美希「ミキは、退屈?」 (50)



「星井美希さん、あなたにひとつお尋ねしたいことがあります」

「あなたは今、退屈ではありませんか?」

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P「美希、起きろー」

美希「んー……なあに?」

P「シャキッとしろって。今来たばかりじゃないか」

美希「だってー……昨日ずっと友達と電話してたんだもん」

P「朝からレッスンあるってちゃんと言っておいただろ?」

美希「突然かかってきちゃったんだもん。仕方ないって思うな」

P「加減位はしてくれよ」

美希「あふぅ」

美希「ねープロデューサーさん。今日のレッスンお休みにしない?」

P「ダメ」

美希「えー。だってミキ、すごく眠いんだもん」

P「美希が夜更かししてたからな」

美希「こんなんじゃ集中できないよ。たまにはいいって思うな」

美希「今だってあふぅってなるのすっごく我慢してるんだよ?」

P「さっきしてただろうが」

美希「ミキしーらない」

P「仕方ないな……美希も学校で疲れてるだろうし」

美希「わ、ホント?やたっ!」

P「おう、特別に俺が子守歌を歌ってやろう」

美希「え」

P「ねぇ~んねぇ~んころりぃよぉ おころりよぉ~♪ みぃ~きぃ~はよいこだ ねぇんねぇしぃなぁ~♪ みぃ~きぃ~の おもりぃはぁ~」

美希「ミキ今日絶好調ってカンジ!プロデューサーさん、早く行こ?」

P「最後まで歌わせろって」


―――――――――

P「来週は挨拶回りと、サイン会の打ち合わせとー……む?」

高木「遅くまでご苦労様。どうかね、一息」ガサ

P「社長。わざわざありがとうございます」

高木「どうかね美希君は?」ギッ

P「いやもう、事務所から出るだけでも一苦労です」

高木「想定していたこととはいえ難儀しているようだね」

P「あはは……。あ、美味いですねこれ」

高木「それはよかった」

P「とまあ、今日もそんなことがありまして」

高木「はは、美希君らしいな。……だが」

P「?」

高木「上手くやっているようで安心したよ。いい関係が築けているじゃないか」

P「あまり実感が沸かない御言葉なのですが」

高木「私の眼にはそう見えているよ」

P「はぁ」

高木「ともかく彼女のプロデューサーは君だ。美希君のやる気も大いに必要だが……」

高木「それも君のサポートあってこそだ。しっかり彼女を支えてくれたまえよ!」


―――――――――

美希「『みんな、また後でね~』……はふぅ」

P「お疲れ美希。ほらこれ、水分補給忘れないようにな」

美希「えー、キャラメルマキアートじゃないの?」

P「甘いもの飲み過ぎたら喉渇くぞ」

美希「乾いたらまた飲めばいいって思うな」

P「来てくれてる人にも失礼になるからダメ」

美希「ジョーダンだよ。ありがと、プロデューサーさん」コクコク

P「腕の具合はどうだ?」

美希「こう……肘を使えばいいんだよね?」

P「そうそう。ちゃんと覚えててくれたんだな」

美希「お話したり書いてばっかりだから覚えちゃった。もう見ないでも書けちゃうよ」

P「美希がファンイベントをたくさんやってきた成果だよ」

美希「でも流石にちょっと疲れたかも……今回人多過ぎるんだもん」

P「人が増えるのは悪いことじゃないさ。アイドルにとっては」

美希「ふーん………あ!!」

美希「プロデューサーさん!ミキいいこと思いついたよ!」

美希「これからもサイン会ってあるんだよね?だったら、先に用意してきちゃえばいいんだよ!」

P「予め配布分のサインを用意しておくってことか?」

美希「お仕事ぱぱーって終わるし、急がなくてもいいからミキもラク出来るし」

美希「プロデューサーさんもラク出来るし。一石二鳥って思うな」

P「確かに……そうすりゃ店頭での仕事は早く終わるだろうな」

美希「そうでしょ?だったら―――」

P「ならその分だけ事務所に来る時間増やさないとな。俺も協力するぞ」

美希「あ」

P「いやー美希がやる気になってくれて俺は嬉しいなー」

美希「か、カーボン紙」

P「ダメ」

美希「ミョーアンだと思ったのに……」

P「詰めが甘かったな。ほら腕貸せ、少し揉んでやるから」

美希「きゃーセクハラさんなのー」

P「人聞きの悪いことを言うんじゃありません」


―――――――――


美希「~~♪ はい、来てくれてありがと!」

美希「え、一昨日の放送聞いててくれたんだ。もしオススメのお店あったら、ミキに教えて欲しいな」

美希「あれ……もしかして、この前も来てた人?」

P(大分話せるようになってきたかな、美希も)

美希「むー……ミキ疲れて来ちゃった。もう今日はおしまいでいい?」

P「待て待て待て待て」

P「お疲れ様、美希」ブロロロ

美希「もー全身へとへと……。時間過ぎても人減らないんだもん」

P「流石に書き過ぎたか。よく頑張ったな」

美希「ここまでやらなきゃいけないなんて、アイドルってちょっとだけメンドーだね」

美希「やってみる前は、写真撮ったりテレビに出たり、ステージ出るだけでいいって思ってたのにな」

P「見えない所でやってることがあるからこそ、目に見える物がキラキラして見えるんだよ」

美希「それにしたって。もうちょっとラクな方法があればいいのに」

P「うん。……そうだな」

P「な、美希」

美希「どうしたの?」

P「後だしで言うのは卑怯かもしれないけどさ」

P「サイン会の方法。やろうと思えば、もっと楽な方法あるんだ」

美希「え―――」


―――――――――

美希「―――」サラサラ

美希「あはっ、これは偽物って思われないよね?」キュッ

美希(このカフェ来るの何だか久々。毎日来てたはずなのに)

美希(けど今はこんな眼鏡と帽子付けなきゃいけなくなっちゃった)クルクル

美希「……これもミキがしてきたことの一つなのかな」



??「やっぱり、Pさんの言う通り目を惹きますね」

美希「え」

??「オフにも拘らず申し訳ございません。星井美希さんですね?」

美希「お兄さん……誰?」


―――――――――

小鳥「じゃあ美希ちゃんにはそういうやり方もあるって伝えたんですか?」

P「ええ。黙ってるとなんか美希を騙している気がしまして」

小鳥「プロデューサーさんらしいですけれど……美希ちゃんはなんて」

P「あれこれ言われましたけど一応納得はしてくれました」

小鳥「それなら大丈夫ですよ。ちゃんとわかってくれてる筈です」

P「……後だしになるくらいなら、言わない方が良かったかもしれません」

P「美希自身の要望とはいえ……。中弛みするくらいならもっと急ぎ足にした方が」

小鳥「じゃあ美希ちゃんにはそういうやり方もあるって伝えたんですか?」

P「ええ。黙ってるとなんか美希を騙している気がしまして」

小鳥「プロデューサーさんらしいですけれど……美希ちゃんはなんて」

P「あれこれ言われましたけど一応納得はしてくれました」

小鳥「それなら大丈夫ですよ。ちゃんとわかってくれてる筈です」

P「……後だしになるくらいなら、言わない方が良かったかもしれません」

P「美希自身の要望とはいえ……。中弛みするくらいならもっと急ぎ足にした方が」

小鳥「本当にそうでしょうか?」

P「え」

小鳥「確かに美希ちゃんはマイペースですけど、最近凄く前向きになってますよ」

P「それは……そうですね。あいつなりにアイドルに向き合い始めたのかな、と」

小鳥「あら、私にはそれだけとは思えませんよ?」

P「といいますと」

小鳥「今の美希ちゃんはプロデューサーさんあってこそだと思うんです」

P「……なんだか社長にも同じことを言われた気がします」

小鳥「ふふ。近くに居るからこそ、伝わりにくいのかもしれませんね」

<ピー、ピー

小鳥「!」

P「………」

<ピー、ピー

小鳥「プロデューサーさん、それ」

P「すみません小鳥さん。ちょっと出てきます!」ダッ


―――――――――

美希「それじゃ、お兄さんはミキがデビューする前に765プロに居たの?」

別事務所マネージャー「丁度入れ替わり位のタイミング、でしょうか」

AM「色々ありましたが、今は他のプロダクションでマネージャーをさせて頂いております」

AM「Pさんとはその時からの仲ですよ。今でも時々食事に行きますね」

美希「ふーん。あんまり聞いたことなかったかも」

AM「あまり担当アイドルにするようなお話ではありませんから」

美希(ミキが居ない時に事務所に来てたのかな?)

AM「それは兎も角、プライベートな時間にも関わらず応じて下さってありがとうございます」

美希「『お仕事に関係する人には丁寧に対応するように』ってプロデューサーさんから言われてるから」

AM「そうでしたか、Pさんには礼を言わなきゃなりませんね」ニコ

美希「―――」

美希(プロデューサーさん、ちゃんと届いてるよね?)ゴソ



美希「それで、そのプロデューサーさんのお友達がミキに何の用?」


AM「星井美希さん、あなたにひとつお尋ねしたいことがあります」

AM「あなたは今、退屈ではありませんか?」

美希「え」

AM「マネージャーという身分故、以前からあなたのお姿を現場で拝見させて頂いておりました」

AM「歓声を切り裂き耳に響く声、ステージを支配するダンステクニック、そして振り返らない人のいない抜群のビジュアル」

AM「星井美希さん、あなたはトップになれる力を持った素晴らしいアイドルです」

AM「ですが同時に気になることがありました。あなたは輝くステージに居ながら輝いていない」

AM「私にはそれがどこか退屈そうに思えてならないのです」

AM「先日のサイン会ですら、開場で『止めたい』と仰ったそうではありませんか」

美希「……ストーカーさんなの?」

AM「違います」

AM「退屈と感じるのは美希さんがお仕事に集中していないと言うこと。つまり適していないのです」

AM「アイドルとはファンの夢であり憧れの的。もっと充実感に満ちた活動で有るべきではないでしょうか?」

AM「765プロやPさんはそのような方針で行っていると思いますが、アプローチはそれだけではありません」

AM「美希さんの活動には、もっと多くのアプローチが提示されるべきではないでしょうか?」

AM「充実した仕事、有益なレッスン。……そしてそれは事務所やプロデューサーも例外ではありません」

美希「765プロに居た筈なのに随分色々言うんだね」

AM「外から見たからこそ分かることもあります。美希さんも心当たりありませんか?」


美希「ね、何が言いたいの?ハッキリ言って欲しいな」

AM「では単調直入に申し上げましょう」

AM「星井美希さん。ぜひ我がプロダクションへ来ていただけませんか」

美希「?」

AM「あなたの夢のお手伝いをさせていただきたいのです」

AM「我がプロダクションにはその用意がすべてそろっています。時間も、設備も、人材も!!」

美希「それって……765プロともプロデューサーさんとも離れて、お兄さんの事務所へ行くってこと?」

AM「そうです。ですがそれほど珍しいことではありませんよ」

AM「私もこうして765プロから離れ、今のプロダクションに所属している訳ですから」

AM「我がプロダクションに来ていただければ、星井さんを退屈させることはございません」

AM「数多のステージで脚光を浴び、たくさんのファンに囲まれる。そんな忙しくも充実した日々をご提供いたします」

AM「その上で美希さんが感じたこともない『アイドルの楽しさ』をお伝えしていきたいのです」

AM「最初は戸惑うかもしれませんが、それもすぐの事。必ずや納得していただけるかと思います」

美希「―――」ジー

AM「失礼、言葉だけではイメージできないかもしれませんね」

AM「こちらをご覧ください。我がプロダクションの案内と提携を結んでいる施設の一覧です」

ぶった切ってすまんが、AMのAはanotherのA?

AM「トップアイドルを目指すうえで、アイドルその人が経験を重ねる環境は非常に重要です」

AM「765プロさんは外部設備の利用が多いと聞きます。美希さんもレッスンスタジオへ行く機会が多いでしょう?」

AM「ですがそれは当たり前ではありません。時間的にも環境的にも恵まれた方法はもっとあるのです」

AM「私どもは古くからの歴史と業界における確かな基盤、多くのアイドル達を輩出してきた実績があります」

AM「これらは我がプロダクションの設備やスタッフによるものです。トップアイドルは環境によって生まれるのです!」

美希「………むぐ」ムズムズ

AM「今回御声掛けするに当たり、星井さんのためにこれらの設備と経験豊かな専属のスタッフをご用意しました」

AM「その他にも疲れを癒しコンディションを整えるサロンや食後のスイーツカフェもございます。これらの施設を自由に活用して下さって構いません」

AM「如何でしょう。星井さんは星井さんが望むまま、最高の環境でアイドルを目指していくことができるのです」

AM「ご希望であれば学業の方を優先されても構いませんし、専属の家庭教師も派遣いたしましょう」

AM「ご家族には私が直接ご説明させていただきますので、もし美希さんがよろしければ―――」

美希「あふぅ」

AM「は、い?」

美希「ね。たくさん喋って疲れない?」

美希「もういいよ。そういうのあんまり興味ないの」

AM「これは失礼いたしました。肝心の美希さんのお気持ちを」

美希「そうじゃなくて。ミキ、今の事務所のままやってくつもりだから」

>>25
Anotherですが、よくよく考えたらotherの方が適切だったかもしれません

美希「だからお兄さんも、それ以上お話しなくてヘーキなの」

AM「美希さんは今の環境に相当の思い入れがあるのですね」

AM「ですが少し考えてみてください。すぐに止めてしまいたいと思ってしまう、そんなお仕事を続けていられるのでしょうか?」

AM「アイドルの仕事は程度の差はあっても充実して然るべきもの。星井さんが感じるようなことは起こらない筈です」

AM「改めてお聞きします。星井さんは、退屈ではありませんか?」

美希「ううん」

AM「な―――」

美希「眠かったりメンドーって思ったりすることもあるけど……そうじゃない時間も増えてきたから」

美希「だからこのままアイドル続けるつもり。プロデューサーさんと一緒に」

AM「……確かにPさんは美希さんがお仕事こなすためにとても気を配ってきたようですね」

AM「ですが美希さん、これまで過ごしてきた時間を改めて見つめ直してみては如何でしょう?」

AM「これまでとは全く異なる濃密な時間と空間。それを私たちは提供したく―――」

美希「それはミキが決めることでしょ?」

AM「っ」

美希「ミキが退屈に感じないのは、プロデューサーさんがミキのこと考えてくれるからだよ」

美希「プロデューサーさんはすぐ意地悪するし、時々頼りないなって思うことあるけど」

美希「でも―――」


―――――――――

美希『プロデューサーさん、ミキにイジワルするつもりなんだね』

P『そんなつもりないって』

美希『なら、どうしてラクな方法にしないの?』

P『そうだな……例えばさ、今日ファンの人とどんな話をしたか覚えてるか?』

美希『どんなお話をしたか?うーんと……』

P『何か美希の心に残った話があったら教えてほしいんだ』

美希『えーっと……あ!この前収録してくれたラジオ、聞いててくれてた人がいたの』

美希『スタジオじゃよくわかんなかったけど、ちゃんとミキの声、ラジオから聞こえてたんだね』

P『そっか。確かにスタジオにいるといまいち分かんないよな』

美希『ミキの声、どんなふうに聞こえてたのかな?』

P『番組録画してあるけど聞いてみるか?』

美希『それはいいや。あとはね―――』

美希『―――そのコーデはミキも考えて無かったからすっごいビックリ!』

美希『明日丁度おやすみでしょ?だから友達と一緒に行ってみようかなーって』

P『美希が想像もしなかった組み合わせか、ちょっと興味あるな』

美希『明日写メおくるから、感想教えてほしいな』

P『……今日みたいなサイン会を通してさ、たくさん話せるようになれればと思ってるんだ』

美希『たくさんお話しって……ファンの人と?』

P『サイン会はサイン貰いに来るだけじゃない。直接見たり、話をしたり……』

P『そうやってアイドルに『会いに来れる』場所だと思ってるんだ』

美希『会いに……そっか。ミキ、サイン書く事ばっかり考えてたかも』

P『ま、あんまり長い間話されても困るから程々程度にだけどな』

P『ステージの上で踊ったり、雑誌に載るだけがアイドルだけじゃないさ』

P『今は美希に、アイドルにはどんなことができるのか……それを知ってほしいと思ってる』


―――――――――



美希「―――でも、ミキのためにいっぱい考えて、お仕事ゆっくりにしてくれてること位ちゃんとわかるもん」

美希「今会ったばかりの人にそんな事言われてもお節介ってカンジ。ほっといてほしいな」

AM「……く」

美希「それにミキ、一生懸命頑張るとか、トップアイドルとか、そういうのよく分かんないの」

美希「だから今のまんま、プロデューサーさんとのーんびりやっていくつもりだよ」

AM「!?」

P『ステージの上で踊ったり、雑誌に載るだけがアイドルだけじゃないさ』

P『今は美希に、アイドルにはどんなことができるのか……それを知ってほしいと思ってる』


―――――――――



美希「―――でも、ミキのためにいっぱい考えて、お仕事ゆっくりにしてくれてること位ちゃんとわかるもん」

美希「今会ったばかりの人にそんな事言われてもお節介ってカンジ。ほっといてほしいな」

AM「……く」

美希「それにミキ、一生懸命頑張るとか、トップアイドルとか、そういうのよく分かんないの」

美希「だから今のまんま、プロデューサーさんとのーんびりやっていくつもりだよ」

AM「!?」

AM「そ……それでは美希さんはトップアイドルにはなれません、時間がかかり過ぎます!」

AM「プロデューサーは担当アイドルにその楽しさについて語らなければならないはず、それを知らないのは奴の手腕に問題があると言わざるを得ません!!」

AM「アイドルに楽しさも伝えられず経験も浅い!そんな碌に名前も聞いたこともない美希さんをお任せするなんて」

美希「お兄さん、プロデューサーさんと一緒にお仕事してたんじゃなかったの?」

AM「い、いや。今のはプロデューサーとして名前を聞かないという意味で―――」

美希「……ウソなんだ。ミキから話聞くための」

美希「もういいよ。ミキ帰るね」カタ

AM「ちっ……。確かに私は星井さんに隠し事をしました。ですがそれは彼も同じなのでは?」

美希「―――どういうこと」イラ

AM「仮に美希さんのことを想ってのことだとしても競争率の激しいこの世界で『ゆっくり少しずつ』などありえるでしょうか?」

AM「それはただの建前。彼は美希さんを建前にして自分の無能さを棚に上げているに過ぎません」

AM「現に美希さんは碌にランクも上がらず、店舗レベルの営業活動に留まっているではありませんか」

AM「その実力ならばもう2ランク上を狙えるはず。こんなところでもたもたしているのが彼の無能さの証明です」

美希「―――」ギュ

AM「折角の美希さんの才能が浪費されている事実。これはアイドル会にとって大きな損失です!!」

AM「美希さんは彼のことを信頼しているようですが、だからこそ改めて今の環境を見つめ直すべきです」

AM「それに765プロは碌に指導体制も整っていない環境。そのような場所にいるのは―――」

美希「―――ミキの」



美希「ミキのプロデューサーさんのこと―――馬鹿にしないで!!」


P「お、おう」

美希「え」


―――――――――

美希「―――」ムスー

P「なあ美希、い加減機嫌直せって」

美希「………いつから、来てたの」

P「『馬鹿にしないで』くらいから。まさかあんな場面に出くわすとは」

美希「むー!もっと早く来てよー!!」

P「これでも相当飛ばして来たんだって、あれ以上は無理」

美希「ミキのプロデューサーさんなら空も飛べるはずなの!」

P「出来るか!!」

美希「盗み聞きなんてサイテーなの」

P「な、美希」

美希「……何」

P「ありがとな。俺のことすぐ呼んでくれて」

美希「………」

P「『何かあった時にすぐに呼べ』って伝えたこと、覚えててくれたんだよな」

P「大きな騒ぎにもならなかったし……何ともなくて、本当に良かった」

美希「……プロデューサーさんはちゃんとミキとの約束守ってくれてるもん」

美希「ミキだけ約束守らないのは、ずるいから」

P「そっか」

美希「あのお兄さんはどうしたの?」

P「釘挿しといた。また手を出されちゃたまらんからな」

P「まあ美希に独占インタビューしてくれたんだ。これくらいで済んだことに感謝して欲しいね」

美希「やっぱり口ばっかりの人って苦手。お話長いんだもん」

P「美希を口説き落とすには甘かったな。あれじゃ長過ぎてダメだ」

美希「なんで話長いって知ってるの?」

P「」

美希「…………プロデューサーさん?」

P「ナンノコトカナー」

美希「あー!!!やっぱり盗み聞きしてたの!?」

高木「おはよう……おや」

小鳥「おはようございます、社長」

高木「先日の件、こちらからも連絡しておいたよ。これでしばらくは大丈夫だろう」

小鳥「そうですか。でも二人に伝えるのはもうちょっと後になりそうですよ」

高木「P君はどうかしたのかね?」

小鳥「ちょっと口を滑らせちゃったみたいです」

高木「成程。まあ美希君の本音など早々聞けるものではないからな」

小鳥「今回はたまたま録れちゃいましたけど……これは消した方が良さそうですね」

小鳥「あの時と比べると美希ちゃん、少しずつ変わってきました」

高木「音無君もそう思うかね?」

小鳥「ええ。アイドルに対してもそうですし、それに―――」


小鳥「プロデューサーさんと一緒に居る時の美希ちゃん、とても楽しそうですもの」


美希「プロデューサーさん、いつから聞いてたのー!?」

P「待った待った引っ張るなって!破ける!」



おわり

おしまいです、ここまでお付き合いくださいましてありがとうございました。

中学生くらいって大切な人に対してなかなか素直になれない時期ですよね。
きっと美希も例外ではないはず。

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