春香「筋ジストロフィー?」 (121)

春香「おはよーございまーっす!」ガチャ

P「おぅ、おはよう!」

春香「って、うわぁ!?」バッターン

P「だ、大丈夫か!?」

春香「えへへ、コケるのにはなれてますよー」ニコリ

P「でも気をつけろよなー」

春香「はーっい!」ニコニコ

P「ったく…… 返事と笑顔だけはいいんだけどな」

春香「じゃあレッスン行ってきますね~!」

P「あぁ、頑張れよ!」

………………

トレーナー「ワン、ツー、ワン、ツー」パンパン

春香「はぁ…… はぁ……」

トレーナー「ワン、ツー、ワン、ツー」パンパン

春香「ぜぇ…… ぜぇ……」

トレーナー「天海さん!遅れてる!」

春香「はい!」

トレーナー「はい、ワン、ツー、ワン、ツー」パンパン

春香「ぜぇ…… きゃあっ!」スッテーン

トレーナー「天海さん!? 大丈夫!?」

春香「だい……じょ…う……ぶ…です……」ゼェゼェ

トレーナー「はぁ…… 天海さんは今日は休んでなさい」

春香「はい、すみません……」

トレーナー「じゃあ他の皆は続きいくよ!」

ワン ツー ワン ツー

春香(なんだか最近…… 体が重い……)ゼェゼェ

………………

数日後

春香「おはようございます……」

P「あぁ、おはよう!」

千早「…………」

春香「千早ちゃん、おはよ」

千早「えぇ、おはよう」

春香「今日も一日頑張らないとっ」

千早「ねぇ春香……?」

春香「なに?千早ちゃん?」

千早「最近何かあった?」

春香「え?何もないよ?」

千早「本当に?」

春香「う~ん…… 強いて言うなら最近体が重いというかだるいというか……」

千早「本当にそれだけ?」

春香「どうしたの? 本当に何もないよ?」

千早「春香、最近あなた表情が硬いわ」

春香「えっ? それはアイドルとしてまずいなぁ…… 教えてくれてありがと!」

千早「えぇ、私は春香の笑顔が大好きだから……」

春香「えへへ、照れるなぁ……///」

春香「じゃあ、笑顔の練習、いってみよー!!」

春香「ワン、ツー、ワン、ツー 千早ちゃんも一緒に!」

千早「えっ!? えっと……ワン、ツー、ワン、ツー……?///」

春香「千早ちゃんかーわいい!」

千早「もうっ! 春香!///」

………………

さらに数日後

春香「はぁ…… 今日もいっぱい失敗しちゃった……」

春香「何回も噛んじゃったよ……」

春香「最近舌が回らない…… あ!え!い!う!え!お!あ!お!」

春香「かえるぽこぽこ……」

春香「くくっ ぽこぽこだって」クスクス

春香「でも、私こんなに滑舌悪かったかなぁ……」

春香「今度は千早ちゃんと早口言葉の練習しよーっと」

春香「うー寒い寒い…… やっと事務所ついたよ……」

春香「ドアノブ冷たーい! ただいまー!」ガチャ

千早「おかえりなさい」

アルツハイマーのもそうだったけど、お前らこういうの耐性無さ過ぎだろ

春香「あっ! ちは……!?」

千早「……? 春香? どうかした?」

春香「えっと、なんでもないの!」

千早「……? なら早く入ってくればいいじゃない」

春香「う、うん!」

春香(……どうして!? ドアノブから手が離れない!?)

春香「あっ! ちょっとコンビニ行ってくるね!」ガッチャン

千早「……」

春香「ぐっ……! いっ……」

千早「……」

春香「ふんっ…… だめだ、力が入らない……」

千早「……」スタスタ

春香「もうっ! なにこれっ……!」

千早「春香」ガチャ

春香「うわぁ!?」

千早「コンビニに行くんじゃなかったの?」

春香「あはは…… ばれてたんだ……」

千早「あれだけ様子がおかしかったら当然よ。 で、どうしたの?」

春香「えっと…… それがね?」ウルッ

千早「うん」

春香「ドアノブから手が離せないの……」

千早「……えっ?」

春香「なんだか手に力がはいんなくて……」

千早(この症状…… 聞いたことがあるような……)

春香「千早ちゃん…… たすけてぇ……」ポロポロ

千早「春香、病院に行きましょう」

春香「病院? 私病気なのかなぁ?」

千早「まだわからないけど…… その可能性もあるわ」

春香「うぇぇ~ん こわいよぉ」ポロポロ

千早「大丈夫よ、落ち着いて」ギュッ

春香「ひっく…… ちはやちゃぁぁん」ポロポロ

千早(大丈夫……なのかしら……?)

病室

春香「…………」ボー

春香(泣き疲れた……)

春香(アイドルが続けられないって……どういうこと?)

春香(急に『あなたは治らない難病だ』なんて言われて納得出来るわけない……)

春香(実感が…ない……)

春香「あぁ、宿題して、明日のレッスンの準備して……」

春香「そうだ、明日はクッキー焼いて持っていこう」

春香「そうだよね……これは全部悪い夢なんだよ……」

春香「そうじゃないと…… こんなの……」

春香「耐えられるわけないよっっ!!!」


千早「……」

千早(今の私がこのドアを開けて今の春香に会っても何をしてあげられるだろう)

千早(……きっと、何もできやしない)

千早「ごめんね…… 春香っ……」

美希「白血病?」ってスレも後で建つのか

亜美真美「ベトちゃんドクちゃん?」もやらないとな

数日後

コンコン

「天海さん、リハビリの時間ですよ」

春香「はい……」

春香(今日も…… 辛いリハビリか……)

春香「んっ……よいしょっ」

春香(立ち上がるのも辛くなってきた……)

春香(アイドルになるための辛いレッスンなら耐えられたけど……)

春香(できるだけ車椅子に頼らないようにするなんていう後ろ向きな辛さなんて……)

春香「あぁ…… 辛い……」

P「真性包茎?」

千早(春香は実家に近い大学病院に入院することになった)

千早(つまり、私の家からはとても遠い)

千早(会いに行ける時間が無い……)

千早(あの時私は…… 春香に背を向けてしまった)

千早(あの時に声をかけておけば春香の心をもう少し軽くすることができたのかもしれない)

千早「私は……弱い女だわ、春香……」

千早「立場が逆なら…… あなたは逃げたりはしなかったでしょうね……」

春香「……」

『本日のゲストは竜宮小町の三人でーす!』

春香「……」

ピッ

『萩原さんは舞台のヒロイン役が決まったということで……』

春香「……」

ピッ

『本日のらぁめんは』

春香「……」

ピッ

『自がこの崖を登るのか~!?』

ピッ

『うっうー!』

ピッ

『まっこまっこr

ピッ

『本日のニュースは……』

春香「今日も…… 退屈だなぁ……」

春香「もうっ…… やだよっ……」ボロボロ

コンコン

「天海さん、リハビリの時間ですよ」

春香「……」

春香「んっしょ…… あっ」グラッ

春香「っ……」ドサッ

春香「いだいよぉ……」ポロポロ

「あっ、大丈夫ですか?」

春香「大丈夫に見えるんですか?」ポロポロ

「ごめんなさい」

春香「……」

春香(私は…… 何をしてるんだろ……)

春香(関係ない看護師さんに八つ当たりなんかして……)

春香(私、最低だよ……)

春香「ひっく…… うぐっ……」ポロポロ



「じゃあ、頑張ってここまで歩いみよう!」

春香「はっ……はっ……」

春香「あっ……」フラッ

春香「うぐっ……」ドサッ

春香(あぁ…… もう……)

「がんばって、たってみよう!」

春香「んっ……」フラフラ

「よし!よく頑張ったな」

春香(あなたなんかに褒められても嬉しくないよ……)

春香(助けてよ…… プロデューサーっ……!千早ちゃんっ……!)

春香「はぁ…… はぁ……」

春香「……」

春香「私だけができるスマイルー……」

春香「めちゃめちゃ魅力でしょ……」

春香「もう、笑顔になんてなれないよ……」

春香「ごめんね皆……」



春香「死んじゃいたいよぉ……」ポロポロ

春香「もう、楽になりたい……」ポロポロ

………………

P「千早、ちょっといいか……?」

千早「なんですか?」

P「それが……」

………………

春香(どうやって死のうかと考えて数日が過ぎた)

春香(だが、今の私では自ら死ぬことすら難しい)

春香(絶望しかなかった……)

春香(そんなある日、彼女は訪ねてきた)

コンコン

春香「……誰ですか?」

千早「……私よ、春香。入ってもいいかしら?」

春香「っ……!」

春香「ダメっ……!」

千早「えっ…… どうして?」

春香「なんでもいいでしょ! 帰ってよ!!」

千早「春香に伝えたいことがあるの……」

春香「私は聞きたくないよっ!!」

千早「お願い、春香…… 顔を見せて?」

春香「もう…… 帰ってよ……」

千早「どうして? 理由を話して?」

春香「怖いのっ……」

千早「えっ……?」

春香「765プロの皆と会うのが…… 怖いの……」

千早「なんでっ……!? 皆春香に会いたいって言ってるのよ?」

春香「違うのっ…… 悪いのは私なの……」

千早「そんなことないっ!」

春香「…………」

春香「……はいってきていいよ」

千早「えっ……?」

春香「千早ちゃんにだけ、教えてあげる」

千早「えっ…… じゃあ……」

ガラガラ

千早「し、失礼します」

春香「久しぶりだね……」

千早「うん、そうね……」

春香「私ね、もう笑えないんだ」

春香「顔の筋肉が動かせないの」

春香「笑顔ができないとね、気分も沈んでくるんだ」

春香「だから私ずっと思ってたんだ」

春香「『なんで私だけなんだ、別にほかの人でも良かったんじゃないか』って」

春香「真でも雪歩でもあずささんでも貴音さんでも響ちゃんでも亜美でも真美でもやよいでも伊織でも美希でも……」

春香「千早ちゃんでも、いいじゃないか、なんで私だけがこんな目にあわなくちゃいけないの?って……」

春香「私、最低だよね」

千早「そんなことないっ……!」

春香「そういうのがっ!」

千早「っ……!」ビクッ

春香「そういうのが怖いの……」

春香「私は心の中でこんなに汚いことを考えて、どんどん心が濁ってるのに」

春香「きっとみんなは私に優しくしてくれるでしょ……」

春香「私の醜さが際立っちゃうの…… 私が私でなくなっちゃうようで……」

春香「それが、嫌だったんだ……」

響が成人T細胞白血病ってのもどうかな
潜伏期間的にアイドルやってない年齢だけど
千早の偏食が原因で便秘→下剤からの菌交代症とか
貴音もラーメン偏食で生活習慣病イケる

亜美真美「どんどん皆を病ましちゃおー!」

千早「大丈夫、みんなに会えば気持ちも晴れるわよ」

春香「私決めてるの」

千早「……え? 何を?」

春香「寝たきりの生活になる前に自殺しよう、って……」

千早「だめ! それだけはだめよ!!」

春香「皆にあって自分の醜さを再確認して、でもこの世に未練を残しちゃって死ねないなんて最悪だから……」

千早「それでいいじゃない!死ぬなんて言っちゃ絶対ダメ!!」

春香「ゴメンネ千早ちゃん、私に生きてる価値なんてないんだよ」

千早「っ―――」キッ

千早「ごめん春香」

春香「へ?」

バッチーーン

春香「きゃっ!」

千早「そんなこと……」

千早「そんなこと、絶対に二度と言わないで!!」

春香「千早、ちゃ……」

千早「私の大好きな春香を、価値がないだなんて言わないでよっ!!!!」ボロボロ

春香「っ……!!」

この病気もあと10年ほど経てば
ipsやstap細胞の医療技術で治療出来るようになるのかな

春香「…………」ウルッ

春香「千早ちゃんの大好きな春香はもういないんだよ……」ボロボロ

千早「いいえ、あなたは私の親友で恩人で……」ギュッ

春香「!?」

千早「初恋の人、なのよ……」ポロポロ

春香「ぢ、ぢはやぢゃぁぁん」ボロボロ

千早「それは変わってないわ。今も、昔も」ポロポロ

春香「私も、ずっと千早ちゃんが大好きで……」ボロボロ

春香「でも、もう手遅れだよ…… 遅すぎたんだよ……」ポロポロポロ

>>100
筋が融解する原因を特定しない限り、いくら筋肉作っても対症療法にしかならないだろうなぁ
それでも患者には希望になるが

千早「ごめんね春香……」ギュッ

春香「ごめんよ千早ちゃん……」ギュッ

千早「それでね、春香……」

千早「私、ニューヨークへ行くことになったの」

春香「えっ……」

千早「向こうで挑戦してみないかって誘われたの」

春香「……す、すごいじゃん! 頑張ってきなよ!」

千早「でも、春香をおいてはいけないわ……」

春香「そんな…… 私は大丈夫だから……」

千早「本当に?」

春香「うん……その代わり、絶対にここまで千早ちゃんの歌、届かせてね」

千早「わかったわ、約束する」

春香「じゃあ私も自殺するなんてもう絶対に言わない」

千早「ありがとう、春香……」

春香「千早ちゃんもありがとう……」


春香「よしっ! 明日から頑張るぞ!」

ある少女は明るさを取り戻し

ある少女は海を越えた

それぞれの希望を胸に携えて…………


しかし彼女の歌は海を越えることができなかった


少女はほとんど動けなくなった体で彼女との約束を信じ続ける

乙女よー大志を抱っけ♪が脳内再生される

END

>>113
抱けなかったな

筋力的に

ハッピーエンドなのかバッドエンドなのかっていう考える余地のある終わり方が好き
昨日のとは違って今日のは完全に俺のオナニーだからここで終わります

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