【ごらく部】

ちなつ「今日はー」

あかり「こんにちはー」

結衣「やー。あかりにちなつちゃん」

京子「よーす、２人とも」

ちなつ「ゆーい先パーイ♪」

結衣「ちょ、ちょっとちなつちゃん、抱きつかれると恥ずかしいな･･･」

京子「ひゅーひゅー、お熱いねぇ～」

あかり「よいしょっと」

ちなつ「先パイの腕、最高の抱き心地です！」

結衣「はは･･･。参ったな」

ちなつ「家に持って帰って、枕にしたいです！」

結衣「ち、ちなつちゃん、怖いよ･･･」

ちなつ「あ、そうか。腕だけじゃなくて丸ごと持ってくほうがいいですよね、先パイ」

結衣「それじゃ誘拐になっちゃうんじゃないかな」

あかり「あ、いっけない、あかりプリント出してくるの忘れてた！」

あかり「ちょっと行ってくるね！」

京子「おう、いってら～」

ちなつ「それとも、私がゆい先パイの所に行くほうが合理的ですか？」

結衣「そういう問題じゃなくてだね･･･」

ちなつ「ううん、ゆい先パイってばガードが固いんですから。じゃあ私お茶いれてきますね」

結衣「あ、ありがとね」

京子「ちなちゅのお茶は最高やぁ～」

ちなつ「ちなちゅ言わないで下さい」

～５分後～



結衣「ふぅ。ちなつちゃんのいれてくれたお茶はおいしいなぁ」

ちなつ「いやぁ～ん、嬉しいですぅ～」

京子「ちなちゅのいれてくれたお茶･･･ちな茶！」

ちなつ「ダジャレにもなってませんよ、京子先パイ」

あかり「ただいまー」

結衣「おー、お帰り」

ちなつ「お帰りなさいあかりちゃん」

京子「あかりがいなくて寂しかったよぉー」

あかり「ホントにー？京子ちゃん」

結衣「白々しいなぁ京子は」

ちなつ「私は、ゆい先パイがいなくなったら寂しいですぅ～」

結衣「大丈夫だから。居なくならないから！抱きつかなくても大丈夫だから」

ちなつ「ゆい先パ～イ」

結衣「ううん、参ったなぁ･･･」

あかり「ちなつちゃんは本当に結衣ちゃんの事が好きなんだね」

『先輩がおそい日！』

【ごらく部】

ちなつ「はぁ～、ゆい先パイ遅いな～。ついでに京子先パイも」

あかり「今日は模試の直前勉強とかで、２年生全体が遅いみたいだよ？」

ちなつ「うーん、この時間どうしようかな･･･そうだ！」

ちなつ「あかりちゃん、協力してくれる？」

あかり「？」

ちなつ「じゃじゃーん！ゆい先パイＢｏＸ！」

あかり「それ、話題ボックスだよね？」

ちなつ「この中に、私がゆい先パイに言って欲しい言葉を紙に書いて入れます」

ちなつ「あかりちゃんがそれを引いて、ゆい先パイっぽく私に言うの！」

あかり「そ、そんなの楽しいのかなぁ･･･。とくにあかりが･･･」

ちなつ「･･･ヤなの（ｼﾞﾛﾘ）」

あかり「うっ、や、やじゃないよ･･･。（ちなつちゃん、怖！）」

ちなつ「じゃあ、今から紙にセリフを書いて入れるからちょっと待っててね」

～１５分後～



ちなつ「ふう、完成！」

ちなつ「じゃ、さっそくあかりちゃんお願いね」

あかり「う、うん･･･ごほん」

あかり「えーと･･･。『ちなつちゃん、好きだよ』」



ちなつ「･･･」

ちなつ「･･･うふふ」ﾆﾍﾗ

ちなつ「いやぁ～ん、もう～」ｸﾈｸﾈ

ちなつ「はぁ、ホッペが赤くなっちゃった･･･」

ちなつ「･･･次、次お願いね、ゆい先パイっぽくね」

あかり「う、うん。えーと･･･」

あかり「･･･『愛してるよ、ちなつちゃん』」


ちなつ「･･･」

ちなつ「ふ、ふふ･･･」

ちなつ「もう、ホントにぃ～」ｸﾈｸﾈ

ちなつ「･･･わ、わたしも、あ、あい･･･」

ちなつ「･･･なんて、何言わせるのよきゃー！」ﾄﾞﾀﾄﾞﾀ

あかり（ああ、ホコリが立っちゃうよ･･･）

ちなつ「はぁ、ドキドキが止まらない･･･」

ちなつ「･･･つ、次。次お願いね」ﾊｧﾊｧ

あかり「う、うん。えーと･･･」

あかり「『君を独占したい』」



ちなつ「･･･」

ちなつ「う、ふふ･･･」

ちなつ「きゃぁ～！」ｺﾞﾛｺﾞﾛ

ちなつ「いやぁ、独占されちゃう～！」

ちなつ「独占禁止法違反よ！もう！うふふ･･･」


あかり（ちなつちゃん、すごく楽しそうだね･･･）

～３０分後～


あかり「ふう、ぜ、全部読み終わったよぉ･･･」ｾﾞｪｾﾞｪ

ちなつ「あ、ありがと、あかりちゃん･･･最高だったわ･･･」ﾊｧﾊｧ

あかり「ちなつちゃんが、楽しそうで何よりだよ･･･」

ちなつ「･･･じゃあ、もう一回お願いね♪」

あかり「ええーっ！？」

『恋のツボ！』

【ちなつの部屋】

ちなつ「ふ～ん、『手のひらには恋愛感情を高めるツボがあって･･･』」

ちなつ「『刺激してあげると、相手はたちまちあなたに恋をするでしょう』･･･か」雑誌ペラ

ちなつ「これ、ホントなのかな･･･？」

ちなつ「もしゆい先パイにできたら･･･うふふ･･･（妄想）」

ちなつ「けど、効果あるかどうかわからないし･･･」

ちなつ「･･･」

ちなつ「･･･」

ちなつ「･･･あかりちゃんで、試してみようかな」ﾆﾔﾘ

【教室】

ちなつ「ねぇねぇ、あかりちゃん」

あかり「な～に？ちなつちゃん」

ちなつ「これから、手のひらのマッサージするから」

あかり「マッサージ！？」（ビク）

ちなつ「大丈夫だって。ただの練習だから」

あかり「練習！？」（ビクビク）

ちなつ「もう、そんなに怖がらないで」

あかり「そ、そうだよね。なんだか不吉なワードが並んだからつい･･･」

ちなつ「どういう気持ちになったか、教えてね？」

あかり「え？う、うん」

ちなつ「じゃあ、いくよ」ｷﾞｭｯ

あかり「･･･」

ちなつ「どう？」ｷﾞｭｯｷﾞｭｯ

あかり「･･･うーん、特に何も」

ちなつ「顔とか、熱くなったりしない？」ｷﾞｭｯｷﾞｭｯ

あかり「別に、ないかなぁ･･･」

ちなつ「なんか、胸がドキドキしたりとかは？」ｷﾞｭｯｷﾞｭｯ

あかり「それも、特には･･･」

ちなつ「うーん、そうなんだ（やっぱり、効果ないのかな？）」

ちなつ「じゃあ、こんどはあかりちゃんが同じくしてみて？」

あかり「ん？いいよ」

あかり「えーと、こう？」ｷﾞｭｯ

ちなつ「あ、あら･･･」ﾄﾞｷｯ

あかり「こうでいいの？」ｷﾞｭｯｷﾞｭｯ

ちなつ「うふ、うふふ･･･」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

あかり「どう？」ｷﾞｭｯｷﾞｭｯ

ちなつ「そ、そんな、あ、あかりちゃんてばダイタンに･･･」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

あかり「効いてるの？」ｷﾞｭｯｷﾞｭｯ

ちなつ「す、すごく効いてるみたい」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

あかり「へぇ？」ｷﾞｭｯｷﾞｭｯ

ちなつ「も、もういいよあかりちゃん。ありがとう」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

あかり「どういたしまして」

ちなつ（ふぅ･･･。やっぱり、効果あるじゃない･･･）ﾄﾞｷ･･･ﾄﾞｷ･･･

ちなつ（･･･うーん。けど、さっきはやり方が悪かったのかな？）

ちなつ「あかりちゃん、もう１回試させて？」

あかり「え？いいよ」

ちなつ「じゃ、いくよ」ｷﾞｭｯ

あかり「･･･」

ちなつ「今度は、どんな感じ？」ｷﾞｭｯｷﾞｭｯ

あかり「うーん、さっきと一緒･･･かなぁ？」

ちなつ「ドキドキとか、全然しない？」ｷﾞｭｯｷﾞｭｯ

あかり「うん、特には･･･」

ちなつ「･･･（もしかして、あかりちゃんはツボ刺激とかに）」ｷﾞｭｯｷﾞｭｯ

ちなつ「･･･（鈍いタイプなのかもね･･･）」ｷﾞｭｯｷﾞｭｯ

ちなつ「･･･」

ちなつ「･･･」ｷﾞｭ～!!!

あかり「いだだだ！？」

『エアキス！』

【ちなつの部屋】

ちなつ「さて、今日は一人キスの練習でもしようかな･･･」

ちなつ「細長いクッションを用意して･･･」

ちなつ「これで相手の準備はよし、と」

ちなつ（さて、あとは相手のイメージなんだけど･･･）

ちなつ（本当は、ゆい先パイがいいんだけども）

ちなつ（私が実際にキスしたことある相手ってば、あかりちゃんなんだよね･･･）

ちなつ（だから、イメージする時にどうしてもあかりちゃんが浮かんできちゃう･･･）

ちなつ（まぁいいか。単なる練習なんだし。リアルさのほうが大事よね）

ちなつ「･･･さて、それじゃ」

ちなつ「こう抱きしめて･･･」ｷﾞｭ～

ちなつ「見つめあって･･･」

ちなつ「･･･」ﾁｭ

ちなつ「･･･」

ちなつ「うーん、見つめる時間をもうちょっと長くしようかな･･･」

ちなつ「それと、顔を斜めにした方がしやすいかな？」

ちなつ「もう一回。抱きしめて･･･」ｷﾞｭ～

ちなつ「見つめ合って･･･」

ちなつ「･･･」

ちなつ「･･･」ﾁｭ

ちなつ「･･･」

ちなつ「･･･キスした後に愛の言葉ささやくのもいいかもね」

ちなつ「抱きしめて･･･」ｷﾞｭ～

ちなつ「見つめ合って･･･」

ちなつ「･･･」

ちなつ「･･･」ﾁｭ

ちなつ「･･･」

ちなつ「･･･。愛してる」

ちなつ「･･･」

ちなつ「･･･」

ちなつ「愛の言葉のあとは･･･」

ちなつ「頭なでたげたら喜ぶかな･･･？」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ちなつ「･･･」

ちなつ「･･･あとは」

ちなつ「抱きしめあったまま･･･」

ちなつ「体ゆらゆらしたりとか」ﾕﾗﾕﾗ･･･

ちなつ「･･･」

ちなつ「･･･それから」

ちなつ「横にして･･･」ﾄｻ

ちなつ「上から、見つめて･･･」

ちなつ「･･･」

ちなつ「･･･」

ちなつ「･･･好き、だよ」

ちなつ「･･･」

ちなつ「･･･」ﾁｭ

ちなつ「･･･」

ちなつ「あとは･･･」

ちなつ「ベッドに移動して･･･」

ちなつ「･･･」

ちなつ「･･･」ｷﾞｼ

ちなつ「腰かけながら見つめ合って･･･」

ちなつ「･･･」

ちなつ「･･･」ﾁｭ

ちなつ「･･･」

ちなつ「抱きしめて･･･」ｷﾞｭ～

ちなつ「そのままベッドに倒れ込んで」ﾄﾞｻ

ちなつ「･･･」

ちなつ「見つめあいながら」

ｶﾞﾁｬ
ともこ「ちなつ？ご飯よ」

ｷｬｧｧｧー!!

ちなつ「お姉ちゃん、ノックぐらいしてよ！///」

ともこ「あ、あらごめんなさい。呼んでもこないから･･･」

ちなつ「プライバシーの侵害よ！と、とにかく今行くから出てって！」

ともこ（･･･クッション抱っこしてる所見られるのがそんなに恥ずかしかったのかしら？）

『お買い物！』

【教室】

ちなつ「きゃー、このお洋服かわいー」（雑誌）

あかり「あー、ホントだ」

ちなつ「これを着たら、ゆい先パイが･･･う～ん（妄想）」

あかり「きっと、ちなつちゃんにすごく似合うと思うよー」

ちなつ「ねぇ、今度の日曜日このお店に行ってみようよ！」

あかり「うーん、今度の日曜日は予定がもしかしたら･･･」

ちなつ「予定が･･･なに？」ﾒﾗｯ

ちなつ「私とゆい先パイの恋路を、邪魔するつもり･･･？」ﾒﾗﾒﾗｯ

あかり「ひっ･･･た、たぶん大丈夫だよ！」

ちなつ「じゃあ、日曜日の９時半に待ち合わせね！」

【吉川家】

ちなつ「ﾌﾝﾌﾝ♪どの服着てこっかな～♪」

ともこ「あら、デートなの？」

ちなつ「ううん、あかりちゃんと買い物!･･･ﾌﾝﾌﾝ♪」

ともこ（うふふ、ちなつったらすごくご機嫌ね）

【待ち合わせ場所】

ちなつ「うーん、４０分も前に着いちゃった･･･」（８：５０分）

ちなつ「まぁ、あかりちゃんなら少し早くくるよね、多分･･･」

（９：２５分）

ちなつ「あかりちゃん、おっそーい！」ｲﾗｲﾗ

ちなつ「何してるのよもう･･･早く来なさいよ」

（９：２８分）

あかり「ごっめーん、ちなつちゃん！」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

あかり「目覚まし止まっちゃってて･･･遅刻する所だった･･･」ﾊｧ、ﾊｧ･･･



ちなつ「･･･」ﾌﾟｲｯ

あかり「えええー！？」ｶﾞｰﾝ

あかり「ごめんねちなつちゃん･･･本当はもっと早く来る予定だったんだけど･･･」
　　　（ていうか、間に合ってるよねぇ？）

ちなつ「･･･知らないっ」

あかり「ど、どうしようかな･･･」

あかり「ちなつちゃん、お詫びに今日１日中どこでもつき合うから･･･」

ちなつ「･･･１日中、どこでも？」ﾋﾟｸ

あかり「う、うん･･･」

ちなつ「･･･」

あかり（･･･まだ、機嫌なおらないのかな？）

ちなつ「･･･じゃあ、しょうがないな。許したげる」

あかり（良かった～）

【ブティック】

ちなつ「ねぇねぇ、あかりちゃんこの服似合いそう！着てみて？」

あかり「ちょっと大人っぽ過ぎないかなぁ」

ちなつ「絶対似合うってば！ほら早く」

（シャー）
あかり「どう？似合うかな？」

ちなつ「うん、すごく似合ってる！今度はこっち着てみて？」

あかり「･･･ちなつちゃん、自分の見たかった服はいいの？」

ちなつ「あ、あった。この服だ」

あかり「へー。実物でみると、さらにステキだねー」

ちなつ「じゃ、ちょっと試着してみるね」

あかり「うん、待ってるよ」

（シャー）




ちなつ「お待たせ！どう？」

あかり「！」ﾄﾞｷｯ




あかり（ちなつちゃん･･･すごくキレイ･･･）

ちなつ「似合ってる？」




あかり「･･･うん。ちなつちゃん、すごくキレイだよ」




ちなつ「本当？ありがと。うふふ･･･」

ちなつ「･･･けど、残念だけど中学生のお小遣いじゃ買えないね」

あかり「すごく似合ってるのに、残念だよー」

ちなつ「･･･まぁ、私は素の魅力で勝負するからいいわ」

【街中】

ちなつ「あかりちゃん、次はどこ行くー？」ｳﾃﾞｸﾐ

あかり「そうねー、行きたい雑貨屋さんがあったんだー」

ちなつ「その後はー？」

あかり「お昼ごはんにしようよ」

ｷｬｯｷｬ･･･

ちなつ「･･･さっきのお店のパスタ、おいしかったね」

あかり「う、うん･･･」

ちなつ「どうしたの？」

あかり「･･･『あーん』が、ちょっと恥ずかしかったよ･･･」





ちなつ「ゲームセンターに寄ってみようよ！」

あかり「え？あかり、ちょっと怖いな･･･」

ちなつ「今日は、どこにでも付き合ってくれるんでしょ？」

あかり「うう･･･」




ちなつ「あかりちゃん、一緒にプリクラ撮ろ？」

あかり「あ、そうだね」

ちなつ「じゃ、フレームはこれがいいかな･･･」

あかり「ハートのフレーム？恥かしいよぉ！」

【夕方、帰り道】

ちなつ「あー、今日は楽しかった」手ﾂﾅｷﾞ

あかり「ホントだよー」手ﾂﾅｷﾞ

ちなつ「今度、また遊びに行こうね？」

あかり「うん！」

ちなつ「･･･それじゃ。あかりちゃんが今日遅くなったおわびに」ﾒﾗｧ

あかり（･･･やな予感･･･）

ちなつ「･･･キス、しよ？」

あかり（やっぱりぃぃぃー！）

あかり「今日は、どこにでも付き合ったからナシだよぉー！」ﾀﾞｯｼｭ


ちなつ「あー、こらあかりちゃん待ちなさい！」ﾀﾞｯｼｭ


あかり「ダメぇ、来ないでぇぇ！」


ちなつ「逃がさないわよー！」

【吉川家】

ともこ「今日のデートどうだった？」

ちなつ「デートじゃなくて、買い物！ゆい先パイのために服見に行ったの」

ともこ「あら、そうなの」

ちなつ「それがあかりちゃんったら、遅刻しそうになるし最後は逃げちゃうし･･･」

ともこ「あらあら」







ともこ（･･･うふふ。あかりちゃんの話ばっかりね）







終わり