律「恋人らしい雰囲気作る気ないの?」「和「こっちの台詞よ!」 (16)

りつんち!



律「勉強めんどくさーい!!」

律「夕方までまだ時間あるな。っていうわけでゲームのレベル上げでもするか」

律「素人にはこの作業の面白味がわかんないんだよなー」ピコピコ

律「いかに細かいところで作業行程を短縮するかを考えるのは楽しいんだぜー」

律「経験値稼ぎは楽じゃない。時間との勝負だからな。ひたすら野生のモンスターを倒す!倒す!倒

す!」

律「そうして得る経験値を育てたいモンスターに学習装置で与える。この作業を効率化するなら――

――」

和「あんたの人生の経験値も上げたほうがいいと思うんだけど?」

律「うわわああああああああああ!?」

律「どうやってわたしの家に侵入したんだよ!」

和「律が合鍵をくれたんじゃない……」

律「だからって音も無くわたしの部屋に忍び込むことはないだろ!」

和「律が勉強をサボっていないか様子見にきたのよっ」

律「あ、あたしにだってプライベートってもんが!」

和「そのプライベートで律が誤った道に進むつもりなら、まずはそのプライベートをこじ開けるまでよ」

律「横暴だ!暴君だ!鬼嫁だ!」

和「いいからゲームを片付ける!ノート、参考書、筆記用具を机に……そのまえに部屋がちらかりすぎ!!部屋の掃除をしなさい!」

律「ひいえええええええ」

律「厳しいぜ和……鬼嫁だ鬼嫁」

和「嫁嫁うっさいわよ……わかったわよ、部屋の掃除くらい手伝ってあげるわよ」

律「えっマジ?やっほほーい」ゴロリ

和「あんたもやるのよ」

律「へいへーい……」

和「……そんな調子でほんとうに澪たちと同じ大学に入学するつもり?」

律「ギクッ」

和「もし澪たちと離ればなれになったら格段に集合できる機会は確実に減るわね。HTTが空中分解しないといいけど」

律「グサッ」

律「やめてくれー!精神攻撃はたくさんだ!まだ殴ってくれたほうがすっきりする!」

和「えっ殴っていいの?」つ 電子辞書

律「今の戯言はお気になさらないでくださいまし……」土下座

和「あらこんなところにゲームキューブが」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

律「やめて!それで殴られたらあたし死んじゃう!」

和「そうそう、差し入れにケーキ買ってきておいたわよ。駅前の人気店の」

律「そういうことは先に言ってくれよ~!埃舞うから和は部屋の外で待っててくれ!」ドタドタ ドタドタ

和「こういう切り替えの速い犬、見たことあるわ」

べんきょう!



律「………………」カリカリカリ

和「………………」カリカリカリ

律「………………」カリカリカリ

和「………………」ちらっ

和(感慨深いというかなんというか。授業中は眠るか遊ぶかする律が、こうして黙々とノートに計算式を書き込んでる)

和(集中するときはするのね。フフッ)

律「なあ、唯の勉強は見なくていいのか?」カリカリ

和「あの娘は澪が見てくれてるから大丈夫」

律「さいですか」カリカリ

和「で、調子はどう?わからないところはない?」ズイッ

律「き、急に寄ってくるなあっ!!」ガバッ

和「……なんでノートを隠すのかしら?」

律「さ、さあてな……ははははは」

和「いいから見せなさい!」

律「ハハア!」土下座

和「……これ、どの問題を解いてるの?何の計算してるの?」

律「ハハア!目的の相手を倒すにふさわしいモンスターの理想的な努力値を求めているであります」

和「バカやってんじゃないわよ!!ちょっとでも見直した私がバカだった!!」

律「和でもバカやるんだな、ハッハッハッ」

和「・・・・・・」つ ゲームキューブ

律「ごめんなさい調子乗りました」

和「・・・・・・」m9

律「無言で問題を指さされると怖い」

和「ん……!ん……!」m9

律「鬼嫁ぇ……!」カリカリカリ

和「……ん!!」m9

律「な、なんだよ!」

和「ん!!ん!!」m9

律「えと……この部分が間違ってる、て言いたいのか?」ビクビク

和「ん、ん!!」

律「えぇ、ここも違うのか」

和「んー……ん!ん!」

律「頼むから話してくれよ!!」

和「ふんっ!」

律(こええ……和のこんな一面初めて見たぞ……)カリカリ

律「――――勉強つかれた……こんなに長く机に向かったのいつ以来だ」

和「たった4時間程度じゃない……間に夕食を挟んだし」

律(和の不機嫌プレッシャーで一分が10分くらいに感じるんだよ……)

律(せっかく恋人と二人っきりで過ごしてるのにそーゆー空気が欠片もない、つーのは悲しいぜ……)

和「あら、もう9時?それじゃわたしは帰らせてもらうね」

律「えーっ!?帰るのか!泊まっていかないのかよ!」

和「でもお泊りの準備してきてないし……」

律「そこはこっちでなんとかするから!ね~おねがいのどか~」

律(和の機嫌損ねたまま帰すなんて私にゃ怖くてできねーよ!)

和「は~……そこまで言うならいいわよ」

律「よしっ!それとな、ほんとは和の家に行って渡そうと思ってたんだけどこれを受け取ってくれ」

和「あら……この包みって」

律(食いついた!中身は誕生日プレゼントだが……)

和「……へー」ちらっ

律「な、なんだよ。開けないのか?」

和「律が私の誕生日を覚えててくれてたなんてね。明日は雨ね」

律「あっ、バレた?ていうかなにその反応?和の中のわたしはどんだけ薄情なんだ……」

和「アハハ、冗談よ。ありがとう」ガサガサ

和「……なにこれ?鉛筆?にしては装飾過多だけど」

律「バト鉛だ!そいつをサイコロと同じように転がして、出た目の技で相手を攻撃するんだ」

律「もちろん鉛筆としても使えるから受験勉強に最適だぜ!?遊び方教えてやるよ!」つ 律鉛

和「どこの世界にこんな鉛筆で遊ぶ受験生がいるのよ!?もう怒った!そこに直りなさい!!その性根たたきなおしてあげる!!」

律「マジメに選んだのにー!!」




つぎのひ!

和弟「わーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

和妹「わーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


和「弟たちの遊具にはなるのね」

和「律ったら遊びに向ける情熱を勉強に向けてくれれば……」

和「あっ、そうだ」

とあるひ!




律「がおー律っちゃん鬼だぞー」

和弟「おにはーそと!」豆ヒュンッ

律「ハッハッハッ遅い遅い!」サッ

和弟「わー!おにがきたぞー!逃げろー!」

和妹「わーーーーーーーーーーーーーーーー」

律「待て待てー!」

和「……豆まきと鬼ごっこを掛け合わせるとはね。やっぱり律は遊戯のプロだわ」

和「そして将来……良いお母さんになる」

和弟「グースピー……」

和妹「むにゃむにゃ……わーーー…………」

律「……ちびる……あまいんだな…ぁ……zzz」

和「遊び疲れてみんな昼寝してしまった」

和「大豆がちらかり放題なのに……掃除するように後で叱らなきゃ」

律「やめぇ……のどか……んん……zzz///」モゾモゾ

和(真昼間からなんの夢見てんのよバカ……)








和「膝枕で我慢しなさい」なでなで

律「zzz」にこーっ



おしまい!

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