この物語はみなみけ三姉妹の平凡な日常を描くものです。
過度な期待はしないでください。
また、今までの作品もあるのでそちらの方も良かったら見やがってください。
(一話完結なので続き物ではありません)。
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昼 小学校
内田「やっぱりこっちかな?」
吉野「うーん、どうだろう。」
千秋「どうした?何を悩んでいるんだ?」
内田「あっ千秋。千秋はどれがいいと思う?」
千秋「だからなんの話だ?」
吉野「もうすぐバレンタインでしょ?それでどのチョコがいいかって話してたんだ。」
千秋「あぁ、そういえばそうだな。」
内田「千秋は作らないの?」
千秋「うん、特にあげる相手もいないからな。」
内田「えぇ! 作ろうよー。」
千秋「なんだ内田、私がチョコを作ろうが作るまいが私の勝手だろ。」
内田「えぇー絶対作った方がいいって。渡す相手は作ってから考えればいいじゃん。」
千秋「作ってから渡す相手を考える奴がどこにいるんだ、バカヤロー。」
内田「そんなことないよ! そういう人もきっといるよ! だから作ろうよー。」
千秋「…なんでこんなに作らせようとするんだ?」
吉野「内田はね、千秋の家で春香ちゃんに教わりながら作りたいんだって。」
千秋「あぁ…それなら別に私が作らなくても春香姉さまに手伝ってもらえばいい。」
内田「えっいいの!?」
千秋「うん、一応私が聞いてみるが、心優しい春香姉さまならば、例え内田のようなやつの頼みでも聞いてくれるだろう。」
内田「少し言い方が気になるけど…わーい。」
夜 南家
千秋「というわけで、内田達のチョコレート作りを手伝ってもらえないでしょうか?」
春香「うん、それはいいけど、千秋は作らないの?」
千秋「はい、私は特に渡す相手もいないので。」
夏奈「なんだー?つまらない奴め。」
千秋「なに?そういうお前は渡す相手がいるのか?」
夏奈「ふふふ、甘いぞ千秋…まるでチョコのようだな…」
千秋「何…まさか…」
夏奈「私くらいになると…向こうからチョコを持ってくるのだ!だから私はチョコなど作る必要がない。」
千秋「…」
夏奈「どうした?驚いて声も出ないか?」
千秋「ふん、それじゃ主旨が逆だろ。バカ過ぎて声もでなかったんだよ。」
夏奈「なにをー!やるかー!」
千秋「上等だバカヤロー!」
春香「まぁまぁ二人とも…それはともかく、せっかくだから千秋もチョコ作ってみれば? 」
千秋「…ですが、渡す相手が…」
春香「渡す相手は、作ってから考えればいいんじゃない?」
千秋「…」
次の日 小学校
千秋「ということで、私も作ることにした。」
内田「えぇ!?なんで?昨日はあんなに作らないって言ってたのに。」
千秋「まぁ、渡す相手は作ってから考えればいいかなと思ってな。」
内田「それ昨日私言ったよね!?」
千秋「ん、そうだったか?」
内田「うぅ…もういいよ。」
吉野「それで、いつ作るの?」
千秋「うん、週末に作ることになった。」
内田「わーい、楽しみだなぁ。」
吉野「他にも誰か誘うの?」
千秋「あぁ、せっかくだから、マコちゃんも誘ったぞ。」
内田「えっ?マコちゃんも!?」
千秋「どうした?マコちゃんに何かあるのか?」
内田「ううん、そんなことないよ!全然ない!そ、それより、誘うのはマコちゃんだけ?」
千秋「いや、春香姉さまも友達を誘うと言っていたぞ。」
内田「そっかぁ、みんなで作った方が楽しいもんね。」
冬馬「おーい千秋。」
千秋「ん、どうしたトウマ。」
冬馬「昨日借りた教科書、返すの忘れてたから。」
千秋「そういえばそうだったな。」
冬馬「はい、さんきゅー。」
千秋「うむ。」
吉野「千秋、トウマも誘ったら?」
内田「そうだよ、トウマも来なよ。」
冬馬「えっ何の話だ?」
千秋「しかし、トウマは女らしさが微塵もないからな。」
冬馬「何の話か分からないけど、おれをバカにしてるのは分かった。」
吉野「みんなでバレンタインのチョコを作ろうって話だよ。」
冬馬「あぁ、もうそんな時期か。でもおれ、バレンタインは兄貴達のチョコもらったり、冗談で女子からもらったり、食べる専門だな。」
千秋「そんなことだと思ったよ。まるでうちのバカヤローと同じだな。」
冬馬「何、夏奈もそうなのか!?」
内田(夏奈ちゃんとは言ってないのに…)
千秋「うむ、あいつも初めから自分で作らず、人が作ったチョコを狙っている。」
冬馬「別におれは人が作ったチョコを狙ってる訳じゃないぞ。ただ、回りがチョコをくれるんだ。」
吉野「トウマって男らしいから、一部の女子に人気あるんだよね。」
冬馬「男らしいって言われても良く分からないんだよな。おれは普通にしてるだけなのに。」
吉野「たぶんそういう自然なところが良いんだと思うよ。」
内田「で、結局トウマは来るの?」
冬馬「うーん、おれは特にあげる相手もいないし、面倒そうだからいいよ。」
千秋「うん、女らしくないトウマはその方がいいよ。」
冬馬「なにをー!さっきから聞いてれば、チョコ作りに参加するメンバー言ってみろよ。そんなに女らしいのか?」
千秋「いいとも、まずは春香姉さま。」
冬馬「確かに…春香は女らしいな。」
千秋「あぁ、女らしさという言葉は春香姉さまのためにあるようなものだ。そして、そんな春香姉さまが連れてくる友達は女らしいに決まっている。」
冬馬「ううん?そうなのか?まぁアツコとかは女らしいな。」
千秋「そうだろう、そうだろう。そして、吉野と私。」
内田「あれ?私は?」
冬馬「うーん、確かに吉野は女らしい。」
吉野「ありがとう、トウマ。」
内田「ねぇ、私は?」
冬馬「だけど、夏奈はどうなんだ?全然女らしくないぞ。」
千秋「ふん、あいつは不参加に決まっているだろ。」
冬馬「そういえば、さっき言ってたな。じゃぁそれだけか?」
内田「無視しないでよー。私もいるよ。」
千秋「あぁ、あともう一人いるぞ。」
内田「そうだよ、忘れないでよ。あービックリした。」
千秋「マコちゃんだ。」
内田「うわーん、ひどいよ。」
冬馬「マコちゃん!?マコちゃんを呼ぶのか!?」
千秋「ん?マコちゃんに何かあるのか?さっき内田もマコちゃんに反応していたようだが。」
冬馬「いや、別に、なんとなくそう思っただけ…かな。」
内田「…」
千秋「ん?どうした内田?」
内田「うぅ…もういいです…」
吉野「よしよし」アタマナデナデ
千秋「マコちゃんはトウマの100倍は女らしいからな。」
冬馬「なっ…!」
吉野「あれ?でも前に千秋、マコちゃんは男らしいって言ってなかった?」
千秋「あぁ、マコちゃんは男らしさの中に女らしさがあり、女らしさの中に男らしさがあるんだ。」
吉野「ふーん、なんだか複雑だね。それにしても、千秋は本当にマコちゃんが好きなんだね。」
千秋「あぁ、大好きだ。」
冬馬「おい、内田。」コショ
内田「なにトウマ?」コショ
冬馬「なんでマコちゃんを呼んだんだ?そして何故あいつは普通に来るんだ?」コショ
内田「知らないよー、私だってさっき知ったんだもん。」コショ
冬馬「というか、おれは男のあいつよりも女らしくないのか?」コショ
内田「あれ?気にしてるの?」コショ
冬馬「いや、別にそういう訳じゃないけど…」コショ
千秋「おい、二人で何をコソコソ話してる。」
内田「あっ、別になんでもないの。あはは。」
吉野「変な内田だね。」
千秋「吉野、内田が変なのは今に始まったことではない。いつものことだ。」
内田「ひどいよー!」
千秋「結局、トウマは来ないということでいいのか?」
冬馬「ん?あ、あぁ…って痛ッ」ドン
マコト「あぁ悪いトウマ。勢い余って止まれなかった!」
冬馬「いてて、気を付けろよな。」
マコト「ごめんごめん。」
吉野「あっ、マコト君。今ちょうどマコト君の話をしてたんだよ。」
マコト「なに! どんな話をしてたんだ?」
吉野「うん、マコト君は男らしい…」
マコト「あぁ、確かにおれは男らしい…」
吉野「中に女らしさがあって、女らしい中に男らしさがあるって。」
マコト「中に女らしさが…ん?女らしさ?どういうことだ?」
内田「ちょっと吉野、それマコト君じゃなくてマコちゃんの話だよ!」
マコト「えっ…」
吉野「あれ、そうだっけ?マコちゃんとマコト君ってなんか似てるから間違えちゃった。」
千秋「おい吉野、マコちゃんとこのバカヤローを一緒にするなといつも言ってるだろう。」
吉野「そうだったね、ごめん千秋。」
千秋「全く、どこを見たら似ているなんて発想になるんだ?」
マコト「そ、そのマコちゃんってやつのことは全然、全く知らないけど、そいつが男らしいっていうなら、おれの中から溢れでる男らしさがそう思わせたんじゃないか?」
千秋「似てないよ、男らしくないお前は男らしいマコちゃんと全然似てないよ。」
マコト「なに! おれのどこが男らしくないって言うんだ、教えてくれ南!」
千秋「ふん、自分で考えろバカヤロー。行こう吉野。」
スタスタ
マコト「はぁ…おれはそんなに男らしくないのか?」
内田「いや、マコちゃんは男らしいって言われてたよ。」
マコト「それじゃだめなんだ。マコちゃんでいくら男らしいって言われても、マコちゃんはあくまで仮の姿…おれはマコトとして男らしいと認められたいんだ。」
冬馬「…」
マコト「ん、なんだトウマ?何かあったのか?」
冬馬「うるさい!そもそもなんでチョコ作りに参加してんだよ?」
マコト「そ、それは…夏奈が…来ないとマコちゃんの秘密がとかいうから…」
冬馬「あぁ…」
内田「頑張って…マコちゃん… 」
マコト「今は…マコトだ。」
週末 南家 リビング
夏奈「バレンタインに勝ちたいかー!?」
内田「勝ちたいです!」
夏奈「よし、その意気だ内田! 吉野お前はどうなんだ?」
吉野「えっと…勝ちたい…かな?」
夏奈「そうだろう、そうだろう。そこで、今日はバレンタインに17年連続出場中のマキ先生に来ていただきました。先生よろしくお願いします。」
マキ「はい、よろしくお願いします。」
夏奈「早速ですが、バレンタインに勝つために何かアドバイスをお願いします。」
マキ「おほん、えー皆さん、バレンタインに勝つためには何が一番重要だか分かりますか?」
内田「はい、はい!」
マキ「はい、内田くん。」
内田「美味しいチョコを作ることです!」
マキ「なるほど、確かにチョコが美味しいに越したことはありません…が、チョコを食べるのはだいたいが家に帰ってからです。しかし、残念ながらその時点でバレンタインの勝敗はほぼ決まっているようなものなのです。仮にチョコがあまり上手くできていなくても、勝利さえしていれば全く問題ないのです。」
夏奈「つ、つまり極論を言えばチョコが美味しかろうと不味かろうと、どうでもいいということですか!? 先生!」
マキ「はい、極論を言えばそういうことです。」
内田「そんな、元もこもないよ…」
マキ「では、以上のことからバレンタインに勝つために大切なのはなんだと思いますか?」
吉野「じゃぁ、はい。」
マキ「はい、吉野くん。」
吉野「相手が自分を好きかどうかです。」
マキ「た、たしかに極論を言えばそういうことです。」
夏奈「先生、さっきから極論を言ってばかりですね! 先生!」
マキ「しかし、それは相手に頼るところが多く、自分ではどうにもならない可能性もあります。よって、バレンタイン勝利の最も重要なことにはなりません。」
夏奈「そ、それでは一番重要なこととは?」
マキ「はい、それは…渡しかたです!」
夏奈「おぉ…渡しかた…といいますと?」
マキ「いいですか?男の子はバレンタインに何を望んでいますか?」
内田「はい、はい!」
マキ「はい、内田くん。」
内田「好きな女の子からチョコをもらうことです。」
マキ「はい、半分正解。」
内田「えっ半分?」
マキ「正解は、誰かからチョコをもらうことです。」
夏奈「つまり、好きな女の子からじゃなくてもチョコをもらえば嬉しいということですね?だから、渡しかたが一番重要であると?」
マキ「はい、そういうことです。」
吉野「はい。」
マキ「はい、吉野くん。」
吉野「渡しかたって、具体的にはどういうことですか?」
マキ「はい、いい質問ですね。バレンタインの渡しかたには昼の部と夜の部がありまして。」
夏奈「先生!ノリノリですね先生!」
春香「マキー、ちょっとこっち来てくれるかな?」
マキ「えっ、今いいところ…」
春香「いいから買い物行くの手伝ってねー。」
マキ「ちょっと、私先生なの、春香ー。」
スタスタ
内田「…」
吉野「…」
今日はここで寝ます。
オリンピックやってる中で見てる人少ないと思いますけど、また明日書きます。
おやすみなさい。
夏奈「…こほん、えー、ではマキ先生が連れていかれてしまったので代わりの先生をお呼びしました。アツコ先生です。」
アツコ「えっ?私?」
夏奈「先生よろしくお願いします。」
アツコ「あ、えっと…よろしくお願いします。」
すいません、アイマスの舞台挨拶と、ゆかりんライブ行ってたらこんなに遅くなってしまいました。
あと、自分のこと覚えてくれてる方がいて嬉しいです。
夏奈「早速ですが、バレンタインに勝つために何かアドバイスをお願いします。」
アツコ「えっと、あげる相手のことを考えて、一生懸命作る…とか?」
夏奈「なるほど、さすがアツコ先生、マキ先生とは言葉の重みも、経験も段違いですね。」
マキ「ちょっと夏奈ちゃん、聞こえてるよ。」
夏奈「では、アツコ先生に何か聞きたいことはありますか?」
吉野「じゃぁ、さっき聞き逃した夜の部を。」
アツコ「え…//えっと…」
夏奈「先生、お願いします。」
アツコ「えっと…その…」
冬馬「おい、やめろよ夏奈、困ってるだろ。」
内田「あれ、トウマ?」
夏奈「なんだ、お前いたのか?」
冬馬「いたのかって…千秋には来ない方がいいって言われたし、おれも別に来たくなかったのに、夏奈が強引に呼んだんだろ?」
内田「えー?でもマコちゃんが呼ばれたって聞いてからはなんか呼ばれたそうな顔してたよね?」
冬馬「べ、別にしてねーよ!」
夏奈「いや、たしかにトウマを呼んだとき、嬉しそうな顔をしていた!」
冬馬「電話なのにどうやって顔がわかったんだよバカ!」
夏奈「なに、バカとはなんだ、出ていけ!」
冬馬「出ていかねー!」
夏奈「生意気な!」
冬馬「そっちこそ!」
夏奈「えい!」
ボスッ
吉野「あっ、二人が取っ組み合いをしてたら、トウマが投げ飛ばされてアツコさんの胸の中に飛び込んだ。」
内田「なんで説明口調!?」
夏奈「全く、なんて凶暴なやつだ。」
冬馬「スー、スー」
内田「トウマ寝てるよ!?」
アツコ(あれ?この子ってどっちだっけ?)
夏奈「おぉ、なんて安らかな眠り顔。さすがはアツコ先生、凶暴な男もいちころですね。」
アツコ「えっ…?(男?)」
夏奈「あれ?ところでマコちゃんはどこだ?」
吉野「マコちゃんと千秋が先に外側の部分を作って、そのあと私たちがガナッシュを作るってことになってるから、今二人はキッチンにいるよ。ちなみに春香さん達は買い物に出かけたよ。」
内田「だからなんで説明口調!?」
キッチン
マコ「できたぞ千秋! 」
千秋「うん、さすがマコちゃんだ。これなんかは完璧だな。」
マコ「ありがとう千秋。ところで、今おれ達は何を作っているんだ?」
千秋「えっ?マコちゃん何を作っているか分からずに作っていたのか?」
マコ「あぁ、チョコを作るって聞いていたから、チョコの切り刻みをしたところまでは分かっていたんだ。」
千秋「うんうん。」
マコ「ただその後、卵となんだか分からない物を混ぜてできたなんだか分からない物を、なんだか分からない袋に入れてこの丸い物体を作ったところで、なんだか分からなくなったんだ。」
千秋「なるほど、つまり最初からなんだか分かっていなかったんだな。」
マコ「う、うん…」
千秋「そんな悲しい顔をしないでくれマコちゃん。いいか、今日作っているのはマカロンというお菓子だ。」
マコ「マカロン?」
千秋「あぁ、フランスのお菓子でな、女の子に大人気なんだ。」
マコ「そうだったのか…そんなお菓子が流行っているなんて全く知らなかった。ちなみにそれは美味しいのか?」
千秋「マカのロンさ、外はサクサク中はふわっと。まさに極上の食感だ。」
マコ「おぉ、それはすごい! じゃぁ今おれが作ったこれはなんだ!?」
千秋「あぁ、それは外のサクサクの部分だ。つまりマカロンの土台だ。ちなみに最初に卵と混ぜたのはグラニュー糖で、混ぜてできたものはメレンゲと言うんだ。袋は絞り袋と言って、その先に丸口金を付けて、今マコちゃんが作った直径2cmくらいの円状になるようにする。」
マコ「さすが千秋。じゃぁ作ったこれはこの後どうするの?」
千秋「あぁ、30分くらい放置して乾かしたらオーブンに入れるんだ。」
マコ「なら、もうそれくらい経ったんじゃないか?」
千秋「あっ本当だ。マコちゃんと話していると楽しくて時間が経つのが早く感じるな。」
マコ「ありがとう千秋、おれも千秋と話しているとすごい楽しいよ!」
千秋「マコちゃん…」
マコ「千秋…」
吉野「あれー?マコちゃんなんで顔赤いの?風邪でも引いた?」
マコ「よ、吉野!?ど、どうした?」
吉野「いや、そろそろ千秋達終わったかなって。終わったら、次は私達がガナッシュを作る番だからね。」
マコ「そ、そっかぁ…と、ところでガナッシュって言うのは?」
吉野「あれ?マコちゃん知らないの?ガナッシュっていうのは生クリームとチョコを混ぜたクリームだよ。」
千秋「今回はマカロンの中の部分にあたるな。」
マコ「なるほど。いつの間にかそんな分担になっていたのか。」
吉野「それにしても、マコちゃんってあんまりお菓子に詳しくないんだね。私達より年上だからもっと詳しいと思ってた。」
マコ「ほ、ほら、おれには甘いものを好まない、父親譲りの硬派な所があるから!」
吉野「そっかぁ、私てっきり…」
マコ「てっきり…?」
吉野「ううん、なんでもない。気にしないで。」
マコ「お、おう!(気、気になる…)」
千秋「ちょうど良い吉野、オーブンに入れたらこっちの役目は終了だ。」
吉野「分かった。じゃぁ内田達呼んできて交代だね。」
今日はここで寝ます。
どうやらライブで力を使い果たしたようです…
また明日書くので、よろしくお願いします。
リビング
春香「ただいまー。」
マキ「重かったー。」
夏奈「おぉ、おかえり。お疲れさま。」
内田「あっ春香ちゃん!ちょうど今千秋たちが終わったから、ガナッシュ作ろー!」
春香「うん、そうしましょう。あっ夏奈、そういえば途中で藤岡君に会ったわよ。」
夏奈「えっ藤岡に? じゃぁ連れてくれば良かったのに?」
マキ「ダメよ夏奈ちゃん!バレンタインの準備は男に見せないのがマナーでしょうよ。」
夏奈「えっ?すみません…なんかみんなやる気だね。」
アツコ(ということは、今日呼ばれてるこの子は…女の子。)
春香「あら?」
マキ「どうしたの?」
春香「あの店のあれ、買ってくるの忘れちゃった。」
マキ「あー忘れてた。」
夏奈「よし、トウマ、行って来なさい。」
冬馬「ちょっとまてよ、なんでおれが!?」
夏奈「こういう時のための男手だろう!」
アツコ(えっ…ということは男の子?)
冬馬「それならマコちゃんに…」
吉野「えっなんでマコちゃん?」
冬馬「あっ、えーと、分かったよ、行ってくるよ。」
春香「悪いわねトウマ。」
冬馬「いいよ、春香にはいつもお世話になってるし。」
春香「あっ、それだけじゃ寒いわよ、これ着て行きなさい。」
冬馬「えー、こんなフリフリなの動きにくいよ。」
春香「暖かいし、とっても女の子らしいわよ。」
冬馬「…まぁ、せっかくだし借りていくよ。じゃぁいってきます。」
春香「いってらっしゃーい。」
アツコ(えっ、女の子?男の子?どっち?)
キッチン
千秋「よし、できた。あとは待つだけだ。」
春香「あら、良くできてるじゃない。」
千秋「あっ春香姉さま。」
春香「二人ともちゃんとできて、偉いわね。」
千秋「ありがとうございます。」
マコ「ありがとうございます、春香さん!」
春香「じゃぁ、二人は向こうで休んでていいわよ。」
千秋「はい、春香姉さま。」
吉野「じゃぁ交代だね。」
内田「よーし、頑張って作るぞー!」
リビング
夏奈「ふー疲れたなー。」
千秋「お前は何もやっていないだろ、バカヤロー!」
夏奈「いいのいいの、私は食べる専門だから。」
千秋「全く…ところで、マコちゃん。」
マコ「ん?どうした千秋?」
千秋「マコちゃんは誰にチョコをあげるんだ?」
マコ「えっ?おれ?おれは…」
夏奈「ニヤニヤ」
マコ「おれは、その…家族とか…友達とか…?」
千秋「なに、マコちゃんは男の子にチョコをあげるのか?」
マコ「えっ、えっと。まぁ…」
千秋「そうか、やっぱりマコちゃんは大人だなぁ。」
マコ「そ、そうかな…それよりも、千秋は誰かにチョコをあげるのか?」
千秋「あぁ、私のクラスには男らしいやつがいないからな。」
マコ「へ、へー、そうなんだ。」
夏奈「…じゃぁ、あいつなんかどうだ?」
千秋「ん?誰だ?」
夏奈「ほら、マコトとかいう。」
マコ「ちょっ、かn…」
千秋「ふん、あいつはダメだ。」
夏奈「なんで?」
千秋「全く男らしくない。」
マコ「…」シュン
夏奈「…ふーん、だが千秋、お前がそう思っているだけで、実は男らしいかもしれないぞ。」
千秋「ふん、今まであいつを見てきたが、男らしさなんて微塵も感じことないよ。」
夏奈「だが、『男子三日会わざれば坊主』という言葉があってな。」
千秋「それを言うなら、『男子三日会わざれば刮目せよ』だ。それじゃただの三日坊主だろ、バカヤロー。」
夏奈「そうそう、とにかくそれだ。だから、明日のあいつは男らしいかもしれないぞ?な、マコちゃんもそう思うだろ?」
マコ「えっ…あ、うん、きっと男らしいよ!」
夏奈「マコトに限らず、明日は誰か男らしくなっているかもしれないし、チョコを持って行って、お前が男らしいと思うやつがいればあげればいいし、いなければ持って帰ってくればいいよ。な、マコちゃん?」
マコ「そ、そうだよ! それがいいよ!」
千秋「まぁ…どうせ持って帰ってくることになるが、マコちゃんがそこまで言うなら…」
マコ「うん! きっと明日は男らしくして見せるよ!」
千秋「マコちゃんは元々男らしいぞ。」
マコ「あっ…うん。」
今日はここで寝ます。
明日は書けるか分からないんですが、近いうちに書きます。
一応次で完結させる予定です。
次の日 バレンタイン 小学校 朝
マコト「おはよう内田!」
内田「おはよう…ってなんで半袖半ズボン!?」
マコト「どうだ! 男らしいだろ!」
内田「そう…かな?」
マコト「へへーん。」
内田「…どうして男らしさ?」
マコト「うん、実は…」カクカクシカジカ
内田「そっか、昨日そんなことがあったんだ。」
マコト「あぁ、だから…」
吉野「おはよう。」
内田「あっ、吉野おはよう。」
マコト「おはよう吉野。」
吉野「あれ?マコト君、なんでそんな格好してるの?」
内田「なんか、昨日千秋が男らしい人にチョコをあげるって言ったらしくて。」
マコト「だから南におれが男らしいことを認めてもらって、マカロンをもらうんだ!」
吉野「ふーん、あれ? でもなんでそんなこと知ってるの? 昨日マコト君いなかったよね?それにマカロンってことまで知ってるし。」
マコト「そ、それは…夏奈、そう! 昨日夏奈から電話がかかってきたんだよ!」
吉野「へー、夏奈ちゃん、わざわざマコト君に電話したんだ。」
マコト「う、うん。」
内田「マ、マカロンを作ったって言ったのは私だよ。」
吉野「そうなんだ…それで、男らしいとその格好はどういう関係なの?」
マコト「この寒い季節に、長袖に頼らない強靭な肉体! まさに男らしさの鏡じゃないか!」
吉野「そうなの…かな?」
マコト「これを見た南は、おれの男らしさに気がついてマカロンをあげたくなるはずだ!」
内田「確かに何か反応はすると思うけど…」
吉野「あっ千秋。」
千秋「おはよう。」
内田「千秋、おはよう。」
吉野「おはよう。」
マコト「おはよう南!」
千秋「…」
吉野「今日は寒いね。」
千秋「あぁ、そうだな。しかし、普通寒いときというのはバカヤローがおとなしくしている季節なんだが、うちのクラスのバカヤローは年中無休のようだな。」
マコト「なに?うちのクラスにそんな奴がいるのか?それは見てみたいな!」
千秋「それなら、トイレで手を洗えば、目の前にいるから見てくればいいよ。」
マコト「なに、本当か!?ちょっと見てくる。」
1分後
マコト「見てきたよ!」
千秋「で、どうだった?」
マコト「不思議なことに、おれしか映ってなかった!」
千秋「そうだろうな。」
マコト「どういうことだ南!?」
千秋「…自分で考えろ。」
マコト「えっと…バカヤローはトイレで手を洗ってる時に目の前にいるやつで…実際に行ってきたら…そうか! バカヤローはおれだったのか!」
千秋「やっと気がついたか、バカヤロー。」
マコト「って、なんでだ南!おれのどこがバカヤローなんだ!?」
千秋「この寒いのに、そんな格好をしているやつがバカヤローじゃないのだとしたらなんだというんだ?」
マコト「そ、そんな…男らしくないか?」
千秋「それのどこが男らしい?」
マコト「この寒い季節に、長袖に頼らない強靭な肉体!」
千秋「…そうか、今が寒いということは分かっているのか。」
マコト「当たり前だ! 今は2月だぞ!」
千秋「ふん、寒いと分かっているのに対策をしてこないのはバカヤローの証拠だ、バカヤロー!」
マコト「そんな…」
千秋「悪いが、私はバカヤローに時間を費やしているほど暇じゃないのでな。」
スタスタ
マコト「…」
内田「やっぱりだめだったね。」
吉野「だね。」
内田「マコト君、もう諦めたら?」
マコト「いや、おれは諦めないぞ! おれには、ほら、母親譲りの負けず嫌いなところがあるから!」
休み時間
マコト「南!」
次の休み時間
マコト「南!!」
さらに次の休み時間
マコト「南!!!」
掃除の時間
内田「ほうきさん、ほうきさん。」
吉野「なんですかモップさん。」
内田「ちりとりさんの行動について一言お願いします。」
マコト「ん?ほうき?ちりとり?」
吉野「そうですね、少し、というかかなり間違った方向に走ってるような…」
内田「だそうですよ、ちりとりさん。」
マコト「ほうき、ちりとり…そうかちりとりはおれのことか! って、おれのどこがいけないんだ!?」
内田「いけないというか…」
マコト「おれは南に男らしいところをアピールしようとして…」
内田「別に重くもない筆箱を持とうとしたり?」
マコト「うっ…」
吉野「千秋の消しゴムを一緒に探してたら、実は自分が持ってたり?」
マコト「ううっ…」
内田「あとは…」
マコト「あーそれ以上はいい! それよりもおれはどうすればいいんだ、内田、吉野! 教えてくれ!」
内田「うーん…あっ!こういうのはどう?」
マコト「なんだ、いい案が浮かんだのか!?」
内田「えっと、千秋って今日ちょうど日直だよね?」
マコト「うん、そうだ。ちょうど日直だ。」
内田「だから、次の授業でマコト君がお腹痛いって先生に訴えるの。」
マコト「えっ?おれはお腹痛くないよ。」
内田「ふりだよ、ふり。」
マコト「あぁ、そうか。それで、お腹痛いって言ったらどうなるんだ?」
内田「そうすると、先生は、日直の人に保健室まで連れていくように頼むでしょ?」
マコト「普通そういう時は保健委員に頼むんじゃないか?」
内田「それが、今日は保健委員の子が都合よく休みなんだよね。」
マコト「あっ、本当だ、都合よく保健委員のあいつが休みだ!」
内田「そう、だから、先生は仕方なく日直の千秋に頼むよね。」
マコト「あぁ、仕方なくそうなるな。仕方なく。」
内田「でしょ? それで、マコト君は千秋に連れられて保健室に行くの。」
マコト「そうか! おれは保健室に行くのか! 」
内田「うん。」
マコト「それで、保健室に行ってどうなるんだ?」
内田「マコト君はできるだけ辛そうにして千秋の母性本能をくすぐるんだよ。そうすれば、氷のように冷めきった千秋も、心が動かされてマカロンをくれるっていう、絶対完璧な計画だよ。」
マコト「おぉ!絶対完璧な計画だ!」
内田「へへーん、吉野はどう思う?」
吉野「う、うん…良いんじゃない…かな?」
マコト「でも、これだとおれは南に男らしさを認められていないし…南を騙すようで何か悪いような…」
内田「えっと…それは…」
吉野「千秋は男らしい人にマカロンをあげるって言ったんだよね?」
マコト「うん!」
吉野「それを言ったときの千秋の様子はどうだったの?」
マコト「あぁ、確か千秋は…ハッ!」
吉野「ん?どうしたの?」
マコト「よ、吉野、さっきも言ったけど、おれは夏奈から聞いただけだから、その時の千秋の詳しい状況は分からないよ。」
吉野「あぁ、そうだったね。ところで、さっきから千秋のことすごい自然に千秋って呼んでるけど、どうして?」
マコト「いや、ほら、おれには母親譲りの少し馴れ馴れしいところがあるから。」
吉野「そっかぁ…あんまり自然に呼んでたから…てっきり普段から呼んでるのかと思っちゃったよ。」
マコト「あ、あはは。」
内田「そ、それより吉野 、さっき何か言おうとしてたよね!?」
吉野「うん?あぁそうだったね。千秋が男らしい人にあげるって言ったなら、マカロンを渡された人は、方法がどういうものだったとしてもきっと千秋が男らしいって認めたことになるんじゃないかな?」
マコト「そうか! さすが吉野!」
内田「じゃぁ、この作戦で決定ね。」
出かけます。
帰ってきたら最後まで投下します。
ここ数日間ss速報vipが閉鎖していましたが、復旧に尽力してくれた管理人の荒巻さんと、それに携わってくれた方々に深く感謝申し上げます。
5限目
先生「…ですので…ここが…」
マコト(さて、最初からお腹痛いって言ったら怪しまれるから、もう少ししてからかな。)
先生「…だから…となって…」
15分後
マコト(よし、そろそろかな。ここは父親譲りの演技派なところを存分に発揮するんだ。)
千秋「あ、あの…」
マコト「いてててて!」
先生「ど、どうしました、マコト君?」
マコト「お腹が痛いです。いてててて。」
先生「そんな格好をしていたからお腹が冷えたんですね…えっと、保健委員は…今日は休み? じゃぁ、日直の南さん。悪いですが、マコト君を保健室まで連れて行ってあげてもらえますか?」
千秋「あっ、は、はい。」
マコト「ごめん、南…」
千秋「あぁ、いいから行くぞ。」
廊下
千秋「おい、大丈夫か?」
マコト「う、うん…(やっぱり、千秋を騙してるみたいで悪いな…)」
千秋「全く、そんな格好をしているから…」
マコト「(千秋はおれのこと心配してくれてるのに…やっぱり騙すのはダメだ!) み、南!おれは大丈夫だから!一人で保健室行けるから、教室に帰ってていいよ! 」
千秋「ん? そうなのか? 本当に大丈夫なのか?」
マコト「あぁ!」
千秋「ん、普段ならお前が何て言おうと自分の職務を全うするんだが、悪魔が…じゃなくて、今の私はそんなことを言ってる場合じゃないので、帰らせてもらうぞ。」
マコト「うん!ここまでありがとう!」
スタスタ
マコト(うん、これで良かったんだ。さて、保健室に行こう…って別に保健室行く必要ないのか…でも教室に帰るのも恥ずかしいし…授業終わるまであと少しだし、ぶらぶらしてよう。)
放課後
内田「マコト君どうだったの?」
マコト「うん、作戦は上手く行かなかったけど、これでいいんだ! おれは自分に嘘をついてまで男らしさを認めてもらいたいわけじゃないからね!」
内田「そっかぁ、上手くいかなかったのか…絶対完璧な作戦だと思ったんだけどなぁ。」
吉野「残念だったね。」
マコト「いいんだ、また今度頑張るさ!」
吉野「頑張って。じゃぁ内田帰ろうか。」
内田「えっ、千秋待たなくていいの?」
吉野「なんか日直の仕事があるから先に帰ってていいって。」
内田「そっか。じゃぁマコト君、またね。」
吉野「また明日。」
マコト「あぁ、今日はありがとう。」
スタスタ
マコト「さて、誰もいなくなったし、おれも帰るかな。」
千秋「…おい。」
回想 5限目
先生「…ですので…ここが…」
千秋(うっ…お腹が痛い…)
先生「…だから…となって…」
千秋(しかし、授業はまだ始まったばかり…どうする?)
天使千秋『ここは恥ずかしくても、先生に言ってトイレに行ったほうがいいわ。』
悪魔千秋『いや、これくらいの痛さなら頑張れば耐えられる。我慢だ。』
天使千秋『我慢するのは体に良くないわ。』
悪魔千秋『でも仕方ねーだろ、授業中にトイレなんか行ったら、みんなに変なあだ名つけられるかもしれないだろ。姫じゃなくて音姫とか。』
天使千秋『そんな、クラスのみんなはそんな子たちじゃないわ。みんなを信じないの?』
悪魔千秋『信じるとか信じないとかじゃないだろ。とにかく我慢だ。』
千秋(よし、このくらいなら大丈夫だ、我慢しよう。)
15分後
千秋(うっ…さっきより痛くなってきた…)
天使千秋『はやく、手をあげて先生に言うのよ。』
悪魔天使『バカヤロー、もうあと半分だろ。根性見せろ。』
千秋(うっ…もうだめだ、先生に行ってトイレに行かせてもらおう…)
千秋「あ、あの…」
マコト「いてててて!」
廊下
悪魔千秋『けけけ、このバカがお腹痛くなってくれたおかげで上手く教室を抜け出せたな。このままマコトには一人で保健室に行ってもらって、早いとこトイレに行こうぜ。』
天使千秋『そんな、こんなに苦しんでるマコト君が可哀想じゃない。まずはマコト君を送り届けてからよ。』
千秋「おい、大丈夫か?」
マコト「う、うん…」
千秋「全く、そんな格好をしているから…」
マコト「み、南!おれは大丈夫だから! 一人で保健室行けるから、教室に帰ってていいよ! 」
天使千秋『マコト君はこう言ってるけど、送っていってあげるべきよ。』
悪魔千秋『なにいい子ぶってるんだよ。こっちだって切羽詰まってるんだ。せっかく向こうがいいって言ってくれてるんだから、はやくとんずらしようぜ。』
千秋「ん? そうなのか? 本当に大丈夫なのか?」
マコト「あぁ!」
千秋「ん、普段ならお前が何て言おうと自分の職務を全うするんだが、悪魔が…じゃなくて、今の私はそんなことを言ってる場合じゃないので、帰らせてもらうぞ。」
マコト「うん!ここまでありがとう!」
トイレ
千秋(ふー、あいつがお腹痛くなってくれたおかげで無事に済んだ。せっかくだから保健室に見舞いに行ってから教室に帰るかな。)
保健室
千秋「失礼します。」
熊田「あら千秋。どうしたの?」
千秋「いや、マコトの様子を見に。」
熊田「マコト君?来てないわよ。」
千秋「えっ?だって、お腹痛いからって、さっきそこまで…」
熊田「なになに、面白そうな話ね。まぁせっかく来たんだから、ゆっくりしていきなさいよ。」
カクカクシカジカ
熊田「なるほど。それは、きっとあれね。」
千秋「あれ?」
熊田「たぶん、マコト君は千秋がお腹痛いことに気がついてたのよ。」
千秋「えっ?」
熊田「それで、なかなか言い出せない千秋を見かねて、自分がお腹痛いふりをしたってわけよ。」
千秋「でも、そんなことするメリットが…」
熊田「バカね、そんなの千秋のことがす…」
千秋「うん?」
熊田「じゃなくて、マコト君の優しさよ。たぶん、困ってる人を見ると放っておけない性格なんでしょ。」
千秋「…」
熊田「それにしても、マコト君けっこう男らしいところあるじゃない。見直しちゃった。これで、もう少し年齢が高ければ…」
千秋「男らしさ…か…」
回想終了
教室
千秋「…おい。」
マコト「えっ、南?」
千秋「その、なんだ、もうお腹は大丈夫なのか?」
マコト「えっと、保健室でゆっくりしたら治ったよ。ありがとう。」
千秋「…そうか。」
マコト「じゃ、じゃぁおれは帰るよ。」
千秋「…待て。」
マコト「は、はい。」
千秋「…ん。」
マコト「えっ…?」
千秋「き、昨日たまたまいっぱい作って余ったんだ。それに私はあまり好きじゃないから…だから、ほら。」
マコト「これって、バレn…」
千秋「ち、違うぞ。バレンタインじゃないからな。そもそも今日がバレンタインだってこともすっかり忘れてたくらいだ。」
マコト「で、でもなんで?」
千秋「い、いらないなら自分で食べるから別に…」
マコト「いります! ほ、欲しいです!」
千秋「そうか、そ、そこまでいうなら。うん、こいつも食べたい奴に食べられたほうが幸せだろう。」
マコト「ありがとう南!」
千秋「うん、味わって食べろよ。じゃぁ、私はこれで。」
マコト「うん、またね南!」
千秋「あと…」
マコト「…?」
千秋「今日はありがとう。」ボソッ
マコト「えっ、今なんて言ったの?」
千秋「うるさい、バカヤロー!」
終わりです。
近々書きますと言いつつ1週間以上開けてしまって申し訳ありません。また、そんな中最後まで読んでくれた方、ありがとうございます。
バレンタインの話を誰主体にするか考えたときに、アツコ×保坂、夏奈×藤岡、あたりも考えてたんですけど、結局チアマコが書きたかったのでこの二人になってしまいました。
何か意見などありましたら、今後の参考になるのでよろしくお願いします。
あっでも、厳しい意見はオブラートにお願いします。自分には父親譲りの繊細なところがあるので。
あと、どうでもいいことですが、次回からコテハン変えます。基本みなみけのssが多いのでみなみけにちなんだ名前にします。
このSSまとめへのコメント
めっちゃ面白いです!
みなみけの雰囲気が良く出ていて良かったです!
私もチアマコ好きなんで次の作品も
期待して待ってます!(^O^)