

側近「では、私はこのへんで」スッ

兄「ああ。すまないな」

妹「行きますかー」



門番「何者ダ」

兄「ん?こいつは……」

日和娘「日和族が独自に開発した魔造ゴーレムです」

日和娘「遠隔操作で動いているので、実際に門番が一人立っているのと変わりません」

日和娘「ただし、戦闘力はすごいですよ」

兄「へぇ…」

門番「…ム、日和娘カ……ドコホッツキ歩イテイタノダ!!」

日和娘「ひあっ!も、申し訳ありません!!」コソッ

門番「………入レ」

兄「え?」

妹「すんなり…だね…?」

友「結果オーライ…なのか?」


ギイイイイイ……


紅友「この中が…日和族の里……あれ?」

友「誰か立ってるな…案内人かな?」

日和族族長「………」フンズ

日和娘「……」ダラダラダラ

コソ

兄(…おい、誰だ?)

日和娘(ぞぞぞ、族長…です…こ、怖い人です…)

兄(あー……)

日和族族長「日和娘」

日和娘「はは、はいっ!」ビクッ

日和族族長「心配したぞ」ハァ…

日和娘「あ……」

日和族族長「ったく…」スタスタスタ

兄「何か、良い人っぽいぞ」

日和娘「…良かったです、怒ってなくて」

スタスタスタ…

日和族族長「日和娘」ニコォ…

兄(あ、これは)

妹(ダメなパターン)

紅友(ですね)

日和族族長「っ馬鹿野郎!!!」ゴツン!

日和娘「はう!!!」

兄「わお」


日和族族長「俺らがどんだけ心配したと思ってんだ!!」

日和娘「ご、ごめんなさい……」

日和族族長「……」チラッ

兄「…?」

日和族族長「旅のお方、迷惑をかけて申し訳ない…そしてありがとう。殺さないでくれて」

紅友「…あれ?私達何も話して無いのに…」

日和族族長「日和娘の…16歳の誕生日、そして失踪……発作しかないだろう?わかってるさ」

日和娘「族長……」

日和族族長「ったく、せっかく発作が起きても対応できるよう準備させておいたってのに」

日和娘「…あの、一度発作が起きたら二度と治らない、と…」

日和族族長「……確かにそれは本当だ。だが、日和族は発作を治す方法を長年研究しつづけているのだ」


兄「すみません、それでその方法は見つかったのでしょうか」

日和族族長「…残念ながら、治す方法は今だ無い…」

日和娘「……そう、ですよね……」

日和族族長「だが、止める方法はある」

日和娘「えっ!!」

日和族族長「しかしこの方法は本人や家族との相談がな…ついて来い、見た方が早いだろう」

日和娘「は、はいっ」

兄「……」

日和族族長「ほれ、お前たちもだ。どうせエルフのジジイの使いだろう」

妹友「おお、鋭い」


……


ザッザッ

紅友「一つ聞きたいのですが…人間や、他の魔族との交流を断った理由って、もしかして……」

日和族族長「……そのとおりだ」

日和族族長「発作が起きてしまえば食人族化する。食人族化すると人を襲う」

日和族族長「人を愛す我らにとって、それは耐えられぬ事だったのだ」

兄「…だから、交流を断った…と」

日和族族長「うむ。他の者を傷つけたくないし、我らも、食人族だなどと言われたくは無い」

紅友「なるほど……だから食人族化を治す方法が見つかるまで、こんな魔界の奥地に住んでいる、と…」


妹「そうだったんだ……」

妹友「納得だねぇ~」

日和族族長「……面影がある…な」チラ

兄・妹「「…?」」


ザッ…ザッ


日和族族長「ここだ」

日和娘「ここって、開かずの扉…?」

日和族族長「~~~~」ブツブツブツ

ガコン!ギィィイイイ…

日和娘「わわ!」

日和族族長「入れ」



バタン!



妹友「わあ~石像がいっぱい……」

友「リアル過ぎないか?」

紅友「ちょっと、怖いですね…」

日和族族長「さて、今の段階では発作を治すことはできん」

日和族族長「しかし5年前、なんとか止める方法…いや、魔法が完成した」

日和娘「そうですか!」

紅友「っまさか!日和娘ちゃん!」

日和娘「あ、なあに?」

紅友「この中で、知り合いに似た石像…ない?」

日和族族長「勘が良いなお嬢さんは…」

日和娘「え?うーん………あ!」

紅友「…あった?」

日和娘「うん!この石像、4年前に里を出た近所のお姉さんだ!…よく見れば、里から出て行った人達の姿ばかりだ…」

兄「ま…さか!!!」

妹「…こんな…魔法…!!」

日和娘「…え?」



日和族族長「……ああ。5年前、ある魔法使いによって…」


日和族族長「その者の時を止める…石化魔法が完成した」


兄「なるほど、止めるってのは…」

妹「まるごと、その人の時を止めるって事だったんだ…」

日和族族長「そう。この石像たちは皆、発作が起きた者達だ。だからとっさに石化させた」

友「す…げぇ!となると、死にそうな人を石化させて、回復の準備ができたら解除すればいいっつー方法も!」



日和族族長「……問題はここからなのだ……」







日和族族長「……解除魔法が、無い」


紅友「そんな!てことは!」

日和族族長「ああ。もし解除魔法が見つからなければ…永遠にこの者達は石像のまま…だ…」

友「…まじか……」


日和族族長「……そこで本題だ、日和娘よ」

日和娘「あ…」

日和族族長「…まだ見ぬ未来に賭けて自らの時を止めるか、今を生きるか…だ」


日和娘「私…は…ア…」ピクッ

日和族族長「!!!発作だ!!」

兄「っ!!」バッ!

日和娘「ガ、ア、ア、アアア!!!」ミキミキミキ

ガシッ!!ズシン!!

兄「くそ!!!」ガチッ

日和娘「アアアアアアア!!!」バタバタバタ!!

紅友「っ!!」

妹「ど、どうすれば…」


……


日和娘「はぁ…はぁ……うう…」

兄「大丈夫…か?」

日和娘「ぅぅ…食人族になんてなりたくないよぅ…死にたくないよぉ!!!」

日和族族長「…どうするのだ」

日和娘「お願い…します」

日和族族長「…だろうな、では中央へ」

日和娘「はい…」

妹「あ、中央に描かれてる模様が魔法陣なんだ」

日和族族長「…そうだ……家族との別れはどうする日和娘」

日和娘「………書置きだけ、させてください」

日和族族長「うむ」


……


日和族族長「出来たか」

日和娘「はい…」カサ

日和族族長「確かに受け取った。…では」

日和娘「……っ」クルッ

タタッ

日和娘「あの……」

日和娘「ギュッって…してくれませんか…」

兄「…ああ」ギュッ

日和娘「……」グスッ

妹「……」

妹友「……」

友「……」

紅友「……」


日和娘「……」スッ…チラ

日和族族長「……石化魔法、起動」

ブゥウウン…

パキ…パキ…

日和娘「皆さん、本当にありがとうございました」

妹「また会いましょ!」

友「でも、日和娘ちゃん的には一瞬だな!」

日和娘「…そうですね!」

パキ…パキ…

日和娘「兄さん、また、ギュッてしてくださいね…?」

兄「ああ…ああ!もちろんだ!」

日和娘「…えへ」ニコッ


パキン…


友「…いい笑顔だな」

紅友「ええ…」

日和族族長「さて、感傷に浸っている所悪いが移動させるぞ、手伝ってくれ」

兄「あ…はい」

日和族族長「落とすなよ?絶対に落とすなよ?」

兄「ちょっやめてください」



ゴトッ

兄「ふう……待ってろよ」ナデナデ




友「にしてもすげー数だな…お、この石像とかすごいぞ、男女抱き合ってる…」

紅友「夫婦でしょうか、壮絶なドラマがあったんでしょうかね…」

妹友「なんかこの夫婦怪我してない?明らかに致命傷のような気が」

妹「どれどれー?」


兄「日和族族長さん、石化魔法を発明させた人ってどんな人でした?」

日和族族長「そうだな、それも話さねばならぬな…勇者の子よ」

兄「…え?」






妹「お、お、お、お兄ちゃ!お兄ちゃん!!!!!」

兄「どうした!?」バッ!

妹「こ、この、この…せき、ぞ……あ…あ…あ……」

兄「石像がどうし…っな!!!!!!」


妹友「え、なになに!?」






兄「父さん!!母さん!!!!」

丁度いいので今日はここまでです

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