奉太郎「こういうのも薔薇色なのかもしれない」(139)

代行

奉太郎「ここが古典部の部室か・・・」ガチャガチャ

奉太郎(鍵を持ってきて良かった)ガチャン

奉太郎(ん?誰かいるのか?)

える「こんにちは。折木・・・奉太郎さんですよね?一年B組の」フリムキ

奉太郎「ああ、でもなんで俺の」

える「なんで知っているかですか?そんなくずみたいな目をした人間一度見たら忘れるわけ無いじゃないですか」ニコッ

奉太郎「えっ?」

える「どうせあれですよね?省エネ主義とか掲げているんでしょう?ああだから髪もそんな無造作な感じなんですね」

奉太郎(どういうことだ?なぜ初対面の女子からこんなにも罵倒されなければならない?まあ気怠そうな目をしてるのは真実だけど)

える「そう言えば、自己紹介がまだでしたね。私は千反田えるといいます、一年A組です」

奉太郎「A組・・・そうか音楽の時間で一緒だったのか」

奉太郎(どんな記憶力だ?)

える「ええ。それでその人間の悪いところ集めたような醜い姿を嫌々ながら憶えていたんです」

奉太郎「・・・それで?千反田さんはなんでここにいるんだ?」ムスッ

える「えっ?古典部だからに決まってるじゃないですか。そんなこと言われないと分かんないんですか?まあそうですよね見た目からして頭良さそうじゃないですもんね」

奉太郎(言いたい放題だな。まあ面倒だから言い返さないけど)

奉太郎「そうか・・・。じゃあ俺は帰る」クルン

奉太郎(よかったな姉貴。唯一の部員がこんな奴だが古典部は存続したぞ)

奉太郎「じゃあ鍵を掛けて追いt・・・」

える「まってください、私鍵を持ってません」ガシッ

奉太郎「じゃあどうやってこの教室に入ったんだ?」

える「鍵は開いてました、鍵を持ってないって言ったら普通そう考えません?それすら思いつかないんですか?」

奉太郎「俺が来たときは閉まってたが?」イラッ

える「閉まってたってそのドアがですか?」グイッ

奉太郎「ああ」アトズサリ

える「つまり、私は閉じこめられていたって事ですね?誰の陰謀ですか?私みたいな美少女をこの最果て地学準備室に閉じこめるなんて!」

奉太郎「お前が中から鍵を掛けたんだろう?」

える「そんなことはしてません!どうしてそんな事をする必要があるの?誰か来るかもしれないのに!」

奉太郎(ん?つまりこいつは誰かが来るのを待ってたってことか?)

奉太郎「でも、お前・・・失礼、千反田さん以外に誰が出来るって言うんだ?」

える「・・・ところで、そちらはお友達ですか?」

奉太郎「え?・・・里志!」

ガラッ

里志「いやぁゴメンね。盗み聴きするつもりはなかったんだけど」

奉太郎「つもりじゃないだろ?」ヤレヤレ

里志「そうは言ってもさ木石のごとき奉太郎が夕暮れ迫る教室の窓際で女の子と二人ってのが見えちゃったらさ気になるのが自然の摂理ってものだろ?」

える「///」

里志「放課後の逢瀬を邪魔するつもりなんて無かったけどさ、でばがめなんて未経験で・・・」

える「それ本気で言ってるんですか?だとしたら流石そこのクルクル無気力男の友人ですね、ああ汚らわしい!」

里志「!!!」

奉太郎「千反田さん、いまのは里志なりのジョークだあまり真っ正面から受け止めるな」

える「そうですか、ジョークですか。・・・それにしても品の無いジョークですね。なんていうか発想が乏しいですね。いつもそんな事ばかり考えてるんですか?」

奉太郎「今の里志のジョークについては謝罪しよう。それでも言い過ぎじゃないのか?」

える「いいえ。こんな軽薄そうな男にはこれぐらい言ってやらないと意味がありません。ええそうですとも、私が正義です!」

奉太郎・里志(・・・・)

える「ところでこちらはどなたですか?べつに知りたく無いですけど」

奉太郎「・・・コイツは福部里志。えせ粋人だ」

里志「うまい!ナイスなsy」

える「そうですか。しりたく無かったです」ニコッ

里志「・・・」

える「ちなみに私は千反田えるです。あなたみたいな人に名乗るは本当は嫌なんですけど私は慈悲深いので特別に教えてあげます」

里志「ちっ千反田さんってあの千反田さん!?」

える「私をおいて他に千反田をなのる人がいたら連れてきてください、私が直々にどちらがより千反田か教えて差し上げます」ニコッ

奉太郎「なんだそんなに有名人なのか?」

える「さあ?愚民の噂なんて私は知りませんから」ニコニコ

里志「しかし・・・噂とはだいぶ違うみたいだね」ハハハ

奉太郎「どんな噂なんだ?」

里志「成績優秀、眉目秀麗、深窓のお嬢様って話だったんだけど・・・」

える「あってるじゃないですか。どこかおかしい所でも?」

奉太郎「確かにおしとやかなとは誰も言ってないな」

える「なにか言いました?」ギロッ

奉太郎「なにも言ってない」キリッ

里志「それに模試の県内優秀者の欄にいつも名前が載ってたしね」

奉太郎「ほほう、そんなにか?」

える「ねだっても、頭は交換できませんよ?もしできても貴方の残念な頭はいりません」

里志「・・・」

奉太郎「俺こそお前のような非常識な頭はゴメンだ!」

える「いいんですよ無理しなくても?」ナデナデ

奉太郎「やめいっ///」バッ

える「あれあれ照れてます?」クスッ

里志「・・・ところで。話は聞かせて貰ったよ」

える「なんのことでしたっけ?」

奉太郎(おい、こいつ本当に成績優秀なのか!?)

里志「千反田さんがこの教室に閉じこめられたってやつだよ」

える「そうでした!」

奉太郎「だからこいつが内から鍵を掛けたのを忘れただけだろ?」

里志「それは無理なんだよ奉太郎。この学校の鍵は内からでも鍵を使わなければ掛けることをできない。鍵を持ってない千反田さんには不可能だ」

える「いまここでは有用ですけど、ここ以外で使いどころが分からない無駄な知識ですね」

奉太郎(それには同意だが、初対面で言い過ぎじゃないか?)

える「まあそんなことはどうでもいいんです!どうしてこの教室に閉じこめられたのか私気になります!」

奉太郎(こいつの中では自分は囚われのお姫様!みたいな感じになってるんだろうな)

里志「千反田さん、その折木奉太郎は普段はまったくつかえない怠け者だけどここぞという時には他人には真似できない力を発揮するんだよ!」

奉太郎(里志め、また余計なことを)

える「そうなんですか!折木さん、そのここぞという時が今だと信じてます!私の為に私の知識欲を満たすためだけにその力を存分に発揮してください!」

奉太郎(どんだけ自己中心的なんだコイツは)

える「さあ謎を解いてください!」ワクワク

奉太郎「そこはお願いしますじゃないのか?」イラッ

える「私が謎をといてくださいって貴方に期待してるんですよ?光栄だと思いませんか?」

奉太郎「思わん!」

える「思ってください!そうじゃないと泣きますよ!」ウルウル

奉太郎(なんて面倒な女だ。しかしここで言い争うのはエネルギーの無駄だな)

奉太郎「分かったよ、少し考えてみるか」ハァ

里志「奉太郎、なかなか面倒な事になったじゃないか」ボソッ

奉太郎「お前が余計な事言うからだ」ボソッ

える「クズがあつまって何をコソコソしてるんですか?は!?まさか二人で通謀して私を襲う算段ですか?結局、そんなことにしか頭を使えないんですね!」

奉太郎「だれがそんなことするか!」

える「まあいいです、頭の中で好きかってするくらいの自由は上げましょう。その代わり、さっさと謎を解いてください!」

奉太郎「くそっ、少し静かにしてろ」

える「」ワクワク

奉太郎「はぁ・・・いくつか質問しても良いか?」

える「え、ええ!ほんとは嫌ですけど今回は特別に許可しましょう!」

奉太郎「お前がこの教室に来たのはいつだ?」

える「いきなりお前呼ばわりですか、何様のつもりですか?まあそれは許してあげます、たしか貴方が入ってくる3分前です」

奉太郎「他に何か気づいたことは?」

える「そういえばさっきから下の階で耳障りな音が聞こえますね」

里志「僕には聞こえないなぁ。千反田さん耳いいね」

える「あなたとちがって優秀ですから」ニコッ

里志「は、はは」ハハ

里志(なんて毒舌だ。でもなんだか慣れてきた)

奉太郎「・・・そうか」ヒラメキ!

里志「奉太郎なにかひらめいたね?」

奉太郎「まあな」

える「えっ!?もうですか?」

里志・奉太郎「」ジー

える「ま、間違えました。やっとですか!ホントに頭の回転が遅いですね!///」

奉太郎(これは少し仕返しするチャンスだ!)

奉太郎「そうだな、俺みたいなやつの考えを披露する前に頭脳明晰、成績優秀な千反田さんのお考えを聞こうじゃないか」

える「え!?えっと・・・」

奉太郎(フフフ、これは結構楽しいな)

福部(めずらしい!奉太郎が悪い顔になってる!)

える「こ、こんな事に偉大な私の頭脳を使うのはもったいないです!だからしょうがなく貴方の考えで我慢してあげます!///」

奉太郎「ならしょうがないな。ちょうど下の階で再現されてるだろう」

える・里志「」アトオイカケー

下の階

校務員「よいしょ!」モクモクトサギョウ

校務員「よし」ガチャコン

里志「なるほど、あれの作業中に千反田さんは地学準備室に入ってしまったってことだね」

える「も、もちろん私もとっくに気づいてましたよ!///」

奉太郎・里志「・・・」ジー

える「な、なんですか!?疑ってるんですか!///」

奉太郎(分かりやすいやつだなコイツは)

奉太郎「まあ、千反田さんがなぜ鍵を掛ける音に気づかなかったかは分からんがね」

える「ああ、それは夕暮れ迫る教室で美少女が佇んでいる・・・そんな状況に自分の事ながらほれぼれしていたんです」エッヘン

奉太郎(こいつ大丈夫か?)

える「まあそれは冗談であの建物を見ていたんです」フフフ

里志「へえ、古い建物だね」

奉太郎「そうなのか?」

里志「うん、ずば抜けて」

・・・

下駄箱

える「そういえばご挨拶がまだでしたね」

奉太郎「なんの事だ?」

える「明日から同じ古典部員としてやっていく挨拶に決まってるじゃないですか?さっきのはまあまあでしたけど。そっちのデータベース()が言うように本当に希にしか働かないんですね!」

奉太郎(さっきからこいつ発言に一貫性が全くないな)

奉太郎「俺がいつ古典部に入ると言った?」

える「え!・・・・は、入らないんですか?」ウルウル

奉太郎(ふん!またどうせフリだろ?)

える「そ、そうですか・・・」ショック

奉太郎・里志(あれ?本当にショック受けてる?)

里志「ふふ、いいじゃないか奉太郎。どうせやりたいことなんて無いんだろう?それにせっかく入部届も書いたんだしさ」

奉太郎「里志なにを!?」

える「本当ですか!」パアァァ!

奉太郎(これは反則だろう!)

奉太郎(こ、これは反則だろう!?)

える「はい!はやく、はやく出してください!入部届!」ピョンッピョンッ

奉太郎(さらば、灰色の青春・・・)テワタシ

える「はい!確かに受け取りましたからね!やっぱやめた!なんて言ってもダメですからね!」ニコニコ

奉太郎「はぁ・・・」

里志「残念だったね奉太郎」ニタニタ

える「え?あなたも入部するんですよ?」

里志「えっ・・・」

奉太郎「あきらめろ、お前も道連れだ」フフフ

里志「・・・うーん、おーけー分かった!入部するよ!まあ今日も楽しかったしね」

える「聞きましたよ!しかと聞きましたよ!約束ですからね!」

里志「う、うん」ヒキ

える「そこかわり部長は私がやってあげます!あなた達みたいな無能には任せておけませんから!」フフン

奉太郎「まあ、たのんだ・・・」ハァ

奉太郎(なんてやっかいな事を抱えてこんでしまったんだ)

える「じゃあ、明日部室で!来なかったらあなた達のあること無いこと吹聴して回りますからね!」ルンルン

里志「行っちゃったね・・・」

奉太郎「そうだな・・・」

里志「まあでも面白い学園生活になりそうじゃないか!」

奉太郎「面倒な上に性悪女が居座る部室に足繁く通うことがか?」

里志「なら断れば良かったじゃないか?」

奉太郎「・・・」ムスッ

里志「まあ分かるよ、あれは反則だね・・・」

える「絶対ですからねーーーーーーー!」トオクカラー

奉太郎「別にあいつに籠絡された訳じゃない!俺はもとから入る予定だったんだ!」

里志「まあそう言うことにしておくよ」クスクス

奉太郎(はぁなぜこんな事に・・・)

とりあえず区切りだけど
ぶらっくならぬウザイえるたその需要ある?

二話目

える「文集を作りましょう!」

奉太郎「は?」

える「だから文集です!この私の美声が聞き取れないなんて折木さんの耳は腐ってるんですね!」

奉太郎「はいはい、それでいいから話を続けてくれ!」

奉太郎(なぜ俺は足繁く部室に通ってるんだ?)

える「なんでも『私の』古典部は毎年文化祭で文集を出していたらしいんです」

奉太郎「それで?」

える「ここまで言えば分かるでしょう?あっ!そうでした、折木さんの頭は偶にしか働かないんでしたね!忘れてました」

奉太郎「」イラッ

える「わかりました。仕方ないので説明します。つまり今年も文集を作ります!」

奉太郎「なぜだ!?文化祭に参加したければ模擬店とかクラスの方で」

える「嫌です!」

奉太郎「!?」

える「なんであんな低能な人たちとキャッキャしなくちゃいけないんですか?」

奉太郎「おまえクラスメイトをそんな風に思ってたのか・・・」

える「もちろん!」ドヤァ

奉太郎(ちなみにコイツはクラスでは素晴らしいお嬢様で何の欠点もないパーフェクト人間を演じているらしい、部室でもぜひそうして貰いたい)

える「というか無理です!ここ神校の文化祭は基本的に模擬店禁止でクラスではなく部活中心だそうです。本当に何も知らないんですねダメダメ折木さんは」

奉太郎「へいへい。どうせ俺はダメダメですよ」

える「それに伝統は大事です!伝統には敬意を払わなくてはなりません!」

奉太郎(たまにはまともな事も言うじゃないか)

える「それにもしここで伝統を途切れさせたら・・・」

奉太郎「ん?」

える「私の顔に泥を塗ることになるじゃないですか!」ドドーン!

奉太郎「どうせそんなことだろうと思ったよ・・・」

える「とにかくこれは決定事項です!さあ折木さん作ってください!」

奉太郎「は?」

える「え?」

奉太郎(こいつは何を言ってるんだ?)

える「まさか作れないんですか?」

奉太郎「逆になぜ作れると思った?」

える「だって折木さんは私の犬だからなんでもしてくれるって思ったんですけど」

奉太郎「は?」イラッ

える「だって私の犬なんですよ!そんじょそこらの人間より賢くなければいけません!」

奉太郎(やっぱりこいつ頭おかしいんじゃないか?)

奉太郎「無理なものは無理だ!せめてバックナンバーでもあれば別だけどな」

える「バックナンバー?」

奉太郎(しまった!余計なこと言った!)

える「バックナンバーがあればいいんですね?」ニタァ

奉太郎「・・・ああ」

える「分かりました!じゃあ探しに行きましょう!」

奉太郎(ああさらば安寧の日々・・・)

える「じゃあ私の犬に聞きます!」

奉太郎「なんだ?」イラッ

える「あれ?認めるんですか私の犬だって?」ニヤニヤ

奉太郎「・・・」

える「沈黙は肯定と同義ですよ?」ニタニタ

奉太郎(否定するのも面倒だな・・・)

える「肯定ですね!改めて犬に聞きます!どこを探すのが一番効率的だと思いますか?」

奉太郎「そうだな、やはり図書室じゃないのか?」

える「ふむ・・・そうですね!流石わたしの犬です褒めてあげます!」

奉太郎「さいで・・・」

える「それなら善は急げです!行きましょう!」

奉太郎「行ってらっしゃい・・・」

える「なにを言ってるんですか?普通付いてくるでしょう?犬なんだから」

奉太郎「俺は番犬としてここに残る」

える「ダメです!私の犬は忠犬ですからいつもご主人様と一緒なんです!」

奉太郎「その理屈だと、俺はお前の家にもトイレにも付いていくことになるが?」

える「なっ!///」

奉太郎「どうしたご主人様?忠犬は付いていくぞ?」ニヤニヤ

える「そんな破廉恥な犬は知りません!///やっぱりそんなことしか考えられないなんてサイテーですね!」

奉太郎(今日は金曜だ・・・図書室には・・・)

える「とにかく!私の犬は私の言うことを素直に聞くんです!///」

奉太郎(ここでこいつとあほなやりとりをするよりアイツと口論になったほうがまだましだ)

奉太郎「わかった、行けばいいんだろ?」

える「最初からそうしてくだい!///」

図書室

摩耶花「あれ、折木じゃない?あいたく無かったわ」ムスッ

奉太郎「よう伊原会いに来てやったぜ」

摩耶花「ここは知識の聖域よ貴方には似合わないんじゃないの?」

奉太郎「自分には似合うとでも?」

摩耶花「あいかわらずサイテーね!」

える「そうですよ折木さん。こういう静謐な空間は私のような高貴な存在の為にあるんです!」ドヤァ

摩耶花「は?」キョトン

里志「やあやあ、奉太郎に千反田さん来てたのかい?」

奉太郎(ナイスタイミング!)

里志「相変わらず摩耶花と奉太郎は仲がいいねぇ。流石は鏑矢中ベストカップル!」

える「ん?」イラッ

摩耶花「やめてよ!こんな陰気な男ナメクジの方がまだましよ!それに福ちゃん私の気持ちを知っててよくそんな事が言えるわね!」

える「どういうご関係ですか?」

奉太郎「中学の時から里志に惚れてるんだ」

える「へぇ」ニタァ

里志「で、どうしたんだい?」

える「まああまり部室に顔を出さないクズには分からないでしょうね!」ハハン

摩耶花「は?」イラッ

里志「ごめんね千反田さん、他の部活も色々あってさ。まあどうか愚かな僕に教えてよ」

摩耶花「えっ?」リカイフノウ

える「まあいいでしょう。特別にお教えします!古典部の文集のバックナンバーを探しに来たんです!」ドヤァ

里志(このドヤ顔にもだいぶ慣れたな)ハハハ

える「で?ありますか?」

摩耶花「え!?わ、私はみたことないなぁ・・・司書の先生なら知ってるかもしれないけど」

える「・・・使えないですね」チッ

里志・奉太郎(舌打ち!?)

摩耶花「は?」イライラ

える「だから使えないと言ったんです!聞こえませんでしたか?」

摩耶花「はあ?なんで初対面の人にそんなこと言われなくちゃいけないわけ!?」ドンッ

える「使えない人を使えないと言って何が悪いんですか?あなたはさっきあなたがバカにした私の犬にも劣ります!」

摩耶花「犬?私あなたの犬なんて知らないわよ!」

える「私の犬とは彼のことです!」ババーン

奉太郎「だそうだ」

里志「なんだ奉太郎ついに千反田さんの犬に成り下がったのかい?」ケタケタ

奉太郎「しょうがない、逆らうのも面倒なんだ」ヤレヤレ

里志(完全に飼いならされてるじゃないか・・・)

摩耶花「人を犬呼ばわりするなんて、サイテーの人間のすることじゃない?」

える「どうとでも言ってください。私には雑音にしか聞こえませんから」フフン

摩耶花「というか。折木を犬にするなんてイイ趣味してるね」チョウショウ

える「あら?あなたはそちらの私の下僕二号に惚れているんでしたっけ?残念な感性ですね」アワレミー

摩耶花「下僕二号!?福ちゃんどういうこと!?」

里志「いやぁ成り行きでねえ」ハハハ

摩耶花「千反田さんだっけ?サイテーね」キッ!!

える「サイテーの感性の人にサイテー呼ばわりされたくないですね!」ギロリッ

里志「まあまあ二人とも落ち着いて」

摩耶花「なによ福ちゃん!この女の肩を持つの!?」

える「流石はこの『私の』下僕二号です」フフン

奉太郎(哀れな奴め)

里志「まあまあここは公平な勝負をしようじゃないか!」

える「いいですよ!もちろん犬の使用は可ですよね!」

摩耶花「ええいいわよ!」

奉太郎(ああ面倒事が広がっていく)

摩耶花「で?どんな勝負なの?」

里志「愛無き愛読書の謎を解く勝負さ」

える「なんですか?」

里志「この本の事なんだ!」ババーン

奉太郎「学校史?」

える「綺麗な本ですね!」

里志「この本は毎週金曜日、摩耶花が当番の日に五週間連続で返されているんだ」

奉太郎「それのどこが不思議なんだ?」

摩耶花「バカね折木。ここの図書室の貸し出し期間は二週間なのよ?」

える「」ムスッ

奉太郎「なるほどね・・・それの解をもってより正解らしい方の勝ちか・・・」

える「勝ったも同然ですね!」

里志(摩耶花負けだな・・・)

える「三対一は不公平なのであなたに下僕二号を貸してあげます」フフン

摩耶花「貸すって・・・あなた本当に何様のつもりなの?」

える「千反田さまです!」ドヤァ

里志(まあだろうね)

奉太郎(まあそうだな)

摩耶花「まあいいわここでケチョンケチョンに負かしてやるんだから!」

える「まあハンデを大量に貰ってるくせに偉そうですね」クスクス

摩耶花「ハンデ?」

える「ええハンデですあなたは五週間とは言いませんが長い時間この本について悩む時間があったんでしょう?私たちは今さっき初めて知ったんです」

摩耶花「負けてハンデとか言わないでよね!」

える「大丈夫です私に負けはあり得ません!そうですよね折木さん?」

奉太郎「ああ・・・そうだな」

里志(ああもう戻れないな奉太郎、て言うか僕たち・・・)

える「では始めましょう!」

える・奉太郎VS摩耶花・里志「愛無き愛読書対決」

える「ではまず本を見てみましょう。かまいませんね?」

摩耶花「ええ良いわよ!私たちは向こうで考えるわ!」スタスタ

える「どうですか折木さん分かりますか?」

奉太郎「見る限りこの本は借りてその日の内に返されてるな」

える「そのようです」

奉太郎「う~ん」ナヤム

える「がんばってください!ご主人様の威厳とか色々が懸かってるんですよ!」

奉太郎「言われなくても分かってる!」

奉太郎(ん?今の受け答えおかしくなかったか?・・・まあいいか)

える「・・・」キタイノマナザシ

奉太郎「なあ千反田。なにかお前の優れた五感で気づくことはないか?」

える「そうですね・・・・」クンクン

奉太郎(俺よりこいつの方が犬っぽいよな)

える「何か匂いがします・・・何かの刺激臭ですシンナーのような」

奉太郎「と、すれば・・・」

摩耶花・里志サイド

摩耶花「なんなのあいつ!」プンプン

里志「千反田さんのことかい?」

摩耶花「そうよ!!ていうか何で福ちゃんまで下手に出てるわけ?」

里志「まあそんな深い理由はないのさ。でも摩耶花が思ってるのよりずっと千反田さんは魅力的な人だよ」フフフ

摩耶花「福ちゃんまであいつの肩を持つの!?何か弱みでも握られてるの?」

里志「いやいやそんな事はないよ。千反田さんは口は悪いけどそんなことをする人じゃないよ。本気で拒否したら無理強いはしない」

摩耶花「そんな風には見えないけど」ムスー

里志「奉太郎だってすすんでって訳じゃないだろうけど嫌々って訳でも無いと思うよ。実際、犬!なんて言ってもいつも丁寧に話し掛けてるしね」

摩耶花「どうだか・・・」

里志「それよりも謎は解かなくていいのかい?」

摩耶花「どうせ分かんないまま引き分けになるわよ」

える「それはどうですかね?」ドヤアアァ

里志(いつもより二割増しでドヤ顔だね・・・)

摩耶花「なによ?まだ始まって十五分くらいしか経ってないわよ?」

える「時間なんて関係ありません。私たちの勝ちですから」フフン

摩耶花「え!?もう分かったっていうの?」コンワク

える「折木さん説明してあげてください」

奉太郎説明中

奉太郎「つまり絵のモチーフとして使われていたという訳だ。どうだ?」

摩耶花「・・・」ムスッ

える「いまどんな気持ちですか?ねぇねぇ」ニタニタ

里志(今日はなんだかご機嫌だな千反田さん)

摩耶花「わかった負けで良いわよ!」ダンッ

える「あら負けて悔しいからといって机にあたってはいけませんよ?」ニタニタ

里志「まあ完敗だからね僕の言うべき事はなにもないよ」ヤレヤレ

える「これで私の犬が素晴らしいって事が証明されましたね!」フフン

摩耶花「え?この勝負って折木の実力を証明するためのだっけ?」

える「あっ!///」

摩耶花(ははーん、そういうことね。納得)

える「とにかく!///私たちの勝ちなのでそちらには罰を受けて貰います!」

摩耶花「え!?そんなの聞いてないわよ!」

里志「僕は敗者だから受け入れるよ」

摩耶花「福ちゃんまで!」

える「では伊原摩耶花さん!あなたには罰として古典部に入部して貰います!」ババーン

奉太郎(こいつ、勝負が始まったあたりから考えてたな)

里志(さすが千反田さん、僕の思ってたとおりだ)

摩耶花「な、なんでそんな」

える「あら?あなたにとって悪いことばかりじゃありませんよ?」

摩耶花「何よ?」

える「古典部に入れば、福部さんと部室で二人っきりなんてことも・・・。それに、合宿とかもありますよ?」ミミウチ

摩耶花「え!?///」

える「ほら悪くないでしょ?」コソコソ

摩耶花「///」ウンウン

里志(ああ、大体なんて言ってるか想像がつくな。流石千反田さん・・・)

摩耶花「わかった、入部するわ!」

える「これで四人ですね!これから文化祭にむけてがんばりましょう!」

里志「これは千反田さんの思惑通りなのかな?奉太郎はどう思う?」コソコソ

奉太郎「どうだかな。でもまあ友達が出来てうれしそうじゃないか」コソコソ

里志「なんというか、奉太郎は千反田さんの執事みたいだね、しかも白髪のおじいさんででセバスチャンって呼ばれてそうなやつ、ご主人様を孫娘みたいに可愛がるんだ」コソコソクスクス

奉太郎「犬よりかはましだな」コソコソ

える「そこは何をコソコソやってるんですか!は!いつかみたいに私を襲う算段ですか!?最低ですね!」

摩耶花「いつかって前にもあったの!?やっぱり二人ともサイテーね」

奉太郎(毒舌が増えた・・・)

里志「まあまあ二人ともおちついてよとりあえず部室に戻ろう」

える「そ、そうですね」オチツクー

摩耶花「ところで古典部の部室って何処なの」

える「こっちですよ伊原さん」テクテク

里志「結構遠いんだよねえ」テクテク

摩耶花「そうなんだ」テクテク

奉太郎「・・・・・文集は?」

える・里志・摩耶花「あ!」ワスレテタ

奉太郎(また前途多難だな・・・)ヤレヤレ

とりあえず今日はここまでで
そのうち
奉太郎「こういうのも薔薇色なのかもしれないPart2」みたいなSS書きます

できたら一巻だけでもやり切りたい
ただの自己満足だけど

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