美琴「あれ。もしかして私ってブサイクなんじゃない?」(73)

美琴「あいつにいつも拒絶されるし」

美琴「普通に接してるのにあれだけ逃げられたりするってことは」

美琴「原因は顔に問題があるくらいしか残ってないじゃない」

美琴「いやー! 整形したい」

美琴「昨日、鏡を見つめてこんなこと思ったの」

佐天「へえ」

美琴「佐天さんは、どう思う?」

佐天「そうですねぇ」

佐天「私も正直、御坂さんは整形した方がいいと思います」

美琴「や、やっぱり?」

佐天「御坂さんが顔にコンプレックスを感じている以上」

佐天「どんな手段を使ってでもそれを取り払わないと」

佐天「想い人にアタックなんてできないかと」

美琴「そうよね」

佐天「早いとこ、よさそうな整形外科を探してみた方がいいですよ」

美琴「佐天さんもああいってることだし」

美琴「すぐにでも顔を変えた方がいいかな」

美琴「……」

美琴「でも簡単に自分の顔を変えていいもんじゃないわよね」

美琴「私の顔、今まで割といい方だと思ってたし」

美琴「ちょっと初春さんにも意見を聞いてみましょ」

美琴「あ、初春さん。ジャッジメントのお勤めご苦労さん」

初春「御坂さん。どうされたんですか」

美琴「ちょっとあなたに聞きたいことがあって」

初春「何でしょう?」

美琴「ぶっちゃけ、私の顔ってどう思う?」

初春「御坂さんの顔ですか」

初春「それは、具体的にどういったことでしょう」

美琴「そのまんまの意味よ」

美琴「イケてるかブサイクか。どっち寄りか答えてくれさえすればいいから」

初春「は、はあ」

初春「でも、どうして突然そんなことを」

美琴「さっき佐天さんに整形した方がいいって言われたのよ」

初春「え! 佐天さん、そんなこと言ったんですか?」

美琴「ストレートでしょ? いくら何でもあそこまで言うことないと思うのよね」

美琴「それで、初春さんはどう思うのかなってさ」

初春「ええと」

初春「私はいつも素敵な方だと思ってます」

美琴「人間性とかじゃなくて顔立ちのことを言ってほしいのよね」

初春「も、もちろん、顔を含めて」

美琴「そう?」

美琴「よかった。初春さんが言うなら間違いないわね」

美琴「なんだ。色々変に悩んじゃって損した」

美琴「よくよく考えれば、初めから佐天さんに話すより」

美琴「初春さんにすればよかったわ」

美琴「ほら、何だかんだ言っても最終的にレベルがモノを言う訳じゃない」

美琴「だったらレベルが少しでも高い初春さんのがちゃんとした感性も備わってるに決まってるわ」

美琴「いや、決して佐天さんのこと悪く言ってる訳じゃないのよ」

美琴「それに黒子は変えるなって言うのわかりきってるから当てにならないワケだしー」

初春「は、はあ」

美琴「とにかく、おかげで気分が晴れたわ」

美琴「ありがと、初春さん」

美琴「ジャッジメントの仕事がんばってね。それじゃ」

初春「さようならー」

初春(私は、顔よりむしろそういう性格を直してほしいです)

翌日

美琴「佐天さん、昨日あれから考えたんだけど」

美琴「顔変えるとかやめにしたわ」

佐天「え。どうしてですか?」

美琴「あれから初春さんにも聞いたんだけど」

美琴「変える必要なんてないって明言されちゃって」

佐天「初春がですか?」

美琴「ええ。やっぱり私が避けられてる原因は顔とは別だったみたいなの」

美琴「そうすると、理由は何かしら」

美琴「ゲコ太みたいなマスコットしてるから子供っぽいって思われてるとか」

佐天「いや。失礼ですがやっぱり一番の原因顔だと思いますよ」

美琴「ちょ、ちょっと、いやねぇ。佐天さん」

美琴「まだ言ってるの?」

佐天「御坂さんは私より初春なんかの意見を信じるんですか?」

美琴「あら、結構初春さんは当てになると思うけど」

佐天「ならないです」

佐天「いいですか?」

佐天「今、私、丁度鏡を持ってるのでよく見てください」

美琴「どれどれ~」

美琴「改めて見るとやっぱり特に問題ないと思うけど」

佐天「よぉく見てくださいよ。本当にそう思いますか?」

美琴「う、うーん……」

佐天「目元とか肌とかもちゃんと見てください」

佐天「ブサイクじゃないって断言できますか」

美琴「言われてみれば」

美琴「確かに肌が少し荒れてる気がするかも……」

美琴「そ、それに目元も若干たるんでるような」

佐天「でしょ」

佐天「つまり、そういうことですよ」

美琴「や、やだ。私ってやっぱブサイクだったのね!」

佐天「そんな状態じゃ相手にも避けられちゃいますよ」

美琴「そうよね……」

美琴「となると、やっぱり整形するほかないのかしら」

佐天「残念ですけど、そうなるんじゃないでしょうか」

ガチャ カランカラン

上条「とりあえず、このファミレスでいっか」

店員「いらっしゃいませー。お客様、何名様ですか?」

禁書「とーまと私の二人だよ」

美琴「あっ!」

美琴「ちょっと! なんで、あいつがここに」

佐天「あれ。もしかして、あの人ですか?」

佐天「御坂さんの好きな人っていうのは」

美琴「ち、ちがっ。べ、別にそそんなんじゃないわよ!」

佐天「へぇ、あの人が」

佐天「丁度いいじゃないですか。直接あの人に聞いてみましょうよ」

美琴「な、何言ってるの!」

店員「大変申し訳ありませんが、ただいま混雑しておりまして」

店員「相席でもよろしいでしょうか」

上条「構いませんよ」

店員「そうすると」

佐天「はーい。この席、丁度二つ空いてまーす」

美琴「ちょ、ちょっと、佐天さん!」

店員「では、あちらで」

上条「あれ、御坂じゃねえか」

美琴「ぐ、偶然ね」

禁書「何だ、短髪もいるのか」

美琴「何だとは何よ!!」

上条「よせよ、二人とも。騒ぐと迷惑だろ」

上条「えっと、そっちは」

佐天「御坂さんの友達の同僚の友達の佐天です。えっと、はじめまして」

上条「あ、ああ。ご丁寧にどうも」

禁書「とーまとーま、こんな奴ら放っておいて」

禁書「早くご飯頼もうよー」

上条「ああ、そうだな。俺も腹ペコだ」

美琴「……」

佐天「どうしたんですか? せっかくのチャンスですし」

佐天「聞きましょうよ」

美琴「こ、答えが怖くて聞けないわよ!」

上条「何、人の顔見てぶつぶつしゃべってるんだ」

上条「俺の顔に何かついてるか?」

美琴「べ、別にあんたの話なんかしちゃいないって!」

上条「そうか」

佐天「あなたの顔のことではなくて、御坂さんの顔について何です」

上条「えっ?」

美琴「ちょっと、佐天さんってば!」

佐天「突然で申し訳ないんですけど、一つだけ質問してもいいですか?」

上条「何だか知らんが。答えるだけなら別に」

佐天「御坂さんの顔についてどう思いますか?」

美琴「……うぅ」ドキドキ

禁書「ブス」

美琴「あんたなんかに聞いてるんじゃないわよ!」

上条「御坂の顔?」

上条「いきなりなんだよ」

佐天「ブサイクかそうじゃないかを答えてくれれば結構ですので」

佐天「お願いします」

上条「御坂の顔のこととか特別意識したことないけど」

上条「そうだなー。強いて言うなら」

美琴「……し、強いて言うなら、何よ」

上条「可愛い方なんじゃないのか」

美琴「な、何言っちゃってるのよ!」

美琴「か、可愛いなんて言うなし!」

禁書「むむむー。とーまの裏切り者ー」 カプ

上条「いてて! やめろってば、やめてください。いてぇー!」

佐天「本当ですか? 気を遣ってるとかじゃ」

上条「別に御坂に気を遣っても何も出ねえよ」

美琴(やだっ。やっぱり顔なんて変える必要なかったのよ)

佐天「それじゃあ、なぜ御坂さんを避けたりするんですか」

上条「俺、避けてるかぁ?」

美琴「会うといつも拒絶反応みせてるじゃない。モロに」

上条「なるほど。言われてみれば、俺よく逃げてるかもな」

佐天「可愛いと思ってるのにどうしてそんなことを」

上条「そりゃ決まってる」

美琴「えっ?」

上条「お前、性格悪いじゃん」

おわり

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年08月27日 (火) 22:37:21   ID: tX8D0aJA

性格悪いな

2 :  SS好きの774さん   2013年09月19日 (木) 13:51:44   ID: GEhBNgao

ビリビリってすげーむかつく

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