真人「へぇ~誰だ?」
鈴「さささは嫌だぞ!」
恭介「ふっ……見て驚くなよ」ニヤッ
恭介「彼がリトルバスターズの新戦力だ!」バッ
イチロー「どうも」ニコッ
イチロールートか(歓喜)
他メンバー「」
恭介「どうしたんだみんな、固まって」キョトン
謙吾「恭介、少しこちらにこい」
来ヶ谷「イチロー氏、少し待ってもらって構わない……でしょうか?」
イチロー「えぇ、素振りでもしていますから」ブンッ
~~
真人「なんでバリバリのメジャーリーガーがいるんだよ!」
謙吾「神北や能美など固まってしまっているぞ!」
クド「」
小毬「」
理樹「あはは……でもなんでイチローさんがいるの?恭介」
恭介「あれはなだなぁ……」
少し前・ニューヨーク
恭介「ふっ……就職活動で此処まで来てしまうとはな」
恭介「正直英語の面接とかわけがわからなかったが」
恭介「何しにアメリカまで来たんだ俺は……」ズーン
ガッシャーン!
恭介「な、何が起きた!?」
恭介「(廃車になった車と無傷の野球選手……?)」
イチロー「ふんっ!」
恭介「(野球選手が運転手に心臓マッサージしてるぞ、おい)」
運転手「ぷはっ!」
恭介「一発で蘇生……だと……」
イチロー「あっちゃー、やっちゃったよ」
恭介「どうしたんですか?……ていうかイチロー選手!?」
イチロー「ん、日本の高校生かい?いやぁランニング中に車と事故っちゃって……と言っても飛び出してきたのは向こうなんだけど……」
恭介「!」ピカーン
恭介「わかりました、この事故については俺が証言します。その代わりに―――」
~~~
理樹「リトルバスターズのコーチになってもらう……と」
恭介「おう!喜んで引き受けてくれたぜ!」ニカッ
来ヶ谷「というかさっきの話に、イロイロ突っ込むところがあったような気がするが」
謙吾「事情はわかった。相手が相手だ、待たすのも悪いし戻ろう」
イチロー「おや、話合いは終わったのかい?」
恭介「あぁ、待たせて悪かったなイチ」
理樹「(タメ口!?)」
イチロー「構わないさ恭介。ずっと素振りをしていたからね」ブンッ
理樹「(素振りしながらタメ口で返した!)」
イチロー「よし、じゃあ一言挨拶させてもらうよ」
イチロー「僕は皆も知っての通りメジャーリーガーだ」
イチロー「でもそんなことは気にせず気さくに話しかけてくれれば良いから」
イチロー「皆で楽しんで野球をしよう!」
イチロー「これからよろしく」
パチパチパチパチ
美鳥は誰にも渡さない
>>21
そういうスレじゃないから(震え声)
イチロー「じゃあまず皆の実力を見せてもらいたいんだが……」チラッ
猫「にゃ~」ゾロゾロ
イチロー「神聖なグラウンドに猫というのはね……」
鈴「う……あの。えと……」
理樹「(初対面で男の人相手じゃ無理がある、か)」
理樹「あの……イチローさん。この猫達は鈴……あの子に懐いてて……」
イチロー「大事な猫なら余計にグラウンドから離したほうが良い」
イチロー「ランディ・ジョンソンという投手が投げた球で鳩が無惨なことになってしまったのを知っているかい?」
イチロー「あれ以上のことが僕のノックでは起こるだろうからね」ニコッ
理樹「……わかりました(……あれ僕達の命も危なくない?)」
イチロー「よし、それぞれ守備位置についたね」
鈴「……」
理樹「(鈴……さすがに緊張してるのかな?)」
恭介「バッチこーい!」
真人「こいやぁぁぁぁ!」
葉留佳「もうヤケクソですヨ!!」
理樹「(あの三人は燃えてるなぁ)」アハハ…
来ヶ谷「……」
謙吾「……」
理樹「(あの二人は目がマジだ。そして……)」
小毬・クド「あわわ……」ガクガク
理樹「大丈夫かなぁ……」
鈴「……ふんっ!」ビュッ
理樹「!」
理樹「(いきなりの真ライジングニャットボール!これなら……)」
イチロー「はっ!」カキーン
理樹「(打ち返した……けど!)」
来ヶ谷「悪いな、イチロー氏。此処は十分守備範囲だよ……っと」パスッ
謙吾「よし良いぞ。来ヶ谷!早くファーストに!」
イチロー「君、片腕の野球はあまり感心しないよ。怪我を治すのも選手の仕事さ」
来ヶ谷「わかっている……え?」
謙吾「え?」
イチロー「ん?」
理樹「(チーム1守備が上手い来ヶ谷さんが捕球してから投げるまでに一塁に……)」アゼン
真人「ほえ~」ポカーン
恭介「さすがだぜ、イチ」フッ
イチロー「よし、大体皆のことはわかった」
イチロー「まずショートの君と恭介、そしてファーストの君が上手いね」
来ヶ谷「光栄だ」クスッ
謙吾「ありがとうございます」ペコッ
真人「な!謙吾が上手くて俺は上手くないのかよイチ!」
理樹「(真人も普通にタメ口になっててる!)」
イチロー「君は少しプレーが雑かな?別に下手というわけじゃないよ」
イチロー「他のみんなもそうだ。悪いところはあるけどこれからきっと直していける」
イチロー「そしてチーム一丸で強くなって修学旅行前の部長連合チームとの戦いに望もう!」
他メンバー「おー!」
~~~
イチロー「神北さんが?」
理樹「はい……実は―――」
イチロー「なるほど、最近練習に顔を出さないと思ったら、お兄さんの思い出を……ね」
イチロー「それで直枝君はどうするつもりなんだい?」
理樹「小毬さんの為に絵本を書こうかと……」
イチロー「良い案だね、力になるよ」ニコッ
~~
理樹「小毬さん!」
小毬「お兄ちゃん……?」
理樹「……僕は小毬さんのお兄ちゃんじゃないよ。ほら、この絵本を読んで!」
小毬「えほん……?」
にわとりさんとひよこさんとかわさきさん
理樹「(ん?)」
ひよこさんはにわとりさんになると自分のことを忘れまた卵に戻ります
かわさきさんも憧れの人と一緒にいると自分のことを忘れてしまいます
でもそれじゃいけません
ある日ひよこさんは全てを思い出します
かわさきさんは憧れの人と離れ離れになったうえ解雇されました
でもひよこさんは悲しくありません
でもかわさきさんはあきらめません
ひよこさんにはたくさんの仲間がいるからです!
憧れの人と同じチームじゃなくても同じ大陸にいるだけで満足だからです。怖い。
理樹「oh…」
理樹「こ、小毬さん…?」
小毬「り……き…くん。理樹君っ!」
小毬「私、これから幸せいっぱいみんなとい~ぱっい見つけるね!」
理樹「え、あぁ…うん!(えぇぇぇぇぇぇ!?)」
イチロー「その息だよ、神北さん」
小毬「イチローさん!」
イチロー「確かに誰かが亡くなるのは悲しい……けど誰かが亡くなったら誰かがその意志を継がなくてはならないんだ」
イチロー「さぁ!お兄さんの分もバットを振ろう」ブンッ
小毬「はいっ!!」ブンッ
~~~
美鳥「はい、みんなスポーツドリンクだよ」
真人「サンキュー!気が利くな、西園は」
クド「リトルバスターズの専属マネージャーさんは伊達じゃないです、わふ~」
理樹「ありがとう、西……」ハッ
理樹「(違う、これは美鳥じゃないか……)」
美鳥「な~んだ、まだ覚えてるんだ」ボソッ
理樹「!」
美鳥「早く私を『西園さん』って認めてよ、理樹君。大体、美魚はまだこのSSで一言もしゃべってないのよ?」ボソッ
美鳥「私が本当に『西園さん』かもしれないじゃない?」ニヤッ
イチロー「ふぅ……素振り1000回は楽じゃないな、もう歳かな?」
美鳥「イチローさんもスポーツドリンクどうぞ♪」ニコッ
イチロー「あぁ、ありがとう。西園さん」ゴクゴクッ
理樹「(やっぱりイチローさんも美鳥が西園さんだと……)」
イチロー「ところで今日お姉さんの西園さんは休みかな?話し方の感じからして君が双子の妹だと思ったんだけど」
美鳥「えっ…」
イチロー「どうしたんだい、そんな顔をして。まさか僕が西園さん……わかりにくいから下の名前で呼ぶけど、美魚さんと間違えると思ったのかい?」
イチロー「良いかい?確かにグラウンドに立ちプレーするのは選手だ」
イチロー「でも選手は数多くのスタッフに支えられて初めてグラウンドに立てるんだ」
イチロー「だからそのスタッフ……しかもたった一人のマネージャーの顔を間違える訳無いじゃないか」
イチロー「たとえ双子の妹だろうと、たとえ喋っていなかろうと、ね」
イチロー「さぁ練習再開だ!」
美鳥「……あの…理樹君、私帰る、ね」
理樹「あぁ……うん、お疲れ…」
イチロー「あぁ待って、西園さん」
美鳥「……はい?」
イチロー「君の名前を聞かせてくれるかな?」
美鳥「西園……美鳥ですけど」
イチロー「そうか、美鳥さんか。美鳥さん、今日は美魚さんの代わりをありがとう」
イチロー「また練習見においで」ニコッ
美鳥「は、はい!」キュンッ
~~
美魚「ホントに私に影を返して良いのですか?」
美鳥「だから良いって言ってるでしょ?あ、でも……」
美魚「?」
美鳥「もしニューヨークとかに旅行するときは変わってほしい……かも」
美魚「……わかりました」クスッ
~~~
理樹「はぁ……」
イチロー「おや、理樹君。また悩み事かい?」
理樹「(なんかもうイチローさんに相談すれば万事OKな気がしてきた)実は―――」
~~
イチロー「あの騒がしい三枝さんが……」
理樹「二人は……二人ともホントはお互いを憎みたくないんだと思います!」
イチロー「……よし!」
理樹「?」
イチロー「キャッチボールだ!」
佳奈多「なぜ私が三枝葉留佳とキャッチボールをしなければならないのかしら?」
理樹「二木さんも葉留佳さんに話があるんじゃないの?」
佳奈多「……別にないわ。話なんて別に」
葉留佳「やってよ、キャッチボール。お願い」ペコッ
佳奈多「っ!……少しだけ、よ」
~~
葉留佳「やはは、二人でこんなことするの久しぶりですネ」スッ
佳奈多「……そうね」パスッ
佳奈多「……」スッ
葉留佳「投げるときは何か言わなきゃダメだデスヨ!」パスッ
葉留佳「あのね―――」スッ
~~
葉留佳「キャッチボールしてたら私もお姉ちゃんも素直になっちゃってさ」
葉留佳「お互い隠してたこととか言わなきゃいけないこととか言えてさ」
葉留佳「仲直り、出来たよ。ありがとう、理樹君、イチローさん」
理樹「おめでとう、葉留佳さん」ニコッ
イチロー「姉妹や兄弟は大切にしないとね。……そういえば今シーズンのバットのデザイン決まったのかな、兄さん」
~~
??「おい!何連れて来てるんだ、理樹も鈴も強くなる気がしねぇぞ」
??「同感だ。これでは何のために俺達が世界を作っているんだか」
??「いや……こんなことになるとは……」
理樹「(その後もイチローさんは……)」
~~
クド「わたし、もう逃げませんっ!国に帰ります!」
理樹「でも危険なんじゃ……」
イチロー「よし、僕もついて行こう」キリッ
イチロー「選手の管理はコーチの仕事だからね」
~~
イチロー「理樹君の下駄箱にこんな下らないことをしたのは君達か」
高宮・勝沢「ひっ」
川崎「俺はイチローさんのスパイク舐めてましたけどね」
イチロー「今回のことは気にせずまたいつもの君の華麗なプレーを見せてくれ」ニコッ
来ヶ谷「わ、わかったよイチロー氏……//」
~~
理樹「(リトルバスターズの面々の問題を解決していった)」
理樹「(そしてイチローさんに毎日鍛えられた僕達は……)」
~~
小毬「えいっ!」カツーン
イチロー「ナイスバッティング!」
部長「うりゃ!」カーン
葉留佳「はるちんスーパージャーンプ!」キャッチ
来ヶ谷「甘い!」カーン
川崎「華麗に打つね、イチローさんには敵わないけど」
美魚「これで10点目ですね。イチロー×川崎……あまり美しくないです」
~~
理樹「(見事、部長連合にコールド勝ちした!)」
~~
イチロー「じゃあお別れだね、みんな」
クド「わふ~寂しいです……」
葉留佳「はるちん今年はヤンキース応援しますよ!」
小毬「これ!お菓子焼いたので帰りの飛行機の中で……」
イチロー「ふふ、ありがとう」ニコッ
イチロー「最後に一つ」
イチロー「人を成長させるのは簡単なことではない」
イチロー「余計な手助けをせず全てを当事者に任せ、過酷な環境で育てるのも一つの手だろう」
イチロー「だが僕はこの約2ヶ月で出来るだけ頼れる自分の姿を見せてきた」
イチロー「自分の背中で仲間を導き成長させる……これがかつてリーダーとして侍達を率いた僕のやり方だからだ」
イチロー「もし君達がこの先困難に陥ったら『イチローならどうするか』そんな風に考えてほしい」
恭介・真人・謙吾「……」
イチロー「では!」
~~
理樹「(皆はバスの中……ガソリンに引火する恐れも…)」
理樹「(考えろ、考えるんだ……イチローさんならどうするか)」
理樹「(それで真人も謙吾も恭介も助けてリトルバスターズを作り直したじゃないか!)」
理樹「!」
理樹「鈴!木の枝を折って修学旅行の荷物の衣服で担架を作ろう!」
鈴「わかった!」チリン
~
理樹「最後の恭介を、運べば……」
理樹「(マズイ!火の手が……爆発に巻き込まれる!)」
鈴「理樹!恭介!!」
ニューヨーク
A・ロッド「ヘィイチ!バックホームダ!」
イチロー「……!」ビューンッ
黒田「イチローさんどこに投げてるんですか!?」
イチロー「……選手のピンチを救うのはコーチの役目だからね」
黒田「?」
~~
理樹「!?」
理樹「(いきなり飛んできた野球ボールが僕らを吹っ飛ばして……)」
理樹、お前とイチローは凄いよ
奇跡を起こしたんだ
俺にだって―――できやしない
誇りに思うぜ
~~
恭介「よし、全員乗り込んだな」
小毬「お~け~だよ!」
葉留佳「はるちん、アメリカなんて初ですヨ!」
クド「長旅です、わくわくっ♪」
真人「まさか招待券を送ってくれるとはな」
謙吾「試合のチケットだけじゃなく飛行機代も出してもらうのは悪い気がしてしまうが」
理樹「でも楽しみだよね、イチローさんの試合」
川崎「だな!」
来ヶ谷「イチロー氏の本気のプレーを生で見れる日が来るとはな」クスッ
鈴「イチローならどんな球でも打つ!絶対だ!」チリン
美魚「えぇ、とても楽しみです。……美鳥、あとで…ですよ」ボソッ
恭介「行き先はニューヨーク・ヤンキーススタジアム!さぁ出発だ!」
おわり
このSSまとめへのコメント
なんか途中から混ざってるんですがそれは大丈夫なんですかね?