ちなつ「消えていく罪悪感」あかり「満ちていく幸福感」 (26)




ちなつちゃんには、ずっと前から後悔していることがあったようでした。

あかりとちなつちゃんがお付き合いを始める前も、始めてからも、それは同じことだったみたいです。

あかりは気にしてはいないと思っていたけれど、ちなつちゃんが何かを気にしている、ということだけは、ずっと気にしていたのかもしれません。







(結衣先輩のことを知りたいなんて言って、暴走しなければ)

(他の人との本番の練習台だなんて言わなければ)

(あんな風にあかりちゃんの初めてを奪わなければ)

(あかりちゃんは私に対しても、もっと躊躇せずにいられたかもしれないのに)

(私たちの関係が違っていて、言いたいことをもっと言い合える関係になれたかもしれないのに)







そのわだかまりを解いてあかりたちが仲を深める日は、思ったよりも突然にやってきました。






(···こんな、何番煎じなんだろうかという感じのSSです。R-18要素が入りますが、それでもよろしければどうぞ)




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ちなつちゃんが、あかりと遊びたいと言ってくれた日。
あかりはちなつちゃんを家に呼んでいたのでした。







あかりのお部屋には、ほのかに甘い香りが漂っていました。



「あかりちゃんの部屋、とっても気持ちいい」

「そ、そう?」



いつもと何も変わらないやりとりのハズ。
けれどあかりの脈は、少しずつ速くなっていきました。







そして、高鳴る心音にあかり自身が気づきかけた頃――。





「あのさ、あかりちゃん···」

「なあに――ふわっ···!?」



ちなつちゃんの問いかけにあかりが応える間もありません。
どこか震える唇で、ちなつちゃんはあかりのそれを奪いました。



「ちゅっ···はぁむ···」

「んんっ···んむっ···」



ちなつちゃんが求めていたのは、あかりのお部屋の香りではありませんでした。
他ならぬあかりの香りだったのです。







「ふぅー···んふぅっ」

「んにゅっ、んちゅうっ」



あかり以外の何もかもがぼやけて見えるようになったちなつちゃん。
そんなちなつちゃんは、あかりと溶け合うようにその香りまで存分に堪能します。





「ぷはっ···」



堪えきれずに、いったん離れたあかりたち。







「あかりちゃん、あの時の続き···しよ?」



その言葉に、あかりは肯定も否定もしません。
ですが、ちなつちゃんはそこで止まることをしませんでした。



ちなつちゃんはもう1度あかりの口を狙い澄ましてきます。
"あの時"と、同じように。
それでいて今度は舌を入れ、さっきよりも更に強く。



「ぺろっ、ぴちゅっ」

「ん···ちゅるっ」

「あむっ、んあっ、んん···」

「はふっ···」





「···っ、あっ···」







いつの間にか、ちなつちゃんはあかりの胸にも触れていました。



「っん····」



あかりの呼吸のしづらさを感じ取ったのか、またあかりの口から離れるちなつちゃん。



「あかりちゃん···」

「っあ···はっあ」

「私、あかりちゃんのこと···」

「っぅ、あぁあ···」



ちなつちゃんの言葉は、その先に続きません。
そのまま、胸を這う指が先端に触れました。

「あっ、んあぁ···」

服の上からではあったものの、あかりもちょっとずつ声を堪えきれなくなってきていました。
嬉しいけれど、どこか歯痒い。





「あかりちゃんに近づきたい···。あかりちゃんに、もっと触れたい···」

ちなつちゃんはそういうと、あかりの服のボタンを1つ1つ取っていきます。
少しずつ見えていくのを愛でるような素振りで下着が取り払われ、あかりの胸はあらわにされました。
そしてちなつちゃんの目に晒され、愛されるほどに、胸の先はちなつちゃんが欲しいと訴えていきました。



「ちゅっ、ぺろっ」



「っぁ、あぅ」



「ちゅう···」



「ふあっ、ぁああ···!」



あかりのその情動の先端に、指で触れたり、吸い付いて舌で撫で、転がしたりするちなつちゃん。

並行してあかりは身体のあちこちに口づけをされ、そこにもちなつちゃんの想いの痕がまたついていきます。
暖かくて、優しくて、けれど確かな痕。





「んちゅ···」

「んあっ、はぁあん···」



「ふはぁっ···。あかりちゃん、大丈夫···?」

ちなつちゃんが、聞いてきます。



「ん···」

確信を持って答えたあかりだったけど、うまく伝わっていたかは分かりませんでした。
何が大丈夫なのかも、よく分かっていなかったのかもしれません。



「じゃあ···」

ちなつちゃんはあかりの腰にも手をかけます。
その行き先に、一瞬戸惑うあかり。



「えっ···ちなつちゃん···!?」



「やっぱり、だめ···?」



「···いや、大丈夫···!」



ちなつちゃんの思いを感じ取りたい一心で、あかりは戸惑いを振り払います。
そうしてあかりを覆い隠すものは、ついになくなりました。
あかりのもどかしさと嬉しさは既にそこから蕩け出て、濡れに濡れていました。





「い、いくよ···」

  ぬぷっ



あかりに響き渡るちなつちゃんの声。
あかりの中へと入ってくるその指。







「ん、んふぅ···」

  ぬるん



ちなつちゃんは、私の中を撫でながら、いとも簡単にあかりのよがる点を見つけ出しました。





「どうかな···?」

「はぅぁあ、はっ···、んぁあ···」

  ぬぷぷぷっ

「あかりちゃん···」

「ひゃあっ···、ふぅぁ、あぁあっ···」

  ぬるっ、ぬちゅっ

「喜んでくれたら、それだけで私は嬉しい···」



飛んでしまいそうな心地。



  きゅっ



何もかもを通じて、ちなつちゃんを本当の意味で受け入れることができている――。
そんな幸せが、あかりの中を駆け巡っていきました。



「ぁあんっ、ふあぁぁあっ――」














「あかりちゃん、ごめんね···」



ほとぼりが冷めかけて気づいた時、あかりの傍らにいるちなつちゃんは、涙を溢していました。



「ち、ちなつちゃん···!?なんで泣いて――」

「私、あかりちゃんを本当に喜ばせることだけがしたかったのに···。なんで、またこんなに調子に乗っちゃって···」



ちなつちゃんの言うことが、あかりにはよく分かりませんでした。



「別にあかりは、何も気にしてないよ···?」

「だって、あの時も···。私ったら、我を忘れてこんな風に···ううぅっ···」





――"あの時"。







(あの時ってもしかして、ちなつちゃんがあかりにキスをした時···?)




「だからあかりちゃんには『嫌だ』って言って、私を突き飛ばすでも、してほしかったのかもしれない···」



「ちなつちゃん···」







(そっか)



あかりの心のすきまが、少しずつ埋まっていきます。





「あかりちゃんがそんなことするなんて、確信は持てなかったのに····。――ううっ、だから結局、そのまま···」



ちなつちゃんの『大丈夫?』という問いの意味が、分かったような気がしました。







(頭がこんがらがって何も考えられなくなってたのは、ちなつちゃんも一緒だったんだね)







「あのね、ちなつちゃん」

「うっ、ううぅ···。な、何···?」



「今からあかりは、あの時の応えを伝えるから」

「っ――」





「ちゅっ」



「んふぁ···」



「ちゅぅ、ふちゅっ」



「んんっ」







「ぺちゅっ」



「んああ、あっ、あかりちゃん···」







今度は、あかりがちなつちゃんの上。
ちなつちゃんがやってくれたことを、喜びと感謝を込めてお返ししていくあかり。
口へ、首筋へ、身体へ、胸の先へと、あかりの感情を刻んでいきます。



「んくっ···くぁあっ」





「あかり、ちなつちゃんにも、嬉しくなってほしいな」



「はぅっ···はん···」



「ちゅうっ」



「んあっ、んあああっ」



それを伝え切ると同時に、あかりもちなつちゃんに纏い付く全てを取り去りました。









「ちょっ、あかりちゃ、――っんはぁぁあ····!」



ちなつちゃんに受け入れられるのと同じように、ちなつちゃんをもう一度受け入れたい。
その思いで、必死にあかりはちなつちゃんを抱きしめ、その全てを口に含んで味わっていきます。



「ぺろっ、くちゅっ」



「あかりちゃ――あかりちゃん···!」

「じゅるっ···ちゅるるぅっ」

「んあぁあっ、そこま、ぁぇっ···、」

「んふっ···ぴちょっ、ちゅうぅっ」

「んぅっ、しなく、てもっ···、や、ぁぁ···!!」



中から溢れ出るちなつちゃんの香り、そして味。

それを嗅ぎ、舐め取って、あかりは更にちなつちゃんを受け止めていきました。



「あっ、はあっ、あっああっ···。も、もう······、ぁああ、んふああああっ――」













なおもあかりたちは、止まらなくなっていました。









ぼうっとするちなつちゃんに、あかりは問いかけます。







「ちなつちゃん、いい···?」

「あかりちゃん···」

「今度は、一緒に···」

「うん···!」







2人とも、もう既にたくさんの感情を受け止めきったハズでした。
それでもまだ、あかりもちなつちゃんも、お互いを求める念が尽きることはありませんでした。

お互いをその手で支え合い、止められない思いが熱を帯びた雫となって流れ出てくるその出口を、あかりたちは交わらせます。





「動く、よ···」

「わ···、わかっ――っぁ···!」







「あっ、っっ···、ふあっ···!」

  くちゅくちゅっ

「んうっ、あん、あはあっ···!」

  ぐちゅう、ぬちゃっ

「ひあぁ、ああっ···!!!」

  ぬちゅっ、ぐちゅっ

「や、あっ、あん、んああっ····!!!」

  ぬるんっ、くちゅうっ、くちゃっ



「ふあぁああ、っうぅ、ぅぁ、ぁぁああああ――――」

「んっあっ、やぁっ、あっ、あ、あぁぁぁあああ――――」





2人の身体がこれ以上ないほど大きく跳ねてしなった時、あかりはちなつちゃんの「大好き」という声を聞きました。







そんなちなつちゃんにあかりもやっと、本当の本当に心から言える。







この、溢れ出る抑えきれない声で。









ちなつちゃん。あかりもちなつちゃんが、「大好きだよ」。






以上です。

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