兵士「幼馴染が勇者パーティと旅立った…」(274)
兵士「そんなわけで俺はこの王国の一兵士となりました」
同僚「クッ クククッ クハハハハハ!!!」
同僚「アーハッハハハ!そりゃー、お前相当惨めだったろうよ!!」
兵士「おい馬鹿やめろ。俺の心はもうズタズタよ!!」
同僚「ウヒヒ!すまんすまん!ウヒッ!」
兵士「屋上へ行こうぜ……久しぶりに…キレちまったよ……」
同僚「まぁまぁ、待て同士よ」
兵士「人が腹を割って話をしたというのに茶化されてみろ。誰だって傷つくだろうに」
同僚「仕方ない、今回は俺が全面的に悪いということにしておこう」
兵士「オイコラテメェ」
同僚「そうカッカしなさんなー。せっかくの酒が不味くなる」 グビッ
兵士「ウッ…ムゥ……」 グビッ
同僚「ふぅ!で、なんだっけか。お前の幼馴染が寝取られたんだっけ?」
兵士「いやいやいや、寝取られたとは言っておらんがな」
同僚「バーカ 若い年頃の男女が一緒に旅だぞ?」
同僚「いつそういった関係になるのも時間の問題だろ」
兵士「阿呆 相手は魔王を討伐しに行かれる勇者サマ。そんなことに現を抜かしてる場合じゃ」
同僚「勇者は勇者でもそれ以前に人間だし男だろうよ」
兵士「ムムム……ま、まぁ!あいつ…幼と勇者が同意の上なら」
同僚「え?お前ってその幼ちゃんって子と恋人とかそういう関係じゃねーの?俺はてっきり…」
兵士「違う違う。ただの幼馴染ってだけだわい。だから寝取られたってわけでもないんよ」
同僚「そうなのか。てっきり愛しの恋人が勇者と一緒に駆け落ちしてしまって傷心状態となったお前が恥も外聞も捨てて俺に娼館でも紹介してくれ、っていう流れかと思ったけど」
兵士「素人童貞だけは勘弁したいんでご遠慮します」
兵士「それよりもだ」
同僚「なんだ」
兵士「俺が兵士になるまでの話だよ」
同僚「幼馴染を寝取られたからこの国の兵士になったんだろ?」
兵士「だから! あぁ、もういいわ……そういうことで……。俺は寝る」
同僚「あー、すまん。ふざけ過ぎた。続けろ」マジメッ
兵士「腹立たしい顔しやがって…」
同僚「まぁまぁ落ち着け。話聞くって言ってるじゃねーか」
兵士「まったく……」
俺はこの国の兵士になる前には夢があったんだよ。
……勇者と一緒に旅に出て魔王を倒す、って夢
今思うと子供らしい英雄譚に憧れたまま望んだ夢だなとか思うわけだが
ちょうど俺たちが生まれる前から魔物関連の話が色濃くなってただろ?
物心ついたときには歴代の勇者の英雄譚の話や次代の勇者の話ばかり
年を経る毎に魔物の活動は活発化
そんなものだから幼い心で考え付いたのがさっきの夢なんだよ
魔王を倒したら魔物も大人しくなる。そうすると村も襲われなくなるってな
勇者はもうそのときには決まったって話を聞いてたし、勇者になろうなんて考え、一度もしなかった。
同僚「長い。三行でまとめろ」
兵士「あれ、まだ幼馴染のくだりもいってないんですけど」
同僚「あんな話グダグダ続けられたらこっちの体力がもたん!」
兵士「てめぇ、さっきの真面目に聞く気はどこいった」
同僚「あんなもん三秒で消えうせたわ」
兵士「オレ オマエ ヌッコスロ」
同僚「おーけー とりあえずその手に持ってる危ないものを置こう。話はそれからだ」
兵士「ダイジョブ イタミ イッシュン」
同僚「ほ!ほら!こんなつまらないお話を聞いてくれるおっきなお友達にもわかりやすいようにだ!な!」
兵士「? 何言ってるんだ、お前?」
同僚「いいから三行でまとめろ!」
兵士「なんだか納得いかんが、お前が馬鹿だから三行でまとめてやる
『俺と幼馴染で将来、勇者のパーティに入ることを誓い合う』
『半年前、勇者にパーティ誘われるも幼馴染だけ選ばれる』
『俺は家族や幼馴染の家族に顔向けできなくて志願兵に逃げ込んだ』
こんな感じで俺は今ここにいる」
同僚「うは おk 把握」
兵士「はぁ、なんでこんなやつと赤裸々な俺の暴露話をしているんだ……」
同僚「……そんなこと言うなよ。酔いが覚めて思い出しちまったじゃねぇか」
兵士「っ!そうだったな、こんな馬鹿なことやっていて忘れることができてたのに」
同僚「やめやめ!こんな白けた雰囲気じゃ明日は乗り切れねぇ!!もっと飲むぞ!浴びるほど飲むぞ!!」
兵士「だよな!!飲んでなくちゃやってられねぇっていうのはこう言うことだ!!」
ガハハハハハハハハ!!!
こうして夜は更けていく
最前線王国軍玉砕の報が国内に届くのは翌日の昼であった。
しくじった、できてたところまでは続けて投下するつもりだったのに
とりあえずここから書き貯めなし
今から続き書いてくよー
幼(えっ…と お、幼です……。よ、よろしくおね……ゴニョゴニョ)
幼(わっ!お花の冠……ありがと……)ニコッ
幼(○○くんの夢ってなーに? え?あ、いや ちがっ! ば、バカになんかしないよぅ?!)
幼(ねー○○くん、私たち絶対勇者さんたちと一緒に魔王やっつけにいこう!)
幼(私、僧侶になるね。それで、傷ついた○○君を治してあげたいんだー。えへへ…)
幼(あ!見てみて!あれ、勇者さんのパーティじゃない?!)
幼(はい!私、勇者さん達のためにがんばりますね!!)
幼(ごめんね……)
兵士(あー、なんだこれ?過去に戻ってきたか?)
兵士(…ちげぇよ…… 俺、確かさっきの突撃で敵軍に突っ込んで……)
兵士(ならこれは、走馬灯か)
兵士(ハハ、最後の最後まで夢破れたこと後悔してやがる)
兵士(…体に力はいらねぇな……)
兵士(魔物との戦いで死ぬならまだしも……)
兵士(同類同士の戦で戦死…か……)
兵士(子供の頃はこんなこと思いもしなかったな)
兵士(てーか、意識続きすぎだろ……。もうこんな苦しみ勘弁してくれ)
?「あらそれは困るわね」
まじでNTRかそうじゃないかをはっきりしてくれ
>>15
NTRにはもう心が耐え切れないからNTRルートなんてないよ!よ!
期待してた人はスマンコ
兵士(なんだ?独り言か……?いや、どう考えても…)
?「まだ貴方、息があるのよ?」
兵士(?俺のことか…?って、返事しても)
?「そうそう、そこの未練タラタラ瀕死状態の兵隊さん」
兵士(瀕死って…… なら、もう放っておいてくれ…。助かるわけないだろ……)
?「何言ってるのよ。こんな負の溜まり場で生きながらえているおいしい素材をみすみす逃すほど落ちぶれてないわ」
?「貴方には私の寄り代みたいなものになってもらうのよ」
兵士(やだこの人何言ってるの怖い)
?「んー?何か言った?このゾンビもどき?」
兵士(いや、そんなものになったところで俺はもうじき)
?「死なせないわよ?さっきも言ったじゃない」パチンッ!
?「 契 約 」
兵士「っ?!」ドクン!
?「少し我慢しなさい。そうすれば…」
兵士「ぐっぐぐぐぐぅうううう!!!」ビクンビクンビクン
?「さようなら、兵隊さん。そしてこんにちわ、私の片割れ。」
兵士「カッハァ!ウゲェ」トシャブツー
?「あら、汚いわね。折角生き返った上に私と契約できたくせに」
兵士「ウプッ お前…何者だ……?」
?「ご紹介が遅れましたわね。私は魔王様直属の部下、魔族と申しますわ」オジョウサマー
兵士「魔物…?!」
魔族「違うわ、ま・ぞ・く。そんじょそこらの魔物と一緒にされたら困るわよー?ゾンビくん」
兵士「…で、その魔物とは特別な魔族様がこんな一般兵士に何事だ……」
魔族「同じことを二度も三度も言わせず耳をよくかっぽじって一回で聞き取りなさい生ゴミ野郎」ニコォッ
兵士「」
魔族「ま、そんな生ゴミ野郎に三行で教えてあげるわ。
『こんな負の溜まり場で瀕死の貴方にはここら辺全ての負のエネルギーが集まっていた』
『訳ありで私は寄り代が必要であった。』
『魔の者には負の力が必要だから負の塊である貴方と契約し寄り代とした』
こーんな感じよ?理解できたかなー?」
兵士(こいつ最高に口わりぃ てか、生ゴミって…生ゴミ……ゴミ…ゴミ)
魔族「とりあえず今日から貴方は私の下僕みたいなものってことよ」
兵士「ゴm…ッて!おいちょっと待て!俺は納得できないぞ!」
魔族「あら?何か不満?」
兵士「魔物と人間は相容れない!そんな易々と受け入れるわけが!」
魔族「助けてあげたのに?」
兵士「う、ぐ…… 助けてもらったのには感謝するが…」
魔族「死に際であっても未練を垂れ流し続けてそのまま肉体は土を肥やす肥料に、魂は自縛霊の類に成り果てる一歩手前だった貴方を助けたのに?」
兵士「しかし!」
魔族「今現在、そのようにして私に訴えかけることができる状態なのは誰のおかげかしら?体を使って力説できるのは?言葉を発せられるのは?姿を捉えられるのは?息を切らして呼吸できるのは?ぜぇーんぶ誰のおかげかしら?」
魔族「もうグゥの音も出ないかしら?別にこの場で貴方を消してもいいのだけれどこんな負の塊の逸材なかなかいないのよ。諦めなさい」
兵士「久々に罵倒されたわ…」ガクリ
魔族「ふむ、もう少し歯向かってきてくれてもよかったのに。まだまだ言い足りないぐらい」
兵士「ダメだこいつ…性根からドSだ……」
魔族「うふふ♪気持ちよかったわー。さて、貴方にはこれから魔王様のためにビシバシと働いてもらうわよ!」
兵士「…まだ納得したわけじゃないぞ」
魔族「まぁそうなるか…。反乱分子を残しておくのも一興だけど、そうこう言っている情勢じゃないから……取引しましょうか」
脱字だー!
>>30の一行目に 兵士「……」 が抜けてた。
無くても話続きそうですけど
兵士「取引?そんな魔物相手に」
魔族「ま・ぞ・く」はぁと
兵士「魔…族相手に信用できるはずないだろ」
魔族「安心なさい。これでも高貴な心を持つものでもあるのよ、私たちのような高等種はね。」
兵士「さっきの罵りの言葉からは考えられないような単語出てきてますけど大丈夫ですか?」
魔族「ほほぉう?揚げ足を取る気かね?って、これじゃあ話が進まない。口を挟まないで」
兵士「りょーかい」
魔族「貴方の未練であるあの、幼馴染って子を取り戻してあげるわ。その代わりに私と魔王様のために手となり足となり馬車馬の如く働きなさい」
兵士「ちょっと待て。いつ俺が幼馴染を取り戻して欲しいことが未練だなんて言った?」
魔族「あら?違うのかしら?勇者に寝取られた幼馴染を取り戻したいんじゃないの?」
兵士「ちげぇよ!勇者のパーティに選ばれなかったのが悔しいんだよ!夢が叶えられなかったことが未練みたいなもので、幼馴染は!」
魔族「貴方の死に掛けの時の未練を覗かせてもらっていたけど、夢はその女と一緒に勇者と共に旅をすることではなくて?」
兵士「う、それはそうなんだがな…」
魔族「(まさかこの男気づいてない…?)まぁ、いいわ。とりあえずこの取引は保留にしてあげるわ。反乱分子を残しておいてもスリルがあっていいし。もし歯向かってきたら叩きのめして完全な下僕にするのも楽しそうだわ♪」
兵士「あかんでこいつ 取り返しのつかない生粋のSや……」
魔族「とりあえず今は貴方の命は私のものよ。取り返したいなら私を[ピーーー]か何なりしなさい」
兵士「…魔族であっても命の恩人には変わりない……。」
魔族「えらく律儀な性格なのね、貴方って。そこは気に入ったわ。魔族ちゃんポイント進呈してあげる」
兵士「なんだよそのポイント…。まぁ、それにお前からは何故か禍々しさを感じないし、今気づいたがこんなフランクに話せるとは思ってなかった。」
魔族「(ふーん、案外話がわかりそうま人間だことで)姿形は人間に近いのもあるかもしれないわ。とりあえずこれから仲良くしていきましょうか。えー、っと兵隊さん?」
兵士「…男だ。俺の名前は男。とりあえずは当面恩を返すように働いてやる。ただし」
魔族「人間相手には手を貸さないつもりでしょう?いいわよ、元々人間には手を出さないつもりなの」
兵士「は?でも、お前たちは魔王の手下で」
魔族「まぁ、それは後々話すわ。さて、勇者と旅をしたかった男のためにこの私が一緒に旅をしてあげましょう!」
兵士(以降、男)「ちょっと待て!どういうことだ!おい!!」
幼馴染が勇者パーティと旅立った…。
俺は兵士になって死んだと思ってたらは魔族と一緒に旅に出ることになった……。
はい、本日ここまで
書いてる途中、あまりの遅さに泣きたくなった俺ガイル
プロットは頭の中にあるのに実際書いてみるとダメだな!
少しだけ書き溜めできたー。全然、物語進んでないけどな!!
あ、何だか他の誰かと思われてるみたいだけど、これが創作初めてなんだからね!
期待裏切って申し訳ない
男「さて、旅をするっていうのは構わないけど、どこに向かって行くつもりだ?」
魔族「とりあえず貴方を魔王様に会わせるわ」
男「いきなり大本命キタコレ まだ序盤もいいところだぞ」
魔族「序盤って何よ?それより目的のわからないまま着いてくるほど貴方は下僕という立場に目覚めたのかしら?」
男「それはないから安心しろ。それよりも魔王になんてすぐに会えるものなのか?普通、勇者達みたいに様々な大陸を渡り歩いた末に着くもんじゃ」
魔族「秘密の裏道ってやつよ」
男「そんなもの勇者に見つかったら一貫の終わりだろ」
魔族「一回限りの簡易な魔軍専用の転送陣なの。一般人も勇者も通ることはできないわ。」
男「なんというご都合設定」
魔族「都合のいいものなんて勇者も持ち合わせてるじゃない。こんなものではお相子どころかまだまだ勇者に分があるくらいで腹立たしいったらありゃしない」
男「あぁそうかい。というより、これ以上愚痴られるのは勘弁願いたいからその転送陣とやらに早く行こう
」
魔族「むっ、何よ態度 もう少し立場を弁えさせる教育が必要かしら」ピシィ
男「おい、ちょっと待て。その鞭どこから取り出した」
魔族「秘密の多い女って素敵じゃない?」
男「女の秘密よりもその鞭についてるトゲトゲの秘密を教えなさい。たぶん、それは教育に使うものじゃないはずなんだ」
魔族「まぁまぁ 味わってみればその秘密もわかるんじゃないかしらーうふふふふふ」
男「弱いものいじめ ダメ 絶対」
魔族「だーいじょーうぶよー?貴方は強い子なのは私が保証してあげるから」
男「あなたは俺の何を知っているっていうんですかー!!」
魔族「 さ ぁ 泣 き な さ い 」
男「」
魔族「これで貴方も下僕レベルアップよ!やったね!」
男「やったね!じゃねーよド阿呆!ところどころその鞭に俺の肉片ついてるよ!」
魔族「あらやだ汚いわ」ペシィンペシィン
男「あぁ、俺の体の一部がゴミのように扱われてる……」
魔族「安心なさい。貴方の肉は大地の肥やしとして生まれ変わったのよ。再利用されるだけよかったじゃない」
男「人間は人の肉体を再利用するなんて考え方をしないからね?良いとか悪いとかでは」
魔族「私、魔族だし?人間とは相容れないって言ったのはどこのだれ?」
男「さぁ!気を取り直して新しい旅路に参りましょう!おぜうさま!!」
魔族「話を逸らしたわね。まぁ、貴方の言う通り茶番劇はここでおしまいにしましょうか」
男「茶番劇で済むような内容じゃなかったけどな……肉体的にも精神的にも…」
魔族「はいはい、過ぎたことは気にしない。いつまでもこんな場所にはいられないわ」
男「あ、あぁそうか…まだここは俺が死にかけてた戦場だったか……。」
魔族「それも過ぎたことよ。行くわよ」
男「……おう」
魔族「…………」
男「……」
魔族「………………」
男「…なぁ」
魔族「あら、さまようかかしが喋ったわ」
男「さまようかかしってなんだよ」
魔族「そこの喋ってるでくの坊さんのことよ。何か用件ですか、かかしさん?」
男「もうかかしでもこけしでもいいわ…。お前、あの戦争見てたか?」
魔族「諦めが早いことで。というより、戦争って貴方が死に掛けたあの?」
男「そうそう。俺がいつ死んでもおかしくない状態の所に上手いこと来たんだ。タイミングを見計らうため一部始終見てたんじゃないかと思ってな」
魔族「あんな死の間際まで負を貯め続けさせるギャンブルなんて誰もしないわよ」
男「そうか……」
魔族「…どうしていきなりそんなことを聞いたわけ?もう一度言うけど」
男「過ぎたことなんだろ。…けどな、今更だが俺と一緒に居た同僚が気になってな」
魔族「貴方って唐突ね…ハァ。……少しは見てたわよ」
男「え?」
魔族「最期の方まで一緒に奮闘してた顔からして胡散臭そうな男でしょ?」
男「胡散臭そうって。否定はしないけどよ」
魔族「あの男なら結論から言えば無事に撤退できたみたいよ。上手いこと撤退支援部隊が駆けつけて担がれていったわ。そんな男を助けた結果、何処かのお馬鹿さんは槍で串刺しにされてたけど」
男「!…そうか。そりゃよかった、ハハッ!!」
魔族「…つくづく変な人間ね、貴方。あのときには女みたいな魔族に罵られ、鞭を打たれて悦んでるドMな下僕に成り果てることになるとは知らず格好つけるから」
男「あれあれ?さまようかかしさんはどこに行かれましたのかな?マドモワゼル?」
魔族「あ、揚げ足とるな!!もう一度鞭で苛め抜いてやるわよ?!」
男「調子に乗って申し訳ありませんでした!!!」
魔族「フフ…アハハハハハ!!」
男「ぷっ…ぷはははははは!!」
魔族「あー、貴方って人間は本当にわからないわ。この私と笑いあうなんて フフ」
男「いやー、俺もこんな風にまも…じゃねぇ、魔族っていう種族と声出して笑うとか夢にも思わなかった!」
魔族「まったく…。さぁ!さっさと歩いて魔王様のところに向かうわよ!!転送陣はこの先の村を通り抜けた先の洞窟にあるわ」
男「おうよ! しかし、これで心配事がなくなった。ありがとうな」
魔族「ただ見たことを伝えただけ。感謝されるものではないわよ」
男「素直じゃない娘だことで…。あの男な…結婚する前だったらしいんだよ」
魔族「どう考えても死亡フラグね、それは」
男「フラグ? まぁ、そんな話を前日の夜に言われたら、な?どれだけ惨めになろうとも生かして帰らせたかったんだ」
男「フラグ? まぁ、そんな話を前日の夜に言われたら、な?どれだけ惨めになろうとも生かして帰らせたかったんだ」
魔族「その結果がこれでも?」
男「…うっ!い、いいんじゃないかな!俺はいいと思う!!うん!!」
魔物「真性下僕乙」
男「うるせぇ。とりあえずあいつの帰りを待ってる人を悲しませなかったんだ。今はそれでいい」
魔族「そう。でも貴方」
男「ん?」
魔族「気づいてないかもしれないけど、国では戦死扱いされてるのよ?ゾンビさん」
男「え?」
魔族「初めに言ったじゃない。『さようなら、兵隊さん』 ってね」
男「ああああああああああああ!!」
魔族「貴方に帰る場所なんてないのよ♪」テヘペロ!
はい、書き溜め終了でございます。
所々改行ミスがあったり重複してるところがいくつかあるね!
これは酷い
回想シーンのおかげで兵士くんたちは少し歩いただけという
次はもっとテンポよく物語を進めよう、そしてそろそろ勇者と幼馴染を登場させよう
そう私は決心するのだったー
いかん!忙しいのと話が思い浮かばないのとでまったく進んでない。
今から書き溜めしてくる。できたら本日投下できたら投下する
期待してくださってる皆様ありがとうございます。
そして遅筆で申し訳ないです
よーし、おじさん投下しちゃうぞー!
今回もあまり推敲してないからところどころおかしいところがあるやも
よかったら指摘してくださったり、脳内補完してくださると助かります。
男「なんだかんだで目的地の村が目の前に見えてきたわけだが」
魔族「貴方があんな場所で一時間も途方に暮れたおかげで時間を取られたわ」
男「うるせぇ……。自分が社会的に死んでるんだ、泣きたくもなるわい」
魔族「兵士になった以上、泣き言なんて言える立場ではなかったでしょう?」
男「そりゃそうだけどよ。帰る場所がないって実感させられたのがな…」
魔族「今になってホームシック?
ま。私と契約したからには当面は馬車馬の如く働かせるから、何も考えなくていいのよ、坊や?」
男「ここまで酷い労働環境を俺は知らない」
魔族「そんなことより早く行くわよ。これ以上遅れるのは魔王様に申し訳ないわ」
男「はいはい、わかったよ。…あ」
魔族「どうしたのよ?」
男「俺の鎧、槍や弓で穴開いてて泥や血まみれのままだった件について」
魔族「はぁ…後々になって色んなこと思い出すせいで先に進めたもんじゃないわ……」
男「この数時間で状況が急展開してるせいだ。諦めろ」
魔族「いや、貴方が威張って言うことじゃないでしょ」
男「それよりどうする?ここは一応、王国内の領土だから敗残兵といっても大丈夫だが
鎧の状態見る限り生きている人間の格好じゃない」
魔族「まさしく生きる屍、ってところね」
男「お前、死体とか魔物に例えるの好きだよな」
魔族「そんなことどうでもいいわ。それよりその格好、本当にどうしようかしら?」
男「鎧は脱ぎ捨ててもいいが、この下も同じような状況」
魔族「仕方ない、私のローブを使わしてあげる」
男「本当か。助かる」
魔族「その姿のまま村にいったらちょっとした騒ぎになるわ。
そのおかげで私まで変な目で見られるわけにはいかないし、私の姿を見られるわけにも」
男「パッと見はただの人間にしか見えないけどな。
俺もその禍々しい気配やその背中の羽を見なければ勘違いしそうだ」
魔族「その気になればこの羽は消せるわ。どうせ今は飛行能力なんてないただの飾り物だし」ポンッ
男「うお?!本当に消えた!」
魔族「大した事じゃないんだけどね。そろそろ行くわよ。
はい、ローブ。それだったら上半身ぐらいは覆えると思うから」
男「すまんな。これで人目は少しでも避けれそうだ」
魔族「私も羽は消したままにしておきましょうかね。あってもなくても同じだし
男「よし、行くか!記念すべき初めての旅での村だ。ワクワクするぜぇ…ハァハァ……」
魔族「いきなり変態に成り下がって気持ち悪い!」ゲシィッ!
男「いてぇ!いきなり蹴るな!!少しは喜びに浸ってもいいだろ!
念願の旅だぞコラ!」
魔族「それならもうちょっとまともな喜び方しなさい!なんで動悸が激しくなってるわけ?!」
男「冒険の旅ってのは胸が高鳴るもんなんだよ!男のロマンだ!」
魔族「…もう人間ってわからないわ……」
―――――――――――――――
――村・入り口
男「やっと着いたな」
魔族「もう何度やったかわからない不毛なやりとりの末に、だけどね」
男「くっ…!仕方ないだろ、俺も混乱してたり興奮していたりでだな」
魔族「あの時の貴方の変態顔を見せてやりたいわ。どう見ても中毒者です、っていう目をしてたもの」
男「おぉう…そんなに酷かったのかよ……。穴があったら入りたい……」
魔族「今から洞窟という穴に入るのだから、そこで悔い改めなさい」
男「畜生…俺のバカ……」
魔族「上がり下がりの酷い男ね。さてと、肝心のその洞窟はどこら辺にあったかしら?」
男「え?お前、場所知らないの?」
魔族「そうね。村を抜けた先っていうのは知ってたんだけど……ここの村人に聞いたほうが早いわね」
男「!任せろ!聞き取り調査ってやつだな!こういうのが旅ってやつだよな!」ギラギラ
魔族「顔、顔。そんな格好で異常な目をしている外部の人間がいたら警戒するわよ」
男「あぶねぇ…また黒歴史が増えるところだった」
魔族「こんな危険人物放っておくと厄介だわ。一緒に聞き取りしましょう。いいわね?」
男「それもそうだな。よし、それじゃあ早速いきますかー」
男「ちょっとそこのおじいさん、少しお聞きしたいことがあるのだが」
老人「む?わしのことかい?あんたは?」
男「ちょっとした旅の者だ、この辺りに洞窟があるという話を聞いたのだけれども」
老人「おお!旅の者か!あんな何もない洞窟に何か用があるのかね?」
男「いやなに、ちょっとした冒険心ってやつでな」
老人「やめておいたほうが懸命だよ、あんなところ。」
男「む?どうしてだ?」
老人「最近、魔物の動きが活発なのは知っているだろう?洞窟や森はやつらの住処よ」
魔族「あら、お爺様。この辺りも騒がしくなっているの?」
老人「ん?えらい別嬪さんだね。お連れの方かね?」
男「あぁ、一緒に旅してる者だよ。」
老人「そうかい。この辺りも最近になって今までは見ない魔物がうろつくようになってねぇ」
魔族「そうでしょうね。この辺りは普段身を隠す場所もないし、群れを作れる場所もない。
いたとしてもあまり害のない魔物が多かったんじゃないかしら?」
老人「詳しいね、お嬢さん。どこかの博士さんかい?」
魔族「いえいえそんな。ちょっとした人づてで聞いた話ですわ」
男「しかし、最近になって害のある魔物が洞窟に住み着いたってことか」
老人「そうだよ。この村の人々も何人か怪我をしたり犠牲になってるからねぇ……」
魔族「だから行かないほうがいい、と」
老人「そういうことさ。はぁ、勇者でも来てくれればいいんだがねぇ……」
男「……とりあえず洞窟の場所を教えてくれ。」
魔族「そうね、一応場所だけでも教えてくださる?お爺様?」
老人「若気の至りであまり物事に頭突っ込んでもいいことはあらんよ、旅の方。
どこの村も国に魔物被害の陳情出しても返答がないご時世だしねぇ……。」
男「後は勇者任せってわけか」
魔族「…命の重さはこの男がよく知ってますの。
ヘマはやらかすつもりはないって豪語してましたから場所だけでも教えてくださいな」
老人「ふむ、まぁ何かしら言えない事情があるらしいの……。
あんたらが探している洞窟の場所は――」
………………………………………
…………………………
……………
………
――村はずれ・西側
男「あのじいさんが教えてくれたのはこの洞窟だな」
魔族「さ、とっとと転送陣を見つけて魔王様の所に行きましょうか」
男「ちょっと待て。元々の目的はその転送陣だが、さっきのじいさんの話を聞いてただろ」
魔族「一緒に聞いてたわよ。だから何かしら?これ以上被害が出ないようにこの洞窟にいる魔物を掃討でも
する気なの?」
男「そこまでは言ってないが、村の人が困っているんだ。
元凶が何なのか調べておこうと思ってな」
魔族「そんなもの知ったところでどうするのよ。何の得にもならないわ」
男「村の人に教えるんだよ。何も情報のないまま怯えて暮らすよりかは、
多少なりにでも原因が何か分かったほうが対処しやすいだろ」
魔族「そう。それじゃあ、元凶探すのは頑張って。私は先に転送陣のところで待ってるわ」
男「え?」
魔族「目印はわかりやすいようにしてあげるから心配しなくてもいいわよー」
男「あのー、魔族さんも一緒に」
魔族「何時、誰が、何処で、何に、手を貸すなんて言ったかしら?」ニヤニヤ
男「いやいや、あの流れからなら『仕方ないわね。手伝ってあげてもいいわよ?』っていうことになってもだな」
魔族「なんで自分と同じ魔の者に手を下さなくてはいけないのかしら?」
男「あー、それもそうか…。すまん、俺は俺で人には手を貸さないって言ったのにな」
魔族「自分で言ったことを忘れてない賢い下僕で私は嬉しいわ。ナデナデしてあげましょうか?」
男「いらんわい。 それじゃあ先に転送陣の所へ行って、ってお前転送陣の場所わかってるのかよ」
魔族「これだけ近くまで来ないといけないのだけれど、転送陣には私たちしか感じ取れない微弱な魔力があ
るのよ。
それを辿っていけば、あら簡単!あっという間に転送陣とごたーいめーん、ってわけよ」
男「なんと」
魔族「正直、そんな元凶探す時間がもったいないんだけど、貴方はそれを許さないのでしょう?
好きになさい。ある程度の自由を与えるのも主人の器というものだし」
男「はいはい、器の大きいお方で助かりました。では、そろそろ初のダンジョンと行きますかね!」ギラギラ
魔族「また目が血走っているわよ」ゲシィ!
男「無表情で蹴るのはやめて!!」
――洞窟内
男「えー、途中で魔族と二手に分かれて俺は洞窟内で元凶の調査となりましたー」
男「ハァ…空しい……。俺は一体誰に話しかけているんだろうか」
男「魔物も出るわけでもなし、宝箱があるでもない……。本当に何にもないな」
男「実際に勇者のパーティと旅に出ていればこんな惨めな思い……」
男「パーティに入れず兵士になって、気づいたら殺していたのは魔物じゃなくて同じ人間……」
男「最終的には死にかけてるんだよな、俺」
(魔族「さようなら、兵隊さん」)
男「…死にかけたわけではないか……。俺はもう死んだ人間……」
男「アホらしい。こんな考え方してたら憂鬱になるだけだ!今生きてるからそれでいいんだよ!!」
男「こんなネガティブだと何処かのドSな誰かさんに叱られるしな!」
(幼「そんな暗い考え方ダメですよー」)
男「ん?あぁ、幼馴染もそういや似たようなことで叱ってくれてたな……」
男「あいつも元気でやってるんだろうかねぇ」
男「ま、あいつなら何とかやっていけるか。とりあえず……」
――なせ!
は――くれ――!!!
グヒヒ!エモノ、エモノ!!
男「あちらさんから見つかってくれたようで助かった。これでもう独り言とはおさらばだ」
―――――――――――――――
タイショウ!エモノ!!
……ウウ
ニゲン、イキテル?
ダイジョブ、イキテル
男「捕まった人には悪いが少し我慢してもらうか。何でも親玉のところまで行くみたいだし」
男「親玉がこの辺りの魔物の元凶なのかどうかもわからないけど。
人間を連れて行ってどうするつもりなんだ、やつら。」
男「確かあれってゴブリン、だったか?人間を捕食するなんて話聞いたことないが……」
タイショウ、ツレテキタ!
ニゲン、イキテル!
男「そうこう言っている間に大将のところか」
ゴブリンA「コレデ イイカ!」
ゴブリンB「キョウハ イキテル!」
ゴブリンリーダー「よくやった、子分どもぉ。今日は活きがいいのだなぁ」
ゴブリンC「ニゲン ドコ?」
ゴブリンD「ニゲン オモイ!」
リーダー「おお、すまんなぁ。そこぉに置いておけぇいぃ」
ドサッ!
村人「ぐっ!うぅ……いてぇ……」
A「タイショウ! ニゲン ドウスル?」
B「ニゲン マズイ!」
C「オレ クワナイ!」
D「ツカレタ」
リーダー「グハハハハハ!わしぃも喰いわせんわぁ!偉いさぁんにぃ、くれてやるのよぉ!」
A「エライサン ダレ?」
B「マオウ?マオウ?」
リーダー「魔王ではぁないのぅ。そのうちくらぁ!楽しみにしておけぇい。それよりぃ……」クンクン
C「ドシタ!タイショウ!」
リーダー「そこぉの、ヌシィ!隠れきれておらぁんぞぉ!!」
ブォン!
バガァアアアン!!
男「あー……ばれたか」
リーダー「わしぃの鼻ぁ、誤魔化しはできんわぁ!」
A「テキ!テキ!」ザッ!
B「ニゲン!キタ!」チャキ!
男「万能なお鼻なことで。それよりそこの人を返してくれ」
リーダー「あほぅめがぁ!誰が返すかぁ。やれぇいぃ!!」
C「ガッテン!」ダッ!
D「ショウチ!」バッ!!
男(ミスったわ。奇襲かけるつもりがあんな鼻がいいもんだとは)
スラァッ
腰から剣を抜き身にし、二匹のゴブリンを捉える。
男(あー、俺そこまで腕あるわけじゃねぇのになぁ……)
チャキッ!
仕留める目標を定めて、男は剣を構えた。
男(4対1とか無理だろwwwワロスwwwwwwとか言ってる場合ではないか)
ザザンッ!
C「ギャッ!」ドサッ!
D「ムネン!」ドサッ!
一合とも打ち合わず一刀一殺、返す刀で一殺する。
男「あ、案外いけたわ」
A「シネェ!」
ブオン!
ガキィン!
不意を突かれたゴブリンの棍棒による一撃は受け止めざるを得なかった。
男「っ!ぬぅっ!!」
A「ヒヒヒ!」
ギリギリギリギリ…グググッ…
B「セナカ マルミエ!」ダッ!
鍔迫り合いを見、好機と見たゴブリンが男の背中に向けて走り出す。
男「チィッ!」キィン!
A「ワワワ!」ヨロヨロ
男「せえぇいっ!!」
ザシュッ!
A「ギャッ!」
鍔迫り合いを上手くいなし、体勢を崩したところへ一撃を入れる。
男はそれと同時に背後に迫るゴブリンに向け、体を反転させた。
B「ヒョ?」
男「最後おおおお!!」
ブンッ!
ザシュッ!
B「グギィ!」
ドサッ
男「ふぅ、何とかなった……。」
ヒュッ!
ピシャッ!
男「さ、ここにいるのは後はお前だけだぞ。大人しく返してくれるとありがたいんだが」チャキィ!
リーダー「グハハハ!子分を倒したぁところでぇ、何も誇ることではぁないぞぉう!」ズォッ!
男「誇ってなんぞおらんわ!」ブンッ!
リーダー「甘ぁあい!」ブオン!
男「ぐぅっ!!」
ガアァァァァン!
リーダー「グワッハハハハ!ヌシィイ、よわぁいのぉお!!」ブンッ!
男「!ぬっらああ!」ブンッ!
ガキン!!ギリギリ……
リーダー「勇んで来たはぁいいもののぉ。ヌシィはぁ弱いぃ。グフフフ」ギリギリ
男「う、るせぇ……!」グググ
リーダー「このままぁ!押しつぶされろぉいい!!」グンッ!
男「それは困る……!」リィン!
リーダー「ヌォオオオ?!」グラァ
男「ハァア!」
ザシュゥ!
リーダー「ムゥウ!」ガクッ
男「シィッ!」ブンッ!
リーダー「まぁだまだぁあ!!」ブオン!
ガアァァァン!
男「うお?!」ズザザッ!
リーダー「グハハハハ!ヌシィはぁ、捌くのはぁうまぁいのぉお!だが、浅いわぁあ!」ブンッ!
ヒュンヒュンヒュンヒュン!
男「斧を投げた?!ちっ!」
ガァアンッ!
ドシドシドシドシ!
リーダー「よぉく前みなぁあ!」ブンッ!
男「がぁっ!」ゲホォッ!
ドサァッ!
リーダー「おしぃいのぉお!注意力さぁんまぁんよぉお!!」ドゲシィッ!
男「ぐぅう!」
リーダー「グワハハハ!いぃい気分だぁあ!」
グイッ
男「う、うぅ……」
リーダー「クンクン んん?ヌシィ…人間臭いと思っていたぁがぁ。何だこのぉ死臭はぁ?」クンカクンカスーハスーハー
男「っ…きたねぇ顔近づけるなぁあ!」ヒュッ!
パシッ!
リーダー「癖の悪い足よのおぅ!」ブンッ!
ヒュン!
男「うおお?!」
ガッ!
男「ぐがっ!」
ドタンッ!
男「ぐぷっ!」
ごめん、書き溜めに追いついてしまったよ
中途半端なところで申し訳ないけど少し待ってください
男「がっ!……はぁっ!はぁっ!う、ううぅ……」グッタリ
リーダー「手も足もでぬぅ、ではないかぁ!グハハハ!」
男(つえぇ……魔物ってこんなに強いのか……)
男(こんなやつらと勇者達は……ハハ、そりゃ俺は選ばれないわけだわ……)
男(あぁ……あいつに助けてもらったばかりなのにな……)
リーダー「さぁてぇ!そろそろヌシィには死んでもらうかのぉ!!」チャキィ!
男(情けねぇ……。俺にも……勇者のように力があれば……)
……カツカツカツカツ……カツ
??「貴方は貴方。勇者でも何でもないのよ。貴方らしくあればそれでいいわ」
リーダー「あぁん?何だぁあ?」
男「ま、……ぞく…?」ググ
魔族「どこで時間売っているのかと思えば、貴方って人間は……。
まーた余計なことに首を突っ込んでからに」
男「うるせぇ……よ」
魔族「あら、二度目の瀕死の状態でも口は減らないのね、貴方って。」
男「ハッ……性分、ですんでね……」
リーダー「邪魔ぁあ、するぅなぁあよ。ヌシィはこいつの次ぃだぁああ!!」グォッ!
魔族「――――――」フォオ!
ドクン!
男「!」
ズドオオオオオン!!!
リーダー「ヌオオオオオオオ?!」
男「!なんだ…ありゃあ……ハハハ」
魔族「あら、お話の途中よ?少しは待ちなさいな。無粋だわ」
男「……お前」
魔族「……何が性分よ。それで死んだらどうしようもないでしょ?少しは考えて学習しなさい」
男「フ、フハハ……わかったよ。けど、それよりも今は……」グッ!
ガラガラガラ!
リーダー「いてぇ……いてぇなぁあ!!まとめて殺してやぁあらぁああああ!!」ズンッ
男「やつを」
魔族「やつを倒すこと、でしょ?」
男「え?あ、あぁ。」
魔族「はいはい、呆気に取られない。それよりも貴方は休んでなさい。
そんな状態では私の邪魔だわ。」
男「いや、しかしだな」
魔族「一緒に巻き込まれたいならどうぞ?その時は肉片の一欠けらぐらいなら拾ってあげますわ」
男「ご遠慮させていただきます」
リーダー「ヌオリャアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」
ズンズンズンズンズンズン
魔族「フフ 少しは調子戻ってきたじゃない。それでこそ『貴方』よ」
男「あん?何か言ったか?」
リーダー「ガアアアアアアアアアアアアア!!!!」
魔族「何でもないわ。……そんな貴方だから私は」ボソッ
パアァァァァ!
魔族「貴方を―――――」
ズガアアアアアアアアアアン!!!
―――――――――――――――
―――転送陣
魔族「あーあ。イレギュラーに続くイレギュラーで大変だったわ」
男「……すまなかったな。元凶を見つけるだけだったんだが、どうしてもな」
魔族「本当よ。何も考えずに行動するからこうなるわけよ。今回のこれで少しは反省してるのかしら?」ペシィン!ペシィン!
男「反省してる!反省してるからその鞭は仕舞おう!」
魔族「まったく。私があの時来てなかったらどうするつもりだったわけ?」
男「あー……、潔く死のうかな、と。最後に一太刀でも、とか……?」
魔族「そんなネガティブ思考捨ててしまいなさい」
魔族「一度死んでるようなものなのよ?好き好んでもう一度死にたいと思う馬鹿はいないわ」
男(あれ?デジャヴ?)
魔族「……そんな貴方は魔族ちゃんポイント減点でーす!
マイナス10点になると永遠の下僕となりますので頑張って減点してくださいねー」
男「え?」
魔族「あれあれー?このゾンビちゃんはどうしたのしらー?
なになに?この私の寛大なお心に感銘した?」
男「は?あ、いや」
魔族「ハァ……もういつまでそんな白けたツラしてるのよ。
貴方が今回のようにお節介を焼いて回ってるのは、もう知ってるのよ」
男「……」
魔族「貴方、性分って言ってたわよね」
男「おう」
魔族「今更それを変えろとは言わないわ」
魔族「でも、それで失敗しないように学習しなさい。わかった?」
男「……あぁ、わかったよ」
魔族「うむ。それでよろしい!」
男「フ、フハハハ!」
魔族「?どうしたのよ、いきなり。頭の打ち所でも悪かったのかしら」
男「イヒヒヒヒ!いや、大丈夫だ……クフフフフ!」
魔族「うわ、また気持ち悪い一面が出てきたわ。」
男「いやー、まさかお前に慰められるとは思いもしなかったんでな」
魔族「別にそんなつもりでしたわけじゃないわ。勘違いしないで」
男「いや、それであっても俺は楽になれた。ありがとうよ」
魔族「こんな場面、つい最近も見た気がするわ……」
男「奇遇だなー。俺もだ」
魔族「ハァ……貴方といると時々疲れるわ。……もうそろそろ転送陣を起動させるわよ」
男「あいよー」
魔族(「お節介なところも、自分の身を省みないことも、すべてを合わせて『貴方』らしいのよ」
なんて、言ったら調子に乗りそうだからこの言葉はお預けね……)
男「どうした?起動しないのか?」
魔族「そんなにがっつかなくても転送陣は逃げないわよ。」
転送陣起動!!!
キリがいいので本日ここまでー
案外この量を作るのって大変だと実感したよ、ママン
VIPとかで一日で完結させる職人さんの素晴らしさを実感したよ。
今北
投稿できるのはほんの数レス分しか訂正できてない自分が恥ずかしいNE!
――――勇者サイド
勇者「ハァ!」ザシュッ!
魔物1「グギャッ!」
剣士「……」ドシュッ!
魔物2「ガァッ!」
魔法使い「水の魔法」パァァァ
魔物3「がぼぼぼ」
勇者「……ざっとこんなものか?」
魔法使い「そのようだ。剣士、そっちはどうだ?」
魔物4「」
勇者「おー、ざっくり一刀両断だな」
魔法使い「いつ見ても綺麗な切り口だ」
剣士「別に……普通」
勇者「おーい!僧侶ちゃーん!もういいぞー!」
僧侶「は、はいぃ!」
魔法使い「ふふふ、何をビックリしている?」
剣士「……見事な直立」
勇者「ハハハ、そんなに緊張しなくてもいいぞー」ポンポン
僧侶「ゆゆゆゆ、勇者さん?!な、何を?!」
魔法使い「ふむ、いつもの勇者の撫で癖か」ボソッ
剣士「……」
勇者「仲間になってからもう半年なんだし、もっと肩の力を抜いて、な?」ナデナデ
僧侶「は、はい……!」テレテレ
勇者「よしよし」
剣士「……ム」チョンチョン
勇者「ん?剣士も撫でてほしいのか?」
剣士「コクリ」
勇者「よし、お安い御用だ」ポムポムナデナデ
剣士「……うん」ニコ
勇者「いい笑顔だなー」
魔法使い「む……。勇者、私も忘れられては困るな」
勇者「魔法使いも忘れてないさ。よしよし」ナデナデ
剣士「あ……」ションボリ
魔法使い「ふふ、すまないね剣士。けど、これで平等だよ」ニコニコ
剣士「……仕方ない」
勇者「ははは、また後でやってやるから、な?」
剣士「!……約束」
僧侶「あはは、よかったですね。剣士さん」
剣士「……勇者は、優しい」
僧侶「ん、そうですよね。……私、このパーティに入れてよかったです!」
魔法使い「クスクス 僧侶はそんなことを半年経ってやっと気づいたのかい?」
僧侶「え?あ!い、いえ!そういうわけでは!!」
勇者「こらこら。あまり僧侶ちゃんをいじめるな、魔法使い」
魔法使い「ふふふ、すまない。私としたことがあまりの可愛さに、ね」
僧侶「そ、そんな!私なんか魔法使いさんみたいに綺麗じゃないし可愛いとかその…ゴニョゴニョ」
勇者「そーんなことばっかりしてると日が暮れるぞー」ヒトアシオサキ
魔法使い「ああ、こら勇者。私達を置いていく出ない」
剣士「待って……」
僧侶「あぁ!皆さん、歩くのはや 魔物1「グァ…」ガシッ ……え?」
僧侶(あれ?この魔物って確か勇者さんが……)
僧侶(でも、私の足掴んでるし……別の魔物………?)
僧侶(ああ……そんなこと考えてたらもう腕を振りかぶってる……)
僧侶(何だかあの爪が長く見えるや……)
僧侶(ここで……終わり、なのかな……)
――――気をつけてな――――
――――俺の分まで………――――
――――応援………てる……な!――――
僧侶(ん……これって……)
――――え?お前も勇者の………――――
――――わ、わかった!一緒に……――――
僧侶(走馬灯……なのかな……)
――――お前……僧侶に………か――――
――――あぶな……!そう………!!――――
――――大丈夫か?おさ………)
僧侶(そういえばこの声って……)
僧侶(いつも私を助けてくれた……)
僧侶(あ……の………人…………)
僧侶(確か名前は……へ…い……)
僧侶!!
僧侶「え?」
ザンッ!
魔物1「ガッ!……グワァ……!」
勇者「大丈夫か?!僧侶!」
僧侶「ゆ……うしゃ……さん?」
勇者「どこか怪我してないか?!痛みは?!」
僧侶「あ、いやどこも……」
勇者「はああぁぁぁぁぁ~……。よかったああぁぁぁ」グッタリ
僧侶「あの……勇者さん?」
勇者「僧侶」
僧侶「は、はい!」
勇者「本当にすまなかった……」
僧侶「えぇ?!な、なんで勇者さんが謝るんですか?!これは私が油断してたから!」
勇者「いや。今回は俺の責任だ」
僧侶「そんなことないです!私が……私が…!」
勇者「これは俺が未熟だったせいだ。しっかり留めを刺せなかった俺が招いたこと」
勇者「僧侶のせいじゃないんだ」
僧侶「そんな……未熟だなんて!」
僧侶「未熟だというなら私なんて勇者さんよりも!!」
勇者「いや!こればかりは俺の責任だ!」
僧侶「私のほうが!」
魔法使い「はいはい、お二人さん。やめないか」
剣士「落ち着いて……」
勇者「魔法使い……剣士……」
魔法使い「そんなことでぐちぐち言い争わないでくれたまえ」
勇者「そんなことで片付けれる問題じゃないだろ?!」
僧侶「そ、そうです!これは私のせいで!」
勇者「だからこれは俺の責任で!」
剣士「落ち着いてって言ってる……」シャキン
勇者「うわ!」僧侶「きゃっ!」
魔法使い「まったく……。先を歩いてた勇者が振り向いたと思えばいきなり目の前からいなくなり消えたことに驚いていたこっちの身にもなってほしいものだよ」ヤレヤレ
剣士「私は見えた……」
魔法使い「っんんぅ!そんな私たちが勇者と同じように振り返ってみれば僧侶がさっきの魔物に襲われているじゃないか」
剣士「あの速さは無理……」
魔法使い「流石に今回ばかりは駄目だと思ったさ。けど見れば消えた勇者が剣を抜いて魔物に切り掛かるところだった」
魔法使い「そして僧侶を助けた。私たちが急いで君たちの元に駆け出して近くまで追いついたと思ったら責任の請け合いだなんて」
剣士「気が抜けた……」
魔法使い「大方、勇者が倒し切れてなかった魔物のことで自分の未熟さを感じて責任を感じ、僧侶はいつもの過小評価する性格で足を引っ張ったことに負い目を感じた、ってところかな?」
剣士「いつもどおり……」
勇者「うっ……そうだ」
僧侶「……そうです」
魔法使い「まったく困ったものだよ君達は……」
勇者「けど、こればかりは…」
魔法使い「勇者も僧侶もいい人すぎる。私たちの立場がないじゃないか」
勇者「は?」
僧侶「……どういう、ことですか?」
魔法使い「今回のこれは私たち全員の責任ということだよ」
剣士「」コクコク
勇者「全員って……」
魔法使い「君達二人の言い分に加えて私達二人も僧侶を一人置いて先に行ってしまったし、勇者の腕を過信し過ぎていた。剣士も勇者が倒した魔物の気配を気にしてなかった」
魔法使い「これは私達の負い目といっても間違いないだろう?」
勇者「でもさ」
魔法使い「まったく君というやつは引きずるね」
魔法使い「いいかい、勇者?このパーティはまだ結成して間もないんだ。初めから完璧なものは存在しない。今だってこうして内輪で揉め続けているんだ。」
魔法使い「連携もまともにできない。一人一人が個人プレーさ。そして人を気遣いすぎる。これは信頼し合っていないといっても同然だよ」
僧侶「うぅ……すみません……」
魔法使い「だからこのパーティは未熟なんだ。個人の能力のこともあるが、まず形としては非常に脆く成り立っていない。」
魔法使い「勇者のパーティだからといってどこか浮かれていたのかもしれないな……。私たち全員が」
魔法使い「皆未熟なんだ。だからこそひよっこ達の集まりらしく研鑽を積まないといけないんだ」
剣士「ぴよ……」
魔法使い「そういうことで今回のこの件はこの四人の責任ってわけだよ。ご理解いただけたかな?」
勇者「そっか……。これは皆の責任か……」
僧侶「そうですね…。私たちは四人で一つの集まり…。お互いの欠点を認めてそれを補い合うことが大事なんですね……」
魔法使い「僧侶、君一人が未熟なんじゃないんだ。皆が皆未熟なんだ。だからこそ助け合って共に心身を高め合えるような集団になるんだ。いや、ならなくちゃ」
勇者「魔王に挑めない、ってことか」
魔法使い「む……。勇者、私が言おうとしたことを」
剣士「いいところどり……」
勇者「今、理解できたよ。これが相手の気持ちを知るってことだろ?」ニコリ
魔法使い「うっ……あ、あ、ああ」カオマッカ
僧侶「魔法使いさん、お顔が真っ赤ですよ?」クスクス
剣士「さっきの僧侶……」フフフ
魔法使い「ああもう!仕返しとはやられたよ!見るなー!」
勇者「おいこら!杖をそんなに振り回すな!あぶなっ!」ゴッ!
「「「あ……」」」
僧侶(あぁ……私ここに居ていいんだ……)
僧侶(皆が、仲間が必要としてくれてる)
僧侶(さっきまでは自分に自信がなかった……)
僧侶(こんなまともに戦えない弱い自分が本当に必要とされてるのか)
僧侶(魔法使いさんや剣士さんに憧れてた)
僧侶(けど、今ならわかる)
僧侶(私を必要としてくれていることを……)
僧侶(あの勇者さんが私を助けてくれた時の顔……)
僧侶(あの目が私を見つめてくれて……今思えばあれが私を必要としてくれてる目、だと思う……)
僧侶(魔法使いさんが語り終えた時の三人の目がその時と一緒だった)
僧侶(こんなに嬉しいことはないよ……)
僧侶(それに……)
僧侶(あの時の勇者さんの凛々しいお顔が……って何考えているんだろう!?私ってば?!)
僧侶(あうぅぅ……思い出しただけで勇者さんを直視できなさそうです……ウウッ)
僧侶(そういえばあの走馬灯……)
僧侶(あの声は確か……兵士くん……だったよね?)
僧侶(なんだか勇者さんと兵士くんが被っちゃった……)
僧侶(今は何してるのかな……)
僧侶(私が勇者さんのパーティに選ばれたことを伝えてからその後は……)
僧侶(結局、会えなかったんだっけ……)
僧侶(あの時「応援してるから」って言葉が最後に交わした会話だったなー)
僧侶(今も応援してくれてるかな?)
僧侶(次に会う時は勇者さん達に必要とされてることを伝えようかな)
僧侶(ふふっ、いつまでも泣き虫の私じゃないことを見せびらかそう)
僧侶(こんなにも立派に成長したのかと驚く程に私は頑張らなくちゃ)
僧侶(勇者さんに相応しい仲間だと言い張れるような、そんな自分に)
とりあえず本日はここまで
毎度毎度html化寸前での投下とかこれは酷い。
こんな作品でもお待ち下さっていた皆さんには申し訳ないです。
雑談ですが、秘○め○りというNTR物の抜けるけど鬱勃起してしまう作品を見てしまった……。
どうしてこうなった……
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