ちなつ「は?1年に京子先輩のファンがいる?」(70)

ちなつ「ばかじゃないの」

ちなつ「って思ったんだけどね、流石に直接その子に言うのは気が引けたから」

あかり「う、うん」

ちなつ「だから、ふーん、そっかぁって返事しておいたんだ」

あかり「けど、京子ちゃん可愛いしファンの子が居ても不思議じゃないかなあ」

ちなつ「そんなの表面的な話でしょ」

ちなつ「毎日毎日京子先輩の相手してたらファンになるなんて気持ちなくなると思うよ?」

あかり「そうかなあ……」

ちなつ「まあ、それでしばらくその子の話聞いてたんだけどね」

あかり「うん」

ちなつ「そしたら京子先輩のどこに惹かれたかって話になったんだけど」

あかり「うん」

ちなつ「その子がね」


『京子先輩ってああ見えてテストで一番取っちゃうのって凄いよね~』


ちなつ「って言うのよ」

あかり「うん、京子ちゃん凄いよねぇ」

ちなつ「いやいやいやいや……」

ちなつ「知ってるからそんな事」

あかり「え?」

ちなつ「私知ってるからそんな事、わざわざ言われなくても」

あかり「う、うん」

ちなつ「それなのに、さも自分だけが知ってるみたいな言い方するんだよ?」

ちなつ「酷いと思わない?」

あかり「そ、そうかなあ?」

ちなつ「そうだよ」

ちなつ「他にも色々挙がってたんだけどね」

あかり「うん」


『何時も明るくて楽しい先輩だよね!』

『髪綺麗だよね!』

『漫画描いてるとか凄い!』


ちなつ「などなど……」

あかり「わあ、その子、京子ちゃんの事よくしってるねえ」

ちなつ「いやいやいや……」

ちなつ「知ってるから」

あかり「う、うん」

ちなつ「明るくて元気なだけじゃなくて、ちゃんと気遣いとかもできるって事すら知ってるから」

ちなつ「シャンプー何使ってるのかとかも知ってるから」

ちなつ「漫画とか手伝ったことすらあるから」

あかり「そ、そうだね」

ちなつ「いや、ほんと!」

あかり「わ、わかってるよぉ」

ちなつ「私のほうがもっと知ってるからね!?」

あかり「う、うん」

ちなつ「それでね、その子に頼まれたのよ」

あかり「なにを?」

ちなつ「京子先輩に会いたい~って」

あかり「へえ~」

ちなつ「まあ、京子先輩に直接会えばあっさり熱が冷めるだろうなーと思って」

ちなつ「会わせてあげるって言ったの!」

あかり「うん」

ちなつ「それでね、昨日の放課後、京子先輩に合わせてあげたんだけど……」

あかり「ごらく部で?」

ちなつ「うん、昨日は結衣先輩もあかりちゃんも居なかったから知らないだろうけど」

あかり「うん」

ちなつ「そしたらさ、その子がもう、京子先輩にべったべたで!」

あかり「べたべた?」

ちなつ「べたべた!」

あかり「そ、そっか」

ちなつ「まあね、そりゃあ憧れてた先輩に会えたんだから嬉しいのは判るよ」

ちなつ「だから、まあ、様子を見てたんだけど」

あかり「うん」

ちなつ「その1年の子は、いいのよ」

あかり「うん」

ちなつ「けどね」

あかり「?」

ちなつ「京子先輩がね」

あかり「京子ちゃんがどうかしたの?」

ちなつ「……」

あかり「ちなつちゃん?」

ちなつ「……」

あかり「……」






ちなつ「めっちゃ喜んでたのよ」

あかり「京子ちゃんは友達できるの大好きだからねえ」

ちなつ「違うの」

あかり「え?」

ちなつ「そうじゃなくて……何て言うか」

あかり「?」

ちなつ「んー……私に接してみたいにね、こう」

ちなつ「……ちゅっちゅーとか」

あかり「う、うん」

ちなつ「してたのよ、その1年の子に」

あかり「京子ちゃん人懐っこいからねえ」

ちなつ「……」

あかり「ちなつちゃん?」



ちなつ「……いやいやいや」

ちなつ「おかしいよね?」

あかり「な、なにが?」

ちなつ「なんで一緒なの?」

あかり「え?」

ちなつ「何で私への対応と、そのファンの子への対応が一緒なの?」

あかり「え、えっと……」

ちなつ「だって、あの、京子先輩私の事が好きだーって言ってる癖に」

あかり「う、うん」

ちなつ「その好きな子と、今まで会った事の無い後輩の子への対応が一緒っておかしくない?」

あかり「そ、そうかな?」

ちなつ「おかしくない!?」ズイッ

あかり「そ、そうか……も?」ビクッ

ちなつ「それでね、何かちょっとカチンときちゃったから」

あかり「うん」

ちなつ「そのファンの子が帰った後に、京子先輩に聞いたの」

あかり「なんて聞いたの?」

ちなつ「えっと、色々言ったけど……最終的には、京子先輩って後輩なら誰でもいいんですねって」

あかり「うわあ……」

ちなつ「……」

あかり「……」

ちなつ「……」

あかり「そ、それで、京子ちゃんはどうしたの?」



ちなつ「……なんか、めちゃくちゃ傷ついた顔してた」

ちなつ「ああ、もう……私何であんな事言っちゃったんだろ……」ハァ

あかり「ちなつちゃん……」

ちなつ「何時もみたいに、冗談交じりで言っとけばよかったのになあ……」

ちなつ「けど、なんか我慢できなくてね」

あかり「そ、それで京子ちゃんは?何か言ってたの?」

ちなつ「うん……」


『ごめんね、ちなつちゃんが連れてきた子だから、サービスしたげないとと思って』


ちなつ「……って言ってた」

あかり「そっかぁ……」

あかり「ちなつちゃんは、京子ちゃんが好きなんだねぇ」

ちなつ「まあねえ……」

あかり「えへへ」

ちなつ「……」

あかり「……」

ちなつ「……は?」

あかり「え?」

ちなつ「なにいってんのあかりちゃん」

あかり「なにが?」


ちなつ「いやいやいや……」

ちなつ「今の話の流れでどうして私が京子先輩を好きって話になるの?」

ちなつ「むしろ逆だよね?酷いこと言っちゃってるよね?」

あかり「う、うん……」

ちなつ「だからね、だから寧ろ逆の……」

あかり「ぎゃく?」

ちなつ「……逆なの、かなって」

あかり「逆って?」

ちなつ「好きの……逆なの……かなって」

あかり「……」

ちなつ「だから平気であんな事言えたのかなって……」

あかり「……あはは」

ちなつ「……何がおかしいの、あかりちゃん」

あかり「だって、ちなつちゃん変なこと言うんだもん」

ちなつ「……別に変なことなんか」

あかり「変だよぉ」

ちなつ「変じゃないってば」

あかり「だって、ちなつちゃん、全然平気そうな顔してないもん」

ちなつ「……!」

あかり「ちなつちゃんが本当に京子ちゃんを嫌いなら、そんなに辛そうな顔してないと思う」

ちなつ「……」

あかり「本当に嫌いなら、京子ちゃんが他の子と仲良くしてても怒ったりしないと思う」

ちなつ「……」

あかり「……ちなつちゃんは」

ちなつ「……なに」

あかり「京子ちゃんの事が好きだから、悩んでるんだと思うよっ」

ちなつ「……」

あかり「……」


ちなつ「……」ハァ

ちなつ「そりゃあね、京子先輩は部活の先輩だし……1年になってからはずっと一緒に部活してるし」

あかり「うん」

ちなつ「嫌い……ではないのかもね」

あかり「うん」

ちなつ「それに、このまま私達が険悪になっちゃったとして」

あかり「うん」

ちなつ「部活のイベントで京子先輩と二人っきりになっちゃった時に何もしゃべれないとかじゃ、ちょっと困るでしょ?」

あかり「うんうん」

ちなつ「京子先輩だって、お茶が飲みたい時に私に喋りかけれなかったりしたら、困るよね?」

あかり「うんうん」

ちなつ「最近は皆の家の集まってお泊りとかする事も多いのに、京子先輩の家に行きにくいとかになると」

ちなつ「みんなに迷惑かかっちゃうよね?」

あかり「うん、あかりそんなの嫌だよぉ」



ちなつ「うん」

ちなつ「だから、好きとかそういうのは抜きにして、京子先輩とは仲直りしたいな……と思うよ」

あかり「うん」

ちなつ「だから」

あかり「だから?」

ちなつ「……ちょっと、謝りに行って来る」

あかり「……うんっ!」

ちなつ「……ほんとに好きとか違うからね?」

あかり「うんっ」

ちなつ「もー、変なこと言わないでよね、あかりちゃん」

あかり「えへへ」

ちなつ「なにわらってるの」

あかり「だって、ちなつちゃん何だか嬉しそうなんだもんっ」

ちなつ「……別に、嬉しそうなんかじゃないよ?」

あかり「えへへ」

ちなつ「また……」

~翌日~


ちなつ「あー……」

あかり「ちなつちゃん、どうしたの?」

ちなつ「あー……あかりちゃんか」

あかり「うん」

ちなつ「……」

あかり「……」

ちなつ「あー……」

あかり「どうかしたの?」

ちなつ「……いやね、昨日あれから京子先輩に会いに行ったじゃない?」

あかり「うん……もしかして、会えなかったとかかな?」

ちなつ「……いや、会えたんだけどね」

あかり「うん」

ちなつ「……」

あかり「……」



ちなつ「京子先輩、何時も通りだった」

あかり「京子ちゃん気にしてなかったのかなあ」

ちなつ「……わかんないけど、京子先輩本心を隠してるのかなーと思ってね」

あかり「うん」

ちなつ「何より私自身が酷い事言っちゃったと思ってたから」

ちなつ「それに区切りをつけるって意味で、ごめんなさいしたの」

あかり「うん」

ちなつ「そしたらね、京子先輩が」

あかり「うんうん」

京子「何時もの調子で」


『ちなつちゃん、そんなに私の事を気にしてくれてたの?さては私の事が好きなんだな!』


ちなつ「って言ってきたの」

あかり「わあい、何時も通りだねっ」

ちなつ「それでね、何時もなら……そんな事ないですって言えるんだけど」

あかり「うん」

ちなつ「あかりちゃんとの会話が頭よぎってね」

あかり「ああー……」

ちなつ「なんか、そんな事ないですって言うのが凄い悪い事のような気がしてきて……」

あかり「……うん」

ちなつ「嫌いではないですって答えたんだけど……」


『どれくらい嫌いじゃないの?』

『二人で一緒に遊びに行ってもいいくらいに、嫌いじゃない?』

『じゃあいいよね!今度の日曜日にね!』


ちなつ「……って感じで」

ちなつ「今度の日曜日にデートする事になっちゃった……」

あかり「わあい」

ちなつ「ううう……何時もなら難なく回避できるのにっ」

あかり「あはは」

ちなつ「もう!笑い事じゃないよあかりちゃん!半分はあかりちゃんのせいなんだからっ!」

あかり「えへへ、ごめんね」

ちなつ「はあ……日曜日はお花のけいこがあったんだけど、キャンセルしないといけないよねえ」

ちなつ「どんな服着て行くかも決めないといけないし」

ちなつ「新しい髪飾りも用意した方がいいかなあ」

ちなつ「はぁー、もう朝から憂鬱だよぉ」

そう言いながら口をとがらせているちなつちゃんは

なんだかとっても嬉しそうでした


だから

やっぱりちなつちゃんは

京子ちゃんの事が大好きなんだと

思います!




                                  あかざ あかり




おしまい

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom