リト「モモがベッドに潜り込んでくるかと思うと眠れない」(461)

――リトの部屋


リト「最近、起きたらいつもモモがいるんだよなぁ……」

リト「しかもなぜかかなり着崩した格好で……」

リト「……」

リト「うぅ、駄目だ駄目だ。朝のことを考えると……」ドキドキ

リト「な、なんで俺こんなにドキドキしてるんだ……」

リト「…………」

リト「どうしよう、やっぱり眠れない」

リト「なんでモモは毎回もぐりこんでくるんだ……」

リト「そのせいでここのところずっと寝つきが悪くて睡眠不足な気がするし」

リト「……そもそもモモはいつ潜り込んできてんだよ」

リト「(やっぱり朝方なのか?)

バタン

リト「(あれ、誰か部屋にきた?)」

モモ「リトさん♪」

リト「(モモ!?)」

モモ「ふふ、もうぐっすりお休みですかー?」

リト「(こんな時間から来てたのか……)」

モモ「あぁ……相変わらず可愛い寝顔……」ジュルリ

リト「(やばい、なんで俺寝た振りしてるんだ!?)」

モモ「失礼します」ガサゴソ

リト「(――!!)」

モモ「あれっ、なんだか……」

リト「(あ、寝たふりがバレたか)」

モモ「ふふ、なんだかここも落ち着くようになってしまいましたね」

リト「(どういうことなんだよー!!)」

モモ「もしかしたらリトさんにいつの間にか調教されて……、ふふ」

リト「(してない――! そんなことしてないからーー!!)」

モモ「あらっ?」

リト「(今度こそバレたか!?)」

モモ「なんだか、今日のリトさん暖かいですね」スリッ

リト「(うわああああ、そんなに密着されると……)」

モモ「やっぱり落ち着きますね」

リト「(俺が落ちつかねーー)」

モモ「お休みなさい、リトさん」

リト「(休めない……)」

モモ「……すぅ」

リト「(結局ここで寝るのか……)」

リト「(と、とりあえず十分くらい待って様子を見てみよう)」

リト「……完全に寝てる」

モモ「すぅ……すぅ……」

リト「うぅ、駄目だ。このままじゃまた寝不足の授業中就寝ルートになる」

リト「……欠伸でもしようものなら、なぜか毎回古手川に怒られるんだよなぁ……」

リト「……どうしよう」

リト「(このままじゃ絶対眠れないし……)」

リト「(ていうか、寝てる間にモモがどんなことしてるか知ってしまったせいで明日から今まで以上に眠れなくなるような……)」

リト「(……)」

リト「い、いや。それよりとにかく今日だ」ボソッ

リト「うーん、といっても」

リト「(……そうだ、モモがここにいるってことはモモのベッドは今は空いてるはず)」

リト「(そっちなら…………いや、俺は何を考えて……)」

リト「……」

リト「駄目だ、なんか頭もぼぅっとしてあんまり回らない」

リト「(……と、とりあえず、今日のところはモモの部屋に逃げよう)」

リト「(明日モモに怒られたら、その時は誠心誠意謝ろう)」

リト「……うん」

――モモの部屋


リト「結局……きてしまったけど……」

リト「(モモの部屋のベッドってでかいよなぁ……やっぱりお姫様だからか)」

リト「……」モフ

リト「…………すごく柔らかい」

リト「(……なんかすぐ眠れそうだ……)」

リト「(……モモの匂いがする……)

リト「……」フルフル

リト「(何考えてるんだ、俺。これじゃ変態じゃないか……)」

リト「(というよりモモの匂いって……)」

リト「(やっぱ気づけばモモがベッドの中にいたりするから、無意識のうちに鼻が覚えてるのか?)」

リト「(駄目だ駄目だ……意識するな……無になれ)」

リト「……」

リト「……すぅ」

リト「……zzz」

―――

「おいっ」

「このっ…おき……てば……ケダ…ノ」

リト「なんだよぉ……まだいつもより早くないか」スカスカ

リト「あれ? いつもの位置に時計が……」フニュ

「なっ!?」

リト「ん? ……ふにゅ?」

「どこ触ってんだ、このケダモノ!!」ボコッ

リト「!!」

リト「な、なに? 何が起こったんだ? って……ナナ?」

ナナ「お前……」

リト「ナナがどうしてここにって……あれ?」

ナナ「なんでお前がモモのベッドで寝てるんだよー!!」

リト「へ? モモのベッド? ……あっ」

リト「ち、ちがっ。これはモモが……」

ナナ「モモが?」

ウィーン

モモ「はぁ……リトさん、どこへ行ったのかしら……ってあらっ?」

モモ「……」

リト「……」

ナナ「……」

モモ「……えっ?」

リト「……」

モモ「…………リトさんのベッドの中にお姿がないと思ったら、なぜこちらに?」

リト「えっと、そのだな……」

ナナ「このケダモノがここで寝てたんだよ」

モモ「?」

ナナ「理由は本人に聞けよ」

モモ「…………」

リト「その、えっと……」

モモ「……はっ!! まさか」

リト「え?」

モモ「まぁ! リトさんがその気になっていただけたのなら私としても、嬉しいですけど……」

リト「は?」

ナナ「なんだよ、その気って!!」

モモ「まずその気になってくださったのならお姉さまのところへ行ったほうがよろしいんじゃありませんか?」

リト「違うから!! なにか勘違いしてるって」

モモ「はっ!!」

リト「次はなに?」

モモ「もしかして、私を強くお望みですか!?」テレッ

リト「だから違うって」

ナナ「だから、なんの話なんだよー!」

モモ「ふふ、照れないでくださいよぅ、リトさん。ふふ、それならそうとおっしゃってくれれば……」

リト「本当に違うんだってば」

モモ「? じゃあ、なんでここに……」

ナナ「いいから人の話しをきけー!!」

リト・モモ「!!」

リト「――――と、いうわけで」

モモ「そういうことだったんですか……残念です」

ナナ「……モモ……お前…」

リト「とにかく、勝手にモモのベッドを使ったことは謝るよ。悪かった」

モモ「い、いえ、それは……」

モモ「(元はといえば私が原因ですし……)」

モモ「それより、リトさん」ゴニョゴニョ

リト「ん?」

モモ「ふふ、女の子のベッドはどうでしたか?」ヒソヒソ

リト「なっ!!」

ナナ「二人で何をヒソヒソと話してるんだよ」

リト「ど、どうって……」

モモ「ふふっ、覚えていてください。それが女の子の匂いってやつですよ?」

リト「!!」

ナナ「なんだ?」

リト「も、もう俺は下の階に下りるから」ダッ

モモ「あっ」

ナナ「?」

モモ「(顔真っ赤にして逃げるリトさん、かわいい)」

ナナ「なんでリトは急に逃げるように降りていったんだ?」

――リビング


美柑「あれっ、リト? いつもより早い?」

リト「あぁ……ちょっとな」

ララ「おはようリトー。あれ?」

リト「なんだ?」

ララ「リト、寝不足? 目の下にうっすらくまができてるよー」

リト「はは……」

ナナ「聞いてくれよー、姉上」

ララ「あっ、ナナも戻ってきたね」

ナナ「このケダモノが自分の部屋にいないと思ったら……」

ララ「? ……どこにいたの?」

ナナ「モモの部屋のベッドの中」

美柑「!? ど、どういうこと!?」

ナナ「美柑?」

美柑「(ま、まさかリトのほうからモモさんに……?)」

リト「だぁっー!! だから違うって」

ナナ「間違ってないだろー」

リト「だからしょうがなかったんだって……」

ララ「?」

美柑「?」

モモ「私が寝ぼけてリトさんのベッドに入ってしまったので、
   リトさんが気を使ってくれて自分が移動してくれただけですよ?」

リト「モモ!」

美柑「モモさん!」

ララ「あはは、モモにも困ったもんだね~」

美柑「それで? リトがモモさんのベッドに、ってこと?」

モモ「はい」

ララ「リト、やっさしい~」

ナナ「どうだか……」ボソッ

美柑「……」ジトッ

リト「い、いやほんとにそうなんだって!!」

美柑「……はぁ……まぁリトだしね」

リト「なっ、どういう意味だよ!!」

美柑「(それより絶対モモさんわざとだよね……)」ジトッ

モモ「ふふ」ニコッ

夜――リトの部屋

リト「さすがに今日は自分の部屋で……」

リト「(……うん、いつものベッドだ)」

リト「…………」クン

リト「?」

リト「……なんだか」

リト「……女の子の良い匂いがする」

リト「(ヤバイ、駄目だこれ……)」

リト「(昨日モモのところで寝たせいか、完全にモモの匂いを覚えてしまった気がする……)」

リト「(今まで意識してなかったのに……)」

リト「本格的にやばいなぁ……」

リト「(意識しはじめたら、もう眠れる気がしねー)」

………

……

――朝


リト「結局あんまり眠れなかった……」

リト「(うぅ……自分の情けなさに涙が)

「リトー、もう起きてるー?」

ガチャ

美柑「あれ、起きてるじゃん」

リト「あ、あぁ、おはよう」

美柑「おはよう。起きたなら早く着替えて準備したほうがいいよ。ララさん達もう下で待ってるから」

リト「ああ、すぐ行く」

美柑「?」

美柑「なに、また眠れなかったの?」

リト「い、いや」

美柑「昨日はモモさんも来なかったはずでしょ?」

リト「うん」

美柑「単純に夜更かし?」

リト「まぁ、そんなようなもんかな」

リト「(ベッドからモモの匂いがするから眠れなかったなんていえるわけがないよな……)」

美柑「ふーん……」ジトッ

リト「?」

美柑「まぁ、早く起きてきなよ。下で待ってるから」

……

リト「あれ、そういえば美柑はなんでモモがこなかったこと分かってるんだ?」

―――


美柑「(うーん、昨日は注意してたけどモモさんがリトの部屋にいく様子はなかったし……)」

美柑「(単純にリトが夜更かししただけ、かな?)」

モモ「あ、美柑さん。リトさんどうでしたー?」

美柑「うん、もうすぐ降りてくるとおもうよ」

モモ「起こしに行くのなら私が行きましたのに~♪」

美柑「モモさんがいったら、絶対におかしなことになるでしょ」

モモ「おかしなこと?」

美柑「そう」

モモ「はて、おかしなこととは?」

美柑「それは……」

モモ「もしかして、なにかおかしなことでもあったんですか?」ニヤニヤ

美柑「は?」

モモ「朝から寝ぼけたリトさんにベッドに押し倒されるとか」

美柑「なっ!?」

モモ「それからリトさんの巧みな指使いで……」

美柑「あ、あるはずないでしょ、そんなこと!!」

モモ「ふふ、冗談ですよぅ」

美柑「ぐっ……」

―――

リト「ふぁ~」

ララ「あっれ、またリト寝不足?」

リト「ん、ちょっとな」

モモ「(……? 昨日は私もベッドに訪れてないはずよね……なぜ?)」

ナナ「また、どうせ妙なこと思い出してデレデレしてたんだろ」

リト「なっ!!」

ナナ「!! その反応は図星なのか」ジトッ

リト「い、いや違う。違うから」

ナナ「どうだろうな」ジトッー

リト「ほんとに何もしてないし考えてない」

ララ「あはは。あ、っとそろそろ行かないと遅刻しちゃうよ?」

リト「そうだな。それじゃあ美柑、先に出るな」

美柑「うん、いってらっしゃい」

ララ「いってきまーす」

美柑「(大丈夫かな……)」

美柑「(帰ってきたらもう一度聞いてみるかな)」

――夕方

リト「ふぁ~……」

美柑「また欠伸してる」

リト「えっ? あ、すまん」

美柑「……あんた、夜更かししてたっていうの嘘でしょ?」

リト「!」

美柑「やっぱり嘘なんだ。顔に出てる」

リト「う……」

美柑「で、なんで眠れなかったの?」

リト「いや……実は……」

美柑「?」

………

……

美柑「はぁー!? モモさんの匂いがして眠れなかったって……」

リト「あ、あぁ……」

美柑「はぁ……」ジトッ

リト「だって、しょうがないだろー! 俺には刺激が強すぎるんだよー」

美柑「あっ……」

リト「えっ?」

美柑「……あんた、今夜どうすんの?」

リト「……えっ」

美柑「だってシーツとか洗ってるわけないし、今日もその、匂いとか」

リト「あっー!! 考えてなかった」

美柑「……どうすんのよ」

リト「……」

美柑「……」

リト「うぅ……」

美柑「……はぁ……この際だから私のところで寝る?」

リト「美柑の? い、いや、さすがにそれは」

美柑「へ、変な意味じゃないからねっ!!」 

リト「いや、それは分かってるけど……」

美柑「あんた、寝不足で本当に倒れちゃったらどうするの」

リト「……それは」

美柑「結局、後で苦労するのは私なんだから」

リト「……ああ、もうっ!! 分かったよ、それで頼む」

――深夜・リトの部屋

モモ「(ふふっ、昨日は我慢しましたから、今日は……)」

ガチャ

モモ「(失礼します、リトさん)」

モモ「(……?)」

モモ「あらっ?」

モモ「……いない?」

――美柑の部屋


リト「(やばい……成り行きでこんなことになっちまったけど……)」

リト「み、美柑?」

美柑「……」

リト「寝たのか?」

美柑「……」

リト「(……そ、そうだよな! べ、別に兄妹だからそんなに意識する必要はないよな……!)」

リト「(そういや、昔もこうやって寝たことがあるしな……うん)」

リト「……寝よう」

リト「……」

リト「…………zzz」

――

美柑「(ど、どうしよう……ついあんなこと言っちゃったけど……)」

美柑「(ていうか、和室に布団でも敷けば良かったんじゃ……)」

「み、美柑?」

美柑「!!」

美柑「……」

「寝たのか?」

美柑「(つい寝たふりしちゃった……どうしよう)」

美柑「……」

「……寝よう」

美柑「(こっちがこんな思いしてるのに、平気ってわけ?)」

美柑「(うう……前にリトの布団でモモさんを待ち伏せしてたときはいつのまにか寝ていたから良かったけど……)」

美柑「(こんなことならあんなこと言うんじゃなかったかも)」

「……zzz」

美柑「(もう寝たの?)」

美柑「……」

美柑「……バカ兄貴」ボソッ

美柑「(あぁ、もうっ! いつまでも考えても仕方ないし)」

美柑「(私も寝よう)」

美柑「……」

美柑「少しくらいいいよね……」

モゾモゾ

リト「ん……zzz」

美柑「(こうやってリトにくっついてると昔のこと思い出すなぁ……)」

美柑「(暖かい……)」

美柑「……」

美柑「……すぅ」

――

コソッ

モモ「(よくわからないけど、そういうことだったんですか……)」

モモ「(ふふっ、そういうことなら私は今日は戻りますね)」

――朝

「あぁーっ!!」

美柑「えっ」ガバッ

美柑「な、なに!? あ、朝?」

ナナ「み、美柑。なにやって……」

美柑「え?」

ナナ「その、それ……」

美柑「えっ? ……あっ」

リト「ん……」

ナナ「リトと一緒に寝てるって……」

美柑「ち、違うから! ナナさん、そういうことじゃないから!」

リト「……ん、なんだ、もう朝?」

ナナ「……」

美柑「……」

ナナ「このっ、起きろーケダモノーー!!」

リト「!!」

―――

ナナ「いつもなら起きてるはずの美柑がいないから、様子を見にきたら……」

リト「……はい」

美柑「……はい」

ナナ「で、どうなってんだ?」

リト「いや、それが……」

ナナ「?」

美柑「えっと、モモさんがこの前ベッドに潜りこんでたでしょ?」

ナナ「……うん」

美柑「それで、リトが気になって眠れないっていうから」

ナナ「気になってって……? なにが?」

リト「……」

美柑「……」

ナナ「?」

リト「その、匂い……」

ナナ「はぁ?」

リト「いや、だって駄目なんだって……その、なんていうか良い匂いがするっていうか」

ナナ「?」

美柑「それが気になって眠れないんだって、だから私が……あ、別に変なことはないからね」

リト「……」

ナナ「……」ジトッ

リト「(そんな怖い目でにらまなくても……)」

ナナ「ふんっ……」

美柑「そ、それより、はやく準備しないと!!」

リト「え?」

美柑「いつもより起きるのが遅かったみたい」

リト「えー、なんで?」

美柑「とにかく、はやく起きる!」

リト「あ、あぁ」

美柑「(いつもより熟睡してしまったなんて……言えるわけがない)」

―――

美柑「あー、もういつもなら朝ごはんの準備も終わってる頃なのに……」

美柑「(うーん、やっぱりリトのせい?)」

美柑「……」フルフル

美柑「(……少し懐かしかっただけだよね)」

美柑「うん」

モモ「ふふっ、美柑さん。なにが、うん、なんですか?」

美柑「モモさん!?」

モモ「美柑さんが起きていらっしゃらないので、今日は一応私が朝ごはんを用意してみました」

美柑「あ、ありがとう」

モモ「……」

美柑「な、なに?」

モモ「ふふっ、昨夜はお楽しみでしたね」ヒソヒソ

美柑「なっ!?」

モモ「冗談ですよぅ~」

美柑「言っておくけど、モモさんが考えてるようなことは何もないから!」

モモ「だから冗談ですってば。でも……」

美柑「?」

モモ「随分と安眠できたご様子ですね」

美柑「まさか、モモさん何か私に使ったりした?」

モモ「いえ何もしてませんよ」

美柑「……」ジトッ

モモ「これは本当なんですって。……でも」

美柑「なに?」

モモ「何か使われたんじゃないかって思えるほど快適でしたか?」ニヤニヤ

美柑「!?」

モモ「ふふっ、やっぱり美柑さんもリトさんのベッドに潜りこんでみますか?」

美柑「そんなことするわけないでしょー!!」

モモ「ふふっ」

―――リビング


リト「うぅ……」

リト「(さっきからナナからの視線が痛い)」

ナナ「……」ジトッ

美柑「ほらっ、朝ごはん食べたなら急がないと」

リト「あ、あぁ」

モモ「あ、リトさん、襟が……」

リト「ん、どこ?」

モモ「あ、じっとしててください。ここです」

リト「ん、サンキュー。モモ」

モモ「いえいえ」

美柑「(む、またモモさんベタベタして……)」

ナナ「……」ジトッー

リト「(まだ見られてる……)」

―――夜


リト「今日一日ナナの目が痛かった……」

リト「さすがに明日になって、少しでもマシになればいいけど……」

リト「……」

リト「ああー、もう寝よう!」

リト「……」パタッ

リト「……そういえば今日の朝どたばたしてたせいか結局シーツ洗ってない……」

リト「(つまり……)」

リト「……はぁ」

リト「(気づかなければ良かった。意識しちまったから今日もたぶんもう駄目だ……)」

トントン

リト「(ん、またモモか……?)」

リト「はい」

ガチャ

ナナ「……」

リト「ナナ?」

ナナ「その……ちょっといいか?」

――ナナの部屋

リト「(ナナに言われるがままついてきちまったけど……)」

リト「な、なぁ、ナナ?」

ナナ「え?」

リト「えっと、なんなんだ? 一応ここまではきたけど……」

ナナ「その、あたしの……」

リト「?」

ナナ「あたしのベッド使っていいぞ!!」

リト「……え?」

リト「……ええええええ!?」

ナナ「そ、その勘違いするなよ! モモのせいだっていうなら、姉のあたしにも責任があるしな」

リト「(姉って……双子じゃ……)」

ナナ「だから、その、仕方が無いからあたしのベッドで寝てもいいよ」

リト「……うん……え?」

ナナ「ただし、その半分からこっちには来るなよ」

リト「(……なんでこうなったんだ……)」

ナナ「だから、お前はそっちな」

リト「いや、そうじゃなくて……」

ナナ「あーっ! もう、寝るから静かにしろ!」

―――

リト「(結局押し切られてしまった……)」

リト「(…本当のところあんまり向こうにいるのと変わらないよなぁこれ)」

リト「(でも、ナナも気を遣って言ってくれたんだろうし……無碍にするのもな……)」

リト「(ナナが寝静まってから戻ろう……うん)」

リト「(それまでは寝たふりでなんとかしよう)」

………

……

リト「(……そろそろナナは寝たか?)」

ナナ「……」

リト「(……寝てる……?)」

ナナ「……リト」ボソッ

リト「(!?)」

ナナ「……リト、もう寝てるのか?」ボソッ

ゴソゴソ

ナナ「ね、寝てるよな?」

リト「(……う、なんか罪悪感が……)」

ナナ「……うん」

リト「(……?)」

ナナ「この前の……暖かかったな……」ボソッ

リト「(この前?)」

ナナ「……少しだけ」ピトッ

リト「(!!)」

ナナ「っと、腕をこっちの背中に回して……」

リト「(こ、これはとんでもないことになってるんじゃ……)」

ナナ「……なんか違うなぁ……」

リト「(全部! この状況の全部がおかしいから!!)」

ナナ「もっとこうぎゅうっと……うーん……」

リト「(ナナは気にしてるけど、やっぱり女の子って色々と柔らかいよなぁ……)」

リト「(……いや、なんてことを考えてるんだ俺……)」

ナナ「しばらくこのままで……」

リト「(……だいたいナナがなんで……)」

ナナ「……」

リト「(寝ぼけてるのか? うん、きっとそうだな……うん)」

ナナ「………」

リト「(第二皇女っていっても、まだこの歳だし寂しかったりするのかもしれないよな……)」

ナナ「……zzz」

リト「(この状態じゃ、抜け出せないしなんとか今日は耐えよう……)」

―――リトの部屋

モモ「あら? 今日もいらっしゃらない」

モモ「……?」

モモ「また美柑さんのところ?」

モモ「……というより……なにか私の知らないところでおいしいことが起こってる予感がっ」

―――朝


「あっれー? なんでリトがナナのところで」

「ナナったら……私には色々と言っていたのに……」

ナナ「ん、姉上? モモ?」

モモ「おはよう、ナナ」ニヤニヤ

ナナ「ん、おはよ……あれ、なんだこれ動け……」

ナナ「!!?」

リト「んん……」モゾモゾ

ナナ「ちょ、どこ触って……やめ……ん……」

モモ「まぁ! なんてうらやま……いえ、なんて面白いことに」ワクワク

ララ「リトー、起きないと遅刻しちゃうよー!」

リト「うーん……」ガサゴソ

ナナ「だ、尻尾は……ん……あ……このっ……!!」

モモ「あっ」

ララ「あっ」

ナナ「いい加減にしろーーっ!!」

リト「ひっ!? えっ? な、なんだ……って、ナナ?」

リト「(あぁ……そうか昨日はナナのところで)」

ナナ「このケダモノがー!!」

―――

リト「いてて……なんで朝からこんなことに……」

ナナ「っ……り、リトが悪いんだからな」

ナナ「(……でもやっぱりあったかかったな……)

リト「ははは……」

モモ「ふふっ、リトさん。美柑さんに続き昨夜はナナですか」ニヤニヤ

リト「は?」

ララ「えっ、リト、そんなことしてたの?」

モモ「このまま順当にいくと……」

リト「何いって……」

モモ「今日はお姉さまですか?」ニヤニヤ

ララ「!!」

リト「!!」

ララ「うわっ、それいいね! うん、じゃあ決定ー!」

リト「おま、勝手に決めるな」

ララ「えぇー、私だけ除け者はひどいよー、リト」

リト「う……」

ララ「……」

リト「あぁ、もう分かったよ! ただし裸はやめろよ」

ララ「うん!」

美柑「……リトは部屋にいないし、ララさん達は降りてこないし……と思ってたら何してるの?」

ララ「ごめんねー、美柑。すぐいくよー」

美柑「早くしないと遅れちゃうよ?」

モモ「……」

美柑「モモさん?」

モモ「あ、いえ、なんでもありません」

美柑「?」

モモ「(このまま順当にいくと次は私の番……!)

モモ「(楽しみにしてますね、リトさん)」

―――夜


リト「(なんでこうなっちまったんだろう……)」

リト「(モモにしろ美柑にしろナナにしろ、誰にしたって眠りは浅くなるんだよなぁ……)」

リト「(うぅ……ララのおかげで最近女の子耐性もマシになってきたと思ってたんだけどなぁ)」

トントン

「リトー、入るよー」

リト「ほんとにきたのか……」

ララ「えへへ、だってリトから許可が出たからね」

―――

ララ「こうやってリトと寝るのも久しぶりだね」

リト「そういや前はララの尻尾とくっついたときか」

ララ「うんうん! でも今日は仕方なしにじゃないよ?」

リト「……」

ララ「リト?」

リト「なんでもない。早く寝るぞ」

ララ「?」

リト「(寝るぞ……とは言ったものの……そんなにすぐ眠れるはずないよなぁ……ましてやこの状況)」

ララ「ねぇ、リト」

リト「ん」

ララ「もう少しくっついていい?」

リト「は!?」

ララ「駄目……?」

リト「(……そんな顔されたら)」

リト「……いいよ、好きにしろよ」

ララ「えへへ」ピトッ

リト「ちょ、くっつきすぎだって……」

ララ「ええー」

リト「(これは完全に寝不足コースだな……)」

リト「いいからはやく寝ろよ」

ララ「リト」

リト「今度はなんだよ……」

ララ「前くっついちゃったときも言ったけどね」

リト「?」

ララ「やっぱり私ずっとこうしていたいと思うよ」

リト「……」

ララ「さ、寝よっか」

リト「……」

リト「(……たぶん俺……ララのこういうところも好きなんだろうなぁ……)」

リト「(い、いや、でも俺には春菜ちゃんが……)」

リト「(……と、とにかく寝よう)」

リト「(うまく眠れるかわからないけど……)」

―――朝


リト「……ん」

リト「……あ、もう朝か」

リト「(結局あんまり眠れなかったな……)」

ゴソゴソ

ララ「むーー?」

ララ「リト?」

リト「あ、起こしたか」

ララ「ううん、もう朝?」

リト「ああ……」

リト「……!!」

ララ「?」

リト「お、お前、服は!!」

ララ「え? あっ。 たぶん寝ている間に脱いじゃった……あはは」

リト「と、とにかく服をきろー服を!」

ナナ「おーい、美柑がバカ兄貴起こしてこいって……」

リト「あ」

ララ「?」

ナナ「……」

リト「(あ、これは……もう後の展開が読め……)」

ナナ「姉上に何してんだー!! この不埒者ーっ!!!」

―――夜

リト「もういやだ。もうそろそろまともに寝たい」

リト「学校で欠伸がふえてるせいか、いつもより古手川の目が厳しい気がするし」

リト「今日こそはゆっくり自分のベッドで寝る」

リト「うん」

トントン

ナナ「はいるぞ、リト」

リト「ナナか……」

ナナ「……」

リト「な、なに?」

ナナ「その、また……えっと……」

リト「?」

ナナ「あー、もう! まだ気になるんだったら私のところ使っていいからなっ!!」

ナナ「モモのせいだから仕方ないしな……」

ナナ「そ、それだけだ!!」ダッ

リト「……」

リト「(いったいどうなって……)」

………

……

トントン

リト「(また誰か……)」

美柑「リトー、入るよー」

リト「美柑?」

美柑「また眠れないとか言ってるんじゃないかと思って来てみたけど……」

リト「あ、あぁ……」

美柑「……」ジトッ

リト「ん?」

美柑「だ、大丈夫そうよね」

リト「……?」

美柑「も、もしまた眠れなかったら私のところに来てもいいから」

リト「あ、あぁ。ありがとう美柑」

美柑「そ、それじゃあ」

リト「あぁ……」

リト「(ほんとにどうなってるんだ……)」

………

……

トントン

リト「(何なんだよ!今日は)」

ララ「リトー」

リト「今度はララか」

ララ「?」

リト「いや、なんでもないこっちの話。なに?」

ララ「えっと、今日も……駄目?」

リト「……」

ララ「リトー?」

リト「(……いったいどうしてこうなったんだ……)」

ララ「おーいリトー?」

リト「(……もういい加減寝不足で死ぬかもしれない)」

―――モモの部屋

モモ「最初が美柑さん……次がナナ……そして昨日がお姉さま……」

モモ「なんでこんなことになってるのか分からないけど、このまま順当に行くときっと今日は……」

モモ「ふふっ……」

モモ「いつでもいいですよぅ、リトさんー」

………

モモ「そ、そろそろリトさんが来てもいいんじゃないかしら?」

………

モモ「リ、リトさーん……もう私も寝ちゃいますよー……」

………

モモ「……リトさん……私は? 私はどうなってるんですかー!?」グズッ


終わり

おまけ


―――学校

古手川「ちょっと結城君!!」

リト「え? 古手川?」

古手川「たるんでるわ」

リト「?……何が?」

古手川「さっきも授業中、欠伸ばかりしていたじゃない……」ジトッ

リト「いや、あれは……」

古手川「寝不足なの?」

リト「うん、いや、ちょっとだけ」

古手川「……」ジトッ

リト「な、なに?」

古手川「……なんで寝不足なの?」

リト「は?」

古手川「ど、どうせあなたのことだから普段の生活態度が……」

リト「ははは……」

古手川「……で、なんでなの?」

………

……

籾岡「まーた、結城が唯に怒られてるよ」

沢田「もう日常風景だね」

春菜「(結城君、寝不足なのかな……?)」

籾岡「春菜?」

春菜「え……?」

沢田「なにか考え事?」

春菜「ううん、なんでもないの」

籾岡「ま、唯達のあれのなにが面白いって……」

春菜「?」

沢田「?」

籾岡「ま、いっか」

籾岡「(唯の席から結城の席なんて見えるはず無いのにそれに気づくってことは……)」

籾岡「(どれだけ普段から意識してるかってことよね)」

色々やりたかったが今度こそ尾張
学校組みの添い寝なんてそこにどうやってもってくかわかんねぇし、時間ねえし、バイトだし、俺も19買いに行きたい

あとお前らハガキの無駄だから19に乗ってるらしい100名プレゼントとかいうのにハガキ出すなよ。資源の無駄だからな
100名とかどうせあたらないんだから絶対出すなよ!!

誰か学校組み書くなら書いてどうぞ

なんだこれ
保守はありがたいが、添い寝までのネタがねえつってんだろ!!
誰かが言ってる保健室ネタぱくっちゃうぞクソ

古手川「で、なんでなの?」

リト「いや、それは……」

リト「(絶対に言えるわけ無いよな……)」

リト「(間違いなく俺が怒られることになるしな)

古手川「?」

リト「えーと、その……」

籾岡「唯~、許してあげなって」

古手川「籾岡さん?」

リト「なんだ、籾岡。急に出てきて」

籾岡「せっかく助け舟出してあげようってのに、その態度はないでしょ結城~」

リト「はぁ?」

籾岡「ね、唯。結城だって男なんだし、察してあげなよ~」

古手川「察すって……」

籾岡「あ・れ・よ。あれ。睡眠不足ってことはあんまり寝てないってことでしょ……」

籾岡「つまり深夜にララちぃと……」

古手川「なっ!?」

リト「おい、籾岡!!」

籾岡「あっらー、図星だった~、結城~」ニヤニヤ

古手川「は、ハレンチだわ!!」

リト「んな、ことやってるわけないだろ!!」

古手川「……」ジトッ

リト「いや、ほんとにそんなことしてないって」

リト「(成り行きで一緒に寝たりしちゃったけど……)」

古手川「……ほんとうなの?」

リト「……そんなことできるわけないだろ」

古手川「……」

リト「……」

古手川「ふんっ、でも生活がだらしないっていうのは変わりないんだからね!!」

リト「……はい」

籾岡「ま、でも、倒れたりしたらあれだし、そんな状態なら保健室でもいってくれば?」

リト「ん、そうさせてもらう」

古手川「……」

リト「……?」

古手川「……なによ?」

リト「いや、古手川のことだから睡眠不足くらいで保健室いくのを怒るかと思って」

古手川「なっ!? あなたね!」

籾岡「(あーあ、結城の奴一言多いから……)」

古手川「さすがに私だって、そんなことで怒らないわよ!」

リト「あ、あはは……」

古手川「まったく……それに倒れられたりしたら大変でしょ」

古手川「……はぁ……はやくいってきたら?」

リト「あ、あぁ」

………

……

―――保健室

リト「あれ、御門先生いないのか?」

リト「……」

リト「(ま、いいや。とりあえずベッド借りよう……)」

リト「ここなら少しは寝れるだろ」

………

……

―――休み時間

ガラガラ

古手川「失礼します」

古手川「……あら? 御門先生は……」

古手川「結城君?」

古手川「(あっちのベッドかしら?)」

テクテク

古手川「結城君?」

リト「……」

古手川「(……寝てる)」

リト「……zzz」

古手川「(いつまでも戻ってこないから見にきたら……ずっと寝てたのかしら?)」

リト「……zzz」

古手川「……」フルフル

古手川「(こ、これじゃあ私が凄く心配してたみたいじゃない!! 私はただ風紀委員として……)」

古手川「(……風紀委員はあんまり関係ないか)」

古手川「(そ、そうよ。クラスメイトとして心配だからよ、うん)」

古手川「(……すごく気持ちよさそうに寝てる)」

リト「……zzz」

古手川「どんな夢をみてるんだか……」ボソッ

リト「ん……」

古手川「(あ、起こしちゃったかしら……)」

リト「……zzz」

古手川「(まったく……)」

リト「……ん………」

古手川「えっ?」

リト「うーん……」

古手川「(袖をそんなに引っ張ったら……!?)」

リト「……」

古手川「(ちょ、ちょっとそんなに引っ張ったら……)」

古手川「あっ」

パタッ

古手川「(えっ…………ゆ、結城君!?」

古手川「(ど、どうしよう。引きずりこまれちゃった)」アタフタ

リト「……zzz」

古手川「(……だ、駄目……どこ触って……)」

リト「……んん……やわらかい……」

古手川「(ほ、ほんとにこれどうしよう!!)」

リト「……」

古手川「(こ、こんなところ他の人にみられたら……)」


――――

籾岡「唯ってば、やっぱり自分が一番ハレンチだったんだ~」

――――

古手川「(いやあ、それだけは駄目! 絶対駄目なんだから!)」フルフル

あれ、無印では古手川さんでダークネスでは唯呼びになってなかったっけ

古手川「(……でも、どうしよう)」

リト「……うーん」ガサゴソ

古手川「(……結構力強い……やっぱり結城君も男の子なんだ……)」

リト「……zzz」

古手川「(ほ、ほんとにどうすれば……)」アタフタ

リト「……ん」ガサゴソ

古手川「(ちょっと、そこ、スカート……駄目……ん……)」

古手川「(どこに手を入れて……)」

リト「……うーん」

古手川「(……収まった……? で、でも結城君に抱かれてて出られない……)」

古手川「(お、起こしたほうがいいの? でも、こんな状況……どうやって説明すれば)」 

古手川「(それにスカートもめくれ上がっちゃってるし……)」

古手川「……はぁ」

リト「……」

古手川「……まったく、人がこんなに大変なことになってるのに暢気な顔で寝ちゃって……」デコピン

リト「……」

古手川「……」

古手川「(……ふぅん……結城君……結構たくましいいんだ……)」

古手川「……」ピトッ

リト「……zzz」

古手川「(あっ……)」

リト「……うーん」

古手川「(な、な、なんてことを私……!」

古手川「(駄目よ、ハレンチだわ私)」

リト「……」

古手川「(はぁ……仕方ないか……このまま放してくれるまでもう少し待ちましょう……)」

古手川「………」

古手川「……」

リト「……zzz」

古手川「……」

リト「……」

古手川「……すぅ」

………

……

―――

古手川「……」パチッ

古手川「え……」

古手川「嘘、もしかして私……寝て……」

古手川「い、今は……嘘……もう昼休み前じゃない!!」

古手川「あっ、結城君は……」

リト「……zzz」

古手川「(良かった……まだ寝てる)」

古手川「(私が授業をさぼって寝てたなんて……)」

古手川「(い、いえ、それ以前に隣で寝てたなんて……知られたら)」

「あらっ、起きたのね?」

古手川「え?」

御門「ふふ、おはよう。古手川さん」

古手川「み、み、御門先生!?」

御門「お邪魔だったかしら?」クスッ

古手川「なっ!? ち、違いますから! 先生が考えてるようなことなんて!!」

御門「ふふ、安心しなさい。他の人は誰も来なかったから……」

古手川「ほ、ほんとに違いますから!」

御門「それより、そろそろ彼も起こしてあげて」

古手川「え? あっ」

御門「席を外している間に結城君がベッドにいると思って驚いていたら、古手川さんまでいつのまにか増えてるなんてね」

古手川「ちょ、ちょっと!! 結城君、起きなさい!!」

リト「うん……?」

古手川「もうっ!! はやく起きなさい!!」

リト「え、あれ? 古手川」

古手川「やっと……」

リト「? なんで古手川がいるんだ?」

古手川「――!!」

古手川「そ、それは」

御門「ふふ、古手川さんは……」

古手川「御門先生!!」

リト「?」

古手川「私はあなたがいつまで立っても戻ってこないからサボってるんじゃないかと思って見に来ただけよ」

御門「ふふっ、そうらしいわ」クスッ

古手川「先生!」

リト「……? よく分からないけど、サンキューな古手川」

古手川「う、うん」

リト「それじゃあお世話になりました、御門先生」

御門「はいはい、お大事にー」

―――廊下


リト「いや、ほんとごめんな古手川。迷惑かけて」

古手川「いいわよ、それくらい……」

リト「本当は一時間くらいで戻ろうと思ってたんだけどなぁ、うまく起きれないもんだなぁ」

古手川「それはあなたが普段からだらしないからでしょ」

リト「はは……その通りかも」

古手川「……」

リト「古手川、さっきからこっちを見ようとしないけど、もしかして怒ってる?」

古手川「いいえ、そんなことないわ」

リト「?」

古手川「(まともに結城君の顔が見れないなんて言えないじゃない!!)」

古手川「はぁ……」

古手川「いい、結城君!!」ビシッ

リト「ん?」

古手川「あなた、少し自分の寝てる時のことを自覚しなさい」

リト「は?」

リト「(寝てる時って……?)」

リト「俺、やっぱり古手川になにかしたか?」

古手川「……ふんっ」プイッ


おまけ尾張

おまけ2

―――昼休み・屋上


リト「古手川やっぱり怒ってたよなぁ、あれ……」

リト「(いったい俺寝てる間になにしてるんだよ)」

リト「そういえば前にモモのなんか似たようなことを言ってたような……」

リト「……」

リト「ま、考えても仕方ないし。今は……」

リト「っと……正直ここで寝るのが一番おちつくかもしれない……」

リト「………」

リト「……すぅ」

………

……

メア「あれ? 屋上に先客?」

メア「あれは?」

メア「せ~んぱい、こんなところで何をしてるんですか?」

メア「?」

メア「あっ、またお昼寝中ですか」

リト「……zzz」

メア「……こんなところで眠ってたらまた繋がっちゃいますよー」

リト「……zzz」

メア「……あっ、そういえば今朝モモちゃんとナナちゃんが面白い話をしてたなぁ」

―――

メア「ナナちゃん、今日なにかあったの?」

ナナ「へ? 特になにもないけど、なんでだ?」

メア「ううん。なんだかナナちゃんがご機嫌そうに見えたから」

ナナ「えっ、そ、そんな顔してたか?」

メア「うーん、なんとなく、かな」

モモ「ふふ、ナナが機嫌がいいのは~」

メア「モモちゃん?」

ナナ「わっ、モモ! 余計なこと言うな!」

メア「えー、なになに~?」

モモ「ナナは今日リトさんの胸の中で眠れたから機嫌が……」

ナナ「わああああああああ、違うから!」

メア「せんぱいの?」

モモ「えぇ、それはもうリトさんのご寵愛を」

ナナ「で、でたらめ言うなー!」

―――

メア「……って言ってたし……」

メア「気持ちいいのかな?」

リト「……」

メア「……」

リト「……」

メア「えへへ、せんぱい、隣失礼しまーす」

リト「……zzz」

メア「コンクリートだから下はやっぱりちょっと冷たい……」

メア「……!!」ピコーン

メア「せんぱい、ちょっと腕しつれいしますね~」ガサゴソ

メア「……うん、なんだか素敵っ!」

リト「……」

メア「ナナちゃんは胸に抱かれてって言ってたから、もっと先輩に近かったのかな」ゴソゴソ

リト「ん……」

メア「あはは、先輩の息くすぐったい……」

リト「……」

メア「んー、なんだかいい気持ち」

メア「あはっ♪ せんぱい、これだけ近いとぺろぺろしちゃいますよ~?」

リト「……」

………

……

「プリンセス・ナナからメアの姿が、プリンセスからは結城リトの姿が無いと聞いて探してみれば、いったいこれはどういう状況ですか」

リト「……zzz」

メア「……すぅ」

ヤミ「また結城リトは無防備に……」

リト「……」

ヤミ「少しは自分が私のターゲットであることを自覚してほしいものです」

メア「……」

ヤミ「メアもメアでなにを……」

ヤミ「……」

ヤミ「…………少し……気持ちよさそうですね」

ヤミ「……」

ヤミ「……そういえば前に私にもこんなことがありましたね」

ヤミ「……たしか結城リトと手が繋がってしまったときでしたか」

ヤミ「………」

ヤミ「………」スッ

………

……

リト「……ん」パチッ

リト「あ、そうかたしか屋上に……」

リト「あれ……なんか腕が重い……」

リト「……!!」

メア「……すぅ」

リト「なっ!?」

メア「……zzz」

リト「なんでメアが」

リト「お、おい、メア」

メア「……あれ? せんぱい」

メア「なんで先輩が……」

リト「こっちのセリフ……っと、いてっ」

メア「?」

リト「そろそろ頭を上げてくれると助かる」

メア「あっー!」

メア「あはは、そういえば眠ってるせんぱいを見てたらつい……」

リト「おいおい……」

メア「腕をお借りしちゃいました」テヘッ

リト「っと、それより今……何時……って、あれ……?」

メア「どうしたんですか、せんぱい?」

やっちまった
一行目のメアの「先輩」はひらがなってことで

リト「なんか左腕も痛いというか、鈍いというか」

メア「……? 私が借りてたのは右腕だけですよ?」

リト「……うーん、なんだろ……やっぱり、屋上で寝るのは無茶だったかな」

メア「(……あれ?)」

メア「(先輩の左腕になにかついてる?)」

メア「……」ヒョイ

リト「どうかしたのか?」

メア「いえ、なんでもないですよ~?」

リト「そっか。あっ、やば、早く教室に戻らないと……メアも戻ったほうがいいぞ」

メア「は~い」

リト「じゃ、先にいくから」スタスタ

メア「……これって」

メア「(金色の……髪の毛?)」

メア「(お姉ちゃん……?)」

おまけ2尾張

尾張尾張
どうせ明日は朝~夕でバイトでその間書けないしもう保守はいらんぞ
そんなことする暇があるならありったけの19買ってきてハガキ書けよ

19のクッソあざといモモ可愛すぎてワロタ
あとメア可愛い

ToLoveるSSもっと増えればいいのに……
お前らが書けばいいのに……

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