一夏「これが…俺たちの!」浩一「正義だあああああッ!」 (20)

『鉄のラインバレル』と『IS インフィニット・ストラトス』のクロスSSとなります。
IS世界に浩一クンが入り込む形のクロスオーバーとなり、
浩一クンは20巻90話『デウスエクスマキナ』で転送フィールドでブッ飛んだ時点の状態です。
(本誌で浩一クンの飛ばされた時点の体感時間は約1時間だと決着着いちゃってますケドそこは申し訳ないのですがスルーします)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1391341205

忘れてました、投下は明日になります。

浩一「うおおおおおおおああああああッ!!?」

浩一(お、落ちる!!どうなってんだここ!?光の…中だ!)

どこまでも一直線にラインバレルと早瀬浩一少年が落ちていく。
重力など働いているかどうかさえわからない光の空間を、白い巨体が堕ちていく…

浩一「それならァ!カウンターナノマシン起動…オーバーライドで抜け出せば!!」

浩一(どこに出るかはわかんねェケド、とにかくやるしか!)

白い鉄が真っ黒な姿に染まっていく。
座標計算もないままオーバーライドを行えばどうなるかわからない、それでもやる…それが早瀬浩一少年の決断だった。
地球の危機に、こんなところで一人だけグズグズしていられないと『正義の味方』として思ったからだ。

直後、早瀬浩一少年の集中はその目に入り込んだもののために霧散する。

浩一「じょ…冗談だろ、なんだアレ」

「乗っているはずの」ラインバレルと、先ほどまで戦っていたヒトマキナ。
その二つがすれ違う瞬間。
その一瞬だったはずのモノは、まるで永遠のように早瀬浩一少年の脳裏に焼き付けられた。

浩一「ラインバレルはここに…どうして、あのヒトマキナが…」

浩一「ひ、光が…広がっていく…」

混沌とした思考の最中で、早瀬浩一少年とラインバレルは広がる真っ白な光に共に飲まれていった。





スパァン!!

千冬「…頭の硬い奴だな、お前は」

浩一「…夢かよ」ヒリヒリ

浩一(ファクターじゃなかったら相当痛いぞ、コレ!?)

一夏「自己紹介、お前の番だぞ」

浩一(じ、自己紹介?やべ、何も考えてないぞ…)

山田「あ、あの、今『あ』から始まって『は』の早瀬クンだから、自己紹介、お願いできるかな」

浩一「そんな畏まらなくても…」

浩一「あ、早瀬浩一です、よろしくお願いします」

浩一「………え、その」

一夏「クッ…!!」

一夏(お、俺と同じ状況に陥った…ククッ)

浩一「あー、えー、えっと…あ!正義の味方やってました!よろしく!」

一夏「えぇ!?」

エー!?セイギノミカター!?ザワザワ

浩一(や…やっちまったァ!!)

浩一「なんでこんなコトになったんだよ…」ボソッ

浩一(思えばアレは、もう2か月くらい前か…)





浩一「上空!?下は…日本か!?」

浩一「やった!とりあえずは戻ってこれたか!広い場所にうまく着地しねェと」

浩一「あそこの…グラウンドがいい!テールスタビライザーを吹かせば…!」

浩一「間に合うか!?」

相当な速度で上空を自由落下している。
姿勢を制御しテールスタビライザーを展開して飛行装置を起動してもすぐには減速できない状況だ。
最悪不時着となる、ラインバレルはもつだろうが周辺への被害は間違いなく避けられない。
すでにグラウンドの茶色が広がり迫ってきている、減速しきらねば――

――ごしゃあ、とレンガが壁に直撃するような鈍い音と衝撃とがラインバレルに走った。

浩一「がっ!?あ…何だよ!」

見えない壁を突き破ってもなおラインバレルは地上に落ちる。
そして…砂埃を巻き上げグラウンドに不時着した。

浩一「う…いってェー、ガンガンゆすられた…人がいるんなら、降りて話さないとな」

中の空気が外へと飛び出る音と共にコクピットがせり出し、
横たわるラインバレルから早瀬浩一少年が身体を出した。


周りを見回すとすぐに異変に気付いた。
何やら物々しい鉄の鎧…と呼ぶには少し露出の高いモノを着込んだ者たちが早瀬浩一少年を取り囲んでいる。
そしてその中の一人が早瀬浩一少年に近づき、語りかけた。

??「貴方…コレはなんなの?どういうつもり?テロが目的なのかしら」

浩一「テ、テロだなんて違う!俺はただコイツに乗ってココに不時着しちゃっただけで…」

??「まぁ…なんにしろ身柄は拘束させてもらうから、みんなお願いね」

浩一「拘束…!?おい!ちょっと…くっ!」

鎧を着た―どうやら女性のようだ―二人が両腕をきっちり抱え込む。
自分はファクターであるというのに、競り勝てる気がしない…とんでもない力だ。

浩一(…仕方ないか、とりあえず落ち着いてから事情を話すしかない)

そうしてとうとう観念して、浩一はとりあえずおとなしく捕まっておくことにした。

千冬「ご苦労、あとは任せろ」

グラウンド…と言うよりかドームに近かったようだ――の扉を出て廊下を少し歩くと、
スーツ姿の女性が現れ侵入者…浩一を預かるとのように脇の二人に言った。
鎧姿の二人は言われるとすぐさま浩一を離しそのまま戻っていった。

浩一「…俺を離していいんですか」

千冬「お前にもう抵抗する気は残っていないだろう?」

まさか、見抜かれている?そんなバカな、この人は心が読めるってのか?
心の内を見透かされているようで浩一は内心穏やかでなかった。

千冬「こっちだ、入れ」

言われるがままに扉に近づいた、自動で開いた扉をよそに部屋を一瞥すると…なんのことはない、ただ机一つと椅子が二つあるだけだ。
殺風景極まりない部屋だった、尋問でもするのだろうか…と浩一は冷ややかに未来を予測してみた。
スーツ姿の女性は先に座ると、こちらを見ながら首をもう片方の椅子に向けた。
座れ、ということだろう。

千冬「目的から聞こうか」

浩一「目的なんて…俺はただ、ここに不時着しただけなんですよ」

千冬「あんなデカブツに乗ってか?…まず目的は置いておこう、アレは何だ?ISではあるまい」

浩一「IS?…あれは、その」

ニュースなどでも騒がれている、しかし目の前の女性の職業もわからないままマキナの存在を教えていいものか?
一人で決着のつく問題ではないにしろ浩一は悩む、悩みから返答に詰まってしまう。

浩一(…そうだ、JUDAに連絡がつけば!俺の名前を出せばきっとなんとか…)

浩一「…JUDAに連絡とってもらえますか?そうしたら」

千冬「JUDA?どこの特殊部隊名だ、言え」

浩一(え!?まさか、JUDA特務室がバレてる!?…いや、そうじゃない、JUDAを知らない?)

少なくとも2020年にいてJUDAを知らないなんてことはありえないはずだ。
裏では加藤機関と戦っていた武装組織だが、あくまで表では知る人もいない程の超巨大製薬会社のハズなのだから。

千冬「山田先生、『JUDA』です、調べられますか?」

スーツ姿の女性は何やら端末を取り出し他の者と連絡をとっているようだ。
しかし、いよいよもって早瀬浩一少年にはわけがわからなくなっていた。
転送フィールド同士がぶつかると光に飲まれてもうひとつのラインバレルとヒトマキナのボスと会って、
気づくと日本の上空に投げ出されそして衝撃と共に不時着したかと思えば拘束、連行。
『なんだァ!?この状況はァ!?』とでも言いたくなる。

浩一(いや、そういえばそもそも引っかかっていたものがあった)

浩一(さっきまでいた女の子2人の着てた鎧、アレはなんなんだ?)

浩一「あなたたちのアレ、なんなんですか?もしかして新型のアルマなんじゃ」

千冬「アルマ?アルマとは何だ、あれはISだ」

浩一「だから…なんなんですかISって!あれはアルマ!俺のはマキナ!そうでしょう!?」

千冬「アルマ…マキナ…ラテン語で『武器』と『機械』、間違ってはいない」

千冬「しかしアレだけのモノに乗っていながらISを知らないなどと、下手な嘘はよしてもらおうか」

千冬「山田先生?ああ、結果が出たか…それに、お前の言うおそらく武装組織の『JUDA』はどこにも存在しない」

千冬「結果に引っかかったのは極少数の零細企業ばかりだ、とぼけるのもいい加減にしてもらおう」

浩一(れ、零細企業…!?そんな、ウソだろ!?)

千冬「それと…なに!?なんだと!?」

浩一(どうなってるんだよ…まさか、まさかだケド…)

明らかに焦りを見せたスーツ姿の女性を尻目に、浩一は一人今の状況を整理する。
JUDAが存在せず、世界中の新聞の一面を飾る巨大ロボットにさえ誰も見覚えがない。
もしかしてここは、転送フィールドの影響で飛ばされた別の世界なんじゃないのか――
そんな恐ろしい、しかし納得のいってしまう答えを浩一ははじき出してしまった。

千冬「…お前の乗ってきたデカブツが消えたそうだ、どこへやった?言え!」

浩一「…は!?ラインバレルが!?ウソだろ!」

千冬「嘘ならこうしてお前に訊く必要はない、いい加減にしろよ、質問しているのは私だ」

浩一「く…くそッ!」

千冬「!?待て!」

椅子を蹴り倒してとうとう浩一は扉に向かって駆け出し、そして…

浩一「うおおおおおおッ!!」ズガァッ

千冬「…バカな、あの扉を素手で!?」

思いっきり踏み込み、分厚く硬いハズの鉄の扉を、まるでそれが容易く見えるまでに素手で殴り壊した。
浩一は記憶を頼りに再びアリーナへ…外へ、走り出す。
それを同じく扉から千冬が追う。
どちらも、驚異的な速度で。

千冬(…あれだけの走る速度、力は常人に出せるモノではない、奴は何者だ?)

浩一「くっ…そォォ!!」ゴシャアァ

アリーナの扉も走る勢いのままに蹴り壊し、再び外へ出る。

浩一「ラインバレル!来い、ラインバレルッ!」

千冬「おい!何を始めるか!」

浩一(なんでだ!ファクターじゃなくなったワケでもない、感じるのに…どうして来ない!)

浩一「ラインバレル…!俺が来いって行ってるんだ!だから来いよォ!」

千冬(…とうとう気でもふれたというのか?しかし、そうも思えない)

台本形式でやるべきかどうか迷ってるんですケド
見てくれている人がいたらどちらがいいか書いてもらえませんか?

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年05月31日 (土) 00:53:02   ID: zKcHrQQr

続きないんすか?

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