飛鳥「シュレディンガーの猫」 (18)
※モバマスSS
※飛鳥メイン
※短い
※飛鳥がエロい
それでもいいという方はどうぞ。
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「シュレディンガーの猫」
「ってあるよね」
二人きりになった事務所。
作業が一段落付いた俺に、会話がしたいと我が担当アイドル二宮飛鳥が言いだした。
二つ返事で了承したのはいいが、何故か会議室に場所を移したいと言い、彼女の要望通り移動したらこのセリフである。
「物理学の有名な例え話だろ?」
「そう。一応、キミの知っている内容を確認しようか」
「あんま詳しい話は知らないけど。
一定の確率で毒ガスが吹き出る箱の中に猫を入れておく。
そうすると箱の中の猫は箱を開けない限り、生きている可能性と死んでいる可能性、二つの可能性が重なり合う。
つまり、生きているし死んでもいる、という矛盾した状態になる」
加えて言うなら……実に飛鳥が好みそうなネタだということか。
「まぁ諸説あるけど、その認識でいれば問題ないよ」
ふむ。
彼女がこんなことを言いだしたのは唐突だが、ここからの話の展開は想像できそうだ。
生きていると同時に死んでいる。
飛鳥が好みそうなフレーズ、もっと言えばライトノベルやらの創作物で多用されそうな言い回しだ。
彼女が忌み嫌っていたそのあり方を連想させるこの単語を持ち出したからには……どうやらあんまりいい話ではなさそうだ。
「……まぁ、生きていると同時に死んでいる。この表現はボクがこれまで嫌っていた生き方だが、今日の話は違うんだ」
おや。
「もっと俗で……馬鹿みたいな話をしようと思ってね」
そう言うと、飛鳥は会議室のテーブルの腰を乗せた。
「ねぇ、P。この前のバレンタインだけどさ」
唐突な話題転換。
「事務所の女の子全員からチョコをもらっていたよね。……いや、トレーナーさんたちからも貰ってたっけ」
うぐ。
「ボクの渡した物も含めて……あれが全部、本命だってことくらいは理解しているよね?」
「……まぁな」
「ここだけの話、今現在気持ちに答える答えないは抜きにして、キミが本気で好きな子はいるのかい?」
また答えにくい質問を。
「悪いけれど、いない」
「ボクもまだライク?」
「そうだ」
正直な感情を答えておく。
「うん。まぁ少々残念ではあるけれど、二番目に期待していた答えだったからよしとしよう」
誰か好きな子がいたら困るってことか。
「話を戻そうか」
「今の話、関係あったのか?」
「大いにある。が、後で分かることだし今は先に進めるよ。
シュレディンガーの猫が生きているか? 死んでいるか?
それは箱を開けた時点で決定される」
と、
そこまで口にしてから。
飛鳥の指は、何故か唐突に、彼女のスカートの裾をずりあげ始めた。
「待て」
「いいから」
何がいいんだ。
しゅっ しゅるっ
僅かな衣擦れの音をさせて、スカートから抜き取った彼女の手には、
黒い、透けるようなレースの、
細い、隠す部分が小さい、
彼女の歳には似つかわしくない、だが飛鳥らしい大人なデザインのショーツが。
ぱさっ。
呆けていたら、顔面に投げ付けられた。
飛鳥はぎしり、と会議室の机を軋ませ、
片手は、スカートの奥を隠し。
「さて、ボクのこのスカートの奥は、どうなっていると思う?」
そう言って浮かべた笑みは、飛鳥の歳からは考えられないほど妖艶だった。
「今、何も履いていないかもしれない」
スカートの裾が僅かにずり上がる。
「あるいは、まだ1枚履いているのかもしれない」
露わになっていた太股が隠される。
「……P、キミは、箱の中を開けてみたいかい?」
視線が絡み合う。
「あやふやな答えを、一つに確立させたいかい?」
吸い寄せられて、飛鳥から目を外せない。
靄が掛かった思考の中で。
俺は。
薄い布で出来た、
猫の装置に、手を――――
――――(暗転)
――(暗転)
(暗転)
以上です。
ありがとうございました。
後ほどHTML化を依頼します。
このSSまとめへのコメント
これが14歳...
なんか好きな雰囲気。
乙!